JP2004352769A - インクセット - Google Patents

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Abstract

【課題】濃淡インクを用いたインクジェット用インクセットにおいて、たとえば色材濃度の高い濃インクの固着性を良好なものとするために、新たな成分の添加などのインク処方上の対策や、強力な回復装置などのインクジェット記録装置の大型化、高コスト化を必要とせずに、固着性に優れた濃淡インクセットを供給すること。
【解決手段】同系色で色材濃度の異なる複数のインクを少なくとも有するインクジェット用インクセットで、該色材濃度の異なる複数の同系色インクの第一のインクと第二のインクに少なくとも1種類の同じ色材を用いるインクセットにおいて、第一のインクと第二のインクで該色材のカウンターイオンが異なるインクセット。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、同系色で色材濃度の異なる複数のインクからなるインクジェット用インクに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、インクジェット記録方法は、低騒音である、コストが低い、装置が小型化である、記録画像のカラー化が容易である等の理由から、プリンターやファクシミリ、複写機等において広く利用されている。
【0003】
一般的に、記録画像において人間の視覚特性を考慮すると、高品位な画像を得るためには、文字や罫線、グラフなど記録画像濃度の高い部分では、濃度が高く、かつシャープな境界を持つ画像を形成することが重要である。一方、写真調画像の背景など記録画像濃度の低いハイライト部分では、粒状感の少ない画像を形成することが重要である。
【0004】
画像の粒状感を低減する方法の一つとして、インクの色材濃度を低くする方法がある。しかし、低色材濃度インクで、文字や罫線、グラフなど記録画像濃度の高い画像を形成しようとすると、十分な画像濃度を得られなかったり、あるいは、画像濃度を上げるために多量のインクを被記録媒体に付与しなければならい。被記録媒体に多量のインクを付与する場合には、インク定着性の低下や、被記録媒体のインク吸収速度が間に合わないためにいわゆるマルチパス印字が必要となり、印字速度が低下するなどの問題を生じることがある。あるいは、特に被記録媒体が普通紙の場合、紙に付与されるインク量が多いとインク成分により紙の繊維が伸縮し、紙のカールやコックリングを引き起こすことがある。
【0005】
このような、低色材濃度インクで高濃度画像を形成するときの問題点を回避し、より高品位な記録を行なう方法の一つとして、インクジェット記録方法を利用した記録装置では、同系色で色材濃度の異なる濃淡インクを用いる記録方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
この場合、文字や罫線、グラフなどは主に濃インクで画像を形成することによって画像濃度の高い画像を得ることができ、かつ、写真調画像の背景など記録画像濃度の低い部分では主に淡インクで画像を形成することによって粒状感の低減された画像を得ることができ、より高品位な画像が得られる。
【0007】
しかし、色材濃度の高い濃インクを用いた記録方法では、色材濃度が高いためにインクの固着性が低下してしまう懸念がある。固着性が低下すると、たとえばインクジェット記録装置を長期間未使用状態で放置された場合、記録ヘッドのインク吐出口からインク成分の水分などが蒸発してしまい、吐出口付近のインクの増粘、あるいは吐出口に色材などの析出物が発生し、印字不良を引き起こすことがある。最悪の場合には、インクジェット記録装置のもつ回復手段では印字不良を回復させられないことにもなり、インクジェット記録装置の信頼性にとって非常に重要な問題となる。この固着性は、一般的に色材濃度が高いほど低下する。そのため、たとえば濃インクの処方を淡インクの色材濃度を高くしただけの処方とすると、濃インクの固着性が低下してしまう場合がある。このとき、濃インクの固着性を良好なものとするためには、淡インクでは必要なかったインク処方上の対策、例えば色材の溶解性を上げるための新たな成分の添加、あるいは、より強力な回復装置をインクジェット記録装置に備える必要がある。しかし、インクへの新たな成分の添加は、それ自身が固着性以外の他の信頼性を低下させることがある。また、強力な回復装置は、インクジェット記録装置の大型化、高コスト化につながり好ましくない。
【0008】
【特許文献1】
特開平2−127482号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、このような実情を考慮してなされたものであり、濃淡インクを用いたインクジェット用インクセットにおいて、たとえば色材濃度の高い濃インクの固着性を良好なものとするために、新たな成分の添加などのインク処方上の対策や、強力な回復装置などのインクジェット記録装置の大型化、高コスト化を必要とせずに、固着性に優れた濃淡インクセットを供給することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、同系色で色材濃度の異なる複数のインクを少なくとも有するインクジェット用インクセットで、該色材濃度の異なる複数の同系色インクの第一のインクと第二のインクに少なくとも1種類の同じ色材を用いるインクセットにおいて、該同じ色材のカウンターイオンが、第一のインクと第二のインクで少なくとも異なるカウンターイオンを有するインクセット、であることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、濃淡インクを用いたインクジェット用インクセットで濃淡インクに同じ色材を用いる場合、濃インクと淡インクとで該同じ色材のカウンターイオンに少なくとも異なるカウンターイオンを用いることによって、たとえば色材濃度の高い濃インクの固着性を良好なものとするために、新たな成分の添加などのインク処方上の対策や、強力な回復装置などのインクジェット記録装置の大型化、高コスト化を必要とせずに、固着性に優れた濃淡インクセットを供給することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について詳述する。
