JP2004349492A - 窒化物の気相成長装置 - Google Patents

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一登 三田
Haruo Sunakawa
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Abstract

【課題】作業能率を低下させることなく、数百μmの厚膜の窒化物を高速で、かつ均一性良く気相成長させる。
【解決手段】反応管2にアンモニアを導入する水素化物導入管3と、反応管2内の上流側に配置された生成管4に、ガリウムを収容するソースボート5とソースボート5に反応気体を導入する反応気体導入管6とソースボート5にガリウムを補充する金属源補充管7とを設けた塩化ガリウムの生成手段と、反応管2内の下流側に配置された基板ホルダー19とを備えた窒化物の気相成長装置において、ソースボート5を、反応気体導入管6が接続された半密閉構造の反応室8と、金属源補充管7が接続された充填室9と、反応室8と充填室9とをガリウムの最低使用液面以下の位置で連通する連通室10とで構成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、作業能率を低下させることなく、数百μmの厚膜の窒化物を高速で、かつ均一性良く気相成長させ、欠陥の少ない結晶を安定して得ることのできる窒化物の気相成長装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
窒化物系III−V族化合物半導体結晶は、紫外から緑色の発光素子、レーザ素子用の材料、高出力・高周波用電子デバイス用の材料として注目を受けている。これらのデバイス構造を作製するには、有機金属気相成長法(MOVPE)やハイドライド気相成長法(HVPE)等の気相成長法が用いられている。高速で高品質の窒化ガリウム単結晶を得るためにはHVPE法が適している。
【0003】
従来のHVPE法で用いられている気相成長装置には、図7に示すような構成のものがある(特許文献1参照)。
この気相成長装置51は、窒化ガリウム単結晶を得るため、反応管52にアンモニアを導入する水素化物導入管53と、反応管52の上流側に設けられ反応気体導入管54からのガスとソースボート56に収容したガリウムとの反応により塩化ガリウムを生成するガリウム化合物の生成管55と、反応管52の下流側に設けられ基板63を垂直面内で回転可能に支持する基板ホルダー62とを備えている。
【0004】
ソースボート56の上部には蓋57とガリウム化合物の吹出し窓58が設けられており、ソースボート56の下部には収容するガリウムの表面積を増加させるための仕切り板59が設けられている。生成管55の下流側にはガリウム化合物の吹出し口61が設けられている。この吹出し口61は、断面積が下流側に向かって次第に減少している。
【0005】
生成管55の吹出し窓58と吹出し口61との間には、塩化ガリウムの流出状態を整えると共に、吹出し口61から生成管55内にアンモニアが逆流するのを防ぐためのバッファ板60が設けられている。
反応管52には、基板ホルダー62より下流側に排気口64が設けられている。
反応管52の外側にはソースボート56を加熱する第一の加熱手段65と、基板63を加熱する第二の加熱手段66とが配置されている。反応管52は断熱材67で覆われている。
この気相成長装置51を用い、HVPE法で窒化ガリウムを生成する際は、以下の手順による。
【0006】
(1)反応管52にキャリアガス(水素ガス、窒素ガス)を導入し、反応管52が600℃程度になるまで昇温する。
(2)水素化物導入管53へのアンモニア導入を開始し、反応温度(ソースボート56が約850℃、基板63が約1050℃)で安定するまで保持する。
(3)反応気体導入管54への塩化水素導入を開始し、基板63上に窒化ガリウムが所定厚さになるまで成長させる。
このとき、ガリウム化合物の生成管55内では、
2HCl+2Ga→2GaCl+H
反応管52内では、
