JP2004350538A - 家庭用水素溶解装置 - Google Patents

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Yoshinori Tanaka
喜典 田中
Mikio Shinagawa
幹夫 品川
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Abstract

【課題】家庭内において水素ガスを直接、食品・飲料用品に溶解させることにより、これらの酸化による劣化を簡便に防止することができると共に容易に過酸化物の還元を行うことができる家庭用水素溶解装置を提供する。
【解決手段】飲料、水系液状食品、油系液状食品のいずれかの液状物質を入れた液槽を具備する。また、上記液状物質に含まれる抗酸化物、油の酸化抑制物、過酸化物を還元するための水素を発生させる水素発生機構を具備する。さらに、水素発生機構により発生させた水素を液槽内の液状物質に供給して溶解させるための水素供給ノズルを具備する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭内において飲料、水系液状食品、油系液状食品などの飲食物の酸化を防止するのに用いられる家庭用水素溶解装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、液状物質に水素を溶解させる方法や装置としては、特開2002−301483号公報(特許文献1)等に開示されているものがあるが、これらのものは、水素ガスを純水や水道水に直接あるいは気体透過性の膜を利用して加圧溶解させるものであった。
【0003】
水素ガスの供給方法には、あらかじめ水素ガスボンベで供給するものや、電解、SPE電解により生成して供給するものがある。これらの水素溶解水は、原子力施設での配管の劣化防止やフラットパネルディスプレー上の微粒子除去のために用いられており、主に工場等の大規模プラントにおいて安全性を十分に備えた環境にて用いられつつある。
【0004】
一方、家庭用、食品・飲料用の水素溶解水の装置としては、特開平10−118653号公報(特許文献2)等に開示されているものがあり、これらのものは流水又は貯め置きの水を直接電解し、発生する水素をそのまま水の中に溶解させるものである。この技術の代表的な装置であるアルカリイオン水整水器と呼ばれるものは、流水の電解時にpHの変化と共に水素の溶解が起こり、水素溶解水が生成される。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−301483号公報
【特許文献2】
特開平10−118653号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アルカリイオン水整水器を用いた水素の溶解の場合、飲用するときの水素の溶解量は0.1〜0.2ppmであり、室温、大気圧中の水素飽和溶解量1.5ppmに比べて低く、水素の還元はある程度発揮されるが、その能力はまだ低いものである。
【0007】
また、この飲料用液状物質の水素溶解については直接水を電解し、電極表面から生成される水素を単純な物質移動又は流水に伴って促進された物質移動によって溶解させている。これらは水自身を電気分解する手法であり、お茶、中国茶、紅茶、コーヒー等を直接電気分解することは、これらに含有している有機物、無機物、イオン種等を電気分解により有害な物質に変化させてしまうおそれがあるため、避けなければならない。また、液状の食品には味噌汁、スープ、カレー等の固形状のものを含む物が存在するが、これらを水素溶解状態にするために電解槽内に流すことは不可能である。また、同じ液体でも油の含有量が多い場合には電解処理をしても電流が流れにくいため、電解水素生成が行えず水素溶解状態に変化させることができない。
【0008】
また、電気分解では通常、陰極側、陽極側の2槽式であるため、陽極側は発生する酸素の溶解が行われる。酸素は食品・飲料などに含まれる抗酸化物質、油分を酸化させたり、自身が過酸化水素、活性酸素などの有害なものに変化したりするため、食用としては避ける必要がある。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、家庭内において水素ガスを直接、食品・飲料用品に溶解させることにより、これらの酸化による劣化を簡便に防止することができると共に容易に過酸化物の還元を行うことができる家庭用水素溶解装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る家庭用水素溶解装置は、飲料、水系液状食品、油系液状食品のいずれかの液状物質1を入れた液槽2と、上記液状物質1に含まれる抗酸化物、油の酸化抑制物、過酸化物を還元するための水素3を発生させる水素発生機構4と、水素発生機構4により発生させた水素3を液槽2内の液状物質1に供給して溶解させるための水素供給機構5とを具備して成ることを特徴とするものである。
【0011】
また請求項2の発明は、請求項1において、水素発生機構4が、固体高分子膜6による水の電気分解により水素3を発生させるように形成されて成ることを特徴とするものである。
【0012】
また請求項3の発明は、請求項1又は2において、液状物質1に溶解した時の水素3及び溶解した後の水素3の反応活性を増大させる水素活性部7を具備して成ることを特徴とするものである。
【0013】
また請求項4の発明は、請求項3において、水素活性部7に、白金、パラジウムから選ばれる貴金属系の触媒8を設けて成ることを特徴とするものである。
