JP2004354738A - 平面型光導波路およびその製造方法、多層平面型光導波路、光モジュール - Google Patents
平面型光導波路およびその製造方法、多層平面型光導波路、光モジュール Download PDFInfo
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Abstract
【課題】平面型光導波路を実装する際に、容易に高密度な集積化ができる平面型光導波路と、これを実装した多層平面型光導波路および光モジュールを提供する。
【解決手段】コアと、コアの周囲に配された下部クラッド層および上部クラッド層からなるクラッドとを少なくとも備えた平面型光導波路において、コアおよびクラッドを配する基板、または、基板および下部クラッド層の少なくとも一部を除去する。コアに、屈折率分布を持たせる。コアの屈折率を、クラッドの屈折率よりも高くする。平面型光導波路を複数積層して、多層平面型光導波路を構成する。平面型光導波路または多層平面型光導波路と、ファイバテープ心線とを接続して光モジュールを構成する。平面型光導波路と多層平面型光導波路とを接続して光モジュールを構成する。
【選択図】 なし
【解決手段】コアと、コアの周囲に配された下部クラッド層および上部クラッド層からなるクラッドとを少なくとも備えた平面型光導波路において、コアおよびクラッドを配する基板、または、基板および下部クラッド層の少なくとも一部を除去する。コアに、屈折率分布を持たせる。コアの屈折率を、クラッドの屈折率よりも高くする。平面型光導波路を複数積層して、多層平面型光導波路を構成する。平面型光導波路または多層平面型光導波路と、ファイバテープ心線とを接続して光モジュールを構成する。平面型光導波路と多層平面型光導波路とを接続して光モジュールを構成する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光計測および光情報通信分野で用いられる平面型光導波路と、これを実装した多層平面型光導波路および光モジュールに関し、特に大型の平面型光導波路を実装する際に高密度な集積化を容易とする平面型光導波路と、多層平面型光導波路および光モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光スイッチ(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)や、可変光減衰器(例えば、特許文献4参照。)といった光部品が、必要な数だけ(通常はチャンネル数だけ)集積されて用いられる例が増えている。例えば、分波器と合波器の間にチャネル数と同数の光スイッチを配置した例(例えば、特許文献5参照。)や、光スイッチをマトリックス状に並べて構成したN×N(N入力、N出力)スイッチ(例えば、特許文献6参照。)などを挙げることができる。
【0003】
このような光部品の集積化が可能であるのは、(1)平面型光導波路が半導体と同様のプロセスで作製され、光回路の集積化が比較的容易、(2)光スイッチや可変光減衰器といったデバイスが比較的簡単な構成で実現可能で、1チャネル分の回路の必要面積が比較的小さくて済むため、1つのウエハ上に多チャネル分の回路を集積できる、などの理由からである。
【0004】
ところが近年、波長多重(Wavelength Division Multiplexing、以下「WDM」と略す。)光通信において、光伝送速度の高速化とともに、分散・偏波モード分散を静的・動的に補償する技術が必要とされている。そのため、光分散補償回路(例えば、特許文献7参照。)、偏波モード分散(例えば、特許文献8、特文献9参照。)といったデバイスは、光回路中に多数の光遅延回路を設ける必要があり、1チャネル分であっても、広い面積を必要とするようになってきている。
【0005】
1チャネル分でも広い面積を必要とするため、1つのウエハ上に複数のチャネル用の光部品を集積化するのは難しい。また、複数のチャネル数と同数の光回路をそれぞれ個別に準備し、分波器の後段、あるいは分波器と合波器との間にこれらの補償デバイスを配する際に、各チャネル毎にファイバを1本ずつ接続する以外に、全チャネルを補償するような光回路を構成する手段がなかった。
【0006】
このことは、分波器で分波され、チャネル毎に分けられた光線路(多くの場合、テープファイバで出力される)を1本ずつに分け、それぞれを各チャネル用の補償回路に接続して入力し、同じ補償回路からの出力ポートに対してファイバを1本ずつ接続し、これらを再び束ねて合波器の入力ポートに接続する必要があることを意味している。
【0007】
以上のようなことから、光部品を集積化することにより、(1)ファイバの接続箇所が多い、(2)テープファイバにおいてファイバ心線の分離箇所が必要、(3)ファイバ心線の分離工程が必要、(4)分離されたファイバ心線を収納する空間容量が大きくなる、などといった問題が発生する。
【0008】
また、分散特性に優れた合分波器(例えば、特許文献10参照。)などの面積が比較的大きくなるような光回路を、複数のチャネルに対して同時に用いる場合などには、上記と同様の問題が発生する。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−241781号公報
【特許文献2】
特公平7−43484号公報
【特許文献3】
特許第2659293号明細書
【特許文献4】
特開2000−241774号公報
【特許文献5】
特開2000−321450号公報
【特許文献6】
特許第3158372号明細書
【特許文献7】
特許第3262312号明細書
【特許文献8】
特開2001−21848号公報
【特許文献9】
特開2001−42272号公報
【特許文献10】
特開2002−318376号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、平面型光導波路を実装する際に、容易に高密度な集積化ができる平面型光導波路と、これを実装した多層平面型光導波路および光モジュールを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、コアと、該コアの周囲に配された下部クラッド層および上部クラッド層からなるクラッドとを少なくとも備えた平面型光導波路であって、前記コアおよび前記クラッドを配する基板、または、該基板および前記下部クラッド層の少なくとも一部を除去した平面型光導波路を提供する。
【0012】
上記構成の平面型光導波路において、前記コアは、屈折率分布を有することが好ましい。
【0013】
上記構成の平面型光導波路において、前記コアは、前記クラッドよりも屈折率が高いことが好ましい。
【0014】
本発明は、上記平面型光導波路が複数積層されてなる多層平面型光導波路を提供する。
【0015】
上記構成の多層平面型光導波路において、前記コアが等間隔に配列されていることが好ましい。
【0016】
上記構成の多層平面型光導波路において、前記コアの配列間隔が250μmであることが好ましい。
【0017】
上記構成の多層平面型光導波路において、前記コアの配列間隔が127μmであることが好ましい。
【0018】
本発明は、上記平面型光導波路と、ファイバテープ心線とが接続されてなる光モジュールを提供する。
【0019】
本発明は、上記多層平面型光導波路と、ファイバテープ心線とが接続されてなる光モジュールを提供する。
【0020】
本発明は、上記平面型光導波路と、上記多層平面型光導波路とが接続されてなる光モジュールであって、前記平面型光導波路の入出力ポートと、前記多層平面型光導波路の入出力ポートとが接続されている光モジュールを提供する。
【0021】
上記構成の光モジュールにおいて、前記平面型光導波路と前記多層平面型光導波路とが、ねじれの位置に配されていることが好ましい。
【0022】
本発明は、コアと、該コアの周囲に配された下部クラッド層および上部クラッド層からなるクラッドとを少なくとも備えた平面型光導波路の製造方法において、前記コアおよび前記クラッドを配する基板、または、該基板および前記下部クラッド層の少なくとも一部を、研磨、研削または切断により除去する平面型光導波路の製造方法を提供する。
【0023】
上記平面型光導波路の製造方法において、前記上部クラッド層の表面を、研磨、研削または切断により平面化することが好ましい。
【0024】
上記平面型光導波路の製造方法において、前記コアをフォトブリーチングにより形成することが好ましい。
【0025】
上記平面型光導波路の製造方法において、前記コアにレーザ光を照射して、該コアの屈折率を変化させることが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
図1および図2は、本発明の平面型光導波路の製造方法の一実施形態を示す概略斜視図である。
この実施形態の平面型光導波路の製造方法では、先ず、図1(a)に示すように、基板1を用意する。
基板1は、後述のコア、クラッドなどの堆積に支障の無い程度に表面が平滑かつ清浄なものであれば材質は特に限定されないが、例えば、シリコン結晶ウエハ、石英ウエハ、半導体ウエハ、多成分ガラス板、セラミック板、金属板などが用いられる。
【0027】
次いで、図1(b)に示すように、基板1の表面上に、石英系ガラス、窒化ケイ素または高分子材料を堆積して、所定の厚みの下部クラッド層2を形成する。
【0028】
石英系光導波路を形成する場合、火炎堆積法(Flame Hydrolysis Deposition、FHD法)や化学気相堆積法(ChemicalVapor Deposition、CVD法)、スパッタリング法、蒸着法などにより、石英または石英に添加物を添加した石英系ガラスを基板1の表面上に堆積する。
