JP2004353098A - 衣服 - Google Patents
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Abstract
【課題】袖ふりを有する衣服において、袖のみの加工で袖丈を複数回容易に調整することのできる衣服の袖を提供すること。
【解決手段】袖ふりを有する衣服において、係止具を用いて袖の長さが複数回調整できる機構を有した衣服。
【選択図】図5
【解決手段】袖ふりを有する衣服において、係止具を用いて袖の長さが複数回調整できる機構を有した衣服。
【選択図】図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は袖ふりを有する衣服において、袖の長さが容易に複数回調整することのできる機構を有し、経済性、着用快適性、取り扱い性に優れた衣服に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の衣服は、着用者のサイズに合わせて仕立てるか、もしくは着用者のサイズに合った既製品を購入する。中でも、特に着物や襦袢、小物を含む和装品は、着物とその下に着る襦袢との関係が古来より約束事として決められている。
【0003】
通常、着物の袖丈より襦袢の袖丈が1〜2cm短く、袖幅では襦袢が0.5cm少なく仕立てる。したがって、着物と襦袢の差寸が約束事に合わなければ着用できず、その都度別途仕立てるか、ほどいて仕立て直すか、寸法にあった既製品を購入しなければならなかった。
【0004】
一方、特許公報においては、袖幅を変更することを目的として袖を係止具により取り替えられる和装品が提案されている。例えば、袖付け位置で、ファスナーにより袖を振り袖、中振り袖、訪問着に付け替えられる着物(例えば、特許文献1参照)が、また、身頃と袖とを係止具により取り外し、各種の袖を付け替えられる襦袢(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
【0005】
また、袖丈を変更することを目的として、長い袖の底辺を袖の内側に折り込んで、とじ合わせ、必要な時にはとじ糸をはずすことのできる宮詣り用祝い着(例えば、特許文献3参照)が、また、着物の袖の中に短い袖を縫い付けた着物(例えば、特許文献4参照)が提案されている。しかしながら、その多くは、和装品の身頃に係止具を付着させる必要があり、美観を損なうものであった。また、特に袖丈の調整に関しては、複数回、容易に取り扱えるものはなかった。
【0006】
【特許文献1】
実開昭57−13613号公報(第1−2頁)
【0007】
【特許文献2】
実開昭59−4703号公報(第1−2頁)
【0008】
【特許文献3】
実開昭58−4609号公報(第1−2頁)
【0009】
【特許文献4】
実開昭60−181313号(第1−2頁)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来の問題点を解決しようとするものであり、袖ふりを有する衣服において、袖のみの加工で袖丈を複数回容易に調整することのできる衣服を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は以下の構成を採用する。すなわち、
(1)袖ふりを有する衣服において、袖の長さが複数回調整できる機構を有することを特徴とする衣服。
(2)袖本体に長さ調整機構のための係止具が取り付けられていることを特徴とする前記(1)に記載の衣服。
(3)衣服の袖が、衣服本体に縫着された袖と、別途設けられた袖長さ調整機構を有する別布で構成され、互いに係止具により着脱できるようにしたことを特徴とする前記(1)または(2)のいずれかに記載の衣服。
