JP2004358094A - カプセル内視鏡 - Google Patents
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Abstract
【課題】イメージセンサに入射した光による画像信号の読み出し時間よりも短時間でイメージセンサに対する露光量を低電力で最適化でき、かつ小型化を実現したカプセル内視鏡を提供する。
【解決手段】少なくとも観察光学部10、照明光源部8、撮像部11、周辺回路とを有するカプセル内視鏡20において、上記撮像部11は、上記観察光学部10を介して患部等の被写体の撮像を行う第1の光電変換素子1と、露光量を制御する第2の光電変換素子4とで構成されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】少なくとも観察光学部10、照明光源部8、撮像部11、周辺回路とを有するカプセル内視鏡20において、上記撮像部11は、上記観察光学部10を介して患部等の被写体の撮像を行う第1の光電変換素子1と、露光量を制御する第2の光電変換素子4とで構成されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カプセル内視鏡、詳しくは、観察光学部、照明光源部および撮像部等が一体に組み込まれた錠剤カプセル形状からなるカプセル内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、先端に撮像素子等を備えた管状の挿入部と、この挿入部に連設される操作部、およびこれに接続される画像処理装置並びに表示装置等を有し、挿入部を被検者の体腔内へと挿入し、撮像することにより体腔内における所望の部位を観察、検査し得る内視鏡装置が実用化されているが、このような内視鏡装置は、体腔内に挿入される挿入部の太さや長さ等に制約があることから、術者が観察や検査等を行い得る範囲には限界があった。
【0003】
こうした事情に鑑みて、例えば錠剤カプセル形状の筐体の内部に撮影光学系を有する固体撮像素子等を収納した超小型の内視鏡、所謂カプセル内視鏡が近年開発されている。カプセル内視鏡は、これを被検者が嚥下する等の手段によって体腔内へ挿入し、患部等を撮像し、その画像を体外で受信することで、体腔内の観察や検査等を行い得るようになっている。したがって、従来の挿入部を有する内視鏡によっては観察や検査等を行うのが困難であった、例えば小腸等の臓器の観察や検査等をも比較的容易に行うことができる。
【0004】
このようなカプセル内視鏡は、例えば特許文献1に提案されている。該特許文献1では、図9に示すように、カプセル内視鏡100は、対物レンズ107を介して被写体(患部)110を撮像する光電変換素子(イメージセンサ)101と、該イメージセンサ101から出力された画像データのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路102と、光電変換素子101を駆動する光電変換素子駆動回路104と、患部110を照射するための患部照射用光源(以下、光源と称す)106と、該光源106の光量を調整する調光回路105と、A/D変換回路102から出力されたデジタル信号を、例えばビデオ信号に変換して外部(体外)に出力するとともに、光電変換素子駆動回路104を介してイメージセンサ101の電荷蓄積時間(露光量)を、調光回路105を介して光源106の光量を調節することによって制御する信号処理部103とで構成されている。
【0005】
光源106により照射された患部110からの反射光は、レンズ107を介してイメージセンサ101に入光され、該イメージセンサ101で光電変換された出力信号は、A/D変換回路102、信号処理部103を介してビデオ信号に変換されて、カプセル内視鏡から無線通信等によって体外に出力される。また、信号処理部103は、イメージセンサ101からの信号に基づき光電変換素子駆動回路104を介してイメージセンサ101の露光量を、調光回路105によって光源106の光源光量を調節することにより最適化する。
【0006】
また、特許文献1では、カプセル内視鏡におけるイメージセンサの電荷蓄積時間の制御に関してCPUにて行っている旨が開示されている。一方、電子内視鏡における光源光量の調整に関する技術が、特許文献2に示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001―245844号公報
【0008】
【特許文献2】
特開2002―58642号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1では、光源の具体的な制御方法については、何ら記載がなく、最適な露光条件下で撮像できるか否かが定かではない。また、制御回路に用いるCPUは、消費電力が大きいので、カプセル内視鏡には不向きである。
【0010】
また、特許文献2に開示された光源光量の調整は、イメージセンサの出力を元に行っており、被写体に照射する光を最適化するには、イメージセンサの全画素を読み出す時間(露光時間のフィードバック)が1フレーム以上必要となってしまう。よって、前フレームで最適であった光量が次フレームでも最適であるとは限らず、最適な光量を常時得ることは難しい。また、無駄になってしまうフレームも増えるため露光量調整の効率が悪い。
【0011】
また、イメージセンサは、電源投入直後の初期状態では電圧が安定しないことから、電源投入直後の1〜2フレームは適切な撮像を行うことができない。よって、この1〜2フレームの間は、信号読み出し機能が使えないので電力が無駄になってしまうため、この技術は、内蔵する電源の容量が小さいカプセル内視鏡においては問題である。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、イメージセンサに入射した光による画像信号の読み出し時間よりも短時間でイメージセンサに対する露光量を低電力で最適化でき、かつ小型化を実現したカプセル内視鏡を提供するにある。
【0013】
【課題を解決するための手段、及び作用】
