JP2004358737A - 液滴吐出ヘッド及び画像形成装置 - Google Patents

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Hirotoshi Eguchi
裕俊 江口
Kenichi Ogata
賢一 尾方
Takahiro Yoshida
崇裕 吉田
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Abstract

【課題】個別の液室に発生し共通液室内部に伝播してきたことで存在する圧力(波)に起因する相互干渉が発生したり、液室に存在する気泡の排出を効率よく行うことができない。
【解決手段】共通液室8のノズルの整列方向に沿った連通部7と連通する面の大きさを共通液室の長さ、共通液室8の連通部7と連通する面の長さと直交する方向の大きさを共通液室の幅、インク供給源から連結管9を通って共通液室8に向かう方向の共通液室8の大きさを共通液室の深さと定義し、深さ方向は鉛直方向であって、連通した面は共通液室8の鉛直下方面であり、加圧液室6に連通した面に対向する面を底面31としたとき、底面31又は底面31に直交し長さ方向に平行な面32に、幅方向の略半分以上の大きさを有する仕切り部33を形成した。
【選択図】 図10

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は液滴吐出ヘッド及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平5−330045号公報
【特許文献2】特許第2810187号公報
【特許文献3】特許第2771670号公報
【0003】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ等の画像記録装置(画像形成装置)として用いるインクジェット記録装置は、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通するインク流路(吐出室、圧力室、加圧液室、液室等とも称される。)と、このインク流路内のインクを加圧する駆動手段とを備えた液滴吐出ヘッドとしてのインクジェットヘッドを搭載したものである。なお、液滴吐出ヘッドとしては例えば液体レジストを液滴として吐出する液滴吐出ヘッド、DNAの試料を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドなどもあるが、以下ではインクジェットヘッドを中心に説明する。
【0004】
インクジェットヘッドとしては、インク流路内のインクを加圧するエネルギーを発生する駆動手段手段として、圧電素子を含む圧電型アクチュエータを用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの、或いは、発熱抵抗体(電気熱変換体)を含むサーマル型アクチュエータを用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させることによる圧力でインク滴を吐出させるいわゆるサーマル型のもの、インク流路の壁面を形成する振動板を静電力によって変形させる静電型アクチュエータを用いて、振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のものなどが知られている。
【0005】
このようにインクジェットヘッドにあっては、アクチュエータの種類を問わず、インク滴をノズルから噴射させるためには加圧液室の内部圧力を増加させる必要がある。
【0006】
ところが、加圧液室の内部に気泡が存在する場合があり、除去できずに残留してしまうことがある。加圧液室内に気泡が残留すると、アクチュエータを駆動して加圧液室の容積を縮小させることで内部圧力を上昇させようとしても、残留した気泡が圧縮されて加圧液室の内部圧力が十分大きくならず、インク滴の吐出不良を招いてしまう。あるいは、気泡が徐々に成長すると、連通部やノズルを閉塞して、インクの供給を妨げたり、噴射できなくなってしまうなどの不具合を生じてしまうことになる。
【0007】
このような気泡は発生しないことが好ましいが、インク噴射時のメニスカスの破断による複雑な振動に伴う空気の巻き込み、印字を繰り返すことでインクを消費し尽くした場合、サーマル方式ではヒータの発熱によるインクからの空気の析出、インクジェットヘッドの製造後初期状態、などの理由により、加圧液室や共通液室、すなわち、インクの流路内を気泡がまったく存在しない状態に保っておくことはできない。
【0008】
そこで、インク流路中に残留している気泡を除去するために、ノズル側から負圧を与えて吸引することで、(インク供給源→連結管→)共通液室→(連通部→)加圧液室→ノズルの向きにインクの流れを発生させて、ノズルからインクと共に気泡を除去することが一般に行われている。
【0009】
この場合、効率の良い気泡の排出のためには、インク流路内でインクの流れる向きに大きな圧力勾配が発生するようにしたほうが良く、そのためには、インクが流れる流路(共通液室や加圧液室)の断面積は小さいほうが有利である。
【0010】
ところが、流路の断面積を小さくすると、流体抵抗が大きくなってしまい、印字に必要なインクの流量を確保することができず、画像に欠陥を生じてしまう。あるいは、それを回避するには、流量に合わせてゆっくりとした印字を行う必要があり、高速印字ができなくなる。
【0011】
一方、流路の断面積を大きくすると、十分な流量を確保できるものの、気泡排出時の吸引動作で流れるインクの量が多くなり無駄を生じると共に、排出されたインク(廃インク)を保持しておくためのタンクの容量も大きなものが必要となり、装置全体の大型化を招いてしまうことになる。
【0012】
さらに、共通液室に関しては、加圧液室に生じる圧力波が伝播することによる相互干渉を緩和する機能も期待されている。
【0013】
