JP2004358719A - 消耗品カートリッジを装着することができる電子機器 - Google Patents

消耗品カートリッジを装着することができる電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】検出されたエラーの正否を確かめることができるようにする。
【解決手段】制御部50は、エラーの発生が検出された場合、そのエラーのエラーログを、カートリッジアンテナ60及びプリンタアンテナ36を介してカートリッジメモリ41に格納する(S51)。そして、制御部50は、その格納したエラーログをカートリッジメモリ41に対してライトしたとき、カートリッジメモリ41から上記格納したエラーログを再度リードして(S52)、そのリードしたエラーログと元の格納したエラーログとの比較を行なう(S53)。その比較の結果、一致が得られれば(S53でY)、制御部50は、上記格納したエラーログは正確なものと判定し(S54)、不一致であれば(S53でN)、上記検出されたエラーはアクセスエラーであったと判定する。
【選択図】 図8

Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、記憶媒体を備えた消耗品カートリッジを着脱可能に装着することができる電子機器、例えばプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、記憶媒体を備えた着色剤カートリッジを備えることができるプリンタが既に知られている。その記憶媒体(以下、「カートリッジ記憶媒体」と言う)には、仕向け先情報等の所定のデータが出荷時に記録されており、この種のプリンタは、その所定のデータを読み出し、その所定のデータを基に所定の処理を実行することができる(例えば特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2003−11387号。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
カートリッジ記憶媒体とプリンタとの間に接触不良又は通信不良が生じている場合、プリンタでは着色剤カートリッジに関連したエラーが生じてしまっていると認識され得る(例えば、着色剤カートリッジが装着されているにも関わらず装着されていないと認識されたり、着色剤カートリッジには着色剤が十分に充填されているにも関わらず着色剤が無いと認識されたりし得る)。そのため、実際に発生したエラーとは異なるエラーのための処理が行われてしまう場合があり得る。
【0005】
また、プリンタで何らかのエラーが生じると、着色剤カートリッジには何の不具合がないにも関わらず、ユーザから着色剤カートリッジのみが返品されることがある。その場合、発生したエラーが何であるかや、その原因が何であるかを特定することはできない。
【0006】
以上のような問題点は、プリンタに限らず、記憶媒体を持つことが可能な消耗品カートリッジを装着することができる他の種類の電子機器についても同様に起こり得るものである。
【0007】
従って、本発明の目的は、検出されたエラーの正否を確かめることができるようにすることにある。
【0008】
本発明の別の目的は、電子機器で発生したエラーに関する情報を消耗品カートリッジから識別することができるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に従う電子機器は、電子機器本体と前記電子機器本体に着脱可能な消耗品カートリッジとを有する電子機器であって、前記消耗品カートリッジには、データを記憶するためのカートリッジ記憶媒体が設けられ、前記カートリッジ記憶媒体に対してデータのリード及びライトを行なうカートリッジアクセス手段と、エラー(例えば、前記消耗品カートリッジ又はそのカートリッジ内の消耗品に関するエラー)の発生が検出された場合、そのエラーのエラーログを、前記カートリッジアクセス手段を介して前記カートリッジ記憶媒体に格納するエラーログ格納手段と、前記エラーログ格納手段がエラーログを前記カートリッジ記憶媒体に対してライトしたとき、前記カートリッジ記憶媒体から前記ライトしたエラーログを再度リードして、元のライトしたエラーログとの比較を行なう比較手段と、前記比較の結果、一致が得られれば、前記ライトしたエラーログは正確なものと判定し、不一致であれば、前記検出されたエラーはアクセスエラーであったと判定するエラー正否判定手段とを備える。
【0010】
ここで、「消耗品カートリッジ」とは、電子機器の消耗品を保持することができる装置のことであり、例えば、電気機器が光学式カメラであれば、帯状のフィルムが巻かれているフィルムカートリッジ等であるし、電子機器がプリンタであれば、インクやトナー等の着色剤を格納している着色剤カートリッジや、ドラム状の感光体を持つ感光体カートリッジや、紙等の印刷媒体がセットされる印刷媒体カートリッジ等である。
