JP2004352153A - 車両状態制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両状態制御装置10は、前方障害物検出するとともに相対距離Lおよび相対速度VRを取得する。また、装置10は、自車両が現在走行している道路の種別を表す道路種別情報を取得し、自車両が現在自動車専用道路等を走行しているか否かを判定する。また、装置10は、相対速度VRが所定の相対速度以上であるか否かを判定する。そして、装置10は、自車両が自動車専用道路等を走行しており、相対速度VRが所定の相対速度以上であれば、作動開始タイミングおよび作動量の変更指示を表す早期作動フラグFRG_Rを”1”に設定する。これにより、乗員保護装置60は、作動開始タイミングを早くするとともに作動量を乗員保護効果大となるように変更する。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自車両と障害物との衝突の回避制御および衝突時に乗員保護装置を作動制御する車両状態制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば、特許文献1に示すように、自車両の走行環境を考慮して、自車両と対向車との衝突を回避する走行安全装置は知られている。この走行安全装置は、走行環境(道路の車線数や走行位置が郊外か市街地かなど)に応じて、操舵装置を自動的に操舵する操舵制御量を変更する。これにより、自車両と対向車との衝突を的確に回避するようになっている。
【0003】
また、例えば、特許文献2に示すように、衝突対象物の形状や乗員の搭乗位置に応じて、自車両の走行状態を変化させて、衝突時のダメージを抑える車両用衝突制御装置も知られている。この車両用衝突制御装置は、自車両と対象物との相対距離および相対速度に基づいて、衝突を回避可能であるか否かを判定する。そして、衝突回避が不能であるときには、自車両のダメージ最小部位で対象物と衝突するように自車両の車両姿勢を制御する。これにより、自車両と対象物との衝突によるダメージを小さく抑えるようになっている。
【0004】
また、例えば、特許文献3に示すように、自車両が走行している領域や地域の危険度に応じてシートベルトの張力を変更可能とするシートベルト装置も知られている。このシートベルト装置は、ナビゲーション装置を利用して、自車両の現在地を検出し、進行方向に存在するカーブや交差点などの危険地点の手前で予めシートベルト張力を上昇させる。これにより、万が一衝突が発生しても、効果的に乗員を拘束できるようになっている。
【0005】
また、例えば、特許文献4に示すように、車両に関する各種情報に基づいて、乗員の傷害リスクを推定して、乗員拘束を行う車両安全装置も知られている。この車両安全装置は、乗員が車両に乗車している状態や車両の走行状態に基づいて、乗員が受け得る傷害リスクを推定する。そして、推定した傷害リスクに対応して、乗員拘束手段(シートベルト装置やエアバック装置)の拘束状態(作動速度)を選択する。これにより、推定した傷害リスクに適切に対応した乗員拘束を行うことができる。
【0006】
さらに、例えば、特許文献5に示すように、路面状態を的確に判定して他車両や障害物との衝突を防止する衝突防止制御装置も知られている。この衝突防止制御装置は、自車両や他車両の速度や加速度、最大減速度に基づいて、衝突余裕時間および衝突余裕距離を演算する。そして、衝突余裕時間または衝突余裕距離の少なくとも一方が所定のしきい値未満になったときに、衝突防止の制御(例えば、制動力制御など)を行う。これにより、自車両と他車両や障害物との衝突を防止するようになっている。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−67396号公報
【特許文献2】
特開2000−95130号公報
【特許文献3】
特開2001−10447号公報
【特許文献4】
特開2001−247005号公報
【特許文献5】
特開2002−67843号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の各装置においては、自車両の車速や自車両と障害物との相対速度などに基づいて各装置の制御量を変更して、自車両と障害物との衝突を回避したり、衝突したときの乗員への衝撃を低減したりできる。ところで、特に自車両の車速や自車両と障害物との相対速度が大きくなった状態では、衝突回避が難しくなるとともに、衝突時の衝撃が大きくなり乗員に対する影響も大きくなる。このため、自車両の車速や相対速度が大きい状態で自車両と障害物とが衝突した場合であっても、乗員への衝突による衝撃を確実に低減することが望まれている。
【0009】
【発明の概要】
本発明は、上記した問題に対処するためになされたものであり、その目的は、自車両と衝突する可能性の高い前方障害物との相対速度が大きい場合であっても、乗員保護装置を的確に作動させる車両状態制御装置を提供することにある。
【0010】
本発明の特徴は、自車両の衝突を回避し、または、自車両の衝突による衝撃から乗員を保護する乗員保護装置の作動を制御する車両状態制御装置において、自車両が現在走行している道路の種別を表す道路種別情報を取得する道路種別情報取得手段と、前記道路情報取得手段によって取得した道路種別情報に基づいて、自車両が現在走行している道路が予め設定された特定の道路であるか否かを判定する特定道路判定手段と、前記特定道路判定手段によって自車両が前記特定の道路上を走行していると判定すると、前記乗員保護装置の作動開始時期を早める側に変更する作動開始時期変更手段とを備えたことにもある。
【0011】
この場合、さらに、自車両の進行方向上に存在する前方障害物を検出する前方障害物検出手段を備えて、前記作動開始時期変更手段は、前記前方障害物検出手段によって前方障害物を検出するとともに、前記特定道路判定手段によって自車両が前記特定の道路上を走行していると判定すると、前記乗員保護装置の作動開始時期を早める側に変更するとよい。また、さらに、前記前方障害物検出手段によって検出した前方障害物と自車両との間の相対速度を検出する相対速度検出手段と、前記相対速度検出手段によって検出した前記前方障害物と自車両との間の相対速度が所定の相対速度以上であるか否かを判定する相対速度判定手段とを備えて、前記作動開始時期変更手段は、前記特定道路判定手段によって自車両が前記特定の道路上を走行していると判定するとともに、前記相対速度判定手段によって前記前方障害物と自車両との間の相対速度が所定の相対速度以上であると判定すると、前記乗員保護装置の作動開始時期を早める側に変更するとよい。
【0012】
また、本発明の他の特徴は、自車両の衝突を回避し、または、自車両の衝突による衝撃から乗員を保護する乗員保護装置の作動を制御する車両状態制御装置において、自車両が現在走行している道路の種別を表す道路種別情報を取得する道路種別情報取得手段と、前記道路情報取得手段によって取得した道路種別情報に基づいて、自車両が現在走行している道路が予め設定された特定の道路であるか否かを判定する特定道路判定手段と、前記特定道路判定手段によって自車両が前記特定の道路上を走行していると判定すると、前記乗員保護装置の作動開始時期を早める側に変更する作動開始時期変更手段と、前記特定道路判定手段によって自車両が前記特定の道路上を走行していると判定すると、前記乗員保護装置の作動量を乗員保護効力が大となる作動量に変更する作動量変更手段とを備えたことにもある。
【0013】
この場合、さらに、自車両の進行方向上に存在する前方障害物を検出する前方障害物検出手段を備えて、前記作動開始時期変更手段は、前記前方障害物検出手段によって前方障害物を検出するとともに、前記特定道路判定手段によって自車両が前記特定の道路上を走行していると判定すると、前記乗員保護装置の作動開始時期を早める側に変更し前記作動量変更手段は、前記前方障害物検出手段によって前方障害物を検出するとともに、前記特定道路判定手段によって自車両が前記特定の道路上を走行していると判定すると、前記乗員保護装置の作動量を乗員保護効力が大となる作動量に変更するとよい。また、さらに、前記前方障害物検出手段によって検出した前方障害物と自車両との間の相対速度を検出する相対速度検出手段と、前記相対速度検出手段によって検出した前記前方障害物と自車両との間の相対速度が所定の相対速度以上であるか否かを判定する相対速度判定手段とを備えて、前記作動開始時期変更手段は、前記特定道路判定手段によって自車両が前記特定の道路上を走行していると判定するとともに、前記相対速度判定手段によって前記前方障害物と自車両との間の相対速度が所定の相対速度以上であると判定すると、前記乗員保護装置の作動開始時期を早める側に変更し、前記作動量変更手段は、前記特定道路判定手段によって自車両が前記特定の道路上を走行していると判定するとともに、前記相対速度判定手段によって前記前方障害物と自車両との間の相対速度が所定の相対速度以上であると判定すると、前記乗員保護装置の作動量を乗員保護効力が大となる作動量に変更するとよい。
