JP2004360875A - 車両用ベルト式無段変速機 - Google Patents
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Abstract
【目的】安価に製造することができる車両用ベルト式無段変速機を提供する。
【解決手段】プライマリプーリ12と、そのプライマリプーリ12との間に伝導ベルト16が掛け渡されるセカンダリプーリ14とを有する車両用ベルト式無段変速機10において、係合時に、プライマリプーリ12を入力軸34とともに一体的に回転させるクラッチ40と、入力軸34と一体回転可能に構成された第1ギヤ54と、その第1ギヤ54と噛み合い可能に、セカンダリプーリ14の可動プーリ28に一体的に形成され、その可動プーリ28の第1ギヤ54に対する相対移動により、第1ギヤ54と噛み合う状態と第1ギヤ54と噛み合わない状態とが可能な第2ギヤ70とを備える。このようにすれば、単純な構成により前後進の切替が可能となるので、変速機10を安価に製造することが可能となる。
【選択図】 図1
【解決手段】プライマリプーリ12と、そのプライマリプーリ12との間に伝導ベルト16が掛け渡されるセカンダリプーリ14とを有する車両用ベルト式無段変速機10において、係合時に、プライマリプーリ12を入力軸34とともに一体的に回転させるクラッチ40と、入力軸34と一体回転可能に構成された第1ギヤ54と、その第1ギヤ54と噛み合い可能に、セカンダリプーリ14の可動プーリ28に一体的に形成され、その可動プーリ28の第1ギヤ54に対する相対移動により、第1ギヤ54と噛み合う状態と第1ギヤ54と噛み合わない状態とが可能な第2ギヤ70とを備える。このようにすれば、単純な構成により前後進の切替が可能となるので、変速機10を安価に製造することが可能となる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力軸の回転を無段階に変速して出力軸に伝達するベルト式無段変速機に関し、特に、その変速機の前後進切り替え機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両用ベルト式無段変速機は、入力軸と同軸上で回転し、溝幅可変のプライマリプーリと、同じく溝幅可変とされ、そのプライマリプーリとの間に伝動ベルトが掛け渡されているセカンダリプーリとを有し、プライマリプーリの有効径とセカンダリプーリの有効径を変化させることで、無段階の変速比を達成している。
【0003】
このようなベルト式無段変速機には、上記一対のプーリの他に、前後進を切り替えるための機構が必要となる。たとえば、特許文献1に記載されているように、前後進切り替え機構として遊星歯車装置を備えたものがある。特許文献1の図11および図12に従来技術として記載されている変速機では、リングギヤが入力軸(特許文献1ではインプットシャフト)に連結され、リングギヤがプライマリプーリの軸(特許文献1ではアウトプットシャフト)に連結されている。そして、前進時には、フォワードクラッチが締結状態とされることにより、リングギヤとサンギヤが一体的に回転させられて、プライマリプーリの軸が入力軸と同一回転方向に回転させられる。一方、後進時には、リバースブレーキが締結状態とされることにより、プラネタリギヤがケーシングに対して固定され、サンギヤがリングギヤの回転方向とは逆方向に回転させられて、プライマリプーリの軸が入力軸と逆方向に回転させられる。
【0004】
また、特許文献2に記載されているように、プライマリプーリの軸とセカンダリプーリの軸との間に、それらの軸に平行にバイパス軸を設け、そのバイパス軸を用いて前後進を切り替えるようにした変速機も提案されている。特許文献2の図1に記載されている変速機では、入力軸と一体的に回転するギヤが、バイパス軸に固定されているギヤに噛み合っており、さらに、バイパス軸には、他に2つのギヤが固定されている。その2つのギヤのうちの一方は、セカンダリプーリの軸に相対回転可能に固定されたギヤと噛み合い、他方のギヤは、アイドルギヤを介して、セカンダリプーリの軸に相対回転可能に固定された別のギヤと噛み合っている。そして、セカンダリプーリの軸に相対回転不能に固定されたドッグクラッチにより、セカンダリプーリの軸に相対回転可能に固定された2つのギヤのうち、アイドラギヤが介在させられていない側のギヤがセカンダリプーリの軸と一体回転させられると、車両は前進し、ドッグクラッチにより、アイドラギヤを介してセカンダリプーリの軸に相対回転可能に固定されている側のギヤがセカンダリプーリの軸と一体回転させられると、車両は後進する。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−55150号公報
【特許文献2】
特開2001−56045号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1のように遊星歯車装置により前後進を切り替える機構とする場合、前進時には遊星歯車装置は一体回転していることから、後進時のみ遊星歯車装置が作動している。従って、後進のためのみに高価な遊星歯車装置を配置しており、部品点数の増加により製造コストが高くなってしまう。また、特許文献2のように、バイパス軸を設ける機構も、複雑な構成となるので部品点数が増加し、製造コストが高くなってしまう。
【0007】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、前後進切り替え機構を単純な構成とすることにより、安価に製造することができる車両用ベルト式無段変速機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明は、プライマリプーリと、そのプライマリプーリとの間に伝動ベルトが掛け渡されるセカンダリプーリとを有する車両用ベルト式無段変速機であって、係合時に、前記プライマリプーリを入力軸とともに一体的に回転させるクラッチと、前記入力軸と一体回転可能に構成された第1ギヤと、前記セカンダリプーリの可動プーリに一体的に形成されるとともに、前記第1ギヤと噛み合い可能に構成され、その可動プーリの前記第1ギヤに対する相対移動により、前記第1ギヤと噛み合う状態と前記第1ギヤと噛み合わない状態とが可能な第2ギヤとを含むことを特徴とする。
【0009】
【発明の効果】
この発明によれば、クラッチを係合させ、且つ、第1ギヤと第2ギヤとを非噛み合い状態とすれば、エンジンの回転がプライマリプーリを介してセカンダリプーリに伝達されるので車両が前進し、クラッチを解放し、且つ、第1ギヤと第2ギヤとを噛み合い状態とすれば、入力軸の回転が逆転してセカンダリプーリへ伝達されるので車両が後進する。従って、単純な構成により前後進の切替が可能となるので、変速機を安価に製造することが可能となる。
【0010】
【発明の他の態様】