NH+GaCl→GaN+H+HCl
の反応が進行する。
【0007】
(4)窒化ガリウムが所定厚さになったら、塩化水素の導入を停止しキャリアガスを流しながら、加熱手段65、66を停止し、反応管52が室温になるまで降温させる。途中、温度が600℃まで降下したらアンモニアの導入を停止する。
(5)生成管55内への窒素ガス導入を続けながら、基板ホルダー62を反応管52の下流側から抜き出して基板63を外し、一旦基板ホルダー62を反応管52内に挿入する。なお、窒素ガスの導入はソースボート56のガリウムが外気に触れて酸化するのを防止するためである。
【0008】
(6)反応管52に塩化水素を導入し、1000℃以上の温度で保持することにより管壁に析出した窒化ガリウムを除去(ベーキング処理)する。この作業は、石英製の反応管52の内壁に窒化ガリウムが成長して応力割れを起こすのを防止するために行うものであり、ベーキング処理の時間は窒化ガリウムの成長時間に略比例する。
(7)生成管55内への窒素ガス導入を続けながら、基板ホルダー62を反応管52の下流側から抜き出して新たな基板63を装着する。
【0009】
以後、上記(1)から(7)までの操作をソースボート56のガリウムが消費されて補充が必要になるまで繰り返す。
この気相成長装置51では、ソースボート56で溶融したガリウムと反応気体導入管54から導入される塩化水素ガスが反応して塩化ガリウムを生成するが、ガリウムの液面と反応気体導入管54との間の距離が変化すると塩化ガリウムの生成に影響を及ぼす。
【0010】
具体的には、両者の間の距離が大きくなるほど反応効率が低下し、塩化ガリウムの生成量が減少して未反応の塩化水素が増加する。従って、基板63上での窒化ガリウムの成長が不安定となり成長速度が低下する。この傾向は窒化ガリウムの成長が200〜300μm/hというような高速成長の場合に顕著に現れる。よって、ソースボート56内のガリウムが消費され、液面が所定の高さまで低下した時点でガリウムの補充を行う。
【0011】
標準的なサイズの気相成長装置51では、ガリウムの補充のタイミングは、累積成長時間25〜35時間につき1度の割合となっている。
ガリウムの補充作業では、ガリウム化合物の生成管55の上流側に設けられ生成管55内を外気から遮断するフランジ部材(図示略)、反応気体導入管54及び蓋57を分解し、ソースボート56を生成管55の開口部付近まで移動させた後、ソースボート56上にガリウムを供給する。
また、他の作業方法として、反応気体導入管54内に、その内径より外径の小さい金属源供給管(図示略)を挿通し、この金属源供給管にガリウムを流し込みソースボート56に供給することもある。
【0012】
【特許文献1】
特開2001−181097号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ガリウムの補充作業は、石英部品の分解・移動・組み付けなど、常に破損を生じないよう注意しながら慎重に行わねばならない作業であり、相当の作業時間も要することから、作業者にとっては大きな負担となっていた。
また、ソースボート56にガリウムを補充する場合、補充の最中にガリウムと共に外気がソースボート56内に流入し、ガリウムの液面が酸化してしまう。仮に、金属源供給管を反応気体導入管54と別個に設け、反応気体導入管54から窒素ガスを導入し続けるようにしても、ガリウムと共に外気が流入するのは避けられず、液面の酸化を完全に防ぐことはできない。
【0014】
そのため、ソースボート56にガリウムを補充した後は、上記(1)〜(7)の作業工程とは別に、反応気体導入管54に水素ガスを導入し、反応温度で保持してガリウムの酸化膜を還元除去(ベーキング処理)するという約5〜6時間の工程が別途必要となる。
従って、ガリウムの補充とその後のベーキング工程の頻度が多いと、作業能率が大幅に低下する。
【0015】
