JP2004139196A - 顧客収益予測方法、システム及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】顧客の商品の契約見込み確率と、商品契約した場合の取引見込み金額や商品契約に伴う他の契約商品の取引増減額への影響を加味し、より精緻な顧客の顧客収益を予測する。
【解決手段】顧客について、顧客属性や取引状況に関する顧客情報を入力し、顧客情報を用いて、予め登録した商品につき、各顧客の将来の契約見込み確率を予測し、予め登録した商品につき、各顧客が将来契約した場合の取引見込み金額を予測し、予測した各顧客の、商品の契約見込み確率と、商品契約時の取引見込み金額と、予め登録した前記商品の収益率との積をとり、各顧客の商品別の将来収益を予測し、将来収益を予測した商品を顧客が契約した場合に、各顧客の他の商品取引から得られる収益増減額を予測し、顧客の商品別の将来収益と、予測した商品契約時の他商品の収益増減額との和をとり、顧客の商品別の純収益を予測する。
【選択図】 図1
【解決手段】顧客について、顧客属性や取引状況に関する顧客情報を入力し、顧客情報を用いて、予め登録した商品につき、各顧客の将来の契約見込み確率を予測し、予め登録した商品につき、各顧客が将来契約した場合の取引見込み金額を予測し、予測した各顧客の、商品の契約見込み確率と、商品契約時の取引見込み金額と、予め登録した前記商品の収益率との積をとり、各顧客の商品別の将来収益を予測し、将来収益を予測した商品を顧客が契約した場合に、各顧客の他の商品取引から得られる収益増減額を予測し、顧客の商品別の将来収益と、予測した商品契約時の他商品の収益増減額との和をとり、顧客の商品別の純収益を予測する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、企業が、商品又はサービスの取引先、セールス先である顧客の、過去の顧客情報を用いて、将来の商品契約およびその取引によって得られる、顧客収益を予測する方法、システム及びプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
顧客収益を予測するための従来技術として、「入力データシーケンスに関わる変数の未来値の予測方法およびそのための装置」(特許文献1)がある。
【0003】
従来技術によれば、予測対象顧客の将来収益を予測するために、予測対象顧客と他の顧客との過去の属性情報の類似度を計算し、予測したい時点(年齢など)における他の顧客の収益実績値を、類似度で重み付けして、加算することで将来収益を算出している。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−99497号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
企業が扱う商品には様々なものがあるが、たとえば金融機関の場合、カードローンといった商品では、顧客とのカードローン契約が成立しただけでは、金融機関の直接の収益を計上することにはならない。契約後にローン取引の利用があり、金融機関から顧客への貸出金額が生じた場合に始めて、貸出金額に応じた利息から収益を得ることができる。
【0006】
従来技術では、顧客の将来収益の予測において、他の顧客の収益実績値を利用しているのみであり、契約する可能性と、契約した場合の取引金額とを分けて収益を考えていない。
【0007】
このため、カードローンのように契約しただけでは、ローンの利用があるかどうかわからず、収益があがるかどうかわからない商品の収益予測については、予測結果の精度が落ちる可能性がある。
【0008】
また、実際には、顧客が、ある商品を新規に契約した場合に、他の商品の取引を減額もしくは増額する可能性がある。例えば、顧客が住宅を購入し、金融機関と住宅ローンを契約する場合には、頭金を貯蓄していた定期預金が解約される可能性が高い。また、普通預金などの残高が増えてきた場合には、その資金を有効に運用するために、普通預金を引き出して、定期預金を契約することがよくある。あるいは、住宅ローンの契約により、顧客との取引が密接になり、ローン返済用の資金を貯蓄するための普通預金や定期預金の取引金額が増える可能性もある。つまり、ある商品を新規に契約することにより、他の商品から得られる収益が増減することが考えられる。
【0009】
従来技術では、この点を考慮せず、ひとつの予測モデルとして、顧客の最終収益を予測しているため、予測精度が落ちる可能性がある。
【0010】
また、従来技術では、顧客収益を予測するのみであるため、顧客収益を高めるためにどのように顧客へセールス活動を推進すればよいかなどの業務への活用が難しいという問題がある。
【0011】
本発明の目的は、商品又はサービスについて、顧客の将来契約見込み確率と、将来契約した場合の、契約見込み金額とを区別して顧客収益を予測することで、顧客収益の予測精度を向上する方法およびシステムを提供することにある。
【0012】
また、本発明の別の目的は、顧客について、商品又はサービス別の将来収益と、商品又はサービスを顧客が契約した場合に、各顧客の契約済の他の商品又は他のサービス取引から得られる収益の増減とを区別して顧客収益を予測することで、顧客の商品又はサービス別の純収益の予測精度を向上する方法およびシステムを提供することにある。
【0013】
また本発明の別の目的は、予測した顧客の商品又はサービス別の収益を用いて、将来収益向上への貢献度が高い顧客や商品又はサービスを、セールス推進対象として設定して、商品又はサービスの提供者の収益を向上できる方法およびシステムを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、顧客との商品又はサービスの取引から将来得られる収益を、予測する方法であって、顧客について、顧客属性や取引状況に関する顧客情報を入力し、顧客情報を用いて、予め登録した商品又はサービスについて、各顧客の将来の契約見込み確率を予測し、予め登録した商品又はサービスについて、各顧客が将来契約した場合の取引見込み金額を予測し、各顧客の商品又はサービスの契約見込み確率と、商品又はサービス契約時の取引見込み金額と、予め登録した前記商品又はサービスの収益率との積をとることで、各顧客の商品又はサービス別の将来収益を予測し、将来収益を予測した商品又はサービスを顧客が契約した場合に、各顧客の他の商品又は他のサービスの取引から得られる収益の増減を予測し、顧客の商品又はサービス別の将来収益と、予測した商品又はサービス契約時の他商品又は他サービスの収益増減額との和をとることで、顧客の商品又はサービス別の純収益を予測する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、本実施形態の処理フローを、図2は、本実施形態を実施する計算機200のハードウェア構成を表している。
【0017】
図2に示す計算機200は、CPU(中央処理装置)201、入力装置202、記憶装置203、出力装置204を具備して構成されている。CPU201は、記憶装置203から顧客収益を予測するプログラムを呼び出し、実行する。計算機200は、いわゆるパーソナルコンピュータであっても良いが、計算対象となる顧客情報が多い場合には、CPU201は高速な処理能力を持ったもので、記憶装置203は大量の顧客情報を格納するために大容量であることが望ましい。具体的には大型計算機や高性能サーバなどがある。
【0018】
次に、本発明の実施形態の処理フローについて、図1の処理フローに従い、図2〜図14を用いながら説明する。なお、本発明の実施形態で用いる例は、企業のうち特に、銀行における個人顧客の顧客収益を予測する例である。当該処理フローは、ソフトウェア、プログラムに従って、CPU201によって実行される。
<ステップ110>顧客情報の入力
各顧客の属性や取引状況について、現在から過去のある期間までの履歴からなる顧客情報300を、入力装置202を用いて入力する。通常、顧客情報はデータ量が大量であるため、記憶媒体やネットワーク伝送により予め記憶装置203に蓄積しておき、入力装置202を用いて、本処理フローで利用する顧客情報を指示選択してもよい。
【0019】
