JP2004356732A - 車載情報提供装置 - Google Patents

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和人 加藤
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Abstract

【課題】車室内の情報提供装置を観察する乗員が車両の揺動時に感じる違和感を低減するようにした車載情報提供装置を得る。
【解決手段】表示装置107を液晶表示器などで構成し、車室内で乗員に対して車両の進行方向(たとえば、前方)に配設する。表示装置107は、情報源装置104から入力された表示信号による画像など(享楽情報)と、略無限遠情報入力部105から入力された信号による前方の車外風景(略無限遠情報)とを併設表示した画像を乗員に観察させる。制御部106は車両の揺動を検出し、検出値が所定値以上の場合には、享楽情報よりも略無限遠情報を優先して表示装置107に表示し、検出値が所定値未満の場合には、略無限遠情報よりも享楽情報を優先して表示装置107に表示する。併設表示をピクチャー・イン・ピクチャー表示で行う場合、略無限遠情報の表示面積および享楽情報の表示面積の大小関係で優先順位を決定する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両内で画像などを表示する車載情報提供装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像などを表示する表示装置に関し、観察者が動いた場合に当該観察者に違和感を与えないようにする技術が知られている。特許文献1には、表示装置と観察者との間にフレネルレンズなどの光学素子を配設した表示装置が開示されている。この表示装置では、フレネルレンズによって無限遠に近い位置に投影される虚像を観察者が観察する。観察者がフレネルレンズの法線に対して下側から観察すると法線より上側に、法線に対して上側から観察すると法線より下側に、それぞれ投影像が観察される。
【0003】
また、特許文献2には、表示装置を観察者の頭部に固定した表示装置が開示されている。この表示装置では、当該観察者の頭部の動きに応じて、表示映像を頭部の動きと逆にスクロールさせることにより、観察者にとって映像があたかも固定されているかのように見える。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−73785号公報
【特許文献2】
特開平8−220470号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の技術では、ディスプレイと観察者との間に光学素子を配設するので、たとえば、車両内に配設されたディスプレイを観察する場合には、光学素子用の光路スペースを確保する必要性から小型化が難しい。さらに、車両揺動によってディスプレイが観察者に対して回転運動する場合には、観察者の視線方向が変化して当該観察者が違和感を感じてしまう。また、特許文献2の技術では、表示装置を頭部に固定しているので、車両内に取り付けられている表示装置による映像を観察する場合には適さない。
【0006】
本発明は、車室内の情報提供装置を観察する乗員が車両の揺動時に感じる違和感を低減するようにした車載情報提供装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による車載情報提供装置は、乗員に提供する情報と、車外の遠方風景に対応する無限遠情報とを表示手段に近接して独立して併設表示させるようにしたものである。
【0008】
【発明の効果】
本発明によれば、車両内で提供される情報を観察する乗員が車両の揺動時に感じる違和感を低減することが可能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施の形態による車載情報提供装置の概要を示すブロック構成図である。図1において、車載情報提供装置100は、車両運動検出部101と、人体データベース部102と、乗員運動推定部103と、情報源装置104と、略無限遠情報入力部105と、制御部106と、表示装置107とを有する。観察者(車両の乗員)は、車両内の座席(不図示)に着座して表示装置107に表示される画像情報を観察する。
