JP2004349285A - Stage equipment, aligner and method of fabricating device - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステージ装置及び露光装置、並びにデバイス製造方法に係り、更に詳しくは、少なくとも一軸方向に関して往復運動をするステージと、該ステージの駆動力の反力の作用によって移動するカウンタマスとを備えるステージ装置、該ステージ装置を備える露光装置、並びに該露光装置を用いるデバイス製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体素子、液晶表示素子等を製造するリソグラフィ工程においては、マスク又はレチクル(以下、「レチクル」と総称する)とウエハ又はガラスプレート等の感光物体(以下、「ウエハ」と総称する)とを所定の走査方向(スキャン方向)に沿って同期移動しつつ、レチクルのパターンを投影光学系を介してウエハ上に転写する、ステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ)などが比較的多く用いられるようになってきた、この走査型露光装置は、ステッパなどの静止露光型の装置に比べると、大フィールドをより小さな投影光学系で露光できる。そのため、投影光学系の製造が容易であるとともに、大フィールド露光によるショット数の減少により高スループットが期待でき、投影光学系に対してレチクル及びウエハを相対走査することで平均化効果があり、ディストーションや焦点深度の向上が期待できる等のメリットがある。
【0003】
しかるに、走査型露光装置では、ウエハ側に加え、レチクル側にも、レチクルを駆動する駆動装置が必要である。最近の走査型露光装置では、レチクル側の駆動装置として、レチクル定盤上にエアベアリング等により浮上支持され、リニアモータによって少なくとも走査方向に関して所定ストローク範囲で駆動されるレチクルステージと、該レチクルステージの駆動力の反力を受けて、運動量保存則にほぼ従って、例えばレチクルステージの走査方向に延設されたリニアモータの固定子(リニアガイド)に沿って、レチクルステージとは反対方向に移動するカウンタマス(錘部材)を有するカウンタマス機構が設けられたレチクルステージ装置がある。この種の装置では、上記のカウンタマスの移動により、リニアモータの固定子に生じる反力がレチクル定盤の振動要因や姿勢変化の要因となるのを極力抑制することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、実際の露光装置では、摩擦や、レチクル定盤の傾き、その他の要因によりカウンタマスが完全に運動量保存則に従って移動するような構成を実現するのは困難である。このため、カウンタマスの位置が露光装置の運転中に所期の位置から徐々にドリフトし、このため、レチクルステージ、カウンタマスを含む系の重心ずれが生じ、この重心ずれがレチクル定盤に作用する偏荷重の要因となってレチクル定盤をさらに傾けたりすることがあった。かかる事態の発生を未然に防止するため、最近の走査型露光装置の中には、カウンタマスに力を与えてカウンタマスの位置を調整するためのボイスコイルモータ(又はリニアモータ)などのアクチュエータ(トリムモータとも呼ばれる)を設け、該トリムモータにより、カウンタマスの位置が前述の運動量保存則に従った位置(レチクルステージ装置の重心移動が生じない位置)になるように常時調整するものもある。
【0005】
しかしながら、このトリムモータからカウンタマスに常時与えられる力が定盤から漏れ出し、露光用光学系などを保持するボディを振動させることが、最近になって問題視されている。
【0006】
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、特に、往復運動するステージの駆動時の反力の作用により移動するカウンタマスの位置調整を、他に影響を殆ど与えることなく実現することが可能なステージ装置を提供することにある。
【0007】
また、本発明の第2の目的は、高精度な露光を実現することが可能な露光装置を提供することにある。
【0008】
また、本発明の第3の目的は、高集積度のデバイスの生産性を向上させることが可能なデバイス製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、定盤(16)と;該定盤上で少なくとも所定の一軸方向に関して所定ストローク範囲で往復運動するステージ(RST)と;前記ステージの駆動力の反力の作用により前記定盤上で移動するカウンタマス(18)と;前記カウンタマスを駆動するカウンタマス駆動系(TRY)と;前記カウンタマスの前記一軸方向の位置情報を検出する位置検出装置(19Y)と;前記位置検出装置の検出結果に基づいて、前記カウンタマス駆動系を介して前記カウンタマスの位置を調整する際の調整情報のプロファイルを、前記往復運動の所定サイクル毎に変更する調整装置(90)と;を備えるステージ装置である。
【0010】
これによれば、ステージが定盤上で所定の一軸方向に関して所定ストローク範囲で往復運動すると、そのステージの駆動力の反力の作用によりカウンタマスがステージの移動方向とは常に反対方向に定盤上で移動する。この結果、カウンタマスも一軸方向に関して往復運動することになる。このカウンタマスの往復運動の間中、位置検出装置により、カウンタマスの一軸方向の位置情報が検出される。
【0011】
そして、調整装置により、位置検出装置の検出結果に基づいて、カウンタマス駆動系を介してカウンタマスの位置を調整する際の調整情報のプロファイルが、往復運動の所定サイクル毎に変更される。
【0012】
この場合のカウンタマスの移動速度は、ステージとカウンタマスとの質量比にほぼ応じた速度になるが、カウンタマスの移動が運動量保存の法則(以下、適宜「運動量保存則」とも記述する)に見かけ上従わない場合がある。これは、例えばカウンタマスに配線・配管が多く取り付けられている場合などである。このため、例えば往復運動の開始点(かつ終了点)では、往復運動の前後で位置ずれが生じるが、調整装置により、位置検出装置の検出結果に基づいて、その位置ずれが補正されるように、カウンタマス駆動系を介してカウンタマスの位置を調整する際の調整情報のプロファイルが、往復運動の所定サイクル毎に変更される。すなわち、上記のカウンタマスの位置ずれの調整は、上記の調整情報のプロファイルの変更によりステージが所定サイクル(すなわち、最低でも1サイクル)の往復運動をする比較的長い時間をかけて行われるので、その調整のためにカウンタマス駆動系からカウンタマスに与えられる力が外部に悪影響を与えることは殆どない。
【0013】
従って、往復運動するステージの駆動力の反力の作用により移動するカウンタマスの位置調整を、他に影響を殆ど与えることなく実現することが可能となる。
【0014】
この場合において、請求項2に記載のステージ装置の如く、前記調整装置は、前記所定サイクルの往復運動が終了した時点毎に、前記位置検出装置の検出結果に基づいて前記カウンタマスの所定の基準点に対する位置誤差を算出し、該位置誤差が次の所定サイクルの往復運動の間に補正されるように、前記調整情報のプロファイルを変更することとすることができる。
【0015】
上記請求項1及び2に記載の各ステージ装置において、請求項3に記載のステージ装置の如く、前記調整情報は、前記カウンタマス駆動系に指令値として与えられる加速度に関連する物理量の情報であることとすることができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、定盤(16)と;該定盤上で少なくとも所定の一軸方向に関して所定ストローク範囲で往復運動するステージ(RST)と;前記ステージの駆動力の反力の作用により前記定盤上で移動するカウンタマスと;前記カウンタマスを駆動するカウンタマス駆動系(TRY)と;前記カウンタマスの前記一軸方向の位置情報を検出する位置検出装置(19Y)と;前記位置検出装置の検出結果を所定のサンプリング間隔で順次取り込み、該サンプリング結果に基づいて、前記往復運動の所定サイクル前の対応する時点における前記カウンタマスの位置に対する現在位置の差(位置偏差)が補正されるように、前記カウンタマス駆動系が前記カウンタマスに与える力を調整する調整装置(90)と;を備えるステージ装置である。
【0017】
これによれば、ステージが定盤上で所定の一軸方向に関して所定ストローク範囲で往復運動すると、そのステージの駆動力の反力の作用によりカウンタマスがステージの移動方向とは常に反対方向に定盤上で移動する。この結果、カウンタマスも一軸方向に関して往復運動することになる。このカウンタマスの往復運動の間中、位置検出装置により、カウンタマスの一軸方向の位置情報が検出される。そして、調整装置では、位置検出装置の検出結果を、所定のサンプリング間隔で順次取り込み、該サンプリング結果に基づいて、前記往復運動の所定サイクル前の対応する時点におけるカウンタマスの位置に対する現在位置の差(位置偏差)が補正されるように、カウンタマス駆動系がカウンタマスに与える力を調整する。
【0018】
ここで、ステージの往復運動の開始直後の数サイクルは、カウンタマスの運動は、ほぼ運動量保存則に従った理想的な自由運動であるものとみなせる。所定サイクルを例えば数サイクル以下のサイクルとすれば、調整装置が、常に、往復運動の数サイクル前の対応する時点におけるカウンタマスの位置に対する現在位置の差(位置偏差)が補正されるように、カウンタマス駆動系がカウンタマスに与える力を調整することとなり、結果的に往復運動の開始直後の理想的な自由運動が繰り返されることになる。従って、カウンタマスの往復運動が繰り返し行われてもカウンタマスの位置が所期の位置から徐々にドリフトするおそれがなくなる。
【0019】
また、この場合、往復運動の所定サイクル前の対応する時点におけるカウンタマスの位置に対する現在位置の差(位置偏差)は微小量であり、しかもこの位置偏差は常時補正されるので、前述のドリフトが発生するおそれもない。また、微小量の位置偏差を補正(調整)するためのカウンタマスの駆動力は非常に小さいので、その調整のためにカウンタマスに与えられる力が外部に悪影響を与えることは殆どない。従って、往復運動するステージの駆動時の反力の作用により移動するカウンタマスの位置調整を、他に影響を殆ど与えることなく実現することが可能となる。
【0020】
上記請求項1〜4に記載の各ステージ装置において、所定サイクルは、カウンタマスの位置誤差が必要以上に大きくならない数サイクル以下程度であれば良いが、例えば請求項5に記載のステージ装置の如く、前記所定サイクルは、1サイクルであることが望ましい。
【0021】
請求項6に記載の発明は、マスク(R)と物体(W)とを所定方向に同期移動して前記マスクに形成されたパターンを前記物体に転写する露光装置であって、前記マスクを照明光により照明する照明ユニット(IOP)と;前記マスクと物体との少なくとも一方が、前記ステージ上に載置される請求項1〜5のいずれか一項に記載のステージ装置と;を備える露光装置である。
【0022】
これによれば、照明ユニットからの照明光によりマスクを照明した状態で、マスクと物体とを所定方向に同期移動することにより、マスクに形成されたパターンが物体に転写される。この場合、マスクと物体との少なくとも一方が、ステージ上に載置される請求項1〜5のいずれか一項に記載のステージ装置を備えているので、マスク及び物体の少なくとも一方の駆動時に生じるカウンタマスの位置ずれを調整するための駆動力に起因する振動が他の部分に影響を与えるのを抑制することができ、結果的に振動に起因するマスクと物体との同期精度の低下を抑制した高精度なパターン転写が実現される。
【0023】
請求項7に記載の発明は、リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、前記リソグラフィ工程で、請求項6に記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とするデバイス製造方法である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図12に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係る露光装置10の概略構成が示されている。この露光装置10は、ステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置、すなわち、いわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる)である。
【0025】
後述するように本実施形態では、投影光学系ユニットPLが設けられており、以下においては、この投影光学系ユニットPLを構成する投影光学系の光軸AX方向をZ軸方向、これに直交する面内でマスク(及び物体)としてのレチクルRと感光物体としてのウエハWとが相対走査される方向をY軸方向、これらZ軸及びY軸に直交する方向をX軸方向として説明を行なう。
【0026】
この露光装置10は、照明ユニットIOP、レチクルRを保持してY軸方向に関しては所定のストロークで移動可能であるとともに、X軸方向、Y軸方向及びθz方向(Z軸回りの回転方向)に微動が可能なステージとしてのレチクルステージRSTを備えるレチクルステージ装置12、投影光学系ユニットPL、及びウエハWを保持してXY平面内で自在に移動可能なウエハステージWST等を備えている。
【0027】
前記照明ユニットIOPは、光源及び照明光学系を含み、その内部に配置された視野絞り(マスキングブレード又はレチクルブラインドとも呼ばれる)で規定される矩形又は円弧状の照明領域に露光光としての照明光ILを照射し、回路パターンが形成されたレチクルRを均一な照度で照明する。照明ユニットIOPと同様の照明系は、例えば特開平6−349701号公報などに開示されている。ここでは、照明光ILとしては、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)あるいはF2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光が用いられるものとする。
【0028】
ところで、真空紫外域の波長の光を露光光とする場合には、その光路から酸素、水蒸気、炭化水素系のガス等の、かかる波長帯域の光に対し強い吸収特性を有するガス(以下、適宜「吸収性ガス」と呼ぶ)を排除する必要がある。このため、本実施形態では、照明ユニットIOPの内部の照明光ILの光路上の空間に、真空紫外域の光に対する吸収が空気(酸素)に比べて少ない特性を有する特定ガス、例えば窒素、及びヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトンなどの希ガス、又はそれらの混合ガス(以下、適宜「低吸収性ガス」と呼ぶ)を満たしている。この結果、照明ユニットIOP内の光路上の空間は吸収性ガスの濃度が数ppm以下の濃度となっている。
【0029】
前記レチクルステージ装置12は、照明ユニットIOPの下端部の外周にOリング等のシール部材99を介して接続された環状の取り付け部101を有する照明系側プレート(キャッププレート)14の図1における下方に配置されている。照明系側プレート14は、略水平に不図示の支持部材によって支持され、そのほぼ中央部には照明光ILの光路(通路)となる矩形の開口14aが形成されている。
【0030】
レチクルステージ装置12は、図1及びレチクルステージ装置12の斜視図である図2からわかるように、前記照明系側プレート14の下方に所定間隔を隔ててほぼ平行に配置された定盤としてのレチクルステージ定盤16、該レチクルステージ定盤16と照明系側プレート14との間に配置されたレチクルステージRST、及び該レチクルステージRSTを取り囲む状態でレチクルステージ定盤16と照明系側プレート14との間に配置されたカウンタマスとしての枠状部材18、及びレチクルステージRSTを駆動するレチクルステージ駆動系等を備えている。
【0031】
レチクルステージ定盤16は、不図示の支持部材によって略水平に支持されている。このレチクルステージ定盤16は、図2の分解斜視図である図3に示されるように、概略板状の部材から成り、そのほぼ中央には、突部16aが形成されている。この突部16aのほぼ中央には、照明光ILを通過させるためのX軸方向を長手方向とする矩形開口16bがZ軸方向に貫通して形成されている。レチクルステージ定盤16の下面側には、図1に示されるように、矩形開口16bの周囲を取り囲む状態で、Vリング又は伸縮自在のベローズなどのシール部材98を介して投影光学系ユニットPLの鏡筒部の上端が接続されている。
【0032】
前記レチクルステージRSTは、図4(A)に示されるような特殊な形状のレチクルステージ本体22及び該レチクルステージ本体22に固定された各種磁極ユニット(これについては後述する)等を備えている。
【0033】
レチクルステージ本体22は、平面視(上方から見て)概略矩形の板状部24Aと、該板状部24Aの−X端部に設けられたミラー部24Bと、板状部24AのY軸方向の一側及び他側の端部からそれぞれY軸方向に突設された各一対の延設部24C1,24C2,24D1,24D2とを備えている。
【0034】
前記板状部24Aには、ほぼ中央部に照明光ILの通路となる開口がその中央(内部底面)に形成された段付き開口22aが形成され、該段付き開口22aの段部(1段掘り下げられた部分)には、レチクルRを下側から複数点(例えば3点)で支持する複数(例えば3つ)のレチクル支持部材34が設けられている。
【0035】
本実施形態では、レチクルRは、そのパターン面(下面)が、レチクルステージ本体22(レチクルステージRST)の中立面CTに略一致する状態で、複数のレチクル支持部材34によって支持されるようになっている。すなわち、レチクルRの載置面は、レチクルステージRSTの中立面CTにほぼ一致している(図4(B)参照)。
【0036】
また、各レチクル支持部材34にそれぞれ対応して、板状部24Aのレチクル支持部材34近傍部分には、複数(例えば3つ)のレチクル固定機構36が設けられている。各レチクル固定機構36は、XZ断面がL字状の形状を有し、L字の角部に設けられた軸を中心として起伏回動自在に板状部24Aに取り付けられた固定部材をそれぞれ備えている。各固定部材は、レチクルRがレチクル支持部材34上に載置された際に、図1のステージ制御装置90によって駆動される不図示の駆動機構を介して、それぞれ所定方向に回転駆動されることで、レチクル支持部材34との間でレチクルRを狭持することにより、レチクルRを機械的に固定する。この場合、固定部材が、不図示の付勢手段によってレチクルRを支持部材34側に押圧する方向に常時付勢される構成を採用しても良い。
【0037】
なお、レチクル支持部材34及びレチクル固定機構36に代えて、あるいはこれとともに、バキュームチャックや静電チャックなどの各種チャックを用いることは可能である。
【0038】
前記ミラー部24Bは、図4(A)から分かるように、Y軸方向を長手方向とする概略角柱状の形状を有し、その中心部分には軽量化を図るための断面円形の空洞部CH(図4(A)参照)が形成されている。このミラー部24Bの−X側の端面は鏡面加工が施された反射面とされている。
【0039】
レチクルステージ本体22の板状部24Aの−Y側端部には、図4(A)に示されるように、2つの凹部24g1,24g2が形成され、該凹部24g1,24g2のそれぞれには、レトロリフレクタ321,322がそれぞれ設けられている。
【0040】
前記4つの延設部24C1,24C2,24D1,24D2は、図4(A)に示されるように、概略板状の形状を有し、各延設部には強度向上のための断面三角形状の補強部が設けられている。レチクルステージ本体22の底面には、延設部24C1から延設部24D1に至るY軸方向の全域に渡る不図示の第1の気体静圧軸受けが設けられ、延設部24C2から延設部24D2に至るY軸方向の全域に渡る不図示の第2の気体静圧軸受けが設けられている。第1の気体静圧軸受け、第2の気体静圧軸受けとしては、レチクルステージ定盤16に形成された給気口からレチクルステージ本体22の底面に向けて加圧気体を供給するいわゆる定盤給気タイプで、表面絞り溝を有する気体静圧軸受が用いられている。この場合、レチクルステージ定盤16の不図示の給気口から加圧気体が第1、第2の気体静圧軸受けの一部に設けられた給気ダクトに供給され(噴き付けられ)、その加圧気体が給気ダクトを介して不図示の表面絞り溝からレチクルステージ定盤16の上面に噴き付けられる。この場合、表面絞り溝からレチクルステージ定盤16の上面に噴き付けられた加圧気体の静圧と、レチクルステージRST全体の自重とのバランスにより、レチクルステージ定盤16の上面の上方に数ミクロン程度のクリアランスを介して、レチクルステージRSTが非接触で浮上支持されるようになっている。勿論、レチクルステージ定盤16の上面とレチクルステージRSTの底面との間の空間の気体をレチクルステージ定盤16に設けられた排気口を介して外部に強制排気(真空吸引)することとしても良い。
【0041】