【0014】
また請求項5の発明は、請求項3において、水素活性部7に、ヒドロゲナーゼからなる酵素系の触媒8を設けて成ることを特徴とするものである。
【0015】
また請求項6の発明は、請求項4又は5において、触媒8と同種又は異種の基材9の表面に、触媒8を付着させることにより、触媒8を付着させた後に焼成することにより、又は触媒8を付着させてこれを白金黒化することにより、成長させた触媒8を用いて成ることを特徴とするものである。
【0016】
また請求項7の発明は、請求項6において、基材9として、あらかじめ表面を粗化処理したものを用いて成ることを特徴とするものである。
【0017】
また請求項8の発明は、請求項4又は5において、触媒8の形状が、メッシュ形状又は多孔質形状であることを特徴とするものである。
【0018】
また請求項9の発明は、請求項3乃至8のいずれかにおいて、水素活性部7が、液状物質1内において振動又は回転可能に形成されて成ることを特徴とするものである。
【0019】
また請求項10の発明は、請求項1乃至9のいずれかにおいて、液槽2内において液状物質1を流動させるための流駆動部10を液槽2に形成して成ることを特徴とするものである。
【0020】
また請求項11の発明は、請求項4乃至10のいずれかにおいて、触媒8の温度を上昇させるための温度上昇機構を具備して成ることを特徴とするものである。
【0021】
また請求項12の発明は、請求項4乃至11のいずれかにおいて、触媒8に電位を付与するための電位付与機構を具備して成ることを特徴とするものである。
【0022】
また請求項13の発明は、請求項1乃至12のいずれかにおいて、水素供給機構5が、水素3を供給する際に水素3をバブリングさせるために、孔径0.1〜10μmのメッシュ又は多孔質体14を用いて形成されるバブリング機構15を具備して成ることを特徴とするものである。
【0023】
また請求項14の発明は、請求項13において、メッシュ又は多孔質体14として紙フィルター又はポリマーフィルターを用い、かつ、これらを取り外して交換できるようにバブリング機構15が形成されて成ることを特徴とするものである。
【0024】
また請求項15の発明は、請求項13又は14において、表面があらかじめ親水処理又は親油処理されたメッシュ又は多孔質体14を用いて成ることを特徴とするものである。
【0025】
また請求項16の発明は、請求項13乃至15のいずれかにおいて、抗菌処理されたメッシュ又は多孔質体14を用いて成ることを特徴とするものである。
【0026】
また請求項17の発明は、請求項13乃至16のいずれかにおいて、メッシュ又は多孔質体14の剛性を保持するための剛性保持機構16を具備して成ることを特徴とするものである。
【0027】
【発明の実施の形態】
室温、大気圧中に置かれた水溶液には、大気中の酸素がヘンリーの法則に従う濃度で溶解している。酸素は水溶液中で抗酸化物質と反応し相手を酸化すると同時に、自身はスーパーオキシドアニオンに還元される。スーパーオキシドアニオンは抗酸化物質によってさらに還元され過酸化水素へと変化する。過酸化水素自身はそれ自身が安定であるため、抗酸化物質によって分解されることが少なく、蓄積されて水溶液中の濃度が上昇する(Mochizuki et al Analytical Sciences 2001, Vol. 17 i1383)。
【0028】
また、油分は溶存酸素に酸化分解され、別の物質に変化していく。酸化した油分は有害であると考えられており、ガン等の原因として考えられている。
【0029】
つまり、まず溶解酸素を取り除くことが非常に重要であり、このため家庭で手に入れることができる純水や水道水を用いて水素3を生成した後に、この水素3を飲料、水系液状食品、油系液状食品等に添加することにより、これらに含有されている抗酸化物、油分の酸化防止を図ることができる。
【0030】
また、水素3自身は還元性を有するため、熱エネルギー的には対象物質を還元することができると考えられているが、実際にはその反応速度が遅いために対象物質を素早く還元することはできない。このため、水素3を活性化することにより、反応速度を増大させる水素活性部7を発明したことにより、生成した過酸化物を高効率で還元することができるようになった。
【0031】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0032】
(実施例1)
図2は請求項1の発明の実施例を示すものであり、液槽2と、水素発生機構4と、水素供給機構5とを具備することによって、家庭用水素溶解装置が形成されている。液槽2には、飲料、水系液状食品、油系液状食品のいずれかの液状物質1を入れるものであり、この液状物質1の具体例としては、お茶、中国茶、紅茶、コーヒー、味噌汁、スープ、カレー等を挙げることができる。水素発生機構4と液槽2との間には水素供給機構5が設けてあり、水素発生機構4により発生させた水素3を水素供給機構5を通じて、液槽2内の液状物質1に供給して溶解させるようにしてある。よって、液状物質1に溶解した水素3により、上記液状物質1に含まれる抗酸化物、油の酸化抑制物、過酸化物を還元することができ、家庭内において食品・飲料用品の酸化による劣化を簡便に防止することができるものである。
【0033】