【0014】
さらに、本発明の他の特徴は、自車両の衝突を回避し、または、自車両の衝突による衝撃から乗員を保護する乗員保護装置の作動を制御する車両状態制御装置において、自車両が現在走行している道路の種別を表す道路種別情報を取得する道路種別情報取得手段と、前記道路情報取得手段によって取得した道路種別情報に基づいて、自車両が現在走行している道路が予め設定された特定の道路であるか否かを判定する特定道路判定手段と、前記特定道路判定手段によって自車両が前記特定の道路上を走行していると判定すると、前記乗員保護装置の作動量を乗員保護効力が大となる作動量に変更する作動量変更手段とを備えたことにもある。
【0015】
この場合、さらに、自車両の進行方向上に存在する前方障害物を検出する前方障害物検出手段を備えて、前記作動量変更手段は、前記前方障害物検出手段によって前方障害物を検出するとともに、前記特定道路判定手段によって自車両が前記特定の道路上を走行していると判定すると、前記乗員保護装置の作動量を乗員保護効力が大となる作動量に変更するとよい。また、さらに、前記前方障害物検出手段によって検出した前方障害物と自車両との間の相対速度を検出する相対速度検出手段と、前記相対速度検出手段によって検出した前記前方障害物と自車両との間の相対速度が所定の相対速度以上であるか否かを判定する相対速度判定手段とを備えて、前記作動量変更手段は、前記特定道路判定手段によって自車両が前記特定の道路上を走行していると判定するとともに、前記相対速度判定手段によって前記前方障害物と自車両との間の相対速度が所定の相対速度以上であると判定すると、前記乗員保護装置の作動量を乗員保護効力が大となる作動量に変更するとよい。
【0016】
また、これらの場合、前記道路種別情報取得手段は、自車両に搭載されたナビゲーション装置から前記道路種別情報を取得するとよい。また、前記道路種別情報取得手段は、自車両の走行する道路に設けられた送信装置を介して、外部から前記道路種別情報を取得するとよい。また、前記道路種別情報取得手段は、自車両の走行する道路に埋設されたケーブルを介して、外部から前記道路情報種別情報を取得するとよい。また、前記特定の道路は、自車両が高速走行可能な道路であるとよい。前記特定の道路は、片側複数車線の道路であるとよい。さらに、前記特定の道路は、自動車専用道路であるとよい。
【0017】
これらによれば、車両状態制御装置は、道路種別情報取得手段によって、道路種別情報(例えば、高速道路、国道や県道などの種別を表す情報)を取得することができる。このとき、道路種別情報取得手段は、道路種別情報を、自車両に搭載されたナビゲーション装置から取得することができる。また、道路に設置された送信装置を介して、道路種別情報を外部から取得することもできる。このように外部から取得する道路種別情報としては、例えば、交通情報センターなどから提供されるVICS(Vehicle Information and Communication System)情報に含まれて送信される道路情報などである。また、道路に埋設されたケーブル(例えば、漏洩同軸ケーブルなど)を介して、例えば、路車間通信によってケーブルから漏洩した電波を受信して道路種別情報を外部から取得することもできる。これにより、車両状態制御装置は、道路種別情報を正確にかつ容易に取得することができる。
【0018】
また、車両状態制御装置は、取得した道路種別情報に基づき、特定道路判定手段によって、自車両が走行している道路が特定の道路であるか否かを判定することができる。このとき、特定の道路としては、片側複数車線の道路や自動車専用道路など、自車両が高速走行可能な道路とすることができる。これにより、車両状態制御装置は、自車両が高速走行可能な状態であるか否かを確実に判定することができる。
【0019】
そして、車両状態制御装置は、自車両が特定の道路を走行しているときには、作動開始時期変更手段によって、乗員保護装置の作動開始時期(作動開始タイミング)を早める側に変更することができる。これにより、車両状態制御装置は、自車両の車速が大きい場合であっても、乗員保護装置を最適なタイミングで作動を開始させることができて、乗員への衝突による衝撃を確実に低減することができる。
【0020】
また、車両状態制御装置は、自車両が特定の道路を走行しているときには、作動量変更手段によって、乗員保護装置が乗員保護効力を大きくすることができる作動量に変更することができる。これにより、車両状態制御装置は、自車両の車速が大きい場合であっても、乗員保護装置の乗員保護効果を十分に発揮させることができて、乗員への衝突による衝撃を確実に低減することができる。
【0021】
また、車両状態制御装置は、前方障害物検出手段によって前方障害物を検出することができる。そして、車両状態制御装置は、前方障害物を検出した状態で、自車両が特定の道路上を走行していると判定したときに、作動開始時期変更手段によって、乗員保護装置の作動開始時期(作動開始タイミング)を早める側に変更することができる。これにより、車両状態制御装置は、自車両の車速が大きい場合であっても、乗員保護装置を最適なタイミングで作動を開始させることができて、乗員への衝突による衝撃を確実に低減することができる。また、前方障害物との衝突する可能性を考慮して作動開始時期を変更することができて、より最適なタイミングで乗員保護装置を作動させることができる。
【0022】
また、車両状態制御装置は、前方障害物を検出した状態で、自車両が特定の道路上を走行していると判定したときに、作動量変更手段によって、乗員保護装置が乗員保護効力を大きくすることができる作動量に変更することができる。これにより、車両状態制御装置は、自車両の車速が大きい場合であっても、乗員保護装置の乗員保護効果を十分に発揮させることができて、乗員への衝突による衝撃を確実に低減することができる。また、前方障害物との衝突する可能性を考慮して作動量を変更することができて、より最適な作動量で乗員保護装置を作動させることができる。
【0023】
また、車両状態制御装置は、検出した相対速度が所定の相対速度以上であるか否かを判定することができる。そして、車両状態制御装置は、前方障害物との相対速度が所定の相対速度以上であり、自車両が特定の道路上を走行していると判定したときに、作動開始時期変更手段によって、乗員保護装置の作動開始時期(作動開始タイミング)を早める側に変更することができる。これにより、車両状態制御装置は、自車両と前方障害物との相対速度が大きい場合であっても、乗員保護装置を最適なタイミングで作動を開始させることができて、乗員への衝突による衝撃を確実に低減することができる。
【0024】
さらに、車両状態制御装置は、前方障害物との相対速度が所定の相対速度以上であり、自車両が特定の道路上を走行していると判定したときに、作動量変更手段によって、乗員保護装置が乗員保護効力を大きくすることができる作動量に変更することができる。これにより、車両状態制御装置は、自車両と前方障害物との相対速度が大きい場合であっても、乗員保護装置の乗員保護効果を十分に発揮させることができて、乗員への衝突による衝撃を確実に低減することができる。
【0025】
また、本発明の他の特徴は、自車両の衝突を回避し、または、自車両の衝突による衝撃から乗員を保護する乗員保護装置の作動を制御する車両状態制御装置において、自車両の進行方向上に存在する前方障害物を検出する前方障害物検出手段と、前記前方障害物検出手段によって検出した前方障害物と自車両との間の相対速度を検出する相対速度検出手段と、前記相対速度検出手段によって検出した前記前方障害物と自車両との間の相対速度が所定の相対速度以上であるか否かを判定する相対速度判定手段と、前記相対速度判定手段によって前記前方障害物と自車両との間の相対速度が所定の相対速度以上であると判定すると、前記乗員保護装置の作動開始時期を早める側に変更する作動開始時期変更手段とを備えたことにもある。
【0026】
また、本発明の他の特徴は、自車両の衝突を回避し、または、自車両の衝突による衝撃から乗員を保護する乗員保護装置の作動を制御する車両状態制御装置において、自車両の進行方向上に存在する前方障害物を検出する前方障害物検出手段と、前記前方障害物検出手段によって検出した前方障害物と自車両との間の相対速度を検出する相対速度検出手段と、前記相対速度検出手段によって検出した前記前方障害物と自車両との間の相対速度が所定の相対速度以上であるか否かを判定する相対速度判定手段と、前記相対速度判定手段によって前記前方障害物と自車両との間の相対速度が所定の相対速度以上であると判定すると、前記乗員保護装置の作動開始時期を早める側に変更する作動開始時期変更手段と、前記相対速度判定手段によって前記前方障害物と自車両との間の相対速度が所定の相対速度以上であると判定すると、前記乗員保護装置の作動量を乗員保護効力が大となる作動量に変更する作動量変更手段とを備えたことにもある。