顧客情報300は、顧客の年齢、性別などの属性情報や、顧客の取引年数や取引件数など取引状況や、顧客収益を予測するための元となる金融商品別の取引金額、残高や手数料に関する情報を時系列に収集したものである。顧客情報300のファイル構成例を図3に示す。顧客情報300は、履歴データの時点を示すデータ基準年月301と、顧客を特定する顧客番号302、顧客属性である年齢303や、取引状況である年間給与振込額304、公共料金引落件数305と、金融商品別の顧客取引金額である定期預金残高306、貯蓄預金残高307、住宅ローン残高308、カードローン残高309などの各フィールドからなる。顧客情報300は、顧客の属性および取引の履歴を時系列に保存したものであり、過去のデータ基準年月についても同様のファイル構成からなる。
【0020】
ここで、ファイル構成としては、本例のようにデータ基準年月に分割せずに、例えば、「2001年5月普通預金残高」「2001年6月普通預金残高」という項目名にして、項目名にデータ基準年月を含めて明示することで、全ての項目を含む形式の、ひとつのファイル構成であってもよい。
【0021】
顧客情報の項目はあくまでも例であり、これ以外のものであってもよい。また、顧客と取引する金融商品は、これ以外にも教育ローンや貸金庫、口座振替など多種多様な商品があるがここでは省略し、代表的な商品の例で説明する。またデータ基準時点は、一定の単位の間隔で顧客情報が集計記録されている時点を示すが、時間単位の例としては、月単位、年単位などがある。以下、ここでは月単位とし、金融商品別の顧客取引金額の残高とは月の平均残高とする。
<ステップ120>将来の商品契約確率の予測
ステップ110で入力した顧客情報300から、予め登録した商品についての、予測したい期間における将来の契約見込み確率を予測する。
【0022】
以下、図4を用いて商品の、将来の契約見込み確率予測処理フロー120を説明する。
<ステップ410>商品契約と、過去の顧客情報との関係のモデル化
顧客情報300を用いて、予測対象商品について、ある時点の顧客契約有無と、ある時点より予測したい期間前の顧客情報との関係を予測モデルとしてモデル作成する。
【0023】
予測したい期間がTヶ月後の時には、予測モデル作成基準となる、ある時点とそこからTヶ月前の顧客情報300を用いて、ある時点の顧客の商品契約有無と、Tヶ月前の顧客情報との関係を予測モデルとしてモデル化する。
【0024】
例えば、予測したい期間がT=3ヶ月後とした場合、ある時点が2002年7月であれば、予測モデルを作成するための顧客情報は2002年7月と、そこから3ヶ月前の2002年4月時点の顧客情報を用いることとなる。顧客情報300の中から、2002年7月の予測対象商品の契約有無と、2002年4月時点の、予測に利用する顧客情報に関する項目を選択して、項目の値間の関係を予測モデルとしてモデル化する。
【0025】
図5に、モデル作成のための、パラメータ設定画面例500を示す。予測モデル作成基準となるある時点を入力するエリア501と、前記基準時点での、予測対象項目である顧客契約有無に関する項目を選択するエリア502と、予測に利用する顧客情報の時点を入力するエリア503と、前記予測に利用する項目を選択するエリア504とからなる。データ項目の基準時点を選択するエリア501と503に表示される項目は、ステップ101で入力した顧客情報300に格納されている項目301のデータ基準年月である。項目選択エリア502と504に表示される項目は、ステップ110で入力した顧客情報300に格納されている項目302から309などである。
【0026】
入力装置202を用いて、予測対象項目選択エリア502から、予測対象商品である、例えば「カードローン契約」を選択し、項目選択エリア504から、予測に利用する項目「年齢」、「年間給与振込額」などを選択し、予測実行ボタン505を押下する。通常、顧客情報の「カードローン契約」項目の値としては、1または0が入力されており、1が契約有り、0が契約なしなどと定義されている。
【0027】
項目間の関係をモデル化するために利用する手法としては、線形多項式である重回帰分析などがある。回帰分析により求めた、カードローン契約と顧客情報との関係を示す予測モデルの例を数1に示す。
【0028】
【数1】
【0029】
数1は、カードローン契約と各顧客情報の項目との変量の関係を、実際のデータの誤差が最も少なく当てはまるように、1次線形の関係式で表現したものである。ここでモデル化に用いる手法としては、重回帰分析のほかにも、ニューラルネットワークなど、いわゆるデータマイニングと呼ばれる手法であってもよく、その場合には、予測モデル600の表現形式は用いた手法に依存する。ニューラルネットワーク手法などデータマイニングに関する手法については、文献「DataMining techniques: for marketing, sales, and customer support」、Michael J.A. Berry & Gordon Linoff著(John Wiley & Sons, Inc. 1997)に詳しく書かれており、ここでは説明を省略する。
【0030】
さらに、本処理は、予測対象である各商品について、同様に繰り返して実施する。上記の例ではカードローンの契約についてであったが、住宅ローンや定期預金、貯蓄預金など、利用者が予測対象としたい所望の商品についても同様に予測対象項目として選択し、同一の予測時点について予測モデルを作成する。また、パラメータ設定画面500において、予測対象項目と予測期間、利用項目を入力装置202から入力せずに、予め記憶装置203に登録しておいてもよい。予測対象項目として選ばれる取引は、銀行が個人に対して提供する全ての金融商品の取引やセールス対象として重要な重点商品であり、予測に利用する項目は商品契約に関連が高い項目が選択される。
<ステップ420>将来契約見込み確率の予測
ステップ410で作成した予測対象期間についての商品別契約見込み確率予測モデルに、顧客情報300のある時点の、ステップ410で設定した予測利用項目に対応するデータを入力することで、各顧客のある時点から予測対象期間後の時点での、ステップ420で設定した予測対象項目の商品についての契約見込み確率を予測する。
【0031】
例えば、2002年7月時点の顧客情報を予測利用項目として入力した場合に、予測対象期間が3ヶ月であれば、2002年10月時点の契約見込み確率を予測することとなる。
【0032】
図6に、予測結果である商品別契約見込み確率ファイル600の構成例を示す。商品契約見込み確率ファイル600は、顧客番号601、商品別の予測結果であるカードローン契約見込み確率602、住宅ローン契約見込み確率603、定期預金契約見込み確率604、貯蓄預金契約見込み確率605などからなる。商品契約見込み確率ファイル600の内容は、記憶装置203に格納するほか、予測結果を利用者が参照するために出力装置204に出力してもよい。
<ステップ130>将来の商品取引見込み金額の予測
ステップ110で入力された顧客情報300を用いて、ステップ120で契約見込み確率を予測した商品および顧客について、契約した場合の取引見込み金額を予測する。
【0033】
将来契約見込み金額の予測における手順は、ステップ120の契約見込み確率予測のそれと同じであり、予測モデルの作成と、予測モデルを用いた取引見込み金額の予測からなる。そのため、説明が重複する処理手順の説明は省略し、異なる点である予測に利用する項目および予測結果について説明する。
【0034】
予測モデルの作成で利用する顧客情報300は、ステップ120と同じであるが、予測対象は商品の取引見込み金額となる点が異なる。よって、予測対象項目は顧客の商品契約金額である。予測対象商品は、ステップ120と同じ商品である必要があり、予測モデル作成基準時点501および、予測モデル利用項目時点503もステップ120と同じ必要がある。ステップ120と同じ例であれば、予測したい期間がT=3ヶ月後とした場合、ある時点が2002年7月であれば、予測モデルを作成するための顧客情報は2002年7月と、そこから3ヶ月前の2002年4月時点の顧客情報を用いることとなる。
【0035】
利用する予測モデルは、ステップ120と同様に、重回帰分析手法やニューラルネットワーク手法などである。
【0036】
