JP2004347796A - 光学素子及びそれを備えた画像表示体 - Google Patents

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谷 雅 規 梅
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Abstract

【課題】画像表示体に組み込まれて用いられた場合にコントラストや視認性等に優れた画像表示を実現することができる光学素子を提供する。
【解決手段】光学素子10は、基材13上に積層された配向層12と、配向層12のうち基材13の反対側に積層された偏光分離層11とを備えている。偏光分離層11は基材13及び配向層12からみて出光側に配置されており、入射光21が基材13側から入射すると、偏光分離層11で分離された一方の偏光光22は出光側へ出射され、他方の偏光光23は基材13及び配向層12の側へ出射される。偏光光23は、配向層12と基材13との界面及び偏光分離層11と配向層12との界面における繰り返し反射を経て出光側へ偏光光22とともに界面反射光24として出射される。界面反射光24が実質的に直線偏光となるよう、基材13の屈折率及び偏光分離層11の屈折率を基準にして、配向層12の屈折率及び膜厚が調整されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置等の画像表示体に組み込まれて用いられる多層構造の光学素子に係り、とりわけ、光の偏光状態を制御する偏光分離素子等の光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置等の画像表示体に組み込まれて用いられる光学素子の多くは、複数の層が積層された多層構造を有しており、それを構成する各層の屈折率の差により各層の界面で界面反射が生じる。このような界面反射は通常、光の利用効率の損失を招くものであり、反射防止膜のように界面反射による光の損失を積極的に利用する場合を除いて、好ましくないものである。また、光の偏光状態を制御する偏光分離素子のような光学素子では、界面反射光によって、光学素子から出光側へ出射される偏光光の偏光状態が変化してしまうので、光学特性の低下という点でも、好ましくないものである。
【0003】
ところで、上述したような偏光分離素子等の光学素子としては、コレステリック規則性を有する液晶層(コレステリック液晶層)等の屈折率異方性層を基材上に積層したものが一般的に用いられている。
【0004】
ここで、コレステリック液晶層は、液晶分子の物理的な分子配列として、液晶分子のダイレクターが液晶層の厚さ方向に連続的に回転してなる螺旋構造をとっており、このような液晶分子の物理的な分子配列に基づいて、一方向の円偏光成分と、これと逆回りの円偏光成分とを分離する偏光分離特性を有している。すなわち、コレステリック液晶層において、螺旋軸に沿って入射した無偏光状態の光は、2つの偏光状態の光(右円偏光及び左円偏光)に分離され、一方は透過され、残りは反射される。この現象は、円偏光二色性として知られ、液晶分子の螺旋構造における螺旋巻き方向を適宜選択すると、この螺旋巻き方向と同一の旋光方向を有する円偏光成分が選択的に反射される。
【0005】
この場合の最大旋光光散乱は、次式の波長λで生じる。
λ=nav・p
【0006】
ここで、pは液晶分子の螺旋構造における螺旋ピッチ(液晶分子の分子螺旋の1ピッチ当たりの長さ)、navは螺旋軸に直交する平面内での平均屈折率である。
【0007】
また、このときの反射光の波長バンド幅△λは次式で表される。ここで、△nは複屈折値である。
△λ=△n・p
【0008】
すなわち、コレステリック液晶層において、入射した無偏光状態の光は、上述したような偏光分離特性に従って、中心波長λを中心とした波長バンド幅△λの範囲(選択反射波長域)に属する一方の円偏光成分(右円偏光又は左円偏光)が反射され、他方の円偏光成分(左円偏光又は右円偏光)及び選択反射波長域を除く他の波長域の光(無偏光状態の光)が透過される。なお、このようなコレステリック液晶層では、その膜厚に応じて一方の円偏光成分を反射する割合を調整することができ、一方の円偏光成分を完全に反射する完全透過/反射型の偏光分離層の他、一方の円偏光成分を所定の割合で反射し、残りを透過する半透過/反射型の偏光分離層としても用いられる。
【0009】
ここで、上述したような偏光分離素子等の光学素子では、基材上に積層されたコレステリック液晶層中の液晶分子を配向させるため、基材とコレステリック液晶層との間に配向層を設ける必要がある場合が多い。このため、このような光学素子では、光学的な界面が増えてしまい、上述したような問題がより深刻なものとなる。
【0010】
このような問題に関連して、特許文献1には、コレステリック液晶層と1/4波長板とを接着層を介して接着することにより、界面反射による光の損失を抑制する方法が記載されている。また、特許文献2には、コレステリック液晶層と1/4波長板とを接着する接着層の屈折率をコレステリック液晶層の平均屈折率を基準にして±0.2以内とすることにより、輝度や色むら等の防止を図る方法が記載されている。
【0011】
【特許文献1】
特開平9−189811号公報
【特許文献2】
特開平11−125717号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載された方法では、コレステリック液晶層と基材との界面で生じる界面反射光の強度を一定の割合で低減することはできるものの、完全に取り除くことはできず、その低減効果には一定の限界がある、という問題がある。
【0013】
また、上述したような偏光分離素子等の光学素子は通常、偏光板等の他の光学部材を有する液晶表示装置等の画像表示体に組み込まれて用いられるが、画像表示体で用いられる偏光板は完全な円偏光板等ではない。このため、上述したような偏光分離素子等の光学素子に入射する入射光は一般に楕円偏光等の不完全な偏光光となり、それに起因して、光学素子の出光側へ出射される偏光光の偏光状態が歪みやすいという問題もある。
【0014】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、基材上に配向層を介してコレステリック液晶層等の屈折率異方性層が積層された光学素子であって、液晶表示装置等の画像表示体に組み込まれて用いられた場合にコントラストや視認性等に優れた画像表示を実現することができる光学素子及びそれを備えた画像表示体を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第1の解決手段として、基材と、前記基材の表面上に積層された配向層と、前記配向層のうち前記基材の反対側に位置する表面上に積層され、入射光の偏光状態を制御して出光側へ偏光光を出射させる屈折率異方性層とを備え、前記入射光に起因した界面反射光であって前記配向層と前記基材との界面及び前記屈折率異方性層と前記配向層との界面における繰り返し反射を経て前記出光側へ前記偏光光とともに出射される界面反射光が実質的に直線偏光となるよう、前記基材の屈折率及び前記屈折率異方性層の屈折率を基準にして、前記配向層の屈折率及び膜厚が調整されていることを特徴とする光学素子を提供する。
【0016】
