JP2004356324A - Method and apparatus of manufacturing wiring board - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層配線基板の各配線層間を電気的に接続するビアと、配線層に形成されたランドが高精度に位置決めされた配線基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の小型化、高性能化に伴い、産業用にとどまらず広く民生用機器の分野においてもLSI等の半導体チップを高密度に実装できる多層配線基板が安価に供給されることが強く要望されている。このような多層配線基板では微細な配線ピッチで形成された複数層の配線パターン間を高い接続信頼性で電気的に接続できることが重要である。
【0003】
第1の従来例として、このような市場の要望に対して従来の多層配線基板の層間接続の主流となっていたスルーホール内壁の金属めっき導体に代えて、多層配線基板の任意の電極を任意の配線パターン位置において層間接続できるインナービアホール接続法すなわち全層IVH構造樹脂多層基板が提案されている(下記特許文献1)。これは、多層配線基板のビアホール内に導電体を充填して必要な各層間のみを接続することが可能であり、部品ランド直下にインナービアホールを設けるために、基板サイズの小型化や高密度実装を実現することができる。また、インナービアホールにおける電気的接続は導電性ペーストを用いるために、ビアホールにかかる応力を緩和することができ、熱衝撃等による寸法変化に対して安定な電気的接続を実現できる。
【0004】
この全層IVH構造樹脂多層基板として図12A〜I示すような工程で製造される多層配線基板が従来から提案されている(例えば特許文献2参照)。まず、図12Aに示す701は電気絶縁性基材である。電気絶縁性基材としては、被圧縮性を有する多孔質基材やコアフィルムの両側に接着剤層が形成された3層構造のもの、繊維と樹脂の複合基材等が用いられる。図12Aに示すように電気絶縁性基材701の両側に保護フィルム702をラミネート加工によって貼り付ける。続いて、図12Bに示すように電気絶縁性基材701と保護フィルム702の全てを貫通するビアホール703をレーザー等によって形成する。次に図12Cに示すようにビアホール703に導電性ペースト704を充填する。この保護フィルムは電気絶縁性基材に導電性ペーストが残存しないようにする役割を果たす。その後、両側の保護フィルム702を剥離し、この状態で両側から箔状の配線材料705を積層配置すると図12Dに示した状態になる。ここで、電気絶縁性基材表面の保護フィルムを剥離する際に、電気絶縁性基材の面方向の寸法変化が発生する。この寸法変化は、保護フィルム702を電気絶縁性基材701に形成する際に発生した保護フィルムと電気絶縁性基材の間の応力が開放されるために生じる。次に図12Eに示す工程で配線材料705を加熱加圧することにより電気絶縁性基材701に接着させる。この時、電気絶縁性基材701が被圧縮性の特徴を持つ場合には、加熱加圧によって厚み方向に収縮する。また、この加熱加圧工程によって導電性ペースト704は厚み方向に圧縮される。この圧縮によって導電性ペースト内の金属フィラどうしが高密度に接触し、配線材料705と導電性ペースト704の電気的接続が実現される。次に、図12Fに示すように配線材料705をパターニングすることによって両面配線基板706が完成する。次に図12Gに示すように、両面配線基板706の両側に、図12A〜Dに示したのと同様の工程で形成した導電性ペーストが充填された電気絶縁性基材707と配線材料708を積層配置させる。この電気絶縁性基材に形成されているビアホールは、既に形成されている両面配線基板706の配線パターンを位置認識し、両面配線基板706の面方向の寸法変化測定結果をもとに、レーザー加工データを補正した状態で形成されている。この電気絶縁性基材707が既に述べた例と同様に、保護フィルム剥離の際に寸法変化する。図12Hに示す工程で配線材料708を加熱加圧することにより、電気絶縁性基材707に接着させる。このとき、同時に両面配線基板706と電気絶縁性基材707も接着する。この加熱加圧工程で図12Eに示した工程と同様に電気絶縁性基材707が厚み方向に収縮し、導電性ペースト709が厚み方向に圧縮される。この圧縮によって導電性ペースト709が配線材料708と両面配線基板上の配線710と高密度に接触し電気的な接続が実現される。次に、表層の配線材料708をパターニングすることによって図12Iに示す多層配線基板が完成する。ここでは、多層配線基板として4層基板の例を示したが、多層配線基板の層数は4層に限定されず、同様の工程でさらに多層化することができる。
【0005】
第2の従来例として、さらに高密度な層間接続を実現するためにインナービアホールのサイズを小さくし、また高い信頼性を実現するための構造が提案されている。ここで示した配線基板の製造方法および構造的特長について図13A−Iを用いて説明する。なお、既に図12で示した例と重複する部分については、説明を簡略化する。図13A〜Iは従来の配線基板の製造方法を主要工程ごとに示した断面図である。図13Aに示すように、電気絶縁性基材801の両側に保護フィルム802が形成されている。次に図13Bに示すように前記電気絶縁性基材を貫通するビアホール803を形成する。電気絶縁性基材としては、既に述べた例と同様に、被圧縮性を有する多孔質基材やコアフィルムの両側に接着剤層が形成された3層構造のもの、繊維と樹脂の複合基材が用いられる。また、ビアホールは炭酸ガスレーザー、エキシマレーザー、YAGレーザー等のレーザー加工によって形成されるのが生産性に優れた方法として一般的である。このビアホールに導電性ペーストを充填すると図13Cの状態となる。次に、図13Dに示した配線転写基材805は支持基材806と支持基材上に所望のパターンに形成された配線807によって構成されている。配線転写基材はアルミ箔上に銅箔が積層された複合箔を、銅箔のみ選択的に所望のパターンにエッチングして形成するのが一般的である。アルミ箔上への銅箔形成は、通常電解めっきによって行われており、アルミと銅の間の応力は非常に小さいものとなっている。すなわち、銅箔をエッチングし配線パターンを形成した際の、面方向の寸法変化が小さくなるような構造となっている。この配線転写基材805と表面の保護フィルムを剥離した電気絶縁性基材801、配線材料808を積層配置すると図13Dに示した状態となる。ここで、既に述べた第一の従来例と同様に、電気絶縁性基材表面の保護フィルムを剥離する際に、電気絶縁性基材の面方向の寸法変化が発生する。この寸法変化は、保護フィルム802を電気絶縁性基材802に形成する際に発生する、保護フィルムと電気絶縁性基材の間の応力が開放されるためである。図13A〜Dでは簡略化して、電気絶縁性基材の形成工程から説明しているが実際には、配線転写基材805をまず形成してもよい。この場合、既に形成されている配線パターンを位置認識し、配線807の位置にあわせてレーザー加工データを補正してビア加工を行うことができる。電気絶縁性基材の面方向の寸法変化をレーザー加工データに補正した状態で形成されている。図8Eに示すように、加熱加圧によって配線転写基材805、電気絶縁性基材801、配線材料808を接着する。このとき、電気絶縁性基材801に配線転写基材上の配線が埋設される。ビアホール803内に充填された導電性ペースト804が配線807の埋設によって効果的に圧縮され、導電性ペースト内の金属フィラが高密度に接触し、配線807、配線材料808間の電気的接続が確保される。次に、表面の配線材料808をエッチングによってパターニングすると図13Fに示す配線層が2層の配線基板809が形成される。引き続き、導電性ペーストが充填された電気絶縁性基材810の両側から、2層の配線基板809を位置決めし積層すると図13Gに示す状態となる。この電気絶縁性基材810は既に述べた電気絶縁性基材801と同様の製造方法にて製造される。また、図では簡略化して積層される配線転写基材を同一配線パターンで示しているが、実際には異なる配線パターンが用いられるのが一般的である。次に、加熱加圧によって電気絶縁性基材間を接着すると図13Hに示す状態となる。引き続き、表面の支持基材806を除去すると図13Iに示したように多層配線基板が完成する。ここで示した支持基材の除去は支持基材材料によって異なる方法で実施することができる。支持基材として金属材料を用いた場合には薬液による溶解にて除去することが生産性にすぐれた方法であり、支持基材として樹脂シートを用いた場合には機械的に剥離することが一般的である。
【0006】
ここでは、多層配線基板として4層基板の例を示したが、多層配線基板の層数は4層に限定されるず、同様の工程でさらに多層化することができる。
【0007】
第3の従来例として、図14A〜F示すような工程で製造される全層IVH構造樹脂多層配線基板が提案されている(例えば特許文献3)。この製造方法について図を用いて詳細に説明する。図14Aに示すように、電気絶縁性基材1001の片側に配線材料1002が接着されている。この配線材料形成は、プリプレグ状態の電気絶縁性基材の片側のみに配線材料をプレスによって貼り付けても良いし、配線材料として銅箔が電気絶縁性基材の両側に貼り付けられた、いわゆる銅張積層板の片面銅箔をエッチングによって除去しても構わない。次に、図14Bに示したように、電気絶縁性基材1001に穴底に配線材料1002が露出するように、ビアホール1003を形成する。このビアホール形成は第1、第2の従来例で述べたものと同様にレーザー加工を用いるのが一般的である。レーザー加工の状態によっては、ビアホール底に電気絶縁性基材の樹脂が残存する場合があり、レーザー加工後にプラズマもしくは薬液によってデスミアを実施することがより好ましい。次に、図14Cで示すように、ビアホール1003に導電体として電解めっきにて金属1004を析出させる。この電解めっきを実施する際に配線材料1002にて電極をとる。図示していないが、電解めっきを行う際には、配線材料面側には配線材料が電解液にさらされないように保護フィルムを形成する。また、電解めっきの際にビアホール部での電流密度が安定するように、電気絶縁性基材周辺に銅板等にて電極を形成しておくと良い。この電解めっきによる金属の析出は、少なくとも最表面には低融点金属を形成し、電気絶縁性基材の表面より突出するように形成しておく。低融点金属としては、スズ、はんだ等のめっき析出金属が用いられる。この低融点金属は、多層配線基板を形成する際に、ビアホールにおける層間の電気的な接続を確保するために設けられている。次に、図14Dで示すように、配線材料1002をエッチングし所望の配線1005を形成する。この配線1005のエッチングによって、電気絶縁性基材1001と配線材料1002が接触している面積が変化することで、電気絶縁性基材の寸法が面方向で変化する。この変化は、配線材料を電気絶縁性基材に貼り付けた際に両材料間に残留している応力のバランスが、配線材料をエッチングすることで変化することに起因する。それゆえに、配線パターンによってこの変化量はばらつく。また、配線材料と電気絶縁性基材間に発生している配線形成前の応力についても、基板によってばらつきを持っており、その結果として電気絶縁性基材の寸法ばらつきを大きく誘発するものとなっている。この寸法変化が原因となり、配線1005を形成する際に、ビアホール1003と配線として形成されているランドを位置決めすることが困難となっている。次に、図14Dに示した配線基板の中間体を両面配線基板1006の両側に位置決めし積層すると図10Eの状態となる。引き続き加熱加圧によって電気絶縁性基材1001を両面配線基板1006に接着させる。この際に、ビアホールに充填された金属1004の表面に形成された低融点金属が溶融し、両面配線基板上の配線の間で電気的な接続を確保することができ、図14Fに示した多層配線基板が製造される。この加熱加圧条件は、金属1004表面の低融点金属の融点以上で実施される。この電気絶縁性基材の接着は、電気絶縁性基材が熱硬化性樹脂を含み加熱加圧によって接着性が確保できない場合には、電気絶縁性基材表面に接着剤を塗布することで、接着性を確保できる。この接着剤については、溶融粘度が十分低く、低融点金属と配線間に接着剤が残存し、電気的接続を妨げることがないようにする。なお、ここで示した両面配線基板906は、従来例1で示した両面配線基板でも構わないし、図14Dに示した配線基板の中間体の片面にさらに金属めっきにて配線材料を析出させ、ビアホールでの電気的接続を確保したのち、配線材料をエッチングによってパターニングして得ることができる両面配線基板でも構わない。また、図14Eで示した位置決め積層は、図示した例に限定されるものではなく、図14Dで示した配線基板の中間体のみを積層し、多層配線基板を形成しても構わない。
【0008】
