JP2004361300A - 粘度計 - Google Patents
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Abstract
【課題】温度変化の誤差の補償
【解決手段】粘度計は、測定対象物中に浸漬される感応板18と、測定対象物中で感応板18を電磁振動させる電磁駆動部23と、電磁駆動部23に供給する駆動電流を測定する電流検出器44と、感応板18を支持するとともに、電磁駆動部23が設けられた駆動機後部12と、駆動機構部12の温度を測定する温度センサ28と、感応板18の振動を検出する変位センサ24と、感応板18を所定の振幅で振動させたときの駆動電流から測定対象物の粘度を求める演算処理部とを備えている。演算処理部は、温度センサ28の検出温度に基づいて、測定した粘度を補正する。
【選択図】 図1
【解決手段】粘度計は、測定対象物中に浸漬される感応板18と、測定対象物中で感応板18を電磁振動させる電磁駆動部23と、電磁駆動部23に供給する駆動電流を測定する電流検出器44と、感応板18を支持するとともに、電磁駆動部23が設けられた駆動機後部12と、駆動機構部12の温度を測定する温度センサ28と、感応板18の振動を検出する変位センサ24と、感応板18を所定の振幅で振動させたときの駆動電流から測定対象物の粘度を求める演算処理部とを備えている。演算処理部は、温度センサ28の検出温度に基づいて、測定した粘度を補正する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、粘度計に関し、特に、感応板を測定対象物中で振動させる方式の粘度計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液体の粘度を測定し、品質管理などに利用する粘度計は、例えば、食品生産の際などに広く利用されている。このような用途に用いられる粘度計の一種として、例えば、特許文献1に開示されているような、振動式の粘度計がある。
【0003】
この特許文献1に開示されている粘度計は、一対の感応板を粘度測定対象物中に浸漬し、感応板を電磁振動により、逆位相で共振振動させ、所定の振幅で感応板を振動させたときの駆動電流値から測定対象物の粘度を測定する。
【0004】
このような構成の粘度計は、感応板を振動させるために、マグネットとコイルを使用した電磁駆動部があり、振幅を検出するための変位センサを備えている。また、加振力は、コイルへ供給する駆動電流とマグネット磁束の積に比例することから、駆動電流値から換算している。
【0005】
しかしながら、このような従来の粘度計には、以下に説明する技術的な課題があった。
【0006】
【特許文献1】
特許第2534173号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、上述した構成の粘度計では、電磁駆動部のマグネットの温度係数に基づいて、粘度測定結果に誤差が発生する。マグネットは、磁束を発生させているが、この磁束は、温度により変化する。
【0008】
例えば、マグネットがネオジウムの場合には、約−1300ppm/℃の感度があって、マグネットの温度が+10℃変化した場合には、マグネットが発生する磁束は、約−1300ppm/℃×10℃=−1.3%となり、その結果、磁束が1.3%弱くなるので、感応板を一定振幅で振動させるための駆動電流は、1.3%余分に供給される。
【0009】
このことは、加振力を駆動電流から換算する粘度計では、例えば、20℃の環境下で粘度が100.0mPa・sと測定されたものが、30℃の環境下になると101.3mPa・sと測定されることになり、かなり大きな測定誤差になる。
【0010】
このようなマグネットの温度条件の変化には、コイルに電流を流した際の自己発熱も加わり、これも誤差要因となり、特に、高粘性の試料を長時間測定する場合には、その影響が大きくなる。
【0011】
温度変化に対する誤差要因としては、これ以外に、変位センサの温度に対する感度要因と、感応板を支持している板バネの伸縮に伴う特性変化がある。この場合、振幅変位を渦電流式の変位センサで検出していると、内部インダクタンスなどによる影響があって、本来、感応板の振幅は、一定に保たれるはずであるが、温度変化により、感応板の振幅が微妙に変化し、その結果、駆動電流の変化の度合いと同様に、測定値に誤差が発生する。
【0012】
また、温度変化により板バネが伸縮すると、感応板の共振点がズレれ、その結果、感応板の振幅を一定にするための余分な電流供給が行われ、粘度測定の誤差となる。
【0013】
さらに、実際の測定では、試料温度を変化させながら粘度測定を行う場合もあり、このような測定の場合には、試料近傍に設置される駆動機構部は、試料温度の影響を受ける。
【0014】
さらに、駆動機構部の近傍には、変位センサなどの制御を行う電気回路が配置されていて、周囲温度や試料温度の影響により、回路の特性が変化し、これも測定誤差の要因となる。