ところで、常温、大気中に置かれた液体には、大気を形成する窒素、酸素、二酸化炭素等がヘンリーの法則に基づき、その分子のモル分率で溶解している。体積比で窒素は78%、酸素は21%含まれており、通常の液体では8mg/L程度の酸素が含まれている。既述のとおり、酸素は水溶液中で抗酸化物質と反応し相手を酸化すると同時に、自身はスーパーオキシドアニオンに還元される。スーパーオキシドアニオンは酸素より反応活性であり、酸素では反応しにくいものを含めて次々とラジカル酸化を起こしていく。従来から食品の酸化防止のために脱酸素は行われており、鉄粉系脱酸素剤等が用いられている。液体からの脱酸素としては通常窒素の封入が主であり、これはその安全性、簡便性から取り入れられてきた。
【0034】
しかしながら、商品生産段階における飲料、水系液状食品、油系液状食品の酸化劣化よりもむしろ使用時又は保管時における酸化劣化の方が重要な問題である。現在、家庭内においては、大気の中から濃縮した窒素ガスを添加するような機構や装置は存在しないが、本実施例においては、窒素の代わりに水素3を液状物質1に添加することにより酸化による劣化を防ぐことができるものである。このような水素3添加の場合には、脱酸素ができることと同時に、水素3そのものが還元性であるため、水素3の還元力により酸化物質を還元することが可能となるのである。
【0035】
図1は、本実施例における家庭用水素溶解装置を用いて水素3を添加した水素添加水(水素溶存水)と水素3を添加しない通常の水(空気溶存水)について、pH=7におけるアスコルビン酸(AsA)の自然酸化防止効果を示すグラフである。空気を含む水(空気溶存水)の場合には、水素3を添加した水(水素溶存水)に比べて、同時間経過後において含有されているアスコルビン酸の溶解量が減少している。これは、溶存する酸素がアスコルビン酸の酸化分解を促進したためである。つまり、飲料、水系液状食品、油系液状食品に含まれるアスコルビン酸のような抗酸化物は、溶存している酸素によって酸化分解をされ、溶解量が減少する。ある程度時間が経過してもアスコルビン酸の残存率が高いということは、それだけ液状物質1の酸化による劣化が防止されているということである。本実施例においては、アスコルビン酸の酸化防止について示したが、家庭用水素溶解装置を用いることにより、他の抗酸化物質についても残存率を高く維持することができ、液状物質1の酸化を防止することができた。
【0036】
(実施例2)
図2は請求項2の発明の実施例も示しており、液槽2と、水素発生機構4と、水素供給機構5とを具備することによって、家庭用水素溶解装置が形成されている。液槽2には、飲料、水系液状食品、油系液状食品のいずれかの液状物質1を入れるものであり、この液状物質1の具体例としては、お茶、中国茶、紅茶、コーヒー、味噌汁、スープ、カレー等を挙げることができる。
【0037】
水素発生機構4は、固体高分子膜6による水の電気分解により水素3を発生させるように形成されている。すなわち、電解槽33内に固体高分子膜6を設け、この固体高分子膜6の一方の面に陽極19を、他方の面に陰極21を配設する。また、電解層内において陽極19側には陽極室20が設けてあり、陰極21側には陰極室22が設けてある。そして、水タンク17から陽極室20及び陰極室22に水(例えば、純水、精製水、食塩水又は水道水)を供給すると共に、電源18により陽極19及び陰極21に電圧を印加すると、固体高分子膜6による水の電気分解により陰極室22に水素3が発生する。上記のように、水素発生機構4は固体高分子膜6を用いて形成してあるので、家庭用水素溶解装置を一般家庭用として小型化することができるものである。
【0038】
水素供給機構5は、陰極室22に連通する水素供給ノズル23で構成されており、この水素供給ノズル23の先端部から水素3が吐出されるようになっている。そして、液槽2に入れた液状物質1の内部に水素供給ノズル23の先端部を入れることにより、水素発生機構4と液槽2との間に水素供給機構5を設けるようにしている。
【0039】
水素発生機構4を作動させると、この水素発生機構4により発生した水素3が水素供給機構5を通じて、液槽2内の液状物質1に供給して溶解させることができる。よって、液状物質1に溶解した水素3により、上記液状物質1に含まれる抗酸化物、油の酸化抑制物、過酸化物を還元することができ、家庭内において食品・飲料用品の酸化による劣化を簡便に防止することができるものである。
【0040】
ここで、水素3の供給方法としては、ガスボンベによる常時供給、Mg系等の無機金属水素化物と水との反応、Fe等の金属と酸との反応が考えられる。しかし、ガスボンベの場合には安全性の問題から家庭への供給が難しく、他の場合でも実際には無機金属水素化物、酸などの家庭への供給は難しい。水素ガスは分子サイズが非常に小さいため、容器の材質を通過し系外に漏れることがある。また、金属については水素脆性の問題もあり、容器の保存性の面から水素3を蓄積しておいて、付与時に放出することはコスト的に望ましくなく、家庭で用いる場合には安全性の観点から保管することは望ましくない。
【0041】
一方、固体高分子膜6による水の電気分解は、従来から工業用の水素発生器、ガスクロマトグラフ用の水素発生器として使用されている。
【0042】
本実施例では、純水、精製水、食塩水又は水道水を固体高分子膜6を用いた水素発生機構4により電解して水素3を生成しながら、飲料、水系液状食品、油系液状食品に水素3を溶解させることができる。つまり、固体高分子膜6を用いた水素発生機構4であれば、必要なときに必要なだけ水素3を取り出すことができ、家庭内において水素3を保管しておく等の危険を回避することができるものである。また、水素3を生成するための水は、市販されているものや水道水など、安全に手軽に手に入れることが可能であり、また分解エネルギーである電気も容易に用いることができる。