第4の従来例として、図15A〜F示すような工程で製造される全層IVH構造樹脂多層配線基板が提案されている(例えば特許文献4)。この製造方法について図を用いて詳細に説明する。図15Aに示すように、電気絶縁性基材901の片側に配線材料902が接着されている。この配線材料形成はプリプレグ状態の電気絶縁性基材の片側のみに配線材料をプレスによって貼り付けても良いし、配線材料となる銅箔が電気絶縁性基材の両側に貼り付けられた、いわゆる銅張積層板の片面銅箔をエッチングによって除去しても構わない。次に片側の配線材料902をエッチングし、所望の配線903を形成する(図15B)。この配線形成の際に電気絶縁性基材901の寸法変化が発生することは、既に述べた従来例3と同様である。次に、図15Cに示したように、電気絶縁性基材901に穴底に配線903が露出するように、ビアホール904を形成する。このビアホール形成は第1、第2の従来例で述べたものと同様にレーザー加工を用いるのが一般的である。レーザー加工の状態によっては、ビアホール底に電気絶縁性基材の樹脂が残存する場合があり、レーザー加工後にプラズマもしくは薬液によってデスミアを実施することがより好ましい。また、このレーザー加工については、既に配線903が形成されているので、この配線パターンを位置認識し、配線パターンの設計寸法からのずれをあらかじめ測定し、ビア加工データを補正することで、ビアホールが配置されるべきランドの上に高精度にビアホールを形成することができる。次に、ビアホール904に導電性ペースト905を充填すると図15Dの状態となる。導電性ペーストのバインダーとして有機溶剤を含む場合に、この有機溶剤は導電性ペーストの粘度を下げ、ビアホールへの充填性を高める目的で加えられることが一般的である。特に、図15に示した例のように、有底ビアホールへの導電性ペースト充填は、穴底まで導電性ペーストを高密度に充填することが難しく、減圧脱泡や真空中での印刷といった印刷工法を導入することで、より安定した導電性ペースト充填が実現できる。次に、導電性ペーストに含有される有機溶剤を除去するために、乾燥を行う。この乾燥工程は有機溶剤の沸点近傍で行うことが乾燥時間短縮の点で好ましい。しかし、この乾燥工程で電気絶縁性基材901の寸法変化が発生する。この寸法変化は、電気絶縁性基材の脱湿による寸法変化、電気絶縁性基材の樹脂骨格に起因する寸法変化、電気絶縁性基材の内部応力緩和による寸法変化、配線材料と電気絶縁性基材間の応力緩和等のさまざまな要因の複合した結果として表れる。また、図示していないが従来例1で述べた例と同様に、導電性ペーストを充填する際に保護フィルムを用いる場合には、保護フィルムの剥離による寸法変化がさらに付与される。次に、図15Dに示した配線基板の中間体を両面配線基板906の両側に位置決めし積層すると図15Eの状態となる。引き続き加熱加圧によって電気絶縁性基材901を両面配線基板906に接着させると共に、導電性ペースト905と両面配線基板上の配線の間で電気的な接続を確保することができ、図15Fに示した多層配線基板が製造される。なお、ここで示した両面配線基板906は、従来例1で示した両面配線基板でも構わないし、図15Dに示した配線基板の中間体の片面にシート状の配線材料を積層接着し、導電性ペースト905と配線材料間での電気的接続を確保した後に、配線材料をエッチングによってパターニングして得ることができる両面配線基板でも構わない。また、図15Eで示した位置決め積層は、図15Dで示した配線基板の中間体のみを積層し、多層配線基板を形成しても構わない。
【0009】
【特許文献1】
特開平6−268345号公報
【0010】
【特許文献2】
特開平7−283534、第7頁、第1図
【0011】
【特許文献3】
特開2002−111216、第5頁、第2図
【0012】
【特許文献4】
特開2000−38464、第7頁、第1図
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来例1、2に示した製造方法では、電気絶縁性基材表面に形成した保護フィルムを剥離する際の電気絶縁性基材の寸法変化が原因となり、配線パターンとして形成されたランドと、電気絶縁性基材に設けられた、ビアホールを合致させるために寸法変化ばらつきを許容できる程度までランド径を大きくする必要がある。また、上記した従来例3に示した製造方法では、配線をエッチングする際に電気絶縁性基材の寸法変化が発生する。この寸法変化ばらつきを許容するために、多層基板を形成する際の位置決め積層時にビアホールをランドに合致できるように、ランド径を大きくする必要がある。また、上記した従来例4に示した製造方法では、従来例3で述べた配線をエッチングする際の電気絶縁性基材の寸法変化に加え、導電性ペースト充填後の乾燥工程による電気絶縁性基材の寸法変化が発生する。この寸法変化ばらつきによって多層基板を形成する際の位置決め積層時に、配線パターンとして形成されたランドとビアホールを合致させるために、寸法変化を許容できる程度までランド径を大きくすることが必要となる。すなわち、上記した製造方法では、全層IVH構造の多層配線基板を形成する場合に、上記寸法変化ばらつきを許容するためにランド径を大きくする必要があり、これがランド径を微小化し、高密度な配線形成を実施する上での課題となっていた。また、この寸法変化がさらに高密度な配線基板を形成すべく、ビアホールを小径化し電気絶縁性基材を薄手化した際に顕著となり、高精細な多層配線基板を形成する際の課題となっている。
【0014】
本発明は、上記した課題を解決し、高精細な全層IVH構造の多層配線基板を形成することができる製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するため手段】
上記目的を達成するために、本発明の配線基板の製造方法は、電気絶縁性基材の両面に保護フィルムを貼り付け、前記電気絶縁性基材にビアホールを形成し、前記ビアホールに導電体を充填し、前記保護フィルムを除去し前記電気絶縁性基材を配線の被形成体に位置決め積層する工程とを備えた配線基板の製造方法において、前記位置決め積層工程では前記電気絶縁性基材を支持体に固定した状態で、非固定面の前記保護フィルムを除去し、さらに前記電気絶縁性基材を前記配線の被形成体に位置決め積層した後に、残存した側の保護フィルムを除去することを特徴とする。
【0016】
本発明の別の配線基板の製造方法は、電気絶縁性基材の片面に配線を形成し、前記電気絶縁性基材にビアホールを設けると共に穴底に配線を露出させ、前記ビアホールに導電体を充填し、前記電気絶縁性基材を配線の被形成体に位置決め積層する配線基板の製造方法において、前記導電体を充填する際、電気絶縁性基材の配線側面が支持体に固定されており、前記固定状態で位置決め積層することを特徴とする。
【0017】
本発明のさらに別の配線基板の製造方法は、片面に配線材料が形成された電気絶縁性基材に、穴底に配線材料が露出するようにビアホールを設け、前記ビアホールに導電体を充填し、前記配線材料をパターニングし、前記電気絶縁性基材を配線の被形成体に位置決めし積層する配線基板の製造方法において、前記配線を形成する際、電気絶縁性基材の導電体露出面側が支持体に固定されており、前記固定状態で位置決め積層することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる配線基板の製造方法によれば、電気絶縁性基材を支持体に固定した状態で、保護フィルムを除去するので、保護フィルムを除去することによる電気絶縁性基材の面方向の寸法変化を抑制することができる。また、片側の保護フィルムを除去した電気絶縁性基材を配線の被形成体に位置決め積層した後に、残存した側の保護フィルムを除去するので、この工程においても保護フィルムを除去することによる電気絶縁性基材の面方向の寸法変化を抑制することができる。その結果、電気絶縁性基材に形成されたビアホールと配線として形成されたランドを高精度に位置決めすることができるため、ランド径を小径化することが可能となる。
【0019】
上記した配線基板の製造方法において、前記電気絶縁性基材は、前記支持体側から減圧吸引することによって固定されることが好ましい。支持体側から減圧吸引にて電気絶縁性基材を固定することで、電気絶縁性基材の全面を固定でき電気絶縁性基材の寸法変化を微少領域にても抑制することができると共に、減圧吸引の切り替えによって容易に電気絶縁性基材の固定および解除を行うことができる。
【0020】
上記した配線基板の製造方法において、前記支持体に設けられた減圧吸引部は、固定時に前記電気絶縁性基材のビアホール形成領域の外側に位置するように設けられることがさらに好ましい。電気絶縁性基材が薄手化した場合、減圧吸引部で電気絶縁性基材が吸引された際のたわみが顕著化する。また、導電体が充填されたビアホールの裏面を減圧吸引部にて直接吸引すると導電体が脱落する場合がある。減圧吸引部をビアホール形成領域の外側に配置させることで、これらの課題を解決することができる。
【0021】
上記した配線基板の製造方法において、前記支持体と前記電気絶縁性基材の固定は、多孔質シートを介して行うことがより好ましい。多孔質シートを介して減圧吸引を行った場合、支持体に形成された減圧吸引部から吸引しているにもかかわらず、多孔質シート全面に吸引が広がることとなり、効果的に電気絶縁性基材の全面を固定することが可能となる。
【0022】
上記した配線基板の製造方法において、前記電気絶縁性基材は、前記支持体側に静電気を用い固定されることが好ましい。静電気による支持体への固定によれば電気絶縁性基材の面方向に引っ張りのテンションを付加することなく、電気絶縁性基材を固定することができ、電気絶縁性基材の固定による寸法変化をさらに抑制することが可能となる。
【0023】
上記した配線基板の製造方法において、前記位置決め積層工程における電気絶縁性基材と配線の被形成体の固定は、電気絶縁性基材を配線の被形成体より大きいものとし、配線の被形成体側を減圧吸引することで、電気絶縁性基材と配線の被形成体の間の空気を排出し密着させることによって行われることが好ましい。このように、電気絶縁性基材と配線の被形成体との間の空気を積極的に排除することにより、電気絶縁性基材が薄手化し基材としての剛性が低下した場合でも、しわを発生させることなく電気絶縁性基材を積層することが可能となる。
【0024】
上記した配線基板の製造方法において、前記位置決め積層工程における電気絶縁性基材と配線の被形成体の固定は、全面の加圧によって行うことが好ましい。配線の被形成体の固定を全面の加圧によって行うことで、電気絶縁性基材の全面が配線の被形成体に固定されるので保護フィルムを除去する際に、微少領域においても電気絶縁性基材が位置ずれすることがない。
【0025】
上記した配線基板の製造方法において、前記導電体は金属フィラと樹脂バインダーを含む導電性ペーストであり、前記支持体に前記電気絶縁性基材を固定する際に、樹脂バインダーを排出させることがより好ましい。配線材料と導電性ペースト中の金属フィラとの接触を妨げる導電性ペースト中の樹脂バインダーを、加熱加圧工程前に積極的に排出することによって結果として高密度な金属フィラと配線材料の接触を実現することができ、信頼性に優れたビアホール接続を実現できる。
【0026】
上記した配線基板の製造方法において、前記導電体は金属フィラと樹脂バインダーを含む導電性ペーストであり、前記電気絶縁性基材を前記配線の被形成体に固定する際に、樹脂バインダーを排出させることが好ましい。配線材料と導電性ペースト中の金属フィラとの接触を妨げる導電性ペースト中の樹脂バインダーを、加熱加圧工程前に積極的に排出することで結果として高密度な金属フィラと配線材料の接触を実現することができ、信頼性に優れたビアホール接続を実現できる。
【0027】
上記した配線基板の製造方法において、前記ビアホールの壁面に傾斜を設け、開口面積の小さい側を支持体側に固定することが好ましい。電気絶縁性基材の厚みが薄くなった場合、ビアホール壁面で導電性ペーストを保持している面積が実質的に低減する。その結果、保護フィルム除去の際にビアホールに充填された導電性ペーストが保護フィルムに取られやすくなる。また、ビアホールの開口面積の大きい側については保護フィルム壁面のテーパー形状が順tパーとなっているため、さらに導電性ペーストが取られやすくなっている。そこで、はじめに電気絶縁性基材と保護フィルムの両方の厚み分で導電性ペーストを保持した状態で、開口面積の大きい側の保護フィルムを除去する。次に保護フィルム除去後の開口面積の大きい側に露出した導電性ペーストを配線に接触させ、開口部分でも導電性ペーストの保持を行う。さらに、保護フィルム壁面のテーパー形状が逆テーパーの導電性ペーストが取られにくい側を最後に除去するようにする。これにより、保護フィルム除去による導電性ペーストの欠落を抑制することができ、ビアホールでの安定した電気的接続を確保することができる。
【0028】
本発明の別の製造方法によれば、導電体充填工程で、電気絶縁性基材の配線側面を支持体に固定することにより、導電体充填工程での電気絶縁性基材の寸法変化を抑制することができる。
【0029】
上記した配線基板の製造方法において、前記導電体は金属フィラと有機溶剤を含む導電性ペーストであり、前記導電体充填工程において有機溶剤の乾燥工程を含む。有機溶剤の乾燥工程を含む配線基板の製造方法の場合には、熱による電気絶縁性基材の寸法変化が大きい。そこで電気絶縁性基材の配線側面を支持体に固定することで、電気絶縁性基材の寸法変化抑制がより効果的なものとなる。
【0030】
上記した配線基板の製造方法において、前記配線形成工程では、支持体上に既に形成された配線を前記電気絶縁性基材に転写し、電気絶縁性基材に支持体を固定することがより好ましい。支持体上にあらかじめ配線を形成した配線転写基材を用いることで、配線転写基材の支持体と導電体充填工程での支持体を兼ねることが可能となり、効率的に配線基板を製造することができる。
【0031】
本発明の別の製造方法によれば、配線形成工程で、電気絶縁性基材の配線側面を支持体に固定することにより、導電体充填工程での電気絶縁性基材の寸法変化を抑制することができる。
【0032】
