JP2004101081A - 燃料ノズル - Google Patents
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Abstract
【課題】油燃料の微粒化を促進することにより、燃料液滴の燃焼器壁面への衝突を防止し、均一な予混合気を形成することでNOxの生成を抑制したガスタービンの燃焼器における油用燃料ノズルを提供する。
【解決手段】メインスワラ8は、メインバーナ6の内周壁面より内方へ延びるスワラベーン8aと、これのハブ側に設けられたスワラハブリング8bとより成る。メインノズル4の外周面には、スワラハブリング8bの内周面と相対するように、燃料の噴出孔4aが開けられている。噴出孔4aから放射状に噴出した燃料は、スワラハブリング8bの内周面に衝突し、フィルム状となって下流側へと噴射される。これにより燃料の微粒化が促進され、メインバーナ6内部での燃料噴流の半径方向の速度成分が消滅し、メインバーナ6の内周壁面に燃料が衝突することが防止される。また均一予混合気の形成でNOxの生成も抑制される。
【選択図】 図1
【解決手段】メインスワラ8は、メインバーナ6の内周壁面より内方へ延びるスワラベーン8aと、これのハブ側に設けられたスワラハブリング8bとより成る。メインノズル4の外周面には、スワラハブリング8bの内周面と相対するように、燃料の噴出孔4aが開けられている。噴出孔4aから放射状に噴出した燃料は、スワラハブリング8bの内周面に衝突し、フィルム状となって下流側へと噴射される。これにより燃料の微粒化が促進され、メインバーナ6内部での燃料噴流の半径方向の速度成分が消滅し、メインバーナ6の内周壁面に燃料が衝突することが防止される。また均一予混合気の形成でNOxの生成も抑制される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービンの燃焼器における燃料ノズルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のガスタービン燃焼器の概要について説明する。図6は、従来よりのガスタービン燃焼器の概略構成を模式的に示す縦断面図である。ガスタービン燃焼器は、同図に示すように、燃料と燃焼用空気とを混合させる機構を備えた内筒2を有しており、内筒2の軸心位置には、パイロットコーン5に連通したパイロットノズル3が配置されている。パイロットノズル3の周辺には、予混合器であるメインバーナ6に連通したメインノズル4が配設されており、また内筒2はその後端で燃焼室としての内部空間を備えた尾筒12に連絡している。
【0003】
加えて、パイロットノズル3先端付近外周でパイロットコーン5との間には、パイロットスワラ7が配設されており、またメインノズル4先端付近外周でメインバーナ6との間には、メインスワラ8が配設されている。概ね以上のようにして、燃焼器1が構成されている。そして、図示しない燃料供給管から供給された燃料は、メインノズル4からメインバーナ6内に噴射され、予め空気と混合した予混合気として尾筒12に供給され、尾筒12内でパイロットノズル3により生成したパイロット火炎(拡散火炎)により着火されて、尾筒12内に予混合火炎を生成する。なお、同図の各矢印は、ノズルから燃料が噴出する様子を示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の油焚きガスタービン燃焼器では、予混合ノズル(メインノズル)での燃料の微粒化が不十分であることがあり、蒸発特性の悪い油燃料を使用した場合に、蒸発しきれなかった燃料の液滴が燃焼器内周壁面に付着し、ここで壁面燃焼を発生して、燃焼器の焼損を招く上に、微粒化が悪いことにより局所の燃焼温度が上がり、NOx上昇をも招いていた。
【0005】
