JP2004358806A - ハニカム構造体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の問題点を解決し、ハニカムを構成する管状体の寸法、これを構成する複合材料を簡便に自由にコントロールできるハニカムの製造方法を提供する。
【解決手段】強化繊維と熱硬化性樹脂とからなる強化繊維シートを芯材に巻き付け複数の管状体を得る管状体製造工程と、これら管状体の長手方向を揃えて管状体を配列し、管状体が他の管状体と外周面で接触するように配列し配列体を得る配列工程と、この配列体を加熱し樹脂を硬化するとともに、強化繊維シートを構成する熱硬化性樹脂により管状体相互を接着する硬化工程とを順に行なうハニカム構造体の製造方法である。
【選択図】 図4
【解決手段】強化繊維と熱硬化性樹脂とからなる強化繊維シートを芯材に巻き付け複数の管状体を得る管状体製造工程と、これら管状体の長手方向を揃えて管状体を配列し、管状体が他の管状体と外周面で接触するように配列し配列体を得る配列工程と、この配列体を加熱し樹脂を硬化するとともに、強化繊維シートを構成する熱硬化性樹脂により管状体相互を接着する硬化工程とを順に行なうハニカム構造体の製造方法である。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は繊維強化複合材料からなる強化パネル等に用いられるハニカム構造体の成型方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複合材料からなるハニカム構造体は、大別して以下の方法で成型されることが公知である。
第一の方法(特許文献1)としては、プリプレグ等の繊維補強複合シートに条線状に接合材を配設した後、このように配設された接合材が順次半ピッチずつずれた位置関係で、複数枚の該シートを積層し、該接合材を加熱して接合させ、その後、積層方向に引っ張り力を与え展開して製造する方法がある。
【0003】
また第二の方法(特許文献2)としては、プリプレグ等の繊維補強複合シートを、コルゲートロールや、あるいはピニオン−ラック間に通過させ、該シートに凹凸形状を賦形させ、該賦形物を積層して、該賦形状物の接触部分を接着する製造方法がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−238698号公報
【特許文献2】
特開平6−218856号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらハニカム構造体の製造方法においては、以下の課題が有った。
すなわち第一の方法においては、母材である繊維含有シート状物の厚みが不均一であったり、あるいは複数枚の該シート毎に厚みが不均一性である場合に、積層方向に引っ張り力を与え展開した時に、ハニカムを構成するセルの形状が不均一となってしまい部分的な強度低下を余儀なくされる。あるいはその逆に、ハニカムを構成するセルの寸法や、セルを構成する複合材料を、一部分のみ、他の部分に対し変更することは、連続シートを用いた公知の方法による成型においては成しえなかった。
【0006】
また第二の方法においても、該方法は単なる凹凸形状の積層方法であれるので、積層接着面を構成する構成材料の厚さが、該接着面以外の部分の厚さより厚くなったり、あるいは、これを回避するようために、複雑な張り合わせの組み合わせ方法を考慮する必要があり、簡便な方法が要求されていた。あるいは、前述した第一の方法と同様に、ハニカムを構成するセルの寸法や、セルを構成する複合材料を、一部分のみ、他の部分に対し変更することは、連続シートを用いた公知の方法による成型においては成しえなかった。
【0007】
以上述べた如く、セルやセルを構成する構成材料、または該構成材料の厚さ等を、自由にコントロールできる簡便な製造方法が要求されていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の以下の3つを要旨とする。
(1) 強化繊維と熱硬化性樹脂とからなる強化繊維シートを芯材に巻き付け複数の管状体を得る管状体製造工程と、これら管状体の長手方向を揃えて管状体を配列し、管状体が他の管状体と外周面で接触するように配列し配列体を得る配列工程と、この配列体を加熱し樹脂を硬化するとともに、強化繊維シートを構成する熱硬化性樹脂により管状体相互を接着する硬化工程とを順に行なうハニカム構造体の製造方法。