【0015】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、多種類の要因に基づく温度変化に対する測定誤差を補償して、高精度の測定を可能にする粘度の測定方法および粘度計を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、測定対象物中に浸漬される感応板と、前記測定対象物中で前記感応板を電磁振動させる電磁駆動部と、前記電磁駆動部に供給する駆動電流を測定する電流検出器と、前記感応板を支持するとともに、前記電磁駆動部が設けられた駆動機構部と、前記駆動機構部の温度を測定する温度センサと、前記感応板の振動を検出する変位センサと、前記感応板を所定の振幅で振動させたときの前記駆動電流から前記測定対象物の粘度を求める演算処理部とを備えた粘度計であって、前記演算処理部は、前記温度センサの検出温度に基づいて、前記粘度を補正するようにした。
【0017】
このように構成した粘度計によれば、演算処理部は、温度センサの検出温度に基づいて、粘度を補正するが、温度センサは、駆動機構部の温度を測定しており、駆動機構部の温度データには、駆動機構部のマグネットやコイルの自己発熱などの温度変化が含まれており、温度センサの検出値に基づいて粘度を補正すると、多種類の要因に基づく温度変化に対する測定精度を補償することができる。
【0018】
前記演算処理部は、粘度が既知の対象物中に前記感応板を浸漬して、前記既知粘度を求めた際に、前記粘度と前記駆動電流値との比例関係に基づいて、前記既知粘度を前記駆動電流で除算した粘度の傾きを求め、前記粘度の傾きが前記温度センサの測定値と比例関係あるものとして、前記補正値を算出することができる。
【0019】
より具体的には、前記演算処理部は、既知粘度(ηL,ηH)を有する少なくとも2つの測定対象物(AL,AH)中に、前記感応板をそれぞれ浸漬して粘度測定を行い、各粘度測定の際に、前記駆動電流値(iL,iH)と前記温度センサの検出温度値(tL,tH)とをそれぞれ取得し、取得したデータから、前記既知粘度(ηL,ηH)と前記駆動電流値(iL,iH)とが比例関係にあるものとして、各測定対象物(AL,AH)の粘度の傾き(aL=ηL/iL,aH=ηH/iH)を求め、前記測定対象物(X)の粘度(ηX)を測定した際の、前記温度センサの検出した温度データがtXで、前記電流検出器の検出した駆動電流がiXであったときに、
【0020】
前記粘度の傾き(式▲1▼.aL=ηL/iL,aH=ηH/iH)と前記駆動電流値(iL,iH)とが比例関係にあるものとして、
式▲2▼.aX=1/(tH−tL)×{(aH−aL)×tX+(aL×tH−aH×tL)}
により前記温度データtXおける粘度の傾きaXを求め、
前記対象物の粘度(ηX)を、式▲3▼.ηX=aX×iX
として算出することができる。
【0021】
また、本発明では、前記既知粘度(ηL,ηH)を有する少なくとも2つの測定対象物(AL,AH)は、一方の測定対象物(AL)が10°程度の低温での既知粘度(ηL)を有し、他方の測定対象物(AH)が30°程度の高温での既知粘度(ηH)を有するもので構成することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。図1から図5は、本発明にかかる粘度計の一実施例を示している。
【0023】
図1は、粘度計10の駆動機構部12の構造図であり、駆動機構部12は、断面が概略逆凸形のフレーム14を有している。フレーム14の上端側側面には、同一形状の板バネ16がそれぞれ固設されている。
【0024】
各板バネ16の下端側には、粘度測定対象物X中に浸漬される同一形状の一対の感応板18がそれぞれ固設されている。各感応板18は、平板状の板材から形成され、先端に円形状の拡大部が設けられ、一対の感応板18は、厚み方向の中心軸が対象物A中で同一平面上になるように配置される。
【0025】
また、各感応板18の上端側の支持部には、フレーム14側に突出するマグネット20が固設されている。このマグネット20は、フレーム14の側面に支持された空心コイル22の内側に一端側が挿入されていて、このマグネット20とコイル22とで、感応板18を電磁振動させる電磁駆動部23を構成している。一対の感応板18は、電磁駆動部23により相互に逆位相で、共振状態で電磁振動により駆動される。
【0026】
フレーム14には、一方のコイル22の上方側に、変位センサ24が設けられていて、この変位センサ24は、感応板18の支持部に近接配置されていて、感応板18が電磁振動した際の振幅を検出する。
【0027】
また、フレーム14の中心には、測定対象物A中に浸漬されて、その温度を測定する試料温度センサ26が設けられている。さらに、フレーム14には、他方のコイル22の上方に設置され、駆動機構部12の温度を測定する温度センサ28が設けられている。
【0028】
図2は、本実施例にかかる粘度計10の制御駆動系のブロック図であり、駆動機構部12の変位センサ24の出力信号が入力されるアンプ30,整流器32,時定数設定回路34、および、整流器32からの出力と基準振幅値が入力される比較器36とを備えている。
【0029】