上記した配線基板の製造方法において、前記導電体が、めっきにて析出された金属であることを特徴とすることがより好ましい。導電体を金属にて形成することで、より抵抗値の低いビアホールを実現することができる。
【0033】
上記した配線基板の製造方法において、前記電気絶縁性基材が100μm厚み以下の、フィルムの両面に接着剤が形成された複合基材であることが好ましい。本発明の製造方法によって、寸法変化が発生しやすい100μm厚み以下のフィルムの両面に接着剤が形成された複合基材においても、効果的に寸法変化を抑制することが可能となる。その結果、積層時の位置決め精度を向上させることができる。
【0034】
上記した配線基板の製造方法において、前記電気絶縁性基材が100μm厚み以下の、繊維不織布もしくは繊維織布に樹脂が含浸された複合基材であることが好ましい。本発明の製造方法によって、寸法変化が発生しやすい100μm厚み以下の繊維不織布もしくは繊維織布に樹脂が含浸された複合基材においても、効果的に寸法変化を抑制することが可能となる。その結果、積層時の位置決め精度を向上させることができる。
【0035】
上記した配線基板の製造方法において、前記電気絶縁性基材が100μm厚み以下の、単一熱可塑性樹脂もしくは少なくとも熱可塑性樹脂を含む複合材料により形成される基材であることが好ましい。本発明の製造方法によって、寸法変化が発生しやすい100μm厚み以下の単一熱可塑性樹脂もしくは少なくとも熱可塑性樹脂を含む複合材料により形成される基材においても、効果的に寸法変化を抑制することが可能となる。その結果、積層時の位置決め精度を向上させることができる。
【0036】
以下、本発明にかかる実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0037】
(実施の形態1)
図1A〜Kは本実施形態にかかる配線基板の製造方法について主要工程を示した断面図である。なお、図1で示した製造方法について従来例1で既に述べた内容については説明を簡略化して説明する。まず、図1Aに示す101は電気絶縁性基材である。電気絶縁性基材としては、被圧縮性を有する多孔質基材やコアフィルムの両側に接着剤層が形成された3層構造のもの繊維と樹脂の複合基材が用いられる。図1Aに示すように電気絶縁性基材101の両側に保護フィルム102をラミネート加工によって貼り付ける。このラミネートの際に、電気絶縁性基材と保護フィルムが高温状態で接着するため、電気絶縁性基材と保護フィルムの熱膨張係数の違いに起因する応力が電気絶縁性基材と保護フィルム界面に発生している。また、ラミネート加工は保護フィルム材料に引っ張りテンションを加えながら実施するので、引っ張りによる保護フィルムの寸法変化も応力の要因のひとつとなっている。また、保護フィルムとしてはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の樹脂フィルムが用いられ、厚みは5μm〜20μm程度のものが用いられる。
【0038】
続いて、図1Bに示すように電気絶縁性基材101と保護フィルム102の全てを貫通するビアホール103をレーザー加工、パンチ加工等によって形成する。ビアホールの壁面に傾斜を設ける場合には、レーザー加工を用いることがより好ましい。レーザー加工の場合には電気絶縁性基材の表裏面でレーザーエネルギーにさらされる状態が異なるため、レーザー条件を変えることでビアホール壁面での傾斜形状任意に制御することが容易である。
【0039】
次に図1Cに示すようにビアホール103に導電性ペースト104を充填する。ここで、導電性ペーストとしては金属フィラと樹脂バインダーが含まれる材料を用いる。金属フィラとしては、銅、銀、金、スズ、はんだ、およびこれらの合金が用いられ、樹脂バインダーとしてはエポキシ、ポリイミド等の熱硬化性樹脂が用いられるのが一般的である。
【0040】
次に、電気絶縁性基材の片面側を支持体105にて固定する(図1D)。この支持体による固定で、表面の保護フィルムを剥離する際の電気絶縁性基材の面方向の寸法変化を抑制している。ここでは、ビアホール103の開口面積が小さい側を支持体にて固定している。一般的にビアホールの開口面積の大きい側については保護フィルム壁面のテーパー形状が順テーパーであり、より導電性ペーストが取られやすくなっている。そこで、後に詳しく述べるように、電気絶縁性基材と保護フィルムの両方の厚み分で導電性ペーストを保持した状態で、開口面積の大きい側の保護フィルムを除去する。次に保護フィルム除去後の開口面積の大きい側に露出した導電性ペーストを配線に接触させ、開口部分でも導電性ペーストの保持を行う。さらに、保護フィルム壁面のテーパー形状が逆テーパーの導電性ペーストが取られにくい側を最後に除去する。これにより、保護フィルム除去による導電性ペーストの欠落を抑制することができ、ビアホールでの安定した電気的接続を確保することができる。
【0041】
この支持体105での電気絶縁性基材の固定は、図3A、Bに示したように支持体105に減圧吸引部108を形成して実施できる。ここでは、減圧吸引部として溝形状を形成した例を示しており、減圧吸着溝を電気絶縁性基材のビアホール形成領域の外側に位置するように設けられている。電気絶縁性基材が薄手化した場合、減圧吸引部で電気絶縁性基材が吸引された際のたわみが顕著化する。また、導電体が充填されたビアホールの裏面を減圧吸引部にて直接吸引すると導電体が脱落する場合がある。減圧吸引部をビアホール形成領域の外側に配置させることで、これらの課題を解決することができる。
【0042】
また、支持体105の減圧吸引部108の配置は図4A、Bに示すように、孤立した減圧吸引部をビアホール形成領域の外側に位置するように設けてもよい。このように孤立した減圧吸引部を設けることで、電気絶縁性基材を面方向に引っ張るテンションを低減することができ、結果として電気絶縁性基材の面方向の寸法変化を抑制することができる。図では孤立した減圧吸引部として円形状の例を示しているが、形状についてはこれに限定されるものではなく孤立していれば同様の効果が得られる。
【0043】
なお、図では電気絶縁性基材の全面を支持体105で固定する場合を示しているが、固定の方法はこれに限定されるものではなく、枠状の支持基材を用い、電気絶縁性基材の周辺を固定しても同様の効果が得られる。
【0044】
また、図5に示すように、電気絶縁性基材と支持体105の間に、多孔質フィルム109を設けることがより好ましい。多孔質シートを介して減圧吸引を行った場合、支持体に形成された減圧吸引部から吸引しているにもかかわらず、多孔質シート全面に吸引が広がることとなり、効果的に電気絶縁性基材の全面を減圧吸引にて固定することが可能となる。この結果、電気絶縁性基材の面方向の寸法変化を抑制することができる。
【0045】
また、図6に示すように、この支持体への電気絶縁性基材の固定に静電気を用いることもできる。静電気による支持体への固定によれば電気絶縁性基材の面方向に引っ張りのテンションを付加することなく、電気絶縁性基材を固定することができ、電気絶縁性基材の固定による寸法変化をさらに抑制することが可能となる。
【0046】
その後、表面の保護フィルム102を剥離すると図1Eに示す状態となる。電気絶縁性基材の片面を固定しているので、この保護フィルム剥離の際に、ビアホールの位置が変化することはない。この状態では図示したように導電性ペーストが電気絶縁性基材表面より保護フィルムの厚み分突出したものとなり、導電性ペースト量を多く確保することができる。
【0047】
次に、両面配線基板106の上にビアホールが両面配線基板106のランドと合致するように位置決めし積層する。ここで図では、両面配線基板106は従来例として既に説明した図12A〜Fの製造方法によって形成される両面配線基板を示した。この両面配線基板としては、ビアホールが導電体によって充填されていれば他の従来例で示した両面配線基板を用いても構わない。
【0048】
次に図1Fに示す工程で電気絶縁性基材を両面配線基板の上に仮固定する。この仮固定は電気絶縁性基材の周辺部を局所的に加熱し電気絶縁性基材の樹脂を溶融させ接着してもよい。なお、この仮固定方法としては、常温でタック性を有する粘着剤を用いて温度をかけることなく仮固定することもできる。また、この仮固定は電気絶縁性基材が面方向に寸法変化するのを抑制することができれば十分であり、支持体105側より常温で加圧し電気絶縁性基材と両面配線基板とが物理的に密着する程度でも構わない。このように仮固定を全面の加圧によって行うことで、電気絶縁性基材の全面が両面配線基板の配線上に固定されるので後の工程で保護フィルムを除去する際に、微少領域においても電気絶縁性基材が位置ずれすることがない。
【0049】
また、両面配線基板上への電気絶縁性基材の位置決め積層は、図7A〜Bに示した製造方法によっても行うことができる。図7Aに示したように電気絶縁性基材1101が支持体1102によって固定されており、表面の保護フィルムが除去されている。この電気絶縁性基材が位置決め積層した後に、両面配線基板1103は、支持体1104の内側に設けられた減圧吸引部1105にて固定されている。ここで、電気絶縁性基材1101は両面配線基板1103より大きく設定されており、両面配線基板1103の周辺で支持体1104の減圧吸引部1106が露出している。
【0050】
次に図11Bに示すように、位置決め積層した後に、減圧吸引部1106を吸引し、減圧吸引部1107の吸引を開放することで、電気絶縁性基材1101を支持体1104に固定する。この1107の吸引を開放する際に吸引部を常圧にし、完全に吸引力を除去することがより好ましい。このように、電気絶縁性基材と両面配線基板との間の空気を積極的に排除することにより、電気絶縁性基材が薄手化し基材としての剛性が低下した場合でも、しわを発生させることなく電気絶縁性基材を積層することが可能となる。
【0051】
次に支持体105を除去すると図1Gに示す状態となる。ここで表面の保護フィルム102を剥離すると図1Hに示す状態となる。ここで、保護フィルムを剥離した面では、既に説明したように導電性ペーストが電気絶縁性基材表面より突出した形状となっている。引き続き、図1Iに示すように電気絶縁性基材表面に配線材料107を積層する。この状態で加熱加圧することにより電気絶縁性基材を接着すると図1Jに示す状態となる。この加熱加圧工程は電気絶縁性基材101が完全に両面配線基板106と接着する条件で行われる。一例として電気絶縁性基材に熱硬化性の樹脂が含まれる場合には、この熱硬化性樹脂が完全に硬化する条件で行われる。また、導電性ペーストに熱硬化性の樹脂が含まれる場合には、この加熱加圧工程で導電性ペースト内の樹脂も硬化させることが必要である。具体的には、熱硬化性の樹脂としてエポキシ樹脂を用いた場合に、50kgf/cm2、200℃、1時間の加熱加圧条件でこれらを硬化できる。
【0052】
また、この加熱加圧工程の際に、導電性ペーストに含まれる金属フィラが高密度に接触することがビアホールにおける電気的接続を安定化する点で重要である。電気絶縁性基材として被圧縮性のものを用いると、この加熱加圧工程の際に厚み方向に電気絶縁性基材が収縮し、金属フィラのより高密度な接触が実現される。
また、支持体105に電気絶縁性基材101を固定する際に、図5で示した例のように多孔質シート109を介し電気絶縁性基材を吸引し、ビアホール部分の導電性ペースト内に含まれる樹脂バインダーを多孔質シートに吸い取ることがより好ましい。配線材料と導電性ペースト中の金属フィラの接触を妨げる導電性ペースト中の樹脂バインダーを、加熱加圧工程前に積極的に排出することで、結果として高密度な金属フィラと配線材料の接触を実現することができ、信頼性に優れたビアホール接続を実現できる。
【0053】
この導電性ペースト中の樹脂バインダーの排出を、図1Gで示した電気絶縁性基材101を両面配線基板106の上に仮固定した状態で、保護フィルム102の側よりさらに実施しても同様の効果が得られる。図8Aに示した電気絶縁性基材1201の導電性ペースト露出面に対して、図8Bに示すように、樹脂の吸い取り効果の大きな多孔質フィルム等を積層し、加圧を加えることによって導電性ペーストの樹脂バインダーを排出させることができる。さらに効果的には多孔質フィルム1202の面側より減圧吸引することがより好ましい。なお、図8では配線転写基材206上に電気絶縁性基材を積層する例を図示しているが、配線転写基材206が両面配線基板であっても同様である。
【0054】
次に、表層の配線材料107をパターニングすることによって図1Kに示す多層配線基板が完成する。ここでは、多層配線基板として図12Fで示した両面配線基板の片側に電気絶縁性基材を1層積層し3層配線基板を形成する例を示したが、図1Eで示した積層を両面配線基板の両側より実施し、図7の例と同様に4層配線基板を形成しても同様の効果が得られる。また、多層配線基板の層数は4層に限定されるものではなく、同様の工程でさらに多層化することができる。
【0055】
また、図1では図12で示した従来例に対応して、両面配線基板上に電気絶縁性基材を積層する例を用いて説明したが、図13で示した配線転写基材上への電気絶縁性基材の積層の場合についても、本発明により同様の効果を得ることができる。図2A〜Lに図13A〜Fに対応する製造方法を示し、重複する部分については、簡略化して説明する。
【0056】
