JP2004350203A - 発振回路内蔵半導体集積回路 - Google Patents

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Morihiro Takamoto
盛宏 高本
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Abstract

【課題】発振回路を内蔵した半導体集積回路において、1つのトランスミッションゲートで構成された帰還抵抗は電圧の変動により抵抗値が変わるため、発振周波数の精度はある一定電圧でしか調整できず、電圧が変動すると精度が悪化するという問題があった。
【解決手段】複数の帰還抵抗5〜7を並列に接続し、CPU2が制御レジスタ3に任意にデータを書き込むことにより、複数の帰還抵抗5〜7それぞれのON、OFFを任意に制御し、電圧が変動しても一定の帰還抵抗値を設定する。これにより、発振周波数の精度の安定化を図ることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発振回路内蔵半導体集積回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の発振回路を内蔵した半導体集積回路を図3に示す。図3において、1は発振回路内蔵半導体集積回路、4は反転増幅器、5はMOSトランジスタからなる帰還抵抗、8は帰還抵抗5を制御する帰還抵抗制御信号、11は発振入力端子、12は発振出力端子、13は発振周波数調整用キャパシタ、14は水晶またはセラミック振動子、15は反転増幅器4から出力された発振信号である。
【0003】
この従来の発振回路では、帰還抵抗5がPMOSトランジスタとNMOSトランジスタからなるトランスミッションゲートで構成されており、制御信号8により、トランジスタのON(オン)、OFF(オフ)が制御され、ONの場合は帰還抵抗が接続され、発振する。OFFの場合は帰還抵抗が接続されないため発振しない。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−032349号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の発振回路内蔵半導体集積回路では、トランスミッションゲートで構成された帰還抵抗5を1つ備えているだけで、その帰還抵抗5の抵抗値(帰還抵抗値)は、電源電圧の変動により変わるため、発振周波数の精度はある一定の電源電圧でしか調整できず、電源電圧が変動すると精度が悪化するという問題を抱えている。
【0006】
また、上記帰還抵抗値は、特に発振利得を必要とする発振開始時の特性にあわせて設定する必要があり、定常的に発振している場合でも発振開始時に必要な小さな抵抗値になり、消費電流が多くなるという問題も併せ持っていた。
【0007】
本発明の目的は、前記課題を解決することにより、電源電圧が変動しても一定した帰還抵抗値を設定でき、発振周波数の精度の安定化を図ることができる発振回路内蔵半導体集積回路を提供することであり、さらには消費電流の削減をも図ることができる発振回路内蔵半導体集積回路を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の発振回路内蔵半導体集積回路は、外部の水晶またはセラミック振動子を接続する一対の入出力端子と、一対の入出力端子間に接続された反転増幅器と、一対の入出力端子間に並列に接続された複数のトランスミッションゲートからなる帰還抵抗部と、複数のトランスミッションゲートのオン、オフを個別に制御するデータを保持するレジスタと、レジスタにデータを書き込むCPUとを備え、CPUは、帰還抵抗部の抵抗値が一定となるように電源電圧の変動に応じてレジスタのデータを書き換えるようにしている。
【0009】
この構成によれば、電源電圧が変動しても一定の帰還抵抗値を設定でき、発振周波数の精度の安定化を図ることができる。
【0010】
また、請求項2記載の発振回路内蔵半導体集積回路は、請求項1記載の発振回路内蔵半導体集積回路において、反転増幅器の出力信号の発振回数をカウントするカウンタを設け、カウンタは、反転増幅器の出力信号が発振を開始してから所定のカウント値をカウント後に、レジスタに少なくとも1つ以上のトランスミッションゲートに対応するデータを書き込むことを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、請求項1の効果に加え、発振開始時と、定常的な発振時で自動的に帰還抵抗値を変更できるため、消費電流の削減を図ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の発振回路内蔵半導体集積回路を具体的な実施の形態に基づいて説明する。
