JP2004346462A - 繊維処理剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】繊維素材に対して、柔軟性、平滑性、ふくらみ感を付与し、黄変を発生させない繊維処理剤を提供する。
【解決手段】本発明の繊維処理剤は、(A)界面活性剤、(B)平均重合度が1400〜5000のポリオルガノシロキサン、(C)アミノ変性ポリオルガノシロキサン、および(D)水をそれぞれ含有する。(B)成分を希釈する成分として、(E)平均重合度が150以下のポリオルガノシロキサン(例えば環状ポリオルガノシロキサン)をさらに含有することができる。
【選択図】 なし
【解決手段】本発明の繊維処理剤は、(A)界面活性剤、(B)平均重合度が1400〜5000のポリオルガノシロキサン、(C)アミノ変性ポリオルガノシロキサン、および(D)水をそれぞれ含有する。(B)成分を希釈する成分として、(E)平均重合度が150以下のポリオルガノシロキサン(例えば環状ポリオルガノシロキサン)をさらに含有することができる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維処理剤に係り、特に、各種の繊維に対して柔軟性、滑り性、ふくらみ感などを付与するための繊維用柔軟処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、木綿、麻、絹、羊毛、アンゴラ、モヘアのような天然繊維;レーヨン、ベンベルグのような再生繊維;アセテートのような半合成繊維;ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ビニロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン系弾性繊維のような合成繊維;ガラス繊維、カーボン繊維、炭化ケイ素繊維のような無機繊維などの繊維素材に、撥水性、防水性、柔軟性、平滑性、防しわ性、圧縮回復性などを付与するために、各種のシリコーン、特にアミノ変性ポリオルガノシロキサンを主剤とする繊維処理剤が使用されてきた。
【0003】
しかし、アミノ変性ポリオルガノシロキサンを単独で用いた場合には、加熱処理や経時放置により、繊維にアミノ基に起因した黄変が生じるという欠点があり、さらにぬめり感が強すぎて、ボリューム感(ふくらみ感)が十分に得られなかった。
【0004】
前記した黄変を改善するための対策は様々に検討されており、例えば、エポキシ変性ポリオルガノシロキサンとアミノ変性ポリオルガノシロキサンとを併用した繊維処理剤が提案されている。(例えば、特許文献1参照)
【0005】
また、黄変の発生を防止するために、ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンを用いた繊維処理剤が提案されている。(例えば、特許文献2参照)
【0006】
さらに、繊維用の処理剤と分野が異なる毛髪化粧料において、高重合度のポリオルガノシロキサン(粘度100万cSt以上)と低粘度のポリオルガノシロキサン(粘度10万cSt以下)、およびアミノ変性ポリオルガノシロキサンをそれぞれ配合したヘアートリートメント用のコンディショニング剤が提案されている。(例えば、特許文献3参照)
【0007】
【特許文献1】
特開2002−194677公報
【特許文献2】
特開2001−279581公報
【特許文献3】
特表2001−504136公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載された繊維処理剤によれば、黄変の発生は低減することができるものの、繊維に対して十分なふくらみ感を付与することができなかった。
【0009】
また、特許文献2に記載された繊維処理剤によっても、黄変性は改善することができるものの、十分に良好な風合いを与えることはできなかった。
【0010】
さらに、特許文献3に記載された処理剤では、毛髪に対しては十分なコンディショニング効果を与えることができるが、高重合度のポリオルガノシロキサンを希釈する成分である低粘度ポリオルガノシロキサンの粘度が高すぎるため、繊維素材に対してはべた付き感を与え、その結果十分な風合いを得ることができなかった。
【0011】
本発明はこれらの問題を解決するためになされたもので、繊維素材に対して、柔軟性、平滑性、ふくらみ感を付与し、黄変を発生させない繊維処理剤を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、所定の範囲の重合度を有する高重合ポリオルガノシロキサンと、アミノ変性ポリオルガノシロキサンとを組合わせて使用することが、繊維素材に柔軟性、平滑性、ふくらみ感および低黄変性を付与するために極めて有効であることを見出し、本発明を完成した。
【0013】
すなわち、本発明の繊維処理剤は、(A)界面活性剤、(B)平均重合度が1400〜5000のポリオルガノシロキサン、(C)アミノ変性ポリオルガノシロキサン、および(D)水をそれぞれ含有することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
