JP2004358709A - 印刷物評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】周波数空間及びフーリエ変換による演算処理を用いることなく、インクジェット記録装置による印刷物のバンディングを容易に且つ簡便に評価可能な印刷物評価方法を提供する。
【解決手段】測定した印刷物の明度データから印刷物上の位置に対する変化の概形データを抽出し、その概形データから変化率を算出し、さらに変化率を積算することにより評価値を得るようにした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置を用いて印刷した印刷物の画質を評価する印刷物評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式の印刷における印刷物では、通常インクを吐出する複数のノズルを配列したヘッドを用い、前記ヘッドをノズルの配列方向と異なる方向に主走査として移動させ、前記主走査と異なる方向に前記ヘッドと被記録媒体を副走査として相対的に移動させて、ノズルからインクを画像信号に応じて被記録媒体に吐出させることにより前記被記録媒体上に画像を形成する。
【0003】
このインクはカラーのインク、すなわち通常シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)のインクを用い、これらの色を重ね合わせることにより種々の色を再現することが可能となる。しかしながら本発明においては本質的に色の成分は重要ではないため、ここでは単色の例えばブラック(K)インクのみを用いてプリントすることを前提に説明する。
【0004】
図2は、インクジェット記録装置の概略構成を示す斜視図である。ここで、1は被記録媒体、2は紙送りローラー、3はインクタンク、4はインクジェットヘッド、5はキャリッジ、6はガイドレール、7は送りベルト、8は給紙ローラーである。前記キャリッジ5は、図示しない駆動源が送りベルトを送ることにより、ガイドレール6に沿ってX方向に移動する。また、前記被記録媒体1は紙送りローラー2が回転することにより矢印の方向、すなわちY方向に移動する。給紙ローラー8は被記録媒体を給紙するとともに、被記録媒体1を抑える。
【0005】
図3は、インクを吐出する複数のノズルを配列したインクジェットヘッドをノズルの面から見た正面図である。図2においてはインクジェットヘッドを被記録媒体の側から見たようになる。インクジェットヘッド4には、インクを吐出するノズル20が直線状に配置されている。
【0006】
図4は、インクジェット記録装置の制御系に係る構成部を示すブロック図である。10はCPU11、ROM12、RAM13などで構成した制御部である。17はキャリッジモータ、18は搬送モータ、19はインクジェットヘッド、14はキャリッジモータドライバ、15は駆動する搬送モータドライバ、16はインクジェットヘッドドライバである。なお、9は印刷するデータをCPU11に対して出力するホストコンピュータである。
【0007】
前記キャリッジモータドライバ14は、制御部10からの制御信号に基づき、キャリッジ5を主走査方向(X方向)に走査するためのキャリッジモータ17を駆動する。前記搬送モータドライバ15は、制御部10からの制御信号に基づき、被記録媒体1を副走査方向(Y方向)に搬送するため、紙送りローラ2および給紙ローラ8を駆動するための搬送モータ18を駆動する。前記インクジェットヘッドドライバ16は、ホストコンピュータからの印刷データに基づきインクジェットヘッド19を駆動する。制御部10は内臓のROM12に書き込まれたプログラムに従って、前記各ドライバの制御を行なう。
【0008】
上記のような構成により、印刷時にはキャリッジは被記録媒体の端部から主走査方向に反対の端部まで往動しながら、インクジェットヘッド4上の複数のノズルよりインク滴を吐出し、被記録媒体上に印刷を行なう。上記1回の片方向の走査により、インクジェットヘッドの幅の領域が印刷されることになる。その後、紙送りローラの回転により被記録媒体を印刷された幅だけ送る。その後、キャリッジは復動しながら2回目の印刷を行なう。このように主走査方向へのキャリッジの走査と副走査方向への被記録媒体の送りを繰り返すことにより、被記録媒体全体の印刷が完了する。