つまり、アクチュエータを駆動してインクを噴射するために加圧液室の内部圧力を上昇させると、加圧液室の内部に発生する圧力波は、連通部を通って共通液室にも伝播する。ここで、共通液室は複数の加圧液室の連通部と連接して共通になっており、アクチュエータを駆動した加圧液室の連通部からの圧力波が共通液室を介して近傍の連通部に回り込み、近傍の加圧液室の内部を予期しない圧力値にしてしまい、制御性を悪化させてしまうことがある。
【0014】
このとき、共通液室はインクで充満しているため、このインクの流体としてのコンプライアンスを利用して、連通部を通して共通液室に伝播してきた圧力波の低減を図ることができ、そのためには、共通液室の容積は大きいほうが好ましい。しかしながら、共通液室の容積が大きくなると断面積も大きくなり、上述した問題が生じてしまうことになる。
【0015】
そのため、従来、
【特許文献1】や
【特許文献2】に開示されているように、共通液室から個別液室への連通部の隔壁を、延伸したり曲げたりすることで、隣接する個別液室から共通液室内を伝播してくる圧力が、当該個別液室に伝わることを防ぐようにすることが知られている。また、
【特許文献3】に開示されているように、共通液室を構成する壁を、圧力を拡散したり吸収したり乱反射させたりするような材料で構成することも知られている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した
【特許文献1】や
【特許文献2】に開示のヘッドにあっては、共通液室内部の圧力伝播を完全に遮ってはいない上、圧力の振動については何ら解決できていないという課題がある。
【0017】
また、
【特許文献3】に開示のヘッドにあっては、完全な圧力の吸収は困難であることに加え、細線や繊維の集合体などで構成した多孔質体で共通液室の壁を形成することは、気泡がトラップされる場所を自ら作り出していることに他ならず、共通液室内に気泡が残留してしまうおそれがあるという課題がある。また、圧力値を小さな値にできたように見えても、圧力は振動しておりインク流路の条件によっては共振状態となり、非常に大きな値になる場合があり、これらに対処することができないという課題もある。
【0018】
なお、本発明の目的とは異なるが、特開2000−85121号公報、特開2000−168076号公報、特開2000−326508号公報、特開2001―47629号公報、特開2001―191540号公報、特開2001−328263号公報、特開2002―11875号公報、特開2002―137393号公報、特開2002―273341号公報には、単結晶シリコン基板をエッチング処理によって共通液室を形成した結果、用いる結晶方位に依存した面が形成されて、壁面が平らではない形状の共通液室を有するヘッドが開示されている。
【0019】
しかしながら、これらは、例えば特開2002―292868号公報の記載によれば、共通液室は本来平面であることが好ましい。このことは、特開2002―264329号公報に記載されているように、気泡の排出性を向上させるために共通液室長手方向の端部で幅を小さくしていても、同様である。また、これらは、共通液室内部の圧力の伝播や低減など、相互干渉に関しては解決されていないものである。さらにまた、これらは、共通液室の構造が複雑になっており、流路中に突起物が多数存在することで、かえって細かい気泡が突起物に付着し、徐々に成長してしまい、気泡の量が増えてしまうおそれがある。
【0020】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、相互干渉を低減させるとともに、液室に存在する気泡の排出を効率よく行うことにより、高品質な画像を高速で記録できる液滴吐出ヘッド及びこの液滴吐出ヘッドを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、前記共通液室の長さを複数のノズルが整列している方向の大きさ、深さを液体供給源から加圧液室方向の大きさ、幅を加圧液室に連通した面のノズル整列方向とは直交する方向の大きさ、とし、共通液室の深さ方向は鉛直方向であって、加圧液室に連通した面は共通液室の鉛直下方面であり、この加圧液室に連通した面に対向する面を底面としたとき、底面又は底面に直交し長さ方向に平行な面に、幅方向の略半分以上の大きさを有する少なくとも1つの仕切り部が形成されている構成とした。
【0022】
ここで、2つ以上形成された仕切り部同士、又は仕切り部と共通液室の長さ方向の端部との間隔が、2種類以上あることが好ましい。また、2つ以上形成された仕切り部同士、又は仕切り部と共通液室の長さ方向の端部との間隔は、それぞれが残りのいずれの整数倍になっていないことが好ましい。
【0023】
また、仕切り部と共通液室を構成する部材とは、異なる剛性の部材で形成されていることが好ましい。さらに、2つ以上形成された前記仕切り部の内の少なくとも1つの仕切り部の剛性が他の仕切り部の剛性と異なっていることが好ましい。さらにまた、仕切り部との底面との間に隙間があることが好ましい。また、共通液室と液体供給源とを連通する連結管が複数あることが好ましい。
【0024】
本発明に係る画像形成装置は、液体を吐出する本発明に係る液滴吐出ヘッドを備えたものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。本発明の液滴吐出ヘッドの第1実施形態に係るインクジェットヘッドについて図1乃至図5を参照して説明する。なお、図1は同ヘッドの分解斜視説明図、図2は同ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図、図3は図2の要部拡大説明図、図4は同ヘッドの液室短手方向に沿う断面説明図、図5は同ヘッドの部分拡大斜視説明図である。
【0026】
