JP2004346457A - ウォータジェットルームにおける緯入れ状態検出装置 - Google Patents

ウォータジェットルームにおける緯入れ状態検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】緯入れポンプによって圧送される水の圧力や水量等といった緯入れ条件を的確かつ効率良く調整できるようにする。
【解決手段】ジェット先頭到達検出器36は、緯入れノズル27から噴射された水ジェットの先頭の到達を検出する。糸張力計30は、飛走する緯糸Yの飛走速度が急変することによって生じる糸張力変動を検出する。これらの検出情報は、監視制御装置41に送られる。監視制御装置41は、これらの検出情報と、ロータリエンコーダ42から得られる織機回転角度とに基づいて、ジェット先行長を算出する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウォータジェットルームにおいて、緯入れポンプによって圧送される水の圧力や水量等を調整するための緯入れ状態検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ウォータジェットルームにおいては、緯糸の種類、織機の回転数や織り幅に代表される製織条件と、緯入れポンプのコイルばねの設定荷重や水量等の緯入れ装置の設定条件(緯入れ条件)との因果関係は、極めて複雑である。それ故、製織条件を変更した場合、安定した緯糸の飛走を実現するには、最適の緯入れ条件を探るための調整に少なからぬ時間を要するという問題がある。
【0003】
こうした問題の解決を目的として、緯入れ装置に種々のセンサを装着し、コンピュータを用いて統計的な処理を行うことにより緯入れ状態を診断し、前記した調整や稼働率向上に役立たせようとする研究が進められた。その成果は、例えば非特許文献1に報告されている。非特許文献1では、緯入れノズルの噴射圧力波形を高応答圧力センサによって検出し、同時にクランパ(グリッパとも呼ぶ)の動きを近接スイッチで検出してウォータジェットルームの運転状況を診断する方法とその結果とが開示されている。
【0004】
【非特許文献1】
近岡和英、新谷隆二、喜成年泰著「ウォータジェットルームのよこ入れ機構診断システムの開発」繊維機械学会誌Vol.42、No.4(1989年)、p.193〜p.202
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
安定した製織を行うには、糸の噴射終了時刻が規定値に収まることが必須条件で、かつ糸とジェットとが緯糸飛走にとって好適な位置関係、具体的には、水ジェットの先頭が、飛走する緯糸の先頭よりも少し先行して移動することが望ましい。この先行量は、緯入れ状態の良否を評価する上で重要な特性値であり、一般的には、この先行量が適正か否かをストロボライトを用いて目視することにより緯入れ条件の調整が行われている。しかし、ストロボライトを用いて先行量を観測すること自体大層面倒かつ精度に欠ける。さらに先行長の多寡に応じ、糸自由飛走終了時間も同時に満足するようにポンプ条件、例えば噴射圧力、減圧勾配、噴射期間などを調整しようとする場合には、ジェット特性に対する正確な理解と長年の熟練とが必要となる。
【0006】
非特許文献1は、こうした課題解決の一助とすべく提示されたものであるが、織機調整者にとって重要なジェットと糸のいずれの特性値の計測項目はなく、ストロボライトを用いた調整に関する問題の解消はなされていない。また特性値に基づいて、緯入れ状態の良否を判定し、緯入れ装置を調整する方法と手段もなんら示されていない。
【0007】
本発明は、従来からのウォータジェットルームのもっている課題を改善すべく発明されたもので、課題である緯入れ条件の調整の面倒さを改善し、緯入れ条件を的確かつ効率良く調整できるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そのために請求項1の発明では、緯入れノズルから噴射される水のジェットの先頭が所定の位置に到達するジェット先頭到達時期を検出するジェット先頭到達時期検出手段と、前記緯糸の自由飛走が終了する自由飛走終了時期を検出する自由飛走終了時期検出手段と、前記ジェット先頭到達時期検出手段によって検出されたジェット先頭到達時期、及び前記自由飛走終了時期検出手段によって検出された自由飛走終了時期に基づいて、ジェット先行長を算出するジェット先行長算出手段とを備えた緯入れ状態検出装置を構成した。
【0009】
検出されたジェット先頭到達時期と検出された自由飛走終了時期とに基づいて算出されたジェット先行長は、緯入れポンプによって圧送される水の圧力や水量等といった緯入れ条件を調整する情報として好適な情報である。
【0010】
請求項2の発明では、請求項1において、前記ジェット先頭到達時期検出手段によって検出されたジェット先頭到達時期、前記自由飛走終了時期検出手段によって検出された自由飛走終了時期、及び前記ジェット先行長算出手段によって算出されたジェット先行長を表示する表示手段を備えた緯入れ状態検出装置を構成した。
【0011】
表示手段によって表示されたジェット先行長は、緯入れポンプによって圧送される水の圧力や水量等を調整する情報として好適な情報である。
請求項3の発明では、請求項2において、横軸に自由飛走終了時期をとると共に、縦軸にジェット先頭到達時期をとったグラフを前記表示手段によって表示し、ジェット先行長をパラメータとした等先行長線図、及び自由飛走終了時期とジェット先頭到達時期との散布状態を前記グラフ中に描いた。
【0012】
このようなグラフ表示は、自由飛走終了時期とジェット先行長の適切性を判断する上で有効な表示である。
請求項4の発明では、請求項1及び請求項2のいずれか1項において、前記緯入れポンプにおける水噴射圧発生用駆動源として、圧縮可能なガス状の流体の圧力をばね力とした流体ばね手段を用い、前記流体ばね手段と、前記流体ばね手段における前記流体の圧力状態を変えて水噴射状態を変更する水噴射調整手段と、前記ジェット先頭到達時期検出手段によって検出されたジェット先頭到達時期、前記自由飛走終了時期検出手段によって検出された自由飛走終了時期、及び前記ジェット先行長算出手段によって算出されたジェット先行長に基づいて、前記水噴射調整手段の調整状態を制御する制御手段とを備えた緯入れ自動調整装置を設けた。
【0013】
自由飛走終了時期が早すぎたり、遅すぎたりする場合、及びジェット先行長が大きすぎたり、小さすぎたりする場合には、制御手段は、適正な自由飛走終了時期及びジェット先行長となるように水噴射調整手段の調整状態を制御する。
【0014】
請求項5の発明では、請求項4において、前記流体ばね手段における前記流体の圧力を変えて水噴射圧を変更する噴射圧調整手段、前記流体ばね手段における前記流体の圧力室の容積を変えて水噴射圧の圧力波形の減圧勾配を変更する減圧勾配調整手段、及び前記緯入れノズルと並列に配置したバイパス弁の開度を変えて水噴射終了時期を変更する水噴射終了時期調整手段のうちの少なくとも1つを前記水噴射調整手段とした。
【0015】
水噴射圧の変更は、水ジェット速度及び緯糸飛走速度を変えるので、噴射圧調整手段は、ジェット先行長が適正でなかったり、自由飛走終了時期が適正な範囲になかったりした場合の適正化の調整に利用できる。
【0016】
減圧勾配の変更は、緯入れ後期の水ジェット速度や水噴射期間を変えるので、減圧勾配調整手段は、ジェット先行長が適正でなかったり、自由飛走終了時期が適正な範囲になかったりした場合の適正化調整や、水噴射期間の適正化調整に利用できる。
【0017】
噴射圧力レベルや減圧勾配を変更したときの水噴射期間の変化は、水噴射終了時期を変更することによって補償できる。又、水噴射終了期間を早めることによって、減圧勾配を増した場合と同じように緯入れ後期の糸速度を減速させることができる。水噴射終了時期調整手段は、自由飛走終了時期が適正な範囲になかったりした場合の適正化調整に利用できる。
【0018】
請求項6の発明では、請求項4において、前記流体ばね手段における前記流体の圧力を変えて水噴射圧を変更する噴射圧調整手段と、前記流体ばね手段における前記流体の圧力室の容積を変えて水噴射圧の圧力波形の減圧勾配を変更する減圧勾配調整手段と、前記緯入れノズルと並列に配置したバイパス弁の開度を変えて水噴射終了時期を変更する水噴射終了時期調整手段とを含む前記水噴射調整手段を構成した。
【0019】
噴射圧調整手段、減圧勾配調整手段及び水噴射終了時期調整手段の各調整を適宜組み合わせれば、ジェット先行長や自由飛走終了時期の適正化の調整を的確に行うことができる。噴射圧調整手段の調整状態を変えると、水噴射圧が変更される。水噴射圧を変更すると水ジェットの推進力が変わり、自由飛走終了時期を変更することができる。水噴射圧を大きくすると、自由飛走終了時期が早くなり、水噴射圧を小さくすると、自由飛走終了時期が遅くなる。減圧勾配調整手段の調整状態を変えると、水噴射圧の圧力波形の減圧勾配が変更される。水噴射圧の圧力波形の減圧勾配を変更すると、水ジェットの後半の噴射速度が変わり、緯糸の飛走速度が変わり、ジェット先行長を変更することができる。減圧勾配を大きくすると、緯入れ後半のジェットの速度が下がり、緯糸の速度が減少することからジェット先行長が長くなる。逆に減圧勾配を小さくすると、ジェット先行長が短くなる。水噴射圧、減圧勾配及び水噴射終了時期の変更による調整は、適切な自由飛走終了時期、ジェット先行長をもたらす上で有効である。
