JP2004240720A - 証券情報処理システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】現状ポートフォリオ算出手段2が顧客が現在保有している金融資産を商品別に分類又は集計して顧客の現状の投資形態を示す現状ポートフォリオを算出する。モデルポートフォリオ算出手段3が投資比率に対するポイント値を定義するヒアリングポイントテーブル5と、顧客のヒアリング結果から得られたポイントの合計値と金融商品ごとの投資比率を設定する投資比率テーブル6とによって、顧客に推奨する投資形態を示すポートフォリオを算出する。そして、表示手段4が現状ポートフォリオ算出手段2で求められた現状ポートフォリオとモデルポートフォリオ算出手段3で求められたモデルポートフォリオとを同一画面に並べて表示する。これによって顧客に最適な投資配分比率を提示できる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、証券会社の営業業務を支援するための証券情報処理システムに関するものであり、より詳細には、証券会社のデータベースに蓄積されている顧客情報に基づいて、顧客のニーズに応じた証券情報をポートフォリオとして表示し、顧客をサポートする証券情報処理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、証券会社が顧客をサポートする証券情報処理システムは種々報告されている。例えば、下記の特許文献1には、顧客の資産運用状態の推移をグラフ化して表示する証券情報処理システムが開示されている。この技術によれば、営業拠点に設けられた情報制御装置が、商品の最新価格情報・資産情報・取引情報等に基づいて投資家の資産総額・時価総額・取引の履歴情報などを蓄積し、端末装置からの要求によって情報制御装置から必要な情報を出力すると、端末装置は、受信された情報に基づいて、投資利回り・資産利回り・資産の運用状態などの推移をグラフ化して表示することができる。これにより、一般投資家への資産運用サービスを効果的に行うことができると共に、一般投資家に対して有用な証券情報を提供することができるので、投資家の資産運用の有効化を図ることができる。
【0003】
また、下記の特許文献2には、一般投資家の生活実態にマッチした資産運用を行うことができるポートフォリオ計画を提示するシステムが開示されている。この技術によれば、顧客が資産運用をするとき、どのような金融商品に対して、いくらの資金でいつまでの期間運用するかを明確にして、顧客の運用リスクを最小限に留めながらポートフォリオ計画を作成して表示している。つまり、顧客に対して、投資期間・投資額・投資目的・投資方針、及びリスクの度合いなどの項目についての簡単なアンケートやヒアリングを行うことによって、ポートフォリオのモデルパターンを決定し、顧客が承知するリスクの割合に応じて所望の金融商品を勧めている。
【0004】
また、現在、一部の銀行や証券会社などにおいては、インターネットのホームページを使い、顧客に対して金融資産に関するポートフォリオプランのシミュレーションサービスを行っている。例えば、顧客の年齢・性別・職業・年収・保有する金融資産・投資経験・投資期間・リスクについての考え方・マーケット予測等の複数の設問を行う。そして、これらの設問に対して顧客が答えることによって、その顧客に推奨するモデルポートフォリオを算出し、その結果を表や円グラフなどを使って顧客端末の画面に表示している。
【0005】
つまり、従来の証券情報処理システムにおいては、それぞれの顧客が保有する金融資産のデータベースに基づいて算出した資産分類別の割合を示す『現状のポートフォリオ』を表示したり、顧客からのアンケートやヒアリングに基づいて、顧客が投資に対して持っているニーズを反映した『モデルポートフォリオ』を表示したりしている。もちろん、『現状のポートフォリオ』の表示と『モデルポートフォリオ』の表示は画面の切り替えによって行われている。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−143934号公報(段落0012〜段落0035及び図1〜図4)
