JP2004361592A - Ccm基板およびこれを用いたel表示装置 - Google Patents

Ccm基板およびこれを用いたel表示装置 Download PDF

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Akihiko Okada
昭彦 岡田
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Abstract

【課題】カラーフィルタ層および色変換層を有するCCM基板に電極層を形成するのに先立ち、下層の各層を形成する工程等の改変を伴なうことなく、下層の段差の解消を可能にすること、および段差が解消されたCCM基板を用いたEL表示装置を提供することを課題とする。
【解決手段】基板2上に、BM(ブラックマトリックス)3、カラーフィルタ層4、色変換層5、および、好ましくはさらにオーバーコート層6が順に積層されており、カラーフィルタ層4もしくは色変換層5のいずれかの端部が他層の端部よりも基板2の端部側に延長された延長部8Aを有するよう積層して課題を解決することができた。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上のカラーフィルタ層および色変換層の端部が形成する段差により、その上に設ける電極層の断線が起こりやすい点を解消した、改良されたCCM基板、およびこれを用いたエレクトロルミネッセンス(=EL)表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
EL表示装置は、原理的には陽極〜陰極間に蛍光物質からなるEL発光層をはさんだEL素子からなるものであるが、実際にフルカラー表示が可能なEL表示装置を構成するには、三原色の各色を発光するEL素子どうしを配列する以外にも、幾つかの方式があり、それらの一つに、例えば、青色、もしくは青色および緑色に発光するEL素子と、青→緑、および青→赤にそれぞれ色変換する色変換区域を持つ色変換層(CCM層)とを組合せるCCM方式がある。
【0003】
CCM方式においては、ごく一般的には、基板上に、カラーフィルタ層および色変換層を積層したCCM(色変換)基板を用いる。図3は、上記のようにして構成された従来のCCM基板の端部の断面を示す図であり、図3(a)に示すように、従来のCCM基板11は、基板2上にブラックマトリックス(図ではBMと表示してある。)3、カラーフィルタ層4、色変換層5、およびオーバーコート層6が順に積層されてもので、これらのうちカラーフィルタ層4および色変換層5は、基板2の端部よりも内側に積層された結果、基板2のブラックマトリックス3上に、カラーフィルタ層4および色変換層5の各々の層の厚みの合計分の段差を生じ、その上に積層したオーバーコート層6の表面(以降も含めて、図中の上面とする。)にも段差7を生じる。
【0004】
着色樹脂層でカラーフィルタ層4および色変換層5を形成する場合、一例として、カラーフィルタ層4の厚みは2μm程度であり、色変換層5の厚みは10μm程度であるから、両層の厚みの合計である12μmの段差が生じる。この段差上に積層したオーバーコート層6は、段差を幾分解消するものの、オーバーコート層6の表面には依然として約7μm程度の段差が残る。
【0005】
このように段差を有する表面上に電極層を形成すると、電極層9の断線が生じやすい。というのは、電極層9は、電極層を構成する金属等の蒸着もしくはスパッタリング等の気相法によってもたらされる金属ガス10によって形成されるため、図3(b)に示すように、平坦部にくらべて、段差のある箇所の傾斜部においては、金属等の付着量が少なくなり、薄肉部9aを生じやすいためである。
【0006】
従来、有機EL素子電極と取り出し電極との接続に際し、取り出し電極の厚みが厚いために、取り出し電極の端部において段差が生じ、このため、取り出し電極の端部に乗り上げるように形成される有機EL素子電極の断線の問題があり、この場合の断線の問題は、取り出し電極の端部に順テーパー状部を形成することにより解消するとされている。(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−235890号公報(請求項1、図1)
【0008】
しかしながら、形成する層の端部に順テーパー状部を形成するには、特別なマスクをして露光する等の必要があるので、上記の特許文献1記載の方法を適用しようとすると、電極層の下層の形成の工程を改める必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明においては、カラーフィルタ層および色変換層を有し、好ましくは、さらに表面にオーバーコート層をも有するCCM基板に電極層を形成するのに先立って、表面に生じる段差の解消を、下層の各層を形成する工程等の、格別な改変を伴なうことなく可能にすることを課題とするものであり、また、そのような課題が解消されたCCM基板を用いたEL表示装置を提供することも課題とするものである。
