JP2004360279A - 融雪装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】家庭の駐車場やアプローチに降り積もる雪を融かす融雪装置において、運転中に融雪用電源が停電した場合でも、停電復帰時には降雪や凍結など、実際の融雪領域の状況に応じた最適な加熱を行い、融かし残しや凍結をなくす。
【解決手段】降雪検知手段6により降雪を検知している間、降雪時間計測手段7により降雪時間を計測し、停電検知手段8により融雪用電源の停電を検知した場合に、停電した時点での融雪装置の運転状況や停電中に得られる情報を記憶手段9に記憶しておき、降雪検知手段6により降雪を検知している間と、降雪終了後、降雪時間計測手段7によって計測された降雪時間に応じて設定される追加加熱時間の間、融雪領域の加熱を行うように制御手段10により加熱手段5を制御する。制御手段10は、融雪用電源が停電した場合、停電復帰時に記憶手段9に記憶している情報を基に加熱手段5を制御するよう構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】降雪検知手段6により降雪を検知している間、降雪時間計測手段7により降雪時間を計測し、停電検知手段8により融雪用電源の停電を検知した場合に、停電した時点での融雪装置の運転状況や停電中に得られる情報を記憶手段9に記憶しておき、降雪検知手段6により降雪を検知している間と、降雪終了後、降雪時間計測手段7によって計測された降雪時間に応じて設定される追加加熱時間の間、融雪領域の加熱を行うように制御手段10により加熱手段5を制御する。制御手段10は、融雪用電源が停電した場合、停電復帰時に記憶手段9に記憶している情報を基に加熱手段5を制御するよう構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭の駐車場やアプローチに降り積もる雪を融かす融雪装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の融雪装置として、降雪を検知するために降雪センサを備えて、そのセンサからの信号に応じて自動で融雪運転を行う機能を有するものがある(例えば、特許文献1参照)。具体的には、降雪センサにより降雪が検知されると、融雪領域の加熱を開始し、雪が止むのを検知してから所定の時間、加熱を続けた後、加熱を停止するというものである。
【0003】
雪が止んでからも加熱を続けるのは、融雪装置の融雪能力を超える降雪量の場合、降り積もる雪をリアルタイムに融かすことが困難であるため、降雪が停止した後も加熱して、融かし残しを無くすためである。この時、加熱時間に制限を設けるのは、融雪装置の融雪能力を超える降雪量の場合に必要以上に加熱を続けてエネルギーを浪費させないためである。
【0004】
また、従来から積雪の多い寒冷地にある電力会社の電力契約メニューの中には、融雪装置を対象とした契約メニューがある。その内容は、毎年冬期の間だけ電力供給を行うが、1日のうち、所定の時間だけは電力供給を停止するというもので、この契約には料金割引という顧客メリットがある。そのため、融雪装置を使用する顧客の多くは、このような電力契約を結んでいる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−227115号公報(第2頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の融雪装置では、加熱の途中に電力の供給が停止すると(以降、これを融雪用電源の停電という)、そこで加熱が中断してしまい、融かし残しが発生してしまうという問題や、降雪検知前や追加加熱終了後などの運転待機中での融雪用電源の停電に対しては、停電中に融雪領域の温度が低下してしまうと融雪領域が凍結してしまうなどの問題があった。
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、運転中に融雪用電源が停電した場合でも、停電復帰時には降雪や凍結など、実際の融雪領域の状況に応じた最適な加熱を行い、融かし残しや凍結をなくすことを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、降雪検知手段により降雪を検知し、この降雪検知手段により降雪を検知している間、降雪時間計測手段により降雪時間を計測し、停電検知手段により融雪用電源の停電を検知した場合に、停電した時点での融雪装置の運転状況や停電中に得られる情報を記憶手段に記憶しておき、降雪検知手段により降雪を検知している間と、降雪終了後、降雪時間計測手段によって計測された降雪時間に応じて設定される追加加熱時間の間、融雪領域の加熱を行うように制御手段により加熱手段を制御するよう構成し、制御手段は、融雪用電源が停電した場合、停電復帰時に記憶手段に記憶している情報を基に加熱手段を制御するよう構成したものである。
【0009】
これにより、運転中に融雪用電源が停電した場合でも、停電復帰時には降雪や凍結など、実際の融雪領域の状況に応じた最適な加熱を行うことができ、融かし残しや凍結をなくすことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、融雪領域を加熱する加熱手段と、降雪を検知する降雪検知手段と、この降雪検知手段により降雪を検知している間、降雪時間を計測する降雪時間計測手段と、融雪用電源の停電を検知する停電検知手段と、この停電検知手段により融雪用電源の停電を検知した場合に停電した時点での融雪装置の運転状況や停電中に得られる情報を記憶しておく記憶手段と、前記降雪検知手段により降雪を検知している間と、降雪終了後、前記降雪時間計測手段によって計測された降雪時間に応じて設定される追加加熱時間の間、融雪領域の加熱を行うように前記加熱手段を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、融雪用電源が停電した場合、停電復帰時に記憶手段に記憶している情報を基に加熱手段を制御するよう構成したものであり、運転中に融雪用電源が停電した場合でも、停電復帰時には降雪や凍結など、実際の融雪領域の状況に応じた最適な加熱を行うことができ、融かし残しや凍結をなくすことができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、記憶手段は、降雪中に融雪用電源が停電した場合、停電した時点での降雪時間を記憶しておき、降雪時間計測手段は、融雪用電源が停電している間の降雪に対して累積降雪時間を計測しておき、停電復帰後、記憶手段に記憶している降雪時間と停電中の累積降雪時間を加算した時間を現在の降雪時間とするものであり、降雪中に融雪用電源の停電があった場合でも、停電復帰時には実際の降雪量に応じた最適な加熱を行うことができ、融かし残しをなくすことができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、上記請求項1または2に記載の発明において、記憶手段は、降雪終了後の追加加熱中に融雪用電源が停電した場合、停電した時点での追加加熱残時間を記憶しておき、降雪時間計測手段は、融雪用電源が停電している間の降雪に対して累積降雪時間を計測しておき、制御手段は、停電復帰後、停電中の累積降雪時間に対して計算した追加加熱時間と記憶手段に記憶している追加加熱残時間を加算した時間の間、追加加熱を行うように加熱手段を制御するよう構成したものであり、追加加熱中に融雪用電源の停電があった場合でも、停電復帰時には実際の降雪量に応じた最適な加熱を行うことができ、融かし残しをなくすことができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、上記請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、融雪領域の温度を検知する融雪領域温度検知手段を備え、記憶手段は、運転開始後、降雪を検知する前、もしくは追加加熱終了後に融雪用電源が停電した場合、停電中の融雪領域の温度を記憶しておき、制御手段は、停電中に降雪を検知しなくても記憶手段に記憶している融雪領域の温度の中に第1の所定温度以下のものがあれば、停電復帰後、融雪領域の温度が第2の所定温度に到達するまで加熱を行うように加熱手段を制御するよう構成したものであり、融雪用電源の停電中に融雪領域の温度が低下し、融雪領域が凍結してしまっても、停電復帰時に加熱を行い、氷を融かすことができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、上記請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、報知動作をする報知手段を備え、制御手段は、融雪用電源が停電している間は、その旨を報知するように前記報知手段を制御するよう構成したものであり、融雪用電源の停電により融雪領域の雪や氷が融けていない場合でも、使用者に知らせることができるため、装置の故障に対する使用者の不安を解消することができる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
(実施例1)
本発明の融雪装置は、図2に示すように、歩道2から玄関3および駐車スペース4に至るアプローチを含めた領域に融雪装置敷設部1を形成し、そこに降った雪を融雪するものである。
【0017】
図1に示すように、加熱手段5は、融雪領域を加熱するもので、図3に示すように、車両等の荷重に十分耐え得る金属製の表面プレート15と、この表面プレート15で保護される加熱コイル16とからなる加熱ユニット14とで構成し、高周波電源から供給される高周波電流により交番磁界を発生し、この交番磁界で表面プレート15を誘導加熱するよう構成している。
【0018】
降雪検知手段6は、降雪を検知するもので、発光素子と受光素子で構成し、発光素子から放たれた光が雪に反射して受光素子で検出されることにより降雪の有無を検知するようにし、降雪の有無に応じた信号を降雪時間計測手段7、制御手段10に入力し、降雪時間計測手段7は降雪検知手段6により降雪を検知している間、降雪時間を計測するようにしている。
【0019】
停電検知手段8は、融雪用電源の停電を検知するもので、融雪用電源が停電した場合、停電した時点での融雪装置の運転状況や停電中に得られる情報を記憶手段9に記憶しておく。制御手段10は降雪開始を検知してから、降雪終了後、降雪時間計測手段7によって計測された降雪時間に応じて設定される追加加熱時間の間、融雪領域の加熱を行うように加熱手段5を制御するよう構成している。
【0020】
降雪時間計測手段7、停電検知手段8、制御手段10は、マイクロコンピュータ13で構成している。停電検知手段8は、融雪用電源の交流電圧をダイオードで整流した後、抵抗で分圧したものを入力し、その入力値が所定の値を下回ると、制御手段10に信号を入力するようにしている。
【0021】
制御手段10は、降雪検知手段6により降雪開始を検知している間と、降雪終了後、降雪時間計測手段7によって計測された降雪時間に応じて設定される追加加熱時間の間、融雪領域の加熱を行うように加熱手段5を制御するようにしている。
【0022】
記憶手段9は、マイクロコンピュータ13内のRAMに相当し、融雪用電源が停電した場合、停電した時点での融雪装置の運転状況や停電中に得られる情報を記憶しておくようにしている。
【0023】
報知手段11は、報知動作をするものであり、発光ダイオードで構成し、融雪用電源が停電した場合に点灯するように制御される。融雪領域温度検知手段12は、融雪領域の温度を検知するものであり、温度センサで構成し、現在の融雪領域の温度を検知して制御手段10に入力するようにしている。
【0024】
上記構成において、図4のフローチャートを用いて、動作を説明する。融雪装置の運転を開始すると、まず、ステップS1で記憶手段9であるマイクロコンピュータ13内のRAMの降雪時間、累積降雪時間、追加加熱残時間の記憶領域を初期化する。そして、ステップS2で降雪検知手段6により降雪開始かどうかを検知する。降雪開始を検知すれば、ステップS3へ進み、融雪領域の加熱を開始するが、降雪がなければ、降雪があるまでステップS2を繰り返す。
【0025】
ステップS3で加熱を開始すると、ステップS4で降雪時間計測手段7により、降雪時間を計測する。そして、ステップS5で融雪用電源が停電しているかどうかを判定する。停電していなければ、そのままステップS6へ進むが、停電していれば、ステップS12へ移行し、融雪領域の加熱を停止する。