予測モデルを用いた取引見込み金額の予測は、商品別取引見込み金額予測モデルに、顧客情報300のある時点の予測利用項目に対応するデータを入力することで、各顧客の予測期間後の時点での商品別取引見込み金額を予測する。これもステップ120と予測期間を同じにする必要があり、ステップ120で2002年7月時点の顧客情報を予測利用項目として入力した場合には、本ステップでも2002年7月時点の顧客情報を入力利用する必要がある。
【0037】
図7に予測結果である商品別取引見込み金額のファイル構成700の例を示す。商品取引見込み金額ファイル700は、顧客番号701、予測結果であるカードローン取引見込み金額702、住宅ローン取引見込み金額703、定期預金取引見込み金額704、貯蓄預金取引見込み金額705とからなる。商品取引見込み金額ファイル700の内容は、記憶装置203に格納するほか、予測結果を利用者が参照するために出力装置204に出力してもよい。
<ステップ140>将来の商品別の顧客収益の予測
ステップ120で予測した顧客の将来の商品別契約見込み確率600と、ステップ130で予測した顧客の将来の商品別取引見込み金額700とから、将来の商品別の顧客収益を予測する。
【0038】
具体的には、商品別契約見込み確率600と、商品別契約見込み金額700の、同じ顧客、同じ商品についての値の積をとり、さらに、予め登録しておいた商品別の収益率800の同じ商品の収益率との積をとることで、予測モデル作成基準時点から予測対象期間後の顧客の商品別収益を算出する。
【0039】
商品別収益率800のファイル構成を図8に示す。商品別収益率ファイル800は、商品801、商品別収益率802とからなる。ここで、商品別収益率とは、金融機関の収益となる割合であり、市場へ運用する金利と顧客へ支払う金利の差から経費率を差し引いた形などで計算される。商品別の収益率は、本ステップの処理時に入力装置202から入力してもよい。
【0040】
将来の商品別の顧客収益算出結果900のファイル構成を図9に示す。将来の商品別の顧客収益算出結果900は、取引見込み金額のファイル構成700で、取引見込み金額に関するフィールドを収益に置き換えたものと同じであるため、説明を省略する。
【0041】
さらに、ステップ140で算出した商品別の顧客収益から、さらに、予測対象商品を契約した場合に、他の商品取引の収益増減を加味して、より精緻に顧客の純収益を予測する処理について、以下説明する。
<ステップ150>予測対象商品契約時の、他商品の収益増減予測
次に、ステップ140で予測した顧客が、予測対象商品を契約した場合に、他の商品取引金額およびその収益に与える影響、具体的には収益増減額を、顧客情報300を用いて予測する。
【0042】
以下、図10を用いて商品別収益増減予測フローを説明する。
<ステップ1010>予測対象商品の選択設定
ステップ140で収益を予測した商品の中から、他の商品収益に与える影響である収益増減額を予測していくために、商品を一つ選択する。
<ステップ1020>顧客情報から予測対象商品を契約した顧客の抽出
顧客情報300の中から、ステップ120、130で設定した予測モデル作成基準時点で、ステップ1010で選択した商品を契約しており、なおかつ、予測モデル作成基準時点から予測したい期間前の時点で、前記商品を契約していない顧客情報を抽出選択する。抽出した顧客情報を以降の予測処理のステップで用いる。
<ステップ1030>過去の顧客情報での、予測対象商品契約時の他商品取引金額の増減算出
ステップ1020で抽出した顧客情報を用いて、各顧客について、予測したい期間前の時点から予測モデル作成基準時点までで、予測対象商品とは別の、他商品の取引金額の増減を計算する。
【0043】
具体的には、各顧客の、予測したい期間前の時点の他商品の取引金額と、予測モデル作成基準時点での他商品の取引金額との差をとることで、取引増減額を算出する。
<ステップ1040>他の商品取引増減額と、過去の顧客情報との関係のモデル化
ステップ1020で抽出した顧客情報を用いて、ステップ1030で算出した他の商品取引増減額と、予測したい期間前の顧客情報との関係を予測モデルとして、モデル作成する。
【0044】
予測したい期間前時点の、予測に利用する顧客情報に関する項目を選択して、項目の値間の関係を予測モデルとしてモデル化する。
【0045】
本予測モデルの作成処理は、ステップ410とほぼ同じであり、予測モデル作成のためのパラメータ設定画面も500と同じである。予測対象期間も、ステップ120、130で設定した予測対象期間と同じである。予測モデル作成基準時点501および、予測モデル利用項目時点503もステップ120と同じ必要がある。ステップ120と同じ例であれば、予測したい期間がT=3ヶ月後とした場合、ある時点が2002年7月であれば、予測モデルを作成するための顧客情報は2002年7月と、そこから3ヶ月前の2002年4月時点の顧客情報を用いることとなる。
【0046】
異なる点は、予測対象項目選択エリア502において、ステップ1030で、算出した取引増減額の項目を選択する点である。さらに、本処理は、予測対象商品以外の、他の各商品についても同様に実施する。
<ステップ1050>予測対象商品契約時の、他の商品別の取引金額の増減予測ステップ1040で作成した他商品の取引増減額予測モデルに、ステップ120から140で収益予測対象とした顧客情報300の、ある時点のステップ1040で設定した予測利用項目に対応するデータを入力することで、各顧客のある時点から予測対象期間後の時点での、他商品についての取引増減見込み額を予測する。例えば、2002年7月時点の顧客情報を予測利用項目として入力した場合に、予測対象期間が3ヶ月であれば、2002年10月時点の他商品の取引増減額を予測することとなる。
【0047】
図11に、商品別取引増減見込み額ファイル1110の構成例を示す。商品別取引増減見込み額ファイル1110は、ステップ1010で選択設定した予測対象商品別に、取引増減見込み額ファイルが構成される。
【0048】
各ファイル1110は、顧客番号1111、商品別の取引増減見込み額である、カードローン取引増減見込み額1112、住宅ローン取引増減見込み額1113、定期預金取引増減見込み額1114、貯蓄預金取引増減見込み額1115などからなる。
<ステップ1060>予測対象商品契約時の、他商品の収益増減額の算出
ステップ1050で予測した商品別取引増減見込み額に対して、対応する商品の商品別収益率900との積をとり、顧客別に総和をとることで、ステップ1010で選択した予測対象商品を顧客が契約した場合の、他商品の収益増減見込み額を算出する。
【0049】
図11に、算出結果である他商品の収益増減見込み額ファイル1120の構成例を示す。ファイル構成は、1110において取引増減見込み額を収益増減額に置き換えたものと同じであるため、説明を省略する。
<ステップ1070>予測対象商品が他にあるかの判定処理
ステップ1010で選択した商品以外の予測対象商品が他にあれば、ステップ1010から1070までの処理を繰り返し、全予測対象商品について、他商品収益の増減を予測し終えて、他に商品が無ければ、ステップ160の処理を実施する。
<ステップ160>将来の商品別の顧客純収益の予測
ステップ140で予測した顧客の商品別収益900に、ステップ150で予測した顧客の商品契約時の他商品収益増減額1120を増減することで、顧客ごとの商品別の純収益を予測する。
【0050】
将来の商品別の顧客純収益算出結果1200は、予測契約見込み金額のファイル構成800で、取引見込み金額に関するフィールドを純収益に置き換えたものと同じであるため、説明を省略する。
【0051】
さらに、以下、ステップ160で算出した顧客純収益を用いて、顧客へのマーケティング活動へ活用する処理について、説明する。
<ステップ170>商品の高収益の顧客をセールス推奨顧客に設定
ステップ160で算出した顧客純収益1200を用いて、ある商品について、純収益の高い値の顧客を、セールス活動の対象顧客として抽出する。抽出する顧客数は、セールス活動にかける費用などに依存する。
【0052】
図12に、顧客純収益1200を用いた、商品のセールス推奨顧客設定処理のイメージを示す。図12の例では、貯蓄預金について、もっとも純収益が高い顧客は、60円の顧客番号125であるため、顧客番号125の顧客を、貯蓄預金のセールス推奨顧客として設定する。
<ステップ180>顧客の高収益商品をセールス推奨商品に設定
