JP2004349038A - ケーブル絶縁紙取り出し方法、取り出し装置、ケーブル絶縁紙の検査方法 - Google Patents

ケーブル絶縁紙取り出し方法、取り出し装置、ケーブル絶縁紙の検査方法 Download PDF

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鉱一 伊藤
Yoko Umeda
陽子 梅田
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Abstract

【課題】絶縁油を含浸してなる絶縁紙による導体被覆がなされたケーブルの廃棄等に際し、絶縁紙に含まれる可能性のある有機塩素化合物の有無を危険作業を伴うことなく迅速に判別して、ケーブルの解体作業の円滑化、作業時間の大幅な短縮が可能な、ケーブル絶縁紙取り出し方法、取り出し装置、およびケーブル絶縁紙の検査方法を提供する。
【解決手段】絶縁油を含浸してなる絶縁紙による被覆がなされたケーブルから、当該ケーブルの外部保護被覆を破壊せずに前記絶縁紙の一部を取り出すケーブル絶縁紙取り出し方法であって、ケーブル断面から略ケーブル長方向へ絶縁紙を抜き取る。抜き取りには、鋭利な先端部と、ケーブル内部に挿入可能で内部に空隙を有する挿入部と、前記先端部に回転力を付与する駆動部と、を備えた取り出し装置を用いる。取り出した絶縁紙の固有データに基づいて、有機塩素化合物の有無を検査する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、SLケーブル、Hケーブル等の絶縁油を含浸してなる絶縁紙によって導体被覆がなされたケーブルから絶縁紙を取り出すケーブル絶縁紙取り出し方法およびケーブル絶縁紙取り出し装置、ならびにケーブル絶縁紙の検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電線・ケーブルには、CVケーブル等の架橋ポリエチレンを絶縁体とするものと、SLケーブルやHケーブル等の絶縁油を含浸した含油絶縁紙を絶縁体とするものが知られている。これらの電線・ケーブルは、設備の点検または修理工事などの際に診断を行い、絶縁体の劣化したものは取り替えられる。取り替えられた廃ケーブルは、導体(主として銅)と被覆廃材(ゴム、プラスチック、鉛被、紙、ジュート、タール分等)とに分離されたのち、導体部分はマテリアルリサイクルされている。
【0003】
ところで、絶縁油を含浸した含油絶縁紙を絶縁体とするケーブルは、導体の周囲が複数の材料で構成されているため、極めて複雑な構造を有している。図3及び図4には、含油絶縁紙を含むケーブルの一例を断面図で示した。図3に示すSLケーブルは、線導体28の上に絶縁紙27を捲いた後、鉛被26を施した単心鉛被ケーブル3条を、介在ジュート29とともにより合せて円形に仕上げ、さらにこの上にクロロプレンシース23等を施している。図4に示すHケーブルの場合は、線導体37の上に絶縁紙35を捲き、その上に金属遮蔽テープ36を捲き、3心をより合わせて間隙にジュート38を入れて円形に仕上げ、その上に金属帯34を捲いた後、乾燥後浸油して鉛被33を施している。
【0004】
上記のSLケーブルやHケーブル等に使用された油含浸絶縁紙には、絶縁油の添加剤等として使用されたPCB等の有機塩素化合物が含まれている可能性を否定しきれないため、ケーブル廃棄等の際にその有無を迅速に調査する必要がある。
【0005】
しかしながら、従来法では、タール、ケーブル被覆部、介在ジュート、内部鉛被を切除し、得られた3相のケーブルから銅線に捲かれた絶縁紙を剥がす必要があり、その作業には複数の人手を必要とし、1mのケーブルを解体するのに1時間程度を要していた。しかも、切断作業が多く危険を伴う問題点もあった。
【0006】
