JP2004347336A - 核磁気共鳴装置用可変コンデンサー - Google Patents
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Abstract
【課題】電極を摺動可変時にノイズが発生しない、核磁気共鳴装置用可変コンデンサーを提供する。
【解決手段】誘電体を挟んで固定電極片と可動電極片を設け、可動電極片を、外部端子と接触させながら、固定電極片と平行方向に摺動させ、誘電体を介して対向する電極面積を変化させることにより、固定電極片と、誘電体と、可動電極片とで構成されるコンデンサーの容量を変化させるようにした、核磁気共鳴装置用可変コンデンサーであって、可動電極片と、該可動電極片と接触する外部端子との間に、摺動の際に電気的接触を良好に保つための弾性体を設けた。
【選択図】 図5
【解決手段】誘電体を挟んで固定電極片と可動電極片を設け、可動電極片を、外部端子と接触させながら、固定電極片と平行方向に摺動させ、誘電体を介して対向する電極面積を変化させることにより、固定電極片と、誘電体と、可動電極片とで構成されるコンデンサーの容量を変化させるようにした、核磁気共鳴装置用可変コンデンサーであって、可動電極片と、該可動電極片と接触する外部端子との間に、摺動の際に電気的接触を良好に保つための弾性体を設けた。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、核磁気共鳴装置の複同調回路に用いられる、可変コンデンサーに関する。
【0002】
【従来の技術】
まず、核磁気共鳴装置における複同調回路の一例(特許文献1)について説明する。尚、以下の説明においては、便宜上、2種類の核磁気共鳴用高周波のうち、周波数が高い方をHF(高周波数)、周波数が低い方をLF(低周波数)と呼ぶ。
【0003】
図1は、従来の核磁気共鳴装置の複同調回路の一例を示したものである。図中、1と2は導体である。この例では、導体1、2によって平行線路を構成する。そして、HF共振時、入力電力のサンプルコイル3への分配率の調整は、この導体1、2で構成される平行線路共振器の特性インピーダンスを調整することによって行なわれる。尚、この導体1、2は、伝送路として動作すれば良いので、必ずしも棒状導体に限定されるものではなく、ヘリカルコイルや、外部導体を接地した同軸線なども使用可能である。
【0004】
導体1、2の上端には、LF同調用のバリコン4、5を介して、ソレノイドコイルやサドルコイルなどから成るサンプルコイル3が接続されている。導体2の下端は直接接地され、導体1の下端はコンデンサー6を介して間接的に接地されている。尚、これは逆に、導体1の下端が直接接地され、導体2の下端がコンデンサー6を介して間接的に接地されていても良いし、あるいは、図2のように、導体1の下端と導体2の下端の両方が、2つのコンデンサー6、6’を介して間接的に接地されていても良い。いずれも回路的には等価である。
【0005】
導体2の中途の任意の位置には、HF整合用のコンデンサー7とバリコン8とで構成されたHF整合回路が接続されている。また、導体1の中途の任意の位置には、HF同調用のバリコン9が接続されている。尚、バリコン9は、導体2側の中途の任意の位置に接続されていても良いし、あるいは、図3のように、導体1の中途の任意の位置と導体2の中途の任意の位置との間を結ぶ形に接続しても良い。いずれも回路的には等価である。
【0006】
また、この例では、導体1と、LF同調用のバリコン4とを含めた全体で、1つのHFの1/4波長共振器を形成している。また、同時に、導体2と、LF同調用のバリコン5とを含めた全体で、もう1つのHFの1/4波長共振器を形成している。また、導体1とコンデンサー6との接続点には、LF整合用のバリコン10が接続されている。
【0007】
図4は、LF同調用のバリコン4、および5の構造を、具体的に示したものである。図中、11は、有底筒状の固定電極である。固定電極11の内側には、固定電極11と同軸状に、中央に穴を穿たれた、円筒状の誘電体12が挿入されている。この誘電体12の穴の内壁に沿って、固定電極11と同軸方向に摺動する可動電極片13が設けられている。
【0008】
可動電極片13を、固定電極11と平行な、上下方向に摺動させ、誘電体12を介して対向する電極面積を変化させることにより、固定電極11と、誘電体12と、可動電極片13とで構成される、コンデンサーの容量が、可変できるようになっている。
【0009】
