JP2004357136A - 画像読取装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光電変換により生成されて蓄積される電荷の量と画像との対応関係が正確になるように、電荷をシフトするタイミングと光源が点灯するタイミングとが設定されるような新規な画像読取装置を実現すること。
【解決手段】原稿に光を照射する光源と、前記光源に駆動電圧を印加することで前記光源を点灯させる光源点灯手段と、前記原稿からの前記光の反射光又は透過光を電荷に変換する光電変換手段と、前記電荷を画像信号に変換するために前記電荷を転送する電荷転送手段とを備え、前記原稿に描画された画像を前記画像信号として読み取る画像読取装置であって、前記電荷がシフトされるタイミングを制御するためのシフト制御信号を生成するシフト制御信号生成手段と、前記駆動電圧が印加されるタイミングを制御するための点灯制御信号を生成する点灯制御信号生成手段とを備え、前記点灯制御信号の波形を、前記シフト制御信号の1周期を繰り返し単位として同一波形が繰り返すような波形とする画像読取装置。
【選択図】 図4
【解決手段】原稿に光を照射する光源と、前記光源に駆動電圧を印加することで前記光源を点灯させる光源点灯手段と、前記原稿からの前記光の反射光又は透過光を電荷に変換する光電変換手段と、前記電荷を画像信号に変換するために前記電荷を転送する電荷転送手段とを備え、前記原稿に描画された画像を前記画像信号として読み取る画像読取装置であって、前記電荷がシフトされるタイミングを制御するためのシフト制御信号を生成するシフト制御信号生成手段と、前記駆動電圧が印加されるタイミングを制御するための点灯制御信号を生成する点灯制御信号生成手段とを備え、前記点灯制御信号の波形を、前記シフト制御信号の1周期を繰り返し単位として同一波形が繰り返すような波形とする画像読取装置。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スキャナ、ファクシミリ、コピー機、複合機、融合機等のように、原稿に描画された画像を画像信号として読み取る画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
原稿に描画された画像を画像信号として読み取る機能を備える機器としては、スキャナ、ファクシミリ、コピー機、複合機、融合機等が挙げられる。これらの機器が原稿に描画された画像を画像信号として読み取る方式としては、原稿に光を照射して、原稿からの反射光や透過光(透過光は、原稿がOHPシートの場合等)を電荷に変換(光電変換)して、電荷を画像信号に変換する方式が一般的である。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−9007号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述の画像読取方式において、光の照射には蛍光管が使用されることが多く、光電変換にはフォトダイオードが使用されることが多い。蛍光管は、点灯装置により点灯されて使用されることが多く、フォトダイオードは、CCDと共にCCDラインセンサを形成していることが多い。この場合、フォトダイオードにより生成されて蓄積される電荷は、フォトダイオード(転送ゲート)からCCD(転送レジスタ)にシフトされて、CCD(転送レジスタ)により転送されてから、画像信号に変換されることになる。
【0005】
ここで、電荷をシフトするタイミングと蛍光管が点灯するタイミングとを全く無関係に設定してしまうと、蛍光管の輝度変動が原因で、原稿に照射される光の量がラインごとに変化してしまい、光電変換により生成されて蓄積される電荷の量と画像との対応関係が正確でなくなってしまう。特に、画像読取速度の高速化に伴い電荷をシフトする周期が短くなると、画像にすじが発生してしまう。そのため、特許文献1では、点灯周波数を取込周波数の自然数倍としているが、これでは点灯周波数を取込周波数の自然数倍でしか設定できないこととなり、設定の自由度が制約されてしまう。
【0006】
したがって、本発明は、光電変換により生成されて蓄積される電荷の量と画像との対応関係が正確になるように、フォトダイオード等からCCD等に電荷をシフトするタイミングと蛍光管等が点灯するタイミングとが設定されるような新規な画像読取装置を実現することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明(画像読取装置)は、原稿に光を照射する光源と、前記光源に駆動電圧を印加することで前記光源を点灯させる光源点灯手段と、前記原稿からの前記光の反射光又は透過光を電荷に変換する光電変換手段と、前記電荷を画像信号に変換するために前記電荷を転送する電荷転送手段とを備え、前記原稿に描画された画像を前記画像信号として読み取る画像読取装置であって、前記光電変換手段から前記電荷転送手段に前記電荷がシフトされるタイミングを制御するためのシフト制御信号を生成するシフト制御信号生成手段と、前記光源点灯手段から前記光源に前記駆動電圧が印加されるタイミングを制御するための点灯制御信号を生成する点灯制御信号生成手段とを備え、前記点灯制御信号の波形を、前記シフト制御信号の1周期を繰り返し単位として同一波形が繰り返すような波形とする。
【0008】
請求項2に記載の発明(画像読取装置)は、請求項1に記載の発明(画像読取装置)に関して、前記点灯制御信号は、前記シフト制御信号に基づいて生成される。
【0009】
請求項3に記載の発明(画像読取装置)は、請求項1又は2に記載の発明(画像読取装置)に関して、前記シフト制御信号と前記点灯制御信号とはそれぞれ、クロック周波数がf/N(fは、前記電荷転送手段により前記電荷が転送されるタイミングを制御するための転送制御信号の1色当たりのクロック周波数とする。Nは、前記画像信号を出力するための出力端子の1色当たりの本数とする)の共通のクロック信号に基づいて生成される。
【0010】
請求項4に記載の発明(画像読取装置)は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明(画像読取装置)に関して、前記シフト制御信号の有効期間内には、前記点灯制御信号が有効状態にならないように設定される。
【0011】
