JP2004358305A - ふるい分け機用の網の破損検出方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【目的】粒子のふるいによる選別工程において、ふるい分け装置のふるい分け網を運転中に磨耗・破損を推定検知する。
【解決手段】ふるい分け機により選別された粒子を、粗大粒体が特定な箇所表面に集まるように振動が調整された振動装置に入れ、粗大粒子の集まった特定な箇所のみを直接観察する、または、取り出し装置で取り出し観察することによりふるい分け機の網の磨耗・破損を運転中に推定検知する。観察は目視のみならず、撮像装置を用いて撮像し、その撮影装置からの画像信号を既存の処理方法を用いる。粗大粒子が観察されれば、ふるい分け機による選別工程においてふるい分け機の網の磨耗・破損を運転中に推定検知することができる。この検知法は粒子径が小さいとき特に有効である。
【選択図】図1
【解決手段】ふるい分け機により選別された粒子を、粗大粒体が特定な箇所表面に集まるように振動が調整された振動装置に入れ、粗大粒子の集まった特定な箇所のみを直接観察する、または、取り出し装置で取り出し観察することによりふるい分け機の網の磨耗・破損を運転中に推定検知する。観察は目視のみならず、撮像装置を用いて撮像し、その撮影装置からの画像信号を既存の処理方法を用いる。粗大粒子が観察されれば、ふるい分け機による選別工程においてふるい分け機の網の磨耗・破損を運転中に推定検知することができる。この検知法は粒子径が小さいとき特に有効である。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粒子のふるい分け工程、特に微細粒子のふるい分け工程におけるふるい分け機用網の磨耗や破損を運転中に検出できる方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平05−172525「ふるい分け機の網破れ検知方法」
【特許文献2】特開平11−290781「ふるい網破損検知方法ならびにその装置」
【特許文献3】特開平09−1076「ふるい網破れ検知方法およびその装置」
【特許文献4】特開平05−123653「篩網の破損検出手段を備えた篩分装置」
【0003】
【特許文献5】特開平07−144172「振動篩装置の篩い破損判別方法及びその装置」
【特許文献6】特開平06−213796「塊状物の粒度測定法」
【特許文献7】特開2002―5847「メッシュチェック方法」
【0004】
ここでは、塊状物、粉子等を総称して粒子と呼び、その粒子の寸法による選別のために用いるふるい分け機等の網は、時に磨耗や破損により所定の寸法より大きい粒子を粗大粒子と呼ぶが混入することがあるが、運転中に見つけることは困難であった。粒子径が小さい場合は特に困難であった。
このような微粒子中の場合、粗大粒子が混在すると製品の機能に悪影響を及ぼすことが多く、網の磨耗・破損は品質管理上重要な意味を持つ。
【0005】
従来、ふるい分け機等の網の破損を検知する方法としては、大きく分けて2通りに分けられる。
第1の方法はふるい分け機の網の破損を運転中に検出する方法で、ふるい分け機が稼働中に検出する方法である。
【0006】
ふるい分けされた粒子をコンベアーの上に広げ、目視観察または撮像してや画像処理により検出する方法である。しかし、これらの方法は、粒子が大きい場合は可能であるが、粒子が小さくなればなるほど判定は困難となる。また、人によって観察を続けることは疲労による見落としや不注意が避けられないため信頼性に欠ける。
【0007】
例えば、直接検知の方法として、ふるい金網から出てくる粒子を直接撮像し、画像処理することにより粗大粒子を検知する方法(例えば、特許文献1参照)は、わずかな網の磨耗・破損では分かりにくく、粒子径が50メッシュ0.3mm以下になると、粒子の数が多すぎて画像処理に時間がかかりすぎ適用できない。また粗大粒子が表面に出ていないと検出できない。
【0008】
また、ふるいの網に超音波振動子を取り付け、網の破損時に生じる超音波振動子への供給電力の電気的変化を検出する方法(例えば、特許文献2参照)は、網の破損を直接検知するものではなく網のたるみ、網目のつまり、網の上に載る粒子の量、粒子の水分等の影響を受けるので特別な場合以外は信頼性の高い方法とは言い難い。
【0009】