【0029】
石英に添加する添加物としては、一般的に、ゲルマニウム(Ge)、ホウ素(B)、リン(P)、フッ素(F)などが用いられる。ゲルマニウムとリンは、石英系ガラスの屈折率を上昇させる添加物である。ホウ素とフッ素は、石英系ガラスの屈折率を低下させる添加物である。
これらの添加物を石英に添加すると、その種類や添加量によって、石英系ガラスの屈折率と軟化温度を調節することができる。そのため、上記のような添加物は、屈折率の調節以外にも、下部クラッド層2や、後述のコア層、上部クラッド層の形成工程における温度調節を目的として用いられることもある。
【0030】
なお、石英系光導波路を形成する場合、基板1として石英基板を用いた場合、この石英基板自体を下部クラッド層2として用い、下部クラッド層2を形成する工程を省略してもよい。
【0031】
窒化ケイ素系光導波路を形成する場合、CVD法、スパッタリング法などにより、窒化ケイ素を基板1の表面上に堆積する。
【0032】
高分子光導波路を形成する場合、基板1の表面上に、高分子材料をスピンコート法により、厚さの均一な膜となるように塗布する。
下部クラッド層2をなす高分子材料としては、フッ化ポリイミド、ベンゾシクロブテン、重水素化シリコーン、重水素化ポリメチルメタクリレート、紫外線硬化型エポキシ樹脂、紫外線硬化型アクリレート樹脂などが挙げられる。
【0033】
次いで、図1(c)に示すように、下部クラッド層2の表面上に、石英系ガラス、窒化ケイ素または高分子材料を堆積して、所定の厚みのコア層3を形成する。
コア層3の形成には、下部クラッド層2の形成と同様の方法、装置を用いることができる。
【0034】
石英系光導波路を形成する場合、FHD法、CVD法、スパッタリング法、蒸着法などにより、石英または石英に添加物を添加した石英系ガラスを下部クラッド層2の表面上に堆積する。
窒化ケイ素系光導波路を形成する場合、CVD法、スパッタリング法などにより、窒化ケイ素を下部クラッド層2の表面上に堆積する。
高分子光導波路を形成する場合、下部クラッド層2の表面上に、高分子材料をスピンコート法により、厚さの均一な膜となるように塗布する。
【0035】
この実施形態では、コア層3は、下部クラッド層2および後述の上部クラッド層よりも屈折率が高く形成されている。
石英系光導波路を形成する場合、コア層3をなす石英系ガラスに、ゲルマニウム(Ge)、ホウ素(B)、リン(P)、フッ素(F)などの添加物を添加して、下部クラッド層2および上部クラッド層よりも屈折率が高くなるように調節する。
【0036】
窒化ケイ素系光導波路を形成する場合、シリコン(Si)ターゲットを用い、プラズマ中に窒素(N2)ガスや酸素(O2)ガスを導入して、シリコンを窒化または酸化、あるいは窒化および酸化させながら堆積させる反応性スパッタリング法が多く用いられる。この際、一般にシリコンと反応する窒素の量が酸素に比べて大きい程、屈折率が大きくなる。屈折率が最大となるのは組成がSi3N4となる場合で、屈折率は約1.98、屈折率が最小となるのは組成がSiO2の場合で屈折率は約1.44となる。これらの中間の組成を持つSixOyNz系ガラスは、Si3N4とSiO2の中間の屈折率を持ち、スパッタリング時のプラズマ中への窒素ガスおよび酸素ガスの導入量やプラズマのパワー、基板温度などを制御することにより、得られるガラス膜の組成すなわち屈折率を調節することができる。上下クラッド層とコア層において、窒化ケイ素系/石英系ガラスの組成を変えることにより、コア層の屈折率が、下部クラッド層2および上部クラッド層よりも高くなるようにする。
【0037】
高分子光導波路を形成する場合、一般にクラッド層とコア層において、組成の異なる高分子材料を用い、適切な屈折率差を得るようにする。例えば、フッ素化ポリイミドを用いる場合、複数のイミド原料の混合比により、重合後の屈折率を調整することが可能であることが、文献J.Kobayashi,et al.,“Fluorinated Polyimide Waveguides with Low Polarization−Dependent Loss and Their Applications to Thermooptic Switches”,Journal of Lightwave Technology,vol.16,no.6,pp.1024−1029(1998)に開示されている。上下クラッド層とコア層とで高分子材料の組成を変えることにより、コア層の屈折率が、下部クラッド層2および上部クラッド層よりも高くなるようにする。
【0038】
次いで、必要に応じて、コア層3の表面上に、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法などにより、多結晶シリコン、ケイ化タングステンなどの金属膜からなるエッチングマスクを形成する。
次いで、金属膜からなるエッチング用マスクの上に、スピンコート法などにより、エッチング用マスクをエッチングするためのフォトレジストを塗布する。
ここで、金属膜を用いるのは、フォトレジストだけでは石英系ガラスや窒化ケイ素系ガラスなどをエッチングする際、多くの場合、ドライエッチングのプラズマパワーに対してフォトレジストによるマスクが耐えられず、導波路を形成できなくなってしまうためである。一旦、フォトレジストの形状を金属膜に転写して導波路と同様の形状にした上で、導波路形状とした金属膜をマスクとしてドライエッチングを行なうためのものである。
高分子材料を用いて導波路を形成する場合には、金属膜を用いなくてもフォトレジストがエッチングに耐え得る場合が多く、このような場合には金属膜を用いずに、コア層の上に直接フォトレジストを塗布すればよい。
【0039】
次いで、フォトレジストの表面に導波路形状が形成されたフォトマスクを配置し、露光、現像処理を行なって不要なフォトレジストを取り除き、導波路形状を有するレジスト膜を形成する。
次いで、レジスト膜をマスクとして、反応性イオンエッチング(RIE)法などのドライエッチングや、腐食性溶液に浸漬して、マスクが施されていない領域を除去するウェットエッチングなどにより、レジスト膜の形成されていない部分のエッチング用マスクを除去し、エッチング用マスクを導波路形状に形成し、続いて残ったレジスト膜を灰化(アッシング)するなどして除去する。
なお、高分子光導波路など、金属膜からなるエッチング用マスクを用いない場合には、エッチング用マスクのエッチングを行なわず、直接コア層のエッチングをし、コアを形成することになる。
【0040】
なお、上記では、フォトレジストおよびエッチング用マスクを導波路と同じ形状とする方法を示したが、この他、例えば、以下に示すリフトオフ法を用いる場合もある。
リフトオフ法を用いる場合、エッチング用マスクを形成する前に、フォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ法などにより不要なフォトレジストを取り除き、反転した導波路形状の開口部を有するレジスト膜を形成する。
次いで、この上にスパッタリング法、電子ビーム蒸着法などにより、多結晶シリコン、ケイ化タングステンなどの金属膜からなるエッチング用マスクを形成する。この時、コア層の上に直接形成される金属膜は導波路形状となり、導波路以外の場所においては、金属膜はフォトレジスト層の上に堆積されることになる。
次いで、有機溶媒を用いるなどしてフォトレジスト膜を除去する。この時、フォトレジスト層の上に堆積された金属膜はフォトレジストと共に除去され、その結果、金属膜からなるエッチング用マスクは導波路と同じ形状のものがコア層の上に残ることになる。
【0041】
なお、この実施形態では、上述のようにフォトレジストを露光、現像するフォトリソグラフィー法ではなく、フォトレジストを電子線などにより感光してレジスト膜を形成し、このレジスト膜をマスクとする方法を用いてエッチングを行ってもよい。
【0042】
次いで、図2(a)に示すように、エッチング用マスク(図示略)をマスクとして、反応性イオンエッチング(RIE)などの方法により、エッチング用マスクの形成されていない部分のコア層3を除去し、所望の導波路形状に形成されたコア4を得る。
【0043】
次いで、図2(b)に示すように、コア4および下部クラッド層2の上に、石英系ガラス、窒化ケイ素または高分子材料を堆積して、所定の厚みの上部クラッド層5を形成する。
上部クラッド層5の形成には、下部クラッド層2の形成と同様の方法、装置を用いることができる。
【0044】
石英系光導波路を形成する場合、FHD法、CVD法、スパッタリング法、蒸着法などにより、石英または石英に添加物を添加した石英系ガラスをコア4および下部クラッド層2の上に堆積する。
窒化ケイ素系光導波路を形成する場合、CVD法、スパッタリング法などにより、窒化ケイ素もしくは酸窒化ケイ素をコア4および下部クラッド層2の上に堆積する。
高分子光導波路を形成する場合、コア4および下部クラッド層2の上に、高分子材料をスピンコート法により、厚さの均一な膜となるように塗布する。
【0045】
次いで、上部クラッド層5の表面上に、スパッタリング法などにより、金(Au)、クロム(Cr)、ニッケル−クロム(Ni−Cr)合金などからなる金属薄膜を形成する。
次いで、金属薄膜の表面上に、エッチング用マスクとして、スピンコート法などによりフォトレジストを塗布する。
次いで、フォトレジストの表面に所望の電気回路および/または電極形状が形成されたフォトマスクを配置し、露光、現像処理を行なって、不要なフォトレジストを取り除き、電気回路および/または電極形状を有するレジスト膜を形成する。
【0046】