【0011】
第1の好適な実施形態では、前記エラー正否判定手段は、前記検出されたエラーがアクセスエラーであったと判定された場合、前記アクセスエラーの解消のための処理を行って、その後、所定の方法により、前記アクセスエラーが解消したか否かの判断を行う。
【0012】
ここで、「アクセスエラーの解消のための処理」とは、例えば、現在装着されている消耗品カートリッジを一旦取り外して再度装着させるように指示するメッセージを音声で又はディスプレイ画面に出力する処理である。その場合、前記エラー正否判定手段は、前記現在装着されている消耗品カートリッジが取り外されて再度装着されたことが検出されたときに、再び、前記アクセスエラーが解消したか否かの判断を行うことができる。
【0013】
また、アクセスエラーが解消したか否かを判断するための「所定の方法」とは、例えば、以下の(1)又は(2)の方法、
(1)所定の契機で、前記カートリッジアクセス手段を介して、前記カートリッジ記憶媒体が有するリード専用領域から固定データとチェックデータとをリードし、前記リードされた固定データを前記リードされたチェックデータでチェックすることにより、前記アクセスエラーの有無を判断する方法、
(2)前記カートリッジアクセス手段が何らかのデータのライト又はリードを前記カートリッジ記憶媒体に対して行なったとき、前記カートリッジ記憶媒体から前記ライト又はリードされたデータを再度リードして、元のライト又はリードされたデータとの比較を行なうことにより、前記アクセスエラーの有無を判断する方法、
がある。
【0014】
第3の好適な実施形態では、前記エラーログ格納手段は、前記エラー正否判定手段によって前記アクセスエラーが解消されたと判断された場合、前記ライトしたエラーログを前記外部記憶装置から削除する(又は、前記ライトしたエラーログに前記アクセスエラーのエラーログを上書きする)。
【0015】
第4の好適な実施形態では、前記エラー正否判定手段は、前記比較の結果が不一致であれば、前記エラーログのライト又はリードを行ないそのデータを再度リードして前記比較を行なうという一連の処理を、前記比較の結果として一致が得られるまで繰り返し、前記一連の処理を所定回数繰返しても前記比較の結果として一致が得られなければ、前記アクセスエラーが有ると判断する。
【0016】
第5の好適な実施形態では、前記消耗品カートリッジの状態を検出するカートリッジ状態センサと、前記カートリッジ状態センサからの出力信号を連続的に入力し、その連続して入力された出力信号同士を比較することにより、前記カートリッジ状態センサの検出エラーを検出するセンサエラー検出手段とが更に備えられる。前記検出エラーが検出された場合、前記エラーログ格納手段は、その検出エラーのエラーログを前記カートリッジ記憶媒体に格納する。
【0017】
第6の好適な実施形態では、前記電子機器本体は、データを記憶する電子機器記憶媒体を備え、前記エラーログ格納手段は、前記カートリッジ記憶媒体だけでなく前記電子機器記憶媒体にも前記エラーログを格納する。
【0018】
第7の好適な実施形態では、前記第1の好適な実施形態において、前記エラー正否判定手段は、前記アクセスエラーが解消されたが、以前として先に検出された前記エラーと同じエラーが検出される場合、そのエラーの内容に応じた処理を実行する。
【0019】
第8の好適な実施形態では、前記第1の好適な実施形態において、前記エラー正否判定手段は、前記アクセスエラーが解消されない場合には、再び前記アクセスエラーの解消のための処理を行い、その処理を所定回数行うまでに前記アクセスエラーが解消されたと判断されない場合には、アクセスエラーの解消が不可能であるとして所定の処理(例えば、音声で又はディスプレイ画面にメッセージを表示する等の方法により、販売店等の所定の連絡先に連絡するよう指示する、或いは、現在装着されている消耗品カートリッジを新品に交換するように指示する等)を実行する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る電子機器が適用されたインクジェットプリンタを説明する。まず、そのインクジェットプリンタの全体概要を説明する。
【0021】
図1は、本実施形態に係るインクジェットプリンタの構成を示すブロック図である。
【0022】
本実施形態に係るインクジェットプリンタ(以下、単に「プリンタ」と言う)100は、紙送り機構、印刷機構、印刷制御部、及びホストインターフェース54を有している。
【0023】
紙送り機構は、紙送りモータや紙送りローラ等を有しており、後述する制御部50の制御の下、紙送りモータの駆動により紙送りローラが回転し、印刷用紙を副走査方向に搬送する。