【0013】
(インクセット)
本発明に用いられるインクセットの色材としては、一般的に用いられている染料や顔料などの公知の色材であっても新規に合成された色材であっても、本発明の範囲内で適宜選択して用いることが出来る。インク中に含有させる色材の含有量としては、インク全質量に対して0.1〜15質量%とすることが好ましい。また、インク中に含有させる色材は単独でも、あるいは2種以上を混合して用いることも可能である。
【0014】
下記に、本発明に用いることの出来る色材の一例として染料の具体例を色調別に例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0015】
(イエロー用の色材)
C.I.ダイレクトイエロー:8、11、12、27、28、33、39、44、50、58、85、86、87、88、89、98、100、110、132
C.I.アシッドイエロー:1、3、7、11、17、23、25、29、36、38、40、42、44、76、98、99
C.I.リィアクティブイエロー:2、3、17、25、37、42
C.I.フードイエロー:3
(レッド用の色材)
C.I.ダイレクトレッド:2、4、9、11、20、23、24、31、39、46、62、75、79、80、83、89、95、197、201、218、220、224、225、226、227、228、229、230
C.I.アシッドレッド:6、8、9、13、14、18、26、27、32、35、42、51、52、80、83、87、89、92、106、114、115、133、134、145、158、198、249、265、289
C.I.リィアクティブレッド:7、12、13、15、17、20、23、24、31、42、45、46、59
C.I.フードレッド:87、92、94
(ブルー用の色材)
C.I.ダイレクトブルー:1、15、22、25、41、76、77、80、86、90、98、106、108、120、158、163、168、199、226
C.I.アシッドブルー:1、7、9、15、22、23、25、29、40、43、59、62、74、78、80、90、100、102、104、117、127、138、158、161
C.I.リィアクティブブルー:4、5、7、13、14、15、18、19、21、26、27、29、32、38、40、44、100
(ブラック用色材)
C.I.ダイレクトブラック:17、19、22、31、32、51、62、71、74、112、113、154、168、195
C.I.アシッドブラック:2、48、51、52、110、115、156
C.I.フードブラック1、2
次に、本発明に用いることの出来る顔料として、カーボンブラックや有機顔料を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0016】
カーボンブラックとしては例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料で、例えば、レイヴァン(Raven)7000、レイヴァン5750、レイヴァン5250、レイヴァン5000、レイヴァン3500、レイヴァン2000、レイヴァン1500、レイヴァン1250、レイヴァン1200、レイヴァン1190ULTRA−II、レイヴァン1170、レイヴァン1255(以上コロンビア社製)、ブラックパールズ(Black Pearls)L、リーガル(Regal)400R、リーガル330R、リーガル660R、モウグル(Mogul)L、モナク(Monarch)700、モナク800、モナク880、モナク900、モナク1000、モナク1100、モナク1300、モナク1400、ヴァルカン(Valcan)XC−72R(以上キャボット社製)、カラーブラック(Color Black)FW1、カラーブラックFW2、カラーブラックFW2V、カラーブラックFW18、カラーブラックFW200、カラーブラックS150、カラーブラックS160、カラーブラックS170、プリンテックス(Printex)35、プリンテックスU、プリンテックスV、プリンテックス140U、プリンテックス140V、スペシャルブラック(SpecialBlack)6、スペシャルブラック5、スペシャルブラック4A、スペシャルブラック4(以上デグッサ社製)、No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上三菱化学社製)等を使用することができる。また、マグネタイト、フェライト等の磁性体微粒子やチタンブラック等を黒色顔料として用いても良い。
【0017】