次いで、レジスト膜をマスクとして、反応性イオンエッチング(RIE)法などのドライエッチングや、腐食性溶液に浸漬して、マスクが施されていない領域を除去するウェットエッチングなどにより、レジスト膜の形成されていない部分の金属薄膜を除去し、金属薄膜を電気回路および/または電極の形状に形成し、次いで残ったレジスト膜を灰化(アッシング)するなどして除去する。
【0047】
なお、上記ではフォトレジストを電気回路および電極と同じ形状とする方法を示したが、この他、例えば、以下に示すようなリフトオフ法を用いる場合もある。
リフトオフ法を用いる場合、電気回路および電極を形成する前に、フォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ法などにより、不要なフォトレジストを取り除き、反転した導波路形状の開口部を有するレジスト膜を形成する。
次いで、この上にスパッタリング法などにより、金(Au)、クロム(Cr)、ニッケル−クロム(Ni−Cr)合金などからなる金属薄膜を形成する。このとき、レジスト膜を介さず上部クラッド層の上面に直接形成される金属薄膜は電気回路および電極の形状となり、これ以外の場所においては、金属薄膜はフォトレジスト層の上に堆積されることになる。
次いで、有機溶媒を用いるなどしてフォトレジスト膜を除去する。この時、フォトレジスト層の上に堆積された金属薄膜はフォトレジストと共に除去され、その結果、金属薄膜からなる電気回路および電極は所望の形状のものとして上部クラッド層の上面に残ることになる。
【0048】
次いで、図2(c)に示すように、基板1、または、基板1および下部クラッド層2の少なくとも一部を、研磨、研削または切断により除去し、所定の厚みの平面型光導波路ウエハ10を得る。
この工程では、必要に応じて、基板1の一部を残したり、下部クラッド層2の一部を除去する。また、必要に応じて、上部クラッド層5の上面を研磨、研削または切断して、平面型光導波路ウエハ10を所定の厚みとする。
【0049】
ここで、基板1や下部クラッド層2の除去に際して、100μm以上にわたって厚みを変化させる場合には、(1)切断、研削、研磨などのいずれかの手法をとり、大まかに厚みを変えた上で、(2)ラッピングなどを行ってから、平坦に削る、(3)仕上げに研磨して、平坦度を上げる、といった方法が用いられる。
【0050】
上記(1)切断、研削、研磨などについて説明する。
切断を行なう場合は、ダイシングマシン(ダイサー)やファインカッターなどを用いて、所定の厚みになるように、基板の大部分、もしくは基板と下部クラッド層の一部を切除する。研削を行なう場合は、グラインダーなどの砥石を用いて、所定の厚みになるように、基板の大部分、もしくは基板と下部クラッド層の一部を削除する。研磨によって厚みを変える場合には、所定の厚みになるまで研磨を行なう。厚みを変える目的で行なう研磨は、研磨に必要な時間が十分に短く、かつ十分な機械精度(寸法精度)を実現できるように、通常、数10μmないし数100μmの適切な粒径の砥粒を用いる。
【0051】
上記(2)について説明する。ラッピングは、鋳鉄などの定番(ラップ工具)上で、一般的には遊離砥粒(研磨剤)を用い、研磨剤を加工物とラップ工具の間に挟んだ状態で摺動運動(すりあわせ)を行い、加工物を微小切削しながら研磨することによって、ラップ工具の形を加工面に転写する加工方法である。本発明におけるラッピングにおいては、ラップ工具は平面とし、加工物(導波路チップ)を平坦に削るのが望ましい。
【0052】
上記(3)について説明する。仕上げ研磨は、ラッピング加工により創成された梨子地面を平坦な鏡面に仕上げる研磨方法を言う。仕上げ研磨では一般的にラップ工具を軟質なもの(ポリッシャ)とし、研磨剤も微粒子(ミクロン・サブミクロン)を使用することを除いては、ラッピング加工とほぼ同じ加工方法を用いる。鏡面研磨では、さらにフロートポリッシング加工法やメカノケミカルポリッシング加工法、EEM(Elastic Emission Machining)加工法などを用い、研磨後にはサブミクロンないしはナノメータの表面粗さを実現することができる。
【0053】
ここで、仕上げ研磨の工程において、例えば、粒径0.03μm程度のスラリーを砥粒として用いることにより、研磨後の基板1または下部クラッド層2の表面の平均表面粗さ(Ra)を4nm程度とすることができる。
砥粒としては、酸化セリウム(CeO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ケイ素(SiO2)、ダイヤモンド、蛍石(CaF2)、窒化アルミニウム(AlN)などが用いられる。
【0054】
次いで、必要に応じて、平面型光導波路ウエハ10を所定の大きさに切断して、平面型光導波路チップを作製する。
【0055】
この平面型光導波路チップの入出力ポート(コア4の端面)に、ファイバを直接接続することにより、平面型光導波路チップと、ファイバとからなる光モジュールを構成することができる。
【0056】
なお、平面型光導波路チップの加工後(切断後)の厚みを、ファイバテープ心線を構成するファイバのピッチと等しくしておけば、複数の平面型光導波路チップを積層してなる多層平面型光導波路と、ファイバテープ心線とを接続する際に、ファイバテープ心線の先端をそのまま平面型光導波路チップに接続できるから、好都合である。
【0057】
また、樹脂などでファイバテープ心線のファイバを平面型光導波路チップに固定する場合、樹脂などを流し込む分も考慮して、樹脂の厚み分だけ平面型光導波路チップの厚みを小さく設定することが望ましい。
ところで、現在多く用いられているファイバテープ心線のファイバのピッチは250μmであり、また、ファイバアレイのピッチは250μmまたは127μmである。そこで、平面型光導波路チップの厚みも250μmまたは127μmとしておけば、これらのファイバテープ心線やファイバアレイと直接接続できるから、好都合である。
【0058】
なお、この実施形態では、屈折率の異なる材料を用いて、平面型光導波路を製造する方法について記したが、以下に示すような方法を用いて平面型光導波路を製造してもよい。
例えば、(1)石英系ガラスなどのガラスの中にレーザ光を照射して、周辺部よりも屈折率の高い領域を連続的に形成し、屈折率の高い領域をコアとして光導波路を形成する方法、(2)フォトブリーチングにより材料の一部の屈折率を、周辺部よりも高くなるように加工し、屈折率の高い領域をコアとして光導波路を形成する方法、(3)フォトリフラクティブ効果を利用して、周辺部よりも屈折率の高い領域を連続的に形成し、屈折率の高い領域をコアとして光導波路を形成する方法、(4)下部クラッド層の上に、印刷により所定の幅および厚さで上下クラッド層よりも屈折率の高い高分子材料や樹脂を線状に堆積させ、この上に必要に応じて、さらに上部クラッド層をスピンコート法などにより堆積させ導波路を構成する方法、(5)ディスペンサを用いて光導波路を形成する方法などを用いてもよい。
【0059】
次に、本発明の多層平面型光導波路について説明する。
図3は、本発明の多層平面型光導波路の一実施形態を示す概略斜視図である。
図3に示すように、多層平面型光導波路30は、上述の平面型光導波路の製造方法によって得られた平面型光導波路チップ20が、複数積層されてなる複合光部品である。
多層平面型光導波路30では、1の平面型光導波路チップ20の下部クラッド層22の表面に、2の平面型光導波路チップ20の上部クラッド層25の表面が接するように、複数の平面型光導波路チップ20が積層され、コア24が多層平面型光導波路30の厚み方向に等間隔に配列されている。
【0060】
次に、この実施形態の多層平面型光導波路の製造方法について説明する。
上述の平面型光導波路の製造方法によって得られた平面型光導波路チップ20を複数枚用意し、1の平面型光導波路チップ20の下部クラッド層22の表面に、2の平面型光導波路チップ20の上部クラッド層25の表面を接するように重ね合わせ、これらを固定して、多層平面型光導波路30を得る。複数の平面型光導波路チップ20の固定には、多層化したチップの周囲に金属や樹脂のバンドを巻く、上下面をクランプするようにクリップ状の弾性体で挟み固定するなどの機械的固定手段、または、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂などの接着剤が用いられる。
接着剤による固定の場合、複数の平面型光導波路チップ20を重ね合わせたものの側面に接着剤を塗布すると、毛細管現象により接着剤が各平面型光導波路チップ20の間に染み込んでいくため、確実に固定することができる。
【0061】
また、機械的なアライメント(位置合わせ)や、各平面型光導波路チップ20に設けられたアライメントマーク(図示略)により、各平面型光導波路チップ20同士の位置合わせをすることができる。
【0062】
さらに、図4に示すように、この多層平面型光導波路30の入出力ポート(コア24の端面)に、ファイバテープ心線40を構成する複数のファイバ41を直接接続することにより、多層平面型光導波路30と、ファイバテープ心線40とからなる光モジュールを構成することができる。
【0063】
多層平面型光導波路30の入出力ポートと、複数のファイバ41とを直接接続するには、両者を融着するか、または、接着剤を介して接着する。
また、ファイバテープ心線40のファイバ41を基板上に精密に配列してファイバアレイとし、このファイバアレイを用いて、多層平面型光導波路30の入出力ポートとファイバ41との接着面積を大きくして、両者の接続部分の機械的強度を向上させてもよい。
【0064】
なお、ここで、各平面型光導波路チップ20の厚みを調節して(等しくして)、コア24を多層平面型光導波路30の厚み方向に等間隔に配列すれば、多心ファイバやファイバアレイと各平面型光導波路チップ20の入出力ポートとの接続が容易になる。
