JP2004357389A - 過電力保護回路および安定化電源装置ならびに過電力保護方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い安全性を確保することができ、かつ機器の一部に故障が発生した場合でも、一旦電力の供給を停止した後、過大電力消費の状態が解消されたことを確実に検知して、自動的に復旧することができる、しかも構成が簡易な、過電力保護回路および安定化電源装置ならびに過電力保護方法を提供する。
【解決手段】非安定化電源1と、非安定化電源遮断部2と、安定化電圧生成部3と、電力測定部4と、上限電力基準値保持部5と、電力比較部6と、第1の基準時間制御部7と、第2の基準時間制御部8とを備えており、第1の基準時間制御部7および第2の基準時間制御部8によって非安定化電源遮断部2を制御して、過大電力を検知し猶予時間の経過後に電力供給の遮断を行い、待機時間の経過後に過大電力が解消されていれば自動的に電力供給を復旧する。
【選択図】 図1
【解決手段】非安定化電源1と、非安定化電源遮断部2と、安定化電圧生成部3と、電力測定部4と、上限電力基準値保持部5と、電力比較部6と、第1の基準時間制御部7と、第2の基準時間制御部8とを備えており、第1の基準時間制御部7および第2の基準時間制御部8によって非安定化電源遮断部2を制御して、過大電力を検知し猶予時間の経過後に電力供給の遮断を行い、待機時間の経過後に過大電力が解消されていれば自動的に電力供給を復旧する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば過大電流を検知してそのときの電力供給を遮断することでその後段の回路系を保護する、過電力保護回路および安定化電源装置ならびに過電力保護方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種の電子機器に対して電力を供給するための安定化電源装置は、それに接続された電子機器で消費される電力量が過大になると(例えば、いわゆるオーバーワークなどに因って)、いわゆるオーバーヒートを引き起してしまい、その発熱に起因した内部回路や配線等の機能低下や動作不良や損傷等の要因となる虞がある。このため、消費電力量が過大になった場合には、電力の供給を停止することが必要である。そのような過大電力の消費状態が生じた際の電力供給停止の手法としては、最大許容電力のしきい値を定めておき、電力消費量がそのしきい値を超えると、サーキットブレーカまたはヒューズが電流を遮断するようにする、ということが行われている。
【0003】
しかし、例えばマイクロプロセサ応用機器は、その作動状態に対応して消費電力が大幅に変化する。従って、単純に最大許容電力のしきい値を設けるだけでは、現在の消費電力が回路異常によるものか、それとも回路は正常であっても機器の作動状態に起因したものであるのかを判定することは困難あるいは不可能である。
【0004】
【特許文献1】
特開平4−38170号公報(発明の詳細な説明全体)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、マイクロプロセサ応用機器や周辺機器の作動状態が、いわゆるオーバーワークの状態にある場合には、個々のタスクや個々の周辺機器による消費電力は正常な(適正な)範囲内にあるにも関わらず、それら全体としては、そのとき個々のタスクや周辺機器に対して電力を供給している一つの安定化電源装置にとって過大なものとなってしまう。
【0006】
このような場合、個々のタスクや周辺機器の一つ一つの異常や故障を詳細に調べなければ、そのときの過大電力消費の状態は、回路系のどこかに異常や故障が発生したことに起因したものなのか、それともそのときのタスクや周辺機器がオーバーワークの作動状態にあることに起因したものであるのかを、判別することは極めて困難あるいは不可能である。このため、例えば個々の周辺機器には故障等が発生しておらず、多数の周辺機器を用いていたために過大電力消費の状態となっていた場合には、その過大電力消費の状態に対応して電力の供給が停止されるが、ユーザは、個々の周辺機器を子細に調べても故障等は発見されないので、どのような対応をすればよいのか分からなくなってしまい、周辺機器や安定化電源装置の全てを修理に出さなければならなくなり、またその間は周辺機器や安定化電源装置は使用不可となってしまう。
【0007】
上記のような過大電力の要因がオーバーワークであるか回路異常であるかを自動的に判別して、回路異常の場合には電力を遮断して電力供給を停止するという手法が有効であるようにも考えられる。例えば、特許文献1に提案されているように、回路の異常を判定する基準として許容電力のしきい値とその電力消費の継続時間とを併用することが妥当であるとも考えられる。
【0008】
しかし、継続時間の判定に静電容量(代表的な一例としてはコンデンサ)の充電時間を用いると、一般にコンデンサの容量保持特性は対数関数的であるため、特に充電比率の大きな領域では精度の確保が困難である。これに対する対策としては、コンデンサの静電容量を大きく取ることも考えられるが、その場合は、コンデンサの素子としてのサイズが大きくなるというデメリットがある。
【0009】
特許文献1によるスイッチング電源回路では、安定化電圧生成部位の出力が過負荷状態になると、出力を遮断し非安定化電源から安定化電源生成部位への電力供給を何らかの方法で一旦遮断しなければ復旧しない。この方式による場合、復旧に外部のメンテナンス作業を要する点から可用性に難がある。また、過負荷状態の判定が静電容量の充電特性に依存しているため、満充電付近で検出時間の精度が確保しにくくなる。
【0010】
また、例えばサーキットブレーカを保護回路として用いることも考えられるが、一般にサーキットブレーカでは過大電力が生じると即座に遮断を行うので、例えば過大電力の要因がオーバーワークである場合には、そのタスクを行うごとにサーキットブレーカは何度も遮断を行うこととなり、ユーザーはその都度一々サーキットブレーカを手動で復帰させなければならず、極めて繁雑であるという不都合がある。
【0011】