(4)衣服本体に、袖長さ調整機構を有する別布を複数種類備えていることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の衣服である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の衣服について、一態様を示す図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の衣服の一態様を示す正面図、図2は、本発明の衣服の袖部の係止具を止めた一態様の断面図、図3は、図2の係止具を開放した時の断面図である。図4は、本発明の衣服の袖本体の係止具を止めた他の態様を示す断面図、図5は、図4の袖本体に、袖別布を係止具で止めた時の断面図である。図6は、本発明の衣服の袖部の係止具を止めた他の態様を示す断面図、図7は、図6の係止具を付け替え、袖丈を長くした時の断面図である。
【0014】
本発明は、前記課題、すなわち袖ふりを有する衣服において、袖のみの加工で袖丈を複数回容易に調整することのできる衣服について鋭意検討した結果、袖本体に長さ調整機構のための係止具を取り付けることにより、かかる課題を解決できることを究明したものである。
【0015】
本発明における袖長さ調整機構は、袖長さ(袖丈)を複数回容易に調整できるようにしたものである。
【0016】
袖長さ調整機構を袖本体に設置する方法としては、例えば、図2に示すように、長い袖長さに縫製した袖に、調整して短くしたい部分の前後2カ所に係止具4を縫着する。短い袖長さとして着用する場合は、係止具4をとめて袖内側に余り分を隠す。反対に長くしたい時には、図3に示すように、係止具4を開放すればよい。
【0017】
また、他の方法として、図4に示すように、袖本体2の底面に係止具4を縫着し、袖本体とは別に、図5に示すように、共生地で縫製した袖別布5を縫製する。該袖別布5の両端には袖本体底面に縫着した係止具4と係止できる係止具4′を縫着する。着用方法としては、短い袖長さとして着用する場合は、図4に示すように、袖本体底面の係止具4をとめる。長くしたい場合は、図5に示すように、袖別布5を袖本体底面で、係止具4′と係止具4とを係止する。
【0018】
さらに他の方法として、図6に示すように、袖本体2の両端面に係止具4を縫着し、さらに調整したい部分に係止具4″を縫着する。袖長さを短くする場合は、図6に示すように、袖本体2の一端面の係止具4を調整箇所に縫着した係止具4″にとめ、余り分を袖内側、あるいは外側に処理する。一方、袖長さを長くする場合、図7に示すように、余り分6を袖外側に出し、袖本体の両端面の係止具4同士をとめることにより袖長さの長い衣服が得られる。
【0019】
本発明で使用する係止具としては、オープンファスナー、面ファスナー、紐、ホック、ボタン、ドットボタン等を用いることができる。易係止性、美観、取り扱い性の点からはオープンファスナー、面ファスナー、ドットボタンを使用することがより好ましい。
【0020】
係止具の設置方法としては、例えばオープンファスナーやドットボタン付きテープのような連続した係止具を設置する場合、係止性から袖両端全体に設置することが好ましく、面ファスナーや紐やボタンのように非連続の係止具を使用する場合は、袖両端に少なくとも2個以上を設置することが、美観の点で好ましい。この時、袖山から袖端までの袖長さ(袖丈)が一定となるように注意することが好ましい。
【0021】
また、係止具4は表側から隠れた状態で付着しているのが美観や取り扱い性の点で好ましい。例えば、図3に示すように、係止具を開放した状態でも、表面から係止具が見えないように縫着することがより好ましい。また、図5に示すように、袖別布5を係止する場合でも、袖本体2の端面を内側に折り返し、折り返した部分に係止具を縫着することが好ましい。逆に、表面に係止具が露出していると美観が劣るだけでなく、縫着した係止具が、重ねて着用する衣服に引っかかって傷を付けたり、着用者の身体を傷つけたりすることがある。
【0022】
本発明で用いる袖長さ調整機構は袖本体2にのみ設置しても、袖本体2とは分離した袖別布5に設置して、袖本体2と係止具4により係止してもよい。この場合、長さを変更した袖別布5を複数種準備し、一緒に着る上着や下着に合った寸法の袖別布5を係止具4により係止することにより、1着の本体で複数種の袖丈の衣服を得ることができる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の衣服について実施例および比較例をあげてさらに具体的に説明する。
【0024】