【特許文献2】
特開2001−155060号公報(段落0010〜段落0031及び図1〜図6)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特許文献1は、顧客が現在保有している金融資産を商品別に分類・集計する『現状のポートフォリオ』を表示することしかできない。一方、上述の特許文献2は、『現状のポートフォリオ』を表示することができると共に、顧客に対する投資ヒアリングの回答結果から算出した顧客ニーズに基づく『モデルポートフォリオ』を表示することもできるが、同一画面上に『現状のポートフォリオ』と『モデルポートフォリオ』とを対比して表示することはできない。つまり、上記従来の証券情報処理システムにおいては、『現状のポートフォリオ』を表示する機能と『モデルポートフォリオ』を表示する機能はあるが、『現状のポートフォリオ』と『モデルポートフォリオ』を同一画面で表示することができないので、現状の投資配分がそれぞれの顧客のニーズに合っているか否かを対比しながら一目で確認することができない。このように、従来の証券情報処理システムでは、顧客の投資配分をどのように変更したらよいかが分かりずらい画面になっていて、使い勝手の悪い画面状態となっている。
【0008】
また、顧客からのアンケートやヒアリングに基づいて『モデルポートフォリオ』を算出する場合についても、上述の特許文献2のように、リスク割合を決定するのに、長期・中期・短期の三期間とハイリスク・ミドルリスク・ローリスクの三リスクとによって、9個のカテゴリについてそれぞれ投資配分の構成割合を算出し、各カテゴリごとに推奨する投資案件を作成しなければならない。このため、『モデルポートフォリオ』の算出が複雑になると共に、顧客からのアンケートやヒアリングだけでは顧客の投資に対するニーズを反映させるには判断材料が少ないなどの問題がある。さらには、顧客の回答結果からだけでは、どのようなポートフォリオを導き出して作成すれば顧客の満足が得られる『モデルポートフォリオ』となるかを解析することができない。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、データベースに蓄積されている情報や投資ヒヤリングの回答結果から、現状の投資配分が顧客のニーズに合っているか否かを一目で見比べられるようなポートフォリオの表示形態ができる証券情報処理システムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の証券情報処理システムは、顧客のニーズに応じた証券情報をコンピュータの画面に表示して前記顧客の証券投資をサポートする証券情報処理システムにおいて、顧客が現在保有している金融資産を商品別に分類又は集計して、顧客の現状の投資形態を示す現状ポートフォリオを算出する現状ポートフォリオ算出手段と、顧客への投資ヒアリングの回答結果より得られた金融資産の情報に基づいて、顧客に推奨する投資形態を示すモデルポートフォリオを算出するモデルポートフォリオ算出手段と、現状ポートフォリオ算出手段によって求められた現状ポートフォリオとモデルポートフォリオ算出手段によって求められたモデルポートフォリオとを同時に同一画面上に表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
このような構成によれば、現状ポートフォリオ算出手段が、顧客が現在保有している有価証券資産を商品分類別に集計して現状ポートフォリオを算出・作成する。さらに、顧客への投資ヒアリングの回答結果から、顧客に推奨するモデルポートフォリオを算出・作成する。そして、現状ポートフォリオとモデルポートフォリオとをパソコンなどの画面上に並べて表示する。これによって、両者のポートフォリオを見比べることによって、顧客のニーズに沿った形で投資対象の金融商品の切替促進を行って顧客に最適な営業支援を行うことができる。
【0012】
