JP2004346358A - 微細孔を備えた金属焼結体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】グリーン体作製時に孔縁部の欠けを生ぜず、孔内壁が平滑で、孔の真円度、円筒度の高い微細孔を備えた金属焼結体の製造方法を提供する。
【解決手段】金属焼結体の原料である第一金属の粉末粒子に、その焼結温度以下の融点を持つ第二金属を被覆して被覆第一金属粉末を形成する工程、
微細孔の内径に対応する直径を有し且つ該第一金属の焼結温度以下で分解する繊維の周囲に、該被覆第一金属粉末と樹脂バインダとの混合物を射出成形して部分グリーン体を形成する工程、
該部分グリーン体の周囲に、被覆しない該第一金属粉末と樹脂バインダとの混合物を射出成形して主グリーン体を形成する工程、および
該主グリーン体を脱脂した後に焼結する工程
を含むことを特徴とする微細孔を備えた金属焼結体の製造方法。
【選択図】 図2
【解決手段】金属焼結体の原料である第一金属の粉末粒子に、その焼結温度以下の融点を持つ第二金属を被覆して被覆第一金属粉末を形成する工程、
微細孔の内径に対応する直径を有し且つ該第一金属の焼結温度以下で分解する繊維の周囲に、該被覆第一金属粉末と樹脂バインダとの混合物を射出成形して部分グリーン体を形成する工程、
該部分グリーン体の周囲に、被覆しない該第一金属粉末と樹脂バインダとの混合物を射出成形して主グリーン体を形成する工程、および
該主グリーン体を脱脂した後に焼結する工程
を含むことを特徴とする微細孔を備えた金属焼結体の製造方法。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微細孔を備えた金属焼結体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属焼結体の製造する最も基本的な方法としては、金属粉末を型内に充填し加圧して、粉末粒子同士を塑性流動により絡ませて予備成形体とし、これを焼結炉で高温に加熱して拡散焼結および局部溶融を誘起して焼結体を得る方法がある。
【0003】
更に近年では、金属粉末と熱可塑性樹脂バインダを混合し加熱して熱可塑性樹脂を溶融させて金属/樹脂混合物(ペレット)とし、これを型内に射出成形してグリーン体とし、これを脱脂炉で樹脂抽出した後に、焼結炉で焼結させる金属射出成形法(MIM)がある(例えば特許文献1〔特開2001−288501号公報〕)。
【0004】
微細孔を備えた金属焼結体の典型例は、内燃機関の燃料噴射ノズルである。その噴孔先端部を作製する場合、噴孔内径に対応する直径のピンをセットした型内に、金属粉末と樹脂バインダとの混合溶融物を射出成形した後、ピンを引抜くことにより噴孔部を備えたグリーン体を形成し、これを脱脂・焼結することにより噴孔を備えた燃料噴射ノズルとしての金属焼結体を得る。
【0005】
しかし、上記従来の製造方法には下記の点で問題があった。
【0006】
(1)グリーン体からピンを引抜く際に、噴孔の縁部に欠けが生じ易い。これは、グリーン体は金属粉末粒子同士が溶融状態の樹脂の粘性で付着し合っているだけであり強度が低いためである。
【0007】
(2)焼結後の噴孔内壁の表面粗さが大きい。これは、焼結体内部では焼結反応によって金属粉末粒子間が拡散接合状態(一部は溶融凝固による接合状態)になるが、噴孔内壁を含む焼結体表面では金属粉末粒子間に未充填部が丸や芋虫状の窪みとして残留することが避けられないためである。
【0008】
(3)噴孔の真円度、円筒度が低い。これは、脱脂時や焼結時に樹脂が抜けるときに収縮や密度低下により異形の穴が生じたり、焼結時に穴の周囲が変形するためである。
【0009】
更に、燃焼効率向上の要請に応じて、できるだけ微粒の噴射燃料液滴を得るために噴孔の微細径化が進められており、上記(1)〜(3)の問題に対してこれまで以上に厳格な対策が求められるようになってきた。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−288501号公報(特許請求の範囲)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、グリーン体作製時に孔縁部の欠けを生ずることなく、孔内壁の表面粗さを改善し、孔の真円度、円筒度を高めることができる微細孔を備えた金属焼結体の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するために、第1発明は、微細孔を備えた金属焼結体の製造方法であって、
金属焼結体の原料である第一金属の粉末粒子に、その焼結温度以下の融点を持つ第二金属を被覆して被覆第一金属粉末を形成する工程、
微細孔の内径に対応する直径を有し且つ該第一金属の焼結温度以下で分解する繊維の周囲に、該被覆第一金属粉末と樹脂バインダとの混合物を射出成形して部分グリーン体を形成する工程、
該部分グリーン体の周囲に、被覆しない該第一金属粉末と樹脂バインダとの混合物を射出成形して主グリーン体を形成する工程、および
該主グリーン体を脱脂した後に焼結する工程
を含むことを特徴とする。
【0013】
第2発明は、微細孔を備えた金属焼結体の製造方法であって、
微細孔の内径に対応する直径を有し、且つ金属焼結体の原料である第一金属の焼結温度以下で分解する繊維に、該第一金属の焼結温度以下の融点を持つ第二金属を被覆して被覆繊維を形成する工程、
該被覆繊維の周囲に、該第一金属の粉末と樹脂バインダとの混合物を射出成形してグリーン体を形成する工程、および
該グリーン体を脱脂した後に焼結する工程
を含むことを特徴とする。
【0014】
第3発明は、微細孔を備えた金属焼結体の製造方法であって、
微細孔の内径に対応する直径を有し、且つ金属焼結体の原料である第一金属より高い融点を持つ第二金属の細線の周囲に、該第一金属の粉末と樹脂バインダとの混合物を射出成形してグリーン体を形成する工程、
該グリーン体を脱脂した後に焼結する工程、および
得られた焼結体中の該第二金属の細線を急速加熱して溶融させた後に急冷する工程
を含むことを特徴とする。
【0015】
第4発明は、微細孔を備えた金属焼結体の製造方法であって、
