JP2004349317A - 基板表面の平坦化方法、平坦化基板の製造方法、液晶表示装置および有機エレクトロルミネセンス素子 - Google Patents

基板表面の平坦化方法、平坦化基板の製造方法、液晶表示装置および有機エレクトロルミネセンス素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2004349317A
JP2004349317A JP2003141912A JP2003141912A JP2004349317A JP 2004349317 A JP2004349317 A JP 2004349317A JP 2003141912 A JP2003141912 A JP 2003141912A JP 2003141912 A JP2003141912 A JP 2003141912A JP 2004349317 A JP2004349317 A JP 2004349317A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
substrate
wettability
flattening
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003141912A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4355900B2 (ja
Inventor
Hitoshi Matsushima
仁 松嶋
Ken Sumiyoshi
研 住吉
Shinzo Tsuboi
眞三 坪井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP2003141912A priority Critical patent/JP4355900B2/ja
Publication of JP2004349317A publication Critical patent/JP2004349317A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4355900B2 publication Critical patent/JP4355900B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】液晶表示素子・有機EL素子に用いられる平坦化した基板、半導体等の半導体装置の平坦化した基板、マイクロオプティクス等の光学機器において平坦化した基板、および平坦化した基板の製造方法、および平坦化した基板を用いた液晶表示装置、有機EL素子、半導体装置を提供する。
【解決手段】基板表面の凹凸面の凹部10aの表面に、露光、放電、表面処理剤により、濡れ性変化面30を形成し、凸部10bと凹部10aの濡れ性を異ならせる。次に、表面の濡れ性の違いを利用し、凹部10aにのみ平坦化膜16を成膜し基板表面を平坦にする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶表示素子、有機エレクトロルミネセンス素子(有機EL素子)、半導体等の半導体装置、マイクロオプティクス等の光学機器の製造工程における基板表面の平坦化方法、平坦化基板の製造方法、平坦化した基板を用いた液晶表示装置、有機EL素子および半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子(LCD:Liquid Crystal Display)は、直視型のモニタや、投写型のプロジェクタに広く利用されている。現在利用されている多くのLCDは、電極を作製した2枚のガラス基板間に液晶を封入し、その液晶に電場を印加して液晶の配向状態を変更することにより、表示を行っている。
【0003】
特にTFT(Thin Film Transistor)を用いたLCDは、高画質・高精細の点で優れているため、利用が進んでいる。TFT−LCDの1画素は、表示部分と、TFTや配線が配置されている非表示部分とに区分することができ、この非表示部分は、一般に遮光層によって覆われて表示に寄与しない構造になっている。
【0004】
ところで、LCDでは、TFTや配線に起因する凹凸が液晶に接する側の基板表面に生じる。LCDでは、基板表面の凹凸は液晶の配向を乱す要因となり、ひいてはLCDの表示品質の低下につながる。
【0005】
TFT−LCDに広く用いられているツイステッドネマチック(TN)モードでのLCDの表示品質の低下の原因を、図25と図26を用いて簡単に説明する。図25は凹凸がない理想的な平坦化基板を用いた液晶表示素子の断面図であり、図26は凹凸を有する基板を用いた液晶表示素子の断面図である。液晶表示素子は、TFT基板532と対向基板533で液晶層534を狭持した構造となっている。TFT基板532側は、画素電極524に印加する電圧を制御するためのTFT523、配線522、TFT523と画素電極524を電気的に接触させるためのコンタクトホール526、平坦化膜525等からなる。一方、対向基板533側は対向電極527等からなる。TFT基板532と対向基板533の液晶層534と接する側には配向膜が存在するが、図では省略している。
【0006】
TNモードでは、画素電極524と対向電極527間に発生する縦電界により液晶の配向を制御している。一般的には、コントラスト比(白表示時と黒表示時の透過率の比)に優れるので、縦電界発生時に黒、無電界時に白のノーマリホワイトモードを使用している。ところが、隣接する画素電極524の印加電圧が異なるとき、縦電界のみならず画素電極524間に横電界が発生する。この横電界により液晶の配向ベクトルに、点傾531と呼ばれる不連続点が発生する(例えば、非特許文献1参照。)。点傾531は、ノーマリホワイトモードの黒表示時には光抜けとなる。したがって、高コントラスト比を得るためにはディスクリネーションを隠すために、遮光膜(BM膜)を大きくする必要があるので、光が透過する画素開口部の面積を全体の面積で割った値である画素開口率が低下する。もしくは、画素開口率を維持し明るさを得るために、コントラスト比が低下する。
【0007】
横電界による点傾531が、画素電極524上に大きく進入することを防ぐには、液晶分子のプレチルト角530を大きくすることが効果的であることが知られている(例えば、非特許文献2参照。)。
【0008】
図25の凹凸がない理想的な平坦化基板では、液晶分子529に高プレチルト角530を誘起する配向膜を選択することにより、画素電極524上、配線522上の液晶分子529は均一なプレチルト角530が得られる。したがって、画素電極524上に点傾531は大きく進入しないので、高コントラスト比と高画素開口率が両立可能である。
【0009】
一方、図26の配線522に起因する凸部528が存在する基板では、高プレチルト角配向膜を選択することにより、画素電極524上の液晶分子529はプレチルト角530が得られる。しかし、凸部528の斜面上では液晶分子529aの見かけのプレチルト角が小さくなる。場合によっては、プレチルト角が負になる。したがって、配線上に凸部による斜面があると、液晶分子のプレチルト角を大きくすることにより点傾531が画素電極524上に大きく進入することを防ぐ効果が失われ、明るさまたはコントラスト比が低下する。
【0010】
特に、プロジェクタ用の対角1インチ程度のLCDでは、直視型の対角15インチなどのモニタと比べると、画素ピッチが10〜30μmと非常に小さくなり、相対的にTFTや配線が占める面積が大きく、TFTや配線に起因する基板表面凹凸による表示品質への影響が大きい。
【0011】
以上より、基板表面の凹凸をなくして平坦にすることが、LCDの表示品質を向上させるために必要である。
【0012】
次に、有機EL素子では、陽極に凹凸があるとリーク電流が発生し、輝度が低下するばかりでなく、陽極と陰極がショートして、ショート部にのみ電流が流れることにより、他の部分では素子が発光しなくなる場合がある。これを防ぐため、陽極を研磨する技術が開示されている(特許文献1参照。)。
【0013】
図27に有機EL素子の断面図を示す。有機EL素子は、TFT基板532と画素電極524上に作製した正孔輸送層542、有機EL層543、上部電極544、透明電極膜545からなる。絶縁層541は画素電極524と透明電極膜545が接触するのを防止する。TFT基板532側は、画素電極524と上部電極544間の電流を制御するためのTFT523、配線522、TFT523と画素電極を電気的に接触させるためのコンタクトホール526、平坦化膜525等からなる。
【0014】
陽極は画素電極524に対応するが、画素電極524を研磨するときに、TFT基板532に凹凸があると問題が生じる。図28は凹凸がない理想的なTFT基板の断面図であり、図29(a)は凹凸を有するTFT基板の断面図である。
【0015】
図28(a)のように凹凸がない理想的なTFT基板では、図28(b)に示す研磨パッド546を用いた化学的機械研磨(CMP)等により、画素電極524を研磨可能である。
一方、図29(a)のように凹凸を有するTFT基板では、凸部528が障害となり画素電極524を研磨することはできない。
【0016】
CMPは、研磨液を供給しながら、定盤上に敷いた研磨パッドに基板を押しつけ、定盤を回転させることにより、基板を研磨する方法である。研磨液による化学反応と、研磨パッドと基板との機械的な摩擦により、効果的に平坦化することができる。
【0017】
また、半導体装置の分野では、高集積化・高性能化に伴い配線の微細化・多層化が進んでおり、配線の微細化は、フォトリソグラフィ工程における露光時の解像度を上げることで対応できる。
【0018】
しかし、解像度を上げると、露光装置の焦点深度が浅くなるため、基板表面に生じる配線に起因する凹凸が存在すると、その凹凸に対して露光装置の焦点深度が対応できず露光精度が悪くなり、配線の微細化が困難になる。したがって、半導体装置の製造においては、基板表面を平坦にすることが求められている。
【0019】
さらに、マイクロオプティクスは、他の光学部品と組み合わせた使用や、複数の機能をもたせるために積層構造にすることが多い。他の光学部品との組立や積層構造での製造を簡単にするために、基板表面が平坦であることが求められている。
【0020】
マイクロオプティクスの一つであるマイクロレンズアレイを例に説明すると、マイクロレンズアレイでは、レジストの熱ダレ,エッチング,機械加工などで基板上にレンズ面となる凹凸形状を作製している。
【0021】
この状態では、例えばレンズとプリズムを組み合わせるため、マイクロレンズ上にプリズムを作製しようとしても、基板表面の凹凸のため作製は困難である。そこで、マイクロオプティクスにおいても、基板表面を平坦にすることが求められている。
【0022】
液晶表示素子、有機EL素子、半導体、マイクロオプティクス等の分野における、従来の基板表面の平坦化方法としては、大きく分けて平坦化膜法,エッチバック法、研磨法の3つが知られている。
【0023】
まず、平坦化膜法は、加熱したときの流れ性が優れた平坦化膜を基板表面に塗布し、この平坦化膜を加熱してリフローさせることにより、基板表面を平坦にするものである。平坦化膜法を図30を用いて説明する。
【0024】
まず、図30(a)に示すように、基板610上に配線611が作製され、その基板表面上に絶縁膜619が成膜される。ここで、配線611の影響により、基板表面の絶縁膜619に凹凸が生じる。
【0025】
そこで、図30(b)に示すように、絶縁膜619上に平坦化膜616を塗布し、基板表面を平坦にしている。ときには、その平坦化膜616を加熱してリフローさせることにより、基板表面を平坦にしている。
【0026】
しかし、図30に示す平坦化膜法は、基板表面の凹凸を均すことはできるが、凹凸の段差に比べ平坦化膜の膜厚を厚くしないと、十分に平坦化ができない。このため、図31に示すように、画素電極624とTFT623との距離が長くなり、コンタクトホール626が深くなる。
【0027】
次に、エッチバック法とは、前記平坦化膜法で作製した膜をエッチングすることにより、平坦にする方法である。エッチバック法を図32を用いて説明する。
【0028】
図32(a)および(b)の工程は図30に示す平坦化膜法と同じである。平坦化膜法では、一般的に平坦化膜616の膜厚が厚い方がより平坦化されるため、高い平坦度を得ようとすると平坦化膜616の膜厚が厚くなるという問題点があるが、エッチバック法では、この問題が生じることはない。
【0029】
図32(c)に示すように、エッチバック法では、平坦化する領域の全面をエッチングすることにより、平坦化膜616の膜厚を薄くしている。エッチングには、CCl4、CF4、CHF3、O2等の反応ガスを用いるドライエッチングが用いられる。
【0030】
また、研磨法とは、基板表面を研磨することにより平坦にする方法である。特に、前述の化学的機械研磨(CMP)が利用されることが多い。
【0031】
【特許文献1】
特開平09−245965号公報
【非特許文献1】
日本学術振興会情報科学用有機材料第142委員会液晶部会編「液晶辞典」培風館出版、1989年12月5日、p.134−136
【非特許文献2】
松本正一 編著「液晶ディスプレイ技術」産業図書出版、1996年11月8日、p193
【0032】
【発明が解決しようとする課題】
液晶表示素子や有機EL素子のTFT基板では、平坦化膜の膜厚が厚くなると、コンタクトホールも深くなる。これにより、画素電極とTFTのコンタクト不良が増加し歩留まりが低下する。
【0033】
また、エッチバック法での平坦化は、ドライエッチング工程よりも平坦化膜塗布工程での平坦化によりほぼ決まってしまうため、エッチバック法でも平坦化膜法と同様に平坦化は十分にできないという問題点がある。また、平坦化膜を厚くすると、エッチング量が増加し作業時間が増加する。
【0034】
また、研磨法、特にCMPでは、平坦化は十分に行うことができるが、高価なCMP装置を導入する必要があり、消耗品である研磨液や研磨パッドのコストも高くなるという問題点がある。平坦化膜が有機材料であるときは、無機膜の研磨と異なり、膜が柔らかく研磨が困難である。また、研磨時に傷が発生する場合もある。
【0035】