【0043】
(実施例3)
図2は請求項3の発明の実施例も示しており、水素供給機構5に水素活性部7を設けている。その他の構成については実施例1、2と同様であるため説明は省略する。水素活性部7は、水素3の反応活性を増大させるもの(水素3を活性化させるもの)であり、水素供給ノズル23の先端部の近傍に設け、しかも液状物質1内に配置してある。そのため水素活性部7は、水素供給ノズル23の先端部から吐出された水素3や、液状物質1内にすでに溶解している水素3と接触することができ、液状物質1に溶解した時の水素3及び溶解した後の水素3の反応活性を増大させることができるものである。
【0044】
ここで、水素3自身は、酸化還元電位からも分かるように還元性物質であり、熱エネルギー的には対象物を還元することができる。しかしながら、その反応速度が遅いために過酸化物を速やかに還元することは不可能である。この原因は反応の活性化エネルギーの高いためと考えられ、この反応速度を上昇させるため水素3自身を活性化することが望まれる。
【0045】
そして既述のとおり、図2は本実施例における家庭用水素溶解装置を示すものであり、水タンク17から供給された水を固体高分子膜6を用いて電解することにより水素3を生成し、その水素3を液槽2に導き入れ、液状物質1中に含有させる。この液槽2内には水素活性部7が存在しているので、溶解している水素3及び気泡の水素3が活性化される。活性化した水素3は反応性が高いので、液状物質1中の過酸化物を迅速に還元することができるものである。
【0046】
水素活性部7の形状は、特に限定されるものではないが、例えば、図2に示すように筒状体とすることができる。そして、この筒状体の外面に、白金、パラジウムから選ばれる貴金属系の触媒8を設けたり(請求項4の発明)、ヒドロゲナーゼからなる酵素系の触媒8を設けたり(請求項5の発明)すると、水素3を一層容易に活性化させることができるものである。
【0047】
ここで、水素活性部7に白金触媒8を設けたものを用いた場合に、家庭用水素溶解装置による還元力がどの程度高まるかを示すため、実験データを示す。図3は過酸化水素を含む水に白金触媒8を設けた水素活性部7を入れ、通常の空気飽和の水(空気溶存水)と水素3を添加した水(水素溶存水)とについて、溶存している過酸化水素の量を時間を追って測定したものである。水素活性部7に白金触媒8を設けたものを用いる方(水素溶存水)が、時間の経過とともに素早く溶存過酸化水素を減少させることができることが確認される。
【0048】
白金自身も過酸化水素の不均一分解触媒8であるが、水素3の溶解した水の場合はその分解効率が上昇する。
【0049】
水素3は白金表面に吸着され、H原子として解離することが知られている。この解離H原子は反応性が高く、同様に吸着された有機物や酸素と反応する。過酸化水素の分解の場合には活性化した水素3により、過酸化水素の直接水素化分解、あるいは分解し生成した酸素や白金上で吸着されていた酸素の水素化が起こり、その分解速度が上昇する。
【0050】
直接分解:H+H(触媒) → 2H
あるいは
間接分解:2H → O+2H
+2H(触媒) → 2H
なお、水素活性部7に、白金を設ける以外に、パラジウムを設けたり、ヒドロゲナーゼを設けたりしても、図3に示すものと同様に溶存過酸化水素を迅速に減少させることができる。
【0051】
(実施例4)
本実施例は請求項6の発明の実施例であり、次のような触媒8を用いるようにしている。まず、触媒8を担持するための基板(担体)を用意する。この基板は、触媒8と同種のものでも異種のものでも構わず、例えば、チタン板を例示することができる。そして、上記の基板の表面に電解メッキなどで触媒8を付着させることにより、触媒8を成長させる。このようにして得たものを水素活性部7として利用することができる。また、上記の基板の表面に触媒8を付着させた後にこれを焼成することにより、触媒8を成長させる。このようにして得たものも水素活性部7として利用することができる。さらに、上記の基板の表面に触媒8を付着させてこれを白金黒化することにより、触媒8を成長させる。このようにして得たものも水素活性部7として利用することができる。
【0052】
触媒8による水素活性化に関しては、水素3とその触媒8の接触面積が大きいほど、活性化された水素3が多く発生することとなる。つまり、触媒8の表面積が大きいほど、水素3との接触回数が多くなる。下記の表1は、サンドブラスト処理後のチタン板の表面へ白金触媒を電解メッキにより付着させたもの(電解メッキA、Bの2種類)の表面積比を示し、また、チタン板の表面へ白金触媒を付着させ、これを焼成した後のもの(焼成メッキA、Bの2種類)の表面積比を示す。なお、表面積比は未処理のチタン板の面積を基準とする。また、電解メッキA、Bとで表面積比が異なるのは、サンドブラスト処理の程度を変えたからであり、また、焼成メッキA、Bとで表面積比が異なるのは、焼成の程度を変えたからである。
【0053】
【表1】
Figure 2004350538
【0054】
表面積比が大きいほど、水素3の接触回数も多くなり、活性化される水素3も増加し、還元速度が増大したことを確認した。
【0055】
なお、触媒8を表面に成長させた基材9を筒状に形成することにより、図2に示されているような水素活性部7を形成することができる。また、その他の構成については図2に示すものと基本的に同じであるので説明は省略する。
【0056】
(実施例5)
本実施例は請求項7の発明の実施例であり、実施例4における基材9として、あらかじめ表面を粗化処理したものを用いるようにしたものである。
