JP2004356598A - 基板処理方法及び電気光学装置の製造方法 - Google Patents

基板処理方法及び電気光学装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】環境上優れた枚葉式の剥離洗浄を可能にする。
【解決手段】基板を濃度が20〜100ppmのオゾン水によって処理する工程(ステップSO1,SO2)を具備したことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板、液晶基板等の有機物レジストの剥離洗浄に好適な基板処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、液晶装置は、ガラス基板、石英基板等の2枚の基板間に液晶を封入して構成される。液晶装置の構造としては、基板の表面に画素をマトリクス状に配列させたパッシブ方式のものや、各画素毎にTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)やTFD(Thin Film Diode:薄膜ダイオード)等の非線形素子を設け、この非線形素子を介して信号電極と画素電極とを接続したアクティブ方式のもの等がある。
【0003】
アクティブ方式の液晶装置は、一方の基板に、能動素子をマトリクス状に配置し、他方の基板に対向する電極を配置して、両基板間に封止した液晶層の光学特性を画像信号に応じて変化させることで、画像表示を可能にする。
【0004】
このようなTFT基板は、洗浄、成膜、パターン形成の工程の繰返しで構成される。パターン形成工程においては、無機質機体上に形成された金属等の膜上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフによって微細なパターンを形成する。次いで、この半導体ウェハ全面にUV光を照射してパターン化されたレジスト膜を硬化させることにより、レジストパターンの耐ドライエッチング性を向上させる。こうして、レジストパターンをマスクとして非マスク領域をドライエッチングすることにより、パターニングが行われる。
【0005】
ところで、パターン形成工程の際に用いられる有機物レジストの剥離洗浄には、従来、硫酸過水及びアミン系等の有機物溶剤が使用されている。メタル工程以前の工程においては、硫酸過水を用いた剥離洗浄が行われる。硫酸過水によって、半導体ウェハの表面に形成されたレジストを酸化し、ウェハ表面のレジスト、付着しているパーティクル、金属汚染物質、有機物を除去することができる。また、メタル工程以降の工程においては、有機物溶剤(有機剥離液)を用いた剥離洗浄が行われる。有機剥離液の溶解作用によって、有機物、レジストを除去することができる。こうして、下地の膜と有機物レジストとの選択比を利用して、形成した下地のパターンにダメージを与えることなく剥離処理を行っている。
【0006】
なお、有機物溶剤を用いた剥離洗浄については、例えば特許文献1に開示されたものがある。
【0007】
また、特許文献2においては、シリコン半導体基板を溶存オゾン水溶液で処理した後、希フッ酸水溶液で処理することにより、Cu膜を除去洗浄する洗浄方法が開示されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−256210号公報
【0009】
【特許文献2】
特開平8−153698号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、通常、レジストの剥離洗浄にはバッチ方式の洗浄装置が採用される。ところが、バッチ方式の洗浄装置は、複数の洗浄槽を用意する必要があり、装置規模が大きく、また、占有面積も大きく、設備の負担が極めて大きい。また、バッチ方式では剥離液の成分の変化が比較的早いことから、剥離液の交換サイクルが短くランニングコストも増大してしまう。
【0011】
そこで、これらの欠点を解決するものとして、枚葉方式の剥離洗浄装置を採用することが考えられる。ところが、有機物レジストの剥離液である硫酸過水及び有機物溶剤のいずれを用いる場合でも、剥離洗浄時には、これらの剥離液を約100℃に加熱し、10分程度のディップ処理を行う必要がある。即ち、これらの有害な剥離液を高温で用いる必要があることから、剥離液を供給するノズル等の耐久性、安全性等を考慮すると、剥離洗浄装置として枚葉式の装置を用いることはできない。
【0012】
また、有機物溶剤を用いる場合には防爆仕様が必須である。ところが、枚葉方式のスピン洗浄装置においては、モータを使用する必要があり、防爆仕様にすることができない。これらの理由から、レジストの剥離装置としては装置コスト及びランニングコストが高く且つ1枚当たりの洗浄時間に長時間を要するバッチ式の剥離洗浄装置を採用しなければならない。
【0013】
また、特許文献2における機能水洗浄方法は、オゾン水とフッ酸水溶液とを繰返し用いることで剥離洗浄を行うようになっている。この場合でも、これらの提案では単結晶シリコン基板の洗浄を目的としていることから特に問題はない。しかしながら、これらの提案による洗浄方法をガラス基板上に構成したポリシリコン膜の剥離洗浄に適用した場合、ポリシリコンのラフネスの特性を考慮すると、オゾン水とフッ酸水溶液との繰返し洗浄を行うことによってポリシリコン膜のラフネスが大きくなり、酸化膜に悪影響を及ぼしてしまうことが考えられる。また、単結晶シリコン基板とポリシリコン基板とでは表面電位が異なり、メタルの付着やパーティクルの付着の挙動が異なることから、単結晶シリコン基板用の機能水洗浄方法をポリシリコン基板用として単純に転用することはできない。
【0014】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、剥離液として安全性に優れたオゾン水を使用することで枚葉式の剥離洗浄を可能にすると共に、1回又は2回の洗浄のみによってラフネスの増大を抑制しながら、十分な剥離洗浄効果を得ることができる基板処理方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る基板処理方法は、基板上の残留下地材料を除去するアッシング処理を実施する工程と、前記アッシング処理後の基板に対する1回のオゾン水処理のみを有する洗浄工程とを具備したことを特徴とする。
【0016】