また、比較器36の出力信号を受けて、その値に応じて制御信号を自動減衰器38に出力する制御器40を有している。自動減衰器38には、常時一定の駆動信号、例えば、30Hzの共振駆動信号が入力され、自動減衰器38では、この駆動信号を制御器40から送出される制御信号でコントロールして、アンプ42介して、電磁駆動部23の各コイル22に供給している。
【0030】
この際の駆動電流は、電流検出器44で検出され、I/V変換器46およびA/D変換器48を介して、マイコン(演算処理部)50に入力される。また、駆動機構部12の温度センサ28と試料温度センサ26の入力信号は、マイコン50で制御される入力選択器52と、A/D変換器54とを介してマイコン50に入力されている。
【0031】
入力選択器52は、マイコン50からの制御信号により、温度センサ28と試料温度センサ26との出力信号を一定時間毎に切り替えて入力するように制御することができ、このような構成を採用すると、A/D変換器54は、試料温度センサ26と、駆動機構部12の温度センサ28と兼用しているので、温度センサ28を追加することによるコストアップを最小限に抑えることができる。
【0032】
マイコン50には、メモリ56,表示部58,キースイッチ部60が接続されている。以上の構成を備えた粘度計10では、感応板18を所定の振幅値で共振振動させた際の、電磁駆動部23のコイル22への駆動電流が電流検出器44で測定される。そして、得られた駆動電流の値と所定の検量線とから、マイコン(演算処理部)50で粘度測定対象物Aの粘度を求めることができる。
【0033】
このような粘度計としての基本的な構成は、従来のこの種の粘度計と同じであるが、本実施例の粘度計10には、以下に説明する点に顕著な特徴がある。
【0034】
すなわち、本実施例の粘度計10では、マイコン(演算処理部)50は、温度センサ28の検出温度に基づいて、粘度を補正することを基本構成としている。このような補正を行うと、温度センサ28は、駆動機構部12の温度を測定しており、駆動機構部12の温度データには、駆動機構部12のマグネット20やコイル22の自己発熱などの温度変化が含まれており、温度センサ28の検出値に基づいて粘度を補正すると、多種類の要因に基づく温度変化に対する測定誤差を補償することができる。
【0035】
マイコン(演算処理部)50で行う補正のより具体的な内容について説明する。温度センサ28の検出値に基づいて補正をする際には、まず、製造直後などに以下の条件で予備的な粘度測定が行われる。図3には、このとき実行される粘度測定の手順が示されている。
【0036】
予備的な粘度測定では、異なる2点の温度環境下にて、粘度が既知の測定試料AL,AHを少なくとも2種類準備して、粘度の測定が行われる。予備的な粘度測定では、手順がスタートすると、準備した試料AL中に感応板18を浸漬して、粘度の測定が行われる。
【0037】
この際に用いる試料ALは、低温、例えば、10℃で既知粘度値(ηL)を有しおり、この温度に合わせるために低温(10℃)の環境下で、十分放置される(ステップ1)。
【0038】
この粘度測定において、既知粘度値(ηL)を測定したときの、電流検出器44の検出値を駆動電流値(iL)としてメモリ56に記憶させる。また、このときの駆動機構部12の温度データ(tL)を、温度センサ28を介して取得し、これと既知粘度値(ηL)とをメモリ56に記憶させる(ステップ2)。
【0039】
次に、試料AH中に感応板18を浸漬して、粘度の測定が行われる。試料AHは、高温、例えば、30℃で既知粘度値(ηH)を有しており、この温度に合わせるために高温(30℃)の環境下で、十分放置される(ステップ3)。
【0040】
この粘度測定において、既知粘度値(ηH)を測定したときの、電流検出器44の検出値を駆動電流値(iH)としてメモリ56に記憶させる。また、このときの駆動機構部12の温度データ(tH)を、温度センサ28を介して取得し、これと既知粘度値(ηH)とをメモリ56に記憶させる(ステップ4)。
【0041】
以上の粘度測定により、2つの試料AL,AHに関する粘度測定が終了し、粘度測定情報{既知粘度(ηL,ηH),駆動電流(iL,iH),温度データ(tL,tH)}が得られ、これらが相互に関連つけられた状態でメモリ56に記憶される。
【0042】
なお、このような粘度測定情報の取得には、予め粘度値がわかっている試料が必要になり、温度が変化しても粘度値が変わらない試料を作成するのは、実際には非常に困難であり、温度と粘度値との関係が明確に定義されている1種類の標準液などを使用し、粘度計が持つ試料温度センサ26により、粘度計自身が(ηL,ηH)を算出するのが現実的である。
【0043】
ここで、駆動電流値と粘度値とが比例する場合には、粘度測定情報{既知粘度(ηL,ηH),駆動電流(iL,iH),温度データ(tL,tH)}は、図5に示す関係になっていると考えられる。
【0044】
本実施例では、このような推定の下に、以下の手順により実際に粘度測定を行うことになる。図4は、実際に粘度を測定する際の手順が示されている。粘度値(ηX)が不明な測定対象物の粘度を測定する際には、対象物中に感応板18を浸漬して、これを共振駆動させた際の、電流検出器44の検出値である駆動電流値(iX)と、そのときの駆動機構部12の温度データ(tX)とが検出され、マイコン50(演算処理部)に取り込まれる(ステップ10)。