図2に戻り、前記枠状部材18の上面には、概略環状の凹溝83,85が二重に形成されている。このうちの内側の環状凹溝83には、その内部に複数の給気口(不図示)が形成され、外側の環状凹溝85には、複数の排気口(不図示)が形成されている。なお、以下においては内側の環状凹溝83を「給気溝83」、外側の環状凹溝85を「排気溝85」と呼ぶものとする。
【0042】
給気溝83の内部に形成された給気口は、不図示の給気管路及び給気管を介して窒素又は希ガスなどの低吸収性ガスを供給する不図示のガス供給装置に接続されている。また、排気溝85の内部に形成された排気口は、不図示の排気管路及び排気管を介して不図示の真空ポンプに接続されている。
【0043】
また、この枠状部材18の底面には、該枠状部材18を上下反転して斜視図にて示す図7から分かるように、概略環状の凹溝82,84が二重に形成されている。このうちの内側の環状凹溝82には、その内部に複数の給気口(不図示)が形成され、外側の環状凹溝84には、複数の排気口(不図示)が形成されている。なお、以下においては内側の環状凹溝82を「給気溝82」、外側の環状凹溝84を「排気溝84」と呼ぶものとする。
【0044】
給気溝82の内部に形成された給気口は、給気管路及び給気管を介して窒素又は希ガスなどの低吸収性ガスを供給する不図示のガス供給装置に接続されている。また、排気溝84の内部に形成された排気口は、排気管路及び排気管を介して不図示の真空ポンプに接続されている。
【0045】
従って、ガス供給装置と真空ポンプとが作動状態にあるときは、枠状部材18の底面に形成された給気溝82からレチクルステージ定盤16の上面に加圧気体(低吸収性ガス)が噴き付けられ、この噴き付けられた加圧気体の静圧により枠状部材18の自重が支えられ、枠状部材18がレチクルステージ定盤16の上面の上方に数μm程度のクリアランスを介して浮上支持される。この場合、そのクリアランス内のガスは、排気溝84を介して真空ポンプの吸引力により外部に排気される。この場合、給気溝82から排気溝84に向かうガスの流れが生じている。このため、そのクリアランスを介して枠状部材18の内部に外気が混入するのが効果的に阻止されている。
【0046】
このように、枠状部材18の底面の全体により、実質的に、レチクルステージ定盤16の上面の上方に枠状部材18を浮上支持する差動排気型の気体静圧軸受けが構成されている。
【0047】
また、ガス供給装置と真空ポンプとが作動状態にあるときは、枠状部材18の上面に形成された給気溝83から照明系側プレート14の下面に加圧気体(低吸収性ガス)が噴き付けられるとともに、照明系側プレート14と枠状部材18との間のクリアランス内のガスは、排気溝85を介して真空ポンプの吸引力により外部に排気される。この場合、給気溝83から排気溝85に向かうガスの流れが生じている。このため、そのクリアランスを介して枠状部材18の内部に外気が混入するのが効果的に阻止されている。また、この場合、噴き付けられた加圧気体の静圧と真空吸引力とのバランスによって、枠状部材18と照明系側プレート14との間にクリアランスが維持される。すなわち、枠状部材18の上面の全体により、実質的に、枠状部材18と照明系側プレート14との間のクリアランスを維持する差動排気型の気体静圧軸受けが構成されている。
【0048】
また、本実施形態の場合、枠状部材18とレチクルステージ定盤16との間の前述のクリアランス(すなわち軸受け隙間)は、枠状部材18上下の差動排気型の気体静圧軸受けが枠状部材18に及ぼす力、枠状部材18全体の自重との総合的なバランスによって、実際には決定される。
【0049】
このように、枠状部材18と照明系側プレート14との間のクリアランス、及びレチクルステージ定盤16と枠状部材18との間のクリアランスが前述のガスの流れによって気密化され、更に、前述したように、投影光学系ユニットPLの上端部とレチクルステージ定盤16との間が前述のシール部材98により接続されているので(図5,図6参照)、枠状部材18により囲まれた空間内は非常に気密度が高い空間となっている。以下、枠状部材18により囲まれた空間を、便宜上「気密空間」と呼ぶものとする。
【0050】
本実施形態のように、真空紫外の露光波長を使用する露光装置では、酸素等の吸収性ガスによる露光光の吸収を避けるために、照明ユニットIOPから投影光学系ユニットPLまでの光路、すなわち前述の気密空間内(の光路)についても窒素や希ガスで置換する必要がある。
【0051】
この場合、枠状部材18の側壁に給気管、排気管をそれぞれ接続し、給気管を介して前述の気密空間に低吸収性ガスを供給し、排気管を介して内部のガスを外部に排気することとすれば良い。
【0052】
この他、枠状部材18に接続された不図示の給気管内を流れる窒素又は希ガスの一部を、枠状部材18内で給気管路の一部から分岐された給気枝管を介して上記気密空間内に流入させることによって気密空間内に窒素又は希ガスが供給され、その一方で、排気管路の一部から分岐された排気枝管を介して、気密空間内のガスが排気されるような構成を採用しても良い。このようにすれば、上記気密化に併せて、レチクルRが保持された空間内を露光光の吸収の少ない窒素又は希ガス等により置換することが可能となる。
【0053】
なお、気密空間に供給されるガスとしてヘリウムガスを用いる場合には、ガス排気機構を介してヘリウムガスを回収した後、不純物を除去後、再利用することが望ましい。
【0054】
前記レチクルステージ駆動系は、図2に示されるように、枠状部材18の内部に、Y軸方向にそれぞれ架設された一対の固定子ユニット36、38を含んで構成され、レチクルステージRSTをY軸方向に駆動するとともにθz方向(Z軸回りの回転方向)に微小駆動する第1駆動機構と、枠状部材18の内部の一方の固定子ユニット38の+X側にY軸方向に架設された固定子ユニット40を含んで構成され、レチクルステージRSTをX軸方向に微小駆動する第2駆動機構と、を備えている。
【0055】
前記一方の固定子ユニット36は、図3の分解斜視図に示されるように、Y軸方向を長手方向とする一対の電機子ユニットから成るY軸リニアガイド1361,1362と、これらのY軸リニアガイド1361,1362をY軸方向(長手方向)の一端部と他端部で保持する一対の固定部材152とを備えている。この場合、一対の固定部材152により、Y軸リニアガイド1361,1362は、Z軸方向(上下方向)に所定間隔をあけて相互に対向してかつXY面にそれぞれ平行に保持されている。一対の固定部材152のそれぞれは、前述の枠状部材18の内壁面に固定されている。
【0056】
前記Y軸リニアガイド1361,1362は、図3及び図5からも分かるように、断面矩形(長方形)の非磁性材料から成るフレームを有し、その内部には、Y軸方向に所定間隔で複数の電機子コイルが配設されている。
【0057】
前記他方の固定子ユニット38も上記一方の固定子36と同様に構成されている。すなわち、固定子ユニット38は、Y軸方向を長手方向とする上下一対の電機子ユニットから成るY軸リニアガイド1381,1382と、これらのY軸リニアガイド1381,1382をZ軸方向に所定間隔を維持した状態で両端部にて固定する一対の固定部材154とを備えている。一対の固定部材154のそれぞれは、前述の枠状部材18の内壁面に固定されている。
【0058】
前記Y軸リニアガイド1381,1382は、前述のY軸リニアガイド1361,1362と同様に構成されている(図5参照)。
【0059】
Y軸リニアガイド1361,1381と、Y軸リニアガイド1362,1382との間には、図5に示されるように、それぞれ所定のクリアランスを介して、レチクルステージRSTが配設されている。Y軸リニアガイド1361,1362にそれぞれ対向して、レチクルステージRSTの上面、下面には、一対の磁極ユニット261,262がそれぞれ埋め込まれ、Y軸リニアガイド1381,1382に対向して、レチクルステージRSTの上面、下面には、一対の磁極ユニット281,282がそれぞれ埋め込まれている。
【0060】
磁極ユニット261,262のそれぞれは、図4(B)に示されるように、前述のレチクルステージ本体22の板状部24Aの段付き開口22aの−X側に、レチクルステージ本体22の中立面CTを基準として対称に上下面側にそれぞれ形成された凹部24e1,24e2内に配置されている。
【0061】
この場合、Y軸リニアガイド1361,1362は、上記中立面CTを基準としてほぼ対称な位置に位置している。
【0062】
前記一対の磁極ユニット261,262は、磁性体部材と、該磁性体部材の表面にY軸方向に沿って所定間隔で配置された複数の界磁石とを、それぞれ備えている。複数の界磁石は、隣り合う界磁石同士で逆極性とされている。従って、磁極ユニット261の上方の空間にはY軸方向に沿って交番磁界が形成され、磁極ユニット262の下方の空間にはY軸方向に沿って交番磁界が形成されている。
【0063】
同様に、前記一対の磁極ユニット281,282のそれぞれは、図4(B)に示されるように、前述のレチクルステージ本体22の板状部24Aの段付き開口22aの+X側に、レチクルステージ本体22の中立面CTを基準として対称に上下面側にそれぞれ形成された凹部24f1,24f2内に配置されている。また、一対の磁極ユニット281,282は、段付き開口22aのX軸方向の中心位置(レチクルステージRSTの重心のX軸方向位置とほぼ一致)を通るZ軸に関して、磁極ユニット261,262とほぼ左右対称の配置となっている。
【0064】
また、前記Y軸リニアガイド1381,1382は、中立面CTを基準としてほぼ対称な位置に位置している。
【0065】
前記一対の磁極ユニット281,282は、磁性体部材と、該磁性体部材の表面にY軸方向に沿って所定間隔で配置された複数の界磁石とを、それぞれ備えている。複数の界磁石は、隣り合う界磁石同士で逆極性とされている。従って、磁極ユニット281の上方の空間にはY軸方向に沿って交番磁界が形成され、磁極ユニット282の下方の空間にはY軸方向に沿って交番磁界が形成されている。
【0066】
本実施形態では、上述した固定子ユニット36、38(2対のY軸リニアガイド1361,1362、1381、1382を含む)と2対の磁極ユニット261、262、281、282とによって第1駆動機構が構成されている。この第1駆動機構によると、Y軸リニアガイド1361,1362内の電機子コイルに電流が供給されることにより、磁極ユニット261,262の発生する磁界と電機子ユニット1361,1362を流れる電流との間の電磁相互作用によってY軸方向の電磁力(ローレンツ力)が発生し、このローレンツ力の反力が磁極ユニット261,262(レチクルステージRST)をY軸方向に駆動する駆動力となる。
【0067】
同様に、Y軸リニアガイド1381,1382内の電機子コイルに電流が供給されることにより、磁極ユニット281,282の発生する磁界とY軸リニアガイド1381,1382を流れる電流との間の電磁相互作用によってY軸方向の電磁力(ローレンツ力)が発生し、このローレンツ力の反力が磁極ユニット281,282(レチクルステージRST)をY軸方向に駆動する駆動力となる。
【0068】
本実施形態の場合、レチクルステージRSTの中立面CTを基準として、磁極ユニット261と262、磁極ユニット281と282がそれぞれ対称に配置され、これらの磁極ユニットに対応するY軸リニアガイド1361と1362、Y軸リニアガイド1381,1382も中立面CTを基準として上下対称に配置されている。このため、Y軸リニアガイド1361,1362,1381,1382の電機子コイルそれぞれに同一の電流を供給することにより、磁極ユニット261,262,281,282のそれぞれに同一の駆動力が与えられ、レチクルステージRSTの中立面CT(図4(B)参照)上の2箇所にY軸方向の駆動力(磁極ユニット261,262の駆動力の合力、磁極ユニット281,282の駆動力の合力)を作用させることができ、これにより、レチクルステージRSTにはピッチングモーメントが極力作用しないようになっている。
【0069】
また、この場合、磁極ユニット261と262、磁極ユニット281と282とは、X軸方向に関しても、レチクルステージRSTの重心近傍位置に関してほぼ対称に配置されているので、レチクルステージRSTの重心から等距離の2箇所に上記のY軸方向の駆動力が作用するので、該2箇所に同一の力を発生させることでレチクルステージRSTの重心位置近傍にY軸方向の駆動力の合力を作用させることが可能となっている。従って、レチクルステージRSTにはヨーイングモーメントが極力作用しないようになっている。
【0070】
なお、上記と反対に、左右のY軸方向の駆動力を異ならせることにより、レチクルステージRSTのヨーイングを制御することもできる。
【0071】
これまでの説明から明らかなように、磁極ユニット261,262と、対応するリニアガイド1361,1362とによりレチクルステージRSTをY軸方向に駆動する一対のムービングマグネット型のY軸リニアモータが構成され、磁極ユニット281,282と、対応するY軸リニアガイド1381,1382とによりレチクルステージRSTをY軸方向に駆動する一対のムービングマグネット型のY軸リニアモータが構成されている。なお、以下においては、これらY軸リニアモータを各Y軸リニアモータを構成するリニアガイドと同一の符号を用いて、「Y軸リニアモータ1361,1362、1381,1382」とも記述するものとする。
【0072】
左右各一対のY軸リニアモータ1361,1362、及び1381,1382によって、前述の第1駆動機構が構成されている。
【0073】
前記固定子ユニット40は、図3に示されるように、Y軸方向を長手方向とする一対の電機子ユニット1401,1402と、これらの電機子ユニット1401,1402をY軸方向(長手方向)の一端部と他端部で保持する一対の固定部材156とを備えている。この場合、一対の固定部材156により、電機子ユニット1401,1402は、Z軸方向(上下方向)に所定間隔をあけて相互に対向してかつXY面にそれぞれ平行に保持されている。一対の固定部材156のそれぞれは、前述の枠状部材18の内壁面に固定されている。
【0074】
電機子ユニット1401,1402は、図5からも分かるように、断面矩形(長方形)の非磁性材料から成るフレームを有し、その内部には、電機子コイルが配置されている。
【0075】
電機子ユニット1401,1402相互間には、図5に示されるように、それぞれ所定のクリアランスを介して、レチクルステージRSTのX軸方向の端部に固定された断面矩形(長方形)の板状の永久磁石30が配置されている。永久磁石30に代えて、磁性体部材とその上下面にそれぞれ固定された一対の平板状の永久磁石とから成る磁極ユニットを用いても良い。
【0076】
この場合、永久磁石30、並びに電機子ユニット1401,1402は、中立面CTを基準としてほぼ対称な形状及び配置となっている(図4(B)及び図5参照)。
【0077】
従って、永久磁石30によって形成されるZ軸方向の磁界と電機子ユニット1401,1402をそれぞれ構成する電機子コイルをY軸方向に流れる電流との間の電磁相互作用によりX軸方向の電磁力(ローレンツ力)が発生し、このローレンツ力の反力が永久磁石30(レチクルステージRST)をX軸方向に駆動する駆動力となる。
【0078】
この場合、電機子ユニット1401,1402をそれぞれ構成する電機子コイルに同一の電流を供給することにより、レチクルステージRSTの中立面CT(図4(B)参照)上の位置にX軸方向の駆動力を作用させることができ、これにより、レチクルステージRSTにはローリングモーメントが極力作用しないようになっている。
【0079】
上述のように、電機子ユニット1401,1402と永久磁石30とにより、レチクルステージRSTをX軸方向に微小駆動可能なムービングマグネット型のボイスコイルモータが構成されている。なお、以下においては、このボイスコイルモータを該ボイスコイルモータを構成する可動子、すなわち永久磁石の符号を用いてボイスコイルモータ30とも呼ぶものとする。このボイスコイルモータ30によって、第2駆動機構が構成されている。
【0080】
本実施形態では、さらに、前述の枠状部材18の+X側面及び+Y側面には、図3に示されるように、磁極ユニットから成る可動子601,602,603が設けられている。これらの可動子601,602,603に対応してレチクルステージ定盤16には、支持台641,642,643を介して、電機子ユニットから成る固定子621,622,623が設けられている。
【0081】
前記可動子601,602は、その内部に永久磁石を備えており、Z軸方向の磁界を形成する。前記固定子621,622は、その内部に電機子コイルを有し、前記Z軸方向の磁界中を電流がY軸方向に流れるようになっている。従って、固定子621,622内の電機子コイルにY軸方向の電流が供給されることにより、可動子601,602にはX軸方向への駆動力(ローレンツ力の反力)が作用することとなる。すなわち、図2に示されるように、可動子601と固定子621とにより、ムービングマグネット型のボイスコイルモータから成るX軸方向駆動用のトリムモータTRX1が構成され、可動子602と固定子622とにより、ムービングマグネット型のボイスコイルモータから成るX軸方向駆動用のトリムモータTRX2が構成されている。
【0082】
また、前記可動子603は、その内部に永久磁石を備えており、Z軸方向の磁界を形成する。前記固定子623は、その内部に電機子コイルを有し、前記Z軸方向の磁界中を電流がX軸方向に流れるようになっている。従って、固定子623内の電機子コイルにY軸方向の電流が供給されることにより、可動子603にはY軸方向への駆動力(ローレンツ力の反力)が作用することとなる。すなわち、可動子603と固定子623とによりムービングマグネット型のボイスコイルモータから成るY軸方向駆動用のトリムモータTRYが構成されている(図2参照)。
【0083】
このように、これら3つのトリムモータTRX1,TRX2,TRYを用いることにより、枠状部材18をX軸方向、Y軸方向、及びθz方向の3自由度方向に駆動することが可能である。すなわち、本実施形態では、トリムモータTRX1,TRX2,TRYのそれぞれによって、カウンタマスとしての枠状部材18を駆動するカウンタマス駆動系が構成されている。
【0084】
前記枠状部材18の−X側の側壁のほぼ中央には、図3に示されるように、凹状部18aが形成されている。この凹状部18aには枠状部材18の内部と外部とを連通する矩形開口18bが形成され、該矩形開口18bには、窓ガラスg1が嵌め込まれている。また、枠状部材18の−Y側の側壁には、枠状部材18の内部と外部とを連通する矩形開口18cが形成され、該開口18cには、窓ガラスg2が嵌め込まれている。これらの窓ガラスg1、g2は、その取り付け部分からのガス漏れが生じないように、取り付け部分には、インジウムや銅等の金属シールや、フッ素系樹脂による封止(シーリング)が施されている。なお、上記フッ素系樹脂としては、80℃で2時間、加熱し、脱ガス処理が施されたものを使うことが望ましい。
【0085】
前記窓ガラスg1の外側(−X側)には、レチクルステージ装置12のXZ断面図を示す図5から分かるように、レチクルステージRSTのミラー部24Bの反射面124mに対向してX軸レーザ干渉計69Xが設けられている。このX軸レーザ干渉計69Xからの測長ビームが窓ガラスg1を介してミラー部24Bの反射面124mに対して投射され、その反射光が窓ガラスg1を介してX軸レーザ干渉計69X内に戻る。この場合、測長ビームの光路のZ軸方向の位置は、中立面CTの位置に一致している。
【0086】
また、図5に示されるように、投影光学系ユニットPLの鏡筒の上端部近傍には、固定鏡Mrxが取付部材92を介して設けられている。X軸レーザ干渉計69Xからの参照ビームはレチクルステージ定盤16に形成された貫通孔(光路)71を介して、固定鏡Mrxに対して投射され、その反射光がX軸レーザ干渉計69X内に戻る。X軸レーザ干渉計69Xでは、測長ビームの反射光、参照ビームの反射光を内部の光学系により同軸にかつ同一の偏光方向の光に合成し、両反射光の干渉光を内部のディテクタによって受光する。そして、その干渉光によってディテクタの受光面に生じる干渉縞のカウント値に基づいて、X軸レーザ干渉計69Xは、レチクルステージ本体22のX軸方向の位置を、固定鏡Mrxを基準として、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出する。
【0087】
前記窓ガラスg2の外側(−Y側)には、レチクルステージ装置12近傍のYZ断面図である図6から分かるように、レチクルステージ本体22に設けられた前述のレトロリフレクタ321,322の反射面に対向してY軸レーザ干渉計69Yが設けられている。この場合、Y軸レーザ干渉計69Yは、レトロリフレクタ321,322にそれぞれ対応して一対設けられている。各Y軸レーザ干渉計69Yからの測長ビームは窓ガラスg2を介してレトロリフレクタ321、322の反射面に対してそれぞれ投射され、それぞれの反射光が窓ガラスg2を介して各Y軸レーザ干渉計69Y内に戻る。この場合、測長ビームの照射点のZ軸方向の位置は、中立面CTの位置にほぼ一致している。
【0088】
