JP2004359619A - 除草剤組成物 - Google Patents

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野 景 介 関
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Abstract

【解決手段】一般式(I)で表される置換ピラゾール誘導体の1種または2種以上と、ジニトロアニリン系化合物、ウレア系化合物、アミド系化合物、カーバメート系化合物、ジフェニルエーテル系化合物またはスルホニルウレア系化合物の中から選択される少なくとも1種とを有効成分として含有する除草剤組成物を提供する。
【効果】本発明の除草剤組成物は、有効成分の除草作用の相乗効果が認められ、殺草スペクトラムが広く、低薬量で優れた除草効果を示すとともに、コムギ、オオムギ、トウモロコシ、ダイズ、ワタなどのいくつかの重要作物に対して充分な安全性を示した。
【化1】
Figure 2004359619

【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、置換ピラゾール誘導体などを有効成分として含有する除草剤組成物に関する。より詳しくは、本発明は、除草活性を有する置換ピラゾール誘導体およびそれ以外の除草化合物を有効成分として含有することを特徴とする除草剤組成物に関するものであり、化学工業ならびに農業、特に農薬の製造業の分野で有用である。
【0002】
【発明の技術的背景】
これまで種々の除草剤が開発され、使用されている。しかしながら、防除の対象となる雑草は種類が多く、発生も長期間にわたるため、今のところ市販され使用されている数多くの除草剤の中に、効力、殺草スペクトラム、作物選択性、人体への安全性、環境への負荷などの点ですべての要求を満たすものはない。
【0003】
特に重要な作物である、ムギ、イネ、ダイズ、トウモロコシ、ワタ等の栽培生産においては、低薬量の施用であっても除草活性、殺草スペクトラム、残効性や作物選択性に優れた作用を発揮する除草剤が求められている。
【0004】
本出願人は、置換ピラゾール誘導体が除草活性を有することを既に開示した(特許文献1参照)。これとは異なる置換ピラゾール系の化合物にも優れた除草活性があることが、同一出願人による特許出願に開示されている(特願2001−387578号)。
【0005】
【特許文献1】
国際公開第03/005825号パンフレット
【0006】
【発明の目的】
本発明者らは、一般式(I)で示される置換ピラゾール誘導体と特定の除草化合物との混用による除草剤組成物は、低薬量の施行であっても、優れた除草効力を相乗的に示すとともに、いくつかの重要作物に対して充分な安全性を示す、価値ある除草化合物の組み合わせであることも見出して本発明を完成するに至った。
【0007】
【化5】
Figure 2004359619
【0008】
本発明は、上記式(I)で表される置換ピラゾール誘導体とそれ以外の特定の除草化合物との混用により除草作用の相乗効果を示す除草剤組成物、すなわち、殺草スペクトラムが広く、低薬量の施行であっても、優れた除草効力を示すとともに、いくつかの重要作物に対して充分な安全性を示す除草剤組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【発明の概要】
(1)本発明は、下記の一般式 (I)で表される置換ピラゾール誘導体の1種または2種以上と、
混用される除草化合物として、ジニトロアニリン系化合物、ウレア系化合物、アミド系化合物、カーバメート系化合物、ジフェニルエーテル系化合物およびスルホニルウレア系化合物の中から選択される1種または2種以上の化合物とを、
有効成分として含有することを特徴とする除草剤組成物である。
【0010】
【化6】
Figure 2004359619
【0011】
(式(I)において、
nは0または1を表わす。さらに
基Aは水素原子、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、または以下の置換基を任意に有してもよいフェニル基を表す;
その置換基とは、同一または相異なり、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルコシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数3〜6のシクロアルキルカルボニルオキシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシカルボニルオキシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のジアルキルアミノカルボニルオキシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のジアルキルアミノスルホニルオキシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキルチオ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキルチオ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキルスルフィニル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキルスルフィニル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキルスルホニル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキルスルホニル基、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有してもよいフェニル基(該置換基は前記置換基と同じ意味を示す)、ベンゼン環上に置換基を有してもよいフェノキシ基(該置換基は前記置換基と同じ意味を示す)、またはベンゼン環上に置換基を有してもよいベンジルオキシ基(該置換基は前記置換基と同じ意味を示す)を表す。
【0012】
あるいは、該置換基は、式(II)で表される基であり、
【0013】
【化7】
Figure 2004359619
【0014】
、Rは同一または相異なり、水素原子、または枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基を示す。
【0015】
または、該置換基は、式(III)で表される基であり、
【0016】
【化8】
Figure 2004359619
【0017】
、R、R10は同一または相異なり、水素原子、または枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基を示す。
【0018】
これらの置換基は該フェニル基上の任意の位置に0〜5個まで置換することができる。
【0019】
また式(I)において、基Dは、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキルチオ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキルスルフィニル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキルスルホニル基、または置換基を有してもよいフェニル基を表す(該置換基は前記置換基と同じ意味を示す)。これらの置換基は該フェニル基上の任意の位置に0〜5個まで置換することができる。
【0020】
さらに式(I)において、基Eは、水素原子、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、ハロゲン原子、または置換基を有してもよいフェニル基を表す(該置換基は前記置換基と同じ意味を示す)。これらの置換基は該フェニル基上の任意の位置に0〜5個まで置換することができる。
【0021】
式(I)において、基RおよびRは、同一または相異なり、水素原子、ハロゲン原子、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、または枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基を表す。
【0022】
また式(I)において、基Rは、水素原子、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、または枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシアルキル基を表す。
【0023】
さらに式(I)において、基RおよびRは、同一または相異なり、水素原子、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基、アルキル基(炭素数が1〜4であり、枝分かれしてもよい)で置換されてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシアルキル基、シアノメチル基、置換されていてもよいアミノ基、または以下の置換基を任意に有してもよいフェニル基を表す;
その置換基とは、同一または相異なり、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、またはニトロ基である。これらの置換基はフェニル基上の任意の位置に0〜5個まで置換することができる。
【0024】
あるいは基RおよびRは、ベンゼン環上に以下の置換基を有してもよいベンジル基を表す;
その置換基とは同一または相異なり、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、またはニトロ基である。これらの置換基は該ベンゼン環上の任意の位置に0〜5個まで置換することができる。
【0025】
あるいは基RおよびRは、ベンゼン環上に置換基を有してもよいαまたはβフェネチル基を表す。その置換基とは、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、またはニトロ基である。これらの置換基は該ベンゼン基上の任意の位置に0〜5個まで置換することができる。
【0026】
あるいは基Rが基Rとともに、脂肪族の5員環または6員環を形成してもよく、該環は、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、またはニトロ基で置換されてもよく、かつ1個ないし2個のヘテロ原子を含んでもよい。)。
(2) 上記(1)の除草剤組成物における置換ピラゾール誘導体は、前記式(I)のRが水素原子であり、Rが置換アミノ基−N(R11,R12)であって、下記一般式(IV)で表される置換ピラゾール誘導体であってもよい。
【0027】
【化9】
Figure 2004359619
【0028】
(式(IV)において、nは0または1であり、それぞれ独立に基A、D、E、R、R、およびRは上記式(I)の場合と同様の置換基を表し、