本発明の目的は、液晶表示素子、有機EL素子、半導体等の半導体装置、マイクロオプティクス等の光学機器の製造工程における基板表面の平坦化方法、および平坦化した基板を用いた液晶表示装置、有機EL素子を提供することである。
【0036】
なお、本発明で得る平坦化面とは、完全に平坦に近い平坦面、または、少なくとも従来の平坦化膜法の平坦化面よりは薄い平坦化膜層で、凹凸の差を減少させた平坦化面である。
【0037】
【課題を解決するための手段】
本発明の基板表面の平坦化方法は、凹凸を有する基板表面の凹部および凸部の表面の濡れ性を、露光により相互に異ならせる工程と、濡れ性の違いによって前記凹部にのみ平坦化膜を成膜させる工程とを有する。
【0038】
また、本発明の平坦化基板の製造方法は、上記本発明の基板表面の平坦化方法を有する。
【0039】
凹凸部の濡れ性を露光により相互に異ならせるには、露光により濡れ性が変化する濡れ性変化膜をあらかじめ基板表面に塗布した後、必要な部位のみ選択的に、露光により上記の膜に化学反応を生じさせて膜自体の濡れ性を変化させるか、または、露光により上記の膜に気体分解を生じさせてその下面にある膜を露出させる。選択的に露光させるには、基板表面の凹凸に対応した露光パタンを有する露光用マスクを用いるか、または、凸部が露光による影響をその背面に及ぼさない金属で形成されている場合に、前記の凸部のない基板裏面から露光することで、凸部のみを露光させないようにして行う。露光効果を促進するため、濡れ性変化膜に光触媒を含ませ、または、その下面に光触媒膜を設けることもできる。
【0040】
このようにして形成された濡れ性の異なる基板表面に、凸部に対してははじかれ積層せず、凹部に対しては平坦化膜が積層するような平坦化膜を塗布する。これにより、凸部表面には平坦化膜が成膜されず、凹部にのみ平坦化膜を成膜することが可能となる。すなわち、本発明は、凹凸構造を有する基板の凸部表面と、凹部の平坦化膜に対する濡れ性を異ならせ、平坦化膜に対する濡れ性を凹凸に応じて調整することにより、凸部に不必要に平坦化膜が成膜せず、薄い平坦化膜の膜厚で平坦化基板が得られる。
【0041】
また、放電により凹凸構造の凸部表面と凹部表面の平坦化膜に対する濡れ性を異ならせることにより、凸部表面には平坦化膜を成膜せず、凹部表面に平坦化膜を成膜することもできる。これにより、凸部には不必要に平坦化膜が成膜されず、薄い平坦化膜の膜厚で平坦化基板が得られる。
【0042】
さらに、表面処理剤により凹凸構造の凸部表面と凹部表面の平坦化膜に対する濡れ性を異ならせることにより、凸部表面には平坦化膜を成膜せず、凹部表面に平坦化膜を成膜することもできる。
【0043】
基板を平坦化した後、凸部を露光するか、凸部に残存した濡れ性変化膜を溶解することで、基板表面全域を同じ濡れ性にそろえることもできる。これにより、平坦化された基板の上にさらに別の膜を成膜することが可能となる。別の膜として別の平坦化膜を成膜すれば、基板表面をより一層平坦化することができる。
【0044】
本発明は、基板を有する種々の装置に適用することができる。例えば、本発明の液晶表示装置は、本発明の基板表面の平坦化方法により表面を平坦化された液晶を用いている。これにより、従来技術と比べ性能あるいは信頼性のより向上した種々の装置を提供することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図を参照して説明する。
【0046】
本発明による基板表面の平坦化方法は、凹凸を有する表面を成形する基板表面の平坦化方法であって、基板表面凸部と基板表面凹部の、平坦化膜に対する濡れ性を変化させ、基板表面の濡れ性の違いにより、基板表面の凹部に選択的に平坦化膜を塗布し、基板表面を平坦にすることを特徴とするものである。 ここで、凹部とは凸部以外の平面をいう。
【0047】
基板表面の濡れ性を変化させる手段としては、具体的には、基板表面の凹凸形状に対応させてパタン露光する方法、マスクを基板表面に生成後、放電により表面処理する方法、表面処理剤による方法がある。以下、各々の方法による本発明の実施の形態を説明する。
【0048】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1による基板表面の平坦化方法について、その基本概念を工程順に示す断面図である。
【0049】
図1(a)は、平坦化を行う前の基板表面の状況を示す。基板10の表面には凹部10aと凸部10bとが存在している。
【0050】
まず、図1(b)に示すように、基板表面の凹凸形状に対応する露光パタンをもつ露光用マスク14を用いて、基板表面をパタン露光する。露光用マスク14は、光透過部14aと光遮光部14bとを有しており、基板表面の凹部10bは光透過部14aに、基板表面の凸部10aは光遮光部14bにそれぞれ対応している。また、基板表面は撥水性であり、露光によって濡れ性が親水性へと変化する特性を有している。
【0051】
基板表面に露光することにより、凹部10bに、処理前後で平坦化膜16に対する濡れ性が変化した濡れ性変化面30が形成される。すなわち、凹部10bは撥水性から親水性に変化する。例えば、凸部10aと凹部10bが、末端基にアルキル基を有するポリマー樹脂のとき、紫外線照射により末端基を切断することにより、パタン露光された凹部10bは、親油性から親水性へと濡れ性が変化する。
【0052】
次に、図1(c)に示すように、基板表面に平坦化膜16を成膜する。基板表面の凸部10aは撥水性であり、凹部10bは親水性であるから、親水性の平坦化膜16は、親水性の凹部10bにのみ積層され、撥水性の凸部10aの上には積層しない。これにより、凹部10aには、凸部10bの高さまで平坦化膜16が積層し、平坦化面21が得られる。
【0053】
平坦化面21の凹凸が問題にならなければ、凸部10aと高さを合わせるまで平坦化膜16を成膜する必要はない。また、逆に凹部10bに成膜した平坦化膜16の膜表面が、凸部10aよりも高くなってもよい。
【0054】
なお、以上の説明では、平坦化膜16は親水性であるとしたが、親油性であっても構わない。この場合は、パタン露光された凹部10bは、撥油性から親油性へと濡れ性が変化する。
【0055】
以上が、実施形態1の基本概念であるが、さらに、図2から図16を用いて、具体例により、詳細に説明を行う。実施形態1−1から1−7では、基板上の配線が原因となり凹凸が発生する場合における本発明の実施形態を説明し、さらに、実施形態1−8から1−11では、配線が2次元的に設けられ相互に交差する場合や、マイクロレンズアレイ等に適用した場合の実施形態を説明する。
【0056】
(実施形態1−1)
図2は、本発明の実施形態1−1による基板表面の平坦化方法を工程順に示す断面図である。図3は、図2に示す基板表面の平坦化方法の平坦化処理前の基板表面を示す上面図である。
【0057】
本実施形態による基板表面の平坦化方法は、液晶表示素子、有機EL素子、半導体の基板表面に適用可能なものである。
【0058】
図2(a)に示すように、基板10上には配線11が形成され、さらにその上に、基板全体を覆うように絶縁膜19が成膜されている。配線11は図3に示すように、一方向に複数個並列に配置されている。図3の断面B−B’が図2の断面図に対応する。
【0059】
まず、図2(b)に示すように、凹凸構造を有する基板表面に、撥水撥油膜13を塗布する。撥水撥油膜13の材料としてはアルコキシシリル基を有するフルオロカーボンが用いられる(以後FAS1と称する)。FAS1としては以下に示す一般式1に示される化合物を例示することができるが、これらの例に限定されるものではない。
【0060】
一般式1 (CF−(CF−CH−CH−Si−(OR4−m
式中 n は 0〜12 の整数を示す。m は 1〜3 の整数を示す。Rは炭素数 1〜5 のアルキル基を示す。FAS1は、紫外光を照射されると、アルコキシシリル基が親水性のSiOに変化する性質がある。また、この膜厚には特に制限はない。さらに、この撥水撥油層の成膜方法には特に制限はなく、スピンコート法、ディップ法、蒸着法等を例示することができるが、これらの例に限定されるものではない。
【0061】
次に、図2(c)に示すように、基板表面の凹凸形状に対応する露光パタンをもつ露光用マスク14を用いて、撥水撥油膜13に光15を照射する。光源としては紫外光を使用する。
【0062】
露光用マスク14は、光透過部14aと光遮光部14bとを有しており、基板表面の凹部は光透過部14aに、基板表面の凸部は光遮光部14bに、それぞれ対応している。したがって、紫外光が照射された凹部では、FAS1が分解され、基板表面の凹部の撥水撥油膜13は、撥水撥油性部13aから、濡れ性変化面となる親水親油性部13bに変化する。一方、凸部は露光されないので撥水撥油膜13は、撥水撥油性部13aのままである。すなわち、撥水撥油膜13は、FAS1が分解した親水親油性部13bと、FAS1が残留した撥水撥油性部13aの2つの領域に区分される。 ここで、照射光は撥水撥油膜13が分解する以上のエネルギを有する電磁波であればよく、その強度、照射角度、照射時間、周波数に制限はない。
【0063】
露光用マスク14を用いた露光の終了後、図2(d)に示すように、撥水撥油膜13の表面に平坦化膜16を塗布する。親水親油性部13bの上面には平坦化膜16が積層される。一方、配線11上の撥水撥油性部13aでは平坦化膜16がはじかれるため、平坦化膜16は積層されない。平坦化膜16の塗布量を調整することにより、親水親油性部13bの上に積層された平坦化膜16の表面高さと、配線11上に塗布した撥水撥油膜13の表面高さを合わせることによって平坦化面21が得られる。平坦化膜16の成膜法はスピンコート法、ディップ法、スプレー法、ノズル噴射法、印刷法、転写法等を例示することができるが、これらの例に限定されるものではない。
【0064】
次に、図2(e)に示すように、基板10を配線11側から露光することにより、配線11上の撥水撥油膜13が撥水撥油性部13aから親水親油性部13bに変化する。これにより、配線11上の撥水撥油膜13上に、他の膜を塗布することが可能となる。
【0065】
他の膜をさらに塗布するためには、上記方法以外に、基板10をパーフルオロオクタンに浸漬し、撥水撥油膜13を溶解除去してもよい。この場合は、平坦化膜16を塗布するときに、除去する撥水撥油膜13の分だけ、平坦化膜16の表面を低くしておいてもよい。撥水撥油膜13上に他の膜を塗布しないときや、撥水撥油性部13a上に他の膜が塗布可能なときはこの工程は必要ない。
【0066】
以上により、本発明の目的である基板の平坦化が達成されるが、さらに次の工程を行うことにより、配線11による凹凸をより一層平坦化することが可能である。すなわち、図2(f)に示すように、平坦化膜17をさらに塗布することにより、平坦化面22が得られる。既に平坦化面21を得ているので、平坦化膜17は薄い厚さでも平坦化の効果は高い。平坦化面22は、配線11による凹凸を平坦化面21よりさらに減少することが可能である。
【0067】
平坦化面22に別の平坦化膜(図示せず)を更に塗布することにより、より一層凹凸が減少した平坦化面(図示せず)を得ることも可能である。このときも、上記の別の平坦化膜は、既に平坦化面22を得ているので、薄い厚さでも平坦化の効果は高い。
【0068】
次に、露光による撥水撥油膜13の親水親油性への変化が弱いときや、遅いときには、光触媒を撥水撥油膜13に含ませることにより、露光による変化を促進することができる。光触媒には、二酸化チタン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、硫化カドミウム、酸化鉄、チタン酸ストロンチウム等が使用できる。
【0069】
さらに、平坦化膜16について以下のことが言える。まず第一に、平坦化膜16は、撥水撥油膜13の親水親油性部13bに積層可能で、撥水撥油膜13の撥水撥油性部13aには積層できない材料であれば、任意に使用できる。
【0070】
第二に、平坦化膜16の加熱処理が行われる際、加熱溶融性がよい平坦化膜16を用いることにより、平坦化膜16の流れ性を利用してさらに基板表面を平坦化することができる。
【0071】
第三に、本実施形態では配線11上に絶縁膜19を成膜した後に平坦化膜16を塗布したが、配線11上に平坦化膜16を直接塗布し、この平坦化膜16を絶縁膜として用いるようにしてもよい。
【0072】
本実施形態によれば、露光により撥水撥油性から親水親油性に変化する撥水撥油膜13を使用することで、凹凸を有する基板の平坦化が可能となり、従来のフォトリソグラフィ装置がそのまま使えるため、新規に装置を導入する必要がなく、コストを抑えることができる
さらに、従来の平坦化法と異なり、撥水撥油性部13aの効果により、配線11上には平坦化膜16が塗布されないので、平坦化膜16を基板表面の凹凸の差以上に塗布することなく、基板表面を平坦化することが可能である。したがって、平坦化膜16の膜厚、または平坦化膜16と平坦化膜17の合計膜厚を薄くすることが可能であり、コストを抑えることができる。
【0073】
(実施形態1−2)
図4は、本発明の実施形態1−2による他の基板表面の平坦化方法を工程順に示す断面図である。
【0074】
本実施形態による基板表面の平坦化方法は、液晶表示素子、有機EL素子、半導体の基板表面を平坦化する場合に適用可能なものである。
【0075】
本実施形態は、撥水撥油膜13を露光する工程で、基板表面の凹凸形状に対応する露光パタンをもつ露光用マスク14を用いずに、基板裏面から露光する点が、実施形態1−1と異なる。
【0076】
図4(a)に示すように、基板10上に配線11が形成され、さらにその上に絶縁膜19が成膜されている。凹凸の原因となる配線11は、金属からなっており光が透過しない。一方、基板10は光を透過する。
なお、ここで光を透過させないとは、基板10、金属等の光を透過させない物質、撥水撥油膜13の順で積層したもの(条件A)と、基板10、撥水撥油膜13の順で積層したもの(条件B)とを、撥水撥油膜13の反対側から露光したとき、条件Bでは、撥水撥油膜13が撥水撥油性から親水親油性に変化し、条件Aでは、撥水撥油膜13が撥水撥油性から親水親油性に変化するのに必要な波長の光が、物質により反射、もしくは吸収されることにより、撥水撥油性のままであることと定義する。
【0077】
本実施形態では、まず、図4(b)に示すように、凹凸構造を有する基板表面に、撥水撥油膜13を塗布する。撥水撥油膜13の材料としてはFAS1が用いられる。
