JP2004345650A - 中容器を有する包装用容器 - Google Patents

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【課題】作り立ての収納物自体から滴り出した油や液汁が再び収納物に吸収されてしまうことを防止することのできる包装用容器を、簡単な構成によって提供すること。
【解決手段】上方からのものを支持する支持部12を有した容器本体10と、支持部12上に係止部によって支持されて、底部に通孔を形成した中容器20と、容器本体10または中容器20側に係止される蓋体とを備えるとともに、中容器20の底面21下に、当該中容器20に収納した収納物からの液体または気体のいずれか少なくとも一方が各通孔を通して入り込む空間Rを形成したこと。
【選択図】図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、揚げ物や惣菜等の副食品を収納物として収納する包装用容器に関し、特に、収納物を載置するための中容器を有した包装用容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンビニエンスストアやスーパー等の食品店では、主食も入った所謂お弁当は勿論、単品としての揚げ物や惣菜等の副食品が、種々な形式の包装用容器に詰められて販売されている。これらのお弁当や副食品は、作り立て、つまり暖かい状態のまま販売することが販売促進に繋がることから、出来上がった揚げ物や惣菜を、その場で包装用容器に詰めることが必要になってきている。
【0003】
ところで、出来上がったばかりの揚げ物や惣菜からは、油や水の蒸気が立ち上りつつある状態にあり、また油や煮汁が滴り落ちている状態にあることもあり、これらの蒸気や煮汁は、密閉された容器内に詰め込んでしまうと逃げ場がないため、再び揚げ物や惣菜等の収納物に吸収されることになる。油や水分を吸収した揚げ物や惣菜は所謂「ベタベタ」の状態となり、味が落ちて商品価値も低下してしまう。
【0004】
そこで、特許文献1にて提案されているように、「蓋部に曇りや水滴の付着を効果的に防止することのできる包装容器を提供すること」を目的として、図21に示すような「包装容器」が考案された。
【0005】
【特許文献1】特許第2981153号掲載公報、特許請求の範囲、段落0005、0025
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この図21に示した包装容器は、上記特許文献1の特許請求の範囲の記載からすると、「透明または半透明の蓋体と上端開口の容器部とからなり、水分を含み水蒸気を発生しやすい食品の包装容器において、上記蓋体は、周辺部と断面ほぼ台形形状に膨らみのある蓋部とからなり、上記蓋部には複数の通気孔が開設してあり、上記蓋部が上記容器部の開口を覆った状態では、上記蓋体の上記周辺部と上記容器部の開口縁との間には、包装容器の内部に連通している吸気口が形成されること」を特徴とするものであり、「包装容器内に収納された食品などから発生する水蒸気を多く含んだ空気は、吸気口から入り通気孔から外方に流れる気流の流れにより容器外に効率的に放出されるため蓋体の内面に曇りや水滴の付着を防止でき、常に蓋体をとおして収納された食品の状態が容易に視認できる。また、包装容器を重ねて陳列する場合でも、脚部またはリブにより蓋部の通気孔が塞がれることがない」(段落0025)といった効果が得られるものと考えられる。
【0007】
しかしながら、この図21に示した従来の包装容器では、気体となった水蒸気等の排出はできるけれども、作り立ての収納物自体から滴り出した油や液汁が再び収納物に吸収されてしまうことを防止することはできないものであり、収納物がベタベタとなって商品価値を低下させてしまうことを防ぐことはできないものとなっている。
【0008】
そこで、本発明者等は、この種の包装用容器における上記実状に鑑みて、作り立ての収納物自体から滴り出した油や液汁が再び収納物に吸収されてしまうことを防止するにはどうしたらよいか、について種々検討を重ねてきた結果、本発明を完成したのである。
【0009】
すなわち、本発明の主たる目的とするところは、作り立ての収納物自体から滴り出した油や液汁が再び収納物に吸収されてしまうことを防止することのできる包装用容器を、簡単な構成によって提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、まず、請求項1に係る発明の採った手段は、後述する実施の形態の説明中で使用する符号を付して説明すると、
「上方からのものを支持する支持部12を有した容器本体10と、支持部12上に係止部22によって支持されて、底部に通孔24を形成した中容器20と、容器本体10または中容器20側に係止される蓋体30とを備えるとともに、