前記第1ギヤは、その軸方向に移動不能とされていてもよいし、その軸方向に移動可能とされていてもよい。第1ギヤがその軸方向に移動不能とされている場合には、第1ギヤの歯部の位置を第2ギヤの可動範囲の一方の端とし、前進時には、第2ギヤが第1ギヤに噛み合わない範囲でセカンダリプーリ14の溝幅を変化させることになる。従って、この場合にはセカンダリプーリの溝幅すなわち変速比に制限が生じる。そのため、好ましくは、前記第1ギヤをその軸方向に移動可能とし、変速機には、その第1ギヤを、前記第2ギヤと噛み合う位置と前記第2ギヤと噛み合わない位置とを含む位置間で移動させる第1ギヤ移動装置を設ける。このように、第1ギヤをその軸方向へ移動可能とすれば、第1ギヤを第2ギヤの可動範囲外に位置させるなどにより、第2ギヤの位置に関係なく、第1ギヤと第2ギヤとが噛み合わないようにすることができるので、前進時の変速比に何ら制限が生じない。
【0011】
また、前記第1ギヤは、その軸方向へ移動可能とされるとともに、その移動により前記入力軸に対して連結および切り離し可能、且つ、入力軸から切り離された状態では入力軸に対して相対回転可能とされ、後進時には、第1ギヤと第2ギヤとを噛み合わせるとともに、第1ギヤを入力軸に連結させるようになっていてもよいが、好ましくは、前記第1ギヤは、その軸方向へは移動可能とされるが、前記入力軸に対して相対回転不能に固定される。このようにすれば、第1ギヤと第2ギヤとの噛み合いのみにより、後進時の動力伝達経路の接続・切断が行われるので、その動力伝達経路の接続が容易となる。
【0012】
また、好ましくは、前記クラッチを係合させるためのクラッチピストンが、前記第1ギヤの端面に当接させられ、前記第1ギヤが前記第2ギヤと噛み合う第1位置から、前記第1ギヤが前記第2ギヤと噛み合わず且つ前記クラッチが係合させられない第2位置を経由して、前記第1ギヤが前記第2ギヤと噛み合わず且つ前記クラッチが係合させられる第3位置まで、前記第1ギヤをその軸方向の一方へ移動させるようになっており、前記第1ギヤ移動装置は、そのクラッチピストンと、前記第1ギヤをそのクラッチピストンが前記第1ギヤを移動させる方向とは反対方向に移動させる第1ギヤ移動部材とを含んで構成される。このようにすれば、クラッチを係合させるためのクラッチピストンが、第1ギヤ移動装置の一部品としても機能するので、部品点数が少なくなる。
【0013】
また、前記第1ギヤがその軸方向に移動可能とされている場合、前記第1ギヤと第2ギヤとの噛み合い位置は、双方のギヤの可動範囲が重なる範囲であればどの位置であってもよいが、好ましくは、前記噛み合い位置は、セカンダリプーリの溝幅が最小となる位置とされる。車両が停止状態のときには、セカンダリプーリの溝幅は最小とされているので、このようにすれば、車両を停止状態から後進させるために第1ギヤと第2ギヤとを噛み合わせる際、第2ギヤは移動させる必要がなくなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。まず、本発明の第1実施例を図面に基づいて説明する。図1は、第1実施例の車両用ベルト式無段変速機10の要部断面図である。
【0015】
この無段変速機10は、有効径が可変とされている入力側可変プーリすなわちプライマリプーリ12、および有効径が可変とされている出力側可変プーリすなわちセカンダリプーリ14を備えており、その一対のプーリ12、14間に伝動ベルト16が巻き掛けられている。この伝動ベルト16により、プライマリプーリ12からセカンダリプーリ14へ動力が伝達される。
【0016】
上記プライマリプーリ12は、プライマリ軸18に固定された固定プーリ20と、そのプライマリ軸18に軸方向の摺動可能且つ軸回りの相対回転不能に装着された可動プーリ22からなり、可動プーリ22の摺動によってプライマリプーリ12は溝幅が可変となっている。セカンダリプーリ14は、上記プライマリ軸18に平行なセカンダリ軸24に固定された固定プーリ26と、そのセカンダリ軸24に軸方向の摺動可能且つ軸回りの相対回転不能に装着された可動プーリ28からなり、可動プーリ28の摺動によってセカンダリプーリ28は溝幅が可変となっている。なお、プライマリプーリ12では、固定プーリ20が後述する入力軸34側とされ、セカンダリプーリ14では、可動プーリ28が入力軸34側とされている。
【0017】
伝動ベルト16は全体として無端環状を成しており、無端環状テープ状の一対のフープ30と、その一対のフープ30に沿って互いに密接した状態で厚さ方向に重ね合わされた多数個のエレメント32とを備えている。エレメント32には、側方に開くように形成された一対のフープ係合溝32aが形成され、そのフープ係合溝32aに上記一対のフープ30が係合させられている。
【0018】
この無段変速機10の入力軸(すなわち図示しないトルクコンバータの出力軸)34は、プライマリ軸18と同一軸上に配置されており、入力軸34のプライマリ軸18側の端に形成されたフランジ部34aに、円環状のクラッチピストン36を摺動可能に収容するピストン収容部材38の内周側開口端が固定されている。また、クラッチピストン36とピストン収容部材38との間に、油室39が形成されている。
【0019】
クラッチ40は、複数の内向摩擦板42と、その複数の内向摩擦板42の間に交互に介在させられている外向摩擦板44と、内向摩擦板42が相対回転不能にスプライン嵌合されたクラッチドラム46と、外向き摩擦板44が相対回転不能にスプライン嵌合されたクラッチハブ48とを備えている。
【0020】
クラッチドラム46は、入力軸34に平行な筒部46aと、その筒部46aのクラッチピストン36側の端に形成され、筒部46aに対して略垂直なフランジ部46bとから成り、フランジ部46bの外周端がピストン収容部材38の外周壁部38aに固定されているので、クラッチドラム46は入力軸34と一体的に回転させられる。前記内向摩擦板42は、筒部46aの内周面にスプライン嵌合させられている。また、フランジ部46bとクラッチピストン36との間には、リターンスプリング47が設けられている。
【0021】
クラッチハブ48は、プライマリ軸18の入力軸34側の端に形成された軸穴18aに嵌め入れられる内周側筒部48aと、内周側筒部48aよりも大径とされ、その外周面に前記外向摩擦板46が嵌合させられる外周側筒部48bと、内周側筒部48aと外周側筒部48bとを連結するフランジ状の連結部48cとからなる。連結部48cは、内周側筒部48aおよび外周側筒部48bに対して略垂直であり、その内周端が内周側筒部48aの入力軸34側の端に連結され、その外周端が外周側筒部48bのプライマリプーリ12側の端に連結されている。また、内周側筒部48aの外周面のプライマリ軸18側の端部およびプライマリ軸18の軸穴18aの内周面の開口側部分は、互いに噛み合うスプライン形状とされている。従って、クラッチハブ48は、プライマリ軸18と一体回転させられ、且つ、そのプライマリ軸18に対してその軸方向に移動可能とされている。
【0022】
ケース50には、プライマリ軸18の入力軸34側の端が嵌め入れられ、そのプライマリ軸18の端をベアリング51を介して回転可能に支持する支持壁52が形成されている。さらに、ケース50には、その支持壁52の内周側部分から入力軸34に平行に、クラッチドラム46のフランジ部46b方向に突き出し、第1ギヤ54が嵌め合わせられる円筒状の嵌合壁56が形成されている。
【0023】