【0057】
上記のように、粗化処理を行うことにより、基材9の平面上に凹凸を設け、基材9自身の比表面積を増大させることができる。さらにこの上に触媒8を電解メッキ、焼成メッキ、白金黒化で成長させることにより、より比表面積の大きな触媒8を得ることができ、水素3と触媒8との接触回数も多くなり、活性化される水素3の量も増加させることができ、還元速度が増大するものである。
【0058】
(実施例6)
本実施例は請求項8の発明の実施例であり、触媒8の形状をメッシュ形状又は多孔質形状にしている。このようにすると、触媒8の中に液状物質1を通過させることができ、この液状物質1に溶存している水素3の触媒8への接触回数を増加させることができるものである。よって、活性化される水素3の量も増加し、還元速度を増大させることができるものである。
【0059】
(実施例7)
図4は請求項9の発明の実施例を示すものであり、水素活性部7が、液状物質1内において振動又は回転可能に形成されている。その他の構成については図2と同様であるため説明は省略する。図4に示すものにおいては、水素活性部7自身が回転モーター24と軸25を介して直結しており、水素3を液状物質1内に供給している最中、又は水素3が液状物質1内にすでに供給された後に、モーター24を作動させることにより、水素活性部7を液状物質1中で回転させることができるようになっている。このようにすると、液状物質1が水素活性部7の回転と共に回転を起こして撹拌され、溶存している水素3と水素活性部7との接触回数も多くなり、活性化される水素3の量も増加し、還元速度を増大させることができるものである。
【0060】
なお、図4においては、水素活性部7の回転について説明したが、これに限定されるものではなく、超音波、ピエゾ素子を使った微細な振動や縦横、上下方向への平行動作の振動も本発明に含まれる。
【0061】
(実施例8)
図5は請求項10の発明の実施例を示すものであり、液槽2内において液状物質1を流動させるための流駆動部10を液槽2に形成してある。その他の構成については図2と同様であるため説明は省略する。図5に示すものにおいて、流駆動部10は撹拌羽26及び駆動体27から構成されており、液槽2内の底部付近に撹拌羽26を設け、液槽2の下部に設けた駆動体27により撹拌羽26を回転させることができるようにしてある。このようにすると、水素3を液状物質1内に供給している最中、又は水素3が液状物質1内にすでに供給された後に、駆動体27で撹拌羽26を回転させることにより、液槽2内において液状物質1を絶えず流動(撹拌)させておくことができ、溶存している水素3と水素活性部7との接触回数も多くなり、活性化される水素3の量も増加し、還元速度を増大させることができるものである。
【0062】
(実施例9)
本実施例は請求項11の発明の実施例であり、触媒8の温度を上昇させるための温度上昇機構を用いるようにしている。その他の構成については図2と同様であるため説明は省略する。温度上昇機構の具体例としては各種ヒーターを挙げることができ、ヒーターを水素活性部7に直に取り付けて触媒8を直接的に加熱したり、あるいはヒーターを水素活性部7の近傍又は液状物質1内に配置したりして触媒8を間接的に加熱したりすることにより、触媒8の温度を上昇させることができる。なお、温度上昇機構については図示省略している。
【0063】
水素3の活性化は室温状態でも生じるが、ボルツマン分布からも温度が上昇するほど大きなエネルギーを持つものが増えるため活性化障壁を超える確率も大きくなり、より高効率で水素3の活性化状態が生じる。このため還元速度も増大させることができるのである。
【0064】
(実施例10)
本実施例は請求項12の発明の実施例であり、触媒8に電位を付与するための電位付与機構を用いるようにしている。その他の構成については、図2と同様であるため、説明は省略する。上記の電位付与機構については、図示省略しているが、具体的には、例えば、図2において水素供給ノズル23の先端部をプラス極とし、水素活性部7をマイナス極として、電圧を印可することにより、水素活性部7に設けた触媒8に電位を付与することができる。このようにすると、電気エネルギーにより強制的に水素3を触媒8に吸着させることが可能となり、容易に水素3を活性化させることができると共に、エネルギーレベルを増大させることによりさらに活性化させることができる。このように高効率で水素3の活性化状態が生じるため、還元速度も増大するのである。
【0065】
(実施例11)
本実施例は請求項13の発明の実施例であり、バブリング機構15を用いるようにしている。その他の構成については図2と同様であるため説明は省略する。バブリング機構15は、孔径0.1〜10μmのメッシュ又は多孔質体14を用いて形成することができ、このバブリング機構15を水素供給機構5に設ける。具体的には、上記のメッシュ又は多孔質体14を水素供給ノズル23の先端部に設け、水素発生機構4により発生した水素3がメッシュ又は多孔質体14を通過した後、液状物質1内に吐出されるようにする。そうすると、水素3が液状物質1に供給される際にバブリングして微細な水素3の気泡を生じさせることができる。
【0066】
水素供給ノズル23の先端部が孔径の大きなパイプ状であると、このパイプの孔径に見合った大きな気泡が生じる。しかし、上記のようにメッシュ又は多孔質体14を用い、これらを通して水素3を液状物質1に供給すると、水素3は液状物質1中において非常に細かな気泡として分散する。水素3の溶解は通常、この気泡からの拡散で生じるため、小さく分散した気泡の方が効率が良いのである。
