JP2004356240A - 電子部品実装装置 - Google Patents

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Takashi Iwahashi
俊 岩橋
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Abstract

【課題】電子部品の外形を検出する際に異物の存在にもとづく外乱の発生を防止して、微小電子部品の高精度な姿勢認識を可能にした、電子部品実装装置を提供する。
【解決手段】電子部品保持手段68が電子部品を保持して基板上の所定の位置に実装する運搬途中で、電子部品保持手段68に保持された電子部品を姿勢認識手段にて撮像して、姿勢認識処理を行った結果にもとづき実装位置を補正して電子部品を実装する電子部品実装装置である。電子部品保持手段68の可動範囲内に、粘着性物質3を具備した清掃手段1を設けて、粘着性物質3に電子部品保持手段68を当てた後に離すことで、電子部品保持手段68を清掃する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子部品実装装置に関し、特に、電子部品を基板に実装するために同電子部品を保持搬送する電子部品保持手段を備えた、電子部品実装装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子部品を基板に実装するための従来の電子部品実装装置を、図14、図15、図16を用いて説明する。
【0003】
図14は従来の電子部品実装装置を示す平面図である。
図14において、51は、電子部品を実装されるべき基板である。50は基礎となる台であり、この台50の上には、供給側基板搬送部53と排出側基板搬送部54とが設けられている。これら搬送部53、54は、それぞれ、基板51の幅にて平行に配置された一対の搬送ベルト52を搬送手段として備え、この搬送ベルト52によって基板51を矢印A、Bの方向に搬送する。
【0004】
供給側基板搬送部53と排出側基板搬送部54との間には、電子部品実装部55が設けられている。この電子部品実装部55は、同様に搬送ベルト52を有し、この搬送ベルト52にて搬入された基板51を、位置決め後、図示しない基板保持手段によって保持する。すなわち電子部品実装部55は、供給側基板搬送部53から矢印Aの方向に搬送された基板51を受け取り、この基板51を基板保持手段が設けられた位置まで搬送して位置決め並びに保持した後、所定の電子部品の実装を順次行う。所定の電子部品の実装を全て完了した後、電子部品実装部55は、基板51を矢印Bの方向に搬送して排出側基板搬送部54に引き渡す。
【0005】
56は部品供給手段で、リールに巻かれた電子部品を等間隔に収納、保持した供給テープを順次送り出すように構成されるとともに、供給側基板搬送部53、搬出側基板搬送部54、電子部品実装部55に沿ってその両側に複数並べられている。
【0006】
57a、57bは実装ヘッドで、図示のように一対が設けられている。58は上下軸サーボモータ(以下、「Z軸サーボモータ」と称する)である。59は、上下方向に平行に設けられた上下軸用のレールである。60は実装ヘッド57a、実装ヘッド57bをそれぞれ固定したテーブルであり、レール59に沿って昇降する。詳細には、テーブル60には図示しないナットが設けられている。さらに前記ナットに上下方向に貫通するように図示しないねじ軸を螺合してあり、その上端にZ軸サーボモータ58が結合されている。Z軸サーボモータ58の回転によりねじ軸を回転駆動させることで、ナットが設けられたテーブル60および実装ヘッド57a、57bが上下方向に移動する構造となっている。(以下、実装ヘッド57aまたは実装ヘッド57bと上下軸用のレール59とテーブル60とナットとねじ軸とZ軸サーボモータ58とを合わせた構造体を「実装ヘッドユニット」と称する。)
61は一対の固定レールで、台50の上に、基板51を搬送する方向(Aの方向ならびにBの方向)と直交する矢印Yの方向(以下、「Y方向」と称する)に延びるように設けられている。62a、62bは一対の可動式レールであり、基板51を搬送する方向と平行な矢印Xの方向(以下「X方向」と称する)に延びるように、一方の固定レール61から他方の固定レール61にわたって配置されている。これら可動レールは、2つの実装ヘッドユニットを各々X方向に移動可能に支持している。
【0007】
固定レール61、61には、Y方向にそれぞれ配置された一対のねじ軸63a、63bが設けられている。一方の2本のねじ軸63a、63aは一方の可動式レール62aとねじ合わされており、また他方の2本のねじ軸63b、63bは他方の可動式レール62bとねじ合わされている。したがって、これらねじ軸63a、63aまたはねじ軸63b、63bを回転させることで、可動式レール62aまたは可動式レール62bをそれぞれY方向に移動させることができる。
【0008】
64a、64bはY軸サーボモータで、二対のねじ軸63a、63aおよびねじ軸63b、63bにそれぞれ結合しており、一対のねじ軸63a、63aまたはもう一方の一対のねじ軸63b、63bを同時に同一の条件(加速度、到達速度、加速時間、到達速度での移動時間が同じ)にて回転駆動することで、可動レール62a、可動式レール62bをY方向に移動させることができる。
【0009】
可動式レール62a、62bには、それぞれX方向に配置されたねじ軸65a、65bが設けられている。これらねじ軸65a、65bは、それぞれ実装ヘッドユニットにねじ合わされており、回転することで各実装ヘッドユニットをX方向に移動させることができる。66a、66bはX軸サーボモータであり、それぞれねじ軸63a、ねじ軸63bに結合しており、ねじ軸63a、ねじ軸63bを回転駆動させることで上述のように実装ヘッドユニットをX方向に移動させる。
