JP2004355360A - 廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法、工業製品の廃棄時期判定方法、装置及びシステム - Google Patents
廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法、工業製品の廃棄時期判定方法、装置及びシステム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】廃棄処分された後に高価な原材料が回収可能な工業製品からそのような原材料費を回収することを前提として販売価格からはそのような原材料費を差し引いて販売することによりそのような工業製品を購入するユーザの初期投資額を小さくして、製造業者にとっては販売を容易にし、ユーザにとっては購入(設備投資)を容易にしてそのような工業製品の普及を容易にする。
【解決手段】販売時の製品価格,特定の原材料の含有量,及び特定の原材料の工業製品の製造時の価格を記憶装置に記憶させておき、所定時点で工業製品に含まれる特定の原材料を回収して売却する場合の売却価格と、工業製品と交換される代替工業製品の価格からこれに含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、工業製品の廃棄費用とをコンピュータに計算させ、計算結果から特定の原材料費を回収するための最適な時期をコンピュータに判定させる。
【選択図】 図1
【解決手段】販売時の製品価格,特定の原材料の含有量,及び特定の原材料の工業製品の製造時の価格を記憶装置に記憶させておき、所定時点で工業製品に含まれる特定の原材料を回収して売却する場合の売却価格と、工業製品と交換される代替工業製品の価格からこれに含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、工業製品の廃棄費用とをコンピュータに計算させ、計算結果から特定の原材料費を回収するための最適な時期をコンピュータに判定させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は比較的高価な原材料を使用する工業製品の廃棄後に特定の原材料費を回収するための方法に関し、またそのような工業製品の廃棄時期を判定するための方法に関し、更にそのような方法を実施するための装置及びそれを通信回線で接続したシステムに関する。
【0002】
本発明は具体的には、一例として超電導ケーブル、特に送電ケーブルとしての使用が有望視されているビスマス系の超電導ケーブルでは、超電導体を銀シースで包んだ構成を採っているため、このような超電導ケーブルが耐用年数に達して代替の新製品に交換される場合、または何らかの事情により新製品に交換されるような場合に、その原材料の一つである銀を回収し、その原材料費を回収するための方法に関し、またそのような工業製品の廃棄時期を判定するための方法に関し、更にそのような方法を実施するための装置及びそれを通信回線で接続したシステムに関する。
【0003】
【従来の技術】
比較的高価な原材料を使用する工業製品においては、その使用後に原材料を回収することが広く行なわれている。たとえば廃棄された半導体からその接点材料として使用されている主として金を含む種々の貴金属を回収したり、耐用年数が経過して廃棄された電力ケーブルから銅を回収したりすることが従来も広く行なわれている。
【0004】
ところで、上述のような半導体からの金等の貴金属の回収、電力ケーブルからの銅の回収等は産業廃棄物からの回収である場合が一般的であるが、産業廃棄物処理事業を営む業者は製造業者(メーカ)とは全く無関係に産業廃棄物を回収し、回収した金, 銅等は産業廃棄物処理事業者が独自に金属地金として処分していた。しかし、ビスマス系の超電導ケーブルのような多量の銀を含む工業製品が産業廃棄物となったような場合には、銀そのものの価値は変わらず、また廃棄物中での含有量が非常に多い、換言すれば廃棄物といえども非常な価値をその時点でもなお有している。
【0005】
このため、ビスマス系の超電導ケーブルのように産業廃棄物となった後にもなお高額な価値を有している場合には、通常の産業廃棄物処理業者では資金面からも、また技術面からも処理することが困難であり、専門の回収業者またはケーブルの製造業者自身がその廃棄後の処理にも関与せざるを得ないことが予想される。
【0006】
一方、上述のようなビスマス系の超電導ケーブルの主たる買手(ユーザ)となる電力会社では、高価なビスマス系の超電導ケーブルの導入には資金面での問題が多い。特に、ビスマス系の超電導ケーブルを購入して使用する場合、廃棄後に回収される銀の価格をもユーザが購入時の購入価格に含めて負担する必要があるが、これはケーブルの廃棄後にはユーザの資産として扱われるべきものであると考えられる。しかしこの場合、ユーザにとっては、ケーブルの廃棄後に回収される銀の価格をケーブルの購入時に負担することは無駄な投資であり、いわば遊休資産に相当することになる。
【0007】
なお、超電導物質の廃棄時の処理に関しては、超電導物質そのものが今だ工業製品としては広く実用化されているとは言い難いため、特許文献1に開示されているような、ニオブ系の超電導線の廃棄時に銅線屑から分離して取り出す技術が知られているのみである。
【0008】
【特許文献1】
特開平06−005140号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような事情から、ビスマス系の超電導ケーブルはその製品価格が高額であることがネックとなって普及し難いことが予想される。このため、メーカにとってはこれまでの研究開発費,製造設備への投資等を回収することが困難になり、またユーザにとっては廃棄時点でかなりの金額を回収することが可能であるにも拘わらず、購入時点でその金額を負担する必要があり、ビスマス系の超電導ケーブルの導入を躊躇する要因ともなりかねない。
【0010】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、廃棄処分された後に高価な原材料が回収可能な工業製品からそのような原材料費を回収することを前提として販売価格からはそのような原材料費を差し引いて販売することによりそのような工業製品を購入するユーザの初期投資額を小さくして、製造業者にとっては販売を容易にし、ユーザにとっては購入(設備投資)を容易にしてそのような工業製品の普及を容易にすることができる廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法、工業製品の廃棄時期判定方法、装置及びシステムの提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1の発明の廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法は、製造業者が製造した工業製品を該工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた価格で買手に販売し、前記工業製品を前記買手が廃棄する際に前記工業製品に含まれる前記特定の原材料を回収してその売却代金を前記製造業者が収受することを特徴とする。
【0012】
このような第1の発明の廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法では、製造業者が製造した工業製品をそれに含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた価格で買手が購入して使用し、その工業製品を買手が廃棄する際には特定の原材料費が製造業者に返還される。
【0013】
第2の発明の廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法は、製造業者が製造した工業製品を該工業製品の販売価格から該工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた価格で買手に販売し、前記工業製品を前記買手が廃棄する際に該工業製品に含まれる前記特定の原材料費を回収するための方法であって、前記製造業者が製造した工業製品を前記買手に販売した際に、販売時の製品価格,前記特定の原材料の含有量,及び前記特定の原材料の前記工業製品の製造時の価格を記憶装置に記憶させる第1のステップと、所定時点で前記工業製品に含まれる前記特定の原材料を回収して売却する場合の売却価格を、前記記憶手段が記憶している前記工業製品の製造時の前記特定の原材料の含有量と前記所定時点での前記特定の原材料の単価とからコンピュータに計算させる第2のステップと、前記所定時点で前記工業製品と交換される代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記所定時点での前記工業製品の廃棄費用とをコンピュータに計算させる第3のステップと、前記第2のステップで計算された前記特定の原材料の売却価格と、前記第3のステップで計算された前記代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記第3のステップで計算された前記廃棄費用とから、前記特定の原材料費を回収するための最適な時期をコンピュータに判定させる第4のステップとを含むことを特徴とする。
【0014】
このような第2の発明の廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法では、製造業者が製造した工業製品を買手に販売した際に、販売時の製品価格,特定の原材料の含有量,及び特定の原材料の工業製品の製造時の価格が記憶装置に記憶され、所定時点で工業製品に含まれる特定の原材料を回収して売却する場合の売却価格が、記憶手段が記憶している工業製品の製造時の特定の原材料の含有量と所定時点での特定の原材料の単価とからコンピュータにより計算され、所定時点で工業製品と交換される代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、所定時点での工業製品の廃棄費用とがコンピュータにより計算され、コンピュータが計算した特定の原材料の売却価格と、代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、廃棄費用とから、特定の原材料費を回収するための最適な時期がコンピュータにより判定される。
【0015】
第3の発明の廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法は上述の第2の発明において、前記第1のステップで、前記記憶手段に更に、前記製造業者から購入した前記工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報を記憶させておき、前記第4のステップで、前記記憶手段が記憶している前記工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報を加味して、前記特定の原材料費を回収するための最適な時期をコンピュータに判定させることを特徴とする。
【0016】
このような第3の発明の廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法では上述の第2の発明において、記憶手段には更に、製造業者から購入した工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報が記憶されており、この記憶手段が記憶している工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報を加味して、特定の原材料費を回収するための最適な時期がコンピュータにより判定される。
【0017】
第4の発明の工業製品の廃棄時期判定方法は、製造業者が製造した工業製品を該工業製品の販売価格から該工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた価格で買手に販売し、前記工業製品を前記買手が廃棄する際に該工業製品に含まれる前記特定の原材料費を回収するために前記工業製品の廃棄時期を判定する方法であって、前記製造業者が製造した工業製品を前記買手に販売した際に、販売時の製品価格,前記特定の原材料の含有量,及び前記特定の原材料の前記工業製品の製造時の価格を記憶装置に記憶させる第1のステップと、所定時点で前記工業製品に含まれる前記特定の原材料を回収して売却する場合の売却価格を、前記記憶手段が記憶している前記工業製品の製造時の前記特定の原材料の含有量と前記所定時点での前記特定の原材料の単価とからコンピュータに計算させる第2のステップと、前記所定時点で前記工業製品と交換される代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記所定時点での前記工業製品の廃棄費用とをコンピュータに計算させる第3のステップと、前記第2のステップで計算された前記特定の原材料の売却価格と、前記第3のステップで計算された前記代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記第3のステップで計算された前記廃棄費用とから、前記工業製品を廃棄して前記代替工業製品と交換する最適な時期をコンピュータに判定させる第4のステップとを含むことを特徴とする。
【0018】
このような第4の発明の工業製品の廃棄時期判定方法では、製造業者が製造した工業製品を買手に販売した際に、販売時の製品価格,特定の原材料の含有量,及び特定の原材料の工業製品の製造時の価格が記憶装置に記憶され、所定時点で工業製品に含まれる特定の原材料を回収して売却する場合の売却価格が、記憶手段が記憶している工業製品の製造時の特定の原材料の含有量と所定時点での特定の原材料の単価とからコンピュータにより計算され、所定時点で工業製品と交換される代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、所定時点での工業製品の廃棄費用とがコンピュータにより計算され、コンピュータが計算した特定の原材料の売却価格と、代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、廃棄費用とから、工業製品を廃棄して代替工業製品と交換する最適な時期がコンピュータにより判定される。
【0019】
第5の発明の工業製品の廃棄時期判定方法は上述の第4の発明において、前記第1のステップで、前記記憶手段に更に、前記製造業者から購入した前記工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報を記憶させておき、前記第4のステップで、前記記憶手段が記憶している前記工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報を加味して、前記工業製品を廃棄して前記代替工業製品と交換する最適な時期をコンピュータに判定させることを特徴とする。
【0020】
このような第5の発明の工業製品の廃棄時期判定方法では上述の第4の発明において、記憶手段には更に、製造業者から購入した工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報が記憶されており、この記憶手段が記憶している工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報が加味されて、工業製品を廃棄して代替工業製品と交換する最適な時期がコンピュータにより判定される。
【0021】
第6の発明の工業製品の廃棄時期判定装置は、製造業者が製造した工業製品を該工業製品の販売価格から該工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた価格で買手に販売し、前記工業製品を前記買手が廃棄する際に該工業製品に含まれる前記特定の原材料費を回収するために前記工業製品の廃棄時期を判定する装置であって、前記製造業者が製造した工業製品を前記買手に販売した際に、販売時の製品価格,前記特定の原材料の含有量,及び前記特定の原材料の前記工業製品の製造時の価格を記憶する記憶手段と、所定時点で前記工業製品に含まれる前記特定の原材料を回収して売却する場合の売却価格を、前記記憶手段が記憶している前記工業製品の製造時の前記特定の原材料の含有量と前記所定時点での前記特定の原材料の単価とから計算する第1の計算手段と、前記所定時点で前記工業製品と交換される代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記所定時点での前記工業製品の廃棄費用とを計算する第2の計算手段と、前記第1の計算手段が計算した前記特定の原材料の売却価格と、前記第2の計算手段が計算した前記代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記第2の計算手段が計算した前記廃棄費用とから、前記所定時点で前記工業製品を廃棄して前記代替工業製品と交換することの適否を判定する判定手段とを含むこと特徴とする。