【0067】
ここで、Young − Laplaceの式によると、Pin−Pout=2γ/r(Pin:内部圧力、Pout:外部圧力、γ:水の表面張力、r:半径)となる。気泡の水中での内圧はその径と関連があり、直径1μmで約4気圧、直径1mmで約1気圧である。つまり、直径1μmで放出された水素3は内圧が高いため内側から外側の水に向かって効率よく水素3が溶解する。直径1mmで放出された水素3は内圧と水圧にほとんど差が無いので溶ける速度は気中とほとんど同じであり、一部溶解しながら気泡として存在する。
【0068】
図6に本実施例における多孔質体14の孔径と水素溶解量(水素濃度)についての関係を示す。孔径が小さくなると水素3の溶解量は増加するようになるが、小さすぎると孔を通過する抵抗が大きくなり、大きな圧力をかけないと水素3が放出されない。このため孔径の直径は0.1μm以上であることが必要である。また、孔が大きい場合には溶解量は悪くなる。このため孔径の直径は10μm以下であることが望ましい。
【0069】
(実施例12)
本実施例は請求項14の発明の実施例であり、実施例11と同様にバブリング機構15を用いるようにしているが、特に、メッシュ又は多孔質体14として紙フィルター又はポリマーフィルターを用い、かつ、これらを取り外して交換できるようにバブリング機構15が形成されている。
【0070】
メッシュや多孔質体14自身は、液状物質1に水素3を供給する際に液状物質1内に浸漬されることとなり、メッシュや多孔質体14の表面に、飲料、水系液状食品、油系液状食品等が付着する。これらの一部はメッシュや多孔質体14の内部に染み込むこととなり、時間の経過とともに菌などが繁殖して非常に不衛生な状態となる。
【0071】
そこで、本実施例においては、使用済みのメッシュや多孔質体14を新しいメッシュや多孔質体14に容易に交換できるようにしている。図7はメッシュや多孔質体14を取り外して交換できるように形成されたバブリング機構15の具体例を示すものであり、このバブリング機構15は、開口を設けたキャップ28と、多孔質体14(メッシュでもよい)と、Oリング状のシリコンパッキン30と、有底筒状のボディ31とから構成されている。上記の多孔質体14としては、ろ紙29などの紙フィルター又はポリマーフィルターを用いるのが好ましく、本実施例においてはろ紙29を用いている。また、ボディ31の外側面には雄ネジが形成されており、キャップ28の内側面には雌ネジが形成されている。また、ボディ31は水素供給ノズル23の先端部に設け、水素発生機構4から発生した水素3が水素供給ノズル23を通じてボディ31の内部に入るようにしてある。そして、ボディ31の開口縁35にシリコンパッキン30及びろ紙29をこの順に載置し、ボディ31にキャップ28を被せることによって、バブリング機構15を形成することができる。ろ紙29が汚染された場合には、キャップ28をボディ31から取り外し、ろ紙29を交換すればよい。
【0072】
このように本実施例によれば、汚染されたメッシュ又は多孔質体14を簡易に取り外し、新しいものと交換することができる。なお、本実施例においては、メッシュ又は多孔質体14を取り替えるための構造として、ネジ式を採用しているが、これに限定されるものではなく、バネや剛体を用いた抑え込み式などを採用してもよい。また、メッシュ又は多孔質体14を自由に取り替えることができるようにしていても、シリコンパッキン30によって水密にされているので、メッシュや多孔質体14により、微細な水素3を液状物質1中に確実に分散させることができるものである。
【0073】
(実施例13)
本実施例は請求項15の発明の実施例であり、表面があらかじめ親水処理又は親油処理されたメッシュ又は多孔質体14を用いるようにしている。上記親水処理の方法又は親油処理の方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法で、多孔質体14を親水性にしたり新油性にしたりすることができる。
【0074】
液状物質1における水素3の溶解量は、分散される気泡の径が小さいほど増大する。メッシュや多孔質体14の孔から出てくる気泡は、メッシュや多孔質体14との表面張力の垂直成分よりその浮力が小さい場合、多孔質体14にくっ付いており、浮力が大きくなり表面張力の垂直成分と釣り合ったときに、多孔質体14から離れて液状物質1中を上昇する。つまり、表面張力の垂直成分(左辺)と浮力(右辺)の釣り合いは次式のように示される。
【0075】
2πRγsinα=△ρg(4/3)πr
ここで、R:多孔質体14(又はメッシュ)の孔半径、γ:表面張力、α:接触角、△ρ:気液密度、g:重力加速度、r:気泡半径となる。つまり、表面張力を小さくするように多孔質体14自身を親水処理することにより、一層小さな気泡半径で溶解させることができ、溶解量を増大させることができる。
【0076】
そして、水系の液状物質1に水素3を供給する場合においては親水処理されたメッシュ又は多孔質体14を用い、また、油系の液状物質1に水素3を供給する場合においては親油処理されたメッシュ又は多孔質体14を用いることにより、液状物質1に溶解させる水素3の量を増大させることができ、液状物質1を効率よく還元することができるのである。
【0077】
(実施例14)
