JP2004358467A - 廃液処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 廃液中の有機塩素化合物を効率良く分解でき、処理設備を小型化できる廃液処理装置を提供する。
【解決手段】 廃液を処理するための円筒状の処理槽と、処理槽内の上部から下方に向けて設けられた紫外線を照射する紫外線照射ランプ53と、処理槽の底部に設けられた処理槽内に空気を供給する空気導入口3dと、処理槽の側面に設けられた、この側面の接線と平行な方向に向けて処理槽内に空気を供給する空気導入ノズル3cと、処理槽の底部に設けられた廃液導入口3aと、処理槽の上部に設けられた廃液排出口3bと、を供える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、廃液を無害化処理する装置に関し、特に、一般廃棄物である焼却灰・飛灰等を処理する際に生じる廃液に含まれるダイオキシン等の有機塩素化合物を好適に分解して、廃液を無害化処理できる廃液処理装置に関する。
産業廃棄物及び生活廃棄物のうち、分別された可燃物は、回収後、焼却炉で焼却されて焼却灰の形態として投棄及び埋め立て処分などが行われている。一方、このような廃棄物を燃焼させると、各種低沸点成分が揮発し、いわゆる飛灰となるが、この飛灰は、燃焼排ガスとして外部環境に拡散させないために消石灰などを担持させたバグフィルタなどにより捕集している。
これら焼却灰及び飛灰は、鉛、カドミウムなどの金属類を多く含有し、更にポリ塩化ビフェニル(PCB)やダイオキシン等の有機塩素化合物を多く含有するので、一般廃棄物としてそのままでは埋め立てることができないばかりか、環境衛生上厳重な管理が必要とされる。このため、pHを11〜14に調整して金属類を水に不溶とし、また、有機キレートや結晶化反応を利用した無機系薬剤等により滲出しないように処理した後、コンクリートに混合し、コンクリート成形体として処分場に投棄する等の処分が行われている。
ところで、この方法では、灰に含まれた金属類や特にダイオキシンやポリ塩化ビフェニル(PCB)等の有機塩素化合物を十分に分解・除去しない状態で廃棄するため、廃棄後にコンクリート成形体からこれらの有機塩素化合物が溶出してしまうという問題点があった。このため、灰を湿式粉砕した後、脱水処理して固液分離する。この分離した液分中の有機塩素化合物の分解方法として光触媒を用いた処理方法が考えられる(特許文献1)。
特開平1−119394(発明の構成)
しかしながら、従来の光触媒を用いた廃液処理装置では、無害化処理に相当の時間を要し、多量の廃液を処理する場合には多数の処理槽を設ける必要があった。また、液分の透明度を相当高くした状態で処理しなければ、更に処理時間が増大し、処理効率が低下してしまうものであった。このように、従来の装置では、処理効率が悪く、処理設備が大型化してしまうという問題があった。
本発明は、前記従来技術の問題を解消し、廃液中の有機塩素化合物を効率良く分解でき、例えば、焼却灰・飛灰等の無害化処理に伴い生じる廃液に含まれる有機塩素化合物を短時間で効率良く分解でき、処理設備を小型化できる廃液処理装置を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、廃液を処理するための円筒状の処理室と、前記処理室内の上部から下方に向けて設けられた紫外線を照射する紫外線照射手段と、前記処理室の底部に設けられた前記処理室内に空気を供給する第1の空気供給手段と、前記処理室の側面に設けられた、この側面の接線と平行な方向に向けて前記処理室内に空気を供給する第2の空気供給手段と、前記処理室の側面下方または前記処理室の底部に設けられた廃液導入口と、前記処理室の側面上方または前記処理室の上部に設けられた廃液排出口と、を具備することを特徴とする。