このような構成によれば、アッシング処理によって有機物レジスト中の残留下地材料を除去することができる。そして、1回のオゾン水処理によって、有機物レジストの剥離洗浄が行われる。安全性が高いオゾン水を使用することから、環境上優れた枚葉式の剥離洗浄装置に使用可能である。これにより、装置、設備価格及びランニングコストを低減することができ、また、環境的にも無害な剥離洗浄が可能である。
【0017】
本発明に係る基板処理方法は、基板上の残留下地材料を除去するアッシング処理を実施する工程と、
前記アッシング処理後の基板に対するオゾン水処理及び該オゾン水処理後の水処理の1サイクルのみを有する洗浄工程とを具備したことを特徴とする。
【0018】
このような構成によれば、アッシングによって有機物レジスト中の残留下地材料を除去し、オゾン水処理によって基板から有機物レジストを剥離させ、更に、水処理によって剥離した有機物レジストを確実に基板表面から除去することができる。
【0019】
本発明に係る基板処理方法は、基板上の残留下地材料を除去するアッシング処理を実施する工程と、
前記アッシング処理後の基板に対するオゾン水処理と、フッ酸処理及び該フッ酸処理後の水処理との1サイクルのみを有する洗浄工程とを具備したことを特徴とする。
【0020】
このような構成によれば、アッシングによって有機物レジスト中の残留下地材料を除去し、オゾン水処理によって基板から有機物レジストを剥離させ、更に、フッ酸水溶液を用いた処理によって、有機物レジストの確実な剥離洗浄を可能にし、水処理によって剥離した有機物レジスト及びフッ酸水溶液を基板表面から除去することができる。
【0021】
本発明に係る基板処理方法は、基板上の残留下地材料を除去するアッシング処理を実施する工程と、
前記アッシング処理後の基板に対するオゾン水処理と、フッ酸処理及び該フッ酸処理後のオゾン水処理との1サイクルのみを有する洗浄工程とを具備したことを特徴とする。
【0022】
このような構成によれば、フッ酸処理後のオゾン水処理によって、更に一層有機物レジストの確実な除去が可能である。
【0023】
本発明に係る基板処理方法は、基板上の残留下地材料を除去するアッシング処理を実施する工程と、
前記アッシング処理後の基板に対するオゾン水処理、フッ酸処理、オゾン水処理及び水処理の1サイクルのみを有する洗浄工程とを具備したことを特徴とする。
【0024】
このような構成によれば、水処理によって剥離した有機物レジストを基板表面から除去することができる。
【0025】
前記オゾン水処理後に水処理を有することを特徴とする。
【0026】
このような構成によれば、水処理によって剥離した有機物レジストを基板表面から確実に除去することができる。
【0027】
また、前記オゾン水は、濃度が20〜100ppmであることを特徴とする。
【0028】
このような構成によれば、オゾン水処理によって、基板上の有機物レジストを確実に剥離洗浄することができる。
【0029】
また、前記アッシング処理は、Oプラズマによるアッシング処理であることを特徴とする。
【0030】
このような構成によれば、残留下地材料を有害な薬液を使用することなく、確実に除去することができる。
【0031】
また、前記フッ酸処理は、濃度が0.5〜2%のフッ酸水溶液による処理であることを特徴とする。
【0032】
このような構成によれば、適正なフッ酸水溶液の濃度を採用することによって、短時間に且つ効果的に有機物レジストの除去が可能である。
【0033】
また、前記洗浄工程後に、乾燥工程を更に具備したことを特徴とする。
【0034】
このような構成によれば、洗浄シミ等を生じさせることなく、有機物レジストの確実な除去が可能である。
【0035】
また、前記水処理は、霧状の水により物理的に洗浄を行うことを特徴とする。
【0036】
このような構成によれば、霧状の水による物理的な洗浄力によって、有機物レジストを基板上から効果的に除去することができる。
【0037】
また、前記アッシング処理する工程は、前記アッシング処理後の基板を冷却する工程を具備したことを特徴とする。
【0038】
このような構成によれば、アッシング処理によって加熱された基板をオゾン水処理前に効果的に冷却させることができる。
【0039】
また、前記基板は、電気光学装置用基板であることを特徴とする。
【0040】
このような構成によれば、液晶装置、EL(エレクトロルミネッセンス)装置、電気泳動装置等の電気光学装置の基板や、半導体の基板にも適用することができる。
【0041】
本発明に係る基板処理方法は、基板を第1の搬送部によってアッシング部に搬送する工程と、前記アッシング部において前記基板をアッシングする工程と、アッシング後の基板を第2の搬送部によって前記アッシング部から洗浄部に搬送する工程と、前記洗浄部において前記基板をオゾン水によって処理して剥離洗浄する工程とを具備したことを特徴とする。
【0042】
このような構成によれば、基板は第1の搬送部によってアッシング装置に搬送され、アッシング装置においてアッシングされる。アッシング後の基板は、第2の搬送部によってアッシング装置から洗浄部に搬送されて、洗浄部においてオゾン水によって処理されて剥離洗浄される。第2の搬送部によって、アッシング後の基板を直ちに洗浄部に搬送することができ、アッシングの後短時間でオゾン水による剥離洗浄が実施可能である。これにより、アッシング時の残さを確実に除去することができる。
【0043】
また、前記基板をアッシングする工程は、前記アッシング処理後の基板を冷却部に搬送して冷却した後前記第2の搬送部に与える工程を具備したことを特徴とする。
【0044】
このような構成によれば、アッシング処理によって加熱された基板を洗浄部に搬送する前に効果的に冷却させることができる。
【0045】
また、前記基板をアッシングする工程は、前記第1の搬送部によって搬送された基板を予備室に搬送してアッシング処理前に真空雰囲気下で待機させることを特徴とする。
【0046】
このような構成によれば、事前に真空雰囲気下におかれるので、アッシング処理を迅速に行うことができる。
【0047】
本発明に係る基板処理方法は、基板を第1の搬送手段によってアッシング装置に搬送する工程と、前記アッシング装置において前記基板をアッシングする工程と、アッシング後の基板を第2の搬送手段によって前記アッシング装置から洗浄装置に搬送する工程と、前記洗浄装置において前記基板をオゾン水によって処理して剥離洗浄する工程とを具備したことを特徴とする。
【0048】