また、図6に示されるように、投影光学系ユニットPLの鏡筒の上端部近傍には、固定鏡Mryが取付部材93を介して設けられている。各Y軸レーザ干渉計69Yからの参照ビームはレチクルステージ定盤16に形成された貫通孔(光路)72を介して、固定鏡Mryに対してそれぞれ投射され、それぞれの反射光が各Y軸レーザ干渉計69Y内に戻る。そして、各Y軸レーザ干渉計69Yは、前述のX軸レーザ干渉計69Xと同様に、測長ビームの反射光と参照ビームの反射光との干渉光に基づいて、それぞれの測長ビームの投射位置(レトロリフレクタ321,322の反射面の位置)におけるレチクルステージ本体22のY軸方向の位置を、固定鏡Mryをそれぞれ基準として例えば0.5〜1nm程度の分解能でそれぞれ常時検出する。
【0089】
この場合、一対のY軸レーザ干渉計69Yによって、レチクルステージRSTのZ軸回りの回転量も検出することが可能となっている。
【0090】
本実施形態では、図2に示されるように、ミラー部24Bは、固定子ユニット36(Y軸リニアモータ1361,1362)の外側に配置されている。このため、X軸レーザ干渉計69Xの測長軸がY軸リニアモータ1361,1362の固定子の上方を通過することがないことから、Y軸リニアモータ1361,1362の固定子を流れる電流による発熱により、Y軸リニアモータ1361,1362近傍に空気揺らぎが発生しても、この空気揺らぎによるX軸レーザ干渉計69Xの計測値への影響がないので、レチクルステージRST、ひいてはレチクルRのX軸方向位置を高精度で検出することが可能となる。また、この場合、前述の如く、X軸レーザ干渉計69Xの測長ビームの光路のZ軸方向の位置は、中立面CTの位置に一致しており、レチクルRの載置面も中立面CTに一致しているので、いわゆるアッベ誤差なく、レチクルステージRST、ひいてはレチクルRのX軸方向位置を精度良く計測することができる。一対のY軸干渉計69Yにおいても、同様の理由により、いわゆるアッベ誤差なく、レチクルステージRST、ひいてはレチクルRのY軸方向位置を精度良く計測することができるようになっている。
【0091】
また、上述のX軸レーザ干渉計69X及び一対のY軸干渉計69Yは、枠状部材18の外部に配置されているので、各干渉計を構成するプリズム等の光学部材及びディテクタ等から仮に微量の吸収性ガスが発生しても、これが露光に対して悪影響を及ぼすことがないようになっている。
【0092】
上述のように、実際には、移動鏡として、ミラー部24B、レトロリフレクタ321,322の3つが設けられ、これに対応してレーザ干渉計もX軸レーザ干渉計69Xと一対のY軸レーザ干渉計69Yとが設けられているが、図1ではこれらが代表的にレチクル移動鏡Mm、レチクル干渉計システム69として図示されている。なお、図1では、固定鏡(固定鏡Mrx、固定鏡Mry)は図示が省略されている。
【0093】
以下の説明においては、レチクル干渉計システム69によってレチクルステージRSTのXY面内の位置(θz回転を含む)が計測されているものとする。このレチクル干渉計システム69からのレチクルステージRSTの位置情報(又は速度情報)は図1のステージ制御装置90及びこれを介して主制御装置70に送られ、ステージ制御装置90では主制御装置70からの指示に応じ、レチクルステージRSTの位置情報(又は速度情報)に基づいてレチクルステージRSTの駆動を制御する。
【0094】
また、前述の如く、枠状部材18は、レチクルステージ定盤16上に浮上しているので、レチクルステージRSTの駆動時の反力の作用などにより移動するため、その位置を管理する必要がある。
【0095】
枠状部材18の−Y側の側面及び+X側の側面それぞれの少なくとも一部は鏡面加工が施された反射面とされ、図2に示されるように、これらの反射面にY干渉計19Y、X干渉計19Xからのレーザビーム(測長ビーム)がそれぞれ照射されている。そして、これらY干渉計19Y、X干渉計19Xでは、それぞれの反射光束を受光して、それぞれの内部の参照鏡の位置を基準としてそれぞれの反射面の位置、すなわち枠状部材18のY位置、X位置をそれぞれ検出するようになっている。これらの干渉計19Y、19Xの検出値(計測値)はステージ制御装置90及びこれを介して主制御装置70に供給されている。
【0096】
この場合、Y干渉計19Y、X干渉計19Xの少なくとも一方は、測長軸を複数有する干渉計とし、該干渉計の計測値に基づいて、枠状部材18のθz回転を計測するようにしても良い。
【0097】
このように枠状部材18の位置を計測する干渉計は、複数設けられているが、図1では、これらの干渉計が代表的に干渉計19として示されている。
【0098】
図1に戻り、前記投影光学系ユニットPLは、鏡筒と該鏡筒の内部に所定の位置関係で配置された複数の光学素子から成る投影光学系とによって構成されている。この投影光学系としては、ここでは、両側テレセントリックな縮小系、かつ共通のZ軸方向の光軸を有する複数枚のレンズエレメントから成る屈折光学系が用いられている。投影光学系ユニットPLは、実際には、該投影光学系ユニットPLの鏡筒部に設けられたフランジ部FLGを介して、不図示の保持部材によって保持されている。投影光学系の投影倍率βは、例えば1/4あるいは1/5である。このため、前述の如く、照明ユニットIOPからの照明光ILによりレチクルRが照明されると、レチクルRに形成された前述の照明領域内の回路パターンが投影光学系によりウエハW上の照明領域と共役な照明光ILの照射領域(露光領域)に縮小投影され、回路パターンの縮小像(部分等立像)が転写形成される。
【0099】
投影光学系ユニットPLの鏡筒には、給気管路50の一端と、排気管路51の一端とがそれぞれ接続されている。給気管路50の他端は、不図示の低吸収性ガスの供給装置、例えばヘリウムガス供給装置に接続されている。また、排気管路51の他端は、外部のガス回収装置に接続されている。そして、ヘリウムガス供給装置から高純度のヘリウムガスが給気管路50を介して投影光学系ユニットPLの鏡筒の内部にフローされている。この場合、ヘリウムガスがガス回収装置に回収されるようになっている。なお、低吸収性ガスとしてヘリウムガスを用いているのは、前述と同様の理由に加え、投影光学系ユニットPLのレンズ材料として熱膨張係数の大きなホタル石が用いられていることから、レンズが照明光ILを吸収することにより発生する温度上昇がレンズの結像特性を劣化させることを考慮し、冷却効果の大きな低吸収性ガスを用いることが望ましいからである。
【0100】
前記ウエハステージWSTは、ウエハ室80内に配置されている。このウエハ室80は、天井部の略中央部に円形開口71aが形成された隔壁71で形成されている。この隔壁71は、ステンレス鋼(SUS)等の脱ガスの少ない材料で形成されている。隔壁71の天井部の開口71a内に投影光学系ユニットPLの鏡筒の下端部が挿入されている。また、隔壁71の天井壁の開口71aの周囲と投影光学系ユニットPLのフランジ部FLGとの間は、フレキシブルベローズ97により隙間なく接続されている。このようにして、ウエハ室80の内部のガスが外部と隔離されている。
【0101】
ウエハ室80内には、ステージベースBSが、複数の防振ユニット86を介してほぼ水平に支持されている。これらの防振ユニット86は、床面FからステージベースBSに伝達される微振動(暗振動)を例えばマイクロGレベルで絶縁する。なお、この防振ユニット86として、ステージベースBSの一部に取り付けられた半導体加速度計等の振動センサの出力に基づいてステージベースBSを積極的に制振するいわゆるアクティブ防振装置を用いることも可能である。
【0102】
前記ウエハステージWSTは、ウエハホルダ25を介してウエハWを真空吸着等により保持し、例えばリニアモータ等を含む不図示のウエハ駆動系によって前記ベースBSの上面に沿ってXY2次元方向に自在に駆動されるようになっている。
【0103】
本実施形態のように、真空紫外域の露光波長を使用する露光装置では、酸素等の吸収性ガスによる露光光の吸収を避けるために、投影光学系ユニットPLからウエハWまでの光路についても窒素や希ガスで置換する必要がある。
【0104】
ウエハ室80の隔壁71には、図1に示されるように、給気管路41の一端と、排気管路43の一端とがそれぞれ接続されている。給気管路41の他端は、不図示の低吸収性ガスの供給装置、例えばヘリウムガス供給装置に接続されている。また、排気管路43の他端は、外部のガス回収装置に接続されている。そして、前述と同様にして、ウエハ室80内にヘリウムガスが常時フローされている。
【0105】
ウエハ室80の隔壁71の−Y側の側壁には光透過窓85が設けられている。これと同様に、図示は省略されているが、隔壁71の+X側(図1における紙面手前側)の側壁にも光透過窓が設けられている。これらの光透過窓は、隔壁71に形成された窓部(開口部)に該窓部を閉塞する光透過部材、ここでは一般的な光学ガラスを取り付けることによって構成されている。この場合、光透過窓85を構成する光透過部材の取り付け部分からのガス漏れが生じないように、取り付け部には、インジウムや銅等の金属シールや、フッ素系樹脂による封止(シーリング)が施されている。なお、上記フッ素系樹脂としては、80℃で2時間、加熱し、脱ガス処理が施されたものを使うことが望ましい。
【0106】
前記ウエハホルダ25の−Y側の端部には、平面鏡から成るY移動鏡56YがX軸方向に延設されている。このY移動鏡56Yにほぼ垂直にウエハ室80の外部に配置されたY軸レーザ干渉計57Yからの測長ビームが光透過窓85を介して投射され、その反射光が光透過窓85を介してY軸レーザ干渉計57Y内部のディテクタによって受光され、Y軸レーザ干渉計57Y内部の参照鏡の位置を基準としてY移動鏡56Yの位置、すなわちウエハWのY位置が検出される。
【0107】
同様に、図示は省略されているが、ウエハホルダ25の+X側の端部には、平面鏡から成るX移動鏡がY軸方向に延設されている。そして、このX移動鏡を介してX軸レーザ干渉計によって上記と同様にしてX移動鏡の位置、すなわちウエハWのX位置が検出される。上記2つのレーザ干渉計の検出値(計測値)はステージ制御装置90及びこれを介して主制御装置70に供給されており、ステージ制御装置90では、主制御装置70の指示に基づき、上記2つのレーザ干渉計の検出値をモニタしつつウエハ駆動系を介してウエハステージWSTの位置制御を行うようになっている。
【0108】
このように、本実施形態では、レーザ干渉計、すなわちレーザ光源、プリズム等の光学部材及びディテクタ等が、ウエハ室80の外部に配置されているので、上記ディテクタ等から仮に微量の吸収性ガスが発生しても、これが露光に対して悪影響を及ぼすことがないようになっている。
【0109】
なお、前述した投影光学系ユニットPLの鏡筒に接続された給気管路50の他端、及び排気管路51の他端を不図示のヘリウムガス供給装置にそれぞれ接続し、ヘリウムガス供給装置から給気管路50を介して常時高純度のヘリウムガスを投影光学系ユニットPLの鏡筒内に供給し、該鏡筒内部のガスを排気管路51を介してヘリウムガス供給装置に戻し、このようにして、ヘリウムガスを循環使用する構成を採用しても良い。この場合、ヘリウムガス供給装置には、ガス精製装置を内蔵することが望ましい。このようにすると、ガス精製装置の作用により、ヘリウムガス供給装置と投影光学系ユニットPL内部とを含む循環経路によりヘリウムガスを長時間に渡って循環使用しても、投影光学系ユニットPL内のヘリウムガス以外の吸収性ガス(酸素、水蒸気、有機物等)の濃度は数ppm以下の濃度に維持できる。また、この場合、投影光学系ユニットPL内に圧力センサ、吸収性ガス濃度センサ等のセンサを設け、該センサの計測値に基づいて、不図示の制御装置を介してヘリウムガス供給装置に内蔵されたポンプの作動、停止を適宜制御することとしても良い。
【0110】
同様に、ウエハ室80にも、上記と同様のヘリウムガスの循環経路を採用しても良い。
【0111】
次に、上述のようにして構成された露光装置10による露光動作の流れについて簡単に説明する。
【0112】
まず、主制御装置70の管理の下、不図示のレチクルローダ、ウエハローダによって、レチクルロード、ウエハロードが行なわれ、また、レチクルアライメント系、ウエハステージWST上の基準マーク板、オフアクシス・アライメント検出系(いずれも図示省略)等を用いて、レチクルアライメント、ベースライン計測(アライメント検出系の検出中心とレチクルパターンの投影中心(投影光学系の光軸に略一致)との距離の計測)等の準備作業が所定の手順で行なわれる。
【0113】
その後、主制御装置70により、不図示のアライメント検出系を用いてEGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)等のウエハアライメント計測が実行される。このような動作においてウエハWの移動が必要な場合には、主制御装置70がステージ制御装置90を介して、ウエハWを保持するウエハステージWSTを所定の方向に移動させる。上記のアライメント計測の終了後、ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行なわれる。
【0114】
なお、ウエハW上のショット領域の露光順序は、ウエハW上にマトリックス状に配置された複数のショット領域のうち+Y側端部の第1行の−X端に位置する第1ショット領域から始まり、行方向(+X方向)に順次進む。そして、第1行の最後のショット領域の露光が終了すると、第2行の最初のショット領域(+X端に位置するショット領域)へ進む。そして、第1行の行方向とは逆の行方向(−X方向)に順次進む。以後、行を変更する度に、前の行における進行方向とは逆の行方向へ進行しながら、最終のショット領域まで順次露光を行う。
【0115】
なお、露光順が進む度に、順次走査方向を逆転するいわゆる交互スキャン方式を採用しているものとする。
【0116】
かかる露光処理にあたって、まず、主制御装置70は、上記のウエハアライメント計測の結果及びウエハ側のY軸レーザ干渉計57Y及びX軸レーザ干渉計からのウエハWの位置情報(又は速度情報)に基づき、ステージ制御装置90を介してウエハ駆動系を制御して、ウエハステージWSTを移動させ、ウエハWの第1ショット領域の露光のための走査開始位置(加速開始位置)にウエハWを移動させる。
【0117】
次に、ステージ制御装置90は、主制御装置70の指示に応じてレチクルRとウエハW、すなわちレチクルステージRSTとウエハステージWSTとのY軸方向の相対移動を開始する。両ステージRST,WSTがそれぞれの目標走査速度に達し、等速同期状態に達すると、照明ユニットIOPからの照明光ILによってレチクルRのパターン領域が照明され始め、走査露光が開始される。上記の相対走査は、ステージ制御装置90が、前述したウエハ側のY軸レーザ干渉計57Y及びX軸レーザ干渉計、並びにレチクル干渉計システム69の計測値をモニタしつつ、前述のレチクルステージ駆動系及びウエハ駆動系(不図示)を制御することにより行われる。
【0118】
そして、ステージ制御装置90は、レチクルステージ駆動系及びウエハ駆動系を介してレチクルステージRST及びウエハステージWSTを同期制御する。その際、特に上記の走査露光時には、レチクルステージRSTのY軸方向の移動速度とウエハステージWSTのY軸方向の移動速度とが、投影光学系ユニット内部の投影光学系の投影倍率(1/4倍あるいは1/5倍)に応じた速度比に維持されるように同期制御を行う。
【0119】
そして、レチクルRのパターン領域の異なる領域が照明光で逐次照明され、パターン領域全面に対する照明が完了することにより、ウエハW上の第1ショット領域の走査露光が終了する。これにより、レチクルRのパターンが投影光学系を介して第1ショット領域に縮小転写される。なお、走査露光の終了後には、照明光ILのレチクルRへの照射を止める。
【0120】
以上のようにして、第1ショット領域の走査露光が終了すると、主制御装置70からの指示に基づき、ステージ制御装置90がウエハ駆動系を制御してウエハステージWSTを、例えばU字状の経路に従って、ウエハWを次のショット領域(ここでは、第2ショット領域)の走査露光の開始位置まで移動するショット領域間のステッピング動作を行う。このステッピング動作が終了した時点では、ウエハW(ウエハステージWST)の加速動作は終了しており、ウエハWはY軸方向に関してのみ速度を有する。
【0121】
なお、前述のU字状の経路に沿ってウエハステージWSTのショット領域間ステッピング動作を行う場合には、Y軸方向に関して減速及び反対方向への加速が行われるのと並行して、X軸方向に関しては、次のような制御が行われる。すなわち、ショット領域の露光終了後であってY軸方向に関する速度が零となる前にX軸方向の加速を開始し、X軸方向の減速(ステッピング)が終了する前に次のショット領域の露光のためのY軸方向(前とは逆向き)の加速を開始する。この場合、露光終了後でY軸方向の速度が零となる前にX軸方向の加速を開始するだけでも良いし、あるいはステッピング終了前にY軸方向への加速を開始するだけでも良い。なお、次ショット領域の露光のためのY軸方向への加速が終了する前にX軸方向の減速(ステッピング)を終了させることが好ましい。
【0122】
そして、ウエハW、レチクルRの移動方向が反対であることを除いて、第1ショット領域の場合と同様にして、第2ショット領域の走査露光を行う。
【0123】
以後、上記のステップ動作と走査露光動作とを繰り返して、第1行のショット領域の走査露光を順次実行する。
【0124】
そして、第1行の最後のショット領域の走査露光を終了すると、主制御装置70からの指示に基づき、ステージ制御装置90がウエハ駆動系を制御してウエハステージWSTを移動し、第2行の最初のショット領域の露光のための走査開始位置(加速開始位置)まで移動する、行間の移動動作を行う。
【0125】
引き続き、第2行においても、ショット領域の露光順序が−X方向に進行することを除いて、第1行の場合と同様にして、各ショット領域の走査露光が実行される。以後、第1行及び第2行の場合と同様にして、最終行までの各ショット領域の走査露光が実行される。
【0126】
なお、本実施形態では、ステップ・アンド・スキャン方式によるウエハの露光動作時に、各ショット領域の走査開始位置でウエハステージWSTを停止させることなく移動している。なお、本実施形態と同様の、ステップ・アンド・スキャン方式による露光の際の各ステージの動作等に関する詳細は、例えば特開2000−106340号公報などに開示されており、公知であるから詳細説明については省略する。
【0127】
本実施形態では、上記のようにして交互スキャンによるステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行われ、この際に、レチクルステージRSTは、ウエハステージWSTに追従しつつ所定のストローク範囲で走査方向に関して往復運動をすることとなる。このレチクルステージRSTの往復運動の際の駆動力の反力が、上記枠状部材18の移動によりキャンセルされている。以下、この点について説明する。
【0128】
すなわち、ウエハステージWSTに対して追従するため、レチクルステージRSTをX軸方向に駆動する際には、前述のボイスコイルモータ30の可動子がレチクルステージRSTと一体でX軸方向に駆動され、この駆動力の反力がボイスコイルモータ30の固定子(電機子ユニット1401,1402)及び該固定子が固定された枠状部材18に作用することとなる。この場合、枠状部材18は、レチクルステージ定盤16及び照明系側プレート14に対して所定のクリアランスを介して非接触とされ、かつレチクルステージRSTには、配線、配管の類は、全く接続されておらず、枠状部材18の移動量は僅かであるため枠状部材18に接続された配管(給気管、排気管)にはテンションが殆ど生じない。このため、前記反力の作用により、枠状部材18は、ほぼ運動量保存の法則に従った距離だけその反力に応じた方向に移動する。この枠状部材18の移動により、前記反力が殆ど吸収される。このとき、レチクルステージRSTのY軸方向の位置によっては、上記のX軸方向の駆動力の反力に起因するヨーイングモーメントが枠状部材18に作用することがある。この場合、枠状部材18は、そのヨーイングモーメント及びX軸方向の反力の作用によって、ほぼ運動量保存の法則に従って反力を吸収するようにθz回転を伴う自由運動をする。
【0129】
一方、レチクルステージRSTがウエハステージWSTとの同期をとるために、Y軸方向に駆動される際には、Y軸リニアモータ1361,1362、1381,1382の各可動子がレチクルステージRSTと一体でY軸方向に駆動され、各可動子の駆動力の反力がY軸リニアモータ1361,1362、1381,1382の各固定子及びこれらが固定された枠状部材18に作用する。この場合も、上記反力の合力の作用により、枠状部材18は、ほぼ運動量保存の法則に従った距離だけその反力の合力に応じた方向に移動し、これにより、前記反力は殆ど吸収される。
【0130】
また、Y軸リニアモータ1361,1362と、Y軸リニアモータ1381,1382とが発生する駆動力(推力)を異ならせてレチクルステージRSTをθz回転させ、その際、ヨーイングモーメントが枠状部材18に作用することがあるが、かかる場合にも、枠状部材18は、そのヨーイングモーメント及びY軸方向の反力の作用によって、ほぼ運動量保存の法則に従って反力を吸収するようにθz回転を伴う自由運動をする。
【0131】
また、いずれの場合にも、枠状部材18及びレチクルステージRSTを含む系の重心移動は殆ど生じないか、生じても許容できる範囲内となる。
【0132】