また、本発明の証券情報処理システムは、さらに、顧客への投資ヒアリングの項目の選択肢毎に、リスク許容度のポイント値及び分類した金融商品の投資比率に対するポイント値を定義するヒアリングポイントテーブルと、顧客へのヒアリングの回答結果に基づいて、ヒアリングポイントテーブルに定義されたリスク許容度及び分類した金融商品の投資比率毎のポイント値を加算し、加算されたポイント値から分類された金融商品ごとの投資比率を設定する投資比率テーブルとを備え、モデルポートフォリオ算出手段が、投資比率テーブルに基づいて金融商品別の投資配分からモデルポートフォリオを算出することを特徴とする。
【0013】
このような構成によれば、ヒアリングポイントテーブルに、顧客の年齢、金融資産、投資経験、リスクに対する考え方、及び景気の予測などを階層的に分けてポイント値として用意しておく。そして、顧客のアンケート結果からリスク許容度及び分類した金融商品の投資比率毎にポイント値を合計し、投資比率テーブルに基づく金融商品別の投資配分からモデルポートフォリオを算出して顧客に最適な金融商品の投資配分を求めている。このとき、理想的な資産運用形態を示すモデルポートフォリオは、顧客が持っている各投資対象におけるニーズをアンケート結果に基づいて数値化して求めたものであるので、顧客の投資ニーズのレベルを定量的に把握することができる。さらに、現状ポートフォリオとモデルポートフォリオとを一画面上に並べて表示することによって、現状の投資形態と推奨する投資形態の差異を容易に分析することができるので、顧客に対して営業支援を行うための説得力のあるツールとして提供することができる。
【0014】
また、本発明の証券情報処理システムにおいては、モデルポートフォリオが表示する金融商品の分類は、国内株式、外国株式、国内債権、外国債権、マネー、及びその他の6項目であることを特徴とする。
【0015】
このような構成によれば、モデルポートフォリオとして表示する金融商品の分類を細分化することによって、金融商品ごとの現状ポートフォリオとモデルポートフォリオの差異を詳細に分析することができる。これによって、顧客ニーズに合った投資案内や投資対象の切替促進などを適切に行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の証券情報処理システムは、証券会社営業員の証券業務を支援するためのシステムであって、顧客の現在の投資形態を示す『現状のポートフォリオ』と顧客のニーズに基づく『モデルポートフォリオ』とを同一画面上に表示することができるような証券情報処理システムを構築したことを特徴としている。つまり、顧客が現在保有している金融資産を商品別に分類・集計した『現状ポートフォリオ』を作成してデータベースに蓄積しておく。さらに、顧客への投資ヒアリングの回答結果より得られた金融資産に対する顧客ニーズから『モデルポートフォリオ』を算出・作成する。そして、あらかじめデータベースに蓄積されている『現状ポートフォリオ』と新たに算出・作成した『モデルポートフォリオ』とを同一画面上において比較できるような形態で表示する。これによって、極めて見やすい表示形態で顧客のニーズに合った投資配分の情報を表示することができるので、顧客のニーズにマッチした投資案内や投資の切替促進などを行うことができる。
【0017】
また、本発明の証券情報処理システムは、証券会社の営業業務を支援するための各種情報を蓄積するデータベースを備えたシステムであるが、日常実務を処理する既存の実務系システムとは別に構築された情報系システムである。つまり、この情報系システムが、実務系システムが管理している顧客データの一部、例えば、顧客情報、保有銘柄情報、商品銘柄情報などのコピーを内部に蓄積してデータベースを構築している。このデータベースは、顧客情報を検索する顧客検索機能や検索したデータを保存する検索データ保存機能など既存のデータを表示したりして利用する機能、つまり『現状ポートフォリオ』の表示機能と、営業日報や顧客のヒヤリング回答などを登録して所望のデータに加工して表示する機能、つまり、『モデルポートフォリオ』の表示機能とを備え、且つ、『現状ポートフォリオ』と『モデルポートフォリオ』とを同一画面に表示させる機能を備えていて、証券会社の営業担当者の営業業務をサポートすることができるようになっている。
【0018】