このような構成によれば、基板は第1の搬送手段によってアッシング装置に搬送され、アッシング装置においてアッシングされる。アッシング後の基板は、第2の搬送手段によってアッシング装置から洗浄装置に搬送されて、洗浄装置においてオゾン水によって処理されて剥離洗浄される。第2の搬送手段によって、アッシング後の基板を直ちに洗浄装置に搬送することができ、アッシングの後短時間でオゾン水による剥離洗浄が実施可能である。これにより、アッシング時の残さを確実に除去することができる。
【0049】
本発明に係る電気光学装置の製造方法は、上記基板処理方法を用いて剥離洗浄を行った基板を用いて電気光学装置を製造することを特徴とする。
【0050】
このような構成によれば、有機物レジストが確実に除去されており、高品位の液晶装置が得られる。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1乃至図11は本発明の第1の実施の形態に係り、図1及び図2は本発明の第1の実施の形態に係る基板処理方法を示すフローチャートである。図3は本実施の形態を適用する基板であるTFT基板(素子基板)の画素領域を構成する複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図である。図4は本実施の形態を適用する素子基板を用いた液晶装置の平面図であり、素子基板の上に形成された各構成要素と共に対向基板側から見た平面図である。図5は素子基板と対向基板とを貼り合わせて液晶を封入する組立工程終了後の液晶装置を、図4のH−H’線の位置で切断して示す断面図である。また、図6は図4及び図5の液晶装置を詳細に示す断面図である。また、図7は素子基板の基板工程を示すフローチャートである。図8乃至図11は本実施の形態に係る基板処理方法を適用した液晶基板の製造方法を断面図によって工程順に示す工程図である。
【0052】
本実施の形態は、有機物レジストの剥離に際して、Oプラズマ等によるフルアッシング(完全な灰化処理)を前提として、剥離洗浄液としてオゾン水Oによる洗浄、オゾン水Oとフッ酸水溶液による洗浄又はオゾン水Oとフッ酸水溶液とオゾン水Oによる剥離洗浄を行うことにより、枚葉式の剥離洗浄装置の使用を可能にして、装置コスト、ランニングコストを低減すると共に、環境上優れた剥離洗浄を可能にしたものである。
【0053】
先ず、図3乃至図6を参照して、本実施の形態における剥離洗浄の対象である素子基板を用いた液晶装置の構造について説明する。
【0054】
電気光学装置である液晶装置は、図4及び図5に示すように、TFT基板等のTFT基板10と対向基板20との間に液晶50を封入して構成される。TFT基板10上には画素を構成する画素電極等がマトリクス状に配置される。図3は画素を構成するTFT基板10上の素子の等価回路を示している。
【0055】
図3に示すように、画素領域においては、複数本の走査線3aと複数本のデータ線6aとが交差するように配線され、走査線3aとデータ線6aとで区画された領域に画素電極9aがマトリクス状に配置される。そして、走査線3aとデータ線6aの各交差部分に対応してTFT30が設けられ、このTFT30に画素電極9aが接続される。
【0056】
TFT30は走査線3aのON信号によってオンとなり、これにより、データ線6aに供給された画像信号が画素電極9aに供給される。この画素電極9aと対向基板20に設けられた対向電極21との間の電圧が液晶50に印加される。また、画素電極9aと並列に蓄積容量70が設けられており、蓄積容量70によって、画素電極9aの電圧はソース電圧が印加された時間よりも例えば3桁も長い時間の保持が可能となる。蓄積容量70によって、電圧保持特性が改善され、コントラスト比の高い画像表示が可能となる。
【0057】
図6は、一つの画素に着目した液晶装置の模式的断面図である。
【0058】
ガラスや石英等のTFT基板10には、溝11が形成されている。この溝11上に遮光膜12及び第1層間絶縁膜13を介してLDD構造をなすTFT30が形成されている。溝11によって、TFT基板の液晶50との境界面が平坦化される。
【0059】
TFT30は、チャネル領域1a、ソース領域1d、ドレイン領域1eが形成された半導体層に絶縁膜2を介してゲート電極をなす走査線3aが設けられている。なお、遮光膜12は、TFT30の形成領域に対応する領域、後述するデータ線6a及び走査線3a等の形成領域、即ち各画素の非表示領域に対応した領域に形成されている。この遮光膜12によって、反射光がTFT30のチャネル領域1a、ソース領域1d及びドレイン領域1eに入射することが防止される。
【0060】
また、絶縁膜2上には、容量線15a,15bも形成されている。第1層間絶縁膜13にはコンタクトホール12cvが形成されており、容量線15bと遮光膜12とはコンタクトホール12cvを介して電気的に接続されている。
【0061】
TFT30上には第2層間絶縁膜14が積層され、第2層間絶縁膜14上にはバリア層17a,17bが形成されている。第2層間絶縁膜14にはコンタクトホール14cvが開孔されており、バリア層17aはコンタクトホール14cvを介して半導体層1aのドレイン領域1eに接続されている。また、バリア層17bは容量線15bに接続されている。
【0062】
バリア層17a,17b上には第3層間絶縁膜19が配置され、第3層間絶縁膜19上にはデータ線6aが積層される。データ線6aは、第3及び第2層間絶縁膜19,14を貫通するコンタクトホール19cvを介してソース領域1dに電気的に接続される。データ線6a上には第4層間絶縁膜25を介して画素電極9aが積層されている。画素電極9aは、第4及び第3層間絶縁膜25,19を貫通するコンタクトホール25cvによりバリア層17aに接続され、バリア層17aを介してドレイン領域1eに電気的に接続される。画素電極9a上にはポリイミド系の高分子樹脂からなる配向膜16が積層され、所定方向にラビング処理されている。
【0063】
走査線3a(ゲート電極)にON信号が供給されることで、チャネル領域1aが導通状態となり、ソース領域1dとドレイン領域1eとが接続されて、データ線6aに供給された画像信号が画素電極9aに与えられる。
【0064】
一方、対向基板20には、TFTアレイ基板のデータ線6a、走査線3a及びTFT30の形成領域に対向する領域、即ち各画素の非表示領域において第1遮光膜23が設けられている。この第1遮光膜23によって、対向基板20側からの入射光がTFT30のチャネル領域1a、ソース領域1d及びドレイン領域1eに入射することが防止される。第1遮光膜23上に、対向電極(共通電極)21が基板20全面に亘って形成されている。対向電極21上にポリイミド系の高分子樹脂からなる配向膜22が積層され、所定方向にラビング処理されている。