このインクジェットヘッドは、単結晶シリコン基板で形成した流路形成基板(液室基板)1と、この流路形成基板1の下面に接合した振動板2と、流路形成基板1の上面に接合したノズル板3と、後述するフレーム部材17を有し、これらによってインク滴を吐出するノズル5が連通する流路である加圧液室6、加圧液室6に流体抵抗部となるインク供給路(連通部)7を介してインクを供給する共通液室8を形成している。
【0027】
そして、振動板2の面外側(液室6と反対面側)に各加圧液室6に対応して駆動手段としての積層型圧電素子12を接合し、この積層型圧電素子12はベース基板13に接合して固定している。
【0028】
この圧電素子12は、圧電材料層と内部電極とを交互に積層したものである。この場合、圧電素子12の圧電方向としてd33方向の変位を用いて加圧液室6内インクを加圧する構成とすることも、圧電素子12の圧電方向としてd31方向の変位を用いて加圧液室6内インクを加圧する構成とすることもできる。
【0029】
また、流路形成基板1及び振動板2をエポキシ系樹脂或いはポリフェニレンサルファイトで射出成形により形成したヘッドフレーム17に接着接合し、このヘッドフレーム17とベース基板13とは図示しない部分で接着剤などで相互に固定している。そして、このフレーム部材17には流路形成基板1と共に共通液室8を形成する掘り込み部及びこの共通液室8に外部からインクを供給するためのインク供給口(連通管)9、9を形成し、この連通管9は図示しないインクカートリッジなどのインク供給源に接続される。
【0030】
さらに、圧電素子12には駆動信号を与えるために半田接合又はACF(異方導電性膜)接合若しくはワイヤボンディングでFPCケーブル18を接続し、このFPCケーブル18には各圧電素子12に選択的に駆動波形を印加するための駆動回路(ドライバIC)19を実装している。
【0031】
ここで、流路形成基板1は、結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板を水酸化カリウム水溶液(KOH)などのアルカリ性エッチング液を用いて異方性エッチングすることで、各加圧液室6となる貫通穴、インク供給路(連通管)7を構成する溝部をそれぞれ形成している。この場合、各加圧液室6は隔壁20によって区画している。
【0032】
振動板2はニッケルの金属プレートから形成したもので、エレクトロフォーミング法で製造している。この振動板2は加圧液室6に対応する部分に変形を容易にするための薄肉部21及び圧電素子12と接合するための中央厚肉部22を形成するとともに、隔壁20に対応する部分にも周囲厚肉部23を形成し、平坦面側を流路形成基板1に接着剤接合し、周囲厚肉部23をフレーム17に接着剤接合している。
【0033】
この振動板2の液室間隔壁20に対応する周囲厚肉部23とベース基板13との間には支持部材25を介設している。これにより、振動板2とベース基板13は、圧電素子12と支持部材25の両方で連接され、上部の加圧液室6の剛性を保つとともに、圧電素子12の変形による振動板2の中央厚肉部22の変位効率を向上させている。なお、この支持部材25は圧電素子12と同じ構成とすることができる。
【0034】
ノズル板3は各加圧液室6に対応して直径10〜30μmのノズル5を形成し、流路形成基板1に接着剤接合している。このノズル板3としては、ステンレス、ニッケルなどの金属、金属とポリイミド樹脂フィルムなどの樹脂との組み合せ、、シリコン、及びそれらの組み合わせからなるものを用いることができる。また、ノズル面(吐出方向の表面:吐出面)には、インクとの撥水性を確保するため、メッキ被膜、あるいは撥水剤コーティングなどの周知の方法で撥水膜を形成している。このノズル板3の周囲とヘッドフレーム17との間には封止剤26を充填している。この封止剤26は接着の役割も兼ねている。
【0035】
このように構成したインクジェットヘッドにおいては、圧電素子12に対して選択的に20〜50Vの駆動パルス電圧を印加することによって、パルス電圧が印加された圧電素子12が積層方向(d33方向を用いる場合)に変位して振動板2をノズル5方向に変形させ、加圧液室6の容積/体積変化によって加圧液室6内のインクが加圧され、ノズル5からインク滴が吐出(噴射)される。
【0036】
そして、インク滴の吐出に伴って加圧液室6内の液圧力が低下し、このときのインク流れの慣性によって加圧液室6内には若干の負圧が発生する。この状態の下において、圧電素子12への電圧の印加をオフ状態にすることによって、振動板2が元の位置に戻って加圧液室6が元の形状になるため、さらに負圧が発生する。このとき、インク供給口9から共通液室8、流体抵抗部であるインク供給路(連通部)7を経て加圧液室6内にインクが充填される。そこで、ノズル5のインクメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次のインク滴吐出のために圧電素子12にパルス電圧を印加しインク滴を吐出させる。
【0037】
なお、上記の説明ではノズルは上向きで図示しているが、画像を形成する部材、例えば紙などに向けてインクを噴射する場合は、インクを噴射する向きは鉛直下向きである場合が多く、本発明においても、画像形成時、即ちインク噴射時には水平に搬送される画像形成部材(紙など)の鉛直方向上から、インク滴が画像形成部材に向かって飛翔する。
【0038】
このようなインクジェットヘッドに、図示しないインク供給源、例えばインクカートリッジからインクを供給するが、製作直後のインクジェットヘッドの流路部分(連結管9や共通液室8や連通部7や加圧液室6やノズル5など)にはインクはなく、一般的には空気が存在している。初めて流路部分にインクを充填する際には、インク供給源からノズルに向かってインクを流し込むのだが、ノズル側から吸引することで、気体を流路内から排除することが行われる。インクを流し込む直前に、流路内を例えば二酸化炭素などインクへの溶解度の大きな気体で満たしておくと、流路に残存する気体=気泡が少なくなる利点があるが、完全な除去(=溶解)は難しいので、ノズル側からの吸引が行われる。