【0065】
また、複数の平面型光導波路チップ20を重ねる工程において、アライメントをしておくと、平面型光導波路チップ20の入出力ポートが等間隔に配列されるから、多層平面型光導波路30と、多心ファイバやファイバアレイとを接続する際に、多心ファイバやファイバアレイの各入出力ポートにおける接続損失をほぼ均一に、かつ十分に小さくすることができる。
【0066】
なお、上述の実施形態による集積化は、平面型光導波路チップの面積が大きい場合に、特に有効である。例えば、特許文献5、6に示された大規模光スイッチなどのように、多数の光素子を有するためにチップサイズが大きくなってしまうもの、特許文献7、8、9に示された光遅延回路を有する光回路などのように、必要となる導波路長が長くなるため、チップサイズが大きくなることを避け難い場合などである。これらの平面型光導波路チップは、一般的に一辺が10数mm〜数10mmの正方形ないしは長方形となるため、このようなチップを平面的に並べずに多層化することによる収納面積の減少は著しい。
また、光パワー分岐デバイスなど、光回路が比較的単純な構成を有するものでは平面型光導波路チップのサイズは一辺が数mm程度と比較的小さくなるが、このような場合においても、複数チャネル分の光導波路を1つのウエハ上に並べて配置した従来の合分波器などの光部品よりも、本発明の平面型光導波路チップを2層以上積層した多層平面型光導波路を構成することにより、小型化することができる。
【0067】
例えば、多心ファイバにタップカプラを接続する場合、タップカプラが、特開平5−11130号公報(Y分岐光導波路)に示されるような比較的単純な構成の光回路からなる場合には、これを多チャネル分並列配置したもの(アレイドタップ)も比較的小さな構成とすることができる。しかしながら、特許第2752848号公報(干渉フィルタ付光導波路の作製方法)、特許第2758285号公報(導波路型光結合器)に示されるような、遅延回路を有することにより、波長特性を平坦化したタップカプラからなるデバイスの場合、これを多チャネル分並列配置した場合には、チップの大きさ(特に、入出力ポートと垂直な方向のチップの大きさ、すなわちチップの幅)が大きくなることがある。このような場合には、チップを複数積層した構造は、多心ファイバとタップカプラを含む平面型光導波路チップとからなる光モジュールを小型化するのに有効である。
【0068】
また、1つのウエハ上に配置しきれないほど多数のチャネル分の光導波路が必要とされる場合、本発明によれば、容易に平面型光導波路チップの高集積化ができる。
【0069】
ところで、一般的に、1枚のチップ上に複数のデバイスを集積する場合、複数のデバイスの内、1つでも光学特性などの特性が不良であると、チップ全体としても不良となる。
本発明では、平面型光導波路ウエハを切断、分割して平面型光導波路チップとした後に、再度集積し直すので、製造初期段階などの歩留まりの安定していない段階においても、良品の平面型光導波路チップのみ選別して、多層平面型光導波路や光モジュールに用いることができるので、全体として、歩留まりを向上することが可能である。
【0070】
また、本発明の平面型光導波路の光導波路と、本発明の多層平面型光導波路の複数の光導波路とを接続することにより、平面型光導波路と、多層平面型光導波路とからなる光モジュールを構成することができる。
あるいは、異なる種類の平面型光導波路を複数用意し、これらの光導波路同士を接続することにより、高機能化された光モジュールを得ることができる。同様に、異なる種類の多層平面型光導波路を複数用意し、これらの光導波路同士を接続することにより、高機能化された光モジュールを得ることができる。
【0071】
このように、光導波路同士の接続により、平面型光導波路と多層平面型光導波路とを接続すれば、特に、多層平面型光導波路の入出力ポートに対して、基板の向きが平行でない、すなわち、ねじれの位置において、この多層平面型光導波路に、他の多層平面型光導波路または平面型光導波路を接続することができる。
【0072】
例えば、図5は、光合分波器と多層平面型光導波路とが、ねじれの位置において、光合分波器の出力ポートと多層平面型光導波路の入力ポートが接続されることにより、一体化された光モジュールの一例を示す概略構成図である。
【0073】
この例の光モジュールでは、複数の波長を有する波長多重化された光信号が伝搬してきたファイバ61の末端に光合分波器50が接続されており、この光合分波器50において、波長多重化された光信号を各チャネル別、すなわち各波長の別の光に分波し、各波長の光をそれぞれ、光合分波器50の後段に設けられた多層平面型光導波路30を構成する複数の平面型光導波路20に別々に入力する。
【0074】
そして、多層平面型光導波路30で分岐、分散補償、偏波モード分散補償、パワーレベル調整などの処理を受けた光処理された各波長の光信号を、多層平面型光導波路30の後段に、各波長別に設けられた受信器に入力する。
【0075】
なお、このような構成の光モジュールには、必要に応じて、受信器の他に、光信号のモニタ用光回路としてフォトダイオードなどの受光素子を設けたり、各平面型光導波路20の特性を制御する電気回路を設けてもよい。
【0076】
また、図5に示した光モジュールを反対方向に用いて、波長多重化された光信号を各波長別に多層平面型光導波路30に入力し、多層平面型光導波路30において、各波長別に分岐、分散補償、偏波モード分散補償、パワーレベル調整などの処理を受けた後、これらの光信号を光合分波器50により合波して、合波した光信号をファイバ61に出力するような構成としてもよい。
【0077】
さらに、本発明にあっては、図6に示すように、2つの光分波器の間に多層平面型光導波路を配して、光合分波器と多層平面型光導波路とが、ねじれの位置において、光合分波器の出力ポートと多層平面型光導波路の入力ポートが接続されることにより、一体化された光モジュールを構成することもできる。
【0078】
この例の光モジュールでは、複数の波長を有する波長多重化された光信号が伝搬してきたファイバ61の末端に第一の光合分波器51が接続されており、この第一の光合分波器51において、波長多重化された光信号を各チャネル別、すなわち各波長の別の光に分波し、各波長の光をそれぞれ、第一の光合分波器51の後段に設けられた多層平面型光導波路30を構成する複数の平面型光導波路20に別々に入力する。
そして、多層平面型光導波路30で分岐、分散補償、偏波モード分散補償、パワーレベル調整などの処理を受けた各波長の光信号を、多層平面型光導波路30の後段に設けられた第二の光合分波器52に入力し、これらの光信号を第二の光合分波器52により合波して、合波した光信号をファイバ62に出力する。
【0079】
この例の光モジュールにおいても、必要に応じて、光信号のモニタ用光回路としてフォトダイオードなどの受光素子を設けたり、各平面型光導波路20の特性を制御する電気回路を設けてもよい。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、平面型光導波路とファイバテープ心線とを接続する際に、平面型光導波路と、ファイバテープ心線のファイバとの接続箇所を減らすことができる。また、ファイバテープ心線のファイバを1本ずつに分離する必要がなくなる上に、ファイバを分離する工程を減らすことができる。また、平面型光導波路または多層平面型光導波路と、ファイバテープ心線とからなる光モジュールを小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の平面型光導波路の製造方法の一実施形態を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の平面型光導波路の製造方法の一実施形態を示す概略斜視図である。
【図3】本発明の多層平面型光導波路の一実施形態を示す概略斜視図である。
【図4】多層平面型光導波路の入出力ポートに、ファイバテープ心線を構成する複数のファイバを直接接続する様子示す概略斜視図である。
【図5】光合分波器と多層平面型光導波路とが、ねじれの位置において、光合分波器の出力ポートと多層平面型光導波路の入力ポートが接続されることにより、一体化された光モジュールの一例を示す概略構成図である。
【図6】光合分波器と多層平面型光導波路とが、ねじれの位置において、光合分波器の出力ポートと多層平面型光導波路の入力ポートが接続されることにより、一体化された光モジュールの他の例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1・・・基板、2・・・下部クラッド層、3・・・コア層、4・・・コア、5・・・上部クラッド層、10・・・平面型光導波路、20・・・平面型光導波路チップ、22・・・下部クラッド層、24・・・コア、25・・・上部クラッド層、30・・・多層平面型光導波路、・・・、40・・・ファイバテープ心線、41・・・ファイバ、50・・・光合分波器、51・・・第一の光合分波器、52・・・第二の光合分波器、61,62・・・ファイバ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光計測および光情報通信分野で用いられる平面型光導波路と、これを実装した多層平面型光導波路および光モジュールに関し、特に大型の平面型光導波路を実装する際に高密度な集積化を容易とする平面型光導波路と、多層平面型光導波路および光モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光スイッチ(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)や、可変光減衰器(例えば、特許文献4参照。)といった光部品が、必要な数だけ(通常はチャンネル数だけ)集積されて用いられる例が増えている。例えば、分波器と合波器の間にチャネル数と同数の光スイッチを配置した例(例えば、特許文献5参照。)や、光スイッチをマトリックス状に並べて構成したN×N(N入力、N出力)スイッチ(例えば、特許文献6参照。)などを挙げることができる。