【0065】
そして、TFT基板10と対向基板20との間に液晶50が封入されている。これにより、TFT30は所定のタイミングでデータ線6aから供給される画像信号を画素電極9aに書き込む。書き込まれた画素電極9aと対向電極21との電位差に応じて液晶50の分子集合の配向や秩序が変化して、光を変調し、階調表示を可能にする。
【0066】
図4及び図5に示すように、対向基板20には表示領域を区画する額縁としての遮光膜42が設けられている。遮光膜42は例えば遮光膜23と同一又は異なる遮光性材料によって形成されている。
【0067】
遮光膜42の外側の領域に液晶を封入するシール材41が、TFT基板10と対向基板20間に形成されている。シール材41は対向基板20の輪郭形状に略一致するように配置され、TFT基板10と対向基板20を相互に固着する。シール材41は、TFT基板10の1辺の一部において欠落しており、貼り合わされたTFT基板10及び対向基板20相互の間隙には、液晶50を注入するための液晶注入口78が形成される。液晶注入口78より液晶が注入された後、液晶注入口78を封止材79で封止するようになっている。
【0068】
TFT基板10のシール材41の外側の領域には、データ線駆動回路61及び実装端子62がTFT基板10の一辺に沿って設けられており、この一辺に隣接する2辺に沿って、走査線駆動回路63が設けられている。TFT基板10の残る一辺には、画面表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路63間を接続するための複数の配線64が設けられている。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇所においては、TFT基板10と対向基板20との間を電気的に導通させるための導通材65が設けられている。
【0069】
次に、図1及び図2の洗浄方法について説明する。図1(a)乃至(d)及び図2(e)乃至(g)は剥離洗浄の工程例を示している。本実施の形態においては、オゾン水Oのみによる洗浄、オゾン水Oとフッ酸水溶液による洗浄又はオゾン水Oとフッ酸水溶液とオゾン水Oによる剥離洗浄を行うものであり、各洗浄工程の間に純水による洗浄(水洗)を介在させることもできる。
【0070】
図1(a)は、先ず、ステップSA のフルアッシングの後に、オゾン水を用いた洗浄を実施し(ステップSO1 )、次にフッ酸水溶液を用いた洗浄を実施し(ステップSF1)、次に再びオゾン水を用いた洗浄を実施(ステップSO2)、最後に乾燥処理を実施した(ステップSD )ものである。
【0071】
有機物レジストの剥離洗浄においては、図1及び図2のステップSA に示すように、先ず、Oプラズマを用いたフルアッシングを行う。従来、メタル工程以降の工程においては、レジストの剥離液として下地のメタル層を溶解させないために、上述したようにアミン系の有機物溶剤が用いられていた。パターニングしようとする下地膜に対するイオンを用いたドライエッチングによって、下地膜は化学反応してガス化する。ガス化した下地膜材料はイオンによってレジスト中に打ち込まれる。このように打ち込まれた残留無機物(以下、堆積ポリマーという)は有機物溶剤では剥離することができない。このため、従来、有機物溶剤にフッ化アンモニウム等を混合することで、堆積ポリマーを除去している。
【0072】
これに対し、本実施の形態においては、有機物溶剤を使用しないようになっており、Oプラズマ装置によるフルアッシングによって、先ず、堆積ポリマーを完全に除去するようになっている。
【0073】
堆積ポリマーが完全に除去された後、ステップSO1では、例えば、濃度が50ppmのオゾン水を用いて15〜200秒間の洗浄を行う。ステップSF1では、例えば、1%の希フッ酸水溶液を用いて5〜60秒間の洗浄を行う。次のステップSO2では、濃度が50ppmのオゾン水を用いて15〜200秒間の洗浄を行う。最後のステップSD では、15〜120秒間の乾燥処理を実施する。乾燥工程によって、洗浄シミ等が生じることを防止することができる。このようにオゾン水を用いた洗浄後には水洗を省略することもできる。
【0074】
図1(a)の洗浄方法を、[O(50ppm) →希フッ酸(1%) → O(50ppm) → 乾燥]と表記する。
【0075】
図1(b)〜(d)及び図2(e)〜(g)においても、最初にフルアッシング工程(ステップSA )を実施することは図1(a)の洗浄方法と同様である。
上記図1(a)の洗浄方法と同様の表記で図1(b)〜(d)及び図2(e)〜(g)の洗浄方法を表示すると以下のようになる。
【0076】
図1(b)の洗浄方法は、[O(50ppm) → 水洗 → 希フッ酸(1%) → 水洗 → O(50ppm) → 水洗 → 乾燥]
図1(c)の洗浄方法は、[O(50ppm) →希フッ酸(1%) → 水洗 → O(50ppm) → 乾燥]
図1(d)の洗浄方法は、[O(50ppm) →希フッ酸(1%) → 水洗 → O(50ppm) → 水洗 → 乾燥]
図2(e)の洗浄方法は、[O(50ppm) → 水洗 → 乾燥]
図2(f)の洗浄方法は、[O(50ppm) → 水洗 →希フッ酸(1%) → 水洗→ 乾燥]
図2(g)の洗浄方法は、[O(50ppm) →希フッ酸(1%) → 水洗 → 乾燥]である。
【0077】
図1(a)〜(d)は、オゾン水による洗浄を2回行う例であり、図2(e)〜(g)は、オゾン水による洗浄を1回のみ行う例である。各洗浄パターンにおいては、上記したように、濃度及び洗浄時間を適正に制御することによって、フッ酸の残さを抑制しつつ不要なエッチングを防いで、効率のよい剥離洗浄を可能にしている。なお、図1及び図2の例においては、オゾン水の濃度は50ppm又は180ppmで、フッ酸の濃度は約1%に設定したが、オゾン水の濃度として20〜200ppmの範囲のものを使用することができ、フッ酸水溶液の濃度として0.5〜約2%の範囲のものを使用することができる。
【0078】
次に、上述した図3乃至図6に示す素子基板に対して図1及び図2の洗浄方法を適用した場合の製造工程について図7のフローチャートを参照して説明する。
【0079】
先ず、石英基板、ハードガラス、シリコン基板等のTFT基板10を用意する。用意した基板10に対して、好ましくはN(窒素)等の不活性ガス雰囲気且つ約900〜1300℃の高温でアニール処理し、後に実施される高温プロセスにおけるTFT基板10に生じる歪みが少なくなるように前処理しておく。