例えば図6で示した構造では、上側のメインノズル4より噴射された燃料噴流が、矢印で示すように、遠心力で一度メインバーナ6内の旋回流によりその内周壁面に衝突し、ここで跳ね返った燃料流が更に内筒2内周壁面に衝突して、壁面燃焼を起こしている。また、蒸発しきれない油滴表面上で高温燃焼し、そこで大量のNOxが生成される。本発明は、このような問題点に鑑み、油燃料の微粒化を促進するとともに、燃料液滴の燃焼器壁面への衝突を防止した、ガスタービンの燃焼器における燃料ノズルを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、内筒の軸心位置に配置されたパイロットノズルと、該パイロットノズルの周辺に配設され外周に予混合器を備えたメインノズルとを有し、そのメインノズルから予混合気として前記内筒に噴射された油燃料が、その内筒内で前記パイロットノズルにより生成した拡散火炎により着火されて、その内筒内に予混合火炎を生成するようにした燃焼器に設けられる燃料ノズルにおいて、前記予混合器内に配設したメインスワラのハブ側に位置するスワラハブリングの内周面に、前記メインノズルの外周面に開けられた噴出孔から噴出する油燃料を衝突させるようにしたことを特徴とする。
【0007】
或いは、内筒の軸心位置に配置されたパイロットノズルと、そのパイロットノズルの周辺に配設され外周に予混合器を備えたメインノズルとを有し、そのメインノズルから予混合気として前記内筒に噴射された油燃料が、その内筒内で前記パイロットノズルにより生成した拡散火炎により着火されて、その内筒内に予混合火炎を生成するようにした燃焼器に設けられる燃料ノズルにおいて、前記予混合器内に配設したメインスワラの下流側にバッフルリングを設置し、そのバッフルリングの内周面に、前記メインノズルの外周面に開けられた噴出孔から噴出する油燃料を衝突させるようにしたことを特徴とする。
【0008】
また、前記バッフルリングを同心で少なくとも二重に設けたことを特徴とする。また、前記メインスワラにより生成された空気旋回流の旋回方向とは逆方向の速度成分を持つように、前記噴出孔から油燃料を噴出させるようにしたことを特徴とする。
【0009】
その他、内筒の軸心位置に配置されたパイロットノズルと、そのパイロットノズルの周辺に配設され外周に予混合器を備えたメインノズルとを有し、そのメインノズルから予混合気として前記内筒に噴射された油燃料が、その内筒内で前記パイロットノズルにより生成した拡散火炎により着火されて、その内筒内に予混合火炎を生成するようにした燃焼器に設けられる燃料ノズルにおいて、前記メインノズルに渦巻き噴射弁を設けることにより、そのメインノズルから燃料が螺旋状に旋回しながら噴出するようにしたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る燃料ノズルの構成を模式的に示す縦断面図である。本実施形態では、同図に示すように、メインスワラ8は、メインバーナ6の内周壁面より内方へ延びるスワラベーン8aと、これのハブ側に設けられたスワラハブリング8bとより成る。そして、メインノズル4の外周面には、スワラハブリング8bの内周面と相対するように、燃料の噴出孔4aが開けられている。なお、メインノズル4の外周面とスワラハブリング8b内周面との隙間は、例えば2〜7mm程度としている。ちなみに従来は、この部分に燃料の噴出孔を設けていないので、隙間は1mm程度以下となっている。
【0011】
さて、噴出孔4aから矢印Aで示すように放射状に噴出した燃料は、スワラハブリング8bの内周面に衝突し、これによりフィルムアトマイジングが図られる。即ち、fで示すようにフィルム状となって微粒化し、矢印aで示すように下流側へと噴射される。このような構成とすることにより、燃料の微粒化が促進されるとともに、メインバーナ6内部での燃料噴流の半径方向の速度成分が消滅し、メインバーナ6の内周壁面に燃料が衝突するのを防止することができる。
【0012】
図2は、本発明の第2の実施形態に係る燃料ノズルの構成を模式的に示す縦断面図である。本実施形態では、上述したスワラハブリング8bを利用する代わりに、同図に示すように、メインスワラ8の下流側でメインノズル4の周囲に、バッフルリング9を別途設置している。そして、メインノズル4の外周面には、バッフルリング9の内周面と相対するように、燃料の噴出孔4aが開けられている。これにより、上記第1の実施形態と同様の効果が得られるようにしている。なお、バッフルリング9は、メインバーナ6内周壁面或いはメインノズル4外周面より延びる図示しない支持棒等により支持される。或いは、バッフルリング9をスワラベーン8aの下流側面に取り付けるようにしても良い。
【0013】