【0022】
このような第6の発明の工業製品の廃棄時期判定装置では、製造業者が製造した工業製品を買手に販売した際に、販売時の製品価格,特定の原材料の含有量,及び特定の原材料の工業製品の製造時の価格が記憶手段に記憶され、所定時点で工業製品に含まれる特定の原材料を回収して売却する場合の売却価格が、記憶手段が記憶している工業製品の製造時の特定の原材料の含有量と所定時点での特定の原材料の単価とから計算され、所定時点で工業製品と交換される代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、所定時点での工業製品の廃棄費用とが計算され、計算された特定の原材料の売却価格と、代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、廃棄費用とから、所定時点で工業製品を廃棄して代替工業製品と交換することの適否が判定される。
【0023】
第7の発明の工業製品の廃棄時期判定装置は上述の第6の発明において、前記記憶手段は更に、前記製造業者から購入した前記工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報を記憶し、前記判定手段による判定結果と、前記記憶手段が記憶している前記購入した前記工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報とに基づいて、前記工業製品を廃棄して前記代替工業製品と交換する時期を判定する手段とを更に備えることを特徴とする。
【0024】
このような第7の発明の工業製品の廃棄時期判定装置では上述の第6の発明において、記憶手段には更に、製造業者から購入した工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報が記憶されており、判定手段による判定結果と、記憶手段が記憶している購入した工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報とに基づいて、工業製品を廃棄して代替工業製品と交換する時期が判定される。
【0025】
第8の発明の工業製品の廃棄時期判定装置は上述の第6又は第7の発明において、前記記憶手段,第1の計算手段,第2の計算手段,及び判定手段の内の少なくとも一つが他の手段とネットワーク接続されていることを特徴とする。
【0026】
このような第8の発明の工業製品の廃棄時期判定装置では上述の第7又は第8の発明において、記憶手段,第1の計算手段,第2の計算手段,及び判定手段の内の一つが他の手段とネットワーク接続されているか、またはいくつかが他の手段とネットワーク接続されているか、あるいは全てが相互に他の手段とネットワーク接続されており、それぞれが異なる場所に所在するコンピュータにより実現される。
【0027】
第9の発明の工業製品の廃棄時期判定システムは、製造業者が製造した工業製品を該工業製品の販売価格から該工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた価格で買手に販売し、前記工業製品を前記買手が廃棄する際に前記工業製品に含まれる前記特定の原材料費を回収するために前記工業製品の廃棄時期を判定するシステムであって、通信回線で相互に接続された前記製造業者が管理する第1の装置と、前記買手が管理する第2の装置とを含み、前記第1の装置は、前記製造業者が製造した工業製品を前記買手に販売した際に、販売時の製品価格,前記特定の原材料の含有量,及び前記特定の原材料の前記工業製品の製造時の価格を記憶する記憶手段,所定時点で前記工業製品に含まれる前記特定の原材料を回収して売却する場合の売却価格を、前記記憶手段が記憶している前記工業製品の製造時の前記特定の原材料の含有量と前記所定時点での前記特定の原材料の単価とから計算する第1の計算手段,前記所定時点で前記工業製品と交換される代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記所定時点での前記工業製品の廃棄費用とを計算する第2の計算手段,及び前記第1の計算手段が計算した前記特定の原材料の売却価格と、前記第2の計算手段が計算した前記代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記第2の計算手段が計算した前記廃棄費用とから、前記所定時点で前記工業製品を廃棄して前記代替工業製品と交換することの適否を判定する判定手段を備え、前記第2の装置は、前記通信回線を介して前記第1の装置の前記各計算手段に計算及び判定手段に判定を行なわせる指示を与える手段及び第1の装置による計算結果及び判定結果を前記通信回線を介して受信する手段を備え、前記第1の装置は前記第2の装置から前記指示が与えられた時点を前記所定時点として前記各計算手段に計算及び判定手段に判定を行なわせるようにしてあることを特徴とする。
【0028】
このような第9の発明の工業製品の廃棄時期判定システムでは、製造業者が管理する第1の装置と買手が管理する第2の装置とが通信回線で相互に接続されており、第2の装置は、通信回線を介して第1の装置に計算及び判定を行なわせる指示を与え、第1の装置は第2の装置から指示が与えられた時点を所定時点として、製造業者が製造した工業製品を買手に販売した際に、販売時の製品価格,特定の原材料の含有量,及び特定の原材料の工業製品の製造時の価格を記憶手段に記憶しており、所定時点で工業製品に含まれる特定の原材料を回収して売却する場合の売却価格を、記憶手段が記憶している工業製品の製造時の特定の原材料の含有量と所定時点での特定の原材料の単価とから計算し、所定時点で工業製品と交換される代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、所定時点での工業製品の廃棄費用とを計算し、計算した特定の原材料の売却価格と、代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、廃棄費用とから、所定時点で工業製品を廃棄して代替工業製品と交換することの適否を判定し、第2の装置は第1の装置による計算結果及び判定結果を通信回線を介して受信する。
【0029】
第10の発明の工業製品の廃棄時期判定システムは、製造業者が製造した工業製品を該工業製品の販売価格から該工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた価格で買手に販売し、前記工業製品を前記買手が廃棄する際に回収業者が前記工業製品に含まれる前記特定の原材料費を回収するために前記工業製品の廃棄時期を判定するシステムであって、通信回線で相互に接続された前記回収業者が管理する第1の装置と、前記買手が管理する第2の装置とを含み、前記第1の装置は、前記製造業者が製造した工業製品を前記買手に販売した際に、販売時の製品価格,前記特定の原材料の含有量,及び前記特定の原材料の前記工業製品の製造時の価格を記憶する記憶手段,所定時点で前記工業製品に含まれる前記特定の原材料を回収して売却する場合の売却価格を、前記記憶手段が記憶している前記工業製品の製造時の前記特定の原材料の含有量と前記所定時点での前記特定の原材料の単価とから計算する第1の計算手段,前記所定時点で前記工業製品と交換される代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記所定時点での前記工業製品の廃棄費用とを計算する第2の計算手段,及び前記第1の計算手段が計算した前記特定の原材料の売却価格と、前記第2の計算手段が計算した前記代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記第2の計算手段が計算した前記廃棄費用とから、前記所定時点で前記工業製品を廃棄して前記代替工業製品と交換することの適否を判定する判定手段を備え、前記第2の装置は、前記通信回線を介して前記第1の装置の前記各計算手段に計算及び判定手段に判定を行なわせる指示を与える手段,及び前記第1の装置による計算結果及び判定結果を前記通信回線を介して受信する手段を備え、前記第1の装置は前記第2の装置から前記指示が与えられた時点を前記所定時点として前記各計算手段に計算及び前記判定手段に判定を行なわせるようにしてあることを特徴とする。
【0030】
このような第10の発明の工業製品の廃棄時期判定システムでは、回収業者が管理する第1の装置と買手が管理する第2の装置とが通信回線で相互に接続されており、第2の装置は通信回線を介して第1の装置の各計算手段に計算及び判定手段に判定を行なわせる指示を与え、第1の装置は第2の装置から指示が与えられた時点を所定時点として、製造業者が製造した工業製品を買手に販売した際に、販売時の製品価格,特定の原材料の含有量,及び特定の原材料の工業製品の製造時の価格を記憶しており、所定時点で工業製品に含まれる特定の原材料を回収して売却する場合の売却価格を、記憶手段が記憶している工業製品の製造時の特定の原材料の含有量と所定時点での特定の原材料の単価とから計算し、所定時点で工業製品と交換される代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、所定時点での工業製品の廃棄費用とを計算し、計算した特定の原材料の売却価格と、代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、廃棄費用とから、所定時点で工業製品を廃棄して代替工業製品と交換することの適否を判定し、第2の装置は第1の装置による計算結果及び判定結果を通信回線を介して受信する。
【0031】
第11の発明の工業製品の廃棄時期判定システムは、製造業者が製造した工業製品を該工業製品の販売価格から該工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を第三者機関が保証することにより差し引いた価格で買手に販売し、前記工業製品を前記買手が廃棄する際に前記工業製品に含まれる前記特定の原材料費を回収するために前記工業製品の廃棄時期を判定するシステムであって、通信回線で相互に接続された前記第三者機関が管理する第1の装置と、前記買手が管理する第2の装置とを含み、前記第1の装置は、前記製造業者が製造した工業製品を前記買手に販売した際に、販売時の製品価格,前記特定の原材料の含有量,及び前記特定の原材料の前記工業製品の製造時の価格を記憶する記憶手段,所定時点で前記工業製品に含まれる前記特定の原材料を回収して売却する場合の売却価格を、前記記憶手段が記憶している前記工業製品の製造時の前記特定の原材料の含有量と前記所定時点での前記特定の原材料の単価とから計算する第1の計算手段,前記所定時点で前記工業製品と交換される代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記所定時点での前記工業製品の廃棄費用とを計算する第2の計算手段,及び前記第1の計算手段が計算した前記特定の原材料の売却価格と、前記第2の計算手段が計算した前記代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記第2の計算手段が計算した前記廃棄費用とから、前記所定時点で前記工業製品を廃棄して前記代替工業製品と交換することの適否を判定する判定手段を備え、前記第2の装置は、前記通信回線を介して前記第1の装置の前記各計算手段に計算及び判定手段に判定を行なわせる指示を与える手段,及び前記第1の装置による計算結果及び判定結果を前記通信回線を介して受信する手段を備え、前記第1の装置は前記第2の装置から前記指示が与えられた時点を前記所定時点として前記各計算手段に計算及び前記判定手段に判定を行なわせるようにしてあることを特徴とする。
【0032】
このような第11の発明の工業製品の廃棄時期判定システムでは、第三者機関が管理する第1の装置と買手が管理する第2の装置とが通信回線で相互に接続されており、第2の装置は通信回線を介して第1の装置の各計算手段に計算及び判定手段に判定を行なわせる指示を与え、第1の装置は第2の装置から指示が与えられた時点を所定時点として製造業者が製造した工業製品を買手に販売した際に、販売時の製品価格,特定の原材料の含有量,及び特定の原材料の工業製品の製造時の価格を記憶し、所定時点で工業製品に含まれる特定の原材料を回収して売却する場合の売却価格を、記憶手段が記憶している工業製品の製造時の特定の原材料の含有量と所定時点での特定の原材料の単価とから計算し、所定時点で工業製品と交換される代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、所定時点での工業製品の廃棄費用とを計算し、計算した特定の原材料の売却価格と、代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、廃棄費用とから、所定時点で工業製品を廃棄して代替工業製品と交換することの適否を判定し、第2の装置は第1の装置による計算結果及び判定結果を通信回線を介して受信する。
【0033】
第12の発明の工業製品の廃棄時期判定システムは上述の第9乃至第11の発明のいずれかにおいて、前記第2の装置は、前記製造業者から購入した前記工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報を記憶する記憶手段と、前記第1の装置から受信した計算結果及び判定結果と、前記記憶手段が記憶している前記工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報とに基づいて、前記工業製品を廃棄して前記代替工業製品と交換する時期を判定する手段とを更に備えることを特徴とする。
【0034】
このような第12の発明の工業製品の廃棄時期判定システムでは上述の第9乃至第11の発明のいずれかにおいて、第2の装置が製造業者から購入した工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報を記憶手段に記憶しており、第1の装置から受信した計算結果及び判定結果と、記憶手段が記憶している工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報とに基づいて、工業製品を廃棄して代替工業製品と交換する時期を判定する。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は本発明の廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法の基本的な手順を示す模式図であり、まずこの図1を参照して本発明の廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法に関してその基本的な手順について説明する。
【0036】
まず、メーカ(製造業者)Mが製品、本実施の形態ではビスマス系の超電導ケーブルKを製造し、これをユーザ(買手)Uに販売する。この際、メーカMは、超電導ケーブルKの本来の販売価格(製品価格)からそれに含まれる銀の価格を差し引いた額でユーザUに販売する。即ち、ユーザUにとっての購入価格は
「購入価格」=「製品価格」−「含有銀価格」
となる。但し、「含有銀価格」は超電導ケーブルKに含有される銀の純粋な価格そのものでもよいが、メーカMに超電導ケーブルK用のシースとして納入された価格でもよい。
【0037】
これにより、ユーザUは超電導ケーブルKをメーカMにとっての本来の販売価格からそれに含有される銀の価格を差し引いた購入価格で購入することができるので、初期投資額を抑制することが可能になる。一方、メーカMは販売した超電導ケーブルKに含有される銀の価格分だけ収入が少なくなるが、それに相当する額を回収業者Rに貸し付ける形にする。これにより、メーカMでは、帳簿上は超電導ケーブルKの本来の販売価格の収入が得られたことになる。
【0038】
一方、回収業者RはメーカMがユーザUに販売した超電導ケーブルKに含まれる銀の価格に相当する額をメーカMから借りることになるが、この額はユーザUが超電導ケーブルKを廃棄する時点で回収業者Rが超電導ケーブルKから銀を回収して得られる売却益で返済する。但し、超電導ケーブルKが廃棄された時点でそれから回収される銀の売却益と、回収業者Rが銀代金として借りた金額とは必ずしも一致しない。その主たる理由は、超電導ケーブルKの製造時に含有されていた銀の全量が回収可能ではないこと、超電導ケーブルKが製造された時点とそれが廃棄されて銀が回収された時点との銀相場の相違である。
