JP2004347538A - 抗ガン剤効力の判定方法およびこれに用いられる判定キット - Google Patents

抗ガン剤効力の判定方法およびこれに用いられる判定キット Download PDF

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Abstract

【課題】抗ガン剤の効力を、より正確に判定することが可能な抗ガン剤効力の判定方法およびこれに用いられる判定キットを提供する。
【解決手段】抗ガン剤、特にチロシンキナーゼ阻害剤の効力を判定する際に、Jab1タンパク質を判定の指標として用い、Jab1タンパク質の存在形態を確認する。この存在形態としては、分子量120kDaのJab1小複合体が挙げられ、p27タンパク質の発現を確認することで、抗ガン剤の効力に感受性を有しているタイプをより正確に判定することができる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガン患者に投与する抗ガン剤が有効であるかを判別する抗ガン剤効力の判定方法およびこれに用いられる判定キットに関するものであり、例えば、慢性骨髄性白血病(CML)の治療に用いられるチロシンキナーゼ阻害剤が有効であるか否かを判別するために特に好ましく用いられる判定方法およびこれを実施するために用いられる判定キットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガンの治療においては、抗ガン剤を用いた化学療法が大きな割合を占めている。しかしながら、抗ガン剤の効力の予測が困難であること、副作用として患者の精神的・肉体的苦痛が大きいこと等が大きな問題となっている。それゆえ、あるガン患者に対して特定の抗ガン剤が有効であるか否か、すなわち、抗ガン剤の効力の予測は、化学療法において重要なポイントとなる。
【0003】
例えば、慢性骨髄性白血病(以下、適宜CMLと略す)においては、特異的な抗ガン剤としてチロシンキナーゼ阻害剤が開発されている。このチロシンキナーゼ阻害剤は、CMLにおいてガン細胞に生じた遺伝子異常をターゲットとし、正常細胞への影響を最小限に留める効果を有しており、代表的なものとして、グリベック(ノバルティス社 登録商標)が知られている。
【0004】
上記チロシンキナーゼ阻害剤の作用について具体的に説明すると、CMLの原因因子としてBcr−Abl遺伝子が知られており、この遺伝子はP210タンパク質をコードしている。上記チロシンキナーゼ阻害剤は、このP210タンパク質のチロシンキナーゼ活性を阻害し、アポトーシスを誘導することによって、白血球の異常増殖を抑制する。
【0005】
それゆえ、抗ガン剤としてチロシンキナーゼ阻害剤を用いる場合、あるCML患者に対してチロシンキナーゼ阻害剤が有効であるか否かを判別する方法、すなわちチロシンキナーゼ阻害剤の効力の判別方法は、従来では、Bcr−Abl遺伝子の存在およびその発現によりなされていた(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
ところで、最近、チロシンキナーゼ阻害剤に対して耐性を有する突然変異を持ったBcr−Abl変異遺伝子や、多重突然変異の結果、Bcr−Abl遺伝子がコードするP210タンパク質の活性には依存しないガン細胞の例が報告されている(例えば、非特許文献2参照)。これは、ガン細胞は遺伝的変異を蓄積しつづける場合が多いことによると考えられる。
【0007】
また、本発明者等は、Jab1タンパク質がp27タンパク質と特異的に結合すること、およびJab1タンパク質がp27タンパク質の細胞内局在的な分解に関与しているとの知見を報告した(例えば非特許文献3および4参照)。
【0008】
なお、本発明者らは、Bcr−AblによってJab1の発現が制御を受け、p27の分解誘導には働くことがガン化の一因となる可能性を示す知見を報告している(非特許文献5参照)。
【0009】
【非特許文献1】
Manley PW et al. Eur J Cancer. 2002 Sep;38 Suppl 5:S19−27.
【0010】
【非特許文献2】
Hochhaus A et al. Leukemia. 2002 Nov;16(11):2190−6.
【0011】
【非特許文献3】
Tomoda K et al. Nature. 1999 Mar 11;398(6723):160−5.
【0012】
【非特許文献4】
Tomoda K et al. J Biol Chem. 2002 Jan 18;277(3):2302−10.
【0013】
【非特許文献5】
第25回日本分子生物学会年会プログラム・講演要旨集、2P−0760(第25回日本分子生物学会年会組織委員会、2002年11月25日発行)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、Bcr−Abl変異遺伝子の存在やP210タンパク質の活性に依存しないガン細胞の存在は、Bcr−Abl遺伝子を指標とする上記従来の判別方法を不正確なものとすることになる。
【0015】
したがって、上記従来の判別方法を用いた場合、本来チロシンキナーゼ阻害剤に陰性の患者が、誤って陽性と判断される可能性が生じる。そのため、その患者にチロシンキナーゼ阻害剤を投与しても効力が得られないにも関わらず、不必要な投与がなされてしまう。このような事態は、抗ガン剤の有効性を低下させるだけでなく、患者に対して抗ガン剤による副作用や多額の出費を強いることになる。
【0016】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、その目的は、抗ガン剤であるチロシンキナーゼ阻害剤の効力を、より正確に判定することが可能な抗ガン剤効力の判定方法およびこれに用いられる判定キットを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題に鑑み鋭意検討した結果、Cdkインヒビターp27タンパク質に特異的に結合する分子であるJab1タンパク質に、複数の存在形態があり、そのうちの一つの形態が、チロシンキナーゼ阻害剤の効力と対応することを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0018】