ステップ160で算出した顧客純収益1200を用いて、ある顧客について、純収益の高い値の商品を、顧客推奨商品として設定する。ただし、顧客によっては既に、当該商品をセールス済や契約済であるケースがあり、その場合には、次に純収益が大きい商品を推奨することとなる。
【0053】
図12に、顧客純収益1200を用いた、顧客のセールス推奨商品設定処理のイメージを示す。図12の例では、顧客番号123の顧客について、もっとも純収益が高い商品は、7,400円の住宅ローンであるため、顧客番号123の顧客に対するセールス推奨商品を、住宅ローンとして設定する。
【0054】
以上のように本実施の形態によれば、将来収益の予測において、商品の契約見込み確率と、当該商品を契約した場合の取引見込み金額とを区別をして予測することで、精度の高い収益予測が可能となる。
また、顧客の当該商品の契約に伴い、他の商品の取引金額および収益への影響を予測し、それを加味して純収益を予測することで、より精緻な顧客収益の予測が可能となる。
【0055】
さらに、算出した顧客純収益を用いることで、収益が高いと予想される顧客へのセールス活動策定に活用することができる。これは、現在高い収益の顧客のみを重点的にセールスしがちであった従来に比べて、将来の収益までも定量的に加味してトータルの収益を向上させようとする戦略をとることができる。本発明によれば、将来収益向上に高い貢献を示す商品を推奨商品として設定し、セールス活動に活用することができる。
【0056】
上記実施例では、企業のうち、金融機関、特に銀行における個人顧客の収益を算出する例であったが、銀行以外の、保険や証券、クレジット会社の場合、取り扱う金融商品は、保険や、株、投資信託、クレジットカードなどとなるが、取引金額の一定割合や手数料が取引から得られる収益となる点で銀行と同じであるため、本発明が適用可能である。
【0057】
さらに、法人顧客における場合には、顧客情報の顧客属性が年齢や性別でなく、設立年数や資本金などに変わり、取引する金融商品が住宅ローンでなく手形貸付などに変わることで、本発明を適用可能である。
【0058】
また金融機関以外の、小売業や製造業の場合にも、顧客に関する属性情報や取引状況の情報を用いて、予測対象として、当該企業の商品やサービスの売上金額や契約の情報を利用することで、本発明を適用可能である。
【0059】
次に、本発明の顧客収益予測方法を実施する顧客収益予測システムのモジュール構成例について図13を用いて示す。
【0060】
本発明の顧客収益予測システムは、図2に示したハードウェア構成図上で記憶装置203に、プログラムとして格納される。本発明のモジュールは、図1を用いて説明した各ステップに対応して、顧客情報の入力処理モジュール110と、商品別契約見込み確率の予測処理モジュール120、商品別の契約見込み金額予測処理モジュール130、顧客の商品別収益予測処理モジュール140、商品契約時の他商品の収益増減額予測処理モジュール150、顧客の商品別純収益予測処理モジュール160、商品のセールス推奨顧客設定処理モジュール170、顧客の推奨商品設定処理モジュール180とからなる。
【0061】
最後に、本発明の顧客収益予測方法を、ネットワーク環境で実現する場合のシステム構成の例を図14に示す。本実施形態の顧客収益予測システムは、クライアント1410と、サーバ1420とが、通信ネットワーク1430で接続されたシステムである。
【0062】
クライアント1410は計算機1411に、入力装置1412、出力装置1413を接続したものである。サーバ1420は、計算機1421に記憶装置1422を接続したものである。顧客収益予測のためのモジュールはサーバ1420で稼動する。通信ネットワーク1430に接続されたクライアント1410は複数であってもよい。本実施形態により、いわゆるASP(アプリケーションサービスプロバイダ)と呼ばれるリモート環境での顧客収益予測処理のサービスを提供することができる。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、顧客の商品又はサービスの契約見込み確率と、当該商品又はサービスを契約した場合の取引見込み金額や、当該商品又はサービスの契約に伴う他の商品又はサービスの契約金額への影響を加味して、より精緻な顧客の商品又はサービス別将来収益を予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における顧客収益予測方法の全体処理フローである。
【図2】本発明の実施形態における顧客収益予測方法を実施するシステムのハードウェア構成図である。
【図3】本発明の実施形態における顧客情報のファイル構成例である。
【図4】本発明の実施形態における商品契約見込み確率の予測処理フローである。
【図5】本発明の実施形態における予測モデル作成のパラメータ設定画面例である。
【図6】本発明の実施形態における顧客の商品契約見込み確率のファイル構成例である。
【図7】本発明の実施形態における顧客の商品取引見込み金額のファイル構成例である。
【図8】本発明の実施形態における商品別収益率のファイル構成例である。
【図9】本発明の実施形態における顧客の商品契約時の将来収益のファイル構成例である。
【図10】本発明の実施形態における商品契約時の、他の商品取引金額増減の予測処理フローである。
【図11】本発明の実施形態における商品契約時の、他の商品取引金額増減のファイル構成例である。
【図12】本発明の実施形態における顧客の商品別純収益のファイル構成例である。
【図13】本発明の実施形態における顧客収益予測システムのモジュール構成例である。
【図14】本発明の実施形態における顧客生涯価値システムのネットワーク環境で実現する場合のシステム構成例である。
【符号の説明】
110…顧客情報の入力処理、120…商品別契約見込み確率の予測処理、130…商品別の取引見込み金額予測処理、140…顧客の商品別収益予測処理、150…商品契約時の商品契約の収益増減予測処理、160…顧客の商品別純収益予測処理、170…商品のセールス推奨顧客設定処理、180…顧客の推奨商品設定処理。
【発明の属する技術分野】
本発明は、企業が、商品又はサービスの取引先、セールス先である顧客の、過去の顧客情報を用いて、将来の商品契約およびその取引によって得られる、顧客収益を予測する方法、システム及びプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
顧客収益を予測するための従来技術として、「入力データシーケンスに関わる変数の未来値の予測方法およびそのための装置」(特許文献1)がある。
【0003】
従来技術によれば、予測対象顧客の将来収益を予測するために、予測対象顧客と他の顧客との過去の属性情報の類似度を計算し、予測したい時点(年齢など)における他の顧客の収益実績値を、類似度で重み付けして、加算することで将来収益を算出している。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−99497号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
企業が扱う商品には様々なものがあるが、たとえば金融機関の場合、カードローンといった商品では、顧客とのカードローン契約が成立しただけでは、金融機関の直接の収益を計上することにはならない。契約後にローン取引の利用があり、金融機関から顧客への貸出金額が生じた場合に始めて、貸出金額に応じた利息から収益を得ることができる。
【0006】
従来技術では、顧客の将来収益の予測において、他の顧客の収益実績値を利用しているのみであり、契約する可能性と、契約した場合の取引金額とを分けて収益を考えていない。
【0007】
このため、カードローンのように契約しただけでは、ローンの利用があるかどうかわからず、収益があがるかどうかわからない商品の収益予測については、予測結果の精度が落ちる可能性がある。
【0008】
また、実際には、顧客が、ある商品を新規に契約した場合に、他の商品の取引を減額もしくは増額する可能性がある。例えば、顧客が住宅を購入し、金融機関と住宅ローンを契約する場合には、頭金を貯蓄していた定期預金が解約される可能性が高い。また、普通預金などの残高が増えてきた場合には、その資金を有効に運用するために、普通預金を引き出して、定期預金を契約することがよくある。あるいは、住宅ローンの契約により、顧客との取引が密接になり、ローン返済用の資金を貯蓄するための普通預金や定期預金の取引金額が増える可能性もある。つまり、ある商品を新規に契約することにより、他の商品から得られる収益が増減することが考えられる。