図2Aに示すように、電気絶縁性基材201の両側に保護フィルム202を形成する。次に、電気絶縁性基材と保護フィルムを貫通するビアホール203をレーザー加工等によって形成する。このビアホール203に導電体として導電性ペースト204を充填すると図2Cに示す状態となる。引き続き、図2Dに示すように、支持体205にて電気絶縁性基材を固定し、表面の保護フィルム202を剥離すると図2Eの状態となる。この保護フィルム剥離の際に、電気絶縁性基材が支持体に固定されているために、電気絶縁性基材の面方向の寸法変化が抑制されている。次に、図2Fに示すように、あらかじめ所望の配線パターンが形成された配線転写基材206上に、電気絶縁性基材を位置決め積層し、仮固定すると図2Gの状態となる。次に、図2Hに示すように、支持体205を除去し、表面の保護フィルム202を除去すると図2Iの状態となる。この保護フィルム202の除去の際にも、電気絶縁性基材は配線転写基材の上に仮固定されているために、電気絶縁性基材が面方向に寸法変化することを抑制している。この状態で図2Jに示すように、表面より配線材料207を積層し加熱加圧によって電気絶縁性基材を配線転写基材に接着すると共に、導電性ペーストを熱硬化させビアホールにおける電気的接続を確保すると、図2Lに示した状態が得られる。
【0057】
このような製造方法を用いることで、図13に示した従来例に比べて、電気絶縁性基材の面方向の寸法変化を抑制することができ、結果としてビアホールとランドの合致精度を高めると共に、ランド径を小さくしより高密度な多層配線基板を提供することが可能となる。
【0058】
(実施の形態2)
図9A〜Hは本実施形態にかかる配線基板の製造方法について主要工程を示した断面図である。なお、図9で示した製造方法について従来例2で既に述べた内容については説明を簡略化して説明する。図9Aに示すように、電気絶縁性基材1301の片側に配線材料1302が接着されている。この配線材料形成は、プリプレグ状態の電気絶縁性基材の片側のみに配線材料をプレスによって貼り付けても良いし、配線材料として銅箔が電気絶縁性基材の両側に貼り付けられた、いわゆる銅張積層板の片面銅箔をエッチングによって除去しても構わない。電気絶縁性基材としては、被圧縮性を有する多孔質基材やコアフィルムの両側に接着剤層が形成された3層構造のもの繊維と樹脂の複合基材が用いられる。次に、図9Bに示したように、電気絶縁性基材1301に穴底に配線材料1302が露出するように、ビアホール1303を形成する。このビアホール形成はレーザー加工を用いるのが一般的である。レーザー加工の状態によっては、ビアホール底に電気絶縁性基材の樹脂が残存する場合があり、レーザー加工後にプラズマもしくは薬液によってデスミアを実施することがより好ましい。次に、図9Cで示すように、ビアホール1303に導電体として電解めっきにて金属1304を析出させる。この電解めっきによる金属の析出は、少なくとも最表面には低融点金属を形成し、電気絶縁性基材の表面より突出するように形成しておく。低融点金属としては、スズ、はんだ等のめっき析出金属が用いられる。この低融点金属は、多層配線基板を形成する際に、ビアホールにおける層間の接続を確保するために設けられている。次に、図9Dで示すように、支持体1305にて電気絶縁性基材1301を固定し、この状態で表面の配線材料1302をエッチングし所望の配線1306を形成する。支持体1305としては、金属の表面に接着剤が形成されたものを用いる。ここで形成する接着剤は、後に電気絶縁性基材1301の表面に残存させることがより好ましく、接着剤としては、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等を用いることができる。この接着剤は、支持体と電気絶縁性基材を固定する際には、未硬化状態である。支持体1305を固定する接着剤としては、電気絶縁性基材を面方向に寸法変化させない程度の密着力で十分であり、かならずしも接着剤が硬化している必要はない。また、支持体の金属としてはエッチングの際の薬液で侵食されない材料を用いる必要があり、ここではステンレス箔を用いた。後にステンレス箔を容易に剥離できるように、ステンレス箔表面には離型処理が施してある。これによって、ステンレス箔を剥離した後に、接着剤が電気絶縁性基材上に残存する。次に、図9Eに示すように、エッチングにて配線形成した面を支持体1307に固定する。この固定は後の位置決め積層後に容易に取外せることが好ましく、ここでは、アルミ板に減圧吸引部を設け、減圧吸着にて固定した。引き続き、支持体1305を剥離除去すると図9Fの状態となる。このとき、既に述べたように電気絶縁性基材の表面に接着剤が残存している。このように、電気絶縁性基材を固定した状態で表面の配線材料をエッチングするので、配線材料を電気絶縁性基材に貼り付けた際に両材料間に残留している応力のバランスが、配線材料をエッチングすることで変化しても、電気絶縁性基材が寸法変化することはない。次に、図9Fに示した配線基板の中間体を両面配線基板1308の両側に位置決めし図9Gに示すように積層する。この状態で、電気絶縁性基材1301を両面配線基板上に仮固定し、支持体1307を除去すると図9Hの状態となる。ここでの仮固定については、電気絶縁性基材1301の表面に接着剤が形成されているので、この接着剤の粘着性を利用するのが効率的であるが、あらためて電気絶縁性基材上に接着剤を形成してももちろん構わない。引き続き加熱加圧を行うことで、電気絶縁性基材1301を両面配線基板1308に接着させると共に、ビアホールに充填された金属1304の表面に形成された低融点金属が溶融し、両面配線基板上の配線との間で電気的な接続が確保される。結果として、多層配線基板が製造される。この加熱加圧条件が、金属1304表面の低融点金属の融点以上で実施される。この電気絶縁性基材の接着は、電気絶縁性基材が熱硬化性樹脂を含み加熱加圧によって接着性が確保できない場合には、電気絶縁性基材表面に接着剤を塗布し接着性を確保する。この接着剤については、溶融粘度が十分低く、低融点金属と配線間に接着剤が残存し、電気的接続を妨げることがない。なお、ここで示した両面配線基板1308が特に限定されるものではないことは、既に従来例で述べた場合と同様である。また、図9Gで示した位置決め積層は、図示した例に限定されるものではなく、図9Fで示した配線基板の中間体のみを順次積層し、最後に加熱加圧を行うことで、多層配線基板を形成しても構わない。
【0059】
(実施の形態3)
図10A〜Fは本実施形態にかかる配線基板の製造方法について主要工程を示した断面図である。なお、図10で示した製造方法について従来例4で既に述べた内容については説明を簡略化して説明する。
【0060】
図10Aに示すように、電気絶縁性基材1401の片側に配線材料1402が接着されている。この配線材料形成はプリプレグ状態の電気絶縁性基材の片側のみに配線材料をプレスによって貼り付けても良いし、配線材料として銅箔が電気絶縁性基材の両側に貼り付けられた、いわゆる銅張積層板の片面銅箔をエッチングによって除去しても構わない。電気絶縁性基材としては、被圧縮性を有する多孔質基材やコアフィルムの両側に接着剤層が形成された3層構造のもの、繊維と樹脂の複合基材が用いられる。ここで、電気絶縁性基材に含まれる樹脂成分としては、熱可塑性の樹脂を含むことがより好ましい。後に詳しく述べるが、本実施の形態において、熱硬化樹脂を含む電気絶縁性基材を用いた場合には、導電性ペーストに含まれる有機溶剤を除去するための乾燥工程があるために、乾燥時の熱で熱硬化性樹脂の硬化が進行してしまう。すなわち、電気絶縁性基材の硬化コントロールを厳格に制御する必要がある。一方、熱可塑性樹脂を用いる場合には、このような樹脂の硬化コントロールを施す必要がないので、製造しやすい利点がある。次に片側の配線材料1402をエッチングし、所望の配線1403を形成する。この配線形成の際に電気絶縁性基材1401の寸法変化が発生することは、既に述べた実施の形態2と同様であり、実施の形態2で述べた方法で、電気絶縁性基材を固定することでこの寸法変化を抑制することができる。次に、図10Cに示したように、電気絶縁性基材1401に穴底に配線1403が露出するように、ビアホール1404を形成する。このビアホール形成はレーザー加工を用いるのが一般的である。レーザー加工の状態によっては、ビアホール底に電気絶縁性基材の樹脂が残存する場合があり、レーザー加工後にプラズマもしくは薬液によってデスミアを実施することがより好ましい。また、このレーザー加工については、既に配線1403が形成されているので、この配線パターンを位置認識し、配線パターンの設計寸法からのずれをあらかじめ測定し、ビア加工データを補正することで、ビアホールが配置されるべきランドの上に高精度にビアホールを形成することができる。
【0061】
次に、電気絶縁性基材1401を支持体1405で固定した状態でビアホール1404に導電性ペースト1406を充填すると図10Dの状態となる。ここでの支持体1405への固定は、既に実施の形態1で述べたものと同様の方法で実現することができる。また、導電性ペーストの金属フィラとしては、実施の形態1で述べたものと同様に、金属フィラとしては、銅、銀、金、スズ、はんだ、およびこれらの合金が用いることができる。導電性ペーストのバインダーとして有機溶剤を含んでも構わない。この有機溶剤は導電性ペーストの粘度を下げ、ビアホールへの充填性を高める目的で加えられることが一般的である。特に、図10Cに示した例のように、有底ビアホールへの導電性ペースト充填は、穴底まで導電性ペーストを高密度に充填することが難しく、導電性ペースの粘度調整だけでなく、減圧脱泡や真空中での印刷といった印刷工法を導入することで、より安定した導電性ペースト充填が実現できる。次に、導電性ペーストに含有される有機溶剤を除去するために、乾燥を行う。この乾燥工程は有機溶剤の沸点近傍で行うことが乾燥時間短縮の点で好ましい。電気絶縁性基材が支持体1405にて固定されているために、乾燥工程における電気絶縁性基材の面方向の寸法変化を抑制することができている。
【0062】
また、図示していないが従来例1で述べた例と同様に、導電性ペーストを充填する際に保護フィルムを用いる場合には、保護フィルムの剥離による寸法変化がさらに付与される。この寸法変化も、電気絶縁性基材を支持体1405にて固定することで抑制することができる。
【0063】
次に、図10Dに示した配線基板の中間体を図10Eに示したように両面配線基板1407の両側に位置決め積層し、支持体1405を除去すると図10Fの状態となる。引き続き加熱加圧によって電気絶縁性基材1401を両面配線基板1407に接着させると共に、導電性ペースト1406と両面配線基板上の配線との間で電気的な接続を確保すると多層配線基板が製造される。なお、ここで示した両面配線基板1407が特に限定されるものではないことは、既に述べた例と同様である。また、図10Eで示した位置決め積層は、図示した例に限定されるものではなく、図10Dで示した配線基板の中間体のみを順次積層し、最後に加熱加圧を行うことで、多層配線基板を形成しても構わない。
【0064】
また、図11A〜Fに示した配線基板の製造方法でも同様の効果を実現することができる。図11A〜Fは配線基板の製造方法について主要工程を示した断面図である。なお、図11で示した製造方法について図10で既に述べた内容については説明を簡略化して説明する。
【0065】
図11Aに示すように、支持体1502の表面に所望のパターンで配線1501を形成し配線転写基材1503を形成する。この配線転写基材は支持体1502として金属箔が用いられ、表面に配線材料が積層されている。本実施の形態で示す製造方法においては、後の工程で支持体1502を機械的に剥離することが生産性の点でより好ましく、配線材料は支持体1502と金属結合しているのではなく、支持体1502に物理的に保持されている程度のものが好ましい。すなわち、支持体1502を機械的に剥離除去できる程度の密着力が適当である。この密着を実現するために、支持体1502上に微粘着の接着剤層を形成してもよいし、粘着性を発生しない熱可塑性樹脂を支持体1502と配線材料1501の界面に形成し、熱可塑性樹脂を微視的に支持体1502と配線1501に密着させてアンカー効果にて保持しても構わない。
【0066】
次に図11Bで示すように、電気絶縁性基材1504を配線転写基材1503の上に積層接着する。電気絶縁性基材としては、被圧縮性を有する多孔質基材やコアフィルムの両側に接着剤層が形成された3層構造のもの、繊維と樹脂の複合基材を用いることができ、さらに好ましくは、電気絶縁性基材に熱可塑性の樹脂を含むことは既に述べた例と同様である。
【0067】
次に、図11Cに示したように、電気絶縁性基材1504に穴底に配線1501が露出するように、ビアホール1505を形成する。先の述べた例と同様に、このビアホール形成はレーザー加工を用いるのが一般的である。
【0068】
次に、電気絶縁性基材1504を配線転写基材1503の支持体1502で固定した状態でビアホール1505に導電性ペースト1506を充填すると図11Dの状態となる。既に述べた例と同様に、図示した有底ビアホールへ導電性ペーストを充填する際には、導電性ペーストに有機溶剤を含んでいることが充填性の点でより好ましく、導電性ペースト充填後に有機溶剤の乾燥工程を実施する。ここで、電気絶縁性基材が支持体1502にて固定されているために、乾燥工程における電気絶縁性基材の面方向の寸法変化を抑制することができる。
【0069】
次に、図11Dに示した配線基板の中間体を図11Eに示したように両面配線基板1507の両側に位置決めし積層し、支持体1502を除去すると図11Fの状態となる。引き続き加熱加圧によって電気絶縁性基材1504を両面配線基板1507に接着させると共に、導電性ペースト1506と両面配線基板上の配線との間で電気的な接続を確保すると多層配線基板が製造される。なお、ここで示した両面配線基板1507が特に限定されるものではないことは、既に述べた例と同様である。