【0024】
印刷機構は、主走査方向に往復走行するキャリッジ12や、キャリッジ12を走行させるキャリッジモータ(図示せず)や、キャリッジ12を案内するために主走査方向に長いガイド部材(図示せず)等を備えている。
【0025】
キャリッジ12には、印刷用紙Pにインク滴を吐出する吐出ヘッドとしての記録ヘッド(図示せず)や、複数色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの4色)にそれぞれ対応した複数のインクカートリッジ31〜34をそれぞれ着脱可能に装着することができる複数のカートリッジ装着部CC1〜CC4が備えられている。
【0026】
各インクカートリッジ31、32、33、又は34は、直方体状になっており、所定の面に(例えば副走査方向を向いた面に)、記憶ユニットを有している。各記憶ユニットには、アンテナ36(37、38、又は39)及び記憶素子41(42、43、又は44)が含まれている。各記憶素子41、42、43、又は44は、例えばEEPROM等の不揮発性メモリであり、アンテナ36、37、38、又は39に接続されている(以下の説明では、その記憶素子を「カートリッジメモリ」と称し、そのアンテナを「カートリッジアンテナ」と称する)。カートリッジメモリ41、42、43、又は44には、所定のデータ、例えば、インクの残量又は使用量、そのカートリッジメモリに固有の識別コード(例えばシリアル番号)、又は、そのカートリッジメモリが搭載されているインクカートリッジに固有の識別コード(例えばシリアル番号)等を書き込むことができる(カートリッジメモリについては後に詳述する)。
【0027】
印刷制御部は、プリンタ全体の動作を制御する制御部(例えばCPU)50と、プログラムを格納したリードオンリメモリ(ROM)51と、ワーキングデータ等を一時的に格納するランダムアクセスメモリ(RAM)52と、エラーログの書込み先等に利用される記録媒体(例えばEEPROM、以下、「プリンタメモリ」と言う)102とを有している。
【0028】
制御部50には、ROM51、RAM52及びEEPROM102が接続されており、それらの記憶媒体に対してデータの読み出し又は書き込みを行うことができる。また、制御部50は、キャリッジ12を含む印刷機構や紙送り機構等が接続され、この各機構に対して作動信号が出力されるようになっている。また、制御部50は、記録ヘッドから吐出されるインクの吐出量を、インクカートリッジ毎に積算し、その積算結果をRAM52に保存することができる。
【0029】
また、制御部50は、ホストインターフェース54を介して外部のコンピュータ(例えばパーソナルコンピュータ)55と通信可能に接続し、そのコンピュータ55との間で印刷データ等の受け渡しを行うことができる(なお、コンピュータ55には、ディスプレイ装置等の表示部56や種々のデータを入力するキーボード57などが接続されており、また、プリンタ100を制御するためのプリンタドライバ(ソフトウェア)がインストールされている)。
【0030】
更に、制御部50は、プリンタ100内部の所定箇所に移動可能に又は固定的に備えられているアンテナ(以下、「プリンタアンテナ」と称する)60と送受信回路501を介して通信可能に接続されている。制御部50は、このプリンタアンテナ60及びカートリッジアンテナ36〜39を介して、各カートリッジメモリ41〜44に対して所定のデータの(例えばインクの属性データ)の読み出し又は書き込みを行うことができる。
【0031】
制御部50は、例えばカートリッジメモリ41に対し所定のデータの読出し又は書き込みを行なうときは、キャリッジ機構を制御して、カートリッジアンテナ36とプリンタアンテナ60とが無線通信できる位置に向けてキャリッジ12を走行させ、キャリッジ12がその位置に到達した後で、カートリッジアンテナ36及びプリンタアンテナ60を介してカートリッジメモリ41に対しデータの読出し又は書き込みを行なう。ここで、「カートリッジアンテナ36とプリンタアンテナ60とが無線通信できる位置」とは、例えばキャリッジ12の位置の原点となるホームポジションであり、具体的には、例えば、カートリッジアンテナ36とプリンタアンテナ60との距離が10mm以内になる位置である。
【0032】
以上が、本実施形態に係るインクジェットプリンタの全体概要である。次に、本実施形態において本願発明と特に関連性の高い部分について説明する。なお、以下の説明において、カートリッジ装着部CC1は、他のカートリッジ装着部CC2〜CC4と機能的に同一であり、また、インクカートリッジ31も、他のインクカートリッジ32〜34と機能的には同一であるので、カートリッジ装着部CC1及びそれに装着されるインクカートリッジ31を代表的に用いて説明する。
