JP2004345879A - 炭化水素改質装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】パルス放電による炭化水素系燃料から水素への転化率をより高める炭化水素改質装置を提供する。
【解決手段】炭化水素ガスと水蒸気とを含む混合ガスが内在する混合ガス容器と、パルス状電圧を出力するパルス電源と、前記パルス電源から出力されたパルス状電圧が印加されて、前記混合ガス容器に内在する混合ガス中にパルス放電を起こす一対の電極と、を備える、炭化水素系燃料を水素へ転化する炭化水素改質装置において、前記パルス電源が高転化率周波数領域RFに属するパルス周波数の電圧を前記一対の電極に印加することで、該混合ガス中の炭化水素を水素に転化する。
【選択図】図2
【解決手段】炭化水素ガスと水蒸気とを含む混合ガスが内在する混合ガス容器と、パルス状電圧を出力するパルス電源と、前記パルス電源から出力されたパルス状電圧が印加されて、前記混合ガス容器に内在する混合ガス中にパルス放電を起こす一対の電極と、を備える、炭化水素系燃料を水素へ転化する炭化水素改質装置において、前記パルス電源が高転化率周波数領域RFに属するパルス周波数の電圧を前記一対の電極に印加することで、該混合ガス中の炭化水素を水素に転化する。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化水素系燃料をパルス放電によって改質して水素を発生させる炭化水素改質装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭化水素改質装置において、炭化水素系燃料と水蒸気の反応によって水素や一酸化炭素を生成する方法としての、スチームリフォーミングと呼ばれる水蒸気改質が行われている。そこで、炭化水素系燃料をガス化させて水蒸気と混合させた混合ガス中で直流パルス放電を行って鎖式炭化水素と水蒸気を反応させることで、低温、低圧、且つ触媒を用いないという条件下で水素を生成させる技術が公開されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
また、炭化水素改質装置によって発生した水素を利用する技術として、炭化水素系燃料をパルス放電装置によってプラズマ化することで水素を生成し、水素による電気化学反応で起電力が発生する燃料電池に、該生成された水素を供給する燃料電池システムが公開されている(例えば、特許文献2を参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−335302号公報
【特許文献2】
特開2001−167784号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のパルス放電による炭化水素改質装置においては、炭化水素系燃料から水素への転化率はそれほど高くなく、発生した水素を含む混合ガスには炭化水素が依然として残っている。従って、その混合ガスを内燃機関に燃料として供給すると、燃料の燃焼によって生成される排気中に多量の炭化水素が残存し、外気へ炭化水素が放出される虞がある。
【0006】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、パルス放電による炭化水素系燃料から水素への転化率をより高める炭化水素改質装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、炭化水素系燃料をパルス放電によって改質して水素を発生させる炭化水素改質装置において、放電が行われる電極に印加されるパルス状電圧のパルス周波数に着目した。これは、炭化水素系燃料から水素への転化率が、電極に印加されるパルス状電圧のパルス周波数によって大きく変動し、特に該転化率がより高くなる電極への印加電圧のパルス周波数領域が存在することによる。ここで、該転化率とは、パルス放電による転化前の炭化水素濃度に対するパルス放電による転化後と転化前の炭化水素濃度差の比率を意味する。
【0008】
そこで、炭化水素ガスと水蒸気とを含む混合ガスが内在する混合ガス容器と、パルス状電圧を出力するパルス電源と、前記パルス電源から出力されたパルス状電圧が印加されて、前記混合ガス容器に内在する混合ガス中にパルス放電を起こす一対の電極と、を備える、炭化水素系燃料を水素へ転化する炭化水素改質装置において、前記パルス電源が高転化率周波数領域に属するパルス周波数の電圧を前記一対の電極に印加することで、該混合ガス中の炭化水素を水素に転化する。
【0009】
炭化水素系燃料を改質して水素を得るには、炭化水素燃料を気化させて炭化水素ガスにした上で(以下、該炭化水素ガスを単に「炭化水素」という)、水蒸気と混合し、その混合ガスにおいてパルス放電を起こす。該パルス放電は、前記一対の電極にパルス状電圧が印加されることで発生する。このとき、該パルス状電圧のパルス周波数によって、炭化水素から水素への転化率が大きく変動する。
【0010】
前記混合ガスにおいてプラズマを発生させるためのパルス放電方式については、混合ガス中に正極と負極からなる一対の電極を設け、該電極間において放電を行ういわゆるグロー放電又はアーク放電が挙げられる。更に、混合ガスが収容される混合ガス容器が絶縁材でできている場合には、該混合ガス容器の内部と外部にそれぞれ電極を設けて、該電極間において放電を行ってもよい。このような場合には、電極間において流れる電流量が小さいことを考慮して、転化反応を促進するために、該混合ガス容器中に光触媒や高誘電剤等を充填させたいわゆるパックドベット方式による放電が好適である。
【0011】
ここで、前記パルス状電圧のパルス周波数に対する前記転化率の推移は、該パルス周波数が上昇するに従い該転化率も上昇し、ある周波数領域において転化率推移での概ね最高転化率を示し、さらに該周波数が上昇すると該転化率は低下していく傾向が判明した。そこで、前記パルス状電圧のパルス周波数を、概ね最高転化率が示される周波数領域、即ち前記高転化率周波数領域に属する周波数とすることで、パルス放電による炭化水素系燃料から水素への転化率がより高められる。
【0012】
炭化水素系燃料としては、単一種類の炭化水素で構成されるプロパン、ブタン等の燃料や複数種類の炭化水素で構成されるガソリン等が挙げられる。そして、これらの炭化水素系燃料において、上述した前記パルス状電圧のパルス周波数に対する前記転化率の推移の傾向が見られる。特に、前記高転化率周波数領域を、1.1kHzから1.7kHz、好ましくは1.3kHzから1.5kHzまでの周波数領域とすることで、より良好な転化率が可能となることが、実験から判明している。
【0013】
