JP2004360944A - ガスタービン用燃料ノズル - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、ノズル先端部の過熱、先端部へのカーボン堆積の問題を解決し、NOxやスモークの排出を抑制できる新規なガスタービン用燃料ノズル及びそれを含む複合型のガスタービン用燃料ノズルを提供する。
【解決手段】液膜形成体11の内側に偏流筒体17を配設し、偏流筒体17の内側の流路に空気に旋回を与える第3空気旋回器14cを配設する。空気は、偏流筒体17の燃焼室18側に向いた壁面17bに沿って半径方向に広がり、燃料噴霧と混合しやすくなり、偏流筒体17の温度上昇を抑止すると共に、壁面17bが高温ガス塊との直接曝露に起因した酸化防止にも効果的である。喉部17aでの絞りによって空気の軸方向速度が速いので、高温ガス塊の接近を防止できる。その結果、燃料と空気との混合がより速く行われ、燃焼室18内における温度の偏りも小さくなり、NOxの発生量が抑制される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービンの燃焼器に使用される燃料ノズルに関するもので、特に液膜形成体を備えた気流微粒化ノズルを燃料微粒化手段とするガスタービン用燃料ノズル、及び同方式の微粒化ノズルの内側に別の微粒化ノズルを同軸に組み合わせた複合型のガスタービン用燃料ノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】
液体燃料を使用するガスタービンには、燃料を空気と混合するため燃料を微粒化する装置として燃料ノズルが用いられる。従来は、燃料ノズルとして圧力スワールノズル(スワールアトマイザーとも呼ばれる。)が圧倒的な占有率を誇っていたが、スモークやNOxの排出低減への要求が高まるにつれて燃焼室内に流入する空気によって燃料を微粒化する気流微粒化燃料ノズル(エアブラスト燃料ノズルとも呼ぶ。)の使用が増えている。
【0003】
圧力スワールノズルでは、液体燃料は、円筒あるいは円錐状の側壁面を持った渦室にその中心軸とねじれの位置の関係にある方向から流入し、渦室内に旋回流を生じさせている。液体燃料は、渦室の側壁面に接する環状部分を流れ、渦室につながる燃料噴射孔から自由空間に流出すると中空円錐状液膜に成長し、まず紐状に分裂し、さらに分裂して液滴になる。渦室の中心部は、空気で満たされている。
【0004】
一方、気流微粒化燃料ノズルには、気流中に燃料を交差するように噴射する方式もあるが、現在、ガスタービン用燃料ノズルとして実用になっているのは、断面環状をした液膜形成体(プレフィルマーともいう。)の液膜形成面に液体燃料を流出させ、膜状に広げ、液膜表面に接して流れる気流のせん断作用によって液膜を液滴に分裂させる、いわゆる液膜微粒化方式のものである。液膜形成体の内周面及び外周面に接して気流が流されており、通常どちらの気流にも旋回が与えられている。この方式のガスタービン用燃料ノズルは、広く知られており、改良発明の特許が出願されている。例えば、気流の旋回の方向を自動的に切り替える構造を有する液体燃料ノズルが特許文献1に、また、液膜の流出する環状部に多数の絞り溝を付けて液膜厚さを周方向に均等にするエアブラスト燃料ノズルが特許文献2に開示されている。
【0005】
図6は、従来の液膜方式気流微粒化燃料ノズルの代表的な形態の例を示している。気流微粒化燃料ノズルとして構成される燃料ノズル6において、燃料は、液膜形成体11の内部に設けられる燃料マニフォールド15から液膜形成体11の内周面に開く開口11bを通って液膜形成面11a上に流出し、液膜12を形成する。液膜12は液膜形成面11aの先端11cから燃焼室18の自由空間に流出し、主として液膜形成体11の内側を通る気流13bにより、二次的には液膜形成体11の外側を通る気流13aにより微粒化される。気流13a,13bには、それぞれ旋回羽根からなる第1空気旋回器14aと第2空気旋回器14bによって旋回が与えられている。気流13bは液膜形成面11aの先端11cの下流で半径方向に広がり、燃料粒子も気流13bに乗って気流13aとの混合が進み、燃焼室18内に分散する。旋回が与えられた気流13a,13bは液膜形成面11aに近いほど流速は速くなり、液膜形成面11aの先端11cにおいて液膜12に接する気流速度も速くなるので、微粒化の促進には非常に有効である。
【0006】
この空気の旋回は、火炎の安定にも不可欠であることはいうまでもない。旋回によって燃料ノズル出口の下流において中心部分の圧力が低下し、その結果、高温燃焼ガス塊25が矢印25aで示すように燃料ノズル6の出口近傍まで引き戻される、いわゆる循環領域の形成という現象が生じる。混合気は、高温ガス塊25によって連続的に点火される。