【0033】
図2は、カートリッジメモリ41のメモリマップを示す。
【0034】
カートリッジメモリ41には、プリンタ100がデータのリードとライトを行なうようになっているリード・ライト領域RWと、プリンタ100がデータのリードのみを行なうようになっているリード専用領域Rとが設けられている。換言すれば、カートリッジメモリ41にアクセスするプリンタ100の制御部50は、カートリッジメモリ41の第1の領域をリード・ライト領域RWとして認識し、第2の領域をリード専用領域Rとして認識するようになっている。
【0035】
リード・ライト領域RWは、制御部50によって、データが書込まれたり、そのデータが消去又は別のデータに上書きされたり、データが読み出されたりする領域である。リード・ライト領域RWは、例えば工場出荷時の新品の際には空きになっており、プリンタ100で使用されることにより、書き換えられても良い種々の情報、例えば、インク使用量(又は残量)や、書換え可能領域RW内のデータの更新日等が格納される。また、リード・ライト領域RWには、プリンタ内でエラーが発生したときにそのエラーに関するエラーログの書込み先であるエラーログ格納領域が用意されている。エラーログ格納領域(つまりエラーログの書込み先となる所定の1又は複数のアドレス)は、例えば変動することのない固定の領域であり、予めプリンタ100側に決められていても良いし、或いは、カートリッジメモリ41の所定の領域にプリンタ100に対しエラーログ格納領域を指定するための情報が格納されていて、その情報をプリンタ100が読み出したときにその情報からエラーログ格納領域をプリンタ100が認識するようになっていても良い。1つのエラーログは、例えば、エラー発生日時を含み、所定のデータサイズ(一例として1バイト)であり、エラーログ格納領域は、1又は複数のエラーログを格納することができるようになっている。また、エラーログは、エラーの名称及び発生原因等が特定可能な詳細な情報であっても良いし、発生したエラーに固有のエラー識別コード(例えばエラー番号)であっても良い。また、エラーログ格納領域には、最新のエラーログのみが記録されるようになっていて、新たにエラーが発生する都度に、書込み済みの直前のエラーログが最新のエラーログに上書きされても良い。
【0036】
リード専用領域Rは、制御部50がデータのリードのみを行い、データの書込みや消去が行なわれないようになっている領域である。リード専用領域Rには、インクカートリッジ31が初めて使用される前から既に(例えば工場出荷時に)データが格納されている。リード専用領域Rに格納されているデータには、所定の固定的内容の固定データと、前記固定データをチェックするためのチェックサムとがある。固定データは、例えば、インク種類、インク充填量、カートリッジ製造年月日、カートリッジメモリ41に固有の識別コード(例えばシリアル番号)、及びそのカートリッジメモリ41が搭載されているインクカートリッジ31に固有の識別コード(例えばシリアル番号)の少なくとも1つを含んだデータである(なお、カートリッジ31に固有の識別コードに、カートリッジ31の製造年月日を表すデータが含まれていても良い)。一方、チェックサムは、固定データから算出することができるデータある。このチェックサム及び固定データを読み出した制御部50は、チェックサムを用いて固定データをチェックすることにより、プリンタアンテナ60及びカートリッジアンテナ36を介してカートリッジメモリ41に正常にアクセスできないエラー(以下、そのエラーを「アクセスエラー」と言う)を検出することができる。
【0037】
以下、インクジェットプリンタ100における動作流れを説明する。
【0038】
図3は、固定データチェック処理の流れを示す。
【0039】
制御部50は、インクカートリッジ31が装着された場合、インクカートリッジ31が装着されてから取り外されるまでにおける所定のタイミングで、固定データのチェック処理(換言すれば、アクセスエラーの有無の判別処理)を開始する。
【0040】
制御部50は、カートリッジメモリ41のリード専用領域Rから、固定データを読み出しRAM52に書く(ステップS1)。また、制御部50は、そのリード専用領域Rから、チェックサムを読み出しRAM52に書く(S2)。そして、制御部50は、S2で読み出しRAM52に書いたチェックサムを用いて、S1で読み出しRAM52に書いた固定データをチェックする。具体的には、制御部50は、S1で読み出した固定データからチェックサムを算出してRAM52に書き、そのチェックサムと、S1で読み出した固定データとの比較を行なう(S3)。
【0041】