【0045】
マイコン(演算処理部)50では、メモリ56に記憶されている先の粘度測定情報{既知粘度(ηL,ηH),駆動電流(iL,iH),温度データ(tL,tH)}に基づいて、
式▲1▼.aL=ηL/iL,aH=ηH/iH
式▲2▼.aX=1/(tH−tL)×{(aH−aL)×tX+(aL×tH−aH×tL)}
を使用して、温度データ(tX)おける粘度の傾き(aX)が演算される(ステップ11)。
【0046】
この場合、式▲2▼.は、以下の関係に基づいて導き出すことができる。まず、駆動機構部12の温度と、駆動電流から粘度を算出するときの粘度の傾き(aX)が比例関係にあるものとすれば、2つの試料AL,AHにおける駆動電流と粘度の傾きとの関係は、図6に示すようになる。
【0047】
このような関係から、駆動機構部12が温度(tX)の場合における粘度の傾き(aX)は、aX=F×tX+G
と表される。また、図6においては、
aH=F×tH+G、aL=F×tL+Gの関係も成り立ち、この2式から、
F=(aH−aL)/(tH−tL)が得られ、これをaH=F×tH+G式に代入すると、
G=(aL×tH−tH×tL)/(tH−tL)が得られ、この式と、F=(aH−aL)/(tH−tL)式とをaX=F×tX+Gに代入すると式▲2▼.が得られる。
【0048】
次に、駆動電流値(iX)と粘度の傾き(aX)とから対象物の粘度値(ηX)が、
式▲3▼.ηX=aX×iX
により求められる(ステップ12)。
【0049】
そして、求められた粘度値(ηX)は、表示部58に表示され、これにより粘度測定が終了する。
【0050】
なお、本実施例の場合、温度による特性変化が直線の1次式で近似できるものとして取扱い、異なる2点の温度環境下(例えば、10℃と30℃)にて、粘度測定を行ったが、1次式での近似ができず、2次式での近似になる場合には、もう1点の別の温度環境下(例えば、20℃)での粘度測定を行い、同様に粘度の傾き(aX)を温度(tX)の2次式で求める。
【0051】
以上のように構成された粘度計10によれば、駆動機構部12の温度データ(tX)と、予備測定情報に基づいて求められた粘度の傾き(aX)とにより対象物の粘度(ηX)を算出し、この場合、駆動機構部12の温度データ(tX)は、駆動機構部12のマグネット20やコイル22の自己発熱などの温度変化が含まれているので、多種類の要因に基づく温度変化に対する測定誤差を補償することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明にかかる粘度の測定方法および粘度計によれば、多種類の要因に基づく温度変化に対する測定誤差を補償して、高精度の測定を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる粘度計の機械的構成の側面図である。
【図2】図1に示した粘度計の電気的な構成を示すブロック図である。
【図3】図1,2に示した粘度計の予め行う粘度測定の手順を示すフローチャート図である。
【図4】図1,2に示した粘度計で実際に粘度を測定する際の手順を示すフローチャート図である。
【図5】本発明の粘度計における粘度と駆動電流との関係を示す説明図である。
【図6】本発明の粘度計における粘度の傾きと駆動電流との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
10 粘度計
12 駆動機構部
14 フレーム
16 板バネ
18 感応板
20 マグネット
22 コイル
24 変位センサ
26 試料温度センサ
28 温度センサ
44 電流検出器
50 マイコン(演算処理部)
56 メモリ
【発明の属する技術分野】
この発明は、粘度計に関し、特に、感応板を測定対象物中で振動させる方式の粘度計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液体の粘度を測定し、品質管理などに利用する粘度計は、例えば、食品生産の際などに広く利用されている。このような用途に用いられる粘度計の一種として、例えば、特許文献1に開示されているような、振動式の粘度計がある。
【0003】
この特許文献1に開示されている粘度計は、一対の感応板を粘度測定対象物中に浸漬し、感応板を電磁振動により、逆位相で共振振動させ、所定の振幅で感応板を振動させたときの駆動電流値から測定対象物の粘度を測定する。
【0004】
このような構成の粘度計は、感応板を振動させるために、マグネットとコイルを使用した電磁駆動部があり、振幅を検出するための変位センサを備えている。また、加振力は、コイルへ供給する駆動電流とマグネット磁束の積に比例することから、駆動電流値から換算している。
【0005】
しかしながら、このような従来の粘度計には、以下に説明する技術的な課題があった。
【0006】
【特許文献1】