また、ふるい分けされた粒子の1部を取り出し、ふるい分けされた網と同じ大きさの網でふるい分けして検出する方法が記載されている(例えば、特許文献3参照)が、網破損の初期は、粗大粒子は少なく、1部を取り出して試験する方法のため、取り出した1部には破れから出た粗大粒子が含まれる量が少ないため、検出が遅れる欠点がある。
【0010】
前記の特許と同様に、分別された粒子の1部を取り出し、改めて同サイズの篩網でふるい分けし、検知する方法(例えば、特許文献4参照)で、1部のみを取り出すため、網の破損の初期には検知しにくい欠点がある。
【0011】
また、破れた網から出た粗大粒子を蓄積し、重量として検知する方法は、検知できる量に達するまでの応答遅れが生じる。(例えば、特許文献5参照)特に粒子径が小さい場合には1つの粒子の重量が少ないため、検出重量に達するまでの時間がかかりすぎ、検出が遅れる欠点がある。
【0012】
また、粗大粒子のすべての形状を画像処理により測定する方法は、前述のように粗大粒子が表面に出ない状態では測定が出来ない。(例えば、特許文献6参照)また、粗大粒子の径が小さい場合には、測定に時間がかかりすぎ実用的とはいえない。
【0013】
第2の方法として、ふるい分け後の検査方法がある。
ふるい分けされた粒子を一定時間毎にサンプリングしておき、後に、試験用ふるいで規定以上の粒子の有無を検査し、網の破損を判断する。この方法は、サンプリングをこまめにしても、通常は、作業終了後の検査法となるため不良品が検出された場合、サンプルリングする前から網は破損されているため、その前のグループから、改めて再度ふるい分け行程が必要となり、不経済である。
【0014】
ふるい分け機の停止中に目視にて網を検査する方法もある。
参考文献7は、ふるい機の運転停止時に網を光学的に検査をする方法である。ふるい分け工程完了後でないと検出できないため、不具合が発見されると、前述のように、改めて再度ふるい分け行程が必要となり不経済である。
【0015】
【発明が解決しょうとする課題】
このように従来粒子のふるい分け機による選別工程において、ふるい分け機の網の破損検出方法及び装置として確実な方法は、運転の停止時に網の検査をする方法であった。即ち、運転中に磨耗・破損が起きても、初期の網の破損を検出する方法は困難で、運転中に確実に、迅速に、精度良く検知する適当な方法は見当たらない。
【0016】
【発明の目的】
本発明は、以上の技術的背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、粒体のふるい分け機による選別工程において、ふるい分け機のわずかな網の磨耗・破損も運転中に確実に精度良く検出し、製品中に混入する粗大粒子による不良品の製造を減らす技術を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段及び作用】
発明者らは鋭意研究の結果、粒子のふるい分け機による選別工程において、ふるい分け機の網の破損を運転中に確実に精度良く検出するために、選別された粒子を粗大粒子が特定な箇所に集まるように振動する振動装置に入れ、そこに集まった粗大粒子の有無のみを観察することにより、ふるい分け網の磨耗・破損をいち早く推定検出する方法を発明した。この方法は選別さる網目が小さい場合、特に有効である。
【0018】
粗大粒子を特定な箇所に集める振動装置としては、回転振動、電磁振動及び往復振動装置を用いることができる。
ここで用いる振動装置とは、振動ふるい装置の網の代わりに選別粒子を通さない網を付けることも可能であるが、粒子が移動し易い板状のものが好ましい。
【0019】
振動の調整方法は、回転振動ふるいを利用した場合は、振動バランスの位相を90度にするとすべて真中に集まり、振動装置の中心部に粗大粒子が集まる。しかし、本特許を使用するには排出する必要があるため位相角を70〜85度にするのが適当である。
往復動式の振動装置は回転数、リンクの位置、振動装置本体の構造等により粗大粒子が集まる位置が変わるが、ほぼ駆動側に集まる。
【0020】
検出の方法として、選別用網の大きさが直径1mm程度以上のものであれば網目の破損によりふるいを通り抜けた粗大粒子は目視で検出が可能である。常時監視する必要がある場合は、撮像装置で撮像し、既存方法で画像処理することにより検出する方法を取ることも可能である。選別粒子が目視では困難な場合、撮像装置で撮像し、拡大して画像処理する方法が有効である。