基R11およびR12は、同一または相異なり、水素原子、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基、または以下の置換基を任意に有してもよいフェニル基を表す。その置換基とは、同一または相異なり、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のハロアルコキシ基(以上の基は枝分かれしてもよい)、ハロゲン原子、シアノ基、またはニトロ基である。これらの置換基は該フェニル基上の任意の位置に0〜5個まで置換することができる。)。
(3)上記(1)または(2)の除草剤組成物には、上記混用される除草化合物がジニトロアニリン系化合物である組成物が含まれる。
(4)上記(3)のジニトロアニリン系化合物は、トリフルラリン、ペンディメタリン、ベスロジン、エタルフルラリン、プロジアミン、オリザリン、ブトラリン、フルメトラリン、ニトラリンから選ばれる一種類以上の化合物が好ましい。
(5)また上記(1)または(2)の除草剤組成物には、上記混用される除草化合物がウレア系化合物である組成物が含まれる。
(6)上記(5)のウレア系化合物は、リニュロン、モノリニュロン、ネブロン、クロロトルロン、イソプロツロン、イソウロン、テブチウロン、エチジムロン、メタベンズチアズロン、ジメフロン、フルオメツロン、チアザフルロン、シクルロン、ジウロン、メトキスロン、ジデュロンから選ばれる一種類以上の化合物が好ましい。
(7)さらに上記(1)または(2)の除草剤組成物には、上記混用される除草化合物が、アミド系化合物である組成物が含まれる。
(8)上記(7)のアミド系化合物は、プロパクロール、ジメタクロール、メタザクロール、アラクロール、メトラクロール、S−メトラクロール、アセトクロール、プロピソクロール、フルフェナセット、ジメテナミド、プレチラクロール、テニルクロール、ブタクロール、カフェンストロール、フラムプロップメチル、フラムプロップMメチル、フラムプロップエチル、フラムプロップイソプロピル、フラムプロップMイソプロピル、ベンゾイルプロップエチルから選ばれる一種類以上の化合物が好ましい。
(9)上記(1)または(2)の除草剤組成物には、上記混用される除草化合物が、カーバメート系化合物である組成物も含まれる。
(10)上記(9)の除草剤組成物のカーバメート系化合物は、トリアレート、EPTC、ブチレート、プロスルホカルブ、バルバン、オルソベンカーブ、バーナレート、IPCから選ばれる一種類以上の化合物が好ましい。
(11)また上記(1)または(2)の除草剤組成物には、上記混用される除草化合物が、ジフェニルエーテル系化合物である組成物も含まれる。
(12)上記(11)の除草剤組成物のジフェニルエーテル系化合物は、ビフェノックス、アシフルオルフェン、オキシフルオルフェン、フルオログリコフェン、ラクトフェン、ホノサフェン、アクロニフェン、エトキシフェンエチル、ジクロホップメチルから選ばれる一種類以上の化合物が好ましい。
(13)さらに上記(1)または(2)の除草剤組成物には、上記混用される除草化合物が、スルホニルウレア系化合物である組成物が含まれる。
(14)上記(13)の除草剤組成物のスルホニルウレア系化合物は、アミドスルフロン、クロリムロンエチル、オキサスルフロン、プリミスルフロン、ホラムスルフロン、ベンスルフロンメチル、エトキシスルフロン、シクロスルファムロン、クロルスルフロン、メトスルフロンメチル、トリベニュロンメチル、ヨードスルフロン、イソスルフロンメチル、プロスルフロン、トリアスルフロン、エタメトスルフロンメチル、シノスルフロン、トリフルスルフロンメチル、チフェンスルフロンメチル、メソスルフロンメチル、ピラゾスルフロンエチル、アジムスルフロン、ハロスルフロンメチル、フラザスルフロン、トリフロキシスルフロン、リムスルフロン、ニコスルフロン、フルピルスルフロン、イマゾスルフロン、スルホスルフロンから選ばれる一種類以上の化合物が好ましい。
【0029】
【発明の具体的説明】
本発明に係る除草剤組成物は、有効成分として、次の一般式(I)または(IV)により表される構造を有する置換ピラゾール誘導体(「本発明ピラゾール誘導体」ともいう。)を含む。いずれの化合物も置換ピラゾール環およびN−オキシム酸アミドからなる共通骨格を持つ。一般式(IV)で表される置換ピラゾール誘導体は、式(I)の化合物のヒドラジド誘導体である。
【0030】
【化10】
Figure 2004359619
【0031】
【化11】
Figure 2004359619
【0032】
なお、上記の本発明ピラゾール誘導体には、各種置換基を有する化合物およびそれらの各種の塩(ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、亜鉛塩など)、水和物、溶媒和物、結晶多形の物質も含まれる。さらに本発明の化合物に不斉炭素が含まれる場合(例えば上記式(I)または(IV)において、RおよびRが相違する場合)には立体異性体が存在するが、すべての可能な異性体、および2種類以上のその異性体を任意の比率で含む混合物も、同様に含まれる。
【0033】
本発明の除草剤組成物は、一般式(I)で示される置換ピラゾール誘導体およびそれ以外の除草化合物を混用することを特徴とし、その除草効力はそれらを単独で用いる場合に比較して相乗的に増大している。したがって、低薬量で施用できるだけでなく、難防除雑草を含む雑草に対して幅広い殺草スペクトラムを有し、麦などの作物に対して薬害がない組成物である。
【0034】
以下、本発明ピラゾール誘導体(I)および(IV)の構造の詳細、その除草活性、混用される除草化合物、除草剤組成物、施用方法の順に説明する。
<置換ピラゾール誘導体>
本発明ピラゾール誘導体は、一般式(I)に示されるように置換ピラゾール環およびN−オキシム酸アミドからなる置換ピラゾール誘導体およびそのヒドラジド誘導体(一般式(IV)に示される)である。式(I)および(IV)のnは、0または1のいずれかの値をとり得る。そのいずれの場合でも、本発明ピラゾール誘導体の酸アミド(I)およびそのヒドラジド誘導体(IV)の置換基A、D、E、R〜R、R11およびR12は、それぞれ独立して、水素原子の他に以下の基をとり得る。
【0035】
一般式(I)の基Aは、水素原子、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、または以下の置換基を任意に有してもよいフェニル基を表す。
【0036】
そのフェニル基の置換基とは、同一または相異なる基であって、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルコキシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数3〜6のシクロアルキルカルボニルオキシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシカルボニルオキシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のジアルキルアミノカルボニルオキシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のジアルキルアミノスルホニルオキシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキルチオ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキルチオ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキルスルフィニル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキルスルフィニル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキルスルホニル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキルスルホニル基、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有してもよいフェニル基(該置換基は前記置換基と同じ意味を示す)、ベンゼン環上に置換基を有してもよいフェノキシ基(該置換基は前記置換基と同じ意味を示す)またはベンゼン環上に置換基を有してもよいベンジルオキシ基(該置換基は前記置換基と同じ意味を示す)を表す。
【0037】
または、該フェニル基の置換基は、式(II)で表される基である。
【0038】
【化12】
Figure 2004359619
【0039】
、Rは同一または相異なり、水素原子、または枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基を示す。
【0040】
あるいは、該フェニル基の置換基は、式(III)で表される基である。
【0041】
【化13】
Figure 2004359619
【0042】
、R、R10は同一または相異なり、水素原子、または枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基を示す。
【0043】
これらの置換基は、該フェニル基上の任意の位置に0〜5個まで置換することができる。
【0044】
上記の基をさらに具体的に以下に例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0045】
枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基として、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、これらの異性体基などが挙げられる。
【0046】
枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基として、例えばフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ジクロロエチル基、ブロモプロピル基、これらの異性体基などが挙げられる。
【0047】
炭素数3〜6のシクロアルキル基として、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
【0048】