なお、上述した第1の解決手段において、前記界面反射光の層面内のx軸方向及びy軸方向に関しての強度R,Rが、次式(1)〜(6)、すなわち
【数2】
Figure 2004347796
(ここで、
1x:屈折率異方性層の異常光屈折率(x軸方向の成分)
1y:屈折率異方性層の常光屈折率(y軸方向の成分)
:配向層の屈折率
:基材の屈折率
1x:屈折率異方性層と配向層との間の振幅反射率(x軸方向の成分)
1y:屈折率異方性層と配向層との間の振幅反射率(y軸方向の成分)
:配向層と基材との間の振幅反射率
d:配向層の膜厚
λ:入射光の波長
δ:繰り返し反射における隣り合う光同士の位相差
である。)
と表されるときに、前記界面反射光の強度R,Rが次式(7)、すなわち
|log(R/R)|≧0.8 … (7)
を満たす範囲にあるように、前記基材の屈折率n及び前記屈折率異方性層の屈折率n1x,n1yを基準にして、前記配向層の屈折率n及び膜厚dが調整されていることが好ましい。
【0017】
また、上述した第1の解決手段において、前記屈折率異方性層は、前記入射光を少なくとも2つの偏光状態の光に分離する偏光分離層であることが好ましい。また、前記偏光分離層が前記基材及び前記配向層からみて前記出光側に配置されており、前記屈折率異方性層で分離された一方の偏光状態の光が前記出光側へ出射されるとともに、他方の偏光状態の光が前記基材及び前記配向層の側へ出射されることが好ましい。さらに、前記偏光分離層は、前記配向層の配向規制力により配向された液晶層からなることが好ましく、より好ましくは、前記液晶層は、コレステリック規則性を有する液晶層である。
【0018】
さらに、上述した第1の解決手段において、前記配向層の屈折率及び膜厚は前記入射光の波長が約550nm付近である場合を基準にして調整されていることが好ましい。
【0019】
さらにまた、上述した第1の解決手段において、前記配向層は、層面内で複数の領域にパターニングされていることが好ましい。なお、前記配向層の前記各領域は、互いに異なる光学機能を有することが好ましい。
【0020】
本発明は、第2の解決手段として、上述した第1の解決手段に係る光学素子と、前記光学素子を介して出射される特定の偏光状態の光を利用して画像表示を行う表示素子とを備え、前記光学素子の光学軸と前記表示素子の光学軸とが画像表示のコントラストが最大となるような関係で配置されていることを特徴とする画像表示体を提供する。
【0021】
本発明は、第3の解決手段として、印加電圧に応じて光の偏光状態を変化させることにより明暗制御を行う駆動液晶層と、前記駆動液晶層の背面側から無偏光状態の白色光を照射するバックライト光源と、前記駆動液晶層と前記バックライト光源との間に設けられ、一方の旋光方向の円偏光成分を透過する背面側楕円偏光板と、前記駆動液晶層の観察側に設けられ、前記一方の旋光方向の円偏光成分とは異なる他方の旋光方向の円偏光成分を透過する観察側楕円偏光板と、前記駆動液晶層と前記背面側楕円偏光板との間に設けられ、可視光領域をカバーする広帯域の波長域に属する前記一方の旋光方向の円偏光成分を所定の割合で反射する一方で、所定の割合で反射されずに透過した前記一方の旋光方向の円偏光成分及び前記他方の旋光方向の円偏光成分を含む光を透過する半透過型の広帯域偏光分離素子とを備え、前記広帯域偏光分離素子は、基材と、前記基材の表面上に積層された配向層と、前記配向層のうち前記基材の反対側に位置する表面上に積層され、前記背面側から入射したバックライト光又は前記観察側から入射した外光の偏光状態を制御して前記観察側へ偏光光を出射させる偏光分離層とを有し、前記偏光分離層は前記基材及び前記配向層からみて前記観察側に配置されており、前記バックライト光又は前記外光に起因した界面反射光であって前記配向層と前記基材との界面及び前記偏光分離層と前記配向層との界面における繰り返し反射を経て前記観察側へ前記偏光光とともに出射される界面反射光が楕円偏光であり、かつ、この楕円偏光の長軸が、前記偏光分離層を透過することにより歪んだ前記一方の旋光方向の円偏光成分の短軸と平行であることを特徴とする画像表示体を提供する。
【0022】
なお、上述した第3の解決手段において、前記界面反射光は、実質的に直線偏光であることが好ましい。
【0023】
また、上述した第3の解決手段において、前記広帯域偏光分離素子の前記偏光分離層は、前記配向層の配向規制力により配向された、コレステリック規則性を有する液晶層であることが好ましい。
【0024】
さらに、上述した第3の解決手段において、前記駆動液晶層を通過した白色光を、赤色、緑色及び青色の各色の画素に応じた各色の光に分離するよう層面内で複数の領域にパターニングされたカラーフィルタをさらに備えることが好ましい。なお、前記広帯域偏光分離素子の前記配向層は、前記カラーフィルタの前記各領域に対応して層面内でパターニングされた複数の領域を有し、当該各領域は光の波長域に応じて互いに異なる光学機能を有することが好ましい。
【0025】
本発明によれば、光学素子の配向層と基材との界面及び屈折率異方性層と配向層との界面における繰り返し反射を経て出光側へ偏光光とともに出射される界面反射光が直線偏光となるよう、基材の屈折率及び屈折率異方性層の屈折率を基準にして、配向層の屈折率及び膜厚を調整している。このため、このような光学素子が画像表示体に組み込まれて用いられる場合において、配向層における繰り返し反射によって得られた界面反射光を、光学素子の出光側へ出射される偏光光の偏光状態の歪みを解消するために利用することが可能となり、画像表示体における画像表示のコントラストを向上させることができる。
【0026】
なお、本明細書中において「液晶層」という用語は、光学的に液晶の性質を有する層という意味で用い、層の状態としては、流動性のある液晶相の状態の他、液晶相の持つ分子配列を保って固化された状態も含む。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0028】
まず、図1により、本発明の一実施の形態に係る光学素子について説明する。
【0029】
図1に示すように、本実施の形態に係る光学素子10は、基材13と、基材13の表面上に積層された配向層12と、配向層12のうち基材13の反対側に位置する表面上に積層された偏光分離層(屈折率異方性層)11とを備えている。
【0030】
このうち、偏光分離層11は、入射光21の偏光状態を制御して入射光21を少なくとも2つの偏光状態の光に分離するものであり、一方の偏光状態の光を出光側(図の上方)へ偏光光22として出射させるとともに、他方の偏光状態の光を入光側(図の下方)へ偏光光23として出射させることができるようになっている。なお、偏光分離層11としては、配向層12の配向規制力により配向された液晶層を用いることが好ましい。ここで、このような液晶層として、特定の波長域の右円偏光を反射するコレステリック規則性を有する液晶層(コレステリック液晶層)を用いる場合には、入射光21のうち特定の波長域の右円偏光を偏光光23として入光側へ反射させる一方で、残りの光(前記特定の波長域の左円偏光及び前記特定の波長域以外の無偏光状態の光)を偏光光22として出光側へ出射させることができる。
【0031】
なお、このような偏光分離層11は、可視光領域をカバーする広帯域の波長域の光を分離する広帯域偏光分離素子や、可視光領域内の特定色の光を分離するカラーフィルタ素子として用いることが可能である。