【0010】
車両運動検出部101は、車両の並進運動、および車両の回転運動をそれぞれ検出し、検出信号を乗員運動推定部103および制御部106へそれぞれ出力する。人体データベース部102は、車両揺動に対する人体頭部の揺動伝達関数を示すデータを格納する。格納データは、あらかじめ複数の被験者に関して計測し、データベース化されたものである。車両揺動は、車両運動の検出値によって示される。
【0011】
乗員運動推定部103は、車両運動を示す検出信号を用いて、乗員の頭部運動を示す情報を人体データベース部102から読み出し、乗員の頭部、とくに眼球の運動(変位)を推定する。乗員運動推定部103は、推定した眼球の変位を示す情報を制御部106へ送出する。
【0012】
画像入力部104は、外部機器から入力される表示データを制御部106へ送出する。表示データは、表示装置107に表示する画像などのデータである。外部機器から入力される表示データを享楽情報と呼ぶことにする。
【0013】
略無限遠情報入力部105は、車両外部に設けられている不図示のビデオカメラから入力される画像信号を制御部106へ送出する。この画像信号は、ビデオカメラによって撮影された車両前方の遠景に対応するものである。したがって、略無限遠情報入力部105から入力される信号を略無限遠情報と呼ぶことにする。
【0014】
制御部106は、眼球の変位を示す情報、ならびに車両運動を示す検出信号を用いて、表示装置107による画像の変位量を決定し、決定した画像変位量に応じて表示装置107の表示画面内で略無限遠情報の表示位置が移動する(画像シフトする)ように略無限遠情報の表示データを加工する。制御部106はさらに、車両運動を示す検出信号を用いて、表示装置107における情報表示の制御方法を決定する。表示制御方法については後述する。
【0015】
制御部106は、決定した表示制御方法に応じて享楽情報および略無限遠情報の画像データをさらに加工するとともに、データ加工後の略無限遠情報を享楽情報とともに表示(併設表示)させるための処理を行う。ここで行うデータ加工および処理については後述する。制御部106は、上記表示制御方法の決定および画像データの加工処理を行う他に、車載情報提供装置100の各部を制御するように構成されている。制御部106は、併設表示のための処理済み画像データを表示装置107の入力インターフェイスに応じた表示信号として表示装置107へ出力する。
【0016】
表示装置107は、たとえば、液晶表示器などで構成され、車室内で乗員に対して車両の進行方向(たとえば、前方)に配設されている。表示装置107は、入力された表示信号による画像やテキストなどを液晶表示パネル(不図示)に表示する。
【0017】
図2(a)は、略無限遠情報入力部105からの表示データ(略無限遠情報)によって表示装置107に表示される画像の例を示す図である。上述したように、車両(乗員)から十分離れた遠方(無限遠)の風景である。図2(b)は、情報源装置104からの表示データ(享楽情報)によって表示装置107に表示される画像の例を示す図である。図2(c)は、略無限遠情報および享楽情報がピクチャー・イン・ピクチャー表示によって併設表示された画像の例を示す図である。
【0018】
車両の乗員は、表示装置107に表示される享楽情報および略無限遠情報の併設画像を観察する。通常、乗員が主として観察するのは享楽情報である。
【0019】
本実施の形態による車載情報提供装置100では、上記併設表示される情報の優先順位を車両揺動の大きさに応じて変更するとともに、車両揺動をキャンセルするように略無限遠情報による画像の表示位置を移動させる。
【0020】
車載情報提供装置100の制御部106で行われる表示処理の流れについて、図3のフローチャートを参照して説明する。ステップS10において、制御部106は、表示装置107の画面電源がオンされているか否かを判定する。制御部106は、画面電源がオンされている場合にステップS10を肯定判定してステップS20へ進み、画面電源がオンされていない場合にステップS10を否定判定し、ステップS10の判定処理を繰り返す。
【0021】