一般式(I)の基Aの内容として上記に示された「以下の置換基を任意に有してもよいフェニル基」とは、同一または相異なる置換基により該フェニル基上の任意の位置に0〜5個まで置換されたフェニル基である。その置換基には、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルコキシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数3〜6のシクロアルキルカルボニルオキシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシカルボニルオキシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のジアルキルアミノカルボニルオキシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のジアルキルアミノスルホニルオキシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキルチオ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキルチオ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキルスルフィニル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキルスルフィニル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキルスルホニル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキルスルホニル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基などが含まれる。これらの基のうちアルキル基およびハロアルキル基については、その具体例として先に述べた基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0049】
枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基として、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、これらの異性体基などが挙げられる。
【0050】
枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルコキシ基として、例えばモノフルオロメトキシ基、クロロプロポキシ基、これらの異性体基などが挙げられる。
【0051】
枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキルカルボニルオキシ基として、例えばメチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、プロピルカルボニルオキシ基またはブチルカルボニルオキシ基などが挙げられる。
【0052】
炭素数3〜6のシクロアルキルカルボニルオキシ基として、例えば シクロペンチルカルボニルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基などが挙げられる。
【0053】
枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシカルボニルオキシ基として、例えばメトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、プロポキシカルボニルオキシ基またはブトキシカルボニルオキシ基などが挙げられる。
【0054】
枝分かれしてもよい炭素数1〜4のジアルキルアミノカルボニルオキシ基として、例えばジメチルアミノカルボニルオキシ基、ジエチルアミノカルボニルオキシ基などが挙げられる。
【0055】
枝分かれしてもよい炭素数1〜4のジアルキルアミノスルホニルオキシ基として、例えばジメチルアミノスルホニルオキシ基、ジエチルアミノスルホニルオキシ基などが挙げられる。
【0056】
枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキルチオ基として、例えば メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、これらの異性体基などが挙げられる。
【0057】
枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキルチオ基として、例えばモノクロロメチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基などが挙げられる。
【0058】
枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキルスルフィニル基として、例えばメチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、これらの異性体基などが挙げられる。
【0059】
枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキルスルフィニル基として、例えばモノクロロメチルスルフィニル基、モノフルオロメチルスルフィニル基などが挙げられる。
【0060】
枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキルスルホニル基として、例えばメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、これらの異性体基などが挙げられる。
【0061】
枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキルスルホニル基として、例えばモノブロモメチルスルホニル基、モノフルオロメチルスルホニル基などが挙げられる。
【0062】
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0063】
上記フェニル基上にある任意の置換基は、さらに置換基を有してもよいフェニル基(その置換基は前記置換基と同じ意味を示す)、ベンゼン環上に置換基を有してもよいフェノキシ基(置換基は前記置換基と同じ意味を示す)あるいはベンゼン環上に置換基を有してもよいベンジルオキシ基(置換基は前記置換基と同じ意味を示す)などであってもよい。このような置換フェニル基(ベンゼン環上に置換基を有する)の具体例として、次の基が例示される;メチルフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、3−(1−(クロロベンジルオキシイミノ)−エチル)フェニル基、3−(ベンジルオキシ)フェニル基、3−(メチルベンジルオキシ)フェニル基、3−(クロロベンジルオキシ)フェニル基、3−(シアノベンジルオキシ)フェニル基、3−(ジメチルベンジルオキシ)フェニル基、3−(ジクロロベンジルオキシ)フェニル基、3−(ピリジルメトキシ)フェニル基、3−(ベンゾイルオキシ)フェニル基、3−(クロロベンゾイルオキシ)フェニル基、ベンジル基、フェノキシメチル基、メチルフェノキシメチル基、フェニルチオメチル基、メチルフェニルチオメチル基、1−フェノキシエチル基、1−(メチルフェノキシ)エチル基、1−フェニルチオエチル基、1−(メチルフェニルチオ)エチル基、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2−クロロフェノキシ基、3−クロロフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、2−トリフルオロメチルフェノキシ基、2,5−ジメチルフェノキシ基、2,5−ジクロロフェノキシ基、2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェノキシ基、フェニルチオ基、2−メチルフェニルチオ基、ベンジルオキシ基、2−メチルベンジルオキシ基、3−メチルベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、2−クロロベンジルオキシ基、3−クロロベンジルオキシ基、4−クロロベンジルオキシ基、2−トリフルオロメチルベンジルオキシ基、2,5−ジメチルベンジルオキシ基、2,5−ジクロロベンジルオキシ基、2−クロロ−5−トリフルオロメチルベンジルオキシ基、ベンジルチオ基、2−メチルベンジルチオ基、ベンジルオキシイミノメチル基、2−メチルベンジルオキシイミノメチル基、3−メチルベンジルオキシイミノメチル基、4−メチルベンジルオキシイミノメチル基などである。
【0064】
上記フェニル基上にある任意の置換基として、さらに次の式(II)または(III)で表される基をとり得る。
【0065】
【化14】
Figure 2004359619
【0066】
上式(II)において、RおよびRは、同一でも相異なってもよく、水素原子または枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基を示す。
【0067】
【化15】
Figure 2004359619
【0068】
上式(III)において、R、RおよびR10は、同一でも相異なってもよく、それぞれ水素原子または枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基を示す。
【0069】
これらの基(R、R、R、RおよびR10)がとり得る基として、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基の具体例は先に例示したとおりであるが、それらに限定されるものではない。
【0070】
基Aとして、上記に挙げた基のうち、特に水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、トリフルオロメチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2−フルオロ−4−クロロフェニル基、3−フルオロ−4−クロロフェニル基、4−フルオロ−2−クロロフェニル基、4−フルオロ−3−ブロモフェニル基、4−シアノフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3−フルオロ−4−メチルフェニル基、4−フルオロ−3−メチルフェニル基、2−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル基、2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル基、2−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニル基、3−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル基、3−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニル基、4−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル基、4−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、4−アセチルオキシフェニル基、ジメチルアミノカルボニルオキシフェニル基、ジメチルアミノスルフィニルオキシフェニル基、4−メチルチオフェニル基、4−メチルスルフィニルフェニル基、4−トリフルオロメチルチオフェニル基、4−メトキシフェニル基、2,3−ジメトキシフェニル基、3−フルオロ−4−メトキシフェニル基、4−フルオロ−3−メトキシフェニル基、2−クロロ−4−メトキシフェニル基、3−クロロ−4−メトキシフェニル基、4−ジフルオロメトキシフェニル基、4−トリフルオロメトキシフェニル基、4−(2,1,1−トリフルオロエトキシ)フェニル基、2−ジフルオロメトキシ−4−メトキシフェニル基、3,5−ジフルオロ−4−メトキシフェニル基、4−フェニルフェニル基、3−フェノキシフェニル基、4−フェノキシフェニル基、4−ベンジルオキシフェニル基、4−(N−ヒドロキシイミノ)フェニル基、4−(N−メトキシイミノ)フェニル基、4−(N,N−ジメチルアミノキシイミノ)フェニル基などが好ましい。