【0009】
上記のような手順による印刷において印刷物が形成されるが、帯状に順次印刷していくため、帯と帯の間の接続がうまくいかないと例えば隙間が生じて縞状の印刷抜けが生じ、その部分が白い筋となって印刷物に印刷濃度むらが現れる。
【0010】
また、インクジェットヘッドのノズルが偏向している場合、インクを吐出する方向が本来の方向に対してずれ、その結果印刷物上に付着するインクが本来の位置からずれることによりやはり縞状の印刷抜けが生じたり、また副走査方向に周期的な印刷濃度むらが生じる。このような縞状の印刷抜けや周期的な印刷濃度むらをバンディングと称する。
【0011】
図5は、このバンディングの発生を模式的に示した、バンディングを有する印刷物の正面図である。バンディングはキャリッジの走査が繰り返して行われるため、ある程度規則的に生じるが、上記のように複数の要因により発生するため、実際には図5よりもバンディングの発生形状は複雑となる。また、ノズルの偏向によるバンディングではその間隔は非常に細かいものとなることもある。
このバンディングは印刷物の画質を低下させる好ましくない現象であり、これをなるべく少なくする方法が検討されている。一方で上記バンディングを定量的に評価する方法も考案されている。
【0012】
図22は、印刷物の従来のバンディングの評価手順を示す説明図である。印刷物のバンディングの評価には、まず印刷物の明度を印刷物の明度をイメージスキャナやCCDカメラ等の光学的読み取り手段で読み取った後、1次元の明度データとして得る(ステップS11)。具体的にはまず画像読み取り装置を用いて印刷物の評価したい範囲を光学スキャナ光学的に読み取る。つぎに評価の対象となるバンディングに対し垂直方向に、明度データを1ライン分得る。
【0013】
つぎに取り出した1ライン分の明度データに対し、実空間の分布を空間周波数の分布に変換する手法としてよく知られているフーリエ変換を施す(ステップS12)。これにより、バンディングの明度の変化を周波数空間で表すことができる。すなわち、バンディングが周期を持って発生することに着目すれば、その周波数成分ごとの強度を求めることにより、バンディングの発生具合を評価できることになる(例えば、非特許文献1参照。)。
【0014】
次に、このような従来の評価手順により実際に印刷物を評価した場合の実験例について、以下、簡単に説明する。
【0015】
まず、図6は、評価に用いた印刷物2の形状を示す正面図である。外側の輪郭は被記録媒体の外形を示し、ハッチング部分は印刷した領域を示す。図の横方向がキャリッジの主走査方向に対応し、縦方向が紙送り方向となる。印刷は黒インクだけで行ない、中央部分が階調値100%(いわゆる黒ベタ)で両端が階調値0%(インク量ゼロ、すなわち白)となる連続階調のパターンで行なった。
ここでバンディングが発生する場合はX方向すなわち図の横方向に発生することになる。この印刷物に対して、階調値70%、50%および25%の部分で評価を行なった。すなわち図6に示す一点鎖線の部分に沿って明度データを得る必要がある。
【0016】
バンディングに対しては、画像読み取り装置での読み取り密度、すなわち単位長さ(通常1インチを用いる)あたりの読み取るドット数を、上記印刷物に対し600dpi、300dpi、50dpiの3とおりに対して評価を行った。なお、dpiとはドット・パー・インチの略で、1インチあたりのドット数の単位である。図7は今回行なった評価における条件を示す説明図である。各読み取り密度に対する読み取り画素数および読み取りサイズを示している。
【0017】
図8は、読み取り密度600dpiで印刷物2の階調50%部分に対して得た、1次元の明度データを示す説明図である。また、図9は読み取り密度300dpiで印刷物2の階調50%部分に対して得た、他の1次元の明度データを示す説明図である。また、図10は読み取り密度50dpiで印刷物2の階調50%部分に対して得た、他の1次元の明度データを示す説明図である。
【0018】