【0020】
請求項7の発明では、前記制御手段は、前記ジェット先頭到達時期検出手段によって検出されたジェット先頭到達時期と、ジェット先頭到達時期の予め設定された目標値との偏差、前記自由飛走終了時期検出手段によって検出された自由飛走終了時期と、自由飛走終了時期の予め設定された目標値との偏差、及び前記ジェット先行長算出手段によって算出されたジェット先行長と、ジェット先行長の予め設定された目標値との偏差に基づいて、前記水噴射調整手段の調整状態をフィードバック制御するようにした。
【0021】
このようなフィードバック制御は、適切なジェット先行長をもたらす上で有効である。ここにおける検出されたジェット先頭到達時期、検出された自由飛走終了時期及び算出されたジェット先行長は、一定期間にサンプリングされたデータの平均値とするのが好ましい。
【0022】
請求項8の発明では、請求項1乃至請求項7のいずれか1項において、水のジェットを衝突させる衝突板と、前記衝突板の歪みを検出する歪み検出手段とを備えた前記ジェット先頭到達時期検出手段を構成した。
【0023】
水のジェットが衝突板に衝突開始すると、この衝突開始による衝突板の歪みが歪み検出手段によって検出される。歪み検出によるジェット先頭の到達検出は、ジェット先行長の計測精度を高める上で有効である。
【0024】
請求項9の発明では、請求項8において、前記衝突板を圧電振動板で構成した。
簡素な構成であって安価である圧電振動板は、衝突板を構成する部品として好適である。
【0025】
請求項10の発明では、請求項1乃至請求項7のいずれか1項において、圧電振動板に設けた糸ガイド孔に緯糸を通して糸張力を計測する糸張力計を用いた前記自由飛走終了時期検出手段を構成し、飛走する緯糸の飛走速度が急変することによって生じる糸張力変動を前記糸張力計によって得られた計測情報から検出すると共に、この検出時期を特定するようにした。
【0026】
簡素な構成であって安価である圧電振動板は、糸張力計を構成する部品として好適である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図1〜図8に基づいて説明する。
【0028】
図1及び図2(a)は、ウォータジェットルームにおける水噴射装置を示し、図2(b)は、水噴射装置を構成する緯入れポンプ11の内部構造を示す。
図2(b)に示すように、緯入れポンプ11の筒形状のポンプハウジング12内には貯水室形成シリンダ13が収容固定されており、貯水室形成シリンダ13の筒内にはプランジャ14がスライド可能に収容されている。貯水室形成シリンダ13及びプランジャ14は、ポンプハウジング12に対して着脱可能である。
つまり、断面積の異なる複数の貯水室形成シリンダ13及びプランジャ14をそれぞれ複数用意しておき、必要に応じて貯水室形成シリンダ13及びプランジャ14を交換することができる。
【0029】
プランジャ14にはスプリングシート15が取り付けられており、筒形状のポンプハウジング12の内周面にはスプリングキャップ16が螺合されている。スプリングキャップ16は、ロックナット17の締め付けによってポンプハウジング12に固定されている。スプリングシート15の座部151とスプリングキャップ16の座部161との間にはコイルばね18が介在されている。
【0030】
ポンプハウジング12に対するスプリングキャップ16の螺入位置を変更すると、コイルばね18のばね力が変更される。ポンプハウジング12に対するスプリングキャップ16の螺入位置を深くすれば、コイルばね18のばね力が強くなり、ポンプハウジング12に対するスプリングキャップ16の螺入位置を浅くすれば、コイルばね18のばね力が弱くなる。
【0031】
ポンプハウジング12には吸入口121及び吐出口122が形成されており、吸入口121と吐出口122との間には貯水室123が形成されている。貯水室123と吸入口121との間、及び貯水室123と吐出口122との間には逆止弁19,20が介在されている。図1及び図2(a)に示すように、吸入口121に接続された吸入管24は、フロートボックス25に通じており、吐出口122に接続された吐出管26は、緯入れノズル27に接続されている。
【0032】
プランジャ14は、ジョイント21を介してカムレバー22に連結されている。カムレバー22は、カムフォロア221を介してカム23に接離可能である。カムレバー22は、織機の回転に同期して一定の角速度で図1及び図2(a)の矢印Zの方向へ回転するカム23とコイルばね18との協働によって往復揺動される。プランジャ14及びスプリングシート15は、カムレバー22の往復揺動によって一体的に往復動する。
【0033】
図1において、カムレバー22がカム23の回転力によって支軸222を中心に左回動すると、プランジャ14及びスプリングシート15は、コイルばね18のばね力に抗して往動〔図2(b)において右側から左側への移動〕する。スプリングシート15の往動動作は、コイルばね18を圧縮し、プランジャ14の往動動作は、フロートボックス25から吸入管24を介して貯水室123内に一定量の水を吸入する。逆止弁19が開いて貯水室123内に吸水されている間、逆止弁20が閉じており、吐出管26内の水が貯水室123側へ逆流することはない。
【0034】
カムフォロア221がカム23のカム面231の最大径位置Maを越えると、カムフォロア221がカム23のカム面231から離れ、コイルばね18の復元力を受けるプランジャ14が貯水室123内の水を加圧する。貯水室123内の水が加圧されると、逆止弁19が閉じると共に、逆止弁20が開き、貯水室123内の加圧された水は、吐出管26を介して緯入れノズル27へ圧送される。緯入れノズル27へ圧送された水は、緯入れノズル27から噴射し、緯糸Yが経糸Tの開口内へ緯入れされる。カム23のカム面231から離れていたカムフォロア221がカム面231もしくは別途設けた噴射水量制限用のストッパ28に当接し、1サイクルの水噴射が終了する。
【0035】
ストッパ28は、不動配置された雌ねじ体281と、雌ねじ体281に螺合された雄ねじ体282と、雄ねじ体282に螺着されたロックナット283とからなる。雄ねじ体282は、ロックナット283の締め付けによって雌ねじ体281に固定される。雌ねじ体281に対する雄ねじ体282の螺入位置を変更すると、カムレバー22の復動方向の最終端位置が変更される。この最終端位置を変更すれば、水噴射終了時期が変更される。以下、水噴射終了時期を織機回転角度θeを用いて水噴射終了時期θeと表すことにする。雌ねじ体281に対する雄ねじ体282の螺入位置を深くすれば、水噴射終了時期θeが遅くなり、雌ねじ体281に対する雄ねじ体282の螺入位置を浅くすれば、水噴射終了時期θeが早くなる。
【0036】
緯入れノズル27に通される緯糸Yは、測長装置29から送り出される。測長装置29は、緯糸を把持して送るフィードローラ機構(図示略)と、緯糸を貯留するドラム機構(図示略)とを備えている。
【0037】
測長装置29と緯入れノズル27との間には糸張力計30及びグリッパ31が配設されている。測長装置29から送り出される緯糸Yは、糸張力計30の糸ガイド孔351に通されてからグリッパ31の固定把持片311と可動把持片312との間を通される。緯糸Yの非緯入れ時には可動把持片312が固定把持片311に接合し、緯糸Yが固定把持片311と可動把持片312との間に把持される。緯糸Yの緯入れ時には可動把持片312が固定把持片311から離間して緯糸Yがグリッパ31の把持作用から解放される。グリッパ31の把持作用から解放された緯糸Yは、緯入れノズル27の水噴射によって緯入れされる。
【0038】
図5のグラフにおける曲線Kは、緯糸Yの先頭の位置変化を近似的に表す。グラフの横軸θは、織機回転角度を表し、縦軸は、水噴射経路の方向(緯入れ方向)における緯入れノズル27からの距離を表す。曲線Kのうちの部分K1は、緯糸Yの自由飛走状態に対応し、曲線Kのうちの部分K2は、緯糸Yが前記フィードローラ機構の把持位置からほぼ直線状態に延びた状態で飛走する拘束飛走状態に対応する。
【0039】
図3(a),(b)に示すように、糸張力計30は、グリッパ31にねじ止めされた取り付け板32と、取り付け板32に止着された環状の補助板33と、補助板33に止着された圧電振動板34と、圧電振動板34を貫通するように圧電振動板34に止着されたガイドリング35とからなる。圧電振動板34は、導電性の支持板341と、導電性接着剤を用いて支持板341に接合された圧電セラミック板342とから構成されている。緯糸Yは、ガイドリング35の糸ガイド孔351及び取り付け板32に設けられた通し孔321を通されている。緯糸Yの張力による荷重は、ガイドリング35を介して圧電振動板34に掛かる。糸張力計30は、圧電振動板34に掛かる荷重によって圧電振動板34に生じる歪みに対応した電圧信号を出力する。