その比較の結果、一致であれば(S3でY)、制御部50は、プリンタアンテナ60とカートリッジアンテナ36との間でのアクセスエラーは無し(つまり正常)と判断する(S4)。
【0042】
一方、S3の比較の結果、不一致であれば、制御部50は、S3の比較の結果として一致が得られるまで、上述したS1〜S3の処理を繰返す(S5でN)。その結果、一致が得られれば、制御部50は、上記アクセスエラーは無しと判断し、一方、S1〜S3の処理を所定回数(例えば5回)繰返しても上記一致が得られなければ(S5でY)、アクセスエラー有り(つまり異常)と判断する(S6)。制御部50は、アクセスエラー有りと判断した場合は、所定の処理、例えば、後述するエラーログ書込み処理(図7を参照して説明する処理)、及び/又は、ユーザに所定の警告(例えば、「通信エラーが生じました。インクカートリッジを一旦取り外し装着し直して下さい。」というメッセージ)を報知する処理を実行することができる。警告は、図示しないプリンタ100のディスプレイ画面(例えば操作パネル)に表示しても良いし、コンピュータ55にインストールされているプリンタドライバによって表示部56にされても良い。
【0043】
また、以上の処理において、正常と判断された場合(S4)、制御部50は、チェックサムを用いたチェックが済んだ固定データと、プリンタ100に関するプリンタデータ(このプリンタデータは例えばプリンタメモリ102に記憶されている)とをRAM52に書いて比較することにより、インクカートリッジ31がプリンタ100に適したものであるか否かを判断することもできる。その際、その判断の結果、インクカートリッジ31がプリンタ100に適切である場合には、制御部50は、次の所定の処理を実行し、不適切である場合には、所定の警告(例えば、カートリッジ31がプリンタ100に不適切である旨、カートリッジ31を別の種類のカートリッジに交換すること、及びプリンタ100に適したインクカートリッジの種類の少なくとも1つ)をユーザに報知することができる。
【0044】
図4は、カートリッジ状態センサの検出エラーの有無の判別処理の流れを示す。
【0045】
カートリッジ状態センサは、図示しないが、インクカートリッジ31の状態(例えばインク残量)を検出するためのセンサであり、プリンタ100内部の所定の位置又はインクカートリッジ31の所定の箇所に設けられているものである。プリンタ100は、インクカートリッジ31が装着されているときには、そのカートリッジ状態センサの出力信号(つまり状態検出結果)が所定の経路で制御部50に連続的に入力されるようになっている。
【0046】
制御部50には、カートリッジ状態センサの出力信号が例えば一定間隔で連続的に入力される(S11、S12)。制御部50は、入力された第1の出力信号(例えばインク残量)と、入力された第2の出力信号(例えば第1の出力信号が入力された時点と直近の時点で入力された信号)との比較を行なう(S13)。
【0047】
その比較の結果、一致又は差異が所定の許容範囲内(以下、「一致等」と言う)であれば(S13でY)、制御部50は、プリンタアンテナ60とカートリッジアンテナ36との間でのアクセスエラーは無し(つまり正常)と判断する(S14)。
【0048】
一方、S13の比較の結果、差異が所定の許容範囲外であれば、制御部50は、S13の比較の結果として一致等が得られるまで、上述したS11〜S13の処理を繰返す(S15でN)。その結果、一致等が得られれば、制御部50は、上記アクセスエラーは無しと判断し、一方、S11〜S13の処理を所定回数(例えば5回)繰返しても上記一致等が得られなければ(S15でY)、アクセスエラー有り(つまり異常)と判断する(S16)。制御部50は、アクセスエラー有りと判断した場合は、例えば、図3のS6のときの同様の処理を実行することができる。
【0049】
図5は、カートリッジメモリ41へのデータ書き込み処理の流れを示す。
【0050】
制御部50は、所定のデータをRAM52に書くと共にカートリッジメモリ41に書き込む(S21)。次に、制御部50は、その書き込んだデータをカートリッジメモリ41から読み出しRAMに書く(S22)。そして、制御部50は、RAM52に展開されている2つのデータ、すなわち、S21でカートリッジメモリ41に書き込んだデータと、それをS22でカートリッジメモリ41から読み出したデータとの比較を行なう(S23)。
【0051】
その比較の結果、一致であれば(S23でY)、制御部50は、プリンタアンテナ60とカートリッジアンテナ36との間でのアクセスエラーは無し(つまり正常)と判断する(S24)。
【0052】
