JP2004361139A - ピックアップ試料の垂直位置出し方法と垂直方向を示す印を持つ試料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のピックアップ試料の垂直位置出し方法は、大きな試料からFIB加工で切片を切り出し前に、試料表面に対して垂直方向にピラーP、切り込み溝または垂直方向を示す3点マークなどの二次元パターンの目印を付けておき、追加工時はこの目印を元に、ピックアップした試料片の垂直方向を確認し、FIB装置のステージチルト制御で、FIBに対して垂直になるようにピックアップした試料切片の水平出しを行う。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はTEM試料など大きな試料から微細な観察部分を加工してピックアップし、台に固定して観察試料を作製する方法およびその方法によって作成された試料形態に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスなどの内部構造を観察したり、内部の組成や状態を分析したりするため、大きな試料から対象とする部分の断面を集束イオンビーム(FIB)加工等によって露出させ、観察・分析対象部分を切り出してピックアップし台に固定して、顕微鏡や分析機器の試料とすることが行われている。例えば特許文献1に示されている従来の透過型電子顕微鏡(TEM)試料の製造方法を図7と図8を用いて説明する。図7の(a)に示すように加工部分にまずガス銃により原料ガスを噴射させながらイオンビームを照射して保護用のデポ膜を形成させて、続いて(b)に示すように試料の面上方から集束イオンビームを照射し観察断面の後側をエッチング加工により掘り込み、ついで同様の方法で(c)に示すように観察断面の前側をエッチング加工により掘り込む。集束イオンビーム装置で観察断面薄片部の両側に四角い前方,後方穴4を空ける。穴掘り加工によって観察面がダメージを受けているのでビーム電流を抑えた仕上加工を施し、表面を研磨する。(d)に図示したように試料面をチルトして観察断面として薄片化加工された試料の周辺部に、矢印のように集束イオンビームを照射して切り込み加工(ボトムカット)を行い、続いて観察断面部の両側を上方よりのFIBでサイドカットする。この状態まで加工された試料を図8のAに示されるようにマニピュレータ(図示されていない)を操作して先端径が10μm以下のガラスプローブ5を試料切片2に近づけると該試料切片2は該ガラスプローブ5の先端に静電力によって吸いつけられるように付着し、Bに示すように試料切片2はガラスプローブ5に保持されて薄片化加工部から切り離される。ガラスプローブ5に保持された試料切片2はCに図示されるようにメッシュのような固定台3に運ばれて載置される。この試料台はコロジオン膜張付きメッシュや、マイクログリッドなどの観察や分析などに影響を与えない材質で作られており、試料切片2は膜の粘着力、または静電力によってDに示されるように固定されるものであった。
【0003】
ところが、このようにして作製されたTEM試料を実際に観察しようとしたとき厚みがありすぎて電子透過が不十分ということがまま生じる。そのようなとき、再加工によって薄片化を行おうとしても試料切片が寝かされた状態でメッシュ等の膜に固定された形態となっているため、再度のFIB加工は極めて困難であるという問題がある。そうした場合、一般には再度同様な試料を最初から加工し直さなければならないし、代わりのないサンプルであったときは万事窮してしまうことになる。また、試料が強磁性体であったような場合はTEM観察時に磁場の影響で飛んで試料を見失ってしまうという問題もある。極めて微細なサンプルであるためその発見は絶望的である。このような事情の中で、非特許文献1には「追加工できるFIBリフトアウト法」として、切り出した試料切片に対し追加工が可能な試料の形態が提示されている。これは図6のAに模式的に、Bに光学顕微鏡像で示す従来法のようにコロジオン膜のような有機薄膜上に試料切片2を寝かせた状態で固定するのではなく、図6のCに示すようにブロック状の試料固定台3に試料切片2を立てた状態で固定するものである。固定台3への固着はエポキシ系等の接着剤あるいはガスを用いたFIBのデポジションが用いられる。この試料は図5のAに示すように幅数十μmの試料切片2を立てた状態で固定台3に運び、接着剤で固定したものであるから、固定台3ごとFIB装置のステージに載置して試料切片2の両面を安定した状態で、FIBで追加工することが可能である。しかも薄膜ではなくブロック状の固定台3に固定されているので、それなりの重さがありTEM観察時に磁場の影響で飛んでしまうようなこともない。