【0040】
図1に示すように、緯入れ末端(図1において経糸Tの列の右方)側にはジェット先頭到達検出器36が配設されている。ジェット先頭到達検出器36は、緯入れノズル27から噴射される水の噴射経路上にある。図4に示すように、ジェット先頭到達検出器36は、絶縁性の筒37と、筒37の一方の開放端に結合された圧電振動板38と、圧電振動板38を筒37に結合するための導電性のキャップ39とから構成されている。圧電振動板38は、導電性の支持板381と、導電性接着剤を用いて支持板381に接合された圧電セラミック板382とから構成されている。支持板381は、キャップ39によって筒37の一方の開放端に結合されるように押さえられている。キャップ39は、支持板381側の電気端子を兼ねる。
【0041】
緯入れノズル27から噴射された水のジェットJw〔図4及び図6(a),(b),(c)に図示〕は、圧電振動板38に衝突する。ジェット先頭到達検出器36は、水ジェットJwの衝突によって圧電振動板38に掛かる荷重によって生じる歪みに対応した電圧信号を出力する。つまり、衝突板としての圧電振動板38は、水ジェットJwの衝突開始による自身の歪みを検出する歪み検出手段である。
【0042】
ストッパ28には圧電素子を用いた荷重検出器40が取り付けられている。荷重検出器40は、カムレバー22がストッパ28の雄ねじ体282に衝突する際の衝撃振動加速度に対応した電気信号を出力する。荷重検出器40は、緯入れノズル27からの水の噴射終了を検出する噴射終了検出器である。
【0043】
圧電振動板34,38から出力される電圧信号、及び荷重検出器40から出力される電気信号は、監視制御装置41に送られる。監視制御装置41は、信号処理部411と演算部412とを備えている。圧電振動板34,38及び荷重検出器40は、信号処理部411に信号接続されており、信号処理部411には織機回転角度検出用のロータリエンコーダ42が信号接続されている。演算部412には表示装置43が信号接続されている。
【0044】
信号処理部411は、圧電振動板34から送られてくる電圧信号及びロータリエンコーダ42から送られてくる織機回転角度検出情報に基づいて、緯糸Yの自由飛走が終了する自由飛走終了時期(以下、θpと表す)を検出するための信号処理を行う。信号処理部411は、圧電振動板38から送られてくる電圧信号及び前記織機回転角度検出情報に基づいて、緯入れノズル27から噴射される水のジェットJwの先頭Jh〔図6(a),(b),(c)に図示〕が圧電振動板38の位置に到達する時期を検出するための信号処理を行う。又、信号処理部411は、荷重検出器40から送られてくる電気信号及び前記織機回転角度検出情報に基づいて、緯入れノズル27から噴射される水の噴射終了時期を検出するための信号処理を行う。
【0045】
図7のグラフにおける波形Fは、糸張力計30によって検出された緯糸Yの張力変化を表し、波形Eは、ジェット先頭到達検出器36によって検出された水ジェットJwの衝突荷重の変化を示す。信号処理部411は、糸張力計30によって検出された緯糸Yの張力が予め設定された閾値Foに達したときに立ち上がりパルスYpを生成する。信号処理部411は、ジェット先頭到達検出器36によって検出された荷重(圧力)が予め設定された閾値Eoに達したときに立ち上がりパルスJpを生成する。同様に、信号処理部411は、荷重検出器40によって検出された荷重が予め設定された閾値(図示略)に達したときに立ち上がりパルス(図示略)を生成する。
【0046】
図7の横軸θは、織機回転角度を表す。図示の例では、立ち上がりパルスYpは、織機回転角度θpのときに立ち上がっており、立ち上がりパルスJpは、織機回転角度θjのときに立ち上がっている。織機回転角度θpは、飛走する緯糸Yが自由飛走状態から拘束飛走状態に変わるときの織機回転角度である。以下、織機回転角度θpを自由飛走終了時期θpと表すこともある。織機回転角度θjは、水のジェットJwの先頭Jhがジェット先頭到達検出器36の圧電振動板38に到達したときの織機回転角度である。以下、織機回転角度θjをジェット先頭到達時期θjと表すこともある。
【0047】
信号処理部411は、ロータリエンコーダ42から得られる織機回転角度情報に基づいて、自由飛走終了時期θp及びジェット先頭到達時期θjを検出する。そして、信号処理部411は、検出した自由飛走終了時期θp及びジェット先頭到達時期θjを演算部412に出力する。信号処理部411を含む監視制御装置41は、糸張力計30及びロータリエンコーダ42と共に、緯糸Yの自由飛走が終了する自由飛走終了時期θpを検出する自由飛走終了時期検出手段を構成する。又、監視制御装置41は、ジェット先頭到達検出器36及びロータリエンコーダ42と共に、緯入れノズル27から噴射される水のジェットの先頭が所定の位置に到達するジェット先頭到達時期を検出するジェット先頭到達時期検出手段を構成する。この場合の所定の位置とは、ジェット先頭到達検出器36を構成する圧電振動板38の位置である。さらに、監視制御装置41は、荷重検出器40及びロータリエンコーダ42と共に、水の噴射終了時期を検出する噴射終了時期検出手段を構成する。
【0048】
演算部412は、信号処理部411における信号処理の結果に基づいて、自由飛走状態を表す部分K1から拘束飛走状態を表す部分K2への移行時を表す織機回転角度におけるジェット先行長Lpを算出する。演算部412を含む監視制御装置41は、ジェット先行長を算出するジェット先行長算出手段である。
【0049】
以下にジェット先行長の算出方法を説明する。
図5のグラフにおける直線Jsは、緯入れノズル27から噴射された水のジェットJwの先頭Jhの位置変化を近似的に表し、直線Jeは、緯入れノズル27から噴射された水のジェットJwの後端の位置変化を近似的に表す。図示の場合には、水のジェットJwの先頭Jhの移動は、等速度と見なし、ジェットJwの後端の移動も等速度と見なしている。又、自由飛走状態における緯糸Yの先頭の移動は、等速度と見なし、拘束飛走状態における緯糸Yの先頭の移動も等速度と見なしている。緯入れノズル27からの水噴射開始時期は、織機回転角度θoにしてある。グリッパ31が把持している緯糸Yを把持から解放する時期は、織機回転角度θ1にしてあり、グリッパ31が緯糸Yを把持開始する時期は、織機回転角度θ2にしてある。これらの織機回転角度θo,θ1,θ2は、いずれも予め設定される既定値である。
【0050】
図5の縦軸における距離L1は、織機回転角度θpのときにおける緯入れノズル27から緯糸Yの先頭までの予想される距離を表し、距離L2は、緯入れノズル27から圧電振動板38までの距離を表す。又、距離L5は、織物の幅によって定まる測長長さを表す。これらの距離L2,L5は、いずれも予め設定される既定値である。自由飛走終了時の緯糸Yの先頭位置は、距離L1で表すことができる。
【0051】
距離L1は、次式(1)に基づいて求められる。
L1=L5×(360°−θ2+θp)/360°・・・(1)
式(1)におけるL5/360°は、直線Wkの傾きを表す。
【0052】
ジェットJwの先頭Jhが距離L2の位置(つまり、圧電振動板38の位置)に到達する時を表す織機回転角度は、立ち上がりパルスJpの立ち上がり時の織機回転角度θjである。距離L3は、織機回転角度θpのときにおける緯入れノズル27からジェットJwの先頭Jhまでの予想される距離を表す。距離L3は、直線Jsの傾き(つまり、ジェットJwの先端の移動速度)が変わると異なってくる。
【0053】
距離L3は、次式(2)に基づいて求められる。
L3=L2×(θp−θo)/(θj−θo)・・・(2)
式(2)におけるL2/(θj−θo)は、直線Jsの傾きを表す。
【0054】
自由飛走状態を表す部分K1から拘束飛走状態を表す部分K2への移行時を表す織機回転角度θpにおけるジェット先行長Lpは、距離L3と距離L1との差(L3−L1)で表される。従って、ジェット先行長Lpは、次式(3)で表される。
【0055】
Figure 2004346457
距離L2、測長長さL5及び織機回転角度θo,θ2は、既定値であるので、ジェット先行長Lpは、織機回転角度θp,θjを特定することによって求めることができる。織機回転角度θpは、飛走する緯糸Yの飛走速度が急変することによって生じる糸張力変動を糸張力計30によって得られた計測情報から検出することによって特定される。織機回転角度θjは、水のジェットJwの先頭Jhが図4に示すように圧電振動板38に衝突開始したときの圧電振動板38の歪みを検出することによって特定される。
【0056】
ジェット先行長Lpの算出を行う演算部412は、図8に示すグラフの表示を行う。図8のグラフにおける横軸は、自由飛走終了時期θpを表しており、縦軸は、ジェット先頭到達時期θjを表している。グラフ中の小さい○印は、演算部412によって算出されたジェット先行長Lpをパラメータにとって、検出された自由飛走終了時期θpと検出されたジェット先頭到達時期とをプロットしたものである。