さて、噴出孔4aから矢印Aで示すように放射状に噴出した燃料は、バッフルリング9の内周面に衝突し、これによりフィルムアトマイジングが図られる。即ち、fで示すようにフィルム状となって微粒化し、矢印aで示すように下流側へと噴射される。このような構成とすることにより、燃料の微粒化が促進されるとともに、メインバーナ6内部での燃料噴流の半径方向の速度成分が消滅し、メインバーナ6の内周壁面に燃料が衝突するのを防止することができる。
【0014】
図3は、本発明の第3の実施形態に係る燃料ノズルの構成を模式的に示す縦断面図である。本実施形態では、上述したバッフルリングを同心で多重に配設した構成としている。具体的には、図2で示したバッフルリング9に加えて、その外側でやや上流側に、同心にバッフルリング10を配置している。勿論、三重以上となるように配設しても良い。
【0015】
そして、メインノズル4の外周面には、バッフルリング9,10の各内周面と相対するように、それぞれ燃料の噴出孔4a,4bが開けられている。 これにより、半径方向に適切に燃料を分布させるようにしている。なお、バッフルリング9,10は、メインバーナ6内周壁面或いはメインノズル4外周面より延びる図示しない支持棒等により支持される。或いは、バッフルリング9,10をスワラベーン8aの下流側面に取り付けるようにしても良い。但しこの場合は、噴出孔4bからの燃料がバッフルリング10までスムーズに到達するように、バッフルリング9に切り欠きを設ける等の工夫が必要である。
【0016】
さて、噴出孔4aから矢印Aで示すように放射状に噴出した燃料は、バッフルリング9の内周面に衝突し、これによりフィルムアトマイジングが図られる。即ち、faで示すようにフィルム状となって微粒化し、矢印aで示すように下流側へと噴射される。一方、噴出孔4bから矢印Bで示すように放射状に噴出した燃料は、バッフルリング10の内周面に衝突し、これによりフィルムアトマイジングが図られる。即ち、fbで示すようにフィルム状となって微粒化し、矢印bで示すように下流側へと噴射される。
【0017】
このような構成とすることにより、燃料の微粒化が促進されるとともに、メインバーナ6内部での燃料噴流の半径方向の速度成分が消滅し、メインバーナ6の内周壁面に燃料が衝突するのを防止することができる。さらに、メインバーナ6内部での半径方向の燃料分布がより均一化される。
【0018】
図4は、本発明の第4の実施形態に係る燃料ノズルの構成を模式的に示す図であり、同図(a)は縦断面図、同図(b)は下流側から見た図である。本実施形態ではまず、上記第2の実施形態と同様にして、同図(a)に示すように、メインスワラ8の下流側でメインノズル4の周囲に、バッフルリング9を別途設置している。そして、メインノズル4の外周面には、バッフルリング9の内周面と相対するように、燃料の噴出孔4aが開けられている。
【0019】
さて、噴出孔4aから矢印Aで示すように放射状に噴出した燃料は、バッフルリング9の内周面に衝突し、これによりフィルムアトマイジングが図られる。即ち、fで示すようにフィルム状となって微粒化し、矢印aで示すように下流側へと噴射される。このような構成とすることにより、燃料の微粒化が促進されるとともに、メインバーナ6内部での燃料噴流の半径方向の速度成分が消滅し、メインバーナ6の内周壁面に燃料が衝突するのを防止することができる。
【0020】
さらに、本実施形態では、同図(b)に示すように、スワラベーン8aにより生成された空気旋回流の旋回方向(矢印Cで示す)とは逆方向の速度成分を持つように、燃料を矢印Aで示すように噴出孔4aから斜めに噴出させる構成としている。これにより、噴出した燃料に対して空気旋回流のせん断力が強く働くので、燃料の微粒化が促進される。
【0021】
なお、燃料が噴出孔4aから噴出するときのメインノズル4外周方向に対する角度は、燃料の微粒化に最も効果的となる値を選ぶようにすれば良い。また、本実施形態における、空気旋回流の旋回方向とは逆方向となるように燃料を斜めに噴出させる構成は、第2の実施形態の構成に限らず第1の実施形態の構成や第3の実施形態の構成とも組み合わせることが可能である。
【0022】
図5は、本発明の第5の実施形態に係る燃料ノズルの構成を模式的に示す図であり、同図(a)は縦断面図、同図(b)はそのE−E断面図である。本実施形態では、同図(a)に示すように、メインノズル4の先端付近に渦巻き噴射弁11を設けた構成としている。メインノズル4内を通ってここに導入された燃料は、矢印Dで示すように螺旋状に旋回しながら噴出孔4aより噴出する。