中容器20の底面21下に、当該中容器20に収納した収納物からの液体または気体のいずれか少なくとも一方が各通孔24を通して入り込む空間Rを形成したことを特徴とする中容器20を有する包装用容器100」
である。
【0011】
すなわち、この請求項1の包装用容器100は、容器本体10内に収納されて支持される中容器20を有するものであり、この中容器20内に、作り立ての揚げ物や惣菜が収納されるものである。そして、この揚げ物等を、容器本体10または中容器20側に係止される蓋体30によって覆うようにしたものである。つまり、この請求項1に係る包装用容器100は、図6にも示すように、容器本体10と、その上の中容器20と、容器本体10または中容器20に載置あるいは嵌合されることになる蓋体30とにより構成したものなのであり、これらの容器本体10、中容器20、及び蓋体30は、合成樹脂シートを真空または圧空成形することによって簡単に成形されるものである。
【0012】
そして、この包装用容器100においては、図4及び図5等に示すように、中容器20の底面21下に、当該中容器20に収納した収納物からの液体または気体のいずれか少なくとも一方が各通孔24を通して入り込む空間Rを形成したものである。
【0013】
この空間R内と中容器20内とは、図10〜図12に示すように、中容器20に形成した通孔24によって互いに連通しているから、中容器20内に収納した揚げ物等の水蒸気は勿論、油や水分がこの空間R内に導かれることになり、収納物が揚げ物であれば、そのカラッとした状態が維持されることになるのである。時に、複数の揚げ物を中容器20内に重ねて収納した場合にも、下側の揚げ物からの水蒸気や油等を下の空間R内に導入することができるから、当該包装用容器100は、中容器20内に重ねて入れた揚げ物についても、カラッとした状態に維持することができるものとなっているのである。
【0014】
容器本体10は、上からのもの(中容器20または蓋体30のいずれか少なくとも一方)を支持する支持部12を有するものであるが、この支持部12は、当該容器本体10の開口縁全体に沿ったものであってもよいが、以下に示す実施の形態では、図7及び図8にも示すように、容器本体10のコーナー部に立ち上がる複数のものとしてある。
【0015】
各支持部12が複数あることによって、図7に示すように、その間が切欠部13となるものである。勿論、これら各支持部12の外側面には、後述する蓋体30の嵌合フランジ32が嵌合または係止されるのであり、これにより、容器本体10中に中容器20を収納した状態で当該包装用容器100を一体的なものとするのである。また、各支持部12上には、図4等に示すように、中容器20の係止部22が載置または嵌合される。つまり、容器本体10側の各支持部12は、中容器20または蓋体30のいずれか少なくとも一方を文字通り支持するためのものである。
【0016】
中容器20は、図10に示すように、概略「皿」状のものであり、その底面21には、当該中容器20上に収納された揚げ物や惣菜から出る水蒸気、油及び煮汁を、下方に導入または滴下させるための通孔24が複数形成してある。各通孔24から下方に導入された水蒸気、あるいは滴下した油や煮汁は、上述したように、当該中容器20の下側にある空間R内に入る。なお、中容器20の底面21に形成した実施形態の通孔24は、底面21に形成したものであるが、中容器20の側壁23に形成したものでもよく、あるいは係止部22と側壁23にまたがる部分に形成したものであってもよい。その意味で、各通孔24の形成位置は、中容器20の「底部」なのである。
【0017】
また、この中容器20の外周部分には、図10及び図11に示すように、容器本体10側の各支持部12上に載置または係止される係止部22が形成してある。この係止部22は、当該中容器20の外周縁全体であってもよく、あるいは支持部12上以外はなくてもよいものである。
【0018】
中容器20の下の空間Rは、単純に容器本体10の底面11と当該中容器20の底面21との間の隙間であってもよいが、当該中容器20の底面21に形成したリブ25により構成されるものであってもよく、また容器本体10の底面11に形成したリブ11aにより構成されるものであってもよいものである。要するに、この空間Rは、油や煮汁が入ることができるか、あるいはこれらを吸収して自ら膨潤する吸水性ポリマーを塗布することのできる空間であれば十分であり、図15にも示すように、入ってきた油や煮汁を吸い込む紙または不織布40のためのスペースが確保できればなおのこと十分である。
【0019】