本発明の実施形態の繊維処理剤は、(A)界面活性剤、(B)平均重合度が1400〜5000のポリオルガノシロキサン、(C)アミノ変性ポリオルガノシロキサン、および(D)水をそれぞれ含有するエマルジョン組成物である。
【0016】
この繊維処理剤に使用される(A)界面活性剤は、(B)成分および(C)成分を(D)成分の水中に均一に分散させるための成分であり、公知のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、および両性界面活性剤の中から任意に選択して使用することができる。具体的には、次のものが例示される。
【0017】
アニオン性界面活性剤としては、ヘキシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、セチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ミリスチルベンゼンスルホン酸ナトリウムのようなアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩;ポリオキシエチレンオクチルエーテル硫酸エステルナトリウム、ポリオキシエチレンデシルエーテル硫酸エステルナトリウム、ポリオキシエチレンイコシルエーテル硫酸エステルナトリウムのようなポリオキシエチレンモノアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム塩;ポリオキシエチレンデシルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウムのようなポリオキシエチレンモノ(アルキルフェニル)エーテル硫酸エステルナトリウム塩などが例示される。
【0018】
カチオン性界面活性剤としては、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、牛脂トリメチルアンモニウムクロリド、ヤシ油トリメチルアンモニウムクロリド、オクチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、デシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリドのような第四級アンモニウム塩などが例示される。
【0019】
ノニオン性界面活性剤としては、モノラウリン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリルのようなグリセリン脂肪酸エステル;同様の脂肪酸残基を有するポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンイソセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテルのようなポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルのようなポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;オキシエチレン・オキシプロピレンブロック共重合体;ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンなどが例示される。
【0020】
両性界面活性剤としては、ベタイン型のヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油アルキルベタインなどが例示される。
【0021】
本発明においては、乳化しやすさなどの点で、これらの界面活性剤の中でもポリオキシアルキレンアルキルエーテルの使用が好ましく、特にアルキル部分の鎖長が炭素数8〜20であるものの使用がより好ましい。
【0022】
これらの界面活性剤は、1種を単独で使用しても、また乳化可能であれば2種以上を混合して使用しても良い。また、その配合量は、乳化性能や保存安定性などの観点から、全組成物中に5〜30重量%の割合で配合することが好ましく、10〜20重量%の範囲がより好ましい。
【0023】
本発明において使用される(B)成分のポリオルガノシロキサンは、平均重合度が1400〜5000のものであり、好ましくは平均重合度が1400〜3500、さらに好ましくは1500〜3000の範囲のものである。平均重合度が1400未満であると、繊維素材に対して十分な風合いを付与することができず、逆に平均重合度が5000を超えると乳化が困難になる。
【0024】
この(B)成分のポリオルガノシロキサンは、基本的に直鎖状のシロキサン骨格を有するものである。若干の分岐を有していてもよいが、分子全体が直鎖状の構造からなるものが好ましい。
【0025】
分子中のケイ素原子に結合する有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、へキシルなどのアルキル基;シクロヘキシルなどのシクロアルキル基;ビニル、アリルなどのアルケニル基;フェニル、トリルなどのアリール基;およびこれらの基の炭素原子に結合した水素原子がハロゲン原子、シアノ基などで置換された基、例えばクロロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノメチル基などが例示される。ケイ素原子に結合するその他の基として、アルコキシ基、水酸基、水素原子などを部分的に含んでいてもよい。