すなわち、本発明にかかる抗ガン剤効力の判定方法は、上記の課題を解決するために、ガン治療に用いられる抗ガン剤の効力を判定する方法であって、検体試料中に含まれるJab1タンパク質を判定の指標として用いることを特徴としている。
【0019】
上記抗ガン剤効力の判定方法では、ガン細胞を含む検体試料から抽出液を調製する抽出液調製工程と、当該抽出液に含まれるJab1タンパク質の存在形態を確認するJab1確認工程とを含むことが好ましく、さらには、上記抽出液を分子量分画する分画工程を含んでおり、上記Jab1確認工程では、分画された抽出液を用いることがより好ましい。
【0020】
上記Jab1確認工程では、上記Jab1タンパク質が形成しているJab1複合体の分子量を基準として、Jab1タンパク質の存在形態を確認することが好ましい。ここで、上記Jab1複合体としては、分子量450kDaのJab1大複合体か、または分子量120kDaのJab1小複合体が存在しており、Jab1小複合体が抗ガン剤の効力に感受性を有しているため、上記Jab1確認工程では、Jab1小複合体の発現量を確認することによりJab1タンパク質の存在形態を確認することが好ましい。
【0021】
さらに、本発明にかかる抗ガン剤効力の判定方法では、検体試料中に含まれるp27タンパク質の発現を確認するp27確認工程を含むことが好ましい。これは、上記Jab1小複合体の存在形態には、複数のサブタイプがあり、抗ガン剤の効力に感受性を有しているタイプと感受性を有さないサブタイプとが存在するため、p27タンパク質の発現により、抗ガン剤の効力に感受性を有しているタイプをより正確に判定するためである。
【0022】
上記Jab1確認工程およびp27確認工程の少なくとも一方では、電気泳動によりJab1小複合体またはタンパク質の発現量を確認すればよいが、上記Jab1確認工程では、上記電気泳動として、ネイティブポリアクリルアミドゲル電気泳動が用いられることが好ましい。これは、タンパク質の変性により、Jab1小複合体が解離してその存在を十分に確認できなくなることを回避するためである。
【0023】
また、上記Jab1確認工程では、上記Jab1タンパク質に特異的に結合する抗体を用いて、上記抽出液からJab1小複合体を検出することが好ましい。同様に、上記p27確認工程では、上記p27タンパク質に特異的に結合する抗体を用いて、上記抽出液からp27タンパク質を検出することが好ましい。ここで用いられる上記抗体は、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体であればよい。
【0024】
本発明にかかる抗ガン剤効力の判定方法が適用可能なガンとしては、特に限定されるものではないが、白血病であることが好ましく、慢性骨髄性白血病であることがより好ましい。また、本発明にかかる抗ガン剤効力の判定方法が適用可能な抗ガン剤としては、特に限定されるものではないが、チロシンキナーゼ阻害剤であることが好ましい。さらに、本発明にかかる抗ガン剤効力の判定方法は、抗ガン剤の投与前に実施されることが非常に好ましい。
【0025】
本発明にかかる抗ガン剤効力判定キットは、上記抗ガン剤効力の判定方法を実施するために用いられるものであり、具体的には、例えば、ガン細胞を含む検体試料から調製された抽出液に含まれるJab1タンパク質の発現状態を確認する試薬群を含む構成を挙げることができる。上記試薬群には、Jab1タンパク質に特異的に結合する抗体が含まれていることが好ましく、上記Jab1複合体のうち、少なくともJab1小複合体が、ポリアクリルアミドゲル電気泳動用のマーカーとして上記試薬群に含まれていることが好ましい。
【0026】
上記構成によれば、Jab1タンパク質を判定の指標として用い、特に、Jab1タンパク質の存在形態を確認するため、抗ガン剤に対するガンの感受性を評価することが可能となる。それゆえ、抗ガン剤の投与前に、当該抗ガン剤の効力があることを正確に判定することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について説明すれば、以下の通りである。なお、本発明は、これに限定されるものではない。
【0028】
本発明は、慢性骨髄性白血病(Chronic Myelogenous Leukemia、CML)に対する抗ガン剤の効力(薬効)を、抗ガン剤の投与前に判定するために、ガン患者から得られる検体試料中に含まれるJab1タンパク質を指標として用いる。これにより、抗ガン剤の効力を使用前に判定・予測できるので、患者ごとに適格に抗ガン剤を事前選択することが可能になる。
【0029】
以降の説明では、本発明にかかる判定方法の具体的な構成の一例、これに用いられる判定キットの一例、本発明の利用についてそれぞれ説明する。
【0030】
(I)抗ガン剤効力の判定方法
本発明にかかる判定方法は、ガン治療に用いられる抗ガン剤の効力を判定する方法であって、検体試料中に含まれるJab1タンパク質を判定の指標として用いるものである。Jab1タンパク質を指標として用いる具体的な手法は特に限定されるものではなく、Jab1タンパク質の発現状態を確認できる方法であればよい。
【0031】
<Jab1タンパク質およびJab1複合体>
上記Jab1タンパク質は、サイクリン依存性キナーゼ(Cdk、細胞周期の制御に働いているタンパク質であるサイクリンに制御されてリン酸化を行う酵素)インヒビターであるp27タンパク質と特異的に結合し、細胞内局在依存的にp27タンパク質の分解に関与する因子として同定されている。ガン細胞の最大の特徴は異常増殖にあり、細胞周期、特にG1期制御機構の逸脱がガン化の一つの要因となる。上記p27タンパク質はG1期進行を負に制御する分子であり、様々なガンにおいてp27タンパク質の発現量の低下とガンの悪性度とが逆相関することが示されている。
【0032】
ここで、本発明者らは、種々の白血病由来細胞におけるJab1タンパク質の発現状態を確認したところ、Jab1タンパク質は他の因子と複合体を形成しており、この複合体(Jab1複合体)としては、分子量450kDaのCOPシグナロソーム複合体(Jab1大複合体)か、または分子量120kDaのJab1小複合体が存在していることを見出した。