ここで、炭化水素系燃料からの水素への転化量を、転化反応が行われる混合ガス容器の容積を大きくすることで、ある程度の量までは増加することは可能である。しかし、転化反応は、混合ガス中においてパルス放電が生じている部位においてのみ行われるため、混合ガス容器の容積を大きくしても一つの混合ガス容器における水素への転化量には上限が存在する。そこで、水素への転化量を十分に確保するには、複数の混合ガス容器を並列的に使用し、それぞれの混合ガス容器においてパルス放電を発生させることで、生じた水素を収集する必要がある。
【0014】
そこで、炭化水素ガスと水蒸気とを含む混合ガスが内在する複数の混合ガス容器と、パルス信号を出力する一のパルス信号発生器と、入力されたパルス信号のパルス周波数と同周波数のパルス状電圧を出力する、前記混合ガス容器と同数の電圧発生器と、前記パルス信号発生器から出力されるパルス信号をパルス毎に前記電圧発生器のそれぞれに分配する信号分配器と、前記混合ガス容器のそれぞれに備えられ該混合ガス容器と同数対の電極であって、且つ前記電圧発生器のそれぞれから出力されたパルス状電圧が印加されて前記混合ガス容器のそれぞれに内在する混合ガス中にパルス放電を起こす電極と、を備える、炭化水素系燃料を水素へ転化する炭化水素改質装置において、前記パルス信号発生器によって出力されるパルス信号の周波数は、前記電圧発生器によって前記電極に印加されるパルス状電圧のパルス周波数に対して前記電極の対の数の倍数となる周波数であって、且つ前記電圧発生器が高転化率周波数領域に属するパルス周波数の電圧をそれぞれの前記電極に印加することで、該混合ガス中の炭化水素を水素に転化する。
【0015】
即ち、それぞれの混合ガス容器においてパルス放電を行うことで、転化反応によって生じる水素量をより多く確保することが可能となる。ここで、上記の炭化水素改質装置においては、一の信号発生器から出力されたパルス信号が、途中で信号分配器によって、パルス毎に電圧発生器にパルス信号が分配される。そして、分配されたパルス信号のパルス周波数と同周波数の電圧が、電圧発生器によってそれぞれの混合ガス容器に備えられた電極に印加されることで、それぞれの混合ガス容器において、同じパルス周波数の電圧によるパルス放電が行われ、炭化水素から水素への転化反応が起こる。従って、一の信号発生器のみによって、複数の混合ガス容器で転化反応を生じさせることが可能となる。
【0016】
ここで、前記パルス状電圧のパルス周波数に対する前記転化率の推移は、先述したように、該周波数が前記高転化周波数領域に属しているときに、該転化率がその推移において概ね最高転化率となる。そこで、それぞれの混合ガス容器に備えられた電極に印加されるパルス状電圧のパルス周波数が前記高転化周波数領域に属する周波数となるべく、信号発生器によって出力されるパルス信号のパルス周波数は、混合ガス容器の個数の倍数となる周波数とする。このようにすることで、信号発生器によって発生したパルス信号が、信号分配器で分配された時点で、そのパルス信号のパルス周波数が前記高転化周波数領域に属する周波数となる。以て、該パルス周波数の電圧が電極に印加される。
【0017】
更に、本発明は、炭化水素系燃料をパルス放電によって改質して水素を発生させる炭化水素改質装置において、放電が行われる電極間の距離に着目した。これは、炭化水素系燃料から水素への転化率が、電極間の距離によって大きく変動することによる。
【0018】
そこで、炭化水素ガスと水蒸気とを含む混合ガスが内在する混合ガス容器と、パルス状電圧を出力するパルス電源と、前記混合ガス容器内に設けられ、且つ前記パルス電源から出力されたパルス状電圧が印加されて、前記混合ガス容器に内在する混合ガス中にパルス放電を起こす一対の電極と、を備える、炭化水素系燃料を水素へ転化する炭化水素改質装置において、前記一対の電極間の距離は、高転化率電極間距離領域に属する距離であって、前記パルス電圧が前記一対の電極にパルス状電圧を印加することで、該混合ガス中の炭化水素を水素に転化する。
【0019】
前記混合ガスにおいてプラズマを発生させるためのパルス放電方式については、混合ガス中に正極と負極からなる一対の電極を設け、該電極間において放電を行ういわゆるグロー放電又はアーク放電が挙げられる。
【0020】
前記一対の電極間において生じるパルス放電によって、炭化水素から水素への転化反応が生じる。従って、混合ガス容器中に存在する炭化水素ガスであっても、パルス放電に曝されない炭化水素ガスにおいては水素への転化反応が生じない。即ち、混合ガス容器において、パルス放電が行われる領域をより広く確保することによって、水素への転化反応を促進することが可能となる。
【0021】
ここで、前記一対の電極間の距離(以下、「電極間距離」という)に対する前記転化率の推移は、該電極間距離が広がるに従い該転化率も上昇する傾向が判明した。これは、該電極間距離が広がることによって、パルス放電が行われる領域が広がることに拠る。しかし、該電極間距離が広がることでパルス放電を生じさせるためにパルス電源から電極に対して供給すべき電力量が増加し、パルス電源の容量が大きくなる。そこで、パルス放電が行われる領域をより広く確保するとともにパルス電源の容量の増大を抑えるべく、前記一対の電極間の距離を所定の距離領域に属する距離、即ち前記高転化率電極間距離領域に属する距離とすることで、パルス放電による炭化水素系燃料から水素への転化を行う。
【0022】
炭化水素系燃料としては、単一種類の炭化水素で構成されるプロパン、ブタン等の燃料や複数種類の炭化水素で構成されるガソリン等が挙げられる。そして、これらの炭化水素系燃料において、上述した前記一対の電極間の距離に対する前記転化率の推移の傾向が見られる。特に、前記高転化率電極間領域を、40mm以上の電極間距離領域とすることで、より良好な転化率を得ることが可能となり、特に、前記高転化率電極間距離を50mmから60mmまでの電極間距離領域とすることで、更にパルス電源の容量を低く抑えることが可能であることが、実験から判明している。
【0023】
また、先述までの炭化水素改質装置において、混合ガス容器に備えられた一対の電極に印加されるパルス状電圧は、直流パルス電圧でも、交流パルス電圧でもでもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
<第1の実施の形態>
ここで、本発明に係る炭化水素改質装置の実施の形態について図面に基づいて説明する。図1は、本発明が適用される炭化水素改質装置の概略構成を示す図である。
【0025】
本実施の形態における炭化水素改質装置は、パルス放電によるプラズマ化で炭化水素系燃料の改質が行われる転化反応部1と、パルス放電を発生させるための電力を転化反応部1に供給するパルス電源部2とから、主に構成される。
【0026】