一方、S23の比較の結果、不一致であれば、制御部50は、S23の比較の結果として一致が得られるまで、上述したS21〜S23の処理を繰返す(S25でN)。その結果、一致が得られれば、制御部50は、上記アクセスエラーは無しと判断し、一方、S21〜S23の処理を所定回数(例えば5回)繰返しても上記一致が得られなければ(S25でY)、アクセスエラー有り(つまり異常)と判断する(S26)。制御部50は、アクセスエラー有りと判断した場合は、例えば、図3のS6のときの同様の処理を実行することができる。
【0053】
図6は、カートリッジメモリ41からのデータ読み込み処理の流れを示す。
【0054】
制御部50は、所定のデータをカートリッジメモリ41から読み出しRAM52に書く(S31)。次に、制御部50は、それと同じデータを再度カートリッジメモリ41から読み出しRAMに書く(S32)。そして、制御部50は、RAM52に展開した2つのデータ、すなわち、S31でカートリッジメモリ41から読み出したデータと、S32で再度読み出したデータとの比較を行なう(S33)。
【0055】
その比較の結果、一致であれば(S33でY)、制御部50は、プリンタアンテナ60とカートリッジアンテナ36との間でのアクセスエラーは無し(つまり正常)と判断する(S34)。
【0056】
一方、S33の比較の結果、不一致であれば、制御部50は、S33の比較の結果として一致が得られるまで、上述したS31〜S33の処理を繰返す(S35でN)。その結果、一致が得られれば、制御部50は、上記アクセスエラーは無しと判断し、一方、S31〜S33の処理を所定回数(例えば5回)繰返しても上記一致が得られなければ(S35でY)、アクセスエラー有り(つまり異常)と判断する(S36)。制御部50は、アクセスエラー有りと判断した場合は、例えば、図3のS6のときの同様の処理を実行することができる。
【0057】
なお、図3〜6を参照して説明した処理、すなわち、何らかのデータのライト又はリード(又は検出信号の入力)を行ないそのデータを再度リード(又は検出信号を再入力)してそれらを比較するということを、その比較の結果として一致(又は一致等)が得られるまで繰り返し、所定回数繰返してもその比較の結果として一致(又は一致等)が得られなければアクセスエラーが有ると判断するという処理は、データのライト又はリードの都度に行なっても良いし、アクセスエラー発生の可能性が高い場合(例えば、データのリード又はライトの際にカートリッジアンテナ36又はプリンタアンテナ60が相対的に動いていた場合)のみに行なっても良い。
【0058】
さて、プリンタ100内において、図3〜6を参照して説明した処理の結果アクセスエラー有りが判別されたり、或いは他の何らかのエラーが検出されたりした場合、エラーログ書き込み処理が行われる。
【0059】
図7は、エラーログ書き込み処理の流れを示す。
【0060】
制御部50は、上記アクセスエラー等の何らかのエラーが発生した場合、そのエラーに関するエラーログを、カートリッジメモリ41のエラーログ格納領域に格納する(S41)。また、制御部50は、それと同一のエラーログを、プリンタメモリ102の任意の又は固定的に用意されている所定の領域にも格納する(S42)。
【0061】
以上が、本実施形態についての説明である。なお、この実施形態では、例えば、インクカートリッジのタイプは、キャリッジ12上に印刷ヘッドと共に搭載されるオンキャリッジタイプに限らず、キャリッジから離れた不動の場所にセットされるオフキャリッジタイプであっても良い。また、カートリッジメモリは、インクカートリッジに限らず、レーザプリンタに装着されるトナーカートリッジに備えられていても良い。また、プリンタとカートリッジメモリとの間の通信方式は、非接触式に限らず、接触式であっても良い。また、プリンタアンテナ60の数は、一つに限られず、例えば、カートリッジアンテナの数と同じ数が用意され、各プリンタアンテナが、所定のカートリッジアンテナと通信するようになっていても良い。
【0062】
以上、上述した実施形態によれば、カートリッジメモリ41には、書き換えられることのない固定データと、同じく書き換えられることのないデータであって上記固定データをチェックするためのチェックサムとが格納されている。プリンタ100は、カートリッジメモリ41からチェックサム及び固定データを読み出し、そのチェックサムを用いて固定データをチェックすることにより、アクセスエラーの有無を検出する。また、チェックされた固定データを用いて、インクカートリッジ31がプリンタ100に適切なものか否かも検出することができる。このため、アクセスエラーの発生によって取得され得る正しくないデータが使用されてしまったり、不適切なインクカートリッジが使用されてしまったりすることを防ぐことができる。
【0063】