【0010】
【課題を解決する手段】
発明者の検討により、電極層の下層に順テーパー状部を設けるのに替えて、下層のカラーフィルタ層4と色変換層5のいずれか一方を基板の端部側に延長して設け、両層が形成する段差も含めた二段階の段差を形成することにより、これらの両層の上の表面の段差が二段階となって、大きな段差を解消し得ることが判明し、本発明に到達することができた。
【0011】
第1の発明は、基板上に、少なくともカラーフィルタ層および色変換層が順に積層されており、前記カラーフィルタ層もしくは前記色変換層のうちの一方の層の端部が他の層の端部よりも前記基板の端部側に延長された延長部を有していることを特徴とするCCM基板に関するものである。
【0012】
第2の発明は、第1の発明において、前記延長部の延長幅が10μm〜500μmであることを特徴とするCCM基板に関するものである。
【0013】
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記カラーフィルタ層および前記色変換層の上には、前記延長部上も含めて、オーバーコート層が積層されていることを特徴とするCCM基板に関するものである。
【0014】
第4の発明は、第1〜第3いずれかの発明のCCM基板の前記カラーフィルタ層および前記色変換層が積層された上には、少なくとも第1電極層、EL発光層、および第2電極層が順に積層されて構成されたEL素子が積層されていることを特徴とするEL表示装置に関するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1および図2は、いずれも本発明のCCM基板の断面を示す図である。
【0016】
図1に示すように、本発明のCCM基板1Aは、基板2上にブラックマトリックス(図ではBMと表示してある。)3、カラーフィルタ層4、色変換層5、およびオーバーコート層6が順に積層されたものであって、図1に示す例においては、カラーフィルタ層4の向かって左側の端部が、基板2の向かって左側の端部側に、色変換層5よりも延長された延長部8Aを有しており、オーバーコート層6は、延長部8Aおよび延長部8Aよりも基板2の端部側、即ち、延長部8Aの無い部分も含めて積層されたものである。なお、カラーフィルタ層4および色変換層5の積層順は入れ替わってもよく、以降の説明においても同様である。
【0017】
従って、従来技術においては、カラーフィルタ層4と色変換層5とが重なったものと基板2との間に段差が生じていたのに対し、図1の例では、カラーフィルタ層4と色変換層5との間の段差と、基板2とカラーフィルタ層4との段差の二つの段差が生じており、オーバーコート層6を設けた場合にも、オーバーコート層6の表面に各々に応じた段差7aおよび段差7bの二つの段差が生じる。
【0018】
このように、従来は、一つの大きな段差によって、その上に設けられる電極層の断線が生じていたのに対し、本発明においては、二つの段差に分けることにより、段差のある箇所の傾斜部の傾斜が緩やかとなるために、従来は、傾斜部において金属等の付着量が少なくなりやすく、断線を起こしやすかった欠点が解消される。
【0019】
図2に示すように、本発明のCCM基板1Bは、色変換層5の向かって左側の端部が、基板2の向かって左側の端部側に、カラーフィルタ層4よりも延長された延長部8Bを有しているものであってもよく、そのほかの点は、図1に示すものと同様である。図2の例では、基板2上のカラーフィルタ層4のある箇所と無い箇所との境界に基づいて、色変換層5の表面に段差が生じており、かつ、色変換層5の有無によっても段差が生じている。従って、オーバーコート層6を設けた場合にも、オーバーコート層6の表面に各々に応じた段差7aおよび段差7bの二つの段差が生じるので、やはり、従来のように断線を起こしやすかった欠点が解消される。
【0020】
即ち、本発明のCCM基板1(符号1で1Aおよび1Bを代表させる。)は、カラーフィルタ層4および色変換層5のうちの一方の層の端部が他の層の端部よりも前記基板の端部側に延長された延長部8(符号8で8Aおよび8Bを代表させる。)を有していればよい。
【0021】