従って、本実施形態では、レチクルステージRSTの駆動時に、該レチクルステージRSTの駆動に伴って生じる反力(X軸方向及びY軸方向の反力)及び該反力によって生じるヨーイングモーメントをほぼキャンセルすることが可能となり、レチクルステージRSTの駆動に伴う振動を抑制することが可能となる。また、枠状部材18及びレチクルステージRSTを含む系の重心移動は許容できる範囲内に抑制できる。
【0133】
しかしながら、上記のレチクルステージRSTの駆動の際に、その駆動力の反力を受ける枠状部材18の移動が、完全に運動量保存則に完全には従わない場合がある。これは、実際の露光装置では、レチクルステージRSTと周囲の気体との間の摩擦力の影響などもあり、また、その他運動量保存則の成立を妨げる要因が存在するからである。
【0134】
従って、例えばレチクルステージRSTが大ストロークで移動する走査方向であるY軸方向に着目すると、レチクルステージRSTが一往復の運動(ウエハW上の連続する2ショット領域を露光する際の運動に相当)の開始時点と終了時点とで、枠状部材18の位置が微妙に異なる場合が通常である。従って、ウエハW上の複数のショット領域を、上述の交互スキャンにより、連続して露光する際に、レチクルステージRSTが走査方向(Y軸方向)の往復運動を繰り返し行う際に、それに伴う枠状部材18の往復運動を放任し続けると、枠状部材18が所期の位置から徐々にドリフトし、レチクルステージRST及び枠状部材18を含む系の重心ずれが生じ、この重心ずれにより、無視できない偏荷重がレチクルステージ定盤16に作用する可能性がある。
【0135】
そこで、本実施形態では、ステージ制御装置90が次のようにして枠状部材18の位置を調整している。この調整に関して、次の2つのモードが用意されている。このモードの選択は、オペレータが、露光装置10の運転開始時等に不図示の入出力装置を介して行うことができるようになっているものとする。
【0136】
〔第1のモード〕
この第1のモードは、ステージ制御装置90内のCPUによる割り込み処理によって実行される。図8には、この割り込み処理ルーチンのフローチャートが示されている。この割り込み処理ルーチンは、例えば上述の交互スキャンによる露光処理の際に、レチクルステージRSTがレチクルステージ定盤16上で走査方向(Y軸方向)に関して所定ストローク範囲で一往復の運動を終了したタイミング(時点)毎に、繰り返し実行される。
【0137】
レチクルステージRSTが上記の往復運動をすると、そのレチクルステージRSTの駆動力の反力の作用により枠状部材18がレチクルステージRSTの移動方向とは常に反対方向にレチクルステージ定盤16上で移動する。すなわち、枠状部材18もY軸方向に関して往復運動するが、この枠状部材18の往復運動の間中、前述のY干渉計19Yにより、枠状部材18のY軸方向の位置情報が検出されている。
【0138】
まず、ステップ301において、Y干渉計19Yで計測される枠状部材18のY軸方向の位置情報を取り込み、次のステップ302に進んで、枠状部材18の所定の基準位置からの位置誤差を、取り込んだ枠状部材18の現在の位置情報に基づいて算出する。
【0139】
次のステップ304では、上記ステップ302で算出した位置誤差に基づいて、必要な力積を計算する。ここで、必要な力積とは、一例として、レチクルステージRSTが一往復の運動を行うのに要する時間Tだけ、枠状部材18を等加速度運動させ、この等加速度運動により上記の位置誤差を補正するものと仮定した場合に必要な次式(1)で表される力積F・Tである。
【0140】
F・T=2S・M/T …(1)
上式(1)において、Sは、算出した位置誤差であり、Mは枠状部材18の質量である。
【0141】
次のステップ306では、算出した力積F・Tに基づいて、調整情報としてのトリムモータTRYに対する推力(指令値)のプロファイルを次のようにして算出する。
【0142】
図9には、このステップ306における推力(指令値)のプロファイルの算出原理を説明するための図が示されている。この図9に示される長方形の面積が、前述の力積F・Tに相当し、これと同一面積を有する等脚台形が算出すべき推力のプロファイル(指令値)を示す。この推力のプロファイルは、角度θが予め定められ、両端の傾斜部の傾きtanθは、既知である。tanθ=kとおくと、両端の傾斜部に対応する時間ΔTは、ΔT=F1/kで表される。ここでF1は、等脚台形(推力のプロファイル)の平坦部の高さである。
【0143】
このステップ306では、長方形と同一の面積を有する等脚台形の高さF1を、次式(2)を解くことにより求め、これにより推力のプロファイルを決定する。
【0144】
F・T=2S・M/T=F1(T−F1/k) ……(2)
上式(2)のF1の解(2次方程式の解)は、一般的に2種類存在するが、そのうち、所定の条件を満足する方を、F1の解とする。
【0145】
次のステップ308では、決定した推力のプロファイルを、メモリ内の推力プロファイル格納領域に上書きし、推力のプロファイルを更新した後、割り込み処理ルーチンを抜ける。
【0146】
これにより、上記の割り込み処理が次に行われるまでの間は、更新後の推力のプロファイルに従った推力指令値が、ステージ制御装置90からトリムモータTRYに対して与えられ、その推力指令値に従ってトリムモータTRYが枠状部材18に力を与えることとなる。
【0147】
図10には、レチクルステージRSTが一往復の運動を終了する度に、上述した割り込み処理が行われ、トリムモータTRYに対する推力のプロファイルが変更された一例が示されている。この図10中の上半部は、枠状部材18の位置の変化を示し、下半部は、トリムモータTRYに対して与えられる推力の指令値(プロファイル)を示す。また、A点、B点、C点は、レチクルステージRSTが走査方向の一往復を終了してホームポジションに戻った時点にそれぞれ相当する。
【0148】
この場合、A点では、枠状部材18は、基準位置まで戻りきれず、正の位置誤差Δy1が生じている様子が示されている。また、B点では、枠状部材18が、戻り過ぎ基準点を超えて、負の位置誤差−Δy2が生じている様子が示されている。
【0149】
上記のレチクルステージRSTの往復運動に伴い、枠状部材18の移動速度は、レチクルステージRSTと枠状部材18との質量比にほぼ応じた速度になるが、枠状部材18は完全には運動量保存則に従って移動していないために、A点、B点、C点等の往復運動の開始点(かつ終了点)では、上述のように往復運動の前後で位置ずれが生じているのである。
【0150】
図10の場合、A点では、上述の正の位置誤差Δy1が生じているため、次のサイクルでは、−Y方向の推力指令値が与えられ、B点では、上述の負の位置誤差−Δy2が生じているので、次のサイクルでは、+Y方向の推力指令値が与えられている。
【0151】
この図10からわかるように、本実施形態では、ステージ制御装置90により、Y干渉計19Yの検出結果に基づいて、その位置ずれが補正されるように、枠状部材18の位置を調整する際のトリムモータに対する推力指令値(調整情報)のプロファイルが、レチクルステージRST(及びウエハステージWST)の走査方向(Y軸方向)に関する往復運動の1サイクル毎に変更される。
【0152】
このように第1のモードの処理が選択された場合、上記の枠状部材18の位置ずれの調整は、上記の調整情報のプロファイルの変更によりステージが1サイクルの往復運動をする比較的長い時間をかけて行われるので、その調整のためにトリムモータTRYから枠状部材18に与えられる力が、外部、すなわち枠状部材18以外の他の構成部材(レチクルステージRSTを含む)に悪影響を与えることは殆どない。
【0153】
従って、Y軸方向に往復運動するレチクルステージRSTの駆動時の反力の作用により移動する枠状部材18の位置調整を、他に影響を殆ど与えることなく実現することが可能となっている。
【0154】
〔第2のモード〕
この第2のモードは、ステージ制御装置90内のCPUによる割り込み処理によって実行される。
【0155】
図11には、この割り込み処理ルーチンのフローチャートが示されている。この割り込み処理ルーチンは、例えば上述の交互スキャンによる露光処理の際に、所定の割り込み処理間隔Δt(Δtは例えば10msec)で、繰り返し実行される。
【0156】
前述の如く、レチクルステージRSTがY軸方向に関して往復運動をすると、これに伴い、枠状部材18も往復運動するが、この枠状部材18の往復運動の間中、Y干渉計19Yにより、枠状部材18のY軸方向の位置情報が検出されている。
【0157】
前提として、後述するフラグFは、レチクルステージRSTがY軸方向に関して第1回目の往復運動を終了するまでの間はおろされており(F=0)、レチクルステージRSTがY軸方向に関して第1回目の往復運動を終了した時点で、例えば主制御装置70により立てられる(F=1)ものとする。
【0158】
まず、ステップ312において、Y干渉計19Yで計測される枠状部材18のY軸方向の位置情報を取り込み、次のステップ314に進んでフラグFがたてられているか否か、すなわちフラグF=1であるか否かを判断する。ここで、レチクルステージRSTがY軸方向に関して第1回目の往復運動を終了するまでの間は、フラグF=0であるから、ここでの判断は否定され、ステップ322に移行する。
【0159】
ステップ322では、上記ステップ312で取り込んだ位置情報を、不図示のメモリ内の位置情報格納テーブルに書き込むとともに、不図示のアドレスカウンタを1インクリメントした後、割り込み処理ルーチンから抜ける。
【0160】
ここで、位置情報格納テーブルは、レチクルステージRSTがY軸方向に関して1往復の運動を行う間に上記アドレスカウンタのカウント値によってそれぞれ指定される領域を有している。アドレスカウンタは、レチクルステージRSTがY軸方向に関して1往復の運動を終了した時点毎に、例えば主制御装置70によりリセットされるものとする。
【0161】
ステージ制御装置90は、タイマー割り込みにより、上述した枠状部材18のY軸方向の位置情報の取り込み、その位置情報のアドレスカウンタで指定された位置情報格納テーブル内の領域への書き込みを、レチクルステージRSTがY軸方向に関して第1回目の往復運動を終了するまでの間、上記割り込み処理間隔Δtで繰り返し実行する。
【0162】
この結果、レチクルステージRSTがY軸方向に関して第1回目の往復運動を終了した時点では、メモリ内の位置情報格納テーブルには、その第1回目の往復運動中の枠状部材18の割り込み処理間隔ΔtおきのY軸方向の位置情報が、例えばアドレス0、1、……、Nでそれぞれ指定される領域に格納されている。
【0163】
そして、レチクルステージRSTがY軸方向に関して第1回目の往復運動を終了した時点の直後の割り込み処理では、ステップ312で、前述と同様に、枠状部材18のY軸方向の位置情報を取り込んだ後、ステップ314に進むが、この時点ではフラグFは立てられているので、このステップ314における判断は肯定され、ステップ316に進む。
【0164】
ステップ316では、そのときのアドレスカウンタのカウント値で指定される領域に格納されている位置情報(すなわち、往復運動の1サイクル前の対応する時点における位置情報)を読み出した後ステップ318に進む。
【0165】
ステップ318では、トリムモータTRYに対する推力指令値Fを次式(3)にもとづいて算出する。
【0166】
F=g(y’−y) ……(3)
ここで、y’は、ステップ316で読み出した往復運動の1サイクル前の対応する時点における位置情報、yは、ステップ312で取り込んだ枠状部材18の現在の位置情報、g(y’−y)は、それらの位置情報y、y’の差である位置偏差(y’−y)に基づいてトリムモータTRYに対する推力指令値Fを算出するための関数である。式(3)は、位置偏差(y’−y)を補正するための推力指令値(調整情報)の算出式であり、予め実験(又はシミュレーション)の結果に基づいて定められている。
【0167】
次のステップ320では、上記ステップ318で算出した推力指令値をトリムモータTRYに対して出力した後、ステップ322に進み、上記ステップ312で取り込んだ位置情報を、不図示のメモリ内の位置情報格納テーブルに書き込む(すなわち位置情報の更新を行う)とともに、不図示のアドレスカウンタを1インクリメントした後、割り込み処理ルーチンから抜ける。
【0168】
ステージ制御装置90は、タイマー割り込みにより、上述した枠状部材18のY軸方向の位置情報の取り込み、メモリからの1サイクル前の同じ時点の位置情報の読み出し、推力指令値の算出、該推力指令値の出力、上記位置情報のアドレスカウンタで指定された位置情報格納テーブル内の領域への書き込みを、レチクルステージRSTがY軸方向に関して第1回目の往復運動を終了した時点以後、上記割り込み処理間隔Δtで繰り返し実行する。
【0169】
この結果、レチクルステージRSTがY軸方向に関して第1回目の往復運動を終了した時点以後、メモリ内の位置情報格納テーブル内のアドレス0、1、……、Nでそれぞれ指定される領域に格納されている前サイクルにおける枠状部材18のY軸方向に関する位置情報が、今回のサイクルにおける対応する位置情報に逐次更新される。また、位置情報が更新される都度、その直前にその時点における前述の位置偏差が補正されるような推力指令値がトリムモータに対して出力されることとなる。
【0170】
図12には、レチクルステージRSTが一往復の運動を終了する度に、上述した割り込み処理が行われ、トリムモータTRYに対する推力指令値が逐次変更される場合の一例が示されている。この図12中の上半部は、枠状部材18の位置の変化を示し、下半部は、割り込み処理間隔Δtで前述のようにして算出され、トリムモータTRYに対して与えられる推力指令値を示す。また、A点、B点、C点は、前述の図10と同様、レチクルステージRSTが走査方向に関する一往復を終了してホームポジションに戻った時点にそれぞれ相当する。
【0171】
以上のように、本第2のモードでは、ステージ制御装置90は、Y干渉計19Yの検出結果(枠状部材18のY軸方向に関する位置情報)を、所定の割り込み処理間隔(サンプリング間隔)Δtで順次取り込み、該取り込まれた位置情報(サンプリング結果)に基づいて、レチクルステージRSTの往復運動の1サイクル前の対応する時点における枠状部材18の位置に対する現在位置の差、すなわち位置偏差(y’−y)が補正されるように、枠状部材18を駆動するトリムモータTRYに対する推力指令値を調整する。この結果、トリムモータTRYが推力指令値に応じた推力(すなわち枠状部材18の駆動力)を発生し、枠状部材18が、図12中の上半部に示されるように往復運動しつつ、その位置が調整される。
【0172】
ここで、レチクルステージRSTの往復運動の開始直後の1サイクルにおける枠状部材18の運動は、ほぼ運動量保存則に従った理想的な自由運動であるものとみなせる。
【0173】
従って、本第2のモードでは、ステージ制御装置90が、常に、往復運動の1サイクル前の対応する時点における枠状部材18の位置に対する現在位置の差(位置偏差)が補正されるように、トリムモータTRYに対する推力指令値(枠状部材18の駆動力)を調整するので、結果的に往復運動の開始直後の理想的な自由運動が繰り返されることになる。
【0174】
この場合、上述の位置偏差は微小量であり、しかもこの位置偏差は常時補正されるので、前述のドリフトが発生するおそれもない。また、微小量の位置偏差を補正(調整)するために枠状部材18に与えられる力は非常に小さいので、その調整のために枠状部材18に与えられる力が外部、すなわち枠状部材18以外の他の構成部材(レチクルステージRSTを含む)に悪影響を与えることは殆どない。
【0175】
従って、Y軸方向に往復運動するレチクルステージRSTの駆動時の反力の作用により移動する枠状部材18の位置調整を、他に影響を殆ど与えることなく実現することが可能となっている。
【0176】
なお、上記では、説明の簡略化のために特に言及しなかったが、レチクルステージ定盤16が最初から水平でない(傾いている)場合も考えられ、このような場合には、その傾きに起因する枠状部材18の位置ずれを補正するための推力指令値を予め実験等で求めておき、その推力指令値に対応する値を、上記第1のモード、第2のモードのいずれの場合にも、オフセットとしてトリムモータに対する推力指令値に加算することとすれば良い。
【0177】
また、枠状部材18のX軸方向に関しては、その基準位置からの位置ずれ量が許容値を超えないように、例えば露光に影響を与えない適宜なときに、ステージ制御装置90が前述のトリムモータTRX1,TRX2を用いて枠状部材18を所定の基準位置に戻すようになっている。
【0178】
これまでの説明から明らかなように、本実施形態では、前述したレチクルステージ装置12と、ステージ制御装置90とによって、本発明に係るステージ装置が構成されている。
【0179】
以上詳細に説明したように、本実施形態に係るレチクルステージ装置12によると、レチクルステージRSTが、レチクルステージ定盤16の上方に浮上しつつレチクルRを保持してY軸及びこれに直交するX軸を含む2次元面内の3自由度方向にレチクルステージ定盤16に沿って移動可能であり、枠状部材18は、レチクルステージ定盤16の上方に浮上しつつ前記2次元面内の3自由度を有している。また、枠状部材18には、Y軸リニアモータ1361,1362、1381,1382の各固定子(リニアガイド1361,1362、1381,1382)、及びボイスコイルモータ30の固定子(電機子ユニット1401,1402)が設けられ、Y軸リニアモータ1361,1362、1381,1382の各可動子(磁極ユニット261,262、281,282)、及びボイスコイルモータ30の可動子(永久磁石30)が、レチクルステージRSTに設けられている。
【0180】
従って、レチクルステージRSTがY軸リニアモータ1361,1362、1381,1382又はボイスコイルモータ30によりY軸方向又はX軸方向に駆動されると、その駆動力に応じた反力が固定子(リニアガイド1361,1362、1381,1382)又は固定子(電機子ユニット1401,1402)に生じる(作用する)。この反力の作用により枠状部材18が、運動量保存則にほぼ従って、2次元面内の3自由度方向に移動する。この場合、レチクルステージRSTの移動により、前記反力がほぼキャンセルされるので、レチクルRが載置されるレチクルステージRSTの位置制御性の向上を図ることができる。
【0181】
また、本実施形態の露光装置10が備える前述のステージ装置(12,90)によると、上述した第1のモード、第2のモードのいずれが選択されても、ウエハW上の複数のショット領域に対するステップ・アンド・スキャン方式の露光の際などのレチクルステージRSTがY軸方向に往復運動する際に、そのレチクルステージRSTの駆動力の反力の作用により移動する枠状部材18の位置調整を、他に影響を殆ど与えることなく実現することができる。この結果、レチクルステージRST及び枠状部材18を含む系の重心移動が殆ど生じないので、レチクルステージ定盤16には偏荷重も作用しない。
【0182】
また、枠状部材18はレチクルステージRSTを取り囲む状態で設けられているので、必然的に大型化し、その質量が大きくなり、枠状部材18とレチクルステージRSTとの大きな質量比を確保することができるので、枠状部材18の移動ストロークは比較的短くて足りる。また、枠状部材18を大型化する場合にも、その支障は殆どない。
【0183】
また、レチクルステージRSTには、中立面CTの一部にレチクルRの載置面が形成されるとともに、レチクル干渉計システム69からの測長ビームの光路のZ軸方向の位置が中立面CTの位置に一致しているので、レチクルステージRSTの変形の際に中立面CTと測長軸とのずれに起因して生じる位置計測誤差、及び測長軸とレチクルRのパターン面の位置ずれに相違する一種のアッベ誤差をともに、略零にすることができ、これによりレチクルRの位置を高精度に計測することが可能となる。
【0184】
また、レチクルステージRSTの中立面は、その重心の高さ位置(Z軸方向の位置)に略一致しているので、左右各一対の可動子と対応する固定子との協働によって発生するY軸方向の駆動力の合力が、レチクルステージRSTの重心位置に作用させることができる。
【0185】
また、前記各対の固定子(リニアガイド1361,1362、1381,1382)は、前記中立面CTを基準としてそれぞれ対称に配置されているので、レチクルステージRSTをレチクルステージ定盤16に沿ってY軸方向に駆動する際に、リニアガイド1361,1362、1381,1382それぞれの電機子コイルに供給される電流によるリニアガイド1361,1362、1381,1382の発熱により、レチクルステージRSTが加熱されたとしても、その発熱部分では、中立面CTの上側、下側に生じるバイメタル効果に起因するレチクルステージ本体22の変形同士が相殺され、結果的にバイメタル効果に起因するレチクルステージRSTの変形が生じることがない。
【0186】
従って、レチクルステージRSTのY軸方向の位置をレチクルステージRSTに設けられた一対のレトロリフレクタ321、322を介して一対のY軸干渉計69Yにより計測し、その計測結果に基づいてレチクルステージRSTのY軸方向の位置を制御するので、そのレチクルステージRSTのY軸方向の位置制御性を極めて良好にすることができる。
【0187】