これに対し、図11は、図8の明度データを印刷物上の位置に対してフーリエ変換したときの、周波数空間の分布の説明図である。また、図12は、図9の明度データを印刷物上の位置に対してフーリエ変換したときの、周波数空間の分布の説明図である。また、図13は、図10の明度データを印刷物上の位置に対してフーリエ変換したときの、周波数空間の分布の説明図である。それぞれ横軸が空間周波数を表わし、縦軸は印刷物のバンディングに対する空間周波数成分の強度を表わす。
【0019】
ここで、空間周波数の単位について説明する。読み取り密度は一定の距離において何点を読み取るかということであり、これがサンプリング周波数となる。例えば600dpiでは、1インチ(=25.4cm)の中で600点をサンプリングするので、その読み取り密度は600÷25.4=23.6ドット/mmとなる。また、読み取り可能な空間周波数は、読み取ったデータが白黒白黒と交互に並ぶ場合であり、これは前記サンプリング周波数の1/2となる。すなわち1200dpiの読み取りでは、表現可能な空間周波数は23.6サイクル/mmとなる。
【0020】
バンディング同士が特定の距離をおいて発生している場合、これの空間周波数を分析すると、特定の空間周波数での強度が大きくなる。そこで、空間周波数成分の分布を見ることによりバンディングの評価を行なうことができる。例えば、空間周波数5サイクル/mmにピークがあった場合、1mmの間に5サイクルの繰り返しがあるバンディングなので、周期0.2mmのバンディングが発生していることになる。
【0021】
【非特許文献1】
加藤弥他著、「画像処理による印刷・印字の評価技術と専用装置APQS」、紙パルプ技術協会誌 VOL56、No1、紙パルプ技術協会、2002年1月、p37−44
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
インクジェット記録装置による印刷物のバンディングの評価を周波数空間で行なう、従来の評価方法においてはつぎのような課題があった。まず今回の印刷物にはプリント条件にもよるが、ヘッドのサイズやインクジェットヘッドのインクを吐出するノズルの偏向から、約18mm間隔と約3mm間隔のバンディングが混在して発生していることが観察された。ムラ説明ムラ説明このうち、約18mm間隔のバンディングはインクジェットヘッドのサイズに起因するものと考えられ、約3mm間隔のバンディングはインクジェットヘッドのノズルの偏向に起因するものと考えられた。
【0023】
まず、今回の検討では、600dpiの読み取りに対する明度データを用いた場合に対しては、図11に示すように空間周波数が7.5サイクル/mmのところで強度のピークが見られた。これは前記の関係から約0.13mm間隔のバンディングにあたり、通常の目視による観察では関知できないレベルのものである。
【0024】
また、図9に示す300dpiの読み取りに対する明度データを用いた場合に対しては、5サイクル/mm付近でピークが出ているが、これは約0.2mm間隔のバンディングに相当する。これも通常の目視による観察では関知できないレベルのものである。
つまり、通常の目視による観察では感知できないような細かいバンディングは評価しやすいということになる。
【0025】
実際の印刷物では約3mm間隔の白筋が生じていたが、これは50dpiの読み取りに対する明度データを用いた場合に対して、図13に示す空間周波数0.33サイクル/mm付近にあるピークとして現れた。
【0026】
一方、今回の印刷物で発生していた間隔が約18mmのむらに対しては、これは周波数空間では0.055サイクル/mmとなる。これは図13のグラフの横軸ではゼロにかなり近い部分となり、評価しづらいことが判明した。この値を、横軸のゼロ付近のスケールを拡大して表示するには、読み取り密度をさらに粗く取り、またその分必要な印刷幅も広く取る必要がある。そのため、上記のような間隔約18mmのような間隔の比較的広いバンディングはフーリエ変換を用いてはうまく評価できないという課題を有している。
【0027】