ステップS20において、制御部106は、車両運動検出部101に指令を出力し、車両の運動を検出させて(運動測定)ステップS30へ進む。これにより、車両運動検出部101が車両の並進運動および回転運動(たとえば、ピッチ動)をそれぞれ検出する。
【0022】
ステップS30において、制御部106は乗員運動推定部103に指令を出力し、乗員の頭部の運動を推定させてステップS40へ進む。具体的には、乗員運動推定部103が人体データベース部102を検索し、最新の車両運動の検出値に対応する人体揺動伝達関数をデータベースより選択する。乗員運動推定部103は、選択した人体揺動伝達関数、ならびに車両運動の検出値を用いて乗員の頭部(とくに眼球)の運動(とくに、上下動)の推定値を算出し、算出結果を制御部106へ送出する。
【0023】
ステップS40において、制御部106は、表示装置107による表示画面および眼球間の相対変位を算出し、ステップS50へ進む。具体的には、車両運動を示す検出信号を用いて、車両の回転運動にともなう並進方向の画面移動量を算出し(この場合の画面移動量は、表示装置107のピッチ方向(上下方向)の移動量である)、算出した画面移動量および乗員頭部運動の推定値に基づいて相対変位を得る。
【0024】
ステップS50において、制御部106は、表示制御方法を決定してステップS60へ進む。具体的には、最新の車両運動の検出値の大きさに応じて、上記併設表示する情報の優先順位、表示する情報の彩度、明度、およびコントラストをそれぞれ決定する。優先順位は、たとえば、併設表示の際に享楽情報および略無限遠情報のそれぞれによる画像の面積比によって決定されるもので、詳細については後述する。
【0025】
ステップS60において、制御部106は、略無限遠情報および享楽情報を併設表示(たとえば、ピクチャー・イン・ピクチャー表示)する場合の画像の大きさ・位置を決定してステップS70へ進む。画像の大きさは、ピクチャー・イン・ピクチャー表示する際の画像の大きさであり、画像の位置は、表示装置107の表示画面における画像の表示位置である。
【0026】
ステップS70において、制御部106は、略無限遠情報入力部105から略無限遠情報(前方風景の撮影画像)を入力してステップS80へ進む。ステップS80において、制御部106は、上述した画面の上下移動量および相対変位を用いて、表示装置107に表示される画像が乗員にとって空間上に揺動無く静止して見えるために必要な表示画像の変位量を算出し、ステップS90へ進む。
【0027】
ステップS90において、制御部106は、算出した画像変位量に応じて、表示装置107の表示画面内で略無限遠情報の表示位置が移動するように表示データを加工する。制御部106はさらに、決定した制御方法に応じて表示装置107へ送出する享楽情報および略無限遠情報の表示データをピクチャー・イン・ピクチャー表示するために必要な処理を行ってステップS100へ進む。ピクチャー・イン・ピクチャー表示のための処理は、たとえば、享楽情報による画像を縮小表示するように表示データをリサイズ処理し、略無限遠情報による画像の所定箇所をリサイズ処理後の縮小画像で置換することによって行う。これにより、享楽情報の縮小画像を、略無限遠情報による画像の上にピクチャー・イン・ピクチャー表示するように表示データが生成される。上記所定箇所は、ステップS60で決定されている画像の大きさならびに画像の位置による。
【0028】
ステップS100において、制御部106は、表示装置107へ指令を送り、加工後の表示データによる画像を表示させてステップS110へ進む。これにより、表示装置107が享楽情報および略無限遠情報によるピクチャー・イン・ピクチャー画像を表示する。
【0029】
ステップS110において、制御部106は、表示装置107の画面電源がオフされたか否かを判定する。制御部106は、画面電源がオフされた場合にステップS110を肯定判定し、図3による処理を終了する。一方、制御部106は、画面電源がオフされていない場合にステップS110を否定判定し、ステップS10へ戻って上述した処理を繰り返す。
【0030】
画像シフトの詳細について説明する。車両の加減速にともなうピッチ方向の運動について着目する場合、乗員の眼球と表示装置107との相対位置の変位は次の2つに大別される。
▲1▼車両側に生じるピッチ動に起因するもの