【0039】
従って、ユーザUにとっては、銀相場が高い時期に超電導ケーブルKを廃棄して銀を回収すれば、その売却益が高額になるため、超電導ケーブルKの廃棄に要する経費を抑制することが可能になる。また逆にユーザUにとっては、銀相場が低い時期に超電導ケーブルKの購入契約をすれば、その超電導ケーブルKの廃棄時に銀の売却益との差額をより多く見込めることになる。
【0040】
以上のように、ユーザUは超電導ケーブルKの購入に際してそれに含まれる銀の価格分を差し引いた額を用意すればよいことになり、初期投資を抑制することが可能になるので超電導ケーブルの普及が容易になると考えらる。また、メーカMは超電導ケーブルの生産・販売量を増加させることが可能になる。このように、上述のような本発明の廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法をビジネス方法として採用すればメーカM及びユーザUの双方にとって非常なメリットがある。更に、回収業者Rにとっても、将来の超電導ケーブルの回収作業が保証されるので、メリットがあると考えられる。
【0041】
本発明の廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法の基本的な手順は上述の如くであるが、実際にこのようなシステムを運営するためには種々の問題、たとえば銀価格の変動、回収業者Rにとっての金利変動、ユーザUによる超電導ケーブルの更新時期の判断等の問題があると考えられる。以下にそのような要因をも考慮した実際のシステムである本発明の工業製品の廃棄時期判定装置及びシステムについて説明する。
【0042】
図2は本発明のシステムの運営に係わる事業者及びそれぞれの間での物の移動及び債務関係等を示す模式図である。なお、前述の図1に示した手順では、関係事業者としては、メーカM、ユーザU及び回収業者Rを示したが、実際には円滑な運営のために保証業者Cを介在させる。なお、保証業者Cは具体的には回収業者(またはメーカM)に代わって超電導ケーブルKに含まれる銀の価格を提供するものであり、たとえば銀行,投資会社等が相当する。
【0043】
メーカMは超電導ケーブルKを製造してユーザUに販売するが、その際の超電導ケーブルKの本来の販売価格をα0とする。このメーカMによる販売価格α0は超電導ケーブルKに含有される銀の価格β0とそれ以外の金額P0(以下、諸経費という)とを合わせた額である。なお、諸経費P0には、銀以外の原材料費, 加工費用, メーカMの適正利益, その他の雑費等が含まれる。
【0044】
一方、たとえば電力会社等であるユーザUは、メーカMが製造した超電導ケーブルKを本来の販売価格α0ではなく、α0から超電導ケーブルKに含有されている銀の価格β0を差し引いた残額であるP0で購入することができる。以下、このP0をユーザUの購入価格という。
【0045】
これにより、ユーザUは本来の販売価格よりは比較的低額であるP0で超電導ケーブルKを購入することができるので、設備投資が容易になる。但しこの際、ユーザUには、購入した超電導ケーブルKを廃棄する時点でそれに含有されている銀(実際にはその価格)の返済が義務付けられており、それができない場合は利子を含めた金額をメーカMに支払わなければならない。また、ユーザUが超電導ケーブルKを廃棄する場合にはその処分を予め定められている回収業者Rに任せることも義務付けられている。
【0046】
ところで、メーカMは超電導ケーブルKの本来の販売価格α0に対してユーザUからはP0しか代金を受け取れないため、その差額(具体的には、超電導ケーブルKに含まれる銀の価格β0)が得られないことになるが、その分の支払いを保証業者Cから受けることにより、販売価格α0の全額を受け取ることができる。
【0047】
但し、メーカMが銀を直接調達せずに銀販売業者Aから購入する場合は、保証業者Cが銀価格β0を銀販売業者Aに支払い、これに応じて銀販売業者Aが銀をメーカMに納入するようにしてもよい。
【0048】
このように、保証業者Cは銀価格β0をメーカMまたは銀販売業者Aに支払うが、一方ではその額β0を所定の利率で回収業者Rに貸し付ける。
【0049】
以上により、メーカMが超電導ケーブルKをユーザUに本来の販売価格α0よりは低額なP0で販売することが可能になり、ユーザUは超電導ケーブルKを自社の事業用の資産として実際に運用するが、やがて耐用年数が経過すると超電導ケーブルKを廃棄することになる。
【0050】
ユーザUが超電導ケーブルKを廃棄する場合、予め定められている回収業者Rにその廃棄処分を任せることになるが、その際に回収業者Rが請け負う回収費用をKとする。この回収費用Kには、超電導ケーブルKの回収工事に要する工事費等の実費と、先に回収業者Rが保証業者Cから貸し付けを受けている銀価格β0と、この銀価格β0に対する所定の利率による利息と、回収業者Rの適正利益とが含まれるが、廃棄された超電導ケーブルKに含有される銀の売却代金β1は差し引いてある。この関係を式で示すと下記式(1)になる。
【0051】
【0052】
即ち、回収業者Rは廃棄された超電導ケーブルKの回収に際して、ユーザUから回収費用Kを受け取るが、これは廃棄された超電導ケーブルKから回収される銀の売却代金β1を予め差し引いた額であり、この額から借り入れ金(超電導ケーブルKの製造時に含有されていた銀価格)β0及びその利息を保証業者Cに返済し、その残額から回収実費を差し引いた額が回収業者Rの適正利益として残ることになる。
【0053】
従って、ユーザUにとっては、廃棄された超電導ケーブルKに含まれる銀の売却代金が多ければ多いほど回収業者Rに支払う回収費用Kが少なくなり、逆に廃棄された超電導ケーブルKに含まれる銀の売却代金が少なければ少ないほど回収業者Rに支払う回収費用Kが多くなる。換言すれば、ユーザUにとっては、銀相場が高い時点で超電導ケーブルKを廃棄すれば、回収業者Rに支払わなければならない回収費用Kを抑制することが可能になる。
【0054】
保証業者Cは上述のようにして回収業者RがユーザUから受け取った回収費用Kの内の先に貸し付けてあった銀価格β0と、これに対する利息とを加算した金額を受け取る。
【0055】
以上により、超電導ケーブルKの製造から廃棄までの一回のサイクルが完了するが、勿論、このようなサイクルは複数の超電導ケーブルKを対象として行なわれるものであり、従って連続して且つ重複して行なわれることになる。このようなサイクルにより、メーカMは超電導ケーブルKの本来の販売価格よりもかなり低い価格でユーザUに販売することが可能になり、ユーザUは超電導ケーブルKを導入する場合の初期投資を抑制することが可能になり、回収業者R及び保証業者Cはビジネスチャンスが増えることになり、全体として超電導ケーブルの普及が促進されることが期待できる。
【0056】
なお、以上の説明においては、メーカM, 回収業者R, 保証業者Cは異なる事業者としているが、メーカMが保証業者Cを兼ねて直接回収業者Rに銀価格β0を貸し付けるようにしてもよい。この場合、銀価格β0に対する利息はメーカMの利益となる。また、回収業者Rが保証業者Cを通さずに直接メーカMから銀価格β0の貸し付けを受けてもよい。この場合には、銀価格β0に対する利息が安くなるというメリットが期待できる。更に、メーカMが回収業者R及び保証業者Cを兼ねてもよい。この場合、メーカMは超電導ケーブルKの販売当初には銀価格を回収できないが、ユーザUと一対一の関係で取引を行なうことができるので、事業継続の面での確実性が保証される。
【0057】
ところで、以上のようなシステムは当事者同士の間の契約により行なわれるものであり、紙の上の契約書による契約によって成立させることも可能ではあるが、ユーザUにとっては、運用中の超電導ケーブルKの減価償却, 耐用年数による廃棄時期、換言すれば新しい超電導ケーブルKへの交換時期の選択,廃棄した超電導ケーブルKに含有される銀のその時々の相場等に応じて最適な、換言すれば経営的に最も有利な廃棄時期を選択することが望ましいが、そのような判断は人間の判断では困難であると考えられる。
【0058】
特に、前述した如く、銀相場が高い時点で超電導ケーブルKを廃棄すればユーザUから回収業者Rへ支払わなければならない回収費用Kが安価になる。しかしこの場合、メーカMでの超電導ケーブルKの製造に要する銀の価格も高くなるが、ユーザUはこの超電導ケーブルKの製造時点で必要な銀価格を支払う必要はない。但し、この超電導ケーブルKの製造時点で必要な銀の価格は、その超電導ケーブルKを廃棄する際にユーザUから回収業者Rに支払われるべき回収費用Kに含まれ、それをその時点での廃棄された超電導ケーブルKから回収される銀の売却代金で相殺することになる。従って、ユーザUにとっては、廃棄すべき超電導ケーブルKに含まれる銀の価格(製造時点での価格)と、その超電導ケーブルKを廃棄する時点での銀の価格との関係で、回収業者に支払うべき回収費用Kの額が左右されることになる。
【0059】
より具体的には、銀の相場が低い時期に超電導ケーブルKを発注してユーザUが支払うべき金額P0を確定させておき、銀の相場が高い時期に超電導ケーブルKを廃棄すれば、前述の式(1)から明らかなように、回収経費Kの内の「銀価格β0」(超電導ケーブルKの製造時点でそれに含まれる銀の価格)が低額になる。一方、銀の相場が高い時期に超電導ケーブルKを廃棄すれば、前述の式(1)から明らかなように、「銀の売却代金β1」(廃棄される超電導ケーブルKから回収される銀の売却益)が高額になる。従って、式(1)中の「銀価格β0」が低額になるように、そして「銀の売却代金β1」が高額になるように、時期を選択して新たな超電導ケーブルKを発注し、古い超電導ケーブルKを廃棄すれば、ユーザUにとっては最も有利になる。但し、新たな超電導ケーブルKの製造と古い超電導ケーブルKの廃棄との間の時差は1年乃至せいぜい数年と考えられるため、実際には上述の関係はトレードオフの状態となる場合が多い。
【0060】
以下においては、そのようなユーザUにとっての超電導ケーブルKの最適な廃棄時期の選択の手法としての本発明の工業製品の廃棄時期判定方法、及びそのための装置及びシステムについて説明する。
【0061】
この場合、ユーザUにとって必要な情報は、その時点で超電導ケーブルKを廃棄した場合の費用、換言すれば上述した回収業者Rが請け負う回収費用Kと、廃棄する超電導ケーブルKに代えて新たな超電導ケーブルKを購入するための費用である。ここで、回収費用Kを再度下記式(2)で定義する。
【0062】
K(t)=γ(t)−(β1(t)−(β0+I(t)) …(2)
但し、(t):その時点での値を表わす
K(t):回収業者Rがその時点で請け負う回収費用
γ(t):その時点での回収実費+回収業者Rの適正利益
β1(t):廃棄対象の超電導ケーブルKに含有されるその時点での銀価格(回収業者Rによる売却益)
β0:廃棄対象の超電導ケーブルKの製造時の銀価格
I(t):その時点での利息(利率一定であれば年数のみで決定する)
【0063】
また、その時点での新たな超電導ケーブルKを購入するための費用、即ち更新費用P(t)は下記式(3)で定義される。
【0064】
但し、P(t):その時点での超電導ケーブルKのユーザUの購入価格
α1(t):その時点での超電導ケーブルKの本来の販売価格
β1(t):超電導ケーブルKに含まれるその時点での銀価格
AgV1:超電導ケーブルKに含まれる銀の量
Ag(t):その時点の銀の相場
【0065】
ユーザUにとっては上述のような情報に基づいて超電導ケーブルKの更新時期を決定することが望ましいので、ユーザUには上述のような情報が提供される。以下にそのようなシステムについて説明する。
【0066】
ユーザUにとっては上述のような情報に基づいて超電導ケーブルKの更新時期を決定することが望ましいので、回収業者R(メーカMでもよいし、メーカMが回収業者Rを兼ねていてもよい)はオンラインシステムにより上述の情報をユーザUに提供する。以下においては、一例として回収業者Rがそのようなシステムを運用する例について説明する。
【0067】
図3はユーザUに上述のような情報を提供するためのシステム構成図である。10は管理システム本体であり、通常の汎用コンピュータが利用可能である。なおこの管理システム本体10は、たとえば回収業者Rが管理してもよいし、メーカMが管理してもよいし、更には保証業者Cが管理してもよい。また、後述するように、回収業者システム本体10に接続されている記憶装置に構築されているデータベースをメーカMが使用するシステムに管理させ、必要に応じて管理システム本体10からこのメーカMが使用するシステムのデータベースをアクセスするようにしてもよい。
【0068】
20はユーザU側のシステム本体(以下、ユーザシステム本体)であり、通常の汎用コンピュータが利用可能である。両システム本体10,20は通信回線としてのインターネットINによりネットワーク接続されていてオンライン化されている。なお、両システム本体10,20間はインターネットINのみならず、たとえば専用回線等でもよい。
【0069】
管理システム本体10には、たとえばハードディスク等の大規模記憶装置11が接続されており、これに種々のデータを蓄積してあるデータベース(D/B)が構築されている。また、管理システム本体10にはモニタ12,キーボード13,マウス14等が接続されており、一般的な汎用コンピュータシステムで構成可能である。
【0070】
また、ユーザシステム本体20は、たとえばハードディスク等の大規模記憶装置21が接続されており、これに種々のデータを蓄積してあるデータベース(D/B)が構築されている。また、ユーザシステム本体20にはモニタ22,キーボード23,マウス24等が接続されており、一般的な汎用コンピュータシステムで構成可能である。
【0071】
以下、図4の管理システム本体10側の処理手順を示すフローチャート及び図5のユーザシステム本体20側の処理手順を示すフローチャートを参照して、本発明のシステムの動作について説明する。
【0072】
管理システム本体10にはその記憶装置11内のデータベースに、回収対象の超電導ケーブルKに関する情報として、それに含まれていた銀の価格β0(固定値)、これに対する利率r、回収可能な銀の量AgV0が予め登録されている(ステップS11)。このような情報のデータベースへの登録は、管理システム本体10のオペレータがモニタ12の表示画面を見つつキーボード13,マウス14を操作して行うことが可能であることは通常のコンピュータシステムと同様である。
【0073】
また、管理システム本体10には、回収対象の超電導ケーブルKに代えて新たに超電導ケーブルKを購入するための情報として、新たな超電導ケーブルKの価格α1、それに含まれる銀の量AgV1、その時点での回収実費と回収業者Rの適正利益とを合わせた金額γ(t)が、また同時にその時点の銀の相場Ag(t)が所定時間毎に入力される(ステップS12)。これらの情報は、所定時刻において管理システム本体10のオペレータが手作業でキーボード13,マウス14等を操作して入力してもよいが、管理システム本体10がオンラインで自動的に収集するように構成することも勿論可能である。
【0074】
これらのステップS12において管理システム本体10へ入力される情報は所定時間間隔で、たとえば各日の所定時刻において(ステップS13でYES)、それぞれの時点での情報が入力されることにより、その都度、最新の情報に更新される。
【0075】
管理システム本体10は基本的には、ステップS11において個々の超電導ケーブルKに関する製造時点での情報を記憶装置11内のデータベースに登録して保存しておき、ステップS12においてその時点で新たな超電導ケーブルKをユーザUが購入する場合に必要な情報の入力を受け付ける、という処理を反復している。
【0076】
このような管理システム本体10に対してユーザシステム本体20側からアクセスが有った場合(ステップS14でYES)、管理システム本体10は前述の式(3)に基づいて新たな超電導ケーブルKのその時点でのユーザUによる購入価格P(t)と、前述の式(2)に基づいて回収対象の超電導ケーブルKの回収費用K(t)とをそれぞれ計算し(ステップS15)、計算結果のP(t)及びK(t)をデータベースに格納する(ステップS16)。
【0077】