実施例および比較例に用いた衣服の袖寸法を表1に、衣服の審美性(外観)、易取り扱い性(易調整性)、経済性の評価基準を表2に、また、評価した結果を表3に示す。
【0025】
実施例1
ポリエステル100%の襦袢地を使い、次の方法で長襦袢に縫製した。
(1)左右前後身頃を背縫い、脇線で縫い合わせる。
(2)左右前身頃に左右衽布を縫いつける。
(3)左右袖を表1の長い寸法になるよう裁断し、通常の方法で袖に仕上げた。次に、前後とも表1に示す袖の短い寸法の位置をつまみ、図3に示すように内側にオープンファスナーを縫着した。
(4)前身頃と後身頃で形成した身頃の袖付け位置に左右の袖を縫い付ける。
(5)身頃に衿を縫いつける。
(6)袖丈を長くする場合は、図3のようにオープンファスナーを開放し、袖丈を短くする時は、図2のようにオープンファスナーをとめた。
こうして得られた長襦袢の審美性(外観)、易取り扱い性(易調整性)、経済性等を評価した結果を表3に示す。
【0026】
実施例2
ポリエステル100%の着物地を使い、次の方法で着物に縫製した。
(1)左右前後身頃を背縫い、脇線で縫い合わせる。
(2)左右前身頃に左右衽布を縫いつける。
(3)左右袖を表1の長い寸法になるよう裁断し、図7に示すように袖両端の内側にオープンファスナーを縫着した。次に、表1の短い寸法となるように、後袖を図7に示す方法でつまみ、オープンファスナーを縫着した。
(4)前身頃と後身頃で形成した身頃の袖付け位置に左右の袖を縫い付ける。
(5)身頃に衿を縫いつける。
(6)袖丈を長くする場合は、図7のように袖両端に縫着したオープンファスナーを係止し、袖丈を短くする時は、図6のように後袖に付けたオープンファスナーと袖の一端に付けたオープンファスナーを係止して着用する。
こうして得られた着物の審美性(外観)、易取り扱い性(易調整性)、経済性を評価した結果を表3に示す。
【0027】
実施例3
ポリエステル100%の襦袢地を使い、次の方法で長襦袢に縫製した。
(1)左右前後身頃を背縫い、脇線で縫い合わせる。
(2)左右前身頃に左右衽布を縫いつける。
(3)左右袖を表1の短い寸法になるよう裁断し、図4に示すように袖両端の内側にドットボタン付きテープを縫着した。別途図5に示すように表1の寸法で別布を裁断し、別布の両端にドットボタン付きテープを縫着した。
(4)前身頃と後身頃で形成した身頃の袖付け位置に左右の袖を縫い付ける。
(5)身頃に衿を縫いつける。
(6)袖丈を長くする場合は、図5のように袖と別布をドットボタンで係止し、袖丈を短くする時は、図4のようにドットボタンを外して別布を取り外し、袖のドットボタン同士を係止する。
こうして得られた長襦袢の審美性(外観)、易取り扱い性(易調整性)、経済性等を評価した結果を表3に示す。
【0028】
実施例4
ポリエステル100%の平織を使い、次の方法で婦人用コートに縫製した。
(1)左右前後身頃を背縫い、脇線で縫い合わせる。
(2)左右前身頃に前立て布を縫いつける。
(3)左右袖を表1の長い寸法になるよう裁断し、図9に示すように袖両端の内側に巾2cm×長さ5cmの面ファスナーを前後3カ所縫着した。次に、表1の短い寸法となる位置を図9に示す方法でつまみ、その内側にも同様に面ファスナーを縫着した。
(4)前身頃と後身頃で形成した身頃の袖付け位置に左右の袖を縫い付ける。
(5)身頃に衿を縫いつける。
(6)袖丈を長くする場合は、図9のように袖両端の面ファスナーを係止する。袖丈を短くする時は、図8のように袖をつまんで縫着した面ファスナーを係止、余り分は袖の中に入れる。
こうして得られた婦人用コートの審美性(外観)、易取り扱い性(易調整性)、経済性等を評価した結果を表3に示す。
【0029】
比較例1
ポリエステル100%の襦袢地を使い、次の方法で2着の長襦袢に縫製した。
(1)左右前後身頃を背縫い、脇線で縫い合わせる。
(2)左右前身頃に左右衽布を縫いつける。
(3)左右袖を表1の長い寸法になるよう裁断し、通常の方法で袖に仕上げた。
(4)前身頃と後身頃で形成した身頃の袖付け位置に左右の袖を縫い付ける。
(5)身頃に衿を縫いつける。
(6)袖長さを表1の短い寸法になるようにした他は、(1)から(5)と同じ方法で別途1着長襦袢を縫製した。