【0078】
次に、図4(c)に示すように、撥水撥油膜13を塗布した面の逆側の面より、撥水撥油膜13を露光する。凹凸の原因となる配線11は金属からなり、光15は透過せず撥水撥油膜13まで露光されないので、配線11上に塗布した撥水撥油膜13は撥水撥油性部13aのままである。一方、凹凸の原因となる配線11がないところは、光15は透過し撥水撥油膜13まで露光されるので、撥水撥油膜13は撥水撥油性部13aから親水親油性部13bに変化する。
【0079】
次に、図4(d)に示すように、平坦化膜16を塗布する。親水親油性部13bでは、平坦化膜16が撥水撥油膜13上に積層される。一方、配線11上の撥水撥油性部13aでは平坦化膜16がはじかれるため、平坦化膜16は撥水撥油膜13上に積層されない。平坦化膜16の塗布量を調整することにより、成膜後の平坦化膜16の膜表面と、配線11上に塗布した撥水撥油膜13の膜表面の高さを合わせることによって平坦化面21が得られる。
【0080】
次に、図4(e)に示すように、基板10を配線11側から露光することにより、配線11上の撥水撥油膜13が撥水撥油性部13aから親水親油性部13bに変化する。これにより、配線11上の撥水撥油膜13上に、他の膜を塗布することが可能となる。
【0081】
なお、本実施形態においても、図4(f)に示すように、平坦化膜17を更に塗布することにより、平坦化面22が得られる。その効果も実施形態1−1と同様である。
【0082】
本実施形態は、金属等光を透過させない物質により凸部が形成されている基板を平坦化するときに有効な方法である。具体的な効果として、露光用マスクの費用を削減することが可能である。
【0083】
(実施形態1−3)
図5は、本発明の実施形態1−3による他の基板表面の平坦化方法を工程順に示す断面図である。
【0084】
本実施形態による基板表面の平坦化方法は、液晶表示素子、有機EL素子、半導体の基板表面を平坦化する場合に適用可能なものである。
【0085】
本実施形態は、撥水撥油膜13を塗布する前に、光触媒膜31を成膜しておくことが、実施形態1−1、1−2と異なる。
【0086】
図5(a)に示すように、基板10上に配線11が形成され、さらにその上に絶縁膜19が成膜されている。なお、絶縁膜19を成膜する前の図5(a)の基板の上面図は図3と共通である。図3の断面B−B’が図5の断面図に対応する。
【0087】
まず、図5(b)に示すように、凹凸構造を有する基板表面に、光触媒膜31を成膜する。光触媒膜31の材料は露光により電子とホールが発生する物質であり、二酸化チタンの他、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、硫化カドミウム、酸化鉄、チタン酸ストロンチウム等を例示することができるがこれらの例に限定されるものではない。また、成膜方法については特に制限はなく、例えばスパッタ法、ゾルゲル成膜法などを例示することができる。さらに、この膜厚についても特に制限はない。
【0088】
次に、図5(c)に示すように、凹凸構造を有する基板表面に、撥水撥油膜13を塗布する。撥水撥油膜13の材料としてはFAS1が用いられる。
【0089】
次に、図5(d)に示すように、基板表面の凹凸形状に対応する露光パタンをもつ露光用マスク14を用いて、撥水撥油膜13に露光する。露光用マスク14は、光透過部14aと光遮光部14bとを有しており、基板表面の凹部は光透過部14aに、基板表面の凸部は光遮光部14bに、それぞれ対応している。露光用マスク14を用いた露光により、基板表面の凹部の撥水撥油膜13は、撥水撥油性部13aから親水親油性部13bに変化する。すなわち、光触媒膜31上に撥水撥油膜13を成膜することにより、露光された領域は、光触媒膜31の半導体光触媒としての作用により電子とホールが生成し、FAS1を分解する。分解されたFAS1はアルコキシシリル基がSiOになる。こうして光触媒膜がないときに比べて、撥水撥油性の変化が促進される。一方、凸部は露光されないので、撥水撥油膜13は撥水撥油性部13aのままである。照射光は光触媒のバンドギャップに相当するエネルギ以上のエネルギを有する電磁波であり、その強度、照射角度、照射時間、周波数に制限はない。また、これらの電磁波と、バンドギャップに相当するエネルギ以下のエネルギを有する電磁波を同時に露光してもよい。
【0090】
次に、図5(e)に示すように、撥水撥油膜13の上に平坦化膜16を塗布する。親水親油性部13bでは、平坦化膜16が撥水撥油膜13上に積層される。一方、配線11上の撥水撥油性部13aでは平坦化膜16がはじかれるため、平坦化膜16は撥水撥油膜13上に積層されない。平坦化膜16の塗布量を調整することにより、成膜後の平坦化膜16の膜表面と、配線11上に塗布した撥水撥油膜13の膜表面の高さを合わせることによって平坦化面21が得られる。光触媒層31により、露光による撥水撥油膜13の撥水撥油性から親水親油性への変化を促進することが可能である。
【0091】
(実施形態1−4)
図6は、本発明の実施形態1−4による他の基板表面の平坦化方法を工程順に示す断面図である。
【0092】
本実施形態による基板表面の平坦化方法は、液晶表示素子、有機EL素子、半導体の基板表面を平坦化する場合に適用可能なものである。
【0093】
本実施形態は、撥水撥油膜13が露光により気体分解物となって消失する点が、実施形態1−1から1−3と異なる。
【0094】
図6(a)に示すように、基板10上に配線11が形成され、さらにその上に絶縁膜19が成膜されている。絶縁膜19を成膜する前の図6(a)の基板の上面図は図3と共通である。図3の断面B−B’が図6の断面図に対応する。
【0095】
まず、図6(b)に示すように、凹凸構造を有する基板表面に、撥水撥油膜13を塗布する。撥水撥油膜13の材料としてはアルコキシシリル基を有するフルオロカーボンが用いられる(以後FAS2と称する)。FAS2としては以下に示す一般式2から4に示される化合物を例示することができるが、これらの例に限定されるものではない。
【0096】
一般式2 G−CF−(CF−CF−G
一般式3 G−(CF−CF−O)−(CF−O)−G
一般式4 G−(CF−CF−O)−G
式中 n は 0〜12 の整数を示す。G はそれぞれ独立に F、 CH−OH、もしくはCOOH を示す。p, q は それぞれ独立に0〜4の整数を示す。FAS2は紫外光が照射されると、分解し気体分解物となって消滅する性質を有している。また、この膜厚には特に制限はない。さらに、この撥水撥油層の成膜方法には特に制限はなく、スピンコート法、ディップ法、蒸着法等を例示することができるが、これらの例に限定されるものではない。
【0097】
次に、図6(c)に示すように、基板表面の凹凸形状に対応する露光パタンをもつ露光用マスク14を用いて、撥水撥油膜13に露光する。露光用マスク14は、光透過部14aと光遮光部14bとを有しており、基板表面の凹部は光透過部14aに、基板表面の凸部は光遮光部14bに、それぞれ対応している。露光用マスク14を用いた露光により、基板表面の凹部の撥水撥油膜13は、気体分解物となって絶縁膜19上から消滅する。一方、凸部は露光されないので撥水撥油膜13は、撥水撥油性部13aのままである。こうして凹部では、撥水撥油性のFAS2膜すなわち撥水撥油膜13の下の層が露出する。照射光は撥水撥油膜13が分解する以上のエネルギを有する電磁波であり、その強度、照射角度、照射時間、周波数に制限はない。
【0098】
次に、図6(d)に示すように、撥水撥油膜13の上に平坦化膜16を塗布する。絶縁膜19上には平坦化膜16が積層される。一方、配線11上の撥水撥油性部13aでは平坦化膜16がはじかれるため、平坦化膜16は積層されない。平坦化膜16の塗布量を調整することにより、成膜後の平坦化膜16の膜表面と、配線11上に塗布した撥水撥油膜13の膜表面の高さを合わせることによって平坦化面21が得られる。
【0099】
次に、図6(e)に示すように、基板10を配線11側から露光することにより、配線11上の撥水撥油膜13が、気体分解物となって絶縁膜19上から消滅する。これにより、配線11上の絶縁膜19上に、他の膜を塗布することが可能となる。または、基板10をパーフルオロオクタンに浸漬し、撥水撥油膜13を溶解除去してもよい。
【0100】
なお、本実施形態においても、図6(f)に示すように、平坦化膜17を更に塗布することにより、平坦化面22が得られる。その効果も実施形態1−1と同様である。
【0101】
露光による撥水撥油膜13の気体分解物への変化が弱いときや、遅いときには、光触媒を撥水撥油膜13に含ませることにより、露光による変化を促進することができる。このときFAS2が気体分解し消滅した後には、撥水撥油膜13に含まれた物質は残留する。光触媒には、二酸化チタン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、硫化カドミウム、酸化鉄、チタン酸ストロンチウム等が使用できる。
【0102】
(実施形態1−5)
図7は、本発明の実施形態1−5による他の基板表面の平坦化方法を工程順に示す断面図である。
【0103】
本実施形態による基板表面の平坦化方法は、液晶表示素子、有機EL素子、半導体の基板表面を平坦化する場合に適用可能なものである。
【0104】
本実施形態は、撥水撥油膜13を塗布する前に、光触媒膜31を成膜しておくことが、実施形態1−4と異なる。
【0105】
図7(a)に示すように、基板10上に配線11が形成され、さらにその上に絶縁膜19が成膜されている。絶縁膜19を成膜する前の図7(a)の基板の上面図は図3と共通である。図3の断面B−B’が図7の断面図に対応する。
【0106】
まず、図7(b)に示すように、凹凸構造を有する基板表面に、光触媒膜31を成膜する。
【0107】
次に、図7(c)に示すように、凹凸構造を有する基板表面に、撥水撥油膜13を塗布する。撥水撥油膜13の材料としてはFAS2が用いられる。
【0108】
次に、図7(d)に示すように、基板表面の凹凸形状に対応する露光パタンをもつ露光用マスク14を用いて、撥水撥油膜13に露光する。露光用マスク14は、光透過部14aと光遮光部14bとを有しており、基板表面の凹部は光透過部14aに、基板表面の凸部は光遮光部14bに、それぞれ対応している。基板表面の凹部の撥水撥油膜13は、気体分解物となって絶縁膜19上から消滅する。一方、凸部は露光されないので撥水撥油膜13は、撥水撥油性部13aのままである。光触媒膜31上に撥水撥油膜13を成膜することにより、露光された領域は、光触媒膜31の半導体光触媒としての作用により電子とホールが生成し、FAS2を分解する。分解されたFAS2は気体分解物となり消滅し、光触媒層31が露出する。こうして光触媒膜31がないときに比べて、撥水撥油性の変化が促進される。照射光は光触媒のバンドギャップに相当するエネルギ以上のエネルギを有する電磁波であり、その強度、照射角度、照射時間、周波数に制限はない。また、これらの電磁波と、バンドギャップに相当するエネルギ以下のエネルギを有する電磁波を同時に露光してもよい。
【0109】
次に、図7(e)に示すように、撥水撥油膜13の上に平坦化膜16を塗布する。光触媒膜31上には平坦化膜16が積層される。一方、配線11上の撥水撥油性部13aでは平坦化膜16がはじかれるため、平坦化膜16は積層されない。平坦化膜16の塗布量を調整することにより、成膜後の平坦化膜16の膜表面と、配線11上に塗布した撥水撥油膜13の膜表面の高さを合わせることによって平坦化面21が得られる。
【0110】
次に、図7(f)に示すように、基板10を配線11側から露光することにより、配線11上の撥水撥油膜13が、気体分解物となって光触媒膜31上から消滅する。これにより、配線11上の光触媒膜31上に、他の膜を塗布することが可能となる。または、基板10をパーフルオロオクタンに浸漬し、撥水撥油膜13を溶解除去してもよい。
【0111】
なお、本実施形態においても、図7(f)に示すように、平坦化膜17を更に塗布することにより、平坦化面22が得られる。その効果も実施形態1−1と同様である。
【0112】
本実施形態では、光触媒層により、露光による撥水撥油膜の撥水撥油性から親水親油性への変化を促進することが可能である。
【0113】
(実施形態1−6)
図8は、本発明の実施形態1−6による他の基板表面の平坦化方法を工程順に示す断面図である。
【0114】
本実施形態による基板表面の平坦化方法は、液晶表示素子、有機EL素子、半導体の基板表面を平坦化する場合に適用可能なものである。
【0115】
本実施形態は、平坦化面21を得たあと、露光により撥水撥油膜13の撥水撥油性部13aを親水親油性部13bに変化させるとき、露光用マスク14を使用し、撥水撥油膜13の撥水撥油性部13aにのみ露光する点が実施形態1−1から1−5と異なる。
【0116】
本実施形態は、平坦化面21を得るまでは、前記の実施形態、たとえば実施形態1−1と同一である。すなわち図2(d)までの工程は同一である。図8はそれ以降の工程のみを抽出して示している。
【0117】
本実施形態では、平坦面21が得られた後、図8(a)に示すように、基板表面の凹凸形状に対応する露光パタンをもつ露光用マスク14’を用いて、基板10を配線11側から露光する。露光用マスク14’は、光透過部14aと光遮光部14bとを有しており、撥水撥油性部13aであるところは光透過部14aに、平坦化膜16を積層したところは光遮光部14bに対応している。これにより、配線11上の撥水撥油膜13が撥水撥油性部13aから親水親油性部13bに変化し、配線11上の撥水撥油膜13上に、他の膜を塗布することが可能となる。
【0118】
なお、本実施形態においても、図8(b)に示すように、平坦化膜17を更に塗布することにより、平坦化面22が得られる。その効果も実施形態1−1と同様である。
【0119】
本実施形態は、撥水撥油膜に、撥水撥油膜が撥水撥油性から親水親油性に変化するのに必要な波長の光を露光したときに、平坦化膜への光の影響を防ぐことが可能である。ここで、光の影響とは、光の波長とエネルギ量により、平坦化膜の分子構造が破壊される事による分子量の減少、透過率が低下することを意味する。
【0120】
(実施例1−7)
図9は、本発明の実施形態1−7による他の基板表面の平坦化方法を工程順に示す断面図である。