次に管理システム本体10は、データベースに格納してあるP(t)及びK(t)の時系列データから超電導ケーブルKの交換時期の適否を判定する(ステップS17)。この判定はあくまでも人間による判断の参考にするためのものであり、たとえばP(t)及びK(t)の時系列データの微分値、過去の増減の周期等から現時点で超電導ケーブルKを交換することが有利であるか、不利であるかをおおまかに判定するていどでよい。
【0078】
最後に管理システム本体10は、ステップS15で計算したその時点のP(t)及びK(t)と、ステップS17での判定結果とをユーザシステム本体20へ送信する(ステップS18)。
【0079】
一方、ユーザシステム本体20にはその記憶装置21内のデータベースに、メーカMから購入した超電導ケーブルKに関する情報として、償却年数,耐用年数等の情報が予め登録されている(ステップS21)。このような情報のデータベースへの登録は、ユーザシステム本体20のオペレータがモニタ22の表示画面を見つつキーボード23,マウス24を操作して行うことが可能であることは通常のコンピュータシステムと同様である。
【0080】
そして、ユーザシステム本体20側では、そのオペレータがモニタ22の表示内容をみつつキーボード23,マウス24を操作して管理システム本体10へアクセスし、所定の指示を送信することにより(ステップS22)、上述したように管理システム本体10から新たな超電導ケーブルKのその時点の購入価格P(t)と、回収対象(ユーザUにとっては廃棄対象)の超電導ケーブルKのその時点の回収費用K(t)と、前述のステップS17での判定結果とを受信する(ステップS23)。
【0081】
そしてユーザシステム本体20は、管理システム本体10から受信した情報と、記憶装置21内のデータベースに登録してある更新対象(回収業者Rにとっては回収対象)の超電導ケーブルKに関する種々の情報、具体的には償却年数,耐用年数等に基づいて超電導ケーブルKの更新の適否判断する(ステップS24)。
【0082】
なお、上述のユーザシステム本体20によるステップS24での処理は、ユーザシステム本体20自身が所定のアルゴリズムに基づいて最適な更新時期を判定してモニタ22に表示するが、最終的な決定は、ユーザU側の他の条件、たとえば財務状況、設備の更新計画、電力の需要予測等をも勘案して人間が行なうようにすることはいうまでもない。また、ステップS24では、ユーザシステム本体20は管理システム本体10から受信した情報を単にモニタ22に表示するのみでもよい。この場合も、最終的な判断はユーザU側で人間が行なう。
【0083】
ところで、上述の例では本発明の工業製品の廃棄時期判定装置を管理システム本体10とユーザシステム本体20とに分割し、両者をインターネットINでオンライン接続したシステムとして構成してあるが、管理システム本体10の機能とユーザシステム本体20の機能とを一つにまとめたスタンドアローンのコンピュータシステムで実現することも勿論可能である。
【0084】
また管理システム本体10と同等の装置をメーカMに設置し、これとユーザシステム本体20とをインターネットINでオンライン接続する構成を採ることも勿論可能であり、更に管理システム本体10と同等の装置を保証業者Cに設置し、これとユーザシステム本体20とをインターネットINでオンライン接続する構成を採ることも勿論可能である。
【0085】
また更に他の構成例としては、管理システム本体10の大規模記憶装置11に構築されているデータベース(D/B)をメーカMが管理するコンピュータの記憶装置内に構築し、必要の都度、管理システム本体10からこのデータベースにアクセスするようにしてもよい。
【0086】
更にまた、上述の実施の形態においては、工業製品として非常に高価な銀を原材料として多量に含有するビスマス系の超電導ケーブルを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、同様な問題を有する種々の工業製品に対して適用可能であり、たとえば比較的高価な銅を多量に含有する通常の電力ケーブル、将来実用化されるであろう貴金属を基板に使用する半導体装置等にも適用可能であることはいうまでもない。
【0087】
【発明の効果】
以上に詳述したように第1の発明の廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法によれば、製造業者が製造した工業製品をそれに含まれる特定の原材料に関する価格(原材料そのものの価格に加工費等を加算した価格)を差し引いた価格で買手が購入して使用し、その工業製品の廃棄時には特定の原材料費が製造業者に返還されるので、買手は本来の製品価格よりも安価で工業製品を購入することが、製造業者はより多くの工業製品を販売することがそれぞれ可能になる。
【0088】
第2の発明の廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法によれば、工業製品を廃棄するにあたって特定の原材料費を回収するための最適な時期がコンピュータにより判定されるので、買手は有利な条件で工業製品を買い替えることが可能になる。
【0089】
第3の発明の廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法によれば上述の第2の発明において、記憶手段が記憶している工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報を加味して、特定の原材料費を回収するための最適な時期がコンピュータにより判定されるので、買手は工業製品の減価償却及び耐用年数をも勘案して有利な条件で工業製品を買い替えることが可能になる。
【0090】
第4の発明の工業製品の廃棄時期判定方法によれば、工業製品を廃棄して代替工業製品と交換する最適な時期がコンピュータにより判定されるので、買手は有利な条件で工業製品を買い替えることが可能になる。
【0091】
第5の発明の工業製品の廃棄時期判定方法によれば上述の第4の発明において、記憶手段が記憶している工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報を加味して、特定の原材料費を回収するための最適な時期がコンピュータにより判定されるので、買手は工業製品の減価償却及び耐用年数をも勘案して有利な条件で工業製品を買い替えることが可能になる。
【0092】
第6の発明の工業製品の廃棄時期判定装置によれば、所定時点で工業製品を廃棄して代替工業製品と交換することの適否が判定されるので、買手は有利な条件で工業製品を買い替えることが可能になる。
【0093】
第7の発明の工業製品の廃棄時期判定装置によれば上述の第6の発明において、記憶手段が記憶している工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報を加味して、特定の原材料費を回収するための最適な時期がコンピュータにより判定されるので、買手は工業製品の減価償却及び耐用年数をも勘案して有利な条件で工業製品を買い替えることが可能になる。
【0094】
第8の発明の工業製品の廃棄時期判定装置によれば上述の第7又は第8の発明において、記憶手段,第1の計算手段,第2の計算手段,及び判定手段の内の一つが他の手段とネットワーク接続されているか、またはいくつかが他の手段とネットワーク接続されているか、あるいは全てが相互に他の手段とネットワーク接続されており、それぞれが異なる場所に所在するコンピュータにより実現されるので、必要に応じてたとえばメーカが管理するコンピュータの記憶装置を記憶手段として利用したり、メーカが管理するコンピュータ、回収業者が管理するコンピュータ、又は保証業者が管理するコンピュータを第1,第2の計算手段及び判定手段として利用したり、あるいはユーザが管理するコンピュータを利用することも可能である。換言すれば、本発明方法の実施にどのような業者が関与するかに応じた分散システムとして本発明の工業製品の廃棄時期判定装置を構成することが可能になる。
【0095】
第9の発明の工業製品の廃棄時期判定システムによれば、所定時点で工業製品を廃棄して代替工業製品と交換することの適否が判定されるので、買手は有利な条件で工業製品を買い替えることが可能になると共に、自身の端末装置でその情報を知ることが可能になる。
【0096】
第10の発明の工業製品の廃棄時期判定システムによれば、所定時点で工業製品を廃棄して代替工業製品と交換することの適否が判定されるので、買手は有利な条件で工業製品を買い替えることが可能になると共に、自身の端末装置でその情報を知ることが可能になる。
【0097】
第11の発明の工業製品の廃棄時期判定システムによれば、所定時点で工業製品を廃棄して代替工業製品と交換することの適否が判定されるので、買手は有利な条件で工業製品を買い替えることが可能になると共に、自身の端末装置でその情報を知ることが可能になる。
【0098】
第12の発明の工業製品の廃棄時期判定システムによれば上述の第9乃至第11の発明のいずれかにおいて、記憶手段が記憶している工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報を加味して、特定の原材料費を回収するための最適な時期がコンピュータにより判定されるので、買手は工業製品の減価償却及び耐用年数をも勘案して有利な条件で工業製品を買い替えることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法の基本的な手順を示す模式図である。
【図2】本発明のシステムの運営に係わる事業者及びそれぞれの間での物の移動及び債務関係等を示す模式図である。
【図3】回収業者R及びユーザUが運用するシステムの構成例を示すシステム構成図である。
【図4】管理システム本体側の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】ユーザシステム本体側の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
M メーカ(製造業者)
U ユーザ(買手)
R 回収業者
C 保証業者
K 超電導ケーブル
10 管理システム本体
11 大規模記憶装置(データベース)
20 ユーザシステム本体
21 大規模記憶装置(データベース)
IN インターネット
【発明の属する技術分野】
本発明は比較的高価な原材料を使用する工業製品の廃棄後に特定の原材料費を回収するための方法に関し、またそのような工業製品の廃棄時期を判定するための方法に関し、更にそのような方法を実施するための装置及びそれを通信回線で接続したシステムに関する。
【0002】
本発明は具体的には、一例として超電導ケーブル、特に送電ケーブルとしての使用が有望視されているビスマス系の超電導ケーブルでは、超電導体を銀シースで包んだ構成を採っているため、このような超電導ケーブルが耐用年数に達して代替の新製品に交換される場合、または何らかの事情により新製品に交換されるような場合に、その原材料の一つである銀を回収し、その原材料費を回収するための方法に関し、またそのような工業製品の廃棄時期を判定するための方法に関し、更にそのような方法を実施するための装置及びそれを通信回線で接続したシステムに関する。
【0003】
【従来の技術】
比較的高価な原材料を使用する工業製品においては、その使用後に原材料を回収することが広く行なわれている。たとえば廃棄された半導体からその接点材料として使用されている主として金を含む種々の貴金属を回収したり、耐用年数が経過して廃棄された電力ケーブルから銅を回収したりすることが従来も広く行なわれている。
【0004】
ところで、上述のような半導体からの金等の貴金属の回収、電力ケーブルからの銅の回収等は産業廃棄物からの回収である場合が一般的であるが、産業廃棄物処理事業を営む業者は製造業者(メーカ)とは全く無関係に産業廃棄物を回収し、回収した金, 銅等は産業廃棄物処理事業者が独自に金属地金として処分していた。しかし、ビスマス系の超電導ケーブルのような多量の銀を含む工業製品が産業廃棄物となったような場合には、銀そのものの価値は変わらず、また廃棄物中での含有量が非常に多い、換言すれば廃棄物といえども非常な価値をその時点でもなお有している。
【0005】
このため、ビスマス系の超電導ケーブルのように産業廃棄物となった後にもなお高額な価値を有している場合には、通常の産業廃棄物処理業者では資金面からも、また技術面からも処理することが困難であり、専門の回収業者またはケーブルの製造業者自身がその廃棄後の処理にも関与せざるを得ないことが予想される。
【0006】
一方、上述のようなビスマス系の超電導ケーブルの主たる買手(ユーザ)となる電力会社では、高価なビスマス系の超電導ケーブルの導入には資金面での問題が多い。特に、ビスマス系の超電導ケーブルを購入して使用する場合、廃棄後に回収される銀の価格をもユーザが購入時の購入価格に含めて負担する必要があるが、これはケーブルの廃棄後にはユーザの資産として扱われるべきものであると考えられる。しかしこの場合、ユーザにとっては、ケーブルの廃棄後に回収される銀の価格をケーブルの購入時に負担することは無駄な投資であり、いわば遊休資産に相当することになる。
【0007】
なお、超電導物質の廃棄時の処理に関しては、超電導物質そのものが今だ工業製品としては広く実用化されているとは言い難いため、特許文献1に開示されているような、ニオブ系の超電導線の廃棄時に銅線屑から分離して取り出す技術が知られているのみである。
【0008】
【特許文献1】
特開平06−005140号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような事情から、ビスマス系の超電導ケーブルはその製品価格が高額であることがネックとなって普及し難いことが予想される。このため、メーカにとってはこれまでの研究開発費,製造設備への投資等を回収することが困難になり、またユーザにとっては廃棄時点でかなりの金額を回収することが可能であるにも拘わらず、購入時点でその金額を負担する必要があり、ビスマス系の超電導ケーブルの導入を躊躇する要因ともなりかねない。
【0010】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、廃棄処分された後に高価な原材料が回収可能な工業製品からそのような原材料費を回収することを前提として販売価格からはそのような原材料費を差し引いて販売することによりそのような工業製品を購入するユーザの初期投資額を小さくして、製造業者にとっては販売を容易にし、ユーザにとっては購入(設備投資)を容易にしてそのような工業製品の普及を容易にすることができる廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法、工業製品の廃棄時期判定方法、装置及びシステムの提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1の発明の廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法は、製造業者が製造した工業製品を該工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた価格で買手に販売し、前記工業製品を前記買手が廃棄する際に前記工業製品に含まれる前記特定の原材料を回収してその売却代金を前記製造業者が収受することを特徴とする。
【0012】
このような第1の発明の廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法では、製造業者が製造した工業製品をそれに含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた価格で買手が購入して使用し、その工業製品を買手が廃棄する際には特定の原材料費が製造業者に返還される。
【0013】
第2の発明の廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法は、製造業者が製造した工業製品を該工業製品の販売価格から該工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた価格で買手に販売し、前記工業製品を前記買手が廃棄する際に該工業製品に含まれる前記特定の原材料費を回収するための方法であって、前記製造業者が製造した工業製品を前記買手に販売した際に、販売時の製品価格,前記特定の原材料の含有量,及び前記特定の原材料の前記工業製品の製造時の価格を記憶装置に記憶させる第1のステップと、所定時点で前記工業製品に含まれる前記特定の原材料を回収して売却する場合の売却価格を、前記記憶手段が記憶している前記工業製品の製造時の前記特定の原材料の含有量と前記所定時点での前記特定の原材料の単価とからコンピュータに計算させる第2のステップと、前記所定時点で前記工業製品と交換される代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記所定時点での前記工業製品の廃棄費用とをコンピュータに計算させる第3のステップと、前記第2のステップで計算された前記特定の原材料の売却価格と、前記第3のステップで計算された前記代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記第3のステップで計算された前記廃棄費用とから、前記特定の原材料費を回収するための最適な時期をコンピュータに判定させる第4のステップとを含むことを特徴とする。
