JP2004021005A - 光導波路基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】光導波路基板に関し、高精度の研磨面を得るとともに、高精度の位置合わせを行う。
【解決手段】屈折率n1 を有するコア層3の直上に、n2 <n1 の条件を満たす屈折率n2 を有するクラッド層4からなる光導波路を有する光導波路基板のクラッド層4の少なくとも一部の領域の直上に、n3 ≦n2 の条件を満たす屈折率n3 を有する保護層6を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】屈折率n1 を有するコア層3の直上に、n2 <n1 の条件を満たす屈折率n2 を有するクラッド層4からなる光導波路を有する光導波路基板のクラッド層4の少なくとも一部の領域の直上に、n3 ≦n2 の条件を満たす屈折率n3 を有する保護層6を設ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光導波路基板に関するものであり、例えば、光導波路中を伝搬する光波や位相や強度を印加した電圧に応じて変化させる光変調素子或いは光の方向を変える光偏向素子等を組み込んだ光導波路基板、特に、スラブ型導波路構造の平面型光導波路基板の端面を研磨する際の研磨ダレ等を防止するための構成に特徴のある光導波路基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光通信の伝送帯域は増加の一途をたどり、波長多重化(WDM:Wavelength Division Multiplex)技術と相まって高速かつ大容量化が進んでおり、基幹通信ネットワークにおける光ファイバー網のハードウェアのインフラを構築するためには、光信号の伝達先を切り替えるための光偏向器等を含んだ光スイッチモジュールが必要である。
【0003】
この様な光スイッチモジュールにおいては、共通導波路部等をスラブ型光導波路、即ち、平面型光導波路で構成しているが、この平面型光導波路は、基板上に下部クラッド層、コア層、上部クラッド層を順次積層して構成されている。
ここで、コア層の屈折率n1 とクラッド層の屈折率n2 の関係は、n1 >n2 であり、また、下部クラッド層を省略し、基板が下部クラッド層の役割を兼ねるようにしても良い。
【0004】
ここで、図8を参照して従来の平面型光導波路基板を説明する。
図8参照
図8は、従来の平面型光導波路基板の斜視図であり、例えば、NbドープSrTiO3 基板41上に、ゾルゲル法を用いてPLZT下部クラッド層42、PZTコア層43、及び、PLZT上部クラッド層44を順次堆積させたのち、PLZT上部クラッド層44上に偏向素子領域を形成するための複数のプリズム状電極(図示を省略)等を形成し、次いで、所定形状に基板を分割することによって平面型光導波路基板が形成される。
【0005】
このような平面型光導波路基板においては、挿入損失を低減させるために、光の入出射面を高精度で研磨している。
【0006】
図9参照
図9は、従来の平面型光導波路基板の実装状態の説明図であり、石英基板31上に、例えば、SiO2 からなる下部クラッド層32、GeドープSiO2 からなるコア層33、及び、SiO2 からなる上部クラッド層34によるSiO2 /GeドープSiO2 /SiO2 構造のスラブ型導波路35を形成するとともに、はめ込み用の凹部を形成した他の平面型光導波路基板の凹部に図8に示した強誘電体からなる平面型光導波路基板をアップサイドダウンにマウントし、スラブ型導波路35との間隙を充填剤36で充填する構成となる。
【0007】
図9に示したように、強誘電体からなる平面型光導波路基板を他の平面型光導波路基板と結合して光デバイスを製造する場合、コア層33とPZTコア層43との間の軸ズレが生じると、結合部での損失が大きくなるため、コア層同士を高精度で位置合わせを行なう必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、光導波路の研磨工程において、上部クラッド層を剥き出しのまま研磨すると、上部クラッド層の上部端面に研磨ダレが発生し、光の入出射時の損失が大きくなるという課題が発生する。
【0009】
この対策として、上部クラッド層と同じ材料の部材、あるいは基板と同じ材料の部材を用いた保護部材を、接着剤を用いて上部クラッド層の上に被覆するという手法があるが、クラッド層と接着層と保護部材との硬度差により、接着層のみが選択的に研磨されやすく、結果として高精度の研磨面が得られないという問題が発生する。
【0010】
また、他の光導波路との接合時において、現実的にコア層同士の位置合わせにおいては、上部クラッド層の上面全体を利用する面合わせと、端部を利用した2点合わせがあるが、面合わせの場合には、上部クラッド層の上面の反りが問題となる。
【0011】
一方、端部を利用した2点合わせの場合には、研磨工程において研磨ダレが生じた場合に、所期の位置合わせ精度が得られなくなるという問題がある。
【0012】
したがって、本発明は、高精度の研磨面を得るとともに、高精度の位置合わせを行うことを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
