JP2004352360A - ボトルのノズル構造 - Google Patents

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JP2004352360A
JP2004352360A JP2003339995A JP2003339995A JP2004352360A JP 2004352360 A JP2004352360 A JP 2004352360A JP 2003339995 A JP2003339995 A JP 2003339995A JP 2003339995 A JP2003339995 A JP 2003339995A JP 2004352360 A JP2004352360 A JP 2004352360A
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Yoshinori Nemoto
宜典 根本
Toyohiko Nakatani
豊彦 中谷
Toshiaki Suwa
利明 諏訪
Yosuke Yasuda
洋介 安田
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Toyo Seikan Group Holdings Ltd
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Toyo Seikan Kaisha Ltd
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Abstract

【課題】容器蓋開栓時に、確実に、タンパーエビデントバンドの破断後に、キャップ内のインナーリングのシールが解除されるようにしたタンパーエビデント機能を確実に発揮し得るボトルのノズル構造を提供する。
【解決手段】プラスチック製のボトルのノズルに、タンパーエビデント特性を有し、インナーリングでノズル内周面をシールする容器蓋を螺合した組み合わせにおいて、ノズル外周面の雄螺条のネジ切り開始位置が、少なくとも上記ノズル内周面におけるインナーリングのシールポイント位置より下に形成されることを特徴とするボトルのノズル構造。上記ネジ切り開始位置とインナーリングのシールポイントの距離が、0.4mm≦△h≦2.0mmであることが好ましい。
【選択図】図4

Description

本発明は、お茶、ジュース、コーヒー、紅茶、ミネラルウォーターなどの清涼飲料等を
収容するボトルのノズルにタンパーエビデントバンドを備えた容器蓋を螺着したプラスチ
ックボトルのノズル構造に関するものであって、とくに、容器蓋の開栓時に、確実に、タ
ンパーエビデントバンドの破断後にキャップ内のインナーリングのシールが解除されるよ
うにしたタンパーエビデント機能を正常に発揮し得るボトルのノズル構造に関する。
各種飲料あるいは液状食品を収容する容器には、販売店の店頭での陳列中のいたずらに
よる開栓事実を購入者に知らせることを目的とするタンパーエビデント特性を有するキャ
ップが多く用いられている。
係る先行技術としては例えば下記の文献を挙げることができる。
特開平7−2263号公報 特開平7−291317号公報
特許文献1には、タンパーエビデント機能を有するキャップと容器の組み合わせにおい
て、容器のノズル部の外周面には、特殊な形状のラチェット爪が形成されており、キャッ
プのタンパーエビデント部裾部には周方向に間隔をおいて下方に延出し、上記ラチェット
爪と協同する複数個のラチェット片が形成されている構成が開示されている。
この発明は、スカート壁に形成されている周方向弱化ラインにおけるブリッジの破断強
度を過剰に増大させることなく、女性や子供でも、容易に弱化ラインのブリッジの破断を
確実に行えるようにしたものである。
また、特許文献2には、同様に、タンパーエビデント機能を有するキャップと容器の組
み合わせにおいて、容器のノズル部の外周面には、雄螺条の下方において周方向に間隔を