請求項5に記載の発明(画像読取装置)は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発明(画像読取装置)に関して、前記シフト制御信号の有効期間幅は、前記点灯制御信号のクロック周期以下になるように設定される。
【0012】
請求項6に記載の発明(画像読取装置)は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発明(画像読取装置)に関して、前記シフト制御信号の有効期間開始エッジとその前の最後の前記点灯制御信号の有効期間開始エッジとの時間差は、前記光源点灯手段から前記光源に前記点灯制御信号に応じて前記駆動電圧が印加される際の遅延時間以上になるように設定される。
【0013】
請求項7に記載の発明(画像読取装置)は、請求項6に記載の発明(画像読取装置)に関して、前記シフト制御信号の有効期間開始エッジとその前の最後の前記点灯制御信号の有効期間開始エッジとの時間差は、モノクロモードにおいてもカラーモードにおいても、前記遅延時間以上になるように設定される。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態の例であるスキャナ101を表す。図1のスキャナ101は、コンタクトガラス121と、圧板122と、キセノン蛍光管131と、点灯装置132と、白基準板133と、第1ミラー134と、第2ミラー135と、第3ミラー136と、レンズ137と、モータ138と、CCD基板141と、画像処理部142と、タイミング生成部151により構成されており、原稿111に描画された画像を画像信号として読み取ることができる。
【0016】
コンタクトガラス121は、原稿111を下向きにセットするための原稿支持体である。圧板122は、下向きにセットされた原稿111を上方向から抑えるための原稿抑え板である。圧板122には、自動原稿搬送装置(ADF)が設置されていてもよい。
【0017】
キセノン蛍光管131は、原稿111に光を照射する光源である。点灯装置132は、直流電圧をパルス電圧に変換して、キセノン蛍光管131にパルス電圧(駆動電圧)を印加することで、キセノン蛍光管131を点灯させる電源装置であり、インバータとも呼称される。キセノン蛍光管131は、コンタクトガラス121又は白基準板133に対してある角度で読取面を照射する。白基準板133は、シェーディング補正時の補正データを得るために主走査方向に設置された均一濃度のほぼ白色の部材である。原稿111又は白基準板133で反射された光は、第1ミラー134、第2ミラー135、第3ミラー136で反射されて、レンズ137によりCCD基板141上に結像される。光源131と第1のミラー134は第1走行体を、第2ミラー135と第3ミラー136は第2走行体を形成して、モータ138により読取面・CCD間距離を一定に保ちながら副走査方向に移動する。
【0018】
CCD基板141は、図2のように、フォトダイオード201と、転送ゲート202と、転送レジスタ203と、出力回路204と、出力端子205により構成されており、CCDラインセンサとして機能する。モノクロセンサでもカラーセンサでもよいが、ここでは、赤用(R)のCCDラインセンサ、緑用(G)のCCDラインセンサ、青用(B)のCCDラインセンサにより構成されるカラーセンサとした。なお、図2では符号201,202,203,204,205に添字R,G,Bを添付して区別した。
【0019】
CCD基板141上に結像された光は、フォトダイオード201により電荷に変換(光電変換)される。フォトダイオード201により生成されて蓄積される電荷は、転送ゲート202から転送レジスタ203にシフトされて、転送レジスタ203により出力回路204に転送されて、出力回路204により画像信号に変換される。出力回路204により生成される画像信号は、出力端子205を介して画像処理部142に出力される。このようにして、原稿111に描画された画像が画像信号として読み取られる。
【0020】
タイミング生成部151は、図3のように、各種のタイミングを制御するための各種の制御信号を生成するタイミング生成回路301により構成される。タイミング生成回路301には、発振回路(OSC)311により発振されて、逓倍回路312によりクロック周波数が逓倍された、クロック周波数が200MHz程の高周波のクロック信号CKが供給される。タイミング生成回路301では、共通のクロック信号CKに基づいて、点灯装置132用のクロック信号である点灯クロックCKinv、CCD基板141用のクロック信号であるシフトパルスSH、転送パルスφ,/φ、リセットパルスRS、クランプパルスCP、図示しないサンプルホールド回路用のクロック信号、図示しないAD変換回路用のクロック信号等の各種の制御信号が生成される。CCD基板141用のクロック信号のクロック周波数は25MHz程であるが、その位相やディーティ比を制御する必要性から、クロック信号CKのクロック周波数を200MHz程にしている。
【0021】
点灯クロックCKinvは、点灯装置132からキセノン蛍光管131に駆動電圧が印加されるタイミングを制御するための制御信号であり、図3のように、タイミング生成回路301から点灯装置132に供給される。点灯装置132からキセノン蛍光管131には、点灯クロックCKinvに応じて駆動電圧が印加されるが、点灯装置132内での遅延時間Tdが原因で、点灯クロックCKinvの立ち上がりエッジ(有効期間開始エッジ)から遅延時間Td後に駆動電圧が印加されることになる。キセノン蛍光管131は、図4のように、点灯クロックCKinvの立ち上がりエッジから遅延時間Td後に点灯することになる。
【0022】
点灯装置132は、図5のように、電源と、GNDと、CPUと、タイミング生成回路301と、キセノン蛍光管131と接続されており、電源からは24Vの直流電圧Vccが、CPUからは点灯許可信号cntが、タイミング生成回路301からは点灯クロックCKinvが供給される。点灯許可信号cntは、H(High)のときにはキセノン蛍光管131の点灯を許可せず、L(Low)のときにはキセノン蛍光管131の点灯を許可する信号である。点灯装置132は、図6のように、点灯許可信号cntがHのときは、点灯クロックCKinvが供給されても、キセノン蛍光管131に駆動電圧を印加しない。したがって、Hの点灯許可信号cntと点灯クロックCKinvとを継続的に点灯装置132に供給しておき、画像読取処理が実行されるときに、Lの点灯許可信号cntを点灯装置132に供給するようにすれば、キセノン蛍光管131のON/OFF制御が容易に実現される。