こうして得られた長襦袢の審美性(外観)、易取り扱い性(易調整性)、経済性等を評価した結果を表3に併記した。
【0030】
比較例2
絹100%の着物地を使い、次の方法で振り袖着物に縫製した。
(1)左右前後身頃を背縫い、脇線で縫い合わせる。
(2)左右前身頃に左右衽布を縫いつける。
(3)左右袖を表1の長い寸法になるよう裁断し、通常の方法で袖に仕上げた。次に、前後とも短い寸法の位置で、袖の余り分を内側に入れ込み、手縫いで縫い止めた。
(4)前身頃と後身頃で形成した身頃の袖付け位置に左右の袖を縫い付ける。
(5)身頃に衿を縫いつける。
こうして得られた着物の審美性(外観)、易取り扱い性(易調整性)、経済等を評価した結果を表3に併記した。
【0031】
比較例3
絹100%の着物地を使い、次の方法で振り袖着物に縫製した。
(1)左右前後身頃を背縫い、脇線で縫い合わせる。
(2)左右前身頃に左右衽布を縫いつける。
(3)左右袖を表1の長い寸法になるよう裁断し、通常の方法で袖に仕上げ、袖付け位置にオープンファスナーを縫い付けた。次に、別の生地で短い寸法となるよう別袖を仕上げ、袖付け位置にオープンファスナーを縫い付けた。
(4)前身頃と後身頃で形成した身頃の袖付け位置に袖に対応するオープンファスナーを縫い付ける。必要な袖をオープンファスナーで袖付けする。
(5)身頃に衿を縫いつける。
こうして得られた着物の審美性(外観)、易取り扱い性(易調整性)、経済等を評価した結果を表3に併記した。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【発明の効果】
本発明における衣服は、袖長さを容易に複数回調整できる機構を有するものであり、なおかつ、審美性、経済性に優れるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の衣服の一態様を示す正面図である。
【図2】本発明の衣服の袖部の係止具を止めた一態様を示す断面図である。
【図3】図2の係止具を開放した時の断面図
【図4】本発明の衣服の袖本体の係止具を止めた他の態様を示す断面図である。
【図5】図4の袖本体に、別布を係止具で止めた時の態様を示す断面図である。
【図6】本発明の衣服の袖部の係止具を止めた他の態様を示す断面図である。
【図7】図6の袖本体に、別布を係止具で止めた時の態様を示す断面図である。
【図8】袖丈を短くする場合の係止の一態様を示す断面図である。
【図9】袖丈を長くする場合の係止の一態様を示す断面図である。
【符号の説明】
1 :身頃
2 :袖本体
3 :袖長さ(袖丈)
4、4′、4″:係止具
5 :袖別布
6 :余り分
【発明の属する技術分野】
本発明は袖ふりを有する衣服において、袖の長さが容易に複数回調整することのできる機構を有し、経済性、着用快適性、取り扱い性に優れた衣服に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の衣服は、着用者のサイズに合わせて仕立てるか、もしくは着用者のサイズに合った既製品を購入する。中でも、特に着物や襦袢、小物を含む和装品は、着物とその下に着る襦袢との関係が古来より約束事として決められている。
【0003】
通常、着物の袖丈より襦袢の袖丈が1〜2cm短く、袖幅では襦袢が0.5cm少なく仕立てる。したがって、着物と襦袢の差寸が約束事に合わなければ着用できず、その都度別途仕立てるか、ほどいて仕立て直すか、寸法にあった既製品を購入しなければならなかった。
【0004】
一方、特許公報においては、袖幅を変更することを目的として袖を係止具により取り替えられる和装品が提案されている。例えば、袖付け位置で、ファスナーにより袖を振り袖、中振り袖、訪問着に付け替えられる着物(例えば、特許文献1参照)が、また、身頃と袖とを係止具により取り外し、各種の袖を付け替えられる襦袢(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
【0005】