【0009】
従来技術では、この点を考慮せず、ひとつの予測モデルとして、顧客の最終収益を予測しているため、予測精度が落ちる可能性がある。
【0010】
また、従来技術では、顧客収益を予測するのみであるため、顧客収益を高めるためにどのように顧客へセールス活動を推進すればよいかなどの業務への活用が難しいという問題がある。
【0011】
本発明の目的は、商品又はサービスについて、顧客の将来契約見込み確率と、将来契約した場合の、契約見込み金額とを区別して顧客収益を予測することで、顧客収益の予測精度を向上する方法およびシステムを提供することにある。
【0012】
また、本発明の別の目的は、顧客について、商品又はサービス別の将来収益と、商品又はサービスを顧客が契約した場合に、各顧客の契約済の他の商品又は他のサービス取引から得られる収益の増減とを区別して顧客収益を予測することで、顧客の商品又はサービス別の純収益の予測精度を向上する方法およびシステムを提供することにある。
【0013】
また本発明の別の目的は、予測した顧客の商品又はサービス別の収益を用いて、将来収益向上への貢献度が高い顧客や商品又はサービスを、セールス推進対象として設定して、商品又はサービスの提供者の収益を向上できる方法およびシステムを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、顧客との商品又はサービスの取引から将来得られる収益を、予測する方法であって、顧客について、顧客属性や取引状況に関する顧客情報を入力し、顧客情報を用いて、予め登録した商品又はサービスについて、各顧客の将来の契約見込み確率を予測し、予め登録した商品又はサービスについて、各顧客が将来契約した場合の取引見込み金額を予測し、各顧客の商品又はサービスの契約見込み確率と、商品又はサービス契約時の取引見込み金額と、予め登録した前記商品又はサービスの収益率との積をとることで、各顧客の商品又はサービス別の将来収益を予測し、将来収益を予測した商品又はサービスを顧客が契約した場合に、各顧客の他の商品又は他のサービスの取引から得られる収益の増減を予測し、顧客の商品又はサービス別の将来収益と、予測した商品又はサービス契約時の他商品又は他サービスの収益増減額との和をとることで、顧客の商品又はサービス別の純収益を予測する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、本実施形態の処理フローを、図2は、本実施形態を実施する計算機200のハードウェア構成を表している。
【0017】
図2に示す計算機200は、CPU(中央処理装置)201、入力装置202、記憶装置203、出力装置204を具備して構成されている。CPU201は、記憶装置203から顧客収益を予測するプログラムを呼び出し、実行する。計算機200は、いわゆるパーソナルコンピュータであっても良いが、計算対象となる顧客情報が多い場合には、CPU201は高速な処理能力を持ったもので、記憶装置203は大量の顧客情報を格納するために大容量であることが望ましい。具体的には大型計算機や高性能サーバなどがある。
【0018】
次に、本発明の実施形態の処理フローについて、図1の処理フローに従い、図2〜図14を用いながら説明する。なお、本発明の実施形態で用いる例は、企業のうち特に、銀行における個人顧客の顧客収益を予測する例である。当該処理フローは、ソフトウェア、プログラムに従って、CPU201によって実行される。
<ステップ110>顧客情報の入力
各顧客の属性や取引状況について、現在から過去のある期間までの履歴からなる顧客情報300を、入力装置202を用いて入力する。通常、顧客情報はデータ量が大量であるため、記憶媒体やネットワーク伝送により予め記憶装置203に蓄積しておき、入力装置202を用いて、本処理フローで利用する顧客情報を指示選択してもよい。
【0019】
顧客情報300は、顧客の年齢、性別などの属性情報や、顧客の取引年数や取引件数など取引状況や、顧客収益を予測するための元となる金融商品別の取引金額、残高や手数料に関する情報を時系列に収集したものである。顧客情報300のファイル構成例を図3に示す。顧客情報300は、履歴データの時点を示すデータ基準年月301と、顧客を特定する顧客番号302、顧客属性である年齢303や、取引状況である年間給与振込額304、公共料金引落件数305と、金融商品別の顧客取引金額である定期預金残高306、貯蓄預金残高307、住宅ローン残高308、カードローン残高309などの各フィールドからなる。顧客情報300は、顧客の属性および取引の履歴を時系列に保存したものであり、過去のデータ基準年月についても同様のファイル構成からなる。
【0020】
ここで、ファイル構成としては、本例のようにデータ基準年月に分割せずに、例えば、「2001年5月普通預金残高」「2001年6月普通預金残高」という項目名にして、項目名にデータ基準年月を含めて明示することで、全ての項目を含む形式の、ひとつのファイル構成であってもよい。
【0021】
顧客情報の項目はあくまでも例であり、これ以外のものであってもよい。また、顧客と取引する金融商品は、これ以外にも教育ローンや貸金庫、口座振替など多種多様な商品があるがここでは省略し、代表的な商品の例で説明する。またデータ基準時点は、一定の単位の間隔で顧客情報が集計記録されている時点を示すが、時間単位の例としては、月単位、年単位などがある。以下、ここでは月単位とし、金融商品別の顧客取引金額の残高とは月の平均残高とする。
<ステップ120>将来の商品契約確率の予測
ステップ110で入力した顧客情報300から、予め登録した商品についての、予測したい期間における将来の契約見込み確率を予測する。
【0022】
以下、図4を用いて商品の、将来の契約見込み確率予測処理フロー120を説明する。
<ステップ410>商品契約と、過去の顧客情報との関係のモデル化
顧客情報300を用いて、予測対象商品について、ある時点の顧客契約有無と、ある時点より予測したい期間前の顧客情報との関係を予測モデルとしてモデル作成する。
【0023】
予測したい期間がTヶ月後の時には、予測モデル作成基準となる、ある時点とそこからTヶ月前の顧客情報300を用いて、ある時点の顧客の商品契約有無と、Tヶ月前の顧客情報との関係を予測モデルとしてモデル化する。
【0024】
例えば、予測したい期間がT=3ヶ月後とした場合、ある時点が2002年7月であれば、予測モデルを作成するための顧客情報は2002年7月と、そこから3ヶ月前の2002年4月時点の顧客情報を用いることとなる。顧客情報300の中から、2002年7月の予測対象商品の契約有無と、2002年4月時点の、予測に利用する顧客情報に関する項目を選択して、項目の値間の関係を予測モデルとしてモデル化する。
【0025】
図5に、モデル作成のための、パラメータ設定画面例500を示す。予測モデル作成基準となるある時点を入力するエリア501と、前記基準時点での、予測対象項目である顧客契約有無に関する項目を選択するエリア502と、予測に利用する顧客情報の時点を入力するエリア503と、前記予測に利用する項目を選択するエリア504とからなる。データ項目の基準時点を選択するエリア501と503に表示される項目は、ステップ101で入力した顧客情報300に格納されている項目301のデータ基準年月である。項目選択エリア502と504に表示される項目は、ステップ110で入力した顧客情報300に格納されている項目302から309などである。
【0026】
入力装置202を用いて、予測対象項目選択エリア502から、予測対象商品である、例えば「カードローン契約」を選択し、項目選択エリア504から、予測に利用する項目「年齢」、「年間給与振込額」などを選択し、予測実行ボタン505を押下する。通常、顧客情報の「カードローン契約」項目の値としては、1または0が入力されており、1が契約有り、0が契約なしなどと定義されている。
【0027】
項目間の関係をモデル化するために利用する手法としては、線形多項式である重回帰分析などがある。回帰分析により求めた、カードローン契約と顧客情報との関係を示す予測モデルの例を数1に示す。