また、レチクルステージ装置12では、レチクル干渉計システム69からのX軸方向の測長ビームが照射される反射面が、レチクルステージRSTをY軸方向に駆動するリニアモータ1361,1362よりも外側に設けられているので、そのリニアモータの発熱に起因して該リニアモータ周辺の気体に温度揺らぎが生じても、そのX軸方向の測長ビームにはなんらの影響も生じない。これにより、X軸干渉計69XによるレチクルステージRSTのX軸方向の位置計測を高精度で行うことが可能となる。この場合、レチクル干渉計システム69からのY軸方向の測長ビームは、通常と同様に、レチクルステージRSTに設けられたレトロリフレクタ321、322の反射面(前記リニアモータの発熱の影響を殆ど受けない場所に位置する反射面)に特に支障なく照射することができるので、レチクルステージRSTのY軸方向及びX軸方向の位置を精度良く計測することが可能となり、ひいてはレチクルステージRSTの位置制御性の向上を図ることが可能となる。
【0188】
また、レチクルステージRSTは、前述の定盤給気方式の気体静圧軸受によってレチクルステージ定盤16上に非接触で支持されているので、レチクルステージRSTが配管を引きずった状態で駆動することがなく、レチクルステージが等速運動を行う露光中においては、等速運動を保つのに必要な推力をほとんど必要としないため、リニアモータの推力リップルその他の影響を受けなくなる。
【0189】
また、本実施形態の露光装置10によると、上述の如く、レチクルステージRSTの位置制御性を極めて良好に確保することができる。また、走査露光時にレチクルステージの駆動に伴う前述した枠状部材18の運動量保存則にほぼ従った移動、及びこの移動の際に生じるカウンタマスの位置ずれを調整するための力に起因する振動が他の部分に影響を与えるのを抑制することができる。従って、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとの同期制御精度を向上させることができ、これにより、レチクルRに形成されたパターンをウエハW上に高精度に転写することが可能となる。
【0190】
また、露光装置10によると、照明ユニットIOPと投影光学系ユニットPLとの間の照明光ILの光路を含む空間が低吸収性ガス(照明光ILを吸収する特性が空気に比べて小さい特定ガス)でパージされるパージ空間とされるとともに、枠状部材18が前記パージ空間を外気に対して隔離する隔壁を兼ねているので、レチクルステージRST周辺の空間を容易にパージ空間とすることができ、そのパージ空間内での照明光ILの吸収を極力抑制することができる。
【0191】
なお、上記実施形態では、前述した第1のモードにおいて、レチクルステージRSTのY軸方向に関する往復運動が1サイクル行われる毎に、トリムモータTRYに対する推力のプロファイル(指令値)を変更するものとしたが、これに限らず、レチクルステージのY軸方向に関する往復運動が2サイクル、3サイクルなどの数サイクル行われる毎に、上記の第1のモードと同様の割り込み処理を実行することとしても良い。また、第2のモードにおいて、前記往復運動の1サイクル前の対応する時点における枠状部材18の位置に対する現在位置の差(位置偏差)が補正されるように、トリムモータTRYが枠状部材18に対する駆動力を調整するものとしたが、これに限らず、前記往復運動の2サイクル、3サイクルなどの数サイクル前の対応する時点におけるカウンタマス(上記実施形態の枠状部材18に相当)の位置に対する現在位置の差(位置偏差)が補正されるように、カウンタマス駆動系(上記実施形態のトリムモータTRYに相当)がカウンタマス(上記実施形態の枠状部材18に相当)に与える力を調整するものとしても良い。
【0192】
また、上記第1のモードにおいて、調整情報がトリムモータTRYに対する推力指令値である場合について説明したが、調整情報は、カウンタマス駆動系(上記実施形態のトリムモータTRYに相当)に指令値として与えられる加速度そのもの、又は加速度に関連する(例えば加速度に換算可能な)物理量の情報であれば何でも良い。
【0193】
なお、上記実施形態では,本発明に係るステージ装置が走査型のVUV露光装置のレチクルステージ装置に適用された場合について説明したが、これに限らず、本発明に係るステージ装置は、走査方向に関してレチクルステージと同期して移動するウエハステージが、カウンタマスと該カウンタマスの位置を調整するトリムモータとを備えている場合には、そのウエハステージにも適用が可能である。この他、EBPS方式の電子線露光装置、波長5〜30nm程度の軟X線領域の光を露光光として用いるいわゆるEUVL等の露光装置にも本発明に係るステージ装置は適用できる。
【0194】
この他、定盤上で少なくとも所定の一軸方向に関して所定ストローク範囲で往復運動するステージと、前記ステージの駆動力の反力の作用により前記定盤上で移動するカウンタマスとを備え、カウンタマスの前記一軸方向の位置情報を位置検出装置で検出する装置であれば、露光装置に限らず、その他の精密機械などにも本発明に係るステージ装置は好適に適用できる。
【0195】
なお、上記実施形態では、照明光ILとしては、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)あるいはF2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光を用いるもとしたが、これに限らず、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの遠紫外光、超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(g線、i線等)などを用いることも可能である。この他、Ar2レーザ光(波長126nm)などの他の真空紫外光を用いても良い。また、例えば、真空紫外光として上記各レーザ光に限らず、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(Er)(又はエルビウムとイッテルビウム(Yb)の両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。さらに、照明光ILとして紫外光などでなく、X線(EUV光を含む)又は電子線やイオンビームなどの荷電粒子線などを用いても良い。
【0196】
また、上記実施形態では、投影光学系ユニットPLとして縮小系を用いる場合について説明したが、投影光学系は等倍系および拡大系のいずれでも良い。また、投影光学系としては、照明光ILとして、例えばAr2レーザ光などの真空紫外光を用いる場合などには、例えば特開平3−282527号公報に開示されているような、屈折光学素子と反射光学素子(凹面鏡やビームスプリッタ等)とを組み合わせたいわゆるカタディオプトリック系(反射屈折系)、あるいは反射光学素子のみから成る反射光学系が主として用いられる。
【0197】
なお、上記実施形態では、本発明が半導体製造用の露光装置に適用された場合について説明したが、これに限らず、例えば、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子、有機EL、マイクロマシン、DNAチップなどを製造するための露光装置などにも本発明は広く適用できる。
【0198】
また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(遠紫外)光やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、螢石、フッ化マグネシウム、又は水晶などが用いられる。
【0199】
なお、例えば国際公開WO99/49504号などに開示される、投影光学系ユニットPLとウエハとの間に液体が満たされる液浸露光装置に本発明を適用しても良い。
【0200】
《デバイス製造方法》
次に、上述した露光装置をリソグラフィ工程で使用したデバイスの製造方法の実施形態について説明する。
【0201】
図13には、デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートが示されている。図13に示されるように、まず、ステップ201(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップ202(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ203(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
【0202】
次に、ステップ204(ウエハ処理ステップ)において、ステップ201〜ステップ203で用意したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップ205(デバイス組立ステップ)において、ステップ204で処理されたウエハを用いてデバイス組立を行う。このステップ205には、ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
【0203】
最後に、ステップ206(検査ステップ)において、ステップ205で作製されたデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
【0204】
図14には、半導体デバイスの場合における、上記ステップ204の詳細なフロー例が示されている。図14において、ステップ211(酸化ステップ)においてはウエハの表面を酸化させる。ステップ212(CVDステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ213(電極形成ステップ)においてはウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ214(イオン打込みステップ)においてはウエハにイオンを打ち込む。以上のステップ211〜ステップ214それぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
【0205】
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ215(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光剤を塗布する。引き続き、ステップ216(露光ステップ)において、上記実施形態の露光装置10その他の本発明の露光装置によってマスクの回路パターンをウエハに転写する。次に、ステップ217(現像ステップ)においては露光されたウエハを現像し、ステップ218(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップ219(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
【0206】
これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
【0207】
以上説明した本実施形態のデバイス製造方法を用いれば、露光工程(ステップ216)において上記実施形態の露光装置10などの本発明の露光装置が用いられるので、レチクルのパターンをウエハ上に精度良く転写することができ、結果的に、高集積度のデバイスの生産性(歩留まりを含む)を向上させることができる。
【0208】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のステージ装置によれば、往復運動するステージの駆動時の反力の作用により移動するカウンタマスの位置調整を、他に影響を殆ど与えることなく実現することができるという効果がある。
【0209】
また、露光装置によれば、高精度な露光を実現することができるという効果がある。
【0210】
また、本発明のデバイス製造方法によれば、高集積度のデバイスの生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態に係る露光装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】図1のレチクルステージ装置を示す斜視図である。
【図3】図2のレチクルステージ装置の分解斜視図である。
【図4】図4(A)は、レチクルステージを斜視図にて示す図であり、図4(B)は、レチクルステージの断面図である。
【図5】レチクルステージ装置のXZ断面図である。
【図6】レチクルステージ装置のYZ断面図である。
【図7】枠状部材の下面側について説明するための図である。
【図8】枠状部材の位置調整に関する第1のモードの割り込み処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図9】推力(指令値)のプロファイルの算出原理を説明するための図である。
【図10】レチクルステージが1往復の運動を終了する度に、図8の割り込み処理ルーチンの処理が行われ、トリムモータに対する推力のプロファイルが変更された一例を示す図である。
【図11】枠状部材の位置調整に関する第2のモードの割り込み処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図12】レチクルステージが1往復の運動を終了する度に、図11の割り込み処理ルーチンの処理が行われ、トリムモータに対する推力指令値が逐次変更される場合の一例を示す図である。
【図13】本発明に係るデバイス製造方法を説明するためのフローチャートである。
【図14】図13のステップ204の具体例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…露光装置、16…レチクルステージ定盤(定盤)、18…枠状部材(カウンタマス)、19Y…Y干渉計(位置検出装置)、70…主制御装置(調整装置)、20…レチクルステージ装置(ステージ装置の一部)、90…ステージ制御装置(ステージ装置の一部)、RST…レチクルステージ(ステージ)、R…レチクル(マスク)、W…ウエハ(物体)、IOP…照明ユニット。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a stage apparatus, an exposure apparatus, and a device manufacturing method, and more particularly, includes a stage that reciprocates in at least one axial direction, and a counter mass that moves by the action of a reaction force of the driving force of the stage. The present invention relates to a stage apparatus, an exposure apparatus including the stage apparatus, and a device manufacturing method using the exposure apparatus.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art In recent years, in a lithography process for manufacturing a semiconductor element, a liquid crystal display element, and the like, a mask or a reticle (hereinafter, collectively referred to as “reticle”) and a photosensitive object such as a wafer or a glass plate (hereinafter, collectively referred to as “wafer”). Step-and-scan type scanning exposure apparatus (so-called scanning stepper) for transferring a reticle pattern onto a wafer via a projection optical system while synchronously moving the reticle along a predetermined scanning direction (scanning direction). This scanning type exposure apparatus, which has been used relatively frequently, can expose a large field with a smaller projection optical system than a static exposure type apparatus such as a stepper. Therefore, the projection optical system can be easily manufactured, and a high throughput can be expected due to the reduction in the number of shots due to the large field exposure. And an improvement in the depth of focus can be expected.
[0003]
However, in the scanning exposure apparatus, a driving device for driving the reticle is required on the reticle side in addition to the wafer side. In recent scanning exposure apparatuses, a reticle-side driving device is a reticle stage that is levitated and supported by an air bearing or the like on a reticle surface plate and is driven at least in a predetermined stroke range in a scanning direction by a linear motor. A counter that moves in a direction opposite to the reticle stage along a stator (linear guide) of a linear motor that extends in the scanning direction of the reticle stage, for example, substantially in accordance with the law of conservation of momentum under the reaction force of the driving force. There is a reticle stage device provided with a counter mass mechanism having a mass (weight member). In this type of apparatus, it is possible to minimize a reaction force generated on the stator of the linear motor due to the movement of the counter mass from causing a vibration factor and a posture change of the reticle surface plate.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, in an actual exposure apparatus, it is difficult to realize a configuration in which the counter mass moves completely according to the law of conservation of momentum due to friction, inclination of the reticle surface plate, and other factors. As a result, the position of the counter mass gradually drifts from the expected position during the operation of the exposure apparatus, thereby causing a shift in the center of gravity of the system including the reticle stage and the counter mass, and this shift in the center of gravity acts on the reticle surface plate. In some cases, the reticle surface plate may be further tilted as a cause of the unbalanced load. In order to prevent such a situation from occurring, some recent scanning exposure apparatuses include an actuator (such as a voice coil motor (or a linear motor)) for applying a force to a counter mass to adjust the position of the counter mass. There is also a trim motor, which is always adjusted by the trim motor so that the position of the counter mass becomes a position in accordance with the aforementioned law of conservation of momentum (a position where the center of gravity of the reticle stage device does not move).