また、袖丈を変更することを目的として、長い袖の底辺を袖の内側に折り込んで、とじ合わせ、必要な時にはとじ糸をはずすことのできる宮詣り用祝い着(例えば、特許文献3参照)が、また、着物の袖の中に短い袖を縫い付けた着物(例えば、特許文献4参照)が提案されている。しかしながら、その多くは、和装品の身頃に係止具を付着させる必要があり、美観を損なうものであった。また、特に袖丈の調整に関しては、複数回、容易に取り扱えるものはなかった。
【0006】
【特許文献1】
実開昭57−13613号公報(第1−2頁)
【0007】
【特許文献2】
実開昭59−4703号公報(第1−2頁)
【0008】
【特許文献3】
実開昭58−4609号公報(第1−2頁)
【0009】
【特許文献4】
実開昭60−181313号(第1−2頁)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来の問題点を解決しようとするものであり、袖ふりを有する衣服において、袖のみの加工で袖丈を複数回容易に調整することのできる衣服を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は以下の構成を採用する。すなわち、
(1)袖ふりを有する衣服において、袖の長さが複数回調整できる機構を有することを特徴とする衣服。
(2)袖本体に長さ調整機構のための係止具が取り付けられていることを特徴とする前記(1)に記載の衣服。
(3)衣服の袖が、衣服本体に縫着された袖と、別途設けられた袖長さ調整機構を有する別布で構成され、互いに係止具により着脱できるようにしたことを特徴とする前記(1)または(2)のいずれかに記載の衣服。
(4)衣服本体に、袖長さ調整機構を有する別布を複数種類備えていることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の衣服である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の衣服について、一態様を示す図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の衣服の一態様を示す正面図、図2は、本発明の衣服の袖部の係止具を止めた一態様の断面図、図3は、図2の係止具を開放した時の断面図である。図4は、本発明の衣服の袖本体の係止具を止めた他の態様を示す断面図、図5は、図4の袖本体に、袖別布を係止具で止めた時の断面図である。図6は、本発明の衣服の袖部の係止具を止めた他の態様を示す断面図、図7は、図6の係止具を付け替え、袖丈を長くした時の断面図である。
【0014】
本発明は、前記課題、すなわち袖ふりを有する衣服において、袖のみの加工で袖丈を複数回容易に調整することのできる衣服について鋭意検討した結果、袖本体に長さ調整機構のための係止具を取り付けることにより、かかる課題を解決できることを究明したものである。
【0015】
本発明における袖長さ調整機構は、袖長さ(袖丈)を複数回容易に調整できるようにしたものである。
【0016】
袖長さ調整機構を袖本体に設置する方法としては、例えば、図2に示すように、長い袖長さに縫製した袖に、調整して短くしたい部分の前後2カ所に係止具4を縫着する。短い袖長さとして着用する場合は、係止具4をとめて袖内側に余り分を隠す。反対に長くしたい時には、図3に示すように、係止具4を開放すればよい。
【0017】
また、他の方法として、図4に示すように、袖本体2の底面に係止具4を縫着し、袖本体とは別に、図5に示すように、共生地で縫製した袖別布5を縫製する。該袖別布5の両端には袖本体底面に縫着した係止具4と係止できる係止具4′を縫着する。着用方法としては、短い袖長さとして着用する場合は、図4に示すように、袖本体底面の係止具4をとめる。長くしたい場合は、図5に示すように、袖別布5を袖本体底面で、係止具4′と係止具4とを係止する。
【0018】
さらに他の方法として、図6に示すように、袖本体2の両端面に係止具4を縫着し、さらに調整したい部分に係止具4″を縫着する。袖長さを短くする場合は、図6に示すように、袖本体2の一端面の係止具4を調整箇所に縫着した係止具4″にとめ、余り分を袖内側、あるいは外側に処理する。一方、袖長さを長くする場合、図7に示すように、余り分6を袖外側に出し、袖本体の両端面の係止具4同士をとめることにより袖長さの長い衣服が得られる。
【0019】