【0026】
そして、ステップS13で記憶手段9に現在の降雪時間を記憶する。続いて、ステップS14で停電から復帰したかどうかの判定を行い、まだ停電中であれば、ステップS15で降雪中かどうかの判定を行う。降雪中であれば、ステップS16で停電中の累積降雪時間の計測を行って、ステップS14へ戻るが、降雪中でなければ、そのままステップS14へ戻る。ステップS14で停電から復帰したと判定されれば、ステップS17で記憶手段9に記憶している降雪時間と停電中の累積降雪時間を加算したものを現在の降雪時間として設定する。そして、ステップS18で加熱を再開し、ステップS6へ進む。
【0027】
ステップS6では、降雪検知手段6により降雪終了かどうかの検知を行う。このとき、まだ降雪中であれば、ステップS4へ戻り、降雪時間の計測を継続するが、降雪が終了していれば、ステップS7で降雪時間に対する追加加熱終了時間を計算し、設定する。そして、つぎのステップS8で計測した降雪時間をクリアする。
【0028】
そして、ステップS9で降雪開始かどうかを検知し、降雪開始を検知すれば、ステップS4に戻り、降雪時間を計測する。降雪がなければ、ステップS10で追加加熱時間が経過したかどうかを判定し、経過していれば、ステップS11で加熱を停止してからステップS1へ戻り、これまでの一連の動作を繰り返す。まだ経過していなければ、ステップS9へ戻り、降雪開始かどうかの検知を行う。
【0029】
このように、降雪中に融雪用電源が停電した場合、停電した時点での降雪時間を記憶しておき、停電復帰後、記憶している降雪時間と停電中の累積降雪時間を加算した時間を現在の降雪時間とすることにより、降雪中に融雪用電源の停電があった場合でも、停電復帰時には実際の降雪量に応じた最適な加熱を行うことができ、融かし残しをなくすことができる。
【0030】
なお、本実施例では、加熱手段2として、加熱コイル16による誘導加熱を用いたが、これは電熱線や温水パイプを用いたものでもよく、要は融雪領域を加熱することができる構成であればよい。
【0031】
(実施例2)
図1に示す記憶手段9は、降雪終了後の追加加熱中に融雪用電源が停電した場合、停電した時点での追加加熱残時間を記憶しておき、降雪時間計測手段7は、融雪用電源が停電している間の降雪に対して累積降雪時間を計測しておき、制御手段10は、融雪用電源の停電からの復帰後、停電中の累積降雪時間に対して計算した追加加熱時間と記憶手段9に記憶している追加加熱残時間を加算した時間の間、追加加熱を行うように加熱手段5を制御するよう構成している。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0032】
上記構成において、図5のフローチャートを用いて、動作を説明する。なお、ステップS1からステップS11までの動作は、上記実施例1の動作と同じであるので説明を省略する。
【0033】
降雪終了後、ステップS7およびステップS8で追加加熱時間を計算し、降雪時間をクリアした後、ステップS19で融雪用電源が停電しているかどうかを判定する。停電していなければ、そのままステップS9へ進むが、停電していれば、ステップS20へ移行し、融雪領域の加熱を停止する。そして、ステップS21で記憶手段9に追加加熱残時間を記憶する。
【0034】
つづいて、ステップS22で停電から復帰したかどうかの判定を行い、まだ停電中であれば、ステップS23で降雪中かどうかの判定を行う。降雪中であれば、ステップS24で停電中の累積降雪時間の計測を行って、ステップS22へ戻るが、降雪中でなければ、そのままステップS22へ戻る。ステップS22で停電から復帰したと判定されれば、ステップS25で停電中の累積降雪時間に対する追加加熱時間を計算し、ステップS26で記憶手段9に記憶している追加加熱残時間とステップS25で計算した追加加熱時間を加算した時間を停電復帰後の追加加熱時間として再設定する。そして、ステップS27で加熱を再開し、ステップS9へと進む。
【0035】
このように、降雪終了後の追加加熱中に融雪用電源が停電した場合、停電した時点での追加加熱残時間を記憶しておき、融雪用電源が停電している間の降雪に対して累積降雪時間を計測しておき、融雪用電源の停電からの復帰後、停電中の累積降雪時間に対して計算した追加加熱時間と記憶手段9に記憶している追加加熱残時間を加算した時間の間、追加加熱を行うようにすることにより、追加加熱中に融雪用電源の停電があった場合でも、停電復帰時には実際の降雪量に応じた最適な加熱を行うことができ、融かし残しをなくすことができる。
【0036】
(実施例3)
図1に示す記憶手段9は、運転開始後、降雪を検知する前、もしくは追加加熱終了後に融雪用電源が停電した場合、停電中の融雪領域の温度を記憶しておき、制御手段10は、運転開始後、降雪を検知する前、もしくは追加加熱終了後に融雪用電源が停電した場合、その旨を報知するように報知手段11を制御するとともに、停電中に降雪を検知しなくても記憶している融雪領域の温度の中に第1の所定温度以下のものがあれば、停電復帰後、融雪領域の温度が第2の所定温度に到達するまで加熱を行うように加熱手段5を制御するよう構成している。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0037】
上記構成において、図6および図7のフローチャートを用いて、動作を説明する。なお、ステップS1からステップS27までの動作は、上記実施例2の動作と同じであるので説明を省略する。
【0038】
運転を開始し、図6のステップS1で降雪時間、累積降雪時間、追加加熱残時間の記憶領域を初期化した後、ステップS28で融雪用電源が停電しているかどうかを判定する。停電していなければ、そのままステップS2へ進むが、停電していれば、図7のステップS29へ移行し、停電していることを報知するための発光ダイオードを点灯する。そして、ステップS30で記憶手段9に現在の融雪領域の温度を記憶する。
【0039】
