JP2004352534A - 膨張性材料 - Google Patents

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Yutaka Nakajima
裕 中島
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Abstract

【課題】コンクリートやモルタルに混和使用する遊離生石灰を主要膨張成分とする膨張性材料の生石灰の水和によって生起される高い膨張圧を、コンクリートやモルタルの収縮に起因するひび割れ発生を防ぐための収縮低減に有効に作用させる。
【解決手段】モルタル・コンクリートに混和される膨張性材料であって、遊離生石灰を主要生成相とするクリンカ粉砕物とブレーン比表面積が該クリンカ粉砕物の2.2倍以上である無水石膏を含有してなる膨張性材料。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モルタル・コンクリートに混和使用され、水和によって膨張する膨張性材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
セメント系のコンクリートやモルタルの収縮に起因するひび割れ発生抑制策として、水和膨張性物質を有効成分とする膨張材を混和し、収縮量を大幅に低減させることが行なわれている。水和膨張性物質のうち生石灰は、水和反応で非常に高い膨張圧を生起できることから、遊離生石灰(CaO結晶)を生成させたクリンカ粉砕物をモルタル・コンクリートに混和する膨張材として使用することが知られている。(例えば、特許文献1参照)。しかるに、生石灰は、通常のセメントの水和反応よりは速く水和反応が進行するため、セメントの凝結があまり進んでいない段階、即ちモルタル・コンクリートが流動状態の時に水和により膨張圧が生起し、この時期に膨張作用が集中することから、モルタル・コンクリートの十分な収縮抑制には繋がり難い。
【0003】
モルタル・コンクリートに対する生石灰による膨張付与作用を補い、収縮抑制効果を高める手段として、生石灰に無水石膏(硫酸カルシウム)を共存させることが知られている。無水石膏を共存させた生石灰系膨張性材料を混和使用すると、セメント間隙質に含まれるカルシウムアルミネート類と石膏が反応してエトリンガイトを生成し、生石灰による比較的初期の高い膨張発現性に、該エトリンガイトによる長期間の穏やかな水和膨張発現性が加わって、モルタル・コンクリートの収縮抑制効果増進が期待できる。しかるに、従来のようにクリンカ中に遊離生石灰と共に無水石膏を共存させた膨張性混和材(例えば、特許文献2及び3参照。)、生石灰と硫酸カルシウムを共存させたクリンカに無水石膏を混合させた混和材(例えば、特許文献4参照。)又は遊離生石灰とは水和反応時期の異なるサルフォアルミネート等の膨張成分と遊離生石灰を共存させたクリンカ粉砕物に無水石膏を混合した混和材(例えば、特許文献5参照。)などでは、何れも無水石膏が生石灰によるモルタル・コンクリートの収縮抑制能力の不足を補うものの、モルタル・コンクリートの収縮抑制に最適な膨張作用付与時期と生石灰の水和反応時期とのズレを解消するには殆ど効果がなく、依然、生石灰の高い膨張性をモルタル・コンクリートのひび割れ発生原因となる収縮の抑制に十分活用できるには至っていない。
【0004】
【特許文献1】
特公昭53−13650号公報
【特許文献2】
特公昭53−31170号公報
【特許文献3】
特開2002−356355号公報
【特許文献4】
特公昭52−3656号公報
【特許文献5】
特開平7−206492号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記問題点の解決、即ち、遊離生石灰を主要膨張成分とする膨張性材料の高い膨張性を、コンクリートやモルタルの収縮を少なくとも収縮に因るひび割れ発生を十分防ぐことができる程度に低減することに十分活用させた、コンクリートやモルタルに混和使用される遊離生石灰系の膨張性材料の提供を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題解決のため鋭意検討を重ねた結果、遊離生石灰を主要生成相とするクリンカ粉砕物に無水石膏を加え、該クリンカ粉砕物と無水石膏のブレーン比表面積を特定の関係にすることによって、モルタルやコンクリートの早期強度発現性が高まり、モルタル・コンクリートの収縮を抑制するために必要な膨張付与最適時期と生石灰の水和反応時期との整合化をかなり図ることができ、生石灰の高い膨張性をモルタル・コンクリートの収縮抑制に有効に活用できたこと等から本発明を完成した。