【0023】
シフトパルスSHは、CCD基板141の転送ゲート202から転送レジスタ203に電荷がシフトされるタイミングを制御するための制御信号であり、図3のように、ドライバ313を介して、タイミング生成回路301から転送ゲート202に供給される。転送パルスφ,/φは、CCD基板141の転送レジスタ203により電荷が転送されるタイミングを制御するための制御信号であり、図3のように、ドライバ313を介して、タイミング生成回路301から転送レジスタ203に供給される。シフトパルスSH、転送パルスφ,/φ、リセットパルスRS、クランプパルスCP等の波形は、図4のようになる。
【0024】
シフトパルスSHは、図4のように、パルス幅Tshとパルス周期Tintが一定のパルス信号である。フォトダイオード201により生成されて蓄積される電荷は、シフトパルスSHが立ち上がっている間(有効期間内)に、転送ゲート202から転送レジスタ203にシフトされる。定量的に言うと、パルス周期Tintの間(蓄積時間内)に生成されて蓄積される1ライン分の電荷が、パルス幅Tshの間(有効期間内)にシフトされる。
【0025】
このように、図1のスキャナ101では、電荷をシフトするタイミングはシフトパルスSHにより規定されて、キセノン蛍光管131が点灯するタイミングは点灯クロックCKinvにより規定される。そのため、シフトパルスSHと点灯クロックCKinvとを全く無関係に設定してしまうと、キセノン蛍光管131の輝度変動が原因で、原稿111に照射される光の量がラインごとに変化してしまい、光電変換により生成されて蓄積される電荷の量と画像との対応関係が正確でなくなってしまう。具体例を挙げると、図7において、ケース1とケース2のシフトパルスSHは、蓄積時間Tintが同じなのに、原稿111に照射される光の量が異なってしまっている。そのため、図1のスキャナ101では、シフトパルスSHと点灯クロックCKinvとを、以下のように設定している。
【0026】
点灯クロックCKinvは、図4のように、シフトパルスSHが立ち上がっている間(有効期間内)には立ち下がっていて、シフトパルスSHの立ち下がりエッジ(有効期間終了エッジ)から一定時間T1後に立ち上がり、以後、シフトパルスSHの次の立ち上がりエッジ(有効期間開始エッジ)まで一定クロック周期Tinvで立ち下がりと立ち上がりとを繰り返すように設定されている。これにより、点灯クロックCKinvの波形は、シフトパルスSHの1周期Tintを繰り返し単位として同一波形が繰り返すような波形となっている。これにより、原稿111に照射される光の量がどのラインも同一になり、光電変換により生成されて蓄積される電荷の量と画像との対応関係が正確になる。
【0027】
点灯クロックCKinvは、タイミング生成回路301において、図8のように、クロック信号CKと、シフトパルスSHと、初期値信号Iに基づいて、カウンタ801と、第1Dフリップフロップ802と、第2Dフリップフロップ803と、XOR回路811と、NOT回路812により生成される。
【0028】
カウンタ801のCLKにはクロック信号CK(図9A)が、カウンタ801のXLOADにはシフトパルスSH(図9B)と自己のCARRYのXORが、カウンタ801のDATAには初期値信号Iが入力されて、カウンタ801のRCOからは図9Cの信号が出力される。すなわち、シフトパルスSH又は自己のCARRYの立ち上がり期間内に初期値信号IがLOADされて、クロック信号CKがカウントされて、図9Cの信号が出力される。
【0029】
第1Dフリップフロップ802のCLKには図9Cの信号が入力されて、第1Dフリップフロップ802のQからは図9Dの信号が出力される。すなわち、図9Cの信号が2分周されて、図9Dの信号が出力される。
【0030】
第2Dフリップフロップ803のCLKには図9Dの信号が入力されて、第2Dフリップフロップ803のQからは図9Eの信号が出力される。すなわち、図9Dの信号が2分周されて、図9Eの信号が出力される。
【0031】
図9Eの信号が、点灯クロックCKinvである。図9Eの信号は、シフトパルスSHが立ち上がっている間には立ち下がっているが、これは、第1Dフリップフロップ802の/CLRと第2Dフリップフロップ803の/CLRとに、シフトパルスSHのNOTが入力されることによるものである。図9Eの信号はさらに、シフトパルスSHの立ち下がりエッジから一定時間T1(=Tinv/4)後に立ち上がり、以後、シフトパルスSHの次の立ち上がりエッジまで一定クロック周期Tinvで立ち下がりと立ち上がりとを繰り返すが、これは、カウンタ801が「Tinv/4」分のクロック信号CKをカウントしてCARRYを出力するように、初期値信号Iを設定しておくことによるものである。
【0032】
なお、図1のスキャナ101においては、クロック信号CKのクロック周波数をf/Nとしている。ただし、fは転送パルスφの1色当たりのクロック周波数であり、Nは出力端子205の1色当たりの本数である。上述したように、シフトパルスSHと点灯クロックCKinvとはそれぞれ、この共通のクロック信号CKに基づいて生成される。これにより、回路規模や、シフトパルスSHの設定精度や、点灯クロックCKinvの設定精度や、シフトパルスSHと点灯クロックCKinvの関係の設定精度が妥当なものとなる。
【0033】
また、図1のスキャナ101においては、上述したように、シフトパルスSHが立ち上がっている間には、点灯クロックCKinvが立ち上がらないように設定されている。これにより、画像がさらに安定したものとなる。
【0034】
また、図1のスキャナ101においては、図4のように、シフトパルスSHの立ち上がりエッジとその前の最後の点灯クロックCKの立ち上がりエッジとの時間差T2は、遅延時間Td以上になるように(すなわち、T3=T2−Td≧0となるように)設定されている。これにより、シフトパルスSHが立ち上がっている間には、点灯装置132からキセノン蛍光管131に駆動電圧が印加されないことになり、画像がさらに安定したものとなる。T2は(Tint−Tsh−T1)÷Tinvの余りとなるため、初期値信号Iにより制御可能である。
【0035】