【0039】
また、インクジェットヘッド製作直後でなくても、インクカートリッジの製造工程で気泡が混入したり、インクカートリッジとヘッドとの接続時に気泡が進入したりすることは、インクジェット記録装置としては想定しておかなければならない。さらに、加圧液室には、ノズルからの気泡の侵入という場合もある。
【0040】
したがって、混入や侵入してきた気泡を除去するためのノズル5からの吸引は、性能を維持するために、インクジェット記録装置では一般的に行われている方法である。ノズル5側から吸引を行うことでインクは、流路全体をインク供給源→連結管9→共通液室8→連通部7→個別液室6→ノズル5の順で流れていき、インクの流れが気泡を運び、流路から気泡を除去することができる。
【0041】
ここで、前述したように、共通液室は、複数の加圧液室の連通部と連接する必要があるので、ヘッド全体から見ると、加圧液室の整列方向、すなわちノズルの整列方向に沿っており、最近の多ノズル化の傾向に伴い、長尺化が必要である。また、共通液室の流路の断面積は、流量を確保した上でできるだけ小さいほうが良い。さらに、隣接した加圧液室の駆動によって連通部から伝播してくる圧力波の低減のためには、共通液室の容積は大きい方が良い。
【0042】
そこで、本発明の共通液室の構成について図6以降をも参照して説明する。
まず、図6は共通液室長手方向に沿う断面説明図である。ここでは、図2の場合と上下を反転して、ノズル5から鉛直下向きにインク滴(図示しない)が飛翔するように表示している。インクは、図示しないインク供給源から連結管9を通って共通液室8へと進み、連通部7を介して連接している加圧液室6を通ってノズル5へと至る。なお、共通液室8の長手方向の端部に対応するノズル5aあるいは両端部のノズル5aに対応する加圧液室は画像形成には用いずに、気泡排出の吸引用として設けたダミーノズルとすることもできる。
【0043】
この共通液室8のディメンションの定義について図7及び図8を参照して説明する。なお、図7は図6から共通液室8と連通管9のみを抜き出した模式的斜視図、図8は液室の模式的説明図である。
【0044】
図7に示すように、共通液室8のノズルの整列方向に沿った連通部7と連通する面の大きさを『共通液室の長さL』と定義する。また、共通液室8の連通部7と連通する面の、前記『長さ』と直交する方向の大きさを『共通液室の幅W』と定義する。さらに、インク供給源から連結管9を通って共通液室8に向かう方向の共通液室8の大きさを『共通液室の深さD』と定義する。
【0045】
この共通液室の幅Wと共通液室の深さDの例を図8に示している。同図に示すように、共通液室8の深さ方向は鉛直方向であって、連通した面は共通液室8の鉛直下方面とする。なお、ここでは、加圧液室6や連通部7のインクの流れの向きと、共通液室の幅W、深さDには関連はない。
【0046】
さらに、加圧液室6に連通した面に対向する面を『底面』(底面31)と定義し、この底面に直交し長さ方向に平行な面を『横面』(横面32)と定義する。
【0047】
なお、連通部7は、同図に示すように、共通液室8が連通部7に連接する面の端部に形成している。このことによって、共通液室8から連通部7に向かうインクの流れが一方向になり、気泡の排出性が向上する。連通部7が共通液室8の連通部7に連接する面の端部にない場合は、幅方向でのインクの流れが少なくとも二方向になり、気泡を十分に排出することが難しくなる。
【0048】
そして、ここでは、図9及びその要部拡大斜視説明図である図10に示すように、共通液室8の底面31に仕切り状の部材である仕切り部33a〜33f(ただし、仕切り部は6個の限るものではなく、1以上であれば良い。仕切り部33と総称する。)を設けている。
【0049】
この仕切り部33は、フレーム部材17を形成するときに一体的に形成することもできるし、或いは、フレーム部材17に接着等の適切な一般的に知られた方法で別部材を接合するなどして設けても良い。
【0050】
例えば、フレーム部材17を樹脂で形成する場合は、仕切り部を設けた金型に樹脂を流し込むことで実現できる。仕切り部の形状のない金型を用いてフレーム部材17を形成した場合は、仕切り部形状のみを別の樹脂で作製し、既知の接着剤で共通液室8の底面31に接着することで設けることができる。また、フレーム部材17を金属で形成する場合は、切削や鋳造することで、同様のことが実現できる。仕切り部の形成についても、切削や鋳造で作った仕切り状部材を、溶接や蝋付けなどの接着を施すことは可能である。
【0051】
このように、共通液室9に仕切り部33を設けることによって共通液室8に充填されているインクの圧力共振状態の集中度合いを下げ、周波数ごとの圧力成分を変えることができる。これにより、圧力共振のピークに依存する機械振動や噴射特性の不具合を避け、圧力に起因する相互干渉や周波数依存性を改善することができ、画像の欠陥や液体使用の無駄を抑え、高品質な画像を高速で記録できるようになる。
【0052】
すなわち、例えば図9において、1の加圧液室6を「加圧液室6n」、この加圧液室6nの一方に隣接する加圧液室6を「加圧液室6m」(m=n−1又はn+1)と定義する。なお、ノズル5及び連通部7についても同様に定義する。
画像情報信号に従って圧電素子12を駆動して加圧液室6n内部の圧力を高めてノズル5nからインク滴を噴射する際、加圧液室6nの内部に発生した圧力は、連通部7nを介して共通液室8に伝播する。そして、共通液室8に伝播した圧力波は、ノズル5nに連通した加圧液室6nに隣接した別の加圧液室6mに連通する連通部7mを介してその加圧液室6mへと伝わり、内部の圧力を変化させる。
【0053】
所望の特性(例えば滴体積や滴速度)を有するインク滴を噴射するには適切な圧力特性を発生させる必要があるが、共通液室8を介して予期しない圧力波が重畳してしまうので、その加圧液室6mに連通したノズル5mは、インク滴の特性を制御することが難しくなってしまうことになる。