また、上述した実施形態によれば、何らかのデータのライト又はリード(又は検出信号の入力)を行ないそのデータを再度リード(又は検出信号を再入力)してそれらを比較するということを、その比較の結果として一致(又は一致等)が得られるまで繰り返し、所定回数繰返してもその比較の結果として一致(又は一致等)が得られなければアクセスエラーが有ると判断するという処理が行われる。そのため、アクセスエラーの発生によって取得され得る正しくないデータを使用してしまうことや、正しくないデータがカートリッジメモリ41に蓄積されてしまうことを防ぐことができる。また、そのため、上記アクセスエラーのせいで、装着されたカートリッジ31をプリンタ100が認識できないようなことがあった場合に、カートリッジ31それ自体には不具合が無いのにそれがあるかのようにユーザに誤認されてしまうことを防ぎ得る。
【0064】
また、上述した実施形態によれば、プリンタ100内でエラーが発生した場合、エラーログがカートリッジメモリ41とプリンタメモリ102の双方に格納される。このため、インクカートリッジ31とプリンタ100のいずれか一方だけが返品されても、返品されたカートリッジ31のメモリ41又はプリンタ100のプリンタメモリ102からデータを読み出すことにより、エラーログを取得し発生したエラーを特定することができる。
【0065】
なお、上述した実施形態では、下記のような変形例が考えられる。
【0066】
図8は、本実施形態の変形例に係るエラーログ格納のフローを示す。
【0067】
制御部50は、エラーの発生が検出された場合、そのエラーのエラーログを、カートリッジアンテナ60及びプリンタアンテナ36を介してカートリッジメモリ41に格納する(S51)。そして、制御部50は、その格納したエラーログをカートリッジメモリ41に対してライトしたとき、カートリッジメモリ41から上記格納したエラーログを再度リードして(S52)、そのリードしたエラーログと元の格納したエラーログとの比較を行なう(S53)。その比較の結果、一致が得られれば(S53でY)、制御部50は、上記格納したエラーログは正確なものと判定し(S54)、不一致であれば(S53でN)、上記検出されたエラーはアクセスエラーであったと判定する。
【0068】
この変形例によれば、制御部50は、エラーが検出されてエラーログを格納した場合、カートリッジメモリ41から上記格納したエラーログを再度リードし、そのリードしたエラーログと元の格納したエラーログとの比較を行うので、上記格納されたエラーログが表すエラーが、検出された通りのエラーであるか、或いは実はアクセスエラーであったのかを検証することができる。
【0069】
なお、この変形例において、制御部50は、上記格納したエラーログは正確なものと判定した場合、そのエラーログが表すエラーに応じた処理を行うことができる(例えば、ホスト装置又はプリンタ100のディスプレイ画面にメッセージを出力することにより、販売店等の所定の連絡先に連絡するようユーザに指示しても良い)。
【0070】
また、この変形例において、図8に示した動作は、種々のエラーのうち特定のエラー、例えば、インクカートリッジCC1又はその中のインクに関するエラーが検出された場合にのみ行われても良い。別の言い方をすれば、アクセスエラーが発生した場合に誤って検出される可能性があるエラー(この種のエラーは、例えば、プリンタ100内の記憶媒体に制御部50が識別可能に登録されている)が検出された場合にのみ、図8に示す動作が行われても良い。
【0071】
また、この変形例において、制御部50は、上記検出されたエラーは実はアクセスエラーであったと判定した場合、アクセスエラーの解消のための処理を行って、その後、所定の方法(例えば、図3又は図5を参照して説明した方法)により、アクセスエラーが解消したか否かの判断を行う。なお、「アクセスエラーの解消のための処理」とは、例えば、現在装着されているインクカートリッジCC1を一旦取り外して再度装着させるように指示するメッセージを音声で又はディスプレイ画面に出力する処理である。その場合、前記エラー正否判定手段は、前記現在装着されている消耗品カートリッジが取り外されて再度装着されたことが検出されたときに、再び、前記所定の方法により、アクセスエラーが解消したか否かの判断を行うことができる。
【0072】
また、この変形例において、制御部50は、アクセスエラーが解消されたと判断された場合、上記検出されたエラーは上記格納したエラーログをカートリッジメモリ41から削除しても良い(或いは、更に、上記格納したエラーログに上記判断されたアクセスエラーのエラーログを上書きしても良い)。これにより、本当はアクセスエラーが発生したにもかかわらず別のエラーとして検出されてエラーログが格納された場合は、その内容に誤りのあるエラーログを削除することができる(若しくは正しい内容のエラーログに変えることができる)。なお、制御部50は、プリンタ100のEEPROM102(プリンタ記憶媒体)にもエラーログを格納した場合は、そのEEPROM102からも該エラーログを削除しても良い(或いは、更に、上記格納したエラーログに上記判断されたアクセスエラーのエラーログを上書きしても良い)。