【0021】
しかし、0.5mm以下の微粒子になると目視による判別が困難となる。微粒子の選別に用いる網は線径が細く網の破損が多いにもかかわらず適当な検出方法がなかった。
本発明は、選別された粒子を、前述の振動装置に導き、その振動を調整することにより破損した網からでる粗大粒子が振動装置の特定な箇所に集まるように調整し、そこに集まった粗大粒子の濃度の高い部分のみを観察及び又は取り出し、粗大粒子濃度の高い部分のみを取り出し、網の磨耗・破損個所から出た粗大粒子を正確に検出することにより、選別網の破損を推定検出する方法及び装置に関するものである。
【0022】
網の磨耗・破損個所から出た粗大粒子を検出する場合、振動中の粒子径の測定より、静止状態の測定の方が簡単であり精度が高い。そのため特定な個所に集まった粗大粒子濃度の高い部分を、取り出し、その粒子を撮像装置で撮像し、既存方法で画像処理し、粗大粒子を検出することにより網の磨耗・破損を推定検出する方法及び装置である。
【0023】
取り出し方法は、例えば、フィルターのついた吸引器で吸引して取り出す。吸引空気量は粒子の大きさ、重量により調整する必要がある。
取り出しの方法では、吸引装置で粗大粒子濃度の高い部分を吸引して取り出し、別の場所に移し検出することも可能である。
【0024】
フィルターについたままの状態では、網の破損から出る粗大粒子の上に正常な粒子が付いていることもあり、別の容器の上に吸引を止めて粒子を移す。落ちない場合は空気の噴出や、振動を与えて落とし、観察するほうが正確に観察できる。また、粘着テープで表面に出た粗大粒子を取り出し観察する事もできる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下実施例について、説明するが、本発明はこれに限定するものではない。
試料調整1
試料1として、16メッシュ、目開き1,000ミクロンの網を通過し、かつ、32メッシュ、目開き500ミクロンの網を通過しない炭酸カルシウムを黒く着色し粗大粒子として10grを、32メッシュ、目開き500ミクロンの網を通過した炭酸カルシウム10kgに混ぜ(0.1%)試料1を調整した。混合後、目視により粗大粒子が混ざっていることは検知は不可能ではなかった。
【0026】
試料調整2
試料2として、40メッシュ、目開き445ミクロンの網を通過し、かつ、80メッシュ、目開き200ミクロンの網を通過しない炭酸カルシウムを黒く着色し粗大粒子として10grを、80メッシュ、目開きが200ミクロンの網を通過した炭酸カルシウム10kgに混ぜ(0.1%)試料2を調整した。混合後、目視により粗大粒子が混ざっていることは検知できなかった。
【0027】
実施例1
図1のように振動装置としてダルトン製 401型振動ふるい機1に網の代わりに0.2mmの薄板を取り付け、振動バランスを位相角85度に調整した。出口側の反対側3から前述の試料1を約1分間に2kgの割合で供給した。結果は、2分後に着色した粗大粒子は中央部6に直径約3cmの範囲に集まり、目視でも粗大粒子があることが簡単に判別できた。このことからふるい分け機の網の破損検知が可能である。
【0028】
実施例2
図1のようにダルトン製 401型振動ふるい機1に網の代わりに0.2mmの薄板を取り付け、振動バランスを位相角80度に調整した。出口側の反対側3から前述の試料2を約1分間に2kgの割合で供給した。2分後に粗大粒子は中央部6に直径約4cmの範囲に集まり目視でも、粗大粒子があることが判別できた。このことからふるい分け機の網の破損検知が可能である。
【0029】
実施例3
実施例2で粗大粒子の集まった中央部6に直径約4cmの範囲を図1のように撮像装置20により画像として取り込み、その撮像装置の画像信号はケーブル21を通して画像処理装置22に送り、画像処理法により粒体の寸法を測定し、粗大粒子を検出することができた。このことからふるい分け機の網の破損検知が可能である。
【0030】
実施例4
実施例2で粗大粒子の集まった中央部6に、直径約4cmの範囲の中央部を図2のように、取り出し装置10の排気弁13を開き、排気口11から排気しながらフィルター12を押し付ける。取り出し装置10を検査用受器7の上に移動し、排気弁13を閉め、大気開放弁14を開放し、吸引した粒子を検査用受器7に入れ、撮像装置20により画像として取り込み、その撮像装置の画像信号を画像処理装置22にケーブル21通して送り、既存の画像処理法により粒体の寸法を測定し、粗大粒子を検出することが出来た。このことからふるい分け機の網の破損検知が可能である。