【0121】
本実施形態による基板表面の平坦化方法は、液晶表示素子、有機EL素子、半導体の基板表面を平坦化する場合に適用可能なものである。
【0122】
本実施形態は、平坦化面21を得たあと、平坦化膜17を削ることにより、平坦化面24を得る点が、実施形態1−1から1−6と異なる。
【0123】
本実施形態は、平坦化面21を得るまでは実施形態例1−1から1−6のいずれの方法によってもよい。このため、平坦化面21を得る方法については説明を割愛する。
【0124】
図9(a)に示すように、基板10上に形成した配線11による凹凸を、撥水撥油膜13と平坦化膜16により平坦化し、平坦化面21を得た基板がある。
【0125】
本実施形態では、まず、図9(b)に示すように、平坦化面21上に平坦化膜17を更に塗布することにより、平坦化面23を得る。平坦化面23は、最終的に得られる平坦化面24よりあらかじめ高くしてある。
【0126】
次に、図9(c)に示すように、平坦化膜17の平坦化された平坦化面23を、平坦化面24まで削る。このとき、CCl4、CF2、CHF2、O2等の反応ガスを用いるドライエッチング等が用いられる。
【0127】
一般的に、既に平坦化面を得ている場合、さらに平坦度を高めるための追加の平坦化膜は薄くてもよいが、本実施形態では、追加の平坦化膜を厚く成膜して平坦度を上げ、なおかつその後に追加の平坦化膜を削るので、凹凸をより一段と減少させることが可能である。すなわち、本実施形態の平坦化面24は、凹凸を平坦化面21より減少させるだけでなく、実施形態1−1から1−7で得られる平坦化面22より減少させることが可能である。
【0128】
なお、本実施形態は、後述する実施形態2および3にも適用することができる。
【0129】
(実施形態1−8)
図10から12を用いて、本発明の実施形態1−8による他の基板表面の平坦化方法を説明する。図10は、本実施形態による基板表面の平坦化方法での平坦化処理前の基板表面を示す上面図と断面図である。図11は、本実施形態による基板表面の平坦化方法での基板表面の撥水撥油性領域・親水親油性領域を示す上面図である。図12は、本実施形態による基板表面の平坦化方法を工程順に示す断面図である。
【0130】
本実施形態による基板表面の平坦化方法は、液晶表示素子、有機EL素子、半導体の基板表面を平坦化する場合に適用可能なものである。
【0131】
図10(a)に示すように、基板10上には配線11と配線12が配置されている。図10(b)は断面A−A’、(c)は断面B−B’、(d)は断面C−C’の断面図である。これらの図に示すように、基板10上には、下から配線12、絶縁膜19、配線11、絶縁膜20の順で、配線と絶縁膜が形成されている。配線11と配線12とは4箇所で交差しており、交差部では配線11が配線12上を乗り越すように構成されているが、逆の関係でも構わない。この構造では、配線11と配線12が交差している所で、凹凸の差が一番大きくなる。また、配線11、12は金属等光を透過させない物質であり、その膜厚は同等である。
【0132】
以下に、断面A−A’、断面B−B’、断面C−C’ごとに平坦化工程を示す。
【0133】
(断面A−A’について)
図12(a)に示すように、基板10上に下から配線12、絶縁膜19、配線11、絶縁膜20の順で形成されている。配線11は絶縁膜19上の一部にのみ存在する。
【0134】
まず、図12(b)に示すように、凹凸構造を有する基板表面に、撥水撥油膜13を塗布する。撥水撥油膜13の材料としてはFAS1が用いられる。
【0135】
次に、図12(c)に示すように、撥水撥油膜13を塗布した面の逆側の面より、撥水撥油膜13を露光する。凹凸の原因となる配線11、12は金属からなるので、光は配線11、12を透過せず撥水撥油膜13まで届かない。このため、配線11、12上に塗布した撥水撥油膜13は撥水撥油性部13aのままである。すなわち、断面A−A’では撥水撥油膜13は全て撥水撥油性部13aのままである。
【0136】
次に、図12(d)に示すように、平坦化膜16を塗布する。断面A−A’に沿って配線12上が設けられているため、断面の前方、後方にある親水親油性部13bでは、平坦化膜16が撥水撥油膜13上に積層される。一方、断面A−A’上の配線11、12の上面は撥水撥油性部13aとなっており、平坦化膜16がはじかれるため、平坦化膜16は積層されない。平坦化膜16の塗布量を調整し、成膜後の平坦化膜16の膜表面と、配線12、絶縁膜19、絶縁膜20、撥水撥油膜13が積層している箇所の膜表面の高さを合わせることによって、平坦化面25が得られる。なお、平坦化面25の高さは断面C−C’に示している。
【0137】
次に、図12(e)に示すように、基板10を配線11側から露光することにより、絶縁膜20上の撥水撥油膜13が撥水撥油性部13aから親水親油性部13bに変化する。これにより、絶縁膜20上の撥水撥油膜13上に、他の膜を塗布することが可能となる。
【0138】
(断面B−B’について)
図12(a)に示すように、基板10上に絶縁膜19、配線11、絶縁膜20の順で形成されている。配線11は絶縁膜19上の一部にのみ存在する。
【0139】
まず、図12(b)に示すように、凹凸構造を有する基板表面に、撥水撥油膜13を塗布する。撥水撥油膜13の材料としてはFAS1が用いられる。
【0140】
次に、図12(c)に示すように、撥水撥油膜13を塗布した面の逆側の面より、撥水撥油膜13を露光する。凹凸の原因となる配線11が金属からなるので、光は透過せず、撥水撥油膜13まで露光されないので、配線11上に塗布した撥水撥油膜13は撥水撥油性部13aのままである。
【0141】
次に、図12(d)に示すように、平坦化膜16を塗布する。親水親油性部13bでは、平坦化膜16が撥水撥油膜13上に積層される。一方、配線11上の撥水撥油性部13aでは平坦化膜16がはじかれるため、平坦化膜16は撥水撥油膜13上に積層されない。平坦化膜16の塗布量を調整し、成膜後の平坦化膜16の膜表面と、絶縁膜19、配線11、絶縁膜20、撥水撥油膜13とが積層している箇所の膜表面の高さを合わせることによって平坦化面25が得られる。
【0142】
次に、図12(e)に示すように、基板10を配線11側から露光することにより、配線11上の撥水撥油膜13が撥水撥油性部13aから親水親油性部13bに変化する。これにより、配線11上の撥水撥油膜13上に、他の膜を塗布することが可能となる。
【0143】
(断面C−C’について)
図12(a)に示すように、基板10上に下から配線12、絶縁膜19、配線11、絶縁膜20の順で形成されている。配線11は配線12上にのみ存在する。
【0144】
まず、図12(b)に示すように、凹凸構造を有する基板表面に、撥水撥油膜13を塗布する。撥水撥油膜13の材料としてはFAS1が用いられる。
【0145】
次に、図12(c)に示すように、撥水撥油膜13を塗布した面の逆側の面より、撥水撥油膜13を露光する。凹凸の原因となる配線11、12が金属からなるので、光は透過せず、撥水撥油膜13まで露光されないので、配線11上に塗布した撥水撥油膜13は撥水撥油性部13aのままである。
【0146】
次に、図12(d)に示すように、平坦化膜16を塗布する。親水親油性部13bでは、平坦化膜が撥水撥油膜13上に積層される。一方、配線11上の撥水撥油性部13aでは平坦化膜16がはじかれるため、平坦化膜16は撥水撥油膜13上に積層されない。平坦化膜16の塗布量を調整し、成膜後の平坦化膜16の膜表面と、配線12、絶縁膜19、絶縁膜20、撥水撥油膜13と積層している箇所の膜表面の高さを合わせることによって平坦化面25が得られる。
【0147】
次に、図12(e)に示すように、基板10を配線11側から露光することにより、絶縁膜20上の撥水撥油膜13が撥水撥油性部13aから親水親油性部13bに変化する。これにより、配線11上の撥水撥油膜13上に、他の膜を塗布することが可能となる。
【0148】
平坦化面25は、配線11による凹凸は残っているが、少なくとも従来の平坦化膜法の平坦化面よりは、平坦化膜の薄い膜厚で凹凸の差を減少させることができる。
【0149】
また、平坦化面25を得たあとに、本発明の実施形態1−1から1−7、または従来の平坦化膜法等により平坦化を行ってもよい。平坦化面25を得たあとに従来の平坦化膜法を行ったときは、平坦化面25を得ずに直接絶縁膜20上に従来の平坦化膜法を行ったときよりも、平坦化膜の薄い膜厚で凹凸の差を減少させた平坦化面を得ることが可能である。
【0150】
本実施形態は、以上述べたように、配線11、配線12上の撥水撥油膜13を、撥水撥油性13aのままにすることで、配線11、配線12上の撥水撥油膜13上に、平坦化膜16を塗布しないことを特徴としている。すなわち、基板10にFAS1を塗布して、背面露光した結果、撥水撥油性部と親水親油性部は図11に示すようになる。
【0151】
配線11、12が金属等光を透過させない物質でないときは、たとえば実施形態1−1で述べたような露光用マスクを用いることができる。
【0152】
本実施形態によれば、撥水撥油膜を使用することで、高さの異なる凸部を有する基板の平坦化が可能となり、従来のフォトリソグラフィ装置をそのまま使えるため、新規に装置を導入する必要がなく、コストを抑えることができる
なお、本実施形態では、パタン露光により基板表面の濡れ性を変化させる工程を用いた凹凸基板の平坦化法を使用したが、濡れ性を変化させる方法として、後述するマスクを用いた放電処理により基板表面の濡れ性を変化させる工程(実施形態2)や、マスクを用いた表面処理剤の塗布により基板表面の濡れ性を変化させる工程(実施形態3)を使用してもよい。
【0153】
(実施形態1−9)
図13は、本発明の実施形態1−9による基板表面の断面図である。
【0154】
本実施形態による基板表面の平坦化方法は、液晶表示素子、有機EL素子、半導体の基板表面を平坦化する場合に適用可能なものである。
【0155】
本実施形態においては、基板10上の配線11、12の設置状況は実施形態1−9と同じであり、その詳細は図10に示すとおりである。
【0156】
本実施形態は、平坦化膜16を塗布する工程で、成膜後の平坦化膜16の膜表面を配線11,12の交差部における撥水撥油膜13の表面の高さに合わせ、平坦化面26を得た点が実施形態1−9と異なる。
【0157】
(実施形態1−10)
図14および15を用いて、本発明の実施形態1−10による他の基板表面の平坦化方法を説明する。図14は、本実施形態による平坦化工程での基板表面の撥水撥油性領域・親水親油性領域を示す上面図である。図15は、本実施形態による基板表面の平坦化方法を工程順に示す断面図である。なお、平坦化前の基板表面の状況は、図10と同じである。
【0158】
本実施形態による基板表面の平坦化方法は、液晶表示素子、有機EL素子、半導体の基板表面を平坦化する場合に適用可能なものである。
【0159】
本実施形態は、平坦化膜16を積層する所の撥水撥油膜13の性質を撥水撥油性から親水親油性に変える工程で、配線11,12が交差している箇所の撥水撥油膜13のみを撥水撥油性部13aのままとし、その他を親水親油性部13bにし、かつ、平坦化膜16を塗布する工程で、成膜後の平坦化膜16の膜表面と、配線11,12の交差部の撥水撥油膜13の表面の高さとを合わせ、平坦度の高い平坦化面27を得る点が実施形態1−9および10と異なる。本実施形態では、交差する2つの配線11,12の高さ(厚さ)が異なっていても適用できる。
【0160】
平坦化前の基板表面の断面は、図10(b)から(d)と同じである。以下、図15により、断面A−A’、断面B−B’、断面C−C’ごとに平坦化工程を示す。
【0161】
(断面A−A’について)
図15(a)に示すように、基板10上に下から配線12、絶縁膜19、配線11、絶縁膜20の順で形成されている。配線11は絶縁膜19上の一部にのみ存在する。
【0162】
まず、図15(b)に示すように、凹凸構造を有する基板表面に、撥水撥油膜13を塗布する。撥水撥油膜13の材料としてはFAS1が用いられる。
【0163】
次に、図15(c)に示すように、配線11、12の交差部のみを光が通過し、それ以外の部分は光を遮断するような露光パタンをもつ露光用マスク14を用いて、撥水撥油膜13を露光する。すなわち、露光用マスク14は、光透過部14aと光遮光部14bを有しており、配線11、12の交差部以外の基板表面の一般部は光透過部14aに、配線11、12の交差部は光遮光部14bに、それぞれ対応している。図14で撥水撥油性部として斜線を施した部分が光遮断部14bに対応する。
【0164】
露光用マスク14を用いた露光により、基板表面の配線11、12の交差部以外の撥水撥油膜13は、露光により撥水撥油性13aから親水親油性13bに変化する。一方、配線11、12の交差部の撥水撥油膜13は露光されないので、撥水撥油膜13は撥水撥油性部13aのままである。
【0165】
次に、図15(d)に示すように、平坦化膜16を塗布する。親水親油性部13bでは、平坦化膜16が撥水撥油膜13上に積層される。一方、配線11、12の交差部上の撥水撥油性部13aでは平坦化膜16がはじかれるため、平坦化膜16は撥水撥油膜13上に積層されない。平坦化膜16の塗布量を調整し、成膜後の平坦化膜16の膜表面と、配線11、12の交差部上の撥水撥油膜13表面の高さを合わせることによって平坦化面27が得られる。
【0166】
次に、図15(e)に示すように、基板10を配線11側から露光することにより、配線11、12の交差部上の撥水撥油膜13が撥水撥油性部13aから親水親油性部13bに変化する。これにより、配線交差部上の撥水撥油膜13上に、他の膜を塗布することが可能となる。
【0167】
(断面B−B’について)
図15(a)に示すように、基板10上に下から絶縁膜19、配線11、絶縁膜20の順で形成されている。配線11は絶縁膜19上の一部にのみ存在する。
【0168】
まず、図15(b)に示すように、凹凸構造を有する基板表面に、撥水撥油膜13を塗布する。撥水撥油膜13の材料としてはFAS1が用いられる。
【0169】
次に、図15(c)に示すように、露光用マスク14を用いて、撥水撥油膜13を露光する。断面B−B’では、配線11、12の交差部はないので、撥水撥油膜13は全て親水親油性部13bになる。
【0170】