【0023】
具体的には、同図(b)に示すように、渦巻き噴射弁11の円形部11aに対して円周の接線方向に、導入口11bより燃料が導入され、矢印Dで示すように螺旋状に旋回する。これが上述したように噴出孔4aより噴出する。このような構成とすることにより、燃料の微粒化が促進される。なお、本実施形態の構成は、上記第1〜第4の実施形態の構成とそれぞれ組み合わせることが可能である。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、油燃料の微粒化を促進するとともに、燃料液滴の燃焼器壁面への衝突を防止した、ガスタービンの燃焼器における燃料ノズルを提供することができる。またこれにより、燃焼ガスの低NOx化も図ることができる。また図5に示す渦巻き噴射型ノズルの下流に円錐体を設置することにより、フラッシュバックの防止が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る燃料ノズルの構成を模式的に示す図。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る燃料ノズルの構成を模式的に示す図。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る燃料ノズルの構成を模式的に示す図。
【図4】本発明の第4の実施形態に係る燃料ノズルの構成を模式的に示す図。
【図5】本発明の第5の実施形態に係る燃料ノズルの構成を模式的に示す図。
【図6】従来よりのガスタービン燃焼器の概略構成を模式的に示す図。
【符号の説明】
1 燃焼器
2 内筒
3 パイロットノズル
4 メインノズル
5 パイロットコーン
6 メインバーナ
7 パイロットスワラ
8 メインスワラ
9,10 バッフルリング
11 渦巻き噴射弁
12 尾筒
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービンの燃焼器における燃料ノズルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のガスタービン燃焼器の概要について説明する。図6は、従来よりのガスタービン燃焼器の概略構成を模式的に示す縦断面図である。ガスタービン燃焼器は、同図に示すように、燃料と燃焼用空気とを混合させる機構を備えた内筒2を有しており、内筒2の軸心位置には、パイロットコーン5に連通したパイロットノズル3が配置されている。パイロットノズル3の周辺には、予混合器であるメインバーナ6に連通したメインノズル4が配設されており、また内筒2はその後端で燃焼室としての内部空間を備えた尾筒12に連絡している。
【0003】
加えて、パイロットノズル3先端付近外周でパイロットコーン5との間には、パイロットスワラ7が配設されており、またメインノズル4先端付近外周でメインバーナ6との間には、メインスワラ8が配設されている。概ね以上のようにして、燃焼器1が構成されている。そして、図示しない燃料供給管から供給された燃料は、メインノズル4からメインバーナ6内に噴射され、予め空気と混合した予混合気として尾筒12に供給され、尾筒12内でパイロットノズル3により生成したパイロット火炎(拡散火炎)により着火されて、尾筒12内に予混合火炎を生成する。なお、同図の各矢印は、ノズルから燃料が噴出する様子を示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の油焚きガスタービン燃焼器では、予混合ノズル(メインノズル)での燃料の微粒化が不十分であることがあり、蒸発特性の悪い油燃料を使用した場合に、蒸発しきれなかった燃料の液滴が燃焼器内周壁面に付着し、ここで壁面燃焼を発生して、燃焼器の焼損を招く上に、微粒化が悪いことにより局所の燃焼温度が上がり、NOx上昇をも招いていた。
【0005】