第1ギヤ54は、嵌合壁56の外周面に相対回転可能、且つ、その軸方向へ移動可能に嵌合壁56に嵌め合わせられている。この第1ギヤ54は、内周面が嵌合壁56に摺接され、その嵌合壁56に垂直な円環状の垂直部54aと、嵌合壁56と平行であってその垂直部54aの外周端からプライマリプーリ12側へ向かう外筒部54bと、外筒部54bのプライマリプーリ12側の端に形成された外周歯部54cとを有している。さらに、第1ギヤ54には、垂直部54aの内周部からフランジ部46b側へ突き出す内周歯部54dを有している。また、前記クラッチドラム46には、その外周面であって筒部46aとフランジ部46bの連結部分に、上記内周歯部54dと噛み合う係合歯46cが形成されている。
【0024】
支持壁52には、第1ギヤ54の垂直部54a側に環状の凹部58が形成されており、その凹部58にリバースピストン60が収容されている。また、第1ギヤ54の垂直部54aのリバースピストン60が当接させられる部分には、ベアリング62により第1ギヤ54に対して相対回転可能とされた環状の当接板64が嵌め入れられている。
【0025】
前記ピストン収容部材38には、その外周側の開口端にフランジ部38bが形成されており、フランジ部38bと第1ギヤ54の垂直部54aとの間にリターンスプリング66が配置されている。このリターンスプリング66は、第1ギヤ54を、リバースピストン60によってその第1ギヤ54が移動させられる側とは反対側に付勢するものであり、リバースピストン60およびリターンスプリング66により、第1ギヤ移動装置68が構成される。
【0026】
前記第1ギヤ54の外周歯部54cは、リバースピストン60により押されていない状態では、可動プーリ28の可動範囲よりも固定プーリ26側であって、その可動範囲の固定プーリ26側端に隣接する位置(図1に示す位置)となるようにされており、また、その状態では、第1ギヤ54に形成された内周歯部54dとクラッチドラム46に形成された係合歯46cも噛み合わないようになっている。
【0027】
セカンダリプーリ14の可動プーリ28は、円錐部28aと、その円錐部28aの外周端から固定プーリ26とは反対側に、セカンダリ軸24に平行に突き出す筒部28bとを有し、筒部28bの円錐部28aとは反対側の端に、外周面に前記第1ギヤ54の外周歯部54cと噛み合い可能な歯を有する第2ギヤ70が形成されている。本実施例では、第1ギヤ54の外周歯部54cと第2ギヤ70との噛み合い位置は、セカンダリプーリ14の溝幅が最小となる位置、すなわち、可動プーリ28が最も固定プーリ26側となる位置(図1において実線で示す位置)とされており、第1ギヤ54の内周歯部54dおよびクラッチドラム46の係合歯46cは、第1ギヤ54の外周歯部54cが上記噛み合い位置とされた状態で互いに噛み合うようにされている。
【0028】
このように構成された変速機10は、リバースピストン60が第1ギヤ54を押していない状態において、クラッチピストン36により複数の内向摩擦板42と複数の外向摩擦板44とが互いに係合させられると、プライマリプーリ12が入力軸34と一体回転させられるので、そのプライマリプーリ12との間に伝動ベルト16が巻き掛けられたセカンダリプーリ14も、入力軸34と同一方向に回転させられる。一方、摩擦板42、44の係合を解除し、且つ、セカンダリプーリ14の可動プーリ28を最も固定プーリ26側へ移動させ、さらに、リバースピストン60により第1ギヤ54を押して、第1ギヤ54の外周歯部54cを第2ギヤ70に噛み合わせ、且つ、第1ギヤ54の内周歯部54dとクラッチドラム46の係合歯46cとを嵌合させると、入力軸34の回転が第1ギヤ54および第2ギヤ70を介してセカンダリプーリ14へ伝達されるので、セカンダリプーリ14は入力軸34とは反対方向に回転させられる。
【0029】
上述の第1実施例によれば、クラッチ40を係合させ、且つ、第1ギヤ54の外周歯部54cと第2ギヤ70とを非噛み合い状態とすれば、エンジンの回転がプライマリプーリ12を介してセカンダリプーリ14に伝達されるので車両が前進し、クラッチ40を解放し、且つ、第1ギヤ54と第2ギヤ70とを噛み合い状態とすれば、入力軸34の回転が逆転してセカンダリプーリ14へ伝達されるので車両が後進する。従って、単純な構成により前後進の切替が可能となるので、変速機10を安価に製造することが可能となる。
【0030】
また、上述の第1実施例によれば、第1ギヤ54がその軸方向へ移動可能とされており、前進時には、第1ギヤ54の外周歯部54cは第2ギヤ70の可動範囲外に位置させられていることから、第1ギヤ54の外周歯部54cと第2ギヤ70とは噛み合わないので、前進時の変速比には何ら制限が生じない。
【0031】
次に、本発明の第2実施例を図面に基づいて説明する。なお、第2実施例において前述の第1実施例と構成が共通する部分には、共通の符号を付して説明を省略する。
【0032】
図2は、第2実施例の車両用ベルト変速機80の要部断面図である。第2実施例の変速機80は、第1ギヤ82をピストン収容部材92に相対回転不能に固定し、且つ、クラッチピストン84を第1実施例のリバースピストン60としても機能するようにした点が第1実施例と異なる。以下、詳細に説明する。
【0033】
クラッチハブ86は、第1実施例のものと略同じ構造であるが、外周側筒部86bの軸方向の長さが、第1実施例のものよりもやや短くされている。すなわち、クラッチハブ86の内周側筒部86aおよび連結部86cは、第1実施例のクラッチハブ48の内周側筒部48aおよび連結部48cと同様の構造であり、連結部86cの外周端からクラッチピストン84側へ突き出す外周側筒部86bは、第1実施例のものほどピストン収容部材92側へ突き出さず、その外周側筒部86bのピストン収容部材92側の端は、ピストン収容部材92の開口付近とされている。
【0034】
クラッチドラム88は、第1実施例のクラッチドラム46と同様に、入力軸34に平行な筒部88aと、その筒部88aのクラッチピストン84側の端に形成され、筒部88aに対して略垂直なフランジ部88bとを有するが、筒部88aのピストン収容部材92側の端が、上記クラッチハブ86の外周側筒部86bに対応してピストン収容部材92の開口付近とされている。また、フランジ部88bには、厚み方向に貫通する貫通穴90が周方向の複数箇所に形成されている。
【0035】
そのピストン収容部材92は、第1実施例のピストン収容部材38には形成されていたフランジ部38bが形成されていないこと、および、入力軸34と平行な筒状の外周壁部92aの外周面がスプライン形状とされている点が、第1実施例のピストン収容部材38と異なる。このピストン収容部材92とクラッチピストン84との間に、油室94が形成されている。また、クラッチハブ86およびクラッチドラム88のピストン収容部材92側の端がピストン収容部材92の開口付近とされているので、ピストン収容部材92に収容されているクラッチピストン84の可動距離は、第1実施例のものよりも長くなっている。
【0036】
第1ギヤ82は、ピストン収容部材92の外周壁部92aの外周面にスプライン嵌合する嵌合筒部82aと、その嵌合筒部82aに垂直、且つ径方向の略中央部に嵌合筒部82aのピストン収容部材92とは反対側の端が連結されている垂直部82bと、嵌合筒部82aと平行であって垂直部82bの外周端からプライマリプーリ12側へ向かう外筒部82cと、垂直部82bの内周端において前記貫通穴90に対応する部分から突き出し、その貫通穴90を通ってクラッチピストン84に当接させられる突棒部82dと、外筒部82cのプライマリプーリ12側の端に形成された外歯部82eとを有している。