【0007】
旋回羽根の角度が大きく、旋回の強さが大きい場合には、高温燃焼ガス塊25は燃料ノズルの中心軸上に発達する逆流領域に沿って上流に遡るので、液膜形成体11、第2空気旋回器14bの旋回羽根、或いは中心体27が過熱されたり、それらの一部が焼損するという不具合が起きる。特に、微粒化性能向上を目的とし、液膜形成体11の先端部での気流速度を上昇させるため中心体27の先端部の直径を大きくする場合には、中心体27の先端部近傍に大きな逆流域が形成され、そこに高温燃焼ガス塊25が戻されるので、過熱・焼損の問題が大きいことが知られている。液膜形成体11の先端11cの径を絞ることによってこの問題は緩和されるが、液膜形成面11aの先端の周長が短くなるので液膜12が厚くなる傾向があり、微粒化性能が低下するという問題が顕著になることが多い。
【0008】
気流微粒化燃料ノズルは、燃料粒子と空気との混合の点で本質的に優れているので微粒化が良い条件では、空気量を適切に設定すればスモークやNOxの発生を確実に抑制することができる。ところが、微粒化の性能を表す噴霧粒子の代表径は気流速度に強く依存し、良好な微粒化を行うには秒速数十メートルの気流速度が不可欠である。ガスタービンの始動時には、空気流速が小さいために燃料噴霧の粒子は粗大化するので、可燃範囲の燃料蒸気−空気混合気ができにくく、点火が容易でない。そのため、気流微粒化燃料ノズルは、単独での使用が比較的少なく、圧力スワールノズルと組み合わせて使用されることが多い。
【0009】
図7は、液膜方式の気流微粒化燃料ノズルと圧力スワールノズルとを組み合わせた複合型の燃料ノズルの例である。図7においては、図6に示す例に用いられた要素又は部位と同じものには、図6において用いた符号と同じ符号を用いることで、再度の説明を省略する。複合型の燃料ノズル7は、それぞれの構造上の制約から、気流微粒化ノズル10と、気流微粒化ノズル10の内側に同軸に配置された圧力スワールノズル19とを備えている。複合型の燃料ノズル7は、圧力スワールノズル19だけの場合と比べるとスモーク濃度は著しく改善されるが、圧力スワールノズル19の先端部19aにカーボン19cが堆積するという問題がある。圧力スワールノズル19と気流微粒化ノズル10の液膜形成体11との間に形成される環状流路の気流13bには旋回が与えられているため、環状流路内の中心軸寄りの部分では圧力が下がり、図の矢印で示すような逆流26が生じる。燃料噴霧粒子の一部は逆流26に乗って上流に運ばれ、圧力スワールノズル19の先端部19a及びそれに隣接する側壁に付着する。ガスタービン用燃料として、安価な重質油を使用したいという要望は強いが、このカーボン19cの堆積が大きな問題になることが多い。堆積したカーボン19cはエンジン運転中に脱落することがあり、その破片が燃焼ガスによって運ばれてタービン翼に衝突すると、タービン翼やタービンノズルの摩耗が早まり、最悪の場合には破損につながるという問題がある。
【0010】
圧力スワールノズル19の噴出孔19bがその周囲に堆積したカーボン19cによって部分的に塞がれると、噴霧に偏りが生じたり微粒化が損なわれ、その結果、点火が不確実になりスモークや未燃焼成分の排出が急増する。燃料と空気の混合にも不具合が生じ、NOxも急増する。カーボン19cの堆積がそれほどまで成長しない場合でも、スモーク濃度が高くなるため火炎放射が強まり、壁温上昇やスモーク粒子による摩擦のために燃焼器ライナ16やタービン翼等の寿命が短くなるという問題がある。
【0011】
将来、NOxの排出抑制への圧力がさらに強まると、圧力スワールノズルからの噴霧燃料の燃焼による単位燃料当たりのNOx生成量が気流微粒化のものに比べて数倍も高いことから、パイロット燃料噴射のための燃料ノズルにも気流微粒化燃料ノズルを用いることが必要になると考えられている。その場合においても、高温ガス塊によるノズルの先端部の過熱や焼損、燃料マニフォールドにおける燃料の炭化、それに起因する燃料噴射孔の詰まり、液膜形成体の外周面へのカーボン付着の問題は依然として残る。
【0012】
【特許文献1】
特開平6−213449号公報(段落[0011]〜[0016]、図1,図2)
【特許文献2】
特開平8−261413号公報(段落[0013]〜[0016]、図1〜図3)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
従来の液膜気流微粒化方式のガスタービン用燃料ノズルにおいては、微粒化性能を向上し、先端部の過熱を回避する上で、ノズル出口における旋回流を強めて、微粒化された燃料噴霧の拡散と空気との混合を促進すると共に、燃焼室側からの高温のガスの逆流の影響を抑制する点で解決すべき課題がある。