おいて位置する複数個のラチェット爪が形成されており、このラチェット爪の各々は、閉
蓋する際の相対的回転方向に見て、後方に向かって半径方向外方にゆるやかに傾斜して伸
びる前面と急激に傾斜して延びる後面とを有し、タンパーエビデント裾部の内周面には、
周方向に間隔をおいて複数個の係止片が形成されており、この係止片の各々は、タンパー
エビデント裾部の内周面に接続された基縁から上方に向かって半径方向内方に傾斜して延
出し、ノズル部の雄螺条にキャップの雌螺条を螺合した際にキャップの係止片の各々が弾
性的に変形ないし変位せしめられてノズル部のラチェット爪の各々を周方向に通過し、次
いで弾性的に復元せしめられて周方向においてラチェット爪間に位置せしめられるように
した構成が記載されている。
この発明は、容器のノズルとキャップのシール構造が、タンパーエビデントの弱化ライ
ンの破断に先駆けて解除される事態を回避するためのものであり、容器のノズル部をキャ
ップによって密封した状態では、キャップのタンパーエビデント裾部に形成されている係
止片の周方向片端がノズル部に形成されているラチェット爪の急激に傾斜して延びる後面
に当接することによって、キャップの上方への移動ではなくて開栓回転方向への回転自体
が阻止され、これによって、キャップのスカート壁に形成されている周方向弱化ラインに
おけるブリッジの破断を伴うことなく、キャップを幾分か回転せしめてノズルに対するシ
ール手段の密封を解除してノズルのシール状態を毀損することを不可能にしたものである
これらの先行技術にも見られるように、このタンパーエビデント特性を有する容器壁は
、通常、円形天面壁と天面壁の周縁から垂下する略円筒状のスカート壁を具備し、スカー
ト壁下方には周方向に破断可能な弱化ラインが刻設されており、該スカート壁は、破断可
能ラインよりも上方の主部と、破断可能な弱化ラインよりも下方の裾部からなり、裾部内
面には、容器の口部のノズルの係止あご部(かぶら)に当接する上向きのフラップが形成
されている。
容器蓋の上方天面からは、通常、ボトルのノズル部の内面と外面を挟みつけた状態でシ
ールする2つの環状のリング(インナーリング・アウターリング)が垂下しており、さら
に、ボトルのノズル先端部に当接するようにコンタクトリングが形成されていることもあ
る。この場合のボトルのノズル部のシールは、主としてこのインナーリング、アウターリ
ングのシール部がボトルのノズル部に圧接されることによって行われ、コンタクトリング
がある場合は、さらにシール効果が高まるようになっている。
インナーリング、アウターリング、およびコンタクトリングのシール部(シールポイン
ト)は、それぞれ環状の凸部に形成され、この凸部とノズルのシール部とが圧接状態で当
接されることにより、好適なシール状態が保たれるようになっている。また、このシール
構造は、通常、インナーリングがアウターリングよりも長めに形成され、インナーリング
とノズルの当接力が最大になるように構成されている。
ボトルのノズルからキャップを開栓するには、キャップを開栓方向に回転することによ
りタンパーエビデント裾部内面に形成された上向きのフラップが顎部(かぶら)に当接し
、キャップの上昇が阻止されることにより、キャップの回転力がタンパーエビデントの弱
化ラインに作用し、弱化ラインが破断(ブリッジブレーク)し、キャップが上昇する。キ
ャップが上昇すると、最初にキャップのコンタクトリングが容器口部と離間し、ついでア
ウターリング、さらにインナーリングの順序でシールが解除されることになり、ボトルの
シール構造は完全に解除される。
したがって、ボトルの開栓は、最初に必ず弱化ラインの破断を伴うことにより、ボトル
が開栓されたか否かを弱化ラインの破断の有無によって容易に確認することができるもの
であり、これによって、いたずらによるボトルの開栓は簡単に判別されるようになってい
る。
つまり、ボトルの開栓を弱化ラインの破断によってのみ確認するためには、弱化ライン
の破断(ブリッジブレーク)がなされた後で、シールブレークがなされることが必須であ