図1は、本発明の原理的構成の説明図であり、ここで、図1を参照して本発明における課題を解決するための手段を説明する。
図1参照
上記の課題を解決するために、本発明は、屈折率n1 を有するコア層3の直上に、n2 <n1 の条件を満たす屈折率n2 を有するクラッド層4からなる光導波路を有する光導波路基板において、前記クラッド層4の少なくとも一部の領域の直上に、n3 ≦n2 の条件を満たす屈折率n3 を有する保護層6を設けたことを特徴とする。
【0014】
この様に、上部のクラッド層4の上部に保護層6を設けることによって、端面の研磨工程における研磨ダレを防止することができるとともに、研磨ダレを防止することによって、2点位置合わせにおける位置合わせ精度を高めることができる。
なお、保護層6の屈折率n3 が、n3 >n2 の場合には、保護層6の方に集光して光信号の伝播効率が低下するので、n3 ≦n2 の条件を満たす必要がある。
【0015】
この場合、保護層6は、上部のクラッド層4の全面に設けても良いが、2点位置合わせの場合には、光導波路基板の光入出射面側に設けることが望ましい。
【0016】
また、保護層6は、保護層6に入射した光の散乱を防ぐために、光入出射端面から離れるに従い厚さが減少するテーパ形状の保護層6であることが望ましい。
【0017】
また、この保護層6は、数μmの厚さにすることにより、導波路結合時において結合する部材と少なくとも一部で接触させて、位置合わせ部材として用いることができる。
【0018】
また、光導波路としては、ストライプ状のコア層3の周囲を低屈折率のクラッド層4で覆う構成でも良いが、光偏向素子アレイ等を構成する場合には、スラブ型光導波路5であることが必要となる。
【0019】
また、上述の光導波路基板を製造する際には、クラッド層4の少なくとも一部の領域の直上に、n3 ≦n2 の条件を満たす屈折率n3 を有する保護層6を設けたのち、この保護層6を含む位置で基板分割を行い、次いで、分割した端部に保護層6が存在した状態で分割した端面を研磨すれば良い。
【0020】
即ち、端部に存在する保護層6が、研磨工程において通常の研磨装置に設けられているヤトイの役割を果たすため、研摩ダレによる上部のクラッド層4の劣化を防ぐことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
ここで、図2乃至図4を参照して、本発明の第1の実施の形態の平面型光導波路基板を説明するが、まず、図2を参照して本発明の第1の実施の形態の平面型光導波路基板の製造工程を説明する。
図2(a)参照
まず、ゾルゲル法を用いて、厚さが、例えば、500μmのNbドープSrTiO3 基板11上に、厚さが、例えば、1μmの(Pb0.91La0.09)(Zr0. 65Ti0.35)O3 からなるPLZT下部クラッド層12、及び、厚さが、例えば、3μmのPb(Zr0.52Ti0.48)O3 からなるPZTコア層13、及び、厚さが、例えば、1μmの(Pb0.91La0.09)(Zr0.65Ti0.35)O3 からなるPLZT上部クラッド層14を順次エピタキシャル成長させたのち、PLZT上部クラッド層14上に複数のプリズム状電極(図示を省略)を設ける。
【0022】
この場合、クラッド層を構成する(Pb0.91La0.09)(Zr0.65Ti0.35)O3 の屈折率n2 は、n2 =2.43であり、コア層を構成するPb(Zr0.52Ti0.48)O3 の屈折率n1 は、n1 =2.53であり、n1 >n2 の関係を満たすのでスラブ型光導波路が構成される。
【0023】
図2(b)参照
次いで、PLZT上部クラッド層14上に、感光性樹脂層15を塗布したのち、基板分割部に対応する開口を有するガラス製のマスク16を介して紫外線17で露光する。
なお、この感光性樹脂層15としては、例えば、屈折率n3 がn3 =1.54のV259PA(新日鐵化学株式会社製商品名)を用いる。
【0024】
図2(c)参照
次いで、マスク16を除去したのち、溶剤洗浄を行うことによって感光性樹脂層15の非露光部を除去して残存部を保護層18とする。
次いで、ダイシングソー等の切断装置を用いて保護層18の中央部を切断面19として切断する。
【0025】
図2(d)参照
次いで、切断面19をダイヤモンドペーパー等の研磨装置を用いて研磨を行って高精度の研磨面20とすることによって、平面型光導波路基板の基本構成が完成する。
【0026】
この研磨工程において、端部に存在する保護層18が、研磨工程において通常の研磨装置に設けられているヤトイの役割を果たすため、研摩ダレによりPLZT上部クラッド層14が劣化することはない。
【0027】
図3参照
図3は、上述の図2に示した各工程を経ることによって完成した本発明の第1の実施の形態の平面型光導波路基板の斜視図であり、入出力端面側にのみ保護層18が形成されている。
なお、プリズム状電極や、引出電極等は図示を省略している。
【0028】
図4参照
図4は、本発明の第1の実施の形態の平面型光導波路基板の実装状態の説明図であり、まず、実装基板となる他の平面型光導波路基板は、石英基板31上に、CVD法を用いて、厚さが、例えば、4μmのSiO2 からなる下部クラッド層32、厚さが、例えば、3μmのGeドープSiO2 からなるコア層33、及び、厚さが、例えば、13μmのSiO2 からなる上部クラッド層34を順次積層したのち、CF4 +O2 或いはC3 H8 を原料ガスとして用いたRIE(反応性イオンエッチング)を施すことによって、深さが、20μmのはめ込み用の凹部を形成したものである。