【0071】
一般式(I)の基Dは、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキルチオ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキルスルフィニル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキルスルホニル基、または置換基を有してもよいフェニル基を表す(置換基は前記置換基と同じ意味を示す)。これらの置換基は該フェニル基上の任意の位置に0〜5個まで置換する基であってもよい。
【0072】
炭素数2〜4のアルケニル基として、ビニル、プロペニル、ブテニル基があり、後二者の基では、二重結合に基づく異性体基が存在する。
【0073】
炭素数2〜4のアルキニル基として、直鎖状でも分岐状でもよく、例えば、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、これらの異性体基が挙げられる。
【0074】
枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基として、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基などが挙げられる。
【0075】
基Dがとり得る基のうち、その他の基の具体例は、先に例示した基であってもよいが、それらに限定されるものではない。
【0076】
基Dに関する上記の例示のうち、水素原子、塩素原子、メチル基、エチル基、エチニル基、トリフルオロメチル基、メチルスルフィニル基、エトキシカルボニル基、フェニル基などが好ましい。
【0077】
一般式(I)の基Eは水素原子、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、ハロゲン原子、または置換基を有してもよいフェニル基を表す(置換基は前記置換基と同じ意味を示す)。これらの置換基は該フェニル基上の任意の位置に0〜5個まで置換することができる。これらの基は先に例示した基であってもよいが、それらの具体例に限定されるものではない。
【0078】
基Eに関する上記の例示のうち、水素原子、ハロゲン原子、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基が好ましい。
【0079】
基R,Rは、同一でも相異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基または枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基を表す。これらの基の具体例は先に例示したとおりであるが、それらに限定されるものではない。このうち基RおよびRとして、水素原子またはメチル基が好ましいが、特に基RおよびRがともに水素原子であることが好ましい。
【0080】
基Rは、水素原子、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、または枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシアルキル基を表す。これらの基の具体例は先に例示したとおりであるが、それらに限定されるものではない。このうち、基Rとして、水素原子、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基または枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシアルキル基、フルオロメチル基またはベンジル基が好ましい。
【0081】
基R、Rは同一または相異なってもよい基であって、水素原子、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基で置換されてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシアルキル基、置換されていてもよいアミノ基、シアノメチル基、または次に示す基から任意に選ばれる置換基で置換された0〜5置換フェニル基を表す。その置換基とは、同一または相異なるものであって、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、またはニトロ基である。これらの置換基はフェニル基上の任意の位置に0〜5個まで置換することができる。
【0082】
また基RおよびRは、ベンゼン環上に置換基を有してもよいベンジル基であってもよい。その置換基とは、同一または相異なり、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、またはニトロ基である。これらの置換基は該フェニル基上の任意の位置に0〜5個まで置換することができる。
【0083】
さらに基RおよびRは、ベンゼン環上に置換基を有してもよいαおよびβフェネチル基であってもよい。その置換基とは、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、またはニトロ基である。これらの置換基は該フェニル基上の任意の位置に0〜5個まで置換することができる。
【0084】
これらの例示のうち、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基、ハロゲン原子、置換基を有するフェニル基の具体例については、上記に挙げた基が例示されるがこれらに限定されるものではない。
【0085】
上記の置換基を有してもよいアミノ基として、例えばアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、アニリニノ基、アニシジノ基、フェネチジノ基、トルイジノ基、キシリジノ基、メトキシカルボニルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、エチニルアミノ基などの置換アミノ基が挙げられる。
【0086】
枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基で置換されてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基として、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクタニル基、ならびにこれら脂環式基が炭素数1〜4のアルキル基(枝分かれしてもよい)で置換された基などが挙げられる。
【0087】
上記に挙げた例示のうち、基Rは、水素原子、メチル基またはエチル基であることが好ましい。同様に基Rは、水素原子、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のシアノアルキル基、アルキル基で置換されてもよい炭素数3〜6のシクロアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいベンジル基、または置換基を有してもよいフェネチル基などであることが好ましい。
【0088】
あるいはRがRとともに、脂肪族の5または6員環を形成してもよく、この場合環内に1個ないし2個のヘテロ原子を含んでもよい。上記の環原子となるヘテロ原子としては、例えば窒素、酸素、硫黄、リン、ヒ素などが挙げられる。また、そうした5または6員環は、炭素数1〜4のアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のハロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、またはニトロ基で置換されてもよい
特に好ましい化合物として、RがRとともに、1個の窒素原子を含む5員環、6員環あるいは1個の窒素原子と1個の酸素原子もしくは硫黄原子とを含む6員環のような複素脂環基部分を形成している場合である(後述する実施例における表1の化合物No.118〜122など)。
【0089】
一般式(I)における−N(R)部分の具体例を、RがRとともに炭素数1〜4のアルキル基などで置換されて脂肪族の5員環または6員環を形成する場合も含めて、下記に示す。下式で、Me,Et,Pr,Bu,i,t, pen, hexはそれぞれメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソ、第3級(tertiary)、ペンチル、ヘキシルを表す。
【0090】
【化16】
Figure 2004359619
【0091】
一般式 (I)で示される本発明の置換ピラゾール誘導体の代表例としては、後述する実施例において使用された化合物を含む表1の化合物No.1〜124などが挙げられる。但し、本発明の化合物はこれらのみに限定されるものではない。
【0092】
上記一般式(I)において、特にRが水素原子、Rが置換アミノ基−N(R11,R )である場合、次の一般式(IV)で表される置換ピラゾール化合物のヒドラジド誘導体となる。
【0093】
【化17】
Figure 2004359619
【0094】
上記一般式(IV)において、
nは0または1であり、基A、D、EおよびR,R、Rは式(I)の場合と同様の置換基を表す。
【0095】
11、R12は同一でもまたは相異なってもよく、水素原子、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基、または以下の基から任意に選ばれる置換基を有してもよいフェニル基を表す。その置換基とは、同一または相異なり枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、またはニトロ基である。これらの置換基は該フェニル基上の任意の位置に0〜5個まで置換することができる。
【0096】
これらの基の具体例は先に例示したとおりであるが、それらに限定されるものではない。
【0097】