延長部8の延長幅、すなわち、図1もしくは図2の延長部8の左右方向の長さは、層4および層5を構成する素材、厚み、もしくは形成条件等にもよっても異なるが、10μm程度〜500μm程度であることが好ましく、より好ましくは10μm〜200μmである。延長幅が10μm未満であると、上述したような二つの段差が明確に生じないので、上記のような断線を起こしやすかった欠点が解消される効果が生じないし、また、延長幅が500μmを超えると、このように二つの段差が生じる効果の向上が見られない上、延長部8上に積層される電極が長くなるため、電極の抵抗の増加を招く不利が生じる。また、延長部8は、ブラックマトリックス3を伴なうときは、ブラックマトリックス3の画像を表示する部分の外周の額縁部に相当する部分であるが、この額縁部としてはできるだけ狭いものが望まれているので、延長部8の幅も狭くせざるを得ない。これらの点でより好ましい延長幅は200μm以下である。
【0022】
以上のようなCCM基板1の各層を構成する素材、および各層の形成方法は次の通りである。
【0023】
基板2は、通常、CCM基板1の観察側にあるCCM基板1全体を支える支持体であり、また、CCM基板1がEL表示装置に適用されたときには、EL表示装置の観察側にあり、有機表示装置全体を支える透明な支持体である。必要に応じて、さらに、観察側には、擦傷防止のためのハードコート層、帯電防止層、汚染防止層、反射防止層、防眩層等が直接積層されるか、もしくは透明フィルム上に積層されたものとして適用されていてもよく、あるいは、タッチパネルのような機能が付加されていてもよい。
【0024】
基板2を構成する素材は、大別すると、ガラスや石英ガラス等の無機質の板状透明基材、もしくはアクリル樹脂等の有機質の(=合成樹脂製の)板状透明基材、または、合成樹脂製の透明フィルム状基材である。厚みのごく薄いガラスも基板2として利用することができる。基板2としては、カラーフィルタ層4や色変換層5を形成する側の表面の平滑性が高いものを用いることが好ましい。
【0025】
基板2を構成し得る合成樹脂としては、種々の樹脂を挙げることができるが、中でも、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、メタクリル酸メチル樹脂等のアクリル樹脂、トリアセチルセルロース樹脂等のセルロース樹脂、エポキシ樹脂、または環状オレフィン樹脂もしくは環状オレフィン共重合樹脂等を挙げることができる。
【0026】
ブラックマトリックス3は、CCM基板1をEL表示装置に適用する場合であれば、発光する区域を区画して、境界部における外光の反射を防止し、画像や映像のコントラストを高めるためのもので、通常、黒色の細線で構成された、縦横の格子状等のパターン状に、もしくは一方向のみの格子状等のパターン状に形成されたものである。EL表示装置の発光は、このブラックマトリックス3の開孔部を経由し、観察側に到達する。また、ブラックマトリックス3は、カラーフィルタ層4、色変換層5、およびオーバーコート層6、並びに、CCM基板1上に積層するか、CCM基板とは別の基板に設けて配置する第1の電極層、発光層、および第2の電極層等の各層の形成の際のアライメント(位置合わせ)にも利用され得る。なお、ブラックマトリックス3がなくても、CCM基板1およびEL表示装置は機能を発揮し得るが、上記のような観点で、ブラックマトリックス3を設けることが好ましい。
【0027】
ブラックマトリックス3は、例えば、パターン状のクロム等の金属の薄膜か、もしくは、黒色等のインクの固化物等で構成されたものである。前者は、洗浄した基板2上に、クロム等の金属を蒸着、もしくはスパッタリング等の方法で薄膜として形成したものを、フォトリソグラフィー法等によりパターン化することにより得ることができ、あるいは、無電界メッキ法によってもよい。後者は、黒色のインキ組成物を用いた印刷法等を利用しても形成することができる。ブラックマトリックス5の厚みは、薄膜で形成する場合には、0.2μm〜0.4μm程度であり、印刷法によるときは0.5μm〜2μm程度である。本発明においては、カラーフィルタ層4および色変換層5がもたらす段差を解消することを課題するものであるので、その観点からは、ブラックマトリックス3も、厚みの薄い金属の薄膜からなるもので構成することが好ましい。
【0028】
カラーフィルタ層4は、各画素に対応して、赤色、緑色、および青色の三原色の微細区域が規則的に配列したものである。カラーフィルタ層4の形成は、例えば、各々の色に着色した感光性樹脂組成物を一様に塗布し、乾燥させた後、所定のパターン露光を行ない、その後、現像するプロセスを、各色毎に繰返すことによって行なうか、もしくは、各々の色に着色したインキ組成物を形成して印刷することによって行なう。カラーフィルタ層3の厚みは、1μm〜2μm程度である。
【0029】