【0010】
67は電子部品姿勢認識装置で、後述する電子部品保持手段に吸着保持された電子部品の画像を撮像して、その姿勢(位置、回転角度)を認識するために、各実装ヘッドユニットに対応してそれぞれ設けられている。
【0011】
次に図15を用いて実装ヘッドユニットの説明を行う。
図15は、図14の電子部品実装装置における実装ヘッドユニットを示す正面図である。
【0012】
図15において、60はテーブル、59、59はレール、58はZ軸サーボモータで、それぞれ上記した通りのものである。テーブル60には保持部73が設けられており、この保持部73によって、複数の上下方向の第1のシャフト72を、矢印θの方向(以下、「θ方向」と称する)に回転可能に、図示しないベアリングにて保持している。第1のシャフト72の中心部には第2のシャフト74が貫通しており、この第2のシャフト72の下端部にはホルダー70が設けられている。ホルダー70は電子部品保持手段68を下向きに保持しており、この電子部品保持手段68は、図示しない所定の経路にて供給される大気圧よりも低い圧力により電子部品を吸着保持する。電子部品保持手段68の上部には、反射体69が設けられている。
【0013】
それぞれの第1のシャフト72の上部にはギア部75が設けられている。78はラック状ギアで、図示しないリニアガイドにて矢印Cの方向に移動可能に支持されるとともに、各ギア部75と噛み合っている。76は回転軸サーボモータ(以下、「θ軸サーボモータ」と称する)で、その回転軸に取り付けられたギア77がラック状ギア78と噛み合っている。このような構成によれば、θ軸サーボモータ76にてギア77を回転することにより、ラック状ギアを矢印Cの方向に移動させ、それにより第1のシャフト72を回転させることで、電子部品保持手段68をθ方向に回転させることができる。なお、θ軸サーボモータ76は、図14にも図示されている。
【0014】
第2のシャフト74の上端に設けられたつば部49と第1のシャフト72の上端部との間には、第2のシャフト74に外ばめされる圧縮コイルばね71が設けられている。それぞれの第2のシャフト74のつば部49よりも上方には、エアシリンダー79が設けられている。80はそのピストンロッドで、上下方向に作動する。そして、このピストンロッド80が下向きに移動することで、圧縮コイルばね71を圧縮しながら第2のシャフト74を下方に押し下げて、所定の電子部品保持手段68をその他の電子部品保持手段68より下方に突出させることで選択状態となる。またピストンロッド80が上方に移動することで、圧縮されたばね71が伸張することにより、第2のシャフト74が上方に押し上げられ、選択された電子部品保持手段68が上方に戻ることで、非選択状態となる。以上のように電子部品保持手段68を選択状態とすることで、電子部品の吸着または実装が可能な状態とすることができる。
【0015】
次に電子部品の吸着作業から姿勢認識作業と実装作業について説明する。
最初に吸着作業から姿勢認識作業について説明する。
図14におけるX軸サーボモータ66aとY軸サーボモータ64a、64a、またはX軸サーボモータ66bとY軸サーボモータ64b、64bを駆動して、実装ヘッドユニットを部品供給手段56の上に移動させる。そして特定の電子部品保持手段68を選択した後、Z軸サーボモータ58を駆動して実装ヘッド57aまたは実装ヘッド57bを下降させ、部品供給手段56から送り出された電子部品を、選択した電子部品保持手段68にて吸着保持する。電子部品を吸着保持した後に再びZ軸サーボモータ58を駆動して実装ヘッド57aまたは実装ヘッド57bを上昇させる。これらの一連の吸着動作を、所定の吸着順に、吸着が可能な電子部品保持手段68について順次行う。所定の吸着作業が完了した後、X軸サーボモータ66aとY軸サーボモータ64a、64a、またはX軸サーボモータ66bとY軸サーボモータ64b、64bを駆動して電子部品を吸着保持した電子部品保持手段68を一定速度にて電子部品姿勢認識装置67上をX方向とY方向とに移動させる。そしてその際に電子部品の画像を順次撮像して所定の画像処理、演算をして電子部品保持手段68に対する電子部品の姿勢(位置、回転角度)を認識する。
【0016】
次に実装作業について説明する。
電子部品を吸着保持した電子部品保持手段68を1つ選択し、電子部品の姿勢認識の結果を反映してθ軸サーボモータ76を回転させることで、電子部品を吸着保持した電子部品保持手段68を基板51に実装する角度に位置決めする。これとともに電子部品の姿勢認識の結果を反映してX軸サーボモータ66aとY軸サーボモータ64aまたはX軸サーボモータ66bとY軸サーボモータ64bを駆動して、電子部品保持手段68に吸着保持された電子部品を、補正された実装位置に移動させる。そしてZ軸サーボモータ58を駆動して実装ヘッド57aまたは実装ヘッド57bを基板51に下降させて電子部品を実装し、実装が完了した時点にてZ軸サーボモータ58を再び駆動して上昇させる。これらの一連の実装動作を、電子部品を吸着保持した電子部品保持手段68に対して、所定の実装順に順次行う。
【0017】
上記の動作に関し、2つの実装ヘッドユニットの一方が電子部品を実装している場合、他方は電子部品の吸着作業から姿勢認識作業を行い、一方の実装ヘッドユニットが実装作業を完了していない場合は待機して実装作業が完了するのを待つ。また一方の実装ヘッドユニットが実装作業を完了した場合、他方の実装ヘッドユニットが直ちに実装作業を実行するとともに、一方の実装ヘッドユニットは吸着作業から姿勢認識作業を実行する。以上のように、交互に吸着作業から姿勢認識作業と実装作業を行うものである。
【0018】
