JP2004359296A - 印刷袋体及びその製袋方法 - Google Patents

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達之助 後藤
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Abstract

【課題】袋体表面の印刷面積の増大が可能な平面状印刷袋体を提供する。
【解決手段】印刷シートロールから製袋する平面状印刷袋体。袋本体12の前面又は背面に、端部及び先端部でヒートシールにより閉じられた合わせひだ部14を1個以上備え、該合わせひだ部14は袋本体12に重合して仮接着16されている。
【選択図】図1

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、平面状印刷袋体及びその製袋方法に関する。特に、薬品類の印刷袋体として好適な発明に係る。
【0002】
【背景技術】
平面状袋体に商品を充填して販売するに際して、その商品説明を袋体表面に印刷することが一般的に行なわれている。
【0003】
昨今、PL法(製造物責任法)の施行に伴い、従来にもまして、十分な商品説明が要請されるようになってきているとともに、印字が目立つ(大きい)ことが要求されるようになってきている。特に、人体に影響を与える薬品類(医薬品、農薬等)においては、その必要性は大きい。
【0004】
このため、袋体表面に印字するだけでは、印刷面積が不足して、上記要請には、対応し難くなっている。
【0005】
なお、タグや別紙に説明文を印刷して添付することも考えられるが、製造工数が嵩みやすく、かつ、タグの場合は流通時に問題が発生し易く、更には、別紙の場合は、使用途中で紛失するおそれがある。
【0006】
本発明者らが、知る限りにおいては、印刷面積の不足を解決した、印刷袋に関連する技術は存在しない。
【0007】
【発明の開示】
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記にかんがみて、袋体表面の印刷面積の増大が可能な平面状印刷袋体及びその製袋方法を提供することを目的(課題)とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意開発に努力をした結果、下記構成の平面状印刷袋体及び製袋方法に想到した。
【0010】
印刷シートロールから製袋された平面状印刷袋体において、袋本体の前面又は背面に、端部で閉じられたまたは全面接着された合わせひだ部を1個又は複数個備え、該合わせひだ部が袋本体に重合して仮接着されていることを特徴とする。
【0011】
合わせひだ部が形成されていることにより、袋体表面の印刷面積の増大が可能となる。また、合わせひだ部であるため、1枚又は2枚の印刷シートロールから容易に製袋が可能となる。
【0012】
製袋上の見地から、通常、合わせひだ部は一個とする。
【0013】
さらに、合わせひだ部の袋本体への仮接着は、通常、側部ヒートシール部位を、前記合わせひだ部及び袋本体をピアス後の熱プレスにより形成されたものとする。当該仮接着は、製袋工程中で容易に形成可能である。
【0014】
上記各構成の平面状印刷袋体は、下記のような方法により連続的に形成することができる。
【0015】
本発明の製袋方法の一つは、下記構成となる。
【0016】
一面が非ヒートシール面で印刷面とされ表面側がヒートシール面とされた素材フィルムの印刷ロールシーから製袋する方法であって、下記工程順を経て袋体とすることを特徴とする平面状印刷袋体の製袋方法。
【0017】
(1)シートロールを折り工程部へ巻出す巻き出し工程。
【0018】
(2)袋本体の長手方向長さを有して中間部に袋体の一対の山線を幅板で形成するとともに、該一対の山線を基準として形成した上下折り曲げ面にそれぞれ谷線を形成し、該谷線を基準として谷折を行ない、該谷折りで形成された上下両端面を背合わせ後、該背合わせ部(ひだ形成部)を袋本体側へ押し倒す折り工程。
【0019】
(3)該ひだ形成部の元部及び先端部の双方又は全面を縦ヒートシールするとともに、袋体及び前記ひだ形成部の側部を横ヒートシールするヒートシール工程。
【0020】
(4)該ひだ形成部を側部ヒートシール部位で袋体形成部も含めてピアス後、熱プレスして仮接着するとともに、袋体開口形成側をカットして袋体開口を形成し、さらに、必要により、袋体を裁断分離する仕上げ工程。
【0021】
本発明の他の製袋方法は、下記構成となる。
【0022】
一面が非ヒートシール面で印刷面とされ、他面がヒートシール面とされた素材フィルムの印刷シートロールから製袋する方法であって、下記工程順を経て袋体とすることを特徴とする平面状印刷袋体の製袋方法。