ここで、転化反応部1においては、燃料タンク3に貯留されている炭化水素系燃料であるプロパンがガス化されて、水蒸気添加装置4に流入する。そして、水蒸気添加装置4によってガス化されたプロパンと水蒸気が混合されて、その混合気が、導入管7を経て絶縁管10に順次、流入する。
【0027】
また、絶縁管10の内部には、対をなす電極5および電極6が設けられている。一方の電極5は接地されており、他方の電極6はパルス電源部2と電気的に接続されている。パルス電源部2は、パルス信号発生器11と電圧発生器12から、主に構成されている。パルス信号発生器11は、直流パルス信号または交流パルス信号を出力する装置であり、そのパルス信号のパルス周波数Fは可変である。パルス信号発生器11から出力されたパルス信号は伝送線14を介して電圧発生器12に伝えられる。電圧発生器12は、該伝えられたパルス信号に基づいて、パルス信号のパルス周波数と同周波数のパルス状高電圧を発生させ、電送線13を介してその高電圧を電極6に伝える。
【0028】
電極6にパルス状高電圧が伝えられることで、電極5と電極6との間にパルス放電が発生する。該パルス放電によって混合気を形成するプロパンガスと水蒸気がプラズマ化され、再結合して水素や一酸化炭素に変換される。その後、発生した水素や一酸化炭素は放出管8を経て、絶縁管10の外へ導かれる。生成された水素は内燃機関の燃料として供給されたり、また、燃料電池における発電用燃料として供給されたりすることも可能である。
【0029】
ここで、パルス放電によって発生した一酸化炭素は、酸素との結合性が非常に高いため、内燃機関の燃料として水素とともに内燃機関へ供給されると、内燃機関における水素の良好な酸化を妨げる虞がある。また、燃料電池に一酸化炭素が供給されると、燃料電池に対して強い毒性を持つため、燃料電池の劣化が進む。そこで、水素と一酸化炭素を分離するために、放出管8を介して絶縁管10の外部に出た水素および一酸化炭素は、水蒸気添加装置9に送られる。
【0030】
水蒸気添加装置9は、生成された一酸化炭素に水蒸気を添加することで、COシフト転換反応あるいは選択酸化反応を利用して、二酸化炭素に変換させるものである。これによって、純度の高い水素を内燃機関や燃料電池等に供給することが可能となる。
【0031】
ここで、図1に示す炭化水素転化装置におけるプロパンから水素への転化率は、パルス電源部2によって電極5および電極6に印加されるパルス状高電圧のパルス周波数Fに依存する。ここで、該パルス状高電圧のパルス周波数に対する該転化率の推移を、図2に示す。図2の横軸は、該パルス状高電圧のパルス周波数を、図2の縦軸は、該転化率を表す。更に、図2中の線L1は、該パルス状高電圧のパルス周波数に対する該転化率の推移を表す。
【0032】
線L1が示すように、先ず、該パルス状高電圧のパルス周波数が増加するに従い、該転化率は上昇する。その後、一定のパルス周波数領域RFにおいては、概ね転化率がピーク値を示す。そして、該パルス状高電圧のパルス周波数の更なる増加に伴い、該転化率は減少に転ずる。
【0033】
そこで、パルス電源部2によって電極5および電極6に印加されるパルス状高電圧のパルス周波数Fを、図2に示すパルス周波数領域RFに属するパルス周波数とすることで、炭化水素系燃料であるプロパンから水素への転化率がより高められる。
【0034】
特に、プロパン以外の炭化水素系燃料においても、図2に示すようなパルス状高電圧のパルス周波数に対する推移の傾向は現れる。そして、パルス周波数領域RFを、1.1kHzから1.7kHz、好ましくは1.3kHzから1.5kHzまでの周波数領域とし、該周波数領域に属するパルス周波数のパルス状高電圧を電極5および電極6に印加することで、該周波数領域以外のパルス周波数のパルス状高電圧を印加した場合と比べ、炭化水素系燃料から水素への転化率をより高めることが可能となる。
【0035】
<第2の実施の形態>
次に、炭化水素から水素への転化反応によって多量の水素を生成する実施の形態について図面に基づいて説明する。図3は、本発明が適用される炭化水素改質装置の概略構成を示す図である。
【0036】
本実施の形態における炭化水素改質装置においては、先述した第1の実施の形態における炭化水素改質装置の転化反応部1が、3台並列して、それぞれ1a、1b、1cとして設けられている。これらの転化反応部1a、1b、1cに対してプロパンガスおよび水蒸気の混合気を供給する燃料タンク3および水蒸気添加装置4については先述の通りである。また、これらの転化反応部1a、1b、1cにおいて生成された一酸化炭素を二酸化炭素へ変換する水蒸気添加装置9についても先述の通りである。
【0037】
ここで、本実施の形態においては、パルス電源部20が以下のように構成されている。パルス電源部20は、パルス信号発生器11、信号分配器15および電圧発生器12a、12b、12cから構成されている。電圧発生器の個数は電圧発生器と電気的に接続されている転化反応部の個数と同じである。パルス信号発生器11は、直流パルス信号または交流パルス信号を出力する装置であり、そのパルス信号のパルス周波数Fは可変である。パルス信号発生器11から出力されたパルス信号は伝送線16を介して信号分配器15に伝えられる。
【0038】
信号分配器15は、パルス信号発生器11から出力されたパルス信号を、そのパルス毎に、信号分配器15に電気的に接続されている電圧発生器12a、12b、12cに順次分配していく装置である。図4および図5に、信号分配器15の機能を示す。図4は、パルス信号発生器11から出力されるパルス信号が交流パルス信号である場合の信号分配器15の機能を、図5は、パルス信号発生器11から出力されるパルス信号が直流パルス信号である場合の信号分配器15の機能をそれぞれ示す。また、図4および図5における(a)、(b)、(c)、(d)は、(a)はパルス信号発生器11によって出力されたパルス信号を、(b)、(c)、(d)は、信号分配器15によって分配され、電圧発生器12a、12b、12cのそれぞれに送られるパルス信号である。
【0039】
このように、信号分配器15によって分配されたパルス信号が、それぞれ電圧発生器12a、12b、12cに伝えられる。それぞれの電圧発生器は、該伝えられたパルス信号に基づいて、パルス信号のパルス周波数と同周波数のパルス状高電圧を発生させ、その高電圧をそれぞれの転化反応部における電極に伝える。その結果、それぞれの転化反応部においてパルス放電が発生し、プロパンから水素への転化反応が起こる。
【0040】
