JP2004346404A - 耐候性錆層の形成方法 - Google Patents

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Akio Saito
明夫 齊藤
Etsuo Uchiyamada
悦男 内山田
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FUSHOKU BOSHOKU GIJUTSU KENKYU
FUSHOKU BOSHOKU GIJUTSU KENKYUSHO KK
TAKAYAMA TEKKEN KOGYOSHO KK
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FUSHOKU BOSHOKU GIJUTSU KENKYUSHO KK
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Abstract

【課題】環境問題を起こすことなく、また、耐火、吸音或いは断熱被覆材に関して、それら被覆材のアルカリ性に起因して防錆効果が低下することなく、更に、火災時に耐火被覆材が防錆剤の溶融に起因して剥離しない、耐候性錆層を形成する方法を開発する。
【解決手段】鉄鋼表面をその溶液で湿潤した時、当該鉄鋼表面に錆を発生させ得るところの、電解質を含む水溶液を用いて、当該鉄鋼表面を湿潤させた後、当該鉄鋼表面を乾燥させ、その後、70%以上の相対湿度を有し、同時に酸素を含有する気体環境に当該鉄鋼を保持し、当該鉄鋼表面に錆を生成させ、その後、当該鉄鋼表面に密着していない錆を除去する工程を一サイクルとして、このサイクルを二回以上繰り返すことによって、当該鉄鋼表面に、当該鉄鋼の腐食を抑制する耐候性錆層を形成させる。

