JP2004357951A - 使い捨ておむつ - Google Patents
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Abstract
【課題】レッグ開口部に容易に脚を通すことができ、装着性に優れており、着用中におむつのズレ落ちが生じにくい使い捨ておむつを提供すること。
【解決手段】ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部6,6が形成されているパンツ型の使い捨ておむつ1において、展開状態におけるおむつ長手方向全長を2等分する中央線を堺にして区分される前身頃Aと後身頃Bとを、表面シート側の面同士を面接させて重ね合わせた平面状態において、各レッグ開口部6は、後身頃Bに位置する開口縁部6Bが前身頃Aに位置する開口縁部6Aよりもおむつ幅方向外方に位置しており、各レッグ開口部6の開口縁部に囲まれた各領域P1の面積aと、前身頃Aにおけるレッグ開口部同士間の領域P2の面積bとの比(a/b)が0.30〜0.75である。
【選択図】 図2
【解決手段】ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部6,6が形成されているパンツ型の使い捨ておむつ1において、展開状態におけるおむつ長手方向全長を2等分する中央線を堺にして区分される前身頃Aと後身頃Bとを、表面シート側の面同士を面接させて重ね合わせた平面状態において、各レッグ開口部6は、後身頃Bに位置する開口縁部6Bが前身頃Aに位置する開口縁部6Aよりもおむつ幅方向外方に位置しており、各レッグ開口部6の開口縁部に囲まれた各領域P1の面積aと、前身頃Aにおけるレッグ開口部同士間の領域P2の面積bとの比(a/b)が0.30〜0.75である。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レッグ開口部に容易に脚を通すことができ、装着性に優れており、着用中におむつのズレ落ちが生じにくい使い捨ておむつに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、使い捨ておむつとして、ファスニングテープを有する展開型の使い捨ておむつと、予めパンツ型に形成されたパンツ型の使い捨ておむつが知られている。パンツ型の使い捨ておむつは、立ったまま装着できるなど、ショーツやパンツ等の下着と同様にして使用することができる等の利点を有しており、近年、成人用のパンツ型おむつの需要が増大している。
しかし、従来の成人用おむつは、幼児用のパンツ型おむつの形態に準じた形態に設計されており、成人用に適した形態であるとは必ずしも言えなかった。
【0003】
特に、高齢者は装着時にとり得る姿勢や脚の上げ下げできる範囲等が制限されるため、レッグ開口部に脚をスムーズに通すことができずに装着に手間や時間を要する場合が多かった。また、着用中におむつがズレて背中が露出する等の問題があった。
レッグ開口部に脚を通し易くするためには、レッグ開口部形成用の凹欠部の形状を、着用者の前側を大きく切欠した形状にすることが考えられるが、その場合には、股間幅が狭くなって吸収性能が不充分となったり、漏れを生じやすくなる。
尚、特許文献1には、レッグ開口部の形状を着用者の前側と後側とで非対称とした使い捨ておむつが記載されている。しかし、特許文献1には、装着性とズレ落ち防止性能の両立について何ら記載されていない。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−237233号公報
【0005】
従って、本発明の目的は、レッグ開口部に容易に脚を通すことができ、装着性に優れており、着用中におむつのズレ落ちが生じにくい使い捨ておむつを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート及び液保持性の吸収体を備え、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ型の使い捨ておむつにおいて、展開状態におけるおむつ長手方向全長を2等分する中央線を堺にして区分される前身頃と後身頃とを、前記表面シート側の面同士を面接させて重ね合わせた平面状態において、前記各レッグ開口部は、前記後身頃に位置する開口縁部が前記前身頃に位置する開口縁部よりもおむつ幅方向外方に位置しており、前記各レッグ開口部の開口縁部に囲まれた各領域の面積aと、前記前身頃における前記レッグ開口部同士間の領域の面積bとの比(a/b)が0.30〜0.75である使い捨ておむつを提供することにより前記目的を達成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づいて説明する。
第1実施形態の使い捨ておむつは、成人用のパンツ型おむつであり、図1〜3に示すように、液透過性の表面シート2、液不透過性の裏面シート(図示せず)及び液保持性の吸収体4を備え、着用時に着用者の腹側に配される腹側部A’及び背側に配される背側部B’を有し、腹側部A’の両側縁部A1,A1と背側部B’の両側縁部B1,B1とがヒートシール、高周波シール、超音波シール等の公知の接合手段により接合されて、ウエスト開口部5及び一対のレッグ開口部6が形成されている。
【0008】
本使い捨ておむつ1は、図3に示すように、吸収性本体10と、該吸収性本体10の外面(着用者とは反対側に向けられる面)側に位置して該吸収性本体10を固定している外装体20とからなる。吸収性本体10は、縦長矩形状をなしており、表面シート2、前記裏面シート(図示せず)及びこれら両シート間に挟持固定された吸収体4を具備してなる。吸収性本体10は、その長手方向を、展開状態(図3に示す状態)におけるおむつ長手方向(図3の上下方向)に一致させ、外装体20の中央部に公知の接合手段により接合されている。吸収性本体10の長手方向の両側部には、一対の立体ガード7が形成されている。