また、近年、例えばノートブック型パソコンのような電子機器はヒューズやサーキットブレーカ等の保護回路を内蔵している場合が多く、またそれらは配線回路基板と共にボディの内部に極めて精緻に収容されているので、過大電力に起因してヒューズが切れたり内部の回路素子が損傷したりサーキットブレーカ等の保護回路自体が損傷した場合などには、ユーザは自分で電子機器を修理したりヒューズを取り替えることなどは実際上極めて煩雑で困難なものとなっている。このため、オーバーワークに起因するのか電子機器やそれに接続された周辺機器の故障に起因するのかを問わず、過大電力消費の状態が生じた場合には、電子機器や保護回路の損傷を回避するために電力供給を一旦停止することができ、かつその過大電力消費の状態が解消された後は、電力供給を自動的に再開することができるような保護回路が望まれる。しかも、そのような機能を備えてかつ簡易で耐久性の高い保護回路であることが望ましい。
【0012】
しかしながら、そのような互いに相剋し合う諸条件を十分に満たすことができる保護回路は提案されていなかった。
【0013】
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的は、過大電力消費を検出した場合に電力の供給を停止するまでの時間を最適に選んで、機器内部の部品の焼損や劣化等を防止することで、高い安全性を確保することができ、かつ機器の一部に故障が発生した場合でも、一旦電力の供給を停止した後、過大電力消費の状態が解消されたことを確実に検知して、自動的に復旧することができる、しかも構成が簡易な、過電力保護回路および安定化電源装置ならびに過電力保護方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明による過電力保護回路は、非安定化電源から供給される電力を安定化した電力にして出力する安定化電源における、過電力の供給または出力を検知して安定化電源を保護する過電力保護回路であって、非安定化電源から供給される電力を測定する電力測定部と、過電力であるか否かを判別するための上限電力の基準値を保持する上限電力基準値保持部と、電力測定部によって計測された電力を上限電力の基準値と比較する電力比較部と、非安定化電源から安定化電源へと供給される電力を遮断する非安定化電源遮断部と、電力比較部における比較の結果、計測された電力が上限電力の基準値を超えた過電力であった場合には、そのときの過電力が検知されてから非安定化電源遮断部が電力を遮断するまでの間に猶予時間を設ける第1の基準時間制御部と、計測された電力が上限電力の基準値を超えた過電力から遮断状態に変化すると、電力を遮断する制御を行ってから待機時間の経過後に電力の供給を復帰させる第2の基準時間制御部とを備えている。
【0015】
本発明による安定化電源装置は、非安定化電源と、非安定化電源から供給される電力を安定化した電力にして出力する安定化電源と、非安定化電源から供給される電力を測定する電力測定部と、過電力であるか否かを判別するための上限電力の基準値を保持する上限電力基準値保持部と、電力測定部によって計測された電力を上限電力の基準値と比較する電力比較部と、非安定化電源から安定化電源へと供給される電力を遮断する非安定化電源遮断部と、電力比較部における比較の結果、計測された電力が上限電力の基準値を超えた過電力であった場合には、当該過電力が検知されてから非安定化電源遮断部が電力を遮断するまでの間に猶予時間を設ける第1の基準時間制御部と、計測された電力が上限電力の基準値を超えた過電力から遮断状態に変化すると、電力を遮断する制御を行ってから待機時間の経過後に電力の供給を復帰させる第2の基準時間制御部とを備えている。
【0016】
本発明による過電力保護方法は、非安定化電源から供給される電力を安定化した電力にして出力する安定化電源における、過電力の供給または出力を検知して安定化電源を保護する過電力保護方法であって、非安定化電源から供給される電力を測定する電力測定ステップと、過電力であるか否かを判別するための上限電力の基準値を保持する上限電力基準値保持ステップと、電力測定ステップによって計測された電力を上限電力の基準値と比較する電力比較ステップと、非安定化電源から安定化電源へと供給される電力を遮断する非安定化電源遮断ステップと、電力比較部における比較の結果、計測された電力が上限電力の基準値を超えた過電力であった場合には、当該過電力が検知されてから非安定化電源遮断部が電力を遮断するまでの間に猶予時間を設ける第1の基準時間制御ステップと、計測された電力が上限電力の基準値を超えた過電力から遮断状態に変化すると、電力を遮断する制御を行ってから待機時間の経過後に電力の供給を復帰させる第2の基準時間制御ステップとを含んでいる。
【0017】
本発明による過電力保護回路または安定化電源装置もしくは過電力保護方法では、非安定化電源から供給される電力を測定し、過電力であるか否かを判別するための上限電力の基準値を保持しておき、電力測定ステップによって計測された電力を上限電力の基準値と比較し、電力比較部における比較の結果、計測された電力が上限電力の基準値を超えた過電力であった場合には、その過電力が検知されてから非安定化電源遮断部が電力を遮断するまでの間に第1の基準時間として猶予時間を設け、計測された電力が上限電力の基準値を超えた過電力から遮断状態に変化すると、電力を遮断する制御を行ってから待機時間の経過後に電力の供給を復帰させる第2の基準時間を設けるようにしている。このようにすることにより、過大電力消費を検出した場合に電力の供給を停止するまでの時間を猶予時間(第1の基準時間)として最適に選ぶことができ、かつ機器の一部に故障が発生した場合でも、一旦電力の供給を停止した後、待機時間(第2の基準時間)を経て、自動的に復旧することが可能となる。
【0018】
なお、上記の第1の基準時間制御部または第1の基準時間制御ステップは、猶予時間を過電力が発生する前に測定された電力に基づいてアダプティブ制御するものであり、第2の基準時間制御部は、待機時間を過電力が発生する前に測定された電力に基づいてアダプティブ制御するものであるようにしてもよい。このようにすることにより、機器の使用状況に対して臨機応変に対応したさらに的確な遮断制御を行うことが可能となる。
【0019】
また、第1の基準時間制御部と第2の基準時間制御部とを纏めて一つの基準時間制御部として設けて、装置または回路もしくはステップのさらなる簡易化を図るようにしてもよい。
但し、この場合には、猶予時間と待機時間とを同一の時間に設定することで、さらに簡易化を図るようにしてもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施の形態に係る安定化電源装置の概要構成を表したものである。なお、本発明の実施の形態に係る過電力保護回路および過電力保護方法は、この安定化電源装置の動作あるいは作用によって具現化されるものであるから、以下、それらを併せて説明する。