【0027】
さらに、本発明の他の特徴は、自車両の衝突を回避するとともに自車両の衝突による衝撃から乗員を保護する乗員保護装置の作動を制御する車両状態制御装置において、自車両の進行方向上に存在する前方障害物を検出する前方障害物検出手段と、前記前方障害物検出手段によって検出した前方障害物と自車両との間の相対速度を検出する相対速度検出手段と、前記相対速度検出手段によって検出した前記前方障害物と自車両との間の相対速度が所定の相対速度以上であるか否かを判定する相対速度判定手段と、前記相対速度判定手段によって前記前方障害物と自車両との間の相対速度が所定の相対速度以上であると判定すると、前記乗員保護装置の作動量を乗員保護効力が大となる作動量に変更する作動量変更手段とを備えたことにもある。
【0028】
これらによれば、車両状態制御装置は、検出した前方障害物との間の相対速度を検出することができる。また、検出した相対速度が所定の相対速度以上であるか否かを判定することができる。そして、車両状態制御装置は、前方障害物との相対速度が所定の相対速度以上であると判定したときに、作動開始時期変更手段によって、乗員保護装置の作動開始時期(作動開始タイミング)を早める側に変更することができる。これにより、車両状態制御装置は、自車両が走行している道路の種別に関わらす、自車両と前方障害物との相対速度が大きい場合には、乗員保護装置を最適なタイミングで作動を開始させることができて、乗員への衝突による衝撃を確実に低減することができる。
【0029】
また、車両状態制御装置は、前方障害物との相対速度が所定の相対速度以上であると判定したときに、作動量変更手段によって、乗員保護装置が乗員保護効力を大きくすることができる作動量に変更することができる。これにより、車両状態制御装置は、自車両が走行している道路の種別に関わらず、自車両と前方障害物との相対速度が大きい場合には、乗員保護装置の乗員保護効果を十分に発揮させることができて、乗員への衝突による衝撃を確実に低減することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の第1実施形態を図面を用いて説明する。図1は、本第1実施形態に係り、自車両の走行状態に基づいて乗員保護装置を作動させる車両状態制御システムの全体を概略的に示すブロック図である。この車両状態制御システムは、自車両の走行状態を検出するとともに前方対象物との衝突可能性を予測判定する車両状態制御装置10と、ナビゲーション装置20と、自車両の衝突を回避する装置や車両の衝突時のダメージを軽減する装置などからなる乗員保護装置60とを備えている。
【0031】
車両状態制御装置10およびナビゲーション装置20は、バス30、ゲートウェイコンピュータ40およびLAN(Local Area Network)50を介して、互いに通信可能に接続されている。ここで、ゲートウェイコンピュータ40は、車両状態制御装置10とナビゲーション装置20との間で共有される各種データおよびこれら装置10,20の連携を制御する制御信号の流れを統括的に制御するコンピュータである。また、バス30には、乗員保護装置60が接続されており、車両状態制御装置10と通信可能とされている。
【0032】
車両状態制御装置10は、図2に示すように、車両状態電子制御ユニット11(以下の説明において、単に車両状態制御ECU11という)を備えている。車両状態制御ECU11は、CPU、ROM、RAM、タイマなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品としている。そして、車両状態制御ECU11は、ナビゲーション装置20および各センサから供給された各信号を取得して、図4および図5に示すプログラムを実行する。このため、車両状態制御ECU11には、車速センサ12、舵角センサ13、ヨーレートセンサ14およびレーダセンサ15が接続されている。ここで、これら各センサから出力された検出値は、後述するバスインターフェース16を介してバス30に出力されて、ナビゲーション装置20および乗員保護装置60によっても利用可能とされている。
【0033】
車速センサ12は、車速に応じたパルス信号に基づいて、車速Vを検出して出力する。舵角センサ13は、前輪の操舵角に応じた信号を出力する。そして、車両状態制御ECU11によって前輪の操舵角δが検出される。ヨーレートセンサ14は、自車両の重心周りの回転角速度に応じた信号に基づいて自車両のヨーレートγを検出して出力する。
【0034】
レーダセンサ15は、自車両の前端部(例えば、フロントグリル付近)に組み付けられており、ミリ波の送受信に要する時間に基づいて、自車両の前方の所定範囲内に存在する前方障害物との相対距離を表す相対距離Lおよび相対速度を表す相対速度VRを検出して出力する。また、レーダセンサ15は、自車両を基準として、前方障害物の存在方向(上下方向、左右方向)を検出し、同存在方向を表す存在方向情報も出力する。
【0035】
また、車両状態制御ECU11には、バスインターフェース16、LCX(Leaky Coaxial:漏洩同軸)漏洩電波受信機17およびVICS(Vehicle Information and Communication System)受信機18が接続されている。バスインターフェース16は、バス30に接続されており、ナビゲーション装置20からの各種情報を車両状態制御ECU11に供給したり、車両状態制御ECU11から供給される各センサ12,13,14,15,16の各検出値や各種情報をナビゲーション装置20および乗員保護装置60に出力したりする。
【0036】
LCX漏洩電波受信機17は、道路に沿って埋設されたLCXケーブルから漏洩した電波を受信するものである。ここで、LCXケーブルには、例えば、同ケーブルが埋設された道路の種別(高速道路、自動車専用道路、第1級国道など、以下、自動車専用道路等という)を表す道路種別情報や渋滞情報などを表す電気信号が流れており、この電気信号が一部漏洩するようになっている。VICS受信機18は、自動車専用道路等に沿って設置されたFM電波、電波ビーコンや光ビーコンなどの送信装置を介して、交通情報センターから提供される渋滞情報(渋滞が発生している道路を表す道路情報を含む)や交通情報などを受信するものである。
【0037】
ナビゲーション装置20は、図3に示すように、ナビゲーション電子制御ユニット21(以下の説明において、単にナビゲーションECU21という)を備えている。ナビゲーションECU21も、CPU、ROM、RAM、タイマなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品としている。そして、ナビゲーションECU21には、GPS(Global Positioning System)受信機22、ジャイロスコープ23、記憶装置24およびLANインターフェース25が接続されている。
【0038】
GPS受信機22は、自車両の現在地を検出するための電波を衛星から受信するとともに、自車両の現在地を例えば座標データとして検出して出力する。ジャイロスコープ23は、自車両の進行方位を検出するための車両の旋回速度を検出して出力する。そして、ナビゲーションECU21は、GPS受信機22およびジャイロスコープ23から出力された各検出値の取得に加えて、車速センサ12から出力された車速Vを取得して、自車両の現在地を検出する。
【0039】
記憶装置24は、ハードディスク、CD−ROM、DVD−ROMなどの記録媒体および同記録媒体のドライブ装置を含むものであり、ナビゲーションECU21で実行される図示しないプログラムおよび道路データを含む各種データを記憶している。ここで、道路データは、道路の種別(高速道路、自動車専用道路、国道、県道など)を表す道路種別データ、道路形状(車線数やカーブ半径など)を表す道路形状データを含んで構成されている。
【0040】
LANインターフェース25は、車両内に構築されたLAN50と接続し、ナビゲーションECU21とゲートウェイコンピュータ40との間の通信を可能とするものである。これにより、LANインターフェース25は、LAN50を介して、ナビゲーションECU21から出力された各種情報をゲートウェイコンピュータ40に供給したり、車両状態制御装置10から供給された各種情報をゲートウェイコンピュータ40から取得してナビゲーションECU21に供給したりする。
【0041】