(2) 強化繊維と熱硬化性樹脂とからなる強化繊維シートを芯材に巻き付け複数の管状体を得る管状体製造工程と、後の硬化工程での加熱で収縮するテープを管状体の外周面に巻きつけるテープ巻き付け工程と、管状体を加熱し熱硬化性樹脂を硬化する硬化工程と、得られた複数の管状体の長手方向を揃えて管状体を配列し、管状体が他の管状体と接着剤を介して周面で接触するように配列し配列体を得る配列工程と、この配列体を加熱し配列工程で管状体間に配した接着剤により配列を固定する固定工程とを順に行なうハニカム構造体の製造方法。
(3) 強化繊維と熱可塑性樹脂とからなる強化繊維シートを芯材に巻き付け複数の管状体を得る管状体製造工程と、これら管状体の長手方向を揃えて管状体を配列し、管状体が他の管状体と外周面で接触するように配列し配列体を得る配列工程と、この配列体を加熱し樹脂を一旦軟化し、強化繊維シートを構成する熱可塑性樹脂により管状体相互を融着する融着工程とを順に行なうハニカム構造体の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
『強化繊維』
本発明で用いる強化繊維は、炭素繊維、有機高弾性繊維(例えばアラミド繊維等)、ガラス繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、タングステンカーバイド繊維等の一般に強化繊維と呼ばれているものだけでなく、ポリエステル繊維、アクリル繊維のような合成繊維、さらにはパルプより得られるような天然繊維であってもよい。
【0010】
強化繊維シート中の強化繊維の形態については特に限定はなく、強化繊維を一方向に引き揃えたもの、強化繊維を製織し織物としたもの、強化繊維を長繊維のまま、あるいは短繊維としてマット状としたものが挙げられる。強化繊維シート中の強化形態は1種のみでもよく、複数種のものを規則的に、又は不規則に積層して使用しても構わない。
【0011】
一般に、特定方向に比強度、比弾性率が高いことを要求される場合には、強化繊維を一方向に引き揃えたもの最も適している。
【0012】
『樹脂』
強化繊維とともに強化繊維シートを形成する樹脂としては、(1)(2)または(3)で別の性質を有する樹脂を用いる。
【0013】
(1)(2)では、熱硬化性樹脂を用いる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、マレイミド樹脂、アセチレン末端を有する樹脂、ビニル末端を有する樹脂、シアン酸エステル末端を有する樹脂、等が挙げられるがこれに限定されるものではない。また、これら2種類以上を組み合わせて使用しても構わない。
【0014】
(3)では、熱可塑性樹脂を用いる。
熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂やポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられ、またこれに限定されるものではない。これら繊維とマトリックス樹脂が一体化した繊維含有シート状物とし本発明の製造方法に用いられる。
【0015】
『芯材』
本発明で用いる芯材は、後で述べる巻き付け工程で強化繊維シートを巻きつける際に発生する締め付け力に耐えるものであればよく特に限定しない。管状体とともに芯材も加熱もされる製造方法を採用する場合は、この加熱に耐えなければならないのは、当然である。芯材を構成する材質は上記条件を満足すれば何でもよいが、芯材作成時の工作精度、耐熱、繰返利用の点から金属であることが好ましい。芯材の断面形状は特に限定されるものではなく、円形であっても多角形であっても差し支えないが、該芯材の断面形状が6角形であることは、管状体を配列し、管状体相互を接着または融着する面積を大きくすることができ好ましい。芯材によってはその表面を、強化繊維シートの巻きつけに先立って、離型処理する必要がある。
【0016】
『(1)の方法』
まず、(1)のハニカムの製造方法から説明する。
「管状体製造工程」
(1)の方法では、第1に、強化繊維と熱硬化性樹脂とからなる強化繊維シートを芯材に巻き付け、複数の管状体を得る管状体製造工程を行なう。
強化繊維シートの芯材への巻きつけには、強化プラスチックゴルフシャフトの製造に用いられる巻き付け機「ローリングマシーン」が好適に用いられる。強化繊維シートの芯材への巻きつけの際は、強化繊維シートを加熱し粘着性を高めるとともに柔軟性を高めておくことが好ましく、芯材や前記装置も適切な温度としておくことが好ましい。