り、この条件が満たされるかぎり、タンパーエビデント機能が完全に果たされることにな
る。
ところが、特許文献2にも見られるように、タンパーエビデント裾部に形成されている
係止片とボトル係止顎部の位置関係、成形精度、樹脂の弾性変形や係止片の滑りなどによ
り、上記弱化ラインの破断よりもノズル部のシール状態が破れるシールブレークが先に起
こる現象のあることが報告されている。タンパーエビデント裾部の弱化ラインの破断に先
駆けて、ノズル部のシール状態が毀損され、シールブレーク状態になった場合には、ボト
ルの開栓を弱化ラインの破断で確認することができるタンパーエビデント特性を果たすこ
とができないものであり、特許文献2においては、その解決方法として、キャップの上方
への移動でなくて開栓回転方向への回転自体を阻止することによって、キャップのスカー
ト壁に形成されている周方向弱化ラインにおけるブリッジの破断を伴うことなく、キャッ
プを幾分か回転せしめてノズルに対するシール手段の密封を解除してノズル部のシール状
態を毀損することを不可能にする方法を開示している。
本発明者らは、上記ノズル部のシール状態の毀損がどのような現象に起因するのかを度
重なる実験によって解析し、その原因を排除することで上記問題の解決を図ることに着眼
した。その結果、ノズル部のシール状態の毀損は、ノズル部の外周面に形成する雄螺条に
対応する内周面部分がヒケて、ノズル内周面の平滑度が保てなくなり、ノズル内周面のシ
ール部と当接されるインナーリングとの間のリーク角度が不安定になり、シール不良が発
生することが確認された。そしてこの傾向は、ノズル部を熱結晶化してあるポリエステル
樹脂製ボトルで著しかった。
そこで、本発明の目的は、ノズル部内周面のインナーリング当接部の平滑度を保持し、
ノズル内周面とインナーリング当接部のリーク角度を安定化し、ノズル部のシール状態の
毀損を防止することにより、容器蓋との組み合わせにおいて確実なタンパーエビデント性
を有するボトルのノズル構造を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、下記の構成からなること
を特徴とする。
(1)筒状のノズルを有し、該ノズル外周面に雄螺条が形成されたボトルと、天面壁及び
該天面壁周縁から垂下する円筒状のスカート壁を有し、該スカート壁は、下方の周方向へ
形成された弱化ラインよりも上方の主部と、該弱化ラインよりも下方のタンパーエビデン
ト裾部とからなり、該スカート壁の主部内周面には、容器ノズルの外周面に形成された該
雄螺条に螺合する雌螺条が形成されており、少なくとも該天面壁から垂下し容器ノズルの
内周面を環状にシールするインナーリングを備えた容器蓋からなる組み合わせにおいて、
上記ノズル内周面におけるインナーリングのシールポイント位置と上記ノズル外周面の雄
螺条のネジ切り開始位置との位置関係を、ノズル先端からノズル内周面におけるインナー
リングのシールポイントまのノズル軸方向の長さをh1、ノズル先端からノズル外周面の
雄螺条のネジ切り開始位置におけるネジ山頂点中央までのノズル軸方向の長さをh2とし
たとき、h1<h2とすることにより、開封時に上記弱化ラインが破断した後に密封が破
れるようにしたことを特徴とするボトルのノズル構造である。
(2)開封時に、容器蓋の旋回動作を開始してから上記弱化ラインが破断するまでに、容
器蓋がノズル軸方向上方に移動する距離をLとしたとき、L<h1である前記(1)に記
載のボトルのノズル構造である。
(3)上記ボトルがポリエステル樹脂製であり、ノズルが熱結晶化処理してある前記(1
)または(2)に記載のボトルのノズル構造である。
(4)上記ネジ切り開始位置とインナーリングのシールポイントとの距離(△h=h2−
h1)が、0.4mm≦△h≦2.0mmである前記(1)ないし(3)のいずれか一項
記載のボトルのノズル構造である。
(5)上記ネジ切り開始位置が、2.7mm≦h2≦4.0mmである前記(1)ないし