また、第2空気供給手段が処理室の側面の接線に対し上方に傾けた方向に向けて処理室内に空気を供給してもよい(請求項2)。
この廃液処理装置は、前記したように前記廃液導入口から前記処理室内に廃液を導入すると共に、この廃液中に光触媒を添加した後、前記紫外線照射手段により前記処理室内の廃液に紫外線を照射して光触媒処理により廃液中の有害物質、例えば、ダイオキシンや塩素化合物等の有機塩素化合物を分解し廃液を無害化して廃液排出口から排出するものである。この場合、この廃液処理装置は、紫外線照射手段が処理室内の上部から下方に向けて設けられているため、処理室内にほぼ均一に紫外線を照射でき、また、この紫外線照射手段の温度上昇により処理室内の廃液の温度を上昇させることができ、光触媒処理を促進して短時間に効率良く廃液中の有害物質を分解処理できる。
特に、ダイオキシン等の有機塩素化合物は、廃液に含まれる濃度が低いが、紫外線照射手段の下方に設けられた第1の空気供給手段から空気を導入することにより、紫外線照射手段に沿って流動する廃液の流速を増大させて、有機塩素化合物と光触媒との衝突頻度を増大させて処理効率を高められ、また、廃液が攪拌されて光触媒を廃液中に均一に分散させられると共に長期間の使用により廃液中の異物が紫外線照射手段に付着して処理効率が低下するのを防止できる。さらに、紫外線照射手段の過熱による処理室内の急激な温度上昇を抑えることができ、処理室内の温度を光触媒処理に適した温度に保つことができる。従って、このように構成される装置を用いることにより、廃液中の有害物質を光触媒反応で効率良く分解でき、短時間で廃液を無害化処理できる。このため、多量の廃液を処理する場合にも、複数の処理室を設ける必要がなく、小さな処理設備で効率良く処理できる。
請求項1または請求項2に記載の発明に係る廃液処理装置によれば、紫外線照射手段が処理室内の上部から下方に向けて設けられているため、処理室内にほぼ均一に紫外線を照射でき、また、この紫外線照射手段の温度上昇に伴う処理室内の廃液の温度上昇により、光触媒処理を促進して短時間に効率良く廃液中の有害物質を分解処理できる。また、第1の空気供給手段及び第2の空気供給手段から提供される空気により、有機塩素化合物と光触媒との衝突頻度を増大させて処理効率を高められ、また、光触媒を廃液中に均一に分散させられ、さらに、長期間の使用により廃液中の異物が紫外線照射手段に付着して処理効率が低下するのを防止でき、紫外線照射手段の過熱による処理室内の急激な温度上昇を抑えることができ、処理室内の温度を光触媒処理に適した温度に保つことができる。また、処理室内の廃液は、第1の空気供給手段により供給された空気により処理槽の上下方向に流動すると共に、第2の空気供給手段により供給された空気により、処理室側面の周方向に沿っても流動するため、廃液に含まれる有機塩素化合物の分解効率を高めることができる。従って、廃液中の有害物質を光触媒反応で効率良く分解でき、短時間で廃液を無害化処理できる。このため、多量の廃液を処理する場合にも、複数の処理室を設ける必要がなく、小さな処理設備で効率良く処理できる。
本発明の廃液処理装置について、添付の図面を参照しつつ、以下に説明する。図1は、本発明の一実施例に係る廃液処理装置の全体の概略図、図2は、処理槽と紫外線照射部とを示す一部断面図、図3は、本発明の廃液処理装置を用いた飛灰の無害化処理方法の手順を示す図、図4は、本発明の廃液処理装置を用いた焼却灰の無害化処理方法の手順を示す図、図5は、廃液処理装置の上方からの断面図である。
本発明の廃液処理装置1は、図1及び図2に示すように、廃液を処理するための処理槽(処理室)3と、前記処理槽3内の廃液に紫外線を照射するための紫外線照射部(紫外線照射手段)5と、処理槽3内に空気を導入して処理槽3内の廃液を攪拌するための空気供給部7(第1の空気供給手段、第2の空気供給手段)と、を備える。