【0004】
ところが、このような形態に作製された試料、例えば、それが狭い領域の縦方向に構造物が有る半導体デバイスのような試料であったときには、FIBに対して垂直に試料を装着する必要が生じる。もし、ピックアップした試料切片2の観察面が固定台3上面に対して垂直に固定されているならば、水平状態にセットされたFIB装置のステージ上にこのブロック台を載置することでFIBを観察面に対し平行に照射することができるが、試料切片2の観察面が固定台3に対して垂直に固定されていないときは、水平状態にセットされたFIB装置のステージ上にこのブロック状の固定台3を載置してFIBを照射するとそのビーム方向は観察面に対し傾斜した状態となって、きれいに断面を出すことが出来ない。図4はこのことを示したもので、図中左側の斜視図で示すように水平状態にセットされたFIB装置のステージ上にこのブロック状の固定台3を載置して上方からFIBを照射したとき、もし、試料切片2が固定台3に垂直に立てられていればFIBは図中右側の上段に示されるように上方から鉛直に照射されるが、試料切片2が固定台3に垂直に立てられていなければFIBは図中右側の中段に示されるように上方から傾斜して照射される。この様子は図中右側の下段に断面図で明らかに示される。
【0005】
【特許文献1】特開2002−148162号公報「薄片試料の固定方法とこの方法を用いた試料」平成14年5月22日公開
【非特許文献1】坂田大祐 「追加工できるFIBリフトアウト法」日本電子顕微鏡学会第58回学術講演会 Vol.37,P247 2002年
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、ピックアップした試料をブロック状の台に固定した形態の試料に追加工を施す場合、元々の試料表面方向を数度の狂いもなく、FIB照射方向に対して正確に垂直となるようにセットして加工できる手法を提示することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のピックアップ試料の垂直位置出し方法は、以下のようである。
(1)大きな試料からFIB加工で切片を切り出す前に、試料表面に対して垂直方向を示す目印を設けておく。
(2)追加工時はこの目印を元に、ピックアップした試料片の垂直方向を確認し、FIB装置のステージチルト制御で、FIBに対して試料表面が垂直になるようにピックアップした試料切片の垂直出しを行う。
上記目印は、試料表面に対して垂直方向にピラーや切り込み溝を形成したり、あるいは3点マークなどの二次元パターンを形成したりすることによって設ける。
【0008】
【発明の実施の形態】
前述したようにピックアップした試料切片をブロック台の面に垂直に立てて固定できれば、後の加工が極めて便利に行える。しかし、マニピュレータを操作してガラスプローブを駆動させ、微小な試料切片を元々の試料表面方向を数度の狂いもなく、ブロック状の台の上に正確に固定させることは極めて困難である。そこで、試料に元々の試料表面方向を示す印を設けておき、これを基に追加工においてFIB照射方向に対するピックアップした試料切片の姿勢を調整することを想到した。これは、ピックアップした試料切片がブロック台の面に垂直に立てて固定されていなくとも、元々の試料表面方向に対してどの角度で固定されているかが分かれば、FIB装置のチルト機構を用いその傾斜分を補正することでFIBの照射方向を試料に対し鉛直方向に決めることが可能であるとの知見に基づく。ピックアップした試料は元の試料本体と切り離されてしまうので、切り離される前に試料表面方向を確認しながら切片となる部分の表面に試料表面方向を示す印を付けておくのが有利である。試料切片をピックアップしたら該試料切片を、固定台に固着する。この固定台をFIB装置のステージに載置し固定する。追加工の際にはこの印をまずFIB装置の顕微鏡機能で観察し、試料観察面の方向を確認する。追加工の際の被加工物である試料切片を確認した方向に基づいて制御して、試料に対して所望方向からFIB照射が行われるようにして追加工を実行する。本発明の更なる利点は歩留まりがよくなる点である。これは、試料切片を台に固定した後からの追加工が可能であるため、やや厚めに加工しておき実際の観察をしながら最適厚さに加工することができることによる。又、ボトムカットやサイドカット時に再付着する素材も仕上げ加工の段階で取り除かれ、きれいに面仕上げをすることができるという利点もある。
なお、本発明はTEM試料に限らず、走査型電子顕微鏡(SEM)や走査式透過型電子顕微鏡(STEM)、オージェ電子分析器(AES)そして二次イオン質量分析器(SIMS)などのピックアップ試料にそのまま適用できる。