【0057】
図8のグラフ中の等先行長曲線M1は、パラメータであるジェット先行長が0(零)の場合の曲線を表し、等先行長曲線M2は、パラメータであるジェット先行長が100mmの場合の曲線を表す。等先行長曲線M1は、式(2)においてLp=0mmとすることによって得られる。等先行長曲線M2は、式(2)においてLp=100mmとすることによって得られる。
【0058】
ジェット先行長は、水噴射の開始からの経過時間とともに変化することが経験的に分かっている。又、ジェット先行長は、緯入れ期間の後半では織り幅の3〜5%程度の範囲が適切であることが経験的に分かっている。
【0059】
自由飛走終了時期θpは、緯糸Yの飛走期間の80%に相当する織機回転角度を平均値としてばらつき幅が10°以下が望ましい。図8のグラフにおける自由飛走終了時期θpの範囲α〜βは、自由飛走終了時期θpの望ましい目標範囲である。
【0060】
図8のグラフ中のプロット群Bは、自由飛走終了時期θpが目標範囲α〜βに入っており、かつジェット先行長Lpが範囲0〜100mmにほぼ収まっている。
つまり、プロット群Bの緯入れは、問題なく行われている。図6(a)は、ジェット先行長Lpが適正な長さの場合を表しており、プロット群Bは、図6(a)に示すような適正なジェット先行長Lpを実現することによって得られる。
【0061】
プロット群Cは、自由飛走終了時期θpが目標範囲α〜βから外れ、かつジェット先行長Lpが100mmを越えており、さらに大きくばらついている。このような状態は、水ジェットJwの推進力及び緯糸牽引力が不足するために生じる。
図6(c)は、水ジェットJwの推進力不足及び緯糸牽引力の不足により、自由飛走終了時期の遅れ及びジェット先行長Lpが長すぎる場合を表している。水ジェットJwの推進力を強くするには、噴射圧力を高くすればよく、緯糸牽引力を上げるには例えば単位時間当たりの水噴射量を大きくし、さらには必要に応じて水噴射終了時期を遅くして水噴射期間を長くすればよい。単位時間当たりの水噴射量を大きくするには、口径の大きな緯入れノズル27を採用し、かつ断面積の大きなプランジャ14を採用すればよい。圧力の減圧勾配を小さくすることでも同じような効果が期待できる。水噴射終了時期を遅くするには、ストッパ28における雌ねじ体281に対する雄ねじ体282の螺入位置を深くすればよい。
【0062】
プロット群Aは、自由飛走終了時期θpが目標範囲α〜β以下である。このような状態は、水ジェットJwの推進力が強すぎるために生じる。水ジェットJwの過大な推進力を低減するには、例えばポンプ圧力を低減させ、さらには必要に応じて水噴射終了時期を早くすればよい。単位時間当たりの水噴射量を小さくするには、口径の小さな緯入れノズル27を採用し、かつ断面積の小さなプランジャ14を採用すればよい。水噴射終了時期を早くするには、ストッパ28における雌ねじ体281に対する雄ねじ体282の螺入位置を浅くすればよい。
【0063】
プロット群Dは、ジェット先行長Lpが短すぎ、あるいは負の値となっている。ジェット先行長Lpが負の値となるというのは、緯糸Yの方が水ジェットよりも速く飛走するという現象である。この現象は、水ジェットが水噴射経過とともに静止した周囲の空気によって減速し、水噴射初速に対して織り端近くでは水噴射条件にもよるが数%から多いときには10数%減速するために生じる。このような現象は、水ジェットの噴射期間が比較的長く、減圧勾配が小さいときに生じやすい。このような水噴射条件では、緯入れノズル27の出口近くの高速の水ジェットに引っ張られて噴射された緯糸が織り端近くで失速して上流から突き上げられるように飛走するため、緯糸の飛走姿勢に緩みやもつれが生じる。
【0064】
図6(b)は、ジェット先行長Lpが不足する場合を表している。ジェット先行長Lpの不足を解消するには、ジェットの緯糸牽引力を低減させることが有効である。例えば水噴射終了時期を早めればよい。水噴射終了時期を早めるには、ストッパ28における雌ねじ体281に対する雄ねじ体282の螺入位置を浅くすればよい。
【0065】
プロット群C,A,Dが得られた場合、演算部412は、図8に示すような指示Gを表示させる。プロット群Cが得られた場合、指示Gでは、例えば「θpが大きすぎます。ジェットの圧力を強くするように調整してください。θpのばらつきが大きすぎます。噴射時間を増加してください。」といった内容の表示が行われる。プロット群Aが得られた場合、指示Gでは、例えば「θpが小さすぎます。ジェットの圧力を下げるように調整してください。」といった内容の表示が行われる。プロット群Dが得られた場合、指示Gでは、例えば「水噴射終了時期θeを早めるように調整してください。」といった内容の表示が行われる。
【0066】
「θpが大きすぎます。ジェットの圧力を強くするように調整してください。
」といった内容の表示が行われたとする。この場合には、作業者は、ポンプ圧力を上げる作業、さらには必要に応じてストッパ28における雌ねじ体281に対する雄ねじ体282の螺入位置を深くする作業を行えばよい。
【0067】
「θpが小さすぎます。ジェットの圧力を弱くするように調整してください。」といった内容の表示が行われたとする。この場合には、作業者は、ポンプ圧力を下げる作業、さらには必要に応じてストッパ28における雌ねじ体281に対する雄ねじ体282の螺入位置を浅くする作業を行えばよい。
【0068】
「水噴射終了時期θeを早めるように調整してください。」といった内容の表示が行われた場合、作業者は、ストッパ28における雌ねじ体281に対する雄ねじ体282の螺入位置を浅くすればよい。
【0069】
第1の実施の形態では以下の効果が得られる。
(1−1)検出されたジェット先頭到達時期θjと検出された自由飛走終了時期θpとに基づいて算出されたジェット先行長Lpは、適正な緯入れ状態を達成するための調整指示を表示装置43に表示させることに利用される。作業者は、表示手段としての表示装置43に表示された指示内容に基づいて、調整作業を行えばよく、算出されたジェット先行長Lpを利用して緯入れ条件を的確かつ効率良く調整することができる。つまり、算出されたジェット先行長Lpは、緯入れ条件を調整する情報として好適な情報である。
【0070】
(1−2)算出されたジェット先行長Lpは、ジェット先行長Lpをパラメータとして自由飛走終了時期θpとジェット先頭到達時期θjとを図8のグラフ中にプロットすることによって表示されている。このようにして表示装置43に表示されたジェット先行長Lpは、指示Gを表示しない場合にも、緯入れ条件を適正に調整するための情報として好適な情報となる。
【0071】
(1−3)表示装置43によって表示される図8のグラフでは、ジェット先行長Lpをパラメータとした等先行長線図(つまり、等先行長曲線M1,M2)、及びジェット先行長Lpをパラメータとした自由飛走終了時期θpとジェット先頭到達時期θjとの散布状態が描かれている。等先行長曲線M1,M2の表示は、作業者がジェット先行長Lpの適切性や自由飛走終了時期θpの適切性を判断する上で有効な表示である。
【0072】
(1−4)ジェット先行長Lpの計測精度を高めるには、ジェット先頭Jhが所定の位置(本実施の形態では緯入れノズル27からの距離L2の位置)に到達した時期を精度良く検出する必要がある。そのためにはジェット先頭Jhが所定の位置に到達したことを迅速に検出する必要がある。衝突板としての圧電振動板38の歪みを検出してジェット先頭Jhの到達を検出する構成は、ジェット先頭Jhが所定の位置に到達したことを迅速に検出するのに好適である。つまり、圧電振動板38の歪みを検出してジェット先頭Jhの到達を検出する構成は、ジェット先行長Lpの計測精度を高める上で有効である。
【0073】
特に、簡素な構成であって安価である圧電振動板38は、歪み検出のための衝突板の構成部品として好適である。又、圧電振動板38から出力される電気信号を増幅するための増幅器も、複雑な回路を必要としないので安価である。
【0074】
(1−5)緯糸Yは、糸張力計30を構成する圧電振動板34に取り付けたガイドリング35に通されて案内される。ガイドリング35自体は、緯糸Yをグリッパ31に導くために不可欠な部品であり、このガイドリング35の支持部(本実施の形態ではグリッパ31)に圧電振動板34を取り付けた本実施の形態では、緯糸Yの走行を阻害するような外乱を及ぼす懸念は一切ない。つまり、糸張力計30を配置したことによって緯糸Yの走行に関する摩擦損失が一切増加せず、糸張力計30は、緯糸Yの緯入れに対する影響を増やさない。
【0075】
又、簡素な構成であって安価である圧電振動板34は、糸張力計30を構成する部品として好適である。
(1−6)圧電素子は、数Hz以下の信号に対しては応答性が低下し、直流成分を検知できないという性質がある。圧電素子のこのような性質は、一般的なセンサとしては不都合であるかもしれないが、ウォータジェットルームに圧電素子を用いる場合には特に不都合とはならない。即ち、緯入れ運動は、間欠動作であり、また検出対象(ジェット先頭到達及び緯糸の自由飛走終了)は、いずれも帯域が数kHzの波形の変化(微分値)を捉えることになるので、数Hz以下の成分や直流成分は、使用上不要である。