【0014】
このような第2の発明の廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法では、製造業者が製造した工業製品を買手に販売した際に、販売時の製品価格,特定の原材料の含有量,及び特定の原材料の工業製品の製造時の価格が記憶装置に記憶され、所定時点で工業製品に含まれる特定の原材料を回収して売却する場合の売却価格が、記憶手段が記憶している工業製品の製造時の特定の原材料の含有量と所定時点での特定の原材料の単価とからコンピュータにより計算され、所定時点で工業製品と交換される代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、所定時点での工業製品の廃棄費用とがコンピュータにより計算され、コンピュータが計算した特定の原材料の売却価格と、代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、廃棄費用とから、特定の原材料費を回収するための最適な時期がコンピュータにより判定される。
【0015】
第3の発明の廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法は上述の第2の発明において、前記第1のステップで、前記記憶手段に更に、前記製造業者から購入した前記工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報を記憶させておき、前記第4のステップで、前記記憶手段が記憶している前記工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報を加味して、前記特定の原材料費を回収するための最適な時期をコンピュータに判定させることを特徴とする。
【0016】
このような第3の発明の廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法では上述の第2の発明において、記憶手段には更に、製造業者から購入した工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報が記憶されており、この記憶手段が記憶している工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報を加味して、特定の原材料費を回収するための最適な時期がコンピュータにより判定される。
【0017】
第4の発明の工業製品の廃棄時期判定方法は、製造業者が製造した工業製品を該工業製品の販売価格から該工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた価格で買手に販売し、前記工業製品を前記買手が廃棄する際に該工業製品に含まれる前記特定の原材料費を回収するために前記工業製品の廃棄時期を判定する方法であって、前記製造業者が製造した工業製品を前記買手に販売した際に、販売時の製品価格,前記特定の原材料の含有量,及び前記特定の原材料の前記工業製品の製造時の価格を記憶装置に記憶させる第1のステップと、所定時点で前記工業製品に含まれる前記特定の原材料を回収して売却する場合の売却価格を、前記記憶手段が記憶している前記工業製品の製造時の前記特定の原材料の含有量と前記所定時点での前記特定の原材料の単価とからコンピュータに計算させる第2のステップと、前記所定時点で前記工業製品と交換される代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記所定時点での前記工業製品の廃棄費用とをコンピュータに計算させる第3のステップと、前記第2のステップで計算された前記特定の原材料の売却価格と、前記第3のステップで計算された前記代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記第3のステップで計算された前記廃棄費用とから、前記工業製品を廃棄して前記代替工業製品と交換する最適な時期をコンピュータに判定させる第4のステップとを含むことを特徴とする。
【0018】
このような第4の発明の工業製品の廃棄時期判定方法では、製造業者が製造した工業製品を買手に販売した際に、販売時の製品価格,特定の原材料の含有量,及び特定の原材料の工業製品の製造時の価格が記憶装置に記憶され、所定時点で工業製品に含まれる特定の原材料を回収して売却する場合の売却価格が、記憶手段が記憶している工業製品の製造時の特定の原材料の含有量と所定時点での特定の原材料の単価とからコンピュータにより計算され、所定時点で工業製品と交換される代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、所定時点での工業製品の廃棄費用とがコンピュータにより計算され、コンピュータが計算した特定の原材料の売却価格と、代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、廃棄費用とから、工業製品を廃棄して代替工業製品と交換する最適な時期がコンピュータにより判定される。
【0019】
第5の発明の工業製品の廃棄時期判定方法は上述の第4の発明において、前記第1のステップで、前記記憶手段に更に、前記製造業者から購入した前記工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報を記憶させておき、前記第4のステップで、前記記憶手段が記憶している前記工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報を加味して、前記工業製品を廃棄して前記代替工業製品と交換する最適な時期をコンピュータに判定させることを特徴とする。
【0020】
このような第5の発明の工業製品の廃棄時期判定方法では上述の第4の発明において、記憶手段には更に、製造業者から購入した工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報が記憶されており、この記憶手段が記憶している工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報が加味されて、工業製品を廃棄して代替工業製品と交換する最適な時期がコンピュータにより判定される。
【0021】
第6の発明の工業製品の廃棄時期判定装置は、製造業者が製造した工業製品を該工業製品の販売価格から該工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた価格で買手に販売し、前記工業製品を前記買手が廃棄する際に該工業製品に含まれる前記特定の原材料費を回収するために前記工業製品の廃棄時期を判定する装置であって、前記製造業者が製造した工業製品を前記買手に販売した際に、販売時の製品価格,前記特定の原材料の含有量,及び前記特定の原材料の前記工業製品の製造時の価格を記憶する記憶手段と、所定時点で前記工業製品に含まれる前記特定の原材料を回収して売却する場合の売却価格を、前記記憶手段が記憶している前記工業製品の製造時の前記特定の原材料の含有量と前記所定時点での前記特定の原材料の単価とから計算する第1の計算手段と、前記所定時点で前記工業製品と交換される代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記所定時点での前記工業製品の廃棄費用とを計算する第2の計算手段と、前記第1の計算手段が計算した前記特定の原材料の売却価格と、前記第2の計算手段が計算した前記代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記第2の計算手段が計算した前記廃棄費用とから、前記所定時点で前記工業製品を廃棄して前記代替工業製品と交換することの適否を判定する判定手段とを含むこと特徴とする。
【0022】
このような第6の発明の工業製品の廃棄時期判定装置では、製造業者が製造した工業製品を買手に販売した際に、販売時の製品価格,特定の原材料の含有量,及び特定の原材料の工業製品の製造時の価格が記憶手段に記憶され、所定時点で工業製品に含まれる特定の原材料を回収して売却する場合の売却価格が、記憶手段が記憶している工業製品の製造時の特定の原材料の含有量と所定時点での特定の原材料の単価とから計算され、所定時点で工業製品と交換される代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、所定時点での工業製品の廃棄費用とが計算され、計算された特定の原材料の売却価格と、代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、廃棄費用とから、所定時点で工業製品を廃棄して代替工業製品と交換することの適否が判定される。
【0023】
第7の発明の工業製品の廃棄時期判定装置は上述の第6の発明において、前記記憶手段は更に、前記製造業者から購入した前記工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報を記憶し、前記判定手段による判定結果と、前記記憶手段が記憶している前記購入した前記工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報とに基づいて、前記工業製品を廃棄して前記代替工業製品と交換する時期を判定する手段とを更に備えることを特徴とする。
【0024】
このような第7の発明の工業製品の廃棄時期判定装置では上述の第6の発明において、記憶手段には更に、製造業者から購入した工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報が記憶されており、判定手段による判定結果と、記憶手段が記憶している購入した工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報とに基づいて、工業製品を廃棄して代替工業製品と交換する時期が判定される。
【0025】
第8の発明の工業製品の廃棄時期判定装置は上述の第6又は第7の発明において、前記記憶手段,第1の計算手段,第2の計算手段,及び判定手段の内の少なくとも一つが他の手段とネットワーク接続されていることを特徴とする。
【0026】
このような第8の発明の工業製品の廃棄時期判定装置では上述の第7又は第8の発明において、記憶手段,第1の計算手段,第2の計算手段,及び判定手段の内の一つが他の手段とネットワーク接続されているか、またはいくつかが他の手段とネットワーク接続されているか、あるいは全てが相互に他の手段とネットワーク接続されており、それぞれが異なる場所に所在するコンピュータにより実現される。
【0027】
第9の発明の工業製品の廃棄時期判定システムは、製造業者が製造した工業製品を該工業製品の販売価格から該工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた価格で買手に販売し、前記工業製品を前記買手が廃棄する際に前記工業製品に含まれる前記特定の原材料費を回収するために前記工業製品の廃棄時期を判定するシステムであって、通信回線で相互に接続された前記製造業者が管理する第1の装置と、前記買手が管理する第2の装置とを含み、前記第1の装置は、前記製造業者が製造した工業製品を前記買手に販売した際に、販売時の製品価格,前記特定の原材料の含有量,及び前記特定の原材料の前記工業製品の製造時の価格を記憶する記憶手段,所定時点で前記工業製品に含まれる前記特定の原材料を回収して売却する場合の売却価格を、前記記憶手段が記憶している前記工業製品の製造時の前記特定の原材料の含有量と前記所定時点での前記特定の原材料の単価とから計算する第1の計算手段,前記所定時点で前記工業製品と交換される代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記所定時点での前記工業製品の廃棄費用とを計算する第2の計算手段,及び前記第1の計算手段が計算した前記特定の原材料の売却価格と、前記第2の計算手段が計算した前記代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記第2の計算手段が計算した前記廃棄費用とから、前記所定時点で前記工業製品を廃棄して前記代替工業製品と交換することの適否を判定する判定手段を備え、前記第2の装置は、前記通信回線を介して前記第1の装置の前記各計算手段に計算及び判定手段に判定を行なわせる指示を与える手段及び第1の装置による計算結果及び判定結果を前記通信回線を介して受信する手段を備え、前記第1の装置は前記第2の装置から前記指示が与えられた時点を前記所定時点として前記各計算手段に計算及び判定手段に判定を行なわせるようにしてあることを特徴とする。
【0028】
このような第9の発明の工業製品の廃棄時期判定システムでは、製造業者が管理する第1の装置と買手が管理する第2の装置とが通信回線で相互に接続されており、第2の装置は、通信回線を介して第1の装置に計算及び判定を行なわせる指示を与え、第1の装置は第2の装置から指示が与えられた時点を所定時点として、製造業者が製造した工業製品を買手に販売した際に、販売時の製品価格,特定の原材料の含有量,及び特定の原材料の工業製品の製造時の価格を記憶手段に記憶しており、所定時点で工業製品に含まれる特定の原材料を回収して売却する場合の売却価格を、記憶手段が記憶している工業製品の製造時の特定の原材料の含有量と所定時点での特定の原材料の単価とから計算し、所定時点で工業製品と交換される代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、所定時点での工業製品の廃棄費用とを計算し、計算した特定の原材料の売却価格と、代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、廃棄費用とから、所定時点で工業製品を廃棄して代替工業製品と交換することの適否を判定し、第2の装置は第1の装置による計算結果及び判定結果を通信回線を介して受信する。
【0029】
第10の発明の工業製品の廃棄時期判定システムは、製造業者が製造した工業製品を該工業製品の販売価格から該工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた価格で買手に販売し、前記工業製品を前記買手が廃棄する際に回収業者が前記工業製品に含まれる前記特定の原材料費を回収するために前記工業製品の廃棄時期を判定するシステムであって、通信回線で相互に接続された前記回収業者が管理する第1の装置と、前記買手が管理する第2の装置とを含み、前記第1の装置は、前記製造業者が製造した工業製品を前記買手に販売した際に、販売時の製品価格,前記特定の原材料の含有量,及び前記特定の原材料の前記工業製品の製造時の価格を記憶する記憶手段,所定時点で前記工業製品に含まれる前記特定の原材料を回収して売却する場合の売却価格を、前記記憶手段が記憶している前記工業製品の製造時の前記特定の原材料の含有量と前記所定時点での前記特定の原材料の単価とから計算する第1の計算手段,前記所定時点で前記工業製品と交換される代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記所定時点での前記工業製品の廃棄費用とを計算する第2の計算手段,及び前記第1の計算手段が計算した前記特定の原材料の売却価格と、前記第2の計算手段が計算した前記代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記第2の計算手段が計算した前記廃棄費用とから、前記所定時点で前記工業製品を廃棄して前記代替工業製品と交換することの適否を判定する判定手段を備え、前記第2の装置は、前記通信回線を介して前記第1の装置の前記各計算手段に計算及び判定手段に判定を行なわせる指示を与える手段,及び前記第1の装置による計算結果及び判定結果を前記通信回線を介して受信する手段を備え、前記第1の装置は前記第2の装置から前記指示が与えられた時点を前記所定時点として前記各計算手段に計算及び前記判定手段に判定を行なわせるようにしてあることを特徴とする。