以下、図面を用いて、本発明における証券情報処理システムの実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明における証券情報処理システムの構成を示すブロック図である。図1において、証券情報処理システム1は、顧客が現在保有している金融資産を商品別に分類又は集計(分類及び集計の場合を含む)し、その顧客の現状の投資形態を示す現状ポートフォリオを算出する現状ポートフォリオ算出手段2と、顧客への投資ヒアリングの回答結果より得られた金融資産の情報に基づいて、顧客に推奨する投資形態を示すモデルポートフォリオを算出するモデルポートフォリオ算出手段3と、現状ポートフォリオ算出手段2によって求められた現状ポートフォリオとモデルポートフォリオ算出手段3によって求められたモデルポートフォリオとを同時に同一画面上に表示する表示手段4と、顧客への投資ヒアリングの項目の選択肢毎に、リスク許容度のポイント値及び分類した金融商品の投資比率に対するポイント値を定義するヒアリングポイントテーブル5と、顧客へのヒアリングの回答結果に基づいて、ヒアリングポイントテーブル5に定義されたリスク許容度及び分類した金融商品の投資比率毎のポイント値を加算し、加算されたポイント値から分類された金融商品ごとの投資比率を設定する投資比率テーブル6とを備えている。このような構成によって、モデルポートフォリオ算出手段3が、投資比率テーブル6に基づいて金融商品別の投資配分からモデルポートフォリオを算出し、表示手段4が現状ポートフォリオとモデルポートフォリオとを並べて表示するので、顧客に対して理想的な証券投資の配分比率を提示することができる。
【0019】
次に、具体的なテーブルを用いて、本発明における証券情報処理システムの実施の形態を説明する。まず、『現状ポートフォリオ』の作成・表示方法について説明する。最初に、証券会社の既存の業務系システムから顧客情報、保有銘柄情報、及び商品銘柄情報のデータを抽出し、これらのデータを別のデータベースへ入力して本発明に関わる新たな情報系システムのデータベースを構築する。ここで、顧客情報は顧客自身の情報、保有銘柄情報は顧客が現在保有している商品銘柄の明細情報、及び商品銘柄情報は商品銘柄のマスタである。
【0020】
次に、新たに構築した情報系システムのデータベースに格納された顧客情報、保有銘柄情報、及び商品銘柄情報のデータに基づいて、各顧客が現在保有している商品銘柄を資産種別ごとに分類化した後、顧客ごとに全資産種別の時価評価額の合計額を算出する。そして、各顧客の合計額(つまり、総資産額)の算出結果から、各顧客について、総資産額に対する資産種別ごとの時価評価額の比率を算出して『現状のポートフォリオ』を作成する。
【0021】
図2は、本発明における『現状ポートフォリオ』の算出イメージを示す図であり、(a)は『現状ポートフォリオ』を算出するための入力データ、(b)は『現状ポートフォリオ』の算出結果である出力データである。なお、『現状ポートフォリオ』を算出するための入力データは、業務系システムの保有銘柄データベースなどに蓄積された情報を使用する。
【0022】
まず、図2を用いて『現状ポートフォリオ』の作成方法を具体的に説明する。図2(a)に示すように、実務系システムが管理している保有銘柄データベースなどの情報を使用して顧客Aに関する全データを抽出する。このデータは、顧客Aに関して、銘柄名の種別ごとに時価評価額及び資産種別がテーブルにして表示されている。
【0023】
次に、顧客Aが現在保有している商品銘柄(銘柄名)を、国内株式、国内債券、外国株式、及び外国債券の資産種別ごとに分類して、それぞれの時価評価額を算出する。例えば、資産種別が国内株式のものについては、株式商品Aの時価評価額が100万円、株式商品Bの時価評価額が100万円であるので、合計の時価評価額が200万円というように算出して図2(b)の出力データのテーブルに記録する。同様にして、資産種別が国内債券のものについては、債券商品Cの時価評価額が100万円、債券商品Dの時価評価額が100万円であるので、合計の時価評価額が200万円というように算出して図2(b)の出力データのテーブルに記録する。
【0024】