これらの複雑な作業を軽減するため、例えば特開平10−334745号公報には、外部保護体構造を改良して容易にケーブルコアが取り出せるようにしたケーブルが提案されている(特許文献1参照)。しかしこのケーブルは絶縁紙の迅速な判別を目的とするものではない。また、ケーブル絶縁紙の取り出し方法、ケーブル絶縁紙の迅速な検査方法に関する提案は、未だなされていないのが現状である。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−334745号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、SLケーブル、Hケーブル等の絶縁油を含浸してなる絶縁紙による導体被覆がなされたケーブルの廃棄等に際し、絶縁紙に含まれる可能性のある有機塩素化合物の有無を危険作業を伴うことなく迅速に判別することが出来、ケーブルの解体作業の円滑化、作業時間の大幅な短縮が可能な、ケーブル絶縁紙取り出し方法およびケーブル絶縁紙取り出し装置ならびにケーブル絶縁紙の検査方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、絶縁油を含浸してなる絶縁紙によって被覆されてなるケーブルから、検体となる絶縁紙を取り出して、この絶縁紙に含まれる有機化合物を検査する方法によれば、前記ケーブルの外部保護被覆を破壊せずに有害物質の有無を迅速に検査することが可能との知見を得、本発明に至った。
【0010】
すなわち、本発明は、絶縁油を含浸してなる絶縁紙による被覆がなされたケーブルから、当該ケーブルの外部保護被覆を破壊せずに前記絶縁紙の一部を取り出すケーブル絶縁紙取り出し方法であって、ケーブル断面から略ケーブル長方向へ絶縁紙を抜き取ることを特徴とするケーブル絶縁紙取り出し方法を提供するものである。
【0011】
本発明のケーブル絶縁紙取り出し方法においては、鋭利な先端部と、ケーブル内部に挿入可能で内部に空隙を有する挿入部と、前記先端部に回転力を付与する駆動部と、を備えた取り出し装置を用いてケーブル断面より絶縁紙を抜き取ることが好ましい。
【0012】
前記ケーブル絶縁紙取り出し方法においては、前記ケーブルがSLケーブルまたはHケーブルであるのが良い。
【0013】
また、本発明は、鋭利な先端部と、ケーブル内部に挿入可能で内部に空隙を有する挿入部と、前記先端部に回転力を付与する駆動部と、を備えたことを特徴とするケーブル絶縁紙取り出し装置を提供するものである。
【0014】
当該方法及び装置によれば、ケーブル外部保護被覆を破壊せずにケーブル断面からケーブル内包物を取り出すことで、煩雑な解体作業が不要となるとともに、危険作業を回避することができ、絶縁紙のみをPCB等の有機塩素化合物の分析に必要な量だけ検体としてサンプリングすることが可能となる。さらに、ケーブルの前処理もケーブルを輪切りに切断するのみなので、単純機械作業となる。
【0015】
前記ケーブル絶縁紙取り出し装置においては、前記取り出し装置がインクリメントボアラー(生長錘)であっても良い。
【0016】
また、前記ケーブル絶縁紙取り出し装置においては、前記駆動部が電動式であっても良い。
【0017】
さらに、本発明は、絶縁油を含浸してなる絶縁紙による被覆がなされたケーブルを廃棄等する際に、前記絶縁紙中の有機塩素化合物を検査するために、前記ケーブルの外部保護被覆を破壊せずに絶縁紙を取り出して、該絶縁紙の固有データに基づいて有機塩素化合物の有無を検査することを特徴とするケーブル絶縁紙の検査方法を提供するものである。
【0018】
また、本発明は、絶縁油を含浸してなる絶縁紙による被覆がなされたケーブルを廃棄等する際に、前記絶縁紙中の有機塩素化合物を検査するために、前記ケーブルの外部保護被覆を破壊せずに絶縁紙を取り出して、該絶縁紙に含まれる有機化合物を化学分析して有機塩素化合物を検出することを特徴とするケーブル絶縁紙の検査方法を提供するものである。
【0019】
当該検査方法によれば、絶縁紙のみをPCB等の有機塩素化合物の分析に必要な量だけ迅速にサンプリングすることが可能なので、ケーブルの外部保護被覆を破壊する時間を省くことができ、検査時間の大幅な短縮を図ることができる。
【0020】