【0003】
このような光部品の集積化が可能であるのは、(1)平面型光導波路が半導体と同様のプロセスで作製され、光回路の集積化が比較的容易、(2)光スイッチや可変光減衰器といったデバイスが比較的簡単な構成で実現可能で、1チャネル分の回路の必要面積が比較的小さくて済むため、1つのウエハ上に多チャネル分の回路を集積できる、などの理由からである。
【0004】
ところが近年、波長多重(Wavelength Division Multiplexing、以下「WDM」と略す。)光通信において、光伝送速度の高速化とともに、分散・偏波モード分散を静的・動的に補償する技術が必要とされている。そのため、光分散補償回路(例えば、特許文献7参照。)、偏波モード分散(例えば、特許文献8、特文献9参照。)といったデバイスは、光回路中に多数の光遅延回路を設ける必要があり、1チャネル分であっても、広い面積を必要とするようになってきている。
【0005】
1チャネル分でも広い面積を必要とするため、1つのウエハ上に複数のチャネル用の光部品を集積化するのは難しい。また、複数のチャネル数と同数の光回路をそれぞれ個別に準備し、分波器の後段、あるいは分波器と合波器との間にこれらの補償デバイスを配する際に、各チャネル毎にファイバを1本ずつ接続する以外に、全チャネルを補償するような光回路を構成する手段がなかった。
【0006】
このことは、分波器で分波され、チャネル毎に分けられた光線路(多くの場合、テープファイバで出力される)を1本ずつに分け、それぞれを各チャネル用の補償回路に接続して入力し、同じ補償回路からの出力ポートに対してファイバを1本ずつ接続し、これらを再び束ねて合波器の入力ポートに接続する必要があることを意味している。
【0007】
以上のようなことから、光部品を集積化することにより、(1)ファイバの接続箇所が多い、(2)テープファイバにおいてファイバ心線の分離箇所が必要、(3)ファイバ心線の分離工程が必要、(4)分離されたファイバ心線を収納する空間容量が大きくなる、などといった問題が発生する。
【0008】
また、分散特性に優れた合分波器(例えば、特許文献10参照。)などの面積が比較的大きくなるような光回路を、複数のチャネルに対して同時に用いる場合などには、上記と同様の問題が発生する。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−241781号公報
【特許文献2】
特公平7−43484号公報
【特許文献3】
特許第2659293号明細書
【特許文献4】
特開2000−241774号公報
【特許文献5】
特開2000−321450号公報
【特許文献6】
特許第3158372号明細書
【特許文献7】
特許第3262312号明細書
【特許文献8】
特開2001−21848号公報
【特許文献9】
特開2001−42272号公報
【特許文献10】
特開2002−318376号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、平面型光導波路を実装する際に、容易に高密度な集積化ができる平面型光導波路と、これを実装した多層平面型光導波路および光モジュールを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、コアと、該コアの周囲に配された下部クラッド層および上部クラッド層からなるクラッドとを少なくとも備えた平面型光導波路であって、前記コアおよび前記クラッドを配する基板、または、該基板および前記下部クラッド層の少なくとも一部を除去した平面型光導波路を提供する。
【0012】
上記構成の平面型光導波路において、前記コアは、屈折率分布を有することが好ましい。
【0013】
上記構成の平面型光導波路において、前記コアは、前記クラッドよりも屈折率が高いことが好ましい。
【0014】
本発明は、上記平面型光導波路が複数積層されてなる多層平面型光導波路を提供する。
【0015】
上記構成の多層平面型光導波路において、前記コアが等間隔に配列されていることが好ましい。
【0016】
上記構成の多層平面型光導波路において、前記コアの配列間隔が250μmであることが好ましい。
【0017】
上記構成の多層平面型光導波路において、前記コアの配列間隔が127μmであることが好ましい。
【0018】
本発明は、上記平面型光導波路と、ファイバテープ心線とが接続されてなる光モジュールを提供する。
【0019】
本発明は、上記多層平面型光導波路と、ファイバテープ心線とが接続されてなる光モジュールを提供する。
【0020】
本発明は、上記平面型光導波路と、上記多層平面型光導波路とが接続されてなる光モジュールであって、前記平面型光導波路の入出力ポートと、前記多層平面型光導波路の入出力ポートとが接続されている光モジュールを提供する。
【0021】
上記構成の光モジュールにおいて、前記平面型光導波路と前記多層平面型光導波路とが、ねじれの位置に配されていることが好ましい。
【0022】
本発明は、コアと、該コアの周囲に配された下部クラッド層および上部クラッド層からなるクラッドとを少なくとも備えた平面型光導波路の製造方法において、前記コアおよび前記クラッドを配する基板、または、該基板および前記下部クラッド層の少なくとも一部を、研磨、研削または切断により除去する平面型光導波路の製造方法を提供する。
【0023】
上記平面型光導波路の製造方法において、前記上部クラッド層の表面を、研磨、研削または切断により平面化することが好ましい。
【0024】
上記平面型光導波路の製造方法において、前記コアをフォトブリーチングにより形成することが好ましい。
【0025】
上記平面型光導波路の製造方法において、前記コアにレーザ光を照射して、該コアの屈折率を変化させることが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
図1および図2は、本発明の平面型光導波路の製造方法の一実施形態を示す概略斜視図である。
この実施形態の平面型光導波路の製造方法では、先ず、図1(a)に示すように、基板1を用意する。
基板1は、後述のコア、クラッドなどの堆積に支障の無い程度に表面が平滑かつ清浄なものであれば材質は特に限定されないが、例えば、シリコン結晶ウエハ、石英ウエハ、半導体ウエハ、多成分ガラス板、セラミック板、金属板などが用いられる。
【0027】
次いで、図1(b)に示すように、基板1の表面上に、石英系ガラス、窒化ケイ素または高分子材料を堆積して、所定の厚みの下部クラッド層2を形成する。
【0028】
石英系光導波路を形成する場合、火炎堆積法(Flame Hydrolysis Deposition、FHD法)や化学気相堆積法(ChemicalVapor Deposition、CVD法)、スパッタリング法、蒸着法などにより、石英または石英に添加物を添加した石英系ガラスを基板1の表面上に堆積する。
【0029】
石英に添加する添加物としては、一般的に、ゲルマニウム(Ge)、ホウ素(B)、リン(P)、フッ素(F)などが用いられる。ゲルマニウムとリンは、石英系ガラスの屈折率を上昇させる添加物である。ホウ素とフッ素は、石英系ガラスの屈折率を低下させる添加物である。
これらの添加物を石英に添加すると、その種類や添加量によって、石英系ガラスの屈折率と軟化温度を調節することができる。そのため、上記のような添加物は、屈折率の調節以外にも、下部クラッド層2や、後述のコア層、上部クラッド層の形成工程における温度調節を目的として用いられることもある。
【0030】
なお、石英系光導波路を形成する場合、基板1として石英基板を用いた場合、この石英基板自体を下部クラッド層2として用い、下部クラッド層2を形成する工程を省略してもよい。
【0031】
窒化ケイ素系光導波路を形成する場合、CVD法、スパッタリング法などにより、窒化ケイ素を基板1の表面上に堆積する。
【0032】
高分子光導波路を形成する場合、基板1の表面上に、高分子材料をスピンコート法により、厚さの均一な膜となるように塗布する。
下部クラッド層2をなす高分子材料としては、フッ化ポリイミド、ベンゾシクロブテン、重水素化シリコーン、重水素化ポリメチルメタクリレート、紫外線硬化型エポキシ樹脂、紫外線硬化型アクリレート樹脂などが挙げられる。
【0033】
次いで、図1(c)に示すように、下部クラッド層2の表面上に、石英系ガラス、窒化ケイ素または高分子材料を堆積して、所定の厚みのコア層3を形成する。
コア層3の形成には、下部クラッド層2の形成と同様の方法、装置を用いることができる。
【0034】
石英系光導波路を形成する場合、FHD法、CVD法、スパッタリング法、蒸着法などにより、石英または石英に添加物を添加した石英系ガラスを下部クラッド層2の表面上に堆積する。
窒化ケイ素系光導波路を形成する場合、CVD法、スパッタリング法などにより、窒化ケイ素を下部クラッド層2の表面上に堆積する。
高分子光導波路を形成する場合、下部クラッド層2の表面上に、高分子材料をスピンコート法により、厚さの均一な膜となるように塗布する。
【0035】
この実施形態では、コア層3は、下部クラッド層2および後述の上部クラッド層よりも屈折率が高く形成されている。
石英系光導波路を形成する場合、コア層3をなす石英系ガラスに、ゲルマニウム(Ge)、ホウ素(B)、リン(P)、フッ素(F)などの添加物を添加して、下部クラッド層2および上部クラッド層よりも屈折率が高くなるように調節する。