可動電極片13を、固定電極11と平行方向に摺動させるための機構としては、断面が半月状をした、一対の棒状の金属で作られた、摺動固定部14が用いられている。摺動固定部14の表面は、滑らかに磨かれており、可動電極片13と密に接触している。可動電極片13は、摺動中、摺動固定部14の表面と、常時、電気的接触が保たれており、摺動固定部14、およびネジ固定部16を介して、外部の入出力端子20から、電力が入力される。
【0010】
可動電極片13の内側下部には、内孔に雌ネジが刻まれたネジ螺合部18が、取り付けられている。ネジ螺合部18の内孔は、表面に雄ネジが刻まれたネジ棒15と、互いに螺合している。そして、表面に雄ネジが刻まれたネジ棒15が、ネジ固定部16を介して、シャフト17で回転させられることにより、ネジ螺合部18が、可動電極片13と共に、上下方向に摺動する構成となっている。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−372575号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
このような構成において、従来の核磁気共鳴装置用可変コンデンサーでは、摺動固定部14の表面は、滑らかに磨かれており、可動電極片13と密に接触しているが、核磁気共鳴装置で用いられる高周波は、周波数が数十〜数百MHz程度であるために、表皮効果により、電極表面から、数ミクロンの深さまでしか、高周波電流は、流れることができない。そのため、可動電極片13と摺動固定部14の接触面に、わずか数ミクロンの凹凸があると、摺動の際に、接触点が移動して、高周波電流の流路が不連続的に変動し、ノイズが発生する原因になるという問題があった。
【0013】
本発明の目的は、上述した点に鑑み、電極を摺動可変時にノイズが発生しない、核磁気共鳴装置用可変コンデンサーを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明にかかる核磁気共鳴装置用可変コンデンサーは、
誘電体を挟んで固定電極片と可動電極片を設け、可動電極片を、外部端子と接触させながら、固定電極片と平行方向に摺動させ、誘電体を介して対向する電極面積を変化させることにより、固定電極片と、誘電体と、可動電極片とで構成されるコンデンサーの容量を変化させるようにした、核磁気共鳴装置用可変コンデンサーであって、
可動電極片と、該可動電極片と接触する外部端子との間に、摺動の際に電気的接触を良好に保つための弾性体を設けたことを特徴としている。
【0015】
また、前記弾性体は、バネであることを特徴としている。
【0016】
また、前記弾性体は、網線であることを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図5は、本発明にかかる核磁気共鳴装置用可変コンデンサーの一実施例を、具体的に示したものである。図4と同じ構成の部材に対しては、図4と同じ番号を付して説明する。
【0018】
図中、11は、有底筒状の固定電極である。固定電極11の内側には、固定電極11と同軸状に、中央に穴を穿たれた、円筒状の誘電体12が挿入されている。この誘電体12の穴の内壁に沿って、固定電極11と同軸方向に摺動する可動電極片13が設けられている。
【0019】
可動電極片13を、固定電極11と平行な、上下方向に摺動させ、誘電体12を介して対向する電極面積を変化させることにより、固定電極11と、誘電体12と、可動電極片13とで構成される、コンデンサーの容量が、可変できるようになっている。
【0020】
可動電極片13を、固定電極11と平行方向に摺動させるための機構としては、断面が半月状をした、一対の棒状の金属で作られた、摺動固定部14が用いられている。可動電極片13の下端には、摺動固定部14に強く接触するバネ21が設けられており、摺動中、摺動固定部14の表面と、常時、電気的接触が保たれる構成になっている。高周波電力は、摺動固定部14、およびネジ固定部16を介して、外部の入出力端子20から入力される。
【0021】
可動電極片13の内側下部には、内孔に雌ネジが刻まれたネジ螺合部18が、取り付けられている。ネジ螺合部18の内孔は、表面に雄ネジが刻まれたネジ棒15と、互いに螺合している。そして、表面に雄ネジが刻まれたネジ棒15が、ネジ固定部16を介して、シャフト17で回転させられることにより、ネジ螺合部18が、可動電極片13と共に、上下方向に摺動する構成となっている。
【0022】