上記の目的を達成するために本発明によるカプセル内視鏡は、少なくとも観察光学部、照明光源部、撮像部、周辺回路とを有するカプセル内視鏡において、上記撮像部は、上記観察光学部を介して患部等の被写体の撮像を行う撮像用光電変換部と、露光量を制御する露光量調整用光電変換部とで構成されていることを特徴とし、また、上記周辺回路は、上記露光量調整用光電変換部からの出力に基づいて露光量の調整を行う制御回路を有し、該制御回路における露光量の調整は、少なくとも撮像用光電変換部の露光時間、または照明光源部の光量であることを特徴とし、さらに、上記露光量調整用光電変換部は、上記撮像用光電変換部とは別個に設けられていることを特徴とする。
【0014】
また、上記露光量調整用光電変換部は、上記撮像用光電変換部と同一チップ上に設けられていることを特徴とし、さらに、上記露光量調整用光電変換部は、上記撮像用光電変換部の画素の一部であることを特徴とし、また、上記露光量調整用光電変換部は、フォトダイオード、フォトトランジスタ、CCDセンサ、CMOSセンサ、またはその他の増幅型イメージセンサで構成されていることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。
図1は、本発明の第1実施の形態を示すカプセル内視鏡の電気回路の構成の概略を示すブロック図、図2は、図1の第2の光電変換素子を複数個配設したときの配設位置の一例を、被写体側から見て示した正面図、図3は、図1の第2の光電変換素子を複数個配設したときの配設位置の他の例を、被写体側から見て示した正面図である。
【0016】
図1に示すように、カプセル内視鏡20は、観察光学部である対物レンズ10を介して被写体(患部)9を撮像する撮像用光電変換部である第1の光電変換素子(イメージセンサ)1、および該イメージセンサ1に近接して配設され、該イメージセンサ1とは別個に設けられた露光/AE用の1個または複数個の露光量調整用光電変換部である第2の光電変換素子4からなる撮像部11と、該イメージセンサ1から出力された画像データのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路2と、該A/D変換回路2から出力されたデジタル信号を、例えばビデオ信号に変換して、内蔵する通信回路(図示せず)よりカプセル内視鏡の外部(体外)にビデオ信号を出力する信号処理部3と、後述する制御回路5からの制御信号に応じてイメージセンサ1の電荷蓄積時間(露光時間)を設定する、タイミングジェネレータの機能を有する光電変換素子駆動回路6と、被写体(患部)9を照射するための、例えば複数のLEDからなる照明光源部である患部照射用光源(以下、光源と称す)8と、後述する制御回路5からの制御信号に応じて該光源8の光量を調節する調光回路7と、制御回路5とで、その主要部が構成されている。尚、A/D変換回路2、信号処理部3、制御回路5、光電変換素子駆動回路6、調光回路7は、本発明における周辺回路を構成している。
【0017】
患部9からの反射光は、レンズ10を介してイメージセンサ1の後述する受光部1a(図2参照)および第2の光電変換素子4に入光するようになっており、イメージセンサ1は、A/D変換回路2に接続されていて、該A/D変換回路2は、信号処理部3に接続されている。また、第2の光電変換素子4は、制御回路5に接続されており、該制御回路5は、調光回路7および光電変換素子駆動回路6に接続されている。さらに、該光電変換素子駆動回路6は、イメージセンサ1に接続されており、また、調光回路7は光源8に接続されていて、光源8は患部9を照射するようになっている。
【0018】
第1の光電変換素子であるイメージセンサ1は、被写体(患部)9に対してレンズ10の後方の焦点位置に配設されており、また、図2,図3に示すように、その中央部には、光源8からの出射光に基づく被写体9の反射光を受光する受光部1aが配設されている。
【0019】
イメージセンサ1の初期動作後、即ち電源がオンされ電圧が安定した後では、イメージセンサ1は、受光部1aに入射した被写体反射光より、フレーム単位で画像データを制御回路5および光電変換素子駆動回路6の制御により読み出し、A/D変換回路2に、この読み出したアナログ画像信号を出力する。
【0020】
第2の光電変換素子4は、例えばフォトダイオード、フォトトランジスタ、CCDセンサ、CMOSセンサ、またはその他の増幅型イメージセンサ等で構成されており、図2,図3に示すように、イメージセンサ1の周辺に近接するように複数個配設されている。これは、一般に、カプセル内視鏡は、できるだけ小さい構造にしなければならないため、カプセル内視鏡に用いる対物レンズは、レンズ径の小さい暗いレンズが用いられる。よって、レンズにより集光される光の明るさは、結像されるイメージセンサ1の中心部に比べ周辺部の光量が極端に落ちてしまうので、第2の光電変換素子4は、レンズ10の焦点位置に配設されているイメージセンサ1に近接して配設する必要があるためである。
【0021】
尚、第2の光電変換素子4は、図2,図3に示すように、イメージセンサ1の周辺に近接するように配設されれば、その状態によって何個、どのような位置に配設されていても構わない。
【0022】
また、光源部8もイメージセンサ1の周辺に複数個配設されている。尚、光源部8も、その状態によって何個、どのような位置に配設されていても構わない。
【0023】
ここで、イメージセンサ1の受光部1aに入射する被写体反射光の露光量は、光源8の光量と、該イメージセンサ1の露光時間とで決定される。よって、制御回路5は、第2の光電変換素子4の入射光量に応じた電気信号(アナログ信号)をリアルタイムで読み出すことで、光電変換素子駆動回路6を介してイメージセンサ1の露光時間、またはイメージセンサ1の読み出しのタイミングを制御し、また調光回路7を介して光源8の光量(電源電圧/パルス周期)およびどのLEDを発光させるかを制御することにより、イメージセンサ1の露光量を決定する。尚、この制御回路5は、CPU等の複雑な処理を行う回路である必要は無く、光電変換素子駆動回路6および調光回路7の制御パターンを有する簡単な構成の回路で良い。従って、この制御回路5の消費電力は小さい。