なお、このスラブ型光導波路35におけるコア層33と上下のクラッド層32,34との間の屈折率差Δnは、例えば、0.3%である。
【0029】
次いで、このはめ込み用の凹部に図3に示した平面型光導波路基板をアップサイドダウンにマウントし、スラブ型導波路35との間隙を充填剤36で充填することによってハイブリッド型の光デバイスが完成する。
【0030】
この場合、平面型光導波路基板の端部の設けた保護層18が、コア層同士の位置合わせの際に利用することにより、高精度の2点合わせが可能になり、結合損失の少ない光デバイスの製造が可能になる。
【0031】
また、保護層18の屈折率n3 は、PLZT上部クラッド層14の屈折率n2 に対して、n3 ≦n2 の関係を満たしているので、入射した光が保護層18の方へ集光することがない。
【0032】
次に、図5乃至図7を参照して、本発明の第2の実施の形態の平面型光導波路基板を説明するが、まず、図5を参照して、本発明の第2の実施の形態の平面型光導波路基板の製造工程を説明する。
なお、平面型光導波路基板自体の構成及び保護層の構成材料は上記の第1の実施の形態と全く同様である。
【0033】
図5(a)参照
まず、上記の第1の実施の形態と全く同様に、ゾルゲル法を用いて、厚さが、例えば、500μmのNbドープSrTiO3 基板11上に、厚さが、例えば、1μmのPLZT下部クラッド層12、及び、厚さが、例えば、3μmのPZTコア層13、及び、厚さが、例えば、1μmのPLZT上部クラッド層14を順次エピタキシャル成長させたのち、PLZT上部クラッド層14上に複数のプリズム状電極(図示を省略)を設ける。
【0034】
図5(b)参照
次いで、PLZT上部クラッド層14上に、V259PA(新日鐵化学株式会社製商品名)からなる感光性樹脂層15を塗布したのち、基板分割部に対応する開口を有するグラデーションマスク21を介して紫外線17で露光する。
【0035】
図5(c)参照
次いで、グラデーションマスク21を除去したのち、溶剤洗浄を行うことによって感光性樹脂層15の非露光部を除去して残存部を保護層22とする。
なお、この時、グラデーションマスク21に設けた開口部の近傍における露光量の違いに基づいて端部から中央部に向かって膜厚が漸減するテーパ形状の保護膜22が形成される。
次いで、ダイシングソー等の切断装置を用いて保護層22の中央部を切断面19として切断する。
【0036】
図5(d)参照
次いで、上記の第1の実施の形態と全く同様に、切断面19をダイヤモンドペーパー等の研磨装置を用いて研磨を行って高精度の研磨面20とすることによって、平面型光導波路基板の基本構成が完成する。
【0037】
この研磨工程においても、端部に存在する保護層22が、研磨工程において通常の研磨装置に設けられているヤトイの役割を果たすため、研摩ダレによりPLZT上部クラッド層14が劣化することはない。
【0038】
図6参照
図6は、上述の図5に示した各工程を経ることによって完成した本発明の第2の実施の形態の平面型光導波路基板の斜視図であり、入出力端面側にのみテーパ状の保護層22が形成されている。
なお、この場合も、プリズム状電極や、引出電極等は図示を省略している。
【0039】
図7参照
図7は、本発明の第2の実施の形態の平面型光導波路基板の実装状態の説明図であり、上記の第1の実施の形態と同様に、実装基板となる他の平面型光導波路基板に設けたはめ込み用の凹部に図3に示した平面型光導波路基板をアップサイドダウンにマウントし、スラブ型導波路35との間隙を充填剤36で充填することによってハイブリッド型の光デバイスが完成する。
【0040】
この場合、平面型光導波路基板の端部の設けたテーパ状の保護層22を、コア層同士の位置合わせの際に利用することにより、高精度の2点合わせが可能になり、結合損失の少ない光デバイスの製造が可能になる。
【0041】
また、保護層22がテーパ状であるので、保護層22に入射した光が散乱することがなく、それによって、光信号の安定した偏向・伝送が可能になる。
【0042】
以上、本発明の各実施の形態を説明してきたが、本発明は各実施の形態に記載した構成に限られるものではなく、各種の変更が可能である。
例えば、上記の各実施の形態においては、保護層18,22を構成する材料として、感光性樹脂を用いているが、感光性樹脂に限られるものではなく、フッ素化ポリイミド等ある程度の硬度を有する樹脂を用いても良いし、さらには、クラッド層と同じ材料のセラミック結晶、即ち、PLZTを選択成長させて保護層としても良い。
【0043】
また、上記の各実施の形態においては、コア層及びクラッド層を成長させる際にゾルゲル方を用いているが、ゾルゲル法に限られるものではなく、有機金属気相成長法(MOCVD法)或いはレーザアブレーション法を用いても良いものである。
【0044】
また、上記の各実施の形態においては、保護層を平面型光導波路基板の端面にのみ設けているが、上部PLZT上部クラッド層の全面に設けても良いものである。
なお、研磨ダレ防止に関しては、端部にのみ保護層を設けた場合と同様であるが、コア層の位置合わせに関しては保護層を利用した面合わせとなる。