【0031】
実施例5
図4のような自家製の幅50cm長さ70cm高さ10cmの枠の下部に1.2mmの鉄板をつけ長さ30cmのリンク4本で支持し、120rpmのギヤードモーターにつなぎストローク5cmで動かし、駆動側横から実施例2で調整した試料を約1分間に2kgの割合で供給した。約4kg通過後に粗大粒子は駆動部側約2cmの範囲に集まり目視でも、粗大粒子があることが判別できた。このことからふるい分け機の網の破損検知が可能である。
【0032】
【発明の効果】
実施例にも示すとおり、本発明はふるい分け機により選別された粒子を振動装置に入れ、特定な個所の表面に粗大粒体が集まる振動をさせ、粗大粒子の集まった特定な個所のみを監視する、または、取り出し装置で取り出し観察することによりことによりふるい分け機の網の磨耗・破損を運転中に推定検出することができる。人による監視のみならず、撮像装置を用いて撮像し、その画像信号を既存の画像処理装置に送り、この画像処理装置にて個々の粒子の寸法を測定しふるい網の磨耗・破損を推定でき、粒子のふるい分け機による選別工程においてふるい分け機の網の磨耗・破損を運転中に確実に精度良く推定検知できる。
【図面の簡単な説明】
本発明の
【図1】実施例1,2の斜視図
【図2】実施例3のサンプリング斜視図
【図3】実施例3の検査斜視図
【図4】実施例4の斜視図
【図5】図2の取り出し装置の断面図
【符号の説明】
1 振動装置
2 粉体出口
3 粉体入口
4 振動装置容器
5 粉体たまり部
6 粗大粒子の高濃度部
7 検査用受器
8 取り出された粒子
9 振動用減速モーター
10 取り出し装置
11 排気口
12 フィルター
13 排気弁
14 大気開放弁
15 取り付けバンド
18 クランク機構
20 撮像装置
21 カメラパソコン接続ケーブル
22 パソコン
【発明の属する技術分野】
本発明は、粒子のふるい分け工程、特に微細粒子のふるい分け工程におけるふるい分け機用網の磨耗や破損を運転中に検出できる方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平05−172525「ふるい分け機の網破れ検知方法」
【特許文献2】特開平11−290781「ふるい網破損検知方法ならびにその装置」
【特許文献3】特開平09−1076「ふるい網破れ検知方法およびその装置」
【特許文献4】特開平05−123653「篩網の破損検出手段を備えた篩分装置」
【0003】
【特許文献5】特開平07−144172「振動篩装置の篩い破損判別方法及びその装置」
【特許文献6】特開平06−213796「塊状物の粒度測定法」
【特許文献7】特開2002―5847「メッシュチェック方法」
【0004】
ここでは、塊状物、粉子等を総称して粒子と呼び、その粒子の寸法による選別のために用いるふるい分け機等の網は、時に磨耗や破損により所定の寸法より大きい粒子を粗大粒子と呼ぶが混入することがあるが、運転中に見つけることは困難であった。粒子径が小さい場合は特に困難であった。
このような微粒子中の場合、粗大粒子が混在すると製品の機能に悪影響を及ぼすことが多く、網の磨耗・破損は品質管理上重要な意味を持つ。
【0005】
従来、ふるい分け機等の網の破損を検知する方法としては、大きく分けて2通りに分けられる。
第1の方法はふるい分け機の網の破損を運転中に検出する方法で、ふるい分け機が稼働中に検出する方法である。
【0006】
ふるい分けされた粒子をコンベアーの上に広げ、目視観察または撮像してや画像処理により検出する方法である。しかし、これらの方法は、粒子が大きい場合は可能であるが、粒子が小さくなればなるほど判定は困難となる。また、人によって観察を続けることは疲労による見落としや不注意が避けられないため信頼性に欠ける。
【0007】
例えば、直接検知の方法として、ふるい金網から出てくる粒子を直接撮像し、画像処理することにより粗大粒子を検知する方法(例えば、特許文献1参照)は、わずかな網の磨耗・破損では分かりにくく、粒子径が50メッシュ0.3mm以下になると、粒子の数が多すぎて画像処理に時間がかかりすぎ適用できない。また粗大粒子が表面に出ていないと検出できない。