【0022】
この安定化電源装置は、非安定化電源1と、非安定化電源遮断部2と、安定化電圧生成部(安定化電源)3と、電力測定部4と、上限電力基準値保持部5と、電力比較部6と、第1の基準時間制御部7と、第2の基準時間制御部8とを、その主要部として備えている。
【0023】
非安定化電源1は、いわゆる平滑化される以前の電圧を出力する電源である。この非安定化電源1から出力された電力は、非安定化電源遮断部2を介して安定化電源へと供給される。またその経路途中には電力測定部4が設けられていて、非安定化電源1から安定化電圧生成部3へと供給される(従って安定化電圧生成部3から外部に出力されて消費される)電力量は、電力測定部4によって測定される。
【0024】
安定化電圧生成部3は、非安定化電源1から供給される電力を安定化した電力にして出力するものである。
【0025】
上限電力基準値保持部5は、過電力であるか否かを判別するための上限電力の基準値を保持するものである。
【0026】
電力比較部6は、電力測定部4によって計測された電力を上限電力の基準値と比較するものである。
【0027】
非安定化電源遮断部2は、電力測定部4による比較の結果に基づいて、第1の基準時間制御部7および第2の基準時間制御部8によって制御されて、非安定化電源1から安定化電源生成部3へと供給される電力を遮断するものである。
【0028】
第1の基準時間制御部7は、電力比較部6における比較の結果、計測された電力が上限電力の基準値を超えた過電力であった場合には、そのときの過電力が検知されてから電力を遮断するまでの間に猶予時間を設けて、その猶予時間の経過後に電力を遮断するという制御を、非安定化電源遮断部2に対して行うものである。
【0029】
第2の基準時間制御部8は、計測された電力が上限電力の基準値を超えた過電力から遮断状態に変化すると、まず電力を遮断し、その後、待機時間の経過後に電力の供給を復帰させるという制御を、非安定化電源遮断部2に対して行うものである。
【0030】
ここで、第1の基準時間制御部7および第2の基準時間制御部8は、例えば固有の周期を有する発振回路(図示省略)を原振とするカウンタなどを用いて、高精度な時間制御が可能なものであるようにすることが望ましい。
【0031】
次に、この安定化電源装置の動作について説明する。
【0032】
非安定化電源1から出力される直流電圧は、非安定化電源遮断部2、電力測定部4を経由して、安定化電圧生成部3に供給される。
【0033】
安定化電圧生成部3では、非安定化電源1から供給された直流電圧を安定化して、その安定化された電圧を必要とする外部または内部の装置または機器もしくは電子部品等(これらを電力消費機器20と呼ぶものとする)へと供給する。
【0034】
例えば外部の電力消費機器20の動作中は、安定化電圧生成部3に供給される電力が電力測定部4によって測定される。その測定結果は、電力比較部6に伝送される。
【0035】
電力比較部6では、電力測定部4によって測定された電力の大きさと、あらかじめ定められて上限電力基準値保持部5に保持されている上限電力基準値とを、比較する。
【0036】
そしてその比較を行った結果、そのときの電力量が上限電力基準値よりも大きい(過負荷状態である)と判断された場合には、その旨を示す比較出力9を、第1の基準時間制御部1へと伝送する。
【0037】
第1の基準時間制御部7では、比較出力9の状態が、通常負荷から過負荷に変化したことを検知すると、あらかじめ定められた猶予時間の経過後、非安定化電源遮断部2に遮断を実行させるため遮断命令10を出力する。
【0038】
遮断命令10を受けた非安定化電源遮断部2では、電力測定部4よりも後段に接続されている安定化電圧生成部3への非安定化直流電圧の供給を停止する。
【0039】
その結果、電力測定部4での測定結果も0となる。すると、電力比較部6および上限電力基準値保持部5の機能によって、電力比較部6から出力される比較出力9は、過負荷から通常負荷(電流=0)に変化する。この変化を検出することで、第1の基準時間制御部7は、非安定化電源遮断部2による電力の遮断を解除する。
【0040】
他方、第2の基準時間制御部8では、上記の第1の基準時間制御部7の制御による過負荷から通常負荷(電流=0または過大電力消費の状態が解消して通常負荷に戻った場合も同様)の変化を検知すると、まず遮断命令10を出力して、非安定化電源遮断部2による電力の遮断を継続させる。そしてその後、あらかじめ定めた待機時間が経過すると、それまでの遮断を解除する。
【0041】
このような遮断の継続および解除を行うことにより、本実施の形態の安定化電源装置では、例えば従来の技術のようなコンデンサの1回の充電によって時間を計測するといった手法は全く採用しなくともよいので、そのようなコンデンサを用いた時間制御を行う従来の技術が直面していた不都合が生じることはない。
【0042】
また、過大な電力の消費を検知した場合に電力の供給を停止するまでの時間を最適に選ぶことにより、部品の焼損や、発熱による温度上昇等を確実に防止することができると共に、電力消費機器20や安定化電圧生成部3の内部の回路の一部に故障が発生した場合でも、一旦電力の供給を停止した後、所定の待機時間の経過後に、過電力状態(過大電力を消費している状態)が通常の電力消費状態に戻っていれば(消費電力が上限電力基準値以下になっていれば)、電力の供給を自動的に復旧させることができる。
【0043】
しかも、もし所定の待機時間が経過して、第2の基準時間制御部8が遮断を解除する時点でも、まだ過電力状態である場合には、第1の基準時間制御部7は非安定化電源遮断部2を制御して電力を遮断させ続けるので、過電力状態が解消されるまでは電力の遮断を維持する。そしてさらに時間が経過して行くうちに,例えばオーバーワークだった電力消費機器20内部の過熱状態が冷却されるなどして、過電力状態が解消されると、電力の消費状態は過負荷から通常負荷になるので、第1の基準時間制御部7および第2の基準時間制御部8は、上記の遮断制御のサイクルをもう一度繰り返すが、さらにそのときの第2の基準時間制御部8による待機時間の経過後には、過電力状態が解消された後なのであるから、そのとき検知される電力の消費状態は、通常負荷から通常負荷(通常負荷の状態が継続されている)なので、第1の基準時間制御部7は非安定化電源遮断部2に対して電力供給の遮断の制御は行わない。従って、このときから後は、電力供給の遮断状態は解除されて、電力の供給を自動的に復旧させることができる。
【0044】