処理槽3は、円筒状本体31の両端部を円板状の上板32及び下板33で液密状態に閉塞して構成され、その内部に廃液を収容するようになっている。下板33の周縁部には処理槽3内に廃液を導入するための廃液導入口3aが設けられている。また、上板32の周縁部には処理槽3内の廃液を排出するための廃液排出口3bと処理槽3内に光触媒を投入するための触媒投入口3eが設けられている。また、円筒状本体31の側壁の高さ方向下部及び中央部には空気供給部7から供給される空気を処理槽3内に導入するための空気導入ノズル(第2の空気供給手段)3cが円筒状本体31の周壁に沿って所定間隔で設けられている。図5に示すように、空気導入ノズル3cから処理槽3内に導入される空気が、円筒状本体31の周方向に沿って噴射されるように、空気導ノズル3cを処理槽3の円筒状本体31の接線と平行に取り付けられている。この構成によれば、処理槽3内の廃液は、空気導入口3dから導入された空気により処理槽3の上下方向に流動すると共に、円筒状本体31の接線と平行方向に向けて処理槽3内に空気を供給する空気導入ノズル3cから導入された空気により、図5に太矢印で示すように、円筒状本体31の周方向に沿っても流動するため、廃液に含まれる有機塩素化合物の分解効率をより高めることができる。更に下板33の中央部には、処理槽3内に空気を導入すると共に処理槽3内に沈殿した使用済みの光触媒やドレンを排出するための空気導入口(第1の空気供給手段)3dが設けられている。なお、処理槽3の円筒状本体31の内径は、後述する紫外線照射部5の紫外線照射ランプ53から照射される紫外線による光触媒処理を有効に行えるよう適宜設定できる。
紫外線照射部5は、図2に示すように、電源部51の駆動により紫外線照射ランプ53を点灯して処理槽3内に紫外線を照射するようになっている。紫外線照射ランプ53は、上板32の中央部に接続されたランプ挿入管52を介して上板32を貫通し、処理槽3内に進入して、その先端が下板33近傍に至ると共に空気導入口3dに対向した状態となるよう構成され、処理槽3の内周壁に紫外線を均一に照射するようになっている。紫外線照射ランプ53としては、例えば、高圧水銀灯、低圧水銀灯、キセノンランプ、ブラックライト等を用いることができるが、波長270nm〜280nmの紫外線を照射できる超高圧水銀ランプやキセノンランプを用いることが好ましい。この波長範囲の紫外線を照射されることにより、光触媒によるダイオキシン等の有機塩素化合物の分解処理を効率良く行うことができるからである。
光触媒としては、従来公知のもの、例えば二酸化チタンや、三酸化タングステン、酸化亜鉛等を用いることができるが、有機塩素化合物の分解効率の面から担体に二酸化チタン膜をコーティングして成るものを用いることが好ましい。このように、担体に二酸化チタン膜をコーティングすることにより、光触媒の比表面積を大きく採ることができ、光触媒処理効率を高めることができると共に、取扱性も良好なものとすることができる。ここで、担体としては、活性炭、活性アルミナ、シリカゲル、ゼオライト、粘土焼結体、多孔質ガラス、フォームセラミックス、泡金属、フォームプラスチックスの内から選ばれた一種を用いることができる。これら多孔質の担体に二酸化チタンをコーティングすることにより、比表面積を大きく採ることができ、処理効率を高めることができる。前記担体はゾル−ゲル法等の公知の方法により得ることができ、また、前記担体への二酸化チタン膜のコーティングは、レーザー等を用いた真空蒸着法等の手法を用いて行うことができる。
このようにして構成される光触媒の平均粒径は、廃液の撹拌停止後、廃液中において光触媒が沈降し易く、かつ、有機塩素化合物の分解処理を効率良く行えるものを適宜選択できる。処理槽3内の廃液に対する光触媒の充填割合は、処理効率を十分に保ちつつ廃液中での光触媒処理に必要な光透過を確保できるよう適宜設定できる。ここで光触媒は多孔質の担体に二酸化チタンをコーティングしたものであるため、複数の細孔を有するが、その細孔径を100nm〜150nmとすることにより、処理効率を更に高めることができる。