この工程では、管状体毎に、用いる強化繊維シート中の強化繊維の種類、その配向方向、強化繊維シートの目付、樹脂の種類を変更するし、異なる特性の管状体としておくことも可能である。多種の管状体を得た後、次の配列工程で部分的に仕様の異なった管状体(ハニカムとしたときに単位セルになる)により構成されるハニカム構造体を得ることが可能となる。また、複数本の管状体を配列する際に、部分的に異なる特性を有する管状体を規則的に配列させることも可能となる。
【0017】
「配列工程」
管状体製造工程で得られた管状体は、その長手方向を揃えて管状体を配列し、管状体が他の管状体と外周面で接触するように配列し配列体を得る。
配列体は、次の工程でバラバラにならないように針金で一体に束ねる、所定の大きさの枠に入れる等の各種手段により一体化しておくことが配列工程を順調に進める上で、また、次の硬化工程で管状体相互を確実に接着するうえで好ましい。
【0018】
「硬化工程」
硬化工程では、配列体を加熱し樹脂を硬化するとともに、強化繊維シートを構成する熱硬化性樹脂により管状体相互を接着する。
加熱は、用いる熱硬化性樹脂の種類によってその温度を選べばよく限定しない。強化繊維シートを構成する熱硬化性樹脂により管状体相互を接着するためには、配列工程の欄で説明した各種手段による配列一体化が重要であるがその手段は限定しない。
【0019】
「脱芯」
(1)の方法において、脱芯の時期は特に限定しないが、硬化工程のあとに行なうことが熱硬化性樹脂により管状体相互を確実に接着する上で好ましい。
【0020】
『(2)の方法』
(2)の方法は、(1)の方法に改良を加えたもので、(2)の方法では、硬化工程での加熱で収縮するテープを管状体の外周面に巻きつけるテープ巻き付け工程を有することを特徴とする。これにより、硬化工程で強化繊維シートが芯材に押し付けられるため形状が安定するので、接着面積が一定となりハニカムの強度を均一化させることができる。ハニカム観が良好となる点で好ましい。
しかしながら、管状体相互の接着が強化繊維シートを構成する樹脂によってなされないため、配列工程で管状体間に配した接着剤により配列を固定する固定工程が必要になる。このとき用いる接着剤は、繊維強化複合材料の接着に用いるものであればよく特に限定しないが、確実に一定量の接着剤を接着面に配することが不織布キャリヤー入りのシート状接着剤が好ましく用いられる。
【0021】
「脱芯」
(2)の方法において、脱芯の時期は特に限定しないが、硬化工程のあとに行なうことが、テープによる加圧が効率よく行なえるので好ましい。
【0022】
『(3)の方法』
(3)の方法では、強化繊維を構成する樹脂として熱可塑性樹脂を用いる。このため熱硬化性樹脂を用いる(1)、(2)の方法に比較して、管状体製造工程で強化繊維シートに付与する温度が高く、使用する熱可塑性樹脂の軟化温度以上にする必要がある。このときの温度は使用する熱可塑性樹脂に応じて決定すればよい。
また、(3)の方法では、配列した管状体相互を構成する熱可塑性樹脂を溶融して接着(融着)することにより行なうことができる。(2)の方法で採用しているように管状体相互を接着剤で接着することにより行なうことも可能である。
【0023】
「脱芯」
(3)の方法において、脱芯の時期は特に限定しないが、融着工程のあとに行なうことが熱可塑性樹脂により管状体相互を確実に接着する上で好ましい。
【0024】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は実施例によって制限されるものではない。
【0025】
(実施例1)
三菱レイヨン株式会社製炭素繊維一方向引き揃えプリプレグTR 350E125SMBZを幅300mm×長さ100mmに切断して、炭素繊維が幅方向に引き揃えられている短冊状プリプレグシートを得た。これを強化繊維シートとして用いた。なお、TR 350E125SMBZは、炭素繊維としてTR30S12Lを用い、樹脂としてエポキシ樹脂組成物#350を用いた、繊維目付125g/m2、厚み0.115mm、幅1000mmのプリプレグシートである。
【0026】
離型剤を塗布した、外径10mmφ×長さ300mmの芯材の側集面中央に、強化繊維シートを繊維方向が芯材の周方向に配向するように3層巻きつけ、あまった強化繊維シートを切断した。同様の操作を10回繰り返し、芯材に強化繊維シートを巻きつけた管状体を10本得た。巻き付け回数は全て3層であった。巻き付け速度は10回転/分であった。