次に、図15(d)に示すように、平坦化膜16を塗布する。親水親油性部13bでは、平坦化膜16が撥水撥油膜13上に積層される。平坦化膜16の塗布量を調整し、成膜後の平坦化膜16の膜表面と、配線11、12の交差部の撥水撥油膜13表面の高さを合わせることによって平坦化面27が得られる。
【0171】
次に、図15(e)に示すように、基板10を配線11側から露光する。断面B−B’では、撥水撥油性部13aである部位はないので、撥水撥油膜13は変化せず、全て親水親油性部13bのままである。
【0172】
(断面C−C’について)
図15(a)に示すように、基板10上に下から配線12、絶縁膜19、配線11、絶縁膜20の順で形成されている。配線11は配線12上にのみ存在する。
【0173】
まず、図15(b)に示すように、凹凸構造を有する基板表面に、撥水撥油膜13を塗布する。撥水撥油膜13の材料としてはFAS1が用いられる。
【0174】
次に、図15(c)に示すように、露光用マスク14を用いて、撥水撥油膜13を露光する。基板表面の配線11以外の撥水撥油膜13は、露光により撥水撥油性部13aから親水親油性部13bに変化する。一方、配線11は露光されないので、撥水撥油膜13は撥水撥油性部13aのままである。
【0175】
次に、図15(d)に示すように、平坦化膜16を塗布する。親水親油性部13bでは、平坦化膜16が撥水撥油膜13上に積層される。一方、配線11上の撥水撥油性部13aでは平坦化膜16がはじかれるため、平坦化膜16は撥水撥油膜13上に積層されない。平坦化膜16の塗布量を調整し、成膜後の平坦化膜16の膜表面と、配線11、12の交差部の撥水撥油膜13表面の高さを合わせることによって平坦化面27が得られる。
【0176】
次に、図15(e)に示すように、基板10を配線11側から露光することにより、配線11上の撥水撥油膜13が撥水撥油性部13aから親水親油性部13bに変化する。これにより、配線11上の撥水撥油膜13上に、他の膜を塗布することが可能となる。
【0177】
以上説明したように、本実施形態は、配線11、12の交差部上の撥水撥油膜13を、撥水撥油性部13aのままにすることで、平坦化膜16が塗布されないことを特徴としている。
【0178】
本実施形態によれば、撥水撥油膜を使用することで、高さの異なる凹部を有する基板の平坦化が可能となり、従来のフォトリソグラフィ装置はそのまま使えるため、新規に装置を導入する必要がなく、コストを抑えることができる
なお、本実施形態では、パタン露光により基板表面の濡れ性を変化させる工程を用いた凹凸基板の平坦化法を使用したが、濡れ性を変化させる方法として、実施形態1−8同様、後述するマスクを用いた放電処理により基板表面の濡れ性を変化させる工程(実施形態2)や、マスクを用いた表面処理剤の塗布により基板表面の濡れ性を変化させる工程(実施形態3)を使用してもよい。
【0179】
(実施形態1−11)
図16は、本発明の実施形態1−11による基板表面の平坦化方法を工程順に示す断面図である。
【0180】
本実施形態による基板表面の平坦化方法は、マイクロオプティクスの一つであるマイクロレンズアレイの基板表面を平坦化する場合に適用可能なものである。
【0181】
図16(a)に示すように、基板10上には凹型半球面状のマイクロレンズ18が形成されている。マイクロレンズ18の作製法としては、グレーレベルマスクによる露光、フッ酸とメタルマスクを用いた等方性エッチング、金型加工法等を用いている。
【0182】
次に、図16(b)に示すように、凹型半球面状のマイクロレンズ18による凹凸をもつ基板表面を平坦化するために、撥水撥油膜13を塗布する。撥水撥油膜13の材料としてはFAS1が用いられる。
【0183】
次に、図16(c)に示すように、基板表面の凹凸形状に対応する露光パタンをもつ露光用マスク14を用いて、撥水撥油膜13を露光する。露光用マスク14は、光透過部14aと光遮光部14bとを有しており、マイクロレンズ18の設置される基板の表面は光透過部14aに、マイクロレンズ18の設置されない基板表面は光遮光部14bに、それぞれ対応している。露光用マスク14を用いた露光により、マイクロレンズ18上の撥水撥油膜13は、露光により撥水撥油性部13aから親水親油性部13bに変化する。一方、それ以外の部分は露光されないので撥水撥油膜13は、撥水撥油性部13aのままである。
【0184】
次に、図16(d)に示すように、平坦化膜16を塗布する。マイクロレンズ18が設置される親水親油性部13bでは、平坦化膜16が撥水撥油膜13上に積層される。一方、マイクロレンズ18の設置されていない基板平坦部は撥水撥油性部13aとなっており平坦化膜16がはじかれるため、平坦化膜16は撥水撥油膜13上に積層されない。平坦化膜16の塗布量を調整することにより、成膜後の平坦化膜16の膜表面と、基板平坦部に塗布した撥水撥油膜13の膜表面の高さを合わせることによって平坦化面21が得られる。
【0185】
次に、図16(e)に示すように、基板10を配線11側から露光することにより、基板平坦部の撥水撥油膜13が撥水撥油性部13aから親水親油性部13bに変化する。これにより、基板平坦部上の撥水撥油膜13上に、他の膜を塗布することが可能となる。
【0186】
なお、本実施形態においても、図16(f)に示すように、平坦化膜17を更に塗布することにより、平坦化面22が得られる。その効果も実施形態1−1と同様であり、マイクロレンズ18による凹凸を平坦化面21より減少することが可能である。
【0187】
なお、平坦化面22に別の平坦化膜(図示せず)を更に塗布することにより、更に凹凸が減少した平坦化面を得ることも可能である。
【0188】
また、平坦化膜16については、実施形態1−1で述べたように、親水親油性部13bに積層可能で、撥水撥油性部13aに積層できない材料であれば任意に使用できる。さらに、平坦化膜16の加熱処理が行われる際、加熱溶融性がよい平坦化膜16を用いることにより、平坦化膜16の流れ性を利用してさらに基板表面を平坦化することができる。
【0189】
本実施形態では、マイクロオプティクスの例としてマイクロレンズアレイを用いて説明したが、本発明を適用する対象はマイクロレンズアレイに限定されるものではなく、本発明は、マイクロレンズ以外でもプリズムなど基板上に作製した光学構造体を平坦化するのに有効に適用できる。
【0190】
なお、本実施形態では、パタン露光により基板表面の濡れ性を変化させる工程を用いた凹凸基板の平坦化法を使用したが、濡れ性を変化させる方法として、後述するマスクを用いた放電処理により基板表面の濡れ性を変化させる工程(実施形態2)や、マスクを用いた表面処理剤の塗布により基板表面の濡れ性を変化させる工程(実施形態3)を使用してもよい。
【0191】
(実施形態2)
図17は、本発明の実施形態2による基板表面の平坦化方法を工程順に示す断面図である。
【0192】
基板表面平坦化処理を行う前は、基板表面には図17(a)に示すような凹部110aおよび凸部110bが形成されている。
【0193】
次に、図17(b)に示すように、凸部110bにマスク132を形成する。マスク作製には、フォトリソグラフィ技術が用いられる。
【0194】
次に、図17(c)に示すように、プラズマ115を基板110に露光する。これにより、凹部110aに処理前後で平坦化膜116に対する濡れ性が変化した濡れ性変化面130が形成される。一方、マスク132で保護された凸部110bはプラズマ照射の影響を受けないため、マスク132下面の凸部110bでは濡れ性は変化しない。照射するのはプラズマ放電に限定されず、たとえば、特開平6−163143、特開2001−297897、特開2001−237256等に、コロナ放電、アーク放電、プラズマ放電により、濡れ性が変化することが記載されている。濡れ性が変化する原因は、1.基板表面を洗浄する効果、2.基板表面に微細な凹凸ができる効果、3.基板表面に水酸基等ができる効果と言われている。
【0195】
次に、図17(d)に示すように、マスク132を剥離する。このとき、濡れ性変化面130の濡れ性が、処理前の濡れ性に戻らないようにする。以上により、基板表面には、濡れ性が変化していない凸部と、放電処理による濡れ性変化面130とを有する凹部ができる。
【0196】
次に、図17(e)に示すように、平坦化膜116を塗布する。濡れ性変化面130を有する凹部110aには平坦化膜116が積層され、凸部110bには積層されない。このように、基板表面の濡れ性が異なっていることを利用し、平坦化膜116を成膜し平坦化面121が得られる。
【0197】
平坦化面121の凹凸が問題にならなければ、凸部110bと高さを合わせるまで平坦化膜116を厚くする必要はない。逆に、凹部に成膜した平坦化膜116の膜表面が、凸部110bよりも高くなってもよい。
【0198】
以上が、実施形態2の基本概念であるが、さらに、図18、19を用いて、具体例により、詳細に説明を行う。
【0199】
(実施形態2−1)
図18は、本発明の実施形態2−1による基板表面の平坦化方法を工程順に示す断面図である。なお、平坦化前の基板表面の上面図は図3と共通であり、図3の断面B−B’が図18の断面図に対応する。
【0200】
本実施形態による基板表面の平坦化方法は、液晶表示素子、有機EL素子、半導体の基板表面を平坦化する場合に適用可能なものである。
【0201】
図18(a)に示すように、基板110上には配線111が形成され、さらにその上に絶縁膜119が成膜されている。
【0202】
まず、図18(b)に示すように、凹凸構造を有する基板表面に、フォトレジスト132aを塗布する。フォトレジスト132aは上記実施形態2におけるマスク132の機能を有する。フォトレジスト132aには、ポジ型レジストを使用している。
【0203】
次に、図18(c)に示すように、基板表面の凹凸形状に対応する露光パタンをもつ露光用マスク114を用いて、フォトレジスト132aに露光する。露光用マスク114は、光透過部114aと光遮光部114bとを有しており、基板表面の凹部は光透過部114aに、基板表面の凸部は光遮光部114bに、それぞれ対応している。
【0204】
次に、図18(d)に示すように、フォトレジスト132aを現像する。露光用マスク114を用いた露光により、基板表面の凹部のフォトレジスト132aは剥離する。一方、凸部は露光されないので、フォトレジスト132aは残膜する。この工程により、基板表面の凹部にはマスクは作製されず、基板表面の凸部にはフォトレジスト132aによるマスクが作製される。
【0205】
次に、図18(e)に示すように、プラズマ133で基板110を表面処理することにより、フォトレジスト132aによりマスクが作製されていない凹部に、平坦化膜116に対する濡れ性が変化した濡れ性変化面130を作製する。
【0206】
次に、図18(f)に示すように、フォトレジスト132aを剥離する。このとき、濡れ性変化面130の濡れ性が、処理前の濡れ性に戻らないようにする。凹凸構造を有する基板110の表面には、フォトレジスト132aが剥離され、濡れ性が変化していない凸部と、放電処理により濡れ性が変化した濡れ性変化面130を有する凹部ができる。
【0207】
次に、図18(g)に示すように、平坦化膜116を塗布する。濡れ性変化面130では、平坦化膜116が絶縁膜119上に積層される。一方、配線111上では平坦化膜116がはじかれるため、平坦化膜116は積層されない。平坦化膜116の塗布量を調整することにより、成膜後の平坦化膜116の膜表面と、配線111の高さを合わせることによって平坦化面121が得られる。平坦化膜116の成膜法はスピンコート法、ディップ法、スプレー法、ノズル噴射法、印刷法、転写法等を例示することができるが、これらの例に限定されるものではない。
【0208】
本実施例では、基板表面の濡れ性を変化させるときにプラズマを使用したが、その他コロナ放電、アーク放電等を使用してもよい。
【0209】
フォトレジスト132aには、ポジ型レジストを使用したが、露光用マスク114のポジネガ、プラズマ133による平坦化膜116に対する濡れ性の変化を考慮すれば、ネガ型レジストも使用できる。
【0210】
(実施例2−2)
図19は、本発明の実施形態2−2による他の基板表面の平坦化方法を示す断面図である。
【0211】
本実施形態による基板表面の平坦化方法は、液晶表示素子、有機EL素子、半導体の基板表面を平坦化する場合に適用可能なものである。
【0212】
本実施形態は、フォトレジスト132aを露光する工程で、基板表面の凹凸形状に対応する露光パタンをもつ露光用マスクを用いずに、基板裏面から露光する点が、実施形態2−1と異なる。
【0213】
本実施形態では、フォトレジスト132aを形成するまでは実施形態2−1と同様である。すなわち、図18(b)までは同様である。また、本実施形態においては、凹凸の原因となる配線111は金属からなっている。
【0214】
まず、フォトレジスト132aを塗布した面の逆側の面より、フォトレジスト132aを露光する。配線111は金属からなり光を透過しないため、フォトレジスト132aまで露光されない。これより、配線111上に塗布したフォトレジスト132aは現像時に残膜する。一方、凹凸の原因となる金属がない部分では、光は透過しフォトレジスト132aまで露光されるので、フォトレジスト132aは現像時に剥離する。なお、フォトレジスト132aとしてはポジ型レジストを使用している。
【0215】
次に、図19(b)に示すように、フォトレジスト132aを現像する。この工程により、基板表面の凹部にはマスクが形成されず、基板表面の凸部には、フォトレジスト132aによるマスクが形成されることになる。
【0216】
その後の工程、すなわち、図18(e)以降の工程は、実施形態2−1と同様である。
【0217】
本実施形態は、金属等光を透過させない物質からなる凸部により、基板表面に凹凸ができている基板を平坦化するときに有効な方法である。これにより、露光用マスクの費用を削減することが可能である。
【0218】
(実施形態3)
図20は、本発明の実施形態3による基板表面の平坦化方法について、その基本概念を工程順に示す断面図である。
【0219】
図20(a)に示すように、基板210には凸部210aと凹部210bが形成されている。
【0220】
次に、図20(b)に示すように、凸部210aにマスク214を形成する。マスク作製には、フォトリソグラフィ技術が用いられる。