また、非特許文献1にある例のように、フーリエ変換して空間周波数に対する強度を見るだけでは、どの空間周波数に対する成分が強いかということは分かるが、観察者が印刷物のバンディングを観察した印象と結び付けることができず、バンディングの画質としての評価を単純な数値に置き換えて捉えるということができないという課題がある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、インクを吐出する複数のノズルが被記録媒体に対向するように設けられたインクジェットヘッドを前記被記録媒体の搬送方向とは直交する方向に走査して被記録媒体に文字や画像を記録するインクジェット記録装置を用いて印刷した印刷物に発生する縞状の印刷抜けまたは印刷濃度むらを定量的に評価する印刷物評価方法において、前記印刷物の印刷明度を光学的読み取り手段で前記搬送方向に読み取って明度データを取得する明度データ取得ステップと、取得した前記明度データを平均化する平均化演算処理を施すことにより、前記印刷物上の位置に対する前記明度データの概略の変化を表す概形データを算出する概形データ算出ステップと、算出した前記概形データから前記印刷物上の位置に対する変化率を算出する変化率データ算出ステップと、算出した前記変化率を積算して、その和を評価値として算出する評価値算出ステップと、からなるようにした。
【0029】
また、前記概形データ算出ステップにおける前記平均化演算処理は、前記明度データに対して移動平均手法を用いて行われるようにした。また、前記変化率データ算出ステップにおける前記変化率は、前記印刷物上の位置に対する明度データの概略の変化を表す第1の概形データと、該第1の概形データから一定間隔離れた位置の第2の概形データとの差を取ることにより算出するようにした。さらに、前記評価値算出ステップにおいて前記変化率データを積算する際に、所定値以下の変化率データは積算せずに積算値を算出するようにした。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の印刷物評価方法の実施形態を図を参照しながら説明する。
【0031】
図1は、本発明による印刷物評価の評価手順を示すフローチャートである。従来例と同様に、印刷物の明度をイメージスキャナやCCDカメラ等の光学的読み取り手段で読み取った後1次元の明度データとして得る(ステップS1)。
【0032】
つぎに、印刷物上の位置に対応した明度データから、明度データの変化の概形のみを抽出した抽出データを算出する(ステップS2)。具体的には、一列に並ぶ明度データに対し、端から順に移動平均を計算する。ここで移動平均について説明する。移動平均とは、位置に対して順番に並ぶデータに対し、各位置に隣接し連続する複数箇所に対するデータの平均値をもって移動平均値とするものである。
【0033】
図14は、移動平均の説明を行なうための説明図である。図14(a)は、各データ番号(1、2、・・10)に対する値を示した棒グラフである。図14(b)は、図14(a)のグラフに対して、当該データ番号を含み、それより前の連続する合計4ヶ所のデータを平均した値を示した棒グラフである。例えば、図14(a)中のデータ番号1から4までの4個の元の値を平均することにより、図14(b)中のデータ番号4の移動平均値が算出される。また、図14(a)中のデータ番号2から5までの4個の元の値を平均することにより、図14(b)中のデータ番号5の移動平均値が算出される。同様に図14(a)中のデータ番号7から10までの4個の元の値を平均することにより、図14(b)中のデータ番号10の移動平均値が算出される。
【0034】
このような明度データを平均化する平均化演算処理手法、即ち移動平均手法により、位置に対するデータの変化を鈍らせ、印刷物上の位置に対する前記明度データの概略の変化を表すデータすなわち概形データを得ることができる。ここで平均値の算出には、連続する4個のデータを用いるように説明したが、もとのデータの個数が十分にあれば、何個でもよい。また、もとのデータの個数が多い方が、データの概形、即ち、これらのデータに基づいて表されるグラフの概略の形状をより鈍らせることができる。
【0035】
図15は、図10の明度データに対して、移動平均値を計算した結果を示す説明図である。移動平均の計算に用いた元のデータの個数は、8個である。例えばこのように8個のデータに基づく移動平均手法により計算すると図10に示す明度データの変化傾向を把握可能となる。
【0036】
つぎに上記算出したプリント上の位置に対する移動平均値に対し、一定の個数おきに差を計算する。これにより値の傾きを評価することが可能となる。