【0080】
次に、図7のステップS1 において、TFT基板10に対してエッチング等によって溝11(図8(a))を形成する。即ち、有機物レジストを基板10の表面に塗布し、フォトリソグラフによって有機物レジスト上に微細なパターンを形成する。次いで、基板10表面の全域にUV光を照射してパターン化した有機物レジストを硬化させてレジストパターンの耐ドライエッチング性を向上させる。このレジストパターンをマスクとして非マスク領域をドライエッチングする。これにより、パターニングされた溝11を形成する。
【0081】
本実施の形態においては、溝11のパターン形成に際して用いた有機物レジストは、図1又は図2のフローチャートに基づいて剥離洗浄する。例えば、図1(b)に示す洗浄方法によって剥離洗浄する。
【0082】
次に、図7のステップS2 において、Ti、Cr、W、Ta、Mo及びPd等の金属や金属シリサイド等の金属合金膜を、スパッタリングにより、100〜500nm程度の膜厚、好ましくは約200nmの膜厚に堆積させる。そしてフォトリソグラフィ及びエッチングにより、図8(b)に示すように、平面形状が格子状の下側遮光膜12を形成する。ステップS2 における下側遮光膜12のパターン形成時においても、図1又は図2のフローに従って、有機物レジストの剥離洗浄が行われる。例えば、図1(b)に示す洗浄方法によって剥離洗浄する。
【0083】
次に、ステップS3 において、下側遮光膜12上に、例えば、常圧又は減圧CVD法等によりTEOS(テトラ・エチル・オルソ・シリケート)ガス、TEB(テトラ・エチル・ボートレート)ガス、TMOP(テトラ・メチル・オキシ・フォスレート)ガス等を用いて、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる第1層間絶縁膜13を形成する(図8(c))。この第1層間絶縁膜13の膜厚は、例えば約500〜2000nm程度とする。
【0084】
次に、ステップS4 において、層間絶縁膜13上に、約450〜550℃、好ましくは約500℃の比較的低温環境中で、流量約400〜600cc/minのモノシランガス、ジシランガス等を用いた減圧CVD(例えば、圧力約20〜40PaのCVD)により、アモルファスシリコン膜を形成する。その後、窒素雰囲気中で、約600〜700℃にて約1〜10時間、好ましくは、4〜6時間のアニール処理を施することにより、ポリシリコン膜を約50〜200nmの粒径、好ましくは約100nmの粒径となるまで固相成長させる。固相成長させる方法としては、RTA(Rapid Thermal Anneal)を使ったアニール処理でもよいし、エキシマレーザー等を用いたレーザーアニールでもよい。この際、画素スイッチング用のTFT30を、nチャネル型とするかpチャネル型にするかに応じて、V族元素やIII族元素のドーパントを僅かにイオン注入等によりドープしてもよい。そして、フォトリソグラフィ及びエッチングにより、図8(d)に示すように、所定パターンを有する半導体層1aを形成する。なお、半導体層1aのパターン形成時においても、図1又は図2のフローに従って、有機物レジストの除去が行われる。例えば、図1(b)に示す洗浄方法によって剥離洗浄する。
【0085】
次に、ステップS5 において、TFT30を構成する半導体層1aを約900〜1300℃の温度、好ましくは約1000℃の温度により熱酸化し(図8(e))、続けて減圧CVD法等により、若しくは両者を続けて行うことにより、ゲート絶縁膜2、多層の高温酸化シリコン膜(HTO膜)2bや窒化シリコン膜等を形成する(図9(f)。
【0086】
この結果、半導体層1aは、約30〜150nmの厚さ、好ましくは約35〜50nmの厚さとなり、絶縁膜2の厚さは、約20〜150nmの厚さ、好ましくは約30〜100nmの厚さとなる。なお、HTO膜2bの厚さは30〜100nmである。
【0087】
次に、画素スイッチング用のTFT30のスレッシュホールド電圧Vthを制御するために、図9(g)に示すように、半導体層1a上にレジストマスク2aを形成し、半導体層1aのうちNチャネル領域或いはPチャネル領域に、ボロン等のドーパントを予め設定された所定量だけイオン注入等によりドープする(ステップS6 )。レジストマスク2aについても、図1又は図2のフローに従って、剥離洗浄が行われる。例えば、図2(e)に示す洗浄方法によって剥離洗浄する。
【0088】
図2(e)の剥離洗浄では、オゾン水のみによる洗浄を行っており、薄膜のゲート絶縁膜2及びHTO膜2bを削らずにレジストマスク2aのみを除去することを可能にしている。これにより、ゲート絶縁膜2等がエッチングされてトランジスタ特性がシフトし信頼性が低下することを防止している。
【0089】
次に、ステップS7 において、第1層間絶縁膜13に対する反応性イオンエッチング、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチングにより、コンタクトホール12cvを開孔する(図9(h))。コンタクトホール12cvの形成時においても、図1又は図2のフローに従って有機物レジストの剥離洗浄が行われる。例えば、図2(e)に示す洗浄方法によって剥離洗浄する。
【0090】
次に、ステップS8 において、減圧CVD法等によりポリシリコン膜を堆積し、更にリン(P)を熱拡散し、このポリシリコン膜を導電化する。または、Pイオンをこのポリシリコン膜の成膜と同時に導入したドープトシリコン膜を用いてもよい。このポリシリコン膜の膜厚は、約100〜500nmの厚さ、好ましくは約350nm程度である。そして、フォトリソグラフィ及びエッチングにより、図9(i)に示すように、TFT30のゲート電極部を含めて所定パターンの走査線3a及び容量線15a,15bを形成する。これらの走査線3a及び容量線15a,15bのパターン形成時においても、図1又は図2のフローに従って、有機物レジスタの剥離洗浄が行われる。例えば、図1(b)に示す洗浄方法によって剥離洗浄する。
【0091】
次に、例えば、TFT30を、LDD構造を持つnチャネル型のTFTとする場合には、半導体層1aに、低濃度ソース領域及び低濃度ドレイン領域を形成するために、ステップS9 において、走査線3a(ゲート電極)をマスクとして、P等のV族元素のドーパントを低濃度で(例えば、Pイオンを1〜3×1013/cmのドーズ量にて)ドープする(図10(j))。これにより走査線3a下の半導体層1aはチャネル領域1a’となる。