(4)のいずれか一項記載のボトルのノズル構造である。
(6)上記容器口部は、上記インナーリングと、ノズル外周面を環状にシールするアウタ
ーリングと、ノズル先端部をシールするコンタクトリングの3点でシールされている前記
(1)ないし(5)のいずれか一項記載のボトルのノズル構造である。
本発明によれば、タンパーエビデント特性を有する蓋を螺合したボトルのノズル先端か
らノズル内周面におけるインナーリングのシールポイントまのノズル軸方向の長さ(h1
)を、ノズル先端からノズル外周面の雄螺条のネジ切り開始位置におけるネジ山頂点中央
までのノズル軸方向の長さ(h2)よりも小さくする(h1<h2)ことにより、該ノズ
ル内周面とインナーリングとのシールポイント部においてネジ部内周面に発生するヒケの
影響が防止でき、当該部位のシール状態が強固に保たれ、容器蓋の開栓が弱化ラインの破
断に先駆けてシール部のブレークが起きることがなくなり、ブリッジブレークの後にシー
ルブレークがもたらされるというタンパーエビデント特性を有する容器本来の機能を確実
なものとしてタンパーエビデント容器の信頼性を高めることができる。
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1、2は、本発明のタンパーエビデント特性を有する容器蓋と、該容器蓋に螺合され
、不正開封の事実を弱化ラインの破断によって確認出来るようにされたボトルのノズル構
造を説明するための図であり、図1は容器蓋の一例を示し、図2はボトルのノズル構造の
一例を示すものである。
容器蓋1 は、天面壁11及び該天面壁周縁から垂下する円筒状のスカート壁12を有し
、該スカート壁12は、下方の周方向へ形成された弱化ライン13よりも上方の主部14
と、該弱化ライン13よりも下方のタンパーエビデント裾部15とからなっている。該ス
カート壁12の主部14内周面には、容器ノズルの外周面に形成された雄螺条に螺合する
雌螺条16が形成されており、さらに、少なくとも該天面壁11内面から垂下し容器ノズ
ルの内周面24を環状にシールするインナーリング17を備えている。
インナーリング17は、ノズルに容器蓋が螺合された際、アウターリング18と協同し
てボトルのノズル先端を挟み込んだ状態でノズル壁内外周面を環状にシールするものであ
り、インナーリング17もアウターリング18も、ノズル壁面との当接部、つまりシール
部は、環状の凸部( シールポイント) 17a,18aとして形成されていることが好まし
い。また、インナーリング17とアウターリング18の間の天面壁部分にコンタクトリン
グ19が凸設されていることにより、ノズルの先端部をもシールすることができ、シール
強度がよりすぐれたものになる。
容器蓋1の下方の周方向に刻設される弱化ライン13は、容器蓋の開栓時に主部14と
タンパーエビデント裾部15に分離するためのものであり、主部14とタンパーエビデン
ト裾部15は弱化ラインが刻設された内周面に橋架け状態で形成されているブリッジ13
aによって連接されている。
上記容器蓋が螺合されるノズル2は、ノズルの外周面に雄螺条21が形成されており、
この雄螺条21と容器蓋内周面に形成されて雌螺条16が螺合し、これに伴ってインナー
リング、アウターリング、及びコンタクトリングがノズル先端部及びノズル壁内外周面と
当接することによって容器は完全に密封状態となる。
本発明においては、容器蓋1と容器ノズルの内周面24とで形成されるシールポイント
17aが、ノズル外周面の雄螺条21のネジ切り開始位置より上のノズル先端側に位置す
ることが重要である。後述するように、ノズル外周面に螺条が存在すると、対応するノズ
ル内周面にヒケ( 微小な凹み) が存在する場合があり、その位置にシールポイントがきた
場合に密封が破れリークが発生しやすくなる。しかし本発明のようにシールポイントがノ
ズル外周面のネジ切り開始位置より上にあると、開栓時に容器蓋を旋回してもシールポイ