特許第2534173号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、上述した構成の粘度計では、電磁駆動部のマグネットの温度係数に基づいて、粘度測定結果に誤差が発生する。マグネットは、磁束を発生させているが、この磁束は、温度により変化する。
【0008】
例えば、マグネットがネオジウムの場合には、約−1300ppm/℃の感度があって、マグネットの温度が+10℃変化した場合には、マグネットが発生する磁束は、約−1300ppm/℃×10℃=−1.3%となり、その結果、磁束が1.3%弱くなるので、感応板を一定振幅で振動させるための駆動電流は、1.3%余分に供給される。
【0009】
このことは、加振力を駆動電流から換算する粘度計では、例えば、20℃の環境下で粘度が100.0mPa・sと測定されたものが、30℃の環境下になると101.3mPa・sと測定されることになり、かなり大きな測定誤差になる。
【0010】
このようなマグネットの温度条件の変化には、コイルに電流を流した際の自己発熱も加わり、これも誤差要因となり、特に、高粘性の試料を長時間測定する場合には、その影響が大きくなる。
【0011】
温度変化に対する誤差要因としては、これ以外に、変位センサの温度に対する感度要因と、感応板を支持している板バネの伸縮に伴う特性変化がある。この場合、振幅変位を渦電流式の変位センサで検出していると、内部インダクタンスなどによる影響があって、本来、感応板の振幅は、一定に保たれるはずであるが、温度変化により、感応板の振幅が微妙に変化し、その結果、駆動電流の変化の度合いと同様に、測定値に誤差が発生する。
【0012】
また、温度変化により板バネが伸縮すると、感応板の共振点がズレれ、その結果、感応板の振幅を一定にするための余分な電流供給が行われ、粘度測定の誤差となる。
【0013】
さらに、実際の測定では、試料温度を変化させながら粘度測定を行う場合もあり、このような測定の場合には、試料近傍に設置される駆動機構部は、試料温度の影響を受ける。
【0014】
さらに、駆動機構部の近傍には、変位センサなどの制御を行う電気回路が配置されていて、周囲温度や試料温度の影響により、回路の特性が変化し、これも測定誤差の要因となる。
【0015】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、多種類の要因に基づく温度変化に対する測定誤差を補償して、高精度の測定を可能にする粘度の測定方法および粘度計を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、測定対象物中に浸漬される感応板と、前記測定対象物中で前記感応板を電磁振動させる電磁駆動部と、前記電磁駆動部に供給する駆動電流を測定する電流検出器と、前記感応板を支持するとともに、前記電磁駆動部が設けられた駆動機構部と、前記駆動機構部の温度を測定する温度センサと、前記感応板の振動を検出する変位センサと、前記感応板を所定の振幅で振動させたときの前記駆動電流から前記測定対象物の粘度を求める演算処理部とを備えた粘度計であって、前記演算処理部は、前記温度センサの検出温度に基づいて、前記粘度を補正するようにした。
【0017】
このように構成した粘度計によれば、演算処理部は、温度センサの検出温度に基づいて、粘度を補正するが、温度センサは、駆動機構部の温度を測定しており、駆動機構部の温度データには、駆動機構部のマグネットやコイルの自己発熱などの温度変化が含まれており、温度センサの検出値に基づいて粘度を補正すると、多種類の要因に基づく温度変化に対する測定精度を補償することができる。
【0018】
前記演算処理部は、粘度が既知の対象物中に前記感応板を浸漬して、前記既知粘度を求めた際に、前記粘度と前記駆動電流値との比例関係に基づいて、前記既知粘度を前記駆動電流で除算した粘度の傾きを求め、前記粘度の傾きが前記温度センサの測定値と比例関係あるものとして、前記補正値を算出することができる。
【0019】
より具体的には、前記演算処理部は、既知粘度(ηL,ηH)を有する少なくとも2つの測定対象物(AL,AH)中に、前記感応板をそれぞれ浸漬して粘度測定を行い、各粘度測定の際に、前記駆動電流値(iL,iH)と前記温度センサの検出温度値(tL,tH)とをそれぞれ取得し、取得したデータから、前記既知粘度(ηL,ηH)と前記駆動電流値(iL,iH)とが比例関係にあるものとして、各測定対象物(AL,AH)の粘度の傾き(aL=ηL/iL,aH=ηH/iH)を求め、前記測定対象物(X)の粘度(ηX)を測定した際の、前記温度センサの検出した温度データがtXで、前記電流検出器の検出した駆動電流がiXであったときに、
【0020】
前記粘度の傾き(式▲1▼.aL=ηL/iL,aH=ηH/iH)と前記駆動電流値(iL,iH)とが比例関係にあるものとして、
式▲2▼.aX=1/(tH−tL)×{(aH−aL)×tX+(aL×tH−aH×tL)}
により前記温度データtXおける粘度の傾きaXを求め、
前記対象物の粘度(ηX)を、式▲3▼.ηX=aX×iX
として算出することができる。
【0021】