色変換層5は、青色、もしくは、青色および緑色に発光するEL素子と組合せて用いられ、各画素毎に、赤用、緑用、および青用の三種類の区域が規則的に配列して構成されたものであり、赤用区域は、EL素子からの入射光、例えば、青色光を、青色から赤色に変換し、緑用区域は、EL素子からの青色光を、青色から緑色に変換する機能が付与されたものである。なお、青用区域は、原則的には色変換を行なう必要がないので、何も設けなくてもよいが、本発明においては、色変換層自体の段差を少なくする目的で、青用区域に無色透明層を積層して、何もないことによる凹部となる事を防止することが好ましい。
【0030】
ブラックマトリックス3を伴なうときは、色変換層5はブラックマトリックス5の開孔部に設けるが、通常は、図1もしくは図2における手前側から奥側の方向に帯状に設け、既に説明したカラーフィルター層4も同様である。
【0031】
色変換層5の赤用区域および緑用区域は、上記したそれぞれの色変換を行なう赤色変換蛍光体もしくは緑色変換蛍光体を、樹脂中に溶解もしくは分散した組成物で構成されている。
【0032】
赤色変換蛍光体としては、例えば、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン等のシアニン系色素、1−エチル−2−[4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル]−ピリジウム−パークロレート等のピリジン系色素、ローダミンB、もしくはローダミン6G等のローダミン系色素、またはオキサジン系色素等を挙げることができる。
【0033】
緑色変換蛍光体としては、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−8−トリフルオロメチルキノリジノ(9,9a,1−gh)クマリン、3−(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン、もしくは3−(2’−ベンズイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン等のクマリン色素、ベーシックイエロー51等のクマリン色素系染料、または、ソルベントイエロー11、もしくはソルベントイエロー116等のナフタルイミド系色素等を挙げることができる。
【0034】
色変換層5の形成は、上記の赤色変換蛍光体、もしくは緑色変換蛍光体を、好ましくは感光性樹脂、必要に応じ、溶剤、希釈剤、もしくはモノマー等、さらには、適宜な添加剤と共に混合して、各区域形成用の感光性樹脂組成物とした後、これらの感光性樹脂組成物を一様に塗布し、乾燥させた後、所定のパターン露光を行ない、その後、現像するプロセスを、各色毎に繰返すことによって行なうことができる。あるいは、所定の色に着色したインキ組成物を形成して用い、各色毎に印刷することにより行なってもよい。青用区域は、上記の感光性樹脂組成物もしくはインキ組成物から各色変換蛍光体を除いたものを用いて形成することができる。色変換層5の厚みは、2μm〜20μm程度が好ましい。
【0035】
オーバーコート層6は、その上の各層が積層される際の積層の対象であると共に、EL素子を、下層の各層、特に色変換層5から遮断する役割を有し、透明樹脂で構成される。色変換層5からの遮断は、色変換層5が含有する溶剤や水分がEL発光層を構成する素材の性能を低下させることを防止することにあるので、溶剤や水分の影響を他の手段で回避できる場合には、省略し得る。もちろん、オーバーコート層6は、オーバーコート層6が設けられる下層の凹凸をならす作用があるので、有った方がよいが、本発明におけるように、カラーフィルタ層4と色変換層5とを互いにずらして設けることにより、それらの上の凹凸が緩和されるので、省くことも可能である。
【0036】
オーバーコート層6を構成する透明樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、もしくはポリアミド樹脂等の通常の塗料バインダ用の透明樹脂を挙げることができるが、さらには、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する電離放射線硬化性樹脂(実際には、電子線硬化性樹脂もしくは紫外線硬化性樹脂であって、後者であることが多い。以下、感光性樹脂もしくは感光性樹脂組成物と呼ぶことがある。)を使用することもできる。なお、ここで挙げた透明樹脂は、色変換層5を形成する際の感光性樹脂組成物もしくはインキ組成物にも使用することができる。
【0037】