【0036】
窒化ケイ素系光導波路を形成する場合、シリコン(Si)ターゲットを用い、プラズマ中に窒素(N2)ガスや酸素(O2)ガスを導入して、シリコンを窒化または酸化、あるいは窒化および酸化させながら堆積させる反応性スパッタリング法が多く用いられる。この際、一般にシリコンと反応する窒素の量が酸素に比べて大きい程、屈折率が大きくなる。屈折率が最大となるのは組成がSi3N4となる場合で、屈折率は約1.98、屈折率が最小となるのは組成がSiO2の場合で屈折率は約1.44となる。これらの中間の組成を持つSixOyNz系ガラスは、Si3N4とSiO2の中間の屈折率を持ち、スパッタリング時のプラズマ中への窒素ガスおよび酸素ガスの導入量やプラズマのパワー、基板温度などを制御することにより、得られるガラス膜の組成すなわち屈折率を調節することができる。上下クラッド層とコア層において、窒化ケイ素系/石英系ガラスの組成を変えることにより、コア層の屈折率が、下部クラッド層2および上部クラッド層よりも高くなるようにする。
【0037】
高分子光導波路を形成する場合、一般にクラッド層とコア層において、組成の異なる高分子材料を用い、適切な屈折率差を得るようにする。例えば、フッ素化ポリイミドを用いる場合、複数のイミド原料の混合比により、重合後の屈折率を調整することが可能であることが、文献J.Kobayashi,et al.,“Fluorinated Polyimide Waveguides with Low Polarization−Dependent Loss and Their Applications to Thermooptic Switches”,Journal of Lightwave Technology,vol.16,no.6,pp.1024−1029(1998)に開示されている。上下クラッド層とコア層とで高分子材料の組成を変えることにより、コア層の屈折率が、下部クラッド層2および上部クラッド層よりも高くなるようにする。
【0038】
次いで、必要に応じて、コア層3の表面上に、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法などにより、多結晶シリコン、ケイ化タングステンなどの金属膜からなるエッチングマスクを形成する。
次いで、金属膜からなるエッチング用マスクの上に、スピンコート法などにより、エッチング用マスクをエッチングするためのフォトレジストを塗布する。
ここで、金属膜を用いるのは、フォトレジストだけでは石英系ガラスや窒化ケイ素系ガラスなどをエッチングする際、多くの場合、ドライエッチングのプラズマパワーに対してフォトレジストによるマスクが耐えられず、導波路を形成できなくなってしまうためである。一旦、フォトレジストの形状を金属膜に転写して導波路と同様の形状にした上で、導波路形状とした金属膜をマスクとしてドライエッチングを行なうためのものである。
高分子材料を用いて導波路を形成する場合には、金属膜を用いなくてもフォトレジストがエッチングに耐え得る場合が多く、このような場合には金属膜を用いずに、コア層の上に直接フォトレジストを塗布すればよい。
【0039】
次いで、フォトレジストの表面に導波路形状が形成されたフォトマスクを配置し、露光、現像処理を行なって不要なフォトレジストを取り除き、導波路形状を有するレジスト膜を形成する。
次いで、レジスト膜をマスクとして、反応性イオンエッチング(RIE)法などのドライエッチングや、腐食性溶液に浸漬して、マスクが施されていない領域を除去するウェットエッチングなどにより、レジスト膜の形成されていない部分のエッチング用マスクを除去し、エッチング用マスクを導波路形状に形成し、続いて残ったレジスト膜を灰化(アッシング)するなどして除去する。
なお、高分子光導波路など、金属膜からなるエッチング用マスクを用いない場合には、エッチング用マスクのエッチングを行なわず、直接コア層のエッチングをし、コアを形成することになる。
【0040】
なお、上記では、フォトレジストおよびエッチング用マスクを導波路と同じ形状とする方法を示したが、この他、例えば、以下に示すリフトオフ法を用いる場合もある。
リフトオフ法を用いる場合、エッチング用マスクを形成する前に、フォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ法などにより不要なフォトレジストを取り除き、反転した導波路形状の開口部を有するレジスト膜を形成する。
次いで、この上にスパッタリング法、電子ビーム蒸着法などにより、多結晶シリコン、ケイ化タングステンなどの金属膜からなるエッチング用マスクを形成する。この時、コア層の上に直接形成される金属膜は導波路形状となり、導波路以外の場所においては、金属膜はフォトレジスト層の上に堆積されることになる。
次いで、有機溶媒を用いるなどしてフォトレジスト膜を除去する。この時、フォトレジスト層の上に堆積された金属膜はフォトレジストと共に除去され、その結果、金属膜からなるエッチング用マスクは導波路と同じ形状のものがコア層の上に残ることになる。
【0041】
なお、この実施形態では、上述のようにフォトレジストを露光、現像するフォトリソグラフィー法ではなく、フォトレジストを電子線などにより感光してレジスト膜を形成し、このレジスト膜をマスクとする方法を用いてエッチングを行ってもよい。
【0042】
次いで、図2(a)に示すように、エッチング用マスク(図示略)をマスクとして、反応性イオンエッチング(RIE)などの方法により、エッチング用マスクの形成されていない部分のコア層3を除去し、所望の導波路形状に形成されたコア4を得る。
【0043】
次いで、図2(b)に示すように、コア4および下部クラッド層2の上に、石英系ガラス、窒化ケイ素または高分子材料を堆積して、所定の厚みの上部クラッド層5を形成する。
上部クラッド層5の形成には、下部クラッド層2の形成と同様の方法、装置を用いることができる。
【0044】
石英系光導波路を形成する場合、FHD法、CVD法、スパッタリング法、蒸着法などにより、石英または石英に添加物を添加した石英系ガラスをコア4および下部クラッド層2の上に堆積する。
窒化ケイ素系光導波路を形成する場合、CVD法、スパッタリング法などにより、窒化ケイ素もしくは酸窒化ケイ素をコア4および下部クラッド層2の上に堆積する。
高分子光導波路を形成する場合、コア4および下部クラッド層2の上に、高分子材料をスピンコート法により、厚さの均一な膜となるように塗布する。
【0045】
次いで、上部クラッド層5の表面上に、スパッタリング法などにより、金(Au)、クロム(Cr)、ニッケル−クロム(Ni−Cr)合金などからなる金属薄膜を形成する。
次いで、金属薄膜の表面上に、エッチング用マスクとして、スピンコート法などによりフォトレジストを塗布する。
次いで、フォトレジストの表面に所望の電気回路および/または電極形状が形成されたフォトマスクを配置し、露光、現像処理を行なって、不要なフォトレジストを取り除き、電気回路および/または電極形状を有するレジスト膜を形成する。
【0046】
次いで、レジスト膜をマスクとして、反応性イオンエッチング(RIE)法などのドライエッチングや、腐食性溶液に浸漬して、マスクが施されていない領域を除去するウェットエッチングなどにより、レジスト膜の形成されていない部分の金属薄膜を除去し、金属薄膜を電気回路および/または電極の形状に形成し、次いで残ったレジスト膜を灰化(アッシング)するなどして除去する。
【0047】
なお、上記ではフォトレジストを電気回路および電極と同じ形状とする方法を示したが、この他、例えば、以下に示すようなリフトオフ法を用いる場合もある。
リフトオフ法を用いる場合、電気回路および電極を形成する前に、フォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ法などにより、不要なフォトレジストを取り除き、反転した導波路形状の開口部を有するレジスト膜を形成する。
次いで、この上にスパッタリング法などにより、金(Au)、クロム(Cr)、ニッケル−クロム(Ni−Cr)合金などからなる金属薄膜を形成する。このとき、レジスト膜を介さず上部クラッド層の上面に直接形成される金属薄膜は電気回路および電極の形状となり、これ以外の場所においては、金属薄膜はフォトレジスト層の上に堆積されることになる。
次いで、有機溶媒を用いるなどしてフォトレジスト膜を除去する。この時、フォトレジスト層の上に堆積された金属薄膜はフォトレジストと共に除去され、その結果、金属薄膜からなる電気回路および電極は所望の形状のものとして上部クラッド層の上面に残ることになる。
【0048】
次いで、図2(c)に示すように、基板1、または、基板1および下部クラッド層2の少なくとも一部を、研磨、研削または切断により除去し、所定の厚みの平面型光導波路ウエハ10を得る。
この工程では、必要に応じて、基板1の一部を残したり、下部クラッド層2の一部を除去する。また、必要に応じて、上部クラッド層5の上面を研磨、研削または切断して、平面型光導波路ウエハ10を所定の厚みとする。
【0049】
ここで、基板1や下部クラッド層2の除去に際して、100μm以上にわたって厚みを変化させる場合には、(1)切断、研削、研磨などのいずれかの手法をとり、大まかに厚みを変えた上で、(2)ラッピングなどを行ってから、平坦に削る、(3)仕上げに研磨して、平坦度を上げる、といった方法が用いられる。
【0050】
上記(1)切断、研削、研磨などについて説明する。