【0045】
また、上記の各実施の形態においては、平面型光導波路基板を偏向素子アレイを設けた平面型光導波路基板としているが、この様な平面型光導波路基板に限られるものではなく、光変調素子等を形成した他の機能を有する平面型光導波路基板にも適用されることは言うまでもない。
【0046】
また、上記の各実施の形態においては、光導波路基板をスラブ型導波路構造の平面型光導波路基板としているが、この様な平面型光導波路基板に限られるものではなく、ストライプ状のコア層の周囲をクラッド層で覆った非平面型の光導波路基板にも適用されるものである。
【0047】
また、上記の各実施の形態においては、光導波路構造を(Pb0.91La0.09)(Zr0.65Ti0.35)O3 (PLZT)及びPb(Zr0.52Ti0.48)O3 (PZT)で構成しているが、組成比としては他の組成比のPLZT及びPZTを用いても良いものであり、さらには、SBT(SrBi2 Ta2 O9 )等の他の公知の強誘電体を用いても良いものである。
【0048】
ここで、再び、図1を参照して、改めて本発明の詳細な特徴を説明する。
図1参照
(付記1) 屈折率n1 を有するコア層3の直上に、n2 <n1 の条件を満たす屈折率n2 を有するクラッド層4からなる光導波路を有する光導波路基板において、前記クラッド層4の少なくとも一部の領域の直上に、n3 ≦n2 の条件を満たす屈折率n3 を有する保護層6を設けたことを特徴とする光導波路基板。
(付記2) 上記保護層6は、光導波路基板の光入出射面側に設けたことを特徴とする付記1記載の光導波路基板。
(付記3) 上記保護層6が、上記光入出射端面から離れるに従い厚さが減少するテーパ形状の保護層6であることを特徴とする付記2記載の光導波路基板。
(付記4) 上記保護層6が、導波路結合時において結合する部材と少なくとも一部で接触することにより、位置合わせ部材となることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載の光導波路基板。
(付記5) 上記光導波路が、スラブ型光導波路5であることを特徴とする付記1乃至4のいずれか1に記載の光導波路基板。
(付記6) 付記1乃至5のいずれか1に記載の光導波路基板の製造方法において、上記クラッド層4の少なくとも一部の領域の直上に、n3 ≦n2 の条件を満たす屈折率n3 を有する保護層6を設けたのち、前記保護層6を含む位置で基板1の分割を行い、次いで、分割した端部に保護層6が存在した状態で分割した端面を研磨することを特徴とする光導波路基板の製造方法。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、少なくとも端部に保護層を設けているので光導波路の入出射面を高精度で研磨することができ、また、保護層を利用することによってコア層同士の軸ズレが生じない光導波路間の結合ができるため、結果として挿入損失の少ない光デバイスの製造が可能となり、ひいては、波長多重通信システムの普及・発展に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の平面型光導波路基板の製造工程の説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の平面型光導波路基板の斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の平面型光導波基板の実装状態の説明図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の平面型光導波路基板の製造工程の説明図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態の平面型光導波路基板の斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態の平面型光導波基板の実装状態の説明図である。
【図8】従来の平面型光導波路基板の斜視図である。
【図9】従来の平面型光導波基板の実装状態の説明図である。
【符号の説明】
1 基板
2 クラッド層
3 コア層
4 クラッド層
5 スラブ型光導波路
6 保護層
11 NbドープSrTiO3 基板
12 PLZT下部クラッド層
13 PZTコア層
14 PLZT上部クラッド層
15 感光性樹脂層
16 マスク
17 紫外線
18 保護層
19 切断面
20 研磨面
21 グラデーションマスク
22 保護層
31 石英基板
32 下部クラッド層
33 コア層
34 上部クラッド層
35 スラブ型導波路
36 充填剤
41 NbドープSrTiO3 基板
42 PLZT下部クラッド層
43 PZTコア層
44 PLZT上部クラッド層
【発明の属する技術分野】
本発明は光導波路基板に関するものであり、例えば、光導波路中を伝搬する光波や位相や強度を印加した電圧に応じて変化させる光変調素子或いは光の方向を変える光偏向素子等を組み込んだ光導波路基板、特に、スラブ型導波路構造の平面型光導波路基板の端面を研磨する際の研磨ダレ等を防止するための構成に特徴のある光導波路基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光通信の伝送帯域は増加の一途をたどり、波長多重化(WDM:Wavelength Division Multiplex)技術と相まって高速かつ大容量化が進んでおり、基幹通信ネットワークにおける光ファイバー網のハードウェアのインフラを構築するためには、光信号の伝達先を切り替えるための光偏向器等を含んだ光スイッチモジュールが必要である。