【0027】
その後、10本の管状体を、芯材断面方向に対し最密充填状態となるように3−4−3本の配列で配置し、配列体5を得た後、芯材を針金で固定し、その後145℃の硬化炉中に240分入れ硬化した。
硬化後に芯材を抜き取り、図6に示す断面形状が円形であるハニカムを得た。
【0028】
(実施例2)
芯材として対辺間距離が10mmであり断面形状が図2に示すような6角形の芯材を用いること以外は、実施例1と同様にして、図6に示すような断面形状が6角形のハニカムを得た。
【0029】
(実施例3)
実施例2の実験において、強化繊維シートの巻き付け回数が3層および2層である管状体をそれぞれ4本および6本製作を行し、配列するときに、3層の管状体を配列体の4隅対角方向に配置する以外は実施例2と同様ににして、図6に示すような、断面形状が6角形のハニカムを得た。
【0030】
【発明の効果】
本発明は、従来の問題点を解決し、ハニカムを構成する管状体の寸法、これを構成する複合材料を簡便に自由にコントロールできるハニカムの製造方法である。
【0031】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いることができる、断面形状が円形の芯材の模式図である。
【図2】本発明に用いることができる、断面形状が六角形の芯材の模式図である。
【図3】芯材に強化繊維シートを巻き付け得られた管状体の模式図である。
【図4】管状体を配列した配列体の模式図である。
【図5】本発明により得られたハニカムの模式図である。
【図6】本発明により得られたハニカムの模式図である。
【符号の説明】
1:円形芯材
2:6角形芯材
3:強化繊維シート
4:管状体
5:配列体
6:ハニカム(管状体は円形断面)
7:ハニカム(管状体は6角形断面)
【発明の属する技術分野】
本発明は繊維強化複合材料からなる強化パネル等に用いられるハニカム構造体の成型方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複合材料からなるハニカム構造体は、大別して以下の方法で成型されることが公知である。
第一の方法(特許文献1)としては、プリプレグ等の繊維補強複合シートに条線状に接合材を配設した後、このように配設された接合材が順次半ピッチずつずれた位置関係で、複数枚の該シートを積層し、該接合材を加熱して接合させ、その後、積層方向に引っ張り力を与え展開して製造する方法がある。
【0003】
また第二の方法(特許文献2)としては、プリプレグ等の繊維補強複合シートを、コルゲートロールや、あるいはピニオン−ラック間に通過させ、該シートに凹凸形状を賦形させ、該賦形物を積層して、該賦形状物の接触部分を接着する製造方法がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−238698号公報
【特許文献2】
特開平6−218856号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらハニカム構造体の製造方法においては、以下の課題が有った。
すなわち第一の方法においては、母材である繊維含有シート状物の厚みが不均一であったり、あるいは複数枚の該シート毎に厚みが不均一性である場合に、積層方向に引っ張り力を与え展開した時に、ハニカムを構成するセルの形状が不均一となってしまい部分的な強度低下を余儀なくされる。あるいはその逆に、ハニカムを構成するセルの寸法や、セルを構成する複合材料を、一部分のみ、他の部分に対し変更することは、連続シートを用いた公知の方法による成型においては成しえなかった。
【0006】
また第二の方法においても、該方法は単なる凹凸形状の積層方法であれるので、積層接着面を構成する構成材料の厚さが、該接着面以外の部分の厚さより厚くなったり、あるいは、これを回避するようために、複雑な張り合わせの組み合わせ方法を考慮する必要があり、簡便な方法が要求されていた。あるいは、前述した第一の方法と同様に、ハニカムを構成するセルの寸法や、セルを構成する複合材料を、一部分のみ、他の部分に対し変更することは、連続シートを用いた公知の方法による成型においては成しえなかった。
【0007】
以上述べた如く、セルやセルを構成する構成材料、または該構成材料の厚さ等を、自由にコントロールできる簡便な製造方法が要求されていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の以下の3つを要旨とする。