このことに関連して、モノクロモードとカラーモードについて説明する。上述したように、図1のスキャナ101のCCDラインセンサはカラーセンサであるが、画像をモノクロ画像信号として読み取る「モノクロモード」と、画像をカラー画像信号として読み取る「カラーモード」が選択可能である。ここで、図1のスキャナ101においては、モノクロモードとカラーモードでシフトパルスSHのパルス幅Tshが異なるのだが、両方のパルス幅Tshが考慮されて初期値信号Iが設定されていることで、モノクロモードにおいてもカラーモードにおいても、時間差T2が遅延時間Td以上になるように設定されているものとする。
【0036】
ところで、図1のスキャナ101において、シフト信号SHのパルス幅Tshを、点灯クロックCKinvのクロック周期Tinvより大きくしてしまうと、図8の回路構成の設定次第では、シフト信号SHが立ち上がっている間に、点灯クロックCKinvが立ち上がってしまう場合がある。この場合、図10のように、シフトパルスSHのパルス幅Tshに揺らぎ(ジッター)があると、画像が影響を受けてしまう。そのため、図1のスキャナ101においては、シフト信号SHのパルス幅Tshは、点灯クロックCKinvのクロック周期Tinv以下になるように設定するとよい。
【0037】
最後に、点灯クロックCKinvの変形例について説明する。図11の点灯クロックCKinvは、SH信号とDSH信号が立ち上がっている間には立ち下がっていて、SH信号の立ち下がりエッジから立ち上がり、以後、DSH信号の次の立ち上がりエッジまで一定クロック周期Tinvで立ち下がりと立ち上がりとを繰り返すように設定されている。
【0038】
DSH信号は、SH信号とパルス周期が同一のパルス信号である。SH信号とDSH信号は、立ち上がっている期間が一部重複しており、立ち上がりエッジも立ち下がりエッジもSH信号よりDSH信号の方が早い。
【0039】
図11の点灯クロックCKinvは、タイミング生成回路301において、図12のように、クロック信号CKと、SH信号(シフトパルスSH)と、DSH信号と、初期値信号Iに基づいて、カウンタ801と、第1Dフリップフロップ802と、第2Dフリップフロップ803と、XOR回路811と、NOT回路812により生成される。
【0040】
カウンタ801のCLKにはクロック信号CK(図13A)が、カウンタ801のXLOADにはSH信号(図13B1)とDSH信号(図13B2)と自己のCARRYのXORが、カウンタ801のDATAには初期値信号Iが入力されて、カウンタ801のRCOからは図13Cの信号が出力される。
【0041】
第1Dフリップフロップ802のCLKには図13Cの信号とSH信号のNOTのORが入力されて、第1Dフリップフロップ802のQからは図13Dの信号が出力される。
【0042】
第2Dフリップフロップ803のCLKには図13Dの信号が入力されて、第2Dフリップフロップ803のQからは図13Eの信号が出力される。
【0043】
図13Eの信号が、図11の点灯クロックCKinvである。図13Eの信号は、DSH信号が立ち上がっている間には立ち下がっているが、これは、第1Dフリップフロップ802の/CLRと第2Dフリップフロップ803の/CLRとに、DSH信号のNOTが入力されることによるものである。図13Eの信号はさらに、SH信号の立ち下がりエッジから立ち上がり、以後、DSH信号の次の立ち上がりエッジまで一定クロック周期Tinvで立ち下がりと立ち上がりとを繰り返すが、これは、カウンタ801が「Tinv/4」分のクロック信号CKをカウントしてCARRYを出力するように、初期値信号Iを設定しておくことによるものである。
【0044】
なお、当該変形例においては、図11のように、DSH信号の立ち上がりエッジとその前の最後の点灯クロックCKの立ち上がりエッジとの時間差は、遅延時間Td以上になるように設定されている。
【0045】
【発明の効果】
このように、本発明は、光電変換により生成されて蓄積される電荷の量と画像との対応関係が正確になるように、フォトダイオード等からCCD等に電荷をシフトするタイミングと蛍光管等が点灯するタイミングとが設定されるような新規な画像読取装置を実現するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の例であるスキャナを表す。
【図2】図1のCCD基板について説明するための図である。
【図3】図1のタイミング生成部について説明するための図である。
【図4】各種の制御信号に係るタイミングチャートである。
【図5】図1の点灯装置について説明するための図である。
【図6】点灯許可信号と点灯クロックに係るタイミングチャートである。
【図7】キセノン蛍光管の輝度変動に関連する説明のための図である。
【図8】点灯クロックCKinvの生成過程に係る回路図である。
【図9】点灯クロックCKinvの生成過程に係る波形図である。
【図10】キセノン蛍光管の輝度変動に関連する説明のための図である。
【図11】各種の制御信号に係るタイミングチャート(変形例)である。
【図12】点灯クロックCKinvの生成過程に係る回路図(変形例)である。
【図13】点灯クロックCKinvの生成過程に係る波形図(変形例)である。
【符号の説明】
101 スキャナ
111 原稿
121 コンタクトガラス
122 圧板
131 キセノン蛍光管
132 点灯装置
133 白基準板
134 第1ミラー
135 第2ミラー
136 第3ミラー
137 レンズ
138 モータ
141 CCD基板
142 画像処理部
151 タイミング生成部
201 フォトダイオード
202 転送ゲート
203 転送レジスタ
204 出力回路
205 出力端子
301 タイミング生成回路
311 発振回路
312 逓倍回路
313 ドライバ
801 カウンタ
802 第1Dフリップフロップ
803 第2Dフリップフロップ
811 XOR回路
812 NOT回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、スキャナ、ファクシミリ、コピー機、複合機、融合機等のように、原稿に描画された画像を画像信号として読み取る画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