【0033】
このうち、Jab1大複合体は、すべての細胞に共通して存在しているのに対して、Jab1小複合体は、Bcr−Abl遺伝子を発現するガン細胞のみに存在するということが明らかとなった。このBcr−Abl遺伝子は、CML患者の90%以上でみられるフィラデルフィア染色体上にある遺伝子で、第9番染色体と第22番染色体間の転座により生ずるキメラ遺伝子である。第9染色体にあるAbl遺伝子は、非受容体型のチロシンキナーゼをコードしており、ガン遺伝子であるv−abl遺伝子にコードされるタンパク質は強いキナーゼ活性を有しているが、正常型のabl遺伝子にコードされるタンパク質はほとんどチロシンキナーゼ活性を有していない。Bcr遺伝子は第22番染色体上にある遺伝子で、セリンキナーゼをコードしている。これら遺伝子が融合してできたBcr−Abl遺伝子は、強いセリン、チロシンキナーゼ活性を有するタンパク質(P210タンパク質)をコードすることが知られている。
【0034】
また、Bcr−Abl遺伝子のコードするP210タンパク質のチロシンキナーゼ活性を阻害すると、上記Jab1大複合体の量は変化しないが、Jab1小複合体の量が減少することが明らかとなった。逆に、Bcr−Abl遺伝子の発現を誘導すると、上記Jab1大複合体の量は変化しないが、Jab1小複合体の量は増加することも明らかとなった。上記Jab1小複合体には、さらに、電気泳動における移動度の異なる少なくとも2種類以上の形態が存在していることも明らかとなった(非特許文献5および後述する実施例1参照)。
【0035】
上記の結果から、Jab1複合体のうちJab1小複合体はBcr−Abl遺伝子によって制御されているということが明らかとなった。
【0036】
また、本発明者らは、抗ガン剤としてチロシンキナーゼ阻害剤を用いて、上記2種類のJab1小複合体と抗ガン剤の効力との関係を検討したところ、一方のJab1小複合体は、チロシンキナーゼ阻害剤を作用させると、その量が減少し、p27タンパク質の量が増加することが明らかとなった。これに対して、他方のJab1小複合体は、チロシンキナーゼ阻害剤を作用させると、Jab1小複合体量が減少するにも関わらず、p27タンパク質の量は変化しないことが明らかとなった(非特許文献5および後述する実施例2参照)。
【0037】
上記の結果から、Jab1小複合体の存在形態の違いが、p27タンパク質の発現を制御する要因の一つであり、チロシンキナーゼ阻害剤に対する感受性に関与しているということが明らかとなった。
【0038】
これら知見をまとめると、本発明者らによって、Jab1タンパク質はBcr−Abl遺伝子の下流、かつp27遺伝子の上流で作用すること、さらにはJab1タンパク質の存在形態は複数存在し、そのうちの一つの形態とチロシンキナーゼ阻害剤の効力が対応することが見出された。
【0039】
それゆえ、特に、チロシンキナーゼ阻害剤を抗ガン剤として用いる場合に、当該抗ガン剤をガン患者に投与する前に、ガン患者から得られた検体試料中のJab1タンパク質の存在形態を観察することにより、当該抗ガン剤の効力を判定することが可能となる。
【0040】
<判定方法の一例>
本発明にかかる抗ガン剤効力の判定方法としては、上述したように、検体試料中のJab1タンパク質の存在形態を確認する方法であれば特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、抽出液調製工程、分画工程、Jab1確認工程、p27確認工程を含む判定方法を挙げることができる。
【0041】
本発明で用いられる検体試料としては、ガン細胞を含むか、その可能性のある検体試料であれば特に限定されるものではないが、本発明は、CMLに特異的な抗ガン剤であるチロシンキナーゼ阻害剤を用いるため、末梢血あるいは骨髄液等の白血球を含む検体試料を好ましく挙げることができる。より具体的には、リンパ球(T細胞・B細胞)、顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球)、単球並びにマクロファージ、マスト細胞、ナチュラルキラー細胞等の白血球や、造血幹細胞またはリンパ球幹細胞の少なくとも何れかを含む検定試料を挙げることができる。
【0042】
本発明で用いられる検体試料としては、上記白血球が含まれている血液や骨髄液あるいは体液等をヒトから採取し、これをそのまま検体試料として用いてもよいし、採取した血液や体液に対して従来公知の処理を施すことによって、分子生物学的な分析を実施し易い分析用検体試料としてもよい。
【0043】
上記抽出液調製工程は、上記検体試料から抽出液を調製する工程であれば特に限定されるものではない。具体的には、例えば、検体試料から分離された細胞を破壊し、その後適当な緩衝液に溶解または懸濁させることにより調製すればよい。上記細胞の破壊方法は特に限定されるものではなく、超音波破砕法等、公知の技術を用いることができる。
【0044】
上記分画工程は、上記抽出液調製工程で得られた抽出液を分子量分画する工程であれば特に限定されるものではない。具体的には、例えば、ネイティブポリアクリルアミドゲル電気泳動(Native−PAGE)、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)、アガロースゲル電気泳動等の電気泳動法;グリセロール等を用いた密度勾配法;限外濾過膜を用いた方法;ゲル濾過法;等を挙げることができる。これら各方法を実施する場合の条件や、分画した画分の回収方法等も特に限定されるものではない。
【0045】
上記Jab1確認工程は、当該抽出液に含まれるJab1タンパク質の存在形態を確認する工程であれば特に限定されるものではない。なお、本発明では、Jab1確認工程において、上記分画工程で分画された抽出液を用いることが好ましい。これは、Jab1タンパク質の存在形態をより正確に確認するためである。しかしながら、Jab1確認工程では、Jab1タンパク質の存在形態を十分に確認できるのであれば、必ずしも分画工程を経た抽出液を用いる必要はなく、粗抽出液を用いてもよい。