【0030】
このような第10の発明の工業製品の廃棄時期判定システムでは、回収業者が管理する第1の装置と買手が管理する第2の装置とが通信回線で相互に接続されており、第2の装置は通信回線を介して第1の装置の各計算手段に計算及び判定手段に判定を行なわせる指示を与え、第1の装置は第2の装置から指示が与えられた時点を所定時点として、製造業者が製造した工業製品を買手に販売した際に、販売時の製品価格,特定の原材料の含有量,及び特定の原材料の工業製品の製造時の価格を記憶しており、所定時点で工業製品に含まれる特定の原材料を回収して売却する場合の売却価格を、記憶手段が記憶している工業製品の製造時の特定の原材料の含有量と所定時点での特定の原材料の単価とから計算し、所定時点で工業製品と交換される代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、所定時点での工業製品の廃棄費用とを計算し、計算した特定の原材料の売却価格と、代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、廃棄費用とから、所定時点で工業製品を廃棄して代替工業製品と交換することの適否を判定し、第2の装置は第1の装置による計算結果及び判定結果を通信回線を介して受信する。
【0031】
第11の発明の工業製品の廃棄時期判定システムは、製造業者が製造した工業製品を該工業製品の販売価格から該工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を第三者機関が保証することにより差し引いた価格で買手に販売し、前記工業製品を前記買手が廃棄する際に前記工業製品に含まれる前記特定の原材料費を回収するために前記工業製品の廃棄時期を判定するシステムであって、通信回線で相互に接続された前記第三者機関が管理する第1の装置と、前記買手が管理する第2の装置とを含み、前記第1の装置は、前記製造業者が製造した工業製品を前記買手に販売した際に、販売時の製品価格,前記特定の原材料の含有量,及び前記特定の原材料の前記工業製品の製造時の価格を記憶する記憶手段,所定時点で前記工業製品に含まれる前記特定の原材料を回収して売却する場合の売却価格を、前記記憶手段が記憶している前記工業製品の製造時の前記特定の原材料の含有量と前記所定時点での前記特定の原材料の単価とから計算する第1の計算手段,前記所定時点で前記工業製品と交換される代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記所定時点での前記工業製品の廃棄費用とを計算する第2の計算手段,及び前記第1の計算手段が計算した前記特定の原材料の売却価格と、前記第2の計算手段が計算した前記代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記第2の計算手段が計算した前記廃棄費用とから、前記所定時点で前記工業製品を廃棄して前記代替工業製品と交換することの適否を判定する判定手段を備え、前記第2の装置は、前記通信回線を介して前記第1の装置の前記各計算手段に計算及び判定手段に判定を行なわせる指示を与える手段,及び前記第1の装置による計算結果及び判定結果を前記通信回線を介して受信する手段を備え、前記第1の装置は前記第2の装置から前記指示が与えられた時点を前記所定時点として前記各計算手段に計算及び前記判定手段に判定を行なわせるようにしてあることを特徴とする。
【0032】
このような第11の発明の工業製品の廃棄時期判定システムでは、第三者機関が管理する第1の装置と買手が管理する第2の装置とが通信回線で相互に接続されており、第2の装置は通信回線を介して第1の装置の各計算手段に計算及び判定手段に判定を行なわせる指示を与え、第1の装置は第2の装置から指示が与えられた時点を所定時点として製造業者が製造した工業製品を買手に販売した際に、販売時の製品価格,特定の原材料の含有量,及び特定の原材料の工業製品の製造時の価格を記憶し、所定時点で工業製品に含まれる特定の原材料を回収して売却する場合の売却価格を、記憶手段が記憶している工業製品の製造時の特定の原材料の含有量と所定時点での特定の原材料の単価とから計算し、所定時点で工業製品と交換される代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、所定時点での工業製品の廃棄費用とを計算し、計算した特定の原材料の売却価格と、代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、廃棄費用とから、所定時点で工業製品を廃棄して代替工業製品と交換することの適否を判定し、第2の装置は第1の装置による計算結果及び判定結果を通信回線を介して受信する。
【0033】
第12の発明の工業製品の廃棄時期判定システムは上述の第9乃至第11の発明のいずれかにおいて、前記第2の装置は、前記製造業者から購入した前記工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報を記憶する記憶手段と、前記第1の装置から受信した計算結果及び判定結果と、前記記憶手段が記憶している前記工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報とに基づいて、前記工業製品を廃棄して前記代替工業製品と交換する時期を判定する手段とを更に備えることを特徴とする。
【0034】
このような第12の発明の工業製品の廃棄時期判定システムでは上述の第9乃至第11の発明のいずれかにおいて、第2の装置が製造業者から購入した工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報を記憶手段に記憶しており、第1の装置から受信した計算結果及び判定結果と、記憶手段が記憶している工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報とに基づいて、工業製品を廃棄して代替工業製品と交換する時期を判定する。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は本発明の廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法の基本的な手順を示す模式図であり、まずこの図1を参照して本発明の廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法に関してその基本的な手順について説明する。
【0036】
まず、メーカ(製造業者)Mが製品、本実施の形態ではビスマス系の超電導ケーブルKを製造し、これをユーザ(買手)Uに販売する。この際、メーカMは、超電導ケーブルKの本来の販売価格(製品価格)からそれに含まれる銀の価格を差し引いた額でユーザUに販売する。即ち、ユーザUにとっての購入価格は
「購入価格」=「製品価格」−「含有銀価格」
となる。但し、「含有銀価格」は超電導ケーブルKに含有される銀の純粋な価格そのものでもよいが、メーカMに超電導ケーブルK用のシースとして納入された価格でもよい。
【0037】
これにより、ユーザUは超電導ケーブルKをメーカMにとっての本来の販売価格からそれに含有される銀の価格を差し引いた購入価格で購入することができるので、初期投資額を抑制することが可能になる。一方、メーカMは販売した超電導ケーブルKに含有される銀の価格分だけ収入が少なくなるが、それに相当する額を回収業者Rに貸し付ける形にする。これにより、メーカMでは、帳簿上は超電導ケーブルKの本来の販売価格の収入が得られたことになる。
【0038】
一方、回収業者RはメーカMがユーザUに販売した超電導ケーブルKに含まれる銀の価格に相当する額をメーカMから借りることになるが、この額はユーザUが超電導ケーブルKを廃棄する時点で回収業者Rが超電導ケーブルKから銀を回収して得られる売却益で返済する。但し、超電導ケーブルKが廃棄された時点でそれから回収される銀の売却益と、回収業者Rが銀代金として借りた金額とは必ずしも一致しない。その主たる理由は、超電導ケーブルKの製造時に含有されていた銀の全量が回収可能ではないこと、超電導ケーブルKが製造された時点とそれが廃棄されて銀が回収された時点との銀相場の相違である。
【0039】
従って、ユーザUにとっては、銀相場が高い時期に超電導ケーブルKを廃棄して銀を回収すれば、その売却益が高額になるため、超電導ケーブルKの廃棄に要する経費を抑制することが可能になる。また逆にユーザUにとっては、銀相場が低い時期に超電導ケーブルKの購入契約をすれば、その超電導ケーブルKの廃棄時に銀の売却益との差額をより多く見込めることになる。
【0040】
以上のように、ユーザUは超電導ケーブルKの購入に際してそれに含まれる銀の価格分を差し引いた額を用意すればよいことになり、初期投資を抑制することが可能になるので超電導ケーブルの普及が容易になると考えらる。また、メーカMは超電導ケーブルの生産・販売量を増加させることが可能になる。このように、上述のような本発明の廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法をビジネス方法として採用すればメーカM及びユーザUの双方にとって非常なメリットがある。更に、回収業者Rにとっても、将来の超電導ケーブルの回収作業が保証されるので、メリットがあると考えられる。
【0041】
本発明の廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法の基本的な手順は上述の如くであるが、実際にこのようなシステムを運営するためには種々の問題、たとえば銀価格の変動、回収業者Rにとっての金利変動、ユーザUによる超電導ケーブルの更新時期の判断等の問題があると考えられる。以下にそのような要因をも考慮した実際のシステムである本発明の工業製品の廃棄時期判定装置及びシステムについて説明する。
【0042】
図2は本発明のシステムの運営に係わる事業者及びそれぞれの間での物の移動及び債務関係等を示す模式図である。なお、前述の図1に示した手順では、関係事業者としては、メーカM、ユーザU及び回収業者Rを示したが、実際には円滑な運営のために保証業者Cを介在させる。なお、保証業者Cは具体的には回収業者(またはメーカM)に代わって超電導ケーブルKに含まれる銀の価格を提供するものであり、たとえば銀行,投資会社等が相当する。
【0043】
メーカMは超電導ケーブルKを製造してユーザUに販売するが、その際の超電導ケーブルKの本来の販売価格をα0とする。このメーカMによる販売価格α0は超電導ケーブルKに含有される銀の価格β0とそれ以外の金額P0(以下、諸経費という)とを合わせた額である。なお、諸経費P0には、銀以外の原材料費, 加工費用, メーカMの適正利益, その他の雑費等が含まれる。
【0044】
一方、たとえば電力会社等であるユーザUは、メーカMが製造した超電導ケーブルKを本来の販売価格α0ではなく、α0から超電導ケーブルKに含有されている銀の価格β0を差し引いた残額であるP0で購入することができる。以下、このP0をユーザUの購入価格という。
【0045】
これにより、ユーザUは本来の販売価格よりは比較的低額であるP0で超電導ケーブルKを購入することができるので、設備投資が容易になる。但しこの際、ユーザUには、購入した超電導ケーブルKを廃棄する時点でそれに含有されている銀(実際にはその価格)の返済が義務付けられており、それができない場合は利子を含めた金額をメーカMに支払わなければならない。また、ユーザUが超電導ケーブルKを廃棄する場合にはその処分を予め定められている回収業者Rに任せることも義務付けられている。
【0046】
ところで、メーカMは超電導ケーブルKの本来の販売価格α0に対してユーザUからはP0しか代金を受け取れないため、その差額(具体的には、超電導ケーブルKに含まれる銀の価格β0)が得られないことになるが、その分の支払いを保証業者Cから受けることにより、販売価格α0の全額を受け取ることができる。
【0047】
但し、メーカMが銀を直接調達せずに銀販売業者Aから購入する場合は、保証業者Cが銀価格β0を銀販売業者Aに支払い、これに応じて銀販売業者Aが銀をメーカMに納入するようにしてもよい。
【0048】
このように、保証業者Cは銀価格β0をメーカMまたは銀販売業者Aに支払うが、一方ではその額β0を所定の利率で回収業者Rに貸し付ける。
【0049】
以上により、メーカMが超電導ケーブルKをユーザUに本来の販売価格α0よりは低額なP0で販売することが可能になり、ユーザUは超電導ケーブルKを自社の事業用の資産として実際に運用するが、やがて耐用年数が経過すると超電導ケーブルKを廃棄することになる。
【0050】
ユーザUが超電導ケーブルKを廃棄する場合、予め定められている回収業者Rにその廃棄処分を任せることになるが、その際に回収業者Rが請け負う回収費用をKとする。この回収費用Kには、超電導ケーブルKの回収工事に要する工事費等の実費と、先に回収業者Rが保証業者Cから貸し付けを受けている銀価格β0と、この銀価格β0に対する所定の利率による利息と、回収業者Rの適正利益とが含まれるが、廃棄された超電導ケーブルKに含有される銀の売却代金β1は差し引いてある。この関係を式で示すと下記式(1)になる。
【0051】
【0052】
即ち、回収業者Rは廃棄された超電導ケーブルKの回収に際して、ユーザUから回収費用Kを受け取るが、これは廃棄された超電導ケーブルKから回収される銀の売却代金β1を予め差し引いた額であり、この額から借り入れ金(超電導ケーブルKの製造時に含有されていた銀価格)β0及びその利息を保証業者Cに返済し、その残額から回収実費を差し引いた額が回収業者Rの適正利益として残ることになる。
【0053】
従って、ユーザUにとっては、廃棄された超電導ケーブルKに含まれる銀の売却代金が多ければ多いほど回収業者Rに支払う回収費用Kが少なくなり、逆に廃棄された超電導ケーブルKに含まれる銀の売却代金が少なければ少ないほど回収業者Rに支払う回収費用Kが多くなる。換言すれば、ユーザUにとっては、銀相場が高い時点で超電導ケーブルKを廃棄すれば、回収業者Rに支払わなければならない回収費用Kを抑制することが可能になる。
【0054】
保証業者Cは上述のようにして回収業者RがユーザUから受け取った回収費用Kの内の先に貸し付けてあった銀価格β0と、これに対する利息とを加算した金額を受け取る。
【0055】
以上により、超電導ケーブルKの製造から廃棄までの一回のサイクルが完了するが、勿論、このようなサイクルは複数の超電導ケーブルKを対象として行なわれるものであり、従って連続して且つ重複して行なわれることになる。このようなサイクルにより、メーカMは超電導ケーブルKの本来の販売価格よりもかなり低い価格でユーザUに販売することが可能になり、ユーザUは超電導ケーブルKを導入する場合の初期投資を抑制することが可能になり、回収業者R及び保証業者Cはビジネスチャンスが増えることになり、全体として超電導ケーブルの普及が促進されることが期待できる。
【0056】
なお、以上の説明においては、メーカM, 回収業者R, 保証業者Cは異なる事業者としているが、メーカMが保証業者Cを兼ねて直接回収業者Rに銀価格β0を貸し付けるようにしてもよい。この場合、銀価格β0に対する利息はメーカMの利益となる。また、回収業者Rが保証業者Cを通さずに直接メーカMから銀価格β0の貸し付けを受けてもよい。この場合には、銀価格β0に対する利息が安くなるというメリットが期待できる。更に、メーカMが回収業者R及び保証業者Cを兼ねてもよい。この場合、メーカMは超電導ケーブルKの販売当初には銀価格を回収できないが、ユーザUと一対一の関係で取引を行なうことができるので、事業継続の面での確実性が保証される。
【0057】
ところで、以上のようなシステムは当事者同士の間の契約により行なわれるものであり、紙の上の契約書による契約によって成立させることも可能ではあるが、ユーザUにとっては、運用中の超電導ケーブルKの減価償却, 耐用年数による廃棄時期、換言すれば新しい超電導ケーブルKへの交換時期の選択,廃棄した超電導ケーブルKに含有される銀のその時々の相場等に応じて最適な、換言すれば経営的に最も有利な廃棄時期を選択することが望ましいが、そのような判断は人間の判断では困難であると考えられる。
【0058】