【0076】
図7に示した波形の山及び谷の様子は、緯糸Yの太さによって、あるいはジェットの水量によって自ずと変化するが、波の全体の形は、概ね相似形である。そのため、例えば閾値Fo,Eoの調整は、山の高さの1/3というように予め設定できる回路を準備しておくことによって、緯糸の種類、織機の回転数や織り幅に代表される製織条件によって一々変更する必要もなくなる。波形をAD変換し、直接コンピュータに取り込む方式を用いれば、例えば学習機能により閾値を設定することも可能である。
【0077】
(1−7)糸張力計30、ジェット先頭到達検出器36及び荷重検出器40は、いずれも圧電素子を用いた構成となっている。このようにいずれのセンサにも圧電素子を用いる構成は、各センサの増幅回路の共通化を可能にし、経済的である。又、図7に示した信号処理法も共通の考えで設計可能である。
【0078】
(1−8)本実施の形態の緯入れ状態検出装置をコンパクトにまとめて台車などに載せ、調整が必要なウォータジェットルームがあるとなれば台車を移動して本実施の形態の緯入れ状態検出装置を利用するようにしてもよい。
【0079】
次に、第2の実施の形態を図8〜図14に基づいて説明する。第1の実施の形態と同じ構成部には同じ符号が用いてある。
第2の実施の形態では、図10(b)に示す緯入れポンプ11Aが用いられている。緯入れポンプ11Aを構成するポンプハウジング12には貯水室形成シリンダ13Aが一体形成されており、貯水室形成シリンダ13A内にはプランジャ14が摺動可能に収容されている。
【0080】
図9に示すように、空気ばね調整ベース44にはダイヤフラム45が取り付けられている。ダイヤフラム45には変位伝達体46が止着されており、ジョイント21には回転子47が回転可能に取り付けられている。変位伝達体46と回転子47とは当接しており、ダイヤフラム45内の圧力室451〔図10(a)に図示〕の圧力が変位伝達体46、回転子47及びジョイント21を介してプランジャ14に伝達される。
【0081】
カムレバー22が支軸222を中心に左回動すると、プランジャ14が図10(b)の矢印Qで示す往動方向へ移動する。プランジャ14が矢印Qで示す往動方向へ移動すると、貯水室123の容積が増大し、フロートボックス25内の水が貯水室123内へ吸入される。プランジャ14が矢印Qで示す往動方向へ移動すると、圧力室451の容積が減少し、圧力室451内の圧力が上昇開始する。
その後、圧力室451内の圧力は、プランジャ14が往動するにつれて上昇し、プランジャ14の往動が終了した時点で圧力室451内の圧力が最大になる。
【0082】
カムフォロア221がカム23のカム面231の最大径位置Maを通過すると、カムレバー22が支軸222を中心に右回動し、プランジャ14が圧力室451内の空気(流体)の圧力によって図10(a)の矢印Rで示す復動方向へ移動する。プランジャ14が矢印Rで示す復動方向へ移動すると、貯水室123内の水が加圧される。貯水室123内の加圧された水は、緯入れノズル27へ圧送される。緯入れノズル27へ圧送された水は、緯入れノズル27から噴射され、緯糸Yが緯入れされる。
【0083】
水噴射発生用駆動源としての空気ばね手段を構成するダイヤフラム45内の圧力室451は、エア管路48を介してエア圧力源49に接続されている。以下においては、圧力室451の圧力を空気ばね圧力ということもある。エア管路48上には噴射圧調整手段50が介在されており、噴射圧調整手段50とダイヤフラム45との間のエア管路48には減圧勾配調整手段51が接続されている。
【0084】
噴射圧調整手段50の構成を図11に基づいて説明する。
エア管路48上には手動式の圧力調整弁52、電磁開閉弁53及び逆止弁54が介在されており、圧力調整弁52と電磁開閉弁53との間のエア管路48にはブルドン管式の圧力計55が接続されている。逆止弁54の下流側のエア管路48には電磁開閉弁56が接続されている。圧力計55は、圧力調整弁52と電磁開閉弁53との間のエア圧力を計るためのものである。
【0085】
圧力調整弁52と電磁開閉弁53との間のエア圧力(以下、準初期圧力という)は、電磁開閉弁53を消磁した閉状態で圧力計55を見ながら圧力調整弁52を操作調整することによって設定される。この準初期圧力は、ダイヤフラム45内の圧力室451内の常用圧力よりも僅かに高い圧力に設定される。
【0086】
減圧勾配調整手段51の構成を図11に基づいて説明する。
エア管路48には3個の電磁開閉弁57,58,59が並列に接続されており、各電磁開閉弁57,58,59にはアキュームレータ60,61,62が1対1に接続されている。電磁開閉弁57,58,59を励磁して開状態にすると、アキュームレータ60,61,62がエア管路48に連通する。電磁開閉弁57,58,59を消磁して閉状態にすると、アキュームレータ60,61,62とエア管路48との連通が遮断される。
【0087】
アキュームレータ60の容積は、ダイヤフラム45内の圧力室451の最小容積Sに等しくしてある。アキュームレータ61の容積は、アキュームレータ60の容積Sの2倍の容積2Sにしてあり、アキュームレータ62の容積は、アキュームレータ60の容積Sの3倍の容積3Sにしてある。エア管路48に連通するアキュームレータ60,61,62の総和の容積は、電磁開閉弁57,58,59の開閉の組み合わせにより、0〜7Sまでの8通り選択できる。以下においては、エア管路48に連通するアキュームレータ60,61,62の総和の容積のことを副室容積ということにする。
【0088】
図12(a)のグラフにおける曲線Paは、逆止弁54が閉じ、かつ電磁開閉弁56が閉状態にあるときにおける圧力室451の容積と圧力室451内の圧力との関係を示す。圧力Piは、圧力室451の容積が最大のときの圧力であり、圧力Pmは、圧力室451の容積が最小のときの圧力である。圧力室451の容積が増大すると、圧力室451内の圧力は、図12(a)の矢印U2で示すように曲線Paを辿るように減圧してゆく。図12(a)の矢印U2で示すように曲線Paを辿る圧力室451内の空気圧は、緯入れノズル27における水噴射圧である。
【0089】
図12(a)に曲線Paで示す圧力室451内の圧力の減圧変化の度合いは、副室容積が大きくなるにつれて小さくなる。以下においては、曲線Paで示すような圧力室451内の圧力の減圧変化の度合いを減圧勾配ということにする。減圧勾配は、電磁開閉弁57,58,59の開閉の組み合わせを変えることによって調整できる。
【0090】
図9に示すように、緯入れポンプ11Aと緯入れノズル27との間の吐出管26には分岐管63が接続されており、分岐管63上には水噴射終了時期調整手段64が介在されている。
【0091】
水噴射終了時期調整手段64の構成を図10(a)に基づいて説明する。
分岐管63にはバイパス弁65が接続されている。バイパス弁65は、バルブハウジング66と、バルブハウジング66内に収容された弁体67と、バルブハウジング66に形成された弁孔661に向けて弁体67を付勢するばね68とからなる。弁体67にはロッド671が連結されている。ロッド671は、バルブハウジング66外へ突出している。不動配置された支持枠69にはカムレバー70が支軸691を介して揺動可能に支持されており、カムレバー70にはガイド孔701が形成されている。ロッド671には軸672が設けられており、軸672は、ガイド孔701に係合されている。ばね68の付勢作用は、弁体67、ロッド671及び軸672を介してカムレバー70に伝えられる。
【0092】
カムレバー70の揺動軌跡上には偏心カム71が配置されている。偏心カム71は、パルスモータ72の出力軸721に止着されており、パルスモータ72は、偏心カム71を回転させる。カムレバー70は、ばね68の付勢作用によって偏心カム71のカム面711に係合されている。偏心カム71の回転位置が変わるとカムレバー70の揺動位置が変わり、弁体67の位置が変わる。弁体67の位置が変わると、弁孔661の開度が変わる。分岐管63内の水は、弁孔661が開くとフロートボックス25へ流出する。弁孔661の開度が変わると、バイパス弁65を経由する水の流量が変わる。以下、弁孔661の開度をバイパス弁開度といい、バイパス弁65を経由する水の流量をバイパス流量ということにする。
【0093】
噴射圧調整手段50、減圧勾配調整手段51及び水噴射終了時期調整手段64は、流体ばね手段を構成するダイヤフラム45内(圧力室451)における空気(流体)の圧力状態を変えて水噴射状態を変更する水噴射調整手段である。
【0094】
図9に示すように、噴射圧調整手段50、減圧勾配調整手段51及び水噴射終了時期調整手段64は、コンピュータによって構成された制御指令装置73の制御を受ける。
【0095】