乗員保護装置60は、車両状態制御装置10の衝突予測に基づいて衝突を回避するために自車両の走行状態を制御する装置や、車両衝突時に乗員に与えるダメージを軽減するための装置から構成されている。この乗員保護装置60としては、例えば、自車両の車速を減速制御する装置、運転者のブレーキ踏力を補助する装置、衝突を回避するためにステアリングを自動的に操舵する自動操舵装置、衝突時に乗員の前方への移動を防止する装置、エアバックの作動およびエアバック作動時の衝撃吸収効率を適正化する装置、衝撃エネルギーの吸収荷重を変更する装置、操作ペダルを移動する装置や乗員保護装置60および自車両の走行状態制御装置以外の装置への電源供給を遮断する遮断回路などがある。
【0042】
このように、乗員保護装置60は、各種装置から構成されるものであるが、本明細書においては、以下の説明を簡単にするために、図1に示すように、シートベルト装置61、ブレーキ装置62およびエアバック装置63から構成されるものとして説明する。
【0043】
シートベルト装置61は、自車両の衝突の直前または直後に、シートベルトを巻き取るとともに巻き取った位置でロックし、シートベルトが引き出されることを防止する装置である。この機能を実現するために、シートベルト装置61は、シートベルト電子制御装置(ECU)61aおよびシートベルトアクチュエータ61bから構成されている。シートベルトECU61aは、シートベルト装置61の作動すなわちシートベルトの巻き取りタイミングや巻き取り荷重、巻き取り速度などを制御するものである。シートベルトアクチュエータ61bは、例えば、シートベルトを巻き取るためのモータなどであり、シートベルトECU61aにより所定の作動開始タイミングおよび作動量に基づいて作動制御される。
【0044】
ブレーキ装置62は、適正な相対距離や相対速度を確保するために、自動的にブレーキ装置を作動させて自車両の車速を減速したり、運転者のブレーキペダル踏力を補助(詳しくは、ブレーキ油圧の増圧および増圧状態の維持)したりする装置である。この機能を実現するために、ブレーキ装置62は、ブレーキ電子制御装置(ECU)62aおよびブレーキアクチュエータ62bから構成されている。ブレーキECU62aは、ブレーキ装置62の作動すなわち車速の減速開始タイミングや運転者の踏力補助量などを制御するものである。ブレーキアクチュエータ62bは、例えば、ブレーキ油圧増圧アクチュエータなどであり、ブレーキECU62aにより所定の作動開始タイミングおよび作動量に基づいて作動制御される。
【0045】
エアバック装置63は、自車両の衝突を検出すると、エアバックを展開(例えば、2段式エアバックにおいては、同時展開または時差展開)し、乗員が車室内の構造物と衝突して負傷することを防止する装置である。この機能を実現するために、エアバック装置63は、エアバック電子制御装置(ECU)63aおよびエアバックインフレータ63bから構成されている。エアバックECU63aは、エアバック装置63の作動すなわち展開するエアバックの決定や2段式エアバックの展開タイミングなどを制御するものである。エアバックインフレータ63bは、エアバックを展開するためのガスを発生するものであり、エアバックECU61aによって点火タイミング(同時点火または時差点火)や展開率が作動制御される。
【0046】
次に、上記のように構成した本実施形態に係る車両状態制御システムの作動を詳細に説明する。図示しないイグニッションスイッチの投入により、車両状態制御装置10の車両状態制御ECU11は、図4の乗員保護装置作動条件変更プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行し始める。なお、図示しないイグニッションスイッチが投入されると、図示しない初期設定プログラムが実行される。
【0047】
この乗員保護装置作動条件変更プログラムの実行は、ステップC10にて開始され、ステップC11にて、車両状態制御ECU11は、レーダセンサ15によって出力された自車両前端から前方障害物までの相対距離Lおよび自車両と前方障害物との間の相対速度VRを取得する。そして、取得した相対距離Lおよび相対速度VRを今回のプログラムの実行によって入力されたことを表す今回相対距離Lnewおよび今回相対速度VRnewとして設定する。
【0048】
今回相対距離Lnewおよび今回相対速度VRnewの設定後、車両状態制御ECU11は、ステップC12にて、今回相対速度VRnewが正であるか否かを判定する。今回相対速度VRnewが正でなければ、ステップS12にて「No」と判定して、ステップC22に進み、プログラムの実行を一旦終了する。これは、今回相対速度VRnewが正でない場合には、自車両の前端部から前方障害物までの相対距離Lが変化しないまたは増加していることを意味し、この場合には、自車両が前方障害物に衝突する可能性がないので、衝突予測する必要がないからである。
【0049】
また、今回相対速度VRnewが正であれば、ステップC12にて「Yes」と判定して、ステップC13に進む。ステップC13においては、車両状態制御ECU11は、自車両走行道路情報取得ルーチンを実行する。この自車両走行道路情報取得ルーチンは、図5に示すように、ステップC100にて開始され、ステップC101からステップC105までの判定処理を実行することにより、自車両が現在走行している道路の種別を決定する。
【0050】
すなわち、ステップC101にて、車両状態制御ECU11は、ナビゲーション装置20から供給されたETC通過中信号を取得して、自車両がETCゲートを通過しているか否かを判定する。ここで、車両状態制御ECU11がナビゲーション装置20のナビゲーションECU21と通信してETC通過中信号を取得する動作について説明する。まず、車両状態制御ECU11は、バス30を介して、ゲートウェイコンピュータ40にETC通過中信号の供給要求情報を出力する。
【0051】
ゲートウェイコンピュータ40は、LAN50を介して、出力された供給要求情報をナビゲーション装置20のナビゲーションECU21に供給する。ナビゲーションECU21は、LANインターフェース25を介して、供給要求情報を取得し、図示しないRAMに一時的に記憶する。また、ナビゲーションECU21は、GPS受信機22、ジャイロスコープ23および車速センサ12からの各検出値を取得して、自車両の現在地および進行方向を検出する。
【0052】
この検出により、ナビゲーションECU21は、検出した自車両の現在地を利用して、自車両が現在ETCゲート利用レーン上に存在しているかを判断する。また、車両状態制御ECU11は、検出した進行方向を利用して、自車両がETCゲート方向に走行しているかを判断する。そして、ETCゲート利用レーン上に存在してETCゲート方向に走行している場合には、ETCゲートを通過していることを表すETC通過中信号を出力する。この出力されたETC通過中信号は、LAN50、ゲートウェイコンピュータ40およびバス30を介して、車両状態制御ECU11に供給される。そして、車両状態制御ECU11は、ETC通過中信号を取得していれば「Yes」と判定し、ETC通過中信号を取得していなければ「No」と判定する。
【0053】
なお、ETC通過中信号は、ナビゲーション装置20から供給されることに代えて、例えば、自車両に搭載されたETC端末装置から取得するように実施することも可能である。すなわち、ETC端末装置は、通行料金を精算するための通信を行なう際に、車両状態制御ECU11に対して、ETC通過中信号を供給する。これにより、車両状態制御ECU11は、ETC通過中信号をETC端末装置から取得することができる。
【0054】
ステップC102においては、車両状態制御ECU11は、交通情報センターから提供されたVICS情報を受信したか否かを判定する。具体的に説明すると、車両状態制御ECU11は、VICS受信機18を利用して、例えば、交通情報センターから提供された渋滞情報や交通情報を受信する。このように、車両状態制御ECU11は、自動車専用道路等に設けられた送信機を介してVICS情報を受信することにより、自車両が自動車専用道路等を走行していることを判定することができる。これにより、車両状態制御ECU11は、VICS情報を受信していれば「Yes」と判定し、VICS情報を受信していなければ「No」と判定する。
【0055】
ステップC103においては、車両状態制御ECU11は、ナビゲーション装置20から自動車専用道路等を表す道路種別データを取得しているか否かを判定する。具体的に説明すると、車両状態制御ECU11は、バス30、ゲートウェイコンピュータ40およびLAN50を介して、ナビゲーションECU21に対して、道路種別データの供給を要求する。ナビゲーションECU21は、同要求を取得するとともに、自車両の現在地を検出する。
【0056】
そして、検出した自車両の現在地に基づいて、自車両が現在走行している道路を特定するとともに同特定した道路種別データを取得し、取得した道路種別データをLAN50、ゲートウェイコンピュータ40およびバス30を介して、車両状態制御ECU11に供給する。車両状態制御ECU11は、供給された道路種別データに基づいて、道路種別データが自動車専用道路等を表すデータを含んでいれば「Yes」と判定し、自動車専用道路等を表すデータを含んでいなければ「No」と判定する。