本発明で使用する係止具としては、オープンファスナー、面ファスナー、紐、ホック、ボタン、ドットボタン等を用いることができる。易係止性、美観、取り扱い性の点からはオープンファスナー、面ファスナー、ドットボタンを使用することがより好ましい。
【0020】
係止具の設置方法としては、例えばオープンファスナーやドットボタン付きテープのような連続した係止具を設置する場合、係止性から袖両端全体に設置することが好ましく、面ファスナーや紐やボタンのように非連続の係止具を使用する場合は、袖両端に少なくとも2個以上を設置することが、美観の点で好ましい。この時、袖山から袖端までの袖長さ(袖丈)が一定となるように注意することが好ましい。
【0021】
また、係止具4は表側から隠れた状態で付着しているのが美観や取り扱い性の点で好ましい。例えば、図3に示すように、係止具を開放した状態でも、表面から係止具が見えないように縫着することがより好ましい。また、図5に示すように、袖別布5を係止する場合でも、袖本体2の端面を内側に折り返し、折り返した部分に係止具を縫着することが好ましい。逆に、表面に係止具が露出していると美観が劣るだけでなく、縫着した係止具が、重ねて着用する衣服に引っかかって傷を付けたり、着用者の身体を傷つけたりすることがある。
【0022】
本発明で用いる袖長さ調整機構は袖本体2にのみ設置しても、袖本体2とは分離した袖別布5に設置して、袖本体2と係止具4により係止してもよい。この場合、長さを変更した袖別布5を複数種準備し、一緒に着る上着や下着に合った寸法の袖別布5を係止具4により係止することにより、1着の本体で複数種の袖丈の衣服を得ることができる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の衣服について実施例および比較例をあげてさらに具体的に説明する。
【0024】
実施例および比較例に用いた衣服の袖寸法を表1に、衣服の審美性(外観)、易取り扱い性(易調整性)、経済性の評価基準を表2に、また、評価した結果を表3に示す。
【0025】
実施例1
ポリエステル100%の襦袢地を使い、次の方法で長襦袢に縫製した。
(1)左右前後身頃を背縫い、脇線で縫い合わせる。
(2)左右前身頃に左右衽布を縫いつける。
(3)左右袖を表1の長い寸法になるよう裁断し、通常の方法で袖に仕上げた。次に、前後とも表1に示す袖の短い寸法の位置をつまみ、図3に示すように内側にオープンファスナーを縫着した。
(4)前身頃と後身頃で形成した身頃の袖付け位置に左右の袖を縫い付ける。
(5)身頃に衿を縫いつける。
(6)袖丈を長くする場合は、図3のようにオープンファスナーを開放し、袖丈を短くする時は、図2のようにオープンファスナーをとめた。
こうして得られた長襦袢の審美性(外観)、易取り扱い性(易調整性)、経済性等を評価した結果を表3に示す。
【0026】
実施例2
ポリエステル100%の着物地を使い、次の方法で着物に縫製した。
(1)左右前後身頃を背縫い、脇線で縫い合わせる。
(2)左右前身頃に左右衽布を縫いつける。
(3)左右袖を表1の長い寸法になるよう裁断し、図7に示すように袖両端の内側にオープンファスナーを縫着した。次に、表1の短い寸法となるように、後袖を図7に示す方法でつまみ、オープンファスナーを縫着した。
(4)前身頃と後身頃で形成した身頃の袖付け位置に左右の袖を縫い付ける。
(5)身頃に衿を縫いつける。
(6)袖丈を長くする場合は、図7のように袖両端に縫着したオープンファスナーを係止し、袖丈を短くする時は、図6のように後袖に付けたオープンファスナーと袖の一端に付けたオープンファスナーを係止して着用する。
こうして得られた着物の審美性(外観)、易取り扱い性(易調整性)、経済性を評価した結果を表3に示す。
【0027】
実施例3
ポリエステル100%の襦袢地を使い、次の方法で長襦袢に縫製した。
(1)左右前後身頃を背縫い、脇線で縫い合わせる。
(2)左右前身頃に左右衽布を縫いつける。
(3)左右袖を表1の短い寸法になるよう裁断し、図4に示すように袖両端の内側にドットボタン付きテープを縫着した。別途図5に示すように表1の寸法で別布を裁断し、別布の両端にドットボタン付きテープを縫着した。