例えば図6で示した構造では、上側のメインノズル4より噴射された燃料噴流が、矢印で示すように、遠心力で一度メインバーナ6内の旋回流によりその内周壁面に衝突し、ここで跳ね返った燃料流が更に内筒2内周壁面に衝突して、壁面燃焼を起こしている。また、蒸発しきれない油滴表面上で高温燃焼し、そこで大量のNOxが生成される。本発明は、このような問題点に鑑み、油燃料の微粒化を促進するとともに、燃料液滴の燃焼器壁面への衝突を防止した、ガスタービンの燃焼器における燃料ノズルを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、内筒の軸心位置に配置されたパイロットノズルと、該パイロットノズルの周辺に配設され外周に予混合器を備えたメインノズルとを有し、そのメインノズルから予混合気として前記内筒に噴射された油燃料が、その内筒内で前記パイロットノズルにより生成した拡散火炎により着火されて、その内筒内に予混合火炎を生成するようにした燃焼器に設けられる燃料ノズルにおいて、前記予混合器内に配設したメインスワラのハブ側に位置するスワラハブリングの内周面に、前記メインノズルの外周面に開けられた噴出孔から噴出する油燃料を衝突させるようにしたことを特徴とする。
【0007】
或いは、内筒の軸心位置に配置されたパイロットノズルと、そのパイロットノズルの周辺に配設され外周に予混合器を備えたメインノズルとを有し、そのメインノズルから予混合気として前記内筒に噴射された油燃料が、その内筒内で前記パイロットノズルにより生成した拡散火炎により着火されて、その内筒内に予混合火炎を生成するようにした燃焼器に設けられる燃料ノズルにおいて、前記予混合器内に配設したメインスワラの下流側にバッフルリングを設置し、そのバッフルリングの内周面に、前記メインノズルの外周面に開けられた噴出孔から噴出する油燃料を衝突させるようにしたことを特徴とする。
【0008】
また、前記バッフルリングを同心で少なくとも二重に設けたことを特徴とする。また、前記メインスワラにより生成された空気旋回流の旋回方向とは逆方向の速度成分を持つように、前記噴出孔から油燃料を噴出させるようにしたことを特徴とする。
【0009】
その他、内筒の軸心位置に配置されたパイロットノズルと、そのパイロットノズルの周辺に配設され外周に予混合器を備えたメインノズルとを有し、そのメインノズルから予混合気として前記内筒に噴射された油燃料が、その内筒内で前記パイロットノズルにより生成した拡散火炎により着火されて、その内筒内に予混合火炎を生成するようにした燃焼器に設けられる燃料ノズルにおいて、前記メインノズルに渦巻き噴射弁を設けることにより、そのメインノズルから燃料が螺旋状に旋回しながら噴出するようにしたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る燃料ノズルの構成を模式的に示す縦断面図である。本実施形態では、同図に示すように、メインスワラ8は、メインバーナ6の内周壁面より内方へ延びるスワラベーン8aと、これのハブ側に設けられたスワラハブリング8bとより成る。そして、メインノズル4の外周面には、スワラハブリング8bの内周面と相対するように、燃料の噴出孔4aが開けられている。なお、メインノズル4の外周面とスワラハブリング8b内周面との隙間は、例えば2〜7mm程度としている。ちなみに従来は、この部分に燃料の噴出孔を設けていないので、隙間は1mm程度以下となっている。
【0011】
さて、噴出孔4aから矢印Aで示すように放射状に噴出した燃料は、スワラハブリング8bの内周面に衝突し、これによりフィルムアトマイジングが図られる。即ち、fで示すようにフィルム状となって微粒化し、矢印aで示すように下流側へと噴射される。このような構成とすることにより、燃料の微粒化が促進されるとともに、メインバーナ6内部での燃料噴流の半径方向の速度成分が消滅し、メインバーナ6の内周壁面に燃料が衝突するのを防止することができる。
【0012】
図2は、本発明の第2の実施形態に係る燃料ノズルの構成を模式的に示す縦断面図である。本実施形態では、上述したスワラハブリング8bを利用する代わりに、同図に示すように、メインスワラ8の下流側でメインノズル4の周囲に、バッフルリング9を別途設置している。そして、メインノズル4の外周面には、バッフルリング9の内周面と相対するように、燃料の噴出孔4aが開けられている。これにより、上記第1の実施形態と同様の効果が得られるようにしている。なお、バッフルリング9は、メインバーナ6内周壁面或いはメインノズル4外周面より延びる図示しない支持棒等により支持される。或いは、バッフルリング9をスワラベーン8aの下流側面に取り付けるようにしても良い。
【0013】