続いて、ステップS31で停電から復帰したかどうかの判定を行い、まだ停電中であれば、ステップS32で降雪中かどうかの判定を行う。降雪中であれば、ステップS33で停電中の累積降雪時間の計測を行って、ステップS30へ戻るが、降雪中でなければ、そのままステップS30へ戻る。ステップS31で停電から復帰したと判定されれば、ステップS34で停電中に降雪があったかどうかの判定を行う。降雪があれば、ステップS39で停電中の累積降雪時間を現在の降雪時間として設定した後、ステップS40で発光ダイオードを消灯して、図6のステップS6へと進む。
【0040】
停電中に降雪がなければ、ステップS35で停電中に融雪領域の温度が第1の所定温度を下回ったことがないか記憶手段9に記憶している停電中の融雪領域の温度を調べる。融雪領域の温度が第1の所定温度を下回ったことがなければ、そのままステップS41へ進み、発光ダイオードを消灯して、ステップS2へ進む。融雪領域の温度が第1の所定温度を下回ったことがあれば、ステップS36へ進み、融雪領域の加熱を開始する。
【0041】
そして、ステップS37で第2の所定温度に到達したかどうかの判定を行う。到達していなければ、到達するまでステップS37を繰返し、到達していれば、ステップS38で加熱を停止し、ステップS41で発光ダイオードを消灯し、図6のステップS2へと進む。
【0042】
このように、運転開始後、降雪を検知する前、もしくは追加加熱終了後に融雪用電源が停電した場合、停電中の融雪領域の温度を記憶しておき、停電中に降雪を検知しなくても記憶手段9に記憶している融雪領域の温度の中に第1の所定温度以下のものがあれば、停電復帰後、融雪領域の温度が第2の所定温度に到達するまで加熱を行うようにすることにより、融雪用電源の停電中に融雪領域の温度が低下し、融雪領域が凍結してしまっても、停電復帰時に加熱を行い、氷を融かすことができる。
【0043】
また、融雪用電源が停電している間は、その旨を報知するようにすることにより、融雪用電源の停電により融雪領域の雪や氷が融けていない場合でも、使用者に知らせることができるため、装置の故障に対する使用者の不安を解消することができる。
【0044】
なお、本発明では、報知手段として、発光ダイオードを用いているが、これは液晶表示装置やブザーでもよく、要は使用者に融雪用電源が停電していることを知らせることができる構成であればよい。
【0045】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1に記載の発明によれば、融雪用電源が停電した場合、停電復帰時に記憶手段に記憶している情報を基に加熱手段を制御するよう構成したから、運転中に融雪用電源が停電した場合でも、停電復帰時には降雪や凍結など、実際の融雪領域の状況に応じた最適な加熱を行うことができ、融かし残しや凍結をなくすことができる。
【0046】
また、請求項2に記載の発明によれば、降雪中に融雪用電源が停電した場合、停電した時点での降雪時間を記憶し、融雪用電源が停電している間の降雪に対して累積降雪時間を計測し、停電復帰後、記憶している降雪時間と停電中の累積降雪時間を加算した時間を現在の降雪時間とするから、降雪中に融雪用電源の停電があった場合でも、停電復帰時には実際の降雪量に応じた最適な加熱を行うことができ、融かし残しをなくすことができる。
【0047】
また、請求項3に記載の発明によれば、降雪終了後の追加加熱中に融雪用電源が停電した場合、停電した時点での追加加熱残時間を記憶し、融雪用電源が停電している間の降雪に対して累積降雪時間を計測し、停電復帰後、停電中の累積降雪時間に対して計算した追加加熱時間と記憶手段に記憶している追加加熱残時間を加算した時間の間、追加加熱を行うように加熱手段を制御するよう構成したから、追加加熱中に融雪用電源の停電があった場合でも、停電復帰時には実際の降雪量に応じた最適な加熱を行うことができ、融かし残しをなくすことができる。
【0048】
また、請求項4に記載の発明によれば、運転開始後、降雪を検知する前、もしくは追加加熱終了後に融雪用電源が停電した場合、停電中の融雪領域の温度を記憶し、停電中に降雪を検知しなくても記憶している融雪領域の温度の中に第1の所定温度以下のものがあれば、停電復帰後、融雪領域の温度が第2の所定温度に到達するまで加熱を行うように加熱手段を制御するよう構成したから、融雪用電源の停電中に融雪領域の温度が低下し、融雪領域が凍結してしまっても、停電復帰時に加熱を行い、氷を融かすことができる。
【0049】
また、請求項5に記載の発明によれば、融雪用電源が停電している間は、その旨を報知するように報知手段を制御するよう構成したから、融雪用電源の停電により融雪領域の雪や氷が融けていない場合でも、使用者に知らせることができるため、装置の故障に対する使用者の不安を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の融雪装置のブロック図
【図2】同融雪装置の設置状態を示す斜視図
【図3】(a)同融雪装置の加熱手段の平面図
(b)同融雪装置の加熱手段の断面図
【図4】同融雪装置の動作フローチャート
【図5】本発明の第2の実施例の融雪装置の動作フローチャート
【図6】本発明の第3の実施例の融雪装置の運転開始後降雪を検知する前に融雪用電源が停電しない場合の動作フローチャート
【図7】同融雪装置の運転開始後降雪を検知する前に融雪用電源が停電した場合の動作フローチャート
【符号の説明】
5 加熱手段
6 降雪検知手段
7 降雪時間計測手段
8 停電検知手段
9 記憶手段
10 制御手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭の駐車場やアプローチに降り積もる雪を融かす融雪装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の融雪装置として、降雪を検知するために降雪センサを備えて、そのセンサからの信号に応じて自動で融雪運転を行う機能を有するものがある(例えば、特許文献1参照)。具体的には、降雪センサにより降雪が検知されると、融雪領域の加熱を開始し、雪が止むのを検知してから所定の時間、加熱を続けた後、加熱を停止するというものである。
【0003】