【0003】
この様な光スイッチモジュールにおいては、共通導波路部等をスラブ型光導波路、即ち、平面型光導波路で構成しているが、この平面型光導波路は、基板上に下部クラッド層、コア層、上部クラッド層を順次積層して構成されている。
ここで、コア層の屈折率n1 とクラッド層の屈折率n2 の関係は、n1 >n2 であり、また、下部クラッド層を省略し、基板が下部クラッド層の役割を兼ねるようにしても良い。
【0004】
ここで、図8を参照して従来の平面型光導波路基板を説明する。
図8参照
図8は、従来の平面型光導波路基板の斜視図であり、例えば、NbドープSrTiO3 基板41上に、ゾルゲル法を用いてPLZT下部クラッド層42、PZTコア層43、及び、PLZT上部クラッド層44を順次堆積させたのち、PLZT上部クラッド層44上に偏向素子領域を形成するための複数のプリズム状電極(図示を省略)等を形成し、次いで、所定形状に基板を分割することによって平面型光導波路基板が形成される。
【0005】
このような平面型光導波路基板においては、挿入損失を低減させるために、光の入出射面を高精度で研磨している。
【0006】
図9参照
図9は、従来の平面型光導波路基板の実装状態の説明図であり、石英基板31上に、例えば、SiO2 からなる下部クラッド層32、GeドープSiO2 からなるコア層33、及び、SiO2 からなる上部クラッド層34によるSiO2 /GeドープSiO2 /SiO2 構造のスラブ型導波路35を形成するとともに、はめ込み用の凹部を形成した他の平面型光導波路基板の凹部に図8に示した強誘電体からなる平面型光導波路基板をアップサイドダウンにマウントし、スラブ型導波路35との間隙を充填剤36で充填する構成となる。
【0007】
図9に示したように、強誘電体からなる平面型光導波路基板を他の平面型光導波路基板と結合して光デバイスを製造する場合、コア層33とPZTコア層43との間の軸ズレが生じると、結合部での損失が大きくなるため、コア層同士を高精度で位置合わせを行なう必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、光導波路の研磨工程において、上部クラッド層を剥き出しのまま研磨すると、上部クラッド層の上部端面に研磨ダレが発生し、光の入出射時の損失が大きくなるという課題が発生する。
【0009】
この対策として、上部クラッド層と同じ材料の部材、あるいは基板と同じ材料の部材を用いた保護部材を、接着剤を用いて上部クラッド層の上に被覆するという手法があるが、クラッド層と接着層と保護部材との硬度差により、接着層のみが選択的に研磨されやすく、結果として高精度の研磨面が得られないという問題が発生する。
【0010】
また、他の光導波路との接合時において、現実的にコア層同士の位置合わせにおいては、上部クラッド層の上面全体を利用する面合わせと、端部を利用した2点合わせがあるが、面合わせの場合には、上部クラッド層の上面の反りが問題となる。
【0011】
一方、端部を利用した2点合わせの場合には、研磨工程において研磨ダレが生じた場合に、所期の位置合わせ精度が得られなくなるという問題がある。
【0012】
したがって、本発明は、高精度の研磨面を得るとともに、高精度の位置合わせを行うことを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
図1は、本発明の原理的構成の説明図であり、ここで、図1を参照して本発明における課題を解決するための手段を説明する。
図1参照
上記の課題を解決するために、本発明は、屈折率n1 を有するコア層3の直上に、n2 <n1 の条件を満たす屈折率n2 を有するクラッド層4からなる光導波路を有する光導波路基板において、前記クラッド層4の少なくとも一部の領域の直上に、n3 ≦n2 の条件を満たす屈折率n3 を有する保護層6を設けたことを特徴とする。
【0014】
この様に、上部のクラッド層4の上部に保護層6を設けることによって、端面の研磨工程における研磨ダレを防止することができるとともに、研磨ダレを防止することによって、2点位置合わせにおける位置合わせ精度を高めることができる。
なお、保護層6の屈折率n3 が、n3 >n2 の場合には、保護層6の方に集光して光信号の伝播効率が低下するので、n3 ≦n2 の条件を満たす必要がある。
【0015】
この場合、保護層6は、上部のクラッド層4の全面に設けても良いが、2点位置合わせの場合には、光導波路基板の光入出射面側に設けることが望ましい。
【0016】
また、保護層6は、保護層6に入射した光の散乱を防ぐために、光入出射端面から離れるに従い厚さが減少するテーパ形状の保護層6であることが望ましい。
【0017】
また、この保護層6は、数μmの厚さにすることにより、導波路結合時において結合する部材と少なくとも一部で接触させて、位置合わせ部材として用いることができる。
【0018】