【0026】
なお、分子鎖の末端基としては、トリオルガノシリル基、またはその有機基の一部が水酸基で置換された基が例示される。トリメチルシリル基、またはジメチルヒドロキシシリル基であることが好ましい。(B)成分のポリオルガノシロキサンは、1種を単独で使用しても、2種以上を混合して用いてもよい。
【0027】
本発明に使用される(C)成分のアミノ変性ポリオルガノシロキサンとしては、0.02〜3.0ミリ当量/gのアミノ含有量を有し、かつ以下の一般式(I)および(II)で表される構成単位を、(I):(II)=1:2〜1:1300のモル比で含むものが挙げられる。
【0028】
R1 aQbSiO(4−a−b) / 2 …………(I)
この式中、R1は炭素数1〜6の置換または非置換の1価の炭化水素基、Qは、式:−R2NHZ(但し、R2は炭素と水素;炭素、水素および酸素;または炭素、水素およびイオウの各原子を含む2価の連結基、Zは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、または−CH2CH2NH2を表す。)で表される1価の有機基、a、bはそれぞれ0<a≦2、1≦b≦3、およびa+b≦3を満たす数を示す。
【0029】
R3 cSiO(4−C) / 2 ………(II)
この式中、R3は炭素数1〜6の置換または非置換の1価の炭化水素基、cは1〜3の範囲の数を示す)
【0030】
なお、この(C)アミノ変性ポリオルガノシロキサンにおいて、分子鎖の末端基としては、トリオルガノシリル基、またはその有機基の一部が水酸基で置換された基が例示される。(C)成分のアミノ変性ポリオルガノシロキサンは、1種を単独で使用しても2種以上を混合して用いてもよい。
【0031】
本発明の実施形態において、繊維素材に対する風合いの向上および低黄変性などの効果を十分に得るためには、(B)成分のポリオルガノシロキサンと(C)成分のアミノ変性ポリオルガノシロキサンを、合計量で全組成物中に0.1〜30重量%の割合となるように配合し、かつその重量比(B)/(C)を3/1〜100/1の範囲とすることが望ましい。(B)成分と(C)成分との重量比(B)/(C)が3/1より少ないと、繊維の黄変が顕著に見られ、また100/1を超えると十分な風合いが得られない。特に好ましい範囲は、(B)/(C)が4/1〜10/1である。
【0032】
本発明の実施形態においては、前記(B)成分を希釈する成分として、(E)平均重合度が150以下のポリオルガノシロキサンを配合することができる。
【0033】
このようなポリオルガノシロキサンの具体例としては、直鎖状および分岐状の低分子量ポリオルガノシロキサンとして、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、α,ω−ビス(トリメチルシリル)ポリジメチルシロキサンのような末端トリオルガノシリル基封鎖直鎖状ポリオルガノシロキサン;1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジヒドロキシジシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチル−1,7−ジヒドロキシテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ジエトキシトリシロキサン、α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン、α,ω−ジメトキシポリジメチルシロキサンのようなケイ素官能性基含有直鎖状ポリオルガノシロキサン;および3−(トリメチルシロキシ)−1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,7−ジヒドロキシ−3−(トリメチルシロキシ)−1,1,3,5,5,7,7−ヘプタメチルテトラシロキサンのような分岐状ポリオルガノシロキサンが例示さる。
【0034】
また、環状のポリオルガノシロキサンとして、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,1−ジエチル−3,3,5,5,7,7−ヘキサメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリフェニルシクロトリシロキサン、フェニルヘプタメチルシクロテトラシロキサン、1,1−ジフェニル−3,3,5,5,7,7−ヘキサメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリス(3,3,3−トリフルオロプロピル)シクロトリシロキサンなどが例示される。
【0035】
これらの中でも、環状ポリオルガノシロキサンの使用が特に好ましい。また、(E)成分のポリオルガノシロキサンは、1種を単独で使用しても2種以上を混合して用いてもよい。
【0036】
本発明に使用される(D)成分の水は、前記(A)成分〜(C)成分および(E)成分から均一なエマルジョン組成物を得るための分散媒として用いられる。
【0037】