切断を行なう場合は、ダイシングマシン(ダイサー)やファインカッターなどを用いて、所定の厚みになるように、基板の大部分、もしくは基板と下部クラッド層の一部を切除する。研削を行なう場合は、グラインダーなどの砥石を用いて、所定の厚みになるように、基板の大部分、もしくは基板と下部クラッド層の一部を削除する。研磨によって厚みを変える場合には、所定の厚みになるまで研磨を行なう。厚みを変える目的で行なう研磨は、研磨に必要な時間が十分に短く、かつ十分な機械精度(寸法精度)を実現できるように、通常、数10μmないし数100μmの適切な粒径の砥粒を用いる。
【0051】
上記(2)について説明する。ラッピングは、鋳鉄などの定番(ラップ工具)上で、一般的には遊離砥粒(研磨剤)を用い、研磨剤を加工物とラップ工具の間に挟んだ状態で摺動運動(すりあわせ)を行い、加工物を微小切削しながら研磨することによって、ラップ工具の形を加工面に転写する加工方法である。本発明におけるラッピングにおいては、ラップ工具は平面とし、加工物(導波路チップ)を平坦に削るのが望ましい。
【0052】
上記(3)について説明する。仕上げ研磨は、ラッピング加工により創成された梨子地面を平坦な鏡面に仕上げる研磨方法を言う。仕上げ研磨では一般的にラップ工具を軟質なもの(ポリッシャ)とし、研磨剤も微粒子(ミクロン・サブミクロン)を使用することを除いては、ラッピング加工とほぼ同じ加工方法を用いる。鏡面研磨では、さらにフロートポリッシング加工法やメカノケミカルポリッシング加工法、EEM(Elastic Emission Machining)加工法などを用い、研磨後にはサブミクロンないしはナノメータの表面粗さを実現することができる。
【0053】
ここで、仕上げ研磨の工程において、例えば、粒径0.03μm程度のスラリーを砥粒として用いることにより、研磨後の基板1または下部クラッド層2の表面の平均表面粗さ(Ra)を4nm程度とすることができる。
砥粒としては、酸化セリウム(CeO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ケイ素(SiO2)、ダイヤモンド、蛍石(CaF2)、窒化アルミニウム(AlN)などが用いられる。
【0054】
次いで、必要に応じて、平面型光導波路ウエハ10を所定の大きさに切断して、平面型光導波路チップを作製する。
【0055】
この平面型光導波路チップの入出力ポート(コア4の端面)に、ファイバを直接接続することにより、平面型光導波路チップと、ファイバとからなる光モジュールを構成することができる。
【0056】
なお、平面型光導波路チップの加工後(切断後)の厚みを、ファイバテープ心線を構成するファイバのピッチと等しくしておけば、複数の平面型光導波路チップを積層してなる多層平面型光導波路と、ファイバテープ心線とを接続する際に、ファイバテープ心線の先端をそのまま平面型光導波路チップに接続できるから、好都合である。
【0057】
また、樹脂などでファイバテープ心線のファイバを平面型光導波路チップに固定する場合、樹脂などを流し込む分も考慮して、樹脂の厚み分だけ平面型光導波路チップの厚みを小さく設定することが望ましい。
ところで、現在多く用いられているファイバテープ心線のファイバのピッチは250μmであり、また、ファイバアレイのピッチは250μmまたは127μmである。そこで、平面型光導波路チップの厚みも250μmまたは127μmとしておけば、これらのファイバテープ心線やファイバアレイと直接接続できるから、好都合である。
【0058】
なお、この実施形態では、屈折率の異なる材料を用いて、平面型光導波路を製造する方法について記したが、以下に示すような方法を用いて平面型光導波路を製造してもよい。
例えば、(1)石英系ガラスなどのガラスの中にレーザ光を照射して、周辺部よりも屈折率の高い領域を連続的に形成し、屈折率の高い領域をコアとして光導波路を形成する方法、(2)フォトブリーチングにより材料の一部の屈折率を、周辺部よりも高くなるように加工し、屈折率の高い領域をコアとして光導波路を形成する方法、(3)フォトリフラクティブ効果を利用して、周辺部よりも屈折率の高い領域を連続的に形成し、屈折率の高い領域をコアとして光導波路を形成する方法、(4)下部クラッド層の上に、印刷により所定の幅および厚さで上下クラッド層よりも屈折率の高い高分子材料や樹脂を線状に堆積させ、この上に必要に応じて、さらに上部クラッド層をスピンコート法などにより堆積させ導波路を構成する方法、(5)ディスペンサを用いて光導波路を形成する方法などを用いてもよい。
【0059】
次に、本発明の多層平面型光導波路について説明する。
図3は、本発明の多層平面型光導波路の一実施形態を示す概略斜視図である。
図3に示すように、多層平面型光導波路30は、上述の平面型光導波路の製造方法によって得られた平面型光導波路チップ20が、複数積層されてなる複合光部品である。
多層平面型光導波路30では、1の平面型光導波路チップ20の下部クラッド層22の表面に、2の平面型光導波路チップ20の上部クラッド層25の表面が接するように、複数の平面型光導波路チップ20が積層され、コア24が多層平面型光導波路30の厚み方向に等間隔に配列されている。
【0060】
次に、この実施形態の多層平面型光導波路の製造方法について説明する。
上述の平面型光導波路の製造方法によって得られた平面型光導波路チップ20を複数枚用意し、1の平面型光導波路チップ20の下部クラッド層22の表面に、2の平面型光導波路チップ20の上部クラッド層25の表面を接するように重ね合わせ、これらを固定して、多層平面型光導波路30を得る。複数の平面型光導波路チップ20の固定には、多層化したチップの周囲に金属や樹脂のバンドを巻く、上下面をクランプするようにクリップ状の弾性体で挟み固定するなどの機械的固定手段、または、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂などの接着剤が用いられる。
接着剤による固定の場合、複数の平面型光導波路チップ20を重ね合わせたものの側面に接着剤を塗布すると、毛細管現象により接着剤が各平面型光導波路チップ20の間に染み込んでいくため、確実に固定することができる。
【0061】
また、機械的なアライメント(位置合わせ)や、各平面型光導波路チップ20に設けられたアライメントマーク(図示略)により、各平面型光導波路チップ20同士の位置合わせをすることができる。
【0062】
さらに、図4に示すように、この多層平面型光導波路30の入出力ポート(コア24の端面)に、ファイバテープ心線40を構成する複数のファイバ41を直接接続することにより、多層平面型光導波路30と、ファイバテープ心線40とからなる光モジュールを構成することができる。
【0063】
多層平面型光導波路30の入出力ポートと、複数のファイバ41とを直接接続するには、両者を融着するか、または、接着剤を介して接着する。
また、ファイバテープ心線40のファイバ41を基板上に精密に配列してファイバアレイとし、このファイバアレイを用いて、多層平面型光導波路30の入出力ポートとファイバ41との接着面積を大きくして、両者の接続部分の機械的強度を向上させてもよい。
【0064】
なお、ここで、各平面型光導波路チップ20の厚みを調節して(等しくして)、コア24を多層平面型光導波路30の厚み方向に等間隔に配列すれば、多心ファイバやファイバアレイと各平面型光導波路チップ20の入出力ポートとの接続が容易になる。
【0065】
また、複数の平面型光導波路チップ20を重ねる工程において、アライメントをしておくと、平面型光導波路チップ20の入出力ポートが等間隔に配列されるから、多層平面型光導波路30と、多心ファイバやファイバアレイとを接続する際に、多心ファイバやファイバアレイの各入出力ポートにおける接続損失をほぼ均一に、かつ十分に小さくすることができる。
【0066】
なお、上述の実施形態による集積化は、平面型光導波路チップの面積が大きい場合に、特に有効である。例えば、特許文献5、6に示された大規模光スイッチなどのように、多数の光素子を有するためにチップサイズが大きくなってしまうもの、特許文献7、8、9に示された光遅延回路を有する光回路などのように、必要となる導波路長が長くなるため、チップサイズが大きくなることを避け難い場合などである。これらの平面型光導波路チップは、一般的に一辺が10数mm〜数10mmの正方形ないしは長方形となるため、このようなチップを平面的に並べずに多層化することによる収納面積の減少は著しい。
また、光パワー分岐デバイスなど、光回路が比較的単純な構成を有するものでは平面型光導波路チップのサイズは一辺が数mm程度と比較的小さくなるが、このような場合においても、複数チャネル分の光導波路を1つのウエハ上に並べて配置した従来の合分波器などの光部品よりも、本発明の平面型光導波路チップを2層以上積層した多層平面型光導波路を構成することにより、小型化することができる。
【0067】
例えば、多心ファイバにタップカプラを接続する場合、タップカプラが、特開平5−11130号公報(Y分岐光導波路)に示されるような比較的単純な構成の光回路からなる場合には、これを多チャネル分並列配置したもの(アレイドタップ)も比較的小さな構成とすることができる。しかしながら、特許第2752848号公報(干渉フィルタ付光導波路の作製方法)、特許第2758285号公報(導波路型光結合器)に示されるような、遅延回路を有することにより、波長特性を平坦化したタップカプラからなるデバイスの場合、これを多チャネル分並列配置した場合には、チップの大きさ(特に、入出力ポートと垂直な方向のチップの大きさ、すなわちチップの幅)が大きくなることがある。このような場合には、チップを複数積層した構造は、多心ファイバとタップカプラを含む平面型光導波路チップとからなる光モジュールを小型化するのに有効である。
【0068】