【0032】
配向層12は、偏光分離層11中の液晶分子を配向させるためのものであり、その膜厚は液晶表示装置等の画像表示体に組み込まれた場合における電圧の印加等を考慮して100nm程度とするのが一般的である。なお、配向層12としては、ポリイミド等を用いることが好ましい。
【0033】
基材13は、偏光分離層11及び配向層12を支持するものである。なお、基材13としては、その表面で光を反射することができるものであれば、ガラスやTACフィルム等の任意の透明基材を用いることができる。また、基材13として、カラーフィルタ等の光学的な機能を有するものを用いてもよい。
【0034】
このような光学素子10において、偏光分離層11が基材13及び配向層12からみて出光側に配置されており、入射光21が基材13側から入射するものとすると、偏光分離層11で分離された一方の偏光光22は出光側へ出射され、他方の偏光光23は基材13及び配向層12の側へ出射される。
【0035】
このとき、偏光分離層11から基材13及び配向層12の側へ出射された偏光光23は、配向層12と基材13との界面及び偏光分離層11と配向層12との界面における繰り返し反射を経て出光側へ偏光光22とともに界面反射光24として出射される。すなわち、配向層12の膜厚は数十nm〜数百nm程度であるので、配向層12は光学薄膜として機能し、配向層12と基材13との界面及び偏光分離層11と配向層12との界面で複数回の反射が行われた後、界面反射光24として出射される。なおこのとき、配向層12と基材13との間における界面反射のように等方性媒体同士の界面反射では、位相(例えば円偏光の回転方向の左右)が常に反転されるが、偏光分離層11と配向層12との間における界面反射のように一方が異方性媒体である場合の界面反射では、必ずしもそのようにはならず、当該界面反射により得られる光の強度や偏光状態が条件に応じて変化する。
【0036】
本実施の形態においては、このような前提の下で、繰り返し反射後に出射される界面反射光24が実質的に直線偏光となるよう、基材13の屈折率及び偏光分離層11の屈折率を基準にして、配向層12の屈折率及び膜厚を調整する。
【0037】
ここで、光学素子10のうち偏光分離層11のみが屈折率異方性を有しており、配向層12から出射される界面反射光24が配向層12と基材13との界面及び偏光分離層11と配向層12との界面での繰り返し反射により得られたものであり、光学素子10に対して入射光21が実質的に垂直に入射するものとすると、最終的に光学素子10の出光側へ出射される界面反射光24の強度は、フレネル反射の計算式に基づいて、次式(1)〜(6)により表される。なお、偏光分離層11は層面内のx軸方向及びy軸方向ごとに異なった屈折率(異常光屈折率n1x及び常光屈折率n1y)を有するので、次式(1)(2)に示すように、界面反射光24の強度R,Rもx軸方向及びy軸方向ごとに求められる。
【0038】
【数3】
Figure 2004347796
なお、上式(1)〜(6)において、
1x:偏光分離層11の異常光屈折率(x軸方向の成分)
1y:偏光分離層11の常光屈折率(y軸方向の成分)
:配向層12の屈折率
:基材13の屈折率
1x:偏光分離層11と配向層12との間の振幅反射率(x軸方向の成分)r1y:偏光分離層11と配向層12との間の振幅反射率(y軸方向の成分)
:配向層12と基材13との間の振幅反射率
d:配向層12の膜厚
λ:入射光21の波長
δ:繰り返し反射における隣り合う光同士の位相差
である。
【0039】
ここで、最終的に光学素子10の出光側へ出射される界面反射光24が実質的に直線偏光となる場合とは、(1)界面反射光24の強度のx軸方向の成分(R)及びy軸方向の成分(R)のいずれかが実質的に0になる場合、又は、(2)界面反射光24の強度のx軸方向の成分(R)及びy軸方向の成分(R)が同じでかつ両者の位相差がπ/2となる場合である。ただし、偏光分離層11、配向層12及び基材13の現実の物性値を考えると、上記(2)の場合は現実的にあり得ないので、ここでは上記(1)の場合のみを考える。なお、上記(1)の場合には、R,Rのいずれかの成分が実質的に0であるので、両者の位相差を無視することができる。
【0040】
上記(1)の場合に合致する理想的な条件はR=0又はR=0であるが、Rが0でなくともRがRに対して相対的に非常に大きければ実質的に直線偏光とみなすことできる。同様に、Rが0でなくともRがRに対して相対的に非常に大きければ実質的に直線偏光とみなすことできる。ここで、R,Rの大小関係が逆転することを考慮してR,Rの相対的な大きさを考えると、最終的に光学素子10の出光側へ出射される界面反射光24が実質的に直線偏光となる場合は、次式(7)を満たす場合である。
|log(R/R)|≧0.8 … (7)
【0041】
ここで、界面反射光24の強度のx軸方向の成分及びy軸方向の成分の比(R/R)と円偏光の楕円率との関係を考えると、両者の関係は図2に示すようなものとなる。図2に示すように、R/Rは、楕円率が0.4あたりから急激に立ち上がり、楕円率が0.3、0.2、…となるにつれてさらに急激に立ち上がる。ここで、楕円率0.4、0.3、0.2のときのR/Rはそれぞれlog(R/R)に換算すると0.8、1.0、1.4に相当しているので、|log(R/R)|は0.8以上であることが好ましく、より好ましくは1.0以上であり、さらに好ましくは1.4以上である。
【0042】
なお、上式(1)〜(7)に従って配向層12の屈折率n及び膜厚dを調整する場合には、設計波長として、入射光21の波長λが約550nm付近である場合を基準にするとよい。これは、図1に示す光学素子10は一般的に可視光領域で画像表示を行う液晶表示装置等の画像表示体に組み込まれて用いられるものであり、この場合には、視感度が高い緑色の光(約550nm付近の波長の光)を基準にして各種のパラメータを調整することが好ましいからである。
【0043】
ここで、図1に示す光学素子10が液晶表示装置等の画像表示体に組み込まれて用いられる場合には、赤色、緑色及び青色の各色の画素に対応して配向層12を層面内で複数の領域にパターニングするようにしてもよい。この場合には、層面内の各領域が光の波長域に応じて互いに異なる光学機能(配向層12の屈折率n及び膜厚d等)を有するようにすることにより、波長λの異なる入射光21が入射する画素単位で界面反射光24の強度や偏光状態を制御することが可能となるので、画像表示体に組み込まれて用いられる場合における光学素子10の光学特性をより向上させることができる。
【0044】
以下、図3により、図1に示す光学素子10が組み込まれて用いられる画像表示体の一例について説明する。なお、図3に示す画像表示体1はバックライト光及び外光の両方を利用して画像表示を行う半透過型液晶表示装置であり、光学素子10は半透過型の広帯域偏光分離素子である。
【0045】