【0013】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の発振回路内蔵半導体集積回路の内部の概略構成図である。図1において、1は発振回路内蔵半導体集積回路、2はCPU、3は制御レジスタ、4は反転増幅器、5〜7はそれぞれPMOSトランジスタとNMOSトランジスタからなるトランスミッションゲートで構成された帰還抵抗、8〜10は帰還抵抗5〜7の制御信号、11は発振入力端子、12は発振出力端子、13は発振周波数調整用キャパシタ、14は水晶またはセラミック振動子、15は反転増幅器4から出力された発振信号である。
【0014】
本実施の形態では、複数の帰還抵抗5〜7を並列接続し、CPU2が書き込む制御レジスタ3のデータにより、帰還抵抗5〜7のそれぞれを独立にON、OFF制御できる構成である。なお、帰還抵抗5をON(OFF)するということは、帰還抵抗5を構成する2つのMOSトランジスタをON(OFF)するということであり、帰還抵抗6,7についても同様である。
【0015】
帰還抵抗5〜7及び発振周波数調整用キャパシタ13は安定した発振と発振周波数の精度を向上させるために用いられる。基本的な周波数は水晶またはセラミック振動子14により決定される。また、反転増幅器4は帰還抵抗5〜7とともに、水晶またはセラミック振動子14により生成された微少な振幅を持つ発振信号を、半導体集積回路内のトランジスタ(図示せず)によりhigh(ハイ)とlow(ロー)が認識できる振幅まで増幅させる。制御信号8〜10は制御レジスタ3に設定されたデータによりMOSトランジスタからなる帰還抵抗5〜7をそれぞれ独立にON、OFFする。
【0016】
制御レジスタ3は複数のビットをもつレジスタであり、それぞれのビットが帰還抵抗5〜7のゲートを独立に制御できる。帰還抵抗5〜7は並列に接続されているため、ONされたMOSトランジスタの数が多いほど抵抗を小さくでき、少ないほど抵抗を大きくできる。
【0017】
制御レジスタ3のデータはCPU2が書き込む事により設定される。そのため帰還抵抗5〜7の総抵抗値を任意に変更ができる。
【0018】
以上のように構成される本実施の形態の発振回路内蔵半導体集積回路1の動作を説明する。ここでは、MOSトランジスタからなる帰還抵抗5〜7の抵抗値は、半導体集積回路1の電源電圧が高い場合にそれぞれR、半導体集積回路1の電源電圧が低い場合はそれぞれ2倍の2Rとする。
【0019】
発振する上で最適な抵抗値がRとした場合、電源電圧が高い場合には、CPU2が制御レジスタ3に、帰還抵抗5がON、帰還抵抗6,7がOFFになるデータを書き込む事により、発振に使用される帰還抵抗値は帰還抵抗5のRだけになる。次に電源電圧が低くなった場合、CPU2が制御レジスタ3に,帰還抵抗5,6がON、帰還抵抗7がOFFになるというデータを書き込む事により、発振に使用される帰還抵抗値は帰還抵抗5の2Rと帰還抵抗6の2Rの合成抵抗値になり、Rになる。
【0020】
すなわち本半導体集積回路1の電源電圧の変動に対しても、総抵抗値を一定にするように帰還抵抗5〜7をそれぞれON、OFFする動作を行う。
【0021】
なお、半導体集積回路1の電源電圧の変動(高い、低い)を検出する手段としては、半導体集積回路1の電源電圧(値)を検出し、その検出した電源電圧をCPU2へ出力する電源電圧検出手段を設け、CPU2が電源電圧検出手段による検出電圧値を予め定めた所定の基準電圧値と比較し、検出電圧値が基準電圧値を超えれば電源電圧は高いと判断し、基準電圧値以下であれば電源電圧は低いと判断するようにすればよい。あるいは、半導体集積回路1の電源電圧が高いか低いかを検出する電源電圧変動検出手段を設け、この電源電圧変動検出手段が、半導体集積回路1の電源電圧(値)を検出し、その検出電圧値を予め定めた所定の基準電圧値と比較し、検出電圧値が基準電圧値を超えれば電源電圧が高いことを示す第1の信号をCPU2へ出力し、基準電圧値以下であれば電源電圧が低いことを示す第2の信号をCPU2へ出力するようにしてもよい。
【0022】
以上のように本実施の形態によれば、複数の帰還抵抗5〜7を並列に接続し、CPU2が制御レジスタ3に任意にデータを書き込むことにより、複数の帰還抵抗5〜7それぞれのON、OFFを任意に制御し、電源電圧が変動しても一定の帰還抵抗値を設定でき、発振周波数の精度の安定化を図ることができる。
【0023】
なお、本実施の形態では、並列に接続される帰還抵抗は3個としたが、2個以上であればよく、その数を増加させる事により、より多くの抵抗値を選択できる。また、並列に接続される帰還抵抗の抵抗値はそれぞれ同一としたが、重み付けをすることにより、より高精度に帰還抵抗値を設定できる。
【0024】
(第2の実施の形態)