【0009】
第1実施形態における外装体20は、非ギャザー型の伸縮性シートを用いて形成されており、図3に示すように、おむつ長手方向の中央領域の両側部にレッグ開口部形成用の一対の凹欠部60,60を有している。外装体20の長手方向の両端部には、ウエスト部弾性部材51が配されており、ウエスト部弾性部材51は、前記伸縮性シートを折り返した部分に挟持固定されている。
【0010】
ここで、非ギャザー型の伸縮性シートとは、少なくともおむつ幅方向(前身頃又は後身頃の幅方向)に弾性伸縮性を示すシートであって、シート材(不織布等)に弾性部材を伸張状態で接着固定して形成されたギャザーを有しないものであるか、又はそのようなギャザーを有するものであっても襞が微細で下記方法により測定したシートの厚みが2.0mm以下のものをいう。
【0011】
(厚みの測定方法)
キーエンス(KEYENCE)社製の非接触型CCDレーザー変位センサLK−080を用いて、50mm×50mmのアクリル板(荷重0.6g/cm2)をのせた時の厚みを測定する。
【0012】
非ギャザー型の伸縮性シートとしては、例えば、不織布の内部に弾性糸を固定したものを用いることができ、前記不織布としては、ポリエステル、ポリポロピレン、ポリエチレン、アクリル、レーヨン等の繊維を単一又は複合して用いた湿式法、乾式法、スパンレース法、メルトブローン法、スパンボンド成形法によって形成される不織布等が挙げられ、前記弾性糸としては、伸縮性を有するゴム糸やポリウレタン弾性糸等が挙げられ、不織布内部への弾性糸の固定方法としては、不織布繊維層に伸縮性繊維を編み糸によってステッチ縫合する方法等が挙げられる。
【0013】
非ギャザー型の伸縮性シートとしては、また、エラストマー材料からなるシートの片面又は両面に伸縮性を有する繊維集合体を積層して一体化してなるシートを用いることができる。
エラストマー材料としては、天然ゴム、ブタジエン、イソプレン等の合成ゴム等が好ましく用いられる。エラストマー材料からなるシートとしては、エラストマー材料をフィルム化して得られる弾性フィルム、エラストマー材料からなる弾性繊維を、ネット状に成形したり不織布化したシート等が好ましく用いられる。
前記繊維集合体としては、熱可塑性ポリウレタン繊維、高捲縮性のポリエチレン繊維、高捲縮性のポリエステル繊維 等を用いることができる。エラストマー材料からなるシートに繊維集合体を固定する方法としては、シートに繊維集合体を熱融着により固定する方法等が挙げられる。
【0014】
非ギャザー型の伸縮性シートとしては、各種公知のものを用いることができ、例えば特開2000−160460、特開2002−187228の各公報記載のもの等を用いることもできる。
【0015】
本実施形態のおむつ1は、図2に示すように、展開状態におけるおむつ長手方向の全長を2等分する中央線CLを堺にして区分される前身頃Aと後身頃Bとを、前記表面シート2側の面同士を面接させて重ね合わせた平面状態(以下、単に平面状態ともいう)において、各レッグ開口部6は、後身頃Bに位置する開口縁部6Bが前身頃Aに位置する開口縁部6Aよりもおむつ幅方向外方に位置しており、各レッグ開口部6の開口縁部6A,6Bに囲まれた各領域P1の面積aと、前身頃Aにおける前記レッグ開口部6,6同士間(前身頃Aに存する開口縁部6A,6A同士間)の領域P2の面積bとの比(a/b)が0.30〜0.75である。尚、前記面積aは、各レッグ開口部について測定する。
【0016】
平面状態における前記各領域P1,P2の面積(後述するその他の寸法等も同様)を測定する際には、後述する第2実施形態のおむつのように、前身頃A又は後身頃Bにおけるレッグ開口部間にギャザーにより弾性伸縮性が付与されている場合には、該ギャザーを設計寸法まで引き延ばした状態として測定するが、本実施形態のおむつ1のように、非ギャザー型の伸縮性シートにより、前身頃A又は後身頃Bのレッグ開口部間に弾性伸縮性が付与されている場合には、伸縮性シートに外力を作用させない状態(引き延ばさない状態,自然状態)において測定する。
但し、非ギャザー型の伸縮性シートにより弾性伸縮性が付与されている場合においても、伸縮性シート以外に、測定値に影響を与える弾性部材が存在する場合には、その弾性部材の収縮力の影響を排除した状態で測定する。例えば、前記ウエスト部弾性部材51は、該ウエスト部弾性部材を除去したり切断したりして収縮力を発現しないようにするか、又は該ウエスト部弾性部材が存在しない場合と同じ寸法まで拡げて固定した状態(緊張状態)にして測定する。
【0017】
前記比(a/b)が0.30未満であると、レッグ開口部6形成用の凹欠部60(図3参照)の前身頃A側の切り欠きの程度が不充分となり、装着性の向上効果が得られなくなったり、後身頃B側の切り欠きの程度が大きくて、おむつのズレ落ちが生じ易くなったり、臀部の被覆性が低下しておむつ左右方向のズレが生じ易くなる。
前記比(a/b)が0.75超であると、前身頃A側の切り欠きの程度が大きすぎて充分な吸収性能を確保することが困難になったり、後身頃B側の切り欠きの程度が小さすぎて臀部よりも外側に被覆して余った部分が歩行の妨げとなったり、それが原因でずれ落ちがし易くなる。
【0018】
レッグ開口部6形成用の凹欠部60(図3参照)の形状を、後身頃B側よりも前身頃A側を大きく切り欠いた形状として、前記平面状態における各レッグ開口部の後身頃Bに位置する開口縁部6Bが前身頃Aに位置する開口縁部6Aよりもおむつ幅方向外方に位置するようにすると共に、前記比(a/b)を0.30〜0.75の範囲、好ましくは0.30〜0.50の範囲内にすることで、必要な吸収性能を確保しつつ、レッグ開口部に対する脚の挿通性を向上させることができ、また、着用時におけるおむつのズレ落ちが防止される。しかも、着用者の臀部が広く覆われることにより、着用時における左右方向のズレも防止される。更に、背側部側に充分な面積が確保されるので、おむつ内面に補助吸収具を載置して併用する場合の補助吸収具の位置ズレ及び漏れも防止される。