特に、前述した如く、銀相場が高い時点で超電導ケーブルKを廃棄すればユーザUから回収業者Rへ支払わなければならない回収費用Kが安価になる。しかしこの場合、メーカMでの超電導ケーブルKの製造に要する銀の価格も高くなるが、ユーザUはこの超電導ケーブルKの製造時点で必要な銀価格を支払う必要はない。但し、この超電導ケーブルKの製造時点で必要な銀の価格は、その超電導ケーブルKを廃棄する際にユーザUから回収業者Rに支払われるべき回収費用Kに含まれ、それをその時点での廃棄された超電導ケーブルKから回収される銀の売却代金で相殺することになる。従って、ユーザUにとっては、廃棄すべき超電導ケーブルKに含まれる銀の価格(製造時点での価格)と、その超電導ケーブルKを廃棄する時点での銀の価格との関係で、回収業者に支払うべき回収費用Kの額が左右されることになる。
【0059】
より具体的には、銀の相場が低い時期に超電導ケーブルKを発注してユーザUが支払うべき金額P0を確定させておき、銀の相場が高い時期に超電導ケーブルKを廃棄すれば、前述の式(1)から明らかなように、回収経費Kの内の「銀価格β0」(超電導ケーブルKの製造時点でそれに含まれる銀の価格)が低額になる。一方、銀の相場が高い時期に超電導ケーブルKを廃棄すれば、前述の式(1)から明らかなように、「銀の売却代金β1」(廃棄される超電導ケーブルKから回収される銀の売却益)が高額になる。従って、式(1)中の「銀価格β0」が低額になるように、そして「銀の売却代金β1」が高額になるように、時期を選択して新たな超電導ケーブルKを発注し、古い超電導ケーブルKを廃棄すれば、ユーザUにとっては最も有利になる。但し、新たな超電導ケーブルKの製造と古い超電導ケーブルKの廃棄との間の時差は1年乃至せいぜい数年と考えられるため、実際には上述の関係はトレードオフの状態となる場合が多い。
【0060】
以下においては、そのようなユーザUにとっての超電導ケーブルKの最適な廃棄時期の選択の手法としての本発明の工業製品の廃棄時期判定方法、及びそのための装置及びシステムについて説明する。
【0061】
この場合、ユーザUにとって必要な情報は、その時点で超電導ケーブルKを廃棄した場合の費用、換言すれば上述した回収業者Rが請け負う回収費用Kと、廃棄する超電導ケーブルKに代えて新たな超電導ケーブルKを購入するための費用である。ここで、回収費用Kを再度下記式(2)で定義する。
【0062】
K(t)=γ(t)−(β1(t)−(β0+I(t)) …(2)
但し、(t):その時点での値を表わす
K(t):回収業者Rがその時点で請け負う回収費用
γ(t):その時点での回収実費+回収業者Rの適正利益
β1(t):廃棄対象の超電導ケーブルKに含有されるその時点での銀価格(回収業者Rによる売却益)
β0:廃棄対象の超電導ケーブルKの製造時の銀価格
I(t):その時点での利息(利率一定であれば年数のみで決定する)
【0063】
また、その時点での新たな超電導ケーブルKを購入するための費用、即ち更新費用P(t)は下記式(3)で定義される。
【0064】
但し、P(t):その時点での超電導ケーブルKのユーザUの購入価格
α1(t):その時点での超電導ケーブルKの本来の販売価格
β1(t):超電導ケーブルKに含まれるその時点での銀価格
AgV1:超電導ケーブルKに含まれる銀の量
Ag(t):その時点の銀の相場
【0065】
ユーザUにとっては上述のような情報に基づいて超電導ケーブルKの更新時期を決定することが望ましいので、ユーザUには上述のような情報が提供される。以下にそのようなシステムについて説明する。
【0066】
ユーザUにとっては上述のような情報に基づいて超電導ケーブルKの更新時期を決定することが望ましいので、回収業者R(メーカMでもよいし、メーカMが回収業者Rを兼ねていてもよい)はオンラインシステムにより上述の情報をユーザUに提供する。以下においては、一例として回収業者Rがそのようなシステムを運用する例について説明する。
【0067】
図3はユーザUに上述のような情報を提供するためのシステム構成図である。10は管理システム本体であり、通常の汎用コンピュータが利用可能である。なおこの管理システム本体10は、たとえば回収業者Rが管理してもよいし、メーカMが管理してもよいし、更には保証業者Cが管理してもよい。また、後述するように、回収業者システム本体10に接続されている記憶装置に構築されているデータベースをメーカMが使用するシステムに管理させ、必要に応じて管理システム本体10からこのメーカMが使用するシステムのデータベースをアクセスするようにしてもよい。
【0068】
20はユーザU側のシステム本体(以下、ユーザシステム本体)であり、通常の汎用コンピュータが利用可能である。両システム本体10,20は通信回線としてのインターネットINによりネットワーク接続されていてオンライン化されている。なお、両システム本体10,20間はインターネットINのみならず、たとえば専用回線等でもよい。
【0069】
管理システム本体10には、たとえばハードディスク等の大規模記憶装置11が接続されており、これに種々のデータを蓄積してあるデータベース(D/B)が構築されている。また、管理システム本体10にはモニタ12,キーボード13,マウス14等が接続されており、一般的な汎用コンピュータシステムで構成可能である。
【0070】
また、ユーザシステム本体20は、たとえばハードディスク等の大規模記憶装置21が接続されており、これに種々のデータを蓄積してあるデータベース(D/B)が構築されている。また、ユーザシステム本体20にはモニタ22,キーボード23,マウス24等が接続されており、一般的な汎用コンピュータシステムで構成可能である。
【0071】
以下、図4の管理システム本体10側の処理手順を示すフローチャート及び図5のユーザシステム本体20側の処理手順を示すフローチャートを参照して、本発明のシステムの動作について説明する。
【0072】
管理システム本体10にはその記憶装置11内のデータベースに、回収対象の超電導ケーブルKに関する情報として、それに含まれていた銀の価格β0(固定値)、これに対する利率r、回収可能な銀の量AgV0が予め登録されている(ステップS11)。このような情報のデータベースへの登録は、管理システム本体10のオペレータがモニタ12の表示画面を見つつキーボード13,マウス14を操作して行うことが可能であることは通常のコンピュータシステムと同様である。
【0073】
また、管理システム本体10には、回収対象の超電導ケーブルKに代えて新たに超電導ケーブルKを購入するための情報として、新たな超電導ケーブルKの価格α1、それに含まれる銀の量AgV1、その時点での回収実費と回収業者Rの適正利益とを合わせた金額γ(t)が、また同時にその時点の銀の相場Ag(t)が所定時間毎に入力される(ステップS12)。これらの情報は、所定時刻において管理システム本体10のオペレータが手作業でキーボード13,マウス14等を操作して入力してもよいが、管理システム本体10がオンラインで自動的に収集するように構成することも勿論可能である。
【0074】
これらのステップS12において管理システム本体10へ入力される情報は所定時間間隔で、たとえば各日の所定時刻において(ステップS13でYES)、それぞれの時点での情報が入力されることにより、その都度、最新の情報に更新される。
【0075】
管理システム本体10は基本的には、ステップS11において個々の超電導ケーブルKに関する製造時点での情報を記憶装置11内のデータベースに登録して保存しておき、ステップS12においてその時点で新たな超電導ケーブルKをユーザUが購入する場合に必要な情報の入力を受け付ける、という処理を反復している。
【0076】
このような管理システム本体10に対してユーザシステム本体20側からアクセスが有った場合(ステップS14でYES)、管理システム本体10は前述の式(3)に基づいて新たな超電導ケーブルKのその時点でのユーザUによる購入価格P(t)と、前述の式(2)に基づいて回収対象の超電導ケーブルKの回収費用K(t)とをそれぞれ計算し(ステップS15)、計算結果のP(t)及びK(t)をデータベースに格納する(ステップS16)。
【0077】
次に管理システム本体10は、データベースに格納してあるP(t)及びK(t)の時系列データから超電導ケーブルKの交換時期の適否を判定する(ステップS17)。この判定はあくまでも人間による判断の参考にするためのものであり、たとえばP(t)及びK(t)の時系列データの微分値、過去の増減の周期等から現時点で超電導ケーブルKを交換することが有利であるか、不利であるかをおおまかに判定するていどでよい。
【0078】
最後に管理システム本体10は、ステップS15で計算したその時点のP(t)及びK(t)と、ステップS17での判定結果とをユーザシステム本体20へ送信する(ステップS18)。
【0079】
一方、ユーザシステム本体20にはその記憶装置21内のデータベースに、メーカMから購入した超電導ケーブルKに関する情報として、償却年数,耐用年数等の情報が予め登録されている(ステップS21)。このような情報のデータベースへの登録は、ユーザシステム本体20のオペレータがモニタ22の表示画面を見つつキーボード23,マウス24を操作して行うことが可能であることは通常のコンピュータシステムと同様である。
【0080】
そして、ユーザシステム本体20側では、そのオペレータがモニタ22の表示内容をみつつキーボード23,マウス24を操作して管理システム本体10へアクセスし、所定の指示を送信することにより(ステップS22)、上述したように管理システム本体10から新たな超電導ケーブルKのその時点の購入価格P(t)と、回収対象(ユーザUにとっては廃棄対象)の超電導ケーブルKのその時点の回収費用K(t)と、前述のステップS17での判定結果とを受信する(ステップS23)。
【0081】
そしてユーザシステム本体20は、管理システム本体10から受信した情報と、記憶装置21内のデータベースに登録してある更新対象(回収業者Rにとっては回収対象)の超電導ケーブルKに関する種々の情報、具体的には償却年数,耐用年数等に基づいて超電導ケーブルKの更新の適否判断する(ステップS24)。
【0082】
なお、上述のユーザシステム本体20によるステップS24での処理は、ユーザシステム本体20自身が所定のアルゴリズムに基づいて最適な更新時期を判定してモニタ22に表示するが、最終的な決定は、ユーザU側の他の条件、たとえば財務状況、設備の更新計画、電力の需要予測等をも勘案して人間が行なうようにすることはいうまでもない。また、ステップS24では、ユーザシステム本体20は管理システム本体10から受信した情報を単にモニタ22に表示するのみでもよい。この場合も、最終的な判断はユーザU側で人間が行なう。
【0083】
ところで、上述の例では本発明の工業製品の廃棄時期判定装置を管理システム本体10とユーザシステム本体20とに分割し、両者をインターネットINでオンライン接続したシステムとして構成してあるが、管理システム本体10の機能とユーザシステム本体20の機能とを一つにまとめたスタンドアローンのコンピュータシステムで実現することも勿論可能である。
【0084】
また管理システム本体10と同等の装置をメーカMに設置し、これとユーザシステム本体20とをインターネットINでオンライン接続する構成を採ることも勿論可能であり、更に管理システム本体10と同等の装置を保証業者Cに設置し、これとユーザシステム本体20とをインターネットINでオンライン接続する構成を採ることも勿論可能である。
【0085】
また更に他の構成例としては、管理システム本体10の大規模記憶装置11に構築されているデータベース(D/B)をメーカMが管理するコンピュータの記憶装置内に構築し、必要の都度、管理システム本体10からこのデータベースにアクセスするようにしてもよい。
【0086】
更にまた、上述の実施の形態においては、工業製品として非常に高価な銀を原材料として多量に含有するビスマス系の超電導ケーブルを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、同様な問題を有する種々の工業製品に対して適用可能であり、たとえば比較的高価な銅を多量に含有する通常の電力ケーブル、将来実用化されるであろう貴金属を基板に使用する半導体装置等にも適用可能であることはいうまでもない。
【0087】
【発明の効果】
以上に詳述したように第1の発明の廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法によれば、製造業者が製造した工業製品をそれに含まれる特定の原材料に関する価格(原材料そのものの価格に加工費等を加算した価格)を差し引いた価格で買手が購入して使用し、その工業製品の廃棄時には特定の原材料費が製造業者に返還されるので、買手は本来の製品価格よりも安価で工業製品を購入することが、製造業者はより多くの工業製品を販売することがそれぞれ可能になる。
【0088】
第2の発明の廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法によれば、工業製品を廃棄するにあたって特定の原材料費を回収するための最適な時期がコンピュータにより判定されるので、買手は有利な条件で工業製品を買い替えることが可能になる。
【0089】
第3の発明の廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法によれば上述の第2の発明において、記憶手段が記憶している工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報を加味して、特定の原材料費を回収するための最適な時期がコンピュータにより判定されるので、買手は工業製品の減価償却及び耐用年数をも勘案して有利な条件で工業製品を買い替えることが可能になる。
【0090】
第4の発明の工業製品の廃棄時期判定方法によれば、工業製品を廃棄して代替工業製品と交換する最適な時期がコンピュータにより判定されるので、買手は有利な条件で工業製品を買い替えることが可能になる。
【0091】
第5の発明の工業製品の廃棄時期判定方法によれば上述の第4の発明において、記憶手段が記憶している工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報を加味して、特定の原材料費を回収するための最適な時期がコンピュータにより判定されるので、買手は工業製品の減価償却及び耐用年数をも勘案して有利な条件で工業製品を買い替えることが可能になる。
【0092】
第6の発明の工業製品の廃棄時期判定装置によれば、所定時点で工業製品を廃棄して代替工業製品と交換することの適否が判定されるので、買手は有利な条件で工業製品を買い替えることが可能になる。
【0093】
第7の発明の工業製品の廃棄時期判定装置によれば上述の第6の発明において、記憶手段が記憶している工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報を加味して、特定の原材料費を回収するための最適な時期がコンピュータにより判定されるので、買手は工業製品の減価償却及び耐用年数をも勘案して有利な条件で工業製品を買い替えることが可能になる。
【0094】
第8の発明の工業製品の廃棄時期判定装置によれば上述の第7又は第8の発明において、記憶手段,第1の計算手段,第2の計算手段,及び判定手段の内の一つが他の手段とネットワーク接続されているか、またはいくつかが他の手段とネットワーク接続されているか、あるいは全てが相互に他の手段とネットワーク接続されており、それぞれが異なる場所に所在するコンピュータにより実現されるので、必要に応じてたとえばメーカが管理するコンピュータの記憶装置を記憶手段として利用したり、メーカが管理するコンピュータ、回収業者が管理するコンピュータ、又は保証業者が管理するコンピュータを第1,第2の計算手段及び判定手段として利用したり、あるいはユーザが管理するコンピュータを利用することも可能である。換言すれば、本発明方法の実施にどのような業者が関与するかに応じた分散システムとして本発明の工業製品の廃棄時期判定装置を構成することが可能になる。
【0095】
第9の発明の工業製品の廃棄時期判定システムによれば、所定時点で工業製品を廃棄して代替工業製品と交換することの適否が判定されるので、買手は有利な条件で工業製品を買い替えることが可能になると共に、自身の端末装置でその情報を知ることが可能になる。
【0096】
第10の発明の工業製品の廃棄時期判定システムによれば、所定時点で工業製品を廃棄して代替工業製品と交換することの適否が判定されるので、買手は有利な条件で工業製品を買い替えることが可能になると共に、自身の端末装置でその情報を知ることが可能になる。
【0097】
第11の発明の工業製品の廃棄時期判定システムによれば、所定時点で工業製品を廃棄して代替工業製品と交換することの適否が判定されるので、買手は有利な条件で工業製品を買い替えることが可能になると共に、自身の端末装置でその情報を知ることが可能になる。