図3に示すように、画像表示体1は、電極基板としての背面側基材13及び観察側基材16に挟まれ、印加電圧に応じて光の偏光状態を変化させることにより明暗制御を行う駆動液晶層14と、駆動液晶層14の背面側から赤色、緑色および青色の各色の光を含む無偏光状態の白色光を照射するバックライト光源17と、背面側基材13の背面側及び観察側基材16の観察側にそれぞれ設けられた右楕円偏光板18及び左楕円偏光板19とを備えている。なお、バックライト光源17としては、白色光を照射する線状光源と導光板とからなる面光源を用いることができる他、白色光を照射するLED素子やエレクトロルミネセンス素子等からなる面光源を用いることができる。なお、バックライト光源17の背面側には観察側から入射した光を反射するための拡散反射板(図示せず)が設けられている。
【0046】
また、観察側基材16と駆動液晶層14との間には、赤色、緑色及び青色の各色の画素に対応して層面内で複数の領域にパターニングされたカラーフィルタ15が設けられており、駆動液晶層14を通過した白色光を、赤色、緑色及び青色の各色の画素に応じた各色の光に分離することができるようになっている。
【0047】
さらに、駆動液晶層14と背面側基材13との間には、半透過型の広帯域偏光分離素子としての偏光分離層11が設けられており、特定の波長域(可視光領域をカバーする広帯域の波長域)に属する特定の偏光状態の光(例えば右円偏光)を所定の割合で反射する一方で、残りの光(所定の割合で反射されずに透過した前記特定の波長域の右円偏光、及び前記特定の波長域以外の右円偏光)を透過することができるようになっている。
【0048】
なお、偏光分離層11は背面側基材13上に配向層12を介して積層されており、これらの偏光分離層11、配向層12及び背面側基材13により光学素子10が構成されている。また、光学素子10以外の光学部材である、駆動液晶層14、カラーフィルタ15、観察側基材16、バックライト光源17、右楕円偏光板18及び左楕円偏光板19により、光学素子10から出射される特定の偏光状態の光を利用して画像表示を行う表示素子が構成されている。
【0049】
なお、このような構成からなる画像表示体1において、光学素子10の光学軸とその他の部材(右楕円偏光板18や左楕円偏光板19等)の光学軸とは画像表示のコントラストが最大となるような関係で配置されていることが好ましい。
【0050】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について、図3に示す画像表示体1においてバックライト光を利用して画像表示を行う場合を例に挙げて説明する。なお、図3に示す画像表示体1においては、表示画像に応じた暗表示の画素の部分及び明表示の画素の部分を含むが、画像表示のコントラストに影響を与えるのは主として暗表示の画素の部分における漏れ光の有無である。このため、以下の説明では、暗表示の画素の部分におけるバックライト光の光路及び偏光状態を中心に説明する。
【0051】
図3及び図4に示すように、まず、バックライト光源17から出射されたバックライト光(白色光)は右楕円偏光板18に無偏光状態で入射する。右楕円偏光板18は、無偏光状態の光を右楕円偏光に変換して出射する。ここで、右楕円偏光板18は厳密な意味での円偏光板ではなく、楕円長軸の長さ(a)が楕円短軸の長さ(b)よりも大きい右楕円偏光を出射する。
【0052】
次に、右楕円偏光板18から出射された右楕円偏光は光学素子10の基材13、配向層12及び偏光分離層11を順次通過し、偏光分離層11において所定の割合で特定の波長域(可視光領域をカバーする広帯域の波長域)の右円偏光が反射され、残りの光(所定の割合で反射されずに透過した前記特定の波長域の右円偏光、及び前記特定の波長域以外の右円偏光)が透過する。このうち、偏光分離層11を透過した光は偏光光22として観察側へ出射され、画像表示のために利用される。一方、偏光分離層11で反射された光は偏光光23として出射され、その一部が界面反射光24として観察側へ出射され、残りは背面側へ戻されてリサイクルされる。
【0053】
ここで、コレステリック液晶層等からなる偏光分離層11での反射はブラッグ反射であり、どのような偏光状態の光が入射しても、偏光分離層11中の液晶分子の螺旋回転方向に対応する円偏光成分(ここでは右円偏光)を反射する。このとき、偏光分離層11は真右円偏光のみを反射するので、所定の割合で反射されずに偏光分離層11を透過した右円偏光は入射前の右楕円偏光よりも歪んだ右楕円偏光(楕円長軸の長さ(a′)が楕円短軸の長さ(b′)よりも大きく、かつ楕円長軸の長さ(a′)が入射前の右楕円偏光の楕円短軸の長さ(a)よりも大きい右楕円偏光)となる。
【0054】
その後、このようにして偏光分離層11を透過することにより歪んだ右楕円偏光は、暗表示の画素の部分(駆動液晶層14で光の偏光状態が変えられない部分)では、偏光状態を保ったまま駆動液晶層14、カラーフィルタ15及び観察側基材16を通過して、観察者側に設けられた左楕円偏光板19に入射することとなるが、偏光分離層11を透過することにより歪んだ右楕円偏光は左楕円偏光板19の楕円率と一致しなくなる。このため、暗表示の画素の部分では、左楕円偏光板19を通過したときに漏れ光が生じてしまい、画像表示のコントラストが低下してしまう。
【0055】
このような状況の下で、図3及び図4に示す画像表示体1においては、光学素子10の偏光分離層11から基材13及び配向層12の側へ出射された偏光光23(真右円偏光)のうち、配向層12と基材13との界面及び偏光分離層11と配向層12との界面における繰り返し反射を経て出光側へ出射される界面反射光24が直線偏光(長さ(c))となるように調整している。このため、このような界面反射光24(直線偏光)の光学軸を、偏光分離層11を透過した偏光光22(右楕円偏光)の短軸と平行にする(楕円短軸の長さをb′+cとする)ことにより、偏光分離層11を透過することにより歪んだ右楕円偏光を、偏光分離層11への入射前の右楕円偏光に近付けるように補正することができる。
【0056】
このように本実施の形態によれば、光学素子10の配向層12と基材13との界面及び偏光分離層11と配向層12との界面における繰り返し反射を経て出光側へ偏光光22とともに出射される界面反射光24が直線偏光となるよう、基材13の屈折率n及び偏光分離層11の屈折率n1x,n1yを基準にして、配向層12の屈折率n及び膜厚dを調整している。このため、このような光学素子10が画像表示体1に組み込まれて用いられる場合において、配向層12における繰り返し反射によって得られた界面反射光24を、光学素子10の出光側へ出射される偏光光22の偏光状態の歪みを解消するために利用することが可能となり、画像表示体1における画像表示のコントラストを向上させることができる。
【0057】
なお、上述した実施の形態においては、屈折率異方性層として、入射光21を少なくとも2つの偏光状態の光に分離する偏光分離層11を用いているが、入射光21を偏光させて出光側へ偏光光22を出射させるものであれば、これに限らず、位相差層や補償層等の任意の屈折率異方性層を用いることができる。
【0058】
また、上述した実施の形態において、基材13及び配向層12が屈折率異方性を有していないが、基材13及び配向層12が屈折率異方性を有している場合でも、配向層12における繰り返し反射によって得られる界面反射光を直線偏光とすることは可能である。
【0059】
さらにまた、上述した実施の形態においては、光学素子10が組み込まれて用いられる画像表示体1が半透過型液晶表示装置である場合を例に挙げて説明したが、これに限らず、画像表示体が透過型液晶表示装置や反射型液晶表示装置である場合にも同様にして適用することができる。以下、図5乃至図8により、上述した実施の形態の変形例について説明する。