(1) 強化繊維と熱硬化性樹脂とからなる強化繊維シートを芯材に巻き付け複数の管状体を得る管状体製造工程と、これら管状体の長手方向を揃えて管状体を配列し、管状体が他の管状体と外周面で接触するように配列し配列体を得る配列工程と、この配列体を加熱し樹脂を硬化するとともに、強化繊維シートを構成する熱硬化性樹脂により管状体相互を接着する硬化工程とを順に行なうハニカム構造体の製造方法。
(2) 強化繊維と熱硬化性樹脂とからなる強化繊維シートを芯材に巻き付け複数の管状体を得る管状体製造工程と、後の硬化工程での加熱で収縮するテープを管状体の外周面に巻きつけるテープ巻き付け工程と、管状体を加熱し熱硬化性樹脂を硬化する硬化工程と、得られた複数の管状体の長手方向を揃えて管状体を配列し、管状体が他の管状体と接着剤を介して周面で接触するように配列し配列体を得る配列工程と、この配列体を加熱し配列工程で管状体間に配した接着剤により配列を固定する固定工程とを順に行なうハニカム構造体の製造方法。
(3) 強化繊維と熱可塑性樹脂とからなる強化繊維シートを芯材に巻き付け複数の管状体を得る管状体製造工程と、これら管状体の長手方向を揃えて管状体を配列し、管状体が他の管状体と外周面で接触するように配列し配列体を得る配列工程と、この配列体を加熱し樹脂を一旦軟化し、強化繊維シートを構成する熱可塑性樹脂により管状体相互を融着する融着工程とを順に行なうハニカム構造体の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
『強化繊維』
本発明で用いる強化繊維は、炭素繊維、有機高弾性繊維(例えばアラミド繊維等)、ガラス繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、タングステンカーバイド繊維等の一般に強化繊維と呼ばれているものだけでなく、ポリエステル繊維、アクリル繊維のような合成繊維、さらにはパルプより得られるような天然繊維であってもよい。
【0010】
強化繊維シート中の強化繊維の形態については特に限定はなく、強化繊維を一方向に引き揃えたもの、強化繊維を製織し織物としたもの、強化繊維を長繊維のまま、あるいは短繊維としてマット状としたものが挙げられる。強化繊維シート中の強化形態は1種のみでもよく、複数種のものを規則的に、又は不規則に積層して使用しても構わない。
【0011】
一般に、特定方向に比強度、比弾性率が高いことを要求される場合には、強化繊維を一方向に引き揃えたもの最も適している。
【0012】
『樹脂』
強化繊維とともに強化繊維シートを形成する樹脂としては、(1)(2)または(3)で別の性質を有する樹脂を用いる。
【0013】
(1)(2)では、熱硬化性樹脂を用いる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、マレイミド樹脂、アセチレン末端を有する樹脂、ビニル末端を有する樹脂、シアン酸エステル末端を有する樹脂、等が挙げられるがこれに限定されるものではない。また、これら2種類以上を組み合わせて使用しても構わない。
【0014】
(3)では、熱可塑性樹脂を用いる。
熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂やポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられ、またこれに限定されるものではない。これら繊維とマトリックス樹脂が一体化した繊維含有シート状物とし本発明の製造方法に用いられる。
【0015】
『芯材』
本発明で用いる芯材は、後で述べる巻き付け工程で強化繊維シートを巻きつける際に発生する締め付け力に耐えるものであればよく特に限定しない。管状体とともに芯材も加熱もされる製造方法を採用する場合は、この加熱に耐えなければならないのは、当然である。芯材を構成する材質は上記条件を満足すれば何でもよいが、芯材作成時の工作精度、耐熱、繰返利用の点から金属であることが好ましい。芯材の断面形状は特に限定されるものではなく、円形であっても多角形であっても差し支えないが、該芯材の断面形状が6角形であることは、管状体を配列し、管状体相互を接着または融着する面積を大きくすることができ好ましい。芯材によってはその表面を、強化繊維シートの巻きつけに先立って、離型処理する必要がある。
【0016】
『(1)の方法』
まず、(1)のハニカムの製造方法から説明する。
「管状体製造工程」