監視制御装置41において得られたジェット先行長Lp、自由飛走終了時期θp、ジェット先頭到達時期θj及び水噴射終了時期θeの各情報Lp,θp,θj,θeは、制御指令装置73へ送られる。制御指令装置73には、ジェット先行長Lpの目標値Lpo、自由飛走終了時期θpの目標値θpo、ジェット先頭到達時期θjの目標値θjo、及び自由飛走終了時期θpのばらつきの目標値σoが予め入力設定されている。制御指令装置73は、各情報Lp,θp,θjの平均値及び自由飛走終了時期θpのばらつきと、予め設定された各目標値Lpo,θpo,θjo,σoとの偏差に応じて、噴射圧調整手段50、減圧勾配調整手段51及び水噴射終了時期調整手段64の調整状態をフィードバック制御する。各情報Lp,θp,θjの平均値及び自由飛走終了時期θpのばらつきは、一定期間、例えば1分間のサンプリングデータの平均値及びばらつきである。
【0096】
噴射圧調整手段50の調整状態とは、噴射圧調整手段50が空気ばね圧力を或る圧力に調整している状態のことである。減圧勾配調整手段51の調整状態とは、減圧勾配調整手段51が副室容積を或る容積(0〜7Sの8通りの容積のうちの1つ)に調整している状態のことである。水噴射終了時期調整手段64の調整状態とは、水噴射終了時期調整手段64がバイパス弁開度を或る開度に調整している状態のことである。
【0097】
制御指令装置73は、検出されたジェット先頭到達時期、検出された自由飛走終了時期、及び算出されたジェット先行長に基づいて、前記水噴射調整手段の調整状態を制御する制御手段である。この制御手段、前記流体ばね手段及び前記水噴射調整手段は、算出されたジェット先行長に基づいて、前記水噴射調整手段の調整を行う緯入れ自動調整装置を構成する。
【0098】
図13は、制御指令装置73によるフィードバック制御のブロック図を示す。フィードバック制御の対象となるのは、ジェット先行長Lp、自由飛走終了時期θp、ジェット先頭到達時期θj及び水噴射終了時期θeの4つである。これらの制御対象Lp,θp,θj,θeは、空気ばね圧力、副室容積及びバイパス弁開度の3つを調整して制御される。空気ばね圧力を変更すると、水噴射圧力が変わる。副室容積を変更すると、水噴射圧力の減圧勾配が変わる。バイパス弁開度を変更すると、バイパス流量が変わり、水噴射終了時期θeが変わる。
【0099】
図12(b),(c),(d),(e)の波形Pb,Pc,Pd,Peは、図12(a)の曲線Paにおける圧力Pi〜Pmの範囲の曲線部分に相当する。波形Pbは、副室容積が7Sの場合における減圧勾配を表す。波形Pcは、波形Pbで示す圧力状態から空気ばね圧力を下げて水噴射圧力を下げた状態を表す。波形Pdは、波形Pbで示す圧力状態から副室容積を小さくして減圧勾配を大きくした状態を表す。波形Peは、波形Pbで示す圧力状態からバイパス流量を減らして水噴射終了時期θeを遅くした状態を表す。
【0100】
第2の実施の形態におけるフィードバック制御系は、データのばらつきも制御対象に含めた多入力多出力の関係になっている。図14(a),(b)は、緯入れ状態に応じて予め準備された制御のためのマップに従い、空気ばね圧力、副室容積及びバイパス弁開度の3つを調整するための例を示す。
【0101】
この例では、図14(a)に示すように、等先行長曲線M1,M2,M3と(θp−θo)との区画〈1〉〜〈16〉と、(θp−θo)のばらつき(実質的に自由飛走終了時期θpのばらつき)の量σ1,σ2,σ3に対応させた複数のマップとが作成される。図示の例ではMAP1,MAP2,MAP3の3つが作成される。又、等先行長曲線M2は、Lp=100mmの場合であり、等先行長曲線M3は、Lp=50mmの場合である。σ1,σ2,σ3の範囲は、例えば1<σ1≦2、2<σ2≦3.5、3.5<σ3≦6である。又、本実施の形態では、区画〈6〉が目標値Lpo,θpo,θjoを表すものとしている。
【0102】
MAP1,MAP2,MAP3の区画《1》〜《16》にはそれぞれ調整内容がストアされる。MAP1の区画《n》(nは、1〜16の整数)には、区画〈n〉で表す情報Lp,θp,θjの平均値と区画〈6〉で表す目標値Lpo,θpo,θjoとの偏差、及びばらつきσ1と目標値σoとの偏差に応じた調整内容がストアされている。MAP2の区画《n》(nは、1〜16の整数)には、区画〈n〉で表す情報Lp,θp,θjの平均値と区画〈6〉で表す目標値Lpo,θpo,θjoとの偏差、及びばらつきσ2と目標値σoとの偏差に応じた調整内容がストアされている。MAP3の区画《n》(nは、1〜16の整数)には、区画〈n〉で表す情報Lp,θp,θjの平均値と区画〈6〉で表す目標値Lpo,θpo,θjoとの偏差、及びばらつきσ3と目標値σoとの偏差に応じた調整内容がストアされている。例えば、MAP1の区画《5》には、区画〈5〉で表す情報Lp,θp,θjの平均値と区画〈6〉で表す目標値Lpo,θpo,θjoとの偏差、及びばらつきσ1と目標値σoとの偏差に応じた調整内容がストアされている。又、MAP3の区画《4》には、区画〈4〉で表す情報Lp,θp,θjの平均値と区画〈6〉で表す目標値Lpo,θpo,θjoとの偏差、及びばらつきσ3と目標値σoとの偏差に応じた調整内容がストアされている。
【0103】
制御指令装置73は、一定期間、例えば1分間のジェット先行長データをサンプリングしてMAP1,MAP2,MAP3に当てはめ、逐次調整を繰り返すという制御を行う。制御指令装置73は、区画〈1〉〜〈16〉を各MAP1,MAP2,MAP3の同じ数字の区画《1》〜《16》に対応させる。つまり、ばらつきの量がσ1の範囲である場合には、制御指令装置73は、サンプリングデータの平均値が含まれる区画〈1〉〜〈16〉をMAP1の区画《1》〜《16》に1対1に対応させる。ばらつきの量がσ2の範囲である場合には、制御指令装置73は、サンプリングデータの平均値が含まれる区画〈1〉〜〈16〉をMAP2の区画《1》〜《16》に1対1に対応させる。又、ばらつきの量がσ3の範囲である場合には、制御指令装置73は、サンプリングデータの平均値が含まれる区画〈1〉〜〈16〉をMAP3の区画《1》〜《16》に1対1に対応させる。
【0104】
MAP1,MAP2,MAP3を用いた2つの具体例を図14(b)に基づいて説明する。図14(b)に示すように、得られたデータ(一定期間のジェット先行長データ)がデータ1として表すように区画〈5〉に主として存在し、かつばらつきの量がσ1であるとする。つまり、データ1の各情報Lp,θp,θjの平均値が区画〈5〉に存在し、かつばらつきの量がσ1であるとする。この場合、制御指令装置73は、MAP1の区画《5》の調整内容を用いた調整制御を行う。データ1は、緯糸の到達が早いことを表しており、MAP1の区画《5》の調整内容は、空気ばね圧を5%減らすという内容である。得られたデータ(一定期間のジェット先行長データ)がデータ2として表すように区画〈4〉に主として存在し、かつばらつきの量がσ3であるとする。つまり、データ2の各情報Lp,θp,θjの平均値が区画〈4〉に存在し、かつばらつきの量がσ3であるとする。この場合、制御指令装置73は、MAP3の区画《4》の調整内容を用いた調整制御を行う。データ2は、緯糸の到達が遅く、かつ緯糸の到達のばらつきが大きいことを表しており、MAP3の区画《4》の調整内容は、空気ばね圧を3%増やし、かつバイパス弁開度を10%減らすという内容である。
【0105】
さらに、制御指令装置73は、図14(b)に示すように、異常判定プログラムを用いて、異常の有無の判定を行う。異常の原因には種々のケースが考えられる。例えば、部品選定ミス等の人為的なもの、部品耐久性に関わるもの、保全不良によるもの、調整不良(緯入れノズル27のノズル方向の調整等)によるもの等々の要素が挙げられる。異常判定プログラムは、今までに発生した種々の原因による異常値を予め入力して設定した異常判断基準と、得られたジェット先行長データとの対比から異常の有無の判定を行うものである。制御指令装置73は、異常有りの判定を行った場合には、この判定に対応する調整内容を表示装置43に表示させる制御を行う。
【0106】
例えば、第1の実施の形態における図8に示すように、自由飛走終了時期θpが目標範囲α〜βから大きく外れ、かつジェット先行長Lpが100mmを大きく越えており、さらに大きくばらついているという異常が生じたとする。このような状態は、水ジェットJwの推進力が不足するために生じる。このような場合、制御指令装置73は、異常判定プログラムに従って異常有りの判定を行い、「口径の大きな緯入れノズルを取り付けてください。」といった調整内容を表示装置43に表示させる。
【0107】
第2の実施の形態では以下の効果が得られる。
(2−1)水ジェットの速度は、水噴射圧を変更して変えることができる。水噴射圧は、噴射圧調整手段50の調整状態を変更することによって変えられる。水ジェットの速度の調整は、ジェット先行長や自由飛走終了時期の調整に利用でき、噴射圧調整手段50は、ジェット先行長や自由飛走終了時期を調整する上で有効な手段である。
【0108】