▲2▼乗員側(とくに眼球)に生じるピッチ動に起因するもの
【0031】
上記▲1▼について図4(a)を参照して説明する。車両が減速すると、車両の前部が沈むノーズダイブ現象が生じる。表示装置107による表示画面が乗員に対して車両の進行方向に位置する場合は、ノーズダイブによって表示装置107にピッチ方向(この場合下向き)の回転運動が生じる。そこで、制御部106は、表示装置107の移動をキャンセルするようにピッチ方向(この場合上向き)に略無限遠情報の表示位置を変位させるための表示データ加工を行う。
【0032】
図4(b)は、ノーズダイブ時に車両ピッチ動をキャンセルするための画像シフトが行われた表示装置107の表示画面を示す図である。表示装置107の下方への移動量に応じて、表示装置107に表示される略無限遠情報を上方へ移動する結果、表示される略無限遠情報および眼球間の相対変位が0になり、乗員にとって略無限遠情報が空間上に静止して見えるようになる。
【0033】
車両減速時のノーズダイブと反対に、車両が加速すると車両の後部が沈むスクワット現象が生じる。表示装置107による表示画面が乗員に対して車両の進行方向に位置する場合は、スクワットによって表示装置107にピッチ方向(この場合上向き)の回転運動が生じる。そこで、制御部106は、表示装置107の移動をキャンセルするようにピッチ方向(この場合下向き)に略無限遠情報の表示位置を変位させるための表示データ加工を行う。
【0034】
図4(c)は、スクワット時に車両ピッチ動をキャンセルするための画像シフトが行われた表示装置107の表示画面を示す図である。表示装置107の上方への移動量に応じて、表示装置107に表示される略無限遠情報を下方へ移動する結果、表示される略無限遠情報および眼球間の相対変位が0になり、乗員にとって略無限遠情報が空間上に静止して見えるようになる。
【0035】
なお、略無限遠情報としての外部風景を撮影するビデオカメラ(不図示)が車両に設けられている場合、ビデオカメラも車両とともにピッチ回転する。したがって、ビデオカメラによる外部風景の画像は、表示装置107の表示画面内を表示装置107自体に生じるピッチ動の向きとは反対の方向へ移動する。これにより、上記車両のピッチ動によって生じる略無限遠情報および眼球間の相対変位は、ビデオカメラにピッチ動が生じない場合に比べて小さくなる。
【0036】
上記▲2▼について図5(a)を参照して説明する。実際の車両減速時・加速時においては、乗員の頭部にもピッチ方向の回転運動がそれぞれ生じる。車両減速時に乗員の頭部が前方に回転すると、表示装置107の位置が移動しない場合は、表示装置107に対して乗員の頭部(とくに眼球)の位置が下方へ移動する。そこで、制御部106は、乗員の眼球の下方移動量に応じて表示装置107に表示される略無限遠情報を下方へ移動させる。図5(b)は、ノーズダイブ時に頭部ピッチ動をキャンセルするための画像シフトが行われた表示装置107の表示画面を示す図である。この場合の画像シフトの向きは、スクワット時に車両ピッチ動をキャンセルする向きと同様である。
【0037】
車両減速時と反対に、車両加速時に乗員の頭部が後方に回転すると、表示装置107の位置が移動しない場合は表示装置107に対して乗員の頭部(とくに眼球)の位置が上方へ移動する。そこで、制御部106は、乗員の眼球の上方移動量に応じて表示装置107に表示される略無限遠情報を上方へ移動させる。この場合の画像シフトの向きは、ノーズダイブ時に車両ピッチ動をキャンセルする向きと同様である。
【0038】
本実施の形態では、表示装置107および眼球間の相対変位を求め、この相対変位に応じて略無限遠情報による画像のシフトを行うので、上記▲1▼および▲2▼の両ピッチ動による影響をキャンセルするように画像シフトを行うことが可能である。
【0039】
図6は、車両の揺動の大きさ(すなわち、車両運動検出値の大きさ)と表示制御方法との対応関係を説明する図である。図6において「画像の大きさ」は、表示装置107による表示画面内における表示面積であり、略無限遠情報および享楽情報を併設表示する場合の優先順位を決定する。たとえば、ピクチャー・イン・ピクチャー表示の場合、略無限遠情報の面積「小」および享楽情報の面積「大」は、図7(a)に示すように享楽情報を優先して表示することを示す。これとは逆に、略無限遠情報の面積「大」および享楽情報の面積「小」は、図7(b)に示すように略無限遠情報を優先して表示することを示す。制御部106は、略無限遠情報の大きさが「小」のとき、略無限遠情報による画像の面積を相対的に小さく表示するように表示信号を生成(表示データを加工)し、享楽情報の大きさが「小」のとき、享楽情報による画像の面積を相対的に小さく表示するように表示信号を生成(表示データを加工)する。