また、本発明では、前記既知粘度(ηL,ηH)を有する少なくとも2つの測定対象物(AL,AH)は、一方の測定対象物(AL)が10°程度の低温での既知粘度(ηL)を有し、他方の測定対象物(AH)が30°程度の高温での既知粘度(ηH)を有するもので構成することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。図1から図5は、本発明にかかる粘度計の一実施例を示している。
【0023】
図1は、粘度計10の駆動機構部12の構造図であり、駆動機構部12は、断面が概略逆凸形のフレーム14を有している。フレーム14の上端側側面には、同一形状の板バネ16がそれぞれ固設されている。
【0024】
各板バネ16の下端側には、粘度測定対象物X中に浸漬される同一形状の一対の感応板18がそれぞれ固設されている。各感応板18は、平板状の板材から形成され、先端に円形状の拡大部が設けられ、一対の感応板18は、厚み方向の中心軸が対象物A中で同一平面上になるように配置される。
【0025】
また、各感応板18の上端側の支持部には、フレーム14側に突出するマグネット20が固設されている。このマグネット20は、フレーム14の側面に支持された空心コイル22の内側に一端側が挿入されていて、このマグネット20とコイル22とで、感応板18を電磁振動させる電磁駆動部23を構成している。一対の感応板18は、電磁駆動部23により相互に逆位相で、共振状態で電磁振動により駆動される。
【0026】
フレーム14には、一方のコイル22の上方側に、変位センサ24が設けられていて、この変位センサ24は、感応板18の支持部に近接配置されていて、感応板18が電磁振動した際の振幅を検出する。
【0027】
また、フレーム14の中心には、測定対象物A中に浸漬されて、その温度を測定する試料温度センサ26が設けられている。さらに、フレーム14には、他方のコイル22の上方に設置され、駆動機構部12の温度を測定する温度センサ28が設けられている。
【0028】
図2は、本実施例にかかる粘度計10の制御駆動系のブロック図であり、駆動機構部12の変位センサ24の出力信号が入力されるアンプ30,整流器32,時定数設定回路34、および、整流器32からの出力と基準振幅値が入力される比較器36とを備えている。
【0029】
また、比較器36の出力信号を受けて、その値に応じて制御信号を自動減衰器38に出力する制御器40を有している。自動減衰器38には、常時一定の駆動信号、例えば、30Hzの共振駆動信号が入力され、自動減衰器38では、この駆動信号を制御器40から送出される制御信号でコントロールして、アンプ42介して、電磁駆動部23の各コイル22に供給している。
【0030】
この際の駆動電流は、電流検出器44で検出され、I/V変換器46およびA/D変換器48を介して、マイコン(演算処理部)50に入力される。また、駆動機構部12の温度センサ28と試料温度センサ26の入力信号は、マイコン50で制御される入力選択器52と、A/D変換器54とを介してマイコン50に入力されている。
【0031】
入力選択器52は、マイコン50からの制御信号により、温度センサ28と試料温度センサ26との出力信号を一定時間毎に切り替えて入力するように制御することができ、このような構成を採用すると、A/D変換器54は、試料温度センサ26と、駆動機構部12の温度センサ28と兼用しているので、温度センサ28を追加することによるコストアップを最小限に抑えることができる。
【0032】
マイコン50には、メモリ56,表示部58,キースイッチ部60が接続されている。以上の構成を備えた粘度計10では、感応板18を所定の振幅値で共振振動させた際の、電磁駆動部23のコイル22への駆動電流が電流検出器44で測定される。そして、得られた駆動電流の値と所定の検量線とから、マイコン(演算処理部)50で粘度測定対象物Aの粘度を求めることができる。
【0033】
このような粘度計としての基本的な構成は、従来のこの種の粘度計と同じであるが、本実施例の粘度計10には、以下に説明する点に顕著な特徴がある。
【0034】
すなわち、本実施例の粘度計10では、マイコン(演算処理部)50は、温度センサ28の検出温度に基づいて、粘度を補正することを基本構成としている。このような補正を行うと、温度センサ28は、駆動機構部12の温度を測定しており、駆動機構部12の温度データには、駆動機構部12のマグネット20やコイル22の自己発熱などの温度変化が含まれており、温度センサ28の検出値に基づいて粘度を補正すると、多種類の要因に基づく温度変化に対する測定誤差を補償することができる。
【0035】
マイコン(演算処理部)50で行う補正のより具体的な内容について説明する。温度センサ28の検出値に基づいて補正をする際には、まず、製造直後などに以下の条件で予備的な粘度測定が行われる。図3には、このとき実行される粘度測定の手順が示されている。
【0036】
予備的な粘度測定では、異なる2点の温度環境下にて、粘度が既知の測定試料AL,AHを少なくとも2種類準備して、粘度の測定が行われる。予備的な粘度測定では、手順がスタートすると、準備した試料AL中に感応板18を浸漬して、粘度の測定が行われる。