(2−2)緯入れ後期の水ジェットの速度は、水噴射圧の圧力波形の減圧勾配を変更して変えることができる。減圧勾配は、減圧勾配調整手段51の調整状態を変更することによって変えられる。減圧勾配を変更すると、水ジェットの後半の噴射速度が変わり、後半部の緯糸の飛走速度が変わることから、緯糸と噴射水との速度差が生じ、ジェット先行長を変更することができる。減圧勾配の調整は、ジェット先行長の調整に利用でき、減圧勾配調整手段51は、ジェット先行長を調整する上で有効な手段である。
【0109】
(2−3)水噴射終了時期が変更されると、ジェット先行長を変更することができる。水噴射終了時期は、水噴射終了時期調整手段64の調整状態を変更することによって変えられる。水噴射終了時期の変更によるジェット先行長の調整は、適切なジェット先行長をもたらす上で有効である。
【0110】
(2−4)制御指令装置73は、監視制御装置41から送られてきた各情報Lp,θp,θjと、予め設定された各目標値Lpo,θpo,θjoとの偏差に応じて、噴射圧調整手段50、減圧勾配調整手段51及び水噴射終了時期調整手段64の調整状態をフィードバック制御する。このようなフィードバック制御は、たとえ外乱が入ったとしても適切なジェット先行長Lpをもたらして適切な緯入れ状態を保障する。
【0111】
(2−5)水噴射圧力レベルを減じた場合、当然ながら水噴射速度が低下し、貯水室123の容積が一定であるならば、水噴射期間は、水噴射圧力に反比例して長くなる。バイパス弁65の弁開度を大きくしてフロートボックス25に戻す水を増やしてやれば、水噴射期間を揃えることができる。このように、バイパス弁65は、噴射圧力レベルと減圧勾配との変更に伴う水噴射期間を変化を補償し、かつ水噴射期間自体の調整を行うのに好適な手段である。
【0112】
(2−6)第2の実施の形態では、緯糸Yの飛走状態に応じて噴射圧力、減圧勾配、水噴射終了期間を自動調整してジェット先行長Lp、自由飛走終了時期θp、到達ばらつきσを所望の目標範囲に入るようにする制御が行われる。しかし、このような自動調整制御は、製織条件に応じて適正な噴射装置部品を選定した場合にのみ成立し、製織条件と噴射装置の構成部品とのミスマッチがあると必ずしも成立しない。例えば、太い緯糸を緯入れするのに口径の小さな緯入れノズルを用いている場合には、噴射圧力をどのように調整してもジェット先行長のばらつきが発生し、ジェット先行長が適正な状態に収束しない。又、部品の取り付け調整の不備、例えば緯入れノズル27の向きがずれている場合や、部品の整備不良、例えば緯入れノズル27内部に異物が付着しているような場合、さらにはセンサ信号に問題がある場合等には、目標とする緯入れ状態が実現しな事態も生じる。
【0113】
第2の実施の形態では、異常判定プログラムを用いた異常判定を行い、異常がある場合には表示装置43に調整内容を指示するようにしたので、自動調整制御のみでは対処できない異常発生に対しても的確かつ迅速に対処することができる。
【0114】
次に、図15の第3の実施の形態を説明する。図15のグラフにおける線K3は、1ピック測長ドラムと呼ばれる緯糸測長貯留装置から緯糸を引き出して緯入れした場合の緯糸の飛走状態を示す。この場合には、自由飛走終了時期θpは、1ピック分の緯糸を緯入れ終了した時点であるが、ジェット先行長Lpは、第1の実施の形態の場合と同様に、検出された自由飛走終了時期θpと検出されたジェット先頭到達時期θjとに基づいて算出される。
【0115】
次に、図16(a),(b)の第4の実施の形態を説明する。第1の実施の形態の場合と同じ構成部には同じ符号が用いてある。
グリッパ31にねじ止めされた取り付け板32にはガイドリング74が取り付けられており、ガイドリング74には緯糸Yが通される。取り付け板32及びガイドリング74は、従来から用いられている既存の糸ガイド機構である。
【0116】
取り付け板32の上半側は、半円形状になっており、環状の補助板33の外周円の径は、取り付け板32の上半側の半円の径に一致する。環状の補助板33の外周側には複数の押さえばね75(本実施の形態では3つ)が取り付けられている。各押さえばね75の先端側は、取り付け板32の裏面〔図16(b)において右側の面〕にばね力によって当接するようになっている。図16(b)に示すように、各押さえばね75を取り付け板32に掛け止めて各押さえばね75の先端側を取り付け板32の裏面に当接させた状態では、ガイドリング74とガイドリング35とが同軸状態となる。
【0117】
第4の実施の形態における糸張力計30Aは、補助板33、圧電振動板34、ガイドリング35及び押さえばね75から構成される。押さえばね75は、環状の補助板33の上半側にのみ配設されているので、既存の糸ガイド機構に対して糸張力計30Aを簡単に着脱することができる。このような着脱構成は、第1の実施の形態の緯入れ状態検出装置をコンパクトにまとめて台車などに載せて利用するようにした場合に、調整時間の短縮化にも有効である。
【0118】
本発明では以下のような実施の形態も可能である。
(1)ドラム式緯糸測長貯留装置から解舒される際の緯糸の回転運動(バルーニング)を利用し、緯糸の回転運動領域の横に光電サンサを配置し、光電センサの光路の遮断もしくは反射光の変化を捉えて自由飛走終了時期を検出してもよい。
【0119】
(2)3点式張力計を自由飛走終了時期の検出に用いてもよい。
(3)光学的手段、例えばフォトインタラプタを反緯入れ側(緯入れ末端側)の織端に設置し、ジェット先頭の移動に伴う透過光の遮断の発生を捉えてジェット先頭到達時期を検出してもよい。
【0120】
(4)圧電振動板38の代わりに半導体式や歪みゲージ式の高応答圧力計を用いてもよい。
(5)緯入れノズルと緯入れポンプとの間の吐出管26に高応答の圧力計を取り付け、水噴射圧力波形の変化から水噴射終了時期を検出してもよい。
【0121】
(6)緯入れノズル27の噴き出し口を通過するジェット流の有無を光学的手段、例えばフォトインタラプタを用いて検出して水噴射終了時期を検出してもよい。
【0122】
(7)糸張力計30,30Aから得られる張力信号をAD変換し、直接コンピュータに取り込み、ソフトによってこの張力信号の立ち上がりを判定して自由飛走終了時期を検出するようにしてもよい。この場合、張力波形を直接解析対象として、立ち上がり時期以外にピークの高さやピーク後の波形の変化から緯糸の飛走状態を推測することも可能である。一般に、緯糸が真っ直ぐに伸びた状態で飛走している場合には、シャープな矩形状の張力波形が得られ、緯糸が緩んだ状態で飛走している場合には、張力波形の立ち上がりが緩やかで、山形の崩れた張力波形が得られることが分かっている。
【0123】
(8)第2の実施の形態において、マップにストアされている調整内容が不適切な場合、例えばゲインが大き過ぎる場合には、噴射圧調整手段50、減圧勾配調整手段51及び水噴射終了時期調整手段64が収束せずに振動を繰り返すことも考えられる。そこで、不感帯を設けたり、振動の有無を判定してゲインを自動調整したり、学習機能を付加して調整内容を逐次書き改める等のコンピュータソフトの工夫によって解決を図るようにしてもよい。
【0124】
(9)第2の実施の形態では、装置の簡素化を意識してデジタル的な調整手段を採用しているが、これらをアナログ的な調整手段に置き換えてもよい。
(10)緯入れノズル27に半導体圧力センサ等の高応答のセンサを取り付け、このセンサによって得られた検出情報をAD変換器を介してコンピュータに直接取り込み、噴射圧力波形を診断するようにしてもよい。このようにすれば、計測機能が高まり、より正確な緯入れ状態の検出が可能となる。
【0125】
(11)本発明を多色緯入れに適用すること。従来の多色緯入れでは、ストロボライトを用いた調整作業は、緯糸を選択して観測することになるので、全ての種類の緯糸についてそれぞれの最適条件に調整することは、きわめて面倒であった。多色緯入れに対する本発明の適用は、緯入れ条件を的確かつ効率良く調整する上で極めて効果的である。
【0126】
(12)第2の実施の形態において、水噴射終了時期調整手段64を省略してもよい。
(13)第1の実施の形態における図8のグラフにおいて、ジェット先行長Lp、自由飛走終了時期θp、及びジェット先頭到達時期θjのそれぞれの平均値のみを表示するようにしてもよい。
【0127】
(14)前記した実施の形態では、自由飛走終了時期θpにおけるジェット先行長Lpを計測したが、ジェット先頭到達時期θjにおけるジェット先行長Ljを計測し、このジェット先行長Ljを利用して調整内容の表示や自動調整制御を行うようにしてもよい。ジェット先行長Ljは、次式(4)で表される。
【0128】
Figure 2004346457
L4は、図5に示してある。L4は、緯糸の自由飛走が継続していると仮定した場合に、ジェット先頭到達時期θjに緯糸の先頭が緯入れノズル27から離れている予想距離を表す。この実施形態では、図8のグラフにおける横軸として(θp−θo)の代わりに(θp−θ1)とし、縦軸として(θj−θo)の代わりに(θj−θ1)とすればよい。そして、例えばジェット先行長が零の等先行長曲線を得るには、式(4)においてLj=0とすればよい。
【0129】