このような構成において、可動電極片13と摺動固定部14との間では、可動電極片13に取り付けられたバネ21が、摺動固定部14の表面に、強く押し付けられていることにより、摺動時、可動電極片13側は、バネ21の常に同じ位置に、接触点を保つことができる。高周波電流は、常に、バネ21と摺動固定部14との接触点を経由して流れることになるため、摺動の際に、接触点が移動し、高周波電流の流路が不連続的に変動し、ノイズが発生していた従来の問題が、解消される。
【0023】
図6は、本発明にかかる核磁気共鳴装置用可変コンデンサーの別の実施例を、具体的に示したものである。図4と同じ構成の部材に対しては、図4と同じ番号を付して説明する。
【0024】
図中、11は、有底筒状の固定電極である。固定電極11の内側には、固定電極11と同軸状に穴を穿たれた、円筒状の誘電体12が挿入されている。この誘電体12の穴の内壁に沿って、固定電極11と同軸方向に摺動する可動電極片13が設けられている。
【0025】
可動電極片13を、固定電極11と平行な、上下方向に摺動させ、誘電体12を介して対向する電極面積を変化させることにより、固定電極11と、誘電体12と、可動電極片13とで構成される、コンデンサーの容量が、可変できるようになっている。
【0026】
可動電極片13を、固定電極11と平行方向に摺動させるための機構としては、断面が半月状をした、一本の棒状の金属で作られた、摺動固定部14が用いられている。可動電極片13の下端には、銅網などでできた、伸縮可能な網線22が設けられており、摺動中、可動電極片13の下端と、ネジ固定部16との間を、常時、電気的に接続している。高周波電力は、摺動固定部14、およびネジ固定部16を介して、外部の入出力端子20から入力される。
【0027】
可動電極片13の内側下部には、内孔に雌ネジが刻まれたネジ螺合部18が、取り付けられている。ネジ螺合部18の内孔は、表面に雄ネジが刻まれたネジ棒15と、互いに螺合している。そして、表面に雄ネジが刻まれたネジ棒15が、ネジ固定部16を介して、シャフト17で回転させられることにより、ネジ螺合部18が、可動電極片13と共に、上下方向に摺動する構成となっている。
【0028】
このような構成において、可動電極片13と摺動固定部14との間には、網線22が接続されていることにより、摺動時、可動電極片13の移動に伴って、網線22が伸び縮みし、可動電極片13と摺動固定部14との間に働く力を、吸収することができる。高周波電流は、常に、網線22を経由して流れることとなるため、摺動の際に、接触点が移動し、高周波電流の流路が不連続的に変動し、ノイズが発生していた従来の問題が、解消される。
【0029】
【発明の効果】
以上述べたごとく、本発明にかかる核磁気共鳴装置用可変コンデンサーによれば、誘電体を挟んで固定電極片と可動電極片を設け、可動電極片を、外部端子と接触させながら、固定電極片と平行方向に摺動させ、誘電体を介して対向する電極面積を変化させることにより、固定電極片と、誘電体と、可動電極片とで構成されるコンデンサーの容量を変化させるようにした、核磁気共鳴装置用可変コンデンサーであって、可動電極片と、該可動電極片と接触する外部端子との間に、摺動の際に電気的接触を良好に保つための弾性体を設けたので、電極を摺動可変時にノイズが発生しない、核磁気共鳴装置用可変コンデンサーを提供することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の核磁気共鳴装置の複同調回路を示す図である。
【図2】従来の核磁気共鳴装置の複同調回路を示す図である。
【図3】従来の核磁気共鳴装置の複同調回路を示す図である。
【図4】従来の核磁気共鳴装置用可変コンデンサーを示す図である。
【図5】本発明にかかる核磁気共鳴装置用可変コンデンサーの一実施例を示す図である。
【図6】本発明にかかる核磁気共鳴装置用可変コンデンサーの別の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1・・・導体、2・・・導体、3・・・サンプルコイル、4・・・LF同調用バリコン、5・・・LF同調用バリコン、6・・・コンデンサー、6’・・・コンデンサー、7・・・HF整合用コンデンサー、8・・・HF整合用バリコン、9・・・HF同調用バリコン、10・・・LF整合用バリコン、11・・・固定電極、12・・・誘電体、13・・・可動電極片、14・・・摺動固定部、15・・・ネジ棒、16・・・ネジ固定部、17・・・シャフト、18・・・ネジ螺合部、19・・・入出力端子、20・・・入出力端子、21・・・バネ、22・・・網線。
【発明の属する技術分野】
本発明は、核磁気共鳴装置の複同調回路に用いられる、可変コンデンサーに関する。
【0002】
【従来の技術】