空気供給部7は、図1に示すように、図示しない空気供給源と処理槽3に設けられた空気導入ノズル3c、空気導入口3dとを接続する給気パイプ71の途中に設けられたバルブ72の開閉に応じて、図示しない空気供給源から供給される空気を処理槽3の空気導入ノズル3c、空気導入口3dから処理槽3内に導入し又は処理槽3内への空気の導入を停止するようになっている。
このように構成された廃液処理装置1による廃液無害化処理は、まず、処理槽3の廃液導入口3aに連通するバルブ2を開いて、廃液導入口3аから処理槽3内に廃液を導入すると共に触媒投入口3eから処理槽3内に光触媒を投入する。そして、電源51を入れて紫外線照射ランプ53を点灯し、処理槽3内に紫外線を照射する。これにより廃液中の光触媒表面に紫外線が照射され、光触媒反応により廃液に含まれるダイオキシン等の有機塩素化合物が分解される。この場合、紫外線照射ランプ53が処理槽3の上板32を貫通して処理槽3内に進入するよう構成されているため、紫外線照射ランプ53の発熱により廃液が加熱されて、廃液の液温が上昇し、これにより有機塩素化合物の分解処理効率を高めることができる。
また、廃液の処理中は、閉状態のバルブ72を開いて、図示しない空気供給源から供給される空気を、給気パイプ71を通して、処理槽3に設けられた空気導入ノズル3c、空気導入口3dから処理槽3内に供給する。この処理槽3内への空気の供給に伴い、処理槽3内の廃液は攪拌される。
ここで、光触媒は、紫外線が照射された部位のみで反応が進むため、廃液中に光触媒が均一に分散することが望ましいが、この攪拌作用により、廃液が処理槽3内を流動し、廃液中に光触媒が均一に分散される。また、廃液の透明度が多少低い場合でも、この攪拌により、紫外線照射ランプ53からの紫外線を照射される廃液が流動的に変化するため、廃液に紫外線がまんべんなく照射され、廃液の透明度が多少低い場合でも処理効率を落すことなく処理できる。さらに、紫外線照射ランプ53周囲に廃液が滞留することが防止されるため、長期間の使用により廃液中の異物が紫外線照射ランプ53に付着して処理効率が低下することを防止できる。また、ダイオキシン等の有機塩素化合物は、廃液に含まれる濃度が低いが、下板33に設けられた空気導入口3dから供給された空気は、処理槽3内の廃液を、図2に太矢印で示すように、紫外線照射ランプ53の周囲を紫外線照射ランプ53の先端側から基端側に向けて、廃液の流速を増大させつつ流動させ、これにより有機塩素化合物と光触媒との衝突頻度を高め、分解処理効率を高めることができる。
このようにして、一定時間光触媒処理を行った後、紫外線照射ランプ53による紫外線の照射を停止すると共に、給気バルブ72を閉じて空気供給部7から処理槽3への空気の供給を停止し、廃液中の光触媒やドレンを沈降させる。光触媒の沈降後、図示しない排水ポンプを作動させて、沈降した光触媒やドレンより上方にある上澄液を廃液排出口3bから処理槽3外へ排出すると共に、空気導入口3dに連通するドレン排出バルブ8を開き、処理槽3内に沈殿したドレンや使用済みの光触媒を外部に排出する。このようにして、廃液処理装置1による廃水の無害化処理が行われる。
以上説明したように、この廃液処理装置1は、紫外線照射ランプ53が処理槽3の上板32の中央部を貫通して処理槽3内に入り込み、その先端が処理槽3の下板33近傍に至るよう構成されているため、処理槽3内にまんべんなく紫外線を照射でき、また、この紫外線照射ランプ53の温度上昇により処理槽3内の廃液を加温でき、光触媒による無害化処理を促進させることができる。