【0040】
図6において「表示位置」は、表示装置107による表示画面内で享楽情報による画像を表示する位置である。「中央」は表示画面の中央に表示することを示し、「進行方向」は車両右左折時に表示位置を変えることを示す。制御部106は、車両右折時に享楽情報による画像を表示画面の右側に表示し、車両左折時に享楽情報による画像を表示画面の左側に表示するように表示信号を生成する。
【0041】
図8(a)は、享楽情報による画像が表示装置107による表示画面の中央に表示された例を示す図である。このように享楽情報による画像を画面の中央に表示するのは、車両の揺動が小さい(車両運動検出値が所定値より小さい)場合と、車両の揺動が大きい(車両運動検出値が所定値以上)場合の直進時である。図8(b)は、享楽情報による画像が表示装置107による表示画面の右側に表示された例を示す図である。このように享楽情報による画像を画面の右側に表示するのは、車両揺動が大きい(車両運動検出値が所定値以上)場合の右折時である。なお、車両揺動が大きい場合の左折時の表示例(享楽情報による画像を画面の左側に表示する)については図示を省略する。
【0042】
図6によれば、制御部106は車両揺動が小さいとき、享楽情報を優先するように享楽情報による画像の大きさ(面積)を相対的に大きく変更する、享楽情報側の彩度、明度、およびコントラストの少なくとも1つを略無限遠情報側の値よりも相対的に高くするように変更することの少なくとも1つを行う。これにより、表示装置107に表示される略無限遠情報よりも享楽情報が強調される結果、乗員は、図7(a)と同様の表示(すなわち、略無限遠情報に比べて享楽情報が優先された併設表示)による画像を観察する。
【0043】
一方、車両揺動が大きいとき、制御部106は略無限遠情報を優先するように享楽情報による画像の大きさ(面積)を相対的に小さく変更する、略無限遠情報側の彩度、明度、およびコントラストの少なくとも1つを享楽情報側の値よりも相対的に高くするように変更することの少なくとも1つを行う。これにより、表示装置107に表示される享楽情報よりも略無限遠情報が強調される結果、乗員は、図7(b)と同様の表示(すなわち、享楽情報に比べて略無限遠情報が優先された併設表示)による画像を観察する。
【0044】
車両揺動の大きさに応じて上記併設表示の優先順位を変更する理由を説明する。車両の加減速にともなうピッチ方向の運動について着目する場合、車両の減速時には上述したノーズダイブ現象が生じる。このとき、乗員がノーズダイブにともなって下方に移動した表示装置107(とくに、享楽情報による画像)を注視している状態では、乗員が得る視覚情報と前庭器(三半規管、耳石)からの情報とが不一致になり、違和感・不快感を感じてしまう。そこで、制御部106が享楽情報よりも略無限遠情報を優先させることにより、乗員に主として略無限遠情報を観察させるので、乗員の視線が遠方の車外風景に対応する空間に導かれる。この結果、乗員の視覚情報と前庭器からの情報とが一致し、乗員が感じる違和感・不快感を低減させることが可能になる。
【0045】
制御部106は、ノーズダイブ発生時と同様に、スクワット現象の発生時についても享楽情報より略無限遠情報を優先させる。これにより、乗員の視線が遠方の車外風景に対応する空間に導かれ、乗員の視覚情報と前庭器からの情報とが一致し、乗員が感じる違和感・不快感が低減される。
【0046】
なお、車両揺動が小さい場合は、表示装置107の乗員に対する相対移動が小さいので、乗員が享楽情報による画像を注視していても乗員の視覚情報と前庭器(三半規管、耳石)からの情報とがほぼ一致する。この場合には、享楽情報による画像を優先して乗員に観察させる。
【0047】
以上説明した実施の形態についてまとめる。