(D)成分である水の配合量は、(A)成分〜(C)成分および(E)成分の含有量の合計が組成物全体の0.1〜70重量%となる範囲が好ましい。(A)〜(C)および(E)成分の配合量が前記範囲より少ない場合には、繊維素材に対して風合い向上などの効果を十分に付与することができず、反対に多い場合には、組成物の粘度が大きくなりすぎて流動性が悪くなり、繊維素材をうまく処理することが困難になる。
【0038】
本発明の繊維処理剤は、上記(A)成分〜(E)成分の各成分を、ホモミキサー、コロイドミル、ラインミキサー、ホモジナイザー等の乳化機を用いて乳化し、エマルジョンの形態にすることにより製造することができる。そして、得られたシリコーンエマルジョン組成物は、必要に応じて水で希釈して所望の濃度に調整し、浸漬、スプレー塗布等の手段で繊維素材に付着させ、乾燥および熱処理して用いられる。
【0039】
本発明のシリコーンエマルジョン組成物には、上記(A)成分〜(E)成分の他に、繊維処理剤であるシリコーンエマルジョン組成物に通常配合される成分、例えば防腐剤;防黴剤;防錆剤;着色剤;鉱物油;パラミチン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸;増粘剤などを、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜配合することができる。
【0040】
本発明の繊維処理剤によれば、各種の繊維素材に対して、十分に満足できる柔軟性、平滑性、ふくらみ感を付与することができるうえに、黄変の発生を防止することができる。
【0041】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、これらの例において、「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および「重量%」を表わす。また、粘度は25℃における測定値を示す。
【0042】
実施例1
平均重合度3000のジメチルシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサン)25部、デカメチルシクロペンタシロキサン25部、およびアミノ含有量が0.7ミリ当量/gで粘度が1500Pa・sのアミノ変性ポリオルガノシロキサン4部に、界面活性剤であるポリオキシエチレントリデシルエーテル(HLB10.2)5部とポリオキシエチレントリデシルエーテル(HLB14.5) 5部、および水36部をそれぞれ加え、これをコロイドミル乳化機を用いて公知の方法で乳化した。次いで、乳酸0.1部を加えて中和し、エマルジョンAを得た。
【0043】
次いで、得られたエマルジョンAを固形分が1%となるように水で希釈し、処理液を調製した。この処理液に20cm×20cmの綿布を処理が均一になるように浸漬し、次いで25℃で12時間風乾した後、150℃のオーブンで5分間加熱乾燥し、処理綿布を得た。
【0044】
実施例2
デカメチルシクロペンタシロキサンの代りに、平均重合度85のポリジメチルシロキサンを使用する以外は、実施例1と同様にして、エマルジョンBを調製した。
【0045】
次いで、得られたエマルジョンBを用い実施例1と同様な方法で処理を行い、処理綿布を得た。
【0046】
実施例3
平均重合度3000のポリジメチルシロキサン25部とデカメチルシクロペンタシロキサン25部を併用する代わりに、平均重合度3000のポリジメチルシロキサン50部を使用した。それ以外は実施例1と同様にして、エマルジョンCを調製した。そして、得られたエマルジョンCを用い実施例1と同様な方法で処理を行い、処理綿布を得た。
【0047】
比較例1
実施例1において、アミノ変性ポリオルガノシロキサンを配合せず、また乳酸の添加を除いた。それ以外は実施例1と同様にして、エマルジョンDを調製した。そして、得られたエマルジョンDを用いて実施例1と同様な方法で処理を行い、処理綿布を得た。
【0048】
比較例2
アミノ含有量0.7ミリ当量/g、粘度1500Pa・sのアミノ変性ポリオルガノシロキサン25部に、界面活性剤であるポリオキシエチレントリデシルエーテル(HLB10.2)5部とポリオキシエチレントリデシルエーテル(HLB14.5)5部、および水61部をそれぞれ加え、これをコロイドミル乳化機を用い、公知の方法で乳化した。次いで、乳酸1.3部を加えて中和し、エマルジョンEを調製した。
【0049】
次いで、得られたエマルジョンEを用い実施例1と同様な方法で処理を行い、処理綿布を得た。
【0050】
次に、実施例1〜3および比較例1,2でそれぞれ得られた処理綿布の平滑性、柔軟性、ふくらみ性について、それぞれ下記基準に基いて手触り評価を行った。また、黄変性については、外観を下記基準で目視評価した。評価結果を表1に示す。
【0051】
【0052】
【表1】
【0053】
表1から、実施例1〜3で得られた処理綿布は、柔軟性、平滑性、ふくらみ性、低黄変性のいずれの項目においても優れていることが明らかである。
【0054】
【発明の効果】