また、前記空気供給部7から供給される空気により前記処理槽3内の廃液を攪拌するようになっているため、廃液中に光触媒を均一に分散させられ、また廃液を紫外線照射ランプ53に沿って流速を高めつつ流動されられるため、処理槽3内の廃液の処理効率を高められ、また、長期間の使用により廃液中の異物が紫外線照射ランプ53に付着して処理効率が低下することを防止でき、さらに、紫外線照射ランプ53の急激な温度上昇を抑えることができ、処理槽3内の温度を無害化処理に適した温度に保つことができる。
従って、この廃液処理装置1によれば、例えば、飛灰や焼却灰の処理に伴い生じる廃液に含まれるダイオキシン等の有機塩素化合物の分解処理に好適に用いることができる。
以下、飛灰及び焼却灰に含まれる有機塩素化合物を除去する際に、この廃液処理装置1を用いる場合について説明する。
通常、焼却灰と飛灰とではその嵩密度や含まれる化学成分の含有量等が異なるため、別々に処理される。まず、飛灰の処理について図3を参照しながら説明する。飛灰は、通常、ブロック化された状態又は粉末状のまま保管されるが、まず、ブロック化された飛灰については、純水を加水した後、ミル等の粉砕機を用いて湿式粉砕し(第1粉砕工程)(a−1)、粉砕した飛灰を振動篩にかけ(a−2)、篩を通過したものについては、サイクロンや遠心分離機等で脱水し(第1脱水工程)(a−3)、固液分離する。なお、湿式粉砕とは、水等の液体を粉砕対象物に混合して、この液体に有機塩素化合物を溶出させるために行うものである。
一方、篩上に残った飛灰については、第1粉砕工程(a−1)に戻して湿式粉砕し、再度振動篩にかける(a−2)という操作を繰り返す。第1脱水工程(a−3)で固液分離した固形分については、再度純水を加水して湿式粉砕する(第2粉砕工程)(a−4)。このように湿式粉砕することにより、固形分の比表面積を大きく採ることができ、後述する各処理における処理効率を高めることができる。
一方、粉末状のまま貯留槽等に保存された状態(a−1)´の飛灰については、そのまま湿式粉砕する(a−4)。
第2粉砕工程(a−4)で粉砕した固形分については、磁選機を用いて固形分中の鉄や釘等の異物を除去し(a−5)、PH調整槽に投入して、クエン酸等の酸を添加して重金属を沈殿させて抽出した後(a−6)、サイクロンや遠心分離機等により脱水して(第2脱水工程)(a−7)固液分離する。
第2脱水工程(a−7)で固液分離した固形分については、水酸化ナトリウム等のアルカリを添加し、又は水洗いする等して中和・洗浄(a−8)した後、超音波洗浄する(a−9)。このように中和・洗浄された灰を超音波洗浄することにより、有機塩素化合物を水分中に好適に溶出させることができ、洗浄効率が高められ、固形分に付着した有機塩素化合物を十分に除去できる。このようにして有機塩素化合物を除去した固形分については、脱水処理して(第3脱水工程)(a−10)、固液分離し、固形分を完全に無害化する。これにより、固形分は、骨材、路盤材、セメント等に用いてリサイクル処理(a−11)を行うことができる。
第1及び第2脱水工程(a−3),(a−7)で固液分離した液分については、本発明に係る廃液処理装置1により、前記した操作で液分中の有機塩素化合物を分解して無害化した後(a−12),(a−12)´、水酸化ナトリウム等のアルカリを添加することによりpH調整して中和し、更に重金属を沈殿させて回収する(a−13)。次いで、セラミック吸着等により塩分回収した後(a−14)、再度、本発明の廃液処理装置1により有機塩素化合物を分解して液分を無害化して(a−15)純水化する。このようにして生成された純水は、各粉砕工程(a−1),(a−4)に用いる。このように本発明の廃液無害化処理装置1を用いることにより、飛灰の無害化処理に伴い生じる廃液を完全に無害化して純水とし、この純水を循環使用できるため、有害物質を排出することなく飛灰を安全に無害化処理できる。