【0024】
また、第2の光電変換素子4が複数個配設された場合には、制御回路5は、この第2の光電変換素子4からの出力信号の平均値、または既知の荷重平均値等を用いてイメージセンサ1の露光量を決定する。
【0025】
このように主要部が構成されたカプセル内視鏡20では、患部9からレンズ10を介してイメージセンサ1に入射した被写体反射光は、フレーム単位で画像データが読み出された後、A/D変換回路2に出力され、このA/D変換回路2および信号処理部3で上述した処理が行われた後、該信号処理部3からカプセル内視鏡の外部に出力される。尚、この際、信号処理部3にメモリ等の記憶素子を設けて、送信前に一時的に保管しておくようにしても良い。
【0026】
一方、患部9からレンズ10を介して第2の光電変換素子4に入射した反射光は、制御回路5に出力され、この制御回路5は、イメージセンサ1の露光時間を制御するための信号を光電変換素子駆動回路6に出力し、また、光源8の光量を制御するための信号を調光回路7に出力する。この信号を受けて、光電変換素子駆動回路6は、イメージセンサ1の露光時間を設定し、また、調光回路7は、光源8の光量を調節する。尚、この一連の動作は、イメージセンサ1の上記初期動作期間中に行われる。
【0027】
このように、本発明の第1実施の形態を示すカプセル内視鏡20では、撮像部11に、撮像用の第1の光電変換素子であるイメージセンサ1とは別個に、露光量調整用の第2の光電変換素子4を1個または複数個配設し、第2の光電変換素子4からの出力を基に光源8の光量とイメージセンサ1の露光時間を設定する制御回路5を設けた。
【0028】
よって、制御回路5は、第2の光電変換素子4からの入射光量に応じた電気信号の出力をリアルタイムに読み出すことで、第1の光電変換素子であるイメージセンサ1の撮像処理とは独立して、光源8の光量およびイメージセンサ1の露光量を制御することができる。つまり、得られる患部9の画像の明部も暗部もはっきり見える、詳しくは、露出オーバで黒つぶれがなく、露出アンダーで白つぶれがない明るさの均一な最適露光量となるよう制御することができるため、イメージセンサ1の1フレームを更新する時間(フレームレート)よりも高速に、イメージセンサに対する露光量を最適化することができる。
【0029】
また、イメージセンサ1の電源オン後、該イメージセンサ1が正常動作する1フレーム以下の期間で、第2の光電変換素子4により最適露光量を決定することができるので、イメージセンサ1が画像信号の読み出しを行う最初のフレーム目から最適露光条件下で画像を取得することができる。
【0030】
尚、本実施の形態においては、制御回路5には、第2の光電変換素子4からの入射光量に応じたアナログ信号が入力されるように構成したが、これに限らず、第2の光電変換素子4と制御回路5の間にA/D変換回路を接続して、第2の光電変換素子4から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換してから制御回路5に入力するようにしてもよい。この場合、制御回路5とA/D変換回路をワンチップ化してもよい。
【0031】
また、制御回路5と信号処理部3とを同一のチップ上に構成してもよい。このようにワンチップ化すれば、カプセル内視鏡を更に小型化することができる。
【0032】
図4は、本発明の第2実施の形態を示すカプセル内視鏡における複数の第2の光電変換素子の配設位置を被写体側から見て示した図である。
【0033】
この第2実施形態のカプセル内視鏡の構成および作用は、前記図1に示した第1実施形態のカプセル内視鏡と殆ど同じであるが、本実施の形態では、第2の光電変換素子を第1の光電変換素子と同一チップ上に別個に配設した点のみが異なる。よって、この相違点のみを説明し、第1実施形態と同様の構成には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0034】
図4に示すように、カプセル内視鏡30における第2の光電変換素子24は、第1の光電変換素子であるイメージセンサ21と同一チップ上に、イメージセンサ21の受光部21aと重畳しない位置に別個に、例えば四角状に形成したイメージセンサ21上の対向する角部に配設されている。尚、第2の光電変換素子24は、その性能により1個または複数個配設しても構わない。また、イメージセンサ21と同一チップ上で受光部21aと重畳しない位置であれば、どの位置に配設しても良い。
【0035】
このように、カプセル内視鏡30を構成しても、上述した第1実施形態のカプセル内視鏡と同様の効果を得ることができる。また、第2の光電変換素子24を第1の光電変換素子であるイメージセンサ21と同一チップ上に配設することにより、これらを搭載するカプセル内視鏡の小型化を更に図ることができる。
【0036】
図5,図6は、本発明の第3の実施の形態を示すカプセル内視鏡における光電変換素子の構成を示したものであって、撮像用の第1の光電変換素子であるイメージセンサの受光部の画素の一部に露光用の第2の光電変換素子を配設したことを示した図である。
【0037】
この第3実施形態のカプセル内視鏡の構成および作用も、前記図1に示した第1実施形態、図4に示した第2実施形態のカプセル内視鏡の構成と殆ど同じであるが、本実施の形態では、第2の光電変換素子を第1の光電変換素子であるイメージセンサの受光部の画素の一部に配設した点のみが異なる。よって、この相違点のみを説明し、第1実施形態および第2実施形態と同様の構成には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0038】
図5,図6に示すように、カプセル内視鏡40の第2の光電変換素子31bは、イメージセンサ31の受光部31aの画素の中心に1個配設されている。イメージセンサ受光部31aの画素は、列選択スイッチ31cにより、列単位で画像信号を読み出せるようになっており、第2の光電変換素子31bは、上述した第1実施の形態に示すように、制御回路5(図1参照)に接続され、入射光量に応じた電気信号を出力するようになっている。
【0039】