本発明のケーブル絶縁紙の検査方法においては、本発明のケーブル絶縁紙取り出し方法、及び取り出し装置を適用して絶縁紙を取り出すことが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明のケーブル絶縁紙取り出し方法は、絶縁油を含浸してなる絶縁紙による被覆がなされたケーブルから、当該ケーブルの外部保護被覆を破壊せずに前記絶縁紙の一部を取り出すケーブル絶縁紙取り出し方法であって、ケーブル断面から略ケーブル長方向へ絶縁紙を抜き取るものである。絶縁紙の抜き取りに際して、鋭利な先端部と、ケーブル内部に挿入可能で内部に空隙を有する挿入部と、前記先端部に回転力を付与する駆動部と、を備えた取り出し装置を用いることが好ましい。
【0022】
以下に本発明の好ましい実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態として、インクリメントボアラー(生長錘)11を用いて、SLケーブル1から油含浸絶縁紙を取り出す方法及び装置を示す図である。生長錘の鋭利な先端部111を、ケーブル断面2に露出した絶縁紙捲き付け層部分3に当接させ、グリップ113を回転させて先端部111に回転力を付与することによって、ケーブル内の絶縁紙の層の部分に生長錘11を挿入する(図1(a)参照)。ケーブル1に生長錘11を挿入する場合は、絶縁紙のみを円滑に抜き取るために絶縁紙の層厚より口径の小さい生長錘(例えば5mm)を用いるのがよく、ケーブル断面から略ケーブル長方向へ挿入する。図3および図4に生長錘挿入部の一例(A、B、C)を示した。
【0024】
また、図1(b)には生長錘11の外観図を、図1(c)には生長錘11の先端部の拡大図を示した。図1(b)、(c)に示すように、生長錘の先端部111は切り刃になっているため、先端部の回転に伴って、絶縁紙捲き付け部分3から絶縁紙の一部が切除される。切除された絶縁紙は、生長錘1の先端部に設けられた穴112に取り込まれ、生長錘をケーブル断面から抜き取ると同時に、絶縁紙の一部を取り出すことが可能となる。なお、生長錘は、先端部111の直径、穴112の直径を、ケーブル捲き付け部分の厚さに合せて適宜設計したものを用いることができる。
【0025】
上記の方法及び装置を用いることにより、ケーブルの被覆を剥ぐことなく、絶縁紙のみをPCB等の有機塩素化合物の分析に必要な数g程度サンプリングすることが可能となる。また、生長錘を用いれば大掛かりな装置が不要であり、絶縁紙を簡単に取り出すことができる。
【0026】
図2は、本発明の他の一実施形態として、スクリュウ型ドリル錘12を用いて、SLケーブル1から油含浸絶縁紙を取り出す方法及び装置を示す図である。スクリュウ型ドリル錘12のスクリュウ121(鋭利な先端部あり)を、ケーブル断面2に露出した絶縁紙捲き付け部分3に当接させ、グリップ(駆動部)122を回転させてドリル先端部に回転力を付与することによって、ケーブル内にスクリュウ121を挿入し、絶縁紙部分を破砕する(図2(a)参照)。破砕された絶縁紙屑は、蛇腹式受け皿(空隙部)13にて回収する。蛇腹式受け皿13は、絶縁紙捲き付け部分に当接させてケーブル断面2に押し付けるようにすると蛇腹が縮む(図2(b)参照)。蛇腹式受け皿13は、スクリュウ121のケーブル内部からの引き抜き時あるいは引き抜き後には、縮んだ蛇腹を元に戻すことができるので、蛇腹式受け皿内の絶縁紙屑を容易に回収することができる。
【0027】
上記の実施形態においては、駆動部にモーターを内蔵し電動式にすることによって、作業労力を低減することができる。ケーブル1にスクリュウ型ドリル12を挿入する場合は、絶縁紙のみを円滑に抜き取るために絶縁紙の層厚より口径の小さいものを用いるのがよく、生長錘の場合と同様にしてケーブル断面から略ケーブル長方向へ挿入する。
【0028】
上記の方法及び装置を用いることにより、ケーブルの被覆を剥ぐことなく、絶縁紙のみをPCB等の有機塩素化合物の分析に必要な数g程度サンプリングすることが可能となる。また、スクリュウ型ドリル錘を用いることで、絶縁紙が細かく破砕されるため、分析時に効率的な抽出を行うためにサンプルを細断する操作を省略することができる。
【0029】
上記の方法及び装置を用いて取り出した絶縁紙について、PCB等の有機塩素化合物を含有するか否かを検査する。含浸に用いた絶縁油が有機塩素化合物を含むか否かの確認は、絶縁紙の固有データ(製造会社、製造番号、製造年月日)に基づいて、予め作成されたケーブルのデータベースと照合することにより行う。絶縁紙の固有データとしては、例えば絶縁紙に刻印等されて付されているものを利用する方法がある。固有データの照合によれば分析操作が不要となるため、より迅速に検査を実施することができる。