【0009】
【実施例1】
本発明のピックアップ試料の垂直出し方法についての1実施例を図1と図2を参照して説明する。この実施例は試料表面方向を示す印として試料表面に対して垂直方向のピラー(柱状物)を建てるものである。まず、大きな試料はステージに載置された状態で表面がFIBの照射方向に対して垂直となるようにセットされる。その試料の中から着目する観察断面部分を特定してその表面部分およびその近傍に保護用のデポジションを施す。この方法は材料ガスを噴射させながらFIBを照射し照射部分にデポジションを起こさせるものである。この方法を本明細書では「FIBによるCVD」(化学蒸着法)と呼ぶ。次に図1のAに示されるように大きな試料1の中で特定された観察断面部分の両側に、FIBを用いたエッチングで穴4をあける。このエッチングは単純なスパッタエッチングでもよいし、ガスアシストエッチングでもよい。この図では、保護用のデポジションは省略されている。観察断面部分の厚さが5〜10μmに加工された段階で、図に示されるように薄片加工された試料の上面(元々の試料の表面)部分に垂直方向のピラーPをFIBによるCVDで形成することになる。ピラーPを形成する前までのプロセスは従来の試料作製方法と特に変わるところはない。ただ、追加工可能な試料形態であることから必ずしもこの段階で試料としての最適薄片厚さまで加工しておく必要はない。これからのマーク形成が本発明の特徴点となる。このとき、薄片加工された試料の上面は図に示されているような水平面になっておらず、実際は先の保護用デポジションによって非平面となっている。しかし、FIB装置として試料面の方向を把握できているので、試料面に対してFIBの照射方向を垂直に設定でき、正確に垂直方向のピラーPを形成することができる。方向指示用のマークであるピラーPが形成されたところで、この観察断面部分を試料本体1から切り離す準備が完了する。なお、ピラーPの形成は上記したタイミングに限定されることはなく、最初の保護用デポジションと一緒にするなど、試料本体1からの切り離し前であればいつでもよい。
【0010】
試料ステージをチルトしてFIB照射を行い図1のBに示されるようにスパッタエッチングによるボトムカットを行い、また試料ステージを水平に戻して上方からのFIBによりサイドカットを実行する。この段階で観察試料部分は試料本体から分離された状態となる。マニピュレータを操作しガラスプローブ5でこの試料切片2をピックアップし、サンプル固定台3の上に運ぶ。図2のAに示すようにサンプル固定台3の表面にエポキシ樹脂等の接着剤を落としておき試料切片2をその上に載せる。接着剤の力で試料切片2はサンプル固定台3の面上に固着される。この場合において、該試料切片2の接着面はスパッタエッチングによるボトムカットされた部分であるからきれいな水平面とはなっていない上、ガラスプローブ5で方向を正確に決めて固着することは至難の業である。したがって、試料切片2の観察面がサンプル固定台3表面に正確に垂直方向で固着されることはまずないというべきで、多少の傾斜が付くことになる。しかし、本発明の長所は傾斜した固着であってもピラーPによって観察面の方向を正確に表示しているので、この傾斜は何ら追加工時の障害にはならないということである。この接着剤による固着を更に堅固なものとするため、周辺部をFIBによるCVDで固定するようにしてもよい。
【0011】
このピックアップ試料をFIB装置の顕微鏡機能で観察したとき図2のB下側に示されるようにピラーPの側面が観察されるならば、試料の観察断面はFIB照射方向と平行ではないことを示している。したがって、そのときは図の上方に示されるように顕微鏡画像においてピラーPの側面が見えなくなり上面形状だけが見える状態となるようにステージを制御する。この状態が試料の観察断面とFIB照射方向とが平行の配置関係であり、この姿勢を基準に精度のよい断面部の追加工が実行できる。先にもふれたようにこの段階で最適薄片化と仕上げ加工を必要に応じて行うことができる。また、この試料に場合、TEM観察を行い、必要に応じて追加加工することも可能であることから、最適加工が実行できるので、加工の適正化と堅実化がはかれる。
【0012】
【実施例2】