ここで、電極に印加されるパルス状高電圧のパルス周波数Fに対する水素への添加率の推移は、図2に示す傾向があるのは、先述の通りである。そこで、図4(b)、(c)、(d)および図5(b)、(c)、(d)に示すパルス信号のパルス周波数が、図2中の周波数領域RFに属する周波数であれば、本実施の形態における炭化水素改質装置を構成するそれぞれの転化反応部において、より高い転化率を得ることが可能となる。そこで、パルス信号発生器11によって出力されるパルス信号(図4(a)および図5(a)に示すパルス信号)のパルス周波数は、図4(b)等および図5(b)等に示すパルス信号のパルス周波数の3倍のパルス周波数とする。
【0041】
即ち、パルス信号発生器11によって出力されるパルス信号の周波数は、それぞれの転化反応部の電極に印加するパルス状高電圧のパルス周波数(図2に示すパルス周波数領域RFに属する周波数)を、パルス信号発生器11に接続されている転化反応部の個数倍した周波数とする。例えば、それぞれの転化反応部の電極に1.5kHzのパルス状高電圧をかける場合には、本実施の形態においては、パルス信号発生器11から出力されるパルス周波数は、4.5kHzとなる。これによって信号分配器15によって分配された後のパルス信号のパルス周波数が、図2に示すパルス周波数領域RFに属する周波数となる。
【0042】
これにより、複数の転化反応部の電極全てにおいて、高転化率を得られるパルス状高電圧を印加することが可能となるため、多量の水素を生成することが可能となる。
【0043】
尚、パルス信号発生器11は、直流パルス信号または交流パルス信号のいずれを出力してもよい。しかし、パルス信号発生器11が交流パルス信号を出力する信号発生器であって、転化反応部の電極に交流パルス状高電圧を印加する場合は、転化反応部の個数を奇数個にして、信号分配器15によって順次パルス信号を分配していく。また、パルス信号発生器11が交流パルス信号を出力する信号発生器であって、転化反応部の電極に直流パルス状高電圧を印加する場合は、転化反応部の個数を偶数個にして、信号分配器15によって順次パルス信号を分配していく。パルス信号発生器11が直流パルス信号を出力する信号発生器である場合は、転化反応部の個数に依らずに、転化反応部の電極に印加される電圧は直流パルス状電圧となる。
【0044】
<第3の実施の形態>
図1に示す炭化水素改質装置において、炭化水素系燃料から水素への転化率を高める要因として、電極5および電極6の間の距離(以下、「電極間距離」という)が挙げられる。ここで、該電極間距離に対する該転化率の推移を、図6に示す。図6の横軸は該電極間距離を、図6の縦軸は該転化率を表す。更に、図6中の線L2は、該電極間距離に対する該転化率の推移を表す。
【0045】
線L2が示すように、該電極間距離が広がるに従い、該転化率は上昇する。これは電極間距離が広がることによって、パルス放電によるプラズマ化が生じる領域が広がるためである。しかし、該電極間距離が広がるに従いパルス電源部2から転化反応部1に供給すべき電力量が大きくなるため、パルス電源部2の容量が増大する。その上、電極間距離が広がるに従い転化率の上昇率は鈍化するため、電極間距離が一定の距離以上となると、転化率の上昇よりもパルス電源2の容量の増加が顕著となる。
【0046】
そこで、電極5と電極6との電極間距離を、電極間距離に対する転化率の上昇率が鈍化し始める、図6に示す電極間距離領域RLに属する距離とすることで、炭化水素系燃料であるプロパンから水素への転化率がより高められるとともに、パルス電源部2の容量の増大を低く抑制することが可能となる。
【0047】
また、プロパン以外の炭化水素系燃料においても、図6に示すようなパルス状高電圧のパルス周波数に対する推移の傾向は現れる。そして、電極間距離領域RLを、40mm以上の距離領域とし、電極5と電極6との電極間距離を該距離領域に属する距離とすることで、該距離領域以外の電極間距離とする場合と比べ、炭化水素系燃料から水素への転化率をより高めることが可能となる。特に、電極間距離領域RLを50mmから60mmまでの距離領域とし、電極5と電極6との電極間距離を該距離領域に属する距離とすることで、パルス電源部の容量を低く抑制することも可能となる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る炭化水素改質装置は、炭化水素系燃料を水素へ転化するパルス放電の条件を適正化することにより、より高い水素への転化率を達成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る炭化水素改質装置の概略構成を表すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る炭化水素改質装置において、電極に印加するパルス状高電圧のパルス周波数に対する水素への転化率の推移を表すグラフである。
【図3】本発明の実施の形態に係る炭化水素改質装置の概略構成を表す第2のブロック図である。
【図4】図3に示す炭化水素改質装置における信号分配器の機能を示すパルス信号の図である。
【図5】図3に示す炭化水素改質装置における信号分配器の機能を示すパルス信号の第2の図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る炭化水素改質装置において、電極間距離に対する水素への転化率の推移を表すグラフである。
【符号の説明】
1・・・・転化反応部
1a・・・・転化反応部
1b・・・・転化反応部
1c・・・・転化反応部
2・・・・パルス電源部
3・・・・燃料タンク
5・・・・電極
6・・・・電極
10・・・・絶縁管
11・・・・パルス信号発生器
12・・・・電圧発生器
12a・・・・電圧発生器
12b・・・・電圧発生器
12c・・・・電圧発生器
15・・・・信号分配器
20・・・・パルス電源部
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化水素系燃料をパルス放電によって改質して水素を発生させる炭化水素改質装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭化水素改質装置において、炭化水素系燃料と水蒸気の反応によって水素や一酸化炭素を生成する方法としての、スチームリフォーミングと呼ばれる水蒸気改質が行われている。そこで、炭化水素系燃料をガス化させて水蒸気と混合させた混合ガス中で直流パルス放電を行って鎖式炭化水素と水蒸気を反応させることで、低温、低圧、且つ触媒を用いないという条件下で水素を生成させる技術が公開されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
また、炭化水素改質装置によって発生した水素を利用する技術として、炭化水素系燃料をパルス放電装置によってプラズマ化することで水素を生成し、水素による電気化学反応で起電力が発生する燃料電池に、該生成された水素を供給する燃料電池システムが公開されている(例えば、特許文献2を参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−335302号公報