【0221】
次に、図20(c)に示すように、表面処理剤212を塗布する。表面処理剤212は、表面処理により平坦化膜216に対する濡れ性が変化するものを選択する。表面処理剤212には、シランカップリング剤やフッ素系のコーティング材料等が用いられる。
【0222】
次に、図20(d)に示すように、マスク214を剥離する。このとき、凹部210bに塗布した表面処理剤212が剥離しないようにする。この結果、凸部210aでは濡れ性が変化しない一方、凹部210bには表面処理剤212による濡れ性変化面が形成される。
【0223】
次に、図20(e)に示すように、基板表面に平坦化膜216を成膜する。凸部210aには平坦化膜216が蓄積せず、凹部210bには平坦化膜216が蓄積する。すなわち、平坦化膜216に対する基板表面の濡れ性が異なっていることを利用し、平坦化膜216を成膜し平坦化面221が得られる。
【0224】
平坦化面221の凹凸が問題にならなければ、凸部210aと高さを合わせるまで平坦化膜216を厚くする必要はない。逆に、凹部210bに成膜した平坦化膜216の膜表面が、凸部210aよりも高くなってもよい。
【0225】
以上が、実施形態3の基本概念であるが、さらに、図21を用いて、具体例により、詳細に説明を行う。
【0226】
(実施形態3−1)
図21は、本発明の実施形態3−1による基板表面の平坦化方法を工程順に示す断面図である。なお、平坦化処理前の基板表面の状況は、実施形態1−1と同様であり、詳細は図3に示すとおりである。また、図3中の断面B−B’が図21の断面図に対応する。
【0227】
本実施形態による基板表面の平坦化方法は、液晶表示素子、有機EL素子、半導体の基板表面を平坦化する場合に適用可能なものである。
【0228】
図21(a)に示すように、基板210上に配線211が形成され、さらにその上に絶縁膜219が成膜されている。
【0229】
まず、図21(b)に示すように、凹凸構造を有する基板表面に、フォトレジスト232を塗布する。フォトレジスト232としては、ポジ型レジストを使用している。
【0230】
次に、図21(c)に示すように、基板表面の凹凸形状に対応する露光パタンをもつ露光用マスク214を用いて、フォトレジスト232に露光する。露光用マスク214は、光透過部214aと光遮光部214bとを有しており、基板表面の凹部は光透過部214aに、基板表面の凸部は光遮光部214bに、それぞれ対応している。
【0231】
次に、図21(d)に示すように、フォトレジスト232を現像する。露光用マスク214を用いた露光により、基板表面の凹部のフォトレジスト232は剥離する。一方、凸部は露光されないので、フォトレジスト232は残膜する。この工程により、基板表面の凹部にはマスクが形成されず、基板表面の凸部にはフォトレジスト232によるマスクが形成される。
【0232】
次に、図21(e)に示すように、表面処理剤235を塗布する。表面処理剤235は、表面処理により平坦化膜216に対する濡れ性が変化するものを選択する。表面処理剤235には、シランカップリング剤やフッ素系のコーティング材料等が用いられる。
【0233】
次に、図21(f)に示すように、フォトレジスト232を剥離する。このとき、凹部が表面処理剤235塗布前の濡れ性に戻らないようにする。これにより、凹凸構造を有する基板210の表面には、フォトレジスト232が剥離され、濡れ性が変化していない凸部と、表面処理剤235により濡れ性が変化した濡れ性変化面230を有する凹部ができる。
【0234】
次に、図21(g)に示すように、平坦化膜216を塗布する。濡れ性変化面230では、平坦化膜216が絶縁膜219上に積層される。一方、配線211上では平坦化膜216がはじかれるため、平坦化膜216は積層されない。平坦化膜216の塗布量を調整することにより、成膜後の平坦化膜216の膜表面と、配線211上に塗布した絶縁膜219の高さを合わせることによって平坦化面221が得られる。平坦化膜216の成膜法はスピンコート法、ディップ法、スプレー法、ノズル噴射法、印刷法、転写法等を例示することができるが、これらの例に限定されるものではない。
【0235】
(その他の実施形態)
次に、実施形態1から3(実施形態1−1等の詳細説明を含む)により作成された平坦化基盤の適用例について説明する。
【0236】
図22は、本発明のその他の実施形態による液晶表示素子を示す図である。
【0237】
図22(a)は、本発明の実施形態1から3によって、TFTや配線を平坦にしたTFT基板41を使用している。TFT基板41と対向基板42をシール剤43で貼り合わせ、液晶層50を狭持している。図22(b)は、マイクロレンズ搭載液晶表示素子である。実施形態1−11によってマイクロレンズ面45を平坦化膜46で平坦にしたマイクロレンズ搭載対向基板49を使用しているが、本発明の実施形態1から3によってTFTや配線を平坦にしたTFT基板41を使用してもよい。両方の基板に本発明の平坦化基板が使用されていてもよい。
【0238】
本実施形態では、本発明の平坦化基板を用いているので、高開口率、高コントラストで、歩留まりも良く、低コストの液晶表示素子が得られる。
【0239】
図23は、本発明のその他の実施形態による液晶表示素子を用いた液晶プロジェクタの光学系を示す図である。
【0240】
本実施形態では、上記の実施形態により作製されたマイクロレンズ搭載液晶表示素子とともに、次に説明する構成部品を用いることで、液晶プロジェクタを構成することができる。
【0241】
本液晶プロジェクタでは、光源61と、光源からの白色光をダイクロイックミラー64等により赤,緑,青色の3つの光束に分離する色分離光学系と、赤用,緑用,青用の3枚のマイクロレンズ搭載液晶表示素子66,67,68と、それら3枚の液晶表示素子によって表示された画像を合成するためのクロスダイクロイックプリズム69等からなる色合成光学系と、合成された表示画像をスクリーン上に拡大投射するための投射レンズ70とが少なくとも用いられる。
【0242】
この液晶プロジェクタは、図23に示すように、光源61から出射した光をリフレクタ62で集光した後、その光束を2枚のダイクロイックミラー64で順次分離していき、3原色の光束に分離する。3原色の光束のうち赤色の光束は、ミラー65で反射された後、マイクロレンズ搭載赤用液晶表示素子66を照明する。また、緑色の光束はマイクロレンズ搭載緑用液晶表示素子67を照明し、青色の光束はミラー65で順次反射された後、マイクロレンズ搭載青用液晶表示素子68を照明する。赤、緑、青用の液晶表示素子には、TFTを画素ごとに配列して液晶を駆動させるアクティブマトリックス型のものが用いられている。また、画素の開口部に集光して輝度を向上させるためのマイクロレンズが形成されている。赤、緑、青用の液晶表示素子にそれぞれ表示された画像は、クロスダイクロイックプリズム69によって合成された後、投射レンズ70によりスクリーン(不図示)に拡大投影される。
【0243】
本実施形態では、平坦化基板を用いて液晶表示素子を作製しているので、表示品質の向上した液晶プロジェクタが得られる。また、マイクロレンズ搭載液晶表示素子を使用することにより、明るい表示が可能になる。
【0244】
図24は、本発明のその他の実施形態による有機EL素子を示す図である。
【0245】
本実施形態では、本発明の実施形態1から3によってTFTや配線を平坦にしたTFT基板51を使用している。TFT基板51上に有機EL層52があり、これを水分から遮断するためメタルシール54とTFT基板51をシール剤53で貼り合わせている。さらに、吸水材55も、メタルシール54とTFT基板51の間に入っている。
【0246】
本実施形態では、本発明の平坦化基板を用いているので、信頼性が向上した有機EL素子が得られる。
【0247】
本発明は以上説明した液晶表示素子や有機ELだけに限定されるものではない。例えば、半導体からなる基板を有する半導体装置においては、基板の表面に凹凸がある場合に、これを平坦化するため、本発明を適用することができる。
【0248】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、凹凸を有する基板表面の凹部および凸部の表面の濡れ性を相互に異ならせる工程と、基板表面の濡れ性の違いを利用し、基板表面の凹凸面上に凹部にのみ選択的に濡れ性変化面を形成することにより、凹凸を有する基板表面を、少なくとも従来の平坦化膜法の平坦化面よりは薄い平坦化膜の膜厚で、十分に平坦化することができる。
【0249】
基板表面の凹部のみの濡れ性を変化させる工程は、パタン露光、マスクを用いた放電処理、マスクを用いた表面処理剤の塗布で行うため、露光時に用いるフォトマスクの交換のみにより基板表面の平坦化を実施できる。このため、従来のフォトリソグラフィ装置をそのまま使え、新規に装置を導入する必要がなく、コストを抑えることができる。
【0250】
基板凸部が金属で形成されている場合には、基板の凸部のない裏面からパタン露光することで、露光用マスクを不要とすることもできる。また、大面積基板にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1による基板表面の平坦化方法を工程順に示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態1−1による基板表面の平坦化方法を工程順に示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態1−1から1−7による基板表面の平坦化方法における平坦化前の基板表面を示す上面図である。
【図4】本発明の実施形態1−2による基板表面の平坦化方法を工程順に示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態1−3による基板表面の平坦化方法を工程順に示す断面図である。
【図6】本発明の実施形態1−4による基板表面の平坦化方法を工程順に示す断面図である。
【図7】本発明の実施形態1−5による基板表面の平坦化方法を工程順に示す断面図である。
【図8】本発明の実施形態1−6による基板表面の平坦化方法を工程順に示す断面図である。
【図9】本発明の実施形態1−7による基板表面の平坦化方法を工程順に示す断面図である。
【図10】本発明の実施形態1−8から1−10による基板表面の平坦化方法における平坦化前の基板表面を示す上面図と断面図である。
【図11】本発明の実施形態1−8による基板表面の平坦化方法における平坦化工程での基板表面の撥水撥油性領域・親水親油性領域を示す上面図である。
【図12】本発明の実施形態1−8による基板表面の平坦化方法を工程順に示す断面図である。
【図13】本発明の実施形態1−9による基板表面の平坦化方法における基板の断面図である。
【図14】本発明の実施形態1−10による平坦化工程での基板表面の撥水撥油性領域・親水親油性領域を示す上面図である。
【図15】本発明の実施形態1−10による基板表面の平坦化方法を工程順に示す断面図である。
【図16】本発明の実施形態1−11による基板表面の平坦化方法を工程順に示す断面図である。
【図17】本発明の実施形態2による基板表面の平坦化方法を工程順に示す断面図である。
【図18】本発明の実施形態2−1による基板表面の平坦化方法を工程順に示す断面図である。
【図19】本発明の実施形態2−2による基板表面の平坦化方法を工程順に示す断面図である。
【図20】本発明の実施形態3による基板表面の平坦化方法を工程順に示す断面図である。
【図21】本発明の実施形態3−1による基板表面の平坦化方法を工程順に示す断面図である。
【図22】本発明のその他の実施形態による液晶表示素子を示す図である。
【図23】本発明のその他の実施形態による液晶表示素子を用いた液晶プロジェクタの光学系を示す図である。
【図24】本発明のその他の実施形態による有機EL素子を示す図である。
【図25】凹凸がない理想的な平坦化基板を用いた液晶表示素子の断面図である。
【図26】従来技術における凹凸を有する基板を用いた液晶表示素子の断面図である。
【図27】従来技術における有機EL素子の断面図である。
【図28】凹凸がない理想的なTFT基板の断面図および研磨パッドの外形図である。
【図29】従来技術における凹凸を有するTFT基板の断面図および研磨パッドの外形図である。
【図30】従来技術における基板表面の平坦化方法の例を工程順に示す断面図である。
【図31】従来技術における基板表面の断面図である。
【図32】従来技術における基板表面の平坦化方法の例を工程順に示す断面図である。
【符号の説明】
10、110,210 基板
10a ,110a、210a 凹部
10b ,110b、210b 凸部
11、12、111,211 配線
13 撥水撥油膜
13a 撥水撥油性部
13b 親水親油性部
14,14’、114 露光用マスク
14a、114a、214a 光透過部
14b、114b、214b 光遮光部
15、115、215 光
16、17,116,216 平坦化膜
18 マイクロレンズ
19、20,119,219 絶縁膜
21,22,23,24,25,26,121,221 平坦化面
31 光触媒膜
30,130,230 濡れ性変化面
41 TFT基板
42 対向基板
43 シール剤
44 マイクロレンズ基板
45 マイクロレンズ面
46 平坦化膜
47 接着剤
48 カバーガラス
49 マイクロレンズ搭載対向基板
50 液晶層
51 TFT基板
52 有機EL層
53 シール剤
54 メタルシール
55 吸水剤
61 光源
62 リフレクタ
63 光変換インテグレータ
64 ダイクロイックミラー
65 ミラー
66 マイクロレンズ搭載赤用液晶表示素子
67 マイクロレンズ搭載緑用液晶表示素子
68 マイクロレンズ搭載青用液晶表示素子
69 クロスダイクロイックプリズム
70 投射レンズ
132 マスク
132a フォトレジスト
115 プラズマ
235 表面処理剤
521 基板
522 配線
523 TFT
524 画素電極
525 平坦化膜
526 コンタクトホール
527 対向電極
528 凸部
529、129a 液晶分子
530 プレチルト角
531 点傾
532 TFT基板
533 対向基板
534 液晶層
541 絶縁層
542 正孔輸送層
543 有機EL層
544 上部電極
545 透明電極膜
546 研磨パッド