【0023】
(1)シートロールを折り工程部へ巻出す巻き出し工程。
【0024】
(2)素材フィルムの送り方向中央線を山線として二つ折りするとともに、該二つ折りで形成した山部を内側へ1箇所以上で折り込んでひだ形成部を形成して袋体の長手長さとする折り工程。
【0025】
(3)該ひだ形成部の元部及び先端部の双方又は全面を縦ヒートシールするとともに、袋体及び前記ひだ形成部の側部を横ヒートシールするヒートシール工程。
【0026】
(4)該ひだ形成部を側部ヒートシール部位で袋体形成部も含めてピアス後、熱プレスして仮接着部を形成するとともに、さらに、必要により、袋体を裁断分離する仕上げ工程。
【0027】
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の一実施態様に係る平面状袋体について説明する。
【0028】
本実施形態の平面状袋体は、印刷シートロールから製袋されるものであって、図1に示す如く、袋本体12の背面又は前面(図例では背面)に、元部及び端部で閉じられた又は全面接着された合わせひだ部14を1個以上(図例では1個)備え、該合わせひだ部14が袋本体12に重合して仮固定(仮接着)16されているものである。図1は背面側から見た本発明の一実施形態を示す斜視図である。なお、図2(A)に図1のA−A線断面を示す。なお、図2において、薄墨部は、ヒートシール部17A、17Bである。
【0029】
各実施態様で使用する製袋用ロールシート(ロールフィルム)(原反)22は、例えば透明なポリエステルシートの裏面に印刷層、蒸着層、ヒートシール層を順次、備え、一面(ポリエステルシート側:袋体の表面側となる面)が印刷面とされ、他面(ヒートシール層側)がヒートシール面とされたラミネートシート(ラミネートフィルム)を使用する。なお、ヒートシール層は、通常、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂で形成されている。また、印刷面は、面状袋体の前面及び背面を構成する印刷が、袋体の幅に合わせて所定ピッチで形成されている。
【0030】
図例では、合わせひだ部は中央部を起点とした1個であるが、図2(B)に示す如く、端部を起点部とし、更には、図2(C)に示す如く2個以上であってもよい。
【0031】
仮接着16は、本実施形態では、後述の如く、仮接着が、側部ヒートシール部位を、前記合わせひだ部及び袋本体をピアス後の熱プレスにより形成されたもの(点接着)である。
【0032】
次に、上記実施形態における平面状印刷袋体の製袋方法の一つについて、図3・4に基づいて説明をする。
【0033】
図3は、本製袋方法に使用する製袋機の一例をモデル的に表したものである。
【0034】
本製袋機は、シートロールの巻き出し(繰り出し)方向に沿って、巻き出し工程部I、折り工程部II、ヒートシール工程部III、仕上げ工程部IVを備えている。
【0035】
巻き出し工程部Iは、巻き出し軸18、上下に張設された一対のテンション調整ローラ20とを備えている。
【0036】
折り工程部IIは、シートロール22を袋体長にガイドするガイドローラ24および帯板状の賦形板(ステンレス板)26が配設され、更には、手前側に、2個の第一山折りローラ28及び谷線賦形ヘラ30、それに続いて、奥側に、第二山折りローラ32及び谷折りヘラ(押し倒しヘラ)34が配設されている。
【0037】
第一山折り・第二山折りローラ28、32は、それぞれ、テーパローラとされている。なお、25は、賦形板支持ブラケットである。
【0038】
ヒートシール工程部IIIは、第一縦熱プレス36及び第二縦熱プレス38と、第一横熱プレス(袋側部横熱プレス)40とを備えている。必要により、縦熱プレスは、3個以上でも、また、幅広として1個としてもよい。
【0039】
上記において、ヒートシール用の熱プレス36、38、40は、それぞれ、熱盤とゴム製受け座とからなる。
【0040】
仕上げ工程部IVは、仮接着ピアス(パンチ)42と第二横熱プレス(仮接着横熱プレス)44、並びに、開口部形成側をカットする開口カッター46及び袋体に裁断分離する裁断機48とを備えている。
【0041】
なお、本製袋機には、図示しないが、適宜間隔で、送りローラが配されている。
【0042】
次に、各工程について詳細に説明する。
【0043】
(1)巻き出し工程(図4:I)
先ず、巻き出し軸18に装填されたシートロール22を、テンション調整ローラ20を介して、折り工程部Iに巻き出す。
【0044】
(2)折り工程(図4:II(a)・(b))