【特許文献2】
特開2001−167784号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のパルス放電による炭化水素改質装置においては、炭化水素系燃料から水素への転化率はそれほど高くなく、発生した水素を含む混合ガスには炭化水素が依然として残っている。従って、その混合ガスを内燃機関に燃料として供給すると、燃料の燃焼によって生成される排気中に多量の炭化水素が残存し、外気へ炭化水素が放出される虞がある。
【0006】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、パルス放電による炭化水素系燃料から水素への転化率をより高める炭化水素改質装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、炭化水素系燃料をパルス放電によって改質して水素を発生させる炭化水素改質装置において、放電が行われる電極に印加されるパルス状電圧のパルス周波数に着目した。これは、炭化水素系燃料から水素への転化率が、電極に印加されるパルス状電圧のパルス周波数によって大きく変動し、特に該転化率がより高くなる電極への印加電圧のパルス周波数領域が存在することによる。ここで、該転化率とは、パルス放電による転化前の炭化水素濃度に対するパルス放電による転化後と転化前の炭化水素濃度差の比率を意味する。
【0008】
そこで、炭化水素ガスと水蒸気とを含む混合ガスが内在する混合ガス容器と、パルス状電圧を出力するパルス電源と、前記パルス電源から出力されたパルス状電圧が印加されて、前記混合ガス容器に内在する混合ガス中にパルス放電を起こす一対の電極と、を備える、炭化水素系燃料を水素へ転化する炭化水素改質装置において、前記パルス電源が高転化率周波数領域に属するパルス周波数の電圧を前記一対の電極に印加することで、該混合ガス中の炭化水素を水素に転化する。
【0009】
炭化水素系燃料を改質して水素を得るには、炭化水素燃料を気化させて炭化水素ガスにした上で(以下、該炭化水素ガスを単に「炭化水素」という)、水蒸気と混合し、その混合ガスにおいてパルス放電を起こす。該パルス放電は、前記一対の電極にパルス状電圧が印加されることで発生する。このとき、該パルス状電圧のパルス周波数によって、炭化水素から水素への転化率が大きく変動する。
【0010】
前記混合ガスにおいてプラズマを発生させるためのパルス放電方式については、混合ガス中に正極と負極からなる一対の電極を設け、該電極間において放電を行ういわゆるグロー放電又はアーク放電が挙げられる。更に、混合ガスが収容される混合ガス容器が絶縁材でできている場合には、該混合ガス容器の内部と外部にそれぞれ電極を設けて、該電極間において放電を行ってもよい。このような場合には、電極間において流れる電流量が小さいことを考慮して、転化反応を促進するために、該混合ガス容器中に光触媒や高誘電剤等を充填させたいわゆるパックドベット方式による放電が好適である。
【0011】
ここで、前記パルス状電圧のパルス周波数に対する前記転化率の推移は、該パルス周波数が上昇するに従い該転化率も上昇し、ある周波数領域において転化率推移での概ね最高転化率を示し、さらに該周波数が上昇すると該転化率は低下していく傾向が判明した。そこで、前記パルス状電圧のパルス周波数を、概ね最高転化率が示される周波数領域、即ち前記高転化率周波数領域に属する周波数とすることで、パルス放電による炭化水素系燃料から水素への転化率がより高められる。
【0012】
炭化水素系燃料としては、単一種類の炭化水素で構成されるプロパン、ブタン等の燃料や複数種類の炭化水素で構成されるガソリン等が挙げられる。そして、これらの炭化水素系燃料において、上述した前記パルス状電圧のパルス周波数に対する前記転化率の推移の傾向が見られる。特に、前記高転化率周波数領域を、1.1kHzから1.7kHz、好ましくは1.3kHzから1.5kHzまでの周波数領域とすることで、より良好な転化率が可能となることが、実験から判明している。
【0013】
ここで、炭化水素系燃料からの水素への転化量を、転化反応が行われる混合ガス容器の容積を大きくすることで、ある程度の量までは増加することは可能である。しかし、転化反応は、混合ガス中においてパルス放電が生じている部位においてのみ行われるため、混合ガス容器の容積を大きくしても一つの混合ガス容器における水素への転化量には上限が存在する。そこで、水素への転化量を十分に確保するには、複数の混合ガス容器を並列的に使用し、それぞれの混合ガス容器においてパルス放電を発生させることで、生じた水素を収集する必要がある。
【0014】
そこで、炭化水素ガスと水蒸気とを含む混合ガスが内在する複数の混合ガス容器と、パルス信号を出力する一のパルス信号発生器と、入力されたパルス信号のパルス周波数と同周波数のパルス状電圧を出力する、前記混合ガス容器と同数の電圧発生器と、前記パルス信号発生器から出力されるパルス信号をパルス毎に前記電圧発生器のそれぞれに分配する信号分配器と、前記混合ガス容器のそれぞれに備えられ該混合ガス容器と同数対の電極であって、且つ前記電圧発生器のそれぞれから出力されたパルス状電圧が印加されて前記混合ガス容器のそれぞれに内在する混合ガス中にパルス放電を起こす電極と、を備える、炭化水素系燃料を水素へ転化する炭化水素改質装置において、前記パルス信号発生器によって出力されるパルス信号の周波数は、前記電圧発生器によって前記電極に印加されるパルス状電圧のパルス周波数に対して前記電極の対の数の倍数となる周波数であって、且つ前記電圧発生器が高転化率周波数領域に属するパルス周波数の電圧をそれぞれの前記電極に印加することで、該混合ガス中の炭化水素を水素に転化する。
【0015】
即ち、それぞれの混合ガス容器においてパルス放電を行うことで、転化反応によって生じる水素量をより多く確保することが可能となる。ここで、上記の炭化水素改質装置においては、一の信号発生器から出力されたパルス信号が、途中で信号分配器によって、パルス毎に電圧発生器にパルス信号が分配される。そして、分配されたパルス信号のパルス周波数と同周波数の電圧が、電圧発生器によってそれぞれの混合ガス容器に備えられた電極に印加されることで、それぞれの混合ガス容器において、同じパルス周波数の電圧によるパルス放電が行われ、炭化水素から水素への転化反応が起こる。従って、一の信号発生器のみによって、複数の混合ガス容器で転化反応を生じさせることが可能となる。
【0016】