ントがヒケの部分に位置することがなくノズル内周面が平滑なので、シールポイントがノ
ズル先端部近くに達するまで密封が保たれるのである。
本発明の容器と蓋は、いずれもそれ自体公知のプラスチックで成形されており、通常、
ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂や、高密度ポリエチレンやポリプロ
ピレンなどの熱可塑性樹脂が用いられる。
ノズル部の下方には、顎(かぶら)22と、その下方に位置する環状フランジ23が形
成されている。
タンパーエビデント裾部の内面には、ノズルの下方に形成される顎部(かぶら)22の
下部に当接される上向きのフラップ15aが形成されている。このフラップは、蓋の成形
時には下向きに一体成形されているが、容器への蓋の螺合時に上向きの状態にして組み立
てられる。容器蓋がタンパーエビデント機能を確実に果たすためには、ノズル2に容器蓋
1を螺合したときに、上記フラップ15aがノズルのかぶらの下部に位置するように嵌合
することが重要であり、この嵌合状態が保持されている限り、容器口部の密封状態が毀損
することはなく、開封に際しては、弱化ラインが真っ先に破断することになり、不正防止
機能が達成できる。
容器蓋の開栓に当たっては、容器蓋を開栓方向に回転させれば、螺条の係合により容器
蓋は回転しながら上昇するが、すぐにタンパーエビデント裾部のフラップ15aがノズル
下方のかぶら22の下部に当接し、容器蓋はそれ以上に上昇することは出来なくなり、容
器蓋の回転力は、弱化ライン13のブリッジ13aを破断する力となって作用する。弱化
ラインのブリッジが破断する、つまりブリッジブレークすれば容器蓋の主部14は回転し
ながら上昇することになり、これによって、まず、コンタクトリングが容器口部と離間し
、ついで、ブリッジブレークとアウターリングのシールブレークが起こり、最後にインナ
ーリングのシール部がシールブレークすることによって容器の密封状態が解除される。
つまり、容器蓋の開栓は、蓋の開栓方向への回転により、先ずブリッジブレークが起こ
り、ついで、シールブレークに至る状態が、タンパーエビデント特性を正常に利用した形
態であるといえる。
本発明においては、ノズル先端からシールポイントまでの長さ(h1)を、容器蓋が開
封時に旋回動作を開始してから弱化ラインが破断するまでにノズル軸方向上方に移動する
距離(L)よりも、大きくすることが好ましい。これにより、開封時にブリッジブレーク
がシールブレークよりも早く起きることが、より確実になる。Lの値は、通常、1.0m
m≦L≦2.0mm程度である。
図3は、ノズル外周面の雄螺条のネジ切り開始位置がノズル内周面におけるインナーリ
ングのシールポイント位置よりも上に形成されている従来のタンパーエビデント特性を有
する容器の例ではあるが、密封状態からブリッジブレークを経てシールブレークに至る状
況を断面図で示したものであり、(A)は密封状態、(B)はブリッジブレーク状態、(
C)はシールブレーク状態を示している。
図3からも分かるように、密封状態(A)では、容器蓋の雌螺条16の上方がノズルの
雄螺条21の下方に当接すると共に、インナーリング17、アウターリング18ならびに
コンタクトリング19は、ノズルの先端部の内周面、外周面ならびに先端部分をいずれも
しっかりとシールしている。
また、タンパーエビデント裾部15内周面に形成されている上向きのフラップ15aが
、ノズルのかぶら22下部に位置していることが分かる。
次いで、容器蓋を開栓方向に回転させると、(B)に示したように、すぐに、タンパー
エビデント内周面のフラップ15aは、ノズルのかぶら22の下部に当接されるため、回
転力を継続することによって、弱化ライン13のブリッジ13aが破断すれば、容器蓋1
は回転しながら上昇し、(C)に示すように、アウターリング18、コンタクトリング1
9、さらにインナーリング17のシール状態をブレークし、容器の密封状態が解除される
ことになる。
ところで、特許文献2にも記載されているように、タンパーエビデント裾部に形成され