有機顔料として具体的には,トルイジンレッド,トルイジンマルーン,ハンザエロー,ベンジジンエロー,ピラゾロンレッドなどの不溶性アゾ顔料,リトールレッド,ヘリオボルドー,ピグメントスカーレット,パーマネントレッド2Bなどの溶性アゾ顔料,アリザリン,インダントロン,チオインジゴマルーンなどの建染染料からの誘導体,フタロシアニンブルー,フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系顔料,キナクリドンレッド,キナクリドンマゼンタなどのキナクリドン系顔料,ペリレンレッド,ペリレンスカーレットなどのペリレン系顔料,イソインドリノンエロー,イソインドリノンオレンジなどのイソインドリノン系顔料,ベンズイミダゾロンエロー,ベンズイミダゾロンオレンジ,ベンズイミダゾロンレッド等のイミダゾロン系顔料,ピランスロンレッド,ピランスロンオレンジなどのピランスロン系顔料,チオインジゴ系顔料,縮合アゾ系顔料,チオインジゴ系顔料,フラバンスロンエロー,アシルアミドエロー,キノフタロンエロー,ニッケルアゾエロー,銅アゾメチンエロー,ペリノンオレンジ,アンスロンオレンジ,ジアンスラキノニルレッド,ジオキサジンバイオレット等のその他の顔料を使用することができる。
【0018】
また,有機顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーにて示すと,C.I.ピグメントエロー12,13,14,17,20、24、74,83,86、93、109、110、117、120,125、137、138、147、148、151,153、154、166、168、C.I.ピグメントオレンジ16,36、43、51、55、59、61、C.I.ピグメントレッド9、48,49,52,53,57,97、122、123、149、168、175,176,177、180、192、215、216、217、220、223、224、226、227、228,238、240、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50、C.I.ピグメントブルー15,15:3、15:1,15:4,15:6,22、60、64、C.I.ピグメントグリーン7、36、C.I.ピグメントブラウン23、25、26等が例示できる。
【0019】
上記したカーボンブラックや有機顔料を用いる場合には分散剤を併用することが好ましい。分散剤としては、アニオン性基の作用によって上記の顔料を水性媒体に安定に分散させることのできるものが好適に用いられる。
【0020】
また、色材として、顔料表面にイオン性基(アニオン性基)を結合させることによって分散剤なしで水性媒体に分散させることのできる顔料、いわゆる自己分散型顔料を用いることもでき、このような顔料の一例として例えば、自己分散型カーボンブラックを挙げることができる。
【0021】
自己分散型カーボンブラックとしては、例えばアニオン性基がカーボンブラック表面に結合したものを挙げることができる。
【0022】
色材のカウンターイオンとしては、揮発性成分であるアンモニウムイオンや有機アンモニウムイオンが、記録画像の耐水性を向上させることができるため、この点において色材のカウンターイオンとして特に好適に用いることが出来る。これは、被記録媒体にインクが付与されると、色材のカウンターイオンが揮発し色材が不溶化するためと考えられる。有機アンモニウムとしては、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリメタノールアンモニウム、ジメタノールアンモニウム、トリメタノールアンモニウム、エタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウムおよびトリエタノールアンモニウムなどの有機アンモニウムイオンなどが挙げられる。しかし、揮発性のカウンターイオンを持つ色材を用いた場合、色材濃度の低い淡インクでは問題ないが、色材濃度の高い濃インクではインクの固着性が低下することがある。これは、カウンターイオンがインク吐出口から揮発してしまい、吐出口付近の色材の溶解性や分散安定性が低下するためと考えられ、特に色材濃度が高い場合に顕著になることがある。
【0023】
これに対し、カウンターイオンとして、アルカリ金属イオンなどの不揮発性のカウンターイオンを用いた場合、カウンターイオンの揮発による色材の溶解性、分散安定性の低下を防ぐことが出来る。しかし、揮発性カウンターイオンを用いた場合のような、記録画像の耐水性の向上は期待できなくなる。
【0024】
そこで、本発明における濃淡インクセットの一例として、濃淡インクに同じ色材を用い、淡インクでは色材のカウンターイオンとして揮発性成分、例えばアンモニウムイオンやメチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、エチルアンモニウムなどの有機アンモニウムイオンを用い、濃インクでは色材のカウンターイオンとして前記揮発性成分と不揮発性成分、たとえばLi、Na、Kなどのアルカリ金属イオン、を併用したインクセットを挙げることができる。ここで、濃インクで併用する揮発性と不揮発性カウンターイオンは、画像の耐水性とインクの固着性のバランスを取るようにその割合を調整することが好ましい。これにより、画像の耐水性を向上しつつ、濃インク、淡インク共に固着性が良好となる濃淡インクセットを得ることが出来る。また、本発明では、前記濃淡でカウンターイオンの異なる同じ色材のほかに、別の色材を併用することも可能である。
【0025】
このように本発明により、例えば色材濃度の高い濃インクに対して、新たな成分の添加などのインク処方上の対策や、強力な回復装置などのインクジェット記録装置の大型化、高コスト化を必要とせずに、固着性の良好な濃淡インクセットを得ることができる。
【0026】