一般式(IV)で表される前記置換ピラゾール誘導体において、好ましくは、基Aが0〜5置換フェニル基(0置換は、非置換フェニル基を示す)、基Dが、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基およびハロゲン原子からなる群より選ばれる基であり、基Eが水素原子または枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基であり、基RおよびRが水素原子であり、基Rが枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基および枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコシルアルキル基からなる群より選ばれる基であり、基R11、R12は同一または相異なり、水素原子、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基および枝分かれしてもよい炭素数1〜4のシアノアルキル基からなる群より選ばれる基であることが望ましい。
【0098】
一般式(IV)で示される本発明の置換ピラゾール誘導体の代表例としては、後述する実施例における表1の化合物No.123および124が挙げられる。但し、本発明化合物はこれらのみに限定されるものではない。
<置換ピラゾール誘導体の除草活性>
以下、上記一般式(I)または(IV)で表される置換ピラゾール誘導体の殺草スペクトラムとその作物選択性について具体的に説明する。
(A)殺草スペクトラム
(A1)畑における殺草スペクトラム
本発明に用いる置換ピラゾール誘導体は、畑地用または非農耕地用除草剤として、土壌処理、土壌混和処理、茎葉処理のいずれの処理方法においても、イヌホウズキ(Solanum nigrum)、チョウセンアサガオ(Datura stramonium)などに代表されるナス科(Solanaceae)雑草、イチビ(Abutilon theophrasti)、アメリカキンゴジカ(Sida spinosa)などに代表されるアオイ科(Malvaceae)雑草、マルバアサガオ(Ipomoea purpurea)などのアサガオ類(Ipomoea spps.)やヒルガオ類(Calystegia spps.)などに代表されるヒルガオ科(Convolvulaceae)雑草、イヌビユ(Amaranthus lividus)、アオビユ(Amaranthus retroflexus)などに代表されるヒユ科(Amaranthaceae)雑草、オナモミ(Xanthium pensylvanicum)、ブタクサ(Ambrosia artemisiaefolia)、ヒマワリ(Helianthus annuus)、ハキダメギク(Galinsoga ciliata)、セイヨウトゲアザミ(Cirsium arvense)、ノボロギク(Senecio vulgaris)、ヒメジョン(Erigeron annus)、イヌカミツレ(Matricaria inodora)などに代表されるキク科(Compositae)雑草、イヌガラシ(Rorippa indica)、ノハラガラシ(Sinapis arvensis)、ナズナ(Capsella Bursapastoris)などに代表されるアブラナ科(Cruciferae)雑草、イヌタデ(Polygonum Blumei)、ソバカズラ(Polygonum convolvulus)などに代表されるタデ科(Polygonaceae)雑草、スベリヒユ(Portulaca oleracea)などに代表されるスベリヒユ科(Portulacaceae)雑草、シロザ(Chenopodium album)、コアカザ(Chenopodium ficifolium)、ホウキギ(Kochia scoparia)などに代表されるアカザ科(Chenopodiaceae)雑草、ハコベ(Stellaria media)などに代表されるナデシコ科(Caryophyllaceae)雑草、オオイヌノフグリ(Veronica persica)などに代表されるゴマノハグサ科(Scrophulariaceae)雑草、ツユクサ(Commelina communis)などに代表されるツユクサ科(Commelinaceae)雑草、ホトケノザ(Lamium amplexicaule)、ヒメオドリコソウ(Lamium purpureum)などに代表されるシソ科(Labiatae)雑草、コニシキソウ(Euphorbia supina)、オオニシキソウ(Euphorbia maculata)などに代表されるトウダイグサ科(Euphorbiaceae)雑草、ヤエムグラ(Galium spurium)、アカネ(Rubia akane)などに代表されるアカネ科(Rubiaceae)雑草、スミレ(Viola mandshurica)などに代表されるスミレ科(Violaceae)雑草、アメリカツノクサネム(Sesbania exaltata)、エビスグサ(Cassia obtusifolia)などに代表されるマメ科(Leguminosae)雑草などの広葉雑草、野生ソルガム(Sorgham bicolor)、オオクサキビ(Panicum dichotomiflorum)、ジョンソングラス(Sorghum halepense)、イヌビエ(Echinochloa crus−galli var. crus−galli)、ヒメイヌビエ(Echinochloa crus−galli var. praticola)、ヒエ(Echinochloa utilis)、メヒシバ(Digitaria adscendens)、カラスムギ(Avenafatua)、オヒシバ(Eleusine indica)、エノコログサ(Setaria viridis)、スズメノテッポウ(Alopecurus aegualis) 、スズメノカタビラ(Poa annua)などに代表されるイネ科雑草、ハマスゲ(Cyperus rotundus, Cyperus esculentus)などに代表されるカヤツリグサ科雑草などの各種畑地雑草に低薬量で高い殺草力を有する。
【0099】
さらに、刈り取り跡、休耕畑、樹園地、牧草地、芝生地、線路端、空き地、林業地、あるいは農道、畦畔、その他の非農耕地に発生する広範囲の雑草を除草できる。
【0100】
(A2)水田における殺草スペクトラム
本発明に用いる置換ピラゾール誘導体は、水田用除草剤として、湛水下の土壌処理および茎葉処理のいずれの処理方法においても、ヘラオモダカ(Alisma canaliculatum)、オモダカ(Sagittaria trifolia)、ウリカワ(Sagittaria pygmaea)などに代表されるオモダカ科雑草、タマガヤツリ(Cyperus difformis)、ミズガヤツリ(Cyperus serotinus)、ホタルイ(Scirpus juncoides)、クログワイ(Eleocharis kuroguwai)、マツバイ(Eleocharis acicularis)などに代表されるカヤツリグサ科雑草、アゼナ(Lindernia pyxidaria)などに代表されるゴマノハグサ科雑草、コナギ(Monochoria vaginalis)などに代表されるミズアオイ科雑草、ヒルムシロ(Potamogeton distinctus)などに代表されるヒルムシロ科雑草、セリ(Oenanthe javanica)に代表されるセリ科雑草、キカシグサ(Rotala indica)、ヒメミソハギ(Ammannia multiflora)などに代表されるミソハギ科雑草、ミゾハコベ(Elatine triandra)に代表されるミゾハコベ科雑草、タイヌビエ(Echinochloa oryzicola)、ヒメタイヌビエ(Echinochloa crus−galli var. formosensis)、イヌビエ(Echinochloa crus−galli var.crus−galli)などに代表されるイネ科雑草など、各種水田雑草に低薬量で高い殺草力を有する。
【0101】
(A3)水生植物に対する効果
また、本発明に用いる置換ピラゾール誘導体は、水路、運河、湖沼、池などに発生するアオコなどの藻類、ホテイアオイ(Eichhornia crassipes)などの水生雑草に対しても効果を有する。
【0102】
(B)作物選択性
(B1)畑における作物選択性
しかも、本発明に用いる置換ピラゾール誘導体は、イネ(Oryza sativa)、コムギ(Triticum aestivum)、オオムギ(Hordeum vulgare)、ソルガム(Sorghum bicolor)、落花生(Arachis hypogaea)、トウモロコシ(Zea mays)、大豆(Glycine max)、ワタ(Gossypium spp.)、テンサイ(Beat vulgaris)などの主要作物、花弁・蔬菜などの園芸作物に対して高い安全性を有する。
【0103】
(B2)作物選択性(水稲)
さらに、本発明に用いる置換ピラゾール誘導体は、移植水稲または直播水稲に対して問題となるような薬害を示さない。
【0104】
(B3)作物選択性(芝生)
本発明に用いる置換ピラゾール誘導体は、日本芝あるいは洋芝といった芝生に対しても高い安全性を有する。
<混用される除草化合物>
一般式 (I)で示される置換ピラゾール誘導体との混用により著しい相乗効果を発揮する除草活性化合物(すなわち「混用される除草化合物」)として、ジニトロアニリン系化合物、ウレア系化合物、アミド系化合物、カーバメート系化合物、ジフェニルエーテル系化合物またはスルホニルウレア系化合物であることが本発明者らの研究により見出された。本発明に係る除草剤組成物は、これらの化合物群から選択される1種以上の化合物を併用する。これらの化合物群はいずれも公知の除草化合物であって、市販されており入手は可能である。混用される除草化合物それぞれの属性、殺草スペクトラムとその作物選択性はすべて知られている。
【0105】
ジニトロアニリン系化合物として好ましい化合物には、トリフルラリン、ペンディメタリン、ベスロジン、エタルフルラリン、プロジアミン、オリザリン、ブトラリン、フルメトラリン、ニトラリンなどが例示される。
【0106】
ウレア系化合物として好ましい化合物には、たとえばリニュロン、モノリニュロン、ネブロン、クロロトルロン、イソプロツロン、イソウロン、テブチウロン、エチジムロン、メタベンズチアズロン、ジメフロン、フルオメツロン、チアザフルロン、シクルロン、ジウロン、メトキスロン、ジデュロンなどが含まれる。他にダイムロン、メチルダイムロン、DCMUなども挙げられる。
【0107】
アミド系化合物として好ましい化合物には、プロパクロール、ジメタクロール、メタザクロール、アラクロール、メトラクロール、S−メトラクロール、アセトクロール、プロピソクロール、フルフェナセット、ジメテナミド、プレチラクロール、テニルクロール、ブタクロール、カフェンストロール、フラムプロップメチル、フラムプロップMメチル、フラムプロップエチル、フラムプロップイソプロピル、フラムプロップMイソプロピル、ベンゾイルプロップエチルが例示される。他にブロモブチド、プロバニル、メフェナセット、ジフェナミド、プロピザミド、ナプロパミドなども挙げられる。
【0108】