図2は、本発明の第2の実施の形態の発振回路内蔵半導体集積回路の内部の概略構成図である。図2において、17は反転増幅器4からの発振信号15の発振回数をカウントするカウンタ、16はカウンタ17をリセットするリセット信号、18は所定のカウント値をカウントしたことを示すオーバーフロー信号である。
【0025】
本実施の形態では、カウンタ17を設け、そのオーバーフロー信号18により制御レジスタ17にデータを書き込むようにしたこと以外は、第1の実施の形態の構成と同様であり、CPU2による制御レジスタ3へのデータの書き込みも第1の実施の形態と同様に行われる。
【0026】
次に本実施の形態の動作について第1の実施の形態とは異なる点を説明する。発振停止時は、リセット信号16により、カウンタ17は初期化されておりカウント動作を起こさない。リセット信号16が解除された後、発振が開始されると、反転増幅器4からの発振信号15はカウンタ17に入力され、その発振回数がカウントされる。カウンタ17はあらかじめ決められた所定のカウント値をカウントすると、オーバーフロー信号18を発生し、制御レジスタ3へ出力することで制御レジスタ3にデータを書き込む。制御レジスタ3の少なくとも1ビット以上をオーバーフロー信号18の出力に割り当てており、これに対応する帰還抵抗(5〜7)のON、OFFが制御される。
【0027】
例えば、発振開始時はすべての帰還抵抗5〜7をONするように、CPU2により制御レジスタ3にデータが書き込まれる。その後、オーバーフロー信号18が発生すると、帰還抵抗値を最大にするように、帰還抵抗5のみがONのままで、その他の帰還抵抗6,7をOFFさせる。この場合、帰還抵抗6と7に対応している制御レジスタ3の2ビットにオーバーフロー信号18の出力を割り当てており、オーバーフロー信号18により上記2ビットのデータが書き換えられる。
【0028】
カウンタ17がオーバーフロー信号18を発生する所定のカウント値は、発振開始から発振が安定するまでの発振回数に設定されており、オーバーフロー信号18の発生は発振開始時から定常的な発振時へ移行したことを示す。すなわち、発振開始から定常的な発振に移行すると、制御レジスタ3のデータがオーバーフロー信号18により書き換えられ、それにより帰還抵抗値が変更され、消費電流の削減を図る事ができる。
【0029】
また、この第2の実施の形態では、定常的な発振に移行した後で、すなわちオーバーフロー信号18により制御レジスタ3のデータが書き換えられた後で、第1の実施の形態で説明したように半導体集積回路1の電源電圧の高い・低いによって、CPU2が制御レジスタ3のデータを書き換えることになる。したがって、CPU2はオーバーフロー信号18の発生を検知している(図2では示していないが、オーバーフロー信号18はCPU2にも入力されている。)
【0030】
【発明の効果】
以上で説明したように、本発明によれば、電源電圧の変動に対しても、最適な一定の帰還抵抗値を設定でき、発振周波数の精度の安定化を図る事ができる。
【0031】
また、発振開始時と、定常的な発振時で自動的に帰還抵抗値を変更できるため、消費電流の削減を図る事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の発振回路内蔵半導体集積回路の概略構成図
【図2】本発明の第2の実施の形態の発振回路内蔵半導体集積回路の概略構成図
【図3】従来の発振回路内蔵半導体集積回路の概略構成図
【符号の説明】
1 発振回路内蔵半導体集積回路
2 CPU
3 制御レジスタ
4 反転増幅器
5〜7 帰還抵抗
8〜10 制御信号
11 発振入力端子
12 発振出力端子
13 周波数精度調整用キャパシタ
14 水晶またはセラミック振動子
15 発振信号
16 カウンタリセット信号
17 カウンタ
18 カウンタオーバーフロー信号

Claims (2)

  1. 外部の水晶またはセラミック振動子を接続する一対の入出力端子と、前記一対の入出力端子間に接続された反転増幅器と、前記一対の入出力端子間に並列に接続された複数のトランスミッションゲートからなる帰還抵抗部と、前記複数のトランスミッションゲートのオン、オフを個別に制御するデータを保持するレジスタと、前記レジスタに前記データを書き込むCPUとを備え、
    前記CPUは、前記帰還抵抗部の抵抗値が一定となるように電源電圧の変動に応じて前記レジスタのデータを書き換えるようにした発振回路内蔵半導体集積回路。
  2. 反転増幅器の出力信号の発振回数をカウントするカウンタを設け、前記カウンタは、前記反転増幅器の出力信号が発振を開始してから所定のカウント値をカウント後に、前記レジスタに少なくとも1つ以上のトランスミッションゲートに対応するデータを書き込むことを特徴とする請求項1記載の発振回路内蔵半導体集積回路。
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