まず、核磁気共鳴装置における複同調回路の一例(特許文献1)について説明する。尚、以下の説明においては、便宜上、2種類の核磁気共鳴用高周波のうち、周波数が高い方をHF(高周波数)、周波数が低い方をLF(低周波数)と呼ぶ。
【0003】
図1は、従来の核磁気共鳴装置の複同調回路の一例を示したものである。図中、1と2は導体である。この例では、導体1、2によって平行線路を構成する。そして、HF共振時、入力電力のサンプルコイル3への分配率の調整は、この導体1、2で構成される平行線路共振器の特性インピーダンスを調整することによって行なわれる。尚、この導体1、2は、伝送路として動作すれば良いので、必ずしも棒状導体に限定されるものではなく、ヘリカルコイルや、外部導体を接地した同軸線なども使用可能である。
【0004】
導体1、2の上端には、LF同調用のバリコン4、5を介して、ソレノイドコイルやサドルコイルなどから成るサンプルコイル3が接続されている。導体2の下端は直接接地され、導体1の下端はコンデンサー6を介して間接的に接地されている。尚、これは逆に、導体1の下端が直接接地され、導体2の下端がコンデンサー6を介して間接的に接地されていても良いし、あるいは、図2のように、導体1の下端と導体2の下端の両方が、2つのコンデンサー6、6’を介して間接的に接地されていても良い。いずれも回路的には等価である。
【0005】
導体2の中途の任意の位置には、HF整合用のコンデンサー7とバリコン8とで構成されたHF整合回路が接続されている。また、導体1の中途の任意の位置には、HF同調用のバリコン9が接続されている。尚、バリコン9は、導体2側の中途の任意の位置に接続されていても良いし、あるいは、図3のように、導体1の中途の任意の位置と導体2の中途の任意の位置との間を結ぶ形に接続しても良い。いずれも回路的には等価である。
【0006】
また、この例では、導体1と、LF同調用のバリコン4とを含めた全体で、1つのHFの1/4波長共振器を形成している。また、同時に、導体2と、LF同調用のバリコン5とを含めた全体で、もう1つのHFの1/4波長共振器を形成している。また、導体1とコンデンサー6との接続点には、LF整合用のバリコン10が接続されている。
【0007】
図4は、LF同調用のバリコン4、および5の構造を、具体的に示したものである。図中、11は、有底筒状の固定電極である。固定電極11の内側には、固定電極11と同軸状に、中央に穴を穿たれた、円筒状の誘電体12が挿入されている。この誘電体12の穴の内壁に沿って、固定電極11と同軸方向に摺動する可動電極片13が設けられている。
【0008】
可動電極片13を、固定電極11と平行な、上下方向に摺動させ、誘電体12を介して対向する電極面積を変化させることにより、固定電極11と、誘電体12と、可動電極片13とで構成される、コンデンサーの容量が、可変できるようになっている。
【0009】
可動電極片13を、固定電極11と平行方向に摺動させるための機構としては、断面が半月状をした、一対の棒状の金属で作られた、摺動固定部14が用いられている。摺動固定部14の表面は、滑らかに磨かれており、可動電極片13と密に接触している。可動電極片13は、摺動中、摺動固定部14の表面と、常時、電気的接触が保たれており、摺動固定部14、およびネジ固定部16を介して、外部の入出力端子20から、電力が入力される。
【0010】
可動電極片13の内側下部には、内孔に雌ネジが刻まれたネジ螺合部18が、取り付けられている。ネジ螺合部18の内孔は、表面に雄ネジが刻まれたネジ棒15と、互いに螺合している。そして、表面に雄ネジが刻まれたネジ棒15が、ネジ固定部16を介して、シャフト17で回転させられることにより、ネジ螺合部18が、可動電極片13と共に、上下方向に摺動する構成となっている。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−372575号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
このような構成において、従来の核磁気共鳴装置用可変コンデンサーでは、摺動固定部14の表面は、滑らかに磨かれており、可動電極片13と密に接触しているが、核磁気共鳴装置で用いられる高周波は、周波数が数十〜数百MHz程度であるために、表皮効果により、電極表面から、数ミクロンの深さまでしか、高周波電流は、流れることができない。そのため、可動電極片13と摺動固定部14の接触面に、わずか数ミクロンの凹凸があると、摺動の際に、接触点が移動して、高周波電流の流路が不連続的に変動し、ノイズが発生する原因になるという問題があった。