さて、噴出孔4aから矢印Aで示すように放射状に噴出した燃料は、バッフルリング9の内周面に衝突し、これによりフィルムアトマイジングが図られる。即ち、fで示すようにフィルム状となって微粒化し、矢印aで示すように下流側へと噴射される。このような構成とすることにより、燃料の微粒化が促進されるとともに、メインバーナ6内部での燃料噴流の半径方向の速度成分が消滅し、メインバーナ6の内周壁面に燃料が衝突するのを防止することができる。
【0014】
図3は、本発明の第3の実施形態に係る燃料ノズルの構成を模式的に示す縦断面図である。本実施形態では、上述したバッフルリングを同心で多重に配設した構成としている。具体的には、図2で示したバッフルリング9に加えて、その外側でやや上流側に、同心にバッフルリング10を配置している。勿論、三重以上となるように配設しても良い。
【0015】
そして、メインノズル4の外周面には、バッフルリング9,10の各内周面と相対するように、それぞれ燃料の噴出孔4a,4bが開けられている。 これにより、半径方向に適切に燃料を分布させるようにしている。なお、バッフルリング9,10は、メインバーナ6内周壁面或いはメインノズル4外周面より延びる図示しない支持棒等により支持される。或いは、バッフルリング9,10をスワラベーン8aの下流側面に取り付けるようにしても良い。但しこの場合は、噴出孔4bからの燃料がバッフルリング10までスムーズに到達するように、バッフルリング9に切り欠きを設ける等の工夫が必要である。
【0016】
さて、噴出孔4aから矢印Aで示すように放射状に噴出した燃料は、バッフルリング9の内周面に衝突し、これによりフィルムアトマイジングが図られる。即ち、faで示すようにフィルム状となって微粒化し、矢印aで示すように下流側へと噴射される。一方、噴出孔4bから矢印Bで示すように放射状に噴出した燃料は、バッフルリング10の内周面に衝突し、これによりフィルムアトマイジングが図られる。即ち、fbで示すようにフィルム状となって微粒化し、矢印bで示すように下流側へと噴射される。
【0017】
このような構成とすることにより、燃料の微粒化が促進されるとともに、メインバーナ6内部での燃料噴流の半径方向の速度成分が消滅し、メインバーナ6の内周壁面に燃料が衝突するのを防止することができる。さらに、メインバーナ6内部での半径方向の燃料分布がより均一化される。
【0018】
図4は、本発明の第4の実施形態に係る燃料ノズルの構成を模式的に示す図であり、同図(a)は縦断面図、同図(b)は下流側から見た図である。本実施形態ではまず、上記第2の実施形態と同様にして、同図(a)に示すように、メインスワラ8の下流側でメインノズル4の周囲に、バッフルリング9を別途設置している。そして、メインノズル4の外周面には、バッフルリング9の内周面と相対するように、燃料の噴出孔4aが開けられている。
【0019】
さて、噴出孔4aから矢印Aで示すように放射状に噴出した燃料は、バッフルリング9の内周面に衝突し、これによりフィルムアトマイジングが図られる。即ち、fで示すようにフィルム状となって微粒化し、矢印aで示すように下流側へと噴射される。このような構成とすることにより、燃料の微粒化が促進されるとともに、メインバーナ6内部での燃料噴流の半径方向の速度成分が消滅し、メインバーナ6の内周壁面に燃料が衝突するのを防止することができる。
【0020】
さらに、本実施形態では、同図(b)に示すように、スワラベーン8aにより生成された空気旋回流の旋回方向(矢印Cで示す)とは逆方向の速度成分を持つように、燃料を矢印Aで示すように噴出孔4aから斜めに噴出させる構成としている。これにより、噴出した燃料に対して空気旋回流のせん断力が強く働くので、燃料の微粒化が促進される。
【0021】
なお、燃料が噴出孔4aから噴出するときのメインノズル4外周方向に対する角度は、燃料の微粒化に最も効果的となる値を選ぶようにすれば良い。また、本実施形態における、空気旋回流の旋回方向とは逆方向となるように燃料を斜めに噴出させる構成は、第2の実施形態の構成に限らず第1の実施形態の構成や第3の実施形態の構成とも組み合わせることが可能である。
【0022】
図5は、本発明の第5の実施形態に係る燃料ノズルの構成を模式的に示す図であり、同図(a)は縦断面図、同図(b)はそのE−E断面図である。本実施形態では、同図(a)に示すように、メインノズル4の先端付近に渦巻き噴射弁11を設けた構成としている。メインノズル4内を通ってここに導入された燃料は、矢印Dで示すように螺旋状に旋回しながら噴出孔4aより噴出する。