以上の記載からも明らかなように、本発明の繊維処理剤によれば、各種の繊維素材に対して、十分に満足できる柔軟性、平滑性、ふくらみ感を付与することができるうえに、黄変の発生を防止することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維処理剤に係り、特に、各種の繊維に対して柔軟性、滑り性、ふくらみ感などを付与するための繊維用柔軟処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、木綿、麻、絹、羊毛、アンゴラ、モヘアのような天然繊維;レーヨン、ベンベルグのような再生繊維;アセテートのような半合成繊維;ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ビニロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン系弾性繊維のような合成繊維;ガラス繊維、カーボン繊維、炭化ケイ素繊維のような無機繊維などの繊維素材に、撥水性、防水性、柔軟性、平滑性、防しわ性、圧縮回復性などを付与するために、各種のシリコーン、特にアミノ変性ポリオルガノシロキサンを主剤とする繊維処理剤が使用されてきた。
【0003】
しかし、アミノ変性ポリオルガノシロキサンを単独で用いた場合には、加熱処理や経時放置により、繊維にアミノ基に起因した黄変が生じるという欠点があり、さらにぬめり感が強すぎて、ボリューム感(ふくらみ感)が十分に得られなかった。
【0004】
前記した黄変を改善するための対策は様々に検討されており、例えば、エポキシ変性ポリオルガノシロキサンとアミノ変性ポリオルガノシロキサンとを併用した繊維処理剤が提案されている。(例えば、特許文献1参照)
【0005】
また、黄変の発生を防止するために、ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンを用いた繊維処理剤が提案されている。(例えば、特許文献2参照)
【0006】
さらに、繊維用の処理剤と分野が異なる毛髪化粧料において、高重合度のポリオルガノシロキサン(粘度100万cSt以上)と低粘度のポリオルガノシロキサン(粘度10万cSt以下)、およびアミノ変性ポリオルガノシロキサンをそれぞれ配合したヘアートリートメント用のコンディショニング剤が提案されている。(例えば、特許文献3参照)
【0007】
【特許文献1】
特開2002−194677公報
【特許文献2】
特開2001−279581公報
【特許文献3】
特表2001−504136公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載された繊維処理剤によれば、黄変の発生は低減することができるものの、繊維に対して十分なふくらみ感を付与することができなかった。
【0009】
また、特許文献2に記載された繊維処理剤によっても、黄変性は改善することができるものの、十分に良好な風合いを与えることはできなかった。
【0010】
さらに、特許文献3に記載された処理剤では、毛髪に対しては十分なコンディショニング効果を与えることができるが、高重合度のポリオルガノシロキサンを希釈する成分である低粘度ポリオルガノシロキサンの粘度が高すぎるため、繊維素材に対してはべた付き感を与え、その結果十分な風合いを得ることができなかった。
【0011】
本発明はこれらの問題を解決するためになされたもので、繊維素材に対して、柔軟性、平滑性、ふくらみ感を付与し、黄変を発生させない繊維処理剤を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、所定の範囲の重合度を有する高重合ポリオルガノシロキサンと、アミノ変性ポリオルガノシロキサンとを組合わせて使用することが、繊維素材に柔軟性、平滑性、ふくらみ感および低黄変性を付与するために極めて有効であることを見出し、本発明を完成した。
【0013】
すなわち、本発明の繊維処理剤は、(A)界面活性剤、(B)平均重合度が1400〜5000のポリオルガノシロキサン、(C)アミノ変性ポリオルガノシロキサン、および(D)水をそれぞれ含有することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
本発明の実施形態の繊維処理剤は、(A)界面活性剤、(B)平均重合度が1400〜5000のポリオルガノシロキサン、(C)アミノ変性ポリオルガノシロキサン、および(D)水をそれぞれ含有するエマルジョン組成物である。
【0016】
この繊維処理剤に使用される(A)界面活性剤は、(B)成分および(C)成分を(D)成分の水中に均一に分散させるための成分であり、公知のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、および両性界面活性剤の中から任意に選択して使用することができる。具体的には、次のものが例示される。
【0017】