【0054】
この不具合に対処するために、前述したように共通液室8に存在しているインクのコンプライアンスを利用する方法がある。すなわち、非常に小さな値ではあるが、インクは圧縮性を有しているので、圧力が作用すると体積が小さくなる。その作用で、連通部7から伝播してくる圧力波を「吸収」し、隣接する別の連通部7へ伝わる圧力値を低減するものである。また、インクのコンプライアンス以外に、従来技術で述べたように、連通部に対向する共通液室の壁を構成する部材そのものを、圧力を吸収・散乱・乱反射させる材料に設定する方法もあるが、共振状態になった場合は、極めて大きな圧力値を生じ、共通液室を構成する構造体(この実施形態ではフレーム部材17)に機械的振動を与え、噴射特性に不具合を生じてしまうおそれが出てくる。
【0055】
これに対して、本実施形態のように共通液室8の壁面(底面31)に仕切り部33を設けることによって、共通液室8内部に生じる圧力波が、端部だけではなく仕切り部33で反射や摩擦しながら振動するので、共振状態が発現しにくく、多くの場合に不具合をもたらす周波数のピークを持たせなくすることができる。
【0056】
なお、この仕切り部33の共通液室8の幅方向の大きさは、共通液室8の幅方向の大きさの略半分以上であることが好ましい。すなわち、インク滴を噴射する印字周波数は、共通液室8の長手方向の大きさに起因した周波数の近辺にあるので、その長手方向のインク流路内の圧力の進行を阻害する(部分的な反射を含む)ように仕切り部33は設けるべきなので、幅方向にごくわずかな大きさしかないと、圧力波の共振状態を阻止する効果は極めて低くなるためである。
【0057】
また、本実施形態では共通液室8の底面31に板状の仕切り部33を設けたが、共通液室8の長手方向への、いわゆる「障害物」であればいいので、図11に示すように、板状ではなく、突起などの凸部形状の仕切り部33とすることもでき、この凸部形状は図11に図示したものに限らず、いわゆるピラミッド形状などでも良い。
【0058】
さらに、本実施形態では共通液室8の底面31に仕切り部33を設けたが、図12に示すように、仕切り部33は底面31ではなく、底面31に直交した横面32に設けることもでき、これによっても共通液室8の長手方向の圧力波に対する障害となるため、上記と同様な効果を得ることができる。この場合も、仕切り部33はは、板状に限らず、突起などの凸部形状でも良い。
【0059】
また、ここでは、共通液室8に連結している連結管9のインク流れ方向の断面は矩形としたが、図13に示すように、連結管9のインク流れ方向の断面は円形(楕円形を含む)でも良い。
【0060】
次に、上述した仕切り状部材または凸部を設置する位置について説明する。
前述したとおり、共通液室8のインク流路に発生する圧力波の振動は、流路長(あるいは仕切り部33、33の間隔)に依存することから、仕切り部33同士、仕切り部32と共通液室8の長手方向の端部との間の距離(間隔)は一定でない(異なっている。)ことが好ましい。
【0061】
例えば、図14に示すように、仕切り部33を1つだけ共通液室8に形成した場合は、その位置は、共通液室8の長手方向の中央ではない位置に形成すべきである。つまり、仕切り部33と共通液室8の長手方向の一端部8e1との間隔X1と、仕切り部33と共通液室8の長手方向の他端部8e2との間隔X2とを異ならせることが好ましい。これにより、共通液室8の長さLに関して少なくとも2種類の圧力振動周期が新たに出現するため、仕切り部がない状態に比べて共振状態が分散する。
【0062】
また、仕切り部33を2つ共通液室8に形成した場合にも同様である。例えば、図15に示すように2つの仕切り部33a、33bを形成した場合、仕切り部33aと共通液室8の長手方向の一端部8e1との間隔X1と、仕切り部33a、33b同士の間隔X2、仕切り部33bと共通液室8の長手方向の他端部8e2との間隔X3とをいずれも異ならせることが好ましい。これにより、圧力波の共振状態をより分散させることができる。
【0063】
ところで、共通液室8の圧力波の共振状態は、流路長、すなわち長手方向の長さ、および、仕切り部33同士の間隔(それらと、共通液室長さ方向の端部との間隔も含む)に加えて、共通液室8を構成している構造体そのものの機械的共振状態にも依存している。
【0064】
したがって、圧力波が衝突する仕切り部33も、共通液室8を構成している部材(ここでは、フレーム部材17)の剛性とは異なっていた方が、圧力振動の周波数をより多様化でき、共振状態を低減できる。剛性は、材料物性そのものと寸法形状の両面から規定されるので、異なる剛性を得るには柔軟な対応設計が可能な利点がある。例えばヤング率の異なった材料を用いることでも実現できる。
【0065】
これに加えて、仕切り部33を複数形成してある場合、それらの剛性も互いに異なっている方が、機械的振動に基づく圧力振動の周波数をさらに多種類にでき、共振のピークを低減できることから、より良好な噴射特性を実現することができる。その場合、ヤング率等の材料物性を変えることや、仕切り部の厚さや長さを異ならせることで実施することができる。
【0066】
一方で、上述したとおり、共通液室の気泡排出性は重要な特性である。インクジェットヘッド製造後に初めてインクを充填するような場合だけでなく、プリンタとして使用中に混入した気泡を排出できなければならない。
【0067】
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドの第2実施形態について図16及び図17を参照して説明する。
まず、図16は、連結管9を共通液室8の長手方向中央に設けたモデルを共通液室8の幅方向から見たもので、連結管9の中心軸を通る対称面で切断したハーフモデルであって、下向きに圧力を加えた場合のインクの流速をベクトル表示している。連通管のインク流れ方向の断面は円形で、3つのモデルとも同じ直径であり、共通液室8の長さと幅も同じものである。同図の(a)→(b)→(c)の順に、共通液室の深さが大きくなっている。また、(a)のみが、共通液室の深さが均一になっている。