【0014】
本発明の目的は、従来の液膜形成体を備えた気流微粒化ノズルを燃料微粒化手段とするガスタービン用燃料ノズルにおいて、先端部の過熱の問題を解決することであり、また、液膜方式の気流微粒化燃料ノズルの内側にパイロット燃料噴射用等のために別の微粒化ノズルを同軸に組み合わせた複合型のガスタービン用燃料ノズルにおいては、パイロット燃料噴射用に圧力スワール燃料ノズルを配設した場合には、その先端部へのカーボン堆積を抑制し、その噴霧の燃焼によるNOxやスモークの排出を一層削減し、別の微粒化ノズルとして気流微粒化ノズルを用いた場合にも、先端部の過熱の問題を解決することができる新規なガスタービン用燃料ノズルを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の課題を解決するためになされたもので、本発明によるガスタービン用燃料ノズルは、筒状内面が液膜形成面とされる液膜形成体を備えた気流微粒化ノズルを燃料微粒化手段とするガスタービン用燃料ノズルにおいて、前記液膜形成体の内側に断面環状の偏流筒体を同軸に配設し、前記偏流筒体の外周面と前記液膜形成体の前記液膜形成面との間に形成される環状流路の上流部に第1空気旋回器を配設するとともに前記偏流筒体の内周面を壁面とする流路の上流部に第2空気旋回器を配設し、前記偏流筒体は、前記外周面を定める外径が前記環状流路の先端に向かって増大し、前記内周面を定める内径が前記第2空気旋回器の下流端よりも下流において極小となり、その後、前記流路の先端に向かって増大する形状であることを特徴とする。
【0016】
上記の形状を有する偏流筒体を採用することによって、液膜形成体の先端における旋回気流の速度を一層加速することができ、液体燃料の微粒化の向上が実現できる。また、半径方向への気流の広がりが促進されるため、燃料粒子を燃焼室内に広く分散させる点でも利点がある。また、偏流筒体の内側の流路に第2空気旋回器を配設したことによって、そこを流れる空気に旋回を与えることにより空気を偏流筒体の燃焼室側に向いた壁面に沿って半径方向に広がるように流すことが可能になり、偏流筒体の温度上昇を抑止する目的だけでなく、壁面が高温ガス塊に直接曝されないので、酸化を防止するのにも効果的である。さらに、流路が絞られていることから、そこでの空気の軸方向速度は速く、高温ガス塊が近づけないようになっている。さらに、この空気も半径方向に拡がるので燃料噴霧と混合しやすくなる。その結果、燃料と空気との混合がより速く行われ、燃焼室内における温度の偏りも小さくなり、NOxの発生量が抑制される。
【0017】
また、本発明による複合型のガスタービン用燃料ノズルは、筒状内面が第1液膜形成面とされる第1液膜形成体を備えた気流微粒化ノズルとしての第1微粒化ノズルと、前記第1微粒化ノズルの前記第1液膜形成体の内側に同軸に配設された第2微粒化ノズルとを燃料微粒化手段とするガスタービン用燃料ノズルにおいて、前記第2微粒化ノズルの外周面と前記第1微粒化ノズルの前記第1液膜形成体との間に断面環状の偏流筒体を同軸に配設し、前記偏流筒体の外周面と前記第1液膜形成体との間に形成される第1環状流路の上流部に第1空気旋回器を配設するとともに、前記偏流筒体の内周面と前記第2微粒化ノズルの外周面との間に形成される第2環状流路の上流部に第2空気旋回器を配設し、前記偏流筒体は、前記外周面を定める外径が前記流路の先端に向かって増大し、前記内周面を定める内径が前記第2空気旋回器の下流端よりも下流において極小となり、その後、前記流路の先端に向かって増大する形状であることを特徴としている。
【0018】
この複合型のガスタービン用燃料ノズルによれば、偏流筒体は内径が第2空気旋回器の下流端よりも下流において極小となり、その後、先端に向かって増大するようにし、液膜形成体を備えた気流微粒化方式の第1微粒化ノズルの液膜形成体の内側に同軸に配設された第2微粒化ノズルの先端部表面に沿って空気流が流れるのを可能にした。その結果、第2微粒化ノズルの先端部表面の高温ガス塊からの放射熱による温度上昇が著しく抑制される。偏流筒体を用いているので、第2微粒化ノズルの先端部表面では従来の液膜微粒化方式燃料ノズルのように流れが剥離することはなく、逆流領域が形成されず、第2微粒化ノズルの先端部表面が高温ガスに曝されることもなくなる。また、燃料噴霧の粒子が逆流により第2微粒化ノズルの先端部に運ばれてその表面に付着し、それが高温ガス塊との接触により炭化し、カーボンとして堆積するという問題も解消される。更に、第2微粒化ノズルからの噴霧と空気との混合が促進され、空気流量をそれほど増やさなくてもスモークの発生がなくなる。その副次的効果として、空気流量を完全燃焼に適した範囲に収めることができ、低NOxと高い燃焼効率とを同時に実現することができる。