仮微細孔を備えた第一金属の焼結体を作製する工程、
上記仮微細孔の内部に上記第一金属の焼結温度より低い融点を持つ第二金属を付与する工程、および
上記焼結体を加熱して上記仮微細孔内の上記第二金属を溶融させることにより、該仮微細孔の内壁に該第二金属を被覆して微細孔を完成させる工程
を含むことを特徴とする。
【0016】
第4発明においては、上記仮微細孔への上記第二金属の付与を、該仮微細孔の内壁への該第二金属のめっき、または、該仮微細孔内への該第二金属の細線の挿入のいずれかにより行なうことができる。
【0017】
第5発明は、微細孔を備えた金属焼結体の製造方法であって、
微細孔の内径に対応する直径を有し、且つ金属焼結体の原料である第一金属より低い融点を持つ第二金属の細線に、上記第二金属より高い融点を持つ第三金属を被覆層して被覆細線を形成する工程、
上記第二金属の細線の周囲に、上記第一金属の粉末と樹脂バインダとの混合物を射出成形してグリーン体を形成する工程、および
該グリーン体を脱脂した後に焼結する工程
を含むことを特徴とする。
【0018】
第5発明においては、上記第三金属の被覆層の形成をめっきまたは溶射により行なうことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
第1発明においては、焼結中に繊維が分解消失し、残された空間が微細孔となる。生成した微細孔の内壁は、溶融した第二金属で被覆されて平滑になる。このようにして、(1)グリーン体の時点で微細孔を形成しないので孔の欠けが発生することがなく、(2)焼結中に生じた微細孔の内壁は被覆されて表面粗さが小さくなり、(3)焼結中に繊維が分解消失するまで繊維外形によって微細孔形状が確定されるので真円度、円筒度ともに向上する。
【0020】
第2発明においても、第1発明と同様のメカニズムが働き同様の作用効果が得られる。
【0021】
第3発明においては、高融点の第二金属細線が焼結中に溶融せずに存続しており、焼結体を急熱してこの細線を急熱して溶融した後に急冷することにより、焼結体に微細孔が形成されると同時に溶融した第二金属が微細孔の内壁を被覆する。このようにして、(1)グリーン体の時点で微細孔を形成しないので孔の欠けが発生することがなく、(2)微細孔の内壁は被覆されて表面粗さが小さくなり、(3)焼結中に存続している細線の外形により微細孔形状が確定されるので真円度、円筒度ともに向上する。
【0022】
第4発明においては、通常の方法により仮微細孔を備えた焼結体を作製した後に、仮微細孔内に付与した低融点金属を加熱により溶融させて微細孔の内壁に被覆する。このようにして、(1)グリーン体の時点で微細孔を形成しないので孔の欠けが発生することがなく、(2)微細孔の内壁は被覆されて表面粗さが小さくなり、(3)上記の被覆により内壁変動が均されて真円度、円筒度ともに向上する。
【0023】
第5発明においては、焼結中に高融点の第三金属被覆層が周囲の第一金属焼結相と強固に拡散接合し、同時に低融点の第二金属細線が溶融して残された空間が微細孔となり、溶融した第二金属が微細孔の内壁を被覆する。このようにして、(1)グリーン体の時点で微細孔を形成しないので孔の欠けが発生することがなく、(2)微細孔の内壁は被覆されて表面粗さが小さくなり、(3)焼結中に細線が溶融するまで細線外形によって微細孔形状が画定されるので真円度、円筒度ともに向上する。
【0024】
【実施例】
図1に示す燃料噴射ノズルに用いる噴孔板を本発明の方法により作製する手順を幾つかの実施例で説明する。
【0025】
図示した燃料噴射ノズル100は、ボディー10内を摺動するニードル12により噴孔板14の噴孔16から燃料を噴射する。例えば数個から十数個程度の円筒状噴孔16が中心軸Cの周りに軸対称に配置されている。噴孔板14は溶接継手18によりボディー10の下端に接合されている。ボディー10は更に支持部20内に挿入されて保持固定されている。
【0026】
ボディー10、ニードル12、支持部20は一般にSCM420等の肌焼鋼で作られており、浸炭焼入れされた状態で用いられる。
【0027】
本発明により作製する噴孔板14は金属焼結体であり、焼結原料粉末として、本実施例においては三菱金属MIREX(商品名。組成:0.9C−0.4Si−4Cr−5Mo−2V−6W−残部Fe。粉末粒径:2〜5μm)を用いた。
【0028】
樹脂バインダとして、ポリエチレン、ポリプロピレン等とパラフィンワックスを6〜20wt%配合した。
【0029】
以下の各実施例では、上記の原料粉末および樹脂バインダを共通して用いる。
【0030】
〔実施例1〕
第1発明により噴孔板14を製造する手順の一例を説明する。全体の工程の流れを図2に、一部工程の詳細を図3に、それぞれ示す。
【0031】
<工程A1>
図3(1)に示すように、第一金属としてのMIREXから成る原料粉末Mに通常の方法により第二金属としての低融点金属mLをめっきする。ただし図3(1)には原料粉末Mの粉末粒子1個を示した。低融点金属mLとしては本実施例における最高焼結温度1250℃以下の融点を持つ材料を用いることができ、典型的にはCuめっき、Ni−Pめっきを用いる。
【0032】
<工程A2>
上記めっき済原料粉末に上記いずれかの樹脂バインダを6〜20wt%の範囲で配合した混合物Aを作成する。
【0033】
<工程A3>
噴孔16の内径に対応する直径の繊維の周囲に上記混合物Aを射出成形することにより、上記繊維に上記混合物を被覆して部分グリーン体とする。例えば、図3(2)に示すように、型枠DのクランプCに繊維Fの両端を固定して張り渡しておき、混合物Aを注入口INから注入し、繊維Fの周囲に上下の型D1、D2で画定したキャビティー内に充填する。これにより、図3(3)に示すように、繊維Fを混合物Aで被覆した部分グリーン体G’が得られる。射出成形は、混合物Xの温度160〜170℃、金型予熱温度30〜40℃にて行なう。
【0034】
繊維Fとしては、(1)セルロース系、ポリアクリロニトリル系、フェノール系、ピッチ系の炭素繊維(繊維径5〜30μmの範囲で所望噴孔径に合わせる)、(2)ナイロン繊維(繊維径20μm程度で、所望噴孔径により選択)、(3)金属線等を用いることができる。