また、1つのウエハ上に配置しきれないほど多数のチャネル分の光導波路が必要とされる場合、本発明によれば、容易に平面型光導波路チップの高集積化ができる。
【0069】
ところで、一般的に、1枚のチップ上に複数のデバイスを集積する場合、複数のデバイスの内、1つでも光学特性などの特性が不良であると、チップ全体としても不良となる。
本発明では、平面型光導波路ウエハを切断、分割して平面型光導波路チップとした後に、再度集積し直すので、製造初期段階などの歩留まりの安定していない段階においても、良品の平面型光導波路チップのみ選別して、多層平面型光導波路や光モジュールに用いることができるので、全体として、歩留まりを向上することが可能である。
【0070】
また、本発明の平面型光導波路の光導波路と、本発明の多層平面型光導波路の複数の光導波路とを接続することにより、平面型光導波路と、多層平面型光導波路とからなる光モジュールを構成することができる。
あるいは、異なる種類の平面型光導波路を複数用意し、これらの光導波路同士を接続することにより、高機能化された光モジュールを得ることができる。同様に、異なる種類の多層平面型光導波路を複数用意し、これらの光導波路同士を接続することにより、高機能化された光モジュールを得ることができる。
【0071】
このように、光導波路同士の接続により、平面型光導波路と多層平面型光導波路とを接続すれば、特に、多層平面型光導波路の入出力ポートに対して、基板の向きが平行でない、すなわち、ねじれの位置において、この多層平面型光導波路に、他の多層平面型光導波路または平面型光導波路を接続することができる。
【0072】
例えば、図5は、光合分波器と多層平面型光導波路とが、ねじれの位置において、光合分波器の出力ポートと多層平面型光導波路の入力ポートが接続されることにより、一体化された光モジュールの一例を示す概略構成図である。
【0073】
この例の光モジュールでは、複数の波長を有する波長多重化された光信号が伝搬してきたファイバ61の末端に光合分波器50が接続されており、この光合分波器50において、波長多重化された光信号を各チャネル別、すなわち各波長の別の光に分波し、各波長の光をそれぞれ、光合分波器50の後段に設けられた多層平面型光導波路30を構成する複数の平面型光導波路20に別々に入力する。
【0074】
そして、多層平面型光導波路30で分岐、分散補償、偏波モード分散補償、パワーレベル調整などの処理を受けた光処理された各波長の光信号を、多層平面型光導波路30の後段に、各波長別に設けられた受信器に入力する。
【0075】
なお、このような構成の光モジュールには、必要に応じて、受信器の他に、光信号のモニタ用光回路としてフォトダイオードなどの受光素子を設けたり、各平面型光導波路20の特性を制御する電気回路を設けてもよい。
【0076】
また、図5に示した光モジュールを反対方向に用いて、波長多重化された光信号を各波長別に多層平面型光導波路30に入力し、多層平面型光導波路30において、各波長別に分岐、分散補償、偏波モード分散補償、パワーレベル調整などの処理を受けた後、これらの光信号を光合分波器50により合波して、合波した光信号をファイバ61に出力するような構成としてもよい。
【0077】
さらに、本発明にあっては、図6に示すように、2つの光分波器の間に多層平面型光導波路を配して、光合分波器と多層平面型光導波路とが、ねじれの位置において、光合分波器の出力ポートと多層平面型光導波路の入力ポートが接続されることにより、一体化された光モジュールを構成することもできる。
【0078】
この例の光モジュールでは、複数の波長を有する波長多重化された光信号が伝搬してきたファイバ61の末端に第一の光合分波器51が接続されており、この第一の光合分波器51において、波長多重化された光信号を各チャネル別、すなわち各波長の別の光に分波し、各波長の光をそれぞれ、第一の光合分波器51の後段に設けられた多層平面型光導波路30を構成する複数の平面型光導波路20に別々に入力する。
そして、多層平面型光導波路30で分岐、分散補償、偏波モード分散補償、パワーレベル調整などの処理を受けた各波長の光信号を、多層平面型光導波路30の後段に設けられた第二の光合分波器52に入力し、これらの光信号を第二の光合分波器52により合波して、合波した光信号をファイバ62に出力する。
【0079】
この例の光モジュールにおいても、必要に応じて、光信号のモニタ用光回路としてフォトダイオードなどの受光素子を設けたり、各平面型光導波路20の特性を制御する電気回路を設けてもよい。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、平面型光導波路とファイバテープ心線とを接続する際に、平面型光導波路と、ファイバテープ心線のファイバとの接続箇所を減らすことができる。また、ファイバテープ心線のファイバを1本ずつに分離する必要がなくなる上に、ファイバを分離する工程を減らすことができる。また、平面型光導波路または多層平面型光導波路と、ファイバテープ心線とからなる光モジュールを小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の平面型光導波路の製造方法の一実施形態を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の平面型光導波路の製造方法の一実施形態を示す概略斜視図である。
【図3】本発明の多層平面型光導波路の一実施形態を示す概略斜視図である。
【図4】多層平面型光導波路の入出力ポートに、ファイバテープ心線を構成する複数のファイバを直接接続する様子示す概略斜視図である。
【図5】光合分波器と多層平面型光導波路とが、ねじれの位置において、光合分波器の出力ポートと多層平面型光導波路の入力ポートが接続されることにより、一体化された光モジュールの一例を示す概略構成図である。
【図6】光合分波器と多層平面型光導波路とが、ねじれの位置において、光合分波器の出力ポートと多層平面型光導波路の入力ポートが接続されることにより、一体化された光モジュールの他の例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1・・・基板、2・・・下部クラッド層、3・・・コア層、4・・・コア、5・・・上部クラッド層、10・・・平面型光導波路、20・・・平面型光導波路チップ、22・・・下部クラッド層、24・・・コア、25・・・上部クラッド層、30・・・多層平面型光導波路、・・・、40・・・ファイバテープ心線、41・・・ファイバ、50・・・光合分波器、51・・・第一の光合分波器、52・・・第二の光合分波器、61,62・・・ファイバ。
Claims (16)
- コアと、該コアの周囲に配された下部クラッド層および上部クラッド層からなるクラッドとを少なくとも備えた平面型光導波路であって、
前記コアおよび前記クラッドを配する基板、または、該基板および前記下部クラッド層の少なくとも一部を除去したことを特徴とする平面型光導波路。 - 前記コアは、屈折率分布を有することを特徴とする請求項1記載の平面型光導波路。
- 前記コアは、前記クラッドよりも屈折率が高いことを特徴とする請求項1または2記載の平面型光導波路。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の平面型光導波路が複数積層されてなることを特徴とする多層平面型光導波路。
- 前記コアが等間隔に配列されていることを特徴とする請求項4記載の多層平面型光導波路。
- 前記コアの配列間隔が250μmであることを特徴とする請求項5記載の多層平面型光導波路。
- 前記コアの配列間隔が127μmであることを特徴とする請求項5記載の多層平面型光導波路。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の平面型光導波路と、ファイバテープ心線とが接続されてなることを特徴とする光モジュール。
- 請求項4ないし7のいずれかに記載の多層平面型光導波路と、ファイバテープ心線とが接続されてなることを特徴とする光モジュール。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の平面型光導波路と、請求項4ないし7のいずれかに記載の多層平面型光導波路とが接続されてなる光モジュールであって、
前記平面型光導波路の入出力ポートと、前記多層平面型光導波路の入出力ポートとが接続されていることを特徴とする光モジュール。 - 前記平面型光導波路と前記多層平面型光導波路とが、ねじれの位置に配されていることを特徴とする請求項10記載の光モジュール。
- コアと、該コアの周囲に配された下部クラッド層および上部クラッド層からなるクラッドとを少なくとも備えた平面型光導波路の製造方法において、
前記コアおよび前記クラッドを配する基板、または、該基板および前記下部クラッド層の少なくとも一部を、研磨、研削または切断により除去することを特徴とする平面型光導波路の製造方法。 - 前記上部クラッド層の表面を、研磨、研削または切断により平面化することを特徴とする請求項12記載の平面型光導波路の製造方法。
- 前記コアをフォトブリーチングにより形成することを特徴とする請求項12または13記載の平面型光導波路の製造方法。
- 前記コアにレーザ光を照射して、該コアの屈折率を変化させることを特徴とする請求項12ないし14のいずれかに記載の平面型光導波路の製造方法。
- 前記コアの屈折率をフォトリフラクティブ効果により前記クラッドよりも高くすることを特徴とする請求項12ないし14のいずれかに記載の平面型光導波路の製造方法。
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