【0008】
また、ふるいの網に超音波振動子を取り付け、網の破損時に生じる超音波振動子への供給電力の電気的変化を検出する方法(例えば、特許文献2参照)は、網の破損を直接検知するものではなく網のたるみ、網目のつまり、網の上に載る粒子の量、粒子の水分等の影響を受けるので特別な場合以外は信頼性の高い方法とは言い難い。
【0009】
また、ふるい分けされた粒子の1部を取り出し、ふるい分けされた網と同じ大きさの網でふるい分けして検出する方法が記載されている(例えば、特許文献3参照)が、網破損の初期は、粗大粒子は少なく、1部を取り出して試験する方法のため、取り出した1部には破れから出た粗大粒子が含まれる量が少ないため、検出が遅れる欠点がある。
【0010】
前記の特許と同様に、分別された粒子の1部を取り出し、改めて同サイズの篩網でふるい分けし、検知する方法(例えば、特許文献4参照)で、1部のみを取り出すため、網の破損の初期には検知しにくい欠点がある。
【0011】
また、破れた網から出た粗大粒子を蓄積し、重量として検知する方法は、検知できる量に達するまでの応答遅れが生じる。(例えば、特許文献5参照)特に粒子径が小さい場合には1つの粒子の重量が少ないため、検出重量に達するまでの時間がかかりすぎ、検出が遅れる欠点がある。
【0012】
また、粗大粒子のすべての形状を画像処理により測定する方法は、前述のように粗大粒子が表面に出ない状態では測定が出来ない。(例えば、特許文献6参照)また、粗大粒子の径が小さい場合には、測定に時間がかかりすぎ実用的とはいえない。
【0013】
第2の方法として、ふるい分け後の検査方法がある。
ふるい分けされた粒子を一定時間毎にサンプリングしておき、後に、試験用ふるいで規定以上の粒子の有無を検査し、網の破損を判断する。この方法は、サンプリングをこまめにしても、通常は、作業終了後の検査法となるため不良品が検出された場合、サンプルリングする前から網は破損されているため、その前のグループから、改めて再度ふるい分け行程が必要となり、不経済である。
【0014】
ふるい分け機の停止中に目視にて網を検査する方法もある。
参考文献7は、ふるい機の運転停止時に網を光学的に検査をする方法である。ふるい分け工程完了後でないと検出できないため、不具合が発見されると、前述のように、改めて再度ふるい分け行程が必要となり不経済である。
【0015】
【発明が解決しょうとする課題】
このように従来粒子のふるい分け機による選別工程において、ふるい分け機の網の破損検出方法及び装置として確実な方法は、運転の停止時に網の検査をする方法であった。即ち、運転中に磨耗・破損が起きても、初期の網の破損を検出する方法は困難で、運転中に確実に、迅速に、精度良く検知する適当な方法は見当たらない。
【0016】
【発明の目的】
本発明は、以上の技術的背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、粒体のふるい分け機による選別工程において、ふるい分け機のわずかな網の磨耗・破損も運転中に確実に精度良く検出し、製品中に混入する粗大粒子による不良品の製造を減らす技術を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段及び作用】
発明者らは鋭意研究の結果、粒子のふるい分け機による選別工程において、ふるい分け機の網の破損を運転中に確実に精度良く検出するために、選別された粒子を粗大粒子が特定な箇所に集まるように振動する振動装置に入れ、そこに集まった粗大粒子の有無のみを観察することにより、ふるい分け網の磨耗・破損をいち早く推定検出する方法を発明した。この方法は選別さる網目が小さい場合、特に有効である。
【0018】
粗大粒子を特定な箇所に集める振動装置としては、回転振動、電磁振動及び往復振動装置を用いることができる。
ここで用いる振動装置とは、振動ふるい装置の網の代わりに選別粒子を通さない網を付けることも可能であるが、粒子が移動し易い板状のものが好ましい。
【0019】
振動の調整方法は、回転振動ふるいを利用した場合は、振動バランスの位相を90度にするとすべて真中に集まり、振動装置の中心部に粗大粒子が集まる。しかし、本特許を使用するには排出する必要があるため位相角を70〜85度にするのが適当である。