さらに、全資産種別の時価評価額の合計額(つまり、総資産額)を算出し、総資産額の算出結果の500万円に対する各資産種別ごとの合計時価評価額の比率を算出する。例えば、資産種別が国内株式のものについては、合計時価評価額が200万円であるので、総資産額500万円に対する国内株式の合計時価評価額200万円の比率を40%と算出する。同様に、資産種別が国内債券については、合計時価評価額が200万円であるので、総資産額500万円に対する国内債券の合計時価評価額200万円の比率を40%と算出する。以下、同様な算出方法によって算出された結果に基づいて、図2(b)のような『現状ポートフォリオ』のテーブルを作成する。
【0025】
次に、『モデルポートフォリオ』の作成・表示方法について説明する。まず、顧客に対してヒアリング(質問)した結果の集計を行う。つまり、『モデルポートフォリオ』を算出するために顧客のニーズをヒアリングし、その結果から、「リスク許容度」、「短期/長期比率」、「株式/債券比率」、「国内/海外比率(債券)」、及び「国内/海外比率(株式)」の5項目を分析してそれぞれを点数化する。
【0026】
このとき、上記の5項目を点数化するためのヒアリング項目を設定する。ヒアリング項目の一例としては、〔年齢〕、〔金融資産〕、〔投資経験〕、〔リスク〕、〔債券リスク〕、〔投資〕、〔投資判断〕、〔株式投資〕、〔外国投資〕、〔内外の景気〕、及び〔為替見通し〕であるが、必要に応じてヒアリング項目を変更してもよい。これらのヒアリング項目には、回答内容に対応して定められた点数がヒアリングポイントテーブルに定義されている。
【0027】
図3は、本発明における『モデルポートフォリオ』を作成するためのヒアリングポイントテーブルの一例を示す図である。また、図4は図3のヒアリングポイントテーブルの続きを示す図であり、図5は図4のヒアリングポイントテーブルの続きを示す図である。例えば、図3(a)に示すように、〔年齢〕のヒアリングポイントテーブルには、「リスク許容度」が、20歳未満でポイント“0”、20歳代でポイント“3”、30歳代でポイント“2”、…60歳代でポイント“−10”というように、年齢が高くなるほど「リスク許容度」の点数を低くしてある。つまり、年齢が低い場合はリスクに対してリカバリできる年齢的余裕があるので「リスク許容度」を高くし、年齢が高くなるとリスクに対してリカバリできる年齢的余裕がないので「リスク許容度」を低くしている。また、〔年齢〕のヒアリングポイントテーブルで「短期/長期比率」、「株式/債券比率」、「国内/海外比率(債券)」、「国内/海外比率(株式)」などの項目で未設定(未記入)の部分はポイント“0”として扱う。
【0028】
図3(b)の〔金融資産〕のヒアリングポイントテーブルにおけるリスク許容度については、1000万以上3000万未満で「リスク許容度」をポイント“0”とし、金融資産がそれより多い場合はリスク許容度のポイントを高くしてあるが、金融資産が少ない場合は当然のことながら資産余裕が少ないのでリスク許容度のポイントを低くしてある。また、図3(c)の〔投資経験〕のヒアリングポイントテーブルの「リスク許容度」、「短期/長期比率」、「株式/債券比率」、「国内/海外比率(債券)」、及び「国内/海外比率(株式)」の各項目についても、図3(c)のテーブルに示すようなポイントが設定されている。
【0029】
さらに、〔リスク〕、〔債券リスク〕、〔投資〕、〔投資判断〕のそれぞれのヒアリングポイントテーブルは図4の(a)〜(d)に示すように設定されている。例えば、〔リスク〕をとることに対する覚悟の程度、〔債券リスク〕に対する理解の程度、〔投資〕に対する興味の程度、〔投資判断〕をするときに参考にした情報源などをそれぞれポイントとして表示している。また、〔株式投資〕、〔外国投資〕、〔内外の景気〕、〔為替見通し〕のそれぞれのヒアリングポイントテーブルは図5に示すように設定されている。例えば、〔株式投資〕や〔外国投資〕に対する運用の考え方、〔内外の景気〕に対する見通し、〔為替見通し〕に対する予測などをそれぞれポイントとして表示している。
【0030】