【0046】
上記Jab1確認工程におけるJab1タンパク質の存在形態を確認する手法としては、具体的には、Jab1タンパク質が形成しているJab1複合体の分子量を基準とする手法を挙げることができる。上述したように、Jab1複合体としては、分子量450kDaのJab1大複合体か、または分子量120kDaのJab1小複合体が存在している。このうち、Bcr−Abl遺伝子に制御されているのはJab1小複合体であるため、上記Jab1確認工程では、Jab1小複合体の発現量を確認することによりJab1タンパク質の存在形態を確認すればよい。
【0047】
ここで、上記Jab1小複合体の存在形態には、少なくとも二種類のサブタイプがあり、このうちチロシンキナーゼ阻害剤の効力に感受性を有しているタイプでは、チロシンキナーゼ阻害剤を作用させると、Jab1小複合体の量が減少し、p27タンパク質の量が増加する。それゆえ、本発明にかかる判定方法では、Jab1確認工程とともに、検体試料中に含まれるp27タンパク質の発現を確認するp27確認工程を実施することが好ましい。
【0048】
Jab1確認工程およびp27確認工程におけるより具体的な確認手法としては、特に限定されるものではなく、公知の手法を用いることができるが、一般的には、電気泳動によりその発現量を確認する手法を好ましく用いることができる。このとき用いられる電気泳動法としては、上記分画工程で説明した各種電気泳動法を挙げることができるが、中でも、Jab1確認工程ではNative−PAGEが用いられることが非常に好ましい。
【0049】
上述したように、Jab1確認工程で確認するJab1タンパク質は複合体を形成している。そのため、SDS−PAGEのようにタンパク質を変性させて電気泳動する手法では、Jab1複合体(Jab1小複合体)の存在を十分に確認することが困難となる。それゆえ、本発明では、特に、Jab1確認工程ではNative−PAGEを用いることが非常に好ましい。
【0050】
上記Jab1確認工程におけるJab1小複合体の検出手法は特に限定されるものではないが、一般的には、Jab1タンパク質に特異的に結合する抗体(抗Jab1抗体)を用いればよい。より具体的な検出手法としては、公知の手法であれば特に限定されるものではないが、例えば、酵素標識および/またはラジオアイソトープで標識した抗Jab1抗体を用い、公知のウエスタンブロット法を用いて検出する手法を好ましく用いることができる。また、Jab1確認工程で用いられる抽出液が密度勾配法で分画したサンプルである場合には、公知のドットブロット法で検出すればよい。
【0051】
上記p27確認工程におけるp27タンパク質の検出手法も特に限定されるものではないが、上記Jab1確認工程と同様に、p27タンパク質に特異的に結合する抗体(抗p27抗体)を用いればよい。より具体的な検出手法も上記Jab1確認工程と同様特に限定されるものではなく、公知のウエスタンブロット法等を用いることができる。
【0052】
上記Jab1確認工程で用いられる抗Jab1抗体や、p27確認工程で用いられる抗p27抗体は、抗原であるJab1タンパク質やp27タンパク質の少なくとも一部の構造を抗原決定基として認識し、これらタンパク質を免疫学的に確実に検出できる抗体であれば特に限定されるものではなく、ポリクローナル抗体であってもよいし、モノクローナル抗体であってもよい。中でも、より特異性の高いモノクローナル抗体が好ましい。
【0053】
上記抗Jab1抗体または抗p27抗体は、従来公知の方法で製造してもよいし、市販の抗体を用いてもよい。これら抗体の製造方法としては特に限定されるものではないが、例えば、モノクローナル抗体であれば、Jab1タンパク質やp27タンパク質で免疫したマウス脾臓リンパ球とマウスの骨髄細胞とを融合させてなるハイブリドーマにより産生する手法が挙げられる。また、ポリクローナル抗体であれば、Jab1タンパク質やp27タンパク質で免疫したウサギの免疫血清から精製する手法が挙げられる。
【0054】
本発明にかかる判定方法の実施のタイミングは特に限定されるものではないが、原則として抗ガン剤がガン患者に投与される前に実施することが非常に好ましい。抗ガン剤投与前に、抗ガン剤の効力を判定することで、抗ガン剤の有効性を向上させることができることに加えて、ガン患者に対して、抗ガン剤による副作用を強いることを回避でき、さらには、本来必要の無い抗ガン剤によって多額の出費が生じるような事態も回避することが可能となる。
【0055】
なお、本実施の形態で説明した上記判定方法には、他の工程(プロセス)や他の段階(ステップ)が含まれていてもよいことは言うまでも無い。また上述した各工程のうち、幾つかの工程は必要に応じて実施する順序を入れ替えても良い。
【0056】
このように、本発明にかかる判定方法を用いれば、Jab1タンパク質を判定の指標として用い、特に、Jab1タンパク質の存在形態を確認することにより、チロシンキナーゼ阻害剤に対するガンの感受性を評価することが可能となる。それゆえ、抗ガン剤の投与前に、特異的抗ガン剤であるチロシンキナーゼ阻害剤の効力があることを正確に判定することが可能となる。
【0057】
(II)抗ガン剤効力判定キット
本発明にかかる抗ガン剤効力判定キットは、上述した抗ガン剤効力の判定方法を実施するために用いられるものであり、上記判定方法を実施するための必要最低限の試薬類や素材類が含まれていれば、その構成は特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、Jab1タンパク質の発現状態を確認する試薬群を含む構成を挙げることができる。
【0058】
上記試薬群としては、例えば、ガン細胞を含む検体試料から抽出液を調製する際に好適な組成を有する緩衝液、Jab1確認工程で用いられる抗Jab1抗体、p27確認工程で用いられる抗p27抗体、分画工程を実施する場合に用いられる分画用試薬類(例えば、密度勾配法に用いられるグリセロール)等を挙げることができるが特に限定されるものではない。
【0059】