【0019】
この複合型のガスタービン用燃料ノズルにおいて、前記第2空気旋回器は、中心に前記第2微粒化ノズルが挿入される円孔を持つ、前記偏流筒体と一体になった環状円盤で、前記円孔の周囲には空気が通過可能な複数の斜め孔が配列された形態とすることができる。第2空気旋回器をこのように構成することにより、製作が容易なだけでなく、第2微粒化ノズルを第1微粒化ノズルから容易に取り外すことができ、交換が自由に行えるという利点がある。
【0020】
また、上記複合型のガスタービン用燃料ノズルにおいて、第2微粒化ノズルとして、微粒化性能が気流速度の影響をまったく受けない圧力スワールノズルを組み込むことができる。第2微粒化ノズルとして圧力スワールノズルを用いることにより、ガスタービンの始動時の点火がより確実に行えるようになるとともに、前記偏流筒体の存在により圧力スワールノズルの先端部表面へのカーボンの付着の問題が解決される。
【0021】
上記複合型のガスタービン用燃料ノズルにおいて、前記第2微粒化ノズルを、中心軸上に配設された燃料噴射筒と、前記燃料噴射筒と同軸の断面環状の第2液膜形成体と、前記燃料噴射筒の外周面と第2液膜形成体の液膜形成面との間において前記燃料噴射筒の側壁面に穿けられた燃料噴射孔よりも軸方向に上流の位置に配設された第3空気旋回器とを備え、燃料を前記燃料噴射孔から前記第2液膜形成体の液膜形成面に向けて放射状に噴出する気流微粒化ノズルとすることができる。燃料噴射筒の側壁面にあけた燃料噴射孔から放射状に噴出した燃料噴流は第2液膜形成体の液膜形成面に衝突し、液膜形成面上で液膜を形成する。燃料噴射筒の外周面と第2液膜形成体の液膜形成面との間の気流には第3空気旋回器により旋回が与えられ、この旋回気流によって液膜が微粒化される。この方式では、燃料マニフォールドと液膜形成体とを別の部品で構成でき、この場合には燃料マニフォールドは単なる筒で済み、燃料噴射孔の加工もきわめて容易で、微粒化ノズルの外形を圧力スワールノズルと同程度に小さくできるという利点がある。
【0022】
さらに、上記複合型のガスタービン用燃料ノズルにおいて、第1微粒化ノズルでは、前記偏流筒体は、その内部に燃料供給を受ける燃料マニフォールドを配設し、前記外周面には前記燃料マニフォールドにつながり燃料を放射状に噴射する燃料噴射孔を開口させることができる。第1微粒化ノズルへの燃料供給は、偏流筒体の内部に配設された燃料マニフォールドから、その外壁面にあけた単純な孔を通して噴射することにより行えるようにしたので、偏流筒体の直径に比べ大きい液膜形成体の壁の最大厚みを薄くすることができ、燃料ノズルを、全体外径を小さくできるとともに軽量化することができる。
【0023】
さらに、上記複合型のガスタービン用燃料ノズルにおいて、前記第1微粒化ノズルを、前記第1液膜形成体の上流内部に燃料マニフォールドを配設し、前記第1液膜形成面上に前記燃料マニフォールドにつながり燃料を流出させる開口を形成した構成とすることができる。第1微粒化ノズルにおいては、燃料マニフォールドを液膜形成体の内部に供え、燃料を内周壁の開口を通して液膜形成面上に流出させるようにしたので、気流を横切って液膜形成面に衝突させることが必要な噴流方式に比べ、非常に小さな燃料噴射圧で済むという利点がある。燃料噴射圧が低いので開口を比較的大きな寸法とすることができ、流路の詰まりが起きにくいという利点がある。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明によるガスタービン用燃料ノズルの第1実施例を示す縦断面図である。図1に示すガスタービン用燃料ノズル1においては、図6及び図7に示す従来のガスタービン用燃料ノズル6,7と同等の機能を奏する構成要素及び部位には、同じ符号を付している。気流微粒化ノズル10の液膜形成体11の内側に、断面環状の偏流筒体17が同軸に配設されている。偏流筒体17の外周面17cと液膜形成体11の液膜形成面11aとの間の第1環状流路28の上流部に第2空気旋回器14bが配設されており、偏流筒体17の内周面17dを壁面とする第2環状流路29の上流部に第3空気旋回器14cが配設されている。偏流筒体17は、先端部を除く気流微粒化ノズル10の略全長に渡って、内径及び外径がそれぞれ一定の内周面と外周面を持つ筒体であり、先端部において、その外周面17cを定める外径は流路の先端に向かって増大し、内周面17dを定める内径は第3空気旋回器14cの下流端よりも流路下流において一旦なだらかに縮径して極小となり、その後、先端に向かって増大する形状を有している。外径の増加の仕方は滑らか且つ緩やかであるが、内径の増加の仕方は極小となった位置より下流においては外径の増加よりも急であって、流路の先端側では、実質的に外径に追いついて尖端化している。なお、ガスタービン用燃料ノズル1は、中心軸線に対して点対称構造であり、後述する以下の各ガスタービン用燃料ノズル2〜5においても同様である。なお、図1に限らず、液膜形成面11aは、直円筒面として描かれているが、下流側に向かって滑らかに拡大するテーパ面であってもよい。また、図の簡素化のため、先端側の上下端縁を結ぶ線は省略してある。