【0035】
<工程B1>
めっきなしの原料粉末Mに上記工程A2と同様に樹脂バインダを配合して混合物Bを作成する。
【0036】
<工程4>
部分グリーン体G’の周囲に混合物Bを射出成形して主グリーン体とする。例えば、図3(4)に示すように、上下の型D3、D4の間に部分グリーン体G’を張り渡しておき、混合物Bを注入口INから注入し、型D3、D4間のキャビティー内に充填する。これにより混合物Bに部分グリーン体G’を貫通させた主グリーン体Gが得られる。
【0037】
<工程5>
主グリーン体Gを脱脂する。これはAr、N2等の不活性なガス雰囲気中にて300〜600℃程度に加熱することにより行なう。
【0038】
<工程6>
脱脂した主グリーン体Gを焼結する。これは、真空炉内で600〜1250℃間の温度域で段階的に昇温させ、所定温度で一定に保持することにより行なう。図3(5)に示すように第一金属Mは焼結して噴孔板本体14が形成され、この焼結処理中に、繊維Fは分解消失し、残された空間が微細孔16となる。生成した微細孔16は内径が繊維Fの直径に対応しており、内壁は溶融した第二金属mL(Cu、Ni−P等)により被覆されて平滑になる。噴孔板14は典型的には図3(6)に示すように円板状であり、その厚さ方向を微細孔(噴孔)16が貫通しており、円板の中心に対して軸対称に複数個が配置される。同図では図示の便宜上、微細孔(噴孔)16は2個として描かれているが、実際には数個〜十数個程度の複数個である。
【0039】
〔実施例2〕
第2発明により噴孔板14を製造する手順の一例を説明する。全体の工程の流れを図4に、一部工程の詳細を図5に、それぞれ示す。
【0040】
<工程A1>
図5(1)に示すように、実施例1に用いたものと同様の繊維Fに実施例1で用いたものと同様の第二金属としての低融点金属mLをめっきにより被覆して、被覆繊維cFを得る。このめっき被覆層の厚さは10〜100μm程度とする。
【0041】
<工程B1>
原料粉末Mに実施例1の工程B1と同様に樹脂バインダを配合して混合物Xを作成する。
【0042】
<工程2>
被覆繊維cFの周囲に混合物Xを射出成形してグリーン体Gとする。これは実施例1の工程4と同様に行なうことができ、例えば図5(2)に示すように、上下の型D3、D4の間に被覆繊維cFを張り渡しておき、混合物Xを注入口INから注入して型D3、D4間のキャビティー内に充填する。これにより混合物Xに被覆繊維cFを貫通させたグリーン体Gが得られる。
【0043】
<工程3>
実施例1の工程5と同様にグリーン体Gを脱脂する。
【0044】
<工程4>
脱脂したグリーン体Gを実施例1の工程6と同様に焼結する。すなわち、真空炉内で600〜1250℃間の温度域で段階的に昇温させ、所定温度で一定に保持することにより行なう。図5(3)に示すように第一金属Mは焼結して噴孔板本体14が形成され、この焼結処理中に、繊維Fは分解消失し、残された空間が微細孔16となる。生成した微細孔16は内径が繊維Fの直径に対応しており、内壁は溶融した第二金属mL(Cu、Ni−P等)により被覆されて平滑になる。噴孔板14は典型的には図5(4)に示すように円板状であり、その厚さ方向を微細孔(噴孔)16が貫通しており、円板の中心に対して軸対称に複数個が配置される。同図では図示の便宜上、微細孔(噴孔)16は2個として描かれているが、実際には数個〜十数個程度の複数個である。
【0045】
〔実施例3〕
第3発明により噴孔板14を製造する手順の一例を説明する。全体の工程の流れを図6に、一部工程の詳細を図7に、それぞれ示す。
【0046】
<工程1>
第一金属としての原料粉末Mに実施例1の工程B1と同様に樹脂バインダを配合して混合物Xを作成する。
【0047】
<工程2>
第一金属Mよりも若干融点の高い第二金属mHの細線Wの周囲に、混合物Xを射出成形してグリーン体Gとする。これは実施例1の工程4と同様に行なうことができ、例えば図7(1)に示すように、上下の型D3、D4の間に高融点金属mHの細線Wを張り渡しておき、混合物Xを注入口INから注入して型D3、D4間のキャビティー内に充填する。これにより混合物Xに高融点金属細線Wを貫通させたグリーン体Gが得られる。高融点金属mHとしては、Ni−Cu合金、Fe−Cr合金等を用いることができる。
【0048】
<工程3>
実施例1の工程5と同様にグリーン体Gを脱脂する。
【0049】
<工程4>
脱脂したグリーン体Gを実施例1の工程6と同様に焼結する。すなわち、真空炉内で600〜1250℃間の温度域で段階的に昇温させ、所定温度で一定に保持することにより行なう。図7(2)に示すように第一金属Mは焼結して噴孔板本体14が形成され、この焼結処理中に、高融点の第二金属mHの細線Wは溶融せずに元の形状を維持している。
【0050】
<工程5>
得られた焼結体を高融点金属mHの融点にまで急速加熱し、融点に達したら直ちに急冷する。これにより金属mHの細線Wが溶融し、図7(3)に示すように微細孔16が開口すると同時に、溶融した金属mHにより微細孔16の内壁が被覆される。生成した微細孔16は内径が細線Wの直径に対応しており、内壁は溶融した第二金属mH(Ni−Cu合金、Fe−Cr合金等)により被覆されて平滑になる。噴孔板14は典型的には図7(4)に示すように円板状であり、その厚さ方向を微細孔(噴孔)16が貫通しており、円板の中心に対して軸対称に複数個が配置される。同図では図示の便宜上、微細孔(噴孔)16は2個として描かれているが、実際には数個〜十数個程度の複数個である。
【0051】
〔実施例4〕
第4発明により噴孔板14を製造する手順の一例を説明する。全体の工程の流れを図8に、一部工程の詳細を図9に、それぞれ示す。
【0052】
<工程1>
第一金属としての原料粉末Mを用いて、MIM焼結法や通常の焼結法による従来の方法により、図9(1)に示すように、仮微細孔16’を持つ仮噴孔板14’を作製する。
【0053】
<工程2>