【0037】
この際に用いる試料ALは、低温、例えば、10℃で既知粘度値(ηL)を有しおり、この温度に合わせるために低温(10℃)の環境下で、十分放置される(ステップ1)。
【0038】
この粘度測定において、既知粘度値(ηL)を測定したときの、電流検出器44の検出値を駆動電流値(iL)としてメモリ56に記憶させる。また、このときの駆動機構部12の温度データ(tL)を、温度センサ28を介して取得し、これと既知粘度値(ηL)とをメモリ56に記憶させる(ステップ2)。
【0039】
次に、試料AH中に感応板18を浸漬して、粘度の測定が行われる。試料AHは、高温、例えば、30℃で既知粘度値(ηH)を有しており、この温度に合わせるために高温(30℃)の環境下で、十分放置される(ステップ3)。
【0040】
この粘度測定において、既知粘度値(ηH)を測定したときの、電流検出器44の検出値を駆動電流値(iH)としてメモリ56に記憶させる。また、このときの駆動機構部12の温度データ(tH)を、温度センサ28を介して取得し、これと既知粘度値(ηH)とをメモリ56に記憶させる(ステップ4)。
【0041】
以上の粘度測定により、2つの試料AL,AHに関する粘度測定が終了し、粘度測定情報{既知粘度(ηL,ηH),駆動電流(iL,iH),温度データ(tL,tH)}が得られ、これらが相互に関連つけられた状態でメモリ56に記憶される。
【0042】
なお、このような粘度測定情報の取得には、予め粘度値がわかっている試料が必要になり、温度が変化しても粘度値が変わらない試料を作成するのは、実際には非常に困難であり、温度と粘度値との関係が明確に定義されている1種類の標準液などを使用し、粘度計が持つ試料温度センサ26により、粘度計自身が(ηL,ηH)を算出するのが現実的である。
【0043】
ここで、駆動電流値と粘度値とが比例する場合には、粘度測定情報{既知粘度(ηL,ηH),駆動電流(iL,iH),温度データ(tL,tH)}は、図5に示す関係になっていると考えられる。
【0044】
本実施例では、このような推定の下に、以下の手順により実際に粘度測定を行うことになる。図4は、実際に粘度を測定する際の手順が示されている。粘度値(ηX)が不明な測定対象物の粘度を測定する際には、対象物中に感応板18を浸漬して、これを共振駆動させた際の、電流検出器44の検出値である駆動電流値(iX)と、そのときの駆動機構部12の温度データ(tX)とが検出され、マイコン50(演算処理部)に取り込まれる(ステップ10)。
【0045】
マイコン(演算処理部)50では、メモリ56に記憶されている先の粘度測定情報{既知粘度(ηL,ηH),駆動電流(iL,iH),温度データ(tL,tH)}に基づいて、
式▲1▼.aL=ηL/iL,aH=ηH/iH
式▲2▼.aX=1/(tH−tL)×{(aH−aL)×tX+(aL×tH−aH×tL)}
を使用して、温度データ(tX)おける粘度の傾き(aX)が演算される(ステップ11)。
【0046】
この場合、式▲2▼.は、以下の関係に基づいて導き出すことができる。まず、駆動機構部12の温度と、駆動電流から粘度を算出するときの粘度の傾き(aX)が比例関係にあるものとすれば、2つの試料AL,AHにおける駆動電流と粘度の傾きとの関係は、図6に示すようになる。
【0047】
このような関係から、駆動機構部12が温度(tX)の場合における粘度の傾き(aX)は、aX=F×tX+G
と表される。また、図6においては、
aH=F×tH+G、aL=F×tL+Gの関係も成り立ち、この2式から、
F=(aH−aL)/(tH−tL)が得られ、これをaH=F×tH+G式に代入すると、
G=(aL×tH−tH×tL)/(tH−tL)が得られ、この式と、F=(aH−aL)/(tH−tL)式とをaX=F×tX+Gに代入すると式▲2▼.が得られる。
【0048】
次に、駆動電流値(iX)と粘度の傾き(aX)とから対象物の粘度値(ηX)が、
式▲3▼.ηX=aX×iX
により求められる(ステップ12)。
【0049】
そして、求められた粘度値(ηX)は、表示部58に表示され、これにより粘度測定が終了する。
【0050】
なお、本実施例の場合、温度による特性変化が直線の1次式で近似できるものとして取扱い、異なる2点の温度環境下(例えば、10℃と30℃)にて、粘度測定を行ったが、1次式での近似ができず、2次式での近似になる場合には、もう1点の別の温度環境下(例えば、20℃)での粘度測定を行い、同様に粘度の傾き(aX)を温度(tX)の2次式で求める。
【0051】
以上のように構成された粘度計10によれば、駆動機構部12の温度データ(tX)と、予備測定情報に基づいて求められた粘度の傾き(aX)とにより対象物の粘度(ηX)を算出し、この場合、駆動機構部12の温度データ(tX)は、駆動機構部12のマグネット20やコイル22の自己発熱などの温度変化が含まれているので、多種類の要因に基づく温度変化に対する測定誤差を補償することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明にかかる粘度の測定方法および粘度計によれば、多種類の要因に基づく温度変化に対する測定誤差を補償して、高精度の測定を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる粘度計の機械的構成の側面図である。