これにより、過電力状態が解消されていないのに電力の供給を自動的に復旧させるといった不都合を回避することが可能となり、かつ過電力状態が解消された場合にのみ電力の供給を自動的に復旧させることが可能となる。
【0045】
延いては、ユーザの立場から見ると、例えば電力消費機器20内のAという部位の故障等に起因して電力供給が停止(遮断)された場合でも、電力消費機器20内のBという部位を使用することに支障がない場合には、自動復に、ユーザはB部位の機能を使い続けることが可能となる。これは換言すれば、電力消費機器20内の一部の機能が故障した場合でも、その機能については使用不能あるいは使用中止にして、その部位については機能的に縮退した状態にして、他の正常な部位についてはその使用を継続できることになる。よって、従来の一般的な電力消費機器20に内蔵されたヒューズなどのような一度遮断が行われると修理などのメンテナンスが必要となるということもなく、その電力消費機器の使用を継続することができるので、電力消費機器の可用性を高いものとすることなども可能となる。
【0046】
なお、第1の基準時間制御部7における猶予時間および第2の基準時間制御部8における待機時間は、上記のようにあらかじめ固定的に設定しておくようにしてもよいが、その他にも、例えば図2に示したように、遮断を行う直前に電力測部4にて測定された電力に基づいて、アダプティブに設定を変化させるようにしてもよい。
【0047】
また、図3に一例を示したように、機器内で非安定化直流電圧の供給を必要とする非安定化電圧消費部11がある場合などには、非安定化電源1から非安定化電源遮断部2および電力測定4を介して出力される非安定化直流電圧を供給するようにしてもよい。換言すれば、本実施の形態に係る過電力保護回路を、非安定化電圧消費部11の内部にもさらに作り込むことにより、非安定化電圧消費部11に故障が発生して過負荷状態が生じた場合でも、その非安定化電圧消費部11を保護することができる。
【0048】
また、図4に一例を示したように、第1の基準時間制御部7および第2の基準時間制御部8を一つの基準時間制御部78として纏めて共用化するようにして、構成のさらなる簡易化を図ることも可能である。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし4のいずれかに記載の過電力保護回路または請求項5ないし8のいずれかに記載の安定化電源装置もしくは請求項6ないし12のいずれかに記載の過電力保護方法によれば、非安定化電源から供給される電力を測定し、過電力であるか否かを判別するための上限電力の基準値を保持しておき、電力測定ステップによって計測された電力を上限電力の基準値と比較し、電力比較部における比較の結果、計測された電力が上限電力の基準値を超えた過電力であった場合には、その過電力が検知されてから非安定化電源遮断部が電力を遮断するまでの間に第1の基準時間として猶予時間を設け、計測された電力が上限電力の基準値を超えた過電力から遮断状態に変化すると、電力を遮断する制御を行ってから待機時間の経過後に電力の供給を復帰させる第2の基準時間を設けるようにしたので、過電力が消費される状態が生じた場合に、そのときの過電力の供給を停止するまでの時間を猶予時間として最適に選んで機器や部品に損傷や破損が生じることを防ぐことができる。しかも、機器の一部に故障が発生した場合でも、一旦電力の供給を停止した後、待機時間を経て、自動的に復旧することができる。またさらには、過電力保護回路の構成は極めて簡易なものであり、それを含んだ安定化電源装置の構成も極めて簡易なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る安定化電源装置の概要構成を表した図である。
【図2】遮断を行う直前に電力測部で測定された電力に基づいて、猶予時間および待機時間の設定をアダプティブに変化させる場合の構成の一例を表した図である。
【図3】非安定化電圧消費部にも本実施の形態に係る過電力保護回路を作り込む場合の一例を表した図である。
【図4】第1の基準時間制御部および第2基準時間制御部を一つに纏めて共用化して構成のさらなる簡易化を図った構成の一例を表した図である。
【符号の説明】
1…非安定化電源、2…非安定化電源遮断部、3…安定化電圧生成部、4…電力測定部、5…上限電力基準値保持部、6…電力比較部、7…第1の基準時間制御部、8…第2の基準時間制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば過大電流を検知してそのときの電力供給を遮断することでその後段の回路系を保護する、過電力保護回路および安定化電源装置ならびに過電力保護方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種の電子機器に対して電力を供給するための安定化電源装置は、それに接続された電子機器で消費される電力量が過大になると(例えば、いわゆるオーバーワークなどに因って)、いわゆるオーバーヒートを引き起してしまい、その発熱に起因した内部回路や配線等の機能低下や動作不良や損傷等の要因となる虞がある。このため、消費電力量が過大になった場合には、電力の供給を停止することが必要である。そのような過大電力の消費状態が生じた際の電力供給停止の手法としては、最大許容電力のしきい値を定めておき、電力消費量がそのしきい値を超えると、サーキットブレーカまたはヒューズが電流を遮断するようにする、ということが行われている。
【0003】
しかし、例えばマイクロプロセサ応用機器は、その作動状態に対応して消費電力が大幅に変化する。従って、単純に最大許容電力のしきい値を設けるだけでは、現在の消費電力が回路異常によるものか、それとも回路は正常であっても機器の作動状態に起因したものであるのかを判定することは困難あるいは不可能である。
【0004】
【特許文献1】
特開平4−38170号公報(発明の詳細な説明全体)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、マイクロプロセサ応用機器や周辺機器の作動状態が、いわゆるオーバーワークの状態にある場合には、個々のタスクや個々の周辺機器による消費電力は正常な(適正な)範囲内にあるにも関わらず、それら全体としては、そのとき個々のタスクや周辺機器に対して電力を供給している一つの安定化電源装置にとって過大なものとなってしまう。
【0006】