図6は、ヒアリングポイントの利用イメージを示す図であり、(a)はヒアリング回答例を示す図、(b)はヒアリング回答例を基にして算出した合計点数を示す図である。つまり、顧客からのヒヤリング回答がある毎に、図3,図4,図5に示すヒアリングポイントテーブルに基づいて図6(a)のヒヤリング回答例に示すようなヒヤリングポイントが求められ、全てのヒヤリング項目についてヒヤリング回答が収集されると、図6(b)に示すように、各項目ごとについてヒアリングポイントの合計点数が求められる。
【0031】
例えば、図6(a)のヒヤリング回答に示すように、〔年齢〕が30歳代であれば、図3のヒヤリングポイントテーブルより「リスク許容度」のポイントは“2”、〔金融資産〕が500万以上1000万未満であれば、図3のヒヤリングポイントテーブルより「リスク許容度」のポイントは“−1”、〔投資経験〕が国内債券,公社債投資及び国内株式型投資信託であれば、図3のヒヤリングポイントテーブルより「リスク許容度」のポイントは“1+3=4”となる。同様にして、〔リスク〕、〔債券リスク〕、〔投資〕、〔投資判断〕、〔株式投資〕、〔外国投資〕、〔内外の景気〕、〔為替見通し〕の各項目についても、図4、図5のヒヤリングポイントテーブルに基づいて、図6に示すようにヒアリング回答例ごとにポイントが求められる。
【0032】
図6(a)のように全てのヒヤリング項目についてポイントが求められると、図6(b)に示すように、「リスク許容度」のポイントの合計点数は“9”、「短期/長期比率」のポイントの合計点数は“10”、「株式/債券比率」のポイントの合計点数は“7”、「国内/海外比率(債券)」のポイントの合計点数は“−5”、「国内/海外比率(株式)」のポイントの合計点数は“−5”というように求められる。
【0033】
図7は、ヒアリングポイント値と投資比率を対応づけるための投資比率テーブルを示す図である。なお、投資比率テーブルとは、各投資項目ごとに合計されたヒアリングポイント値と各投資項目の投資比率を対応づけるためのテーブルである。例えば、図7に示すように、「リスク許容度」においてヒアリングポイント値の合計が0以上10未満であれば、債券系に65%それ以外に35%の割合で投資することが望ましく、「短期/長期比率」においてヒアリングポイント値が10以上20未満であれば、債券系に50%、マネーに50%の割合で投資することが望ましいというよう読み取る。
【0034】
すなわち、図6(b)のように、ヒアリング分析を行う「リスク許容度」、「短期/長期比率」、「株式/債券比率」、「国内/海外比率(債券)」、及び「国内/海外比率(株式)」の5項目のそれぞれについてポイントの合計点数が算出されたら、次に、図7に示すような投資比率テーブルを用いて『モデルポートフォリオ』を算出する。図8は、『モデルポートフォリオ』の算出例を示す図である。すなわち、図6のようなヒアリングの回答例を基にした各項目のポイント合計点数が図8(a)のように求められると、図8(b)に示すように、まず、「リスク許容度」のヒアリングポイント値の合計点数を用いて債券系とその他の比率を求める。すなわち、図8(a)の「リスク許容度」のヒアリングポイント値の合計点数は“9”であるので、図7(a)の「リスク許容度分類」の投資比率テーブルでヒアリングポイント値が0以上10未満の項目から債券系65%、それ以外35%を求める(図8(b)の「リスク許容度分類」の帯グラフ参照)。
【0035】
次に、図8(a)の「短期/長期比率」のヒアリングポイント値の合計点数“10”を用いて、図7(b)の「短期/長期比率分類」の投資比率テーブルでヒアリングポイント値が10以上20未満の項目から、上記の債券系65%を細分化した配分比率として、債券/マネーの比率を債券50%、マネー50%というように求めて細分化する。これによって、上記の債券系の比率65%は、債券が65%×50%=32.5%、マネーが65%×50%=32.5%というように細分化される(図8(b)の「短期/長期比率分類」の帯グラフ参照)。
【0036】
さらに、図8(a)の「リスク許容度」と「株式/債券比率」のヒアリングポイント値を用いて株式と債券の比率を求める。ここで、「リスク許容度」<「株式/債券比率」の場合は「リスク許容度」のヒアリングポイント値を用い、「リスク許容度」≧「株式/債券比率」の場合は「株式/債券比率」のヒアリンクグポイント値を用いる。この例では、「リスク許容度」のヒアリンクグポイント値が“9”で「株式/債券比率」のヒアリンクグポイント値が“7”であるので、「株式/債券比率」のヒアリンクグポイント値“7”を用いる。