次に本発明のピックアップ試料の垂直出し方法についての他の実施例を図3のAを参照して説明する。この実施例は試料表面方向を示す印として試料表面に対して垂直方向の溝加工を施すものである。先の実施例と同様にまず、大きな試料1はステージに載置された状態で表面がFIBの照射方向に対して垂直となるようにセットされる。その試料1の中から着目する観察断面部分を特定してその表面部分近傍にFIBによるCVD保護用のデポジションを施す。次に特定された観察断面部分の両側に、FIBを用いたエッチングで穴をあける。観察断面部分の厚さが5〜10μmに薄片加工された段階で、この薄片化された試料を試料本体1から切り出すことになるが、その前に切り出される試料切片2に元の試料の表面方向を示す印を付けておく。この実施例の印は前述したように試料表面に対して垂直方向の溝Cであり、この溝加工をこの時点で行う。溝加工をする場所は観察断面場所とすることはできないので、両サイドのいずれかということになる。加工の便と効率を考慮すれば、まず最初にこの加工を施す側面側のサイドカット加工を行うのがよい。それは単純にアスペクト比の高い穴を掘ることは手間と時間がかかる厄介な作業となるのに比べ、側面が切られている作業は溝加工となって加工がし易いためである。また、ボトムカットと他方のサイドカットをしていない状態は観察断面部分が試料本体と堅固に一体化された状態であり、表面方向の精度を保つからである。このとき、薄片化された試料の上面は図に示されているような水平面になっておらず、実際は先の保護用デポジションによって非平面となっているが、FIB装置として試料面の方向を把握できているので、試料面に対してFIBの照射方向を垂直に設定でき、正確に垂直方向の溝Cを形成することができる。方向指示用のマークである溝Cが形成されたところで、この観察断面部分を試料本体1から切り離すことができる。
【0013】
このピックアップ試料をFIB装置の顕微鏡機能で観察したとき図3のA下側に示されるように溝Cの側面や開口が観察されるならば、試料の観察断面はFIB照射方向と平行ではないことを示している。したがって、そのときは図の上方に示されるように顕微鏡画像において溝Cの側面が見えなくなり溝断面形状だけが見える状態となるようにステージを制御する。この状態が試料切片2の観察断面とFIB照射方向とが平行の配置関係であり、この姿勢を基準に精度のよい断面部の追加工が実行できる。ただこの実施例の場合、溝開口側が低く傾斜しているときにも溝Cの側面や開口が見えないことがある。誤確認を避けるため図示したように一旦溝Cの側面や開口が見える状態にしてから調整するのが安全である。
【0014】
【実施例3】
本発明のピックアップ試料の垂直出し方法についての更に異なる実施例を図3のBを参照して説明する。この実施例は試料表面方向を示す印として試料表面に対して所定パターンを書き込む方式で、ここに示すものは3点マーク(p1,p2,p3)を付けておくものである。試料表面に書き込まれたこの所定パターンはピックアップされた後の試料2が元の試料1表面と同じ姿勢にセットされたとき同じ二次元パターンとして認識される。すなわち、試料切片2が傾斜した状態でセットされていればこの3点p1,p2,p3が示す三角形状が歪んで観察されることになるので、姿勢確認ができるというものである。試料表面方向を示す印を書き込むまでの作業は先の実施例と同様である。観察断面部分の厚さが5〜10μmに薄片化された段階で、試料表面方向を示す3点p1,p2,p3をFIBを用いたエッチング又はCVDにより書き込むことになるが、特に書き込みを行わなくても表面中適当な場所に特定できる3点が存在していればそれをパターン登録してもよい。その登録情報を記憶させた後、この薄片化された試料を試料本体から切り出す。この実施例の印は前述したように試料表面中の3点p1,p2,p3であり、ピックアップ後の試料を観察し前記の登録したパターンとのマッチングでFIB照射方向に対する姿勢をとるものである。この手法で精度よい姿勢調整を行うためには、その3点p1,p2,p3はX方向にもY方向にもある程度の距離離れていることが必要である。したがってこの実施例の場合薄片化処理はこの段階であまりしていない方がよい。また、観察断面部は後の加工で薄片化されるためこの印が削られてしまうことが考えられるため、観察断面の両サイド部分に書き込んでおくのが便利である。ただし、削られる前最初の観察時にこの試料切片2取り付け姿勢を検知したときにその情報を記憶させておけば、それでも後の加工や観察に支障はない。
【0015】
このピックアップ試料2をFIB装置の顕微鏡機能で観察したとき図3のB下側に示されるように試料の観察断面はFIB照射方向と平行でないならば、3点p1,p2,p3を結ぶ三角形のパターンは先に登録したパターンと比較したときぴったりと合致せず歪んでいる。そこで、そのときは図の上方に示されるように顕微鏡画像における3点を結ぶ三角形状が先に登録したパターンと一致するように試料ステージを調整する。合致したときの状態が試料の観察断面とFIB照射方向とが平行の配置関係であり、この姿勢を基準に精度のよい断面部の追加工が実行できる。
【0016】
【発明の効果】