このような場合、個々のタスクや周辺機器の一つ一つの異常や故障を詳細に調べなければ、そのときの過大電力消費の状態は、回路系のどこかに異常や故障が発生したことに起因したものなのか、それともそのときのタスクや周辺機器がオーバーワークの作動状態にあることに起因したものであるのかを、判別することは極めて困難あるいは不可能である。このため、例えば個々の周辺機器には故障等が発生しておらず、多数の周辺機器を用いていたために過大電力消費の状態となっていた場合には、その過大電力消費の状態に対応して電力の供給が停止されるが、ユーザは、個々の周辺機器を子細に調べても故障等は発見されないので、どのような対応をすればよいのか分からなくなってしまい、周辺機器や安定化電源装置の全てを修理に出さなければならなくなり、またその間は周辺機器や安定化電源装置は使用不可となってしまう。
【0007】
上記のような過大電力の要因がオーバーワークであるか回路異常であるかを自動的に判別して、回路異常の場合には電力を遮断して電力供給を停止するという手法が有効であるようにも考えられる。例えば、特許文献1に提案されているように、回路の異常を判定する基準として許容電力のしきい値とその電力消費の継続時間とを併用することが妥当であるとも考えられる。
【0008】
しかし、継続時間の判定に静電容量(代表的な一例としてはコンデンサ)の充電時間を用いると、一般にコンデンサの容量保持特性は対数関数的であるため、特に充電比率の大きな領域では精度の確保が困難である。これに対する対策としては、コンデンサの静電容量を大きく取ることも考えられるが、その場合は、コンデンサの素子としてのサイズが大きくなるというデメリットがある。
【0009】
特許文献1によるスイッチング電源回路では、安定化電圧生成部位の出力が過負荷状態になると、出力を遮断し非安定化電源から安定化電源生成部位への電力供給を何らかの方法で一旦遮断しなければ復旧しない。この方式による場合、復旧に外部のメンテナンス作業を要する点から可用性に難がある。また、過負荷状態の判定が静電容量の充電特性に依存しているため、満充電付近で検出時間の精度が確保しにくくなる。
【0010】
また、例えばサーキットブレーカを保護回路として用いることも考えられるが、一般にサーキットブレーカでは過大電力が生じると即座に遮断を行うので、例えば過大電力の要因がオーバーワークである場合には、そのタスクを行うごとにサーキットブレーカは何度も遮断を行うこととなり、ユーザーはその都度一々サーキットブレーカを手動で復帰させなければならず、極めて繁雑であるという不都合がある。
【0011】
また、近年、例えばノートブック型パソコンのような電子機器はヒューズやサーキットブレーカ等の保護回路を内蔵している場合が多く、またそれらは配線回路基板と共にボディの内部に極めて精緻に収容されているので、過大電力に起因してヒューズが切れたり内部の回路素子が損傷したりサーキットブレーカ等の保護回路自体が損傷した場合などには、ユーザは自分で電子機器を修理したりヒューズを取り替えることなどは実際上極めて煩雑で困難なものとなっている。このため、オーバーワークに起因するのか電子機器やそれに接続された周辺機器の故障に起因するのかを問わず、過大電力消費の状態が生じた場合には、電子機器や保護回路の損傷を回避するために電力供給を一旦停止することができ、かつその過大電力消費の状態が解消された後は、電力供給を自動的に再開することができるような保護回路が望まれる。しかも、そのような機能を備えてかつ簡易で耐久性の高い保護回路であることが望ましい。
【0012】
しかしながら、そのような互いに相剋し合う諸条件を十分に満たすことができる保護回路は提案されていなかった。
【0013】
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的は、過大電力消費を検出した場合に電力の供給を停止するまでの時間を最適に選んで、機器内部の部品の焼損や劣化等を防止することで、高い安全性を確保することができ、かつ機器の一部に故障が発生した場合でも、一旦電力の供給を停止した後、過大電力消費の状態が解消されたことを確実に検知して、自動的に復旧することができる、しかも構成が簡易な、過電力保護回路および安定化電源装置ならびに過電力保護方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明による過電力保護回路は、非安定化電源から供給される電力を安定化した電力にして出力する安定化電源における、過電力の供給または出力を検知して安定化電源を保護する過電力保護回路であって、非安定化電源から供給される電力を測定する電力測定部と、過電力であるか否かを判別するための上限電力の基準値を保持する上限電力基準値保持部と、電力測定部によって計測された電力を上限電力の基準値と比較する電力比較部と、非安定化電源から安定化電源へと供給される電力を遮断する非安定化電源遮断部と、電力比較部における比較の結果、計測された電力が上限電力の基準値を超えた過電力であった場合には、そのときの過電力が検知されてから非安定化電源遮断部が電力を遮断するまでの間に猶予時間を設ける第1の基準時間制御部と、計測された電力が上限電力の基準値を超えた過電力から遮断状態に変化すると、電力を遮断する制御を行ってから待機時間の経過後に電力の供給を復帰させる第2の基準時間制御部とを備えている。
【0015】
本発明による安定化電源装置は、非安定化電源と、非安定化電源から供給される電力を安定化した電力にして出力する安定化電源と、非安定化電源から供給される電力を測定する電力測定部と、過電力であるか否かを判別するための上限電力の基準値を保持する上限電力基準値保持部と、電力測定部によって計測された電力を上限電力の基準値と比較する電力比較部と、非安定化電源から安定化電源へと供給される電力を遮断する非安定化電源遮断部と、電力比較部における比較の結果、計測された電力が上限電力の基準値を超えた過電力であった場合には、当該過電力が検知されてから非安定化電源遮断部が電力を遮断するまでの間に猶予時間を設ける第1の基準時間制御部と、計測された電力が上限電力の基準値を超えた過電力から遮断状態に変化すると、電力を遮断する制御を行ってから待機時間の経過後に電力の供給を復帰させる第2の基準時間制御部とを備えている。
【0016】