【0030】
絶縁紙の固有データが入手できない場合もしくは取り出した絶縁紙に刻印部分が含まれていなかった場合は、絶縁紙に含まれる有機化合物を化学分析して有機塩素化合物を検出する。化学分析の方法は、有機塩素化合物を定性あるいは定量分析可能な方法であれば特に限定されない。迅速、簡便かつ低コストで分析可能な方法としては、絶縁紙に含まれる有機化合物を溶媒にて抽出する方法が望ましい一例として挙げられる。溶媒抽出後、抽出液を常法により分析して有機塩素化合物を検出するのが良い。
【0031】
前記の溶媒抽出方法は、特に限定されるものではなく、例えば絶縁紙に溶媒を添加して鉱油やPCB等の有機塩素化合物を抽出した後、抽出溶媒を必要に応じて濃縮あるいは希釈して有機塩素化合物を検出可能な濃度に調製する。その後、常法により、調製した検体溶液に含まれるPCB等の有機塩素化合物の濃度を、ガスクロマトグラフィー質量分析計(GC−MS)等の分析機器で測定する。
【0032】
ここで、抽出に使用する溶媒としては、特に限定されないが、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、石油エーテル等のエーテル類等を挙げることができる。これらの溶媒は、一種又は二種以上を任意に組合わせて使用することができる。なかでも、PCB類の溶解性に優れ、かつ安価である点より、n−ヘキサンが好ましい。
【0033】
溶媒抽出に際しては、必要に応じて加圧下で行っても良い。加圧下で抽出することにより、油絶縁紙に含まれている有機塩素化合物を、効率よく抽出して溶媒に溶解させることが出来る。抽出時の圧力は、3atm〜50atmの範囲が好ましく、より好ましくは5atm〜30atm、更に好ましくは6atm〜17atmであるのが良い。抽出時の圧力が3atm未満の場合は抽出が不充分であり、圧力が50atmを超える場合は抽出物が分解するおそれがある。また、抽出温度は抽出溶媒の種類によって異なるが、n−ヘキサンの場合は100℃〜250℃の範囲が好ましく、より好ましくは120℃〜220℃、更に好ましくは150℃〜200℃であるのが良い。抽出温度が100℃未満の場合は抽出が不充分であり、温度が250℃を超える場合は抽出物が分解するおそれがある。
【0034】
抽出の際に添加する溶媒量は、絶縁紙の種類によっても異なるが、抽出溶媒をケーブル絶縁紙に対して20倍〜50倍量(質量比)添加するのが好ましい。溶媒量が20倍量未満の場合は抽出が不充分となり、一方、50倍量を超える場合は抽出物の濃縮操作が煩雑となるばかりか、分析機器の検出限界を考慮したときに濃縮に要する時間が長くなる等の欠点がある。抽出効率、経済性等を考慮すると、溶媒をケーブル絶縁紙に対して25倍〜35倍量(質量比)添加するのがより好ましい。
【0035】
抽出の際には、例えば検体をオートクレーブ等の耐圧容器に投入し、これに上記した量の溶媒を添加、攪拌し、溶媒中に有機塩素化合物を抽出する。抽出終了後は、必要に応じて、分析機器の検出範囲に合せて、抽出溶媒を加熱等の手段を施して揮発させることにより抽出溶媒を濃縮するか、あるいは抽出溶媒を溶媒で希釈して有機塩素化合物を検出可能な濃度に調整する。濃縮あるいは希釈した抽出溶媒中の有機塩素化合物の濃度は、0.5ppm〜100ppmとなるように調整するのが望ましく、より好ましくは1ppm〜50ppmとなるように調整するのが良い。上記の希釈溶媒に特に限定はないが、分析の迅速性や分析精度等を考慮すると、抽出溶媒と同種類のものを用いるのが望ましい。
【0036】
以上のようにして前処理が施された有機塩素化合物を、分析機器により分析する。分析機器としては、例えば、ガスクロマトグラフィー質量分析計(GC−MS)、ガスクロマトグラフ・電子捕獲検出器(GC−ECD)等を用いることができる。
【0037】