オーバーコート層6の形成は、上記の透明樹脂を、必要に応じ、溶剤、希釈剤、もしくはモノマー等、さらには、適宜な添加剤と共に混合して得た塗布用組成物を用い、一様に塗布し、乾燥させた後、電離放射線を照射して硬化させることによるか、または、電離放射線硬化性ではない通常の塗料組成物とした後、適宜なコーティング手段もしくは印刷手段により適用した後、乾燥させることによって形成することができる。オーバーコート層6を下層のカラーフィルター層4や色変換層5の平面形状に対応させて形成するには、シルク印刷等の印刷によるほか、塗布用組成物を感光性樹脂組成物を用いて調製して用い、塗布後、パターン露光および現像によって、所定のパターン状に形成することが好ましい。
【0038】
オーバーコート層6上には、必要に応じて、透明バリア層が積層されていてもよい。透明バリア層は、無機酸化物の薄膜からなることが好ましく、上層に設ける有機EL素子への下方からの空気、特に、水蒸気が透過するのを遮断し得る。無機酸化物としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、もしくは酸化チタンを挙げることができる。透明バリア層の厚みとしては、0.03μm〜3μm程度である。
【0039】
こうして、基板2上にカラーフィルタ層4、色変換層5、および、好ましくはオーバーコート層6が積層されるか、もしくはブラックマトリックス3、カラーフィルタ層4、色変換層5、およびオーバーコート層6が積層され、カラーフィルタ層4および色変換層5のいずれか一方が基板の端部側に延長された延長部を有することによって、表面の段差が緩和された、好ましくはオーバーコート層6上に、第1電極層、EL発光層、および第2電極層等が形成されて、EL表示装置が構成される。本発明においては、これら、第1電極層および第2電極層の電極層の断線が防止される。
【0040】
第1電極層は、通常、透明素材からなる陽極で、下層のブラックマトリックス3の開孔部の幅に相当する幅の帯状の形状を有する個々の電極が、例えば図の左右方向に配置され、図の手前から奥に向かう方向に、ブラックマトリックス3の開孔部のピッチで配列したものである。
【0041】
第1電極層は、例えば、透明性および導電性を有する金属酸化物の薄膜で構成され、具体的には、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、酸化亜鉛、もしくは酸化第2錫を挙げることができ、厚みとしては、10nm〜500nm程度であることが好ましい。第1電極層は、上記のような金属酸化物の一様な薄膜を形成後に、フォトエッチングにより不要部を除去することにより形成することが好ましい。
【0042】
第1電極層上には、原則的には、EL発光層、および第2電極層が積層されるが、絶縁層、および隔壁を伴なってもよい。
【0043】
絶縁層は下層のブラックマトリックス3の非開孔部に対応して設けられ、一方向のみのストライプ状に形成されたものでもよいが、縦横の格子状に形成されたものであることが好ましい。絶縁層は、例えば、既に説明したオーバーコート層6と同様な素材で構成することができ、絶縁層のパターン化は、フォトリソグラフィー、もしくは印刷法等による。
【0044】
隔壁は絶縁層上に設けられ、EL発光層および第2電極層を蒸着法等の気相法により形成する際のマスクの役目を果たす。隔壁は、例えば、図の手前から奥に向かう方向に平行に設けられたもので、感光性樹脂のパターン露光および現像によって設けることができる。
【0045】
EL発光層は、最も簡素なものとしては、蛍光発光して青色を発光する有機蛍光体により構成されるが、このように有機蛍光体層単独からなるもの以外に、有機蛍光体層の第1電極層側に正孔注入層を設けたもの、有機蛍光体層の第2電極層側に電子注入層を設けたもの、もしくは、有機蛍光体層の第1電極層側に正孔注入層を設け、第2電極層側に電子注入層を設けたもの、等の種々の積層構造のものでもよく。青色発光が得られる限り、これら以外の積層構造のものであってもよい。
【0046】
青色を発光する有機蛍光体としては、例えば、青色から青緑色の発光を得ることが可能なものとして、特開平8−279394号公報に例示されている、ベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾオキサゾール系等の蛍光増白剤、特開昭63−295695号公報に開示されている金属キレート化オキシノイド化合物、欧州特許第0319881号明細書や欧州特許第0373582号明細書に開示されたスチリルベンゼン系化合物、特開平2−252793号公報に開示されているジスチリルピラジン誘導体、もしくは欧州特許第0388768号明細書や特開平3−231970号公報に開示された芳香族ジメチリディン系化合等物を挙げることができる。
【0047】