【0092】
これらのステップS9 におけるイオン注入時に用いたレジストマスク(図示せず)についても、図1又は図2のフローに従って、有機物レジスタの剥離洗浄が行われる。例えば、この場合には、図2(e)に示す洗浄方法によって剥離洗浄する。
【0093】
更に、画素スイッチング用TFT30を構成する高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eを形成するために、図10(k)に示すように、走査線3aよりも幅の広い平面パターンを有するレジスト層3bを走査線3a上に形成する。その後、P等のV族元素のドーパントを高濃度で(例えば、Pイオンを1〜3×1015/cmのドーズ量にて)ドープする(ステップS10)。
【0094】
これらのステップS10におけるイオン注入時に用いたレジストマスク3bについても、図1又は図2のフローに従って、有機物レジスタの剥離洗浄が行われる。例えば、この場合には、図1(b)に示す洗浄方法によって剥離洗浄する。
【0095】
こうして、低濃度のソース・ドレイン領域と高濃度のソース・ドレイン領域とを有するLDD構造の素子を構成する。なお、例えば、低濃度のドープを行わずに、オフセット構造のTFTとしてもよく、走査線3aをマスクとして、Pイオン、Bイオン等を用いたイオン注入技術によりセルフアライン型のTFTとしてもよい。この不純物のドープにより走査線3aは更に低抵抗化される。
【0096】
次に、ステップS11では、走査線3a上に、例えば、モノシランガス、ジクロロシランガスを用いて、HTO膜(高温酸化シリコン膜)等からなる第2層間絶縁膜14を形成する(図10(l))。この第2層間絶縁膜14の膜厚は、例えば約500〜2000nm程度とする。ここで好ましくは、800℃の程度の高温でアニール処理し、層間絶縁膜14の膜質を向上させておく。
【0097】
次に、ステップS12において、第2層間絶縁膜14及び絶縁膜2に対する反応性イオンエッチング、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチングにより、コンタクトホール14cvを開孔して、半導体層1aのドレイン領域1eを露出させる(図10(m))。コンタクトホール14cvの形成時においても、図1又は図2のフローに従って、有機物レジストの剥離洗浄が行われる。例えば、図2(e)に示す洗浄方法によって剥離洗浄する。
【0098】
次に、ステップS13において、バリア層17a,17bが形成される(図10(n))。即ち、第2層間絶縁膜14上に、減圧CVD法等によりポリシリコン膜を堆積し、更にリン(P)を熱拡散し、このポリシリコン膜を導電化する。または、Pイオンをこのポリシリコン膜の成膜と同時に導入したドープトシリコン膜を用いてもよい。このポリシリコン膜の膜厚は、約100〜500nmの厚さ、好ましくは約150nm程度である。そして、フォトリソグラフィ及びエッチングによりパターニングを行って、バリア層17a,17bを形成する。このバリア層17a,17bの形成時においても、図1又は図2のフローに従って、有機物レジストの剥離洗浄が行われる。例えば、図1(b)に示す洗浄方法によって剥離洗浄する。
【0099】
なお、バリア層17aはコンタクトホール14cvを埋めるように形成される。また、バリア層17bは容量線15bに接続されるように形成される。
【0100】
次に、ステップS14において、例えば、常圧又は減圧CVD法やTEOSガス等を用いて、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる第3層間絶縁膜19を形成する。第3層間絶縁膜19の膜厚は、例えば500〜1500nm程度である。
【0101】
次に、ステップS15において、第3層間絶縁膜19、第2層間絶縁膜14、絶縁膜2に対する反応性イオンエッチング、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチングにより、コンタクトホール19cvを開孔して、半導体層1aのソース領域1dを露出させる(図10(o))。コンタクトホール19cvの形成時においても、図1又は図2のフローに従って、有機物レジスタの剥離洗浄が行われる。例えば、図2(f)に示す洗浄方法によって剥離洗浄する。
【0102】
次に、ステップS16において、コンタクトホール19cvを埋めるように第3層間絶縁膜19上の全面に、スパッタリング等により、遮光性のAl等の低抵抗金属や金属シリサイド等を金属膜として、約100〜500nmの厚さ、好ましくは約300nmに堆積する。そして、フォトリソグラフィ及びエッチングにより、図11(p)に示すように、所定パターンを有するデータ線6aを形成する。これにより、データ線6aとソース領域1dとが接続される。このデータ線6aの形成時においても、図1又は図2のフローに従って、有機物レジストの剥離洗浄が行われる。例えば、図1(b)に示す洗浄方法によって剥離洗浄する。
【0103】
次に、ステップS17において、データ線6a上を覆うように、例えば、常圧又は減圧CVD法やTEOSガス等を用いて、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる第4層間絶縁膜25を形成する。第4層間絶縁膜25の膜厚は、例えば500〜1500nm程度である。
【0104】
次に、ステップS18において、第4層間絶縁膜25及び第3層間絶縁膜19に対する反応性イオンエッチング、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチングにより、図11(r)に示すコンタクトホール25cvを開孔する。このコンタクトホール25cvの形成時においても、図1又は図2のフローに従って、有機物レジストの剥離洗浄が行われる。例えば、図2(f)に示す洗浄方法によって剥離洗浄する。
【0105】
次に、ステップS19において、このコンタクトホール25cvの内周面及び第4層間絶縁膜25上に、スパッタ処理等により、ITO膜等の透明導電性膜を、約50〜200nmの厚さに堆積する。そして、フォトリソグラフィ及びエッチングにより、図11(s)に示すように、画素電極9aを形成する。なお、液晶装置を反射型の液晶装置に用いる場合には、Al(アルミニウム)等の反射率の高い不透明な材料から画素電極9aを形成してもよい。コンタクトホール25cvは、バリア層17aと画素電極9aとを接続する。画素電極9aの形成時においても、図1又は図2のフローに従って、有機物レジストの剥離洗浄が行われる。例えば、図1(b)に示す洗浄方法によって剥離洗浄する。