【0037】
「株式/債券比率」のヒアリンクグポイント値“7”を用いて、図7(c)の「株式/債券比率分類」の投資比率テーブルでヒアリングポイント値が0以上10未満の項目から、上記の債券32.5%を細分化した配分比率として、株式/債券の比率を、株式が35%、債券65%というように求めて債券の比率を細分化する。これによって、債券の比率32.5%は、株式が32.5%×35%=11.375%、債券が32.5%×65%=21.125%というように細分化される(図8(b)の「株式/債券比率分類」の帯グラフ参照)。
【0038】
さらに、図8(a)の「国内/海外比率(株式)」のヒアリングポイント値“−5”を用いて、図7(d)の「国内/海外比率(株式)」の投資比率テーブルでヒアリングポイント値が−5以上0未満の項目から、上記の株式11.375%を細分化した配分比率として、国内株式/外国株式の比率を、国内株式75%、外国株式25%というように求めて株式の比率を細分化する。これによって、上記の株式の比率11.375%は、国内株式が11.375%×75%=8.5%、外国株式が11.375%×25%=3%というように細分化される(図8(b)の「国内/海外比率(株式)分類」の帯グラフ参照)。
【0039】
同様にして、図8(a)の「国内/海外比率(債券)」のヒアリングポイント値“−5”を用いて、図7(e)の「国内/海外比率(債券)分類」の投資比率テーブルでヒアリングポイント値が−5以上0未満の項目から、上記の債券21.125%を細分化した配分比率として、国内債券/外国債券の比率を、国内債券95%、外国債券5%というように求めて債券の比率を細分化する。これによって、債券の比率21.125%は、国内債券が21.125%×95%=20%、外国債券が21.125%×5%=1%というように細分化される(図8(b)の「国内/海外比率(債券)分類」の帯グラフ参照)。
【0040】
このようにして、図8(c)に示すように、顧客に推奨する投資配分比率として、『国内株式』が“8.5%”、『外国株式』が“3%”、『国内債券』が“20%”、『外国債券』が“1%”、『マネー』が“32.5%”、及び『それ以外』が“35%”というように算出される。
【0041】
図9は、本発明の証券情報処理システムにおいて算出された『現状ポートフォリオ』と『モデルポートフォリオ』を同一画面で表示する画面イメージの一例である。図9の画面イメージは、上記の実施の形態で計算した配分比率とは異なるが、ある顧客における現状の資産運用の配分比率と推奨する資産運用の配分比率が同一画面上にグラフ化されて表示されている。さらに、現状の配分比率と推奨する配分比率が数値として表示されていると共に、現状と推奨の配分比率の差分も含めてテーブル化されている。これによって現状の資産運用と推奨する資産運用を一目で比較して顧客に対して最適な資産運用を勧めることができる。
【0042】
以上述べた実施の形態は本発明を説明するための一例であり、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲で種々の変形が可能である。上記の実施の形態は証券会社における証券の売買を支援するための証券情報処理システムについて説明したが、これに限ることはなく、銀行や保険会社などを含めたあらゆる金融機関において金融商品を売買するための営業支援のツールとして用いることができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の証券情報処理システムによれば、顧客の現状の資産運用形態を示す『現状ポートフォリオ』と顧客が抱いている潜在的な投資ニーズのヒアリング結果から、顧客の資産内容に基づく理想的な資産運用形態を示す『モデルポートフォリオ』を自動的に算出することができる。そして、『現状ポートフォリオ』と『モデルポートフォリオ』とを一画面上に並べて表示して比較することができるので、両者のポートフォリオを見比べることによって、顧客のニーズに沿った形で投資対象の金融商品の切替促進を行い、それぞれの顧客に最適な営業支援を行うことができる。