Claims (26)

  1. 凹凸を有する基板表面の凹部および凸部の表面の濡れ性を、露光により相互に異ならせる工程と、
    前記濡れ性の違いによって前記凹部にのみ平坦化膜を成膜させる工程とを有する、基板表面の平坦化方法。
  2. 前記凹部および前記凸部の表面の濡れ性を相互に異ならせる工程は、前記基板上に、露光により濡れ性が変化する濡れ性変化膜を形成し、前記凹部だけを選択的に露光することを含む、請求項1に記載の基板表面の平坦化方法。
  3. 前記濡れ性変化膜に、少なくとも1種類の光触媒を含む、請求項2に記載の基板表面の平坦化方法。
  4. 前記濡れ性変化膜の下面に光触媒膜を設ける工程をさらに有する、請求項2に記載の基板表面の平坦化方法。
  5. 前記凹部および前記凸部の表面の濡れ性を相互に異ならせる工程は、前記基板上に、露光により気体分解する膜を形成し、前記凹部だけを選択的に露光して前記膜を気体分解し、前記膜の下方の面を露出させることを含む、請求項1に記載の基板表面の平坦化方法。
  6. 前記露光により気体分解する膜の下面に光触媒膜を設ける工程をさらに有する、請求項5に記載の基板表面の平坦化方法。
  7. 露光用マスクを用いて前記凹部だけを選択的に露光する、請求項2から6のいずれか1項に記載の基板表面の平坦化方法。
  8. 前記凸部が金属により形成されており、前記基板の裏面から露光することで前記凹部だけを選択的に露光する、請求項2から6のいずれか1項に記載の基板表面の平坦化方法。
  9. 前記凹部に平坦化膜を成膜させた後に、前記凸部を前記凹部と同じ濡れ性に変える工程をさらに有する、請求項1から8のいずれか1項に記載の基板表面の平坦化方法。
  10. 前記凸部を前記凹部と同じ濡れ性に変える工程は、前記凸部を露光することを含む、請求項9に記載の基板表面の平坦化方法。
  11. 前記凸部を前記凹部と同じ濡れ性に変える工程は、前記凸部に残存した前記濡れ性変化膜を溶解することを含む、請求項9に記載の基板表面の平坦化方法。
  12. 凹凸を有する基板表面の凹部および凸部の表面の濡れ性を、放電により相互に異ならせる工程と、
    前記濡れ性の違いによって前記凹部にのみ平坦化膜を成膜させる工程とを有する、基板表面の平坦化方法。
  13. 前記凹部の濡れ性だけを変化させ、前記凹部および前記凸部の表面の濡れ性を相互に異ならせる工程は、前記凸部の上面にのみマスクを形成した後、前記基板表面に放電することを含む、請求項12に記載の基板表面の平坦化方法。
  14. 前記凸部の上面にのみ前記マスクを形成する工程は、前記基板の上面に前記マスクと同一材料からなるマスク層を形成後、露光用マスクを用いて前記凹部だけを選択的に露光することを含む、請求項13に記載の基板表面の平坦化方法。
  15. 前記凸部が金属により形成されており、前記凸部の上面にのみ前記マスクを形成する工程は、前記基板の上面に前記マスクと同一材料からなるマスク層を形成後、前記基板の裏面から露光することを含む、請求項13に記載の基板表面の平坦化方法。
  16. 凹凸を有する基板表面の凹部および凸部の表面の濡れ性を、表面処理剤により相互に異ならせる工程と、
    前記濡れ性の違いによって前記凹部にのみ平坦化膜を成膜させる工程とを有する、基板表面の平坦化方法。
  17. 前記凹部および前記凸部の表面の濡れ性を相互に異ならせる工程は、前記凸部の上面にのみマスクを形成し、前記基板表面に前記表面処理剤を塗布し、前記凸部の上面に積層した前記マスクおよび前記表面処理剤を剥離することを含む、請求項16に記載の基板表面の平坦化方法。
  18. 前記凸部の上面にのみ前記マスクを形成する工程は、前記基板の上面に前記マスクと同一材料からなるマスク層を形成後、露光用マスクを用いて前記凹部だけを選択的に露光することを含む、請求項17に記載の基板表面の平坦化方法。
  19. 前記凹部にのみ前記平坦化膜を成膜後、その上面に別の平坦化膜を生成する工程をさらに有する、請求項1から18のいずれか1項に記載の基板表面の平坦化方法。
  20. 前記別の平坦化膜を生成後、その厚みの一部を切削する、請求項19に記載の基板表面の平坦化方法。
  21. 前記平坦化膜を絶縁膜として使用する、請求項1から20のいずれか1項に記載の基板表面の平坦化方法。
  22. 前記凹部の濡れ性を、撥水撥油性から親水親油性側に変化させることで、前記凹部の表面の濡れ性を相互に異ならせる、請求項1から21のいずれか1項に記載の基板表面の平坦化方法。
  23. 請求項1から22のいずれか1項に記載の方法を用いて基板の表面を平坦化する工程を有する、平坦化基板の製造方法。
  24. 液晶層と、前記液晶層を挟持する一対の基板とを有し、該基板の少なくとも一方の表面が請求項1から22のいずれか1項の方法により平坦化された、液晶表示装置。
  25. 基板と、その表面に設けられた有機エレクトロルミセネンス層とを有し、該基板の表面が請求項1から22のいずれか1項に記載の方法により平坦化された、有機エレクトロルミネセンス素子。
  26. 半導体からなる基板を有し、該基板の表面が請求項1から22のいずれか1項に記載の方法により平坦化された、半導体装置。
JP2003141912A 2003-05-20 2003-05-20 基板表面の平坦化方法、並びに平坦化基板、液晶表示装置、有機el素子及び半導体装置の製造方法 Expired - Lifetime JP4355900B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003141912A JP4355900B2 (ja) 2003-05-20 2003-05-20 基板表面の平坦化方法、並びに平坦化基板、液晶表示装置、有機el素子及び半導体装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003141912A JP4355900B2 (ja) 2003-05-20 2003-05-20 基板表面の平坦化方法、並びに平坦化基板、液晶表示装置、有機el素子及び半導体装置の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004349317A true JP2004349317A (ja) 2004-12-09
JP4355900B2 JP4355900B2 (ja) 2009-11-04