雪が止んでからも加熱を続けるのは、融雪装置の融雪能力を超える降雪量の場合、降り積もる雪をリアルタイムに融かすことが困難であるため、降雪が停止した後も加熱して、融かし残しを無くすためである。この時、加熱時間に制限を設けるのは、融雪装置の融雪能力を超える降雪量の場合に必要以上に加熱を続けてエネルギーを浪費させないためである。
【0004】
また、従来から積雪の多い寒冷地にある電力会社の電力契約メニューの中には、融雪装置を対象とした契約メニューがある。その内容は、毎年冬期の間だけ電力供給を行うが、1日のうち、所定の時間だけは電力供給を停止するというもので、この契約には料金割引という顧客メリットがある。そのため、融雪装置を使用する顧客の多くは、このような電力契約を結んでいる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−227115号公報(第2頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の融雪装置では、加熱の途中に電力の供給が停止すると(以降、これを融雪用電源の停電という)、そこで加熱が中断してしまい、融かし残しが発生してしまうという問題や、降雪検知前や追加加熱終了後などの運転待機中での融雪用電源の停電に対しては、停電中に融雪領域の温度が低下してしまうと融雪領域が凍結してしまうなどの問題があった。
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、運転中に融雪用電源が停電した場合でも、停電復帰時には降雪や凍結など、実際の融雪領域の状況に応じた最適な加熱を行い、融かし残しや凍結をなくすことを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、降雪検知手段により降雪を検知し、この降雪検知手段により降雪を検知している間、降雪時間計測手段により降雪時間を計測し、停電検知手段により融雪用電源の停電を検知した場合に、停電した時点での融雪装置の運転状況や停電中に得られる情報を記憶手段に記憶しておき、降雪検知手段により降雪を検知している間と、降雪終了後、降雪時間計測手段によって計測された降雪時間に応じて設定される追加加熱時間の間、融雪領域の加熱を行うように制御手段により加熱手段を制御するよう構成し、制御手段は、融雪用電源が停電した場合、停電復帰時に記憶手段に記憶している情報を基に加熱手段を制御するよう構成したものである。
【0009】
これにより、運転中に融雪用電源が停電した場合でも、停電復帰時には降雪や凍結など、実際の融雪領域の状況に応じた最適な加熱を行うことができ、融かし残しや凍結をなくすことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、融雪領域を加熱する加熱手段と、降雪を検知する降雪検知手段と、この降雪検知手段により降雪を検知している間、降雪時間を計測する降雪時間計測手段と、融雪用電源の停電を検知する停電検知手段と、この停電検知手段により融雪用電源の停電を検知した場合に停電した時点での融雪装置の運転状況や停電中に得られる情報を記憶しておく記憶手段と、前記降雪検知手段により降雪を検知している間と、降雪終了後、前記降雪時間計測手段によって計測された降雪時間に応じて設定される追加加熱時間の間、融雪領域の加熱を行うように前記加熱手段を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、融雪用電源が停電した場合、停電復帰時に記憶手段に記憶している情報を基に加熱手段を制御するよう構成したものであり、運転中に融雪用電源が停電した場合でも、停電復帰時には降雪や凍結など、実際の融雪領域の状況に応じた最適な加熱を行うことができ、融かし残しや凍結をなくすことができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、記憶手段は、降雪中に融雪用電源が停電した場合、停電した時点での降雪時間を記憶しておき、降雪時間計測手段は、融雪用電源が停電している間の降雪に対して累積降雪時間を計測しておき、停電復帰後、記憶手段に記憶している降雪時間と停電中の累積降雪時間を加算した時間を現在の降雪時間とするものであり、降雪中に融雪用電源の停電があった場合でも、停電復帰時には実際の降雪量に応じた最適な加熱を行うことができ、融かし残しをなくすことができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、上記請求項1または2に記載の発明において、記憶手段は、降雪終了後の追加加熱中に融雪用電源が停電した場合、停電した時点での追加加熱残時間を記憶しておき、降雪時間計測手段は、融雪用電源が停電している間の降雪に対して累積降雪時間を計測しておき、制御手段は、停電復帰後、停電中の累積降雪時間に対して計算した追加加熱時間と記憶手段に記憶している追加加熱残時間を加算した時間の間、追加加熱を行うように加熱手段を制御するよう構成したものであり、追加加熱中に融雪用電源の停電があった場合でも、停電復帰時には実際の降雪量に応じた最適な加熱を行うことができ、融かし残しをなくすことができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、上記請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、融雪領域の温度を検知する融雪領域温度検知手段を備え、記憶手段は、運転開始後、降雪を検知する前、もしくは追加加熱終了後に融雪用電源が停電した場合、停電中の融雪領域の温度を記憶しておき、制御手段は、停電中に降雪を検知しなくても記憶手段に記憶している融雪領域の温度の中に第1の所定温度以下のものがあれば、停電復帰後、融雪領域の温度が第2の所定温度に到達するまで加熱を行うように加熱手段を制御するよう構成したものであり、融雪用電源の停電中に融雪領域の温度が低下し、融雪領域が凍結してしまっても、停電復帰時に加熱を行い、氷を融かすことができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、上記請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、報知動作をする報知手段を備え、制御手段は、融雪用電源が停電している間は、その旨を報知するように前記報知手段を制御するよう構成したものであり、融雪用電源の停電により融雪領域の雪や氷が融けていない場合でも、使用者に知らせることができるため、装置の故障に対する使用者の不安を解消することができる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