【0025】
燃料は、液膜形成体11の内部の燃料マニフォールド15から開口11bを通って液膜形成面11a上に流出し、液膜12を形成する。燃料マニフォールド15からの燃料は、開口11bを液膜形成面11aに対して接線方向に傾け、旋回を与えて液膜形成面11a上に流出させてもよいし、液膜形成面11aとの間の環状のスリットから軸方向に、あるいは旋回を与えて流出させてもよい。液膜12は、液膜形成面の先端11cから燃焼室18の自由空間に流出し、主として気流13bにより微粒化される。気流13aも二次的に燃料の微粒化に寄与するが、液膜12が液膜形成体11の背面に回り込むのを防ぐのが主な役割である。
【0026】
気流13a,13bには、それぞれ旋回羽根からなる第1空気旋回器14a、第2空気旋回器14bによって旋回が与えられている。気流13bは液膜形成面11aの先端11cの下流で半径方向に広がり、燃料粒子もこの気流に乗って気流13aとの混合が進み、燃焼器ライナ16で形成される燃焼室18に分散する。旋回が与えられると液膜形成面11aに近い層ほど流速は加速されており、液膜形成面11aの先端11cにおいて液膜12に接する気流速度も速くなるので、微粒化の促進には非常に有効である。偏流筒体17の外周面17cが先端部において半径方向に広がっていない場合は、外周面17cの先端部付近は気流13bの旋回のために圧力が低く、高温燃焼ガスが逆流する可能性があり、液膜形成体11の先端部が過熱、あるいは焼損する危険性が高い。ガスタービンの圧縮機出口における空気流速の断面における偏りや、その周期的な変化、あるいは振動燃焼による燃焼室18内の圧力変動などがある場合には、特にそのような問題が起きやすい。
【0027】
偏流筒体17は、外周面17cが先端部において半径方向に広がっており、液膜形成面11aの先端における気流13aを加速する。一方、第3空気旋回器14cにより旋回を与えられた気流13cは、偏流筒体17の内径が極小となる喉部17aで絞られるが、喉部17aを過ぎると旋回のため内周面17dの拡径する壁面17bに沿って広がる。気流13cは、偏流筒体17への高温燃焼ガスからの放射熱を取り去るのに有効なだけでなく、偏流筒体17が火炎や高温ガスに直接、曝されるのを防止するのにも有効である。旋回が与えられないと、この気流は壁面17bに沿って流れることできず前方に噴流となって流出し、そのため、高温燃焼ガスの逆流現象によって、特に壁面17bが過熱されたり過度に酸化されたりする。
【0028】
図2は、本発明によるガスタービン用燃料ノズルの第2実施例を示す縦断面図である。図2に示すガスタービン用燃料ノズル2においては、図1に示すガスタービン用燃料ノズル1と同等の機能を奏する主要な構成要素及び部位については同じ符号を付すことで、再度の説明を省略する。ガスタービン用燃料ノズル2は、液膜形成体11を持つ気流微粒化ノズル10、その内側に同軸に配設されている微流化ノズルとしての圧力スワールノズル19、及び液膜形成体11と圧力スワールノズル19との間に配置されている偏流筒体17を備えている。気流微粒化ノズル10の微粒化性能向上についての偏流筒体17の作用・効果についての説明は、第1実施例の説明と重複するので省略する。
【0029】
ガスタービン用燃料ノズル2は、圧力スワールノズル19によって、次のような作用・効果を奏する。偏流筒体17と圧力スワールノズル19との間の環状流路を流れる気流13cは、偏流筒体17が有する喉部17aによって中心軸方向に曲げられ、圧力スワールノズル19の表面に沿って流れる。圧力スワールノズル19の燃料噴射孔と喉部17aとの軸方向距離や、喉部17aの前後における偏流筒体17の内周面17dを定める内径の変化を適切に設定することにより、気流13cと圧力スワールノズル19の燃料噴霧との干渉を強めることができ、少ない導入空気量でスモークの抑制やNOxを低減させることが可能になる。このことは、始動時の確実な点火に有利である。また、圧力スワールノズル19の先端への噴霧粒子の付着も起こらないので、図7において19cで示すようなカーボンの堆積がなくなる。なお、偏流筒体17の拡大する壁面17bの広がりが急すぎると、旋回が強くても気流13cは壁面17bを完全には覆うことができなくなり、壁面17bの先端部にはスモークが着きやすくなる。