【0019】
尚、非ギャザー型の伸縮性シートを用いて、外装体が形成されている場合、特に前身頃A又は後身頃Bのレッグ開口部間に弾性伸縮性が付与されている場合には、おむつの外観がすっきりしたものとなり、また、肌に接触しても肌に優しいという利点がある。
【0020】
レッグ開口部に対する脚の挿通性を向上させると共に、充分な吸収性能を確保して優れた漏れ防止性能が発現されるようにする観点から、前記平面状態において、両レッグ開口部6,6間の幅W1(図2参照)の最小値は100〜200mm、特に120〜180mmであることが好ましい。
【0021】
また、同様の観点、特に着用時におけるおむつのズレ落ち及び左右方向のズレを防止して漏れ防止性を一層向上させる観点から、前記平面状態において、各レッグ開口部6の前身頃Aに位置する開口縁部6Aは、おむつ幅方向内方側に凸に湾曲し、該レッグ開口部6の後身頃Bに位置する開口縁部6Bは、おむつ幅方向外方側に凸に湾曲していることが好ましい。
【0022】
また、同様の観点から、前記平面状態において、おむつ下端部12から、前記両レッグ開口部6,6間の幅W1が最小値を示す部位までの距離L1(図3参照)は35〜140mm、特に50〜120mmであることが好ましい。尚、前記幅W1が最小値を示す部位が、おむつ長手方向に幅を有し領域として存在する場合、その幅を2等分する線(おむつ幅方向に延びる線)までの距離を、おむつ下端部からの離間距離L1とする。
【0023】
また、同様の観点から、前記平面状態において、前身頃Aにおける前記レッグ開口部同士間の領域P2の面積bが150〜300cm2、特に200〜300cm2であることが好ましい。
また、同様の観点から、前記平面状態において、各レッグ開口部6の開口縁部6A,6Bに囲まれた各領域P1の面積aは45〜100cm2、特に60〜100cm2であることが好ましい。
【0024】
次に、第2実施形態の使い捨ておむつ1’について説明する。第2実施形態のおむつ1’は、外装体の構成が上述したおむつ1と異なる以外は、上述したおむつ1と同様であるため、同様の構成要素には同一の符号を付し、以下においては、主として上述したおむつ1と異なる点について説明する。特に説明しない点は、上述した使い捨ておむつ1についての説明が適用される。
【0025】
第2実施形態のおむつ1’における外装体20’は、図4に示すように、おむつの外表面(着用者とは反対側に向けられる面)を形成する外層シート21と、該外層シート21に隣接してその内側に積層接着された内層シート22とを具備し、これら両シート間に、後述する各種の弾性部材51、61、71が、ホットメルト型接着剤等の接着剤を用いて固定されている。
【0026】
第2実施形態のおむつ1’においては、ウエスト開口部の開口周縁部に周方向に沿ってウエストギャザー形成用のウエスト弾性部材51が配設されており、一対のレッグ開口部それぞれの開口周縁部にもその周方向に沿ってレッグ弾性部材61が配設されている。更に、ウエスト開口縁端50から股下方向に50mm離間した位置から、レッグ開口部6の上端縁62の位置までの範囲である胴回り部Eにも、胴周囲方向に沿って複数本の胴回りギャザー形成用の胴回り部弾性部材71が配設されている。
【0027】
第2実施形態のおむつ1’においては、弾性部材61により形成されたギャザーにより、前身頃A及び後身頃Bそれぞれのレッグ開口部同士間に弾性伸縮性が付与されており、また、胴回り部弾性部材71及びウエスト弾性部材51の存在の有無がレッグ部同士間の寸法に影響を与えるため、これらの弾性部材51,61,71の収縮力の影響を排除した状態で、平面状態における前記各領域P1,P2の面積(おむつ1に関して説明した各部の寸法等も同様)を測定する。
具体的には、弾性部材51,61,71を、各弾性部材を除去したり切断したりして収縮力を発現しないようにするか、又は各弾性部材が存在しない場合と同じ寸法まで拡げて固定した状態(緊張状態)で測定する。
【0028】
そして、本実施形態のおむつ1’においても、各レッグ開口部6の開口縁部6A,6Bに囲まれた各領域P1の面積a(図2参照)と、前身頃Aにおける前記レッグ開口部6,6同士間(前身頃Aに存する開口縁部6A,6A同士間)の領域P2の面積b(図2参照)との比(a/b)が0.30〜0.75であり、他の好ましい寸法や面積等についても第1実施形態のおむつ1と同様である。そのため、第1実施形態と同様の作用効果が奏される。
但し、充分な吸収性能を維持しつつ、脚のレッグ開口部に対する挿通性の向上させ、更には、着用時におけるおむつのズレ落ち及び/又はおむつ左右方向のズレを防止する観点から、前記平面状態において、前記前身頃における前記レッグ開口部6,6同士間の領域P2の面積bが300〜700cm2、特に400〜600cm2であることが好ましい。
また、同様の観点から、前記平面状態において、各レッグ開口部6の開口縁部6A,6Bに囲まれた各領域P1の面積aは90〜250cm2、特に120〜200cm2であることが好ましい。
【0029】
上述した各実施形態の使い捨ておむつにおける各部の形成材料について説明する。表面シート2、裏面シート3、吸収体4、立体ガード7、外層シート21及び内層シート22等の形成材料としては、従来の使い捨ておむつ等において用いられている各種の材料を用いることができる。前記弾性部材51、61、71の形成材料としては、使い捨ておむつ等に用いられる各種公知の弾性材料を用いることができ、例えば素材としては、スチレン−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、ウレタン等の伸縮性の素材を広く用いることができ、例えば形態としては、断面が矩形、正方形、円形、多角形状、マルチフィラメントタイプの糸状のもの等を用いられる。尚、吸収体と重なる部分における弾性部材61、71は、該吸収体の少なくとも幅方向中央部においては弾性伸縮性を発現しないように左右に分割されていることが好ましい。