(実施例1)
本発明の融雪装置は、図2に示すように、歩道2から玄関3および駐車スペース4に至るアプローチを含めた領域に融雪装置敷設部1を形成し、そこに降った雪を融雪するものである。
【0017】
図1に示すように、加熱手段5は、融雪領域を加熱するもので、図3に示すように、車両等の荷重に十分耐え得る金属製の表面プレート15と、この表面プレート15で保護される加熱コイル16とからなる加熱ユニット14とで構成し、高周波電源から供給される高周波電流により交番磁界を発生し、この交番磁界で表面プレート15を誘導加熱するよう構成している。
【0018】
降雪検知手段6は、降雪を検知するもので、発光素子と受光素子で構成し、発光素子から放たれた光が雪に反射して受光素子で検出されることにより降雪の有無を検知するようにし、降雪の有無に応じた信号を降雪時間計測手段7、制御手段10に入力し、降雪時間計測手段7は降雪検知手段6により降雪を検知している間、降雪時間を計測するようにしている。
【0019】
停電検知手段8は、融雪用電源の停電を検知するもので、融雪用電源が停電した場合、停電した時点での融雪装置の運転状況や停電中に得られる情報を記憶手段9に記憶しておく。制御手段10は降雪開始を検知してから、降雪終了後、降雪時間計測手段7によって計測された降雪時間に応じて設定される追加加熱時間の間、融雪領域の加熱を行うように加熱手段5を制御するよう構成している。
【0020】
降雪時間計測手段7、停電検知手段8、制御手段10は、マイクロコンピュータ13で構成している。停電検知手段8は、融雪用電源の交流電圧をダイオードで整流した後、抵抗で分圧したものを入力し、その入力値が所定の値を下回ると、制御手段10に信号を入力するようにしている。
【0021】
制御手段10は、降雪検知手段6により降雪開始を検知している間と、降雪終了後、降雪時間計測手段7によって計測された降雪時間に応じて設定される追加加熱時間の間、融雪領域の加熱を行うように加熱手段5を制御するようにしている。
【0022】
記憶手段9は、マイクロコンピュータ13内のRAMに相当し、融雪用電源が停電した場合、停電した時点での融雪装置の運転状況や停電中に得られる情報を記憶しておくようにしている。
【0023】
報知手段11は、報知動作をするものであり、発光ダイオードで構成し、融雪用電源が停電した場合に点灯するように制御される。融雪領域温度検知手段12は、融雪領域の温度を検知するものであり、温度センサで構成し、現在の融雪領域の温度を検知して制御手段10に入力するようにしている。
【0024】
上記構成において、図4のフローチャートを用いて、動作を説明する。融雪装置の運転を開始すると、まず、ステップS1で記憶手段9であるマイクロコンピュータ13内のRAMの降雪時間、累積降雪時間、追加加熱残時間の記憶領域を初期化する。そして、ステップS2で降雪検知手段6により降雪開始かどうかを検知する。降雪開始を検知すれば、ステップS3へ進み、融雪領域の加熱を開始するが、降雪がなければ、降雪があるまでステップS2を繰り返す。
【0025】
ステップS3で加熱を開始すると、ステップS4で降雪時間計測手段7により、降雪時間を計測する。そして、ステップS5で融雪用電源が停電しているかどうかを判定する。停電していなければ、そのままステップS6へ進むが、停電していれば、ステップS12へ移行し、融雪領域の加熱を停止する。
【0026】
そして、ステップS13で記憶手段9に現在の降雪時間を記憶する。続いて、ステップS14で停電から復帰したかどうかの判定を行い、まだ停電中であれば、ステップS15で降雪中かどうかの判定を行う。降雪中であれば、ステップS16で停電中の累積降雪時間の計測を行って、ステップS14へ戻るが、降雪中でなければ、そのままステップS14へ戻る。ステップS14で停電から復帰したと判定されれば、ステップS17で記憶手段9に記憶している降雪時間と停電中の累積降雪時間を加算したものを現在の降雪時間として設定する。そして、ステップS18で加熱を再開し、ステップS6へ進む。
【0027】
ステップS6では、降雪検知手段6により降雪終了かどうかの検知を行う。このとき、まだ降雪中であれば、ステップS4へ戻り、降雪時間の計測を継続するが、降雪が終了していれば、ステップS7で降雪時間に対する追加加熱終了時間を計算し、設定する。そして、つぎのステップS8で計測した降雪時間をクリアする。
【0028】
そして、ステップS9で降雪開始かどうかを検知し、降雪開始を検知すれば、ステップS4に戻り、降雪時間を計測する。降雪がなければ、ステップS10で追加加熱時間が経過したかどうかを判定し、経過していれば、ステップS11で加熱を停止してからステップS1へ戻り、これまでの一連の動作を繰り返す。まだ経過していなければ、ステップS9へ戻り、降雪開始かどうかの検知を行う。
【0029】
このように、降雪中に融雪用電源が停電した場合、停電した時点での降雪時間を記憶しておき、停電復帰後、記憶している降雪時間と停電中の累積降雪時間を加算した時間を現在の降雪時間とすることにより、降雪中に融雪用電源の停電があった場合でも、停電復帰時には実際の降雪量に応じた最適な加熱を行うことができ、融かし残しをなくすことができる。
【0030】
なお、本実施例では、加熱手段2として、加熱コイル16による誘導加熱を用いたが、これは電熱線や温水パイプを用いたものでもよく、要は融雪領域を加熱することができる構成であればよい。
【0031】
(実施例2)
図1に示す記憶手段9は、降雪終了後の追加加熱中に融雪用電源が停電した場合、停電した時点での追加加熱残時間を記憶しておき、降雪時間計測手段7は、融雪用電源が停電している間の降雪に対して累積降雪時間を計測しておき、制御手段10は、融雪用電源の停電からの復帰後、停電中の累積降雪時間に対して計算した追加加熱時間と記憶手段9に記憶している追加加熱残時間を加算した時間の間、追加加熱を行うように加熱手段5を制御するよう構成している。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0032】