実施例13のように、メッシュや多孔質体14を取り替えるようにして菌の発生を抑制しても、取り替えのタイミングによっては菌の発生を防止することができないおそれがある。そこで、本実施例においては、抗菌処理されたメッシュ又は多孔質体14を用いるようにしている(請求項16の発明)。具体的には、銀や銅などの金属系抗菌剤又は有機系の抗菌剤を用いて、メッシュや多孔質体14の表面を処理するようにしている。このようにすると、菌の発生をさらに抑えることができる上に、メッシュや多孔質体14の取り替えのタイミングが遅れても、菌の増殖を十分に抑制することができ、安全な水、その他の液状物質1を得ることができるものである。
【0078】
(実施例15)
ろ紙29やポリマー系のメッシュ又は多孔質体14はそれ自身柔らかく、容易に撓んだりする。このため、液状物質1中においては水素3の圧力により、多孔質体14の中心部が図8(a)のように押されて盛り上がり、曲面形状となる。このとき多孔質体14の周辺部はボディ31とキャップ28により挟持されている。そして、図8(a)のような場合には、キャップ28の開口を上方に向けたとき、多孔質体14の盛り上がった部分は他の部分よりも微小ながら液状物質1中の上部に存在することとなるため、盛り上がった部分にかかる液圧が他の部分より低くなって、その近辺の孔から水素3が放出しやすい。このため気泡の放出がこの部位に集中して、気泡が大きく形成されて放出される。よって、多孔質体14を用いるにもかかわらず、微細な気泡を生じさせることができなくなるおそれがある。
【0079】
そこで、上記のような問題を解消するため、本実施例においては、メッシュ又は多孔質体14の剛性を保持するための剛性保持機構16を用いるようにしている。図7に示す取り替え式のバブリング機構15と基本的な構造は同じであるが、本実施例においては図8(b)に示すようにキャップ28の開口に十字形の補強材32を架け渡して、多孔質体14が水素3の圧力で盛り上がらないようにしている。このようにすると、多孔質体14の剛性を十分に確保することができ、図8(a)のような曲面部が形成されず、液圧の差も生じなくなるため、気泡の発生が多孔質体14の全面から起こるようにすることができる。なお、本実施例では補強材32の形状を十字型としたがこの形状に限定されるものではない。
【0080】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に係る家庭用水素溶解装置によれば、家庭内において水素ガスを直接、食品・飲料用品に溶解させることにより、これらの酸化による劣化を簡便に防止することができると共に容易に過酸化物の還元を行うことができるものである。
【0081】
また請求項2の発明によれば、家庭内において水素ガスを直接、食品・飲料用品に溶解させることにより、これらの酸化による劣化を簡便に防止することができるものである。しかも、固体高分子膜を用いた水素発生機構であれば、必要なときに必要なだけ水素を取り出すことができ、家庭内において水素を保管しておく等の危険を回避することができるものである。また、水素を生成するための水は、市販されているものや水道水など、安全に手軽に手に入れることが可能であり、また分解エネルギーである電気も容易に用いることができる。
【0082】
また請求項3の発明によれば、液状物質に溶解した時の水素及び溶解した後の水素の反応活性を増大させることができるものである。
【0083】
また請求項4の発明によれば、水素を一層容易に活性化させることができるものである。
【0084】
また請求項5の発明によれば、水素を一層容易に活性化させることができるものである。
【0085】
また請求項6の発明によれば、比表面積の大きな触媒を得ることができ、この触媒を用いることで、水素の接触回数も多くなり、活性化される水素も増加し、還元速度を増大させることができるものである。
【0086】
また請求項7の発明によれば、より比表面積の大きな触媒を得ることができ、水素と触媒との接触回数も多くなり、活性化される水素の量も増加させることができ、還元速度が増大するものである。
【0087】
また請求項8の発明によれば、触媒の中に液状物質を通過させることができ、この液状物質に溶存している水素の触媒への接触回数を増加させることができるものである。よって、活性化される水素の量も増加し、還元速度を増大させることができるものである。
【0088】
また請求項9の発明によれば、液状物質が水素活性部の振動又は回転と共に振動又は回転を起こして撹拌され、溶存している水素と水素活性部との接触回数も多くなり、活性化される水素の量も増加し、還元速度を増大させることができるものである。
【0089】
また請求項10の発明によれば、水素を液状物質内に供給している最中、又は水素が液状物質内にすでに供給された後に、駆動体で撹拌羽を回転させることにより、液槽内において液状物質を絶えず流動(撹拌)させておくことができ、溶存している水素と水素活性部との接触回数も多くなり、活性化される水素の量も増加し、還元速度を増大させることができるものである。
【0090】
また請求項11の発明によれば、温度が上昇するほど大きなエネルギーを持つものが増え、活性化障壁を超える確率も大きくなり、より高効率で水素の活性化状態が生じ、還元速度を増大させることができるものである。
【0091】
また請求項12の発明によれば、電気エネルギーにより強制的に水素を触媒に吸着させることが可能となり、容易に水素を活性化させることができると共に、エネルギーレベルを増大させることによりさらに活性化させることができる。このように高効率で水素の活性化状態が生じるため、還元速度も増大するのである。
【0092】
また請求項13の発明によれば、メッシュ又は多孔質体を通して水素を液状物質に供給することにより、水素を液状物質中において非常に細かな気泡として分散させることができるものである。
【0093】