【図2】図1に示した粘度計の電気的な構成を示すブロック図である。
【図3】図1,2に示した粘度計の予め行う粘度測定の手順を示すフローチャート図である。
【図4】図1,2に示した粘度計で実際に粘度を測定する際の手順を示すフローチャート図である。
【図5】本発明の粘度計における粘度と駆動電流との関係を示す説明図である。
【図6】本発明の粘度計における粘度の傾きと駆動電流との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
10 粘度計
12 駆動機構部
14 フレーム
16 板バネ
18 感応板
20 マグネット
22 コイル
24 変位センサ
26 試料温度センサ
28 温度センサ
44 電流検出器
50 マイコン(演算処理部)
56 メモリ
Claims (4)
- 測定対象物中に浸漬される感応板と、
前記測定対象物中で前記感応板を電磁振動させる電磁駆動部と、
前記電磁駆動部に供給する駆動電流を測定する電流検出器と、
前記感応板を支持するとともに、前記電磁駆動部が設けられた駆動機構部と、
前記駆動機構部の温度を測定する温度センサと、
前記感応板の振動を検出する変位センサと、
前記感応板を所定の振幅で振動させたときの前記駆動電流から前記測定対象物の粘度を求める演算処理部とを備えた粘度計であって、
前記演算処理部は、前記温度センサの検出温度に基づいて、前記粘度を補正することを特徴とする粘度計。 - 前記演算処理部は、粘度が既知の対象物中に前記感応板を浸漬して、前記既知粘度を求めた際に、前記粘度と前記駆動電流値との比例関係に基づいて、前記既知粘度を前記駆動電流で除算した粘度の傾きを求め、前記粘度の傾きが前記温度センサの測定値と比例関係あるものとして、前記補正値を算出することを特徴とする請求項1記載の粘度計。
- 前記演算処理部は、既知粘度(ηL,ηH)を有する少なくとも2つの測定対象物(AL,AH)中に、前記感応板をそれぞれ浸漬して粘度測定を行い、各粘度測定の際に、前記駆動電流値(iL,iH)と前記温度センサの検出温度値(tL,tH)とをそれぞれ取得し、
取得したデータから、前記既知粘度(ηL,ηH)と前記駆動電流値(iL,iH)とが比例関係にあるものとして、各測定対象物(AL,AH)の粘度の傾き(aL=ηL/iL,aH=ηH/iH)を求め、
前記測定対象物(X)の粘度(ηX)を測定した際の、前記温度センサの検出した温度データがtXで、前記電流検出器の検出した駆動電流がiXであったときに、
前記粘度の傾き(式▲1▼.aL=ηL/iL,aH=ηH/iH)と前記駆動電流値(iL,iH)とが比例関係にあるものとして、
式▲2▼.aX=1/(tH−tL)×{(aH−aL)×tX+(aL×tH−aH×tL)}
により前記温度データtXおける粘度の傾きaXを求め、
前記対象物の粘度(ηX)を、
式▲3▼.ηX=aX×iX
として算出することを特徴とする請求項1または2記載の粘度計。 - 前記既知粘度(ηL,ηH)を有する少なくとも2つの測定対象物(AL,AH)は、一方の測定対象物(AL)が10°程度の低温での既知粘度(ηL)を有し、他方の測定対象物(AH)が30°程度の高温での既知粘度(ηH)を有するものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の粘度計。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101089610B1 (ko) * | 2008-12-18 | 2011-12-05 | 한국건설기술연구원 | 전자기력을 통해 진동하는 고체상 미세추출장치 |
US8893544B2 (en) | 2010-01-18 | 2014-11-25 | National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology | Viscosity measuring device and viscosity measuring method |
US10180382B2 (en) | 2012-01-27 | 2019-01-15 | National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology | Viscoelasticity measurement method and viscoelasticity measurement device |
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2003
- 2003-06-06 JP JP2003161549A patent/JP2004361300A/ja active Pending
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