上記構成において、図5のフローチャートを用いて、動作を説明する。なお、ステップS1からステップS11までの動作は、上記実施例1の動作と同じであるので説明を省略する。
【0033】
降雪終了後、ステップS7およびステップS8で追加加熱時間を計算し、降雪時間をクリアした後、ステップS19で融雪用電源が停電しているかどうかを判定する。停電していなければ、そのままステップS9へ進むが、停電していれば、ステップS20へ移行し、融雪領域の加熱を停止する。そして、ステップS21で記憶手段9に追加加熱残時間を記憶する。
【0034】
つづいて、ステップS22で停電から復帰したかどうかの判定を行い、まだ停電中であれば、ステップS23で降雪中かどうかの判定を行う。降雪中であれば、ステップS24で停電中の累積降雪時間の計測を行って、ステップS22へ戻るが、降雪中でなければ、そのままステップS22へ戻る。ステップS22で停電から復帰したと判定されれば、ステップS25で停電中の累積降雪時間に対する追加加熱時間を計算し、ステップS26で記憶手段9に記憶している追加加熱残時間とステップS25で計算した追加加熱時間を加算した時間を停電復帰後の追加加熱時間として再設定する。そして、ステップS27で加熱を再開し、ステップS9へと進む。
【0035】
このように、降雪終了後の追加加熱中に融雪用電源が停電した場合、停電した時点での追加加熱残時間を記憶しておき、融雪用電源が停電している間の降雪に対して累積降雪時間を計測しておき、融雪用電源の停電からの復帰後、停電中の累積降雪時間に対して計算した追加加熱時間と記憶手段9に記憶している追加加熱残時間を加算した時間の間、追加加熱を行うようにすることにより、追加加熱中に融雪用電源の停電があった場合でも、停電復帰時には実際の降雪量に応じた最適な加熱を行うことができ、融かし残しをなくすことができる。
【0036】
(実施例3)
図1に示す記憶手段9は、運転開始後、降雪を検知する前、もしくは追加加熱終了後に融雪用電源が停電した場合、停電中の融雪領域の温度を記憶しておき、制御手段10は、運転開始後、降雪を検知する前、もしくは追加加熱終了後に融雪用電源が停電した場合、その旨を報知するように報知手段11を制御するとともに、停電中に降雪を検知しなくても記憶している融雪領域の温度の中に第1の所定温度以下のものがあれば、停電復帰後、融雪領域の温度が第2の所定温度に到達するまで加熱を行うように加熱手段5を制御するよう構成している。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0037】
上記構成において、図6および図7のフローチャートを用いて、動作を説明する。なお、ステップS1からステップS27までの動作は、上記実施例2の動作と同じであるので説明を省略する。
【0038】
運転を開始し、図6のステップS1で降雪時間、累積降雪時間、追加加熱残時間の記憶領域を初期化した後、ステップS28で融雪用電源が停電しているかどうかを判定する。停電していなければ、そのままステップS2へ進むが、停電していれば、図7のステップS29へ移行し、停電していることを報知するための発光ダイオードを点灯する。そして、ステップS30で記憶手段9に現在の融雪領域の温度を記憶する。
【0039】
続いて、ステップS31で停電から復帰したかどうかの判定を行い、まだ停電中であれば、ステップS32で降雪中かどうかの判定を行う。降雪中であれば、ステップS33で停電中の累積降雪時間の計測を行って、ステップS30へ戻るが、降雪中でなければ、そのままステップS30へ戻る。ステップS31で停電から復帰したと判定されれば、ステップS34で停電中に降雪があったかどうかの判定を行う。降雪があれば、ステップS39で停電中の累積降雪時間を現在の降雪時間として設定した後、ステップS40で発光ダイオードを消灯して、図6のステップS6へと進む。
【0040】
停電中に降雪がなければ、ステップS35で停電中に融雪領域の温度が第1の所定温度を下回ったことがないか記憶手段9に記憶している停電中の融雪領域の温度を調べる。融雪領域の温度が第1の所定温度を下回ったことがなければ、そのままステップS41へ進み、発光ダイオードを消灯して、ステップS2へ進む。融雪領域の温度が第1の所定温度を下回ったことがあれば、ステップS36へ進み、融雪領域の加熱を開始する。
【0041】
そして、ステップS37で第2の所定温度に到達したかどうかの判定を行う。到達していなければ、到達するまでステップS37を繰返し、到達していれば、ステップS38で加熱を停止し、ステップS41で発光ダイオードを消灯し、図6のステップS2へと進む。
【0042】
このように、運転開始後、降雪を検知する前、もしくは追加加熱終了後に融雪用電源が停電した場合、停電中の融雪領域の温度を記憶しておき、停電中に降雪を検知しなくても記憶手段9に記憶している融雪領域の温度の中に第1の所定温度以下のものがあれば、停電復帰後、融雪領域の温度が第2の所定温度に到達するまで加熱を行うようにすることにより、融雪用電源の停電中に融雪領域の温度が低下し、融雪領域が凍結してしまっても、停電復帰時に加熱を行い、氷を融かすことができる。
【0043】
また、融雪用電源が停電している間は、その旨を報知するようにすることにより、融雪用電源の停電により融雪領域の雪や氷が融けていない場合でも、使用者に知らせることができるため、装置の故障に対する使用者の不安を解消することができる。
【0044】
なお、本発明では、報知手段として、発光ダイオードを用いているが、これは液晶表示装置やブザーでもよく、要は使用者に融雪用電源が停電していることを知らせることができる構成であればよい。
【0045】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1に記載の発明によれば、融雪用電源が停電した場合、停電復帰時に記憶手段に記憶している情報を基に加熱手段を制御するよう構成したから、運転中に融雪用電源が停電した場合でも、停電復帰時には降雪や凍結など、実際の融雪領域の状況に応じた最適な加熱を行うことができ、融かし残しや凍結をなくすことができる。