【0060】
(第1の変形例)
図5は完全透過/反射型の広帯域偏光分離素子(光学素子10A)を透過型液晶表示装置(画像表示体1A)に組み込んで用いる場合の一例を示す図である。ここで、図5に示す画像表示体1Aは、光学素子10Aが完全透過/反射型の広帯域偏光分離素子である点、背面側の右楕円偏光板18が除かれている点、観察側の左楕円偏光板19の代わりに右楕円偏光板19′が設けられている点を除いて、他は図3及び図4に示す画像表示体1と同様である。なお、以下の説明では、図3及び図4に示す画像表示体1の場合と同様に、暗表示の画素の部分におけるバックライト光の光路及び偏光状態を中心に説明する。
【0061】
図5に示す画像表示体1Aにおいて、バックライト光源17から出射されたバックライト光(白色光)は光学素子10Aの基材13、配向層12及び偏光分離層11Aを順次通過し、偏光分離層11Aにおいてバックライト光(入射光21)のうち特定の波長域(可視光領域をカバーする広帯域の波長域)の右円偏光(真右円偏光)が反射され、残りの光(前記特定の波長域の左円偏光(真左円偏光)及び前記特定の波長域以外の無偏光状態の光)が透過する。このうち、偏光分離層11Aを透過した光は偏光光22として観察側へ出射され、画像表示のために利用される。一方、偏光分離層11Aで反射された光は偏光光23として出射され、その一部が界面反射光24として観察側へ出射され、残りは背面側へ戻されてリサイクルされる。
【0062】
ここで、偏光分離層11Aを透過した偏光光22は、暗表示の画素の部分(駆動液晶層14で光の偏光状態が変えられない部分)では、偏光状態を保ったまま駆動液晶層14、カラーフィルタ15及び観察側基材16を通過して、観察者側に設けられた右楕円偏光板19′に入射する。
【0063】
このとき、偏光分離層11Aを透過した偏光光22のうち前記特定の波長域(可視光領域をカバーする広帯域の波長域)以外の無偏光状態の光はカラーフィルタ15で吸収される。
【0064】
一方、偏光分離層11Aを透過した偏光光22のうち前記特定の波長域(可視光領域をカバーする広帯域の波長域)の左円偏光(真左円偏光)は、カラーフィルタ15を通過した上で、その大半が右楕円偏光板19′で吸収されることとなる。
【0065】
しかしながら、右楕円偏光板19′は真左円偏光を完全に吸収するものではないので、暗表示の画素の部分では、右楕円偏光板19′を通過したときに漏れ光が生じてしまい、画像表示のコントラストが低下してしまう。
【0066】
このような状況の下で、図5に示す画像表示体1Aにおいては、光学素子10Aの偏光分離層11Aから基材13及び配向層12の側へ出射された偏光光23(真右円偏光)のうち、配向層12と基材13との界面及び偏光分離層11Bと配向層12との界面における繰り返し反射を経て出光側へ出射される界面反射光24が直線偏光となるように調整している。このため、このような界面反射光24(直線偏光)の光学軸を、右楕円偏光板19′の光学軸(楕円の短軸)と平行にすれば、右楕円偏光板19′に入射する偏光光22の偏光状態を補正して右楕円偏光板19′の楕円率に近付けることができる。
【0067】
(第2の変形例)
図6は所定の割合で開孔が形成された完全透過/反射型の広帯域偏光分離素子(光学素子10B)を半透過型液晶表示装置(画像表示体1B)に組み込んで用いる場合の一例を示す図である。図6に示す画像表示体1Bは、光学素子10Bが、所定の割合で開孔が形成された完全透過/反射型の広帯域偏光分離素子である点を除いて、他は図3及び図4に示す画像表示体1と同様である。なお、以下の説明では、図3及び図4に示す画像表示体1の場合と同様に、暗表示の画素の部分におけるバックライト光の光路及び偏光状態を中心に説明する。
【0068】
図6に示す画像表示体1Bにおいて、バックライト光源17から出射されたバックライト光(白色光)は右楕円偏光板18に無偏光状態で入射する。右楕円偏光板18は、無偏光状態の光を右楕円偏光に変換して出射する。
【0069】
次に、右楕円偏光板18から出射された右楕円偏光は光学素子10Bの基材13、配向層12及び偏光分離層11Bを順次通過する。ここで、偏光分離層11Bには開孔11B′が所定の割合で形成されており、偏光分離層11Bのうち開孔11B′が形成されていない部分では、入射した右楕円偏光(入射光21)のうち特定の波長域(可視光領域をカバーする広帯域の波長域)の右円偏光(真右円偏光)が反射され、残りの光(主として前記特定の波長域以外の右楕円偏光)が透過する。一方、偏光分離層11Bのうち開孔11B′では、入射した右楕円偏光(入射光21)がそのまま通過する。これにより、偏光分離層11Bにおいては全体として、開孔11B′が形成されている割合に応じて特定の波長域(可視光領域をカバーする広帯域の波長域)の真右円偏光が反射され、残りの光(主として、所定の割合で開孔11B′から出射された前記特定の波長域の右楕円偏光、及び前記特定の波長域以外の右楕円偏光)が透過する。なおこのとき、偏光分離素子11Bのうち開孔11B′が形成されていない部分は真右円偏光を反射するものであるので、光学素子10Bの偏光分離層11Bのうち開孔11B′が形成されていない部分に入射した前記特定の波長領域(可視光領域をカバーする広帯域の波長域)の右楕円偏光は、その大半が、偏光分離層11Bで反射されて背面側へ戻される。しかしながら、偏光分離素子11Bに入射する右楕円偏光は厳密な意味での右円偏光ではないので、その一部は真左円偏光として偏光分離素子11Bを透過する。
【0070】
以上において、偏光分離層11Bを透過した光は偏光光22として観察側へ出射され、画像表示のために利用される。一方、偏光分離層11Bで反射された光は偏光光23として出射され、その一部が界面反射光24として観察側へ出射され、残りは背面側へ戻されてリサイクルされる。
【0071】
ここで、偏光分離層11Bを透過した偏光光22は、暗表示の画素の部分(駆動液晶層14で光の偏光状態が変えられない部分)では、偏光状態を保ったまま駆動液晶層14、カラーフィルタ15及び観察側基材16を通過して、観察者側に設けられた左楕円偏光板19に入射する。
【0072】
このとき、偏光分離層11Bを透過した偏光光22のうち前記特定の波長域(可視光領域をカバーする広帯域の波長域)以外の右楕円偏光はカラーフィルタ15で吸収される。
【0073】
一方、偏光分離層11Bを透過した偏光光22のうち前記特定の波長域(可視光領域をカバーする広帯域の波長域)の光は、カラーフィルタ15を通過した上で、左楕円偏光板19で吸収されることとなる。
【0074】
しかしながら、偏光分離層11Bを透過した偏光光22のうち前記特定の波長域(可視光領域をカバーする広帯域の波長域)の光は、偏光分離層11Bの開孔11B′を透過した右楕円偏光と、偏光分離素子11Bのうち開孔11B′が形成されていない部分を透過した真左円偏光とを合成した光となるので、偏光分離層11Bのうち開孔11B′が形成されていない部分を透過した真左円偏光の分だけ左楕円偏光板19の楕円率と一致しなくなる。このため、暗表示の画素の部分では、左楕円偏光板19を通過したときに漏れ光が生じてしまい、画像表示のコントラストが低下してしまう。