【0013】
本発明の目的は、上述した点に鑑み、電極を摺動可変時にノイズが発生しない、核磁気共鳴装置用可変コンデンサーを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明にかかる核磁気共鳴装置用可変コンデンサーは、
誘電体を挟んで固定電極片と可動電極片を設け、可動電極片を、外部端子と接触させながら、固定電極片と平行方向に摺動させ、誘電体を介して対向する電極面積を変化させることにより、固定電極片と、誘電体と、可動電極片とで構成されるコンデンサーの容量を変化させるようにした、核磁気共鳴装置用可変コンデンサーであって、
可動電極片と、該可動電極片と接触する外部端子との間に、摺動の際に電気的接触を良好に保つための弾性体を設けたことを特徴としている。
【0015】
また、前記弾性体は、バネであることを特徴としている。
【0016】
また、前記弾性体は、網線であることを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図5は、本発明にかかる核磁気共鳴装置用可変コンデンサーの一実施例を、具体的に示したものである。図4と同じ構成の部材に対しては、図4と同じ番号を付して説明する。
【0018】
図中、11は、有底筒状の固定電極である。固定電極11の内側には、固定電極11と同軸状に、中央に穴を穿たれた、円筒状の誘電体12が挿入されている。この誘電体12の穴の内壁に沿って、固定電極11と同軸方向に摺動する可動電極片13が設けられている。
【0019】
可動電極片13を、固定電極11と平行な、上下方向に摺動させ、誘電体12を介して対向する電極面積を変化させることにより、固定電極11と、誘電体12と、可動電極片13とで構成される、コンデンサーの容量が、可変できるようになっている。
【0020】
可動電極片13を、固定電極11と平行方向に摺動させるための機構としては、断面が半月状をした、一対の棒状の金属で作られた、摺動固定部14が用いられている。可動電極片13の下端には、摺動固定部14に強く接触するバネ21が設けられており、摺動中、摺動固定部14の表面と、常時、電気的接触が保たれる構成になっている。高周波電力は、摺動固定部14、およびネジ固定部16を介して、外部の入出力端子20から入力される。
【0021】
可動電極片13の内側下部には、内孔に雌ネジが刻まれたネジ螺合部18が、取り付けられている。ネジ螺合部18の内孔は、表面に雄ネジが刻まれたネジ棒15と、互いに螺合している。そして、表面に雄ネジが刻まれたネジ棒15が、ネジ固定部16を介して、シャフト17で回転させられることにより、ネジ螺合部18が、可動電極片13と共に、上下方向に摺動する構成となっている。
【0022】
このような構成において、可動電極片13と摺動固定部14との間では、可動電極片13に取り付けられたバネ21が、摺動固定部14の表面に、強く押し付けられていることにより、摺動時、可動電極片13側は、バネ21の常に同じ位置に、接触点を保つことができる。高周波電流は、常に、バネ21と摺動固定部14との接触点を経由して流れることになるため、摺動の際に、接触点が移動し、高周波電流の流路が不連続的に変動し、ノイズが発生していた従来の問題が、解消される。
【0023】
図6は、本発明にかかる核磁気共鳴装置用可変コンデンサーの別の実施例を、具体的に示したものである。図4と同じ構成の部材に対しては、図4と同じ番号を付して説明する。
【0024】
図中、11は、有底筒状の固定電極である。固定電極11の内側には、固定電極11と同軸状に穴を穿たれた、円筒状の誘電体12が挿入されている。この誘電体12の穴の内壁に沿って、固定電極11と同軸方向に摺動する可動電極片13が設けられている。
【0025】
可動電極片13を、固定電極11と平行な、上下方向に摺動させ、誘電体12を介して対向する電極面積を変化させることにより、固定電極11と、誘電体12と、可動電極片13とで構成される、コンデンサーの容量が、可変できるようになっている。
【0026】
可動電極片13を、固定電極11と平行方向に摺動させるための機構としては、断面が半月状をした、一本の棒状の金属で作られた、摺動固定部14が用いられている。可動電極片13の下端には、銅網などでできた、伸縮可能な網線22が設けられており、摺動中、可動電極片13の下端と、ネジ固定部16との間を、常時、電気的に接続している。高周波電力は、摺動固定部14、およびネジ固定部16を介して、外部の入出力端子20から入力される。
【0027】