原稿に描画された画像を画像信号として読み取る機能を備える機器としては、スキャナ、ファクシミリ、コピー機、複合機、融合機等が挙げられる。これらの機器が原稿に描画された画像を画像信号として読み取る方式としては、原稿に光を照射して、原稿からの反射光や透過光(透過光は、原稿がOHPシートの場合等)を電荷に変換(光電変換)して、電荷を画像信号に変換する方式が一般的である。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−9007号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述の画像読取方式において、光の照射には蛍光管が使用されることが多く、光電変換にはフォトダイオードが使用されることが多い。蛍光管は、点灯装置により点灯されて使用されることが多く、フォトダイオードは、CCDと共にCCDラインセンサを形成していることが多い。この場合、フォトダイオードにより生成されて蓄積される電荷は、フォトダイオード(転送ゲート)からCCD(転送レジスタ)にシフトされて、CCD(転送レジスタ)により転送されてから、画像信号に変換されることになる。
【0005】
ここで、電荷をシフトするタイミングと蛍光管が点灯するタイミングとを全く無関係に設定してしまうと、蛍光管の輝度変動が原因で、原稿に照射される光の量がラインごとに変化してしまい、光電変換により生成されて蓄積される電荷の量と画像との対応関係が正確でなくなってしまう。特に、画像読取速度の高速化に伴い電荷をシフトする周期が短くなると、画像にすじが発生してしまう。そのため、特許文献1では、点灯周波数を取込周波数の自然数倍としているが、これでは点灯周波数を取込周波数の自然数倍でしか設定できないこととなり、設定の自由度が制約されてしまう。
【0006】
したがって、本発明は、光電変換により生成されて蓄積される電荷の量と画像との対応関係が正確になるように、フォトダイオード等からCCD等に電荷をシフトするタイミングと蛍光管等が点灯するタイミングとが設定されるような新規な画像読取装置を実現することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明(画像読取装置)は、原稿に光を照射する光源と、前記光源に駆動電圧を印加することで前記光源を点灯させる光源点灯手段と、前記原稿からの前記光の反射光又は透過光を電荷に変換する光電変換手段と、前記電荷を画像信号に変換するために前記電荷を転送する電荷転送手段とを備え、前記原稿に描画された画像を前記画像信号として読み取る画像読取装置であって、前記光電変換手段から前記電荷転送手段に前記電荷がシフトされるタイミングを制御するためのシフト制御信号を生成するシフト制御信号生成手段と、前記光源点灯手段から前記光源に前記駆動電圧が印加されるタイミングを制御するための点灯制御信号を生成する点灯制御信号生成手段とを備え、前記点灯制御信号の波形を、前記シフト制御信号の1周期を繰り返し単位として同一波形が繰り返すような波形とする。
【0008】
請求項2に記載の発明(画像読取装置)は、請求項1に記載の発明(画像読取装置)に関して、前記点灯制御信号は、前記シフト制御信号に基づいて生成される。
【0009】
請求項3に記載の発明(画像読取装置)は、請求項1又は2に記載の発明(画像読取装置)に関して、前記シフト制御信号と前記点灯制御信号とはそれぞれ、クロック周波数がf/N(fは、前記電荷転送手段により前記電荷が転送されるタイミングを制御するための転送制御信号の1色当たりのクロック周波数とする。Nは、前記画像信号を出力するための出力端子の1色当たりの本数とする)の共通のクロック信号に基づいて生成される。
【0010】
請求項4に記載の発明(画像読取装置)は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明(画像読取装置)に関して、前記シフト制御信号の有効期間内には、前記点灯制御信号が有効状態にならないように設定される。
【0011】
請求項5に記載の発明(画像読取装置)は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発明(画像読取装置)に関して、前記シフト制御信号の有効期間幅は、前記点灯制御信号のクロック周期以下になるように設定される。
【0012】
請求項6に記載の発明(画像読取装置)は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発明(画像読取装置)に関して、前記シフト制御信号の有効期間開始エッジとその前の最後の前記点灯制御信号の有効期間開始エッジとの時間差は、前記光源点灯手段から前記光源に前記点灯制御信号に応じて前記駆動電圧が印加される際の遅延時間以上になるように設定される。
【0013】
請求項7に記載の発明(画像読取装置)は、請求項6に記載の発明(画像読取装置)に関して、前記シフト制御信号の有効期間開始エッジとその前の最後の前記点灯制御信号の有効期間開始エッジとの時間差は、モノクロモードにおいてもカラーモードにおいても、前記遅延時間以上になるように設定される。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態の例であるスキャナ101を表す。図1のスキャナ101は、コンタクトガラス121と、圧板122と、キセノン蛍光管131と、点灯装置132と、白基準板133と、第1ミラー134と、第2ミラー135と、第3ミラー136と、レンズ137と、モータ138と、CCD基板141と、画像処理部142と、タイミング生成部151により構成されており、原稿111に描画された画像を画像信号として読み取ることができる。
【0016】
コンタクトガラス121は、原稿111を下向きにセットするための原稿支持体である。圧板122は、下向きにセットされた原稿111を上方向から抑えるための原稿抑え板である。圧板122には、自動原稿搬送装置(ADF)が設置されていてもよい。
【0017】
キセノン蛍光管131は、原稿111に光を照射する光源である。点灯装置132は、直流電圧をパルス電圧に変換して、キセノン蛍光管131にパルス電圧(駆動電圧)を印加することで、キセノン蛍光管131を点灯させる電源装置であり、インバータとも呼称される。キセノン蛍光管131は、コンタクトガラス121又は白基準板133に対してある角度で読取面を照射する。白基準板133は、シェーディング補正時の補正データを得るために主走査方向に設置された均一濃度のほぼ白色の部材である。原稿111又は白基準板133で反射された光は、第1ミラー134、第2ミラー135、第3ミラー136で反射されて、レンズ137によりCCD基板141上に結像される。光源131と第1のミラー134は第1走行体を、第2ミラー135と第3ミラー136は第2走行体を形成して、モータ138により読取面・CCD間距離を一定に保ちながら副走査方向に移動する。