【0070】
また、図11Eで示した位置決め積層は、図示した例に限定されるものではなく、図11Dで示した配線基板の中間体のみを順次積層し、最後に加熱加圧を行うことで、多層配線基板を形成しても構わない。
【0071】
このように、配線転写基材上に電気絶縁性基材を積層することで、支持体を後の工程で貼り付けることなく配線基板を製造することができ、生産性に優れた方法で配線基板を形成することができる。
【0072】
なお、上記した実施の形態1〜実施の形態4で示した電気絶縁性基材については、その厚みが寸法変化に大きく影響する。
【0073】
電気絶縁性基材として、100μm厚み以下の、フィルムの両面に接着剤が形成された複合基材を用いた場合には、保護フィルムのラミネートによる応力の影響が、電気絶縁性基材の寸法変化に大きく影響し、本発明の製造方法を採用することによる寸法変化抑制の効果が顕著である。
【0074】
また、電気絶縁性基材として100μm厚み以下の、繊維不織布もしくは繊維織布に樹脂が含浸された複合基材を用いた場合には、電気絶縁性基材中の繊維の粗密によって、基板面内での物性差が顕著となり、面内での寸法変化挙動にばらつきが大きく生じる。この電気絶縁性基材面内の寸法変化ばらつきを抑制する点で本実施形態の方法は効果的である。
【0075】
また、電気絶縁性基材として100μm厚み以下の、単一熱可塑性樹脂もしくは少なくとも熱可塑性樹脂を含む複合材料を用いた場合は、電気絶縁性基材の剛性が低いために電気絶縁性基材のうねり等が発生しやすく、電気絶縁性基材同士を寸法精度よく位置決め積層することが困難である。この課題を解決する点でも本発明による配線基板の製造方法は効果的である。
【0076】
【発明の効果】
以上のように本発明の配線基板の製造方法によれば、全層IVH構造の多層配線基板を形成する場合に、電気絶縁性基材の寸法変化ばらつきを抑制することができる。また、本発明によれば、ビアホール径を小径化し電気絶縁性基材を薄手化した際でも同様の効果が得られ、多層配線基板製造時の位置決め積層精度を向上させることができる。すなわち、本発明によれば、高精細な全層IVH構造の多層配線基板を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】A〜Kは本発明の実施の形態1で示す配線基板の製造方法の主要工程を示す断面図である。
【図2】A〜Lは本発明の本実施の形態1で示す別の配線基板の製造方法の主要工程を示す断面図である。
【図3】Aは本発明の実施の形態1で示す電気絶縁性基材の支持体への固定状態を示す断面図、Bは同支持体の減圧吸引部配置を示す図である。
【図4】Aは本発明の実施の形態1で示す電気絶縁性基材の支持体への固定状態を示す断面図、Bは同支持体の減圧吸引部配置を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1で示す電気絶縁性基材の支持体への固定状態を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態1で示す電気絶縁性基材の支持体への固定状態を示す断面図である。
【図7】A〜Bは本発明の実施の形態1で示す電気絶縁性基材の位置決め積層工程を示す断面図である。
【図8】A〜Bは本発明の実施の形態1で示す導電性ペーストの樹脂バインダーを排出する方法を示した断面図である。
【図9】A〜Hは本発明の実施の形態2で示す配線基板の製造方法の主要工程を示す断面図である。
【図10】A〜Fは本発明の実施の形態3で示す配線基板の製造方法の主要工程を示す断面図である。
【図11】A〜Fは本発明の実施の形態3で示す配線基板の製造方法の主要工程を示す断面図である。
【図12】A〜Iは従来の配線基板の製造方法の主要工程を示す断面図である。
【図13】A〜Iは従来の配線基板の製造方法の主要工程を示す断面図である。
【図14】A〜Fは従来の配線基板の製造方法の主要工程を示す断面図である。
【図15】A〜Fは従来の配線基板の製造方法の主要工程を示す断面図である。
【符号の説明】
101,201,701,707,801,810,901,1001,1101,1201,1301 電気絶縁性基材
102,202,702,802 保護フィルム
103,203,703,803,904,1003,1303 ビアホール
104,204,704,709,804,905 導電性ペースト
105,205,1102,1104 支持体
106,206,706,906,1006,1103 両面配線基板
107,705,708,808,902,1002,1302 配線材料
108,1105,1106,1107 減圧吸引部
109,1202 多孔質フィルム
710,807,903,1005 配線
805 配線転写基材
806 支持基材
809 2層の配線基板[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method of manufacturing a wiring board in which vias for electrically connecting respective wiring layers of a multilayer wiring board and lands formed in the wiring layer are positioned with high precision.
[0002]
[Prior art]
In recent years, with the miniaturization and high performance of electronic devices, multilayer wiring boards on which semiconductor chips such as LSIs can be mounted at a high density have been strongly supplied inexpensively in the field of consumer devices as well as in industrial applications. Requested. In such a multilayer wiring board, it is important that a plurality of wiring patterns formed at a fine wiring pitch can be electrically connected with high connection reliability.
[0003]
As a first conventional example, an arbitrary electrode of a multilayer wiring board is replaced with a metal-plated conductor on the inner wall of a through-hole, which has been the mainstream of the conventional interlayer connection of a multilayer wiring board in response to such market demand. An inner via hole connection method that allows interlayer connection at the wiring pattern position, that is, an all-layer IVH structure resin multilayer substrate has been proposed (Patent Document 1 below). This is because it is possible to fill the via hole of the multilayer wiring board with a conductor and connect only the necessary layers, and to provide the inner via hole directly below the component land, so that the board size can be reduced and high-density mounting can be achieved. Can be realized. In addition, since the conductive connection is used for the electrical connection in the inner via hole, the stress applied to the via hole can be reduced, and stable electrical connection can be realized against a dimensional change due to thermal shock or the like.
[0004]
A multilayer wiring board manufactured by the steps shown in FIGS. 12A to 12I has been conventionally proposed as this all-layer IVH structure resin multilayer board (for example, see Patent Document 2). First, 701 shown in FIG. 12A is an electrically insulating base material. As the electrically insulating substrate, a porous substrate having compressibility, a three-layer structure in which an adhesive layer is formed on both sides of a core film, a composite substrate of fiber and resin, and the like are used. As shown in FIG. 12A,
[0005]
As a second conventional example, there has been proposed a structure for reducing the size of an inner via hole in order to realize higher-density interlayer connection and realizing high reliability. The manufacturing method and structural features of the wiring board shown here will be described with reference to FIGS. Note that the description of the portions already described with reference to FIG. 12 will be simplified. 13A to 13I are cross-sectional views illustrating a conventional method of manufacturing a wiring board for each main process. As shown in FIG. 13A,
[0006]
Here, an example of a four-layer board is shown as the multilayer wiring board. However, the number of layers of the multilayer wiring board is not limited to four, and the number of layers can be further increased in the same process.
[0007]
As a third conventional example, an all-layer IVH structure resin multilayer wiring board manufactured by the steps shown in FIGS. 14A to 14F has been proposed (for example, Patent Document 3). This manufacturing method will be described in detail with reference to the drawings. As shown in FIG. 14A, a
[0008]
As a fourth conventional example, there has been proposed an all-layer IVH structure resin multilayer wiring board manufactured by steps shown in FIGS. 15A to 15F (for example, Patent Document 4). This manufacturing method will be described in detail with reference to the drawings. As shown in FIG. 15A, a