た係止フラップの弾性的変形、高温環境に置かれた場合の内圧の異常な高まり、あるいは
輸送中の衝撃などによって、上記弱化ラインの破断よりも先にノズル部のシール状態が破
れてリークの発生することが指摘されている。
本発明者らは、このリークの発生が何ゆえに起こるかを徹底的に実験を重ねながら解析
した結果、ノズル内壁24とインナーリング17が当接するポイント17aの部分に、ノ
ズル外周面に形成した雄螺条の影響でその内周面にヒケが起きており、そのヒケの部分に
当接するインナーリングのシールポイント17aとのシール状態が毀損されることにより
リークの発生がもたらされていることを突き止めた。このヒケは、例えば飲料用のポリエ
ステル製ボトルの場合、ノズルの熱結晶化工程で発生しやすい。
図5に、インナーリングのシールポイントがノズル内周面のヒケによってリーク状態に
なる様子を模式的に示した。
本発明者らは、ノズル内周面24のインナーリング17との当接ポイントにネジ部内周
面に発生するヒケの影響がでないようにする方法について実験を重ねたところ、ノズル外
周面の雄螺条21のネジ切り開始位置が、上記ノズル内周面24におけるインナーリング
のシールポイント位置より下に設定することにより、インナーリングのシールポイント部
分のヒケが防止できることが確認された。
ところが従来、一般にボトルのノズルは、ネジ切り開始位置がシールポイントよりも若
干上に設定されており、これが標準的なものとして扱われてきているため、ノズルの外周
面の雄螺条のネジ切り位置を変更するという発想は従来の技術常識を転換するものである
本発明者らの実験によれば、雄螺条のネジ切り開始位置とインナーリングのシールポイ
ントとの距離(△h)が、0.4mm≦△h≦2.0mmである時に、ノズル内周面24
インナーリングのシールポイントにおけてネジ部内周面に発生するヒケの影響を防止でき
ることが確認された。
図4に、本発明におけるシールポイントと雄螺上のネジ切り開始位置との関係を示した
。雄螺条のネジ切り開始位置とインナーリングのシールポイントとの距離(△h)は、ノ
ズル先端からネジ切り開始位置までのノズル軸方向の長さ(h2)から、ノズル先端から
シールポイント位置までのノズル軸方向の長さ(h1)をマイナスした値と定義される。
本発明においては、この△hの値が0.4mm≦△h≦2.0mmであることが好ましい
。△hが0.4mm未満だとノズル内周面のシールポイントが内周面のノズル内周面の平
滑でない部分にくることになり、漏れが発生しやすい。また、開栓時に密封が破れるまで
に容器蓋が旋回する角度(リーク角度)が安定せず、ブッリジブレークよりもシールブレ
ークが先に起こる虞が高くなる。一方、△hが2.0mmよりも大きいと、性能は変わら
ずにノズルハイト、キャップハイトが高くなるため、材料が多く必要となりコストアップ
となる。したがって△hの範囲の上限は、1.0mm以下がより好ましい。
また、本発明者らの実験によれば、本発明の上記ネジ切り開始位置は、2.7mm≦h
2≦4.0mmの間に設定されることが好ましい。h2が2.7mm未満だと、ノズル内
周面のヒケの影響から開栓時のリーク角度が安定せず、ブリッジブレーク前にリークが起
きやすい。また、h2が4.0mmよりも大きいとノズルハイト、キャップハイトが不要
に高くなり、コストアップとなる。したがってh2の範囲の上限は、3mm以下がより好
ましい。
ノズル呼び口径38mmのポリエチレンテレフタレート製の飲料用耐熱ボトル(容量3
50ml)と図1形状のポリプロピレン製タンパーエビデント・キャップの組み合わせに
おいて、ノズル形状(h1,h2)を変えて、開栓時のタンパーエビデント性を試験した
。ブリッジブレークの後、シールブレークが起きたものの割合を表1に示す。なお、用い
たキャップのブリッジブレークに必要なブリッジ部の伸び量は平均1.3mm(1.0〜
2.0mm)で、キャップの旋回動作を開始してから弱化ラインが破断するまでにキャッ