アニオン性界面活性剤としては、ヘキシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、セチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ミリスチルベンゼンスルホン酸ナトリウムのようなアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩;ポリオキシエチレンオクチルエーテル硫酸エステルナトリウム、ポリオキシエチレンデシルエーテル硫酸エステルナトリウム、ポリオキシエチレンイコシルエーテル硫酸エステルナトリウムのようなポリオキシエチレンモノアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム塩;ポリオキシエチレンデシルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウムのようなポリオキシエチレンモノ(アルキルフェニル)エーテル硫酸エステルナトリウム塩などが例示される。
【0018】
カチオン性界面活性剤としては、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、牛脂トリメチルアンモニウムクロリド、ヤシ油トリメチルアンモニウムクロリド、オクチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、デシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリドのような第四級アンモニウム塩などが例示される。
【0019】
ノニオン性界面活性剤としては、モノラウリン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリルのようなグリセリン脂肪酸エステル;同様の脂肪酸残基を有するポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンイソセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテルのようなポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルのようなポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;オキシエチレン・オキシプロピレンブロック共重合体;ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンなどが例示される。
【0020】
両性界面活性剤としては、ベタイン型のヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油アルキルベタインなどが例示される。
【0021】
本発明においては、乳化しやすさなどの点で、これらの界面活性剤の中でもポリオキシアルキレンアルキルエーテルの使用が好ましく、特にアルキル部分の鎖長が炭素数8〜20であるものの使用がより好ましい。
【0022】
これらの界面活性剤は、1種を単独で使用しても、また乳化可能であれば2種以上を混合して使用しても良い。また、その配合量は、乳化性能や保存安定性などの観点から、全組成物中に5〜30重量%の割合で配合することが好ましく、10〜20重量%の範囲がより好ましい。
【0023】
本発明において使用される(B)成分のポリオルガノシロキサンは、平均重合度が1400〜5000のものであり、好ましくは平均重合度が1400〜3500、さらに好ましくは1500〜3000の範囲のものである。平均重合度が1400未満であると、繊維素材に対して十分な風合いを付与することができず、逆に平均重合度が5000を超えると乳化が困難になる。
【0024】
この(B)成分のポリオルガノシロキサンは、基本的に直鎖状のシロキサン骨格を有するものである。若干の分岐を有していてもよいが、分子全体が直鎖状の構造からなるものが好ましい。
【0025】
分子中のケイ素原子に結合する有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、へキシルなどのアルキル基;シクロヘキシルなどのシクロアルキル基;ビニル、アリルなどのアルケニル基;フェニル、トリルなどのアリール基;およびこれらの基の炭素原子に結合した水素原子がハロゲン原子、シアノ基などで置換された基、例えばクロロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノメチル基などが例示される。ケイ素原子に結合するその他の基として、アルコキシ基、水酸基、水素原子などを部分的に含んでいてもよい。
【0026】
なお、分子鎖の末端基としては、トリオルガノシリル基、またはその有機基の一部が水酸基で置換された基が例示される。トリメチルシリル基、またはジメチルヒドロキシシリル基であることが好ましい。(B)成分のポリオルガノシロキサンは、1種を単独で使用しても、2種以上を混合して用いてもよい。
【0027】
本発明に使用される(C)成分のアミノ変性ポリオルガノシロキサンとしては、0.02〜3.0ミリ当量/gのアミノ含有量を有し、かつ以下の一般式(I)および(II)で表される構成単位を、(I):(II)=1:2〜1:1300のモル比で含むものが挙げられる。
【0028】
R1 aQbSiO(4−a−b) / 2 …………(I)