【0057】
ステップC104においては、車両状態制御ECU11は、ナビゲーション装置20から供給された道路形状データに基づいて、自車両が現在走行している道路の片側車線数が2車線以上であるか否かを判定する。具体的に説明すると、車両状態制御ECU11は、バス30、ゲートウェイコンピュータ40およびLAN50を介して、ナビゲーションECU21に対して、道路形状データの供給を要求する。ナビゲーションECU21は、同要求を取得するとともに、自車両の現在地を検出する。
【0058】
そして、検出した自車両の現在地に基づいて、自車両が現在走行している道路を特定するとともに同特定した道路の道路形状データを取得し、取得した道路形状データをLAN50、ゲートウェイコンピュータ40およびバス30を介して、車両状態制御ECU11に供給する。車両状態制御ECU11は、供給された道路形状データに基づいて、自車両が現在走行している道路の片側車線数が2車線以上であれば「Yes」と判定し、2車線未満であれば「No」と判定する。
【0059】
ステップC105においては、車両状態制御ECU11は、路車間通信によって、自動車専用道路等を表す道路種別情報を取得しているか否かを判定する。すなわち、車両状態制御ECU11は、LCX漏洩電波受信機17を利用して、LCXケーブルから漏洩した電波を受信する。このように、車両状態制御ECU11は、LCXケーブルから漏洩した電波によって表される道路種別情報を受信することにより、自車両が自動車専用道路等を走行していることを判定することができる。これにより、車両状態制御ECU11は、自動車専用道路等を表す道路種別情報を受信していれば「Yes」と判定し、自動車専用道路等を表す道路種別情報を受信していなければ「No」と判定する。
【0060】
上記各ステップC101ないしステップC105のうちのいずれか一つにおいて、車両状態制御ECU11は、「Yes」と判定すると、ステップC106に進む。ステップC106においては、車両状態制御ECU11は、自車両が現在走行している道路を自動車専用道路等として決定する。一方、上記ステップC101からステップC105の各ステップCにて「No」と判定すると、車両状態制御ECU11は、ステップC107に進む。ステップC107においては、車両状態制御ECU11は、自車両が現在走行している道路を一般道路(例えば、県道など)として決定する。そして、ステップC106またはステップC107の決定処理後、ステップC108に進み、自車両走行道路情報取得ルーチンの実行を終了する。
【0061】
ふたたび、図4のフローチャートに戻り、ステップC14にて、車両状態制御ECU11は、自車両が自動車専用道路等を走行中であるか否かを判定する。すなわち、車両状態制御ECU11は、前記ステップC13にて自車両走行道路情報取得ルーチンを実行することにより、自車両が走行している道路を自動車専用道路等として決定していなければ「No」と判定して、ステップC17に進む。一方、自車両が走行している道路を自動車専用道路等として決定していれば「Yes」と判定して、ステップC15に進む。
【0062】
ステップC15においては、車両状態制御ECU11は、前方障害物と自車両との今回相対速度VRnewが100km/h以上であるか否かを判定する。今回相対速度VRnewが100km/h未満であれば、車両状態制御ECU11は「No」と判定して、ステップC17に進む。一方、今回相対速度VRnewが100km/h以上であれば、車両状態制御ECU11は「Yes」と判定して、ステップC16にすすむ。なお、本実施形態においては、今回相対速度VRnewが100km/h以上であるか否かを判定するように実施したが、設定速度は、任意に変更可能であることはいうまでもない。
【0063】
ステップC16においては、車両状態制御ECU11は、早期作動フラグFRG_Rを”1”に設定する。この早期作動フラグFRG_Rは、前方障害物と自車両との相対速度(今回相対速度VRnew)が大きい場合に、乗員保護装置60の作動開始タイミングを早くしたり、作動量を大きくするように変更を指示するフラグである。そして、車両状態制御ECU11は、早期作動フラグFRG_Rを”1”に設定すると、ステップC18に進む。
【0064】
前記ステップS14またはステップC15にて「No」と判定すると、車両状態制御ECU11は、ステップC17に進む。ステップC17においては、車両状態制御ECU11は、通常作動フラグFRG_Dを”1”に設定する。この通常作動フラグFRG_Dは、前方障害物と自車両との相対速度(今回相対速度VRnew)が比較的小さい場合に、乗員保護装置60の作動開始タイミングおよび作動量を、予め設定されている初期設定値(デフォルト値)に設定することを指示するフラグである。そして、車両状態制御ECU11は、通常作動フラグFRG_Dを”1”に設定すると、ステップC18に進む。
【0065】
ステップC18においては、車両状態制御ECU11は、前記ステップC16またはステップC17にてそれぞれ”1”に設定したフラグを、バス30を介して、乗員保護装置60に出力する。すなわち、車両状態制御ECU11は、前記ステップC16にて”1”に設定した早期作動フラグFRG_Rまたは前記ステップC17にて”1”に設定した通常作動フラグFRG_Dをバスインターフェース16を介して、バス30に出力する。
【0066】
乗員保護装置60すなわちシートベルト装置61、ブレーキ装置62およびエアバック装置63においては、シートベルトECU61a、ブレーキECU62aおよびエアバックECU63a(以下、これらのECUをまとめて作動制御ECU群61a,62a,63aという)が、ステップS10にて、前記ステップC18において車両状態制御ECU11から出力されたフラグを取得する。そして、作動制御ECU群61a,62a,63aは、フラグを取得すると、ステップS11に進む。
【0067】
ステップC11においては、作動制御ECU群61a,62a,63aは、”1”に設定された早期作動フラグFRG_Rを取得しているか否かを判定する。早期作動フラグFRG_Rを取得していれば、作動制御ECU群61a,62a,63aは「Yes」と判定して、ステップS12に進む。ステップC12においては、作動制御ECU群61a,62a,63aは、それぞれのECUが作動を制御するアクチュエータおよびインフレータの作動開始タイミングを早めて、自動車専用道路等用に設定する。これは、前方障害物と自車両との今回相対速度VRnewが大きく衝突するまでの時間が通常よりも短くなるため、乗員保護装置60を早く作動させて、効果的に乗員を衝突による衝撃から保護するためである。
【0068】
これを具体的に説明すると、シートベルトECU61aは、早期作動フラグFRG_Rを取得すると、シートベルトアクチュエータ61bの作動開始タイミングを、例えば、衝突0.65s前から衝突1.0s前に変更する。また、ブレーキECU62aは、早期作動フラグFRG_Rを取得すると、ブレーキアクチュエータ62bの作動開始タイミングを、例えば、衝突1.0s前から衝突1.5s前に変更する。また、エアバックECU63aは、早期作動フラグFRG_Rを取得すると、インフレータ63bによるエアバック展開の作動タイミングを、例えば、1段目の点火時期と2段目の点火時期とを同時点火に変更する。
【0069】
このように、作動開始タイミングを自動車専用道路等用に設定すると、作動制御ECU群61a,62a,63aは、ステップS13に進む。ステップS13においては、作動制御ECU群61a,62a,63aは、それぞれのECUが作動を制御するアクチュエータまたはインフレータの作動量を大きくして、自動車専用道路等用に設定する。これは、前方障害物と自車両との今回相対速度VRnewが大きく衝突による運転者への衝撃が大きくなるため、乗員保護効果を大きくする必要があるからである。
【0070】
具体的に説明すると、シートベルトECU61aは、早期作動フラグFRG_Rを取得すると、シートベルトアクチュエータ61bのシートベルト巻き取り量および巻き取り速度を、例えば、100N,140msから300N,100msに変更する。また、ブレーキECU62aは、早期作動フラグFRG_Rを取得すると、ブレーキアクチュエータ62bのブレーキ油圧増圧量を、例えば、2倍から4倍に変更する。また、エアバックECU63aは、早期作動フラグFRG_Rを取得すると、インフレータ63bによるエアバック展開率を、例えば、70%から100%に変更する。このように、作動制御ECU群61a,62a,63aは、アクチュエータおよびインフレータの作動量を自動車専用道路等用に変更すると、ステップS16に進む。
【0071】