このように、第2の光電変換素子31bをイメージセンサ受光部31aの画素の中心に配設することにより、第2の光電変換素子31bは、イメージセンサ31の受光部31aに入射する光の中点を受光することができる。よって、入射する光の最も均一となる領域で、露光およびAEを行うことができるため、感度が向上する。
【0040】
また、第2の光電変換素子31bをイメージセンサ31の受光部31aの画素内に設けることにより、上述した図4に示した第2の実施形態よりも、さらにカプセル内視鏡をより一層小型化することができ、また、消費電力を小さくすることができる。
【0041】
尚、第2の光電変換素子31bは、イメージセンサ31の受光部31aの画素の略中心で、受光部としての機能を著しく低下させない範囲であれば複数個設けても良い。また、上述したように、イメージセンサの画素生成に用いる中心の画素を、第2の光電変換素子に用いると、得られる画像としては、中心が欠落した画像となるが、これは、現在のデジタルカメラで一般的に行われている、例えば周辺画素情報を基にした欠陥補正処理等を行うことにより対処することができる。また、複数の画素を第2の光電変換素子に用いた場合でも同様である。
【0042】
さらに、このように、カプセル内視鏡40を構成しても、上述した第1実施形態を示すカプセル内視鏡と同様の効果を得ることができる。
【0043】
図7,図8は、本発明の第4実施の形態を示すカプセル内視鏡における光電変換素子の構成を示したものであって、撮像用の光電変換素子であるイメージセンサの受光部の外側の画素に露光用の第2の光電変換素子を配設したことを示した図である。
【0044】
この第4実施形態のカプセル内視鏡の構成および作用は、前記図1に示した第1実施形態、前記図4に示した第2実施形態、前記図5,6に示した第3実施形態のカプセル内視鏡の構成と殆ど同じであるが、本実施の形態では、第2の光電変換素子を第1の光電変換素子であるイメージセンサの受光部の外側の画素で構成した点のみが異なる。よって、この相違点のみを説明し、第1実施形態乃至第3実施形態と同様の構成部材には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0045】
図7,図8に示すように、カプセル内視鏡50における露光/AE用の第2の光電変換素子44は、第1の光電変換素子であるイメージセンサ41の受光部41aの外側の周辺に、複数個配設された画素で構成されている。イメージセンサ41の受光部41aを構成する画素は、列選択スイッチ41cにより、列単位で画像信号を読み出せるようになっており、第2の光電変換素子44は、上述した第1実施の形態に示すように、制御回路5(図1参照)に接続され、入射光量に応じた電気信号を出力するようになっている。
【0046】
このように、第2の光電変換素子44に第1の光電変換素子であるイメージセンサ41の受光部41aの外側の画素を用いることにより、第2の光電変換素子44を複数設けることができる。この周辺部に複数配設された第2の光電変換素子44の各電気信号を加算して用いることにより、イメージセンサ41の感度を向上させることができる。
【0047】
また、第2の光電変換素子44に、イメージセンサ41の受光部41aの外周部の画素を利用したことにより、図5、6で上述した第3実施の形態に示したような、イメージセンサ41で撮像した中心画像に欠陥補正処理を行う必要がない。
【0048】
この第4実施形態のカプセル内視鏡も、上述した図4に示した第2の実施形態よりも、よりカプセル内視鏡を小型化することができ、さらに、消費電力を小さくすることができる。
【0049】
また、一般に、AE用の光電変換素子からの信号は、配線容量の影響を受け易いので、この光電変換素子を配設する際の非対称、不連続性は、この影響に起因するイメージセンサの画像劣化を招く虞があるが、本実施の形態においては、レイアウトが容易であるため、この影響を無視することができる。
【0050】
さらに、このように、カプセル内視鏡50を構成しても、上述した第1実施の形態を示すカプセル内視鏡と同様の効果を得ることができる。
【0051】
【発明の効果】
以上、述べたように本発明によれば、イメージセンサに入射する光による画像信号の読み出し時間よりも、短時間でイメージセンサに対する露光量を低電力で最適化でき、かつ小型化を実現可能なカプセル内視鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態を示すカプセル内視鏡の電気回路の構成の概略を示すブロック図、
【図2】図1の第2の光電変換素子を複数個配設したときの配設位置の一例を被写体側から見て示した正面拡大図、
【図3】図1の第2の光電変換素子を複数個配設したときの配設位置の他の例を被写体側から見て示した正面拡大図、
【図4】本発明の第2実施の形態を示すカプセル内視鏡における複数の露光用光電変換素子の配設位置を被写体側から見て示した正面拡大図、
【図5】本発明の第3実施の形態を示すカプセル内視鏡における第1,第2光電変換素子の構成を被写体側から見て示した正面拡大図、
【図6】図5の第1,第2光電変換素子の接続態様を示す電気回路図、
【図7】本発明の第4実施の形態を示すカプセル内視鏡における第1,第2光電変換素子の構成を被写体側から見て示した正面拡大図、
【図8】図7の第1,第2光電変換素子の接続態様を示す電気回路図、
【図9】従来のカプセル内視鏡の電気回路の構成の概略を示すブロック図。
【符号の説明】
1…第1の光電変換素子(撮像用光電変換部)
2…A/D変換回路(周辺回路)
3…信号処理部(周辺回路)
4…第2の光電変換素子(露光量調整用光電変換部)
5…制御回路(周辺回路)
6…光電変換素子駆動回路(周辺回路)
7…調光回路(周辺回路)
8…患部照射用光源(照明光源部)
10…対物レンズ(観察光学部)
11…撮像部
20,30,40,50…カプセル内視鏡
【発明の属する技術分野】