また、光導波路としては、ストライプ状のコア層3の周囲を低屈折率のクラッド層4で覆う構成でも良いが、光偏向素子アレイ等を構成する場合には、スラブ型光導波路5であることが必要となる。
【0019】
また、上述の光導波路基板を製造する際には、クラッド層4の少なくとも一部の領域の直上に、n3 ≦n2 の条件を満たす屈折率n3 を有する保護層6を設けたのち、この保護層6を含む位置で基板分割を行い、次いで、分割した端部に保護層6が存在した状態で分割した端面を研磨すれば良い。
【0020】
即ち、端部に存在する保護層6が、研磨工程において通常の研磨装置に設けられているヤトイの役割を果たすため、研摩ダレによる上部のクラッド層4の劣化を防ぐことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
ここで、図2乃至図4を参照して、本発明の第1の実施の形態の平面型光導波路基板を説明するが、まず、図2を参照して本発明の第1の実施の形態の平面型光導波路基板の製造工程を説明する。
図2(a)参照
まず、ゾルゲル法を用いて、厚さが、例えば、500μmのNbドープSrTiO3 基板11上に、厚さが、例えば、1μmの(Pb0.91La0.09)(Zr0. 65Ti0.35)O3 からなるPLZT下部クラッド層12、及び、厚さが、例えば、3μmのPb(Zr0.52Ti0.48)O3 からなるPZTコア層13、及び、厚さが、例えば、1μmの(Pb0.91La0.09)(Zr0.65Ti0.35)O3 からなるPLZT上部クラッド層14を順次エピタキシャル成長させたのち、PLZT上部クラッド層14上に複数のプリズム状電極(図示を省略)を設ける。
【0022】
この場合、クラッド層を構成する(Pb0.91La0.09)(Zr0.65Ti0.35)O3 の屈折率n2 は、n2 =2.43であり、コア層を構成するPb(Zr0.52Ti0.48)O3 の屈折率n1 は、n1 =2.53であり、n1 >n2 の関係を満たすのでスラブ型光導波路が構成される。
【0023】
図2(b)参照
次いで、PLZT上部クラッド層14上に、感光性樹脂層15を塗布したのち、基板分割部に対応する開口を有するガラス製のマスク16を介して紫外線17で露光する。
なお、この感光性樹脂層15としては、例えば、屈折率n3 がn3 =1.54のV259PA(新日鐵化学株式会社製商品名)を用いる。
【0024】
図2(c)参照
次いで、マスク16を除去したのち、溶剤洗浄を行うことによって感光性樹脂層15の非露光部を除去して残存部を保護層18とする。
次いで、ダイシングソー等の切断装置を用いて保護層18の中央部を切断面19として切断する。
【0025】
図2(d)参照
次いで、切断面19をダイヤモンドペーパー等の研磨装置を用いて研磨を行って高精度の研磨面20とすることによって、平面型光導波路基板の基本構成が完成する。
【0026】
この研磨工程において、端部に存在する保護層18が、研磨工程において通常の研磨装置に設けられているヤトイの役割を果たすため、研摩ダレによりPLZT上部クラッド層14が劣化することはない。
【0027】
図3参照
図3は、上述の図2に示した各工程を経ることによって完成した本発明の第1の実施の形態の平面型光導波路基板の斜視図であり、入出力端面側にのみ保護層18が形成されている。
なお、プリズム状電極や、引出電極等は図示を省略している。
【0028】
図4参照
図4は、本発明の第1の実施の形態の平面型光導波路基板の実装状態の説明図であり、まず、実装基板となる他の平面型光導波路基板は、石英基板31上に、CVD法を用いて、厚さが、例えば、4μmのSiO2 からなる下部クラッド層32、厚さが、例えば、3μmのGeドープSiO2 からなるコア層33、及び、厚さが、例えば、13μmのSiO2 からなる上部クラッド層34を順次積層したのち、CF4 +O2 或いはC3 H8 を原料ガスとして用いたRIE(反応性イオンエッチング)を施すことによって、深さが、20μmのはめ込み用の凹部を形成したものである。
なお、このスラブ型光導波路35におけるコア層33と上下のクラッド層32,34との間の屈折率差Δnは、例えば、0.3%である。
【0029】
次いで、このはめ込み用の凹部に図3に示した平面型光導波路基板をアップサイドダウンにマウントし、スラブ型導波路35との間隙を充填剤36で充填することによってハイブリッド型の光デバイスが完成する。
【0030】
この場合、平面型光導波路基板の端部の設けた保護層18が、コア層同士の位置合わせの際に利用することにより、高精度の2点合わせが可能になり、結合損失の少ない光デバイスの製造が可能になる。
【0031】
また、保護層18の屈折率n3 は、PLZT上部クラッド層14の屈折率n2 に対して、n3 ≦n2 の関係を満たしているので、入射した光が保護層18の方へ集光することがない。
【0032】
次に、図5乃至図7を参照して、本発明の第2の実施の形態の平面型光導波路基板を説明するが、まず、図5を参照して、本発明の第2の実施の形態の平面型光導波路基板の製造工程を説明する。
なお、平面型光導波路基板自体の構成及び保護層の構成材料は上記の第1の実施の形態と全く同様である。
【0033】
図5(a)参照