【0028】
【数1】
【0029】
数1は、カードローン契約と各顧客情報の項目との変量の関係を、実際のデータの誤差が最も少なく当てはまるように、1次線形の関係式で表現したものである。ここでモデル化に用いる手法としては、重回帰分析のほかにも、ニューラルネットワークなど、いわゆるデータマイニングと呼ばれる手法であってもよく、その場合には、予測モデル600の表現形式は用いた手法に依存する。ニューラルネットワーク手法などデータマイニングに関する手法については、文献「DataMining techniques: for marketing, sales, and customer support」、Michael J.A. Berry & Gordon Linoff著(John Wiley & Sons, Inc. 1997)に詳しく書かれており、ここでは説明を省略する。
【0030】
さらに、本処理は、予測対象である各商品について、同様に繰り返して実施する。上記の例ではカードローンの契約についてであったが、住宅ローンや定期預金、貯蓄預金など、利用者が予測対象としたい所望の商品についても同様に予測対象項目として選択し、同一の予測時点について予測モデルを作成する。また、パラメータ設定画面500において、予測対象項目と予測期間、利用項目を入力装置202から入力せずに、予め記憶装置203に登録しておいてもよい。予測対象項目として選ばれる取引は、銀行が個人に対して提供する全ての金融商品の取引やセールス対象として重要な重点商品であり、予測に利用する項目は商品契約に関連が高い項目が選択される。
<ステップ420>将来契約見込み確率の予測
ステップ410で作成した予測対象期間についての商品別契約見込み確率予測モデルに、顧客情報300のある時点の、ステップ410で設定した予測利用項目に対応するデータを入力することで、各顧客のある時点から予測対象期間後の時点での、ステップ420で設定した予測対象項目の商品についての契約見込み確率を予測する。
【0031】
例えば、2002年7月時点の顧客情報を予測利用項目として入力した場合に、予測対象期間が3ヶ月であれば、2002年10月時点の契約見込み確率を予測することとなる。
【0032】
図6に、予測結果である商品別契約見込み確率ファイル600の構成例を示す。商品契約見込み確率ファイル600は、顧客番号601、商品別の予測結果であるカードローン契約見込み確率602、住宅ローン契約見込み確率603、定期預金契約見込み確率604、貯蓄預金契約見込み確率605などからなる。商品契約見込み確率ファイル600の内容は、記憶装置203に格納するほか、予測結果を利用者が参照するために出力装置204に出力してもよい。
<ステップ130>将来の商品取引見込み金額の予測
ステップ110で入力された顧客情報300を用いて、ステップ120で契約見込み確率を予測した商品および顧客について、契約した場合の取引見込み金額を予測する。
【0033】
将来契約見込み金額の予測における手順は、ステップ120の契約見込み確率予測のそれと同じであり、予測モデルの作成と、予測モデルを用いた取引見込み金額の予測からなる。そのため、説明が重複する処理手順の説明は省略し、異なる点である予測に利用する項目および予測結果について説明する。
【0034】
予測モデルの作成で利用する顧客情報300は、ステップ120と同じであるが、予測対象は商品の取引見込み金額となる点が異なる。よって、予測対象項目は顧客の商品契約金額である。予測対象商品は、ステップ120と同じ商品である必要があり、予測モデル作成基準時点501および、予測モデル利用項目時点503もステップ120と同じ必要がある。ステップ120と同じ例であれば、予測したい期間がT=3ヶ月後とした場合、ある時点が2002年7月であれば、予測モデルを作成するための顧客情報は2002年7月と、そこから3ヶ月前の2002年4月時点の顧客情報を用いることとなる。
【0035】
利用する予測モデルは、ステップ120と同様に、重回帰分析手法やニューラルネットワーク手法などである。
【0036】
予測モデルを用いた取引見込み金額の予測は、商品別取引見込み金額予測モデルに、顧客情報300のある時点の予測利用項目に対応するデータを入力することで、各顧客の予測期間後の時点での商品別取引見込み金額を予測する。これもステップ120と予測期間を同じにする必要があり、ステップ120で2002年7月時点の顧客情報を予測利用項目として入力した場合には、本ステップでも2002年7月時点の顧客情報を入力利用する必要がある。
【0037】
図7に予測結果である商品別取引見込み金額のファイル構成700の例を示す。商品取引見込み金額ファイル700は、顧客番号701、予測結果であるカードローン取引見込み金額702、住宅ローン取引見込み金額703、定期預金取引見込み金額704、貯蓄預金取引見込み金額705とからなる。商品取引見込み金額ファイル700の内容は、記憶装置203に格納するほか、予測結果を利用者が参照するために出力装置204に出力してもよい。
<ステップ140>将来の商品別の顧客収益の予測
ステップ120で予測した顧客の将来の商品別契約見込み確率600と、ステップ130で予測した顧客の将来の商品別取引見込み金額700とから、将来の商品別の顧客収益を予測する。
【0038】
具体的には、商品別契約見込み確率600と、商品別契約見込み金額700の、同じ顧客、同じ商品についての値の積をとり、さらに、予め登録しておいた商品別の収益率800の同じ商品の収益率との積をとることで、予測モデル作成基準時点から予測対象期間後の顧客の商品別収益を算出する。
【0039】
商品別収益率800のファイル構成を図8に示す。商品別収益率ファイル800は、商品801、商品別収益率802とからなる。ここで、商品別収益率とは、金融機関の収益となる割合であり、市場へ運用する金利と顧客へ支払う金利の差から経費率を差し引いた形などで計算される。商品別の収益率は、本ステップの処理時に入力装置202から入力してもよい。
【0040】
将来の商品別の顧客収益算出結果900のファイル構成を図9に示す。将来の商品別の顧客収益算出結果900は、取引見込み金額のファイル構成700で、取引見込み金額に関するフィールドを収益に置き換えたものと同じであるため、説明を省略する。
【0041】
さらに、ステップ140で算出した商品別の顧客収益から、さらに、予測対象商品を契約した場合に、他の商品取引の収益増減を加味して、より精緻に顧客の純収益を予測する処理について、以下説明する。
<ステップ150>予測対象商品契約時の、他商品の収益増減予測
次に、ステップ140で予測した顧客が、予測対象商品を契約した場合に、他の商品取引金額およびその収益に与える影響、具体的には収益増減額を、顧客情報300を用いて予測する。
【0042】
以下、図10を用いて商品別収益増減予測フローを説明する。
<ステップ1010>予測対象商品の選択設定
ステップ140で収益を予測した商品の中から、他の商品収益に与える影響である収益増減額を予測していくために、商品を一つ選択する。
<ステップ1020>顧客情報から予測対象商品を契約した顧客の抽出
顧客情報300の中から、ステップ120、130で設定した予測モデル作成基準時点で、ステップ1010で選択した商品を契約しており、なおかつ、予測モデル作成基準時点から予測したい期間前の時点で、前記商品を契約していない顧客情報を抽出選択する。抽出した顧客情報を以降の予測処理のステップで用いる。
<ステップ1030>過去の顧客情報での、予測対象商品契約時の他商品取引金額の増減算出
ステップ1020で抽出した顧客情報を用いて、各顧客について、予測したい期間前の時点から予測モデル作成基準時点までで、予測対象商品とは別の、他商品の取引金額の増減を計算する。
【0043】
具体的には、各顧客の、予測したい期間前の時点の他商品の取引金額と、予測モデル作成基準時点での他商品の取引金額との差をとることで、取引増減額を算出する。
<ステップ1040>他の商品取引増減額と、過去の顧客情報との関係のモデル化
ステップ1020で抽出した顧客情報を用いて、ステップ1030で算出した他の商品取引増減額と、予測したい期間前の顧客情報との関係を予測モデルとして、モデル作成する。
【0044】
予測したい期間前時点の、予測に利用する顧客情報に関する項目を選択して、項目の値間の関係を予測モデルとしてモデル化する。