この実施の形態においても、第1及び第2の実施の形態の場合と同様の効果が得られる。
前記した実施の形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
【0130】
〔1〕前記制御手段は、前記ジェット先頭到達時期検出手段によって検出されたジェット先頭到達時期と、予め設定されたジェット先頭到達時期目標値との偏差、前記自由飛走終了時期検出手段によって検出された自由飛走終了時期と、予め設定された自由飛走終了時期目標値との偏差、前記ジェット先行長算出手段によって算出されたジェット先行長と、予め設定されたジェット先行長目標値との偏差、及び前記検出された自由飛走終了時期のばらつきと、予め設定された自由飛走終了時期のばらつきとの偏差に基づいて、前記水噴射調整手段の調整状態をフィードバック制御する請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載のウォータジェットルームにおける緯入れ状態検出装置。
【0131】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明では、ウォータジェットルームにおいて、緯入れポンプによって圧送される水の圧力や水量等といった緯入れ条件を的確かつ効率良く調整できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示す全体図。
【図2】(a)は水噴射装置の全体図。(b)は緯入れポンプ11の側断面図。
【図3】(a)は、糸張力計30の正面図。(b)は、糸張力計30の側断面図。
【図4】ジェット先頭到達検出器36の側断面図。
【図5】水ジェット先頭の飛走と緯糸先頭の飛走とを示すグラフ。
【図6】(a)は、適正なジェット先行長の状態を示す側面図。(b)は、ジェット先行長が不足する状態を示す側面図。(c)は、ジェット先行長が長すぎる状態を示す側面図。
【図7】糸張力立ち上がりパルス及びジェット先頭到達パルスの生成を説明するグラフ。
【図8】表示装置43によって表示されるグラフ。
【図9】第2の実施の形態を示す全体図。
【図10】(a)は、水噴射終了時期調整手段64を示す一部破断要部正面図。(b)は、緯入れポンプ11Aの側断面図。
【図11】噴射圧調整手段50及び減圧勾配調整手段51を示す模式図。
【図12】(a)は、圧力室451の容積と圧力室451内の圧力との関係を示すグラフ。(b),(c),(d),(e)は、圧力波形を示す簡略図。
【図13】フィードバック制御のブロック図
【図14】(a)は、得られるデータの区画とマップにおける区画との対応を示す模式図。(b)は、マップを用いた調整を説明するための模式図。
【図15】第3の実施の形態を示すグラフ。
圧縮室35に封入する空気の重量をパラメータにとって、圧縮室35の軸線方向の長さと、そのときのプランジャ14の推力との関係を示すグラフ。
【図16】第4の実施の形態を示し、(a)は、糸張力計30Aの正面図。(b)は、糸張力計30Aの側断面図。
【符号の説明】
11,11A…緯入れポンプ。27…緯入れノズル。30,30A…自由飛走終了時期検出手段を構成する糸張力計。351…糸ガイド孔。36…ジェット先頭到達時期検出手段を構成するジェット先頭到達検出器。38…歪み検出手段及び衝突板としての圧電振動板。41…ジェット先頭到達時期検出手段、自由飛走終了時期検出手段及びジェット先行長算出手段を構成する監視制御装置。42…ジェット先頭到達時期検出手段及び自由飛走終了時期検出手段を構成するロータリエンコーダ。43…表示手段としての表示装置。45…水噴射圧発生用駆動源としての空気ばね手段を構成するダイヤフラム。451…空気ばね手段を構成する圧力室。50…水噴射調整手段としての噴射圧調整手段。51…水噴射調整手段としての減圧勾配調整手段。64…水噴射終了時期調整手段。65…バイパス弁。73…緯入れ自動調整装置を構成する制御手段としての制御指令装置。Y…緯糸。θ…横軸。θe…水噴射終了時期。θj…ジェット先頭到達時期。θp…自由飛走終了時期。Jw…ジェット。Jh…ジェット先頭。Lp,Lj…ジェット先行長。σo,θjo,θpo,Lpo…目標値。

Claims (10)

  1. 緯入れポンプから供給される水を緯入れノズルから噴射して緯糸を緯入れするウォータジェットルームにおいて、
    前記緯入れノズルから噴射される水のジェットの先頭が所定の位置に到達するジェット先頭到達時期を検出するジェット先頭到達時期検出手段と、
    前記緯糸の自由飛走が終了する自由飛走終了時期を検出する自由飛走終了時期検出手段と、
    前記ジェット先頭到達時期検出手段によって検出されたジェット先頭到達時期と、前記自由飛走終了時期検出手段によって検出された自由飛走終了時期とに基づいて、ジェット先行長を算出するジェット先行長算出手段とを備えたことを特徴とするウォータジェットルームにおける緯入れ状態検出装置。
  2. 前記ジェット先頭到達時期検出手段によって検出されたジェット先頭到達時期、前記自由飛走終了時期検出手段によって検出された自由飛走終了時期、及び前記ジェット先行長算出手段によって算出されたジェット先行長を表示する表示手段を備えている請求項1に記載のウォータジェットルームにおける緯入れ状態検出装置。
  3. 横軸に自由飛走終了時期をとると共に、縦軸にジェット先頭到達時期をとったグラフを前記表示手段によって表示し、ジェット先行長をパラメータとした等先行長線図、及び自由飛走終了時期とジェット先頭到達時期との散布状態を前記グラフ中に描いた請求項2に記載のウォータジェットルームにおける緯入れ状態検出装置。
  4. 前記緯入れポンプにおける水噴射圧発生用駆動源として、圧縮可能なガス状の流体の圧力をばね力とした流体ばね手段を用い、
    前記流体ばね手段と、
    前記流体ばね手段における前記流体の圧力状態を変えて水噴射状態を変更する水噴射調整手段と、
    前記ジェット先頭到達時期検出手段によって検出されたジェット先頭到達時期、前記自由飛走終了時期検出手段によって検出された自由飛走終了時期、及び前記ジェット先行長算出手段によって算出されたジェット先行長に基づいて、前記水噴射調整手段の調整状態を制御する制御手段とを備えた緯入れ自動調整装置を設けた請求項1及び請求項2のいずれか1項に記載のウォータジェットルームにおける緯入れ状態検出装置。
  5. 前記水噴射調整手段は、前記流体ばね手段における前記流体の圧力を変えて水噴射圧を変更する噴射圧調整手段、前記流体ばね手段における前記流体の圧力室の容積を変えて水噴射圧の圧力波形の減圧勾配を変更する減圧勾配調整手段、及び前記緯入れノズルと並列に配置したバイパス弁の開度を変えて水噴射終了時期を変更する水噴射終了時期調整手段のうちの少なくとも1つである請求項4に記載のウォータジェットルームにおける緯入れ状態検出装置。
  6. 前記水噴射調整手段は、前記流体ばね手段における前記流体の圧力を変えて水噴射圧を変更する噴射圧調整手段と、前記流体ばね手段における前記流体の圧力室の容積を変えて水噴射圧の圧力波形の減圧勾配を変更する減圧勾配調整手段と、前記緯入れノズルと並列に配置したバイパス弁の開度を変えて水噴射終了時期を変更する水噴射終了時期調整手段とを含む請求項4に記載のウォータジェットルームにおける緯入れ状態検出装置。
  7. 前記制御手段は、前記ジェット先頭到達時期検出手段によって検出されたジェット先頭到達時期と、ジェット先頭到達時期の予め設定された目標値との偏差、前記自由飛走終了時期検出手段によって検出された自由飛走終了時期と、自由飛走終了時期の予め設定された目標値との偏差、及び前記ジェット先行長算出手段によって算出されたジェット先行長と、ジェット先行長の予め設定された目標値との偏差に基づいて、前記水噴射調整手段の調整状態をフィードバック制御する請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載のウォータジェットルームにおける緯入れ状態検出装置。
  8. 水のジェットを衝突させる衝突板と、前記衝突板の歪みを検出する歪み検出手段とを備えた前記ジェット先頭到達時期検出手段を構成した請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のウォータジェットルームにおける緯入れ状態検出装置。
  9. 前記衝突板を圧電振動板で構成した請求項8に記載のウォータジェットルームにおける緯入れ状態検出装置。
  10. 圧電振動板に設けた糸ガイド孔に緯糸を通して糸張力を計測する糸張力計を用いた前記自由飛走終了時期検出手段を構成し、飛走する緯糸の飛走速度が急変することによって生じる糸張力変動を前記糸張力計によって得られた計測情報から検出すると共に、この検出時期を特定するようにした請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のウォータジェットルームにおける緯入れ状態検出装置。
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