【0075】
このような状況の下で、図6に示す画像表示体1Bにおいては、光学素子10Bの偏光分離層11Bから基材13及び配向層12の側へ出射された偏光光23(真右円偏光)のうち、配向層12と基材13との界面及び偏光分離層11と配向層12との界面における繰り返し反射を経て出光側へ出射される界面反射光24が直線偏光となるように調整している。このため、このような界面反射光24(直線偏光)の光学軸を、偏光分離層11Bを透過した合成光の短軸と平行にすれば、左楕円偏光板19に入射する偏光光22の偏光状態を補正して左楕円偏光板19の楕円率に近付けることができる。
【0076】
(第3の変形例)
図7は完全透過/反射型のカラーフィルタ素子(光学素子10C)を透過型液晶表示装置(画像表示体1C)に組み込んで用いる場合の一例を示す図である。図7に示す画像表示体1Cは、光学素子10Cが、赤色、緑色及び青色の各色の画素に応じた各色の光を分離するようにパターニングされた完全透過/反射型の偏光分離素子(カラーフィルタ素子)である点、カラーフィルタ15が除かれている点を除いて、他は図3及び図4に示す画像表示体1と同様である。なお、以下の説明では、図3及び図4に示す画像表示体1の場合と同様に、暗表示の画素の部分におけるバックライト光の光路及び偏光状態を中心に説明する。また、以下の説明では、青色の光を出射する画素の部分を例に挙げて説明するが、赤色の光を出射する画素の部分、及び緑色の光を出射する画素の部分での作用も基本的には同様である。
【0077】
図7に示す画像表示体1Cにおいて、バックライト光源17から出射されたバックライト光(白色光)は右楕円偏光板18に無偏光状態で入射する。右楕円偏光板18は、無偏光状態の光を右楕円偏光に変換して出射する。
【0078】
次に、右楕円偏光板18から出射された右楕円偏光は光学素子10Cの基材13、配向層12及び偏光分離層11Cを順次通過し、偏光分離層11Cにおいてバックライト光(入射光21)のうち特定の波長域(赤色及び緑色の波長域)の右円偏光(真右円偏光)が反射され、残りの光(主として青色の波長域の右楕円偏光)が透過する。このうち、偏光分離層11Cを透過した光は偏光光22として観察側へ出射され、画像表示のために利用される。一方、偏光分離層11Cで反射された光は偏光光23として出射され、その一部が界面反射光24として観察側へ出射され、残りは背面側へ戻されてリサイクルされる。
【0079】
このとき、偏光分離素子11Cは真右円偏光を反射するものであるので、光学素子10Cの偏光分離層11Cに入射した赤色及び緑色の波長域の右楕円偏光は、その大半が、偏光分離層11Cで反射されて背面側へ戻される。しかしながら、偏光分離素子11Cに入射する右楕円偏光は厳密な意味での右円偏光ではないので、その一部は真左円偏光として偏光分離素子11Cを透過する。このことは、現在説明している青色の画素の部分についても同様であり、隣接した赤色及び緑色の画素から出射された青色の波長域の真左円偏光が青色の波長域の右楕円偏光とともに偏光分離素子11Cを透過する。
【0080】
ここで、このようにして偏光分離層11Cを透過した偏光光22は、暗表示の画素の部分(駆動液晶層14で光の偏光状態が変えられない部分)では、偏光状態を保ったまま駆動液晶層14及び観察側基材16を通過して、観察者側に設けられた左楕円偏光板19に入射することとなる。
【0081】
しかしながら、偏光分離層11Cを透過した偏光光22は、偏光分離層11Cを透過した青色の波長域の右楕円偏光と、偏光分離層11Cを透過した青色の波長域の真左円偏光とを合成した光となるので、偏光分離層11Cを透過した真左円偏光の分だけ左楕円偏光板19の楕円率と一致しなくなる。このため、暗表示の画素の部分では、左楕円偏光板19を通過したときに漏れ光が生じてしまい、画像表示のコントラストが低下してしまう。
【0082】
このような状況の下で、図7に示す画像表示体1Cにおいては、光学素子10Cの偏光分離層11Cから基材13及び配向層12の側へ出射された偏光光23(例えば赤色及び緑色の波長域の真右円偏光)のうち、配向層12と基材13との界面及び偏光分離層11Bと配向層12との界面における繰り返し反射を経て(例えば隣接した赤色又は緑色の画素の部分から)出光側へ出射される界面反射光が直線偏光となるように調整している。このため、このような界面反射光(直線偏光)の光学軸を、左楕円偏光板19の光学軸(楕円の短軸)と平行にすれば、左楕円偏光板19に入射する偏光光22の偏光状態を補正して左楕円偏光板19の楕円率に近付けることができる。
【0083】
(第4の変形例)
図8は完全透過/反射型のカラーフィルタ素子(光学素子10D)を反射型液晶表示装置(画像表示体1D)に組み込んで用いる場合の一例を示す図である。図8に示す画像表示体1Dは、光学素子10Dが、赤色、緑色及び青色の各色の画素に応じた各色の光を分離するようにパターニングされた完全透過/反射型の偏光分離素子(カラーフィルタ素子)である点、カラーフィルタ15が除かれている点、背面側の右楕円偏光板18及びバックライト光源17の代わりに吸収層20が設けられている点を除いて、他は図3及び図4に示す画像表示体1と同様である。なお、以下の説明では、図3及び図4に示す画像表示体1の場合と同様に、暗表示の画素の部分におけるバックライト光の光路及び偏光状態を中心に説明する。また、以下の説明では、青色の光を出射する画素の部分を例に挙げて説明するが、赤色の光を出射する画素の部分、及び緑色の光を出射する画素の部分での作用も基本的には同様である。
【0084】
図8に示す画像表示体1Dにおいて、観察側から入射した外光(白色光)は左楕円偏光板19に無偏光状態で入射し、左楕円偏光に変換された後、観察側基材16及び駆動液晶層14を順次通過する。
【0085】
ここで、駆動液晶層14に入射した左楕円偏光は、暗表示の画素の部分(駆動液晶層14で光の偏光状態が変えられない部分)では、偏光状態を保ったまま駆動液晶層14を通過した後、光学素子10Dの偏光分離層11Dに入射する。
【0086】
偏光分離層11Dにおいては、入射した外光(入射光21)のうち特定の波長域(青色の波長域)の右円偏光(真右円偏光)が反射され、残りの光(主として赤色及び緑色の波長域の左楕円偏光)が透過する。このうち、偏光分離層11Dで反射された光は偏光光22として観察側へ出射され、画像表示のために利用される。一方、偏光分離層11Dを透過した光は偏光光23として出射され、その一部が界面反射光24として観察側へ出射され、残りは背面側へ戻されてリサイクルされる。
【0087】
このとき、偏光分離素子11Dは真右円偏光を反射するものであるので、光学素子10Dの偏光分離層11Dに入射した左楕円偏光は、その大半が、偏光分離層11Dを透過して最終的に吸収層20で吸収される。しかしながら、偏光分離素子11Dに入射する左楕円偏光は厳密な意味での左円偏光ではないので、その一部は真右円偏光として偏光分離素子11Dで反射され、駆動液晶層14及び観察側基材16を通過した後、観察者側に設けられた左楕円偏光板19に入射する。
【0088】
なお、このようにして偏光分離層11Dで反射された真右円偏光は、その大半が左楕円偏光板19で吸収されることとなるが、左楕円偏光板19は真右円偏光を完全に吸収するものではない。このため、暗表示の画素の部分では、左楕円偏光板19を通過したときに漏れ光が生じてしまい、画像表示のコントラストが低下してしまう。