本発明による過電力保護方法は、非安定化電源から供給される電力を安定化した電力にして出力する安定化電源における、過電力の供給または出力を検知して安定化電源を保護する過電力保護方法であって、非安定化電源から供給される電力を測定する電力測定ステップと、過電力であるか否かを判別するための上限電力の基準値を保持する上限電力基準値保持ステップと、電力測定ステップによって計測された電力を上限電力の基準値と比較する電力比較ステップと、非安定化電源から安定化電源へと供給される電力を遮断する非安定化電源遮断ステップと、電力比較部における比較の結果、計測された電力が上限電力の基準値を超えた過電力であった場合には、当該過電力が検知されてから非安定化電源遮断部が電力を遮断するまでの間に猶予時間を設ける第1の基準時間制御ステップと、計測された電力が上限電力の基準値を超えた過電力から遮断状態に変化すると、電力を遮断する制御を行ってから待機時間の経過後に電力の供給を復帰させる第2の基準時間制御ステップとを含んでいる。
【0017】
本発明による過電力保護回路または安定化電源装置もしくは過電力保護方法では、非安定化電源から供給される電力を測定し、過電力であるか否かを判別するための上限電力の基準値を保持しておき、電力測定ステップによって計測された電力を上限電力の基準値と比較し、電力比較部における比較の結果、計測された電力が上限電力の基準値を超えた過電力であった場合には、その過電力が検知されてから非安定化電源遮断部が電力を遮断するまでの間に第1の基準時間として猶予時間を設け、計測された電力が上限電力の基準値を超えた過電力から遮断状態に変化すると、電力を遮断する制御を行ってから待機時間の経過後に電力の供給を復帰させる第2の基準時間を設けるようにしている。このようにすることにより、過大電力消費を検出した場合に電力の供給を停止するまでの時間を猶予時間(第1の基準時間)として最適に選ぶことができ、かつ機器の一部に故障が発生した場合でも、一旦電力の供給を停止した後、待機時間(第2の基準時間)を経て、自動的に復旧することが可能となる。
【0018】
なお、上記の第1の基準時間制御部または第1の基準時間制御ステップは、猶予時間を過電力が発生する前に測定された電力に基づいてアダプティブ制御するものであり、第2の基準時間制御部は、待機時間を過電力が発生する前に測定された電力に基づいてアダプティブ制御するものであるようにしてもよい。このようにすることにより、機器の使用状況に対して臨機応変に対応したさらに的確な遮断制御を行うことが可能となる。
【0019】
また、第1の基準時間制御部と第2の基準時間制御部とを纏めて一つの基準時間制御部として設けて、装置または回路もしくはステップのさらなる簡易化を図るようにしてもよい。
但し、この場合には、猶予時間と待機時間とを同一の時間に設定することで、さらに簡易化を図るようにしてもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施の形態に係る安定化電源装置の概要構成を表したものである。なお、本発明の実施の形態に係る過電力保護回路および過電力保護方法は、この安定化電源装置の動作あるいは作用によって具現化されるものであるから、以下、それらを併せて説明する。
【0022】
この安定化電源装置は、非安定化電源1と、非安定化電源遮断部2と、安定化電圧生成部(安定化電源)3と、電力測定部4と、上限電力基準値保持部5と、電力比較部6と、第1の基準時間制御部7と、第2の基準時間制御部8とを、その主要部として備えている。
【0023】
非安定化電源1は、いわゆる平滑化される以前の電圧を出力する電源である。この非安定化電源1から出力された電力は、非安定化電源遮断部2を介して安定化電源へと供給される。またその経路途中には電力測定部4が設けられていて、非安定化電源1から安定化電圧生成部3へと供給される(従って安定化電圧生成部3から外部に出力されて消費される)電力量は、電力測定部4によって測定される。
【0024】
安定化電圧生成部3は、非安定化電源1から供給される電力を安定化した電力にして出力するものである。
【0025】
上限電力基準値保持部5は、過電力であるか否かを判別するための上限電力の基準値を保持するものである。
【0026】
電力比較部6は、電力測定部4によって計測された電力を上限電力の基準値と比較するものである。
【0027】
非安定化電源遮断部2は、電力測定部4による比較の結果に基づいて、第1の基準時間制御部7および第2の基準時間制御部8によって制御されて、非安定化電源1から安定化電源生成部3へと供給される電力を遮断するものである。
【0028】
第1の基準時間制御部7は、電力比較部6における比較の結果、計測された電力が上限電力の基準値を超えた過電力であった場合には、そのときの過電力が検知されてから電力を遮断するまでの間に猶予時間を設けて、その猶予時間の経過後に電力を遮断するという制御を、非安定化電源遮断部2に対して行うものである。
【0029】
第2の基準時間制御部8は、計測された電力が上限電力の基準値を超えた過電力から遮断状態に変化すると、まず電力を遮断し、その後、待機時間の経過後に電力の供給を復帰させるという制御を、非安定化電源遮断部2に対して行うものである。
【0030】
ここで、第1の基準時間制御部7および第2の基準時間制御部8は、例えば固有の周期を有する発振回路(図示省略)を原振とするカウンタなどを用いて、高精度な時間制御が可能なものであるようにすることが望ましい。
【0031】
次に、この安定化電源装置の動作について説明する。
【0032】
非安定化電源1から出力される直流電圧は、非安定化電源遮断部2、電力測定部4を経由して、安定化電圧生成部3に供給される。
【0033】
安定化電圧生成部3では、非安定化電源1から供給された直流電圧を安定化して、その安定化された電圧を必要とする外部または内部の装置または機器もしくは電子部品等(これらを電力消費機器20と呼ぶものとする)へと供給する。
【0034】
例えば外部の電力消費機器20の動作中は、安定化電圧生成部3に供給される電力が電力測定部4によって測定される。その測定結果は、電力比較部6に伝送される。
【0035】
電力比較部6では、電力測定部4によって測定された電力の大きさと、あらかじめ定められて上限電力基準値保持部5に保持されている上限電力基準値とを、比較する。
【0036】
そしてその比較を行った結果、そのときの電力量が上限電力基準値よりも大きい(過負荷状態である)と判断された場合には、その旨を示す比較出力9を、第1の基準時間制御部1へと伝送する。
【0037】
第1の基準時間制御部7では、比較出力9の状態が、通常負荷から過負荷に変化したことを検知すると、あらかじめ定められた猶予時間の経過後、非安定化電源遮断部2に遮断を実行させるため遮断命令10を出力する。
【0038】