第一金属の焼結温度より低い融点を持つ第二金属mLを仮微細孔16’内に付与する。これは、図9(2A)に示すように、仮微細孔16’の内壁に低融点第二金属mLのめっき層Pを形成することにより行なうか、あるいは、図9(2B)に示すように、仮微細孔16’内に低融点第二金属mLの細線Wを挿入することにより行なう。めっき層Pは、Cuめっき、Ni−Pめっき等により形成することができる。細線Wとしては、Cu線、Cuろう線(JIS BCu1)、Niろう線(JIS BNi2, BNi3他)の細線を用いることができる。
【0054】
<工程3>
仮噴孔板14’を加熱して低融点金属mLの細線Wを溶融させる。これにより、図9(3)に示すように、低融点金属mLで内壁が被覆された微細孔16を備えた噴孔板14が得られる。微細孔16の内壁は第二金属mLの被覆により凹凸が緩和されて平滑化し、孔真円度、円筒度も向上する。
【0055】
〔実施例5〕
第5発明により噴孔板14を製造する手順の一例を説明する。全体の工程の流れを図10に、一部工程の詳細を図11に、それぞれ示す。
【0056】
<工程A1>
図11(1)に示すように、低融点第二金属mLとしてCuの細線Wに、第一金属の焼結温度以上の融点を持つ第三金属mHをめっきまたは溶射により被覆して、被覆細線cWを形成する。第三金属mHの被覆層の厚さは10〜100μm程度とする。
【0057】
<工程B1>
原料粉末Mに実施例1の工程B1と同様に樹脂バインダを配合して混合物Xを作成する。
【0058】
<工程2>
被覆細線cWの周囲に混合物Xを射出成形してグリーン体Gとする。これは実施例1の工程4と同様に行なうことができ、例えば図11(2)に示すように、上下の型D3、D4の間に被覆細線cWを張り渡しておき、混合物Xを注入口INから注入して型D3、D4間のキャビティー内に充填する。これにより混合物Xに被覆細線cWを貫通させたグリーン体Gが得られる。
【0059】
<工程3>
実施例1の工程5と同様にグリーン体Gを脱脂する。
【0060】
<工程4>
脱脂したグリーン体Gを実施例1の工程6と同様に焼結する。すなわち、真空炉内で600〜1250℃間の温度域で段階的に昇温させ、所定温度で一定に保持することにより行なう。図11(3)に示すように第一金属Mは焼結して噴孔板本体14が形成され、この焼結処理中に、低融点第二金属mLの細線Wは溶融し、残された空間が微細孔16となる。生成した微細孔16は内径が細線Wの直径に対応している。高融点第三金属mHの被覆層は微細孔16の内壁と拡散により強固に結合し、被覆層の表面は溶融した第二金属mLにより更に被覆されて平滑になる。噴孔板14は典型的には図11(4)に示すように円板状であり、その厚さ方向を微細孔(噴孔)16が貫通しており、円板の中心に対して軸対称に複数個が配置される。同図では図示の便宜上、微細孔(噴孔)16は2個として描かれているが、実際には数個〜十数個程度の複数個である。
【0061】
以上の各実施例により作製した噴孔板14は、噴孔16の内壁の表面粗さが1〜3μmRzであった。比較のため、従来のようにMIM焼結あるいは焼結により作製した噴孔板14では、表面粗さ3〜20μmRzであった。これから、本発明の方法によれば、噴孔内壁の大きな凹部が充填されて平滑度が向上したことが確認できた。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、グリーン体作製時に孔縁部の欠けを生ずることなく、孔内壁の表面粗さを改善し、孔の真円度、円筒度の高い微細孔を備えた金属焼結体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明により噴孔板を製造する対象とした燃料噴射ノズルの断面図である。
【図2】図2は、第1発明により噴孔板を製造する手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】図3は、図2中の一部工程の詳細を示す断面図および斜視図である。
【図4】図4は、第2発明により噴孔板を製造する手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】図5は、図4中の一部工程の詳細を示す断面図および斜視図である。
【図6】図6は、第3発明により噴孔板を製造する手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】図7は、図6中の一部工程の詳細を示す断面図および斜視図である。
【図8】図8は、第4発明により噴孔板を製造する手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】図9は、図8中の一部工程の詳細を示す断面図および斜視図である。
【図10】図10は、第5発明により噴孔板を製造する手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】図11は、図10中の一部工程の詳細を示す断面図および斜視図である。
【符号の説明】
100…燃料噴射ノズル
10…ボディー
12…ニードル
14…噴孔板
14’…仮噴孔板(仮微細孔)
16…噴孔(微細孔)
16’…仮噴孔(仮微細孔)
18…溶接継手
20…支持部
M…原料粉末(第一金属)
mL…低融点金属(第二金属)
mH…高融点金属(第二金属または第三金属)
F…繊維
cF…被覆繊維
W…細線
cW…被覆細線
A…混合物
X…混合物
D1、D3…上型
D2、D4…下型
【発明の属する技術分野】
本発明は、微細孔を備えた金属焼結体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属焼結体の製造する最も基本的な方法としては、金属粉末を型内に充填し加圧して、粉末粒子同士を塑性流動により絡ませて予備成形体とし、これを焼結炉で高温に加熱して拡散焼結および局部溶融を誘起して焼結体を得る方法がある。
【0003】
更に近年では、金属粉末と熱可塑性樹脂バインダを混合し加熱して熱可塑性樹脂を溶融させて金属/樹脂混合物(ペレット)とし、これを型内に射出成形してグリーン体とし、これを脱脂炉で樹脂抽出した後に、焼結炉で焼結させる金属射出成形法(MIM)がある(例えば特許文献1〔特開2001−288501号公報〕)。