(1)表示装置107を液晶表示器などで構成し、車室内で乗員に対して車両の進行方向(たとえば、前方)に配設する。表示装置107は、情報源装置104から入力された表示信号による画像など(享楽情報)と、略無限遠情報入力部105から入力された信号による前方の車外風景(略無限遠情報)とを併設表示した画像を乗員に観察させる。
【0048】
(2)制御部106は車両の揺動を検出し、検出値が所定値以上の場合には、享楽情報よりも略無限遠情報を優先して表示装置107に表示し、検出値が所定値未満の場合には、略無限遠情報よりも享楽情報を優先して表示装置107に表示する。この結果、車両揺動が大きい場合には、乗員が遠方の車外風景を主として観察する(乗員の視線を車外風景に誘導する)ので、乗員の視覚情報と前庭器(三半規管、耳石)からの情報とが一致し、乗員が感じる違和感・不快感を低減することができる。車両揺動が小さい場合には、乗員が享楽情報を主として観察する(乗員の視線を享楽情報に誘導する)。この場合は乗員の視覚情報と三半規管および耳石による情報とが不一致にならないので、乗員は違和感・不快感を感じることなく享楽情報を楽しむことができる。
【0049】
(3)車両運動の検出データと、人体データベース部102に格納されている頭部揺動伝達関数とを用いて、乗員の頭部(とくに眼球)運動の推定値を算出するので、乗員の頭部などに運動検出センサを設けなくても、乗員の眼球位置を得ることができる。乗員に検出センサを取り付けないので、コスト上昇が抑えられる上に、乗員に負担を与えることもない。
【0050】
(4)車両運動を示す検出データを用いて、車両の回転運動にともなう表示装置107のピッチ方向(上下方向)の移動量を算出するので、表示装置107用に運動検出センサを設けなくても、表示装置107の位置を得ることができる。
【0051】
(5)上記(3)の眼球位置および上記(4)の表示装置107の位置を用いて両者の相対変位を求めるので、それぞれが異なる運動状態であっても、両者間の変位を得ることができる。
【0052】
(6)表示装置107のピッチ方向(上下方向)の移動量、ならびに、上記(5)の相対変位の変化に起因する表示画像の動きをキャンセルするように、表示装置107に表示する略無限遠情報の表示位置をピッチ方向に移動させた(画像シフトした)ので、上記▲1▼および▲2▼の両ピッチ動による影響をキャンセルし、乗員にとって略無限遠情報が空間上にほぼ静止しているように見える。この結果、乗員が表示画面で略無限遠情報を注視する状況では、乗員が得る視覚情報と前庭器(三半規管、耳石)からの情報が一致するので、乗員が感じる違和感・不快感をより低減することができる。
【0053】
(7)ピクチャー・イン・ピクチャー表示によって享楽情報による画像および略無限遠情報による画像の併設表示を行い、享楽情報による画像を縮小表示するようにリサイズ処理し、このリサイズ処理後の縮小画像を略無限遠情報による画像の上に重ねるようにした。略無限遠情報による画像に対しては縮小処理をしないので、縮小処理する場合に比べて乗員が遠景に対応する空間の位置情報を得やすくなる。また、ピクチャー・イン・ピクチャー表示は、画像重なりが生じないように2画像を併設表示する場合と異なり、表示装置107の表示画面全体を有効に用いて画像表示を行うことができる。
【0054】
(8)車両右折時は享楽情報による画像を表示画面の右側に、車両左折時は享楽情報による画像を表示画面の左側に、それぞれ表示させるようにしたので、回転角速度が生じている状態で乗員の視線を旋回方向に誘導できる。これにより、実際の車外の視界が乗員の視野に入りやすくなり、乗員が感じる違和感・不快感をより低減することができる。
【0055】
上述した説明では、ピクチャー・イン・ピクチャー表示によって享楽情報による画像および略無限遠情報による画像の併設表示を行うようにしたが、図9(a),(b)に示すように、画像重なりが生じないように2画像を併設表示してもよい。図9(a)は、享楽情報を優先した表示例を示す図であり、図9(b)は、略無限遠情報を優先した表示例を示す図である。
【0056】
なお、図9(b)のように略無限遠情報による画像に対して縮小処理を行うとき(図2(a)による表示画像に比べて小さく表示させる)、車両の揺動に応じて画像シフトされている状態では、縮小処理後も画像シフトのゲイン(変位ゲイン)を一定に保つようにする。これにより、略無限遠情報による画像の縮尺率が変更されても、乗員の視線を遠景に対応する空間に導くことが可能になる。