なお、ソースボート56の水平断面積を大きくすれば、同等のガリウム消費量に対する液面の低下量を少なくしガリウムの補充頻度を少なくすることができる。しかし、仮に、ソースボート56を反応管52の径方向に広げると、反応管52の径を拡大しなければならず、装置全体が大掛かりとなるので現実的ではない。また、ソースボート56を反応管52の長手方向に延長すると、ソースボート56全体を均熱状態に保つため第一の加熱手段65を延長しなければならず、長大なヒーターの使用が必要となり、加熱に要するエネルギーも増大するので好ましくない。
【0016】
このように、従来の気相成長装置51では、窒化ガリウムの成長を安定させるためにはガリウムの補充を頻繁に行う必要があり、ガリウムの補充を頻繁に行うと作業能率が低下するという問題があった。
本発明は、気相成長装置における上記課題を解決するものであって、作業能率を低下させることなく、数百μmの厚膜の窒化物を高速で、かつ均一性良く気相成長させ、欠陥の少ない結晶を安定して得ることのできる窒化物の気相成長装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、反応管に水素化物を導入する水素化物導入管と、反応管内の上流側に配置された生成管に、金属源を収容するソースボートとソースボートに反応気体を導入する反応気体導入管とソースボートに金属源を補充する金属源補充管とを設けたIII族元素のハロゲン化物生成手段と、反応管内の下流側に配置された基板支持手段とを備えた窒化物の気相成長装置において、ソースボートを、反応気体導入管が接続された半密閉構造の反応室と、金属源補充管が接続された充填室と、反応室と充填室とを金属源の最低使用液面以下の位置で連通する連通室とで構成している。
【0018】
ソースボートは、反応室、充填室及び連通室で構成されているので、水平断面積が増加する。従って、ガリウム等の金属源の消費量に対する液面の低下量が少なく、金属源の補充が必要となる位置まで液面が低下するのに要する金属源の消費量は従来と比較して増加するので、金属源の補充する頻度を少なくでき作業能率が向上する。このとき、反応気体と金属源との反応は反応室内でしか行われないので、従来どおりの金属ハロゲン化物の生成が可能である。
【0019】
充填室を密閉構造とすると、金属源補充の際に補充される金属源に伴って外気が流入するのは充填室に限られることになる。外気が反応室まで到達しないので、反応室内の金属源の表面が酸化されずに済み、金属源補充後のベーキング工程を省くことができるので作業能率はさらに向上する。
ソースボートの反応室と充填室と連通室とを、上流側から下流側へ充填室、連通室、反応室の順に配列し、連通室の外周に生成管内の雰囲気の下流側から上流側への逆流を防止するバッフル板を設け、反応室が均熱帯となるよう熱源を配置すると、バッフル板によって反応室の区画と充填室の区画とを遮断でき、均熱帯を反応室の区画のみに設定しても金属ハロゲン化物の生成に支障を来さないので、熱源に要する消費エネルギーを低減できる。
【0020】
充填室の前端を反応管を覆う断熱材の外側へ延出させると、成長中でもソースボート内の金属源の残量を確認することができる。
反応管外に金属源供給手段を設けて金属源補充管と接続すると共に、充填室の金属源の液面を監視する監視手段を設け、液面の低下に応じて金属源を充填室に補充するよう構成することにより、充填室への金属源の補充を自動化することが可能となる。
ソースボートの底面と生成管の内壁底部との間に形成される空間内に、ソースボートを支持するローラ装置を設けると、清掃作業等でソースボートを生成管から出し入れする際に容易に移動させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の一形態である窒化物の気相成長装置の構成図、図2はソースボートの縦断面図、図3はソースボートの平面図、図4は図2のA−A線断面図、図5は図2のB−B線断面図である。
気相成長装置1は、反応管2にアンモニアを導入する水素化物導入管3と、反応管2内の上流側に配置され塩化ガリウムを生成する生成管4と、反応管2内の下流側に配置され、基板20をガス流に対向させ、かつ、垂直面内で回転可能に支持する基板ホルダー19とを備えている。
【0022】