青色を発光する有機蛍光体としては、特開平5−258862号公報等に記載されている一般式(Rs−Q)2−AL−O−Lであらわされる化合物を挙げることもできる(一般式中、Lはベンゼン環を含む炭素原子6〜24個の炭化水素であり、O−Lはフェニラート配位子であり、Qは置換8−キノリノラート配位子であり、Rsはアルミニウム原子に置換8−キノリノラート配位子が2個以上結合するのを立体的に妨害するように選ばれた8−キノリノラート環置換基を表す。)。具体的には、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(パラ−フェニルフェノラート)アルミニウム(III)、もしくはビス(2−メチル−8−キノリノラート)(1−ナフトラート)アルミニウム(III)等を挙げることができる。
【0048】
以上に例示したような材料からなり、青色発光するEL発光層の厚みとしては、特に制限はないが、例えば、5nm〜5μm程度とすることができる。
【0049】
第2電極層は、発光層を発光させるための一方の電極をなすもので、好ましくは、仕事関数が4eV以下程度と小さい金属、合金、もしくはそれらの混合物から構成される。具体的には、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、もしくはリチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等を挙げることができ、より好ましくは、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、もしくはリチウム/アルミニウム混合物等を挙げることができる。
【0050】
このような第2電極層は、シート抵抗が数百Ω/cm以下であることが好ましく、厚みとしては、10nm〜1μm程度が好ましく、より好ましくは、50〜200nm程度である。
【0051】
必要に応じ、第2電極層上には、以上の各層を保護する目的で封止層を積層することができ、封止層を接着剤層として、さらに基板2と同様な透明な基板で被覆してもよい。
【0052】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、カラーフィルタ層もしくは色変換層のいずれかを基板の端部側に延長した延長部を有することにより、それらの上の段差が緩和されるので、電極層の断線を防止することが可能なCCM基板を提供することができる。
【0053】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、延長部の幅の範囲を規定したことにより、延長部を設けたことによる効果が充分あり、しかも、延長部上の電極が長くなって抵抗が増すことを抑制でき、必要に応じて設けるブラックマトリックスの額縁部の幅を狭くすることにも対応が可能なCCM基板を提供することができる。
【0054】
請求項3の発明によれば、請求項1または請求項2の発明の効果に加え、オーバーコート層を設けたことにより、段差の解消が一層確実なCCM基板を提供することができる。
【0055】
請求項4の発明によれば、請求項1〜請求項3いずれかの発明のCCM基板を用いて構成したことにより、それらの発明のCCM基板が有する効果が発揮されたEL表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のCCM基板の断面を示す図である。
【図2】本発明の別の実施例のCCM基板の断面を示す図である。
【図3】従来のCCM基板の断面を示す図である。
【符号の説明】
1………CCM基板
2………基板
3………ブラックマトリックス(BM)
4………カラーフィルタ層
5………色変換層
6………オーバーコート層
7………段差
8………延長部
9………電極層(9a;薄肉部)

Claims (4)

  1. 基板上に、少なくともカラーフィルタ層および色変換層が積層されており、前記カラーフィルタ層もしくは前記色変換層のうちの一方の層の端部が他の層の端部よりも前記基板の端部側に延長された延長部を有していることを特徴とするCCM基板。
  2. 前記延長部の延長幅が10μm〜500μmであることを特徴とする請求項1記載のCCM基板。
  3. 前記カラーフィルタ層および前記色変換層の上には、前記延長部上も含めて、オーバーコート層が積層されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のCCM基板。
  4. 請求項1〜請求項3いずれか記載のCCM基板の前記カラーフィルタ層および前記色変換層が積層された上には、少なくとも第1電極層、EL発光層、および第2電極層が順に積層されて構成されたEL素子が積層されていることを特徴とするEL表示装置。
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