本発明にかかるインクセットを構成するインクは、本発明に用いられる色材を溶解あるいは分散させる液状媒体として、水を主体とする水性媒体が利用される。この水性媒体としては、水単独、あるいは水と水溶性有機溶剤を含むものが利用できる。
【0027】
この水溶性有機溶剤としては、水溶性を示すものであれば特に制限はなく、アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶媒、含硫黄極性溶媒、尿素類、糖類などが挙げられる。これらの溶剤はインクの保湿性維持や色材の溶解性向上、インクの記録紙への浸透剤などの用途として用いられる。
【0028】
水溶性有機溶剤の含有量は、一般にはインク全体の1〜50質量%の範囲が好ましく、より好ましくは3〜40質量%の範囲である。又、インク中の水の含有量は、色材の溶解性やインクの吐出安定性を良好に保つために、30〜95質量%の範囲が好ましい。
【0029】
さらに本発明のインクには上記成分以外にも必要に応じて界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、水溶性ポリマー等、種々の添加剤を含有させてもよい。
【0030】
(インクジェット記録装置)
本発明に用いることの出来るインクジェット記録装置の一例を図1、図2を用いて説明する。
【0031】
図1において、61はワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブレード保持部材によって保持固定されており、カンチレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッド65による記録領域に隣接した位置に配置され、又、本例の場合、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。
【0032】
62は記録ヘッド65の突出口面のキャップであり、ブレード61に隣接するホームポジションに配置され、記録ヘッド65の移動方向と垂直な方向に移動して、インク吐出口面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。更に、63はブレード61に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。上記ブレード61、キャップ62及びインク吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレード61及びインク吸収体63によって吐出口面の水分、塵埃等の除去が行われる。
【0033】
65は、吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を行うためのキャリッジである。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモーター68によって駆動されるベルト69と接続(不図示)している。これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した領域の移動が可能となる。51は被記録材を挿入するための給紙部、52は不図示のモーターにより駆動される紙送りローラーである。
【0034】
これらの構成により記録ヘッド65の吐出口面と対向する位置へ被記録材が給紙され、記録が進行するにつれて排紙ローラー53を配した排紙部へ排紙される。
【0035】
以上の構成において記録ヘッド65が記録終了してホームポジションへ戻る際、吐出回復部64のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレード61は移動経路中に突出している。その結果、記録ヘッド65の吐出口がワイピングされる。
【0036】
尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッド65の移動経路中に突出するように移動する。記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード61は、上述したワイピングの時の位置と同一の位置に存在する。
【0037】
この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされる。
【0038】
上述の記録ヘッド65のホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッド65が記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホ−ムポジションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0039】
図2は、本発明で用いられる記録ヘッドの一例を示す斜視図である。ここでは、本発明のインクセットとして、イエロー、濃マゼンタ、淡マゼンタ、濃シアン、淡シアン、ブラックインクを用いたインクセットを例に説明する。101Y、101M2、101M1、101C2、101C1、101BKはそれぞれイエロー、濃マゼンタ、淡マゼンタ、濃シアン、淡シアン、ブラックインク用の記録ヘッドであり、200Y、200M2、200M1、200C2、200C1、200BKはそれぞれイエロー、濃マゼンタ、淡マゼンタ、濃シアン、淡シアン、ブラックインクと吐出する吐出口の列である。この記録ヘッドには電気的接点202を有し、これを通して記録信号などの電気信号のやりとりを行なう。
【0040】