[0005]
However, it has recently been regarded as a problem that the force constantly applied to the counter mass from the trim motor leaks from the surface plate and causes the body holding the exposure optical system and the like to vibrate.
[0006]
The present invention has been made under such circumstances, and a first object of the present invention is to adjust the position of a counter mass moving by the action of a reaction force when a reciprocating stage is driven. It is an object of the present invention to provide a stage device that can be realized without giving.
[0007]
A second object of the present invention is to provide an exposure apparatus capable of realizing highly accurate exposure.
[0008]
It is a third object of the present invention to provide a device manufacturing method capable of improving the productivity of a highly integrated device.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The invention according to
[0010]
According to this, when the stage reciprocates within a predetermined stroke range with respect to a predetermined uniaxial direction on the surface plate, the counter mass is always moved in the direction opposite to the moving direction of the stage due to the reaction force of the driving force of the stage. Move on. As a result, the counter mass also reciprocates in one axis direction. During this reciprocating movement of the counter mass, the position detecting device detects the position information of the counter mass in one axial direction.
[0011]
Then, the adjustment device changes the profile of the adjustment information when adjusting the position of the counter mass via the counter mass drive system at each predetermined cycle of the reciprocating motion based on the detection result of the position detection device.
[0012]
In this case, the moving speed of the counter mass is a speed substantially corresponding to the mass ratio between the stage and the counter mass. However, the movement of the counter mass is based on the law of conservation of momentum (hereinafter, also referred to as “momentum conservation law” as appropriate). May not seem to follow. This is the case, for example, when many wires and pipes are attached to the counter mass. For this reason, at the start point (and the end point) of the reciprocation, for example, a position shift occurs before and after the reciprocation, but the adjustment device corrects the position shift based on the detection result of the position detection device. The profile of the adjustment information when adjusting the position of the counter mass via the counter mass drive system is changed every predetermined cycle of the reciprocating motion. That is, the adjustment of the displacement of the counter mass is performed over a relatively long time during which the stage reciprocates a predetermined cycle (ie, at least one cycle) by changing the profile of the adjustment information. The force applied to the counter mass from the counter mass drive system for the adjustment hardly affects the outside.
[0013]
Therefore, it is possible to realize the position adjustment of the counter mass which moves by the reaction force of the driving force of the reciprocating stage with almost no influence on others.
[0014]
In this case, as in the stage device according to
[0015]
In each of the stage devices according to the first and second aspects, as in the stage device according to the third aspect, the adjustment information is information on a physical quantity related to an acceleration given as a command value to the counter mass drive system. It can be.
[0016]
According to a fourth aspect of the present invention, a surface plate (16); a stage (RST) reciprocating on the surface plate in a predetermined stroke range in at least a predetermined one axis direction; and a reaction force of a driving force of the stage A counter mass that moves on the surface plate; a counter mass drive system (TRY) that drives the counter mass; a position detection device (19Y) that detects position information of the counter mass in the one axis direction; The detection results of the detection device are sequentially captured at predetermined sampling intervals, and based on the sampling results, the difference (positional deviation) between the current position and the position of the counter mass at a corresponding time before a predetermined cycle of the reciprocating motion is corrected. An adjusting device (90) for adjusting the force applied to the counter mass by the counter mass driving system. That.
[0017]
According to this, when the stage reciprocates within a predetermined stroke range with respect to a predetermined uniaxial direction on the surface plate, the counter mass is always moved in the direction opposite to the moving direction of the stage due to the reaction force of the driving force of the stage. Move on. As a result, the counter mass also reciprocates in one axis direction. During this reciprocating movement of the counter mass, the position detecting device detects the position information of the counter mass in one axial direction. The adjusting device sequentially captures the detection result of the position detecting device at a predetermined sampling interval, and based on the sampling result, calculates the difference between the current position and the position of the counter mass at the corresponding time before the predetermined cycle of the reciprocating motion. The force applied to the counter mass by the counter mass drive system is adjusted so that (position deviation) is corrected.
[0018]
Here, in several cycles immediately after the start of the reciprocating motion of the stage, the motion of the counter mass can be regarded as an ideal free motion substantially in accordance with the law of conservation of momentum. If the predetermined cycle is, for example, a cycle of several cycles or less, the adjusting device always corrects the difference (positional deviation) of the current position with respect to the position of the counter mass at the corresponding time several cycles before the reciprocating motion. The counter mass drive system adjusts the force applied to the counter mass, and as a result, the ideal free motion immediately after the start of the reciprocating motion is repeated. Therefore, even if the reciprocating movement of the counter mass is repeatedly performed, there is no possibility that the position of the counter mass gradually drifts from the expected position.
[0019]
In this case, the difference (positional deviation) between the current position and the position of the counter mass at a corresponding time before the predetermined cycle of the reciprocating motion is a very small amount, and since this positional deviation is constantly corrected, the above-mentioned drift is reduced. There is no risk of occurrence. Further, since the driving force of the counter mass for correcting (adjusting) the minute amount of positional deviation is very small, the force applied to the counter mass for the adjustment hardly affects the outside. Therefore, it is possible to adjust the position of the countermass that moves by the action of the reaction force when the reciprocating stage is driven, with almost no influence on other components.
[0020]
In each of the stage devices according to the first to fourth aspects, the predetermined cycle may be about several cycles or less in which the position error of the counter mass does not become unnecessarily large. For example, as in the stage device according to the fifth aspect, Preferably, the predetermined cycle is one cycle.
[0021]
The invention according to claim 6 is an exposure apparatus for transferring a pattern formed on the mask to the object by synchronously moving the mask (R) and the object (W) in a predetermined direction, wherein the mask is illuminated. An exposure apparatus comprising: an illumination unit (IOP) that illuminates with light; and the stage device according to any one of
[0022]
According to this, while the mask is illuminated with the illumination light from the illumination unit, the mask and the object are synchronously moved in a predetermined direction, so that the pattern formed on the mask is transferred to the object. In this case, at least one of the mask and the object is provided with the stage device according to any one of
[0023]
According to a seventh aspect of the present invention, there is provided a device manufacturing method including a lithography step, wherein the exposure is performed by using the exposure apparatus according to the sixth aspect in the lithography step.