ここで、本発明にかかる判定方法では、Jab1確認工程やp27確認工程において、Native−PAGEと、それに続くウエスタンブロットとを実施することが好ましい。そのため、本発明にかかる判定キットには、Native−PAGEにおけるマーカーとなるタンパク質や、上記抗Jab1抗体および/または抗p27抗体等が含まれていることが好ましい。
【0060】
上記マーカーとなるタンパク質としては、Jab1複合体のうち、少なくとも分子量120kDaのJab1小複合体が含まれていることが好ましく、さらには分子量450kDaのJab1大複合体が含まれているとより好ましい。また、p27タンパク質も含まれていることが好ましい。これらタンパク質は、PAGEで明確に分子量が分かる程度に精製されていればよい。また、これらタンパク質は、それぞれ独立してマーカーとして用いられてもよいし、それぞれを混合した混合マーカーとして用いられてもよい。
【0061】
さらに、本発明にかかる判定キットには、上記試薬群以外の要素が含まれていてもよい。例えば、抽出液を分注するために好ましいサイズのマイクロチューブ等の素材(マテリアル)がキットに含まれていてもよい。また、本発明にかかる判定キットは、本発明を適用可能な抗ガン剤に組み合わせて用いられてもよい。すなわち、本発明にかかる判定キットには、チロシンキナーゼ阻害剤等の抗ガン剤が含まれていてもよい。この場合のキットは、判定キットというよりも、抗ガン剤使用キットと言うことができる。
【0062】
このように、本発明にかかる判定方法をキット化することによって、ガン患者の抗ガン剤に対する効力の判定を、より簡便かつ正確に実施することが可能となる。それゆえ、本発明を臨床検査産業や医薬品産業等の産業レベルで利用することが可能となる。
【0063】
(III)本発明の利用
本発明者らは、ガン悪性化の負のマーカーであるp27タンパク質(Cdkインヒビター)の発現を指標として、Bcr−Abl遺伝子が関与する細胞内シグナル伝達の経路を調べた結果、Jab1タンパク質がBcr−Abl遺伝子の下流でp27遺伝子の上流で作用すること、さらにはJab1タンパク質の存在形態(Jab1複合体)は複数存在し、そのうちの一つの形態と特異的抗ガン剤であるチロシンキナーゼ阻害剤の効力が対応することを見出した。それゆえ、本発明にかかる判定方法および/または判定キットの利用範囲は、上記Bcr−Abl遺伝子が関与するガンを化学療法で治療する場合に広く用いることができる。
【0064】
具体的には、本発明が適用可能なガンとしては、活性化型チロシンキナーゼを有するガンであれば特に限定されるものではなく、例えば、白血病、小胞性肺ガン、前立腺ガン、乳ガン、すい臓ガン、軟部肉腫、消化器の固形ガンの一種ヒト消化管ストーマ細胞腫瘍(GIST)等を挙げることができる。中でも、白血病が好ましく、その中でもCMLがより好ましい。
【0065】
また、本発明が適用可能な抗ガン剤としては、チロシンキナーゼ阻害剤であれば特に限定されるものではない。代表的なチロシンキナーゼ阻害剤としては、スイスのノバルティス社により開発・実用化された慢性骨髄性白血病治療薬、商品名「グリベック(登録商標)」(STI571)を挙げることができる。グリベックの化合物名はイマチニブメシレートで、CML患者のBcr−Abl遺伝子にコードされているP210タンパク質のATP結合部位に選択的に結合するように分子設計がなされている。その詳しい作用機序は不明であるが、P210タンパク質のチロシンキナーゼ活性を阻害し、アポトーシスを誘導白血球の異常増殖を抑えると考えられている。本発明を用いれば、このグリベックの抗ガン効力を正確に判定することが可能となる。また本発明は、その他アストロゼネガ社製商品名「イレッサ(登録商標)」、および日本ロッシュ商品名「ハーセプチン(登録商標)」等に適応可能である。
【0066】
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。それゆえ、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0067】
【実施例】
以下、本発明を実施例および図1〜図7に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、各実施例において用いた細胞株および具体的な実験方法について先に説明する。
【0068】
〔実験方法〕
(1)使用した白血病由来細胞株
HL60:ヒト急性前骨髄球性白血病細胞株。Bcr−Ablタンパク質の発現なし。Bcr−Abl阻害剤に耐性。
THP101:ヒト急性単球性白血病細胞株。Bcr−Ablタンパク質の発現なし。Bcr−Abl阻害剤に耐性。
HEL:ヒト赤血球性白血病細胞株。Bcr−Ablタンパク質の発現なし。Bcr−Abl阻害剤に耐性。
CMK:ヒト巨核球性白血病細胞株。Bcr−Ablタンパク質の発現なし。Bcr−Abl阻害剤に耐性。
KH:ヒト骨髄球性由来細胞株。Bcr−Ablタンパク質の発現なし。Bcr−Abl阻害剤に耐性。
K562:ヒトCML由来細胞株。Bcr−Ablタンパク質の発現あり。Bcr−Abl阻害剤に感受性。
MEG:ヒトCML由来細胞株。Bcr−Ablタンパク質の発現あり。Bcr−Abl阻害剤に感受性。
TS9.22:ヒトCML由来細胞株。Bcr−Ablタンパク質の発現あり。Bcr−Abl阻害剤に感受性。
MOLM1:ヒトCML由来細胞株。Bcr−Ablタンパク質の発現あり。Bcr−Abl阻害剤に感受性。
KYO−1:ヒトCML由来細胞株。Bcr−Ablタンパク質の発現あり。Bcr−Abl阻害剤に耐性。Leukemia Research 9: 921−926,(1985)参照。
BAF3:マウスpro−B細胞株。
TonB:BAF3由来で、テトラサイクリンまたはそのアナログであるDoxycyclin(Dox.)処理により、Bcr−Abl遺伝子の発現を誘導することができる細胞株。文献Klucher KM, Lopez DV, Daley GQ. Secondary mutation maintains the transformed state in BaF3 cells with inducible BCR/ABL expression. Blood 91:3927−3934,1998参照。
【0069】
(2)実験に使用した阻害剤
MG132:プロテアソーム阻害剤である。