【0106】
このように、本実施の形態においては、オゾン水を用いることにより、各種膜のパターニング後の有機物レジスト剥離に際して、枚葉式の剥離洗浄装置を用いて環境上優れた剥離洗浄を可能にしている。これにより、工場設備のコストを低減すると共に、枚葉式では剥離液を無駄に捨てる必要がないことからランニングコストも低減させることができる。
【0107】
また、上記実施の形態においては、ドライエッチング後のレジスト剥離に適用した例について説明したが、ウェットエッチング後のレジスト剥離にも同様に適用可能であることは明らかである。
【0108】
また、上記実施の形態においては、液晶装置のTFT基板中の画素領域の成膜時の剥離洗浄について説明したが、TFT基板中の画素領域以外に形成する周辺回路の成膜時の剥離洗浄にも適用可能である。また、本発明は、EL(エレクトロルミネッセンス)装置、電気泳動装置等の表示パネルにも適用可能であり、更に、液晶基板に限らず、半導体基板等の有機物レジストを使用する各種成膜時の剥離洗浄に適用可能であることは明らかである。
【0109】
図12は図1及び図2の水洗工程において採用することができる水洗装置を示す説明図である。
【0110】
水洗装置111はNガスの流入口と純水の流入口とを有しており、Nガスと純水とを混合して、基板10に向けて吐出することができるようになっている。即ち、純水はミスト状になって基板表面に吐出される。これにより、基板表面の異物を物理的に除去することができる。
【0111】
図13乃至図15は本発明の第2の実施の形態に係る基板処理方法を示すフローチャートである。
プラズマを用いたアッシングを行ったとしても、基板上には体積ポリマーが若干残留(以下、アッシングの残さという)する。図1及び図2のフルアッシング工程(ステップSA )後に長時間が経過すると、大気中に放置された基板上ではアッシングの残さは硬化してしまい、オゾン水による剥離洗浄では完全に除去することができないことがある。従って、本発明のオゾン水による剥離洗浄の実施には、アッシングからオゾン水洗浄までの時間を短縮することができるアッシング装置とオゾン水の洗浄装置との一体型洗浄システムの利用が極めて有効である。
【0112】
本実施の形態はこのようなアッシング装置とオゾン水洗浄装置との一体型の洗浄システムを利用した場合の洗浄方法を示している。
【0113】
アッシング装置とオゾン水洗浄装置との一体型の洗浄システムは、アッシング処理を実施するアッシングチャンバーと図1又は図2のオゾン水洗浄を行う洗浄チャンバーとを有している。そして、これらのアッシングチャンバーと洗浄チャンバーとの間は、搬送ロボットのロボットハンドによってウェハ基板を搬送することができるようになっている。また、一体型洗浄システムは、装置内においてウェハ基板を正しい位置に配置するために、ウェハ基板のノッチ合わせの機構部を備えている。
【0114】
更に、アッシング処理においては真空中での処理が行われるので、一体型洗浄システムは、真空引きと大気開放とをアッシング処理の前後で行うための予備室を備えていてもよい。また、一体型洗浄システムは、アッシング処理によって生じた熱を除去するための冷却プレートを備えていてもよい。
【0115】
一体型洗浄システムへのウェハ基板の搬入は、カセットを介して行われる。図13のステップS21においては、カセットにウェハ基板をセットする。カセット内のウェハ基板は搬送ロボットハンドによって、ノッチ合わせの機構部に搬送される(ステップS22)。この搬送に要する時間は例えば3秒である。次いで、ステップS23においてノッチ合わせが行われる。このノッチ合わせに要する時間は例えば5秒である。
【0116】
次に、ステップS24では搬送ロボットハンドによってウェハ基板を予備室に搬送し、真空引きを行う(ステップS25)。ノッチ合わせ機構部から予備室までの搬送に要する時間は例えば3秒であり、真空引きに要する時間は例えば20秒である。
【0117】
次にステップS26において、搬送ロボットハンドはウェハ基板を予備室からアッシングチャンバーに搬送する。この搬送に要する時間も例えば3秒である。ウェハ基板はアッシングチャンバー内において、例えば60秒間アッシング処理が施される(ステップS27)。これにより、図1及び図2のフルアッシング工程(ステップSA )が終了する。
【0118】
搬送ロボットハンドは、ステップS28においてアッシングチャンバー内のウェハ基板を予備室に搬送する。この搬送には例えば3秒を要する。予備室は例えば15秒で大気開放状態となる(ステップS29)。搬送ロボットハンドは、予備室のウェハ基板を例えば3秒で冷却プレートに搬送する(ステップS30)。ウェハ基板は、冷却プレートにおいて例えば60秒間冷却される(ステップS31)。次に、搬送ロボットハンドはウェハ基板を冷却プレートから洗浄チャンバーに搬送する(ステップS32)。この搬送には例えば3秒を要する。即ち、フルアッシング処理の終了から例えば84秒後には、ウェハ基板は洗浄工程に進む。
【0119】
次いで、ステップS33において、ウェハ基板には図1又は図2に示す剥離洗浄が実施される。この剥離洗浄には、上述したように、例えば約200秒を要する。洗浄処理が終了すると、搬送ロボットハンドは、ウェハ基板を洗浄チャンバーからノッチ合わせ機構部に搬送する(ステップS34)。この搬送にも例えば3秒を要する。そして、ウェハ基板は、ノッチ合わせ機構部においてノッチ合わせ(ステップS35)が行われた後、搬送ロボットハンドによってカセットに搬送され(ステップS36)、カセット内に収納される(ステップS37)。ノッチ合わせ及びカセットまでの搬送に要する時間は夫々5秒、3秒である。
【0120】
このように、本実施の形態においては、フルアッシング終了後のウェハ基板を、隣接配置されているオゾン水の洗浄装置に直ちに搬送して洗浄を開始しており、フルアッシングから比較的短時間で、オゾン水洗浄が実施される。これにより、アッシングの残さを確実に除去することが可能である。
【0121】
図14の洗浄方法は、図13の洗浄方法から予備室における真空引き及び大気開放の工程を省略したものである。また、図15の洗浄方法は図14の洗浄方法から冷却プレートにおける冷却工程を省略したものである。図14及び図15において、他の工程は図13と同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る基板処理方法を示すフローチャート。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る基板処理方法を示すフローチャート。