次に、袋本体12の長手方向長さを有して中間部に一対の山線を賦形板26で形成するとともに、該一対の山線M1を基準とし形成した折り曲げ面にそれぞれ谷線V1を形成し、該谷線V1を基準として谷折りを行ない、該谷折りで形成された上下両端面を背合わせ(合掌)後、該背合わせ部(合掌部)で形成されたひだ形成部52を袋本体形成部54側へ押し倒す。
【0045】
このとき、山折りで形成された一対の第1・第2山折面の縦長の合計は、袋本体長より長い。
【0046】
例えば、袋本体長:L0とし、賦形板の両側に形成される山折りにより形成される一対の第1・第2山折り面の長さをそれぞれL1、L2としたとき、L0<L1+L2となる。図例では、L0=L1=L2で、かつ、第1・第2山折り面の袋本体長の中央線(軸線)Cを合流線(ひだ部起点線)としてL0/2のひだ部(背張り部:合掌部)を形成したものである。
【0047】
このひだ部の形成は、前述の谷線賦形ヘラ及び谷折りヘラにより形成する。
【0048】
ここで、L1、L2はL0より大きくしてもよく、L0≦L1+L2≦2L0の範囲で適宜選定可能である。なお、L1+L2=2L0としたときは、合流線は、袋本体長の一端(上端又は下端)にもってくる必要がある。
【0049】
なお、ひだ部を2個以上とする場合は、上記設定は、当てはまらない。
【0050】
(3)ヒートシール工程(図4:III(a)・(b))
ひだ形成部52の元部及び先端部又は全面(図例では元部及び先端部)を縦ヒートシール17Aするとともに、袋本体形成部54及びひだ形成部52の側部を横ヒートシール17Bする。
【0051】
すなわち、第一縦熱プレス36及び第二縦熱プレス38、更には、第一横熱プレス40を通過させて、ひだ形成部52の元部と先端部をヒートシール17Aして合わせひだ部14とする。
【0052】
このとき、第一縦熱プレス36による縦ヒートシール17Aでは、袋本体形成側は、通常、賦形板26が挿入されたままなので(賦形板26が第一縦熱プレス36の位置まで伸びている。)、ヒートシールされることはない。そして、第二縦熱プレス38による縦ヒートシール時には、賦形板は存在していないので(賦形板26が第二縦熱プレス38の位置までは伸びていない。)、底部側もヒートシール17Aされる(図2(A)、図3参照)。なお、本実施形態では、意匠上等の見地から底部側をヒートシールしてあるが、その必然性はない。
【0053】
また、第一熱横プレス40の幅w1は、両側のヒートシール部幅(糊代)の合計、通常、片側ヒートシール部の幅w2の2倍とする。
【0054】
なお、第一縦熱プレス36及び第二縦熱プレス38の代わりに、熱ロール・受けロールで上記縦ヒートシールおこなってもよい。また、全面ヒートシールをする場合は、賦形板26を挿入した状態で、熱プレス及びゴム受け座の幅を、ひだ部長に合わせればよい。
【0055】
(5)仕上げ工程(図4:IV(a)・(b))
ひだ形成部を側部ヒートシール部位で袋体形成部も含めてピアス後、熱プレスして仮接着16を形成するとともに、袋体開口形成側をカットして袋体開口12aを形成後、多袋連続体を裁断分離して袋本体12と合わせひだ部14からなる袋体を得る。
【0056】
すなわち、仮接着用ピアスで穴をあけた後、第二横熱プレス44を通過させ、カッター46で袋体開口を形成するとともに、多袋連続体を側ヒートシール部の中央位置(中間位置)を裁断機48で裁断分離して、本発明の袋体とする。このとき、裁断せずに、多袋連続体のまま製品としてもよい。多袋連続体の場合は、ミシン目をヒートシール側部に入れておくことが望ましい。上記ピアス機を、くし歯状にすれば、同時に仮接着形成と同時にミシン目を形成可能となる。また、仮接着のための穴あけ個数は、1個に限らず、適宜、2個以上としてもよい。
【0057】
次に、別の製袋方法について図5に基づいて説明をする。この製袋に使用する装置は、省略するとともに(前述の公知の製袋機を一部改造して使用可能である。)、上記製袋方法と同様の構成については、図面に同一図符号を付してそれらの説明の全部又は一部を省略する。
【0058】
(1)送り出し工程(図5:I):
前述と同様シートロール22を巻き出して素材フィルムを折り工程部IIへ送り出す。
【0059】
(2)折り工程(図5:II(a)・(b))
シートロールの送り方向中央線を山線M2として二つ折りするとともに、該二つ折りで形成した山部を内側へ1箇所以上(図例では一箇所)で折り込んでひだ形成部52、52を形成するとともに袋本体12の長手長さとする。なお、二点鎖線で示す如く、この二つ折りで形成した部分は、別シートロール22Aで形成してもよく、その場合は、スタンドパウチ機を用いて行う。