LLM:カルパイン阻害剤である。
LMB:核外移行阻害剤である。
Cur.:CSN付随タンパクキナーゼ阻害剤である。
H89:Aキナーゼ阻害剤である。
Stau.:タンパクキナーゼ阻害剤である。
PD:MAPキナーゼ阻害剤である。
Wort.:PI3キナーゼ阻害剤である。
【0070】
(3)実験方法
〔細胞抽出液の調製〕
検体試料中の細胞を遠心分離によって集め、生理食塩水で洗浄し、最少量の抽出緩衝液(50mM Tris, pH8.0;120mM NaCl, 1mM EDTA, 0.1% Digitonin)を加えてよく懸濁し溶解させる。遠心分離にて不可溶性の成分を除き、上澄みの可溶性成分を細胞抽出液とした。
【0071】
〔Native−PAGE・SDS−PAGE・ウエスタンブロッティング・ノーザンブロッティング〕
標準の方法で行った。
【0072】
〔グリセロール直線密度勾配による分画〕
1ml細胞抽出液を10mM Tris−HCl(pH8.0);120mMNaCl;1mM EDTAと1mM β−MEを含有する10%〜40%のグリセロールのグラジェントに供した。4℃、27,000rpmで24時間遠心分離後(ベックマン Ti40ローター使用)、底部から0.5mlをフラクションとして回収した。
【0073】
〔チロシンキナーゼ阻害剤による処理〕
1〜2μMのSTI571を、細胞培養用の培地に直接加え処置した。
【0074】
〔実施例1:各種白血病由来細胞株におけるp27タンパク質の量、およびJab1複合体の関係の解析〕
白血病由来細胞株として、HL60、KYO−1、THP101、K562、HEL、Mak3、CMK、およびKHを用いた。これら細胞から、細胞抽出液を調製し、p27タンパク質、Jab1タンパク質、Skp2タンパク質、β―アクチンの発現量をウエスタンブロッティング法により検出した。その結果を図1Aに示す。なお、Skp2タンパク質、β―アクチンおよびGAPDHタンパク質は、解析サンプルが等量であることの指標である。
【0075】
次に、上記白血病由来細胞株のうち、HL60、KYO−1、K562、およびHELについて、これら細胞からRNAを抽出し、p27タンパク質、Jab1タンパク質、GAPDHタンパク質のmRNA発現量をノーザンブロッティングにより検出した。その結果を図1Bに示す。なお、GAPDHタンパク質は解析サンプルが等量であることの指標である。
【0076】
次に、上記白血病由来細胞株のうち、K562およびKYO−1について、これら細胞から細胞抽出液を調製し、10〜40%グリセロール直線密度勾配法を用いて細胞抽出液を分画した。フラクションNo.11、13、15、17および19の各画分に含まれるJab1タンパク質について、SDS−PAGEを実施した後、ウエスタンブロッティング法により検出した。その結果を図1Cに示す。
【0077】
次に、K562から細胞抽出液を調製し、Native−PAGEを行った後、抗Jab1抗体を用いてJab1複合体を検出した。その結果を図1Dの左側のパネルに示す。また、上記と同様、10〜40%グリセロール直線密度勾配法を用いて分画した細胞抽出液のフラクションNo.11、13、15、17および19の各画分について、SDS−PAGEを実施した。その結果を図1Dの右上パネルに示す。さらに、同じフラクションNo.の各画分をNative−PAGEにかけ、抗Jab1抗体を用いてウエスタンブロッティング法によってJab1複合体を検出した。その結果を図1Dの右下パネルに示す。なお、図1Dにおける“COP9 complex”がJab1複合体のうちJab1大複合体を示し、“Small complex”がJab1小複合体を示す。
【0078】
図1A〜Dの結果から、種々の白血病由来細胞間でp27タンパク質の発現量に大きな差異があること、および、この差異はmRNAに依存していない、つまり転写レベルの制御は受けていないことが明らかとなった。したがって、p27タンパク質の量は、発現レベルで何らかの制御を受けていることがわかる。
【0079】
〔実施例2:白血病由来細胞間におけるJab1小複合体量の比較〕
実施例1で調製した各種白血病由来細胞株の細胞抽出液について、Native−PAGEを実施した後、抗Jab1抗体を用いてウエスタンブッロッティングを行った。その結果を図2Aに示す。なお、この図でも“COP9 complex”がJab1大複合体を示し、“Small complex”がJab1小複合体を示す。
【0080】
次に、白血病由来細胞株のうち、CML由来細胞株として、K562、KYO−1、MEG、TS9.22、およびMOLM1を選択するとともに、非CML由来細胞株として、CMKおよびHELを選択し、これら細胞から細胞抽出液を調製した。得られた細胞抽出液についてNative−PAGEを実施した後、抗Jab1抗体を用いてウエスタンブロッティングを行った。その結果を図2Bの上から1段目および2段目のパネルに示す。
【0081】
また、上記と同じ細胞抽出液を用いて、β−アクチン、Jab1タンパク質、p27タンパク質、Cul1タンパク質、Bcr−Ablタンパク質(P210タンパク質)、cAblタンパク質の発現量について、SDS−PAGEを実施した後、ウエスタンブロッティング法を用いて解析した。その結果を図2Bの上から3段目〜7段目のパネルに示す。
【0082】
図2A・Bの結果から、CML由来細胞株においては、Jab1複合体のうち、Jab1小複合体の発現量は、非CML由来細胞株に比して多いということが明らかとなった。また、Jab1小複合体には、少なくとも2種類の形態が存在することが明らかとなった。
【0083】
また、各細胞のチロシンキナーゼ阻害剤に対する感受性を調べた結果、K562、MEG、MOLM1はチロシンキナーゼ阻害剤感受性であり、KYO−1、CMK、HELはチロシンキナーゼ阻害剤に耐性を示した。この結果とJab1小複合体の形態とを対比すると、K562タイプのJab1小複合体を持つ細胞のみが、チロシンキナーゼ阻害剤に感受性であるということがわかった。
【0084】
〔実施例3:CML由来細胞K562株とKYO−1株のチロシンキナーゼ活性阻害剤への応答〕