次に電子部品姿勢認識装置について説明する。
図16は、従来の電子部品実装装置における電子部品姿勢認識装置の構成を示す正面図である。
【0019】
図16において、81は電子部品で、反射体69を備えた電子部品保持手段68によって吸着保持されている。電子部品保持手段68は、黒色で構成されている。反射体69は、電子部品保持手段68の周囲を覆うように、電子部品保持手段68の上部に取付けられている。82は撮像カメラで、電子部品保持手段68によって吸着保持されている電子部品81を撮像するためのものである。83は反射認識用光源で、カメラ82による撮像のために、電子部品81の下面に向けて光線84を照射する。85は、電子部品81の下面からの反射光である。
【0020】
以上のように構成された電子部品姿勢認識装置について、以下にその動作を図16、図17(a)(b)(c)を用いて説明する。図17(a)は、図16の電子部品認識装置の撮像カメラ82にて電子部品81からの反射光像を撮像した画像を示す図であり、図17(b)はその画像におけるA−A間での輝度分布を示す図であり、図17(c)はその画像におけるB−B間での輝度分布を示す図である。
【0021】
図16に示すように電子部品保持手段68に電子部品81が吸着保持されている場合に、反射認識用の光源83より照射された光線84は黒色の電子部品保持手段68では反射されず、電子部品81にてのみ反射し、その反射光85すなわち電子部品81の反射光像を撮像カメラ82にて撮像することができる。
【0022】
その結果、撮像した画像は、図17(a)に示すように、電子部品81の部分が明るい反射光像86となり、それ以外の部分は暗い陰影像87となる。従って、図17(b)、17(c)に示すように、A−A間、B−B間における画像の輝度分布は、電子部品81の部分では輝度が高く、電子部品81を除いた部分では輝度が低くなり、その輝度が高い部分と輝度の低い部分の境界、すなわち図17(b)、17(c)における「しきい」が、電子部品81の外形となる。
【0023】
以上の方法により撮像カメラ82にて電子部品81の反射光像86を撮像することができ、この反射光像86と陰影像87との境界を電子部品81の外形として抽出して計算処理することで、電子部品81の姿勢認識をすることができる。そして、その結果に基づき、電子部品81の実装位置、回転角度の補正、不良電子部品の判定等に利用するようにしていたものである。
【0024】
しかしながら、電子部品保持手段68の下面図である図18に示すように、一般的には、電子部品81の実装作業を行う中で電子部品保持手段68に電極粉、塵などの異物89が付着する。ところが、上記従来の構成では、この異物89が図16の反射認識用光源83より照射された光線84を反射して、この異物89の部分が光り、図19(a)に示すように異物の光像90が生じる。その結果、図19(b)におけるC−C間の画像の輝度分布においては、電子部品81の部分だけでなく異物89の部分の輝度も高くなり、電子部品81の電極の外形を検出する際の外乱となるという問題点を有していた。
【0025】
このような問題点を解決するために、特許文献1には、移動体に設けた吸着ノズルにて部品供給部で電子部品を所定位置で吸着し、位置決めされた回路基板の所定位置に吸着した電子部品を装着する電子部品装着装置において、ノズル清掃装置を設置したものが記載されている。
【0026】
【特許文献1】
特開平5−110292号公報
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に記載のものでは、ノズル洗浄を行うときには、部品供給部に搭載されているノズル清掃装置を電子部品吸着位置に移動させてから清掃を行う必要があり、このためノズル洗浄に伴う部品供給手段の入れ替えが必要となり、その結果として実装タクトの低下を招くという課題がある。
【0028】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、電子部品の外形を検出する際に異物の存在にもとづく外乱の発生を防止して、微小電子部品の高精度な姿勢認識を可能にするとともに、そのための作業の際に実装タクトの低下をできるだけ招かないようにすることを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の構成を有するものである。
請求項1に記載の本発明は、電子部品保持手段が電子部品を保持して基板上の所定の位置に実装する運搬途中で、前記電子部品保持手段に保持された電子部品を姿勢認識手段にて撮像して、姿勢認識処理を行った結果にもとづき実装位置を補正して電子部品を実装する電子部品実装装置において、前記電子部品保持手段の可動範囲内に、粘着性物質を具備した清掃手段を設けて、前記粘着性物質に電子部品保持手段を当てた後に離すことで前記電子部品保持手段を清掃できるように構成したことを特徴とするものであり、これにより、電子部品保持手段を清掃することで、電子部品の姿勢認識時の外乱となる電子部品保持手段に付着した異物を取除くことができ、しかも通常の部品吸着、認識、装着の実装動作の流れの中で清掃を行うことができるので、清掃に伴う電子部品保持手段の余分な動作を最小限に抑えることができる、という作用効果が得られる。
【0030】
請求項2に記載の本発明は、粘着性物質が、柔軟で且つ弾性を有したものであることを特徴とするものであり、これにより、電子部品保持手段を粘着性物質に当てた時に、電子部品保持手段の形状、凹凸に合わせて粘着性物質が変形することで、色々な形態の電子部品保持手段の異物を取除くことができるという作用効果が得られる。
【0031】