この式中、R1は炭素数1〜6の置換または非置換の1価の炭化水素基、Qは、式:−R2NHZ(但し、R2は炭素と水素;炭素、水素および酸素;または炭素、水素およびイオウの各原子を含む2価の連結基、Zは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、または−CH2CH2NH2を表す。)で表される1価の有機基、a、bはそれぞれ0<a≦2、1≦b≦3、およびa+b≦3を満たす数を示す。
【0029】
R3 cSiO(4−C) / 2 ………(II)
この式中、R3は炭素数1〜6の置換または非置換の1価の炭化水素基、cは1〜3の範囲の数を示す)
【0030】
なお、この(C)アミノ変性ポリオルガノシロキサンにおいて、分子鎖の末端基としては、トリオルガノシリル基、またはその有機基の一部が水酸基で置換された基が例示される。(C)成分のアミノ変性ポリオルガノシロキサンは、1種を単独で使用しても2種以上を混合して用いてもよい。
【0031】
本発明の実施形態において、繊維素材に対する風合いの向上および低黄変性などの効果を十分に得るためには、(B)成分のポリオルガノシロキサンと(C)成分のアミノ変性ポリオルガノシロキサンを、合計量で全組成物中に0.1〜30重量%の割合となるように配合し、かつその重量比(B)/(C)を3/1〜100/1の範囲とすることが望ましい。(B)成分と(C)成分との重量比(B)/(C)が3/1より少ないと、繊維の黄変が顕著に見られ、また100/1を超えると十分な風合いが得られない。特に好ましい範囲は、(B)/(C)が4/1〜10/1である。
【0032】
本発明の実施形態においては、前記(B)成分を希釈する成分として、(E)平均重合度が150以下のポリオルガノシロキサンを配合することができる。
【0033】
このようなポリオルガノシロキサンの具体例としては、直鎖状および分岐状の低分子量ポリオルガノシロキサンとして、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、α,ω−ビス(トリメチルシリル)ポリジメチルシロキサンのような末端トリオルガノシリル基封鎖直鎖状ポリオルガノシロキサン;1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジヒドロキシジシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチル−1,7−ジヒドロキシテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ジエトキシトリシロキサン、α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン、α,ω−ジメトキシポリジメチルシロキサンのようなケイ素官能性基含有直鎖状ポリオルガノシロキサン;および3−(トリメチルシロキシ)−1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,7−ジヒドロキシ−3−(トリメチルシロキシ)−1,1,3,5,5,7,7−ヘプタメチルテトラシロキサンのような分岐状ポリオルガノシロキサンが例示さる。
【0034】
また、環状のポリオルガノシロキサンとして、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,1−ジエチル−3,3,5,5,7,7−ヘキサメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリフェニルシクロトリシロキサン、フェニルヘプタメチルシクロテトラシロキサン、1,1−ジフェニル−3,3,5,5,7,7−ヘキサメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリス(3,3,3−トリフルオロプロピル)シクロトリシロキサンなどが例示される。
【0035】
これらの中でも、環状ポリオルガノシロキサンの使用が特に好ましい。また、(E)成分のポリオルガノシロキサンは、1種を単独で使用しても2種以上を混合して用いてもよい。
【0036】
本発明に使用される(D)成分の水は、前記(A)成分〜(C)成分および(E)成分から均一なエマルジョン組成物を得るための分散媒として用いられる。
【0037】
(D)成分である水の配合量は、(A)成分〜(C)成分および(E)成分の含有量の合計が組成物全体の0.1〜70重量%となる範囲が好ましい。(A)〜(C)および(E)成分の配合量が前記範囲より少ない場合には、繊維素材に対して風合い向上などの効果を十分に付与することができず、反対に多い場合には、組成物の粘度が大きくなりすぎて流動性が悪くなり、繊維素材をうまく処理することが困難になる。
【0038】
本発明の繊維処理剤は、上記(A)成分〜(E)成分の各成分を、ホモミキサー、コロイドミル、ラインミキサー、ホモジナイザー等の乳化機を用いて乳化し、エマルジョンの形態にすることにより製造することができる。そして、得られたシリコーンエマルジョン組成物は、必要に応じて水で希釈して所望の濃度に調整し、浸漬、スプレー塗布等の手段で繊維素材に付着させ、乾燥および熱処理して用いられる。
【0039】