【0030】
図3は、本発明によるガスタービン用燃料ノズルの第3実施例を示す縦断面図である。図3に示すガスタービン用燃料ノズル3においては、図1や図2に示されているガスタービン用燃料ノズル1,2と同等の機能を奏する主要な構成要素及び部位については同じ符号を付すことで、再度の説明を省略する。ガスタービン用燃料ノズル3は、液膜形成体11を持つ第1微粒化ノズルとしての気流微粒化ノズル10、その内側に同軸に配設されている第2微流化ノズルとしての気流微粒化ノズル20、及び液膜形成体11と気流微粒化ノズル20との間に配置されている偏流筒体17を備えている。気流微粒化ノズル10の微粒化性能向上についての偏流筒体17の作用・効果についての説明は、第1実施例や第2実施例の説明と重複するので省略する。
【0031】
気流微粒化ノズル20は、中心軸上に配設された燃料噴射筒23と、それと同軸の断面環状の液膜形成体21と、燃料噴射筒23の外周面と液膜形成体21の液膜形成面21aとの間の流路の上流部に配設された第3空気旋回器14dとを備えている。燃料は、燃料噴射筒23の燃料噴射孔23aから液膜形成体21の液膜形成面21aに向けて放射状に噴出され、液膜形成体21の液膜形成面21aに衝突して液膜22を形成する。液膜22となった燃料は、液膜形成面21aの先端で気流13dにより微粒化される。偏流筒体17は、気流13cが液膜形成体21の外周面にできるだけ沿って流れるように導き、気流13dによる液膜22の微粒化がより効果的に行われるようにする役目を果たしている。
【0032】
図4は、本発明によるガスタービン用燃料ノズルの第4実施例を示す縦断面図である。図4に示すガスタービン用燃料ノズル4と図2に第2実施例として示したガスタービン用燃料ノズル2との違いは、気流微粒化ノズル10において燃料マニフォールド15が偏流筒体37の壁内部に設けられていることである。図4において、ガスタービン用燃料ノズル2と同等の機能を奏する主要な構成要素及び部位については同じ符号を付すことにより、それらについての再度の説明を省略する。偏流筒体37は、喉部37a、拡大する壁面37b、外周面37c及び内周面37dを備えているが、燃料マニフォールド15を内部に設けるため肉厚に構成されている。燃料は、偏流筒体37のマニフォールド15につながり外周面37c壁に開口する燃料噴射孔21から放射状に噴射され、液膜形成体11の液膜形成面11aに衝突して液膜12を形成し、液膜12の先端において気流13bによって微粒化される。
【0033】
図5は、本発明によるガスタービン用燃料ノズルの第5実施例を示す図であり、(a)は縦断面図、(b)は第3空気旋回器の正面図、(c)は第3空気旋回器の側面図である。図5に示すガスタービン用燃料ノズル5と図2に第2実施例として示したガスタービン用燃料ノズル2との違いは、第3空気旋回器の具体的な構造にある。図5において、ガスタービン用燃料ノズル2と同等の機能を奏する主要な構成要素及び部位については同じ符号を付すことにより、それらについての再度の説明を省略する。ガスタービン用燃料ノズル5において、偏流筒体17の第3空気旋回器14cは、第2微粒化ノズルとしての圧力スワールノズル19が挿入される円孔23を中心に持ち、偏流筒体17と一体になった環状円盤形状を有しており、円孔23の周囲には空気が通過可能な複数の斜め孔24(一部のみ符号を付す)が等間隔に配列されている。この形態は第2、第3、第4の各実施例にも適用できる。このような形態にすれば、第2微粒化ノズルと第1微粒化ノズルとの分離や交換が自由に行えるという利点がある。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、液膜形成体を備えた気流微粒化ノズルを燃料微粒化手段とするガスタービン用燃料ノズルにおいて、微粒化ノズルの液膜形成体の内側に断面環状の偏流筒体を同軸に配設し、この偏流筒体の外周面と液膜形成体の液膜形成面との間に形成される環状流路の上流部に第1空気旋回器を配設し、偏流筒体の外周面を定める外径は先端に向かって増大するようにしたので、液膜形成面に沿って流れる気流の速度が加速され先端での流速が大きくなり、微粒化性能を向上させることができる。また、偏流筒体の内周面を壁面とする流路の上流部に第2空気旋回器を配設し、偏流筒体の内周面を定める内径は第2空気旋回器の下流端よりも下流において極小となり、その後、流路の先端に向かって増大する形状としたので、偏流筒体の内側を流れる気流には旋回が与えられ、この流路の喉部より先において半径方向に拡がり、偏流筒体の燃焼室に向いた径方向に拡大する壁面に沿って流れる。この旋回気流は、偏流筒体への高温燃焼ガスからの放射熱を取り去るのに有効なだけでなく、偏流筒体が火炎や高温ガスに直接に曝されるのを防止するのにも有効である。また、偏流筒体の喉部を通る気流の軸方向速度は大きくなるので、高温ガス塊が通路内に進入するのを防ぎ、燃料ノズル先端の過熱や焼損を防止することができる。