まず、上記の第1の実施の形態と全く同様に、ゾルゲル法を用いて、厚さが、例えば、500μmのNbドープSrTiO3 基板11上に、厚さが、例えば、1μmのPLZT下部クラッド層12、及び、厚さが、例えば、3μmのPZTコア層13、及び、厚さが、例えば、1μmのPLZT上部クラッド層14を順次エピタキシャル成長させたのち、PLZT上部クラッド層14上に複数のプリズム状電極(図示を省略)を設ける。
【0034】
図5(b)参照
次いで、PLZT上部クラッド層14上に、V259PA(新日鐵化学株式会社製商品名)からなる感光性樹脂層15を塗布したのち、基板分割部に対応する開口を有するグラデーションマスク21を介して紫外線17で露光する。
【0035】
図5(c)参照
次いで、グラデーションマスク21を除去したのち、溶剤洗浄を行うことによって感光性樹脂層15の非露光部を除去して残存部を保護層22とする。
なお、この時、グラデーションマスク21に設けた開口部の近傍における露光量の違いに基づいて端部から中央部に向かって膜厚が漸減するテーパ形状の保護膜22が形成される。
次いで、ダイシングソー等の切断装置を用いて保護層22の中央部を切断面19として切断する。
【0036】
図5(d)参照
次いで、上記の第1の実施の形態と全く同様に、切断面19をダイヤモンドペーパー等の研磨装置を用いて研磨を行って高精度の研磨面20とすることによって、平面型光導波路基板の基本構成が完成する。
【0037】
この研磨工程においても、端部に存在する保護層22が、研磨工程において通常の研磨装置に設けられているヤトイの役割を果たすため、研摩ダレによりPLZT上部クラッド層14が劣化することはない。
【0038】
図6参照
図6は、上述の図5に示した各工程を経ることによって完成した本発明の第2の実施の形態の平面型光導波路基板の斜視図であり、入出力端面側にのみテーパ状の保護層22が形成されている。
なお、この場合も、プリズム状電極や、引出電極等は図示を省略している。
【0039】
図7参照
図7は、本発明の第2の実施の形態の平面型光導波路基板の実装状態の説明図であり、上記の第1の実施の形態と同様に、実装基板となる他の平面型光導波路基板に設けたはめ込み用の凹部に図3に示した平面型光導波路基板をアップサイドダウンにマウントし、スラブ型導波路35との間隙を充填剤36で充填することによってハイブリッド型の光デバイスが完成する。
【0040】
この場合、平面型光導波路基板の端部の設けたテーパ状の保護層22を、コア層同士の位置合わせの際に利用することにより、高精度の2点合わせが可能になり、結合損失の少ない光デバイスの製造が可能になる。
【0041】
また、保護層22がテーパ状であるので、保護層22に入射した光が散乱することがなく、それによって、光信号の安定した偏向・伝送が可能になる。
【0042】
以上、本発明の各実施の形態を説明してきたが、本発明は各実施の形態に記載した構成に限られるものではなく、各種の変更が可能である。
例えば、上記の各実施の形態においては、保護層18,22を構成する材料として、感光性樹脂を用いているが、感光性樹脂に限られるものではなく、フッ素化ポリイミド等ある程度の硬度を有する樹脂を用いても良いし、さらには、クラッド層と同じ材料のセラミック結晶、即ち、PLZTを選択成長させて保護層としても良い。
【0043】
また、上記の各実施の形態においては、コア層及びクラッド層を成長させる際にゾルゲル方を用いているが、ゾルゲル法に限られるものではなく、有機金属気相成長法(MOCVD法)或いはレーザアブレーション法を用いても良いものである。
【0044】
また、上記の各実施の形態においては、保護層を平面型光導波路基板の端面にのみ設けているが、上部PLZT上部クラッド層の全面に設けても良いものである。
なお、研磨ダレ防止に関しては、端部にのみ保護層を設けた場合と同様であるが、コア層の位置合わせに関しては保護層を利用した面合わせとなる。
【0045】
また、上記の各実施の形態においては、平面型光導波路基板を偏向素子アレイを設けた平面型光導波路基板としているが、この様な平面型光導波路基板に限られるものではなく、光変調素子等を形成した他の機能を有する平面型光導波路基板にも適用されることは言うまでもない。
【0046】
また、上記の各実施の形態においては、光導波路基板をスラブ型導波路構造の平面型光導波路基板としているが、この様な平面型光導波路基板に限られるものではなく、ストライプ状のコア層の周囲をクラッド層で覆った非平面型の光導波路基板にも適用されるものである。
【0047】
また、上記の各実施の形態においては、光導波路構造を(Pb0.91La0.09)(Zr0.65Ti0.35)O3 (PLZT)及びPb(Zr0.52Ti0.48)O3 (PZT)で構成しているが、組成比としては他の組成比のPLZT及びPZTを用いても良いものであり、さらには、SBT(SrBi2 Ta2 O9 )等の他の公知の強誘電体を用いても良いものである。
【0048】
ここで、再び、図1を参照して、改めて本発明の詳細な特徴を説明する。
図1参照
(付記1) 屈折率n1 を有するコア層3の直上に、n2 <n1 の条件を満たす屈折率n2 を有するクラッド層4からなる光導波路を有する光導波路基板において、前記クラッド層4の少なくとも一部の領域の直上に、n3 ≦n2 の条件を満たす屈折率n3 を有する保護層6を設けたことを特徴とする光導波路基板。