カーバメート系化合物として好ましい化合物には、トリアレート、EPTC、ブチレート、プロスルホカルブ、バルバン、オルソベンカーブ、バーナレート、IPCなどが例示される。他にエスプロカルブ、クロルプロファム、フェンメディファム、テルブカルブ、ベンチオカーブ、モリネート、ピリブチカルブ、ジメピペレートなども挙げられる。
【0109】
ジフェニルエーテル系化合物として好ましい化合物には、たとえばビフェノックス、アシフルオルフェン、オキシフルオルフェン、フルオログリコフェン、ラクトフェン、ホノサフェン、アクロニフェン、エトキシフェンエチル、ジクロホップメチルが例示される。他にクロメトキシニル、CNPなども挙げられる。
【0110】
スルホニルウレア系化合物として好ましい化合物には、たとえばアミドスルフロン、クロリムロンエチル、オキサスルフロン、プリミスルフロン、ホラムスルフロン、ベンスルフロンメチル、エトキシスルフロン、シクロスルファムロン、クロルスルフロン、メトスルフロンメチル、トリベニュロンメチル、ヨードスルフロン、イソスルフロンメチル、プロスルフロン、トリアスルフロン、エタメトスルフロンメチル、シノスルフロン、トリフルスルフロンメチル、チフェンスルフロンメチル、メソスルフロンメチル、ピラゾスルフロンエチル、アジムスルフロン、ハロスルフロンメチル、フラザスルフロン、トリフロキシスルフロン、リムスルフロン、ニコスルフロン、フルピルスルフロン、イマゾスルフロン、スルホスルフロンが例示される。他にメトスルフロンメチル、シクロスルファムロン、メツルフロンメチルなども挙げられる。
【0111】
なお、上掲の化合物は、一般式 (I)で示される置換ピラゾール誘導体と混用することにより特異的に相乗効果を発揮する除草化合物の好適な例示にすぎず、本発明の組成物はこれらに限定されるものではない。
<置換ピラゾール誘導体を含有する除草剤組成物>
本発明に係る除草剤組成物は、前記置換ピラゾール誘導体と混用される特定の除草化合物との特異的な組み合わせにより単剤では得られない除草作用の相乗効果を得ることができる。このような混用による除草作用の顕著な相乗効果は、上記置換ピラゾール誘導体を含む組成物について、全く見出されていなかったものである。
【0112】
具体的には本発明に係る除草剤組成物の殺草スペクトラムは、除草剤組成物の有効成分である置換ピラゾール誘導体が本来有する殺草スペクトラムに加えて、混用される除草化合物の殺草スペクトラムも重なるため、殺草の対象範囲が拡大する。同時に加算的効果により特定種類の雑草に対する選択的な成長抑制の水準が高まる。同様に本発明に係る除草剤組成物は、作物選択性についても単独使用の場合よりも向上する。しかも作物に対する薬害を与えずに低薬量で著しい除草効果を示し、その効力持続性が長期に及ぶなど単独の性質からは全く予想できない相乗効果を示している。本発明の除草剤組成物の高活性で幅広い殺草スペクトラムおよび長い処理適期の利点は、必然的に施用者および環境への負荷の軽減にもつながるであろう。
除草剤組成物の組成
本発明の除草剤組成物は、このように広い殺草スペクトラムと作物選択性を有する置換ピラゾール誘導体を有効成分の一つとして1種または2種以上含有するものである。
【0113】
本発明の除草剤組成物の有効成分は、前述したように剤型に応じて任意の割合で配合することができる。一般式(I)で示される置換ピラゾール誘導体と混用される除草化合物との配合量比に関しては、混用される除草化合物の種類などによって異なるが、通常、重量比で1:0.01〜1:100、好ましくは1:0.1〜1:10である。
【0114】
また有効成分の含有量は、除草剤組成物の製剤形状、使用方法などの条件により、変更することができ、とくに制限されない。一般的には、有効成分として本発明ピラゾール誘導体と混用される除草化合物との合計量を、組成物全体の重量に対し、0.5〜80重量%、好ましくは、1.5〜70重量%含有する。さらに有効成分濃度を後述の剤型別に例示すると、水和剤においては、5〜80重量%、好ましくは10〜80重量%であり、乳剤においては、3〜70重量%、好ましくは5〜60重量%であり、粒剤においては、0.5〜50重量%、好ましくは1.5重量%〜40重量%であることが望ましい。
【0115】
このような他の成分を含むこと、とくに混用される除草化合物を含むことにより、除草剤組成物全体の使用薬量を減少させることが可能である。また、省力化をもたらすのみならず、混合薬剤の相乗作用による殺草スペクトラムの拡大や、より高い殺草効果も期待できる。
【0116】
さらに、本発明の除草剤組成物は、置換ピラゾール誘導体および混用される除草化合物の他に、混合薬剤として単一あるいは複数の植物保護剤、たとえば殺菌剤、殺虫剤、殺線虫剤、殺ダニ剤、殺バクテリア剤、薬害軽減剤、植物生長調整剤、肥料、土壌改良材などを含んでいてもよい。
剤型
本発明に係る除草剤組成物は、前記置換ピラゾール誘導体などを有効成分として含有する限り、製剤形状は制限されず、たとえば、除草剤として実際に施用する際には、本発明ピラゾール誘導体それ自体、すなわち置換ピラゾール誘導体および混用される除草化合物それ自体でもよいが、製剤化に一般的に用いられる担体、界面活性剤、分散剤または、補助剤などを配合して、一般の農薬のとり得る形態、すなわち、水和剤、粒剤、粉剤、乳剤、水溶剤、懸濁剤、フロアブル、ジャンボ剤などの形態で使用することもできる。
【0117】
このような固体の担体、または希釈剤の例としては、植物性物質、繊維状物質、人工の可塑性粉末、粘土(たとえば、カオリン、ベントナイト、白土)、タルクおよび無機物(軽石、硫黄粉末)、化学肥料などが挙げられる。液体の担体類および希釈剤としては、水、アルコール類、ケトン類、エーテル類、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、エステル類、ニトリル類、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド)、ハロゲン化炭化水素などが挙げられる。
【0118】
また、界面活性剤の例としては、アルキル硫酸エステル、スルホン酸アルキル、ポリエチレングリコールエーテル、多価アルコールエステル類などが挙げられる。展着剤または分散剤の例としては、カゼイン、ゼラチン、デンプン粉、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、アルギン酸、リグニン、ベントナイト、ポリビニルアルコール、パイン油、糖蜜および寒天などが挙げられる。
【0119】
さらに安定剤としては、イソプロピルリン酸塩混合物、燐酸トリクレジル、トルー油、エポキシ油、界面活性剤類、脂肪酸類およびそのエステル類が挙げられる。
【0120】
また、本発明に係る除草剤組成物の製造方法および製剤形状は、とくに制限されない。たとえば、置換ピラゾール誘導体と、混用される除草化合物の有効成分とを各々予め、固体担体、液体担体、界面活性剤その他の製剤用補助剤と混合して、乳剤、水和剤、懸濁剤、水溶性粒剤、水溶性粉剤、水溶液剤、顆粒水和剤などに別個に製剤した後、使用の際に混合する方式としてもよい。あるいは、置換ピラゾール誘導体と混用される除草化合物とを混合し、それに固体担体、液体担体、界面活性剤その他の製剤用補助剤を混合して、乳剤、水和剤、懸濁剤、粒剤、濃厚エマルジョン、顆粒水和剤などに製剤して用いることもできる。
施用方法
本発明に係る除草剤組成物を除草剤として施用する場合、組成物を直接、雑草植物の茎・葉面などに、噴霧、散布、塗布などして処理する。あるいは植物の周囲の土壌、畑、芝生、水田などに組成物を散布、混和などして処理することができる。
【0121】
たとえば、水和剤、乳剤の場合には、水で所定の濃度に希釈して懸濁液あるいは乳濁液として、粒剤の場合は、そのまま直接、対象雑草の発芽前または発芽後に散布処理もしくは混和処理することができる。本発明に係る除草剤組成物を除草剤として実際に適用するに当たっては、通常、1ヘクタール当たり有効成分1g以上の適当量を施用することができる。本発明に係る除草剤組成物を実際に除草剤として用いる場合、その処理量および処理時期は、気象条件、製剤形態、処理時期、処理方法、土壌条件、対象作物、対象雑草などによっても異なるが、当該技術分野の当業者であれば適宜、選択できる。処理量は通常、有効成分(ai)として1ヘクタール(ha)当たり1g〜5,000g、好ましくは10g〜2,000gであることが望ましい。たとえば、乳剤、水和剤、懸濁剤、濃厚エマルジョン、顆粒水和剤、液剤などの場合は、通常、その所定量を1ヘクタール当たり10リットル〜1,000リットルの水、あるいは必要に応じて展着剤などの補助剤を添加した水で希釈して処理することが好ましい。また、粒剤、ある種の懸濁剤、ある種の液剤などの場合は、通常なんら希釈することなく、そのまま処理することが好ましい。補助剤としては、前記の界面活性剤の他、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、リグニンスルホン酸塩、アビエチン酸塩、ジナフチルメタンジスルホン酸塩、クロップオイルコンセントレイト(crop oil concentrate)、大豆油、コーン油、棉実油、ヒマワリ油などの植物油などが挙げられる。
【0122】
本発明の除草剤組成物は、たとえば、小麦畑地に使用する場合、小麦及び雑草の発生前から発生始期にかけて使用することが望ましいが、これらの時期に限らず、小麦および雑草の生育期に使用することも可能である。
【0123】
【発明の効果】
前記一般式(I)で表される置換ピラゾール誘導体および特定の混用される除草化合物を有効成分として含有する本発明の除草剤組成物は、各有効成分の除草作用の相乗効果を奏する。すなわち、このような組み合わせにより各々単剤で得られていた適用範囲を超えて広い殺草スペクトルが得られ、低薬量で施行でき、しかも、コムギ、オオムギ、トウモロコシ、ダイズ、ワタなどの重要作物に対して充分な安全性が確保されている。
【0124】
本発明の除草剤組成物は、コスト低減、施用者および環境への負荷を軽減することができる。
【0125】
【実施例】
次に本発明を実施例及び試験例によって説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものでない。なお、下記の説明中で“部”は重量部を示す。
【0126】
【製造例1】
水和剤の製造
表1記載の18番化合物10部、クレー83部、ホワイトカーボン2部、リグニンスルホン酸ソーダ2部およびアルキルナフタレンスルホン酸ソーダ3部を混合粉砕して水和剤を得た。
【0127】
【製造例2】
水和剤の製造
表1記載の18番化合物5部、リニュロン(Linuron)20部、カオリン55部、ホワイトカーボン15部、リグニンスルホン酸ソーダ2部およびアルキルナフタレンスルホン酸ソーダ3部を混合粉砕して水和剤を得た。
【0128】
【製剤例3】
水和剤の製造
表1記載の18番化合物5部、イソプロツロン(Isoproturon)20部、カオリン55部、ホワイトカーボン15部、リグニンスルホン酸ソーダ2部およびアルキルナフタレンスルホン酸ソーダ3部を混合粉砕して水和剤を得た。