また請求項14の発明によれば、汚染されたメッシュ又は多孔質体を簡易に取り外し、新しいものと交換することができるものである。
【0094】
また請求項15の発明によれば、水系の液状物質に水素を供給する場合においては親水処理されたメッシュ又は多孔質体を用い、また、油系の液状物質に水素を供給する場合においては親油処理されたメッシュ又は多孔質体を用いることにより、液状物質に溶解させる水素の量を増大させることができ、液状物質を効率よく還元することができるのである。
【0095】
また請求項16の発明によれば、菌の発生をさらに抑えることができる上に、メッシュや多孔質体の取り替えのタイミングが遅れても、菌の増殖を十分に抑制することができ、安全な水、その他の液状物質を得ることができるものである。
【0096】
また請求項17の発明によれば、多孔質体の剛性を十分に確保することができ、気泡の発生が多孔質体の全面から起こるようにすることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】AsA残存率と放置時間との関係を示すグラフである。
【図2】本発明に係る家庭内水素溶解装置の一例を示す概略図である。
【図3】溶存過酸化水素量と時間との関係を示すグラフである。
【図4】本発明に係る家庭内水素溶解装置の他例を示す概略図である。
【図5】本発明に係る家庭内水素溶解装置の他例を示す概略図である。
【図6】水素濃度と多孔質体の孔径との関係を示すグラフである。
【図7】バブリング機構の一例を示す概略斜視図である。
【図8】バブリング機構の一例を示すものであり、(a)は剛性保持機構を具備しないものの概略斜視図、(b)は剛性保持機構を具備するものの概略斜視図である。
【符号の説明】
1 液状物質
2 液槽
3 水素
4 水素発生機構
5 水素供給機構
6 固体高分子膜
7 水素活性部
8 触媒
9 基材
10 流駆動部
14 多孔質体
15 バブリング機構
16 剛性保持機構

Claims (17)

  1. 飲料、水系液状食品、油系液状食品のいずれかの液状物質を入れた液槽と、上記液状物質に含まれる抗酸化物、油の酸化抑制物、過酸化物を還元するための水素を発生させる水素発生機構と、水素発生機構により発生させた水素を液槽内の液状物質に供給して溶解させるための水素供給機構とを具備して成ることを特徴とする家庭用水素溶解装置。
  2. 水素発生機構が、固体高分子膜による水の電気分解により水素を発生させるように形成されて成ることを特徴とする請求項1に記載の家庭用水素溶解装置。
  3. 液状物質に溶解した時の水素及び溶解した後の水素の反応活性を増大させる水素活性部を具備して成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の家庭用水素溶解装置。
  4. 水素活性部に、白金、パラジウムから選ばれる貴金属系の触媒を設けて成ることを特徴とする請求項3に記載の家庭用水素溶解装置。
  5. 水素活性部に、ヒドロゲナーゼからなる酵素系の触媒を設けて成ることを特徴とする請求項3に記載の家庭用水素溶解装置。
  6. 触媒と同種又は異種の基材の表面に、触媒を付着させることにより、触媒を付着させた後に焼成することにより、又は触媒を付着させてこれを白金黒化することにより、成長させた触媒を用いて成ることを特徴とする請求項4又は5に記載の家庭用水素溶解装置。
  7. 基材として、あらかじめ表面を粗化処理したものを用いて成ることを特徴とする請求項6に記載の家庭用水素溶解装置。
  8. 触媒の形状が、メッシュ形状又は多孔質形状であることを特徴とする請求項4又は5に記載の家庭用水素溶解装置。
  9. 水素活性部が、液状物質内において振動又は回転可能に形成されて成ることを特徴とする請求項3乃至8のいずれかに記載の家庭用水素溶解装置。
  10. 液槽内において液状物質を流動させるための流駆動部を液槽に形成して成ることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の家庭用水素溶解装置。
  11. 触媒の温度を上昇させるための温度上昇機構を具備して成ることを特徴とする請求項4乃至10のいずれかに記載の家庭用水素溶解装置。
  12. 触媒に電位を付与するための電位付与機構を具備して成ることを特徴とする請求項4乃至11のいずれかに記載の家庭用水素溶解装置。
  13. 水素供給機構が、水素を供給する際に水素をバブリングさせるために、孔径0.1〜10μmのメッシュ又は多孔質体を用いて形成されるバブリング機構を具備して成ることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の家庭用水素溶解装置。
  14. メッシュ又は多孔質体として紙フィルター又はポリマーフィルターを用い、かつ、これらを取り外して交換できるようにバブリング機構が形成されて成ることを特徴とする請求項13に記載の家庭用水素溶解装置。
  15. 表面があらかじめ親水処理又は親油処理されたメッシュ又は多孔質体を用いて成ることを特徴とする請求項13又は14に記載の家庭用水素溶解装置。
  16. 抗菌処理されたメッシュ又は多孔質体を用いて成ることを特徴とする請求項13乃至15のいずれかに記載の家庭用水素溶解装置。
  17. メッシュ又は多孔質体の剛性を保持するための剛性保持機構を具備して成ることを特徴とする請求項13乃至16のいずれかに記載の家庭用水素溶解装置。
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