(1)の方法では、第1に、強化繊維と熱硬化性樹脂とからなる強化繊維シートを芯材に巻き付け、複数の管状体を得る管状体製造工程を行なう。
強化繊維シートの芯材への巻きつけには、強化プラスチックゴルフシャフトの製造に用いられる巻き付け機「ローリングマシーン」が好適に用いられる。強化繊維シートの芯材への巻きつけの際は、強化繊維シートを加熱し粘着性を高めるとともに柔軟性を高めておくことが好ましく、芯材や前記装置も適切な温度としておくことが好ましい。
この工程では、管状体毎に、用いる強化繊維シート中の強化繊維の種類、その配向方向、強化繊維シートの目付、樹脂の種類を変更するし、異なる特性の管状体としておくことも可能である。多種の管状体を得た後、次の配列工程で部分的に仕様の異なった管状体(ハニカムとしたときに単位セルになる)により構成されるハニカム構造体を得ることが可能となる。また、複数本の管状体を配列する際に、部分的に異なる特性を有する管状体を規則的に配列させることも可能となる。
【0017】
「配列工程」
管状体製造工程で得られた管状体は、その長手方向を揃えて管状体を配列し、管状体が他の管状体と外周面で接触するように配列し配列体を得る。
配列体は、次の工程でバラバラにならないように針金で一体に束ねる、所定の大きさの枠に入れる等の各種手段により一体化しておくことが配列工程を順調に進める上で、また、次の硬化工程で管状体相互を確実に接着するうえで好ましい。
【0018】
「硬化工程」
硬化工程では、配列体を加熱し樹脂を硬化するとともに、強化繊維シートを構成する熱硬化性樹脂により管状体相互を接着する。
加熱は、用いる熱硬化性樹脂の種類によってその温度を選べばよく限定しない。強化繊維シートを構成する熱硬化性樹脂により管状体相互を接着するためには、配列工程の欄で説明した各種手段による配列一体化が重要であるがその手段は限定しない。
【0019】
「脱芯」
(1)の方法において、脱芯の時期は特に限定しないが、硬化工程のあとに行なうことが熱硬化性樹脂により管状体相互を確実に接着する上で好ましい。
【0020】
『(2)の方法』
(2)の方法は、(1)の方法に改良を加えたもので、(2)の方法では、硬化工程での加熱で収縮するテープを管状体の外周面に巻きつけるテープ巻き付け工程を有することを特徴とする。これにより、硬化工程で強化繊維シートが芯材に押し付けられるため形状が安定するので、接着面積が一定となりハニカムの強度を均一化させることができる。ハニカム観が良好となる点で好ましい。
しかしながら、管状体相互の接着が強化繊維シートを構成する樹脂によってなされないため、配列工程で管状体間に配した接着剤により配列を固定する固定工程が必要になる。このとき用いる接着剤は、繊維強化複合材料の接着に用いるものであればよく特に限定しないが、確実に一定量の接着剤を接着面に配することが不織布キャリヤー入りのシート状接着剤が好ましく用いられる。
【0021】
「脱芯」
(2)の方法において、脱芯の時期は特に限定しないが、硬化工程のあとに行なうことが、テープによる加圧が効率よく行なえるので好ましい。
【0022】
『(3)の方法』
(3)の方法では、強化繊維を構成する樹脂として熱可塑性樹脂を用いる。このため熱硬化性樹脂を用いる(1)、(2)の方法に比較して、管状体製造工程で強化繊維シートに付与する温度が高く、使用する熱可塑性樹脂の軟化温度以上にする必要がある。このときの温度は使用する熱可塑性樹脂に応じて決定すればよい。
また、(3)の方法では、配列した管状体相互を構成する熱可塑性樹脂を溶融して接着(融着)することにより行なうことができる。(2)の方法で採用しているように管状体相互を接着剤で接着することにより行なうことも可能である。
【0023】
「脱芯」
(3)の方法において、脱芯の時期は特に限定しないが、融着工程のあとに行なうことが熱可塑性樹脂により管状体相互を確実に接着する上で好ましい。
【0024】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は実施例によって制限されるものではない。
【0025】
(実施例1)
三菱レイヨン株式会社製炭素繊維一方向引き揃えプリプレグTR 350E125SMBZを幅300mm×長さ100mmに切断して、炭素繊維が幅方向に引き揃えられている短冊状プリプレグシートを得た。これを強化繊維シートとして用いた。なお、TR 350E125SMBZは、炭素繊維としてTR30S12Lを用い、樹脂としてエポキシ樹脂組成物#350を用いた、繊維目付125g/m2、厚み0.115mm、幅1000mmのプリプレグシートである。