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、鉄鋼の大気腐食に対して防錆作用を有する耐候性錆層の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉄鋼表面の防錆に関しては、鉛丹、クロム酸亜鉛、オリトリン酸塩などの防錆顔料を配合した防錆剤が使用されてきた。しかし、それらの防錆顔料は有害であり、その使用には公害対策や人体への影響から問題があることから、近年、有害な顔料を含有する防錆剤に代わる、無公害な防錆剤が開発されている。
【0003】
例えば、アセトアセチル基含有合成樹脂を主剤とする(特許文献1)、カルボキシル基とグリシン基を有する樹脂を用いた(特許文献2)、また、アスコルビン酸のりん酸金属塩を含有するものとして(特許文献3)、テトラサイクリン類やテトラサイクリン類の塩などを含有する防錆塗料として(特許文献4)がある。
【特許文献1】特開平5−148432号公報
【特許文献2】特開平3ー192166号公報
【特許文献3】特開2002−294161号公報
【特許文献4】特開2002−285092号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、 鉄鋼構造物や建築構造物或いはプラント等における鋼材で、例えば鉄骨の梁や柱、床、間仕切り壁、外壁、屋根等でロックウールなどの耐火被覆材で覆われている鉄鋼に対して、防錆剤が用いられている場合、火災時に、防錆剤が溶融することに起因する耐火被覆剤の剥落が起きて問題となっている。また、耐火、吸音或いは断熱被覆材に関して、それら被覆材のアルカリ性に起因する防錆剤の著しい劣化が起きて問題となる事態も発生している。
【0005】
このような事情に鑑み、本発明は、無害で、尚かつ、火災時に耐火被覆材の剥落を起こすことがなく、また、耐火、吸音或いは断熱被覆材に関し、それら被覆材のアルカリ性に起因する劣化が生じない、防錆作用を有する耐候性錆層の形成方法を提供することを目的としている。また、本発明の耐候性錆層は、無害で防錆作用があることから、前記被覆材で覆われていない鉄鋼に対しても、本発明の耐候性錆層を腐食抑制の為に用いることができる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の耐候性錆層の形成方法は、鉄鋼表面をその溶液で湿潤した時、当該鉄鋼表面に錆を発生させ得るところの、電解質を含む水溶液を用いて、鉄鋼表面を湿潤させた後、当該鉄鋼表面を乾燥させ、その後、70%以上の相対湿度を有し、同時に酸素を含有する気体環境に当該鉄鋼を保持し、当該鉄鋼表面に錆を生成させた後、当該鉄鋼表面に密着していない錆を除去する工程を一サイクルとして、この工程を二回以上繰り返すことによって鉄鋼に密着した耐候性錆層を形成することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明で形成される鉄鋼の耐候性錆層は、酸素や水分が鉄鋼と直接接触するのを妨げて当該鉄鋼の腐食を抑制するとともに、鉄錆の融点は高いことから火災時に溶融し難い、即ち、前記サイクル操作において鉄鋼表面に形成された錆の中で鉄鋼表面に密着していない錆を除去することにより、当該鉄鋼表面に密着した錆を残すことができる。従って、このサイクルを繰り返すことにより、当該鉄鋼表面において密着錆で覆われた面積は増大する。当該鉄鋼表面における密着した錆の層、即ち密着錆層が当該鉄鋼表面をほとんど覆い尽くせば、その後は、この密着錆層が、鉄鋼が錆びるために必要な酸素や水分が当該鉄鋼表面に到達するのを妨げるため、当該鉄鋼の腐食が抑制される。また、タンニン酸を含有した水溶液での処理を行うことにより、錆層の主成分を融点が高い四酸化三鉄にすることができることから、錆層が火災時に更に溶融し難くなる。
【0008】
【実施例】
(実施例1)鉄試験片には、幅3cm、長さ5cm、厚み1.2mmの軟鋼を用いた。電解質を含有する水溶液として、純水200ml、35%塩酸2ml、70%硝酸4ml、25%アンモニア水2mlを混合することからなる水溶液を用いた。研磨、水洗などの前処理を施した鉄試験片を前述の電解質を含有する水溶液で湿潤させた。鉄試験片は、その後、熱風により、その表面を急速に乾燥させた。鉄試験片は、その後、温度30℃、湿度80%以上に保たれたアクリル製箱の中の空気環境に保持した。一日経過後、鉄試験片に生成した錆をブラシを用いて擦り、次に布を用いて擦ることを繰り返すことにより、鉄試験片に密着していない錆を除去した。前記湿潤、乾燥、空気中保持、密着していない錆を除去する一連の操作を6回繰り返して、鉄試験片を密着錆層で覆い、この鉄試験片を大気腐食試験に供した。
【0009】
(比較例1)研磨、水洗などの前処理のみ行った鉄試験片も同時に大気腐食試験に供した。
【0010】
前述の密着錆層で覆われた鉄試験片及び、研磨、水洗などの前処理のみ施した鉄試験片を密封状態の中で、5分間、塩酸蒸気にさらし、その後、2日間、湿度90%以上の12〜20℃の空気中に保持することにより、大気腐食試験を行った。
【0011】
この大気腐食試験において、実施例1における鉄試験片の錆生成による重量増加は5mgであったのに対して、比較例1における鉄試験片の錆生成による重量増加は20mgであった。
【0012】
以上の結果、鉄を密着錆層で覆うことにより、錆の発生が抑制できることが確認された。
【0013】
(実施例2)鉄試験片には、実施例1と同様の形状の軟鋼を用いた。電解質を含有する水溶液として、純水200ml、35%塩酸2ml、70%硝酸4ml、5重量%の塩化第二鉄水溶液5mlを混合することからなる水溶液を用いた。鉄試験片の湿潤、乾燥、密着していない錆の除去の一連の操作は、実施例1と同様に行い、鉄試験片を密着錆層で覆った。その後、当該鉄試験片をタンニン酸を含んだお茶の湯中に30分間保持した後、この鉄試験片を実施例1と同様の条件で大気腐食試験に供した。
【0014】
(比較例2)研磨、水洗などの前処理のみ行った鉄試験片も同時に大気腐食試験に供した。
【0015】
この大気腐食試験において、実施例2における鉄試験片の錆生成による重量増加は4mgであったのに対して、比較例2における鉄試験片の錆生成による重量増加は21mgであった。
【0016】
以上の結果、実施例2においても、鉄を密着した錆層で覆うことにより、錆の発生を抑制できることが確認できた。
【0017】
(実施例3)鉄試験片には、実施例1と同様の形状の軟鋼を用いた。第1、第2及び第3回のサイクルにおいては、電解質を含有する水溶液として、純水200ml、35%塩酸2ml、70%硝酸4ml、25%アンモニア水2mlを混合することからなる水溶液を用いた。第4、第5及び第6回のサイクルにおいては、電解質を含有する水溶液として、純水200ml、35%塩酸2ml、70%硝酸4ml、5重量%の塩化第二鉄水溶液5mlを混合することからなる水溶液を用いた。鉄試験片の湿潤、乾燥、密着していない錆の除去の一連の操作は、実施例1と同様に行い、鉄試験片を密着錆層で覆った。その後、この鉄試験片を実施例1と同様の条件で大気腐食試験に供した。
【0018】
(比較例3)研磨、水洗などの前処理のみ行った鉄試験片も同時に大気腐食試験に供した。
【0019】
この大気腐食試験において、実施例3における鉄試験片の錆生成による重量増加は5mgであったのに対して、比較例3における鉄試験片の錆生成による重量増加は20mgであった。
【0020】
以上の結果、実施例3においても、鉄を密着した錆層で覆うことにより、錆の発生を抑制できることが確認できた。
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による方法で形成させた耐候性錆層で予め鉄鋼表面を覆うことにより、当該鉄鋼の腐食を抑制することができる。また、鉄錆は四酸化三鉄(融点1538℃)、三酸化二鉄(融点1550℃)、酸化鉄(融点1420℃)、或いはオキシ水酸化鉄(種々の結晶構造があり、融点は異なる)などからなるが、それぞれ融点が高いことから、火災時に、耐火被覆材の下の錆層が溶融することはない。従って、耐火被覆材で覆われる鉄鋼を耐候性錆層で予め覆うことにより、火災発生時に、耐候性錆層の溶融に起因する耐火被覆材の剥離は起こらない。また、鉄錆はアルカリ性のもとでは安定であることから、耐火、吸音、断熱などの被覆材がアルカリ性の場合でも耐候性錆層は安定である。即ち、前記アルカリ性の場合においても耐候性錆層の腐食抑制作用は低下しない。更に、鉄錆は有害でないことから、耐候性錆層は無害である。このようなことから、本発明による方法で形成させた耐候性錆層で予め鉄鋼表面を覆うことによる効果は極めて大きい。