【0004】
微細孔を備えた金属焼結体の典型例は、内燃機関の燃料噴射ノズルである。その噴孔先端部を作製する場合、噴孔内径に対応する直径のピンをセットした型内に、金属粉末と樹脂バインダとの混合溶融物を射出成形した後、ピンを引抜くことにより噴孔部を備えたグリーン体を形成し、これを脱脂・焼結することにより噴孔を備えた燃料噴射ノズルとしての金属焼結体を得る。
【0005】
しかし、上記従来の製造方法には下記の点で問題があった。
【0006】
(1)グリーン体からピンを引抜く際に、噴孔の縁部に欠けが生じ易い。これは、グリーン体は金属粉末粒子同士が溶融状態の樹脂の粘性で付着し合っているだけであり強度が低いためである。
【0007】
(2)焼結後の噴孔内壁の表面粗さが大きい。これは、焼結体内部では焼結反応によって金属粉末粒子間が拡散接合状態(一部は溶融凝固による接合状態)になるが、噴孔内壁を含む焼結体表面では金属粉末粒子間に未充填部が丸や芋虫状の窪みとして残留することが避けられないためである。
【0008】
(3)噴孔の真円度、円筒度が低い。これは、脱脂時や焼結時に樹脂が抜けるときに収縮や密度低下により異形の穴が生じたり、焼結時に穴の周囲が変形するためである。
【0009】
更に、燃焼効率向上の要請に応じて、できるだけ微粒の噴射燃料液滴を得るために噴孔の微細径化が進められており、上記(1)〜(3)の問題に対してこれまで以上に厳格な対策が求められるようになってきた。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−288501号公報(特許請求の範囲)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、グリーン体作製時に孔縁部の欠けを生ずることなく、孔内壁の表面粗さを改善し、孔の真円度、円筒度を高めることができる微細孔を備えた金属焼結体の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するために、第1発明は、微細孔を備えた金属焼結体の製造方法であって、
金属焼結体の原料である第一金属の粉末粒子に、その焼結温度以下の融点を持つ第二金属を被覆して被覆第一金属粉末を形成する工程、
微細孔の内径に対応する直径を有し且つ該第一金属の焼結温度以下で分解する繊維の周囲に、該被覆第一金属粉末と樹脂バインダとの混合物を射出成形して部分グリーン体を形成する工程、
該部分グリーン体の周囲に、被覆しない該第一金属粉末と樹脂バインダとの混合物を射出成形して主グリーン体を形成する工程、および
該主グリーン体を脱脂した後に焼結する工程
を含むことを特徴とする。
【0013】
第2発明は、微細孔を備えた金属焼結体の製造方法であって、
微細孔の内径に対応する直径を有し、且つ金属焼結体の原料である第一金属の焼結温度以下で分解する繊維に、該第一金属の焼結温度以下の融点を持つ第二金属を被覆して被覆繊維を形成する工程、
該被覆繊維の周囲に、該第一金属の粉末と樹脂バインダとの混合物を射出成形してグリーン体を形成する工程、および
該グリーン体を脱脂した後に焼結する工程
を含むことを特徴とする。
【0014】
第3発明は、微細孔を備えた金属焼結体の製造方法であって、
微細孔の内径に対応する直径を有し、且つ金属焼結体の原料である第一金属より高い融点を持つ第二金属の細線の周囲に、該第一金属の粉末と樹脂バインダとの混合物を射出成形してグリーン体を形成する工程、
該グリーン体を脱脂した後に焼結する工程、および
得られた焼結体中の該第二金属の細線を急速加熱して溶融させた後に急冷する工程
を含むことを特徴とする。
【0015】
第4発明は、微細孔を備えた金属焼結体の製造方法であって、
仮微細孔を備えた第一金属の焼結体を作製する工程、
上記仮微細孔の内部に上記第一金属の焼結温度より低い融点を持つ第二金属を付与する工程、および
上記焼結体を加熱して上記仮微細孔内の上記第二金属を溶融させることにより、該仮微細孔の内壁に該第二金属を被覆して微細孔を完成させる工程
を含むことを特徴とする。
【0016】
第4発明においては、上記仮微細孔への上記第二金属の付与を、該仮微細孔の内壁への該第二金属のめっき、または、該仮微細孔内への該第二金属の細線の挿入のいずれかにより行なうことができる。
【0017】
第5発明は、微細孔を備えた金属焼結体の製造方法であって、
微細孔の内径に対応する直径を有し、且つ金属焼結体の原料である第一金属より低い融点を持つ第二金属の細線に、上記第二金属より高い融点を持つ第三金属を被覆層して被覆細線を形成する工程、
上記第二金属の細線の周囲に、上記第一金属の粉末と樹脂バインダとの混合物を射出成形してグリーン体を形成する工程、および
該グリーン体を脱脂した後に焼結する工程
を含むことを特徴とする。
【0018】
第5発明においては、上記第三金属の被覆層の形成をめっきまたは溶射により行なうことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
第1発明においては、焼結中に繊維が分解消失し、残された空間が微細孔となる。生成した微細孔の内壁は、溶融した第二金属で被覆されて平滑になる。このようにして、(1)グリーン体の時点で微細孔を形成しないので孔の欠けが発生することがなく、(2)焼結中に生じた微細孔の内壁は被覆されて表面粗さが小さくなり、(3)焼結中に繊維が分解消失するまで繊維外形によって微細孔形状が確定されるので真円度、円筒度ともに向上する。
【0020】
第2発明においても、第1発明と同様のメカニズムが働き同様の作用効果が得られる。
【0021】
第3発明においては、高融点の第二金属細線が焼結中に溶融せずに存続しており、焼結体を急熱してこの細線を急熱して溶融した後に急冷することにより、焼結体に微細孔が形成されると同時に溶融した第二金属が微細孔の内壁を被覆する。このようにして、(1)グリーン体の時点で微細孔を形成しないので孔の欠けが発生することがなく、(2)微細孔の内壁は被覆されて表面粗さが小さくなり、(3)焼結中に存続している細線の外形により微細孔形状が確定されるので真円度、円筒度ともに向上する。