生成管4には、ガリウムを収容するソースボート5とソースボート5に反応気体を導入する反応気体導入管6とソースボート5にガリウムを補充する金属源補充管7とが設けられている。
ソースボート5は、断面がほぼ方形で底部を逆台形状とし上方を開口した壁部材5Aを全長に亙って一体成形し、上端を天板11、10A、13で覆い、上流側端面にバッフル板14A、下流側端面にバッフル板14Bを設けて外部と区画し、中間部に複数枚のバッフル板14を互いに所定距離離隔して設けることにより、上流側から充填室9と連通室10と反応室8とを形成している。
【0023】
連通室10の天板10Aの高さは、収容するガリウムの最低使用液面より低く設定されており、反応室8のバッフル板14Bには反応室8で生成された塩化ガリウムを吹き出す吹出し窓12が開口しているので、ソースボート5内に所定量のガリウムを収容することで、充填室9内の気室は密閉状態、反応室8内の気室は半密閉状態となる。
反応室8と充填室9の長さは略等しく、充填室9の上流側端部は、反応管2全体を覆っている断熱材24よりも外側へ延出している。
【0024】
反応室8内にはガリウムの表面張力を利用して反応ガスとの接触面積を増大させるための仕切板15を備えている。
バッフル板14A、14Bの形状は、生成管4の内径より若干小径の円形で、下部を壁部材5Aの底部に合わせて切り欠いている。バッフル板14の形状は、生成管4の内径より若干小径の円形で、壁部材5Aに合わせたスリットを形成し、下部を天板10Aの上面に密接するように切り欠いている。
【0025】
バッフル板14Aには反応気体導入管6及び金属源補充管7が挿通され、バッフル板14には反応気体導入管6が挿通されて、それぞれ溶接固定されている。また、バッフル板14A、14、14Bにはキャリアガスの導通管(図示略)が抜差し可能に挿通されており、必要に応じてドーパントガスの導通管(図示略)が抜差し可能に挿通される。
【0026】
ソースボート5の壁部材5Aの底面と生成管4の内壁底部との間に形成される空間内には、ソースボート5を支持するローラ装置16が設けられている。ローラ装置16は、全長がソースボート5と略等しい枠体16Aに複数のローラ16Bを回転自在に保持したものであり、ローラ16Bの転動により、ソースボート5を後端のバッフル板14Bが生成管4に固設されたストッパ4Bに当接するまで移動させることができる。ソースボート5を生成管4内に装入するときには、ストッパ4Bに当接するまで移動させた後、ソースボート5の前端のバッフル板14Aを抜差し可能なストッパ4Aで固定する。
【0027】
生成管4の下流側には塩化ガリウムの吹出し口18が設けられている。この吹出し口18は、断面積が下流側に向かって次第に減少している。
生成管4の吹出し窓12と吹出し口18との間には、塩化ガリウムの流出状態を整えると共に、吹出し口18から生成管4内にアンモニアが逆流するのを防ぐためのバッファ板17が設けられている。
【0028】
反応管2には、基板ホルダー19より下流側に排気口21が設けられている。
反応管2の外側にはソースボート5の反応室8を加熱する第一の加熱手段22と、基板20を加熱する第二の加熱手段23とが配置されている。
第一の加熱手段22は、反応室8内が塩化ガリウムの生成に好適な温度700℃〜950℃の均熱帯となるよう配置されており、好ましくは800℃〜900℃でソースボート5の加熱を行う。反応室8内で生成された塩化ガリウムは、吹出し窓12からバッファ板17、吹出し口18を経て反応管2の窒化ガリウムの成長領域へ供給される。
【0029】
窒化ガリウムを成長させる基板20は、基板ホルダー19に取り付けられ、窒化ガリウムの成長領域に吹出し口18に対向して配置され、第二の加熱手段23は、この窒化ガリウムの成長領域(混合領域)でアンモニア等の窒素源の活性化を促進し、塩化ガリウムとの反応によって窒化ガリウムを成長させるように配置されている。第二の加熱手段23によって、窒化ガリウムの成長領域は700℃〜1100℃に加熱される。
窒化ガリウムの成長領域で窒化ガリウムの成長反応に利用された気体の残余の部分は排気口21から排出される。