【0098】
第12の発明の工業製品の廃棄時期判定システムによれば上述の第9乃至第11の発明のいずれかにおいて、記憶手段が記憶している工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報を加味して、特定の原材料費を回収するための最適な時期がコンピュータにより判定されるので、買手は工業製品の減価償却及び耐用年数をも勘案して有利な条件で工業製品を買い替えることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法の基本的な手順を示す模式図である。
【図2】本発明のシステムの運営に係わる事業者及びそれぞれの間での物の移動及び債務関係等を示す模式図である。
【図3】回収業者R及びユーザUが運用するシステムの構成例を示すシステム構成図である。
【図4】管理システム本体側の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】ユーザシステム本体側の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
M メーカ(製造業者)
U ユーザ(買手)
R 回収業者
C 保証業者
K 超電導ケーブル
10 管理システム本体
11 大規模記憶装置(データベース)
20 ユーザシステム本体
21 大規模記憶装置(データベース)
IN インターネット
Claims (12)
- 製造業者が製造した工業製品を該工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた価格で買手に販売し、
前記工業製品を前記買手が廃棄する際に前記工業製品に含まれる前記特定の原材料を回収してその売却代金を前記製造業者が収受すること
を特徴とする廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法。 - 製造業者が製造した工業製品を該工業製品の販売価格から該工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた価格で買手に販売し、前記工業製品を前記買手が廃棄する際に該工業製品に含まれる前記特定の原材料費を回収するための方法であって、
前記製造業者が製造した工業製品を前記買手に販売した際に、販売時の製品価格,前記特定の原材料の含有量,及び前記特定の原材料の前記工業製品の製造時の価格を記憶装置に記憶させる第1のステップと、
所定時点で前記工業製品に含まれる前記特定の原材料を回収して売却する場合の売却価格を、前記記憶手段が記憶している前記工業製品の製造時の前記特定の原材料の含有量と前記所定時点での前記特定の原材料の単価とからコンピュータに計算させる第2のステップと、
前記所定時点で前記工業製品と交換される代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記所定時点での前記工業製品の廃棄費用とをコンピュータに計算させる第3のステップと、
前記第2のステップで計算された前記特定の原材料の売却価格と、前記第3のステップで計算された前記代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記第3のステップで計算された前記廃棄費用とから、前記特定の原材料費を回収するための最適な時期をコンピュータに判定させる第4のステップと
を含むことを特徴とする廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法。 - 前記第1のステップで、前記記憶手段に更に、前記製造業者から購入した前記工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報を記憶させておき、
前記第4のステップで、前記記憶手段が記憶している前記工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報を加味して、前記特定の原材料費を回収するための最適な時期をコンピュータに判定させること
を特徴とする請求項2に記載の廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法。 - 製造業者が製造した工業製品を該工業製品の販売価格から該工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた価格で買手に販売し、前記工業製品を前記買手が廃棄する際に該工業製品に含まれる前記特定の原材料費を回収するために前記工業製品の廃棄時期を判定する方法であって、
前記製造業者が製造した工業製品を前記買手に販売した際に、販売時の製品価格,前記特定の原材料の含有量,及び前記特定の原材料の前記工業製品の製造時の価格を記憶装置に記憶させる第1のステップと、
所定時点で前記工業製品に含まれる前記特定の原材料を回収して売却する場合の売却価格を、前記記憶手段が記憶している前記工業製品の製造時の前記特定の原材料の含有量と前記所定時点での前記特定の原材料の単価とからコンピュータに計算させる第2のステップと、
前記所定時点で前記工業製品と交換される代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記所定時点での前記工業製品の廃棄費用とをコンピュータに計算させる第3のステップと、
前記第2のステップで計算された前記特定の原材料の売却価格と、前記第3のステップで計算された前記代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記第3のステップで計算された前記廃棄費用とから、前記工業製品を廃棄して前記代替工業製品と交換する最適な時期をコンピュータに判定させる第4のステップと
を含むことを特徴とする工業製品の廃棄時期判定方法。 - 前記第1のステップで、前記記憶手段に更に、前記製造業者から購入した前記工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報を記憶させておき、
前記第4のステップで、前記記憶手段が記憶している前記工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報を加味して、前記工業製品を廃棄して前記代替工業製品と交換する最適な時期をコンピュータに判定させること
を特徴とする請求項4に記載の工業製品の廃棄時期判定方法。 - 製造業者が製造した工業製品を該工業製品の販売価格から該工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた価格で買手に販売し、前記工業製品を前記買手が廃棄する際に該工業製品に含まれる前記特定の原材料費を回収するために前記工業製品の廃棄時期を判定する装置であって、
前記製造業者が製造した工業製品を前記買手に販売した際に、販売時の製品価格,前記特定の原材料の含有量,及び前記特定の原材料の前記工業製品の製造時の価格を記憶する記憶手段と、
所定時点で前記工業製品に含まれる前記特定の原材料を回収して売却する場合の売却価格を、前記記憶手段が記憶している前記工業製品の製造時の前記特定の原材料の含有量と前記所定時点での前記特定の原材料の単価とから計算する第1の計算手段と、
前記所定時点で前記工業製品と交換される代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記所定時点での前記工業製品の廃棄費用とを計算する第2の計算手段と、
前記第1の計算手段が計算した前記特定の原材料の売却価格と、前記第2の計算手段が計算した前記代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記第2の計算手段が計算した前記廃棄費用とから、前記所定時点で前記工業製品を廃棄して前記代替工業製品と交換することの適否を判定する判定手段と
を含むこと特徴とする工業製品の廃棄時期判定装置。 - 前記記憶手段は更に、前記製造業者から購入した前記工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報を記憶し、
前記判定手段による判定結果と、前記記憶手段が記憶している前記購入した前記工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報とに基づいて、前記工業製品を廃棄して前記代替工業製品と交換する時期を判定する手段と
を更に備えることを特徴とする請求項6に記載の工業製品の廃棄時期判定装置。 - 前記記憶手段,第1の計算手段,第2の計算手段,及び判定手段の内の少なくとも一つが他の手段とネットワーク接続されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の工業製品の廃棄時期判定装置。
- 製造業者が製造した工業製品を該工業製品の販売価格から該工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた価格で買手に販売し、前記工業製品を前記買手が廃棄する際に前記工業製品に含まれる前記特定の原材料費を回収するために前記工業製品の廃棄時期を判定するシステムであって、
通信回線で相互に接続された前記製造業者が管理する第1の装置と、前記買手が管理する第2の装置とを含み、
前記第1の装置は、前記製造業者が製造した工業製品を前記買手に販売した際に、販売時の製品価格,前記特定の原材料の含有量,及び前記特定の原材料の前記工業製品の製造時の価格を記憶する記憶手段,所定時点で前記工業製品に含まれる前記特定の原材料を回収して売却する場合の売却価格を、前記記憶手段が記憶している前記工業製品の製造時の前記特定の原材料の含有量と前記所定時点での前記特定の原材料の単価とから計算する第1の計算手段,前記所定時点で前記工業製品と交換される代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記所定時点での前記工業製品の廃棄費用とを計算する第2の計算手段,及び前記第1の計算手段が計算した前記特定の原材料の売却価格と、前記第2の計算手段が計算した前記代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記第2の計算手段が計算した前記廃棄費用とから、前記所定時点で前記工業製品を廃棄して前記代替工業製品と交換することの適否を判定する判定手段を備え、
前記第2の装置は、前記通信回線を介して前記第1の装置の前記各計算手段に計算及び判定手段に判定を行なわせる指示を与える手段及び前記第1の装置による計算結果及び判定結果を前記通信回線を介して受信する手段を備え、
前記第1の装置は前記第2の装置から前記指示が与えられた時点を前記所定時点として前記各計算手段に計算及び判定手段に判定を行なわせるようにしてあること
を特徴とする工業製品の廃棄時期判定システム。 - 製造業者が製造した工業製品を該工業製品の販売価格から該工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を差し引いた価格で買手に販売し、前記工業製品を前記買手が廃棄する際に回収業者が前記工業製品に含まれる前記特定の原材料費を回収するために前記工業製品の廃棄時期を判定するシステムであって、
通信回線で相互に接続された前記回収業者が管理する第1の装置と、前記買手が管理する第2の装置とを含み、
前記第1の装置は、前記製造業者が製造した工業製品を前記買手に販売した際に、販売時の製品価格,前記特定の原材料の含有量,及び前記特定の原材料の前記工業製品の製造時の価格を記憶する記憶手段,所定時点で前記工業製品に含まれる前記特定の原材料を回収して売却する場合の売却価格を、前記記憶手段が記憶している前記工業製品の製造時の前記特定の原材料の含有量と前記所定時点での前記特定の原材料の単価とから計算する第1の計算手段,前記所定時点で前記工業製品と交換される代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記所定時点での前記工業製品の廃棄費用とを計算する第2の計算手段,及び前記第1の計算手段が計算した前記特定の原材料の売却価格と、前記第2の計算手段が計算した前記代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記第2の計算手段が計算した前記廃棄費用とから、前記所定時点で前記工業製品を廃棄して前記代替工業製品と交換することの適否を判定する判定手段を備え、
前記第2の装置は、前記通信回線を介して前記第1の装置の前記各計算手段に計算及び判定手段に判定を行なわせる指示を与える手段,及び前記第1の装置による計算結果及び判定結果を前記通信回線を介して受信する手段を備え、
前記第1の装置は前記第2の装置から前記指示が与えられた時点を前記所定時点として前記各計算手段に計算及び前記判定手段に判定を行なわせるようにしてあること
を特徴とする工業製品の廃棄時期判定システム。 - 製造業者が製造した工業製品を該工業製品の販売価格から該工業製品に含まれる特定の原材料に関する価格を第三者機関が保証することにより差し引いた価格で買手に販売し、前記工業製品を前記買手が廃棄する際に前記工業製品に含まれる前記特定の原材料費を回収するために前記工業製品の廃棄時期を判定するシステムであって、
通信回線で相互に接続された前記第三者機関が管理する第1の装置と、前記買手が管理する第2の装置とを含み、
前記第1の装置は、前記製造業者が製造した工業製品を前記買手に販売した際に、販売時の製品価格,前記特定の原材料の含有量,及び前記特定の原材料の前記工業製品の製造時の価格を記憶する記憶手段,所定時点で前記工業製品に含まれる前記特定の原材料を回収して売却する場合の売却価格を、前記記憶手段が記憶している前記工業製品の製造時の前記特定の原材料の含有量と前記所定時点での前記特定の原材料の単価とから計算する第1の計算手段,前記所定時点で前記工業製品と交換される代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記所定時点での前記工業製品の廃棄費用とを計算する第2の計算手段,及び前記第1の計算手段が計算した前記特定の原材料の売却価格と、前記第2の計算手段が計算した前記代替工業製品の価格から該代替工業製品に含まれる前記特定の原材料に関する価格を差し引いた額と、前記第2の計算手段が計算した前記廃棄費用とから、前記所定時点で前記工業製品を廃棄して前記代替工業製品と交換することの適否を判定する判定手段を備え、
前記第2の装置は、前記通信回線を介して前記第1の装置の前記各計算手段に計算及び判定手段に判定を行なわせる指示を与える手段,及び前記第1の装置による計算結果及び判定結果を前記通信回線を介して受信する手段を備え、
前記第1の装置は前記第2の装置から前記指示が与えられた時点を前記所定時点として前記各計算手段に計算及び前記判定手段に判定を行なわせるようにしてあること
を特徴とする工業製品の廃棄時期判定システム。 - 前記第2の装置は、
前記製造業者から購入した前記工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報を記憶する記憶手段と、
前記第1の装置から受信した計算結果及び判定結果と、前記記憶手段が記憶している前記工業製品の減価償却及び耐用年数に関する情報とに基づいて、前記工業製品を廃棄して前記代替工業製品と交換する時期を判定する手段と
を更に備えることを特徴とする請求項9乃至11のいずれかに記載の工業製品の廃棄時期判定システム。
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JP2003152701A JP2004355360A (ja) | 2003-05-29 | 2003-05-29 | 廃棄工業製品に含まれる原材料費の回収方法、工業製品の廃棄時期判定方法、装置及びシステム |
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---|---|---|---|---|
JP2007293615A (ja) * | 2006-04-25 | 2007-11-08 | Kiwakin:Kk | 電線資源活用ネットワークシステム |
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2003
- 2003-05-29 JP JP2003152701A patent/JP2004355360A/ja active Pending
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