【0022】
第4発明においては、通常の方法により仮微細孔を備えた焼結体を作製した後に、仮微細孔内に付与した低融点金属を加熱により溶融させて微細孔の内壁に被覆する。このようにして、(1)グリーン体の時点で微細孔を形成しないので孔の欠けが発生することがなく、(2)微細孔の内壁は被覆されて表面粗さが小さくなり、(3)上記の被覆により内壁変動が均されて真円度、円筒度ともに向上する。
【0023】
第5発明においては、焼結中に高融点の第三金属被覆層が周囲の第一金属焼結相と強固に拡散接合し、同時に低融点の第二金属細線が溶融して残された空間が微細孔となり、溶融した第二金属が微細孔の内壁を被覆する。このようにして、(1)グリーン体の時点で微細孔を形成しないので孔の欠けが発生することがなく、(2)微細孔の内壁は被覆されて表面粗さが小さくなり、(3)焼結中に細線が溶融するまで細線外形によって微細孔形状が画定されるので真円度、円筒度ともに向上する。
【0024】
【実施例】
図1に示す燃料噴射ノズルに用いる噴孔板を本発明の方法により作製する手順を幾つかの実施例で説明する。
【0025】
図示した燃料噴射ノズル100は、ボディー10内を摺動するニードル12により噴孔板14の噴孔16から燃料を噴射する。例えば数個から十数個程度の円筒状噴孔16が中心軸Cの周りに軸対称に配置されている。噴孔板14は溶接継手18によりボディー10の下端に接合されている。ボディー10は更に支持部20内に挿入されて保持固定されている。
【0026】
ボディー10、ニードル12、支持部20は一般にSCM420等の肌焼鋼で作られており、浸炭焼入れされた状態で用いられる。
【0027】
本発明により作製する噴孔板14は金属焼結体であり、焼結原料粉末として、本実施例においては三菱金属MIREX(商品名。組成:0.9C−0.4Si−4Cr−5Mo−2V−6W−残部Fe。粉末粒径:2〜5μm)を用いた。
【0028】
樹脂バインダとして、ポリエチレン、ポリプロピレン等とパラフィンワックスを6〜20wt%配合した。
【0029】
以下の各実施例では、上記の原料粉末および樹脂バインダを共通して用いる。
【0030】
〔実施例1〕
第1発明により噴孔板14を製造する手順の一例を説明する。全体の工程の流れを図2に、一部工程の詳細を図3に、それぞれ示す。
【0031】
<工程A1>
図3(1)に示すように、第一金属としてのMIREXから成る原料粉末Mに通常の方法により第二金属としての低融点金属mLをめっきする。ただし図3(1)には原料粉末Mの粉末粒子1個を示した。低融点金属mLとしては本実施例における最高焼結温度1250℃以下の融点を持つ材料を用いることができ、典型的にはCuめっき、Ni−Pめっきを用いる。
【0032】
<工程A2>
上記めっき済原料粉末に上記いずれかの樹脂バインダを6〜20wt%の範囲で配合した混合物Aを作成する。
【0033】
<工程A3>
噴孔16の内径に対応する直径の繊維の周囲に上記混合物Aを射出成形することにより、上記繊維に上記混合物を被覆して部分グリーン体とする。例えば、図3(2)に示すように、型枠DのクランプCに繊維Fの両端を固定して張り渡しておき、混合物Aを注入口INから注入し、繊維Fの周囲に上下の型D1、D2で画定したキャビティー内に充填する。これにより、図3(3)に示すように、繊維Fを混合物Aで被覆した部分グリーン体G’が得られる。射出成形は、混合物Xの温度160〜170℃、金型予熱温度30〜40℃にて行なう。
【0034】
繊維Fとしては、(1)セルロース系、ポリアクリロニトリル系、フェノール系、ピッチ系の炭素繊維(繊維径5〜30μmの範囲で所望噴孔径に合わせる)、(2)ナイロン繊維(繊維径20μm程度で、所望噴孔径により選択)、(3)金属線等を用いることができる。
【0035】
<工程B1>
めっきなしの原料粉末Mに上記工程A2と同様に樹脂バインダを配合して混合物Bを作成する。
【0036】
<工程4>
部分グリーン体G’の周囲に混合物Bを射出成形して主グリーン体とする。例えば、図3(4)に示すように、上下の型D3、D4の間に部分グリーン体G’を張り渡しておき、混合物Bを注入口INから注入し、型D3、D4間のキャビティー内に充填する。これにより混合物Bに部分グリーン体G’を貫通させた主グリーン体Gが得られる。
【0037】
<工程5>
主グリーン体Gを脱脂する。これはAr、N2等の不活性なガス雰囲気中にて300〜600℃程度に加熱することにより行なう。
【0038】
<工程6>
脱脂した主グリーン体Gを焼結する。これは、真空炉内で600〜1250℃間の温度域で段階的に昇温させ、所定温度で一定に保持することにより行なう。図3(5)に示すように第一金属Mは焼結して噴孔板本体14が形成され、この焼結処理中に、繊維Fは分解消失し、残された空間が微細孔16となる。生成した微細孔16は内径が繊維Fの直径に対応しており、内壁は溶融した第二金属mL(Cu、Ni−P等)により被覆されて平滑になる。噴孔板14は典型的には図3(6)に示すように円板状であり、その厚さ方向を微細孔(噴孔)16が貫通しており、円板の中心に対して軸対称に複数個が配置される。同図では図示の便宜上、微細孔(噴孔)16は2個として描かれているが、実際には数個〜十数個程度の複数個である。
【0039】
〔実施例2〕
第2発明により噴孔板14を製造する手順の一例を説明する。全体の工程の流れを図4に、一部工程の詳細を図5に、それぞれ示す。
【0040】
<工程A1>
図5(1)に示すように、実施例1に用いたものと同様の繊維Fに実施例1で用いたものと同様の第二金属としての低融点金属mLをめっきにより被覆して、被覆繊維cFを得る。このめっき被覆層の厚さは10〜100μm程度とする。
【0041】
<工程B1>
原料粉末Mに実施例1の工程B1と同様に樹脂バインダを配合して混合物Xを作成する。
【0042】
<工程2>
被覆繊維cFの周囲に混合物Xを射出成形してグリーン体Gとする。これは実施例1の工程4と同様に行なうことができ、例えば図5(2)に示すように、上下の型D3、D4の間に被覆繊維cFを張り渡しておき、混合物Xを注入口INから注入して型D3、D4間のキャビティー内に充填する。これにより混合物Xに被覆繊維cFを貫通させたグリーン体Gが得られる。