遮断命令10を受けた非安定化電源遮断部2では、電力測定部4よりも後段に接続されている安定化電圧生成部3への非安定化直流電圧の供給を停止する。
【0039】
その結果、電力測定部4での測定結果も0となる。すると、電力比較部6および上限電力基準値保持部5の機能によって、電力比較部6から出力される比較出力9は、過負荷から通常負荷(電流=0)に変化する。この変化を検出することで、第1の基準時間制御部7は、非安定化電源遮断部2による電力の遮断を解除する。
【0040】
他方、第2の基準時間制御部8では、上記の第1の基準時間制御部7の制御による過負荷から通常負荷(電流=0または過大電力消費の状態が解消して通常負荷に戻った場合も同様)の変化を検知すると、まず遮断命令10を出力して、非安定化電源遮断部2による電力の遮断を継続させる。そしてその後、あらかじめ定めた待機時間が経過すると、それまでの遮断を解除する。
【0041】
このような遮断の継続および解除を行うことにより、本実施の形態の安定化電源装置では、例えば従来の技術のようなコンデンサの1回の充電によって時間を計測するといった手法は全く採用しなくともよいので、そのようなコンデンサを用いた時間制御を行う従来の技術が直面していた不都合が生じることはない。
【0042】
また、過大な電力の消費を検知した場合に電力の供給を停止するまでの時間を最適に選ぶことにより、部品の焼損や、発熱による温度上昇等を確実に防止することができると共に、電力消費機器20や安定化電圧生成部3の内部の回路の一部に故障が発生した場合でも、一旦電力の供給を停止した後、所定の待機時間の経過後に、過電力状態(過大電力を消費している状態)が通常の電力消費状態に戻っていれば(消費電力が上限電力基準値以下になっていれば)、電力の供給を自動的に復旧させることができる。
【0043】
しかも、もし所定の待機時間が経過して、第2の基準時間制御部8が遮断を解除する時点でも、まだ過電力状態である場合には、第1の基準時間制御部7は非安定化電源遮断部2を制御して電力を遮断させ続けるので、過電力状態が解消されるまでは電力の遮断を維持する。そしてさらに時間が経過して行くうちに,例えばオーバーワークだった電力消費機器20内部の過熱状態が冷却されるなどして、過電力状態が解消されると、電力の消費状態は過負荷から通常負荷になるので、第1の基準時間制御部7および第2の基準時間制御部8は、上記の遮断制御のサイクルをもう一度繰り返すが、さらにそのときの第2の基準時間制御部8による待機時間の経過後には、過電力状態が解消された後なのであるから、そのとき検知される電力の消費状態は、通常負荷から通常負荷(通常負荷の状態が継続されている)なので、第1の基準時間制御部7は非安定化電源遮断部2に対して電力供給の遮断の制御は行わない。従って、このときから後は、電力供給の遮断状態は解除されて、電力の供給を自動的に復旧させることができる。
【0044】
これにより、過電力状態が解消されていないのに電力の供給を自動的に復旧させるといった不都合を回避することが可能となり、かつ過電力状態が解消された場合にのみ電力の供給を自動的に復旧させることが可能となる。
【0045】
延いては、ユーザの立場から見ると、例えば電力消費機器20内のAという部位の故障等に起因して電力供給が停止(遮断)された場合でも、電力消費機器20内のBという部位を使用することに支障がない場合には、自動復に、ユーザはB部位の機能を使い続けることが可能となる。これは換言すれば、電力消費機器20内の一部の機能が故障した場合でも、その機能については使用不能あるいは使用中止にして、その部位については機能的に縮退した状態にして、他の正常な部位についてはその使用を継続できることになる。よって、従来の一般的な電力消費機器20に内蔵されたヒューズなどのような一度遮断が行われると修理などのメンテナンスが必要となるということもなく、その電力消費機器の使用を継続することができるので、電力消費機器の可用性を高いものとすることなども可能となる。
【0046】
なお、第1の基準時間制御部7における猶予時間および第2の基準時間制御部8における待機時間は、上記のようにあらかじめ固定的に設定しておくようにしてもよいが、その他にも、例えば図2に示したように、遮断を行う直前に電力測部4にて測定された電力に基づいて、アダプティブに設定を変化させるようにしてもよい。
【0047】
また、図3に一例を示したように、機器内で非安定化直流電圧の供給を必要とする非安定化電圧消費部11がある場合などには、非安定化電源1から非安定化電源遮断部2および電力測定4を介して出力される非安定化直流電圧を供給するようにしてもよい。換言すれば、本実施の形態に係る過電力保護回路を、非安定化電圧消費部11の内部にもさらに作り込むことにより、非安定化電圧消費部11に故障が発生して過負荷状態が生じた場合でも、その非安定化電圧消費部11を保護することができる。
【0048】
また、図4に一例を示したように、第1の基準時間制御部7および第2の基準時間制御部8を一つの基準時間制御部78として纏めて共用化するようにして、構成のさらなる簡易化を図ることも可能である。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし4のいずれかに記載の過電力保護回路または請求項5ないし8のいずれかに記載の安定化電源装置もしくは請求項6ないし12のいずれかに記載の過電力保護方法によれば、非安定化電源から供給される電力を測定し、過電力であるか否かを判別するための上限電力の基準値を保持しておき、電力測定ステップによって計測された電力を上限電力の基準値と比較し、電力比較部における比較の結果、計測された電力が上限電力の基準値を超えた過電力であった場合には、その過電力が検知されてから非安定化電源遮断部が電力を遮断するまでの間に第1の基準時間として猶予時間を設け、計測された電力が上限電力の基準値を超えた過電力から遮断状態に変化すると、電力を遮断する制御を行ってから待機時間の経過後に電力の供給を復帰させる第2の基準時間を設けるようにしたので、過電力が消費される状態が生じた場合に、そのときの過電力の供給を停止するまでの時間を猶予時間として最適に選んで機器や部品に損傷や破損が生じることを防ぐことができる。しかも、機器の一部に故障が発生した場合でも、一旦電力の供給を停止した後、待機時間を経て、自動的に復旧することができる。またさらには、過電力保護回路の構成は極めて簡易なものであり、それを含んだ安定化電源装置の構成も極めて簡易なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る安定化電源装置の概要構成を表した図である。