【0045】
本予測モデルの作成処理は、ステップ410とほぼ同じであり、予測モデル作成のためのパラメータ設定画面も500と同じである。予測対象期間も、ステップ120、130で設定した予測対象期間と同じである。予測モデル作成基準時点501および、予測モデル利用項目時点503もステップ120と同じ必要がある。ステップ120と同じ例であれば、予測したい期間がT=3ヶ月後とした場合、ある時点が2002年7月であれば、予測モデルを作成するための顧客情報は2002年7月と、そこから3ヶ月前の2002年4月時点の顧客情報を用いることとなる。
【0046】
異なる点は、予測対象項目選択エリア502において、ステップ1030で、算出した取引増減額の項目を選択する点である。さらに、本処理は、予測対象商品以外の、他の各商品についても同様に実施する。
<ステップ1050>予測対象商品契約時の、他の商品別の取引金額の増減予測ステップ1040で作成した他商品の取引増減額予測モデルに、ステップ120から140で収益予測対象とした顧客情報300の、ある時点のステップ1040で設定した予測利用項目に対応するデータを入力することで、各顧客のある時点から予測対象期間後の時点での、他商品についての取引増減見込み額を予測する。例えば、2002年7月時点の顧客情報を予測利用項目として入力した場合に、予測対象期間が3ヶ月であれば、2002年10月時点の他商品の取引増減額を予測することとなる。
【0047】
図11に、商品別取引増減見込み額ファイル1110の構成例を示す。商品別取引増減見込み額ファイル1110は、ステップ1010で選択設定した予測対象商品別に、取引増減見込み額ファイルが構成される。
【0048】
各ファイル1110は、顧客番号1111、商品別の取引増減見込み額である、カードローン取引増減見込み額1112、住宅ローン取引増減見込み額1113、定期預金取引増減見込み額1114、貯蓄預金取引増減見込み額1115などからなる。
<ステップ1060>予測対象商品契約時の、他商品の収益増減額の算出
ステップ1050で予測した商品別取引増減見込み額に対して、対応する商品の商品別収益率900との積をとり、顧客別に総和をとることで、ステップ1010で選択した予測対象商品を顧客が契約した場合の、他商品の収益増減見込み額を算出する。
【0049】
図11に、算出結果である他商品の収益増減見込み額ファイル1120の構成例を示す。ファイル構成は、1110において取引増減見込み額を収益増減額に置き換えたものと同じであるため、説明を省略する。
<ステップ1070>予測対象商品が他にあるかの判定処理
ステップ1010で選択した商品以外の予測対象商品が他にあれば、ステップ1010から1070までの処理を繰り返し、全予測対象商品について、他商品収益の増減を予測し終えて、他に商品が無ければ、ステップ160の処理を実施する。
<ステップ160>将来の商品別の顧客純収益の予測
ステップ140で予測した顧客の商品別収益900に、ステップ150で予測した顧客の商品契約時の他商品収益増減額1120を増減することで、顧客ごとの商品別の純収益を予測する。
【0050】
将来の商品別の顧客純収益算出結果1200は、予測契約見込み金額のファイル構成800で、取引見込み金額に関するフィールドを純収益に置き換えたものと同じであるため、説明を省略する。
【0051】
さらに、以下、ステップ160で算出した顧客純収益を用いて、顧客へのマーケティング活動へ活用する処理について、説明する。
<ステップ170>商品の高収益の顧客をセールス推奨顧客に設定
ステップ160で算出した顧客純収益1200を用いて、ある商品について、純収益の高い値の顧客を、セールス活動の対象顧客として抽出する。抽出する顧客数は、セールス活動にかける費用などに依存する。
【0052】
図12に、顧客純収益1200を用いた、商品のセールス推奨顧客設定処理のイメージを示す。図12の例では、貯蓄預金について、もっとも純収益が高い顧客は、60円の顧客番号125であるため、顧客番号125の顧客を、貯蓄預金のセールス推奨顧客として設定する。
<ステップ180>顧客の高収益商品をセールス推奨商品に設定
ステップ160で算出した顧客純収益1200を用いて、ある顧客について、純収益の高い値の商品を、顧客推奨商品として設定する。ただし、顧客によっては既に、当該商品をセールス済や契約済であるケースがあり、その場合には、次に純収益が大きい商品を推奨することとなる。
【0053】
図12に、顧客純収益1200を用いた、顧客のセールス推奨商品設定処理のイメージを示す。図12の例では、顧客番号123の顧客について、もっとも純収益が高い商品は、7,400円の住宅ローンであるため、顧客番号123の顧客に対するセールス推奨商品を、住宅ローンとして設定する。
【0054】
以上のように本実施の形態によれば、将来収益の予測において、商品の契約見込み確率と、当該商品を契約した場合の取引見込み金額とを区別をして予測することで、精度の高い収益予測が可能となる。
また、顧客の当該商品の契約に伴い、他の商品の取引金額および収益への影響を予測し、それを加味して純収益を予測することで、より精緻な顧客収益の予測が可能となる。
【0055】
さらに、算出した顧客純収益を用いることで、収益が高いと予想される顧客へのセールス活動策定に活用することができる。これは、現在高い収益の顧客のみを重点的にセールスしがちであった従来に比べて、将来の収益までも定量的に加味してトータルの収益を向上させようとする戦略をとることができる。本発明によれば、将来収益向上に高い貢献を示す商品を推奨商品として設定し、セールス活動に活用することができる。
【0056】
上記実施例では、企業のうち、金融機関、特に銀行における個人顧客の収益を算出する例であったが、銀行以外の、保険や証券、クレジット会社の場合、取り扱う金融商品は、保険や、株、投資信託、クレジットカードなどとなるが、取引金額の一定割合や手数料が取引から得られる収益となる点で銀行と同じであるため、本発明が適用可能である。
【0057】
さらに、法人顧客における場合には、顧客情報の顧客属性が年齢や性別でなく、設立年数や資本金などに変わり、取引する金融商品が住宅ローンでなく手形貸付などに変わることで、本発明を適用可能である。
【0058】
また金融機関以外の、小売業や製造業の場合にも、顧客に関する属性情報や取引状況の情報を用いて、予測対象として、当該企業の商品やサービスの売上金額や契約の情報を利用することで、本発明を適用可能である。
【0059】
次に、本発明の顧客収益予測方法を実施する顧客収益予測システムのモジュール構成例について図13を用いて示す。
【0060】
本発明の顧客収益予測システムは、図2に示したハードウェア構成図上で記憶装置203に、プログラムとして格納される。本発明のモジュールは、図1を用いて説明した各ステップに対応して、顧客情報の入力処理モジュール110と、商品別契約見込み確率の予測処理モジュール120、商品別の契約見込み金額予測処理モジュール130、顧客の商品別収益予測処理モジュール140、商品契約時の他商品の収益増減額予測処理モジュール150、顧客の商品別純収益予測処理モジュール160、商品のセールス推奨顧客設定処理モジュール170、顧客の推奨商品設定処理モジュール180とからなる。
【0061】
最後に、本発明の顧客収益予測方法を、ネットワーク環境で実現する場合のシステム構成の例を図14に示す。本実施形態の顧客収益予測システムは、クライアント1410と、サーバ1420とが、通信ネットワーク1430で接続されたシステムである。
【0062】
クライアント1410は計算機1411に、入力装置1412、出力装置1413を接続したものである。サーバ1420は、計算機1421に記憶装置1422を接続したものである。顧客収益予測のためのモジュールはサーバ1420で稼動する。通信ネットワーク1430に接続されたクライアント1410は複数であってもよい。本実施形態により、いわゆるASP(アプリケーションサービスプロバイダ)と呼ばれるリモート環境での顧客収益予測処理のサービスを提供することができる。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、顧客の商品又はサービスの契約見込み確率と、当該商品又はサービスを契約した場合の取引見込み金額や、当該商品又はサービスの契約に伴う他の商品又はサービスの契約金額への影響を加味して、より精緻な顧客の商品又はサービス別将来収益を予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における顧客収益予測方法の全体処理フローである。