【0044】
このとき、顧客に対する営業業務の支援の実態を定量的に評価することは難しいが、資産運用形態を示す『モデルポートフォリオ』は、顧客が持っている各投資対象におけるニーズをアンケート結果に基づいて数値化して算出したものであるので、顧客の投資ニーズのレベルを定量的に把握することはできる。さらに、『現状ポートフォリオ』と『モデルポートフォリオ』とを一画面上に並べて表示することによって、現状の投資形態と推奨する投資形態の差異を容易に分析することができるので、顧客に対する営業支援に説得力のあるツールとして提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における証券情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明における『現状ポートフォリオ』の算出イメージを示す図であり、(a)は『現状ポートフォリオ』を算出するための入力データ、(b)は『現状ポートフォリオ』の算出結果である出力データである。
【図3】本発明における『モデルポートフォリオ』を作成するためのヒアリングポイントテーブルの一例を示す図である。
【図4】図3のヒアリングポイントテーブルの続きを示す図である。
【図5】図4のヒアリングポイントテーブルの続きを示す図である。
【図6】本発明におけるヒアリングポイントの利用イメージを示す図であり、(a)はヒアリング回答例を示す図、(b)はヒアリング回答例を基にして算出した合計点数を示す図である。
【図7】本発明におけるヒアリングポイント値と投資比率を対応づけるための投資比率テーブルを示す図である。
【図8】本発明における『モデルポートフォリオ』の算出例を示す図である。
【図9】本発明の証券情報処理システムにおいて算出された『現状ポートフォリオ』と『モデルポートフォリオ』を同一画面で表示する画面イメージの一例である。
【符号の説明】
1 証券情報処理システム、2 現状ポートフォリオ算出手段、3 モデルポートフォリオ算出手段、4 表示手段、5 ヒアリングポイントテーブル、6 投資比率テーブル。
Claims (3)
- 顧客のニーズに応じた証券情報をコンピュータの画面に表示して前記顧客の証券投資をサポートする証券情報処理システムにおいて、
前記顧客が現在保有している金融資産を商品別に分類し、又は集計して、該顧客の現状の投資形態を示す現状ポートフォリオを算出する現状ポートフォリオ算出手段と、
前記顧客への投資ヒアリングの回答結果より得られた金融資産の情報に基づいて、該顧客に推奨する投資形態を示すモデルポートフォリオを算出するモデルポートフォリオ算出手段と、
前記現状ポートフォリオ算出手段によって求められた現状ポートフォリオと前記モデルポートフォリオ算出手段によって求められたモデルポートフォリオとを同時に同一画面上に表示する表示手段と
を備えたことを特徴とする証券情報処理システム。 - 請求項1に記載の証券情報処理システムにおいて、
さらに、前記顧客への投資ヒアリングの項目の選択肢毎に、リスク許容度のポイント値及び分類した金融商品の投資比率に対するポイント値を定義するヒアリングポイントテーブルと、
前記顧客へのヒアリングの回答結果に基づいて、前記ヒアリングポイントテーブルに定義されたリスク許容度及び分類した金融商品の投資比率毎のポイント値を加算し、加算されたポイント値から分類された金融商品ごとの投資比率を設定する投資比率テーブルとを備え、
前記モデルポートフォリオ算出手段が、前記投資比率テーブルに基づいて金融商品別の投資配分からモデルポートフォリオを算出することを特徴とする証券情報処理システム。 - 請求項2に記載の証券情報処理システムにおいて、
前記モデルポートフォリオが表示する金融商品の分類は、国内株式、外国株式、国内債権、外国債権、マネー、及びその他の6項目であることを特徴とする証券情報処理システム。
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