往復動式の振動装置は回転数、リンクの位置、振動装置本体の構造等により粗大粒子が集まる位置が変わるが、ほぼ駆動側に集まる。
【0020】
検出の方法として、選別用網の大きさが直径1mm程度以上のものであれば網目の破損によりふるいを通り抜けた粗大粒子は目視で検出が可能である。常時監視する必要がある場合は、撮像装置で撮像し、既存方法で画像処理することにより検出する方法を取ることも可能である。選別粒子が目視では困難な場合、撮像装置で撮像し、拡大して画像処理する方法が有効である。
【0021】
しかし、0.5mm以下の微粒子になると目視による判別が困難となる。微粒子の選別に用いる網は線径が細く網の破損が多いにもかかわらず適当な検出方法がなかった。
本発明は、選別された粒子を、前述の振動装置に導き、その振動を調整することにより破損した網からでる粗大粒子が振動装置の特定な箇所に集まるように調整し、そこに集まった粗大粒子の濃度の高い部分のみを観察及び又は取り出し、粗大粒子濃度の高い部分のみを取り出し、網の磨耗・破損個所から出た粗大粒子を正確に検出することにより、選別網の破損を推定検出する方法及び装置に関するものである。
【0022】
網の磨耗・破損個所から出た粗大粒子を検出する場合、振動中の粒子径の測定より、静止状態の測定の方が簡単であり精度が高い。そのため特定な個所に集まった粗大粒子濃度の高い部分を、取り出し、その粒子を撮像装置で撮像し、既存方法で画像処理し、粗大粒子を検出することにより網の磨耗・破損を推定検出する方法及び装置である。
【0023】
取り出し方法は、例えば、フィルターのついた吸引器で吸引して取り出す。吸引空気量は粒子の大きさ、重量により調整する必要がある。
取り出しの方法では、吸引装置で粗大粒子濃度の高い部分を吸引して取り出し、別の場所に移し検出することも可能である。
【0024】
フィルターについたままの状態では、網の破損から出る粗大粒子の上に正常な粒子が付いていることもあり、別の容器の上に吸引を止めて粒子を移す。落ちない場合は空気の噴出や、振動を与えて落とし、観察するほうが正確に観察できる。また、粘着テープで表面に出た粗大粒子を取り出し観察する事もできる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下実施例について、説明するが、本発明はこれに限定するものではない。
試料調整1
試料1として、16メッシュ、目開き1,000ミクロンの網を通過し、かつ、32メッシュ、目開き500ミクロンの網を通過しない炭酸カルシウムを黒く着色し粗大粒子として10grを、32メッシュ、目開き500ミクロンの網を通過した炭酸カルシウム10kgに混ぜ(0.1%)試料1を調整した。混合後、目視により粗大粒子が混ざっていることは検知は不可能ではなかった。
【0026】
試料調整2
試料2として、40メッシュ、目開き445ミクロンの網を通過し、かつ、80メッシュ、目開き200ミクロンの網を通過しない炭酸カルシウムを黒く着色し粗大粒子として10grを、80メッシュ、目開きが200ミクロンの網を通過した炭酸カルシウム10kgに混ぜ(0.1%)試料2を調整した。混合後、目視により粗大粒子が混ざっていることは検知できなかった。
【0027】
実施例1
図1のように振動装置としてダルトン製 401型振動ふるい機1に網の代わりに0.2mmの薄板を取り付け、振動バランスを位相角85度に調整した。出口側の反対側3から前述の試料1を約1分間に2kgの割合で供給した。結果は、2分後に着色した粗大粒子は中央部6に直径約3cmの範囲に集まり、目視でも粗大粒子があることが簡単に判別できた。このことからふるい分け機の網の破損検知が可能である。
【0028】
実施例2
図1のようにダルトン製 401型振動ふるい機1に網の代わりに0.2mmの薄板を取り付け、振動バランスを位相角80度に調整した。出口側の反対側3から前述の試料2を約1分間に2kgの割合で供給した。2分後に粗大粒子は中央部6に直径約4cmの範囲に集まり目視でも、粗大粒子があることが判別できた。このことからふるい分け機の網の破損検知が可能である。
【0029】
実施例3
実施例2で粗大粒子の集まった中央部6に直径約4cmの範囲を図1のように撮像装置20により画像として取り込み、その撮像装置の画像信号はケーブル21を通して画像処理装置22に送り、画像処理法により粒体の寸法を測定し、粗大粒子を検出することができた。このことからふるい分け機の網の破損検知が可能である。