【0007】
即ち、本発明は、モルタル・コンクリートに混和される膨張性材料であって、遊離生石灰を主要生成相とするクリンカ粉砕物とブレーン比表面積が該クリンカ粉砕物の2.2倍以上である無水石膏を含有してなる膨張性材料である。
【0008】
また本発明は、クリンカ粉砕物のブレーン比表面積(A)が、膨張性材料を混和するモルタル・コンクリートに含まれるセメントのブレーン比表面積(B)に対し、A/B=0.5〜1.5である前記の膨張性材料である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の膨張性材料は、セメントペーストと称されるものを含むモルタルやコンクリートへの混和用に適したものである。本発明の膨張性材料に必須含有されるクリンカ粉砕物は、遊離生石灰(CaO結晶)を主要成分とし、遊離生石灰が水と反応することで高い膨張が生起される。クリンカ中の遊離生石灰含有割合は特に限定されないが、好ましくは30重量%以上、より好ましくは50重量%以上とする。30重量%未満では生起される膨張圧が低く、ひび割れ抑制に必要な膨張作用が不足することがあるので好ましくない。また、該クリンカは、本発明の効果に支障を及ぼさない限り、遊離生石灰以外の成分が含まれていても良く、例えば遊離生石灰と共にエーライト結晶等のカルシウムシリケート類、その他Al、Fe、SiO、CaO等を化学成分として含む結晶質や非晶質或いは固溶体などのクリンカ間隙質等が生成するものでも良い。また、本発明の膨張性材料に使用するクリンカ粉砕物の製造方法は特に限定されるものではなく、一例を示すと、カルサイト等の石灰質原料或いはこれにSiO、Al、Fe等から選定される原料を適宜加えたものを、およそ1350〜1450℃で焼成し、得られたクリンカを任意の手法で粉砕することで製造できる。
【0010】
また、クリンカ粉砕物の粉末度は、好ましくは本発明の膨張性材料を混和するモルタルやコンクリートに使用されたセメントのブレーン比表面積の0.5倍〜1.5倍の範囲内でのブレーン比表面積とする。クリンカ粉砕物のブレーン比表面積がセメントのブレーン比表面積の0.5倍未満の値では、生石灰の活性度が低下し、膨張性が低下するので好ましくない。逆にセメントのブレーン比表面積の1.5倍を超えるブレーン比表面積では生石灰の活性度が高くなり過ぎて、セメントの水和反応よりも生石灰の水和反応がかなり早く進み、両者の水和反応時期の調整が困難となるので好ましくない。
【0011】
本発明の膨張性材料は、前記クリンカ粉砕物に加え、無水石膏を必須含有する。本発明の膨張性材料に含有される無水石膏は、ブレーン比表面積が前記クリンカ粉砕物のブレーン比表面積の2.2倍以上のものとする。当該ブレーン比表面積の無水石膏にすることでクリンカ粉砕物よりも高活性になって、モルタル・コンクリートの初期強度発現が速くなり、モルタル・コンクリートが概ね流動化状態から脱した時点でクリンカ粉砕物中の生石灰による高い膨張作用が最も強く及ぼされる。無水石膏のブレーン比表面積が前記クリンカ粉砕物のブレーン比表面積の2.2倍未満では、生石灰の高い膨張性をモルタル・コンクリートの収縮抑制に活用することが困難となるので好ましくない。尚、本発明で使用する無水石膏のブレーン比表面積の上限は特に制限されないが、高ブレーン比表面積を得る上での経済的理由や工業的規模での製法上の制約等からおよそ12000cm/gまでのもので良い。本発明の膨張性材料での無水石膏の含有量は、該無水石膏とクリンカ粉砕物の合計量の15重量%〜40重量%が好ましい。無水石膏含有量が15重量%未満では初期強度発現性が低下するため好ましくなく、40重量%を超えると主要膨張成分たる生石灰の量が相対的に低下し、所望の膨張性をモルタル・コンクリートに付与し難くなるので好ましくない。また、本発明で使用する無水石膏はII型無水石膏が推奨され、更に、通常不可避的な存在量であれば半水石膏や二水石膏、その他の不純物の混入も許容される。
【0012】
本発明の膨張性材料は、本発明の効果に支障を及ぼさない範囲で前記の生石灰系クリンカ粉砕物と無水石膏以外の成分を含有しても良く、このような成分として例えば、カルシウムアルミネート類、カルシウムアルミノフェライト類、収縮低減剤などが挙げられる。
【0013】