次に、焼却灰の無害化処理に本発明の廃液処理装置1を用いる場合について説明する。まず、焼却灰に純水を加水して湿式粉砕、洗浄し(第1粉砕工程)(b−1)、磁選機で異物を除去した後、振動篩にかけ(b−2)、篩を通過した灰を脱水して(第1脱水工程)(b−3)固液分離する。篩上に残った灰については、第1粉砕工程(b−1)に戻して湿式粉砕し、磁選機・振動篩にかける(b−2)という操作を繰り返す。
第1脱水工程(b−3)で固液分離した固形分については、再度純水を加水して湿式粉砕する(b−4)。次いで、磁選機で灰分中の異物を除去し(b−5)、pH調整槽に投入して、クエン酸等の酸を添加してpH調整した後(b−6)、脱水して(第2脱水工程)(b−7)固液分離する。
第2脱水工程(b−7)で固液分離した固形分は、水酸化ナトリウム等のアルカリを添加し又は水洗いする等して中和・洗浄(b−8)した後、超音波洗浄し(b−9)、固形分に付着した有機塩素化合物を十分に除去する。有機塩素化合物を除去した固形分については、脱水処理して(第3脱水工程)(b−10)固液分離し、固形分は完全無害化されて、骨材、路盤材、セメントに用いる等のリサイクル処理(b−11)がなされる。
第1及び第2脱水工程(b−3),(b−7)で固液分離した液分については、本発明に係る廃液処理装置1により、前記した操作で液分中の有機塩素化合物を分解し、無害化した後(b−12),(b−12)´、水酸化ナトリウム等のアルカリを添加してpH調整して中和し、更に重金属を回収する(b−13)。次いで、セラミック吸着等により塩分回収した後(b−14)、再度、本発明の廃液処理装置1により有機塩素化合物を分解して液分を無害化し(b−15)、純水化する。このようにして生成された純水は、各粉砕工程(b−1),(b−4)に用いる。このように、本発明の無害化処理装置1を用いることにより、焼却灰の無害化処理に伴い生じる廃液を完全に無害化でき、有害物質の外部への排出を防止できる。
以上、説明したように、本発明の廃液処理装置によれば、飛灰及び焼却灰を無害化処理する際に生じる廃液を効率良く分解できるため、本発明の廃液処理装置を用いた飛灰及び焼却灰の無害化処理方法によれば、ダイオキシン等の有機塩素化合物の分解処理を効率良く行え、処理設備も小型化できる。
なお、本発明の廃液処理装置は、前記実施例の廃液処理装置に限定されず、本発明の要旨を逸脱しないかぎり、適宜変更して差し支えない。例えば、空気導入ノズル3cを処理層3の円筒状の本体31の側面の接線方向に傾けた方向に向けて処理槽3内に空気を供給する構成としてもよい。また、廃液導入口3aが処理槽3の円筒状本体31の側面の下方に設けられていてもよく、廃液排出口3bが処理槽3の円筒状本体31の側面の上方に設けられていてもよい。
また、例えば、図6に示すように、廃液導入口3a及び廃液排出口3bを処理槽3の円筒状本体31の側面に設け、廃液導入口3aから導入された廃液が処理槽3を上下方向に往復しつつ、処理槽3内を円筒状本体31の外縁側から中心部にかけて流動するように、バフル板34を設ける構成としてもよい。この場合、バフル板34は、紫外線照射ランプ53から照射される紫外線を透過する透明なアクリル板やガラス板を用いて構成できるが、紫外線を照射されることによる劣化等が少ないガラス板を用いることが望ましい。
この構成によれば、廃液導入口3aから処理槽3内に導入された廃液がバフル板34によりその流れを規制されながら湾曲しつつ時間をかけて廃液排出口3bまで流れるので、廃液が廃液排出口3bから排出されるまでに十分に無害化処理がなされる。このため、複数の処理槽を用いることなく多量の廃液を1つの処理槽で連続的に処理できる。
また、前記実施例では、紫外線照射ランプ53を1つのみ有する構成であったが、複数有する構成としてもよい。この場合は、各紫外線照射ランプ53の先端の下方に空気導入口3dを設けることにより、処理槽3内の廃液が紫外線照射ランプ53に沿って流動し、処理効率を高めることができる。