蓋体30は、図21にも示した従来例のように、その下方に形成してある嵌合フランジ32によって容器本体10の各支持部12に嵌合または係止されるものであるが、その嵌合や係止は、実施形態のように支持部12の外側で行ってもよいし、支持部12の嵌合溝内や内側(内嵌合)に対して行ってもよいものであり、さらには、容器本体10の各支持部12以外の外側等にて嵌合してもよいものである。勿論、この蓋体30の天板面31には、図14にも示すように、中容器20上の通気を良好にするための通気孔33を形成して実施してもよいものである。
【0020】
以上のように構成した包装用容器100は、中容器20が容器本体10の各支持部12によって確実に支持されることは勿論、容器本体10の各支持部12に蓋体30の嵌合フランジ32が嵌合または係止されるのであるから、中容器20は、容器本体10と蓋体30との中で完全に包み込まれた状態で固定化されるのである。また、中容器20上に収納された揚げ物から出た油等は、中容器20の各通孔24から直ちに下の空間R内に滴下するから、揚げ物に油が再び染み込むことはなく、揚げ物がベタベタ状態になることもない。このことは、煮物の煮汁についても同様である。
【0021】
従って、この請求項1の包装用容器100は、中容器20によって収納物を空間R上に浮いた状態に支持し、これにより、収納物から生じた油や煮汁を中容器20内に直ちに滴下し得るものとなっており、作り立ての収納物自体から滴り出した油や液汁が再び収納物に吸収されてしまうことを防止するのである。
【0022】
上記課題を解決するために、請求項2に係る発明の採った手段は、請求項1の容器本体10について、
「容器本体10と中容器20との間に透過孔H1を形成するとともに、蓋体30と中容器20の係止部22との間に隙間を、または中容器20に孔を形成して、この孔または隙間H2によって空間R内と中容器20内との間の連通を確保するようにしたこと」
である。
【0023】
すなわち、この請求項2の包装用容器100は、図4及び図15に示すように、容器本体10と中容器20との間に透過孔H1を形成するとともに、中容器20に孔H2を形成したものである。この孔H2は、蓋体30と中容器20の係止部22との間に形成される隙間であってもよいものである。この孔または隙間H2は、これによって空間R内と中容器20内との間の連通を確保するものであり、図15中の矢印線に示したような気体の移動を可能にするものである。
【0024】
また、この孔または隙間H2の形成方法としては、中容器20に幅広なフランジを形成しておいて、この幅広フランジに孔を形成して、これを孔H2とする方法もある。
【0025】
換言すれば、この孔または隙間H2が存在することによって、中容器20内に入れた揚げ物等から発生する水蒸気が、中容器20下方に形成してある空間R内に導かれるだけでなく、蓋体30の内面に結露した油や水が空間R内に流下することになり、中容器20上の収納物を水分等によってベタベタにすることを防止するのである。勿論、容器本体10の内面に吸水性ポリマーが塗布してあったり、空間R内に紙または不織布40が収納してあれば、中容器20上の収納物から発生した水蒸気は、この孔または隙間H2を通して空間R内に入り込み、吸水性ポリマーや紙または不織布40に吸収されることになって、このことによっても中容器20上の収納物が水分等によってベタベタになることが防止されるのである。
【0026】
なお、蓋体30の天板面31に多数の通気孔33が形成してあれば、この通気孔33を通して、中容器20上の収納物及び空間R内の煮汁等から発生した蒸気が外部に排出されることは言うまでもない。
【0027】
従って、この請求項2の包装用容器100は、上記請求項1のそれと同様な機能を発揮することは勿論、結露分や蒸気をさらに空間R内に導くことができて、収納物の商品価値を維持し得るものとなっているのである。
【0028】
上記課題を解決するために、請求項3に係る発明の採った手段は、請求項1に記載の中容器20を有する包装用容器100について、
「容器本体10と中容器20との間に透過孔H1を形成するとともに、蓋体30の下端縁と、この蓋体30が係合された容器本体10との間に開口Mを形成して、空間R内と外部との間の連通を確保するようにしたこと」
である。
【0029】
すなわち、この請求項3の包装用容器100は、図4及び図16に示すように、容器本体10と中容器20との間に透過孔H1を形成するとともに、蓋体30の下端縁と、この蓋体30が係合された容器本体10との間に開口Mを形成したものである。
【0030】
この包装用容器100における透過孔H1は、図16に示した実施形態のものにあっては、容器本体10側の各支持部12による中容器20の支持を、中容器20の底面21が容器本体10の底面11から少し浮き上がった状態で行うことにより形成したものであり、その開口面積を大きなものとしたものである。勿論、この透過孔H1としては、中容器20の側壁23の下方部分に凹所を形成し、この凹所を透過孔H1として採用してもよいものである。