【0037】
このように、第1ギヤ82の嵌合筒部82aがピストン収容部材92の外周壁部92aにスプライン嵌合しているので、第1ギヤ82は、その軸方向に移動可能に、入力軸34に相対回転不能に固定されている。なお、突棒部82dの端面は第1ギヤ82の側面でもあることから、クラッチピストン84は第1ギヤ82の側面に当接させられていることになる。
【0038】
第2実施例でも、第1ギヤ82の外歯部82eと第2ギヤ70との噛み合い位置は、セカンダリプーリ14の可動プーリ28が最も固定プーリ26側となる位置(図2において実線で示す位置)とされており、突棒部82dのクラッチピストン84側の端から外歯部82eまでの長さは、クラッチピストン84が最も摩擦板42、44から離隔させられた状態(図2において二点差線で示す状態)において外歯部82eがその噛み合い位置となるように設定されている。また、クラッチピストン84の凸部84aの突き出し長さは、第1ギヤ82が図2に示す位置とされた状態、すなわち、第1ギヤ82の外歯部82eが上記噛み合い位置よりも固定プーリ26側であってその噛み合い位置に隣接する位置とされた状態では、内向摩擦板42に当接させられないような長さとされている。
【0039】
従って、第1ギヤ82は、外歯部82eが第2ギヤ70と噛み合う位置(第1位置)、外歯部82eが第2ギヤ70と噛み合わず且つ内向摩擦板42と外向摩擦板44とが係合させられない位置(第2位置)、外歯部82eが第2ギヤ70と噛み合わず且つ内向摩擦板42と外向摩擦板44とが係合させられる位置(第3位置)をとり得るようになっている。前進時には、内向摩擦板42と外向摩擦板44とが係合させられることから、第1ギヤ82は第3位置に位置させられているので、前進時には、第1ギヤ82の外歯部82eは、第2ギヤ70の可動範囲外に位置させられている。
【0040】
また、第1ギヤ82の垂直部82bと、プライマリ軸18を支持する支持壁96との間にはリターンスプリング98が配置されている。このリターンスプリング98は、第1ギヤ82を、クラッチピストン84によってその第1ギヤ82が移動させられる側とは反対側に付勢するものであることから、リターンスプリング98は第1ギヤ移動部材として機能し、第2実施例では、クラッチピストン84およびリターンスプリング98により、第1ギヤ移動装置100が構成される。
【0041】
このように構成された変速機10は、油室94の油圧を大きくして、クラッチピストン84により複数の向摩擦板42と複数の外向摩擦板44とを互いに係合させると、プライマリプーリ12が入力軸34と一体回転させられるので、そのプライマリプーリ12との間に伝動ベルト16が巻き掛けられたセカンダリプーリ14も、入力軸34と同一方向に回転させられる。また、油室94の油圧を中程度とし、第1ギヤ82を前記第2位置とすると、ニュートラル状態となる。また、油室94の油圧を小さくして第1ギヤ82を前記第3位置とし、且つ、セカンダリプーリ14の可動プーリ28を最も固定プーリ26側へ移動させると、第1ギヤ82の外歯部82eが第2ギヤ70に噛み合って、入力軸34の回転が第1ギヤ82および第2ギヤ70を介してセカンダリプーリ14へ伝達されるので、セカンダリプーリ14は入力軸34とは反対方向に回転させられる。
【0042】
上述のように、第2実施例においても、クラッチ40を係合させ、且つ、第1ギヤ82と第2ギヤ70とを非噛み合い状態とすれば、エンジンの回転がプライマリプーリ12を介してセカンダリプーリ14に伝達されるので車両が前進し、クラッチ40を解放し、且つ、第1ギヤ82と第2ギヤ70とを噛み合い状態とすれば、入力軸34の回転が逆転してセカンダリプーリへ伝達されるので車両が後進する。従って、単純な構成により前後進の切替が可能となるので、変速機10を安価に製造することが可能となる。
【0043】
また、第2実施例においても、第1ギヤ82はその軸方向へ移動可能とされており、前進時には、第1ギヤ82の外歯部82eは第2ギヤ70の可動範囲外に位置させられていることから、第1ギヤ82の外歯部82eと第2ギヤ70とは噛み合わないので、前進時の変速比には何ら制限が生じない。
【0044】
さらに、第2実施例によれば、第1ギヤ82は、その軸方向へ移動可能に、入力軸34に相対回転不能に固定されていることから、第1ギヤ82と第2ギヤ70との噛み合いのみにより、後進時の動力伝達経路の接続・切断が行われるので、その動力伝達経路の接続が容易となる。
【0045】
また、第2実施例によれば、クラッチピストン84が第1ギヤ移動装置100の一部品としても機能しているので、部品点数が少なくなる。
【0046】
以上、本発明の一実施例を説明したが、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【0047】
たとえば、前述の実施例では、第1ギヤ移動装置68、100は、ピストン60、84とリターンスプリング66、98とにより構成されていたが、両方ともピストンであってもよい。
【0048】
また、第1実施例のようにクラッチピストン36とは別にリバースピストン60が設けられる態様において、第2実施例のように第1ギヤ82が入力軸34に相対回転不能に固定されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の車両用ベルト式無段変速機10の要部断面図である。
【図2】本発明の第2実施例の車両用ベルト式無段変速機80の要部断面図である。
【符号の説明】
10:車両用ベルト式無段変速機
12:プライマリプーリ
14:セカンダリプーリ
16:伝動ベルト
28:(セカンダリプーリの)可動プーリ
34:入力軸
36:クラッチピストン
40:クラッチ
54:第1ギヤ
68:第1ギヤ移動装置
70:第2ギヤ
80:車両用ベルト式無段変速機
82:第1ギヤ
84:クラッチピストン
98:リターンスプリング(第1ギヤ移動部材)
100:第1ギヤ移動装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力軸の回転を無段階に変速して出力軸に伝達するベルト式無段変速機に関し、特に、その変速機の前後進切り替え機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両用ベルト式無段変速機は、入力軸と同軸上で回転し、溝幅可変のプライマリプーリと、同じく溝幅可変とされ、そのプライマリプーリとの間に伝動ベルトが掛け渡されているセカンダリプーリとを有し、プライマリプーリの有効径とセカンダリプーリの有効径を変化させることで、無段階の変速比を達成している。
【0003】