【図2】遮断を行う直前に電力測部で測定された電力に基づいて、猶予時間および待機時間の設定をアダプティブに変化させる場合の構成の一例を表した図である。
【図3】非安定化電圧消費部にも本実施の形態に係る過電力保護回路を作り込む場合の一例を表した図である。
【図4】第1の基準時間制御部および第2基準時間制御部を一つに纏めて共用化して構成のさらなる簡易化を図った構成の一例を表した図である。
【符号の説明】
1…非安定化電源、2…非安定化電源遮断部、3…安定化電圧生成部、4…電力測定部、5…上限電力基準値保持部、6…電力比較部、7…第1の基準時間制御部、8…第2の基準時間制御部
Claims (11)
- 非安定化電源から供給される電力を安定化した電力にして出力する安定化電源における、過電力の供給または出力を検知して前記安定化電源を保護する過電力保護回路であって、
前記非安定化電源から供給される電力を測定する電力測定部と、
過電力であるか否かを判別するための上限電力の基準値を保持する上限電力基準値保持部と、
前記電力測定部によって計測された電力を前記上限電力の基準値と比較する電力比較部と、
前記非安定化電源から前記安定化電源へと供給される電力を遮断する非安定化電源遮断部と、
前記電力比較部における比較の結果、前記計測された電力が前記上限電力の基準値を超えた過電力であった場合には、当該過電力が検知されてから前記非安定化電源遮断部が前記電力を遮断するまでの間に猶予時間を設ける第1の基準時間制御部と、
前記計測された電力が前記上限電力の基準値を超えた過電力から遮断状態に変化すると、前記電力を遮断する制御を行ってから待機時間の経過後に電力の供給を復帰させる第2の基準時間制御部と
を備えたことを特徴とする過電力保護回路。 - 前記第1の基準時間制御部は、前記猶予時間を、前記過電力が発生する前に測定された電力に基づいてアダプティブ制御するものであり、
前記第2の基準時間制御部は、前記待機時間を、前記過電力が発生する前に測定された電力に基づいてアダプティブ制御するものである
ことを特徴とする請求項1記載の過電力保護回路。 - 前記第1の基準時間制御部と前記第2の基準時間制御部とを纏めて一つの基準時間制御部として設けた
ことを特徴とする請求項1記載の過電力保護回路。 - 前記猶予時間と前記待機時間とを同一の時間に設定した
ことを特徴とする請求項3記載の過電力保護回路。 - 非安定化電源と、
前記非安定化電源から供給される電力を安定化した電力にして出力する安定化電源と、
前記非安定化電源から供給される電力を測定する電力測定部と、
過電力であるか否かを判別するための上限電力の基準値を保持する上限電力基準値保持部と、
前記電力測定部によって計測された電力を前記上限電力の基準値と比較する電力比較部と、
前記非安定化電源から前記安定化電源へと供給される電力を遮断する非安定化電源遮断部と、
前記電力比較部における比較の結果、前記計測された電力が前記上限電力の基準値を超えた過電力であった場合には、当該過電力が検知されてから前記非安定化電源遮断部が前記電力を遮断するまでの間に猶予時間を設ける第1の基準時間制御部と、
前記計測された電力が前記上限電力の基準値を超えた過電力から遮断状態に変化すると、前記電力を遮断する制御を行ってから待機時間の経過後に電力の供給を復帰させる第2の基準時間制御部と
を備えたことを特徴とする安定化電源装置。 - 前記第1の基準時間制御部は、前記猶予時間を、前記過電力が発生する前に測定された電力に基づいてアダプティブ制御するものであり、
前記第2の基準時間制御部は、前記待機時間を、前記過電力が発生する前に測定された電力に基づいてアダプティブ制御するものである
ことを特徴とする請求項5記載の安定化電源装置。 - 前記第1の基準時間制御部と前記第2の基準時間制御部とを纏めて一つの基準時間制御部として設けた
ことを特徴とする請求項5記載の安定化電源装置。 - 前記猶予時間と前記待機時間とを同一の時間に設定した
ことを特徴とする請求項7記載の安定化電源装置。 - 非安定化電源から供給される電力を安定化した電力にして出力する安定化電源における、過電力の供給または出力を検知して前記安定化電源を保護する過電力保護方法であって、
前記非安定化電源から供給される電力を測定する電力測定ステップと、
過電力であるか否かを判別するための上限電力の基準値を保持する上限電力基準値保持ステップと、
前記電力測定ステップによって計測された電力を前記上限電力の基準値と比較する電力比較ステップと、
前記非安定化電源から前記安定化電源へと供給される電力を遮断する非安定化電源遮断ステップと、
前記電力比較部における比較の結果、前記計測された電力が前記上限電力の基準値を超えた過電力であった場合には、当該過電力が検知されてから前記非安定化電源遮断部が前記電力を遮断するまでの間に猶予時間を設ける第1の基準時間制御ステップと、
前記計測された電力が前記上限電力の基準値を超えた過電力から遮断状態に変化すると、前記電力を遮断する制御を行ってから待機時間の経過後に電力の供給を復帰させる第2の基準時間制御ステップと
を含んだことを特徴とする過電力保護方法。 - 前記第1の基準時間制御ステップは、前記猶予時間を、前記過電力が発生する前に測定された電力に基づいてアダプティブ制御するものであり、
前記第2の基準時間制御ステップは、前記待機時間を、前記過電力が発生する前に測定された電力に基づいてアダプティブ制御するものである
ことを特徴とする請求項9記載の過電力保護方法。 - 前記猶予時間と前記待機時間とを同一の時間に設定した
ことを特徴とする請求項10記載の過電力保護方法。
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KR20150086959A (ko) * | 2014-01-21 | 2015-07-29 | 삼성디스플레이 주식회사 | 출력 전압 제어 방법, 이 출력 전압 제어 방법을 수행하는 출력 전압 제어 장치 및 이 출력 전압 제어 장치를 포함하는 표시 장치 |
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2003
- 2003-05-28 JP JP2003151157A patent/JP2004357389A/ja active Pending
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