本発明は、カプセル内視鏡、詳しくは、観察光学部、照明光源部および撮像部等が一体に組み込まれた錠剤カプセル形状からなるカプセル内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、先端に撮像素子等を備えた管状の挿入部と、この挿入部に連設される操作部、およびこれに接続される画像処理装置並びに表示装置等を有し、挿入部を被検者の体腔内へと挿入し、撮像することにより体腔内における所望の部位を観察、検査し得る内視鏡装置が実用化されているが、このような内視鏡装置は、体腔内に挿入される挿入部の太さや長さ等に制約があることから、術者が観察や検査等を行い得る範囲には限界があった。
【0003】
こうした事情に鑑みて、例えば錠剤カプセル形状の筐体の内部に撮影光学系を有する固体撮像素子等を収納した超小型の内視鏡、所謂カプセル内視鏡が近年開発されている。カプセル内視鏡は、これを被検者が嚥下する等の手段によって体腔内へ挿入し、患部等を撮像し、その画像を体外で受信することで、体腔内の観察や検査等を行い得るようになっている。したがって、従来の挿入部を有する内視鏡によっては観察や検査等を行うのが困難であった、例えば小腸等の臓器の観察や検査等をも比較的容易に行うことができる。
【0004】
このようなカプセル内視鏡は、例えば特許文献1に提案されている。該特許文献1では、図9に示すように、カプセル内視鏡100は、対物レンズ107を介して被写体(患部)110を撮像する光電変換素子(イメージセンサ)101と、該イメージセンサ101から出力された画像データのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路102と、光電変換素子101を駆動する光電変換素子駆動回路104と、患部110を照射するための患部照射用光源(以下、光源と称す)106と、該光源106の光量を調整する調光回路105と、A/D変換回路102から出力されたデジタル信号を、例えばビデオ信号に変換して外部(体外)に出力するとともに、光電変換素子駆動回路104を介してイメージセンサ101の電荷蓄積時間(露光量)を、調光回路105を介して光源106の光量を調節することによって制御する信号処理部103とで構成されている。
【0005】
光源106により照射された患部110からの反射光は、レンズ107を介してイメージセンサ101に入光され、該イメージセンサ101で光電変換された出力信号は、A/D変換回路102、信号処理部103を介してビデオ信号に変換されて、カプセル内視鏡から無線通信等によって体外に出力される。また、信号処理部103は、イメージセンサ101からの信号に基づき光電変換素子駆動回路104を介してイメージセンサ101の露光量を、調光回路105によって光源106の光源光量を調節することにより最適化する。
【0006】
また、特許文献1では、カプセル内視鏡におけるイメージセンサの電荷蓄積時間の制御に関してCPUにて行っている旨が開示されている。一方、電子内視鏡における光源光量の調整に関する技術が、特許文献2に示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001―245844号公報
【0008】
【特許文献2】
特開2002―58642号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1では、光源の具体的な制御方法については、何ら記載がなく、最適な露光条件下で撮像できるか否かが定かではない。また、制御回路に用いるCPUは、消費電力が大きいので、カプセル内視鏡には不向きである。
【0010】
また、特許文献2に開示された光源光量の調整は、イメージセンサの出力を元に行っており、被写体に照射する光を最適化するには、イメージセンサの全画素を読み出す時間(露光時間のフィードバック)が1フレーム以上必要となってしまう。よって、前フレームで最適であった光量が次フレームでも最適であるとは限らず、最適な光量を常時得ることは難しい。また、無駄になってしまうフレームも増えるため露光量調整の効率が悪い。
【0011】
また、イメージセンサは、電源投入直後の初期状態では電圧が安定しないことから、電源投入直後の1〜2フレームは適切な撮像を行うことができない。よって、この1〜2フレームの間は、信号読み出し機能が使えないので電力が無駄になってしまうため、この技術は、内蔵する電源の容量が小さいカプセル内視鏡においては問題である。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、イメージセンサに入射した光による画像信号の読み出し時間よりも短時間でイメージセンサに対する露光量を低電力で最適化でき、かつ小型化を実現したカプセル内視鏡を提供するにある。
【0013】
【課題を解決するための手段、及び作用】
上記の目的を達成するために本発明によるカプセル内視鏡は、少なくとも観察光学部、照明光源部、撮像部、周辺回路とを有するカプセル内視鏡において、上記撮像部は、上記観察光学部を介して患部等の被写体の撮像を行う撮像用光電変換部と、露光量を制御する露光量調整用光電変換部とで構成されていることを特徴とし、また、上記周辺回路は、上記露光量調整用光電変換部からの出力に基づいて露光量の調整を行う制御回路を有し、該制御回路における露光量の調整は、少なくとも撮像用光電変換部の露光時間、または照明光源部の光量であることを特徴とし、さらに、上記露光量調整用光電変換部は、上記撮像用光電変換部とは別個に設けられていることを特徴とする。
【0014】
また、上記露光量調整用光電変換部は、上記撮像用光電変換部と同一チップ上に設けられていることを特徴とし、さらに、上記露光量調整用光電変換部は、上記撮像用光電変換部の画素の一部であることを特徴とし、また、上記露光量調整用光電変換部は、フォトダイオード、フォトトランジスタ、CCDセンサ、CMOSセンサ、またはその他の増幅型イメージセンサで構成されていることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。
図1は、本発明の第1実施の形態を示すカプセル内視鏡の電気回路の構成の概略を示すブロック図、図2は、図1の第2の光電変換素子を複数個配設したときの配設位置の一例を、被写体側から見て示した正面図、図3は、図1の第2の光電変換素子を複数個配設したときの配設位置の他の例を、被写体側から見て示した正面図である。