【0043】
<工程3>
実施例1の工程5と同様にグリーン体Gを脱脂する。
【0044】
<工程4>
脱脂したグリーン体Gを実施例1の工程6と同様に焼結する。すなわち、真空炉内で600〜1250℃間の温度域で段階的に昇温させ、所定温度で一定に保持することにより行なう。図5(3)に示すように第一金属Mは焼結して噴孔板本体14が形成され、この焼結処理中に、繊維Fは分解消失し、残された空間が微細孔16となる。生成した微細孔16は内径が繊維Fの直径に対応しており、内壁は溶融した第二金属mL(Cu、Ni−P等)により被覆されて平滑になる。噴孔板14は典型的には図5(4)に示すように円板状であり、その厚さ方向を微細孔(噴孔)16が貫通しており、円板の中心に対して軸対称に複数個が配置される。同図では図示の便宜上、微細孔(噴孔)16は2個として描かれているが、実際には数個〜十数個程度の複数個である。
【0045】
〔実施例3〕
第3発明により噴孔板14を製造する手順の一例を説明する。全体の工程の流れを図6に、一部工程の詳細を図7に、それぞれ示す。
【0046】
<工程1>
第一金属としての原料粉末Mに実施例1の工程B1と同様に樹脂バインダを配合して混合物Xを作成する。
【0047】
<工程2>
第一金属Mよりも若干融点の高い第二金属mHの細線Wの周囲に、混合物Xを射出成形してグリーン体Gとする。これは実施例1の工程4と同様に行なうことができ、例えば図7(1)に示すように、上下の型D3、D4の間に高融点金属mHの細線Wを張り渡しておき、混合物Xを注入口INから注入して型D3、D4間のキャビティー内に充填する。これにより混合物Xに高融点金属細線Wを貫通させたグリーン体Gが得られる。高融点金属mHとしては、Ni−Cu合金、Fe−Cr合金等を用いることができる。
【0048】
<工程3>
実施例1の工程5と同様にグリーン体Gを脱脂する。
【0049】
<工程4>
脱脂したグリーン体Gを実施例1の工程6と同様に焼結する。すなわち、真空炉内で600〜1250℃間の温度域で段階的に昇温させ、所定温度で一定に保持することにより行なう。図7(2)に示すように第一金属Mは焼結して噴孔板本体14が形成され、この焼結処理中に、高融点の第二金属mHの細線Wは溶融せずに元の形状を維持している。
【0050】
<工程5>
得られた焼結体を高融点金属mHの融点にまで急速加熱し、融点に達したら直ちに急冷する。これにより金属mHの細線Wが溶融し、図7(3)に示すように微細孔16が開口すると同時に、溶融した金属mHにより微細孔16の内壁が被覆される。生成した微細孔16は内径が細線Wの直径に対応しており、内壁は溶融した第二金属mH(Ni−Cu合金、Fe−Cr合金等)により被覆されて平滑になる。噴孔板14は典型的には図7(4)に示すように円板状であり、その厚さ方向を微細孔(噴孔)16が貫通しており、円板の中心に対して軸対称に複数個が配置される。同図では図示の便宜上、微細孔(噴孔)16は2個として描かれているが、実際には数個〜十数個程度の複数個である。
【0051】
〔実施例4〕
第4発明により噴孔板14を製造する手順の一例を説明する。全体の工程の流れを図8に、一部工程の詳細を図9に、それぞれ示す。
【0052】
<工程1>
第一金属としての原料粉末Mを用いて、MIM焼結法や通常の焼結法による従来の方法により、図9(1)に示すように、仮微細孔16’を持つ仮噴孔板14’を作製する。
【0053】
<工程2>
第一金属の焼結温度より低い融点を持つ第二金属mLを仮微細孔16’内に付与する。これは、図9(2A)に示すように、仮微細孔16’の内壁に低融点第二金属mLのめっき層Pを形成することにより行なうか、あるいは、図9(2B)に示すように、仮微細孔16’内に低融点第二金属mLの細線Wを挿入することにより行なう。めっき層Pは、Cuめっき、Ni−Pめっき等により形成することができる。細線Wとしては、Cu線、Cuろう線(JIS BCu1)、Niろう線(JIS BNi2, BNi3他)の細線を用いることができる。
【0054】
<工程3>
仮噴孔板14’を加熱して低融点金属mLの細線Wを溶融させる。これにより、図9(3)に示すように、低融点金属mLで内壁が被覆された微細孔16を備えた噴孔板14が得られる。微細孔16の内壁は第二金属mLの被覆により凹凸が緩和されて平滑化し、孔真円度、円筒度も向上する。
【0055】
〔実施例5〕
第5発明により噴孔板14を製造する手順の一例を説明する。全体の工程の流れを図10に、一部工程の詳細を図11に、それぞれ示す。
【0056】
<工程A1>
図11(1)に示すように、低融点第二金属mLとしてCuの細線Wに、第一金属の焼結温度以上の融点を持つ第三金属mHをめっきまたは溶射により被覆して、被覆細線cWを形成する。第三金属mHの被覆層の厚さは10〜100μm程度とする。
【0057】
<工程B1>
原料粉末Mに実施例1の工程B1と同様に樹脂バインダを配合して混合物Xを作成する。
【0058】
<工程2>
被覆細線cWの周囲に混合物Xを射出成形してグリーン体Gとする。これは実施例1の工程4と同様に行なうことができ、例えば図11(2)に示すように、上下の型D3、D4の間に被覆細線cWを張り渡しておき、混合物Xを注入口INから注入して型D3、D4間のキャビティー内に充填する。これにより混合物Xに被覆細線cWを貫通させたグリーン体Gが得られる。
【0059】
<工程3>
実施例1の工程5と同様にグリーン体Gを脱脂する。
【0060】
<工程4>
脱脂したグリーン体Gを実施例1の工程6と同様に焼結する。すなわち、真空炉内で600〜1250℃間の温度域で段階的に昇温させ、所定温度で一定に保持することにより行なう。図11(3)に示すように第一金属Mは焼結して噴孔板本体14が形成され、この焼結処理中に、低融点第二金属mLの細線Wは溶融し、残された空間が微細孔16となる。生成した微細孔16は内径が細線Wの直径に対応している。高融点第三金属mHの被覆層は微細孔16の内壁と拡散により強固に結合し、被覆層の表面は溶融した第二金属mLにより更に被覆されて平滑になる。噴孔板14は典型的には図11(4)に示すように円板状であり、その厚さ方向を微細孔(噴孔)16が貫通しており、円板の中心に対して軸対称に複数個が配置される。同図では図示の便宜上、微細孔(噴孔)16は2個として描かれているが、実際には数個〜十数個程度の複数個である。