[0024]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. FIG. 1 shows a schematic configuration of an
[0025]
As will be described later, in the present embodiment, a projection optical system unit PL is provided. Hereinafter, the optical axis AX direction of the projection optical system constituting the projection optical system unit PL will be referred to as the Z-axis direction and orthogonal to the Z-axis direction. The direction in which the reticle R as a mask (and an object) and the wafer W as a photosensitive object are relatively scanned in the plane will be described as a Y-axis direction, and directions orthogonal to these Z-axis and Y-axis will be described as an X-axis direction.
[0026]
The
[0027]
The illumination unit IOP includes a light source and an illumination optical system, and illumination light IL as exposure light is applied to a rectangular or arc-shaped illumination area defined by a field stop (also referred to as a masking blade or a reticle blind) disposed therein. To illuminate the reticle R on which the circuit pattern is formed with uniform illuminance. An illumination system similar to the illumination unit IOP is disclosed in, for example, JP-A-6-349701. Here, the illumination light IL is ArF excimer laser light (wavelength 193 nm) or F 2 It is assumed that vacuum ultraviolet light such as laser light (wavelength 157 nm) is used.
[0028]
By the way, when light having a wavelength in the vacuum ultraviolet region is used as exposure light, a gas having a strong absorption characteristic for light in such a wavelength band, such as oxygen, water vapor, or a hydrocarbon-based gas, from the optical path (hereinafter, appropriately (Referred to as "absorptive gas"). For this reason, in the present embodiment, in the space on the optical path of the illumination light IL inside the illumination unit IOP, a specific gas such as nitrogen, which has a characteristic of absorbing less light in the vacuum ultraviolet region than air (oxygen), and It is filled with a rare gas such as helium, argon, neon, or krypton, or a mixed gas thereof (hereinafter, appropriately referred to as “low-absorbing gas”). As a result, the space on the optical path in the illumination unit IOP has a concentration of the absorbing gas of several ppm or less.
[0029]
The
[0030]
As can be seen from FIG. 1 and FIG. 2 which is a perspective view of the
[0031]
The
[0032]
The reticle stage RST includes a reticle stage
[0033]
The reticle stage
[0034]
In the plate-
[0035]
In the present embodiment, the reticle R is supported by the plurality of
[0036]
Further, a plurality of (for example, three)
[0037]
It should be noted that various chucks such as a vacuum chuck and an electrostatic chuck can be used instead of or together with the
[0038]
As can be seen from FIG. 4A, the
[0039]
As shown in FIG. 4A, two recesses 24g are formed at the -Y side end of the plate-shaped
[0040]
The four extending portions 24C 1 , 24C 2 , 24D 1 , 24D 2 As shown in FIG. 4 (A), has a substantially plate-like shape, and each extending portion is provided with a reinforcing portion having a triangular cross section for improving strength. On the bottom surface of the reticle stage
[0041]
Returning to FIG. 2, a substantially annular
[0042]
An air supply port formed inside the
[0043]
As shown in FIG. 7, which is a perspective view of the
[0044]
An air supply port formed inside the
[0045]
Therefore, when the gas supply device and the vacuum pump are operating, pressurized gas (low-absorbent gas) is supplied from the
[0046]
As described above, the entire bottom surface of the frame-shaped
[0047]
When the gas supply device and the vacuum pump are in operation, pressurized gas (low-absorbent gas) is supplied from the
[0048]
In the case of the present embodiment, the above-described clearance (that is, the bearing gap) between the frame-shaped
[0049]
As described above, the clearance between the frame-shaped
[0050]
As in the present embodiment, in an exposure apparatus that uses a vacuum ultraviolet exposure wavelength, an optical path from the illumination unit IOP to the projection optical system unit PL, that is, It is also necessary to replace the inside of the airtight space (the optical path) with nitrogen or a rare gas.
[0051]
In this case, an air supply pipe and an exhaust pipe are respectively connected to the side wall of the frame-shaped
[0052]
In addition, a part of nitrogen or a rare gas flowing in an air supply pipe (not shown) connected to the
[0053]
When helium gas is used as a gas supplied to the hermetic space, it is desirable to recover helium gas via a gas exhaust mechanism, remove impurities, and reuse the gas.
[0054]
As shown in FIG. 2, the reticle stage drive system is configured to include a pair of
[0055]
As shown in an exploded perspective view of FIG. 3, the one
[0056]
The Y-axis linear guide 136 1 , 136 2 Has a frame made of a nonmagnetic material having a rectangular cross section (rectangle) as shown in FIGS. 3 and 5, and a plurality of armature coils are disposed inside the frame at predetermined intervals in the Y-axis direction. ing.
[0057]
The
[0058]
The Y-axis linear guide 138 1 , 138 2 Is the aforementioned Y-axis linear guide 136 1 , 136 2 (See FIG. 5).
[0059]
Y-axis linear guide 136 1 , 138 1 And the Y-axis linear guide 136 2 , 138 2 As shown in FIG. 5, a reticle stage RST is provided between each of them via a predetermined clearance. Y-axis linear guide 136 1 , 136 2 And a pair of magnetic pole units 26 on the upper and lower surfaces of the reticle stage RST. 1 , 26 2 Are respectively embedded, and a Y-axis linear guide 138 is provided. 1 , 138 2 And a pair of
[0060]
Magnetic pole unit 26 1 , 26 2 4B, as shown in FIG. 4B, the reticle stage
[0061]
In this case, the Y-axis linear guide 136 1 , 136 2 Are located substantially symmetrically with respect to the neutral plane CT.
[0062]
The pair of magnetic pole units 26 1 , 26 2 Includes a magnetic member and a plurality of field magnets arranged on the surface of the magnetic member at predetermined intervals along the Y-axis direction. The plurality of field magnets have opposite polarities between adjacent field magnets. Therefore, the magnetic pole unit 26 1 An alternating magnetic field is formed along the Y-axis direction in the space above the magnetic pole unit 26. 2 , An alternating magnetic field is formed along the Y-axis direction.
[0063]
Similarly, the pair of
[0064]
The Y-axis linear guide 138 1 , 138 2 Are located at positions substantially symmetric with respect to the neutral plane CT.
[0065]
The pair of
[0066]
In the present embodiment, the above-described
[0067]
Similarly, Y-axis linear guide 138 1 , 138 2 When current is supplied to the armature coil in the
[0068]
In the case of the present embodiment, the magnetic pole unit 26 is set based on the neutral plane CT of the reticle stage RST. 1 And 26 2 ,
[0069]
In this case, the magnetic pole unit 26 1 And 26 2 ,
[0070]
Contrary to the above, yawing of reticle stage RST can be controlled by making the driving forces in the left and right Y-axis directions different.
[0071]
As is clear from the above description, the magnetic pole unit 26 1 , 26 2 And the corresponding linear guide 136 1 , 136 2 Thus, a pair of moving magnet type Y-axis linear motors that drive the reticle stage RST in the Y-axis direction are configured. 1 , 28 2 And the corresponding Y-axis linear guide 138 1 , 138 2 Thus, a pair of moving magnet type Y-axis linear motors that drive the reticle stage RST in the Y-axis direction are configured. In the following, these Y-axis linear motors will be referred to as “Y-axis linear motors 136” using the same reference numerals as the linear guides constituting the respective Y-axis linear motors. 1 , 136 2 , 138 1 , 138 2 ].
[0072]
Left and right pair of Y-axis linear motors 136 1 , 136 2 , And 138 1 , 138 2 Thus, the above-described first drive mechanism is configured.
[0073]
As shown in FIG. 3, the
[0074]
[0075]
[0076]
In this case, the
[0077]
Therefore, the magnetic field in the Z-axis direction formed by the
[0078]
In this case, the
[0079]
As described above, the
[0080]
In the present embodiment, as shown in FIG. 3, a mover 60 composed of a magnetic pole unit is further provided on the + X side surface and the + Y side surface of the
[0081]
The mover 60 1 , 60 2 Has a permanent magnet inside, and forms a magnetic field in the Z-axis direction. The stator 62 1 , 62 2 Has an armature coil therein, and a current flows in the Y-axis direction in the magnetic field in the Z-axis direction. Therefore, the stator 62 1 , 62 2 The current in the Y-axis direction is supplied to the armature coil in the 1 , 60 2 , A driving force in the X-axis direction (a reaction force of the Lorentz force) acts. That is, as shown in FIG. 1 And stator 62 1 Thus, a trim motor TRX1 for driving in the X-axis direction composed of a moving magnet type voice coil motor is constituted. 2 And stator 62 2 Thus, a trim motor TRX2 for driving in the X-axis direction composed of a moving magnet type voice coil motor is configured.
[0082]
In addition, the mover 60 3 Has a permanent magnet inside, and forms a magnetic field in the Z-axis direction. The stator 62 3 Has an armature coil therein, and a current flows in the X-axis direction in the magnetic field in the Z-axis direction. Therefore, the stator 62 3 The current in the Y-axis direction is supplied to the armature coil in the 3 , A driving force in the Y-axis direction (a reaction force of the Lorentz force) acts. That is, the mover 60 3 And stator 62 3 Thus, a trim motor TRY for driving in the Y-axis direction composed of a moving magnet type voice coil motor is configured (see FIG. 2).
[0083]
As described above, by using these three trim motors TRX1, TRX2, and TRY, it is possible to drive the
[0084]
As shown in FIG. 3, a
[0085]
The window glass g 1 5, an
[0086]
As shown in FIG. 5, a fixed mirror M is provided near the upper end of the lens barrel of the projection optical system unit PL. rx Are provided via a mounting
[0087]
The window glass g 2 As shown in FIG. 6 which is a YZ sectional view near the
[0088]
As shown in FIG. 6, a fixed mirror M is provided near the upper end of the lens barrel of the projection optical system unit PL. ry Are provided via a mounting
[0089]
In this case, the rotation amount of the reticle stage RST around the Z-axis can be detected by the pair of Y-
[0090]
In the present embodiment, as shown in FIG. 2, the
[0091]
Further, since the above-described
[0092]
As described above, actually, as the movable mirror, the
[0093]
In the following description, it is assumed that the position (including θz rotation) of reticle stage RST in the XY plane is measured by
[0094]
Further, as described above, since the frame-shaped
[0095]
At least a part of each of the −Y side surface and the + X side surface of the frame-shaped
[0096]
In this case, at least one of the
[0097]
As described above, a plurality of interferometers for measuring the position of the frame-shaped
[0098]
Returning to FIG. 1, the projection optical system unit PL includes a lens barrel and a projection optical system including a plurality of optical elements arranged in a predetermined positional relationship inside the lens barrel. Here, as the projection optical system, a reduction system that is telecentric on both sides and a refraction optical system that includes a plurality of lens elements having a common optical axis in the Z-axis direction are used. Actually, the projection optical system unit PL is held by a holding member (not shown) via a flange portion FLG provided on a lens barrel of the projection optical system unit PL. The projection magnification β of the projection optical system is, for example, 4 or 5. Therefore, as described above, when the reticle R is illuminated by the illumination light IL from the illumination unit IOP, the circuit pattern in the above-described illumination area formed on the reticle R is changed to the illumination area on the wafer W by the projection optical system. The reduced image is projected onto the irradiation region (exposure region) of the conjugate illumination light IL, and a reduced image (partially standing image) of the circuit pattern is transferred and formed.
[0099]
One end of an
[0100]
Wafer stage WST is arranged in
[0101]
In the
[0102]
The wafer stage WST holds a wafer W by vacuum suction or the like via a
[0103]
As in the present embodiment, in an exposure apparatus using an exposure wavelength in the vacuum ultraviolet region, in order to avoid absorption of exposure light by an absorbing gas such as oxygen, the optical path from the projection optical system unit PL to the wafer W is also set to nitrogen. Or a rare gas.
[0104]
As shown in FIG. 1, one end of an
[0105]
A
[0106]
At the end on the −Y side of the
[0107]
Similarly, although not shown, an X movable mirror formed of a plane mirror extends in the Y-axis direction at an end of the
[0108]
As described above, in the present embodiment, since the laser interferometer, that is, the laser light source, the optical members such as the prism, and the detector are arranged outside the
[0109]
The other end of the
[0110]
Similarly, a helium gas circulation path similar to the above may be employed in the
[0111]
Next, the flow of the exposure operation by the
[0112]
First, a reticle loader and a wafer loader (not shown) perform reticle loading and wafer loading under the control of
[0113]
Thereafter,
[0114]
The exposure order of the shot areas on the wafer W starts from the first shot area located at the −X end of the first row on the + Y side end among the plurality of shot areas arranged in a matrix on the wafer W. , Sequentially in the row direction (+ X direction). When the exposure of the last shot area in the first row is completed, the process proceeds to the first shot area (the shot area located at the + X end) in the second row. And it progresses sequentially in the row direction (-X direction) opposite to the row direction of the 1st row. Thereafter, each time a row is changed, exposure is sequentially performed up to the final shot area while proceeding in the row direction opposite to the traveling direction in the previous row.
[0115]
It is assumed that a so-called alternate scanning method in which the scanning direction is sequentially reversed every time the exposure order advances is adopted.
[0116]
In the exposure processing, first,
[0117]
Next,
[0118]
Then,
[0119]
Then, different areas of the pattern area of the reticle R are sequentially illuminated with the illumination light, and the illumination of the entire pattern area is completed, thereby completing the scanning exposure of the first shot area on the wafer W. As a result, the pattern of the reticle R is reduced and transferred to the first shot area via the projection optical system. After the completion of the scanning exposure, the irradiation of the reticle R with the illumination light IL is stopped.
[0120]
As described above, when the scanning exposure of the first shot area is completed, the
[0121]
When the stepping operation between the shot areas of wafer stage WST is performed along the aforementioned U-shaped path, the deceleration and acceleration in the Y-axis direction are performed in parallel with the X-axis direction. Is controlled as follows. That is, after the exposure of the shot area is completed, the acceleration in the X-axis direction is started before the velocity in the Y-axis direction becomes zero, and the exposure of the next shot area is completed before the deceleration (stepping) in the X-axis direction is completed. Starts in the Y-axis direction (the direction opposite to the previous direction). In this case, after the exposure is completed, the acceleration in the X-axis direction may be started before the velocity in the Y-axis direction becomes zero, or the acceleration in the Y-axis direction may be started just before the end of the stepping. It is preferable that the deceleration (stepping) in the X-axis direction be completed before the acceleration in the Y-axis direction for exposing the next shot area is completed.
[0122]
Then, scanning exposure of the second shot area is performed in the same manner as in the case of the first shot area, except that the moving directions of the wafer W and the reticle R are opposite.
[0123]
Thereafter, the above-described step operation and scanning exposure operation are repeated to sequentially execute the scanning exposure of the shot area in the first row.
[0124]
When the scanning exposure of the last shot area of the first row is completed, the
[0125]
Subsequently, also in the second row, the scanning exposure of each shot area is executed in the same manner as in the first row except that the exposure order of the shot areas advances in the −X direction. Thereafter, scanning exposure of each shot area up to the last row is performed in the same manner as in the case of the first row and the second row.
[0126]
In the present embodiment, the wafer stage WST is moved without stopping at the scanning start position of each shot area during the exposure operation of the wafer by the step-and-scan method. The details of the operation of each stage at the time of exposure by the step-and-scan method, similar to the present embodiment, are disclosed in, for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-106340. Is omitted.