ここで、前記パルス状電圧のパルス周波数に対する前記転化率の推移は、先述したように、該周波数が前記高転化周波数領域に属しているときに、該転化率がその推移において概ね最高転化率となる。そこで、それぞれの混合ガス容器に備えられた電極に印加されるパルス状電圧のパルス周波数が前記高転化周波数領域に属する周波数となるべく、信号発生器によって出力されるパルス信号のパルス周波数は、混合ガス容器の個数の倍数となる周波数とする。このようにすることで、信号発生器によって発生したパルス信号が、信号分配器で分配された時点で、そのパルス信号のパルス周波数が前記高転化周波数領域に属する周波数となる。以て、該パルス周波数の電圧が電極に印加される。
【0017】
更に、本発明は、炭化水素系燃料をパルス放電によって改質して水素を発生させる炭化水素改質装置において、放電が行われる電極間の距離に着目した。これは、炭化水素系燃料から水素への転化率が、電極間の距離によって大きく変動することによる。
【0018】
そこで、炭化水素ガスと水蒸気とを含む混合ガスが内在する混合ガス容器と、パルス状電圧を出力するパルス電源と、前記混合ガス容器内に設けられ、且つ前記パルス電源から出力されたパルス状電圧が印加されて、前記混合ガス容器に内在する混合ガス中にパルス放電を起こす一対の電極と、を備える、炭化水素系燃料を水素へ転化する炭化水素改質装置において、前記一対の電極間の距離は、高転化率電極間距離領域に属する距離であって、前記パルス電圧が前記一対の電極にパルス状電圧を印加することで、該混合ガス中の炭化水素を水素に転化する。
【0019】
前記混合ガスにおいてプラズマを発生させるためのパルス放電方式については、混合ガス中に正極と負極からなる一対の電極を設け、該電極間において放電を行ういわゆるグロー放電又はアーク放電が挙げられる。
【0020】
前記一対の電極間において生じるパルス放電によって、炭化水素から水素への転化反応が生じる。従って、混合ガス容器中に存在する炭化水素ガスであっても、パルス放電に曝されない炭化水素ガスにおいては水素への転化反応が生じない。即ち、混合ガス容器において、パルス放電が行われる領域をより広く確保することによって、水素への転化反応を促進することが可能となる。
【0021】
ここで、前記一対の電極間の距離(以下、「電極間距離」という)に対する前記転化率の推移は、該電極間距離が広がるに従い該転化率も上昇する傾向が判明した。これは、該電極間距離が広がることによって、パルス放電が行われる領域が広がることに拠る。しかし、該電極間距離が広がることでパルス放電を生じさせるためにパルス電源から電極に対して供給すべき電力量が増加し、パルス電源の容量が大きくなる。そこで、パルス放電が行われる領域をより広く確保するとともにパルス電源の容量の増大を抑えるべく、前記一対の電極間の距離を所定の距離領域に属する距離、即ち前記高転化率電極間距離領域に属する距離とすることで、パルス放電による炭化水素系燃料から水素への転化を行う。
【0022】
炭化水素系燃料としては、単一種類の炭化水素で構成されるプロパン、ブタン等の燃料や複数種類の炭化水素で構成されるガソリン等が挙げられる。そして、これらの炭化水素系燃料において、上述した前記一対の電極間の距離に対する前記転化率の推移の傾向が見られる。特に、前記高転化率電極間領域を、40mm以上の電極間距離領域とすることで、より良好な転化率を得ることが可能となり、特に、前記高転化率電極間距離を50mmから60mmまでの電極間距離領域とすることで、更にパルス電源の容量を低く抑えることが可能であることが、実験から判明している。
【0023】
また、先述までの炭化水素改質装置において、混合ガス容器に備えられた一対の電極に印加されるパルス状電圧は、直流パルス電圧でも、交流パルス電圧でもでもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
<第1の実施の形態>
ここで、本発明に係る炭化水素改質装置の実施の形態について図面に基づいて説明する。図1は、本発明が適用される炭化水素改質装置の概略構成を示す図である。
【0025】
本実施の形態における炭化水素改質装置は、パルス放電によるプラズマ化で炭化水素系燃料の改質が行われる転化反応部1と、パルス放電を発生させるための電力を転化反応部1に供給するパルス電源部2とから、主に構成される。
【0026】
ここで、転化反応部1においては、燃料タンク3に貯留されている炭化水素系燃料であるプロパンがガス化されて、水蒸気添加装置4に流入する。そして、水蒸気添加装置4によってガス化されたプロパンと水蒸気が混合されて、その混合気が、導入管7を経て絶縁管10に順次、流入する。
【0027】
また、絶縁管10の内部には、対をなす電極5および電極6が設けられている。一方の電極5は接地されており、他方の電極6はパルス電源部2と電気的に接続されている。パルス電源部2は、パルス信号発生器11と電圧発生器12から、主に構成されている。パルス信号発生器11は、直流パルス信号または交流パルス信号を出力する装置であり、そのパルス信号のパルス周波数Fは可変である。パルス信号発生器11から出力されたパルス信号は伝送線14を介して電圧発生器12に伝えられる。電圧発生器12は、該伝えられたパルス信号に基づいて、パルス信号のパルス周波数と同周波数のパルス状高電圧を発生させ、電送線13を介してその高電圧を電極6に伝える。
【0028】
電極6にパルス状高電圧が伝えられることで、電極5と電極6との間にパルス放電が発生する。該パルス放電によって混合気を形成するプロパンガスと水蒸気がプラズマ化され、再結合して水素や一酸化炭素に変換される。その後、発生した水素や一酸化炭素は放出管8を経て、絶縁管10の外へ導かれる。生成された水素は内燃機関の燃料として供給されたり、また、燃料電池における発電用燃料として供給されたりすることも可能である。
【0029】
ここで、パルス放電によって発生した一酸化炭素は、酸素との結合性が非常に高いため、内燃機関の燃料として水素とともに内燃機関へ供給されると、内燃機関における水素の良好な酸化を妨げる虞がある。また、燃料電池に一酸化炭素が供給されると、燃料電池に対して強い毒性を持つため、燃料電池の劣化が進む。そこで、水素と一酸化炭素を分離するために、放出管8を介して絶縁管10の外部に出た水素および一酸化炭素は、水蒸気添加装置9に送られる。
【0030】
水蒸気添加装置9は、生成された一酸化炭素に水蒸気を添加することで、COシフト転換反応あるいは選択酸化反応を利用して、二酸化炭素に変換させるものである。これによって、純度の高い水素を内燃機関や燃料電池等に供給することが可能となる。
【0031】
ここで、図1に示す炭化水素転化装置におけるプロパンから水素への転化率は、パルス電源部2によって電極5および電極6に印加されるパルス状高電圧のパルス周波数Fに依存する。ここで、該パルス状高電圧のパルス周波数に対する該転化率の推移を、図2に示す。図2の横軸は、該パルス状高電圧のパルス周波数を、図2の縦軸は、該転化率を表す。更に、図2中の線L1は、該パルス状高電圧のパルス周波数に対する該転化率の推移を表す。