【0057】
略無限遠情報による画像の縮尺率を変更すると画像シフトのゲインを一定に保てない場合には、略無限遠情報による画像に対して縮小処理を行わずに、略無限遠情報による画像の表示範囲のみを狭くするとよい。すなわち、略無限遠情報による画像の縮尺率を一定に保ったままで画像の一部を表示することにより、略無限遠情報による画像の表示面積を変更する。これにより、乗員の視線を遠景に対応する空間に導くことが可能になる。
【0058】
また、画像重なりが生じないように享楽情報による画像および略無限遠情報による画像を併設表示する場合に、両画像の大きさを一定に表示してもよい。図10(a)は、略無限遠情報による画像(左側)と享楽情報による画像(右側)とを並べた表示例を示す図である。この場合の優先順位は、略無限遠情報の彩度、明度、およびコントラストの少なくとも1つを変化させることにより行う。たとえば、享楽情報を強調して表示する場合には、略無限遠情報側の彩度を享楽情報側の彩度より相対的に低くする、略無限遠情報側の明度を享楽情報側の明度より相対的に低くする、略無限遠情報側のコントラストを享楽情報側のコントラストより相対的に低くすることのうち、少なくとも1つを行うようにする。
【0059】
図10(b)は、彩度変更によって享楽情報を優先した表示例を示す図である。図10(c)は、明度変更によって享楽情報を優先した表示例を示す図である。図10(d)は、コントラスト変更によって享楽情報を優先した表示例を示す図である。
【0060】
略無限遠情報を強調して表示する場合には、略無限遠情報側の彩度を享楽情報側の彩度より相対的に高くする、略無限遠情報側の明度を享楽情報側の明度より相対的に高くする、略無限遠情報側のコントラストを享楽情報側のコントラストより相対的に高くすることのうち、少なくとも1つを行うようにする。
【0061】
以上の説明において、略無限遠情報および享楽情報のいずれかについて彩度などを他方より相対的に高めることは、他方の彩度を相対的に低くすることと等価である。
【0062】
以上の説明では、ピッチ方向の回転運動を例にあげて説明したが、車両のロール方向(左右方向)の回転運動についても同様に処理することができる。これにより、左右方向の揺動に起因して乗員が感じる違和感・不快感を低減することができる。
【0063】
特許請求の範囲における各構成要素と、発明の実施の形態における各構成要素との対応について説明する。乗員に提供する情報は、たとえば、享楽情報が対応する。表示手段は、たとえば、表示装置107によって構成される。無限遠情報は、たとえば、不図示のビデオカメラからの画像信号(遠方の風景)が対応する。無限遠情報入力手段は、たとえば、略無限遠情報入力部105によって構成される。表示合成手段は、たとえば、制御部106および表示装置107によって構成される。車両運動検出手段は、たとえば、車両運動検出部101によって構成される。表示制御手段は、たとえば、乗員運動推定部103および制御部106によって構成される。なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、各構成要素は上記構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態による車載情報提供装置の概要を示すブロック構成図である。
【図2】(a)略無限遠情報入力部からの表示データによって表示装置に表示される画像の例を示す図である。
(b)情報源装置からの表示データによって表示装置に表示される画像の例を示す図である。
(c)略無限遠情報および享楽情報がピクチャー・イン・ピクチャー表示によって併設表示された画像の例を示す図である。
【図3】制御部で行われる表示処理の流れを説明するフローチャートである。
【図4】(a)ノーズダイブ現象による表示装置のピッチ動を説明する図である。
(b)ピッチ動をキャンセルするための画像シフトが行われた表示画面を示す図である。
(c)ピッチ動をキャンセルするための画像シフトが行われた表示画面を示す図である。
【図5】(a)ノーズダイブ現象による乗員頭部のピッチ動を説明する図である。