[0009]
[Patent Document 1]
JP-A-6-268345
[0010]
[Patent Document 2]
JP-A-7-283534, page 7, FIG.
[0011]
[Patent Document 3]
JP-A-2002-111216, page 5, FIG.
[0012]
[Patent Document 4]
JP-A-2000-38464, page 7, FIG.
[0013]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the manufacturing methods shown in the above-mentioned conventional examples 1 and 2, the wiring pattern was formed due to a dimensional change of the electric insulating substrate when the protective film formed on the surface of the electric insulating substrate was peeled off. In order to match the land with the via hole provided in the electrically insulating base material, it is necessary to increase the land diameter to such an extent that dimensional change variation can be tolerated. In addition, in the manufacturing method shown in the above-mentioned conventional example 3, when the wiring is etched, a dimensional change of the electrically insulating base material occurs. In order to allow this dimensional variation, it is necessary to increase the land diameter so that the via holes can be aligned with the lands at the time of positioning and stacking when forming a multilayer substrate. In addition, in the manufacturing method shown in the conventional example 4 described above, in addition to the dimensional change of the electrically insulating base material when the wiring is etched as described in the conventional example 3, the electrical insulating base material is formed by a drying process after filling the conductive paste. A dimensional change of the material occurs. Due to this variation in dimensional change, it is necessary to make the land diameter large enough to allow a dimensional change in order to match the land formed as a wiring pattern with the via hole during positioning and lamination when forming a multilayer substrate. That is, in the above-described manufacturing method, when a multilayer wiring board having an all-layer IVH structure is formed, it is necessary to increase the land diameter in order to allow the above dimensional change variation, which reduces the land diameter and increases the density. This has been a problem in performing wiring formation. In addition, this dimensional change becomes remarkable when the diameter of the via hole is reduced and the thickness of the electrically insulating base material is reduced in order to form a higher-density wiring board, which is a problem when forming a high-definition multilayer wiring board. I have.
[0014]
An object of the present invention is to solve the above-described problems and to provide a manufacturing method capable of forming a high-definition multilayer wiring board having an all-layer IVH structure.
[0015]
[Means for solving the problem]
In order to achieve the above object, a method of manufacturing a wiring board according to the present invention includes applying a protective film to both surfaces of an electrically insulating substrate, forming a via hole in the electrically insulating substrate, and forming a conductor in the via hole. Filling, removing the protective film, and positioning and laminating the electrical insulating base material on the wiring formation body, wherein the positioning and laminating step supports the electrical insulating base material. In a state in which the protective film is fixed to the body, the protective film on the non-fixed surface is removed, and after positioning and laminating the electrically insulating base material on the formation body of the wiring, the remaining protective film is removed. And
[0016]
Another method of manufacturing a wiring board of the present invention is to form a wiring on one surface of an electrically insulating substrate, provide a via hole in the electrically insulating substrate and expose the wiring at the bottom of the hole, and form a conductor in the via hole. In the method of manufacturing a wiring board for filling and positioning and laminating the electrically insulating base material on the wiring forming body, when filling the conductor, the wiring side surface of the electrically insulating base material is fixed to a support. The positioning and lamination are performed in the fixed state.
[0017]
Yet another method of manufacturing a wiring board according to the present invention is to provide a via hole in an electrically insulating base material having a wiring material formed on one surface so that the wiring material is exposed at the bottom of the hole, and filling the via hole with a conductor. Patterning the wiring material, positioning the electrical insulating base material on a wiring forming body, and laminating the wiring board, when forming the wiring, the conductor exposed surface side of the electrical insulating base material It is fixed to a support and positioned and laminated in the fixed state.
[0018]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
According to the method of manufacturing a wiring board according to the present invention, the protective film is removed in a state where the electric insulating base material is fixed to the support, so that the surface direction of the electric insulating base material by removing the protective film is removed. Dimensional change can be suppressed. In addition, after positioning and laminating the electrical insulating base material from which the protective film has been removed on one side of the wiring substrate, the remaining protective film is removed. The dimensional change in the surface direction of the conductive base material can be suppressed. As a result, the via holes formed in the electrically insulating base material and the lands formed as wiring can be positioned with high accuracy, so that the land diameter can be reduced.