【0032】
線L1が示すように、先ず、該パルス状高電圧のパルス周波数が増加するに従い、該転化率は上昇する。その後、一定のパルス周波数領域RFにおいては、概ね転化率がピーク値を示す。そして、該パルス状高電圧のパルス周波数の更なる増加に伴い、該転化率は減少に転ずる。
【0033】
そこで、パルス電源部2によって電極5および電極6に印加されるパルス状高電圧のパルス周波数Fを、図2に示すパルス周波数領域RFに属するパルス周波数とすることで、炭化水素系燃料であるプロパンから水素への転化率がより高められる。
【0034】
特に、プロパン以外の炭化水素系燃料においても、図2に示すようなパルス状高電圧のパルス周波数に対する推移の傾向は現れる。そして、パルス周波数領域RFを、1.1kHzから1.7kHz、好ましくは1.3kHzから1.5kHzまでの周波数領域とし、該周波数領域に属するパルス周波数のパルス状高電圧を電極5および電極6に印加することで、該周波数領域以外のパルス周波数のパルス状高電圧を印加した場合と比べ、炭化水素系燃料から水素への転化率をより高めることが可能となる。
【0035】
<第2の実施の形態>
次に、炭化水素から水素への転化反応によって多量の水素を生成する実施の形態について図面に基づいて説明する。図3は、本発明が適用される炭化水素改質装置の概略構成を示す図である。
【0036】
本実施の形態における炭化水素改質装置においては、先述した第1の実施の形態における炭化水素改質装置の転化反応部1が、3台並列して、それぞれ1a、1b、1cとして設けられている。これらの転化反応部1a、1b、1cに対してプロパンガスおよび水蒸気の混合気を供給する燃料タンク3および水蒸気添加装置4については先述の通りである。また、これらの転化反応部1a、1b、1cにおいて生成された一酸化炭素を二酸化炭素へ変換する水蒸気添加装置9についても先述の通りである。
【0037】
ここで、本実施の形態においては、パルス電源部20が以下のように構成されている。パルス電源部20は、パルス信号発生器11、信号分配器15および電圧発生器12a、12b、12cから構成されている。電圧発生器の個数は電圧発生器と電気的に接続されている転化反応部の個数と同じである。パルス信号発生器11は、直流パルス信号または交流パルス信号を出力する装置であり、そのパルス信号のパルス周波数Fは可変である。パルス信号発生器11から出力されたパルス信号は伝送線16を介して信号分配器15に伝えられる。
【0038】
信号分配器15は、パルス信号発生器11から出力されたパルス信号を、そのパルス毎に、信号分配器15に電気的に接続されている電圧発生器12a、12b、12cに順次分配していく装置である。図4および図5に、信号分配器15の機能を示す。図4は、パルス信号発生器11から出力されるパルス信号が交流パルス信号である場合の信号分配器15の機能を、図5は、パルス信号発生器11から出力されるパルス信号が直流パルス信号である場合の信号分配器15の機能をそれぞれ示す。また、図4および図5における(a)、(b)、(c)、(d)は、(a)はパルス信号発生器11によって出力されたパルス信号を、(b)、(c)、(d)は、信号分配器15によって分配され、電圧発生器12a、12b、12cのそれぞれに送られるパルス信号である。
【0039】
このように、信号分配器15によって分配されたパルス信号が、それぞれ電圧発生器12a、12b、12cに伝えられる。それぞれの電圧発生器は、該伝えられたパルス信号に基づいて、パルス信号のパルス周波数と同周波数のパルス状高電圧を発生させ、その高電圧をそれぞれの転化反応部における電極に伝える。その結果、それぞれの転化反応部においてパルス放電が発生し、プロパンから水素への転化反応が起こる。
【0040】
ここで、電極に印加されるパルス状高電圧のパルス周波数Fに対する水素への添加率の推移は、図2に示す傾向があるのは、先述の通りである。そこで、図4(b)、(c)、(d)および図5(b)、(c)、(d)に示すパルス信号のパルス周波数が、図2中の周波数領域RFに属する周波数であれば、本実施の形態における炭化水素改質装置を構成するそれぞれの転化反応部において、より高い転化率を得ることが可能となる。そこで、パルス信号発生器11によって出力されるパルス信号(図4(a)および図5(a)に示すパルス信号)のパルス周波数は、図4(b)等および図5(b)等に示すパルス信号のパルス周波数の3倍のパルス周波数とする。
【0041】
即ち、パルス信号発生器11によって出力されるパルス信号の周波数は、それぞれの転化反応部の電極に印加するパルス状高電圧のパルス周波数(図2に示すパルス周波数領域RFに属する周波数)を、パルス信号発生器11に接続されている転化反応部の個数倍した周波数とする。例えば、それぞれの転化反応部の電極に1.5kHzのパルス状高電圧をかける場合には、本実施の形態においては、パルス信号発生器11から出力されるパルス周波数は、4.5kHzとなる。これによって信号分配器15によって分配された後のパルス信号のパルス周波数が、図2に示すパルス周波数領域RFに属する周波数となる。
【0042】
これにより、複数の転化反応部の電極全てにおいて、高転化率を得られるパルス状高電圧を印加することが可能となるため、多量の水素を生成することが可能となる。
【0043】
尚、パルス信号発生器11は、直流パルス信号または交流パルス信号のいずれを出力してもよい。しかし、パルス信号発生器11が交流パルス信号を出力する信号発生器であって、転化反応部の電極に交流パルス状高電圧を印加する場合は、転化反応部の個数を奇数個にして、信号分配器15によって順次パルス信号を分配していく。また、パルス信号発生器11が交流パルス信号を出力する信号発生器であって、転化反応部の電極に直流パルス状高電圧を印加する場合は、転化反応部の個数を偶数個にして、信号分配器15によって順次パルス信号を分配していく。パルス信号発生器11が直流パルス信号を出力する信号発生器である場合は、転化反応部の個数に依らずに、転化反応部の電極に印加される電圧は直流パルス状電圧となる。
【0044】
<第3の実施の形態>
図1に示す炭化水素改質装置において、炭化水素系燃料から水素への転化率を高める要因として、電極5および電極6の間の距離(以下、「電極間距離」という)が挙げられる。ここで、該電極間距離に対する該転化率の推移を、図6に示す。図6の横軸は該電極間距離を、図6の縦軸は該転化率を表す。更に、図6中の線L2は、該電極間距離に対する該転化率の推移を表す。
【0045】