【0073】
また、この変形例において、制御部50は、S53の比較の結果が不一致であれば、上記格納したエラーログのライト及びリードを行ないそのデータを再度リードして前記比較を行なうという一連の処理を、前記比較の結果として一致が得られるまで繰り返し、前記一連の処理を所定回数繰返しても前記比較の結果として一致が得られなければ、前記アクセスエラーが有ると判断する。
【0074】
また、この変形例において、制御部50は、アクセスエラーの解消を図った処理を行ってもアクセスエラーが解消されない場合には、再びアクセスエラーの解消のための処理を行い、その処理を所定回数行うまでにアクセスエラーが解消されたと判断されない場合には、アクセスエラーの解消が不可能であるとして所定の処理(例えば、音声で又はディスプレイ画面にメッセージを表示する等の方法により、販売店等の所定の連絡先に連絡するよう指示する、或いは、現在装着されている消耗品カートリッジを新品に交換するように指示する等)を実行する。
【0075】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、これらは本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲をこの実施例にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。例えば、上記実施形態では、電子機器としてインクジェットプリンタを例に採り説明したが、電子機器はインクジェットプリンタに限らず他の種類の電子機器(例えば、複写装置や光学式カメラ等)であっても良い。また、上記実施形態では、消耗品カートリッジとしてインクカートリッジを例に採り説明したが、消耗品カートリッジはインクカートリッジに限らず他の種類のカートリッジであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタの構成を示すブロック図。
【図2】カートリッジメモリ41のメモリマップを示す。
【図3】固定データチェック処理の流れを示す。
【図4】カートリッジ状態センサの検出エラーの有無の判別処理の流れを示す。
【図5】カートリッジメモリ41へのデータ書き込み処理の流れを示す。
【図6】カートリッジメモリ41からのデータ読込み処理の流れを示す。
【図7】エラーログ書き込み処理の流れを示す。
【図8】本発明の一実施形態の変形例に係るエラーログ格納のフローを示す。
【符号の説明】
CC1〜CC4 カートリッジ装着部
31、32、33、34 インクカートリッジ
36、37、38、39 カートリッジアンテナ
41、42、43、44 カートリッジメモリ
45 送受信部
50 制御部
51 リードオンリメモリ(ROM)
52 ランダムアクセスメモリ(RAM)
54 インターフェース
60 プリンタアンテナ
100 プリンタ
501 送受信回路

Claims (3)

  1. 電子機器本体と前記電子機器本体に着脱可能な消耗品カートリッジとを有する電子機器であって、
    前記消耗品カートリッジには、データを記憶するためのカートリッジ記憶媒体が設けられ、
    前記カートリッジ記憶媒体に対してデータのリード及びライトを行なうカートリッジアクセス手段と、
    エラーが検出された場合、そのエラーのエラーログを、前記カートリッジアクセス手段を介して前記カートリッジ記憶媒体にライトするエラーログ格納手段と、
    前記カートリッジ記憶媒体から前記ライトされたエラーログを再度リードして、元のライトしたエラーログとの比較を行なう比較手段と、
    前記比較の結果、一致が得られれば、前記ライトしたエラーログは正確なものと判定し、不一致であれば、前記検出されたエラーはアクセスエラーであったと判定するエラー正否判定手段と
    を備える電子機器。
  2. 前記エラー正否判定手段は、前記検出されたエラーがアクセスエラーであったと判定された場合、前記アクセスエラーの解消のための処理を行って、その後、所定の方法により、前記アクセスエラーが解消したか否かの判断を行う、
    請求項1記載の電子機器。
  3. 前記エラーログ格納手段は、前記エラー正否判定手段によって前記アクセスエラーが解消されたと判断された場合、前記ライトしたエラーログを前記外部記憶装置から削除する、
    請求項2記載の電子機器。
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