【0016】
図1に示すように、カプセル内視鏡20は、観察光学部である対物レンズ10を介して被写体(患部)9を撮像する撮像用光電変換部である第1の光電変換素子(イメージセンサ)1、および該イメージセンサ1に近接して配設され、該イメージセンサ1とは別個に設けられた露光/AE用の1個または複数個の露光量調整用光電変換部である第2の光電変換素子4からなる撮像部11と、該イメージセンサ1から出力された画像データのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路2と、該A/D変換回路2から出力されたデジタル信号を、例えばビデオ信号に変換して、内蔵する通信回路(図示せず)よりカプセル内視鏡の外部(体外)にビデオ信号を出力する信号処理部3と、後述する制御回路5からの制御信号に応じてイメージセンサ1の電荷蓄積時間(露光時間)を設定する、タイミングジェネレータの機能を有する光電変換素子駆動回路6と、被写体(患部)9を照射するための、例えば複数のLEDからなる照明光源部である患部照射用光源(以下、光源と称す)8と、後述する制御回路5からの制御信号に応じて該光源8の光量を調節する調光回路7と、制御回路5とで、その主要部が構成されている。尚、A/D変換回路2、信号処理部3、制御回路5、光電変換素子駆動回路6、調光回路7は、本発明における周辺回路を構成している。
【0017】
患部9からの反射光は、レンズ10を介してイメージセンサ1の後述する受光部1a(図2参照)および第2の光電変換素子4に入光するようになっており、イメージセンサ1は、A/D変換回路2に接続されていて、該A/D変換回路2は、信号処理部3に接続されている。また、第2の光電変換素子4は、制御回路5に接続されており、該制御回路5は、調光回路7および光電変換素子駆動回路6に接続されている。さらに、該光電変換素子駆動回路6は、イメージセンサ1に接続されており、また、調光回路7は光源8に接続されていて、光源8は患部9を照射するようになっている。
【0018】
第1の光電変換素子であるイメージセンサ1は、被写体(患部)9に対してレンズ10の後方の焦点位置に配設されており、また、図2,図3に示すように、その中央部には、光源8からの出射光に基づく被写体9の反射光を受光する受光部1aが配設されている。
【0019】
イメージセンサ1の初期動作後、即ち電源がオンされ電圧が安定した後では、イメージセンサ1は、受光部1aに入射した被写体反射光より、フレーム単位で画像データを制御回路5および光電変換素子駆動回路6の制御により読み出し、A/D変換回路2に、この読み出したアナログ画像信号を出力する。
【0020】
第2の光電変換素子4は、例えばフォトダイオード、フォトトランジスタ、CCDセンサ、CMOSセンサ、またはその他の増幅型イメージセンサ等で構成されており、図2,図3に示すように、イメージセンサ1の周辺に近接するように複数個配設されている。これは、一般に、カプセル内視鏡は、できるだけ小さい構造にしなければならないため、カプセル内視鏡に用いる対物レンズは、レンズ径の小さい暗いレンズが用いられる。よって、レンズにより集光される光の明るさは、結像されるイメージセンサ1の中心部に比べ周辺部の光量が極端に落ちてしまうので、第2の光電変換素子4は、レンズ10の焦点位置に配設されているイメージセンサ1に近接して配設する必要があるためである。
【0021】
尚、第2の光電変換素子4は、図2,図3に示すように、イメージセンサ1の周辺に近接するように配設されれば、その状態によって何個、どのような位置に配設されていても構わない。
【0022】
また、光源部8もイメージセンサ1の周辺に複数個配設されている。尚、光源部8も、その状態によって何個、どのような位置に配設されていても構わない。
【0023】
ここで、イメージセンサ1の受光部1aに入射する被写体反射光の露光量は、光源8の光量と、該イメージセンサ1の露光時間とで決定される。よって、制御回路5は、第2の光電変換素子4の入射光量に応じた電気信号(アナログ信号)をリアルタイムで読み出すことで、光電変換素子駆動回路6を介してイメージセンサ1の露光時間、またはイメージセンサ1の読み出しのタイミングを制御し、また調光回路7を介して光源8の光量(電源電圧/パルス周期)およびどのLEDを発光させるかを制御することにより、イメージセンサ1の露光量を決定する。尚、この制御回路5は、CPU等の複雑な処理を行う回路である必要は無く、光電変換素子駆動回路6および調光回路7の制御パターンを有する簡単な構成の回路で良い。従って、この制御回路5の消費電力は小さい。
【0024】
また、第2の光電変換素子4が複数個配設された場合には、制御回路5は、この第2の光電変換素子4からの出力信号の平均値、または既知の荷重平均値等を用いてイメージセンサ1の露光量を決定する。
【0025】
このように主要部が構成されたカプセル内視鏡20では、患部9からレンズ10を介してイメージセンサ1に入射した被写体反射光は、フレーム単位で画像データが読み出された後、A/D変換回路2に出力され、このA/D変換回路2および信号処理部3で上述した処理が行われた後、該信号処理部3からカプセル内視鏡の外部に出力される。尚、この際、信号処理部3にメモリ等の記憶素子を設けて、送信前に一時的に保管しておくようにしても良い。
【0026】
一方、患部9からレンズ10を介して第2の光電変換素子4に入射した反射光は、制御回路5に出力され、この制御回路5は、イメージセンサ1の露光時間を制御するための信号を光電変換素子駆動回路6に出力し、また、光源8の光量を制御するための信号を調光回路7に出力する。この信号を受けて、光電変換素子駆動回路6は、イメージセンサ1の露光時間を設定し、また、調光回路7は、光源8の光量を調節する。尚、この一連の動作は、イメージセンサ1の上記初期動作期間中に行われる。
【0027】