【0035】
液膜形成体を備えた第1微粒化ノズルと、第1微粒化ノズルの液膜形成体の内側に同軸に第2微粒化ノズルとを燃料微粒化手段として配設した複合型のガスタービン用燃料ノズルにおいて、第2微粒化ノズルの外周面と第1微粒化ノズルの液膜形成体との間に形成される環状通路に断面環状の偏流筒体を同軸に配設し、この偏流筒体の外周面と第1微粒化ノズルの液膜形成体との間に形成される環状流路の上流部に第1空気旋回器を配設するとともに、この偏流筒体の内周面と第2微粒化ノズルの外周面との間に形成される環状流路に第2空気旋回器を配設し、この偏流筒体の外周面を定める外径を先端に向かって増大させ、内周面を定める内径を第2空気旋回器の下流端よりも下流において極小となり、その後、流路の先端に向かって増大するような形状としたので、前述の効果に加え、第2微粒化ノズルの燃料噴霧と偏流筒体の内周面による流路を流れる気流との干渉を強めることができ、燃料と空気の混合が促進され、少ない導入空気量でスモークの抑制やNOxの低減が可能になるという効果がある。このことは始動時の確実な点火に有利である。
【0036】
複合型のガスタービン用燃料ノズルにおいて、第2空気旋回器は、第2微粒化ノズルが挿入される円孔を中心に持ち、前記偏流筒体と一体になった環状円盤形状に構成され、円孔の周囲には空気の通る複数の斜め孔が配列された形態としたので、第2燃料ノズルと第1燃料ノズルとの分離や交換が自由に行えるという利点がある。
【0037】
複合型のガスタービン用燃料ノズルにおいて、第2微粒化ノズルが圧力スワールノズルの場合には、偏流筒体の存在により空気の流れが適正にされるので、燃料ノズルの先端部近傍への高温燃焼ガス塊の逆流がほぼ完全に排除される。したがって、噴霧粒子が先端部壁面に付着することはなくなり当然、カーボンが堆積することもなくなる。また、燃料ノズルの加熱が抑制され、燃料噴霧と空気との混合が促進されるのでスモーク生成も著しく抑制され、NOxの生成も抑えられる。この燃料ノズルは、微粒化性能が気流速度の影響をまったく受けないので、ガスタービンの始動時の点火がより確実に行えるようになるとともに、偏流筒体の存在により圧力スワールノズルの先端部表面へのカーボンの付着の問題が解決される。
【0038】
複合型のガスタービン用燃料ノズルにおいて、第2微粒化ノズルが、中心軸上に燃料噴射筒を配設し、その外側に同軸に断面環状の第2液膜形成体を配設し、燃料を燃料噴射筒の側壁面にあけた燃料噴射孔から第2液膜形成体の液膜形成面に向けて放射状に噴出するようにした場合には、これまで述べた効果に加え、外径寸法を小さくでき、加工も容易である。
【0039】
複合型のガスタービン用燃料ノズルにおいて、偏流筒体の内部に配設された燃料マニフォールドから、その外壁面に穿けた単純な孔を通して燃料を放射状に噴射できるようにした場合には、偏流筒体の直径に比べ大きい液膜形成体の壁の最大厚みを薄くすることができるので、燃料ノズル全体の外径を小さくできるとともに、軽量化が可能になる。
【0040】
また、第1微粒化ノズルにおいて燃料マニフォールドを液膜形成体の内部に備え、内周壁の開口を通して液膜形成面上に流出させるようにしたものでは、単純な外向き孔と異なり内向きの開口は加工に工数がかかるが、気流を横切って液膜形成面に衝突させることが必要な噴流方式に比べ、非常に小さな燃料噴射圧で済むという利点がある。燃料噴射圧が低いので開口を比較的大きな寸法とすることができ、流路が詰まりにくいという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるガスタービン用燃料ノズルの第1実施例を示す縦断面図である。
【図2】本発明によるガスタービン用燃料ノズルの第2実施例を示す縦断面図である。
【図3】本発明によるガスタービン用燃料ノズルの第3実施例を示す縦断面図である。
【図4】本発明によるガスタービン用燃料ノズルの第4実施例を示す縦断面図である。
【図5】本発明によるガスタービン用燃料ノズルの第5実施例を示す図であり、(a)は縦断面図、(b)は第3空気旋回器の正面図、(c)は第3空気旋回器の側面図である。
【図6】従来の液膜方式気流微粒化ノズルとしてのガスタービン用燃料ノズルの代表的な形態の例を示す断面図である。