【0060】
(3)ヒートシール工程(図5:III(a)・(b))
該ひだ形成部52の元部さらには先端部又は全面を縦ヒートシール17Aして合わせひだ部14とするとともに、袋本体形成部54及びひだ形成部52の側部を横ヒートシール17Bする。
【0061】
(4)該ひだ形成部52を側部ヒートシール部位で袋体形成部も含めてピアス後、熱プレスして仮接着16するとともに、連結多袋体を裁断分離して袋本体12と合わせひだ部14を備えた袋体を得る。
【0062】
この製袋方法の場合は、袋体開口部形成のためのカット工程は不要であるが、内折り工程が必要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の平面状印刷袋体の一実施形態を示す斜視図
【図2】(A)は、図1のA−A線断面図。
(B)及び(C)は、別の実施形態を示す断面図。
【図3】本発明の平面状印刷袋体の一製袋方法に使用する製袋機のモデル図
【図4】本発明の平面状印刷袋体における一製袋方法を示すモデル工程図
【図5】同じく他の製袋方法を示すモデル工程図
【符号の説明】
12・・・袋本体
13・・・連結多袋体
14・・・合わせひだ部
16・・・仮接着形成部
28・・・第一山折りローラ
30・・・谷線賦形ヘラ
32・・・第二山折りローラ
34・・・谷折りヘラ(押し倒しヘラ)
36・・・縦第一熱プレス
38・・・縦第二熱プレス
40・・・横第一熱プレス
42・・・仮接着用ピアス
44・・・横第二熱プレス
48・・・裁断機
52・・・ひだ形成部
54・・・袋本体形成部
I・・・シート送り出し工程部
II・・・折り工程部
III・・・ヒートシール工程部
IV・・・仕上げ工程部

Claims (5)

  1. 印刷シートロールから製袋された平面状印刷袋体において、袋本体の前面又は背面に、端部で閉じられたまたは全面接着された合わせひだ部を1個以上備え、該合わせひだ部が袋本体に重合して仮接着されていることを特徴とする平面状印刷袋体。
  2. 前記合わせひだ部が一個であることを特徴とする請求項1記載の平面状印刷袋体。
  3. 前記仮接着が、側部ヒートシール部位を、前記合わせひだ部及び袋本体をピアス後の熱プレスにより形成されたものであることを特徴とする請求項1記載の平面状印刷袋体。
  4. 一面が非ヒートシール面で印刷面とされ、他面がヒートシール面とされた素材フィルムの印刷シートロールから製袋する方法であって、下記工程順を経て袋体とすることを特徴とする平面状印刷袋体の製袋方法。
    (1)シートロールを折り工程部へ巻出す巻き出し工程。
    (2)袋本体の長手方向長さを有して中間部に一対の山線を賦形板で形成するとともに、該一対の山線を基準として形成した上下折り曲げ面にそれぞれ谷線を形成し、該谷線を基準として谷折を行ない、該谷折りで形成された上下両端面を背合わせ後、該背合わせ部(ひだ形成部)を袋本体側へ押し倒す折り工程。
    (3)該ひだ形成部の元部及び先端部の双方又は全面を縦ヒートシールするとともに、袋体及び前記ひだ形成部の側部を横ヒートシールするヒートシール工程。
    (4)該ひだ形成部を側部ヒートシール部位で袋体形成部も含めてピアス後、熱プレスして仮接着をするとともに、袋体開口形成側をカットして袋体開口を形成し、さらに、必要により、袋体に裁断分離する仕上げ工程。
  5. 一面が非ヒートシール面で印刷面とされ、他面がヒートシール面とされた素材フィルムの印刷シートロールから製袋する方法であって、下記工程順を経て袋体とすることを特徴とする平面状印刷袋体の製袋方法。
    (1)シートロールを折り工程部へ巻出す巻き出し工程。
    (2)素材フィルムの送り方向中央線を山線として二つ折りとするとともに、該二つ折りで形成した山部を内側へ1箇所以上で折り込んでひだ形成部を形成して袋体の長手長さとする折り工程。
    (3)該ひだ形成部の元部及び先端部の双方又は全面を縦ヒートシールするとともに、袋体及び前記ひだ形成部の側部を横ヒートシールするヒートシール工程。
    (4)該ひだ形成部を側部ヒートシール部位で袋体形成部も含めてピアス後、熱プレスして仮接着部を形成するとともに、さらに、必要により、袋体を裁断分離する仕上げ工程。
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WO2022176330A1 (ja) * 2021-02-22 2022-08-25 トタニ技研工業株式会社 製袋機、および、製袋方法

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