図2は、記録ヘッドの一形態として、電気信号に応じて膜沸騰をインクに対して生じさせるための熱エネルギーを生成する電気熱変換体(記録素子)を用いて記録を行うバブルジェット(R)方式の記録ヘッドである。この代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は、所謂オンデマンド型、コンティニュアス型の何れにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液流路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を超える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長・収縮が行なわれるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましいと言える。
【0041】
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。
【0042】
なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、更に優れた記録を行なうことができる。
【0043】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液流路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に、熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。
【0044】
加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成としても本発明は有効である。
【0045】
更に、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成の何れでもよい。
【0046】
更に加えて、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いることもできる。
【0047】
そのほか、インクカートリッジとしては、記録ヘッドにインク供給部材、例えば、チューブを介して供給されるインクを収容したものも用いられる。
【0048】
また、本発明で使用されるインクジェット記録装置としては、上述の様にヘッドとインクカートリッジとが別体となったものに限らず、それらが一体になったものにも好適に用いられる。
【0049】
又、インク吸収体を用いず、例えばインク収容部が内部にバネ等を仕込んだインク袋であるような構造でもよい。
【0050】
次に、第二の力学的エネルギーを利用したインクジェット記録装置の形態として、複数のノズルを有するノズル形成基板と、ノズルに対向して配置される圧電材料と導電材料からなる圧力発生素子と、この圧力発生素子の周囲を満たすインクを備え、印加電圧により圧力発生素子を変位させ、インクの小液滴をノズルから吐出させるオンデマンドインクジェット記録ヘッドを挙げることができる。
【0051】
ヘッドは、インク室に連通したインク流路と、所望の体積のインク滴を吐出するためのオリフィスプレートと、インクに直接圧力を作用させる振動板と、この振動板に接合され、電気信号により変位する圧電素子と、オリフィスプレート、振動板等を指示固定するための基板とから構成されている。
【0052】
以上のような構成の記録ヘッドは、圧電素子にパルス状の電圧を与え、歪(ひずみ)応力を発生させ、そのエネルギーが圧電素子に接合された振動板を変形させ、インク流路内のインクを垂直に加圧しインク滴をオリフィスプレートの吐出口より吐出して記録を行うように動作する。
【0053】
この様な記録ヘッドは図1に示したものと同様な記録装置に組み込んで使用される。記録装置の細部の動作は前述と同様に行うもので差し支えない。
【0054】
また、本発明の記録装置の構成として設けられる、記録ヘッドに対しての従来公知の回復手段、予備的な補助手段等を付加する構成としても勿論かまわない。
【0055】
これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体、あるいはこれとは別の加熱素子、あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを用いてもかまわない。
【0056】
また、本発明に係る記録装置の形態としては、ワードプロセッサやコンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として一体または別体に設けられるものの他、リーダと組み合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るものであってもよい。
【0057】
(実施例)
以下、実施例および比較例を用いてさらに具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記実施例により限定されるものではない。
【0058】
なお、以下の記載で「%」とあるものは、特に断りのない限り質量基準である。
【0059】
本実施例では、同じ色材で、濃淡でそのカウンターイオンの異なる色材の一例としてアシッドレッド289を用いた。カウンターイオンはNaのもの(ダイワ化成(株)製)と、前記Na型のアシッドレッド289をイオン交換法によりカウンターイオンをアンモニウムイオンとしたものを用いた。
【0060】
以下に示す成分を混合し、十分に攪拌して溶解した後、ポアサイズ0.2umのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧ろ過し、本実施例に用いるインクを調整した。