【図3】本実施の形態を適用する基板であるTFT基板(素子基板)の画素領域を構成する複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図。
【図4】本実施の形態を適用する素子基板を用いた液晶装置の平面図であり、素子基板の上に形成された各構成要素と共に対向基板側から見た平面図。
【図5】素子基板と対向基板とを貼り合わせて液晶を封入する組立工程終了後の液晶装置を、図4のH−H’線の位置で切断して示す断面図。
【図6】図4及び図5の液晶装置を詳細に示す断面図。
【図7】素子基板の基板工程を示すフローチャート。
【図8】本実施の形態に係る基板処理方法を適用した液晶基板の製造方法を断面図によって工程順に示す工程図。
【図9】本実施の形態に係る基板処理方法を適用した液晶基板の製造方法を断面図によって工程順に示す工程図。
【図10】本実施の形態に係る基板処理方法を適用した液晶基板の製造方法を断面図によって工程順に示す工程図。
【図11】本実施の形態に係る基板処理方法を適用した液晶基板の製造方法を断面図によって工程順に示す工程図。
【図12】図1及び図2の水洗工程において採用することができる水洗装置を示す説明図。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係る基板処理方法を示すフローチャート。
【図14】本発明の第2の実施の形態に係る基板処理方法を示すフローチャート。
【図15】本発明の第2の実施の形態に係る基板処理方法を示すフローチャート。
【符号の説明】
SA …フルアッシング工程、SO1,SO2…オゾン水洗浄工程、SF1…フッ酸水溶液による洗浄工程、SW1〜SW3…水洗工程、SD …乾燥工程。

Claims (18)

  1. 基板上の残留下地材料を除去するアッシング処理を実施する工程と、
    前記アッシング処理後の基板に対する1回のオゾン水処理のみを有する洗浄工程とを具備したことを特徴とする基板処理方法。
  2. 基板上の残留下地材料を除去するアッシング処理を実施する工程と、
    前記アッシング処理後の基板に対するオゾン水処理及び該オゾン水処理後の水処理の1サイクルのみを有する洗浄工程とを具備したことを特徴とする基板処理方法。
  3. 基板上の残留下地材料を除去するアッシング処理を実施する工程と、
    前記アッシング処理後の基板に対するオゾン水処理と、フッ酸処理及び該フッ酸処理後の水処理との1サイクルのみを有する洗浄工程とを具備したことを特徴とする基板処理方法。
  4. 基板上の残留下地材料を除去するアッシング処理を実施する工程と、
    前記アッシング処理後の基板に対するオゾン水処理と、フッ酸処理及び該フッ酸処理後のオゾン水処理との1サイクルのみを有する洗浄工程とを具備したことを特徴とする基板処理方法。
  5. 基板上の残留下地材料を除去するアッシング処理を実施する工程と、
    前記アッシング処理後の基板に対するオゾン水処理、フッ酸処理、オゾン水処理及び水処理の1サイクルのみを有する洗浄工程とを具備したことを特徴とする基板処理方法。
  6. 前記オゾン水処理後に水処理を有することを特徴とする請求項1乃至5に記載の基板処理方法。
  7. 前記オゾン水は、濃度が20〜100ppmであることを特徴とする請求項1に記載の基板処理方法。
  8. 前記アッシング処理は、Oプラズマによるアッシング処理であり、該アッシング処理により前記残留下地材料を除去することを特徴とする請求項1に記載の基板処理方法。
  9. 前記フッ酸処理は、濃度が0.5〜2%のフッ酸水溶液による処理であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1つに記載の基板処理方法。
  10. 前記洗浄工程後に、乾燥工程を更に具備したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載の基板処理方法。
  11. 前記水処理は、霧状の水により物理的に洗浄を行うことを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1つに記載の基板処理方法。
  12. 前記アッシング処理する工程は、前記アッシング処理後の基板を冷却する工程を具備したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載の基板処理方法。
  13. 前記基板は、電気光学装置用基板であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一つに記載の基板処理方法。
  14. 基板を第1の搬送部によってアッシング部に搬送する工程と、
    前記アッシング部において前記基板をアッシングする工程と、
    アッシング後の基板を第2の搬送部によって前記アッシング部から洗浄部に搬送する工程と、
    前記洗浄部において前記基板をオゾン水によって処理して剥離洗浄する工程とを具備したことを特徴とする基板処理方法。
  15. 前記基板をアッシングする工程は、前記アッシング処理後の基板を冷却部に搬送して冷却した後前記第2の搬送部に与える工程を具備したことを特徴とする請求項14に記載の基板処理方法。
  16. 前記基板をアッシングする工程は、前記第1の搬送部によって搬送された基板を予備室に搬送してアッシング処理前に真空雰囲気下で待機させることを特徴とする請求項14に記載の基板処理方法。
  17. 基板を第1の搬送手段によってアッシング装置に搬送する工程と、
    前記アッシング装置において前記基板をアッシングする工程と、
    アッシング後の基板を第2の搬送手段によって前記アッシング装置から洗浄装置に搬送する工程と、
    前記洗浄装置において前記基板をオゾン水によって処理して剥離洗浄する工程とを具備したことを特徴とする基板処理方法。
  18. 請求項1乃至17のいずれか1つに記載の基板処理方法を用いて剥離洗浄を行った基板を用いて電気光学装置を製造することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
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