CML由来細胞株のうち、Bcr−Ablチロシンキナーゼ感受性株のK562と、耐性株KYO−1とを選択し、これら細胞をDMSOまたはST571(Bcr−Ablチロシンキナーゼ特異的阻害剤)で8時間処理した後、細胞液を調製した。各細胞抽出液をNative−PAGEにかけ、抗Jab1抗体を用いたウエスタンブロッティング法によりJab1複合体の変化を解析した。その結果を図3Aの左側1段目および2段目のパネルに示す。
【0085】
また同じ細胞抽出液を用いて、SDS−PAGEを実施した後、チロシンリン酸化レベルをウエスタンブロッティング法により解析した。その結果を図3Aの左側3段目のパネルに示す。同様に、同じ細胞抽出液を用いて、SDS−PAGEを実施した後、Jab1タンパク質発現量をウエスタンブロッティング法により解析した。その結果を図3A左側4段目のパネルに示す。
【0086】
さらに、K562をST571で8時間処理した後、ST571を除き、タンパク質合成阻害剤であるシクロヘキシミド(CHX)の存在下で、2時間および3時間培養した。このときのJab1複合体の変化、チロシンリン酸化レベル、並びにJab1タンパク質の発現量を解析した。その結果を、それぞれ図3Aの右側の各パネルに示す。なお、図3A右側の上から1段目および2段目のパネルがJab1複合体の変化の結果であり、3段目のパネルがチロシンリン酸化レベルの結果であり、4段目がJab1タンパク質の発現量の結果である。
【0087】
次に、上記細胞抽出液をSDS−PAGEにかけ、p27タンパク質、Cul1タンパク質、Skp2タンパク質、Bcr−Ablタンパク質、cAblタンパク質、およびγ−Tubタンパク質の発現量をウエスタンブロッティング法により解析した。その結果を図3Bに示す。なお、γ−Tubタンパク質は解析サンプルが等量であることの指標である。
【0088】
図3の結果から、K562およびKYO−1の両株ともに、Bcr−Abl遺伝子産物のチロシンキナーゼ活性を阻害すれば、Jab1小複合体の量が減少するということが明らかとなった。またこのとき、ガン悪性化の負のマーカーであるp27タンパク質については、K562株のみが増加した。つまり、チロシンキナーゼ阻害剤感受性株であるK562株のみにおいて、ガンの悪性度が低くなり、チロシンキナーゼ阻害剤の効力があったことが確認できた。
【0089】
以上の結果から、Jab1小複合体の存在形態とチロシンキナーゼ阻害剤の効力が対応することがわかり、チロシンキナーゼ阻害剤等の抗ガン剤を投与する前にガン細胞由来のJab1小複合体の存在形態(K562株タイプか、またはKYO−1株タイプか)を調べることによって、チロシンキナーゼ阻害剤の効力を判定することが可能であるといえる。
【0090】
〔実施例4:Bcr−Ablタンパク質とJab1複合体の関係〕
BAF3およびTonBを用い、これら細胞をIL3の非存在下かつDox.の存在下、またはDox.の非存在下で5時間処理した。その後、それぞれの細胞を回収して細胞抽出液を調製し、Jab1複合体の変化、γ−Tub、Jab1タンパク質、p27タンパク質、Bcr−Ablタンパク質、cAblタンパク質の発現量をウエスタンブロッティング法により解析した。その結果を図4に示す。
【0091】
図4の結果から明らかなように、Bcr−Ablタンパク質の発現誘導によって、Jab1小複合体の量が増加しているということがわかった。
【0092】
〔実施例5:Jab1小複合体を制御するシグナル伝達経路の解析〕
K562細胞をMG132、LLM、LMB、Cur.、H89、Stau.、PDおよびWort.で8時間処理した後、細胞抽出液を調製した。これを用いて、Jab1複合体の変化、Jab1タンパク質、p27タンパク質、γ−Tubタンパク質、Cdk2タンパク質、Culタンパク質の発現量をウエスタンブロッティング法により解析した。その結果を図5Aに示す。なお、Cdk2タンパク質およびCulタンパク質は、解析サンプルが等量であることの指標である。
【0093】
また、KYO−1を用いて同様の処理を行い、p27タンパク質発現量をウエスタンブロッティング法により解析した。その結果を図5Bに示す。
【0094】
さらに、K562をSTI単独、PD単独、Wort.単独、PDとWort.の組合せ、STIとPDの組合せおよびSTIとWort.の組合せで8時間処理し、Jab1複合体の変化をウエスタンブロッティング法により解析した。その結果を図5Cに示す。
【0095】
図5の結果から明らかなように、Jab1小複合体はMAPK経路およびPI3K経路の阻害により減少するということがわかった。
【0096】
実施例1〜5の結果より、CMLにおいては、Bcr−Ablチロシンキナーゼが、恒常的にMAPK経路およびPI3K経路を活性化する。その結果、細胞内でのJab1小複合体の量が増加していた。またJab1小複合体の量とp27タンパク質発現量の間には、逆相関の関係が認められた。本発明者らは、これまでに、Jab1タンパク質を過剰発現すると、Jab1小複合体の量が増加し、p27タンパク質の分解が誘導されること、およびJab1小複合体によるp27タンパク質の分解は、核外移行阻害剤レプトマイシンB(LMB)によって阻害されるということを明らかにしている(非特許文献4及び5参照)。これらの結果をあわせみると、増加したJab1小複合体が、p27タンパク質の分解を促進している可能性がある。よって、Bcr−Ablタンパク質によるJab1複合体の制御が、細胞のガン化の一因になっていると考えられ、この知見を利用することにより、本発明にかかる抗ガン剤効力の判定方法を実現することが可能となる。
【0097】
【発明の効果】
以上のように、本発明では、Jab1タンパク質を指標として用い、このJab1タンパク質の存在形態を確認することによって、抗ガン剤の効力を判定するようになっている。それゆえ、本発明によれば、抗ガン剤の有効性を高めることができるだけでなく、ガン患者に不必要な抗ガン剤投与による副作用を回避させることができ、さらには、多額の出費を防ぐことも可能になるという効果を奏する。
【0098】