【0018】
CCD基板141は、図2のように、フォトダイオード201と、転送ゲート202と、転送レジスタ203と、出力回路204と、出力端子205により構成されており、CCDラインセンサとして機能する。モノクロセンサでもカラーセンサでもよいが、ここでは、赤用(R)のCCDラインセンサ、緑用(G)のCCDラインセンサ、青用(B)のCCDラインセンサにより構成されるカラーセンサとした。なお、図2では符号201,202,203,204,205に添字R,G,Bを添付して区別した。
【0019】
CCD基板141上に結像された光は、フォトダイオード201により電荷に変換(光電変換)される。フォトダイオード201により生成されて蓄積される電荷は、転送ゲート202から転送レジスタ203にシフトされて、転送レジスタ203により出力回路204に転送されて、出力回路204により画像信号に変換される。出力回路204により生成される画像信号は、出力端子205を介して画像処理部142に出力される。このようにして、原稿111に描画された画像が画像信号として読み取られる。
【0020】
タイミング生成部151は、図3のように、各種のタイミングを制御するための各種の制御信号を生成するタイミング生成回路301により構成される。タイミング生成回路301には、発振回路(OSC)311により発振されて、逓倍回路312によりクロック周波数が逓倍された、クロック周波数が200MHz程の高周波のクロック信号CKが供給される。タイミング生成回路301では、共通のクロック信号CKに基づいて、点灯装置132用のクロック信号である点灯クロックCKinv、CCD基板141用のクロック信号であるシフトパルスSH、転送パルスφ,/φ、リセットパルスRS、クランプパルスCP、図示しないサンプルホールド回路用のクロック信号、図示しないAD変換回路用のクロック信号等の各種の制御信号が生成される。CCD基板141用のクロック信号のクロック周波数は25MHz程であるが、その位相やディーティ比を制御する必要性から、クロック信号CKのクロック周波数を200MHz程にしている。
【0021】
点灯クロックCKinvは、点灯装置132からキセノン蛍光管131に駆動電圧が印加されるタイミングを制御するための制御信号であり、図3のように、タイミング生成回路301から点灯装置132に供給される。点灯装置132からキセノン蛍光管131には、点灯クロックCKinvに応じて駆動電圧が印加されるが、点灯装置132内での遅延時間Tdが原因で、点灯クロックCKinvの立ち上がりエッジ(有効期間開始エッジ)から遅延時間Td後に駆動電圧が印加されることになる。キセノン蛍光管131は、図4のように、点灯クロックCKinvの立ち上がりエッジから遅延時間Td後に点灯することになる。
【0022】
点灯装置132は、図5のように、電源と、GNDと、CPUと、タイミング生成回路301と、キセノン蛍光管131と接続されており、電源からは24Vの直流電圧Vccが、CPUからは点灯許可信号cntが、タイミング生成回路301からは点灯クロックCKinvが供給される。点灯許可信号cntは、H(High)のときにはキセノン蛍光管131の点灯を許可せず、L(Low)のときにはキセノン蛍光管131の点灯を許可する信号である。点灯装置132は、図6のように、点灯許可信号cntがHのときは、点灯クロックCKinvが供給されても、キセノン蛍光管131に駆動電圧を印加しない。したがって、Hの点灯許可信号cntと点灯クロックCKinvとを継続的に点灯装置132に供給しておき、画像読取処理が実行されるときに、Lの点灯許可信号cntを点灯装置132に供給するようにすれば、キセノン蛍光管131のON/OFF制御が容易に実現される。
【0023】
シフトパルスSHは、CCD基板141の転送ゲート202から転送レジスタ203に電荷がシフトされるタイミングを制御するための制御信号であり、図3のように、ドライバ313を介して、タイミング生成回路301から転送ゲート202に供給される。転送パルスφ,/φは、CCD基板141の転送レジスタ203により電荷が転送されるタイミングを制御するための制御信号であり、図3のように、ドライバ313を介して、タイミング生成回路301から転送レジスタ203に供給される。シフトパルスSH、転送パルスφ,/φ、リセットパルスRS、クランプパルスCP等の波形は、図4のようになる。
【0024】
シフトパルスSHは、図4のように、パルス幅Tshとパルス周期Tintが一定のパルス信号である。フォトダイオード201により生成されて蓄積される電荷は、シフトパルスSHが立ち上がっている間(有効期間内)に、転送ゲート202から転送レジスタ203にシフトされる。定量的に言うと、パルス周期Tintの間(蓄積時間内)に生成されて蓄積される1ライン分の電荷が、パルス幅Tshの間(有効期間内)にシフトされる。
【0025】
このように、図1のスキャナ101では、電荷をシフトするタイミングはシフトパルスSHにより規定されて、キセノン蛍光管131が点灯するタイミングは点灯クロックCKinvにより規定される。そのため、シフトパルスSHと点灯クロックCKinvとを全く無関係に設定してしまうと、キセノン蛍光管131の輝度変動が原因で、原稿111に照射される光の量がラインごとに変化してしまい、光電変換により生成されて蓄積される電荷の量と画像との対応関係が正確でなくなってしまう。具体例を挙げると、図7において、ケース1とケース2のシフトパルスSHは、蓄積時間Tintが同じなのに、原稿111に照射される光の量が異なってしまっている。そのため、図1のスキャナ101では、シフトパルスSHと点灯クロックCKinvとを、以下のように設定している。
【0026】
点灯クロックCKinvは、図4のように、シフトパルスSHが立ち上がっている間(有効期間内)には立ち下がっていて、シフトパルスSHの立ち下がりエッジ(有効期間終了エッジ)から一定時間T1後に立ち上がり、以後、シフトパルスSHの次の立ち上がりエッジ(有効期間開始エッジ)まで一定クロック周期Tinvで立ち下がりと立ち上がりとを繰り返すように設定されている。これにより、点灯クロックCKinvの波形は、シフトパルスSHの1周期Tintを繰り返し単位として同一波形が繰り返すような波形となっている。これにより、原稿111に照射される光の量がどのラインも同一になり、光電変換により生成されて蓄積される電荷の量と画像との対応関係が正確になる。