請求項3に記載の本発明は、粘着性物質が導電性を有することを特徴とするものであり、これにより、電子部品保持手段が帯電していた場合において、電子部品保持手段を粘着性物質に当てた際に、帯電した電荷を粘着性物質に逃がすことができ、このため帯電により付着した異物の付着力を弱めて当該異物を取り除き易くするという作用効果が得られる。
【0032】
請求項4に記載の本発明は、粘着性物質が、水洗すると粘着性が回復する物質であることを特徴とするものであり、これにより、電子部品保持手段の清掃を行ったことで汚れが発生した粘着性物質を水洗することで繰り返し使用することができるという作用効果が得られる。
【0033】
請求項5に記載の本発明は、清掃手段が、清掃作業を実施しない場合は粘着性物質を覆うとともに、清掃作業を実施する場合は粘着性物質を露出させるカバーと、前記カバーを前記粘着性物質を覆う位置と露出させる位置とに移動させる移動手段とを有することを特徴とするものであり、これにより、清掃手段にて清掃作業を実施しない場合に粘着性物質の粘着面にほこり、落下物などが付着して粘着面の粘着力が低下することを防止することができるという作用効果が得られる。
【0034】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について説明する。
【0035】
図1は本発明の実施の形態1における電子部品実装装置の平面図である。
尚、図1に示した本発明の実施の形態1における電子部品実装装置は、図14などに示した従来の電子部品実装装置と共通する部材が多いため、以下においては、上述の従来の電子部品実装装置と本発明の実施の形態1における電子部品実装装置との異なる部分について重点的に説明する。
【0036】
図1において1は清掃手段であり、電子部品供給手段56と、基板51を保持した電子部品実装部55との間に配置してある。そして清掃手段1は、各々10本の電子部品保持手段68を有している実装ヘッド57a、58b(図15)の可動範囲内に配置してある。
【0037】
以上のように構成された電子部品実装装置について、その清掃作業を、以下に図1の実装ヘッド57aに関連して説明する。
実装ヘッド57aにて基板51に電子部品81(図16)を実装した後、X軸サーボモータ66a、Y軸サーボモータ64aを駆動し、実装ヘッド57aを矢印aの方向に移動して清掃手段1の上方に停止させる。次に清掃すべき電子部品保持手段68(図15)を選択した後、Z軸サーボモータ58を駆動して実装ヘッド57aを清掃手段1まで下降させ、清掃を実施する。
【0038】
電子部品保持手段68を清掃した後、Z軸サーボモータ58を駆動して実装ヘッド57aを上昇させる。次に、X軸サーボモータ66a、Y軸サーボモータ64aを駆動して実装ヘッド57aを矢印bの方向に移動して部品供給手段56より電子部品81を取上げる。
【0039】
次に、X軸サーボモータ66a、Y軸サーボモータ64aを駆動して実装ヘッド57aを矢印cの方向に移動することで、電子部品姿勢認識装置67の上を通過して電子部品81の姿勢認識を行う。
【0040】
続いて、X軸サーボモータ66a、Y軸サーボモータ64aを駆動して実装ヘッド57aを矢印dの方向に移動させて基板51上に到達させる。その後、姿勢認識の結果にもとづき実装位置、実装角度を補正しながら、X軸サーボモータ66a、Y軸サーボモータ64a、θ軸サーボモータ76を駆動して実装ヘッド57aにて電子部品81を基板51に実装する。
【0041】
以上の操作を、複数の電子部品保持手段68について実行する。
上述の清掃作業は、所定の回数の実装を行う毎に、または電子部品姿勢認識装置67にて電子部品81の取上げ前に電子部品保持手段68に異物89が付着しているか検査して付着度合いがひどい場合に行うものとする。
【0042】
図2(a)(b)(c)は、本発明の実施の形態1における、電子部品保持手段68を清掃する清掃手段1の構成と清掃作業の流れとを示す正面図である。
図2(a)(b)(c)において、2は平らな板である。3は粘着性物質で、平らな板2の上に、上面が水平となるように固定配置されている。以上により清掃手段1を構成している。電子部品保持手段68の下面には、異物89が付着している。
【0043】
次に清掃作業の流れを説明する。
最初に、図2(a)に示すように、下面に異物89が付着した電子部品保持手段68を粘着性物質3の上方に移動する。次に、図2(b)に示すように、電子部品保持手段68を粘着性物質3に当て、下面の異物89を粘着性物質3に接着させる。最後に、図2(c)に示すように、電子部品保持手段68を粘着性物質3より上昇させて、電子部品保持手段68の下面の異物89を引き剥がして取り除く。
【0044】
以上のようにすることで、電子部品保持手段68の下面の異物89を取り除くことができる。
このようにして、電子部品姿勢認識装置67にて電子部品81の外形を検出する際の外乱の発生原因となる異物89を取除くことができ、これを利用して微小電子部品の高精度な姿勢認識を可能にした電子部品実装装置を提供することができる。
【0045】
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2について説明する。ここでは、実施の形態1と異なる部分について重点的に説明する。
【0046】
図3(a)(b)(c)は、本発明の実施の形態2における、電子部品保持手段68を清掃する清掃手段1の構成と清掃作業の流れを示す正面図である。
図3(a)(b)(c)において、清掃手段1は、平らな板2と、軟らかく弾性を有した粘着性物質3aとを具備する。この軟らかく弾性を有した粘着性物質3aは、平らな板2の上に、上面が水平となるように固定配置されている。
【0047】
次に清掃作業の流れを説明する。