【0030】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されない。
例えば、おむつ1,1’におけるレッグ開口部の後身頃Bに位置する開口縁部6Bは、ほぼ直線状になされていても良い。
本発明の使い捨ておむつは、成人用、特に高齢者用に適しているが、幼児用に適用することもできる。
【0031】
【実施例】
<実施例1>
外装体形成用の伸縮性シート(非ギャザー型のシート)として東レ・デュポン社製の「MEXLAR」を用い、第1実施形態のおむつと同様の構成を有するおむつを製造した。
【0032】
<実施例2>
外装体形成用の外層及び内層シートとして何れも不織布を用いて、第2実施形態のおむつと同様の構成を有するおむつを製造した。
製造した実施例の各おむつについて、前記領域P1の面積a(左右の平均値,左右各別の値もほぼ同じ)、前記領域P2の面積b及び前記比(a/b)等を測定して表1に示した。
【0033】
<実施例3>
各部の面積や寸法等を表1に示す通りとした以外は、実施例1と同一構成のおむつを製造した。
【0034】
<比較例1〜6>
市販の成人用おむつを用意し、そのそれぞれについて、前記領域P1の面積a(左右の平均値)、前記領域P2の面積b及び前記比(a/b)等を求めて、表1に併せて示した。
【0035】
尚、実施例2及び比較例1〜6は、外装体にギャザーにより弾性伸縮性を付与したタイプであり、各部の弾性部材を設計寸法まで伸張させた状態で平面状態における各部の面積等を測定した。
【0036】
<性能評価>
実施例及び比較例の使い捨ておむつについて、装着容易性、漏れ防止性、おむつのズレ防止性をそれぞれ下記の方法で評価した。結果を表1に示した。
【0037】
1)装着容易性〔装着のし易さ〕
成人20名に、実施例及び比較例の各おむつをそれぞれ3回装着してもらい、以下の基準で装着のし易さを評価してもらった。表1には、○と評価した人数を記載した。
(評価基準)
○;3回ともレッグ開口部にスムーズに脚を入れることができた。
×;レッグ開口部に脚がスムーズに入らない場合があった。
【0038】
2)ズレ落ち防止性(歩行時)
実施例及び比較例の各おむつを、立位で両脚を前後させる歩行運動が可能であり、形態的に成人女性の腰部を模してある可動式の腰部モデルに、ウエスト開口周縁端(上端縁)の位置がウエスト(胴の最も細い位置での周長線上)に位置するように装着した。その状態で100歩/分の歩行速度で5分間歩行運動をさせ、
運動後に150ccの人口尿を注入して更に5分間歩行させ、その後更に150ccの人口尿を注入して5分間歩行させ、その歩行運動後に、ウエスト開口周縁端(上端縁)の位置が元の位置からズレた距離(ズレ落ち量)を測定した。
【0039】
3)漏れ防止性
実施例及び比較例の各おむつを、立位で両脚を前後させる歩行運動が可能であり、形態的に成人女性の腰部を模してある可動式の腰部モデルに、ウエスト開口周縁端(上端縁)の位置がウエスト(胴の最も細い位置での周長線上)に位置するように装着した。その状態で100歩/分の歩行速度で5分間歩行運動をさせ、運動後に、20g/secの速度で人口尿を注入してモデルの股間部から排尿させた。モレに至るまでの注入量を測定した。
【0040】
【表1】
【0041】
表1に示す評価結果から、実施例のおむつ1〜3のおむつは、装着性及びズレ防止性の何れにも優れていることが判る。これに対して、比較例2,3,4,6では装着性においてスムーズに脚を入れることができた人が過半数にも達せず、また比較例2,4,6においてはズレ落ちも生じている。尚、実施例1,2のおむつは、実施例3に比較して吸収性能又はモレ防止性能に一層優れている。
【0042】
【発明の効果】
本発明の使い捨ておむつは、レッグ開口部に容易に脚を通すことができ、装着性に優れており、着用中におむつのズレ落ちが生じにくいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態としての使い捨ておむつを示す斜視図である。
【図2】図2は、図1の使い捨ておむつの展開状態における長手方向の全長を2等分する中央線を堺にして区分される前身頃と後身頃とを、前記表面シート側の面同士を面接させて重ね合わせた平面状態を、前身頃側から見た図であり、前身頃の一部を破断してある。
【図3】図3は、図1の使い捨ておむつを展開した状態を示す平面図である。
【図4】図4は、本発明の他の実施形態としての使い捨ておむつを展開した状態を一部破断して示す平面図である。
【符号の説明】
1,1 使い捨ておむつ
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
5 ウエスト開口部
6 レッグ開口部
6A レッグ開口部の前身頃に位置する開口縁部
6B レッグ開口部の後身頃に位置する開口縁部
10 吸収性本体
20,20’ 外装体
P1 各レッグ開口部の開口周縁に囲まれた領域
P2 前身頃における両レッグ開口部同士間の領域
A 前身頃
B 後身頃
【発明の属する技術分野】