このようなベルト式無段変速機には、上記一対のプーリの他に、前後進を切り替えるための機構が必要となる。たとえば、特許文献1に記載されているように、前後進切り替え機構として遊星歯車装置を備えたものがある。特許文献1の図11および図12に従来技術として記載されている変速機では、リングギヤが入力軸(特許文献1ではインプットシャフト)に連結され、リングギヤがプライマリプーリの軸(特許文献1ではアウトプットシャフト)に連結されている。そして、前進時には、フォワードクラッチが締結状態とされることにより、リングギヤとサンギヤが一体的に回転させられて、プライマリプーリの軸が入力軸と同一回転方向に回転させられる。一方、後進時には、リバースブレーキが締結状態とされることにより、プラネタリギヤがケーシングに対して固定され、サンギヤがリングギヤの回転方向とは逆方向に回転させられて、プライマリプーリの軸が入力軸と逆方向に回転させられる。
【0004】
また、特許文献2に記載されているように、プライマリプーリの軸とセカンダリプーリの軸との間に、それらの軸に平行にバイパス軸を設け、そのバイパス軸を用いて前後進を切り替えるようにした変速機も提案されている。特許文献2の図1に記載されている変速機では、入力軸と一体的に回転するギヤが、バイパス軸に固定されているギヤに噛み合っており、さらに、バイパス軸には、他に2つのギヤが固定されている。その2つのギヤのうちの一方は、セカンダリプーリの軸に相対回転可能に固定されたギヤと噛み合い、他方のギヤは、アイドルギヤを介して、セカンダリプーリの軸に相対回転可能に固定された別のギヤと噛み合っている。そして、セカンダリプーリの軸に相対回転不能に固定されたドッグクラッチにより、セカンダリプーリの軸に相対回転可能に固定された2つのギヤのうち、アイドラギヤが介在させられていない側のギヤがセカンダリプーリの軸と一体回転させられると、車両は前進し、ドッグクラッチにより、アイドラギヤを介してセカンダリプーリの軸に相対回転可能に固定されている側のギヤがセカンダリプーリの軸と一体回転させられると、車両は後進する。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−55150号公報
【特許文献2】
特開2001−56045号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1のように遊星歯車装置により前後進を切り替える機構とする場合、前進時には遊星歯車装置は一体回転していることから、後進時のみ遊星歯車装置が作動している。従って、後進のためのみに高価な遊星歯車装置を配置しており、部品点数の増加により製造コストが高くなってしまう。また、特許文献2のように、バイパス軸を設ける機構も、複雑な構成となるので部品点数が増加し、製造コストが高くなってしまう。
【0007】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、前後進切り替え機構を単純な構成とすることにより、安価に製造することができる車両用ベルト式無段変速機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明は、プライマリプーリと、そのプライマリプーリとの間に伝動ベルトが掛け渡されるセカンダリプーリとを有する車両用ベルト式無段変速機であって、係合時に、前記プライマリプーリを入力軸とともに一体的に回転させるクラッチと、前記入力軸と一体回転可能に構成された第1ギヤと、前記セカンダリプーリの可動プーリに一体的に形成されるとともに、前記第1ギヤと噛み合い可能に構成され、その可動プーリの前記第1ギヤに対する相対移動により、前記第1ギヤと噛み合う状態と前記第1ギヤと噛み合わない状態とが可能な第2ギヤとを含むことを特徴とする。
【0009】
【発明の効果】
この発明によれば、クラッチを係合させ、且つ、第1ギヤと第2ギヤとを非噛み合い状態とすれば、エンジンの回転がプライマリプーリを介してセカンダリプーリに伝達されるので車両が前進し、クラッチを解放し、且つ、第1ギヤと第2ギヤとを噛み合い状態とすれば、入力軸の回転が逆転してセカンダリプーリへ伝達されるので車両が後進する。従って、単純な構成により前後進の切替が可能となるので、変速機を安価に製造することが可能となる。
【0010】
【発明の他の態様】
前記第1ギヤは、その軸方向に移動不能とされていてもよいし、その軸方向に移動可能とされていてもよい。第1ギヤがその軸方向に移動不能とされている場合には、第1ギヤの歯部の位置を第2ギヤの可動範囲の一方の端とし、前進時には、第2ギヤが第1ギヤに噛み合わない範囲でセカンダリプーリ14の溝幅を変化させることになる。従って、この場合にはセカンダリプーリの溝幅すなわち変速比に制限が生じる。そのため、好ましくは、前記第1ギヤをその軸方向に移動可能とし、変速機には、その第1ギヤを、前記第2ギヤと噛み合う位置と前記第2ギヤと噛み合わない位置とを含む位置間で移動させる第1ギヤ移動装置を設ける。このように、第1ギヤをその軸方向へ移動可能とすれば、第1ギヤを第2ギヤの可動範囲外に位置させるなどにより、第2ギヤの位置に関係なく、第1ギヤと第2ギヤとが噛み合わないようにすることができるので、前進時の変速比に何ら制限が生じない。
【0011】
また、前記第1ギヤは、その軸方向へ移動可能とされるとともに、その移動により前記入力軸に対して連結および切り離し可能、且つ、入力軸から切り離された状態では入力軸に対して相対回転可能とされ、後進時には、第1ギヤと第2ギヤとを噛み合わせるとともに、第1ギヤを入力軸に連結させるようになっていてもよいが、好ましくは、前記第1ギヤは、その軸方向へは移動可能とされるが、前記入力軸に対して相対回転不能に固定される。このようにすれば、第1ギヤと第2ギヤとの噛み合いのみにより、後進時の動力伝達経路の接続・切断が行われるので、その動力伝達経路の接続が容易となる。
【0012】
また、好ましくは、前記クラッチを係合させるためのクラッチピストンが、前記第1ギヤの端面に当接させられ、前記第1ギヤが前記第2ギヤと噛み合う第1位置から、前記第1ギヤが前記第2ギヤと噛み合わず且つ前記クラッチが係合させられない第2位置を経由して、前記第1ギヤが前記第2ギヤと噛み合わず且つ前記クラッチが係合させられる第3位置まで、前記第1ギヤをその軸方向の一方へ移動させるようになっており、前記第1ギヤ移動装置は、そのクラッチピストンと、前記第1ギヤをそのクラッチピストンが前記第1ギヤを移動させる方向とは反対方向に移動させる第1ギヤ移動部材とを含んで構成される。このようにすれば、クラッチを係合させるためのクラッチピストンが、第1ギヤ移動装置の一部品としても機能するので、部品点数が少なくなる。
【0013】
また、前記第1ギヤがその軸方向に移動可能とされている場合、前記第1ギヤと第2ギヤとの噛み合い位置は、双方のギヤの可動範囲が重なる範囲であればどの位置であってもよいが、好ましくは、前記噛み合い位置は、セカンダリプーリの溝幅が最小となる位置とされる。車両が停止状態のときには、セカンダリプーリの溝幅は最小とされているので、このようにすれば、車両を停止状態から後進させるために第1ギヤと第2ギヤとを噛み合わせる際、第2ギヤは移動させる必要がなくなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。まず、本発明の第1実施例を図面に基づいて説明する。図1は、第1実施例の車両用ベルト式無段変速機10の要部断面図である。
【0015】