最初に、図3(a)に示すように、下面に異物89が付着した電子部品保持手段68を粘着性物質3aの上方に移動する。次に、図3(b)に示すように、電子部品保持手段68を、軟らかく弾性を有した粘着性物質3aに当てる。この時、電子部品保持手段68の下面の形やその凹凸に合わせて、軟らかく弾性を有した粘着性物質3aが変形する。この作用により、電子部品保持手段68の下面における異物89に対しても、その形状に合わせて粘着性物質3aが変形して、図2の場合に比べて異物89に粘着性物質3aの当たる面積が増える。この結果、異物89を接着する力が増える。
【0048】
最後に、図3(c)に示すように、電子部品保持手段68を粘着性物質3aより上昇させて、電子部品保持手段68の下面の異物89を引き剥がして取り除く。この時、粘着性物質3aはその弾性によって元の形状に復元するため、次に同じ場所に電子部品保持手段68を当てても、その下面と粘着性物質3aとの当る面積は毎回同等となる。
【0049】
以上のようにすることで、電子部品保持手段68の下面の異物89を取り除くことができる。
尚、上記においては、粘着性物質3aを上面が水平なものとしたが、電子部品保持手段68と粘着性物質3aを当てることのできる形状であれば、その他の形状としてもよい。
【0050】
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3について説明する。ここでは実施の形態2と異なる部分について主に説明する。
【0051】
図4(a)(b)(c)(d)(e)は、本発明の実施形態3における、電子部品保持手段68を清掃する清掃手段1の構成と清掃作業の流れを示す正面図である。
【0052】
図4(a)(b)(c)(d)(e)において、清掃手段1は、平らな板2と、軟らかく弾性を有した粘着性物質3bとを具備する。この軟らかく弾性を有した粘着性物質3bは、平らな板2の上に、上面が水平となるように固定配置されている。また粘着性物質3bは、その側面も粘着性を有する。
【0053】
次に清掃作業の流れを説明する。
最初に、図4(a)に示すように、側面に異物89が付着した電子部品保持手段68を、粘着性物質3bより少し離れた位置の上方に移動させる。次に、図4(b)に示すように、電子部品保持手段68をその先端部が粘着性物質3bの上面より下となる位置まで下降させる。続いて、図4(c)に示すように、電子部品保持手段68を粘着性物質3bに向けて移動し、その先端部側面を粘着性物質3bに当てる。この時、粘着性物質3bは電子部品保持手段68の先端部側面の形状に合わせて変形する。そして先端部側面に付着した異物89が粘着性物質に接着する。次に、図4(d)に示すように、電子部品保持手段68を粘着性物質3bから離す。これにより、電子部品保持手段68の先端部側面に付着していた異物89を引き剥がす。そして、図4(e)に示すように、電子部品保持手段68の先端部を粘着性物質3bの上面より上となる位置まで上昇させる。
【0054】
以上のようにすることで、電子部品保持手段68の先端部の側面に付着した異物89を取り除くことができる。
尚、上記においては粘着性物質3bの側面に当てることとしているが、図5(a)(b)に示すように粘着性物質3に穴4をあけて、その穴4の内面に電子部品保持手段68の先端部の側面を当てるようにしてもよい。ここで、図5(a)は穴4が有底の円錐形状である場合を示し、図5(b)は穴4が円柱形状である場合を示す。また、図5(a)の有底の円錐形状の穴4の場合は、穴4の底面で電子部品保持手段68を粘着性物質3に当てても良い。さらに、上記においては粘着性物質3に設ける穴4の形状を円錐形状あるいは円柱形状としたが、電子部品保持手段68を粘着性物質3に当てることができる形状であれば、その他の形状としても良い。
【0055】
(実施の形態4)
以下、本発明の実施の形態4について説明する。ここでは、実施の形態1と異なる部分について重点的に説明する。
【0056】
図6(a)(b)(c)は、本発明の実施の形態4における、電子部品保持手段68を清掃する清掃手段1の構成と清掃作業の流れを示す正面図である。
図6(a)(b)(c)において、平らな板2は、導電率の高い金属製の板にて形成されるとともに、アースされている。3cは粘着性物質であり、平らな板2の上に上面が水平となるように固定配置されるとともに、高導電性を有した構成とされている。この粘着性物質3cも、金属製の平らな板2を経由してアース電位となっている。
【0057】
以上のようにして、清掃手段1を構成している。電子部品保持手段68は、絶縁体であるセラミックスで作られている。そして電子部品保持手段68は、プラス電荷5に帯電している。電子部品保持手段68の下面に付着した異物89は、マイナス電荷6に帯電している。以上に説明したように、この実施の形態4は、異物89が電子部品保持手段68に電気的に付着している場合についてのものである。
【0058】
次に清掃作業の流れを説明する。
最初に、図6(a)に示すように、下面に異物89が付着した電子部品保持手段68を粘着性物質3cの上方に移動する。次に、図6(b)に示すように、電子部品保持手段68を、導電性を有した粘着性物質3cに当てる。この時、電子部品保持手段68の帯電していたプラス電荷5と異物89の帯電していたマイナス電荷6は、矢印のように、アースに向けて高導電性の粘着性物質3cへ流れ、これによって帯電状態が解消される。この結果、電気的な付着力がなくなり、異物89が剥離し易くなり、粘着性物質3cに容易に接着される。最後に、図6(c)に示すように、電子部品保持手段68を粘着性物質3cより上昇させて、この電子部品保持手段68の下面の異物89を引き剥がして取り除く。以上のようにすることで、電子部品保持手段68の下面の異物89を取り除くことができる。尚、導電性を有した粘着性物質3cに当てることで電子部品保持手段68の帯電をなくすことにより、電気的に異物89が付着することを防止することもできる。また粘着性物質3cが帯電して空気中の電荷を有したほこりを吸引することも防止できる。