本発明は、レッグ開口部に容易に脚を通すことができ、装着性に優れており、着用中におむつのズレ落ちが生じにくい使い捨ておむつに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、使い捨ておむつとして、ファスニングテープを有する展開型の使い捨ておむつと、予めパンツ型に形成されたパンツ型の使い捨ておむつが知られている。パンツ型の使い捨ておむつは、立ったまま装着できるなど、ショーツやパンツ等の下着と同様にして使用することができる等の利点を有しており、近年、成人用のパンツ型おむつの需要が増大している。
しかし、従来の成人用おむつは、幼児用のパンツ型おむつの形態に準じた形態に設計されており、成人用に適した形態であるとは必ずしも言えなかった。
【0003】
特に、高齢者は装着時にとり得る姿勢や脚の上げ下げできる範囲等が制限されるため、レッグ開口部に脚をスムーズに通すことができずに装着に手間や時間を要する場合が多かった。また、着用中におむつがズレて背中が露出する等の問題があった。
レッグ開口部に脚を通し易くするためには、レッグ開口部形成用の凹欠部の形状を、着用者の前側を大きく切欠した形状にすることが考えられるが、その場合には、股間幅が狭くなって吸収性能が不充分となったり、漏れを生じやすくなる。
尚、特許文献1には、レッグ開口部の形状を着用者の前側と後側とで非対称とした使い捨ておむつが記載されている。しかし、特許文献1には、装着性とズレ落ち防止性能の両立について何ら記載されていない。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−237233号公報
【0005】
従って、本発明の目的は、レッグ開口部に容易に脚を通すことができ、装着性に優れており、着用中におむつのズレ落ちが生じにくい使い捨ておむつを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート及び液保持性の吸収体を備え、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ型の使い捨ておむつにおいて、展開状態におけるおむつ長手方向全長を2等分する中央線を堺にして区分される前身頃と後身頃とを、前記表面シート側の面同士を面接させて重ね合わせた平面状態において、前記各レッグ開口部は、前記後身頃に位置する開口縁部が前記前身頃に位置する開口縁部よりもおむつ幅方向外方に位置しており、前記各レッグ開口部の開口縁部に囲まれた各領域の面積aと、前記前身頃における前記レッグ開口部同士間の領域の面積bとの比(a/b)が0.30〜0.75である使い捨ておむつを提供することにより前記目的を達成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づいて説明する。
第1実施形態の使い捨ておむつは、成人用のパンツ型おむつであり、図1〜3に示すように、液透過性の表面シート2、液不透過性の裏面シート(図示せず)及び液保持性の吸収体4を備え、着用時に着用者の腹側に配される腹側部A’及び背側に配される背側部B’を有し、腹側部A’の両側縁部A1,A1と背側部B’の両側縁部B1,B1とがヒートシール、高周波シール、超音波シール等の公知の接合手段により接合されて、ウエスト開口部5及び一対のレッグ開口部6が形成されている。
【0008】
本使い捨ておむつ1は、図3に示すように、吸収性本体10と、該吸収性本体10の外面(着用者とは反対側に向けられる面)側に位置して該吸収性本体10を固定している外装体20とからなる。吸収性本体10は、縦長矩形状をなしており、表面シート2、前記裏面シート(図示せず)及びこれら両シート間に挟持固定された吸収体4を具備してなる。吸収性本体10は、その長手方向を、展開状態(図3に示す状態)におけるおむつ長手方向(図3の上下方向)に一致させ、外装体20の中央部に公知の接合手段により接合されている。吸収性本体10の長手方向の両側部には、一対の立体ガード7が形成されている。
【0009】
第1実施形態における外装体20は、非ギャザー型の伸縮性シートを用いて形成されており、図3に示すように、おむつ長手方向の中央領域の両側部にレッグ開口部形成用の一対の凹欠部60,60を有している。外装体20の長手方向の両端部には、ウエスト部弾性部材51が配されており、ウエスト部弾性部材51は、前記伸縮性シートを折り返した部分に挟持固定されている。
【0010】
ここで、非ギャザー型の伸縮性シートとは、少なくともおむつ幅方向(前身頃又は後身頃の幅方向)に弾性伸縮性を示すシートであって、シート材(不織布等)に弾性部材を伸張状態で接着固定して形成されたギャザーを有しないものであるか、又はそのようなギャザーを有するものであっても襞が微細で下記方法により測定したシートの厚みが2.0mm以下のものをいう。
【0011】
(厚みの測定方法)
キーエンス(KEYENCE)社製の非接触型CCDレーザー変位センサLK−080を用いて、50mm×50mmのアクリル板(荷重0.6g/cm2)をのせた時の厚みを測定する。
【0012】
非ギャザー型の伸縮性シートとしては、例えば、不織布の内部に弾性糸を固定したものを用いることができ、前記不織布としては、ポリエステル、ポリポロピレン、ポリエチレン、アクリル、レーヨン等の繊維を単一又は複合して用いた湿式法、乾式法、スパンレース法、メルトブローン法、スパンボンド成形法によって形成される不織布等が挙げられ、前記弾性糸としては、伸縮性を有するゴム糸やポリウレタン弾性糸等が挙げられ、不織布内部への弾性糸の固定方法としては、不織布繊維層に伸縮性繊維を編み糸によってステッチ縫合する方法等が挙げられる。
【0013】
非ギャザー型の伸縮性シートとしては、また、エラストマー材料からなるシートの片面又は両面に伸縮性を有する繊維集合体を積層して一体化してなるシートを用いることができる。
エラストマー材料としては、天然ゴム、ブタジエン、イソプレン等の合成ゴム等が好ましく用いられる。エラストマー材料からなるシートとしては、エラストマー材料をフィルム化して得られる弾性フィルム、エラストマー材料からなる弾性繊維を、ネット状に成形したり不織布化したシート等が好ましく用いられる。