【0068】
この結果から分かるように、ベクトル、すなわち流速を示す矢印の数が多いのは同図(c)のモデルであるが、図示しない連通部に連通する面で大きな流速を有するのは同図(a)である。特に、連結管9の接合近傍の共通液室8は大きな流速となっており、気泡の排出性が良いことが分かる。また、共通液室内の気泡は浮力を受けるために、共通液室8の上側の壁、すなわち『底面31』寄りに存在することになるが、共通液室8の深さが全体として浅くなっているほど、底面31寄りに滞留している気泡の近傍をインクが良く流れることが同図(a)の結果から分かる。前述したように、共通液室8のインク流れ方向の断面積は小さいほうが良いので、したがって、同図(a)に示すように共通液室8の深さは略一定であるほうが好ましい。
【0069】
この共通液室8の底面31または横面32に、仕切り部33を設けることを考えると、気泡が存在した場合には、気泡は底面31に滞留することになる。吸引動作を行うと、共通液室8の底面31近傍の流れに押し出される形で気泡は排出される。
【0070】
そこで、この第2実施形態においては、図17に示すように、仕切り部33には、共通液室8の底面31との間に隙間34a、34bを形成している。これにより、その隙間34a、34bを通って気泡を流すことができ、気泡排出性を向上できる。
【0071】
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドの第3実施形態について図18を参照して説明する。
この実施形態は、共通液室8の端部8aでは幅を狭く形成したものである。
【0072】
すなわち、共通液室8の長さ方向にインクが流れていく場合を考えると、共通液室8の端部8aに近づくにつれて供給すべき加圧液室6の数も少なくなり、必要とする流量も少なくなるので、長さ方向の端部8aでは、インクの流れに対する流体抵抗は大きくても構わない。つまり、流れに対する断面積を小さくしても良い。逆に、図16から分かるように、端部の流速はもともと小さいので、断面積を小さくして流速を大きくしたほうが、共通液室内部に滞留する気泡の排出性は向上する。断面積を小さくするには幅または深さを小さくすれば良いが、この実施形態のように、長さ方向の端部に向かうにつれて幅を徐々に狭くしていくことで、スムーズな流れを形成することができる。
【0073】
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドの第4実施形態について図19を参照して説明する。
この実施形態では、共通液室8に複数(ここでは2個)の連結管9a、9bを設けている。なお、複数の連結管9a、9bはインク供給源に到達する前段階で1つに合流しても良い。
【0074】
上述したように、共通液室8の底面31または横面32に、仕切り部32を設けることで、圧力波に起因する噴射特性の改善を図ることができるが、複数の仕切り部32を設けると、共通液室8の流体抵抗が大きくなりすぎて、必要な流量が確保できなくなるおそれがある。そこで、連結管を複数設けることによって、1つの連結管が受け持つ共通液室の部分を少なくすることができて、分散することができる。これにより、必要な流量を確保しつつ、共通液室の底面に複数の仕切り部を設けることができる。
【0075】
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドの第5実施形態について図20を参照して説明する。
この実施形態では、共通液室8の底面31をゆるやかに傾斜させている。この場合も、大きな仕切り部33が形成されている状態と同じになる。
【0076】
なお、上記実施形態においては、加圧液室の内部圧力を変化させるアクチュエータ(駆動手段)として、圧電素子を用いる例で説明したが、例えば、加圧液室の壁面の一部を形成する振動板を電極とし、この振動板に対向してさらに電極を設け、これらの振動板と電極との間に電圧を加えて、生じる静電気力で振動板を変形させる静電型アクチュエータを用いることもでき、また、加圧液室内部にヒータなどの発熱抵抗体(電気熱変換体)を設け、インクを状態変化(膜沸騰)させて圧力変化を生み出すサーマル方式のヘッドにも適用できる。
【0077】
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドを搭載した画像形成装置であるインクジェット記録装置の一例について図21及び図22を参照して説明する。なお、図21は本発明に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置の全体構成を説明する構成図、図22は同記録装置の要部模式的平面説明図である。
【0078】
このインクジェット記録装置は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド101とステー102とでキャリッジ103を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ104でタイミングベルト105を介して図22で矢示方向(主走査方向)に移動走査する。
【0079】
このキャリッジ103には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する本発明に係る液滴吐出ヘッドである4個のインクジェットヘッドからなる記録ヘッド107を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
【0080】
また、キャリッジ103には、記録ヘッド107に各色のインクを供給するための各色の前述したインク供給源であるサブタンク108を搭載している。このサブタンク108には図示しないインク供給チューブを介してメインタンク(インクカートリッジ)からインクが補充供給される。