【図7】液膜方式の気流微粒化燃料ノズルと圧力スワールノズルとを組み合わせた従来の複合型の燃料ノズルの一例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1,2,3,4,5 ガスタービン用燃料ノズル
10 気流微粒化ノズル 11 液膜形成体
11a 液膜形成面 11b 開口
11c 液膜形成面の先端 12 液膜
13a 気流 13b 気流
13c 気流 13d 気流
14a 第1空気旋回器 14b 第2空気旋回器
14c 第3空気旋回器
15 燃料マニフォールド 16 燃焼器ライナー
17,37 偏流筒体
17a 偏流筒体の喉部 17b 偏流筒体の拡大する壁面
17c 偏流筒体の外周面 17d 偏流筒体の内周面
18 燃焼室 19 圧力スワールノズル
19a 圧力スワールノズルの先端部
19b 圧力スワールノズルの燃料噴射孔
20 第2気流微粒化ノズル 21 燃料噴射孔
22 燃料噴射筒 23 円孔
24 斜め孔 25 高温燃焼ガス塊
26 逆流 27 中心体
28 第1環状流路 29 第2環状流路

Claims (7)

  1. 筒状内面が液膜形成面とされる液膜形成体を備えた気流微粒化ノズルを燃料微粒化手段とするガスタービン用燃料ノズルにおいて、前記液膜形成体の内側に断面環状の偏流筒体を同軸に配設し、前記偏流筒体の外周面と前記液膜形成体の前記液膜形成面との間に形成される環状流路の上流部に第1空気旋回器を配設するとともに前記偏流筒体の内周面を壁面とする流路の上流部に第2空気旋回器を配設し、前記偏流筒体は、前記外周面を定める外径が前記環状流路の先端に向かって増大し、前記内周面を定める内径が前記第2空気旋回器の下流端よりも下流において極小となり、その後、前記流路の先端に向かって増大する形状であることを特徴とするガスタービン用燃料ノズル。
  2. 筒状内面が第1液膜形成面とされる第1液膜形成体を備えた気流微粒化ノズルとしての第1微粒化ノズルと、前記第1微粒化ノズルの前記第1液膜形成体の内側に同軸に配設された第2微粒化ノズルとを燃料微粒化手段とするガスタービン用燃料ノズルにおいて、前記第2微粒化ノズルの外周面と前記第1微粒化ノズルの前記第1液膜形成体との間に断面環状の偏流筒体を同軸に配設し、前記偏流筒体の外周面と前記第1液膜形成体との間に形成される第1環状流路の上流部に第1空気旋回器を配設するとともに、前記偏流筒体の内周面と前記第2微粒化ノズルの外周面との間に形成される第2環状流路の上流部に第2空気旋回器を配設し、前記偏流筒体は、前記外周面を定める外径が前記流路の先端に向かって増大し、前記内周面を定める内径が前記第2空気旋回器の下流端よりも下流において極小となり、その後、前記流路の先端に向かって増大する形状であることを特徴とするガスタービン用燃料ノズル。
  3. 前記第2空気旋回器は、中心に前記第2微粒化ノズルが挿入される円孔を持つ、前記偏流筒体と一体になった環状円盤で、前記円孔の周囲には空気が通過可能な複数の斜め孔が配列された形態であることを特徴とする請求項2に記載のガスタービン用燃料ノズル。
  4. 前記第2微粒化ノズルは、圧力スワールノズルであることを特徴とする請求項2又は3に記載のガスタービン用燃料ノズル。
  5. 前記第2微粒化ノズルは、中心軸上に配設された燃料噴射筒と、前記燃料噴射筒と同軸の断面環状の第2液膜形成体と、前記燃料噴射筒の外周面と第2液膜形成体の液膜形成面との間において前記燃料噴射筒の側壁面に穿けられた燃料噴射孔よりも軸方向に上流の位置に配設された第3空気旋回器とを備え、燃料は前記燃料噴射孔から前記第2液膜形成体の液膜形成面に向けて放射状に噴出する気流微粒化ノズルであることを特徴とする請求項2又は3に記載のガスタービン用燃料ノズル。
  6. 前記第1微粒化ノズルにおいて、前記偏流筒体は、その内部に燃料供給を受ける燃料マニフォールドが配設され、前記外周面には前記燃料マニフォールドにつながり燃料を放射状に噴射する燃料噴射孔が開口していることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載のガスタービン用燃料ノズル。
  7. 前記第1微粒化ノズルにおいて、前記第1液膜形成体の上流内部に燃料マニフォールドが配設され、前記第1液膜形成面上には前記燃料マニフォールドにつながり燃料を流出させる開口が形成されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載のガスタービン用燃料ノズル。
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