(4)前身頃と後身頃で形成した身頃の袖付け位置に左右の袖を縫い付ける。
(5)身頃に衿を縫いつける。
(6)袖丈を長くする場合は、図5のように袖と別布をドットボタンで係止し、袖丈を短くする時は、図4のようにドットボタンを外して別布を取り外し、袖のドットボタン同士を係止する。
こうして得られた長襦袢の審美性(外観)、易取り扱い性(易調整性)、経済性等を評価した結果を表3に示す。
【0028】
実施例4
ポリエステル100%の平織を使い、次の方法で婦人用コートに縫製した。
(1)左右前後身頃を背縫い、脇線で縫い合わせる。
(2)左右前身頃に前立て布を縫いつける。
(3)左右袖を表1の長い寸法になるよう裁断し、図9に示すように袖両端の内側に巾2cm×長さ5cmの面ファスナーを前後3カ所縫着した。次に、表1の短い寸法となる位置を図9に示す方法でつまみ、その内側にも同様に面ファスナーを縫着した。
(4)前身頃と後身頃で形成した身頃の袖付け位置に左右の袖を縫い付ける。
(5)身頃に衿を縫いつける。
(6)袖丈を長くする場合は、図9のように袖両端の面ファスナーを係止する。袖丈を短くする時は、図8のように袖をつまんで縫着した面ファスナーを係止、余り分は袖の中に入れる。
こうして得られた婦人用コートの審美性(外観)、易取り扱い性(易調整性)、経済性等を評価した結果を表3に示す。
【0029】
比較例1
ポリエステル100%の襦袢地を使い、次の方法で2着の長襦袢に縫製した。
(1)左右前後身頃を背縫い、脇線で縫い合わせる。
(2)左右前身頃に左右衽布を縫いつける。
(3)左右袖を表1の長い寸法になるよう裁断し、通常の方法で袖に仕上げた。
(4)前身頃と後身頃で形成した身頃の袖付け位置に左右の袖を縫い付ける。
(5)身頃に衿を縫いつける。
(6)袖長さを表1の短い寸法になるようにした他は、(1)から(5)と同じ方法で別途1着長襦袢を縫製した。
こうして得られた長襦袢の審美性(外観)、易取り扱い性(易調整性)、経済性等を評価した結果を表3に併記した。
【0030】
比較例2
絹100%の着物地を使い、次の方法で振り袖着物に縫製した。
(1)左右前後身頃を背縫い、脇線で縫い合わせる。
(2)左右前身頃に左右衽布を縫いつける。
(3)左右袖を表1の長い寸法になるよう裁断し、通常の方法で袖に仕上げた。次に、前後とも短い寸法の位置で、袖の余り分を内側に入れ込み、手縫いで縫い止めた。
(4)前身頃と後身頃で形成した身頃の袖付け位置に左右の袖を縫い付ける。
(5)身頃に衿を縫いつける。
こうして得られた着物の審美性(外観)、易取り扱い性(易調整性)、経済等を評価した結果を表3に併記した。
【0031】
比較例3
絹100%の着物地を使い、次の方法で振り袖着物に縫製した。
(1)左右前後身頃を背縫い、脇線で縫い合わせる。
(2)左右前身頃に左右衽布を縫いつける。
(3)左右袖を表1の長い寸法になるよう裁断し、通常の方法で袖に仕上げ、袖付け位置にオープンファスナーを縫い付けた。次に、別の生地で短い寸法となるよう別袖を仕上げ、袖付け位置にオープンファスナーを縫い付けた。
(4)前身頃と後身頃で形成した身頃の袖付け位置に袖に対応するオープンファスナーを縫い付ける。必要な袖をオープンファスナーで袖付けする。
(5)身頃に衿を縫いつける。
こうして得られた着物の審美性(外観)、易取り扱い性(易調整性)、経済等を評価した結果を表3に併記した。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【発明の効果】
本発明における衣服は、袖長さを容易に複数回調整できる機構を有するものであり、なおかつ、審美性、経済性に優れるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の衣服の一態様を示す正面図である。
【図2】本発明の衣服の袖部の係止具を止めた一態様を示す断面図である。
【図3】図2の係止具を開放した時の断面図
【図4】本発明の衣服の袖本体の係止具を止めた他の態様を示す断面図である。
【図5】図4の袖本体に、別布を係止具で止めた時の態様を示す断面図である。
【図6】本発明の衣服の袖部の係止具を止めた他の態様を示す断面図である。