【0059】
(実施の形態5)
以下、本発明の実施の形態5について説明する。ここでは、実施の形態1と異なる部分について重点的に説明する。
【0060】
本発明の実施の形態5においては、清掃手段1における粘着性物質3が、水洗いとすると粘着性を回復するものであることが特徴である。沢山の清掃作業を行うと粘着性物質3の表面を異物が覆い、粘着力が低下して電子部品保持手段に付着した異物を接着することができなくなる。この時に、清掃手段1における粘着性物質3を系外に取り外して水洗いすると、異物が取り除かれる。そして乾燥させると粘着力が復活する。このようにすることで、同じ粘着性物質で繰返して清掃作業をすることができる。
【0061】
(実施の形態6)
以下、本発明の実施の形態6について説明する。ここでは、実施の形態1と異なる部分について重点的に説明する。
【0062】
図7(a)(b)(c)(d)は、本発明の実施の形態6における、電子部品保持手段68を清掃する清掃手段1の構成と清掃作業の流れを示す正面図である。
【0063】
図7(a)(b)(c)(d)において、清掃手段1を構成する平らな板2の上には、粘着性物質3が、上面が水平となるように固定配置されている。電子部品保持手段68の下面には異物89が付着している。
【0064】
次に清掃作業の流れを説明する。
最初に、図7(a)に示すように、下面に異物89が付着した電子部品保持手段68を粘着性物質3の上方に移動する。次に、図7(b)に示すように、電子部品保持手段68を粘着性物質3に当てて異物89を接着する。続いて、図7(c)に示すように、電子部品保持手段68を粘着性物質3に当てた状態にて矢印eで示す水平方向に微小移動させる。この時、粘着性物質3に異物8が貼付け固定されているため、電子部品保持手段68を微小に動かすことで異物89を電子部品保持手段68より剥離させることができる。最後に、図7(d)に示すように、電子部品保持手段68を粘着性物質3より上昇させて、電子部品保持手段68の下面の異物89を引き剥がして取り除く。
【0065】
以上のようにすることで電子部品保持手段68の下面の異物89を取り除くことができる。
尚、ここでは粘着性物質3に電子部品保持手段68を当てた状態にて一方向に微小移動させることについて述べたが、微小移動で往復させるか又は色々な方向に微小移動させても良い。
【0066】
更に例えば粘着性物質3として比較的粘着力が弱い物質を使用して、電子部品保持手段68に過剰な力が加わらない条件を満たすことができるのであれば、微小移動に限らず、比較的大きく移動させることも可能である。
【0067】
(実施の形態7)
以下、本発明の実施の形態7について説明する。ここでは実施の形態1と異なる部分について重点的に説明する。
【0068】
図8(a)(b)(c)、図9(a)(b)(c)(d)は、本発明の実施の形態7における、電子部品保持手段68を清掃する清掃手段1の構成と清掃作業の流れを示す正面図である。
【0069】
図8(a)(b)(c)、図9(a)(b)(c)(d)において、清掃手段1を構成する平らな板2の上には、粘着性物質3が、上面が水平となるように固定配置されている。電子部品保持手段68の下面は、異物89が付着している。
【0070】
まず、図8(a)(b)(c)を用いて、清掃作業の流れを説明する。
最初に、図8(a)に示すように、下面に異物89が付着した電子部品保持手段68を粘着性物質3の上方に移動する。次に、図8(b)に示すように、電子部品保持手段68を粘着性物質3に当て、異物89を接着する。そして電子部品保持手段68を粘着性物質3に当てた状態で、図1のθ軸サーボモータ76にて矢印fの方向に回転させる。この時、粘着性物質3に異物89が貼付け固定されているため、電子部品保持手段68を回転させることで異物89を電子部品保持手段68より剥離させることができる。最後に、図8(c)に示すように電子部品保持手段68を粘着性物質3より上昇させることで、電子部品保持手段68の下面の異物89を引き剥がして取り除く。
【0071】
以上のようにすることで、電子部品保持手段68の下面の異物89を取り除くことができる。
次に、図9(a)(b)(c)(d)を用いて、他の清掃作業の流れを説明する。図8(a)(b)(c)の清掃作業との違いは、次の通りである。すなわち、図9(c)に示すように電子部品保持手段68を矢印g方向に逆回転させる点である。このようにすることで、電子部品保持手段68に付着している異物89を、矢印fの一方向だけでなく、矢印f、gの2方向から力を加えて剥離させることで、より効率良く異物89を取り除くことが可能となる。
【0072】
尚、電子部品保持手段68の回転量、回転方向、逆転回数の組み合わせは、当該電子部品実装装置の仕様において実行可能であれば、種々に組み合わせることができる。
【0073】
(実施の形態8)
以下、本発明の実施の形態8について説明する。ここでは、実施の形態1と異なる部分について重点的に説明する。
【0074】
図10(a)(b)(c)(d)(e)は、本発明の実施の形態8における、電子部品保持手段68を清掃する清掃手段1の構成と清掃作業の流れを示す正面図である。
【0075】
図10(a)(b)(c)(d)(e)において、清掃手段1を構成する平らな板2の上には、粘着性物質3が、上面が水平となるように固定配置されている。電子部品保持手段68の下面には異物89が付着している。
【0076】
次に、図10(a)(b)(c)(d)(e)を用いて、清掃作業の流れを説明する。