【0129】
【製剤例4】
水和剤の製造
表1記載の59番化合物10部、クレー83部、ホワイトカーボン2部、リグニンスルホン酸ソーダ2部およびアルキルナフタレンスルホン酸ソーダ3部を混合粉砕して水和剤を得た。
【0130】
【製剤例5】
乳剤の製造
表1記載の59番化合物2.5部、ペンディメタリン(Pendimethalin)10部をN−メチルピロリドン40.5部に溶解後、SAS 296(商品名:日本石油化学製)22部、ソルポール3880L(商品名:東邦化学製)25部を添加し攪拌、均一に溶解して乳剤を得た。
【0131】
【製剤例6】
乳剤の製造
表1記載の59番化合物2.5部、トリフルラリン(Trifluralin)10部をN−メチルピロリドン40.5部に溶解後、SAS 296(商品名:日本石油化学製)22部、ソルポール3880L(商品名:東邦化学製)25部を添加し攪拌、均一に溶解して乳剤を得た。
【0132】
【製剤例7】
水和剤の製造
表1記載の103番化合物10部、クレー83部、ホワイトカーボン2部、リグニンスルホン酸ソーダ2部およびアルキルナフタレンスルホン酸ソーダ3部を混合粉砕して水和剤を得た。
【0133】
【製剤例8】
乳剤の製造
表1記載の103番化合物2.5部、アラクロール(Alachlor)10部をN−メチルピロリドン40.5部に溶解後、SAS 296(商品名:日本石油化学製)22部、ソルポール3880L(商品名:東邦化学製)25部を添加し攪拌、均一に溶解して乳剤を得た。
【0134】
【製剤例9】
水和剤の製造
表1記載の103番化合物5部、フルフェナセット(Flufenacet)20部、カオリン55部、ホワイトカーボン15部、リグニンスルホン酸ソーダ2部およびアルキルナフタレンスルホン酸ソーダ3部を混合粉砕して水和剤を得た。
【0135】
【製剤例10】
水和剤の製造
表1記載の92番化合物10部、クレー83部、ホワイトカーボン2部、リグニンスルホン酸ソーダ2部およびアルキルナフタレンスルホン酸ソーダ3部を混合粉砕して水和剤を得た。
【0136】
【製剤例11】
フロアブル剤の製造
表1記載の92番化合物2.5部、ビフェノックス(Bifenox)10部、プロピレングリコール11部、ソルポール7290P(商品名:東邦化学製)3部、トキサノン N100(商品名:三洋化成工業製)0.1部、アンチホーム E−20(商品名:花王製)0.2部、クニピアF(商品名:クニピア製)1.5部、水71.7部をよく混合し、粒度が5ミクロン以下になるまで湿式粉砕して、フロアブル剤を得た。
【0137】
【製剤例12】
水和剤の製造
表1記載の44番化合物10部、クレー83部、ホワイトカーボン2部、リグニンスルホン酸ソーダ2部およびアルキルナフタレンスルホン酸ソーダ3部を混合粉砕して水和剤を得た。
【0138】
【製剤例13】
フロアブル剤の製造
表1記載の44番化合物2.5部、チフェンスルフロンメチル(Thifensulfuron−methyl)0.4部、プロピレングリコール11部、ソルポール7290P(商品名:東邦化学製)3部、トキサノン N100(商品名:三洋化成工業製)0.1部、アンチホーム E−20(商品名:花王製)0.2部、クニピアF(商品名:クニピア製)1.5部、水81.3部をよく混合し、粒度が5ミクロン以下になるまで湿式粉砕して、フロアブル剤を得た。
【0139】
【製剤例14】
水和剤の製造
表1記載の46番化合物10部、クレー83部、ホワイトカーボン2部、リグニンスルホン酸ソーダ2部およびアルキルナフタレンスルホン酸ソーダ3部を混合粉砕して水和剤を得た。
【0140】
【製剤例15】
水和剤の製造
表1記載の46番化合物6.25部、IPC15部、カオリン55部、ホワイトカーボン18.75部、リグニンスルホン酸ソーダ2部およびアルキルナフタレンスルホン酸ソーダ3部を混合粉砕して水和剤を得た。
【0141】
【試験例1】
畑土壌処理
130cmのプラスチックポットに、畑土壌(軽埴土)を充填し、ハコベ、スミレ、ホトケノザ、ヤエムグラ、イヌホオズキ、スズメノカタビラの各雑草とコムギの種子を播種し、約5mm覆土した。
【0142】
播種翌日に、製剤例1、製剤例2、製剤例3に準じて調製した薬剤、およびリニュロン(商品名:ロロックス)とイソプロツロン(商品名:ARELON)を所定薬量となるように適量の水で希釈して、土壌表面にむらなく散布した。
【0143】
処理後21日目に以下の基準に従って観察評価を行った。結果を表2に示す。
【0144】
【試験例2】
畑土壌処理
130cmのプラスチックポットに、畑土壌(軽埴土)を充填し、ハコベ、スミレ、オオイヌノフグリ、イヌカミツレ、ヤエムグラ、スズメノカタビラの各雑草とコムギの種子を播種し、約5mm覆土した。
【0145】
播種翌日に、製剤例4、製剤例5、製剤例6に準じて調製した薬剤、およびペンディメタリン(商品名:ゴーゴーサン乳剤)とトリフルラリン(商品名:トレファノサイド乳剤)を所定薬量となるように適量の水で希釈して、土壌表面にむらなく散布した。
【0146】
処理後21日目に以下の基準に従って観察評価を行った。結果を表3に示す。
【0147】
【試験例3】
畑土壌処理
130cmのプラスチックポットに、畑土壌(軽埴土)を充填し、タデ、シロザ、イヌホウズキ、メヒシバ、ヒエの各雑草とダイズ、ワタの種子を播種し、約5mm覆土した。
【0148】
播種翌日に、製剤例7、製剤例8、製剤例9に準じて調製した薬剤、およびアラクロール(商品名:ラッソー乳剤)とフルフェナセット(商品名:Crystal)を所定薬量となるように適量の水で希釈して、土壌表面にむらなく散布した。
【0149】
処理後21日目に以下の基準に従って観察評価を行った。結果を表4に示す。
【0150】
【試験例4】
畑茎葉処理
130cmのプラスチックポットに、畑土壌(軽埴土)を充填し、ハコベ、スミレ、ホトケノザ、イヌカミツレ、ヤエムグラ、スズメノカタビラの各雑草とコムギの種子を播種し、約5mm覆土した。
【0151】
播種14日後に、製剤例10、製剤例11に準じて調製した薬剤、およびビフェノックス(商品名:ウィーラルフロアブル)を所定薬量となるように適量の水で希釈して、植物葉面にむらなく散布した。
【0152】
処理後21日目に以下の基準に従って観察評価を行った。結果を表5に示す。
【0153】
【試験例5】
畑茎葉処理
130cmのプラスチックポットに、畑土壌(軽埴土)を充填し、ハコベ、スミレ、ホトケノザ、イヌカミツレ、ヤエムグラ、スズメノカタビラの各雑草とコムギの種子を播種し、約5mm覆土した。
【0154】
播種14日後に、製剤例12、製剤例13に準じて調製した薬剤、およびチフェンスルフロンメチル(商品名:ハーモニー75DF水和剤)を所定薬量となるように適量の水で希釈して、植物葉面にむらなく散布した。
【0155】
処理後21日目に以下の基準に従って観察評価を行った。結果を表6に示す。
【0156】
【試験例6】
畑土壌処理
130cmのプラスチックポットに、畑土壌(軽埴土)を充填し、ハコベ、ノボロギク、ナズナ、ヤエムグラ、スズメノカタビラ、スズメノテッポウの各雑草とオオムギの種子を播種し、約5mm覆土した。
【0157】
播種14日後に、製剤例14、製剤例15に準じて調製した薬剤、およびIPC(商品名:クロロ−IPC乳剤)を所定薬量となるように適量の水で希釈して、土壌表面にむらなく散布した。
【0158】
処理後21日目に以下の基準に従って観察評価を行った。結果を表7に示す。
<評価基準>
除草作用の評価は、殺草の百分率として薬剤処理区の地上部生草重および無処理区の地上部生草重を測定して、下記の式により求めたものである。完全枯死を100%とし、効果なしは0%で表される。
【0159】
【数1】
Figure 2004359619
【0160】
なお、表中の括弧内の値は、混合剤(すなわち、有効成分として混用される除草化合物)の除草効果の予想値、すなわち相加効果の期待値を示している。期待値は、以下に示すコルビー(Colby)の式(Colby.S.R.; ”Calculating Synergistic and Antagonistic Responses of Herbicide Combinations” Weed,15(1)巻, 20−22, 1967)によって算出した。上記試験により測定した実測値(除草効果)が、この期待値より大きければ、除草活性に相乗作用が発現したということになる。
【0161】
【数2】
Figure 2004359619
【0162】
[ ここで、X=除草剤Aをa g ai/ha使用した場合の除草効果、Y:除草剤B
をb g ai/ha使用した場合の除草効果を表す]
次の表2〜7に示されているように、置換ピラゾール誘導体単体だけでは、一部の雑草、たとえばスズメノカタビラ、スズメノテッポウ、ヒエなどに対しては、必ずしも高い除草活性を有しない。そうした雑草についても、本発明の除草剤組成物は、混用される除草化合物の作用が置換ピラゾール誘導体を補完することにより優れた除草活性を示している。
【0163】
本発明の除草剤組成物は調べた雑草に対して、植物成長の選択的抑制作用を示し、雑草抑制の実測値はほとんどの場合で上記期待値より大きく、相乗効果があることを示している。また作物に対しては、ほとんどの場合に効果なしの0であり、安全性を実証するものである。
【0164】
逆に、いずれの混合剤(リニュロン、イソプロツロン、ペンディメタリン、トリフルラリン、アラクロール、フルフェナセット、ビフェノックス、チフェンスルフロンメチル、IPC)も、置換ピラゾール誘導体との混用によりその作用の顕著な相乗的効果が認められた。
【0165】
【表1】
Figure 2004359619
【0166】
【表2】
Figure 2004359619
【0167】
【表3】
Figure 2004359619
【0168】
【表4】
Figure 2004359619
【0169】
【表5】
Figure 2004359619
【0170】
【表6】
Figure 2004359619
【0171】
【表7】
Figure 2004359619
【0172】
【表8】
Figure 2004359619
【0173】
【表9】
Figure 2004359619

Claims (14)

  1. 下記の一般式 (I)で表される置換ピラゾール誘導体の1種または2種以上と、混用される除草化合物として、ジニトロアニリン系化合物、ウレア系化合物、アミド系化合物、カーバメート系化合物、ジフェニルエーテル系化合物およびスルホニルウレア系化合物の中から選択される1種または2種以上の化合物とを、
    有効成分として含有することを特徴とする除草剤組成物:
    Figure 2004359619
    (式(I)において、
    nは0または1を表わす。さらに、
    基Aは水素原子、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、または以下の置換基を任意に有してもよいフェニル基を表す;