【0023】
具体的には、同図(b)に示すように、渦巻き噴射弁11の円形部11aに対して円周の接線方向に、導入口11bより燃料が導入され、矢印Dで示すように螺旋状に旋回する。これが上述したように噴出孔4aより噴出する。このような構成とすることにより、燃料の微粒化が促進される。なお、本実施形態の構成は、上記第1〜第4の実施形態の構成とそれぞれ組み合わせることが可能である。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、油燃料の微粒化を促進するとともに、燃料液滴の燃焼器壁面への衝突を防止した、ガスタービンの燃焼器における燃料ノズルを提供することができる。またこれにより、燃焼ガスの低NOx化も図ることができる。また図5に示す渦巻き噴射型ノズルの下流に円錐体を設置することにより、フラッシュバックの防止が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る燃料ノズルの構成を模式的に示す図。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る燃料ノズルの構成を模式的に示す図。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る燃料ノズルの構成を模式的に示す図。
【図4】本発明の第4の実施形態に係る燃料ノズルの構成を模式的に示す図。
【図5】本発明の第5の実施形態に係る燃料ノズルの構成を模式的に示す図。
【図6】従来よりのガスタービン燃焼器の概略構成を模式的に示す図。
【符号の説明】
1 燃焼器
2 内筒
3 パイロットノズル
4 メインノズル
5 パイロットコーン
6 メインバーナ
7 パイロットスワラ
8 メインスワラ
9,10 バッフルリング
11 渦巻き噴射弁
12 尾筒
Claims (5)
- 内筒の軸心位置に配置されたパイロットノズルと、該パイロットノズルの周辺に配設され外周に予混合器を備えたメインノズルとを有し、該メインノズルから予混合気として前記内筒に噴射された燃料が、該内筒内で前記パイロットノズルにより生成した拡散火炎により着火されて、該内筒内に予混合火炎を生成するようにした燃焼器に設けられる燃料ノズルにおいて、
前記予混合器内に配設したメインスワラのハブ側に位置するスワラハブリングの内周面に、前記メインノズルの外周面に開けられた噴出孔から噴出する燃料を衝突させるようにしたことを特徴とする燃料ノズル。 - 内筒の軸心位置に配置されたパイロットノズルと、該パイロットノズルの周辺に配設され外周に予混合器を備えたメインノズルとを有し、該メインノズルから予混合気として前記内筒に噴射された燃料が、該内筒内で前記パイロットノズルにより生成した拡散火炎により着火されて、該内筒内に予混合火炎を生成するようにした燃焼器に設けられる燃料ノズルにおいて、
前記予混合器内に配設したメインスワラの下流側にバッフルリングを設置し、該バッフルリングの内周面に、前記メインノズルの外周面に開けられた噴出孔から噴出する燃料を衝突させるようにしたことを特徴とする燃料ノズル。 - 前記バッフルリングを同心で少なくとも二重に設けたことを特徴とする請求項2に記載の燃料ノズル。
- 前記メインスワラにより生成された空気旋回流の旋回方向とは逆方向の速度成分を持つように、前記噴出孔から燃料を噴出させるようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の燃料ノズル。
- 内筒の軸心位置に配置されたパイロットノズルと、該パイロットノズルの周辺に配設され外周に予混合器を備えたメインノズルとを有し、該メインノズルから予混合気として前記内筒に噴射された燃料が、該内筒内で前記パイロットノズルにより生成した拡散火炎により着火されて、該内筒内に予混合火炎を生成するようにした燃焼器に設けられる燃料ノズルにおいて、
前記メインノズルに渦巻き噴射弁を設けることにより、該メインノズルから燃料が螺旋状に旋回しながら噴出するようにしたことを特徴とする燃料ノズル。
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