【図2】本発明の実施形態における顧客収益予測方法を実施するシステムのハードウェア構成図である。
【図3】本発明の実施形態における顧客情報のファイル構成例である。
【図4】本発明の実施形態における商品契約見込み確率の予測処理フローである。
【図5】本発明の実施形態における予測モデル作成のパラメータ設定画面例である。
【図6】本発明の実施形態における顧客の商品契約見込み確率のファイル構成例である。
【図7】本発明の実施形態における顧客の商品取引見込み金額のファイル構成例である。
【図8】本発明の実施形態における商品別収益率のファイル構成例である。
【図9】本発明の実施形態における顧客の商品契約時の将来収益のファイル構成例である。
【図10】本発明の実施形態における商品契約時の、他の商品取引金額増減の予測処理フローである。
【図11】本発明の実施形態における商品契約時の、他の商品取引金額増減のファイル構成例である。
【図12】本発明の実施形態における顧客の商品別純収益のファイル構成例である。
【図13】本発明の実施形態における顧客収益予測システムのモジュール構成例である。
【図14】本発明の実施形態における顧客生涯価値システムのネットワーク環境で実現する場合のシステム構成例である。
【符号の説明】
110…顧客情報の入力処理、120…商品別契約見込み確率の予測処理、130…商品別の取引見込み金額予測処理、140…顧客の商品別収益予測処理、150…商品契約時の商品契約の収益増減予測処理、160…顧客の商品別純収益予測処理、170…商品のセールス推奨顧客設定処理、180…顧客の推奨商品設定処理。
Claims (11)
- 商品又はサービスの取引先である顧客との取引から得られる収益を予測するコンピュータによる顧客収益予測方法であって、
前記コンピュータの入力手段が、前記顧客について、顧客属性や取引状況に関する顧客情報の入力を受け、
前記コンピュータの処理手段が、入力した顧客情報を用いて、予め登録した商品又はサービスについて、各顧客の将来の契約見込み確率を予測し、
前記処理手段が、前記入力した顧客情報を用いて、前記予め登録した商品又はサービスについて、各顧客が将来契約した場合の、取引見込み金額を予測し、
前記処理手段が、前記契約見込み確率と、前記取引見込み金額と、予め登録した前記商品の収益率とを積算することによって、各顧客の商品又はサービス別の将来収益を予測することを特徴とする顧客収益予測方法。 - 商品又はサービスの取引先である顧客との取引から得られる収益を予測するコンピュータによる顧客収益予測方法であって、
前記コンピュータの入力手段が、前記顧客について、顧客属性や取引状況に関する顧客情報の入力を受け、
前記コンピュータの処理手段が、入力した顧客情報を用いて、予め登録した商品又はサービスについて、各顧客の商品又はサービス別の将来収益を予測し、
前記処理手段が、前記入力した顧客情報を用いて、前記商品又はサービスを顧客が契約した場合に、各顧客の他の商品又はサービスの取引から得られる収益の増減を予測し、
前記処理手段が、前記商品又はサービス別の将来収益と、予測した商品又はサービス契約時の、前記他の商品又はサービスの収益増減額とを加算することで、顧客の商品又はサービス別の純収益を予測することを特徴とする顧客収益予測方法。 - 請求項1および2に記載の顧客収益予測方法において、
前記顧客情報は、年齢、性別や年収を含む顧客属性情報、取引件数や取引年数を含む取引状況、商品又はサービス別の契約金額や残高、手数料、利用料を含む取引金額情報であることを特徴とする顧客収益予測方法。 - 請求項1に記載の顧客収益予測方法において、
前記処理手段は、前記契約見込み確立を予測する場合に、予測対象となる商品又はサービスについて、ある時点の顧客の契約有無と、前記ある時点より、予測したい期間前の時点の顧客情報との関係から作成された予測モデルに、前記ある時点の顧客情報を入力することで、前記ある時点より前記予測したい期間後についての、各顧客の予測対象となる商品又はサービスの契約見込み確率を予測することを特徴とする顧客収益予測方法。 - 請求項1に記載の顧客収益予測方法において、
前記処理手段は、前記取引見込み金額を予測する場合に、予測対象となる商品又はサービスについて、ある時点の顧客の取引金額と、前記ある時点より、予測したい期間前の時点の顧客情報との関係から作成された予測モデルに、前記ある時点の顧客情報を入力することで、前記ある時点より前記予測したい期間後についての、各顧客の予測対象となる商品又はサービスの取引見込み金額を予測することを特徴とする顧客収益予測方法。 - 請求項2に記載の顧客収益予測方法において、
前記処理手段は、前記他の商品又はサービス取引から得られる収益の増減を予測する場合に、前記顧客情報のうち、ある時点の前記商品を契約した顧客について、前記契約の前と後における前記顧客の他の商品又はサービスの取引増減額と、前記ある時点より予測したい期間前の時点の顧客情報との関係から作成された取引増減額予測モデルに、前記ある時点の顧客情報を入力することで、前記ある時点より前記予測したい期間後についての、各顧客の他の商品又はサービスの取引増減額を予測し、
予測した他の商品又はサービスの取引増減額と、予め登録した前記他の商品又はサービスの収益率とを積算することで、前記他の商品又はサービス別の収益増減額を算出し、
算出した他の商品又はサービス別の収益増減額を加算することで、前記商品又はサービスを顧客が契約した場合に、各顧客の契約済の商品又はサービス取引の収益増減額を予測することを特徴とする顧客収益予測方法。 - 請求項4に記載の顧客収益予測方法において、
前記処理手段が、回帰分析又はニューラルネットワークのモデリング手法を用いて前記予測モデルを作成することを特徴とする顧客収益予測方法。 - 請求項1に記載の顧客収益予測方法において、
前記コンピュータの出力手段が、前記顧客の商品又はサービス別の将来収益の予測の後、前記顧客について、前記将来収益の高い商品又はサービスを、前記顧客へのセールス推奨商品として表示することを特徴とする顧客収益予測方法。 - 請求項1に記載の顧客収益予測方法において、
前記コンピュータの予測手段が、前記顧客の商品又はサービス別の将来収益の予測の後、前記将来収益を予測した商品について、前記将来収益の高い顧客を、前記商品又はサービスのセールス対象顧客として表示することを特徴とする顧客収益予測方法。 - 商品又はサービスの取引先である顧客との取引から得られる収益を予測するシステムであって、
顧客属性や取引状況に関する顧客情報を入力する入力手段と、
入力した顧客情報を用いて、予め登録した商品又はサービスについて、各顧客の将来の契約見込み確率を予測する第1の予測手段と、
前記入力した顧客情報を用いて、予め登録した商品又はサービスについて、各顧客が将来契約した場合の、取引見込み金額を予測する第2の予測手段と、
前記契約見込み確率と、前記取引見込み金額と、予め登録した前記商品又はサービスの収益率とを積算することで、各顧客の商品又はサービス別の将来収益を予測する第3の予測手段とを備えたことを特徴とする顧客収益予測システム。 - コンピュータに商品又はサービスの取引先である顧客との取引から得られる収益を予測させるためのプログラムであって、
顧客属性や取引状況に関する顧客情報を入力するプロセスと、
入力した顧客情報を用いて、予め登録した商品又はサービスについて、各顧客の将来の契約見込み確率を予測するプロセスと、
前記入力した顧客情報を用いて、予め登録した商品又はサービスについて、各顧客が将来契約した場合の、取引見込み金額を予測するプロセスと、
前記契約見込み確率と、前記取引見込み金額と、予め登録した前記商品の収益率とを積算することで、各顧客の商品又はサービス別の将来収益を予測するプロセスとを前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
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