この気相成長装置1を用い、HVPE法で窒化ガリウムを生成する際は、以下の手順による。
【0030】
[1]反応管2にキャリアガス(水素ガス、窒素ガス)を導入し、反応管2が600℃程度になるまで昇温する。
[2]水素化物導入管3へのアンモニア導入を開始し、反応温度(ソースボート5の反応室8が約850℃、基板20が約1050℃)で安定するまで保持する。このとき、ソースボート5の充填室9では反応温度までは上昇していないが、バッフル板14によって反応室8と充填室9は熱的な遮断状態にあるので、反応室8の温度は安定する。
【0031】
[3]反応気体導入管6への塩化水素導入を開始し、基板20上に窒化ガリウムが所定厚さになるまで成長させる。
このとき、生成管4の反応室8内では、
2HCl+2Ga→2GaCl+H
反応管2内では、
NH+GaCl→GaN+H+HCl
の反応が進行する。
ソースボート5の水平断面は従来と比較すると略2倍の面積があるので、反応が進行してガリウムが消費されても、ガリウム液面の低下は従来の約1/2である。従って、反応気体導入管とガリウム液面との間の距離の変化量が少ないので、塩化ガリウムの生成に悪影響を及ぼすことが少ない。
また、ソースボート5の充填室9の上流側端部は、反応管2を覆っている断熱材24よりも外側へ延出しているので、ガリウムの残量を容易に確認することができる。
【0032】
[4]窒化ガリウムが所定厚さになったら、塩化水素の導入を停止しキャリアガスのみを流しながら、加熱手段22、23を停止し、反応管2が室温になるまで降温させる。途中、温度が600℃まで降下したらアンモニアの導入を停止する。
[5]生成管4内への窒素ガス導入を続けながら、基板ホルダー19を反応管2の下流側から抜き出して基板20を外し、一旦基板ホルダー19を反応管2内に挿入する。なお、窒素ガスの導入はソースボート5のガリウムが外気に触れて酸化するのを防止するためである。
【0033】
[6]反応管2に塩化水素を導入し、1000℃以上の温度で保持することにより管壁に析出した窒化ガリウムを除去(ベーキング処理)する。この作業は、石英製の反応管2の内壁に窒化ガリウムが成長して応力割れを起こすのを防止するために行うものであり、ベーキング処理の時間は窒化ガリウムの成長時間に略比例する。
[7]生成管4内への窒素ガス導入を続けながら、基板ホルダー19を反応管2の下流側から抜き出して新たな基板20を装着する。
【0034】
以後、上記[1]から[7]までの操作をソースボート5のガリウムが消費されて補充が必要になるまで繰り返す。
この気相成長装置1では、ガリウムの補充作業は、金属源補充管7にガリウムを流し込みソースボート5の充填室9まで供給するだけなので、容易に行うことができる。ガリウムの補充サイクルが延び補充作業も簡略化されるので、作業能率が向上する。
【0035】
また、充填室9は密閉構造なので、ガリウム補充の際にガリウムに伴って外気が流入するのは充填室9のみに限られることになる。外気が反応室8に到達しないので、反応室8内のガリウム表面が酸化されずに済み、補充後のベーキング工程を省くことができるので作業能率がさらに向上する。
なお、酸化されたガリウムが微量でも反応室8内に入ることが許容されない場合には、連通室10の充填室9側端部にシャッターによる開閉機構を設けて、反応室8のガリウムの液面レベルが所定位置まで低下した時点でシャッターを開き、充填室9内のガリウムを反応室8内に送り込んでベーキング工程を実施するか、もしくは天板13にシャッターによる開閉機構を設け、充填室9が第一の加熱手段22の均熱帯に入るよう基板ホルダー19側に移動させた後シャッターを開き金属源補充管7に水素ガスを導入してベーキング工程を行ってもよい。
【0036】
反応管2外に図示しないタンクとポンプを備えた金属源供給手段を設けて金属源補充管7と接続すると共に、充填室9のガリウムの液面を監視する光電センサー等の監視手段を設け、液面の低下に応じてガリウムを充填室9に補充するよう構成すると、充填室9へのガリウムの補充を自動化し、塩化ガリウムの生成量を常に最適に保つことが可能となる。