本発明の膨張性材料をモルタル(セメントペーストを含む)やコンクリートへ混和する場合、混和対象となるモルタルやコンクリートに使用するセメントは、水硬性のセメントであれば何れのセメントでも良く、例えば各種のポルトランドセメント、アルミナセメント、高炉セメント、その他の混合セメントを挙げることができる。また、本膨張性材料をモルタル・コンクリートに混和する使用量は、ベースモルタル又はベースコンクリート1mあたり15Kg〜40Kgに相当する量が望ましい。尚、モルタル・コンクリートへの本膨張性材料の混和方法は特に限定されず、また混和に際して他の混和材・剤との併用も、本発明の効果を概ね喪失させない限り、特に阻むものではない。
【0014】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
石灰石と粘土を原料とし、回転窯で約1390℃で焼成して得た、Al、Fe、SiO、CaO等を化学成分として含むクリンカ間隙質7重量%、遊離生石灰66重量%及びエーライト(3CaO・SiO)結晶25重量%が生成するクリンカを、粉砕分級によりブレーン比表面積を約2300、3300、4100cm/gにそれぞれ調整した。このクリンカ粉砕物と、ブレーン比表面積を約3500、8100、11000cm/gにそれぞれ調整したII型無水石膏(日本軽金属株式会社製)とを表1記載の配合となるようレーディゲミキサーで乾式混合し、膨張性の混合物を作製した。この混合物をブレーン比表面積約3300cm/gの普通ポルトランドセメント(太平洋セメント株式会社製)、細骨材(北九州市小倉南区産砕砂(比重2.7)70重量%と長崎県壱岐郡郷ノ浦沖合海砂(比重2.6)30重量%の混合品)及び水と共に表2記載の配合量となるようホバートミキサに一括投入し、温度20℃で約10分間低速混練を行ない、モルタル混練物を作製した。
【0015】
【表1】
Figure 2004352534
【0016】
【表2】
Figure 2004352534
【0017】
また、比較参考のため、石灰石と粘土と二水石膏を原料とし、回転窯で約1360℃で焼成して得た、Al、Fe、SiO、CaO等を化学成分として含むクリンカ間隙質6重量%、遊離生石灰50重量%、エーライト(3CaO・SiO)結晶23重量%及び無水石膏20重量%が生成したクリンカを、ブレーン比表面積を約3300cm/gに調整した粉砕物(「クリンカ粉砕物J」と称す。)にし、無水石膏の混合は行わずにそのまま使用した表2に記す配合量のモルタル混練物(比較例5)も作製した。
【0018】
各モルタル混練物はそれぞれ成形型に充填し、16時間後に脱型して4×4×16cmのモルタル供試体を得た。モルタル供試体は、JIS A 1129に準拠した方法で長さ変化を調べた。即ち、脱型直後の供試体長さを基長とし、脱型直後から供試体を20℃に恒常した水中で7日間養生し、養生7日後の長さ変化量を測定した。測定した長さ変化量からモルタル供試体の膨張率を算出した。その結果を表3に記す。また、同様に作製した4×4×16cmのモルタル供試体の材齢1、7及び28日の圧縮強度をJIS R 5201に準拠した方法で測定した。この測定結果も表3に併せて記す。
【0019】
【表3】
Figure 2004352534
【0020】
表3から明らかなように、本発明による膨張性の混合物を混和使用したモルタル供試体は何れも初期強度発現性が高く、高い膨張を示した。
【0021】
【発明の効果】
本発明の膨張性材料は、モルタルやコンクリートに混和使用することでひび割れに繋がるようなモルタル・コンクリートの収縮を十分抑制し、ひび割れ発生を防ぐことができる。更に、本発明の膨張性材料は強度増進作用もあるため、本膨張性材料を使用したモルタル・コンクリートは初期より高い強度発現性を有するものとなる。

Claims (2)

  1. モルタル・コンクリートに混和される膨張性材料であって、遊離生石灰を主要生成相とするクリンカ粉砕物とブレーン比表面積が該クリンカ粉砕物の2.2倍以上である無水石膏を含有してなる膨張性材料。
  2. クリンカ粉砕物のブレーン比表面積(A)が、膨張性材料を混和するモルタル・コンクリートに含まれるセメントのブレーン比表面積(B)に対し、A/B=0.5〜1.5である請求項1記載の膨張性材料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009001449A (ja) * 2007-06-21 2009-01-08 Taiheiyo Material Kk 膨張性組成物
JP2015124132A (ja) * 2013-12-27 2015-07-06 太平洋マテリアル株式会社 吹付コンクリート及びその製造方法

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