【0061】
(実施例インクセット1)
・濃マゼンタインク
グリセリン 7%
ジエチレングリコール 5%
エチレングリコール 5%
アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル(株)社製) 1%
アシッドレッド289(カウンターイオン:Na) 2%
アシッドレッド289(カウンターイオン:NH4) 1%
・淡マゼンタインク
グリセリン 7%
ジエチレングリコール 5%
エチレングリコール 5%
アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル(株)社製) 1%
アシッドレッド289(カウンターイオン:NH4) 0.4%
(比較例インクセット1)
・濃マゼンタインク
グリセリン 7%
ジエチレングリコール 5%
エチレングリコール 5%
アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル(株)社製) 1%
アシッドレッド289(カウンターイオン:NH4) 3%
・淡マゼンタインク
グリセリン 7%
ジエチレングリコール 5%
エチレングリコール 5%
アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル(株)社製) 1%
アシッドレッド289(カウンターイオン:NH4) 0.4%
各インクセットを、インクジェット記録装置としてキャノン(株)製BJF−850を用いて、固着性の評価を行なった。
【0062】
固着性の評価は、まず、各インクをインクタンクに注入後記録ヘッドに装着し、記録装置本体にて吸引動作を行ない記録ヘッドにインクを充填し、固着評価用記録ヘッドとした。なお、BJF−850の記録ヘッドはインクを吐出する吐出口列を6列有し、それぞれの吐出口列に個別にインク供給するための6個のインクタンクを装着することができるが、本評価では、記録ヘッド1個につき一種のインクの、具体的には吐出口列6列すべてに同一のインクを充填し、評価を行なった。
【0063】
次に、この記録ヘッドを記録装置本体から取り外し、35℃、相対湿度10%の環境に1週間静置し、このときのインク吐出口付近の状態を顕微鏡にて観察し固着性の評価を行なった。
【0064】
(結果)
実施例インクセット1、比較例インクセット1共に淡マゼンタインクでは、インク吐出口にわずかに析出物が見られた程度で固着性は良好であった。これに対し、染料のカウンターイオンを変えなかった比較例インクセット1の濃マゼンタインクでは、吐出口に多量の析出物が観察され固着性が低下していたが、染料のカウンターイオンの一部を変えた実施例インクセット1の濃マゼンタインクではインク吐出口に若干の析出物が見られた程度で、固着性は良好であった。以上の結果から、実施例において、固着性の良好な濃淡インクセットを得ることができた。
【0065】
【発明の効果】
以上、説明してきたように、本発明によれば、濃淡インクを用いたインクジェット用インクセットで濃淡インクに同じ色材を用いる場合、濃インクと淡インクとで該同じ色材のカウンターイオンに少なくとも異なるカウンターイオンを用いることによって、たとえば色材濃度の高い濃インクの固着性を良好なものとするために、新たな成分の添加などのインク処方上の対策や、強力な回復装置などのインクジェット記録装置の大型化、高コスト化を必要とせずに、固着性に優れた濃淡インクセットを供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェット記録装置の一例を示す概略斜視図である。
【図2】本発明に係る記録ヘッドの一例を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
51 給紙部
52 紙送りローラー
53 排紙ローラー
61 ブレード
62 キャップ
63 インク吸収体
64 吐出回復部
65 記録ヘッド
66 キャリッジ
67 ガイド軸
68 モーター
69 ベルト
101Y イエローインク用記録ヘッド
101M2 濃マゼンタインク用記録ヘッド
101M1 淡マゼンタインク用記録ヘッド
101C2 濃シアンインク用記録ヘッド
101C1 淡シアンインク用記録ヘッド
101BK ブラックインク用記録ヘッド
200Y イエローインク吐出口
200M2 濃マゼンタインク吐出口
200M1 淡マゼンタインク吐出口
200C2 濃シアンインク吐出口
200C1 淡シアンインク吐出口
200BK ブラックインク吐出口

Claims (3)

  1. 同系色で色材濃度の異なる複数のインクを少なくとも有するインクジェット用インクセットで、かつ該色材濃度の異なる複数の同系色インクの第一のインクと第二のインクに少なくとも1種類の同じ色材を用いるインクセットにおいて、該同じ色材のカウンターイオンが、第一のインクと第二のインクで少なくとも異なるカウンターイオンを有することを特徴とするインクジェット用インク。
  2. 該同じ色材のカウンターイオンが、色材濃度の高い第一のインクでは不揮発性成分を少なくとも含み、色材濃度の低い第二のインクでは揮発性成分を少なくとも含むことを特徴とする、請求項1に記載のインクセット。
  3. 該揮発性カウンターイオンが、アンモニウムイオン、あるいは有機アンモニウムイオンであることを特徴とする、請求項2に記載のインクセット。
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