【0037】
図16は、一定の個数おきに値の差の計算の説明図である。この場合では、単に移動平均を求めた値すなわち図16中の「ア」と、これを8データ分横軸方向にずらした値すなわち図16中の「イ」を示す。これらに対して横軸が同じ位置のデータに対して差を取ることにより、8個おきのデータごとに差を計算したことになる。求めた差は、図16において明度がゼロ付近に分布する太い実線すなわち図16中の「ウ」で表示した。
【0038】
つぎに、移動平均の差の絶対値を積算し、それを評価値とする。これは、図16の太い実線の値の絶対値を足し合わせることにより、最終的な評価値が得られる。このことは最初に得た印刷物の明度の変化量を定量化していることに相当する。
【0039】
つぎにバンディングの発生と評価値の関連を調べた。バンディングの発生条件が変わるように、インクジェット記録装置の機構上のパラメータ、すなわち被記録媒体を搬送する際の送り量や、インクジェットヘッドが主走査方向に走査する際のヘッド送り量、さらにインクジェットヘッドの取り付けを正式な角度から若干ずらすなどの調整を加え、それらの条件により、印刷物Aから印刷物Iまでの9とおりの印刷物と、さらにバンディングの発生していない印刷物Zを用意した。
【0040】
図17は、上記手順により求めた評価値を各印刷物および印刷物の階調値に対して算出した結果の説明図である。この結果に対してバンディングのほとんど発生していない印刷物Zに対しても評価値がある程度大きくなっている。調べてみると、印刷物を画像読み取り装置により読み取る際のノイズの影響であり、移動平均の差で約2にあたることが判明した。
【0041】
そこで、移動平均の差のうち、2以下の値は無視して積算を行なうようにした。図17はこのようにして、計算方法を改善して計算した評価値の結果であり、印刷物Zに対しては結果がほぼゼロとなった。
【0042】
また、上記評価値に対して、主観評価との相関を調べた。主観評価とは人間が感覚的に判断する評価のことであり、従来から用いられている評価手法である。
【0043】
印刷物AからIおよびZに対して、バンディングに着目してバンディングがないものを100とし、バンディングの発生が激しいものを点が低くなるように、なおかつ全体として点差が開くように、点数化した。図18は印刷物AからIおよびZに対し、印刷物の階調値25%の部分に対する主観評価値と本発明による評価方法による評価値の関係を示した説明図である。
【0044】
これにより、今回の主観評価値と客観評価値がほぼ直線の関係にあることが判明した。図19および図20は、図18と同様の評価を印刷物の階調値50%および印刷物の階調値70%に対して行なった結果である。これにより、各階調値に対しても主観評価値と客観評価値がほぼ直線の関係にあり、また各直線はほぼ同様の傾きであった。
【0045】
このことは、本発明による評価方法による評価値が、人間の感覚と合っていることを示し、本発明による評価方法がすぐれたものであることを示している。
また、図3では、ノズル20がY軸に平行に配置されているが、XY平面状にあって、Y軸に対して角度を持って配置されていてもよい。その場合は、ヘッドがX方向に走査されるのに対し、各ノズルは吐出のタイミングをずらしながらプリントを行なうことになる。
【0046】
また、インクジェットヘッドの方式は、熱エネルギーを用いるサーマル方式と、ピエゾに電圧を与えることによりピエゾを変形させることによってインクを吐出させるピエゾ方式が知られているが、本発明においてはどちらでもよい。
【0047】
また、上記説明においては、キャリッジの主走査方向の往動および復動双方で印刷がなされるように説明したが、復動のときには印刷を行なわず、往動のときのみ印刷を行なう場合もある。このときは被記録媒体の送りは、キャリッジの1往復に対して1回行われることになる。
【0048】
【発明の効果】
バンディングを有する印刷物の評価を行なうために、上記説明したように印刷物の明度データから印刷物上の位置に対する変化の概形データを抽出し、その概形データから変化率を算出し、さらに変化率を積算することにより評価値を得るようにしたところ、印刷物のバンディングの評価が容易となり、さらにはこの評価値は人間の感覚に合ったものであり、評価値として有用なものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による印刷物評価の評価手順を示すフローチャート