[0019]
In the above-described method for manufacturing a wiring board, it is preferable that the electrically insulating substrate is fixed by suction under reduced pressure from the support side. By fixing the electrically insulating base material from the support side by suction under reduced pressure, the entire surface of the electrically insulating base material can be fixed, and the dimensional change of the electrically insulating base material can be suppressed even in a small area, and the pressure can be reduced. It is possible to easily fix and release the electrically insulating base material by switching the suction.
[0020]
In the above-described method for manufacturing a wiring board, it is further preferable that the reduced-pressure suction section provided on the support is provided so as to be located outside a via-hole forming region of the electrically insulating base material when fixed. When the electrically insulating base material is thinned, the bending when the electrically insulating base material is sucked by the reduced-pressure suction part becomes remarkable. Further, if the back surface of the via hole filled with the conductor is directly sucked by the reduced pressure suction unit, the conductor may fall off. These problems can be solved by disposing the reduced-pressure suction section outside the via hole formation region.
[0021]
In the above-described method for manufacturing a wiring board, it is more preferable that the fixing of the support and the electrically insulating substrate is performed via a porous sheet. When suction is performed under reduced pressure through the porous sheet, suction is spread over the entire surface of the porous sheet even though suction is performed from the reduced-pressure suction section formed on the support. The entire surface of the material can be fixed.
[0022]
In the above-described method for manufacturing a wiring board, it is preferable that the electrically insulating substrate is fixed to the support using static electricity. According to the fixing to the support by static electricity, the electrically insulating substrate can be fixed without adding tension to the surface of the electrically insulating substrate, and the dimensional change due to the fixing of the electrically insulating substrate. Can be further suppressed.
[0023]
In the above-described method for manufacturing a wiring board, the fixing of the electric insulating base material and the wiring forming body in the positioning and laminating step is performed by setting the electric insulating base material to be larger than the wiring forming body, Is preferably performed by discharging the air between the electrically insulative base material and the object on which the wiring is formed by suction under reduced pressure. In this way, by actively removing air between the electrically insulating base material and the wiring-formed body, even when the electrically insulating base material becomes thinner and the rigidity of the base material is reduced, wrinkles are reduced. It becomes possible to laminate the electrically insulating base material without causing the generation.
[0024]
In the above-described method for manufacturing a wiring board, it is preferable that the fixing of the electric insulating base material and the object on which the wiring is formed in the positioning and laminating step be performed by pressing the entire surface. The entire surface of the electrically insulating substrate is fixed to the wiring body by fixing the wiring body by pressing the entire surface, so that when the protective film is removed, the electrical insulating property is maintained even in a minute area. There is no displacement of the substrate.
[0025]
In the above-described method for manufacturing a wiring board, the conductor is a conductive paste containing a metal filler and a resin binder, and the resin binder is discharged when fixing the electric insulating base material to the support. preferable. The resin binder in the conductive paste, which prevents contact between the wiring material and the metal filler in the conductive paste, is positively discharged before the heating and pressurizing step, resulting in the contact between the high-density metal filler and the wiring material. And a highly reliable via hole connection can be realized.
[0026]
In the above-described method for manufacturing a wiring board, the conductor is a conductive paste containing a metal filler and a resin binder, and the resin binder is discharged when the electric insulating base material is fixed to the wiring body. Is preferred. The resin binder in the conductive paste, which prevents contact between the wiring material and the metal filler in the conductive paste, is positively discharged before the heating and pressurizing step. And a highly reliable via hole connection can be realized.
[0027]
In the above-described method for manufacturing a wiring board, it is preferable that a wall surface of the via hole is provided with an inclination, and a side having a small opening area is fixed to the support. When the thickness of the electrically insulating base material is reduced, the area holding the conductive paste on the via hole wall surface is substantially reduced. As a result, the conductive paste filled in the via holes during removal of the protective film is easily taken by the protective film. Further, on the side where the opening area of the via hole is large, the tapered shape of the wall surface of the protective film is in order of tper, so that the conductive paste is more easily removed. Therefore, first, the protective film on the side having the larger opening area is removed while the conductive paste is held by the thickness of both the electrically insulating base material and the protective film. Next, the conductive paste exposed on the side having the larger opening area after removing the protective film is brought into contact with the wiring, and the conductive paste is held in the opening portion. Further, the side where the conductive paste having the reverse taper of the tapered shape of the protective film wall surface is difficult to remove is finally removed. Thereby, the loss of the conductive paste due to the removal of the protective film can be suppressed, and stable electrical connection in the via hole can be secured.
[0028]
According to another manufacturing method of the present invention, in the conductor filling step, the wiring side surface of the electrically insulating base is fixed to the support, thereby suppressing a dimensional change of the electrically insulating base in the conductor filling step. can do.
[0029]
In the above-described method for manufacturing a wiring board, the conductor is a conductive paste containing a metal filler and an organic solvent, and the conductor filling step includes a step of drying the organic solvent. In the case of a method of manufacturing a wiring board including a step of drying an organic solvent, the dimensional change of the electrically insulating base material due to heat is large. Then, by fixing the wiring side surface of the electrically insulating base material to the support, the dimensional change of the electrically insulating base material can be more effectively suppressed.
[0030]
In the above-described method for manufacturing a wiring board, in the wiring forming step, it is more preferable that the wiring already formed on the support is transferred to the electrically insulating substrate, and the support is fixed to the electrically insulating substrate. . By using the wiring transfer base material in which the wiring is formed on the support in advance, it becomes possible to double as the support of the wiring transfer base material and the support in the conductor filling step, and to efficiently manufacture the wiring board. Can be.
[0031]
According to another manufacturing method of the present invention, in the wiring forming step, by fixing the wiring side surface of the electrically insulating base material to the support, the dimensional change of the electrically insulating base material in the conductor filling step is suppressed. be able to.
[0032]
In the above-described method for manufacturing a wiring board, it is more preferable that the conductor is a metal deposited by plating. By forming the conductor from a metal, a via hole having a lower resistance value can be realized.
[0033]
In the above-described method for manufacturing a wiring board, it is preferable that the electrically insulating substrate is a composite substrate having a thickness of 100 μm or less and an adhesive formed on both surfaces of a film. According to the production method of the present invention, it is possible to effectively suppress the dimensional change even in a composite base material in which an adhesive is formed on both surfaces of a film having a thickness of 100 μm or less in which a dimensional change is likely to occur. As a result, the positioning accuracy at the time of lamination can be improved.
[0034]
In the above-described method for manufacturing a wiring board, it is preferable that the electrically insulating base material is a composite base material having a thickness of 100 μm or less and impregnated with resin in a fibrous nonwoven fabric or a fibrous woven fabric. According to the production method of the present invention, it is possible to effectively suppress the dimensional change even in a fibrous nonwoven fabric or a composite substrate in which a resin is impregnated with a fiber woven fabric having a thickness of 100 μm or less, in which a dimensional change is likely to occur. As a result, the positioning accuracy at the time of lamination can be improved.
[0035]
In the above-described method for manufacturing a wiring board, it is preferable that the electrically insulating substrate is a substrate formed of a single thermoplastic resin or a composite material containing at least a thermoplastic resin having a thickness of 100 μm or less. By the manufacturing method of the present invention, it is possible to effectively suppress the dimensional change even in a substrate formed of a single thermoplastic resin having a thickness of 100 μm or less or a composite material containing at least a thermoplastic resin, in which the dimensional change easily occurs. It becomes possible. As a result, the positioning accuracy at the time of lamination can be improved.
[0036]
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0037]
(Embodiment 1)
1A to 1K are cross-sectional views showing main steps in a method for manufacturing a wiring board according to the present embodiment. The description of the contents of the manufacturing method shown in FIG. First, 101 shown in FIG. 1A is an electrically insulating base material. As the electrically insulating substrate, a porous substrate having compressibility or a composite substrate of a fiber and a resin having a three-layer structure in which an adhesive layer is formed on both sides of a core film is used. As shown in FIG. 1A,
[0038]
Subsequently, as shown in FIG. 1B, via holes 103 penetrating all of the electrically insulating
[0039]
Next, as shown in FIG. 1C, the
[0040]
Next, one surface side of the electrically insulating substrate is fixed with the support 105 (FIG. 1D). The fixation by the support suppresses a dimensional change in the surface direction of the electrically insulating base material when the protective film on the surface is peeled off. Here, the side of the via hole 103 having a small opening area is fixed by a support. Generally, the tapered shape of the protective film wall surface on the side where the opening area of the via hole is large is a forward taper, so that the conductive paste is more easily removed. Therefore, as will be described in detail later, the protective film on the side having a large opening area is removed while the conductive paste is held by the thickness of both the electrically insulating base material and the protective film. Next, the conductive paste exposed on the side having the larger opening area after removing the protective film is brought into contact with the wiring, and the conductive paste is held in the opening portion. Furthermore, the side on which the conductive paste having a tapered shape of a reverse taper on the protective film wall surface is difficult to remove is finally removed. Thereby, the loss of the conductive paste due to the removal of the protective film can be suppressed, and stable electrical connection in the via hole can be secured.
[0041]
The fixing of the electrically insulating substrate on the
[0042]
Further, as shown in FIGS. 4A and 4B, an arrangement of the reduced-
[0043]
Although the figure shows a case where the entire surface of the electrically insulating base material is fixed by the
[0044]
Further, as shown in FIG. 5, it is more preferable to provide a
[0045]
In addition, as shown in FIG. 6, static electricity can be used for fixing the electrically insulating substrate to the support. According to the fixing to the support by static electricity, the electrically insulating substrate can be fixed without adding tension to the surface of the electrically insulating substrate, and the dimensional change due to the fixing of the electrically insulating substrate. Can be further suppressed.
[0046]
Thereafter, when the
[0047]
Next, the via holes are positioned and laminated on the double-
[0048]
Next, in the step shown in FIG. 1F, the electrically insulating base material is temporarily fixed on the double-sided wiring board. This temporary fixing may be performed by locally heating the peripheral portion of the electrically insulating base material to melt and bond the resin of the electrically insulating base material. In addition, as this temporary fixing method, it is also possible to temporarily fix without applying a temperature by using an adhesive having tackiness at normal temperature. In addition, this temporary fixing is sufficient if it can suppress the dimensional change of the electrically insulating base material in the surface direction. It does not matter even if it is closely attached. By performing the temporary fixing by pressurizing the entire surface in this manner, the entire surface of the electrically insulating base material is fixed on the wiring of the double-sided wiring board, so when removing the protective film in a later step, even in a minute area. There is no displacement of the electrically insulating substrate.
[0049]
The positioning and lamination of the electrically insulating base material on the double-sided wiring board can also be performed by the manufacturing method shown in FIGS. As shown in FIG. 7A, the electrically insulating
[0050]
Next, as shown in FIG. 11B, after positioning and laminating, the
[0051]
Next, when the
[0052]
It is important that the metal filler contained in the conductive paste makes high-density contact during the heating and pressurizing step in terms of stabilizing the electrical connection in the via hole. When a compressible material is used as the electrically insulating base material, the electrically insulating base material shrinks in the thickness direction during the heating and pressurizing step, and higher density contact of the metal filler is realized.