可動電極片13の内側下部には、内孔に雌ネジが刻まれたネジ螺合部18が、取り付けられている。ネジ螺合部18の内孔は、表面に雄ネジが刻まれたネジ棒15と、互いに螺合している。そして、表面に雄ネジが刻まれたネジ棒15が、ネジ固定部16を介して、シャフト17で回転させられることにより、ネジ螺合部18が、可動電極片13と共に、上下方向に摺動する構成となっている。
【0028】
このような構成において、可動電極片13と摺動固定部14との間には、網線22が接続されていることにより、摺動時、可動電極片13の移動に伴って、網線22が伸び縮みし、可動電極片13と摺動固定部14との間に働く力を、吸収することができる。高周波電流は、常に、網線22を経由して流れることとなるため、摺動の際に、接触点が移動し、高周波電流の流路が不連続的に変動し、ノイズが発生していた従来の問題が、解消される。
【0029】
【発明の効果】
以上述べたごとく、本発明にかかる核磁気共鳴装置用可変コンデンサーによれば、誘電体を挟んで固定電極片と可動電極片を設け、可動電極片を、外部端子と接触させながら、固定電極片と平行方向に摺動させ、誘電体を介して対向する電極面積を変化させることにより、固定電極片と、誘電体と、可動電極片とで構成されるコンデンサーの容量を変化させるようにした、核磁気共鳴装置用可変コンデンサーであって、可動電極片と、該可動電極片と接触する外部端子との間に、摺動の際に電気的接触を良好に保つための弾性体を設けたので、電極を摺動可変時にノイズが発生しない、核磁気共鳴装置用可変コンデンサーを提供することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の核磁気共鳴装置の複同調回路を示す図である。
【図2】従来の核磁気共鳴装置の複同調回路を示す図である。
【図3】従来の核磁気共鳴装置の複同調回路を示す図である。
【図4】従来の核磁気共鳴装置用可変コンデンサーを示す図である。
【図5】本発明にかかる核磁気共鳴装置用可変コンデンサーの一実施例を示す図である。
【図6】本発明にかかる核磁気共鳴装置用可変コンデンサーの別の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1・・・導体、2・・・導体、3・・・サンプルコイル、4・・・LF同調用バリコン、5・・・LF同調用バリコン、6・・・コンデンサー、6’・・・コンデンサー、7・・・HF整合用コンデンサー、8・・・HF整合用バリコン、9・・・HF同調用バリコン、10・・・LF整合用バリコン、11・・・固定電極、12・・・誘電体、13・・・可動電極片、14・・・摺動固定部、15・・・ネジ棒、16・・・ネジ固定部、17・・・シャフト、18・・・ネジ螺合部、19・・・入出力端子、20・・・入出力端子、21・・・バネ、22・・・網線。
Claims (3)
- 誘電体を挟んで固定電極片と可動電極片を設け、可動電極片を、外部端子と接触させながら、固定電極片と平行方向に摺動させ、誘電体を介して対向する電極面積を変化させることにより、固定電極片と、誘電体と、可動電極片とで構成されるコンデンサーの容量を変化させるようにした、核磁気共鳴装置用可変コンデンサーであって、
可動電極片と、該可動電極片と接触する外部端子との間に、摺動の際に電気的接触を良好に保つための弾性体を設けたことを特徴とする核磁気共鳴装置用可変コンデンサー。 - 前記弾性体は、バネであることを特徴とする請求項1記載の核磁気共鳴装置の複同調回路。
- 前記弾性体は、網線であることを特徴とする請求項1記載の核磁気共鳴装置の複同調回路。
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JP2003141510A JP2004347336A (ja) | 2003-05-20 | 2003-05-20 | 核磁気共鳴装置用可変コンデンサー |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007530972A (ja) * | 2004-03-31 | 2007-11-01 | バリアン・インコーポレイテッド | Nmr用コンデンサスイッチ |
JP2008209171A (ja) * | 2007-02-26 | 2008-09-11 | Jeol Ltd | Nmr検出器 |
-
2003
- 2003-05-20 JP JP2003141510A patent/JP2004347336A/ja not_active Withdrawn
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