この無段変速機10は、有効径が可変とされている入力側可変プーリすなわちプライマリプーリ12、および有効径が可変とされている出力側可変プーリすなわちセカンダリプーリ14を備えており、その一対のプーリ12、14間に伝動ベルト16が巻き掛けられている。この伝動ベルト16により、プライマリプーリ12からセカンダリプーリ14へ動力が伝達される。
【0016】
上記プライマリプーリ12は、プライマリ軸18に固定された固定プーリ20と、そのプライマリ軸18に軸方向の摺動可能且つ軸回りの相対回転不能に装着された可動プーリ22からなり、可動プーリ22の摺動によってプライマリプーリ12は溝幅が可変となっている。セカンダリプーリ14は、上記プライマリ軸18に平行なセカンダリ軸24に固定された固定プーリ26と、そのセカンダリ軸24に軸方向の摺動可能且つ軸回りの相対回転不能に装着された可動プーリ28からなり、可動プーリ28の摺動によってセカンダリプーリ28は溝幅が可変となっている。なお、プライマリプーリ12では、固定プーリ20が後述する入力軸34側とされ、セカンダリプーリ14では、可動プーリ28が入力軸34側とされている。
【0017】
伝動ベルト16は全体として無端環状を成しており、無端環状テープ状の一対のフープ30と、その一対のフープ30に沿って互いに密接した状態で厚さ方向に重ね合わされた多数個のエレメント32とを備えている。エレメント32には、側方に開くように形成された一対のフープ係合溝32aが形成され、そのフープ係合溝32aに上記一対のフープ30が係合させられている。
【0018】
この無段変速機10の入力軸(すなわち図示しないトルクコンバータの出力軸)34は、プライマリ軸18と同一軸上に配置されており、入力軸34のプライマリ軸18側の端に形成されたフランジ部34aに、円環状のクラッチピストン36を摺動可能に収容するピストン収容部材38の内周側開口端が固定されている。また、クラッチピストン36とピストン収容部材38との間に、油室39が形成されている。
【0019】
クラッチ40は、複数の内向摩擦板42と、その複数の内向摩擦板42の間に交互に介在させられている外向摩擦板44と、内向摩擦板42が相対回転不能にスプライン嵌合されたクラッチドラム46と、外向き摩擦板44が相対回転不能にスプライン嵌合されたクラッチハブ48とを備えている。
【0020】
クラッチドラム46は、入力軸34に平行な筒部46aと、その筒部46aのクラッチピストン36側の端に形成され、筒部46aに対して略垂直なフランジ部46bとから成り、フランジ部46bの外周端がピストン収容部材38の外周壁部38aに固定されているので、クラッチドラム46は入力軸34と一体的に回転させられる。前記内向摩擦板42は、筒部46aの内周面にスプライン嵌合させられている。また、フランジ部46bとクラッチピストン36との間には、リターンスプリング47が設けられている。
【0021】
クラッチハブ48は、プライマリ軸18の入力軸34側の端に形成された軸穴18aに嵌め入れられる内周側筒部48aと、内周側筒部48aよりも大径とされ、その外周面に前記外向摩擦板46が嵌合させられる外周側筒部48bと、内周側筒部48aと外周側筒部48bとを連結するフランジ状の連結部48cとからなる。連結部48cは、内周側筒部48aおよび外周側筒部48bに対して略垂直であり、その内周端が内周側筒部48aの入力軸34側の端に連結され、その外周端が外周側筒部48bのプライマリプーリ12側の端に連結されている。また、内周側筒部48aの外周面のプライマリ軸18側の端部およびプライマリ軸18の軸穴18aの内周面の開口側部分は、互いに噛み合うスプライン形状とされている。従って、クラッチハブ48は、プライマリ軸18と一体回転させられ、且つ、そのプライマリ軸18に対してその軸方向に移動可能とされている。
【0022】
ケース50には、プライマリ軸18の入力軸34側の端が嵌め入れられ、そのプライマリ軸18の端をベアリング51を介して回転可能に支持する支持壁52が形成されている。さらに、ケース50には、その支持壁52の内周側部分から入力軸34に平行に、クラッチドラム46のフランジ部46b方向に突き出し、第1ギヤ54が嵌め合わせられる円筒状の嵌合壁56が形成されている。
【0023】
第1ギヤ54は、嵌合壁56の外周面に相対回転可能、且つ、その軸方向へ移動可能に嵌合壁56に嵌め合わせられている。この第1ギヤ54は、内周面が嵌合壁56に摺接され、その嵌合壁56に垂直な円環状の垂直部54aと、嵌合壁56と平行であってその垂直部54aの外周端からプライマリプーリ12側へ向かう外筒部54bと、外筒部54bのプライマリプーリ12側の端に形成された外周歯部54cとを有している。さらに、第1ギヤ54には、垂直部54aの内周部からフランジ部46b側へ突き出す内周歯部54dを有している。また、前記クラッチドラム46には、その外周面であって筒部46aとフランジ部46bの連結部分に、上記内周歯部54dと噛み合う係合歯46cが形成されている。
【0024】
支持壁52には、第1ギヤ54の垂直部54a側に環状の凹部58が形成されており、その凹部58にリバースピストン60が収容されている。また、第1ギヤ54の垂直部54aのリバースピストン60が当接させられる部分には、ベアリング62により第1ギヤ54に対して相対回転可能とされた環状の当接板64が嵌め入れられている。
【0025】
前記ピストン収容部材38には、その外周側の開口端にフランジ部38bが形成されており、フランジ部38bと第1ギヤ54の垂直部54aとの間にリターンスプリング66が配置されている。このリターンスプリング66は、第1ギヤ54を、リバースピストン60によってその第1ギヤ54が移動させられる側とは反対側に付勢するものであり、リバースピストン60およびリターンスプリング66により、第1ギヤ移動装置68が構成される。
【0026】
前記第1ギヤ54の外周歯部54cは、リバースピストン60により押されていない状態では、可動プーリ28の可動範囲よりも固定プーリ26側であって、その可動範囲の固定プーリ26側端に隣接する位置(図1に示す位置)となるようにされており、また、その状態では、第1ギヤ54に形成された内周歯部54dとクラッチドラム46に形成された係合歯46cも噛み合わないようになっている。
【0027】
セカンダリプーリ14の可動プーリ28は、円錐部28aと、その円錐部28aの外周端から固定プーリ26とは反対側に、セカンダリ軸24に平行に突き出す筒部28bとを有し、筒部28bの円錐部28aとは反対側の端に、外周面に前記第1ギヤ54の外周歯部54cと噛み合い可能な歯を有する第2ギヤ70が形成されている。本実施例では、第1ギヤ54の外周歯部54cと第2ギヤ70との噛み合い位置は、セカンダリプーリ14の溝幅が最小となる位置、すなわち、可動プーリ28が最も固定プーリ26側となる位置(図1において実線で示す位置)とされており、第1ギヤ54の内周歯部54dおよびクラッチドラム46の係合歯46cは、第1ギヤ54の外周歯部54cが上記噛み合い位置とされた状態で互いに噛み合うようにされている。
【0028】