また、前記ステップS11にて、早期作動フラグFRG_Rを取得していないすなわち通常作動フラグFRG_Dを取得していれば、作動制御ECU群61a,62a,63aは「No」と判定して、ステップS14に進む。ステップS14においては、作動制御ECU群61a,62a,63aは、それぞれのECUが作動を制御するアクチュエータおよびインフレータの作動開始タイミングを一般道路用に設定する。これは、前方障害物と自車両との今回相対速度VRnewが比較的小さく前方障害物と自車両とが衝突するまでの時間に合わせて、効果的に乗員を衝突による衝撃から保護するためである。
【0072】
これを具体的に説明すると、シートベルトECU61aは、通常作動フラグFRG_Dを取得すると、シートベルトアクチュエータ61bの作動開始タイミングを、例えば、衝突1.0s前から衝突0.65s前に変更する。また、ブレーキECU62aは、通常作動フラグFRG_Dを取得すると、ブレーキアクチュエータ62bの作動開始タイミングを、例えば、衝突1.5s前から衝突1.0s前に変更する。また、エアバックECU63aは、通常作動フラグFRG_Dを取得すると、インフレータ63bによるエアバック展開の作動タイミングを、例えば、1段目の点火時期と2段目の点火時期とを時差点火に変更する。
【0073】
このように、作動開始タイミングを一般道路用に設定すると、作動制御ECU群61a,62a,63aは、ステップS15に進む。ステップS15においては、作動制御ECU群61a,62a,63aは、それぞれのECUが作動を制御するアクチュエータまたはインフレータの作動量を一般道路用に設定する。
【0074】
具体的に説明すると、シートベルトECU61aは、通常作動フラグFRG_Dを取得すると、シートベルトアクチュエータ61bのシートベルト巻き取り量および巻き取り速度を、例えば、300N,100msから100N,140msに変更する。また、ブレーキECU62aは、通常作動フラグFRG_Dを取得すると、ブレーキアクチュエータ62bのブレーキ油圧増圧量を、例えば、4倍から2倍に変更する。また、エアバックECU63aは、通常作動フラグFRG_Dを取得すると、インフレータ63bによるエアバック展開率を、例えば、100%から70%に変更する。このように、作動制御ECU群61a,62a,63aは、アクチュエータおよびインフレータの作動量を一般道路用に変更すると、ステップS16に進む。
【0075】
前記ステップS13またはステップS15の処理後、ステップS16にて、作動制御ECU群61a,62a,63aは、前記ステップS10にて取得したフラグに応じた作動開始タイミングおよび作動量に変更が完了したことを表す変更完了情報をバス30に出力する。
【0076】
車両状態制御ECU11は、ステップC19にて、バスインターフェース16を介して、前記ステップS16にて出力された変更完了情報を取得して、ステップC20に進む。ステップS20においては、車両状態制御ECU11は、自車両と検出した前方障害物との衝突を判定する。すなわち、車両状態制御ECU11は、予め設定された前方障害物と自車両とが衝突を回避するために必要な時間Tc(以下、衝突回避時間Tcという)と今回相対速度VRnewとを乗じて計算される距離と今回相対距離Lnewとを比較して、前方障害物と自車両とが衝突するか否かを判定する。
【0077】
すなわち、車両状態制御ECU11は、衝突回避時間Tcと今回相対速度VRnewとを乗算して自車両の移動距離を予測し、同予測移動距離と今回相対距離Lnewとの比較に基づいて前方障害物と自車両との衝突を予測する。そして、ECU10は、予測移動距離よりも今回相対距離Lnewが大きければ、「No」と判定してステップS22に進み、プログラムの実行を一旦終了する。一方、予測移動距離よりも今回相対距離Lnewが小さければ、「Yes」と判定して、ステップS21に進む。なお、衝突予測判定に関しては、上記した衝突予測判定に限定されるものではなく、種々の衝突予測判定方法が考えられる。したがって、他の衝突予測判定方法を採用して、衝突予測判定が実行可能であることはいうまでもない。
【0078】
ステップS21においては、車両状態制御ECU11は、乗員保護装置60の作動を指示するための乗員保護装置作動フラグFRG_Sを、乗員保護装置60の作動を表す”1”に設定するとともに、”1”に設定した乗員保護装置作動フラグFRG_Sをバス30に出力する。これは、自車両と前方障害物との衝突を回避するためまたは衝突回避が不能な場合に乗員を保護するために、乗員保護装置60を作動させる必要があるためである。そして、乗員保護装置作動フラグFRG_Sをバス30に出力すると、車両状態制御ECU11は、ステップC22にてプログラムの実行を終了する。
【0079】
一方、作動制御ECU群61a,62a,63aにおいては、ステップS17にて、バス30を介して、前記ステップS21にて車両状態制御ECU11から出力された乗員保護装置作動フラグFRG_Sを取得する。続くステップS18にて、作動制御ECU群61a,62a,63aは、前記ステップS12,13またはステップS14,15にて設定した作動開始タイミングおよび作動量に従って、シートベルトアクチュエータ61b、ブレーキアクチュエータ62bおよびインフレータ63bを作動させる。
【0080】
ここで、作動制御ECU群61a,62a,63aがそれぞれアクチュエータおよびインフレータを作動制御して、乗員を衝突による衝撃から保護することに加えて、例えば、舵角センサ13からの信号に基づいて検出した操舵角δやヨーレートセンサ14からのヨーレートγに基づいて、車両の走行状態を制御するようにすることも可能である。この場合には、例えば、車両状態制御ECU11は、図示しないABS装置やトラクション制御装置などの作動を制御して、前方障害物と自車両との衝突を回避するように、自車両の走行状態を制御するようにすることも可能である。前記ステップS18の作動制御処理後、作動制御ECU群61a,62a,63aは、ステップS19に進み、プログラムの実行を終了する。
【0081】
以上の説明からも理解できるように、この実施形態によれば、車両状態制御装置10の車両状態制御ECU11は、レーダセンサ15を利用して、自車両の進行方向上に存在する前方障害物を検出することができる。また、衝突予測ECU11は、LCX漏洩電波受信機17、VICS受信機18およびナビゲーション装置20を介して、道路種別情報を取得することができる。これにより、車両状態制御ECU11は、道路種別情報を正確にかつ容易に取得することができる。
【0082】
また、車両状態制御ECU11は、取得した種別情報に基づいて、自車両が自動車専用道路等を走行しているか否かを判定することができる。これにより、衝突予測ECU11は、自車両が高速走行可能な状態であることを確実に判定することができる。また、車両状態制御ECU11は、自車両と前方障害物との間の今回相対速度VRnewが所定の相対速度(100km/h)以上であるか否かを判定することができる。そして、衝突予測ECU11は、自車両が自動車専用道路等を走行しており、所定の相対速度以上であるときには、乗員保護装置60の作動タイミングを早めることを表す早期作動フラグFRG_Rを”1”に設定することができる。これにより、作動制御ECU群61a,62a,63aは、各装置の作動タイミングを早めるように変更する。また、作動制御ECU群61a,62a,63aは、各装置の作動量を乗員保護効力が大きくなるように変更する。
【0083】
これにより、車両状態制御ECU11は、自車両の車速Vが大きく、前方障害物との今回相対速度VRnewが大きい場合であっても、乗員保護装置60を最適なタイミングで作動を開始させることができて、乗員への衝突による衝撃を確実に低減することができる。また、前方障害物との衝突する可能性を考慮して作動開始タイミングを変更することができて、より最適なタイミングで乗員保護装置60を作動させることができる。
【0084】
また、車両状態制御ECU11は、自車両の車速Vが大きく、前方障害物との今回相対速度VRnewが大きい場合であっても、乗員保護装置60の乗員保護効果を十分に発揮させることができて、乗員への衝突による衝撃を確実に低減することができる。また、前方障害物との衝突する可能性を考慮して作動量を変更することができて、より最適な作動量で乗員保護装置60を作動させることができる。
【0085】
上記実施形態においては、車両状態制御ECU11は、前方障害物を検出し、自車両が自動車専用道路等を走行しているか否かを判定し、今回相対速度VRnewが所定速度以上であるか否かを判定するように実施した。しかしながら、自車両が走行している道路の種別に関わらす、乗員保護装置60の作動開始タイミングや作動量を変更して実施することも可能である。以下、この第1変形例について説明する。
【0086】