本発明のシリコーンエマルジョン組成物には、上記(A)成分〜(E)成分の他に、繊維処理剤であるシリコーンエマルジョン組成物に通常配合される成分、例えば防腐剤;防黴剤;防錆剤;着色剤;鉱物油;パラミチン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸;増粘剤などを、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜配合することができる。
【0040】
本発明の繊維処理剤によれば、各種の繊維素材に対して、十分に満足できる柔軟性、平滑性、ふくらみ感を付与することができるうえに、黄変の発生を防止することができる。
【0041】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、これらの例において、「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および「重量%」を表わす。また、粘度は25℃における測定値を示す。
【0042】
実施例1
平均重合度3000のジメチルシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサン)25部、デカメチルシクロペンタシロキサン25部、およびアミノ含有量が0.7ミリ当量/gで粘度が1500Pa・sのアミノ変性ポリオルガノシロキサン4部に、界面活性剤であるポリオキシエチレントリデシルエーテル(HLB10.2)5部とポリオキシエチレントリデシルエーテル(HLB14.5) 5部、および水36部をそれぞれ加え、これをコロイドミル乳化機を用いて公知の方法で乳化した。次いで、乳酸0.1部を加えて中和し、エマルジョンAを得た。
【0043】
次いで、得られたエマルジョンAを固形分が1%となるように水で希釈し、処理液を調製した。この処理液に20cm×20cmの綿布を処理が均一になるように浸漬し、次いで25℃で12時間風乾した後、150℃のオーブンで5分間加熱乾燥し、処理綿布を得た。
【0044】
実施例2
デカメチルシクロペンタシロキサンの代りに、平均重合度85のポリジメチルシロキサンを使用する以外は、実施例1と同様にして、エマルジョンBを調製した。
【0045】
次いで、得られたエマルジョンBを用い実施例1と同様な方法で処理を行い、処理綿布を得た。
【0046】
実施例3
平均重合度3000のポリジメチルシロキサン25部とデカメチルシクロペンタシロキサン25部を併用する代わりに、平均重合度3000のポリジメチルシロキサン50部を使用した。それ以外は実施例1と同様にして、エマルジョンCを調製した。そして、得られたエマルジョンCを用い実施例1と同様な方法で処理を行い、処理綿布を得た。
【0047】
比較例1
実施例1において、アミノ変性ポリオルガノシロキサンを配合せず、また乳酸の添加を除いた。それ以外は実施例1と同様にして、エマルジョンDを調製した。そして、得られたエマルジョンDを用いて実施例1と同様な方法で処理を行い、処理綿布を得た。
【0048】
比較例2
アミノ含有量0.7ミリ当量/g、粘度1500Pa・sのアミノ変性ポリオルガノシロキサン25部に、界面活性剤であるポリオキシエチレントリデシルエーテル(HLB10.2)5部とポリオキシエチレントリデシルエーテル(HLB14.5)5部、および水61部をそれぞれ加え、これをコロイドミル乳化機を用い、公知の方法で乳化した。次いで、乳酸1.3部を加えて中和し、エマルジョンEを調製した。
【0049】
次いで、得られたエマルジョンEを用い実施例1と同様な方法で処理を行い、処理綿布を得た。
【0050】
次に、実施例1〜3および比較例1,2でそれぞれ得られた処理綿布の平滑性、柔軟性、ふくらみ性について、それぞれ下記基準に基いて手触り評価を行った。また、黄変性については、外観を下記基準で目視評価した。評価結果を表1に示す。
【0051】
【0052】
【表1】
【0053】
表1から、実施例1〜3で得られた処理綿布は、柔軟性、平滑性、ふくらみ性、低黄変性のいずれの項目においても優れていることが明らかである。
【0054】
【発明の効果】
以上の記載からも明らかなように、本発明の繊維処理剤によれば、各種の繊維素材に対して、十分に満足できる柔軟性、平滑性、ふくらみ感を付与することができるうえに、黄変の発生を防止することができる。
Claims (5)
- (A)界面活性剤、
(B)平均重合度が1400〜5000のポリオルガノシロキサン、
(C)アミノ変性ポリオルガノシロキサン、および
(D)水
をそれぞれ含有することを特徴とする繊維処理剤。 - 前記(B)成分を希釈する成分として、(E)平均重合度が150以下のポリオルガノシロキサンをさらに含有することを特徴とする請求項1記載の繊維処理剤。
- 前記(E)成分が環状ポリオルガノシロキサンであることを特徴とする請求項2記載の繊維処理剤。
- 前記(C)成分のアミノ含有量が、0.02〜3ミリ当量/gであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の繊維処理剤。
- 前記(B)成分と前記(C)成分の重量比が、3/1〜100/1であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の繊維処理剤。
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