【0046】
また、請求項2に記載の発明によれば、降雪中に融雪用電源が停電した場合、停電した時点での降雪時間を記憶し、融雪用電源が停電している間の降雪に対して累積降雪時間を計測し、停電復帰後、記憶している降雪時間と停電中の累積降雪時間を加算した時間を現在の降雪時間とするから、降雪中に融雪用電源の停電があった場合でも、停電復帰時には実際の降雪量に応じた最適な加熱を行うことができ、融かし残しをなくすことができる。
【0047】
また、請求項3に記載の発明によれば、降雪終了後の追加加熱中に融雪用電源が停電した場合、停電した時点での追加加熱残時間を記憶し、融雪用電源が停電している間の降雪に対して累積降雪時間を計測し、停電復帰後、停電中の累積降雪時間に対して計算した追加加熱時間と記憶手段に記憶している追加加熱残時間を加算した時間の間、追加加熱を行うように加熱手段を制御するよう構成したから、追加加熱中に融雪用電源の停電があった場合でも、停電復帰時には実際の降雪量に応じた最適な加熱を行うことができ、融かし残しをなくすことができる。
【0048】
また、請求項4に記載の発明によれば、運転開始後、降雪を検知する前、もしくは追加加熱終了後に融雪用電源が停電した場合、停電中の融雪領域の温度を記憶し、停電中に降雪を検知しなくても記憶している融雪領域の温度の中に第1の所定温度以下のものがあれば、停電復帰後、融雪領域の温度が第2の所定温度に到達するまで加熱を行うように加熱手段を制御するよう構成したから、融雪用電源の停電中に融雪領域の温度が低下し、融雪領域が凍結してしまっても、停電復帰時に加熱を行い、氷を融かすことができる。
【0049】
また、請求項5に記載の発明によれば、融雪用電源が停電している間は、その旨を報知するように報知手段を制御するよう構成したから、融雪用電源の停電により融雪領域の雪や氷が融けていない場合でも、使用者に知らせることができるため、装置の故障に対する使用者の不安を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の融雪装置のブロック図
【図2】同融雪装置の設置状態を示す斜視図
【図3】(a)同融雪装置の加熱手段の平面図
(b)同融雪装置の加熱手段の断面図
【図4】同融雪装置の動作フローチャート
【図5】本発明の第2の実施例の融雪装置の動作フローチャート
【図6】本発明の第3の実施例の融雪装置の運転開始後降雪を検知する前に融雪用電源が停電しない場合の動作フローチャート
【図7】同融雪装置の運転開始後降雪を検知する前に融雪用電源が停電した場合の動作フローチャート
【符号の説明】
5 加熱手段
6 降雪検知手段
7 降雪時間計測手段
8 停電検知手段
9 記憶手段
10 制御手段
Claims (5)
- 融雪領域を加熱する加熱手段と、降雪を検知する降雪検知手段と、この降雪検知手段により降雪を検知している間、降雪時間を計測する降雪時間計測手段と、融雪用電源の停電を検知する停電検知手段と、この停電検知手段により融雪用電源の停電を検知した場合に停電した時点での融雪装置の運転状況や停電中に得られる情報を記憶しておく記憶手段と、前記降雪検知手段により降雪を検知している間と、降雪終了後、前記降雪時間計測手段によって計測された降雪時間に応じて設定される追加加熱時間の間、融雪領域の加熱を行うように前記加熱手段を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、融雪用電源が停電した場合、停電復帰時に記憶手段に記憶している情報を基に加熱手段を制御するよう構成した融雪装置。
- 記憶手段は、降雪中に融雪用電源が停電した場合、停電した時点での降雪時間を記憶しておき、降雪時間計測手段は、融雪用電源が停電している間の降雪に対して累積降雪時間を計測しておき、停電復帰後、記憶手段に記憶している降雪時間と停電中の累積降雪時間を加算した時間を現在の降雪時間とする請求項1記載の融雪装置。
- 記憶手段は、降雪終了後の追加加熱中に融雪用電源が停電した場合、停電した時点での追加加熱残時間を記憶しておき、降雪時間計測手段は、融雪用電源が停電している間の降雪に対して累積降雪時間を計測しておき、制御手段は、停電復帰後、停電中の累積降雪時間に対して計算した追加加熱時間と記憶手段に記憶している追加加熱残時間を加算した時間の間、追加加熱を行うように加熱手段を制御するよう構成した請求項1または2記載の融雪装置。
- 融雪領域の温度を検知する融雪領域温度検知手段を備え、記憶手段は、運転開始後、降雪を検知する前、もしくは追加加熱終了後に融雪用電源が停電した場合、停電中の融雪領域の温度を記憶しておき、制御手段は、停電中に降雪を検知しなくても記憶手段に記憶している融雪領域の温度の中に第1の所定温度以下のものがあれば、停電復帰後、融雪領域の温度が第2の所定温度に到達するまで加熱を行うように加熱手段を制御するよう構成した請求項1〜3のいずれか1項に記載の融雪装置。
- 報知動作をする報知手段を備え、制御手段は、融雪用電源が停電している間は、その旨を報知するように前記報知手段を制御するよう構成した請求項1〜4のいずれか1項に記載の融雪装置。
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Cited By (3)
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JP2009281673A (ja) * | 2008-05-23 | 2009-12-03 | Mitsubishi Electric Corp | ヒートポンプ用熱交換器及びこれを用いたヒートポンプ装置 |
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-
2003
- 2003-06-04 JP JP2003159246A patent/JP2004360279A/ja active Pending
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