【0030】
実施例4
実施例2で粗大粒子の集まった中央部6に、直径約4cmの範囲の中央部を図2のように、取り出し装置10の排気弁13を開き、排気口11から排気しながらフィルター12を押し付ける。取り出し装置10を検査用受器7の上に移動し、排気弁13を閉め、大気開放弁14を開放し、吸引した粒子を検査用受器7に入れ、撮像装置20により画像として取り込み、その撮像装置の画像信号を画像処理装置22にケーブル21通して送り、既存の画像処理法により粒体の寸法を測定し、粗大粒子を検出することが出来た。このことからふるい分け機の網の破損検知が可能である。
【0031】
実施例5
図4のような自家製の幅50cm長さ70cm高さ10cmの枠の下部に1.2mmの鉄板をつけ長さ30cmのリンク4本で支持し、120rpmのギヤードモーターにつなぎストローク5cmで動かし、駆動側横から実施例2で調整した試料を約1分間に2kgの割合で供給した。約4kg通過後に粗大粒子は駆動部側約2cmの範囲に集まり目視でも、粗大粒子があることが判別できた。このことからふるい分け機の網の破損検知が可能である。
【0032】
【発明の効果】
実施例にも示すとおり、本発明はふるい分け機により選別された粒子を振動装置に入れ、特定な個所の表面に粗大粒体が集まる振動をさせ、粗大粒子の集まった特定な個所のみを監視する、または、取り出し装置で取り出し観察することによりことによりふるい分け機の網の磨耗・破損を運転中に推定検出することができる。人による監視のみならず、撮像装置を用いて撮像し、その画像信号を既存の画像処理装置に送り、この画像処理装置にて個々の粒子の寸法を測定しふるい網の磨耗・破損を推定でき、粒子のふるい分け機による選別工程においてふるい分け機の網の磨耗・破損を運転中に確実に精度良く推定検知できる。
【図面の簡単な説明】
本発明の
【図1】実施例1,2の斜視図
【図2】実施例3のサンプリング斜視図
【図3】実施例3の検査斜視図
【図4】実施例4の斜視図
【図5】図2の取り出し装置の断面図
【符号の説明】
1 振動装置
2 粉体出口
3 粉体入口
4 振動装置容器
5 粉体たまり部
6 粗大粒子の高濃度部
7 検査用受器
8 取り出された粒子
9 振動用減速モーター
10 取り出し装置
11 排気口
12 フィルター
13 排気弁
14 大気開放弁
15 取り付けバンド
18 クランク機構
20 撮像装置
21 カメラパソコン接続ケーブル
22 パソコン
Claims (3)
- ふるい分け機で選別された粒子を、粗大粒子が特定な個所に集まるように振動する振動装置に入れ、網の破損部分を通過した粗大粒子の密度が高くなっているところを観察することにより、ふるい分け機用網の破損推定検出方法。
- ふるい分け機で選別された粒子を、粗大粒子が特定な個所に集まるように振動する振動装置に入れ、粗大粒子の集まった部分を取り出し、取り出した粒子から粗大粒子の有無を観察することにより、ふるい分け機用網の破損推定検出方法
- ふるい分け機で選別された粒子を、粗大粒子が特定な個所に集まるように振動する振動装置に入れ、粗大粒子の集まった部分を取り出し、取り出した粒子から粗大粒子の有無を観察することにより、ふるい分け機用網の破損推定する取り出し装置
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JP2007136382A (ja) * | 2005-11-21 | 2007-06-07 | Showa Engineering Co Ltd | 超音波振動篩金網劣化診断方法 |
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2003
- 2003-06-03 JP JP2003157452A patent/JP2004358305A/ja active Pending
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CN111307181B (zh) * | 2020-03-17 | 2021-01-12 | 西安长拓电气自动化有限责任公司 | 一种检测筛网破损的钻井用振动筛刷 |
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