前記繊維集合体としては、熱可塑性ポリウレタン繊維、高捲縮性のポリエチレン繊維、高捲縮性のポリエステル繊維 等を用いることができる。エラストマー材料からなるシートに繊維集合体を固定する方法としては、シートに繊維集合体を熱融着により固定する方法等が挙げられる。
【0014】
非ギャザー型の伸縮性シートとしては、各種公知のものを用いることができ、例えば特開2000−160460、特開2002−187228の各公報記載のもの等を用いることもできる。
【0015】
本実施形態のおむつ1は、図2に示すように、展開状態におけるおむつ長手方向の全長を2等分する中央線CLを堺にして区分される前身頃Aと後身頃Bとを、前記表面シート2側の面同士を面接させて重ね合わせた平面状態(以下、単に平面状態ともいう)において、各レッグ開口部6は、後身頃Bに位置する開口縁部6Bが前身頃Aに位置する開口縁部6Aよりもおむつ幅方向外方に位置しており、各レッグ開口部6の開口縁部6A,6Bに囲まれた各領域P1の面積aと、前身頃Aにおける前記レッグ開口部6,6同士間(前身頃Aに存する開口縁部6A,6A同士間)の領域P2の面積bとの比(a/b)が0.30〜0.75である。尚、前記面積aは、各レッグ開口部について測定する。
【0016】
平面状態における前記各領域P1,P2の面積(後述するその他の寸法等も同様)を測定する際には、後述する第2実施形態のおむつのように、前身頃A又は後身頃Bにおけるレッグ開口部間にギャザーにより弾性伸縮性が付与されている場合には、該ギャザーを設計寸法まで引き延ばした状態として測定するが、本実施形態のおむつ1のように、非ギャザー型の伸縮性シートにより、前身頃A又は後身頃Bのレッグ開口部間に弾性伸縮性が付与されている場合には、伸縮性シートに外力を作用させない状態(引き延ばさない状態,自然状態)において測定する。
但し、非ギャザー型の伸縮性シートにより弾性伸縮性が付与されている場合においても、伸縮性シート以外に、測定値に影響を与える弾性部材が存在する場合には、その弾性部材の収縮力の影響を排除した状態で測定する。例えば、前記ウエスト部弾性部材51は、該ウエスト部弾性部材を除去したり切断したりして収縮力を発現しないようにするか、又は該ウエスト部弾性部材が存在しない場合と同じ寸法まで拡げて固定した状態(緊張状態)にして測定する。
【0017】
前記比(a/b)が0.30未満であると、レッグ開口部6形成用の凹欠部60(図3参照)の前身頃A側の切り欠きの程度が不充分となり、装着性の向上効果が得られなくなったり、後身頃B側の切り欠きの程度が大きくて、おむつのズレ落ちが生じ易くなったり、臀部の被覆性が低下しておむつ左右方向のズレが生じ易くなる。
前記比(a/b)が0.75超であると、前身頃A側の切り欠きの程度が大きすぎて充分な吸収性能を確保することが困難になったり、後身頃B側の切り欠きの程度が小さすぎて臀部よりも外側に被覆して余った部分が歩行の妨げとなったり、それが原因でずれ落ちがし易くなる。
【0018】
レッグ開口部6形成用の凹欠部60(図3参照)の形状を、後身頃B側よりも前身頃A側を大きく切り欠いた形状として、前記平面状態における各レッグ開口部の後身頃Bに位置する開口縁部6Bが前身頃Aに位置する開口縁部6Aよりもおむつ幅方向外方に位置するようにすると共に、前記比(a/b)を0.30〜0.75の範囲、好ましくは0.30〜0.50の範囲内にすることで、必要な吸収性能を確保しつつ、レッグ開口部に対する脚の挿通性を向上させることができ、また、着用時におけるおむつのズレ落ちが防止される。しかも、着用者の臀部が広く覆われることにより、着用時における左右方向のズレも防止される。更に、背側部側に充分な面積が確保されるので、おむつ内面に補助吸収具を載置して併用する場合の補助吸収具の位置ズレ及び漏れも防止される。
【0019】
尚、非ギャザー型の伸縮性シートを用いて、外装体が形成されている場合、特に前身頃A又は後身頃Bのレッグ開口部間に弾性伸縮性が付与されている場合には、おむつの外観がすっきりしたものとなり、また、肌に接触しても肌に優しいという利点がある。
【0020】
レッグ開口部に対する脚の挿通性を向上させると共に、充分な吸収性能を確保して優れた漏れ防止性能が発現されるようにする観点から、前記平面状態において、両レッグ開口部6,6間の幅W1(図2参照)の最小値は100〜200mm、特に120〜180mmであることが好ましい。
【0021】
また、同様の観点、特に着用時におけるおむつのズレ落ち及び左右方向のズレを防止して漏れ防止性を一層向上させる観点から、前記平面状態において、各レッグ開口部6の前身頃Aに位置する開口縁部6Aは、おむつ幅方向内方側に凸に湾曲し、該レッグ開口部6の後身頃Bに位置する開口縁部6Bは、おむつ幅方向外方側に凸に湾曲していることが好ましい。
【0022】
また、同様の観点から、前記平面状態において、おむつ下端部12から、前記両レッグ開口部6,6間の幅W1が最小値を示す部位までの距離L1(図3参照)は35〜140mm、特に50〜120mmであることが好ましい。尚、前記幅W1が最小値を示す部位が、おむつ長手方向に幅を有し領域として存在する場合、その幅を2等分する線(おむつ幅方向に延びる線)までの距離を、おむつ下端部からの離間距離L1とする。
【0023】
また、同様の観点から、前記平面状態において、前身頃Aにおける前記レッグ開口部同士間の領域P2の面積bが150〜300cm2、特に200〜300cm2であることが好ましい。
また、同様の観点から、前記平面状態において、各レッグ開口部6の開口縁部6A,6Bに囲まれた各領域P1の面積aは45〜100cm2、特に60〜100cm2であることが好ましい。
【0024】