さらに、処理槽3内面を鏡面状にすることにより、紫外線照射ランプ53から照射された紫外線が処理槽3内で反射されて処理槽3内の廃液中の光触媒に照射され続けるため、光触媒処理の効率を高めることができる。ここで、処理槽3内の鏡面処理は、例えばステンレス製の円筒状本体31、下板32、上板33における処理槽3を構成する部分の表面をバフ研磨し、又はクロムメッキ若しくはクロムを蒸着することにより行える。このようにして鏡面処理を行い、処理槽3内面をバフ番号で350番以上、好ましくは400番以上の鏡面とすることにより、処理槽3内での紫外線の反射を良好なものにでき、処理効率を高めることができ、更に処理槽3内面に異物が付着するのを防止できる。
前記実施例では、処理対象の廃液を一旦貯留槽3内に貯留して貯留槽3内の廃液を廃液処理装置1で処理した後、廃液排出口3bから排出した。しかしながら、廃液処理装置1は、処理槽3内の廃液を高い処理効率で処理できるため、廃液導入口3aから処理槽3内に廃液を導入しつつ廃液排出口3bから処理槽3内の廃液を連続的に排出するようにして、廃液を連続的に処理することもできる。このようにすることにより、1つの処理槽で多量の廃液を処理することができる。
また、本発明の廃液処理装置は、灰を廃棄する際に生じる廃液に含まれるダイオキシンやポリ塩化ビフェニル(PCB)等の有害物質を無害化処理する場合に好適に用いられるものであるが、光触媒により発生するOHラジカルで分解可能な有害物質が含まれている廃液であれば、その種類は限定されず、例えば、タバコの煙、悪臭、揮発性有機化合物(VOC)の分解処理や、空気中の細菌の殺菌、窒素酸化物、硫黄化合物の無害化処理、ポリ塩化ビフェニル(PCB)等の難分解性化学物質、海水等に流出した原油の分解処理にも好適に用いることができる。
本発明の一実施例の廃液処理装置の全体の概略図である。 処理槽と紫外線照射ランプとを示す一部断面図である。 本発明の廃液処理装置を用いた飛灰の無害化処理方法の手順を示す図である。 本発明の廃液処理装置を用いた焼却灰の無害化処理方法の手順を示す図である。 本発明の実施例の廃液処理装置の処理槽の上方からの断面図である。 本発明の他の実施例の廃液処理装置の処理槽の概略図であり、(a)が断面図、(b)が(a)のA−A線断面図である。
符号の説明
1 廃液処理装置
3 処理槽
31 円筒状本体
32 上板
33 下板
34 バフル板
3a 廃液導入口
3b 廃液排出口
3c 空気導入ノズル
3d 空気導入口
5 紫外線照射部
53 紫外線照射ランプ
7 空気供給部

Claims (2)

  1. 廃液を処理するための円筒状の処理室と、
    前記処理室内の上部から下方に向けて設けられた紫外線を照射する紫外線照射手段と、
    前記処理室の底部に設けられた前記処理室内に空気を供給する第1の空気供給手段と、
    前記処理室の側面に設けられた、この側面の接線と平行な方向に向けて前記処理室内に空気を供給する第2の空気供給手段と、
    前記処理室の側面下方または前記処理室の底部に設けられた廃液導入口と、
    前記処理室の側面上方または前記処理室の上部に設けられた廃液排出口と、
    を具備することを特徴とする廃液処理装置。
  2. 廃液を処理するための円筒状の処理室と、
    前記処理室内の上部から下方に向けて設けられた紫外線を照射する紫外線照射手段と、
    前記処理室の底部に設けられた前記処理室内に空気を供給する第1の空気供給手段と、
    前記処理室の側面下方に設けられた、この側面の接線に対し上方に傾けた方向に向けて前記処理室内に空気を供給する第2の空気供給手段と、
    前記処理室の側面下方または前記処理室の底部に設けられた廃液導入口と、
    前記処理室の側面上方または前記処理室の上部に設けられた廃液排出口と、
    を具備することを特徴とする廃液処理装置。
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