【0089】
このような状況の下で、図8に示す画像表示体1Dにおいては、光学素子10Dの偏光分離層11Dから基材13及び配向層12の側へ出射された偏光光23(真右円偏光以外の光)のうち、配向層12と基材13との界面及び偏光分離層11Dと配向層12との界面における繰り返し反射を経て出光側へ出射される界面反射光24が直線偏光となるように調整している。このため、このような界面反射光24(直線偏光)の光学軸を、左楕円偏光板19の光学軸(楕円の短軸)と平行にすれば、左楕円偏光板19に入射する偏光光22の偏光状態を補正して左楕円偏光板19の楕円率に近付けることができる。
【0090】
なお、以上において、図7及び図8に示す画像表示体1C,1Dにはカラーフィルタが設けられていないが、光の色味を調整する等の目的で、図3、図5及び図6に示す画像表示体1,1A,1Bと同様にカラーフィルタを設けるようにしてもよい。また、図3、図5及び図6に示す画像表示体1,1A,1Bにおいて、カラーフィルタ15は観察側基材16と駆動液晶層14との間に設けられているが、カラーフィルタ15は画像表示体1,1A,1B中の任意の位置に設けることが可能である。同様に、図7及び図8に示す画像表示体1C,1Dに対して選択的に設けられるカラーフィルタも画像表示体1C,1D中の任意の位置に設けることが可能である。
【0091】
また、図3、図5乃至図8に示す画像表示体1,1A,1B,1C,1Dにおいては、光学素子10から出射される界面反射光24が実質的に直線偏光である場合を例に挙げて説明しているが、楕円偏光についても、上述した直線偏光の場合と同様に、光学素子10から出射される偏光光22の偏光状態を補正するために用いることが可能である。具体的には例えば、図3に示す画像表示体1の場合には、界面反射光24を楕円偏光(好ましくは、補正対象となる偏光光22と同一の旋光方向の右楕円偏光)とし、この楕円偏光の長軸を、偏光分離層11を透過した偏光光22(右楕円偏光)の短軸と平行にすることにより、偏光分離層11を透過することにより歪んだ右楕円偏光を、偏光分離層11への入射前の右楕円偏光に近付けるように補正することが可能である。
【0092】
【実施例】
次に、上述した実施の形態の具体的実施例について述べる。
【0093】
(実施例)
まず、屈折率が1.52であるガラス基板(NA35(NHテクノグラス製))を基材として準備した。そして、この基材上に、屈折率が1.62のポリイミド膜(AL1254(JSR製))を0.17μm厚で成膜し、一軸方向にラビング処理を施すことにより、配向膜付きの基材を作製した。なお、ガラス基板及びポリイミド膜には屈折率異方性はなく、ガラス基板の屈折率はn=1.52、ポリイミド膜の屈折率はn=1.62であった。
【0094】
次に、このようにして作製された配向膜付きの基材の配向膜上にコレステリック液晶層を成膜した。なお、コレステリック液晶層は、カイラルネマチック液晶の重合体からなり、配向膜のラビング方向に沿って液晶分子の長軸を配列した。
【0095】
ここで、このようなコレステリック液晶層は、その屈折率が、液晶分子の長軸方向をx軸としたとき、(光の波長が約550nm付近において)n=1.63、n=1.53であった。また、コレステリック液晶層としては、420nm〜650nmの波長域で75%の右円偏光を反射し、残りの25%の右円偏光を透過する半透過/反射型のものを用いた。
【0096】
なお、このような実施例に係る光学素子において、上式(3)〜(6)で定義されるr1x,r1y,rは、r1x=−(n−n1x)/(n+n1x)=0.0031、r1y=−(n−n)/(n+n1y)=0.029、r=−(n−n)/(n+n)=0.032となる。
【0097】
このため、ポリイミド膜の膜厚dが0.17μmである場合の界面反射光の強度R,Rは、上式(1)〜(6)に従って計算すると、R=0.13、R=0.00となり、ポリイミド膜での繰り返し反射を経て出射される界面反射光は直線偏光となる。
【0098】
(比較例)
比較例として、配向膜であるポリイミド膜の膜厚が0.07μmである点を除いて、他は上述した実施例と全く同一である光学素子を準備した。なお、この比較例に係る光学素子において、界面反射光の強度R,Rは、上式(1)〜(6)に従って計算すると、R=0.08、R=0.39となり、ポリイミド膜での繰り返し反射を経て出射される界面反射光は左楕円偏光となる。
【0099】
(評価結果)
上述した実施例及び比較例に係る光学素子の光学特性を確かめるため、光学素子を一対の楕円偏光板で挟み込み、擬似パネルを作製した。具体的には、駆動液晶セルを用いることなく明表示及び暗表示を実現するため、右楕円偏光板及び右楕円偏光板で挟み込んだ明表示用サンプルと、右楕円偏光板及び左楕円偏光板で挟み込んだ暗表示用サンプルとを準備した。
【0100】
そして、光源としてハロゲンランプを用い、このような光源から出射された光(400〜700nmの波長域の光)をレンズ及びスリットにより平行光として明表示用サンプル及び暗表示用サンプルに照射し、明表示用サンプル及び暗表示用サンプルのそれぞれについて、ゴニオフォトメーター(アペックス製)により、光の透過率(分光スペクトル)を測定した。なお、このような測定は、明表示用サンプル及び暗表示用サンプルのそれぞれにおける貼り合わせ角度(入光側の右楕円偏光板の光学軸と配向膜のラビング方向の軸とのなす角度)を変化させた複数の条件(図9参照)の下で行った。なお、光学素子を挟み込む楕円偏光板同士の光学軸は、画像表示のコントラストが最大となる角度とした。
【0101】
その後、測定された分光スペクトルを視感度曲線で積分してY値を算出し、そのY値の比((明表示用サンプルでのY値)÷(暗表示用サンプルでのY値))をコントラストとした。
【0102】
ここで、実施例に係る光学素子と比較例に係る光学素子とを比較すると、図9に示すように、貼り合わせ角度が最適なサンプルにおいて、実施例に係る光学素子の方が比較例に係る光学素子に比べて漏れ光の強度が半分程度小さく、上述したY値の比として表されるコントラストも約2倍向上した。
【0103】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、液晶表示装置等の画像表示体に組み込まれて用いられた場合にコントラストや視認性等に優れた画像表示を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る光学素子を説明するための図。
【図2】図1に示す光学素子で生じる界面反射光の偏光状態を説明するための図。
【図3】図1に示す光学素子(広帯域偏光分離素子)が組み込まれた画像表示体(半透過型液晶表示装置)の一例を示す図。
【図4】図3に示す画像表示体におけるバックライト光の光路及び偏光状態を説明するための図。
【図5】図1に示す光学素子(広帯域偏光分離素子)が組み込まれた画像表示体(透過型液晶表示装置)の一例を示す図。
【図6】図1に示す光学素子(カラーフィルタ素子)が組み込まれた画像表示体(半透過型液晶表示装置)の一例を示す図。
【図7】図1に示す光学素子(カラーフィルタ素子)が組み込まれた画像表示体(透過型液晶表示装置)の一例を示す図。