次に、第2実施形態の使い捨ておむつ1’について説明する。第2実施形態のおむつ1’は、外装体の構成が上述したおむつ1と異なる以外は、上述したおむつ1と同様であるため、同様の構成要素には同一の符号を付し、以下においては、主として上述したおむつ1と異なる点について説明する。特に説明しない点は、上述した使い捨ておむつ1についての説明が適用される。
【0025】
第2実施形態のおむつ1’における外装体20’は、図4に示すように、おむつの外表面(着用者とは反対側に向けられる面)を形成する外層シート21と、該外層シート21に隣接してその内側に積層接着された内層シート22とを具備し、これら両シート間に、後述する各種の弾性部材51、61、71が、ホットメルト型接着剤等の接着剤を用いて固定されている。
【0026】
第2実施形態のおむつ1’においては、ウエスト開口部の開口周縁部に周方向に沿ってウエストギャザー形成用のウエスト弾性部材51が配設されており、一対のレッグ開口部それぞれの開口周縁部にもその周方向に沿ってレッグ弾性部材61が配設されている。更に、ウエスト開口縁端50から股下方向に50mm離間した位置から、レッグ開口部6の上端縁62の位置までの範囲である胴回り部Eにも、胴周囲方向に沿って複数本の胴回りギャザー形成用の胴回り部弾性部材71が配設されている。
【0027】
第2実施形態のおむつ1’においては、弾性部材61により形成されたギャザーにより、前身頃A及び後身頃Bそれぞれのレッグ開口部同士間に弾性伸縮性が付与されており、また、胴回り部弾性部材71及びウエスト弾性部材51の存在の有無がレッグ部同士間の寸法に影響を与えるため、これらの弾性部材51,61,71の収縮力の影響を排除した状態で、平面状態における前記各領域P1,P2の面積(おむつ1に関して説明した各部の寸法等も同様)を測定する。
具体的には、弾性部材51,61,71を、各弾性部材を除去したり切断したりして収縮力を発現しないようにするか、又は各弾性部材が存在しない場合と同じ寸法まで拡げて固定した状態(緊張状態)で測定する。
【0028】
そして、本実施形態のおむつ1’においても、各レッグ開口部6の開口縁部6A,6Bに囲まれた各領域P1の面積a(図2参照)と、前身頃Aにおける前記レッグ開口部6,6同士間(前身頃Aに存する開口縁部6A,6A同士間)の領域P2の面積b(図2参照)との比(a/b)が0.30〜0.75であり、他の好ましい寸法や面積等についても第1実施形態のおむつ1と同様である。そのため、第1実施形態と同様の作用効果が奏される。
但し、充分な吸収性能を維持しつつ、脚のレッグ開口部に対する挿通性の向上させ、更には、着用時におけるおむつのズレ落ち及び/又はおむつ左右方向のズレを防止する観点から、前記平面状態において、前記前身頃における前記レッグ開口部6,6同士間の領域P2の面積bが300〜700cm2、特に400〜600cm2であることが好ましい。
また、同様の観点から、前記平面状態において、各レッグ開口部6の開口縁部6A,6Bに囲まれた各領域P1の面積aは90〜250cm2、特に120〜200cm2であることが好ましい。
【0029】
上述した各実施形態の使い捨ておむつにおける各部の形成材料について説明する。表面シート2、裏面シート3、吸収体4、立体ガード7、外層シート21及び内層シート22等の形成材料としては、従来の使い捨ておむつ等において用いられている各種の材料を用いることができる。前記弾性部材51、61、71の形成材料としては、使い捨ておむつ等に用いられる各種公知の弾性材料を用いることができ、例えば素材としては、スチレン−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、ウレタン等の伸縮性の素材を広く用いることができ、例えば形態としては、断面が矩形、正方形、円形、多角形状、マルチフィラメントタイプの糸状のもの等を用いられる。尚、吸収体と重なる部分における弾性部材61、71は、該吸収体の少なくとも幅方向中央部においては弾性伸縮性を発現しないように左右に分割されていることが好ましい。
【0030】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されない。
例えば、おむつ1,1’におけるレッグ開口部の後身頃Bに位置する開口縁部6Bは、ほぼ直線状になされていても良い。
本発明の使い捨ておむつは、成人用、特に高齢者用に適しているが、幼児用に適用することもできる。
【0031】
【実施例】
<実施例1>
外装体形成用の伸縮性シート(非ギャザー型のシート)として東レ・デュポン社製の「MEXLAR」を用い、第1実施形態のおむつと同様の構成を有するおむつを製造した。
【0032】
<実施例2>
外装体形成用の外層及び内層シートとして何れも不織布を用いて、第2実施形態のおむつと同様の構成を有するおむつを製造した。
製造した実施例の各おむつについて、前記領域P1の面積a(左右の平均値,左右各別の値もほぼ同じ)、前記領域P2の面積b及び前記比(a/b)等を測定して表1に示した。
【0033】
<実施例3>
各部の面積や寸法等を表1に示す通りとした以外は、実施例1と同一構成のおむつを製造した。
【0034】
<比較例1〜6>
市販の成人用おむつを用意し、そのそれぞれについて、前記領域P1の面積a(左右の平均値)、前記領域P2の面積b及び前記比(a/b)等を求めて、表1に併せて示した。
【0035】
尚、実施例2及び比較例1〜6は、外装体にギャザーにより弾性伸縮性を付与したタイプであり、各部の弾性部材を設計寸法まで伸張させた状態で平面状態における各部の面積等を測定した。
【0036】
<性能評価>
実施例及び比較例の使い捨ておむつについて、装着容易性、漏れ防止性、おむつのズレ防止性をそれぞれ下記の方法で評価した。結果を表1に示した。
【0037】
1)装着容易性〔装着のし易さ〕