    その置換基とは、同一または相異なり、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルコシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数3〜6のシクロアルキルカルボニルオキシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシカルボニルオキシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のジアルキルアミノカルボニルオキシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のジアルキルアミノスルホニルオキシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキルチオ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキルチオ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキルスルフィニル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキルスルフィニル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキルスルホニル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキルスルホニル基、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有してもよいフェニル基(該置換基は前記置換基と同じ意味を示す)、ベンゼン環上に置換基を有してもよいフェノキシ基(該置換基は前記置換基と同じ意味を示す)、またはベンゼン環上に置換基を有してもよいベンジルオキシ基(該置換基は前記置換基と同じ意味を示す)を表す。
    あるいは、該置換基は、式(II)で表される基であり、
    Figure 2004359619
    、Rは同一または相異なり、水素原子、または枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基を示す。
    または、該置換基は、式(III)で表される基であり、
    Figure 2004359619
    、R、R10は同一または相異なり、水素原子、または枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基を示す。
    これらの置換基は、該フェニル基上の任意の位置に0〜5個まで置換することができる。
    また式(I)において、基Dは、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキルチオ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキルスルフィニル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキルスルホニル基、または置換基を有してもよいフェニル基を表す(該置換基は前記置換基と同じ意味を示す)。これらの置換基は該フェニル基上の任意の位置に0〜5個まで置換することができる。
    さらに式(I)において、基Eは、水素原子、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、ハロゲン原子、または置換基を有してもよいフェニル基を表す(該置換基は前記置換基と同じ意味を示す)。これらの置換基は該フェニル基上の任意の位置に0〜5個まで置換することができる。
    式(I)において、基RおよびRは、同一または相異なり、水素原子、ハロゲン原子、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、または枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基を表す。
    また式(I)において、基Rは、水素原子、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、または枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシアルキル基を表す。
    さらに式(I)において、基RおよびRは、同一または相異なり、水素原子、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基、アルキル基(炭素数が1〜4であり、枝分かれしてもよい)で置換されてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシアルキル基、シアノメチル基、置換されていてもよいアミノ基、または以下の置換基を任意に有してもよいフェニル基を表す;
    その置換基とは、同一または相異なり、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、またはニトロ基である。これらの置換基はフェニル基上の任意の位置に0〜5個まで置換することができる。
    あるいは基RおよびRは、ベンゼン環上に以下の置換基を有してもよいベンジル基を表す;
    その置換基とは同一または相異なり、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、またはニトロ基である。これらの置換基は該ベンゼン環上の任意の位置に0〜5個まで置換することができる。
    あるいは基RおよびRは、ベンゼン環上に置換基を有してもよいαまたはβフェネチル基を表す。その置換基とは、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、またはニトロ基である。これらの置換基は該ベンゼン基上の任意の位置に0〜5個まで置換することができる。
    あるいは基Rが基Rとともに、脂肪族の5員環または6員環を形成してもよく、該環は、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、またはニトロ基で置換されてもよく、かつ1個ないし2個のヘテロ原子を含んでもよい。)。
  2. 前記式(I)のRが水素原子であり、Rが置換アミノ基−N(R11,R12)であって、下記一般式(IV)で表される、請求項1に記載の除草剤組成物:
    Figure 2004359619
    (式(IV)において、nは0または1であり、それぞれ独立に基A、D、E、R、R、およびRは上記式(I)の場合と同様の置換基を表し、
    基R11およびR12は、同一または相異なり、水素原子、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のハロアルキル基、枝分かれしてもよい炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基、または以下の置換基を任意に有してもよいフェニル基を表す。その置換基とは、同一または相異なり、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のハロアルコキシ基(以上の基は枝分かれしてもよい)、ハロゲン原子、シアノ基、またはニトロ基である。これらの置換基は該フェニル基上の任意の位置に0〜5個まで置換することができる。)。
  3. 前記の混用される除草化合物が、ジニトロアニリン系化合物である請求項1または2に記載の除草剤組成物。
  4. 前記ジニトロアニリン系化合物が、トリフルラリン、ペンディメタリン、ベスロジン、エタルフルラリン、プロジアミン、オリザリン、ブトラリン、フルメトラリン、ニトラリンから選ばれる一種類以上の化合物である請求項3に記載の除草剤組成物。
  5. 前記の混用される除草化合物が、ウレア系化合物である請求項1または2に記載の除草剤組成物。
  6. 前記ウレア系化合物が、リニュロン、モノリニュロン、ネブロン、クロロトルロン、イソプロツロン、イソウロン、テブチウロン、エチジムロン、メタベンズチアズロン、ジメフロン、フルオメツロン、チアザフルロン、シクルロン、ジウロン、メトキスロン、ジデュロンから選ばれる一種類以上の化合物である請求項5に記載の除草剤組成物。
  7. 前記の混用される除草化合物が、アミド系化合物である請求項1または2に記載の除草剤組成物。
  8. 前記アミド系化合物が、プロパクロール、ジメタクロール、メタザクロール、アラクロール、メトラクロール、S−メトラクロール、アセトクロール、プロピソクロール、フルフェナセット、ジメテナミド、プレチラクロール、テニルクロール、ブタクロール、カフェンストロール、フラムプロップメチル、フラムプロップMメチル、フラムプロップエチル、フラムプロップイソプロピル、フラムプロップMイソプロピル、ベンゾイルプロップエチル、ジフルフェニカン、ピコリナフェン、ベフルブタミドから選ばれる一種類以上の化合物である請求項7に記載の除草剤組成物。
  9. 前記の混用される除草化合物が、カーバメート系化合物である請求項1または2に記載の除草剤組成物。
  10. 前記カーバメート系化合物が、トリアレート、EPTC、ブチレート、プロスルホカルブ、バルバン、オルソベンカーブ、バーナレート、IPCから選ばれる一種類以上の化合物である請求項9に記載の除草剤組成物。
  11. 前記の混用される除草化合物が、ジフェニルエーテル系化合物である請求項1または2に記載の除草剤組成物。
  12. 前記ジフェニルエーテル系化合物が、ビフェノックス、アシフルオルフェン、オキシフルオルフェン、フルオログリコフェン、ラクトフェン、ホノサフェン、アクロニフェン、エトキシフェンエチル、ジクロホップメチルから選ばれる一種類以上の化合物である請求項11に記載の除草剤組成物。
  13. 前記の混用される除草化合物が、スルホニルウレア系化合物である請求項1または2に記載の除草剤組成物。
  14. 前記スルホニルウレア系化合物が、アミドスルフロン、クロリムロンエチル、オキサスルフロン、プリミスルフロン、ホラムスルフロン、ベンスルフロンメチル、エトキシスルフロン、シクロスルファムロン、クロルスルフロン、メトスルフロンメチル、トリベニュロンメチル、ヨードスルフロン、イソスルフロンメチル、プロスルフロン、トリアスルフロン、エタメトスルフロンメチル、シノスルフロン、トリフルスルフロンメチル、チフェンスルフロンメチル、メソスルフロンメチル、ピラゾスルフロンエチル、アジムスルフロン、ハロスルフロンメチル、フラザスルフロン、トリフロキシスルフロン、リムスルフロン、ニコスルフロン、フルピルスルフロン、イマゾスルフロン、スルホスルフロンから選ばれる一種類以上の化合物である請求項13に記載の除草剤組成物。
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