このように構成された変速機10は、リバースピストン60が第1ギヤ54を押していない状態において、クラッチピストン36により複数の内向摩擦板42と複数の外向摩擦板44とが互いに係合させられると、プライマリプーリ12が入力軸34と一体回転させられるので、そのプライマリプーリ12との間に伝動ベルト16が巻き掛けられたセカンダリプーリ14も、入力軸34と同一方向に回転させられる。一方、摩擦板42、44の係合を解除し、且つ、セカンダリプーリ14の可動プーリ28を最も固定プーリ26側へ移動させ、さらに、リバースピストン60により第1ギヤ54を押して、第1ギヤ54の外周歯部54cを第2ギヤ70に噛み合わせ、且つ、第1ギヤ54の内周歯部54dとクラッチドラム46の係合歯46cとを嵌合させると、入力軸34の回転が第1ギヤ54および第2ギヤ70を介してセカンダリプーリ14へ伝達されるので、セカンダリプーリ14は入力軸34とは反対方向に回転させられる。
【0029】
上述の第1実施例によれば、クラッチ40を係合させ、且つ、第1ギヤ54の外周歯部54cと第2ギヤ70とを非噛み合い状態とすれば、エンジンの回転がプライマリプーリ12を介してセカンダリプーリ14に伝達されるので車両が前進し、クラッチ40を解放し、且つ、第1ギヤ54と第2ギヤ70とを噛み合い状態とすれば、入力軸34の回転が逆転してセカンダリプーリ14へ伝達されるので車両が後進する。従って、単純な構成により前後進の切替が可能となるので、変速機10を安価に製造することが可能となる。
【0030】
また、上述の第1実施例によれば、第1ギヤ54がその軸方向へ移動可能とされており、前進時には、第1ギヤ54の外周歯部54cは第2ギヤ70の可動範囲外に位置させられていることから、第1ギヤ54の外周歯部54cと第2ギヤ70とは噛み合わないので、前進時の変速比には何ら制限が生じない。
【0031】
次に、本発明の第2実施例を図面に基づいて説明する。なお、第2実施例において前述の第1実施例と構成が共通する部分には、共通の符号を付して説明を省略する。
【0032】
図2は、第2実施例の車両用ベルト変速機80の要部断面図である。第2実施例の変速機80は、第1ギヤ82をピストン収容部材92に相対回転不能に固定し、且つ、クラッチピストン84を第1実施例のリバースピストン60としても機能するようにした点が第1実施例と異なる。以下、詳細に説明する。
【0033】
クラッチハブ86は、第1実施例のものと略同じ構造であるが、外周側筒部86bの軸方向の長さが、第1実施例のものよりもやや短くされている。すなわち、クラッチハブ86の内周側筒部86aおよび連結部86cは、第1実施例のクラッチハブ48の内周側筒部48aおよび連結部48cと同様の構造であり、連結部86cの外周端からクラッチピストン84側へ突き出す外周側筒部86bは、第1実施例のものほどピストン収容部材92側へ突き出さず、その外周側筒部86bのピストン収容部材92側の端は、ピストン収容部材92の開口付近とされている。
【0034】
クラッチドラム88は、第1実施例のクラッチドラム46と同様に、入力軸34に平行な筒部88aと、その筒部88aのクラッチピストン84側の端に形成され、筒部88aに対して略垂直なフランジ部88bとを有するが、筒部88aのピストン収容部材92側の端が、上記クラッチハブ86の外周側筒部86bに対応してピストン収容部材92の開口付近とされている。また、フランジ部88bには、厚み方向に貫通する貫通穴90が周方向の複数箇所に形成されている。
【0035】
そのピストン収容部材92は、第1実施例のピストン収容部材38には形成されていたフランジ部38bが形成されていないこと、および、入力軸34と平行な筒状の外周壁部92aの外周面がスプライン形状とされている点が、第1実施例のピストン収容部材38と異なる。このピストン収容部材92とクラッチピストン84との間に、油室94が形成されている。また、クラッチハブ86およびクラッチドラム88のピストン収容部材92側の端がピストン収容部材92の開口付近とされているので、ピストン収容部材92に収容されているクラッチピストン84の可動距離は、第1実施例のものよりも長くなっている。
【0036】
第1ギヤ82は、ピストン収容部材92の外周壁部92aの外周面にスプライン嵌合する嵌合筒部82aと、その嵌合筒部82aに垂直、且つ径方向の略中央部に嵌合筒部82aのピストン収容部材92とは反対側の端が連結されている垂直部82bと、嵌合筒部82aと平行であって垂直部82bの外周端からプライマリプーリ12側へ向かう外筒部82cと、垂直部82bの内周端において前記貫通穴90に対応する部分から突き出し、その貫通穴90を通ってクラッチピストン84に当接させられる突棒部82dと、外筒部82cのプライマリプーリ12側の端に形成された外歯部82eとを有している。
【0037】
このように、第1ギヤ82の嵌合筒部82aがピストン収容部材92の外周壁部92aにスプライン嵌合しているので、第1ギヤ82は、その軸方向に移動可能に、入力軸34に相対回転不能に固定されている。なお、突棒部82dの端面は第1ギヤ82の側面でもあることから、クラッチピストン84は第1ギヤ82の側面に当接させられていることになる。
【0038】
第2実施例でも、第1ギヤ82の外歯部82eと第2ギヤ70との噛み合い位置は、セカンダリプーリ14の可動プーリ28が最も固定プーリ26側となる位置(図2において実線で示す位置)とされており、突棒部82dのクラッチピストン84側の端から外歯部82eまでの長さは、クラッチピストン84が最も摩擦板42、44から離隔させられた状態(図2において二点差線で示す状態)において外歯部82eがその噛み合い位置となるように設定されている。また、クラッチピストン84の凸部84aの突き出し長さは、第1ギヤ82が図2に示す位置とされた状態、すなわち、第1ギヤ82の外歯部82eが上記噛み合い位置よりも固定プーリ26側であってその噛み合い位置に隣接する位置とされた状態では、内向摩擦板42に当接させられないような長さとされている。
【0039】
従って、第1ギヤ82は、外歯部82eが第2ギヤ70と噛み合う位置(第1位置)、外歯部82eが第2ギヤ70と噛み合わず且つ内向摩擦板42と外向摩擦板44とが係合させられない位置(第2位置)、外歯部82eが第2ギヤ70と噛み合わず且つ内向摩擦板42と外向摩擦板44とが係合させられる位置(第3位置)をとり得るようになっている。前進時には、内向摩擦板42と外向摩擦板44とが係合させられることから、第1ギヤ82は第3位置に位置させられているので、前進時には、第1ギヤ82の外歯部82eは、第2ギヤ70の可動範囲外に位置させられている。
【0040】
また、第1ギヤ82の垂直部82bと、プライマリ軸18を支持する支持壁96との間にはリターンスプリング98が配置されている。このリターンスプリング98は、第1ギヤ82を、クラッチピストン84によってその第1ギヤ82が移動させられる側とは反対側に付勢するものであることから、リターンスプリング98は第1ギヤ移動部材として機能し、第2実施例では、クラッチピストン84およびリターンスプリング98により、第1ギヤ移動装置100が構成される。
【0041】