【0026】
離型剤を塗布した、外径10mmφ×長さ300mmの芯材の側集面中央に、強化繊維シートを繊維方向が芯材の周方向に配向するように3層巻きつけ、あまった強化繊維シートを切断した。同様の操作を10回繰り返し、芯材に強化繊維シートを巻きつけた管状体を10本得た。巻き付け回数は全て3層であった。巻き付け速度は10回転/分であった。
【0027】
その後、10本の管状体を、芯材断面方向に対し最密充填状態となるように3−4−3本の配列で配置し、配列体5を得た後、芯材を針金で固定し、その後145℃の硬化炉中に240分入れ硬化した。
硬化後に芯材を抜き取り、図6に示す断面形状が円形であるハニカムを得た。
【0028】
(実施例2)
芯材として対辺間距離が10mmであり断面形状が図2に示すような6角形の芯材を用いること以外は、実施例1と同様にして、図6に示すような断面形状が6角形のハニカムを得た。
【0029】
(実施例3)
実施例2の実験において、強化繊維シートの巻き付け回数が3層および2層である管状体をそれぞれ4本および6本製作を行し、配列するときに、3層の管状体を配列体の4隅対角方向に配置する以外は実施例2と同様ににして、図6に示すような、断面形状が6角形のハニカムを得た。
【0030】
【発明の効果】
本発明は、従来の問題点を解決し、ハニカムを構成する管状体の寸法、これを構成する複合材料を簡便に自由にコントロールできるハニカムの製造方法である。
【0031】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いることができる、断面形状が円形の芯材の模式図である。
【図2】本発明に用いることができる、断面形状が六角形の芯材の模式図である。
【図3】芯材に強化繊維シートを巻き付け得られた管状体の模式図である。
【図4】管状体を配列した配列体の模式図である。
【図5】本発明により得られたハニカムの模式図である。
【図6】本発明により得られたハニカムの模式図である。
【符号の説明】
1:円形芯材
2:6角形芯材
3:強化繊維シート
4:管状体
5:配列体
6:ハニカム(管状体は円形断面)
7:ハニカム(管状体は6角形断面)
Claims (6)
- 強化繊維と熱硬化性樹脂とからなる強化繊維シートを芯材に巻き付け複数の管状体を得る管状体製造工程と、これら管状体の長手方向を揃えて管状体を配列し、管状体が他の管状体と外周面で接触するように配列し配列体を得る配列工程と、この配列体を加熱し樹脂を硬化するとともに、強化繊維シートを構成する熱硬化性樹脂により管状体相互を接着する硬化工程とを順に行なうハニカム構造体の製造方法。
- 強化繊維と熱硬化性樹脂とからなる強化繊維シートを芯材に巻き付け複数の管状体を得る管状体製造工程と、後の硬化工程での加熱で収縮するテープを管状体の外周面に巻きつけるテープ巻き付け工程と、管状体を加熱し熱硬化性樹脂を硬化する硬化工程と、得られた複数の管状体の長手方向を揃えて管状体を配列し、管状体が他の管状体と接着剤を介して周面で接触するように配列し配列体を得る配列工程と、この配列体を加熱し配列工程で管状体間に配した接着剤により配列を固定する固定工程とを順に行なうハニカム構造体の製造方法。
- 強化繊維と熱可塑性樹脂とからなる強化繊維シートを芯材に巻き付け複数の管状体を得る管状体製造工程と、これら管状体の長手方向を揃えて管状体を配列し、管状体が他の管状体と外周面で接触するように配列し配列体を得る配列工程と、この配列体を加熱し樹脂を一旦軟化し、強化繊維シートを構成する熱可塑性樹脂により管状体相互を融着する融着工程とを順に行なうハニカム構造体の製造方法。
- 芯材の断面形状が6角形である請求項1、2または3記載のハニカム構造体の製造方法。
- 芯材の管状体からの脱芯を管状体相互の融着または接着の後に行なう請求項1〜4のいずれか一項記載のハニカム構造体の製造方法。
- 強化繊維が炭素繊維である請求項1〜5のいずれか一項記載のハニカム構造体の製造方法。
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- 2003-06-04 JP JP2003159771A patent/JP2004358806A/ja active Pending
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