【0027】
点灯クロックCKinvは、タイミング生成回路301において、図8のように、クロック信号CKと、シフトパルスSHと、初期値信号Iに基づいて、カウンタ801と、第1Dフリップフロップ802と、第2Dフリップフロップ803と、XOR回路811と、NOT回路812により生成される。
【0028】
カウンタ801のCLKにはクロック信号CK(図9A)が、カウンタ801のXLOADにはシフトパルスSH(図9B)と自己のCARRYのXORが、カウンタ801のDATAには初期値信号Iが入力されて、カウンタ801のRCOからは図9Cの信号が出力される。すなわち、シフトパルスSH又は自己のCARRYの立ち上がり期間内に初期値信号IがLOADされて、クロック信号CKがカウントされて、図9Cの信号が出力される。
【0029】
第1Dフリップフロップ802のCLKには図9Cの信号が入力されて、第1Dフリップフロップ802のQからは図9Dの信号が出力される。すなわち、図9Cの信号が2分周されて、図9Dの信号が出力される。
【0030】
第2Dフリップフロップ803のCLKには図9Dの信号が入力されて、第2Dフリップフロップ803のQからは図9Eの信号が出力される。すなわち、図9Dの信号が2分周されて、図9Eの信号が出力される。
【0031】
図9Eの信号が、点灯クロックCKinvである。図9Eの信号は、シフトパルスSHが立ち上がっている間には立ち下がっているが、これは、第1Dフリップフロップ802の/CLRと第2Dフリップフロップ803の/CLRとに、シフトパルスSHのNOTが入力されることによるものである。図9Eの信号はさらに、シフトパルスSHの立ち下がりエッジから一定時間T1(=Tinv/4)後に立ち上がり、以後、シフトパルスSHの次の立ち上がりエッジまで一定クロック周期Tinvで立ち下がりと立ち上がりとを繰り返すが、これは、カウンタ801が「Tinv/4」分のクロック信号CKをカウントしてCARRYを出力するように、初期値信号Iを設定しておくことによるものである。
【0032】
なお、図1のスキャナ101においては、クロック信号CKのクロック周波数をf/Nとしている。ただし、fは転送パルスφの1色当たりのクロック周波数であり、Nは出力端子205の1色当たりの本数である。上述したように、シフトパルスSHと点灯クロックCKinvとはそれぞれ、この共通のクロック信号CKに基づいて生成される。これにより、回路規模や、シフトパルスSHの設定精度や、点灯クロックCKinvの設定精度や、シフトパルスSHと点灯クロックCKinvの関係の設定精度が妥当なものとなる。
【0033】
また、図1のスキャナ101においては、上述したように、シフトパルスSHが立ち上がっている間には、点灯クロックCKinvが立ち上がらないように設定されている。これにより、画像がさらに安定したものとなる。
【0034】
また、図1のスキャナ101においては、図4のように、シフトパルスSHの立ち上がりエッジとその前の最後の点灯クロックCKの立ち上がりエッジとの時間差T2は、遅延時間Td以上になるように(すなわち、T3=T2−Td≧0となるように)設定されている。これにより、シフトパルスSHが立ち上がっている間には、点灯装置132からキセノン蛍光管131に駆動電圧が印加されないことになり、画像がさらに安定したものとなる。T2は(Tint−Tsh−T1)÷Tinvの余りとなるため、初期値信号Iにより制御可能である。
【0035】
このことに関連して、モノクロモードとカラーモードについて説明する。上述したように、図1のスキャナ101のCCDラインセンサはカラーセンサであるが、画像をモノクロ画像信号として読み取る「モノクロモード」と、画像をカラー画像信号として読み取る「カラーモード」が選択可能である。ここで、図1のスキャナ101においては、モノクロモードとカラーモードでシフトパルスSHのパルス幅Tshが異なるのだが、両方のパルス幅Tshが考慮されて初期値信号Iが設定されていることで、モノクロモードにおいてもカラーモードにおいても、時間差T2が遅延時間Td以上になるように設定されているものとする。
【0036】
ところで、図1のスキャナ101において、シフト信号SHのパルス幅Tshを、点灯クロックCKinvのクロック周期Tinvより大きくしてしまうと、図8の回路構成の設定次第では、シフト信号SHが立ち上がっている間に、点灯クロックCKinvが立ち上がってしまう場合がある。この場合、図10のように、シフトパルスSHのパルス幅Tshに揺らぎ(ジッター)があると、画像が影響を受けてしまう。そのため、図1のスキャナ101においては、シフト信号SHのパルス幅Tshは、点灯クロックCKinvのクロック周期Tinv以下になるように設定するとよい。
【0037】
最後に、点灯クロックCKinvの変形例について説明する。図11の点灯クロックCKinvは、SH信号とDSH信号が立ち上がっている間には立ち下がっていて、SH信号の立ち下がりエッジから立ち上がり、以後、DSH信号の次の立ち上がりエッジまで一定クロック周期Tinvで立ち下がりと立ち上がりとを繰り返すように設定されている。
【0038】
DSH信号は、SH信号とパルス周期が同一のパルス信号である。SH信号とDSH信号は、立ち上がっている期間が一部重複しており、立ち上がりエッジも立ち下がりエッジもSH信号よりDSH信号の方が早い。
【0039】
図11の点灯クロックCKinvは、タイミング生成回路301において、図12のように、クロック信号CKと、SH信号(シフトパルスSH)と、DSH信号と、初期値信号Iに基づいて、カウンタ801と、第1Dフリップフロップ802と、第2Dフリップフロップ803と、XOR回路811と、NOT回路812により生成される。
【0040】
カウンタ801のCLKにはクロック信号CK(図13A)が、カウンタ801のXLOADにはSH信号(図13B1)とDSH信号(図13B2)と自己のCARRYのXORが、カウンタ801のDATAには初期値信号Iが入力されて、カウンタ801のRCOからは図13Cの信号が出力される。
【0041】
第1Dフリップフロップ802のCLKには図13Cの信号とSH信号のNOTのORが入力されて、第1Dフリップフロップ802のQからは図13Dの信号が出力される。