【図8】図1に示す光学素子(広帯域偏光分離素子)が組み込まれた画像表示体(反射型液晶表示装置)の一例を示す図。
【図9】実施例及び比較例に係る画像表示体における漏れ光の強度の角度依存性を示す図。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C,1D 画像表示体
10,10A,10B,10C,10D 光学素子
11,10A,10B,10C,10D 偏光分離層(屈折率異方性層)
12 配向層
13 基材
14 駆動液晶層
15 カラーフィルタ
16 観察側基材
17 バックライト光源
18 右楕円偏光板
19,19′ 左楕円偏光板
20 吸収層
21 入射光
22,23 偏光光
24 界面反射光(繰り返し反射光)

Claims (15)

  1. 基材と、
    前記基材の表面上に積層された配向層と、
    前記配向層のうち前記基材の反対側に位置する表面上に積層され、入射光の偏光状態を制御して出光側へ偏光光を出射させる屈折率異方性層とを備え、
    前記入射光に起因した界面反射光であって前記配向層と前記基材との界面及び前記屈折率異方性層と前記配向層との界面における繰り返し反射を経て前記出光側へ前記偏光光とともに出射される界面反射光が実質的に直線偏光となるよう、前記基材の屈折率及び前記屈折率異方性層の屈折率を基準にして、前記配向層の屈折率及び膜厚が調整されていることを特徴とする光学素子。
  2. 前記界面反射光の層面内のx軸方向及びy軸方向に関しての強度R,Rが、次式(1)〜(6)、すなわち
    Figure 2004347796
    (ここで、
    1x:屈折率異方性層の異常光屈折率(x軸方向の成分)
    1y:屈折率異方性層の常光屈折率(y軸方向の成分)
    :配向層の屈折率
    :基材の屈折率
    1x:屈折率異方性層と配向層との間の振幅反射率(x軸方向の成分)
    1y:屈折率異方性層と配向層との間の振幅反射率(y軸方向の成分)
    :配向層と基材との間の振幅反射率
    d:配向層の膜厚
    λ:入射光の波長
    δ:繰り返し反射における隣り合う光同士の位相差
    である。)
    と表されるときに、前記界面反射光の強度R,Rが次式(7)、すなわち
    |log(R/R)|≧0.8 … (7)
    を満たす範囲にあるように、前記基材の屈折率n及び前記屈折率異方性層の屈折率n1x,n1yを基準にして、前記配向層の屈折率n及び膜厚dが調整されていることを特徴とする、請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記屈折率異方性層は、前記入射光を少なくとも2つの偏光状態の光に分離する偏光分離層であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光学素子。
  4. 前記偏光分離層が前記基材及び前記配向層からみて前記出光側に配置されており、前記屈折率異方性層で分離された一方の偏光状態の光が前記出光側へ出射されるとともに、他方の偏光状態の光が前記基材及び前記配向層の側へ出射されることを特徴とする、請求項3に記載の光学素子。
  5. 前記偏光分離層は、前記配向層の配向規制力により配向された液晶層からなることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光学素子。
  6. 前記液晶層は、コレステリック規則性を有する液晶層であることを特徴とする、請求項5に記載の光学素子。
  7. 前記配向層の屈折率及び膜厚は前記入射光の波長が約550nm付近である場合を基準にして調整されていることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光学素子。
  8. 前記配向層は、層面内で複数の領域にパターニングされていることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光学素子。
  9. 前記配向層の前記各領域は、互いに異なる光学機能を有することを特徴とする、請求項8に記載の光学素子。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の光学素子と、
    前記光学素子を介して出射される特定の偏光状態の光を利用して画像表示を行う表示素子とを備え、
    前記光学素子の光学軸と前記表示素子の光学軸とが画像表示のコントラストが最大となるような関係で配置されていることを特徴とする画像表示体。
  11. 印加電圧に応じて光の偏光状態を変化させることにより明暗制御を行う駆動液晶層と、
    前記駆動液晶層の背面側から無偏光状態の白色光を照射するバックライト光源と、
    前記駆動液晶層と前記バックライト光源との間に設けられ、一方の旋光方向の円偏光成分を透過する背面側楕円偏光板と、
    前記駆動液晶層の観察側に設けられ、前記一方の旋光方向の円偏光成分とは異なる他方の旋光方向の円偏光成分を透過する観察側楕円偏光板と、
    前記駆動液晶層と前記背面側楕円偏光板との間に設けられ、可視光領域をカバーする広帯域の波長域に属する前記一方の旋光方向の円偏光成分を所定の割合で反射する一方で、所定の割合で反射されずに透過した前記一方の旋光方向の円偏光成分及び前記他方の旋光方向の円偏光成分を含む光を透過する半透過型の広帯域偏光分離素子とを備え、
    前記広帯域偏光分離素子は、基材と、前記基材の表面上に積層された配向層と、前記配向層のうち前記基材の反対側に位置する表面上に積層され、前記背面側から入射したバックライト光又は前記観察側から入射した外光の偏光状態を制御して前記観察側へ偏光光を出射させる偏光分離層とを有し、前記偏光分離層は前記基材及び前記配向層からみて前記観察側に配置されており、前記バックライト光又は前記外光に起因した界面反射光であって前記配向層と前記基材との界面及び前記偏光分離層と前記配向層との界面における繰り返し反射を経て前記観察側へ前記偏光光とともに出射される界面反射光が楕円偏光であり、かつ、この楕円偏光の長軸が、前記偏光分離層を透過することにより歪んだ前記一方の旋光方向の円偏光成分の短軸と平行であることを特徴とする画像表示体。
  12. 前記界面反射光は、実質的に直線偏光であることを特徴とする、請求項11に記載の画像表示体。
  13. 前記広帯域偏光分離素子の前記偏光分離層は、前記配向層の配向規制力により配向された、コレステリック規則性を有する液晶層であることを特徴とする、請求項11又は12に記載の画像表示体。
  14. 前記駆動液晶層を通過した白色光を、赤色、緑色及び青色の各色の画素に応じた各色の光に分離するよう層面内で複数の領域にパターニングされたカラーフィルタをさらに備えたことを特徴とする、請求項11乃至13のいずれか一項に記載の画像表示体。
  15. 前記広帯域偏光分離素子の前記配向層は、前記カラーフィルタの前記各領域に対応して層面内でパターニングされた複数の領域を有し、当該各領域は光の波長域に応じて互いに異なる光学機能を有することを特徴とする、請求項14に記載の画像表示体。
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