プがノズル軸方向上方に移動する距離Lは、約1.5mmであった。85℃の熱水を充填
しキャッピングしたのちシャワーにて冷却後、常温にて開栓を行った。結果を表1に示す
Figure 2004352360
表1の結果から、h1<h2である実施例1〜3は、全てブリッジブレークしてからシ
ールブレークが起きており確実なタンパーエビデント特性が得られることがわかる。一方
h1=h2である比較例2では、全てブリッジブレークよりもシールブレークが先に起こ
った。さらに△h=0.3mmの比較例1でも十分なタンパーエビデント性は得られなか
った。
タンパーエビデント特性を有する容器蓋の部分断面図である。 図1の容器蓋を螺合するボトルのノズル部の部分断面図である。 タンパーエビデント特性が正常に履行される状態を(A)ないし(C)で示した断面図である。 本発明におけるネジ切り開始位置を説明するための部分断面図である。 ノズル内周面のシール部分がヒケ、リークが発生した状態を示す模式図である。
符号の説明
1 容器蓋
2 ノズル
11 容器蓋天面壁
12 スカート壁
13 弱化ライン
14 ブリッジ
15 容器蓋主部
15a タンパーエビデント裾部
16 雌螺条
17 インナーリング
17a インナーリングシールポイント
18 アウターリング
18a アウターリングシールポイント
19 コンタクトリング
21 雄螺条
22 かぶら
23 環状フランジ
24 ノズル内周面

Claims (6)

  1. 筒状のノズルを有し、該ノズル外周面に雄螺条が形成されたボトルと、天面壁及び該天
    面壁周縁から垂下する円筒状のスカート壁を有し、該スカート壁は、下方の周方向へ形成
    された弱化ラインよりも上方の主部と、該弱化ラインよりも下方のタンパーエビデント裾
    部とからなり、該スカート壁の主部内周面には、容器ノズルの外周面に形成された該雄螺
    条に螺合する雌螺条が形成されており、少なくとも該天面壁から垂下し容器ノズルの内周
    面を環状にシールするインナーリングを備えた容器蓋からなる組み合わせにおいて、上記
    ノズル内周面におけるインナーリングのシールポイント位置と上記ノズル外周面の雄螺条
    のネジ切り開始位置との位置関係を、ノズル先端からノズル内周面におけるインナーリン
    グのシールポイントまのノズル軸方向の長さをh1、ノズル先端からノズル外周面の雄螺
    条のネジ切り開始位置におけるネジ山頂点中央までのノズル軸方向の長さをh2としたと
    き、h1<h2とすることにより、開封時に上記弱化ラインが破断した後に密封が破れる
    ようにしたことを特徴とするボトルのノズル構造。
  2. 開封時に、容器蓋の旋回動作を開始してから上記弱化ラインが破断するまでに、容器蓋
    がノズル軸方向上方に移動する距離をLとしたとき、L<h1である請求項1記載のボト
    ルのノズル構造。
  3. 上記ボトルがポリエステル樹脂製であり、ノズルが熱結晶化処理してある請求項1また
    は2記載のボトルのノズル構造。
  4. 上記ネジ切り開始位置とインナーリングのシールポイントとの距離(△h=h2−h1
    )が、0.4mm≦△h≦2.0mmである請求項1ないし3のいずれか一項記載のボト
    ルのノズル構造。
  5. 上記ネジ切り開始位置が、2.7mm≦h2≦4.0mmである請求項1ないし4のい
    ずれか一項記載のボトルのノズル構造。
  6. 上記容器口部は、上記インナーリングと、ノズル外周面を環状にシールするアウターリ
    ングと、ノズル先端部をシールするコンタクトリングの3点でシールされている請求項1
    ないし5のいずれか一項記載のボトルのノズル構造。
JP2003339995A 2003-05-08 2003-09-30 ボトルのノズル構造 Pending JP2004352360A (ja)

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