この第1変形例においては、図4の乗員保護装置作動条件変更プログラムのフローチャートのステップC13およびステップC14が省略される。これにより、車両状態制御ECU11は、ステップC12にて、レーダセンサ15によって検出された前方障害物との今回相対速度VRnewが正であるか否かを判定する。そして、今回相対速度VRnewが正であれば、車両状態制御ECU11は「Yes」と判定して、ステップC15に進む。
【0087】
ステップC15にて、車両状態制御ECU11は、前方障害物と自車両との今回相対速度VRnewが100km/h以上であるか否かを判定する。すなわち、車両状態制御ECU11は、今回相対速度VRnewが100km/h以上であれば、「Yes」と判定して、ステップC16に進む。そして、ステップC16にて、早期作動フラグFRG_Rを”1”に設定して、ステップC18移行の処理を実行する。また、車両状態制御ECU11は、今回相対速度VRnewが100km/h未満であれば、「No」と判定して、ステップC17に進む。そして、ステップC17にて、通常作動フラグFRG_Dを”1”に設定して、ステップC18以降の処理を実行する。
【0088】
以上の説明からも理解できるように、この第1変形例によれば、車両状態制御ECU11は、自車両が走行している道路の種別に関わらす、自車両と前方障害物との今回相対速度VRnewが大きい場合には、乗員保護装置60を最適なタイミングで作動を開始させることができて、乗員への衝突による衝撃を確実に低減することができる。また、車両状態制御ECU11は、自車両が走行している道路の種別に関わらず、自車両と前方障害物との今回相対速度VRnewが大きい場合には、乗員保護装置60の乗員保護効果を十分に発揮させることができて、乗員への衝突による衝撃を確実に低減することができる。
【0089】
また、上記実施形態においては、車両状態制御ECU11は、前方障害物を検出し、自車両が自動車専用道路等を走行しているか否かを判定し、前方障害物との今回相対速度VRnewが所定速度以上であるか否かを判定するように実施した。しかしながら、自車両と前方対象物との相対速度に関わらず、乗員保護装置60の作動開始タイミングや作動量を変更して実施することも可能である。以下、この第2変形例について説明する。
【0090】
この第2変形例においては、図4の乗員保護装置作動条件変更プログラムのフローチャートのステップC15が省略される。これにより、車両状態制御ECU11は、ステップC13にて自車両走行道路情報取得ルーチンを実行し、ステップC14にて、自車両が自動車専用道路等を走行しているか否かを判定する。そして、車両状態制御ECU11は、自車両が自動車専用道路等を走行していれば、「Yes」と判定して、ステップC16に進み、早期作動フラグFRG_Rを”1”に設定して、ステップC18移行の処理を実行する。また、自車両が自動車専用道路等を走行していなければ、「No」と判定して、ステップC17に進み、通常作動フラグFRG_Dを”1”に設定して、ステップC18以降の処理を実行する。
【0091】
以上の説明からも理解できるように、この第2変形例によれば、車両状態制御ECU11は、自車両の車速Vが大きい場合であっても、乗員保護装置60を最適なタイミングで作動を開始させることができて、乗員への衝突による衝撃を確実に低減することができる。また、前方障害物との衝突する可能性を考慮して作動開始タイミングを変更することができて、より最適なタイミングで乗員保護装置60を作動させることができる。
【0092】
また、車両状態制御ECU11は、自車両の車速Vが大きい場合であっても、乗員保護装置60の乗員保護効果を十分に発揮させることができて、乗員への衝突による衝撃を確実に低減することができる。また、前方障害物との衝突する可能性を考慮して作動量を変更することができて、より最適な作動量で乗員保護装置60を作動させることができる。
【0093】
また、上記実施形態においては、車両状態制御ECU11は、前方障害物を検出し、自車両が自動車専用道路等を走行しているか否かを判定し、前方障害物との今回相対速度VRnewが所定速度以上であるか否かを判定するように実施した。しかしながら、前方障害物を検出していなくても、自車両が自動車専用道路等を走行していれば、乗員保護装置60の作動開始タイミングや作動量を変更して実施することも可能である。以下、この第3変形例について説明する。
【0094】
この第3変形例においては、図4の乗員保護装置作動条件変更プログラムのフローチャートのステップC11,12およびステップC15が省略される。これにより、車両状態制御ECU11は、ステップC13にて自車両走行道路情報取得ルーチンを実行し、ステップC14にて、自車両が自動車専用道路等を走行しているか否かを判定する。そして、車両状態制御ECU11は、自車両が自動車専用道路等を走行していれば、「Yes」と判定して、ステップC16に進み、早期作動フラグFRG_Rを”1”に設定して、ステップC18移行の処理を実行する。また、自車両が自動車専用道路等を走行していなければ、「No」と判定して、ステップC17に進み、通常作動フラグFRG_Dを”1”に設定して、ステップC18以降の処理を実行する。
【0095】
以上の説明からも理解できるように、この第3変形例によれば、車両状態制御ECU11は、自車両の車速Vが大きい場合であっても、乗員保護装置60を最適なタイミングで作動を開始させることができて、乗員への衝突による衝撃を確実に低減することができる。また、車両状態制御ECU11は、自車両の車速Vが大きい場合であっても、乗員保護装置60の乗員保護効果を十分に発揮させることができて、乗員への衝突による衝撃を確実に低減することができる。
【0096】
さらに、上記実施形態および各変形例においては、車両状態制御ECU11が設定したフラグに基づいて、作動制御ECU群61a,62a,63aは、作動開始タイミングおよび作動量を変更するように実施した。しかしながら、作動開始タイミングまたは作動量のいずれか一方を変更するように実施可能であることはいうまでもない。この場合においても、車両状態制御装置10は、乗員保護装置60を作動させて、乗員への衝突による衝撃を確実に低減することができる。
【0097】
以上、本発明の実施形態および各変形例について説明したが、本発明の実施にあたっては、上記各実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限り種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る車両状態制御システムの全体を示す概略図である。
【図2】図1の車両状態制御装置を概略的に示すブロック図である。
【図3】図1のナビゲーション装置を概略的に示すブロック図である。
【図4】図1の車両状態制御ECU(マイクロコンピュータ)および作動制御ECU群(マイクロコンピュータ)によって実行される衝突予測プログラムのフローチャートである。
【図5】図1の車両状態制御ECU(マイクロコンピュータ)によって実行される自車両走行道路情報取得ルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
10…衝突予測装置、11…車両状態制御ECU、12…車速センサ、13…舵角センサ、14…ヨーレートセンサ、15…レーダセンサ、16…バスインターフェース、17…LCX受信機、18…VICS受信機、20…ナビゲーション装置、21…ナビゲーションECU、22…GPS受信機、23…ジャイロスコープ、24…記憶装置、25…LANインターフェース、30…バス、40…ゲートウェイコンピュータ、50…LAN、60…乗員保護装置、61…シートベルト装置、61a…シートベルトECU、61b…シートベルトアクチュエータ、62a…ブレーキECU、62b…ブレーキアクチュエータ、63a…エアバックECU、63b…エアバックインフレータ
Claims (18)
- 自車両の衝突を回避し、または、自車両の衝突による衝撃から乗員を保護する乗員保護装置の作動を制御する車両状態制御装置において、
自車両が現在走行している道路の種別を表す道路種別情報を取得する道路種別情報取得手段と、
前記道路情報取得手段によって取得した道路種別情報に基づいて、自車両が現在走行している道路が予め設定された特定の道路であるか否かを判定する特定道路判定手段と、
前記特定道路判定手段によって自車両が前記特定の道路上を走行していると判定すると、前記乗員保護装置の作動開始時期を早める側に変更する作動開始時期変更手段とを備えたことを特徴とする車両状態制御装置。 - 請求項1に記載した車両状態制御装置において、
さらに、自車両の進行方向上に存在する前方障害物を検出する前方障害物検出手段を備えて、
前記作動開始時期変更手段は、前記前方障害物検出手段によって前方障害物を検出するとともに、前記特定道路判定手段によって自車両が前記特定の道路上を走行していると判定すると、前記乗員保護装置の作動開始時期を早める側に変更することを特徴とする車両状態制御装置。 - 請求項2に記載した車両状態制御装置において、