(付記2) 上記保護層6は、光導波路基板の光入出射面側に設けたことを特徴とする付記1記載の光導波路基板。
(付記3) 上記保護層6が、上記光入出射端面から離れるに従い厚さが減少するテーパ形状の保護層6であることを特徴とする付記2記載の光導波路基板。
(付記4) 上記保護層6が、導波路結合時において結合する部材と少なくとも一部で接触することにより、位置合わせ部材となることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載の光導波路基板。
(付記5) 上記光導波路が、スラブ型光導波路5であることを特徴とする付記1乃至4のいずれか1に記載の光導波路基板。
(付記6) 付記1乃至5のいずれか1に記載の光導波路基板の製造方法において、上記クラッド層4の少なくとも一部の領域の直上に、n3 ≦n2 の条件を満たす屈折率n3 を有する保護層6を設けたのち、前記保護層6を含む位置で基板1の分割を行い、次いで、分割した端部に保護層6が存在した状態で分割した端面を研磨することを特徴とする光導波路基板の製造方法。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、少なくとも端部に保護層を設けているので光導波路の入出射面を高精度で研磨することができ、また、保護層を利用することによってコア層同士の軸ズレが生じない光導波路間の結合ができるため、結果として挿入損失の少ない光デバイスの製造が可能となり、ひいては、波長多重通信システムの普及・発展に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の平面型光導波路基板の製造工程の説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の平面型光導波路基板の斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の平面型光導波基板の実装状態の説明図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の平面型光導波路基板の製造工程の説明図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態の平面型光導波路基板の斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態の平面型光導波基板の実装状態の説明図である。
【図8】従来の平面型光導波路基板の斜視図である。
【図9】従来の平面型光導波基板の実装状態の説明図である。
【符号の説明】
1 基板
2 クラッド層
3 コア層
4 クラッド層
5 スラブ型光導波路
6 保護層
11 NbドープSrTiO3 基板
12 PLZT下部クラッド層
13 PZTコア層
14 PLZT上部クラッド層
15 感光性樹脂層
16 マスク
17 紫外線
18 保護層
19 切断面
20 研磨面
21 グラデーションマスク
22 保護層
31 石英基板
32 下部クラッド層
33 コア層
34 上部クラッド層
35 スラブ型導波路
36 充填剤
41 NbドープSrTiO3 基板
42 PLZT下部クラッド層
43 PZTコア層
44 PLZT上部クラッド層
Claims (5)
- 屈折率n1 を有するコア層の直上に、n2 <n1 の条件を満たす屈折率n2 を有するクラッド層からなる光導波路を有する光導波路基板において、前記クラッド層の少なくとも一部の領域の直上に、n3 ≦n2 の条件を満たす屈折率n3 を有する保護層を設けたことを特徴とする光導波路基板。
- 上記保護層は、光導波路基板の光入出射面側に設けたことを特徴とする請求項1記載の光導波路基板。
- 上記保護層が、上記光入出射端面から離れるに従い厚さが減少するテーパ形状の保護層であることを特徴とする請求項2記載の光導波路基板。
- 上記保護層が、導波路結合時において結合する部材と少なくとも一部で接触することにより、位置合わせ部材となることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光導波路基板。
- 上記光導波路が、スラブ型光導波路であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光導波路基板。
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WO2017094629A1 (ja) * | 2015-12-02 | 2017-06-08 | 京セラコネクタプロダクツ株式会社 | 光導波路基板及びその製造方法、光コネクタシステム、並びにアクティブ光ケーブル |
JP6274340B1 (ja) * | 2017-03-31 | 2018-02-07 | 住友ベークライト株式会社 | 光導波路フィルムおよび光学部品 |
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-
2002
- 2002-06-18 JP JP2002176912A patent/JP2004021005A/ja not_active Withdrawn
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