図5には本発明によるケーブル絶縁紙の検査方法のフローチャートを示した。図例では、有機塩素化合物として絶縁紙にPCBが含有されている例を示した。先ず、ケーブル断面に絶縁紙取り出し装置を挿入してケーブル内部から絶縁紙を取り出す。次に、取り出した絶縁紙の表面を観察して、製造年月日等の絶縁紙固有データの有無を確認する。絶縁紙固有データの確認が出来た場合は、PCBデータベースと照合することにより、PCBの有無を確認することができる。
【0038】
一方、絶縁紙固有データを確認出来なかった場合は、絶縁紙に含まれる有機化合物を溶媒にて抽出した後、抽出溶媒液を上記した方法で化学分析することにより、PCBの有無を確認することができる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、ケーブルの外部保護被覆を破壊することなく、ケーブル断面から容易に絶縁紙を取り出すことができるため、絶縁紙の取り出しに要する作業時間の大幅な短縮と、危険作業の回避をすることができる。また、絶縁紙に含まれる可能性のある有機塩素化合物の有無を迅速に検査することができるため、有機塩素化合物の有無の判別に要する時間を大幅に短縮することができ、ケーブルの解体作業効率を一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るケーブル絶縁紙取り出し方法及び装置を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るケーブル絶縁紙取り出し方法及び装置を示す図である。
【図3】SLケーブルの断面図である。
【図4】Hケーブルの断面図ある。
【図5】本発明のケーブル絶縁紙の検査方法のフローチャートである。
【符号の説明】
1 ケーブル
2 ケーブル断面
3 絶縁紙捲き付け部分
11 生長錘
111 切り刃部分(先端部)
112 穴(空隙部)
113 グリップ(駆動部)
12 スクリュウ型ドリル錘
121 スクリュウ
122 グリップ
13 ジャバラ式受け皿
A、B、C 生長錘(ドリル錘)挿入部
21 カーボン紙
22 クロロプレンフリクション帆布
23 クロロプレンシース
24、25 クロロプレン引布帯
26 鉛被
27 含油絶縁紙
28 導体
29 介在ジュート
31 クロロプレンフリクション帆布
32 クロロプレン
33 鉛被
34 銅線織込布帯
35 線心絶縁
36 遮蔽層
37 導体
38 介在ジュート

Claims (8)

  1. 絶縁油を含浸してなる絶縁紙による被覆がなされたケーブルから、当該ケーブルの外部保護被覆を破壊せずに前記絶縁紙の一部を取り出すケーブル絶縁紙取り出し方法であって、ケーブル断面から略ケーブル長方向へ絶縁紙を抜き取ることを特徴とするケーブル絶縁紙取り出し方法。
  2. 鋭利な先端部と、ケーブル内部に挿入可能で内部に空隙を有する挿入部と、前記先端部に回転力を付与する駆動部と、を備えた取り出し装置を用いてケーブル断面より絶縁紙を抜き取る請求項1に記載のケーブル絶縁紙取り出し方法。
  3. 前記ケーブルがSLケーブルまたはHケーブルである請求項1または2に記載のケーブル絶縁紙取り出し方法。
  4. 鋭利な先端部と、ケーブル内部に挿入可能で内部に空隙を有する挿入部と、前記先端部に回転力を付与する駆動部と、を備えたことを特徴とするケーブル絶縁紙取り出し装置。
  5. 前記取り出し装置がインクリメントボアラー(生長錘)である請求項4に記載のケーブル絶縁紙取り出し装置。
  6. 前記駆動部が電動式である請求項4または5に記載のケーブル絶縁紙取り出し装置。
  7. 絶縁油を含浸してなる絶縁紙による被覆がなされたケーブルを廃棄等する際に、前記絶縁紙中の有機塩素化合物を検査するために、前記ケーブルの外部保護被覆を破壊せずに絶縁紙を取り出して、該絶縁紙の固有データに基づいて有機塩素化合物の有無を検査することを特徴とするケーブル絶縁紙の検査方法。
  8. 絶縁油を含浸してなる絶縁紙による被覆がなされたケーブルを廃棄等する際に、前記絶縁紙中の有機塩素化合物を検査するために、前記ケーブルの外部保護被覆を破壊せずに絶縁紙を取り出して、該絶縁紙に含まれる有機化合物を化学分析して有機塩素化合物を検出することを特徴とするケーブル絶縁紙の検査方法。
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