さらに、前記前方障害物検出手段によって検出した前方障害物と自車両との間の相対速度を検出する相対速度検出手段と、
前記相対速度検出手段によって検出した前記前方障害物と自車両との間の相対速度が所定の相対速度以上であるか否かを判定する相対速度判定手段とを備えて、
前記作動開始時期変更手段は、前記特定道路判定手段によって自車両が前記特定の道路上を走行していると判定するとともに、前記相対速度判定手段によって前記前方障害物と自車両との間の相対速度が所定の相対速度以上であると判定すると、前記乗員保護装置の作動開始時期を早める側に変更することを特徴とする車両状態制御装置。 - 自車両の衝突を回避し、または、自車両の衝突による衝撃から乗員を保護する乗員保護装置の作動を制御する車両状態制御装置において、
自車両が現在走行している道路の種別を表す道路種別情報を取得する道路種別情報取得手段と、
前記道路情報取得手段によって取得した道路種別情報に基づいて、自車両が現在走行している道路が予め設定された特定の道路であるか否かを判定する特定道路判定手段と、
前記特定道路判定手段によって自車両が前記特定の道路上を走行していると判定すると、前記乗員保護装置の作動開始時期を早める側に変更する作動開始時期変更手段と、
前記特定道路判定手段によって自車両が前記特定の道路上を走行していると判定すると、前記乗員保護装置の作動量を乗員保護効力が大となる作動量に変更する作動量変更手段とを備えたことを特徴とする車両状態制御装置。 - 請求項4に記載した車両状態制御装置において、
さらに、自車両の進行方向上に存在する前方障害物を検出する前方障害物検出手段を備えて、
前記作動開始時期変更手段は、前記前方障害物検出手段によって前方障害物を検出するとともに、前記特定道路判定手段によって自車両が前記特定の道路上を走行していると判定すると、前記乗員保護装置の作動開始時期を早める側に変更し
前記作動量変更手段は、前記前方障害物検出手段によって前方障害物を検出するとともに、前記特定道路判定手段によって自車両が前記特定の道路上を走行していると判定すると、前記乗員保護装置の作動量を乗員保護効力が大となる作動量に変更することを特徴とする車両状態制御装置。 - 請求項5に記載した車両状態制御装置において、
さらに、前記前方障害物検出手段によって検出した前方障害物と自車両との間の相対速度を検出する相対速度検出手段と、
前記相対速度検出手段によって検出した前記前方障害物と自車両との間の相対速度が所定の相対速度以上であるか否かを判定する相対速度判定手段とを備えて、
前記作動開始時期変更手段は、前記特定道路判定手段によって自車両が前記特定の道路上を走行していると判定するとともに、前記相対速度判定手段によって前記前方障害物と自車両との間の相対速度が所定の相対速度以上であると判定すると、前記乗員保護装置の作動開始時期を早める側に変更し、
前記作動量変更手段は、前記特定道路判定手段によって自車両が前記特定の道路上を走行していると判定するとともに、前記相対速度判定手段によって前記前方障害物と自車両との間の相対速度が所定の相対速度以上であると判定すると、前記乗員保護装置の作動量を乗員保護効力が大となる作動量に変更することを特徴とする車両状態制御装置。 - 自車両の衝突を回避し、または、自車両の衝突による衝撃から乗員を保護する乗員保護装置の作動を制御する車両状態制御装置において、
自車両が現在走行している道路の種別を表す道路種別情報を取得する道路種別情報取得手段と、
前記道路情報取得手段によって取得した道路種別情報に基づいて、自車両が現在走行している道路が予め設定された特定の道路であるか否かを判定する特定道路判定手段と、
前記特定道路判定手段によって自車両が前記特定の道路上を走行していると判定すると、前記乗員保護装置の作動量を乗員保護効力が大となる作動量に変更する作動量変更手段とを備えたことを特徴とする車両状態制御装置。 - 請求項4に記載した車両状態制御装置において、
さらに、自車両の進行方向上に存在する前方障害物を検出する前方障害物検出手段を備えて、
前記作動量変更手段は、前記前方障害物検出手段によって前方障害物を検出するとともに、前記特定道路判定手段によって自車両が前記特定の道路上を走行していると判定すると、前記乗員保護装置の作動量を乗員保護効力が大となる作動量に変更することを特徴とする車両状態制御装置。 - 請求項8に記載した車両状態制御装置において、
さらに、前記前方障害物検出手段によって検出した前方障害物と自車両との間の相対速度を検出する相対速度検出手段と、
前記相対速度検出手段によって検出した前記前方障害物と自車両との間の相対速度が所定の相対速度以上であるか否かを判定する相対速度判定手段とを備えて、
前記作動量変更手段は、前記特定道路判定手段によって自車両が前記特定の道路上を走行していると判定するとともに、前記相対速度判定手段によって前記前方障害物と自車両との間の相対速度が所定の相対速度以上であると判定すると、前記乗員保護装置の作動量を乗員保護効力が大となる作動量に変更することを特徴とする車両状態制御装置。 - 前記道路種別情報取得手段は、自車両に搭載されたナビゲーション装置から前記道路種別情報を取得する請求項1ないし請求項9のうちのいずれか一つに記載した車両状態制御装置。
- 前記道路種別情報取得手段は、自車両の走行する道路に設けられた送信装置を介して、外部から前記道路種別情報を取得する請求項1ないし請求項9のうちのいずれか一つに記載した車両状態制御装置。
- 前記道路種別情報取得手段は、自車両の走行する道路に埋設されたケーブルを介して、外部から前記道路情報種別情報を取得する請求項1ないし請求項9のうちのいずれか一つに記載した車両状態制御装置。
- 前記特定の道路は、自車両が高速走行可能な道路である請求項1ないし請求項9のうちのいずれか一つに記載した車両状態制御装置。
- 前記特定の道路は、片側複数車線の道路である請求項1ないし請求項9のうちのいずれか一つに記載した車両状態制御装置。
- 前記特定の道路は、自動車専用道路である請求項1ないし請求項9のうちのいずれか一つに記載した車両状態制御装置。
- 自車両の衝突を回避し、または、自車両の衝突による衝撃から乗員を保護する乗員保護装置の作動を制御する車両状態制御装置において、
自車両の進行方向上に存在する前方障害物を検出する前方障害物検出手段と、
前記前方障害物検出手段によって検出した前方障害物と自車両との間の相対速度を検出する相対速度検出手段と、
前記相対速度検出手段によって検出した前記前方障害物と自車両との間の相対速度が所定の相対速度以上であるか否かを判定する相対速度判定手段と、
前記相対速度判定手段によって前記前方障害物と自車両との間の相対速度が所定の相対速度以上であると判定すると、前記乗員保護装置の作動開始時期を早める側に変更する作動開始時期変更手段とを備えたことを特徴とする車両状態制御装置。 - 自車両の衝突を回避し、または、自車両の衝突による衝撃から乗員を保護する乗員保護装置の作動を制御する車両状態制御装置において、
自車両の進行方向上に存在する前方障害物を検出する前方障害物検出手段と、
前記前方障害物検出手段によって検出した前方障害物と自車両との間の相対速度を検出する相対速度検出手段と、
前記相対速度検出手段によって検出した前記前方障害物と自車両との間の相対速度が所定の相対速度以上であるか否かを判定する相対速度判定手段と、
前記相対速度判定手段によって前記前方障害物と自車両との間の相対速度が所定の相対速度以上であると判定すると、前記乗員保護装置の作動開始時期を早める側に変更する作動開始時期変更手段と、
前記相対速度判定手段によって前記前方障害物と自車両との間の相対速度が所定の相対速度以上であると判定すると、前記乗員保護装置の作動量を乗員保護効力が大となる作動量に変更する作動量変更手段とを備えたことを特徴とする車両状態制御装置。 - 自車両の衝突を回避し、または、自車両の衝突による衝撃から乗員を保護する乗員保護装置の作動を制御する車両状態制御装置において、
自車両の進行方向上に存在する前方障害物を検出する前方障害物検出手段と、
前記前方障害物検出手段によって検出した前方障害物と自車両との間の相対速度を検出する相対速度検出手段と、
前記相対速度検出手段によって検出した前記前方障害物と自車両との間の相対速度が所定の相対速度以上であるか否かを判定する相対速度判定手段と、
前記相対速度判定手段によって前記前方障害物と自車両との間の相対速度が所定の相対速度以上であると判定すると、前記乗員保護装置の作動量を乗員保護効力が大となる作動量に変更する作動量変更手段とを備えたことを特徴とする車両状態制御装置。
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