【0061】
以上の各実施例により作製した噴孔板14は、噴孔16の内壁の表面粗さが1〜3μmRzであった。比較のため、従来のようにMIM焼結あるいは焼結により作製した噴孔板14では、表面粗さ3〜20μmRzであった。これから、本発明の方法によれば、噴孔内壁の大きな凹部が充填されて平滑度が向上したことが確認できた。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、グリーン体作製時に孔縁部の欠けを生ずることなく、孔内壁の表面粗さを改善し、孔の真円度、円筒度の高い微細孔を備えた金属焼結体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明により噴孔板を製造する対象とした燃料噴射ノズルの断面図である。
【図2】図2は、第1発明により噴孔板を製造する手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】図3は、図2中の一部工程の詳細を示す断面図および斜視図である。
【図4】図4は、第2発明により噴孔板を製造する手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】図5は、図4中の一部工程の詳細を示す断面図および斜視図である。
【図6】図6は、第3発明により噴孔板を製造する手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】図7は、図6中の一部工程の詳細を示す断面図および斜視図である。
【図8】図8は、第4発明により噴孔板を製造する手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】図9は、図8中の一部工程の詳細を示す断面図および斜視図である。
【図10】図10は、第5発明により噴孔板を製造する手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】図11は、図10中の一部工程の詳細を示す断面図および斜視図である。
【符号の説明】
100…燃料噴射ノズル
10…ボディー
12…ニードル
14…噴孔板
14’…仮噴孔板(仮微細孔)
16…噴孔(微細孔)
16’…仮噴孔(仮微細孔)
18…溶接継手
20…支持部
M…原料粉末(第一金属)
mL…低融点金属(第二金属)
mH…高融点金属(第二金属または第三金属)
F…繊維
cF…被覆繊維
W…細線
cW…被覆細線
A…混合物
X…混合物
D1、D3…上型
D2、D4…下型
Claims (7)
- 微細孔を備えた金属焼結体の製造方法であって、
金属焼結体の原料である第一金属の粉末粒子に、その焼結温度以下の融点を持つ第二金属を被覆して被覆第一金属粉末を形成する工程、
微細孔の内径に対応する直径を有し且つ該第一金属の焼結温度以下で分解する繊維の周囲に、該被覆第一金属粉末と樹脂バインダとの混合物を射出成形して部分グリーン体を形成する工程、
該部分グリーン体の周囲に、被覆しない該第一金属粉末と樹脂バインダとの混合物を射出成形して主グリーン体を形成する工程、および
該主グリーン体を脱脂した後に焼結する工程
を含むことを特徴とする微細孔を備えた金属焼結体の製造方法。 - 微細孔を備えた金属焼結体の製造方法であって、
微細孔の内径に対応する直径を有し、且つ金属焼結体の原料である第一金属の焼結温度以下で分解する繊維に、該第一金属の焼結温度以下の融点を持つ第二金属を被覆して被覆繊維を形成する工程、
該被覆繊維の周囲に、該第一金属の粉末と樹脂バインダとの混合物を射出成形してグリーン体を形成する工程、および
該グリーン体を脱脂した後に焼結する工程
を含むことを特徴とする微細孔を備えた金属焼結体の製造方法。 - 微細孔を備えた金属焼結体の製造方法であって、
微細孔の内径に対応する直径を有し、且つ金属焼結体の原料である第一金属より高い融点を持つ第二金属の細線の周囲に、該第一金属の粉末と樹脂バインダとの混合物を射出成形してグリーン体を形成する工程、
該グリーン体を脱脂した後に焼結する工程、および
得られた焼結体中の該第二金属の細線を急速加熱して溶融させた後に急冷する工程
を含むことを特徴とする微細孔を備えた金属焼結体の製造方法。 - 微細孔を備えた金属焼結体の製造方法であって、
仮微細孔を備えた第一金属の焼結体を作製する工程、
上記仮微細孔の内部に上記第一金属の焼結温度より低い融点を持つ第二金属を付与する工程、および
上記焼結体を加熱して上記仮微細孔内の上記第二金属を溶融させることにより、該仮微細孔の内壁に該第二金属を被覆して微細孔を完成させる工程
を含むことを特徴とする微細孔を備えた金属焼結体の製造方法。 - 請求項4記載において、上記仮微細孔への上記第二金属の付与を、該仮微細孔の内壁への該第二金属のめっき、または、該仮微細孔内への該第二金属の細線の挿入のいずれかにより行なうことを特徴とする微細孔を備えた金属焼結体の製造方法。
- 微細孔を備えた金属焼結体の製造方法であって、
微細孔の内径に対応する直径を有し、且つ金属焼結体の原料である第一金属より低い融点を持つ第二金属の細線に、上記第二金属より高い融点を持つ第三金属を被覆して被覆細線を形成する工程、
上記第二金属の細線の周囲に、上記第一金属の粉末と樹脂バインダとの混合物を射出成形してグリーン体を形成する工程、および
該グリーン体を脱脂した後に焼結する工程
を含むことを特徴とする微細孔を備えた金属焼結体の製造方法。 - 請求項6において、上記第三金属の被覆層の形成をめっきまたは溶射により行なうことを特徴とする微細孔を備えた金属焼結体の製造方法。
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