【図7】図6の袖本体に、別布を係止具で止めた時の態様を示す断面図である。
【図8】袖丈を短くする場合の係止の一態様を示す断面図である。
【図9】袖丈を長くする場合の係止の一態様を示す断面図である。
【符号の説明】
1 :身頃
2 :袖本体
3 :袖長さ(袖丈)
4、4′、4″:係止具
5 :袖別布
6 :余り分
Claims (4)
- 袖ふりを有する衣服において、袖の長さが複数回調整できる機構を有することを特徴とする衣服。
- 袖本体に長さ調整機構のための係止具が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の衣服。
- 衣服の袖が、衣服本体に縫着された袖と、別途設けられた袖長さ調整機構を有する別布で構成され、互いに係止具により着脱できるようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の衣服。
- 衣服本体に、袖長さ調整機構を有する別布を複数種類備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の衣服。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003148836A JP2004353098A (ja) | 2003-05-27 | 2003-05-27 | 衣服 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2003148836A JP2004353098A (ja) | 2003-05-27 | 2003-05-27 | 衣服 |
Publications (1)
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---|---|
JP2004353098A true JP2004353098A (ja) | 2004-12-16 |
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ID=34045103
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003148836A Pending JP2004353098A (ja) | 2003-05-27 | 2003-05-27 | 衣服 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004353098A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8091147B2 (en) | 2008-02-14 | 2012-01-10 | Solowey Rikki A | System for adjusting the length of a garment |
KR101278921B1 (ko) | 2013-03-25 | 2013-06-26 | (주)에리트베이직 | 길이조절형 옷소매 |
JP2018104881A (ja) * | 2018-02-13 | 2018-07-05 | 紫野商事株式会社 | 多目的転用振袖 |
-
2003
- 2003-05-27 JP JP2003148836A patent/JP2004353098A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8091147B2 (en) | 2008-02-14 | 2012-01-10 | Solowey Rikki A | System for adjusting the length of a garment |
KR101278921B1 (ko) | 2013-03-25 | 2013-06-26 | (주)에리트베이직 | 길이조절형 옷소매 |
JP2018104881A (ja) * | 2018-02-13 | 2018-07-05 | 紫野商事株式会社 | 多目的転用振袖 |
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