したがって、本発明は、各種臨床検査産業や医薬品産業、研究用試薬産業に好適に利用できるだけでなく、医療分野にも応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1Aは、種々の白血病由来細胞株中におけるタンパク質の発現量を、ウエスタンブロッティング法により検出した結果を示す図であり、Bは、種々の白血病由来細胞中における各タンパク質のmRNA発現量を、ノーザンブロッティングにより検出した結果を示す図であり、Cは、K562およびKYO−1からの細胞抽出液を分画した各画分に含まれるJab1タンパク質を、ウエスタンブロッティング法により検出した結果を示す図であり、Dは、K562の細胞抽出液、および上記画分中のJab1複合体をウエスタンブロッティング法により検出した結果を示す図である。
【図2】
図2Aは、各細胞抽出液を、抗Jab1抗体を用いてウエスタンブッロッティングを行った結果を示す図であり、図2Bは、5種類のCML細胞株および、2種類の非CML細胞から得られた細胞抽出液中のJab1タンパク質およびその他のタンパク質をウエスタンブロッティング法で検出した結果を示す図である。
【図3】
チロシンキナーゼ阻害剤で処理した各種細胞抽出液と、チロシンキナーゼ阻害剤で処理しない細胞抽出液について、ウエスタンブロッティング法によりJab1複合体の変化、チロシンリン酸化レベル、Jab1タンパク質の発現量、および各タンパク質の発現量を解析した結果を示す図である。
【図4】
マウス由来のpro−B細胞株BAF3およびTonB細胞を用いて、Bcr−Abl遺伝子の誘導とJab1複合体との関係を解析した結果を示す図である。
【図5】
図5Aは、K562を各種薬剤で処理した細胞抽出液について、Jab1複合体の変化、および各タンパク質の発現量をウエスタンブロッティング法により解析した結果を示す図であり、図5Bは、KYO−1を各種薬剤で処理した細胞抽出液について、p27タンパク質の発現量をウエスタンブロッティング法により解析した結果を示す図であり、図5Cは、K562を各種薬剤の組合せで処理した細胞抽出液について、Jab1複合体の変化を、ウエスタンブロッティング法により解析した結果を示す図である。

Claims (19)

  1. ガン治療に用いられる抗ガン剤の効力を判定する方法であって、
    検体試料中に含まれるJab1タンパク質を判定の指標として用いることを特徴とする抗ガン剤効力の判定方法。
  2. ガン細胞を含む検体試料から抽出液を調製する抽出液調製工程と、
    当該抽出液に含まれるJab1タンパク質の存在形態を確認するJab1確認工程とを含むことを特徴とする請求項1に記載の抗ガン剤効力の判定方法。
  3. さらに、上記抽出液を分子量分画する分画工程を含んでおり、
    上記Jab1確認工程では、分画された抽出液を用いることを特徴とする請求項2に記載の抗ガン剤効力の判定方法。
  4. 上記Jab1確認工程では、上記Jab1タンパク質が形成しているJab1複合体の分子量を基準として、Jab1タンパク質の存在形態を確認することを特徴とする請求項2または3に記載の抗ガン剤効力の判定方法。
  5. 上記Jab1複合体としては、分子量450kDaのJab1大複合体か、または分子量120kDaのJab1小複合体が存在しており、
    上記Jab1確認工程では、Jab1小複合体の発現量を確認することによりJab1タンパク質の存在形態を確認することを特徴とする請求項4に記載の抗ガン剤効力の判定方法。
  6. さらに、検体試料中に含まれるp27タンパク質の発現を確認するp27確認工程を含むことを特徴とする請求項4または5に記載の抗ガン剤効力の判定方法。
  7. 上記Jab1確認工程およびp27確認工程の少なくとも一方では、電気泳動によりJab1小複合体またはタンパク質の発現量を確認することを特徴とする請求項4、5または6に記載の抗ガン剤効力の判定方法。
  8. 上記Jab1確認工程では、上記電気泳動として、ネイティブのポリアクリルアミドゲル電気泳動が用いられることを特徴とする請求項7に記載の抗ガン剤効力の判定方法。
  9. 上記Jab1確認工程では、上記Jab1タンパク質に特異的に結合する抗体を用いて、上記抽出液からJab1小複合体を検出することを特徴とする請求項4ないし8の何れか1項に記載の抗ガン剤効力の判定方法。
  10. 上記p27確認工程では、上記p27タンパク質に特異的に結合する抗体を用いて、上記抽出液からp27タンパク質を検出することを特徴とする請求項4ないし9の何れか1項に記載の抗ガン剤効力の判定方法。
  11. 上記抗体が、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体であることを特徴とする請求項9または10に記載の抗ガン剤効力の判定方法。
  12. 上記ガンが、白血病であることを特徴とする請求項1ないし11の何れか1項に記載の抗ガン剤効力の判定方法。
  13. 上記白血病が、慢性骨髄性白血病であることを特徴とする請求項12に記載の抗ガン剤効力の判定方法。
  14. 上記抗ガン剤として、チロシンキナーゼ阻害剤が用いられることを特徴とする請求項1ないし13の何れか1項に記載の抗ガン剤効力の判定方法。
  15. 抗ガン剤の投与前に実施されることを特徴とする請求項1ないし14の何れか1項に記載の抗ガン剤効力の判定方法。
  16. 請求項1ないし15の何れか1項に記載の抗ガン剤効力の判定方法を実施するために用いられる抗ガン剤効力判定キット。
  17. ガン細胞を含む検体試料から調製された抽出液に含まれるJab1タンパク質の発現状態を確認する試薬群を含むことを特徴とする抗ガン剤効力判定キット。
  18. 上記試薬群には、Jab1タンパク質に特異的に結合する抗体が含まれていることを特徴とする請求項17に記載の抗ガン剤効力判定キット。
  19. 上記Jab1タンパク質は、分子量450kDaのJab1大複合体か、または分子量120kDaのJab1小複合体を形成しており、
    このうち、少なくともJab1小複合体が、ポリアクリルアミドゲル電気泳動用のマーカーとして上記試薬群に含まれていることを特徴とする請求項17または18に記載の抗ガン剤効力判定キット。
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