成人20名に、実施例及び比較例の各おむつをそれぞれ3回装着してもらい、以下の基準で装着のし易さを評価してもらった。表1には、○と評価した人数を記載した。
(評価基準)
○;3回ともレッグ開口部にスムーズに脚を入れることができた。
×;レッグ開口部に脚がスムーズに入らない場合があった。
【0038】
2)ズレ落ち防止性(歩行時)
実施例及び比較例の各おむつを、立位で両脚を前後させる歩行運動が可能であり、形態的に成人女性の腰部を模してある可動式の腰部モデルに、ウエスト開口周縁端(上端縁)の位置がウエスト(胴の最も細い位置での周長線上)に位置するように装着した。その状態で100歩/分の歩行速度で5分間歩行運動をさせ、
運動後に150ccの人口尿を注入して更に5分間歩行させ、その後更に150ccの人口尿を注入して5分間歩行させ、その歩行運動後に、ウエスト開口周縁端(上端縁)の位置が元の位置からズレた距離(ズレ落ち量)を測定した。
【0039】
3)漏れ防止性
実施例及び比較例の各おむつを、立位で両脚を前後させる歩行運動が可能であり、形態的に成人女性の腰部を模してある可動式の腰部モデルに、ウエスト開口周縁端(上端縁)の位置がウエスト(胴の最も細い位置での周長線上)に位置するように装着した。その状態で100歩/分の歩行速度で5分間歩行運動をさせ、運動後に、20g/secの速度で人口尿を注入してモデルの股間部から排尿させた。モレに至るまでの注入量を測定した。
【0040】
【表1】
【0041】
表1に示す評価結果から、実施例のおむつ1〜3のおむつは、装着性及びズレ防止性の何れにも優れていることが判る。これに対して、比較例2,3,4,6では装着性においてスムーズに脚を入れることができた人が過半数にも達せず、また比較例2,4,6においてはズレ落ちも生じている。尚、実施例1,2のおむつは、実施例3に比較して吸収性能又はモレ防止性能に一層優れている。
【0042】
【発明の効果】
本発明の使い捨ておむつは、レッグ開口部に容易に脚を通すことができ、装着性に優れており、着用中におむつのズレ落ちが生じにくいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態としての使い捨ておむつを示す斜視図である。
【図2】図2は、図1の使い捨ておむつの展開状態における長手方向の全長を2等分する中央線を堺にして区分される前身頃と後身頃とを、前記表面シート側の面同士を面接させて重ね合わせた平面状態を、前身頃側から見た図であり、前身頃の一部を破断してある。
【図3】図3は、図1の使い捨ておむつを展開した状態を示す平面図である。
【図4】図4は、本発明の他の実施形態としての使い捨ておむつを展開した状態を一部破断して示す平面図である。
【符号の説明】
1,1 使い捨ておむつ
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
5 ウエスト開口部
6 レッグ開口部
6A レッグ開口部の前身頃に位置する開口縁部
6B レッグ開口部の後身頃に位置する開口縁部
10 吸収性本体
20,20’ 外装体
P1 各レッグ開口部の開口周縁に囲まれた領域
P2 前身頃における両レッグ開口部同士間の領域
A 前身頃
B 後身頃
Claims (5)
- 液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート及び液保持性の吸収体を備え、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ型の使い捨ておむつにおいて、
展開状態におけるおむつ長手方向全長を2等分する中央線を堺にして区分される前身頃と後身頃とを、前記表面シート側の面同士を面接させて重ね合わせた平面状態において、
前記各レッグ開口部は、前記後身頃に位置する開口縁部が前記前身頃に位置する開口縁部よりもおむつ幅方向外方に位置しており、
前記各レッグ開口部の開口縁部に囲まれた各領域の面積aと、前記前身頃における前記レッグ開口部同士間の領域の面積bとの比(a/b)が0.30〜0.75である使い捨ておむつ。 - 前記平面状態において、前記両レッグ開口部間の幅の最小値が100〜200mmである請求項1記載の使い捨ておむつ。
- 前記平面状態において、前記各レッグ開口部の前記前身頃に位置する開口縁部が、おむつ幅方向内方側に凸に湾曲し、該レッグ開口部の前記後身頃に位置する開口縁部が、おむつ幅方向外方側に凸に湾曲している請求項1又は2記載の使い捨ておむつ。
- 前記平面状態において、おむつ下端部から、前記両レッグ開口部間の幅が最小値を示す部位までの距離が35〜140mmである請求項1〜3の何れか記載の使い捨ておむつ。
- 前記平面状態において、前記前身頃における前記レッグ開口部同士間の領域の面積bが150〜700cm2である請求項1〜4の何れか記載の使い捨ておむつ。
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Cited By (2)
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JP2008161525A (ja) * | 2006-12-28 | 2008-07-17 | Kao Corp | 着用物品の製造方法 |
JP2011015747A (ja) * | 2009-07-07 | 2011-01-27 | Kao Corp | 装着状態における動き易さの評価方法 |
-
2003
- 2003-06-04 JP JP2003160072A patent/JP2004357951A/ja active Pending
Cited By (2)
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