[0127]
In the present embodiment, the exposure operation of the step-and-scan method by the alternate scanning is performed as described above. At this time, the reticle stage RST moves in the scanning direction within a predetermined stroke range while following the wafer stage WST. It will reciprocate. The reaction force of the driving force during the reciprocation of the reticle stage RST is canceled by the movement of the
[0128]
That is, when the reticle stage RST is driven in the X-axis direction to follow the wafer stage WST, the mover of the
[0129]
On the other hand, when reticle stage RST is driven in the Y-axis direction to synchronize with wafer stage WST, Y-axis linear motor 136 is driven. 1 , 136 2 , 138 1 , 138 2 Are moved in the Y-axis direction integrally with the reticle stage RST, and the reaction force of the driving force of each mover is applied to the Y-axis linear motor 136. 1 , 136 2 , 138 1 , 138 2 Act on each of the stators and the
[0130]
The Y-axis linear motor 136 1 , 136 2 And the Y-axis linear motor 138 1 , 138 2 The reticle stage RST is rotated by θz by varying the driving force (thrust) generated when the yaw moment is applied to the
[0131]
Also, in any case, the center of gravity of the system including the
[0132]
Therefore, in the present embodiment, when the reticle stage RST is driven, the reaction force (reaction force in the X-axis direction and the Y-axis direction) generated by driving the reticle stage RST and the yawing moment generated by the reaction force are almost cancelled. It is possible to suppress the vibration accompanying the driving of the reticle stage RST. Further, the movement of the center of gravity of the system including the
[0133]
However, when the reticle stage RST is driven, the movement of the frame-shaped
[0134]
Therefore, for example, focusing on the Y-axis direction, which is the scanning direction in which the reticle stage RST moves with a large stroke, the reticle stage RST makes one reciprocating motion (corresponding to the motion when exposing two consecutive shot areas on the wafer W). It is normal that the position of the
[0135]
Thus, in the present embodiment, the
[0136]
[First mode]
This first mode is executed by an interrupt process by the CPU in the
[0137]
When reticle stage RST makes the above-described reciprocating motion,
[0138]
First, in
[0139]
In the
[0140]
F · T = 2S · M / T (1)
In the above equation (1), S is the calculated position error, and M is the mass of the
[0141]
In the
[0142]
FIG. 9 is a diagram for explaining the principle of calculating the thrust (command value) profile in
[0143]
In this
[0144]
F · T = 2S · M / T = F 1 (T-F 1 / K) …… (2)
F in the above equation (2) 1 (The solution of a quadratic equation) generally exists in two types. Of those, the one that satisfies a predetermined condition is defined as F 1 And the solution
[0145]
In the
[0146]
Thus, until the above interrupt processing is performed next, a thrust command value according to the updated thrust profile is given from the
[0147]
FIG. 10 shows an example in which the above-described interrupt processing is performed every time the reticle stage RST completes one reciprocating motion, and the profile of the thrust with respect to the trim motor TRY is changed. The upper half in FIG. 10 shows a change in the position of the
[0148]
In this case, at the point A, the
[0149]
With the reciprocating motion of the reticle stage RST, the moving speed of the
[0150]
In the case of FIG. 10, at the point A, the above-described positive position error Δy 1 , A thrust command value in the −Y direction is given in the next cycle, and at the point B, the above-described negative position error −Δy 2 Therefore, in the next cycle, a thrust command value in the + Y direction is given.
[0151]
As can be seen from FIG. 10, in the present embodiment, the position of the frame-shaped
[0152]
When the processing in the first mode is selected as described above, the adjustment of the positional shift of the frame-shaped
[0153]
Therefore, it is possible to realize the position adjustment of the frame-shaped
[0154]
[Second mode]
This second mode is executed by interrupt processing by the CPU in the
[0155]
FIG. 11 shows a flowchart of this interrupt processing routine. This interrupt processing routine is repeatedly executed at a predetermined interrupt processing interval Δt (Δt is, for example, 10 msec) at the time of the above-described exposure processing by the alternate scanning.
[0156]
As described above, when the reticle stage RST reciprocates in the Y-axis direction, the
[0157]
As a premise, a flag F described later is lowered until the reticle stage RST completes the first reciprocating motion in the Y-axis direction (F = 0), and the reticle stage RST is set to the first time in the Y-axis direction. When the reciprocating motion is completed, the
[0158]
First, in
[0159]
In
[0160]
Here, the position information storage table has areas respectively designated by the count value of the address counter while the reticle stage RST makes one reciprocating motion in the Y-axis direction. The address counter is reset, for example, by
[0161]
The
[0162]
As a result, when the reticle stage RST completes the first reciprocating movement in the Y-axis direction, the position information storage table in the memory stores the interrupt processing interval of the
[0163]
Then, in the interrupt processing immediately after the reticle stage RST completes the first reciprocating motion in the Y-axis direction, the position information of the frame-shaped
[0164]
In
[0165]
In
[0166]
F = g (y'-y) (3)
Here, y ′ is the position information at the corresponding time one cycle before the reciprocating movement read out in
[0167]
In the
[0168]
The
[0169]
As a result, after the reticle stage RST completes the first reciprocating motion in the Y-axis direction, the reticle stage RST is stored in areas respectively designated by
[0170]
FIG. 12 shows an example in which the above-described interrupt processing is performed every time the reticle stage RST completes one reciprocating motion, and the thrust command value for the trim motor TRY is sequentially changed. In FIG. 12, the upper half shows the change in the position of the
[0171]
As described above, in the second mode, the
[0172]
Here, the motion of the frame-shaped
[0173]
Therefore, in the present second mode, the
[0174]
In this case, the above-mentioned positional deviation is a very small amount, and since this positional deviation is constantly corrected, there is no possibility that the above-mentioned drift occurs. Further, since the force applied to the frame-shaped
[0175]
Therefore, it is possible to realize the position adjustment of the frame-shaped
[0176]
In the above description, although not particularly mentioned for the sake of simplicity of description, there may be a case where the
[0177]
Further, in the X-axis direction of the frame-shaped
[0178]
As is clear from the above description, in the present embodiment, the
[0179]
As described in detail above, according to the
[0180]
Therefore, reticle stage RST is driven by Y-axis linear motor 136. 1 , 136 2 , 138 1 , 138 2 Alternatively, when driven by the
[0181]
Further, according to the stage device (12, 90) provided in the
[0182]
In addition, since the
[0183]
On reticle stage RST, a mounting surface of reticle R is formed at a part of neutral plane CT, and the position of the optical path of the measurement beam from
[0184]
Further, since the neutral plane of reticle stage RST substantially coincides with the height position of the center of gravity (position in the Z-axis direction), the neutral plane is generated by cooperation of a pair of left and right movers and a corresponding stator. The resultant of the driving forces in the Y-axis direction can act on the position of the center of gravity of reticle stage RST.
[0185]
Further, each pair of stators (linear guide 136) 1 , 136 2 , 138 1 , 138 2 ) Are arranged symmetrically with respect to the neutral plane CT, so that when the reticle stage RST is driven along the
[0186]
Therefore, the position of reticle stage RST in the Y-axis direction is determined by a pair of retro reflectors 32 provided on reticle stage RST. 1 , 32 2 And the position of the reticle stage RST in the Y-axis direction is controlled based on the measurement result, so that the position controllability of the reticle stage RST in the Y-axis direction is extremely excellent. can do.
[0187]
Further, in
[0188]
Further, since reticle stage RST is supported on
[0189]
Further, according to
[0190]
Further, according to the
[0191]
In the above-described embodiment, the profile (command value) of the thrust with respect to the trim motor TRY is changed every time the reciprocating motion of the reticle stage RST in the Y-axis direction is performed in one cycle in the first mode described above. However, the present invention is not limited to this, and the same interrupt processing as in the first mode may be executed every time a reciprocating motion of the reticle stage in the Y-axis direction is performed several cycles such as two cycles or three cycles. In the second mode, the trim motor TRY is driven by the
[0192]
In the first mode, the case where the adjustment information is a thrust command value for the trim motor TRY has been described. However, the adjustment information is transmitted to the counter mass drive system (corresponding to the trim motor TRY of the above embodiment) as a command value. Any information may be used as long as the information is the given acceleration itself or physical quantity related to the acceleration (for example, it can be converted into acceleration).
[0193]
In the above embodiment, the case where the stage device according to the present invention is applied to the reticle stage device of the scanning type VUV exposure apparatus has been described. However, the present invention is not limited to this. When the wafer stage that moves in synchronization with the reticle stage includes a counter mass and a trim motor that adjusts the position of the counter mass, the present invention is also applicable to the wafer stage. In addition, the stage apparatus according to the present invention can be applied to an exposure apparatus such as an EBPS type electron beam exposure apparatus and an exposure apparatus such as a so-called EUVL using light in a soft X-ray region having a wavelength of about 5 to 30 nm as exposure light.
[0194]
In addition, the stage includes a stage that reciprocates within a predetermined stroke range with respect to at least a predetermined one axis direction on the surface plate, and a counter mass that moves on the surface plate by a reaction force of a driving force of the stage. The stage device according to the present invention can be suitably applied not only to the exposure device but also to other precision machines as long as the device detects the position information in the uniaxial direction by a position detecting device.
[0195]
In the above embodiment, the illumination light IL is ArF excimer laser light (wavelength 193 nm) or F 2 Vacuum ultraviolet light such as laser light (wavelength 157 nm) is used, but not limited thereto, far ultraviolet light such as KrF excimer laser light (
[0196]
Further, in the above-described embodiment, a case has been described in which a reduction system is used as the projection optical system unit PL. However, the projection optical system may be either a unity magnification system or an enlargement system. As the projection optical system, for example, Ar 2 When vacuum ultraviolet light such as laser light is used, for example, a so-called catalog that combines a refractive optical element and a reflective optical element (such as a concave mirror or a beam splitter) as disclosed in Japanese Patent Laid-Open No. 3-282527 is used. Opto-optical systems (catadioptric systems) or reflective optical systems consisting only of reflective optical elements are mainly used.
[0197]
In the above embodiment, the case where the present invention is applied to an exposure apparatus for manufacturing a semiconductor has been described. However, the present invention is not limited to this. For example, an exposure apparatus for a liquid crystal for transferring a liquid crystal display element pattern to a square glass plate. The present invention can be widely applied to apparatuses, exposure apparatuses for manufacturing thin-film magnetic heads, imaging devices, organic ELs, micromachines, DNA chips, and the like.
[0198]
In addition to micro devices such as semiconductor elements, glass substrates or silicon wafers for manufacturing reticles or masks used in light exposure equipment, EUV exposure equipment, X-ray exposure equipment, electron beam exposure equipment, etc. The present invention can also be applied to an exposure apparatus that transfers a circuit pattern to a substrate. Here, in an exposure apparatus using DUV (far ultraviolet) light or VUV (vacuum ultraviolet) light, a transmission type reticle is generally used, and as a reticle substrate, quartz glass, fluorine-doped quartz glass, fluorite, Magnesium fluoride, quartz, or the like is used.
[0199]
The present invention may be applied to an immersion exposure apparatus disclosed in, for example, International Publication WO99 / 49504, in which a liquid is filled between a projection optical system unit PL and a wafer.
[0200]
《Device manufacturing method》
Next, an embodiment of a device manufacturing method using the above-described exposure apparatus in a lithography process will be described.
[0201]
FIG. 13 shows a flowchart of an example of manufacturing a device (a semiconductor chip such as an IC or LSI, a liquid crystal panel, a CCD, a thin-film magnetic head, a micromachine, or the like). As shown in FIG. 13, first, in step 201 (design step), a function / performance design (for example, a circuit design of a semiconductor device) of a device is performed, and a pattern design for realizing the function is performed. Subsequently, in step 202 (mask manufacturing step), a mask on which the designed circuit pattern is formed is manufactured. On the other hand, in step 203 (wafer manufacturing step), a wafer is manufactured using a material such as silicon.
[0202]
Next, in step 204 (wafer processing step), an actual circuit or the like is formed on the wafer by lithography or the like using the mask and the wafer prepared in
[0203]
Finally, in step 206 (inspection step), inspections such as an operation check test and a durability test of the device manufactured in
[0204]
FIG. 14 shows a detailed flow example of
[0205]
In each stage of the wafer process, when the above-described pre-processing step is completed, the post-processing step is executed as follows. In this post-processing step, first, in step 215 (resist forming step), a photosensitive agent is applied to the wafer. Subsequently, in step 216 (exposure step), the circuit pattern of the mask is transferred onto the wafer by the
[0206]
By repeating these pre-processing and post-processing steps, multiple circuit patterns are formed on the wafer.
[0207]
If the device manufacturing method of the present embodiment described above is used, the exposure apparatus of the present invention such as the
[0208]
【The invention's effect】
As described above, according to the stage device of the present invention, it is possible to adjust the position of the counter mass that moves by the action of the reaction force at the time of driving the reciprocating stage with almost no influence on other components. This has the effect.
[0209]
Further, according to the exposure apparatus, there is an effect that highly accurate exposure can be realized.
[0210]
Further, according to the device manufacturing method of the present invention, the productivity of a highly integrated device can be improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a view schematically showing a configuration of an exposure apparatus according to one embodiment.
FIG. 2 is a perspective view showing the reticle stage device of FIG.
FIG. 3 is an exploded perspective view of the reticle stage device of FIG. 2;
FIG. 4A is a perspective view of a reticle stage, and FIG. 4B is a cross-sectional view of the reticle stage.
FIG. 5 is an XZ sectional view of the reticle stage device.
FIG. 6 is a YZ sectional view of the reticle stage device.
FIG. 7 is a diagram for explaining the lower surface side of the frame-shaped member.
FIG. 8 is a flowchart showing an interrupt processing routine in a first mode relating to position adjustment of a frame member.
FIG. 9 is a diagram for explaining the principle of calculating a profile of a thrust (command value).
10 is a diagram showing an example in which the processing of the interrupt processing routine of FIG. 8 is performed every time the reticle stage completes one reciprocating motion, and the profile of the thrust with respect to the trim motor is changed.
FIG. 11 is a flowchart showing an interrupt processing routine in a second mode relating to position adjustment of the frame-shaped member.
12 is a diagram showing an example of a case where the interrupt processing routine of FIG. 11 is performed each time the reticle stage completes one reciprocating motion, and the thrust command value for the trim motor is sequentially changed.
FIG. 13 is a flowchart illustrating a device manufacturing method according to the present invention.
FIG. 14 is a flowchart showing a specific example of
[Explanation of symbols]
Claims (7)
該定盤上で少なくとも所定の一軸方向に関して所定ストローク範囲で往復運動するステージと;
前記ステージの駆動力の反力の作用により前記定盤上で移動するカウンタマスと;
前記カウンタマスを駆動するカウンタマス駆動系と;
前記カウンタマスの前記一軸方向の位置情報を検出する位置検出装置と;
前記位置検出装置の検出結果に基づいて、前記カウンタマス駆動系を介して前記カウンタマスの位置を調整する際の調整情報のプロファイルを、前記往復運動の所定サイクル毎に変更する調整装置と;を備えることを特徴とするステージ装置。Surface plate;
A stage reciprocating in a predetermined stroke range with respect to at least a predetermined one axis direction on the surface plate;
A counter mass moving on the surface plate under the action of a reaction force of the driving force of the stage;
A counter mass driving system for driving the counter mass;
A position detection device that detects position information of the counter mass in the one-axis direction;
An adjustment device that changes a profile of adjustment information when adjusting the position of the counter mass via the counter mass drive system based on a detection result of the position detection device for each predetermined cycle of the reciprocating motion; A stage device comprising:
該定盤上で少なくとも所定の一軸方向に関して所定ストローク範囲で往復運動するステージと;
前記ステージの駆動力の反力の作用により前記定盤上で移動するカウンタマスと;
前記カウンタマスを駆動するカウンタマス駆動系と;
前記カウンタマスの前記一軸方向の位置情報を検出する位置検出装置と;
前記位置検出装置の検出結果を所定のサンプリング間隔で順次取り込み、該サンプリング結果に基づいて、前記往復運動の所定サイクル前の対応する時点における前記カウンタマスの位置に対する現在位置の差が補正されるように、前記カウンタマス駆動系が前記カウンタマスに与える力を調整する調整装置と;を備えることを特徴とするステージ装置。Surface plate;
A stage reciprocating in a predetermined stroke range with respect to at least a predetermined one axis direction on the surface plate;
A counter mass moving on the surface plate under the action of a reaction force of the driving force of the stage;
A counter mass driving system for driving the counter mass;
A position detection device that detects position information of the counter mass in the one-axis direction;
The detection result of the position detecting device is sequentially taken in at a predetermined sampling interval, and based on the sampling result, a difference between a current position and a position of the counter mass at a corresponding time before a predetermined cycle of the reciprocating motion is corrected. An adjusting device for adjusting a force applied to the counter mass by the counter mass drive system.
前記マスクを照明光により照明する照明ユニットと;
前記マスクと物体との少なくとも一方が、前記ステージ上に載置される請求項1〜5のいずれか一項に記載のステージ装置と;を備える露光装置。An exposure apparatus that synchronously moves a mask and an object in a predetermined direction and transfers a pattern formed on the mask to the object,
An illumination unit for illuminating the mask with illumination light;
An exposure apparatus comprising: the stage device according to claim 1, wherein at least one of the mask and the object is mounted on the stage.
前記リソグラフィ工程で、請求項6に記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とするデバイス製造方法。A device manufacturing method including a lithography step,
7. A device manufacturing method, wherein exposure is performed using the exposure apparatus according to claim 6 in the lithography step.
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- 2003-05-20 JP JP2003141234A patent/JP2004349285A/en active Pending
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