【図2】インクジェット記録装置の概略構成を示す斜視図
【図3】インクジェットヘッドをノズルの面から見た正面図
【図4】インクジェット記録装置の制御部を示すブロック図
【図5】バンディングを有する印刷物の正面図
【図6】評価に用いた印刷物の形状を示す正面図
【図7】評価の条件を示す説明図
【図8】明度データを示す説明図
【図9】他の明度データを示す説明図
【図10】他の明度データを示す説明図
【図11】空間周波数の分布の説明図
【図12】他の空間周波数の分布の説明図
【図13】他の空間周波数の分布の説明図
【図14】移動平均の概念を示す説明図
【図15】移動平均値を計算した結果を示す説明図
【図16】一定の個数おきに値の差を計算する方法を示す説明図
【図17】算出した評価値を示す説明図
【図18】計算方法を改善して計算した評価値を示す説明図
【図19】主観評価値と本発明による評価値の関係を示した説明図
【図20】主観評価値と本発明による評価値の関係を示した他の説明図
【図21】主観評価値と本発明による評価値の関係を示した他の説明図
【図22】従来の印刷物評価の評価手順を示すフローチャート
【符号の説明】
1 被記録媒体
2 紙送りローラー
3 インクタンク
4 インクジェットヘッド
5 キャリッジ
6 ガイドレール
7 送りベルト
8 給紙ローラー
9 ホストコンピュータ
10 制御部
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 キャリッジドライバ
15 搬送モータドライバ
16 インクジェットヘッドドライバ
17 キャリッジモータ
18 搬送モータ
19 インクジェットヘッド
20 ノズル

Claims (4)

  1. インクを吐出する複数のノズルが被記録媒体に対向するように設けられたインクジェットヘッドを前記被記録媒体の搬送方向とは直交する方向に走査して被記録媒体に文字や画像を記録するインクジェット記録装置を用いて印刷した印刷物に発生する縞状の印刷抜けまたは印刷濃度むらを定量的に評価する印刷物評価方法であって、
    前記印刷物の印刷明度を光学的読み取り手段で前記搬送方向に読み取って明度データを取得する明度データ取得ステップと、
    取得した前記明度データを平均化する平均化演算処理を施すことにより、前記印刷物上の位置に対する前記明度データの概略の変化を表す概形データを算出する概形データ算出ステップと、
    算出した前記概形データから前記印刷物上の位置に対する変化率を算出する変化率データ算出ステップと、
    算出した前記変化率を積算して、その和を評価値として算出する評価値算出ステップと、
    からなることを特徴とする印刷物評価方法。
  2. 前記概形データ算出ステップにおける前記平均化演算処理は、前記明度データに対して移動平均手法を用いて行われることを特徴とする請求項1に記載の印刷物評価方法。
  3. 前記変化率データ算出ステップにおける前記変化率は、前記印刷物上の位置に対する明度データの概略の変化を表す第1の概形データと、該第1の概形データから一定間隔離れた位置の第2の概形データとの差を取ることにより算出することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷物評価方法。
  4. 前記評価値算出ステップにおいて前記変化率データを積算する際に、所定値以下の変化率データは積算せずに積算値を算出することを特徴とする請求項1、2または3に記載の印刷物評価方法。
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JP2017200742A (ja) * 2016-05-06 2017-11-09 株式会社リコー 画像形成システム、画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム

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