(b)ピッチ動をキャンセルするための画像シフトが行われた表示画面を示す図である。
【図6】車両の揺動の大きさと表示制御方法との対応関係を説明する図である。
【図7】(a)享楽情報を優先した表示画像の例を示す図である。
(b)略無限遠情報を優先した表示画像の例を示す図である。
【図8】(a)享楽情報による画像が表示画面の中央に表示された例を示す図である。
(b)享楽情報による画像が表示画面の右側に表示された例を示す図である。
【図9】(a)享楽情報を優先した表示例を示す図である。
(b)略無限遠情報を優先した表示例を示す図である。
【図10】(a)略無限遠情報による画像と享楽情報による画像とを並べた表示例を示す図である。
(b)彩度変更によって享楽情報を優先した表示例を示す図である。
(c)明度変更によって享楽情報を優先した表示例を示す図である。
(d)コントラスト変更によって享楽情報を優先した表示例を示す図である。
【符号の説明】
100…車載情報提供装置、 101…車両運動検出部、
102…人体データベース部、 103…乗員運動推定部、
104…情報源装置、 105…略無限遠情報入力部、
106…制御部、 107…表示装置

Claims (6)

  1. 乗員に提供する情報を表示映像として表示する表示手段と、
    車外の遠方風景に対応する無限遠情報を入力する無限遠情報入力手段と、
    前記提供する情報と前記無限遠情報とを近接して独立して併設表示するように前記表示手段に表示させる表示合成手段とを備えることを特徴とする車載情報提供装置。
  2. 請求項1に記載の車載情報提供装置において、
    車両の動きを検出する車両運動検出手段をさらに備え、
    前記表示合成手段は、前記提供する情報および前記無限遠情報による2つの画像を表示させ、前記車両運動検出手段による検出値に応じて、前記2つの画像の少なくとも一方について、その画像の大きさ、表示位置、彩度、明度、およびコントラストの少なくとも1つを変更することを特徴とする車載情報提供装置。
  3. 請求項2に記載の車載情報提供装置において、
    車両の運動もしくは乗員と前記表示手段との相対運動の少なくとも一方をキャンセルするように前記略無限遠情報による画像を変位させて空間上に略静止するように前記表示手段に表示させる表示制御手段をさらに備えることを特徴とする車載情報提供装置。
  4. 請求項3に記載の車載情報提供装置において、
    前記表示合成手段は、
    (1)前記車両運動検出手段による検出値が所定値以上のとき、前記無限遠情報による画像の大きさを前記享楽情報による画像の大きさよりも相対的に大きくし、
    (2)前記車両運動検出手段による検出値が所定値未満のとき、前記無限遠情報による画像の大きさを前記享楽情報による画像の大きさよりも相対的に小さくするとともに、
    前記無限遠情報による画像の大きさを変えても縮尺率一定、もしくは前記画像の変位ゲインを一定に保つことを特徴とする車載情報提供装置。
  5. 請求項3に記載の車載情報提供装置において、
    前記表示合成手段は、
    (1)前記車両運動検出手段による検出値が所定値以上のとき、前記享楽情報による画像を前記表示手段による表示画面内で車両の進行方向側に表示させ、
    (2)前記車両運動検出手段による検出値が所定値未満のとき、前記享楽情報による画像を前記表示手段による表示画面内の中央に表示させることを特徴とする車載情報提供装置。
  6. 請求項3に記載の車載情報提供装置において、
    前記表示合成手段は、
    (1)前記車両運動検出手段による検出値が所定値以上のとき、前記無限遠情報の彩度、明度、およびコントラストの少なくとも1つを高める、前記享楽情報の彩度、明度、およびコントラストの少なくとも1つを低下させることの少なくとも1つを行い、
    (2)前記車両運動検出手段による検出値が所定値未満のとき、前記無限遠情報の彩度、明度、およびコントラストの少なくとも1つを低下させる、前記享楽情報の彩度、明度、およびコントラストの少なくとも1つを高めることの少なくとも1つを行うことを特徴とする車載情報提供装置。
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