線L2が示すように、該電極間距離が広がるに従い、該転化率は上昇する。これは電極間距離が広がることによって、パルス放電によるプラズマ化が生じる領域が広がるためである。しかし、該電極間距離が広がるに従いパルス電源部2から転化反応部1に供給すべき電力量が大きくなるため、パルス電源部2の容量が増大する。その上、電極間距離が広がるに従い転化率の上昇率は鈍化するため、電極間距離が一定の距離以上となると、転化率の上昇よりもパルス電源2の容量の増加が顕著となる。
【0046】
そこで、電極5と電極6との電極間距離を、電極間距離に対する転化率の上昇率が鈍化し始める、図6に示す電極間距離領域RLに属する距離とすることで、炭化水素系燃料であるプロパンから水素への転化率がより高められるとともに、パルス電源部2の容量の増大を低く抑制することが可能となる。
【0047】
また、プロパン以外の炭化水素系燃料においても、図6に示すようなパルス状高電圧のパルス周波数に対する推移の傾向は現れる。そして、電極間距離領域RLを、40mm以上の距離領域とし、電極5と電極6との電極間距離を該距離領域に属する距離とすることで、該距離領域以外の電極間距離とする場合と比べ、炭化水素系燃料から水素への転化率をより高めることが可能となる。特に、電極間距離領域RLを50mmから60mmまでの距離領域とし、電極5と電極6との電極間距離を該距離領域に属する距離とすることで、パルス電源部の容量を低く抑制することも可能となる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る炭化水素改質装置は、炭化水素系燃料を水素へ転化するパルス放電の条件を適正化することにより、より高い水素への転化率を達成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る炭化水素改質装置の概略構成を表すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る炭化水素改質装置において、電極に印加するパルス状高電圧のパルス周波数に対する水素への転化率の推移を表すグラフである。
【図3】本発明の実施の形態に係る炭化水素改質装置の概略構成を表す第2のブロック図である。
【図4】図3に示す炭化水素改質装置における信号分配器の機能を示すパルス信号の図である。
【図5】図3に示す炭化水素改質装置における信号分配器の機能を示すパルス信号の第2の図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る炭化水素改質装置において、電極間距離に対する水素への転化率の推移を表すグラフである。
【符号の説明】
1・・・・転化反応部
1a・・・・転化反応部
1b・・・・転化反応部
1c・・・・転化反応部
2・・・・パルス電源部
3・・・・燃料タンク
5・・・・電極
6・・・・電極
10・・・・絶縁管
11・・・・パルス信号発生器
12・・・・電圧発生器
12a・・・・電圧発生器
12b・・・・電圧発生器
12c・・・・電圧発生器
15・・・・信号分配器
20・・・・パルス電源部
Claims (5)
- 炭化水素ガスと水蒸気とを含む混合ガスが内在する混合ガス容器と、
パルス状電圧を出力するパルス電源と、
前記パルス電源から出力されたパルス状電圧が印加されて、前記混合ガス容器に内在する混合ガス中にパルス放電を起こす一対の電極と、を備え、
前記パルス電源が高転化率周波数領域に属するパルス周波数の電圧を前記一対の電極に印加することで、該混合ガス中の炭化水素を水素に転化することを特徴とする炭化水素改質装置。 - 炭化水素ガスと水蒸気とを含む混合ガスが内在する複数の混合ガス容器と、
パルス信号を出力する一のパルス信号発生器と、
入力されたパルス信号のパルス周波数と同周波数のパルス状電圧を出力する、前記混合ガス容器と同数の電圧発生器と、
前記パルス信号発生器から出力されるパルス信号をパルス毎に前記電圧発生器のそれぞれに分配する信号分配器と、
前記混合ガス容器のそれぞれに備えられ該混合ガス容器と同数対の電極であって、且つ前記電圧発生器のそれぞれから出力されたパルス状電圧が印加されて前記混合ガス容器のそれぞれに内在する混合ガス中にパルス放電を起こす電極と、を備え、
前記パルス信号発生器によって出力されるパルス信号の周波数は、前記電圧発生器によって前記電極に印加されるパルス状電圧のパルス周波数に対して前記電極の対の数の倍数となる周波数であって、且つ前記電圧発生器が高転化率周波数領域に属するパルス周波数の電圧をそれぞれの前記電極に印加することで、該混合ガス中の炭化水素を水素に転化する炭化水素改質装置。 - 前記高転化率周波数領域は、1.1kHzから1.7kHzまでの周波数領域であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の炭化水素改質装置。
- 炭化水素ガスと水蒸気とを含む混合ガスが内在する混合ガス容器と、
パルス状電圧を出力するパルス電源と、
前記混合ガス容器内に設けられ、且つ前記パルス電源から出力されたパルス状電圧が印加されて、前記混合ガス容器に内在する混合ガス中にパルス放電を起こす一対の電極と、を備え、
前記一対の電極間の距離は、高転化率電極間距離領域に属する距離であって、
前記パルス電圧が前記一対の電極にパルス状電圧を印加することで、該混合ガス中の炭化水素を水素に転化することを特徴とする炭化水素改質装置。 - 前記一対の電極間の間隔は、40mm以上の距離を有することを特徴とする請求項4に記載の炭化水素改質装置。
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2003
- 2003-05-20 JP JP2003142183A patent/JP2004345879A/ja not_active Withdrawn
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009057473A1 (ja) | 2007-10-30 | 2009-05-07 | Ngk Insulators, Ltd. | プラズマリアクタ |
JPWO2009057473A1 (ja) * | 2007-10-30 | 2011-03-10 | 日本碍子株式会社 | プラズマリアクタ |
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EP2234462A2 (en) | 2009-03-25 | 2010-09-29 | NGK Insulators, Ltd. | Reactor for reforming reactions |
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