このように、本発明の第1実施の形態を示すカプセル内視鏡20では、撮像部11に、撮像用の第1の光電変換素子であるイメージセンサ1とは別個に、露光量調整用の第2の光電変換素子4を1個または複数個配設し、第2の光電変換素子4からの出力を基に光源8の光量とイメージセンサ1の露光時間を設定する制御回路5を設けた。
【0028】
よって、制御回路5は、第2の光電変換素子4からの入射光量に応じた電気信号の出力をリアルタイムに読み出すことで、第1の光電変換素子であるイメージセンサ1の撮像処理とは独立して、光源8の光量およびイメージセンサ1の露光量を制御することができる。つまり、得られる患部9の画像の明部も暗部もはっきり見える、詳しくは、露出オーバで黒つぶれがなく、露出アンダーで白つぶれがない明るさの均一な最適露光量となるよう制御することができるため、イメージセンサ1の1フレームを更新する時間(フレームレート)よりも高速に、イメージセンサに対する露光量を最適化することができる。
【0029】
また、イメージセンサ1の電源オン後、該イメージセンサ1が正常動作する1フレーム以下の期間で、第2の光電変換素子4により最適露光量を決定することができるので、イメージセンサ1が画像信号の読み出しを行う最初のフレーム目から最適露光条件下で画像を取得することができる。
【0030】
尚、本実施の形態においては、制御回路5には、第2の光電変換素子4からの入射光量に応じたアナログ信号が入力されるように構成したが、これに限らず、第2の光電変換素子4と制御回路5の間にA/D変換回路を接続して、第2の光電変換素子4から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換してから制御回路5に入力するようにしてもよい。この場合、制御回路5とA/D変換回路をワンチップ化してもよい。
【0031】
また、制御回路5と信号処理部3とを同一のチップ上に構成してもよい。このようにワンチップ化すれば、カプセル内視鏡を更に小型化することができる。
【0032】
図4は、本発明の第2実施の形態を示すカプセル内視鏡における複数の第2の光電変換素子の配設位置を被写体側から見て示した図である。
【0033】
この第2実施形態のカプセル内視鏡の構成および作用は、前記図1に示した第1実施形態のカプセル内視鏡と殆ど同じであるが、本実施の形態では、第2の光電変換素子を第1の光電変換素子と同一チップ上に別個に配設した点のみが異なる。よって、この相違点のみを説明し、第1実施形態と同様の構成には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0034】
図4に示すように、カプセル内視鏡30における第2の光電変換素子24は、第1の光電変換素子であるイメージセンサ21と同一チップ上に、イメージセンサ21の受光部21aと重畳しない位置に別個に、例えば四角状に形成したイメージセンサ21上の対向する角部に配設されている。尚、第2の光電変換素子24は、その性能により1個または複数個配設しても構わない。また、イメージセンサ21と同一チップ上で受光部21aと重畳しない位置であれば、どの位置に配設しても良い。
【0035】
このように、カプセル内視鏡30を構成しても、上述した第1実施形態のカプセル内視鏡と同様の効果を得ることができる。また、第2の光電変換素子24を第1の光電変換素子であるイメージセンサ21と同一チップ上に配設することにより、これらを搭載するカプセル内視鏡の小型化を更に図ることができる。
【0036】
図5,図6は、本発明の第3の実施の形態を示すカプセル内視鏡における光電変換素子の構成を示したものであって、撮像用の第1の光電変換素子であるイメージセンサの受光部の画素の一部に露光用の第2の光電変換素子を配設したことを示した図である。
【0037】
この第3実施形態のカプセル内視鏡の構成および作用も、前記図1に示した第1実施形態、図4に示した第2実施形態のカプセル内視鏡の構成と殆ど同じであるが、本実施の形態では、第2の光電変換素子を第1の光電変換素子であるイメージセンサの受光部の画素の一部に配設した点のみが異なる。よって、この相違点のみを説明し、第1実施形態および第2実施形態と同様の構成には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0038】
図5,図6に示すように、カプセル内視鏡40の第2の光電変換素子31bは、イメージセンサ31の受光部31aの画素の中心に1個配設されている。イメージセンサ受光部31aの画素は、列選択スイッチ31cにより、列単位で画像信号を読み出せるようになっており、第2の光電変換素子31bは、上述した第1実施の形態に示すように、制御回路5(図1参照)に接続され、入射光量に応じた電気信号を出力するようになっている。
【0039】
このように、第2の光電変換素子31bをイメージセンサ受光部31aの画素の中心に配設することにより、第2の光電変換素子31bは、イメージセンサ31の受光部31aに入射する光の中点を受光することができる。よって、入射する光の最も均一となる領域で、露光およびAEを行うことができるため、感度が向上する。
【0040】
また、第2の光電変換素子31bをイメージセンサ31の受光部31aの画素内に設けることにより、上述した図4に示した第2の実施形態よりも、さらにカプセル内視鏡をより一層小型化することができ、また、消費電力を小さくすることができる。
【0041】
尚、第2の光電変換素子31bは、イメージセンサ31の受光部31aの画素の略中心で、受光部としての機能を著しく低下させない範囲であれば複数個設けても良い。また、上述したように、イメージセンサの画素生成に用いる中心の画素を、第2の光電変換素子に用いると、得られる画像としては、中心が欠落した画像となるが、これは、現在のデジタルカメラで一般的に行われている、例えば周辺画素情報を基にした欠陥補正処理等を行うことにより対処することができる。また、複数の画素を第2の光電変換素子に用いた場合でも同様である。
【0042】
さらに、このように、カプセル内視鏡40を構成しても、上述した第1実施形態を示すカプセル内視鏡と同様の効果を得ることができる。
【0043】