Claims (4)

  1. 鉄鋼表面をその溶液で湿潤した時、当該鉄鋼表面に錆を発生させ得るところの、電解質を含む水溶液を用いて、鉄鋼表面を湿潤させた後、当該鉄鋼表面を乾燥させ、その後、70%以上の相対湿度を有し、同時に酸素を含有する気体環境に当該鉄鋼を保持し、当該鉄鋼表面に錆を生成させた後、当該鉄鋼表面に密着していない錆を除去する工程を一サイクルとして、この工程を二回以上繰り返すことによって鉄鋼に密着した錆層を形成することを特徴とする、耐候性錆層の形成方法。
  2. 請求項1における工程を行い、当該鉄鋼表面に密着した錆層を形成させて後、当該鉄鋼をタンニン酸を含有する水溶液中に浸漬、或いは、タンニン酸を含有する水溶液で湿潤させることによって、当該鉄鋼表面に錆層を形成させることを特徴とする、耐候性錆層の形成方法。
  3. 前記電解質を含む水溶液に関し、総てのサイクルにおいて同じ組成の水溶液を使用することを特徴とする、請求項1又は2記載の耐候性錆層の形成方法。
  4. 前記電解質を含む水溶液に関し、任意のサイクルにおいて、第一回目のサイクルで使用した水溶液の組成とは異なる組成の水溶液を使用することを特徴とする、請求項1又は2記載の耐候性錆層の形成方法。。
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