【0081】
一方、給紙カセット110などの用紙積載部(圧板)111上に積載した用紙112を給紙するための給紙部として、用紙積載部111から用紙112を1枚づつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)113及び給紙コロ113に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド114を備え、この分離パッド114は給紙コロ113側に付勢されている。
【0082】
そして、この給紙部から給紙された用紙112を記録ヘッド107の下方側で搬送するための搬送部として、用紙112を静電吸着して搬送するための搬送ベルト121と、給紙部からガイド115を介して送られる用紙112を搬送ベルト121との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ122と、略鉛直上方に送られる用紙112を略90°方向転換させて搬送ベルト121上に倣わせるための搬送ガイド123と、押さえ部材124で搬送ベルト121側に付勢された先端加圧コロ125とを備えている。また、搬送ベルト121表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ126を備えている。
【0083】
ここで、搬送ベルト121は、無端状ベルトであり、搬送ローラ127とテンションローラ128との間に掛け渡されて、電動機である副走査モータ131からタイミングベルト132及びタイミングローラ133を介して搬送ローラ127が回転されることで、矢示方向(ベルト搬送方向)に周回するように構成している。
【0084】
この搬送ベルト121は、抵抗制御を行っていない純粋な厚さ40μm程度の樹脂材、例えばETFEピュア材で形成した用紙吸着面となる表層21aと、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。
【0085】
帯電ローラ126は、搬送ベルト121の表層に接触し、搬送ベルト21の回動に従動して回転するように配置され、加圧力として軸の両端に各2.5Nをかけている。また、搬送ローラ127はアースローラの役目も担っており、搬送ベルト121の中抵抗層(裏層)と接触配置され接地している。
【0086】
また、搬送ベルト21の裏側には、記録ヘッド4による印写領域に対応してガイド部材136を配置している。このガイド部材136は、上面が搬送ベルト121を支持する2つのローラ(搬送ローラ127とテンションローラ128)の接線よりも記録ヘッド107側に突出している。これにより、搬送ベルト121は印写領域ではガイド部材136の上面にて押し上げられてガイドされる。
【0087】
さらに、記録ヘッド107で記録された用紙112を排紙するための排紙部として、搬送ベルト121から用紙112を分離するための分離部と、排紙ローラ142及び排紙コロ143と、排紙される用紙112をストックする排紙トレイ144とを備えている。また、背部には両面給紙ユニット151が着脱自在に装着されている。この両面給紙ユニット151は搬送ベルト121の逆方向回転で戻される用紙112を取り込んで反転させて再度カウンタローラ122と搬送ベルト121との間に給紙する。
【0088】
このように構成したインクジェット記録装置においては、給紙部から用紙112が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙112はガイド115で案内され、搬送ベルト121とカウンタローラ122との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド123で案内されて先端加圧コロ125で搬送ベルト121に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
【0089】
このとき、図示しない制御回路によって高圧電源から帯電ローラ126に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト121が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト121上に用紙112が給送されると、用紙112内で帯電パターンと反対の電荷に分極するので、平行接続されたコンデンサが形成されたこととなり、用紙112が搬送ベルト121に吸着され、搬送ベルト121の周回移動によって用紙112が副走査方向に搬送される。
【0090】
そこで、キャリッジ103を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド107を駆動することにより、停止している用紙112にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙112を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙112の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙12を排紙トレイ144に排紙する。
【0091】
このようにこのインクジェット記録装置においては、本発明に係る液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドを備えているので、共通液室の圧力変動が抑制されて安定した噴射特性が得られるので、高速で高画質記録を行うことができる。
【0092】