When fixing the electrically insulating
[0053]
The same applies even if the resin binder in the conductive paste is further discharged from the
[0054]
Next, by patterning the
[0055]
Also, in FIG. 1, an example in which an electrically insulating base material is laminated on a double-sided wiring board has been described, corresponding to the conventional example shown in FIG. 12, but the wiring transfer base material shown in FIG. The same effect can be obtained by the present invention also in the case of laminating an electrically insulating base material. FIGS. 2A to 2L show a manufacturing method corresponding to FIGS. 13A to 13F, and overlapping parts will be described in a simplified manner.
[0056]
As shown in FIG. 2A,
[0057]
By using such a manufacturing method, the dimensional change in the surface direction of the electrically insulating base material can be suppressed as compared with the conventional example shown in FIG. In addition, it is possible to provide a multilayer wiring board having a smaller land diameter and a higher density.
[0058]
(Embodiment 2)
9A to 9H are cross-sectional views illustrating main steps in a method for manufacturing a wiring board according to the present embodiment. The description of the content of the manufacturing method shown in FIG. 9 which has already been described in the second conventional example will be simplified. As shown in FIG. 9A, a
[0059]
(Embodiment 3)
10A to 10F are cross-sectional views showing main steps in a method for manufacturing a wiring board according to the present embodiment. The description of the content of the manufacturing method shown in FIG. 10 which has already been described in the fourth conventional example will be simplified.
[0060]
As shown in FIG. 10A, a
[0061]
Next, when the
[0062]
Although not shown, when a protective film is used when filling the conductive paste, a dimensional change due to the peeling of the protective film is further given, as in the example described in the first conventional example. This dimensional change can also be suppressed by fixing the electrically insulating substrate with the
[0063]
Next, the intermediate of the wiring board shown in FIG. 10D is positioned and laminated on both sides of the double-
[0064]
Further, the same effect can be realized by the method for manufacturing a wiring board shown in FIGS. 11A to 11F. 11A to 11F are cross-sectional views illustrating main steps of a method for manufacturing a wiring board. The description of the manufacturing method shown in FIG. 11 which has already been described in FIG. 10 will be simplified.
[0065]
As shown in FIG. 11A, a
[0066]
Next, as shown in FIG. 11B, an electrically insulating
[0067]
Next, as shown in FIG. 11C, a via
[0068]
Next, when the
[0069]
Next, the intermediate of the wiring board shown in FIG. 11D is positioned and laminated on both sides of the double-
[0070]
Further, the positioning and lamination shown in FIG. 11E is not limited to the example shown in FIG. 11D, and only the intermediate body of the wiring board shown in FIG. A substrate may be formed.
[0071]
As described above, by laminating the electrically insulating base material on the wiring transfer base material, the wiring substrate can be manufactured without attaching the support in a later step, and the wiring substrate can be manufactured by a method excellent in productivity. Can be formed.
[0072]
Note that the thickness of the electrically insulating base material described in the above-described first to fourth embodiments greatly affects the dimensional change.
[0073]
When a composite substrate having a thickness of 100 μm or less and an adhesive formed on both sides of the film is used as the electrically insulating substrate, the influence of the stress due to the lamination of the protective film causes the dimensional change of the electrically insulating substrate. And the effect of suppressing the dimensional change by employing the manufacturing method of the present invention is remarkable.
[0074]
When a composite substrate having a thickness of 100 μm or less and a resin impregnated in a fibrous nonwoven fabric or a textile woven fabric is used as the electrically insulating substrate, the density of the fibers in the electrically insulating substrate may cause the in-plane surface of the substrate to become loose. , The difference in physical properties becomes remarkable, and the in-plane dimensional change behavior largely varies. The method of the present embodiment is effective in suppressing the variation in dimensional change in the surface of the electrically insulating base material.
[0075]
Further, when a single thermoplastic resin or a composite material containing at least a thermoplastic resin having a thickness of 100 μm or less is used as the electrically insulating base material, the rigidity of the electrically insulating base material is low. It is easy for undulation and the like to occur, and it is difficult to position and laminate the electrically insulating base materials with high dimensional accuracy. The method for manufacturing a wiring board according to the present invention is also effective in solving this problem.
[0076]
【The invention's effect】
As described above, according to the method for manufacturing a wiring board of the present invention, when forming a multilayer wiring board having an all-layer IVH structure, it is possible to suppress a dimensional variation of the electrically insulating base material. Further, according to the present invention, the same effect can be obtained even when the diameter of the via hole is reduced and the thickness of the electrically insulating base material is reduced, and the positioning and laminating accuracy at the time of manufacturing a multilayer wiring board can be improved. That is, according to the present invention, it is possible to form a multilayer wiring board having a high-definition all-layer IVH structure.
[Brief description of the drawings]
FIGS. 1A to 1K are cross-sectional views showing main steps of a method for manufacturing a wiring board shown in Embodiment 1 of the present invention.
FIGS. 2A to 2L are cross-sectional views illustrating main steps of another method for manufacturing a wiring board according to the first embodiment of the present invention;
FIG. 3A is a cross-sectional view showing a state in which the electrically insulating base material is fixed to a support shown in Embodiment 1 of the present invention, and FIG. 3B is a view showing an arrangement of a reduced-pressure suction section of the support.
FIG. 4A is a cross-sectional view showing a state in which the electrically insulating base material is fixed to the support shown in Embodiment 1 of the present invention, and FIG. 4B is a view showing an arrangement of a reduced-pressure suction section of the support.
FIG. 5 is a cross-sectional view showing a state where the electrically insulating base material shown in Embodiment 1 of the present invention is fixed to a support.
FIG. 6 is a cross-sectional view showing a state in which the electrically insulating substrate shown in Embodiment 1 of the present invention is fixed to a support.
FIGS. 7A and 7B are cross-sectional views illustrating a step of positioning and laminating the electrically insulating base material according to the first embodiment of the present invention.
FIGS. 8A and 8B are cross-sectional views showing a method of discharging a resin binder of the conductive paste shown in Embodiment 1 of the present invention.
FIGS. 9A to 9H are cross-sectional views illustrating main steps of a method of manufacturing a wiring board according to Embodiment 2 of the present invention;
FIGS. 10A to 10F are cross-sectional views illustrating main steps of a method for manufacturing a wiring board described in Embodiment 3 of the present invention.
FIGS. 11A to 11F are cross-sectional views illustrating main steps of a method of manufacturing a wiring board according to Embodiment 3 of the present invention;
12A to 12I are cross-sectional views illustrating main steps of a conventional method for manufacturing a wiring board.
13A to 13 are cross-sectional views showing main steps of a conventional method for manufacturing a wiring board.
14A to 14F are cross-sectional views illustrating main steps of a conventional method for manufacturing a wiring board.
15A to 15F are cross-sectional views illustrating main steps of a conventional method for manufacturing a wiring board.
[Explanation of symbols]
101,201,701,707,801,810,901,1001,1101,1201,1301 Electrically insulating base material
102,202,702,802 Protective film
103, 203, 703, 803, 904, 1003, 1303 Via hole
104, 204, 704, 709, 804, 905 conductive paste
105, 205, 1102, 1104 Support
106, 206, 706, 906, 1006, 1103 Double-sided wiring board
107,705,708,808,902,1002,1302 Wiring material
108, 1105, 1106, 1107 Decompression suction unit
109,1202 Porous film
710,807,903,1005 Wiring
805 Wiring transfer substrate
806 Supporting substrate
809 Two-layer wiring board
Claims (18)
前記電気絶縁性基材にビアホールを形成し、
前記ビアホールに導電体を充填し、
前記保護フィルムを除去し前記電気絶縁性基材を配線の被形成体に位置決め積層する工程とを備えた配線基板の製造方法において、
前記位置決め積層工程では前記電気絶縁性基材を支持体に固定した状態で、非固定面の前記保護フィルムを除去し、さらに前記電気絶縁性基材を前記配線の被形成体に位置決め積層した後に、残存した側の保護フィルムを除去することを特徴とする配線基板の製造方法。Paste protective films on both sides of the electrically insulating substrate,
Forming a via hole in the electrically insulating substrate,
Filling the via hole with a conductor,
Removing the protective film and positioning and laminating the electrically insulating base material on a wiring forming body, the method for manufacturing a wiring board,
In the positioning and laminating step, in a state where the electrically insulating base material is fixed to the support, the protective film on the non-fixed surface is removed, and after further positioning and laminating the electric insulating base material to the wiring body, And removing the remaining protective film.
前記電気絶縁性基材にビアホールを設けると共に穴底に配線を露出させ、
前記ビアホールに導電体を充填し、
前記電気絶縁性基材を配線の被形成体に位置決め積層する配線基板の製造方法において、
前記導電体を充填する際、電気絶縁性基材の配線側面が支持体に固定されており、前記固定状態で位置決め積層することを特徴とする配線基板の製造方法。Form wiring on one side of the electrically insulating substrate,
Providing a via hole in the electrically insulating substrate and exposing the wiring at the bottom of the hole,
Filling the via hole with a conductor,
In a method for manufacturing a wiring board for positioning and laminating the electrically insulating base material on a wiring body,
When filling the conductor, a wiring side surface of an electrically insulating base material is fixed to a support, and positioning and lamination are performed in the fixed state.
前記配線材料をパターニングし、前記電気絶縁性基材を配線の被形成体に位置決めし積層する配線基板の製造方法において、
前記配線を形成する際、電気絶縁性基材の導電体露出面側が支持体に固定されており、前記固定状態で位置決め積層することを特徴とする配線基板の製造方法。On an electric insulating base material having a wiring material formed on one surface, a via hole is provided so that the wiring material is exposed at the bottom of the hole, and the via hole is filled with a conductor.
Patterning the wiring material, a method for manufacturing a wiring board for positioning and laminating the electrically insulating base material on a wiring body,
When forming the wiring, a conductor exposed surface side of an electrically insulating base material is fixed to a support, and positioning and lamination are performed in the fixed state.
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JP2003151347A JP2004356324A (en) | 2003-05-28 | 2003-05-28 | Method and apparatus of manufacturing wiring board |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009158707A (en) * | 2007-12-26 | 2009-07-16 | Fujikura Ltd | Double sided wiring board, manufacturing method of double sided wiring board, and multilayer printed board with the double sided wiring board and manufacturing method thereof |
-
2003
- 2003-05-28 JP JP2003151347A patent/JP2004356324A/en not_active Withdrawn
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