本発明の試料の垂直位置出し方法は、大きな試料からFIB加工で試料切片を切り出す前に、試料表面に対して垂直方向にピラーや切り込み溝を形成したり、または二次元パターンをマーキングしたりすることによって、垂直方向を示す目印を付けておき、追加工時はイオン顕微鏡で観察し、この目印を元にピックアップした試料片の姿勢を確認し、FIB装置のステージチルト制御で、元々の試料表面がFIB方向に対して垂直になるようにピックアップした試料切片の水平出しを行うものであるから、ピックアップした試料を所望の方向に姿勢制御して追加工することが可能である。更に、ピックアップ前のTEM試料加工においては、適正な薄片厚さよりやや厚めに加工しておき、実際にTEM観察した後の追加工で適正厚さにすることができるため、適正で堅実な加工が行える。
【0017】
本発明の垂直方向を示す印を持つ試料は、試料切片の切り出し面が観察できるようにサンプル台の表面に立たせた形態で固着されたものであって、該試料切片の上面部には試料表面に対して垂直方向にピラーまたは溝が形成されたものであるから、この試料を追加工する際には顕微鏡でこのピラーまたは溝を観察することにより、元々の試料における表面方向を容易に検知することができ、ステージ制御によって該試料を所望の姿勢にセットすることができる。したがって、精度のよい追加工が加工となる。
また、ピックアップされた試料切片の切り出し面が観察できるようにサンプル台の表面に立たせた形態で固着されたものであって、該試料切片の上面部には試料表面に二次元パターンが形成されている本発明の垂直方向を示す印を持つ試料は、この試料を追加工する際には顕微鏡で観察する二次元パターンを試料に書き込んだパターンとマッチングさせるようにステージ制御することによって、元々の試料における表面方向に容易にセットすることができる。したがって、該試料を所望の姿勢に精度のよい追加工が加工となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例の作製手順を説明する図である。
【図2】本発明に係る試料で垂直方向の取り方を説明する図である。
【図3】本発明の他の実施例で垂直方向の取り方を説明する図である。
【図4】本発明の課題を説明する図である。
【図5】追加工を可能とした従来技術を説明する図である。
【図6】従来のTEM試料と追加工を可能としたTEM試料を説明する図である。
【図7】従来のTEM試料の薄片化加工を説明する図である。
【図8】従来のTEM試料の作製方法を説明する図である。
【符号の説明】
1 試料本体 P ピラー
2 試料切片 C 溝
3 固定台 p1,p2,p3 登録する点
4 穴
5 ガラスプローブ
Claims (6)
- 大きな試料からFIB加工で試料切片を切り出す前に、試料表面に対して垂直方向を示す目印を付けておき、追加工時はイオン顕微鏡で観察し、この目印を元にピックアップした試料片の姿勢を確認し、FIB装置のステージチルト制御で、元々の試料表面が前記FIB方向に対して垂直になるようにすることを特徴とする試料の垂直位置出し方法。
- 試料表面に対して垂直方向を示す目印としては試料表面に対して垂直方向にピラー作製、切り込み溝加工および二次元パターンのマーキングかのいずれかを採用した請求項1に記載の試料の垂直位置出し方法。
- ピックアップされた試料切片の側面が観察できるようにサンプル台の表面に立たせた形態で固着されたものであって、該試料切片の上面部には試料表面に対して垂直方向にピラーが形成されていることを特徴とする垂直方向を示す印を持つ試料。
- ピックアップされた試料切片の側面が観察できるようにサンプル台の表面に立たせた形態で固着されたものであって、該試料切片の上面部には試料表面に対して垂直方向に溝が形成されていることを特徴とする垂直方向を示す印を持つ試料。
- ピックアップされた試料切片の側面が観察できるようにサンプル台の表面に立たせた形態で固着されたものであって、該試料切片の上面部には試料表面に二次元パターンが形成されていることを特徴とする垂直方向を示す印を持つ試料。
- 荷電粒子ビームを用いて、試料表面に対して垂直方向を示す目印を該試料に付ける工程と、
前記目印と共に試料切片を切り出す工程と、
前記試料切片をその試料表面を上にして固定台に固定する工程と、
前記目印と共に前記試料切片を、前記荷電粒子ビームを用いた顕微鏡にて観察する工程と、
前記観察される目印を基に、試料の傾きを前記試料切片の表面が前記荷電粒子ビームに対して垂直になるように調整する工程と、
前記試料切片の側面を加工して薄片化する工程と、
からなる薄片化試料作成方法。
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