なお、上記実施形態においては、液滴吐出ヘッドとしてインクジェットヘッドに適用した例で説明したが、インクジェットヘッド以外の液滴吐出ヘッドとして、例えば、液体レジストを液滴として吐出する液滴吐出ヘッド、DNAの試料を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドなどの他の液滴吐出ヘッドにも適用できる。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る液滴吐出ヘッドによれば、共通液室の底面又は横面に仕切り部を設けたので、共通液室に充填されている液体の圧力共振状態の集中度合いを下げ、周波数ごとの圧力成分を変えることができて、相互干渉や周波数依存性を改善され、安定した滴吐出特性が得られる。
【0094】
本発明に係る画像形成装置によれば、液滴を吐出する液滴吐出ヘッドとして本発明に係る液滴吐出ヘッドを搭載したので、安定して高品質の画像を記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液滴吐出ヘッドの第1実施形態を示すインクジェットヘッドの分解斜視説明図
【図2】同ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図
【図3】図2の要部拡大説明図
【図4】同ヘッドの液室短手方向に沿う断面説明図
【図5】同ヘッドの要部拡大斜視説明図
【図6】同ヘッドの共通液室の長手方向に沿う断面説明図
【図7】同ヘッドの共通液室のディメンジョンの定義の説明に供する模式的斜視説明図
【図8】同じく共通液室の幅、深さ、底面、横面の説明に供する説明図
【図9】本発明に係る共通液室構造の説明に供する同ヘッドの共通液室の長手方向に沿う断面説明図
【図10】同じく要部斜視説明図
【図11】同じく仕切り部の他の例を示す要部斜視説明図
【図12】同じく仕切り部を設ける箇所の他の例を示す要部斜視説明図
【図13】共通液室につながる連結管の他の形状を説明する視説明図
【図14】仕切り部の設置位置及び間隔の一例の説明に供する共通液室の長手方向に沿う説明図
【図15】仕切り部の設置位置及び間隔の他の例の説明に供する共通液室の長手方向に沿う説明図
【図16】本発明に係る液滴吐出ヘッドの第2実施形態の説明に供する数値シュミレーションの結果を示す説明図
【図17】同実施形態の説明に供する斜視説明図
【図18】本発明に係る液滴吐出ヘッドの第3実施形態の説明に供する斜視説明図
【図19】本発明に係る液滴吐出ヘッドの第4実施形態の説明に供する斜視説明図
【図20】本発明に係る液滴吐出ヘッドの第5実施形態の説明に供する斜視説明図
【図21】本発明に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置の一例を示す概略構成図
【図22】同記録装置の要部模式的平面説明図
【符号の説明】
1…流路形成基板、2…振動板、3…ノズル板、5…ノズル、6…加圧液室、7…インク供給路(連通部)、8…共通液室、9…インク供給口(連結管)、12…圧電素子、13…ベース基板、17…フレーム部材、31…底面、32…横面、33、33a〜33f…仕切り部。

Claims (8)

  1. 液滴を吐出する複数のノズルと、ノズルに連通した複数の加圧液室と、各加圧液室に連通し、液体供給源からの液体が供給される共通液室と、前記加圧液室内の液体を加圧する駆動手段とを備えた液滴吐出ヘッドにおいて、前記共通液室の
    長さを前記複数のノズルが整列している方向の大きさ、
    深さを前記液体供給源から前記加圧液室方向の大きさ、
    幅を前記加圧液室に連通した面の前記ノズル整列方向とは直交する方向の大きさ、とし、
    前記共通液室の深さ方向は鉛直方向であって、前記加圧液室に連通した面は前記共通液室の鉛直下方面であり、この加圧液室に連通した面に対向する面を底面としたとき、底面又は底面に直交し長さ方向に平行な面に、幅方向の略半分以上の大きさを有する少なくとも1つの仕切り部が形成されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 請求項1に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、2つ以上形成された前記仕切り部同士、又は前記仕切り部と前記共通液室の長さ方向の端部との間隔が、2種類以上あることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  3. 請求項1又は2に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、2つ以上形成された前記仕切り部同士、又は前記仕切り部と前記共通液室の長さ方向の端部との間隔は、それぞれが残りのいずれの整数倍になっていないことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記仕切り部と前記共通液室を構成する部材とは、異なる剛性の部材で形成されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、2つ以上形成された前記仕切り部の内の少なくとも1つの仕切り部の剛性が他の仕切り部の剛性と異なっていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記仕切り部と前記の底面との間に隙間があることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記共通液室と前記液体供給源とを連通する連結管が複数あることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  8. 液体を吐出する液滴吐出ヘッドを備えた画像形成装置において、前記液滴吐出ヘッドが請求項1ないし7のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドであることを特徴とする画像形成装置。
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