反応管2や生成管4の内部は定期的に清掃する必要があるが、ソースボート5の底面と生成管4の内壁底部との間に形成される空間内に、ソースボート5を支持するローラ装置16を設けているので、ソースボート5を生成管4から出し入れする際に容易に移動させることができる。
【0037】
図6はこの気相成長装置1を用いて窒化ガリウムの単結晶を成長させた場合と、図7に示す従来の気相成長装置51を用いて窒化ガリウムの単結晶を成長させた場合との成長時間と成長速度の関係を比較して示してある。
従来の気相成長装置51を用いた場合は、図上黒四角の点で示すように、成長時間が25時間を超えたあたりから成長速度が低下するが、この気相成長装置1を用いた場合には、図上黒丸の点で示すように、成長時間が55時間を超えても成長速度の落ち込みは少ない。
【0038】
【発明の効果】
本発明の窒化物の気相成長装置によれば、作業能率を低下させることなく、数百μmの厚膜の窒化物を高速で、かつ均一性良く気相成長させ、欠陥の少ない結晶を安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である窒化物の気相成長装置の構成図である。
【図2】ソースボートの縦断面図である。
【図3】ソースボートの平面図である。
【図4】図2のA−A線断面図である。
【図5】図2のB−B線断面図である。
【図6】本発明の気相成長装置を用いた場合と、従来の気相成長装置を用いた場合の窒化ガリウムの単結晶の成長時間と成長速度の関係を比較して示す図である。
【図7】従来の窒化物の気相成長装置の構成図である。
【符号の説明】
1 気相成長装置
2 反応管
3 水素化物導入管
4 生成管
5 ソースボート
6 反応気体導入管
7 金属源補充管
8 反応室
9 充填室
10 連通室
11 天板
12 吹出し窓
13 天板
14 バッフル板
15 仕切板
16 ローラ装置
17 バッファ板
18 吹出し口
19 基板ホルダー
20 基板
21 排気口
22 第一の加熱手段
23 第二の加熱手段
24 断熱部材

Claims (6)

  1. 反応管に水素化物を導入する水素化物導入管と、
    反応管内の上流側に配置された生成管に、金属源を収容するソースボートとソースボートに反応気体を導入する反応気体導入管とソースボートに金属源を補充する金属源補充管とを設けたIII族元素のハロゲン化物生成手段と、
    反応管内の下流側に配置された基板支持手段とを備えた窒化物の気相成長装置であって、
    ソースボートを、反応気体導入管が接続された半密閉構造の反応室と、金属源補充管が接続された充填室と、反応室と充填室とを金属源の最低使用液面以下の位置で連通する連通室とで構成したことを特徴とする窒化物の気相成長装置。
  2. 充填室を密閉構造としたことを特徴とする請求項1記載の窒化物の気相成長装置。
  3. ソースボートの反応室と充填室と連通室とを、上流側から下流側へ充填室、連通室、反応室の順に配列し、連通室の外周に生成管内の雰囲気の下流側から上流側への逆流を防止するバッフル板を設け、反応室が均熱帯となるよう熱源を配置したことを特徴とする請求項1又は2記載の窒化物の気相成長装置。
  4. 充填室の前端を反応管を覆う断熱材の外側へ延出させたことを特徴とする請求項3記載の窒化物の気相成長装置。
  5. 反応管外に金属源供給手段を設けて金属源補充管と接続すると共に、充填室の金属源の液面を監視する監視手段を設け、液面の低下に応じて金属源を充填室に補充するよう構成したことを特徴とする請求項4記載の窒化物の気相成長装置。
  6. ソースボートの底面と生成管の内壁底部との間に形成される空間内に、ソースボートを支持するローラ装置を設けたことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の窒化物の気相成長装置。
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