【0042】
第2Dフリップフロップ803のCLKには図13Dの信号が入力されて、第2Dフリップフロップ803のQからは図13Eの信号が出力される。
【0043】
図13Eの信号が、図11の点灯クロックCKinvである。図13Eの信号は、DSH信号が立ち上がっている間には立ち下がっているが、これは、第1Dフリップフロップ802の/CLRと第2Dフリップフロップ803の/CLRとに、DSH信号のNOTが入力されることによるものである。図13Eの信号はさらに、SH信号の立ち下がりエッジから立ち上がり、以後、DSH信号の次の立ち上がりエッジまで一定クロック周期Tinvで立ち下がりと立ち上がりとを繰り返すが、これは、カウンタ801が「Tinv/4」分のクロック信号CKをカウントしてCARRYを出力するように、初期値信号Iを設定しておくことによるものである。
【0044】
なお、当該変形例においては、図11のように、DSH信号の立ち上がりエッジとその前の最後の点灯クロックCKの立ち上がりエッジとの時間差は、遅延時間Td以上になるように設定されている。
【0045】
【発明の効果】
このように、本発明は、光電変換により生成されて蓄積される電荷の量と画像との対応関係が正確になるように、フォトダイオード等からCCD等に電荷をシフトするタイミングと蛍光管等が点灯するタイミングとが設定されるような新規な画像読取装置を実現するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の例であるスキャナを表す。
【図2】図1のCCD基板について説明するための図である。
【図3】図1のタイミング生成部について説明するための図である。
【図4】各種の制御信号に係るタイミングチャートである。
【図5】図1の点灯装置について説明するための図である。
【図6】点灯許可信号と点灯クロックに係るタイミングチャートである。
【図7】キセノン蛍光管の輝度変動に関連する説明のための図である。
【図8】点灯クロックCKinvの生成過程に係る回路図である。
【図9】点灯クロックCKinvの生成過程に係る波形図である。
【図10】キセノン蛍光管の輝度変動に関連する説明のための図である。
【図11】各種の制御信号に係るタイミングチャート(変形例)である。
【図12】点灯クロックCKinvの生成過程に係る回路図(変形例)である。
【図13】点灯クロックCKinvの生成過程に係る波形図(変形例)である。
【符号の説明】
101 スキャナ
111 原稿
121 コンタクトガラス
122 圧板
131 キセノン蛍光管
132 点灯装置
133 白基準板
134 第1ミラー
135 第2ミラー
136 第3ミラー
137 レンズ
138 モータ
141 CCD基板
142 画像処理部
151 タイミング生成部
201 フォトダイオード
202 転送ゲート
203 転送レジスタ
204 出力回路
205 出力端子
301 タイミング生成回路
311 発振回路
312 逓倍回路
313 ドライバ
801 カウンタ
802 第1Dフリップフロップ
803 第2Dフリップフロップ
811 XOR回路
812 NOT回路
Claims (7)
- 原稿に光を照射する光源と、前記光源に駆動電圧を印加することで前記光源を点灯させる光源点灯手段と、前記原稿からの前記光の反射光又は透過光を電荷に変換する光電変換手段と、前記電荷を画像信号に変換するために前記電荷を転送する電荷転送手段とを備え、前記原稿に描画された画像を前記画像信号として読み取る画像読取装置であって、
前記光電変換手段から前記電荷転送手段に前記電荷がシフトされるタイミングを制御するためのシフト制御信号を生成するシフト制御信号生成手段と、前記光源点灯手段から前記光源に前記駆動電圧が印加されるタイミングを制御するための点灯制御信号を生成する点灯制御信号生成手段とを備え、前記点灯制御信号の波形を、前記シフト制御信号の1周期を繰り返し単位として同一波形が繰り返すような波形とすることを特徴とする画像読取装置。 - 前記点灯制御信号は、前記シフト制御信号に基づいて生成されることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
- 前記シフト制御信号と前記点灯制御信号とはそれぞれ、クロック周波数がf/N(fは、前記電荷転送手段により前記電荷が転送されるタイミングを制御するための転送制御信号の1色当たりのクロック周波数とする。Nは、前記画像信号を出力するための出力端子の1色当たりの本数とする)の共通のクロック信号に基づいて生成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像読取装置。
- 前記シフト制御信号の有効期間内には、前記点灯制御信号が有効状態にならないように設定されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像読取装置。
- 前記シフト制御信号の有効期間幅は、前記点灯制御信号のクロック周期以下になるように設定されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像読取装置。
- 前記シフト制御信号の有効期間開始エッジとその前の最後の前記点灯制御信号の有効期間開始エッジとの時間差は、前記光源点灯手段から前記光源に前記点灯制御信号に応じて前記駆動電圧が印加される際の遅延時間以上になるように設定されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像読取装置。
- 前記シフト制御信号の有効期間開始エッジとその前の最後の前記点灯制御信号の有効期間開始エッジとの時間差は、モノクロモードにおいてもカラーモードにおいても、前記遅延時間以上になるように設定されることを特徴とする請求項6に記載の画像読取装置。
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JP2006262073A (ja) * | 2005-03-17 | 2006-09-28 | Ricoh Co Ltd | 原稿読み取り装置および複写装置 |
-
2003
- 2003-05-30 JP JP2003154564A patent/JP2004357136A/ja active Pending
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