Family

ID=33530145

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003141912A Expired - Lifetime JP4355900B2 (ja) 2003-05-20 2003-05-20 基板表面の平坦化方法、並びに平坦化基板、液晶表示装置、有機el素子及び半導体装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4355900B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005286320A (ja) * 2004-03-04 2005-10-13 Semiconductor Energy Lab Co Ltd パターン形成方法、薄膜トランジスタ、表示装置及びそれらの作製方法、並びにテレビジョン装置
JP2005303283A (ja) * 2004-03-19 2005-10-27 Semiconductor Energy Lab Co Ltd パターン形成方法、薄膜トランジスタ、表示装置及びそれらの作製方法、並びにテレビジョン装置
JP2005311325A (ja) * 2004-03-24 2005-11-04 Semiconductor Energy Lab Co Ltd パターン形成方法、薄膜トランジスタ、表示装置及びそれらの作製方法、並びにテレビジョン装置
JP2007178532A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Seiko Epson Corp カラーフィルタ基板の製造方法および液晶表示装置の製造方法
JP2007299568A (ja) * 2006-04-28 2007-11-15 Toppan Printing Co Ltd 印刷用凸版の製造方法及び精密印刷製造物
JP2012182160A (ja) * 2011-02-28 2012-09-20 Ulvac Japan Ltd 反射防止体、太陽電池、反射防止体の製造方法、及び太陽電池の製造方法
US9000426B2 (en) 2013-04-17 2015-04-07 Samsung Display Co., Ltd. Organic light-emitting display device and method of manufacturing the same
CN109075057A (zh) * 2016-03-09 2018-12-21 应用材料公司 垫结构及制造方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005286320A (ja) * 2004-03-04 2005-10-13 Semiconductor Energy Lab Co Ltd パターン形成方法、薄膜トランジスタ、表示装置及びそれらの作製方法、並びにテレビジョン装置
JP2005303283A (ja) * 2004-03-19 2005-10-27 Semiconductor Energy Lab Co Ltd パターン形成方法、薄膜トランジスタ、表示装置及びそれらの作製方法、並びにテレビジョン装置
JP2005311325A (ja) * 2004-03-24 2005-11-04 Semiconductor Energy Lab Co Ltd パターン形成方法、薄膜トランジスタ、表示装置及びそれらの作製方法、並びにテレビジョン装置
JP2007178532A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Seiko Epson Corp カラーフィルタ基板の製造方法および液晶表示装置の製造方法
JP2007299568A (ja) * 2006-04-28 2007-11-15 Toppan Printing Co Ltd 印刷用凸版の製造方法及び精密印刷製造物
JP2012182160A (ja) * 2011-02-28 2012-09-20 Ulvac Japan Ltd 反射防止体、太陽電池、反射防止体の製造方法、及び太陽電池の製造方法
US9000426B2 (en) 2013-04-17 2015-04-07 Samsung Display Co., Ltd. Organic light-emitting display device and method of manufacturing the same
CN109075057A (zh) * 2016-03-09 2018-12-21 应用材料公司 垫结构及制造方法
CN109075057B (zh) * 2016-03-09 2023-10-20 应用材料公司 垫结构及制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4355900B2 (ja) 2009-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7924356B2 (en) Electrooptical device, electronic apparatus, and projector
US5946065A (en) Transmission type LCD with an organic interlayer insulating film having a plurality of microscopic hollows
US7609342B2 (en) Liquid crystal display for enhancing reflection and method of manufacturing the same
JP5437971B2 (ja) 液晶表示装置
US9373824B2 (en) Method of fabricating organic electroluminescent device
WO2011070944A1 (ja) アクティブマトリクス基板及び表示装置
JP2006243171A (ja) 表示装置用基板
CN109799641B (zh) 一种阵列基板及其制备方法、液晶显示面板
JP2004334205A (ja) 上部基板、これを有する液晶表示装置及びこの製造方法
JP4105261B2 (ja) 電子機器の作製方法
JP4355900B2 (ja) 基板表面の平坦化方法、並びに平坦化基板、液晶表示装置、有機el素子及び半導体装置の製造方法
US8013963B2 (en) Color filter, method of fabricating the same and liquid crystal display panel including the same
JP2007156019A (ja) 表示装置とその製造方法
JP2000105370A (ja) 反射板、並びに反射型表示素子及びその製造方法
JP2007010888A (ja) 液晶装置、液晶装置の製造方法、及び電子機器
KR100617032B1 (ko) 액정표시장치 및 그 제조방법
JPH09230379A (ja) 液晶表示装置とその製造方法
KR100866082B1 (ko) 반사 또는 반사투과형 액정표시장치와 반사층 및 제조방법
JP2009288483A (ja) 液晶装置及びその製造方法、並びに電子機器
JP4645018B2 (ja) コンタクトホールの形成方法
JP6996534B2 (ja) 電気光学装置の製造方法
JP4057044B2 (ja) 電子機器の作製方法
JP2023012640A (ja) 遮光膜付き基板とその作製方法、および遮光膜付き基板を有する表示装置
TWI699588B (zh) 顯示面板
JP5247070B2 (ja) 液晶表示パネル及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20050117

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20050117

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060201

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060414

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071019

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080730

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080919

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090708

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090721

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120814

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4355900

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130814

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130814

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130814

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D02