このように構成された変速機10は、油室94の油圧を大きくして、クラッチピストン84により複数の向摩擦板42と複数の外向摩擦板44とを互いに係合させると、プライマリプーリ12が入力軸34と一体回転させられるので、そのプライマリプーリ12との間に伝動ベルト16が巻き掛けられたセカンダリプーリ14も、入力軸34と同一方向に回転させられる。また、油室94の油圧を中程度とし、第1ギヤ82を前記第2位置とすると、ニュートラル状態となる。また、油室94の油圧を小さくして第1ギヤ82を前記第3位置とし、且つ、セカンダリプーリ14の可動プーリ28を最も固定プーリ26側へ移動させると、第1ギヤ82の外歯部82eが第2ギヤ70に噛み合って、入力軸34の回転が第1ギヤ82および第2ギヤ70を介してセカンダリプーリ14へ伝達されるので、セカンダリプーリ14は入力軸34とは反対方向に回転させられる。
【0042】
上述のように、第2実施例においても、クラッチ40を係合させ、且つ、第1ギヤ82と第2ギヤ70とを非噛み合い状態とすれば、エンジンの回転がプライマリプーリ12を介してセカンダリプーリ14に伝達されるので車両が前進し、クラッチ40を解放し、且つ、第1ギヤ82と第2ギヤ70とを噛み合い状態とすれば、入力軸34の回転が逆転してセカンダリプーリへ伝達されるので車両が後進する。従って、単純な構成により前後進の切替が可能となるので、変速機10を安価に製造することが可能となる。
【0043】
また、第2実施例においても、第1ギヤ82はその軸方向へ移動可能とされており、前進時には、第1ギヤ82の外歯部82eは第2ギヤ70の可動範囲外に位置させられていることから、第1ギヤ82の外歯部82eと第2ギヤ70とは噛み合わないので、前進時の変速比には何ら制限が生じない。
【0044】
さらに、第2実施例によれば、第1ギヤ82は、その軸方向へ移動可能に、入力軸34に相対回転不能に固定されていることから、第1ギヤ82と第2ギヤ70との噛み合いのみにより、後進時の動力伝達経路の接続・切断が行われるので、その動力伝達経路の接続が容易となる。
【0045】
また、第2実施例によれば、クラッチピストン84が第1ギヤ移動装置100の一部品としても機能しているので、部品点数が少なくなる。
【0046】
以上、本発明の一実施例を説明したが、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【0047】
たとえば、前述の実施例では、第1ギヤ移動装置68、100は、ピストン60、84とリターンスプリング66、98とにより構成されていたが、両方ともピストンであってもよい。
【0048】
また、第1実施例のようにクラッチピストン36とは別にリバースピストン60が設けられる態様において、第2実施例のように第1ギヤ82が入力軸34に相対回転不能に固定されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の車両用ベルト式無段変速機10の要部断面図である。
【図2】本発明の第2実施例の車両用ベルト式無段変速機80の要部断面図である。
【符号の説明】
10:車両用ベルト式無段変速機
12:プライマリプーリ
14:セカンダリプーリ
16:伝動ベルト
28:(セカンダリプーリの)可動プーリ
34:入力軸
36:クラッチピストン
40:クラッチ
54:第1ギヤ
68:第1ギヤ移動装置
70:第2ギヤ
80:車両用ベルト式無段変速機
82:第1ギヤ
84:クラッチピストン
98:リターンスプリング(第1ギヤ移動部材)
100:第1ギヤ移動装置
Claims (4)
- プライマリプーリと、該プライマリプーリとの間に伝動ベルトが掛け渡されるセカンダリプーリとを有する車両用ベルト式無段変速機であって、係合時に、前記プライマリプーリを入力軸とともに一体的に回転させるクラッチと、
前記入力軸と一体回転可能に構成された第1ギヤと、
該第1ギヤと噛み合い可能に、前記セカンダリプーリの可動プーリに一体的に形成され、該可動プーリの前記第1ギヤに対する相対移動により、前記第1ギヤと噛み合う状態と前記第1ギヤと噛み合わない状態とが可能な第2ギヤと
を含むことを特徴とする車両用ベルト式無段変速機。 - 前記第1ギヤはその軸方向に移動可能とされており、
該第1ギヤを、前記第2ギヤと噛み合う位置と前記第2ギヤと噛み合わない位置とを含む位置間で移動させる第1ギヤ移動装置をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。 - 前記第1ギヤは、前記入力軸に相対回転不能に固定されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用ベルト式無段変速機。
- 前記クラッチを係合させるためのクラッチピストンが、前記第1ギヤの端面に当接させられ、前記第1ギヤが前記第2ギヤと噛み合う第1位置から、前記第1ギヤが前記第2ギヤと噛み合わず且つ前記クラッチが係合させられない第2位置を経由して、前記第1ギヤが前記第2ギヤと噛み合わず且つ前記クラッチが係合させられる第3位置まで、前記第1ギヤをその軸方向の一方へ移動させるようになっており、
前記第1ギヤ移動装置は、該クラッチピストンと、前記第1ギヤを該クラッチピストンが前記第1ギヤを移動させる方向とは反対方向に移動させる第1ギヤ移動部材とを含んで構成されていることを特徴とする請求項3に記載の車両用ベルト式無段変速機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003163040A JP2004360875A (ja) | 2003-06-06 | 2003-06-06 | 車両用ベルト式無段変速機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003163040A JP2004360875A (ja) | 2003-06-06 | 2003-06-06 | 車両用ベルト式無段変速機 |
Publications (1)
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---|---|
JP2004360875A true JP2004360875A (ja) | 2004-12-24 |
Family
ID=34054963
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003163040A Pending JP2004360875A (ja) | 2003-06-06 | 2003-06-06 | 車両用ベルト式無段変速機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004360875A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101405631B1 (ko) | 2012-08-21 | 2014-06-10 | 현대 파워텍 주식회사 | 무단 변속기의 리버스 클러치 구조 |
-
2003
- 2003-06-06 JP JP2003163040A patent/JP2004360875A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101405631B1 (ko) | 2012-08-21 | 2014-06-10 | 현대 파워텍 주식회사 | 무단 변속기의 리버스 클러치 구조 |
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