図7,図8は、本発明の第4実施の形態を示すカプセル内視鏡における光電変換素子の構成を示したものであって、撮像用の光電変換素子であるイメージセンサの受光部の外側の画素に露光用の第2の光電変換素子を配設したことを示した図である。
【0044】
この第4実施形態のカプセル内視鏡の構成および作用は、前記図1に示した第1実施形態、前記図4に示した第2実施形態、前記図5,6に示した第3実施形態のカプセル内視鏡の構成と殆ど同じであるが、本実施の形態では、第2の光電変換素子を第1の光電変換素子であるイメージセンサの受光部の外側の画素で構成した点のみが異なる。よって、この相違点のみを説明し、第1実施形態乃至第3実施形態と同様の構成部材には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0045】
図7,図8に示すように、カプセル内視鏡50における露光/AE用の第2の光電変換素子44は、第1の光電変換素子であるイメージセンサ41の受光部41aの外側の周辺に、複数個配設された画素で構成されている。イメージセンサ41の受光部41aを構成する画素は、列選択スイッチ41cにより、列単位で画像信号を読み出せるようになっており、第2の光電変換素子44は、上述した第1実施の形態に示すように、制御回路5(図1参照)に接続され、入射光量に応じた電気信号を出力するようになっている。
【0046】
このように、第2の光電変換素子44に第1の光電変換素子であるイメージセンサ41の受光部41aの外側の画素を用いることにより、第2の光電変換素子44を複数設けることができる。この周辺部に複数配設された第2の光電変換素子44の各電気信号を加算して用いることにより、イメージセンサ41の感度を向上させることができる。
【0047】
また、第2の光電変換素子44に、イメージセンサ41の受光部41aの外周部の画素を利用したことにより、図5、6で上述した第3実施の形態に示したような、イメージセンサ41で撮像した中心画像に欠陥補正処理を行う必要がない。
【0048】
この第4実施形態のカプセル内視鏡も、上述した図4に示した第2の実施形態よりも、よりカプセル内視鏡を小型化することができ、さらに、消費電力を小さくすることができる。
【0049】
また、一般に、AE用の光電変換素子からの信号は、配線容量の影響を受け易いので、この光電変換素子を配設する際の非対称、不連続性は、この影響に起因するイメージセンサの画像劣化を招く虞があるが、本実施の形態においては、レイアウトが容易であるため、この影響を無視することができる。
【0050】
さらに、このように、カプセル内視鏡50を構成しても、上述した第1実施の形態を示すカプセル内視鏡と同様の効果を得ることができる。
【0051】
【発明の効果】
以上、述べたように本発明によれば、イメージセンサに入射する光による画像信号の読み出し時間よりも、短時間でイメージセンサに対する露光量を低電力で最適化でき、かつ小型化を実現可能なカプセル内視鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態を示すカプセル内視鏡の電気回路の構成の概略を示すブロック図、
【図2】図1の第2の光電変換素子を複数個配設したときの配設位置の一例を被写体側から見て示した正面拡大図、
【図3】図1の第2の光電変換素子を複数個配設したときの配設位置の他の例を被写体側から見て示した正面拡大図、
【図4】本発明の第2実施の形態を示すカプセル内視鏡における複数の露光用光電変換素子の配設位置を被写体側から見て示した正面拡大図、
【図5】本発明の第3実施の形態を示すカプセル内視鏡における第1,第2光電変換素子の構成を被写体側から見て示した正面拡大図、
【図6】図5の第1,第2光電変換素子の接続態様を示す電気回路図、
【図7】本発明の第4実施の形態を示すカプセル内視鏡における第1,第2光電変換素子の構成を被写体側から見て示した正面拡大図、
【図8】図7の第1,第2光電変換素子の接続態様を示す電気回路図、
【図9】従来のカプセル内視鏡の電気回路の構成の概略を示すブロック図。
【符号の説明】
1…第1の光電変換素子(撮像用光電変換部)
2…A/D変換回路(周辺回路)
3…信号処理部(周辺回路)
4…第2の光電変換素子(露光量調整用光電変換部)
5…制御回路(周辺回路)
6…光電変換素子駆動回路(周辺回路)
7…調光回路(周辺回路)
8…患部照射用光源(照明光源部)
10…対物レンズ(観察光学部)
11…撮像部
20,30,40,50…カプセル内視鏡
Claims (6)
- 少なくとも観察光学部、照明光源部、撮像部、周辺回路とを有するカプセル内視鏡において、
上記撮像部は、上記観察光学部を介して患部等の被写体の撮像を行う撮像用光電変換部と、露光量を制御する露光量調整用光電変換部とで構成されていることを特徴とするカプセル内視鏡。 - 上記周辺回路は、上記露光量調整用光電変換部からの出力に基づいて露光量の調整を行う制御回路を有し、該制御回路における露光量の調整は、少なくとも撮像用光電変換部の露光時間、または照明光源部の光量であることを特徴とする請求項1に記載のカプセル内視鏡。
- 上記露光量調整用光電変換部は、上記撮像用光電変換部とは別個に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のカプセル内視鏡。
- 上記露光量調整用光電変換部は、上記撮像用光電変換部と同一チップ上に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のカプセル内視鏡。
- 上記露光量調整用光電変換部は、上記撮像用光電変換部の画素の一部であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカプセル内視鏡。
- 上記露光量調整用光電変換部は、フォトダイオード、フォトトランジスタ、CCDセンサ、CMOSセンサ、またはその他の増幅型イメージセンサで構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のカプセル内視鏡。
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