最初に、図10(a)に示すように、下面に異物89が付着した電子部品保持手段68を粘着性物質3の上方に移動する。次に、図10(b)に示すように、電子部品保持手段68を粘着性物質3に当てて異物89を接着する。そして、図10(c)に示すように、電子部品保持手段68を粘着性物質3より上昇させて、電子部品保持手段68の下面の異物89を引き剥がして取り除く。この時、異物89aのように、電子部品保持手段68に対して付着力が弱まった状態(剥がれる寸前)であるが、電子部品保持手段68に残留する物がある。そこで、図10(d)に示すように、電子部品保持手段68を粘着性物質3に再度当て、異物89を接着する。続いて、図10(e)に示すように、電子部品保持手段68を粘着性物質3より上昇させて、電子部品保持手段68の下面の異物89aを引き剥がして取り除く。以上のように、電子部品保持手段68を粘着性物質3に当て、離す動作を繰り返すことで、異物89の付着力を次第に弱めて取り除くことができる。
【0077】
(実施の形態9)
以下、本発明の実施の形態9について説明する。ここでは、実施の形態1と異なる部分について重点的に説明する。
【0078】
図11(a)(b)(c)(d)(e)(f)は、本発明の実施形態9における、電子部品保持手段68を清掃する清掃手段1の構成と清掃作業の流れを示す正面図である。
【0079】
図11(a)(b)(c)(d)(e)(f)において、清掃手段1を構成する平らな板2の上には、粘着性物質3が、上面が水平となるように固定配置されている。電子部品保持手段68の下面には異物89が付着している。
【0080】
次に、図11(a)(b)(c)(d)(e)(f)を用いて、清掃作業の流れを説明する。ここで、説明を簡略化するため、異物89は上層と下層の2段の層で形成されているものとする。
【0081】
最初に、図11(a)に示すように、下面に層状に異物89が付着した電子部品保持手段68を粘着性物質3の上方に移動する。次に、図11(b)に示すように、電子部品保持手段68を粘着性物質3に当て、下層の異物89を接着する。そして、図11(c)に示すように、電子部品保持手段68を粘着性物質3より上昇させて電子部品保持手段68の下層の異物89を引き剥がして取り除く。この時、電子部品保持手段68には上層の異物89が付着した状態で残留する。次に、図11(d)に示すように、電子部品保持手段68を粘着性物質3の上方において水平方向に移動させる。そして、図11(e)に示すように、電子部品保持手段68を粘着性物質3に再度当て、異物89を接着する。最後に、図11(f)に示すように、電子部品保持手段68を粘着性物質3より上昇させて、電子部品保持手段68の下面の異物89(上記において上層に存在していたもの)を引き剥がして取り除く。
【0082】
以上のように、電子部品保持手段68に層を成して付着している異物89に対しても、粘着性物質3における異なる位置に順次当て、離す動作を繰り返すことで、その異物89を取除くことができる。
【0083】
(実施の形態10)
以下、本発明の実施の形態10について説明する。ここでは、実施の形態1と異なる部分について重点的に説明する。
【0084】
図12(a)(b)(c)は、本発明の実施形態10における、電子部品保持手段68を清掃する清掃手段1の構成と清掃作業の流れを示す正面図である。
図12(a)(b)(c)において、清掃手段1を構成する平らな板2の上には、粘着性物質3が、上面が水平となるように固定配置されている。粘着性物質3において、7は、電子部品保持手段68を当てて異物89を取除き、その異物89が付着している位置、すなわち粘着性物質3上の清掃作業の実施完了位置である。また粘着性物質3において、8は、清掃作業を未だ行っておらず異物89の付着がない、粘着性物質3上の清掃作業の未実施位置である。電子部品保持手段68の下面には、異物89が付着している。
【0085】
次に、図12(a)(b)(c)を用いて、清掃作業の流れを説明する。
電子部品実装装置は、清掃手段1である粘着性物質3の位置座標、大きさを登録し、それにより複数の清掃作業の実施位置を決定して、図示しない記憶装置に予め記憶する。そして、この記憶にもとづき、所定の実施位置より順次清掃作業位置を変更して、清掃作業を実施する。
【0086】
すなわち、清掃作業に際しては、図12(a)に示すように、粘着性物質3の清掃作業の実施完了位置7を通過して、清掃作業の未実施位置8の上方に電子部品保持手段68を移動する。次に、図12(b)に示すように、電子部品保持手段68を粘着性物質3に当てて異物89を接着する。そして、図12(c)に示すように、電子部品保持手段68を粘着性物質3より上昇させて、電子部品保持手段68の異物89を引き剥がして取り除く。
【0087】
以上のように、粘着性物質3における電子部品保持手段68の清掃作業位置を順次変更することで、既に粘着性物質3に張付いた異物89にて異物89の取除く作業を妨げられることがない清掃作業位置にて、異物89を効率的に取除くことができる。
【0088】
(実施の形態11)
以下、本発明の実施の形態11について説明する。ここでは、実施の形態1と異なる部分について重点的に説明する。
【0089】
図13(a)(b)(c)(d)(e)は、本発明の実施形態11における、電子部品保持手段68を清掃する清掃手段1の構成と清掃作業の流れを示す正面図である。
【0090】
図13(a)(b)(c)(d)(e)において、清掃手段1を構成する平らな板2の上には、粘着性物質3が、上面が水平となるように固定配置されている。9はカバーであり、電子部品保持手段68を清掃しない場合は前進して粘着性物質3の粘着面を覆うとともに、電子部品保持手段68を清掃する際には後退して粘着性物質3の粘着面を開放するように構成されている。このカバー9は、空圧式のシリンダー11のピストンロッド10の先端に固定されることで、開閉動作を行うように構成されている。すなわち、シリンダー11と図示しない電磁バルブとが、電磁バルブがオンした場合ピストンロッド10が前進し、オフした場合後退するように、エア配管にて接続されている。以上により清掃手段1を構成している。
【0091】
図13(a)(b)(c)(d)(e)を用いて、清掃作業の流れを説明する。
まず、図13(a)に示すように、電子部品保持手段68を粘着性物質3の上方に移動させる。この時、図示しない電磁バルブをオンした状態であり、ピストンロッド10が前進してカバー9が粘着性物質3の粘着面を覆っている。次に、図13(b)に示すように、電子部品保持手段68を清掃するために、電磁バルブをオフしてピストンロッド10を後退させてカバー9の覆いを粘着面の上方から待避させる。次に、図13(c)に示すように、電子部品保持手段68を粘着性物質3に当て異物を接着させる。続いて、図13(d)に示すように、電子部品保持手段68を粘着性物質3より上昇させて、電子部品保持手段68の下面の異物を引き剥がして取り除く。最後に、図13(e)に示すように、図示しない電磁バルブをオンしてピストンロッド10を前進させてカバー9にて粘着性物質3の粘着面を覆う。
【0092】
以上のようにすることで、清掃手段1にて清掃作業を実施しない場合に、粘着性物質3の粘着面にほこり、落下物などが付着して、粘着面の粘着力が低下することを防止することができる。
【0093】
【発明の効果】
以上のように本発明によると、電子部品保持手段が電子部品を保持して基板上の所定の位置に実装する運搬途中で、前記電子部品保持手段に保持された電子部品を姿勢認識手段にて撮像して、姿勢認識処理を行った結果にもとづき実装位置を補正して電子部品を実装する電子部品実装装置において、前記電子部品保持手段の可動範囲内に、粘着性物質を具備した清掃手段を設けて、前記粘着性物質に電子部品保持手段を当てた後に離すことで前記電子部品保持手段を清掃できるように構成したため、電子部品保持手段を自動的に清掃することができて、電子部品の外形を検出する際の外乱の発生原因となる異物を取除くことができ、これを利用して微小電子部品の高精度な姿勢認識を可能にした電子部品実装装置を提供することができるのみならず、通常の部品吸着、認識、装着の実装動作の流れの中で清掃を行うことができるので、清掃に伴う電子部品保持手段の余分な動作を最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の電子部品実装装置の平面図
【図2】図1の電子部品実装装置における清掃手段の構成と清掃作業の流れとを示す正面図
【図3】本発明の実施の形態2の電子部品実装装置における清掃手段の構成と清掃作業の流れとを示す正面図
【図4】本発明の実施の形態3の電子部品実装装置における清掃手段の構成と清掃作業の流れとを示す正面図
【図5】本発明の実施の形態3の電子部品実装装置における他の清掃手段の構成と清掃作業の流れとを示す正面図
【図6】本発明の実施の形態4の電子部品実装装置における清掃手段の構成と清掃作業の流れとを示す正面図
【図7】本発明の実施の形態6の電子部品実装装置における清掃手段の構成と清掃作業の流れとを示す正面図
【図8】本発明の実施の形態7の電子部品実装装置における清掃手段の構成と清掃作業の流れとを示す正面図
【図9】本発明の実施の形態7の電子部品実装装置における他の清掃手段の構成と清掃作業の流れとを示す正面図
【図10】本発明の実施の形態8の電子部品実装装置における清掃手段の構成と清掃作業の流れとを示す正面図
【図11】本発明の実施の形態9の電子部品実装装置における清掃手段の構成と清掃作業の流れとを示す正面図
【図12】本発明の実施の形態10の電子部品実装装置における清掃手段の構成と清掃作業の流れとを示す正面図
【図13】本発明の実施の形態11の電子部品実装装置における清掃手段の構成と清掃作業の流れとを示す正面図
【図14】従来の電子部品実装装置を示す平面図
【図15】図14の電子部品実装装置における実装ヘッドユニットを示す正面図
【図16】図14の電子部品実装装置における電子部品姿勢認識装置の構成を示す正面図
【図17】図16の電子部品姿勢認識装置で電子部品からの反射光像を撮像した画像を示す図
【図18】図14の電子部品実装装置における電子部品保持手段の下面の例を示す図
【図19】図18に示した部分からの反射光像を撮像した画像を示す図
【符号の説明】
1 清掃手段
3 粘着性物質
68 電子部品保持手段
89 異物

Claims (5)

  1. 電子部品保持手段が電子部品を保持して基板上の所定の位置に実装する運搬途中で、前記電子部品保持手段に保持された電子部品を姿勢認識手段にて撮像して、姿勢認識処理を行った結果にもとづき実装位置を補正して電子部品を実装する電子部品実装装置において、前記電子部品保持手段の可動範囲内に、粘着性物質を具備した清掃手段を設けて、前記粘着性物質に電子部品保持手段を当てた後に離すことで前記電子部品保持手段を清掃できるように構成したことを特徴とする電子部品実装装置。
  2. 粘着性物質が、柔軟で且つ弾性を有したものであることを特徴とする請求項1記載の電子部品実装装置。
  3. 粘着性物質が導電性を有することを特徴とする請求項1記載の電子部品実装装置。
  4. 粘着性物質は、水洗すると粘着性が回復する物質であることを特徴とする請求項1記載の電子部品実装装置。
  5. 清掃手段は、清掃作業を実施しない場合は粘着性物質を覆うとともに、清掃作業を実施する場合は粘着性物質を露出させるカバーと、前記カバーを前記粘着性物質を覆う位置と露出させる位置とに移動させる移動手段とを有することを特徴とする請求項1記載の電子部品実装装置。
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