【0031】
開口Mは、図16に示すように、容器本体10側の支持部12に嵌合または係止されない部分を容器本体10のフランジ部から浮かせた状態にすることによって形成したものであるが、この開口Mは、蓋体30の嵌合フランジ32の一部を切り欠いて形成したものであってもよい。いずれにしても、この開口Mは、当該蓋体30と容器本体10との嵌合または係止を阻害しない状態であれば、どのように形成して実施してもよいものである。
【0032】
以上のような開口Mと透過孔H1とが形成されている結果、この請求項3に係る包装用容器100では、図16中の矢印線にて示すように、中容器20下の空間R内と外部との間の連通が確保されていることになり、空間R内に滴下した油や煮汁の蒸気が外部に排出されることになる。
【0033】
従って、この請求項3の包装用容器100は、上記請求項1のそれと同様な機能を発揮することは勿論、空間R内から蒸気を外部に導出させることができて、収納物の商品価値を維持し得るものとなっているのである。
【0034】
上記課題を解決するために、請求項4に係る発明の採った手段は、上記請求項1に記載の中容器20を有する包装用容器100について、
「蓋体30の下端縁と、この蓋体30が係合された容器本体10との間に開口Mを形成するとともに、蓋体30と中容器20の係止部22との間に隙間を、または中容器20に孔を形成して、この孔または隙間H2によって空間R内と外部との間の連通を確保するようにしたこと」
である。
【0035】
すなわち、この請求項4の包装用容器100は、図4及び図17に示すように、上記請求項3の包装用容器100におけるのと同じ開口Mを有するとともに、請求項2の包装用容器100におけるのと同様な孔または空間H2を有するものである。
【0036】
以上のような開口Mと孔または空間H2とが形成されている結果、この請求項4に係る包装用容器100では、図17中の矢印線にて示すように、中容器20上と外部との間の連通が確保されていることになり、中容器20上に収納物が発生した蒸気を外部に排出することになるのである。
【0037】
従って、この請求項4の包装用容器100は、上記請求項1のそれと同様な機能を発揮することは勿論、中容器20上の収納物から発生された蒸気を外部に導出させることができて、収納物の商品価値を維持し得るものとなっているのである。
【0038】
上記課題を解決するために、請求項5に係る発明の採った手段は、上記請求項4に記載の中容器20を有する包装用容器100について、
「容器本体10と中容器20との間に透過孔H1を形成して、空間R内と中容器20内との間の連通を確保するとともに、空間R、中容器20内、及び外部との間の各連通を確保するようにしたこと」
である。
【0039】
すなわち、この請求項5の包装用容器100は、図4及び図18に示すように、請求項2の包装用容器100で説明した透過孔H1及び孔または空間H2、そして請求項3で説明した開口Mの全てを形成したものであり、図18中の矢印線にて示した方向の、空間R、中容器20上、及び外部のそれぞれ全ての連通を確保したものである。
【0040】
従って、この請求項5の包装用容器100は、上記請求項1及び請求項4のそれと同様な機能を発揮することは勿論、空間R、中容器20内、及び外部との間の各連通が全て確保されており、収納物の商品価値を維持し得るものとなっているのである。
【0041】
上記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の中容器20を有する包装用容器100については、その蓋体30の天板面31に多数の通気孔33を形成して実施するとよい。
【0042】
つまり、この通気孔33を蓋体30に形成した包装用容器100は、図14に示すように、蓋体30の天板面31に多数の通気孔33を形成したものであるから、この通気孔33によって中容器20上の収納物が発した蒸気を直接的に外部へ放散させることができることは勿論、空間R内の蒸気をこの通気孔33から外部へ放散させることができるのであり、さらには、この放散を助けるための外気の導入を開口Mから行うこともできるものとなっているのである。勿論、各通気孔33からは、蒸気の放散は勿論、外気の導入も行われることがある。
【0043】
【発明の実施の形態】
次に、以上のように構成した各請求項の発明について、図面に示した実施の形態である包装用容器100について説明するが、この実施形態の包装用容器100は、上記各請求項に記載した発明の全てを含むものである。
【0044】
この実施形態の包装用容器100は、図1〜図6に示したように、容器本体10と、この容器本体10内に収納されて支持される中容器20と、この中容器20の全体を覆い、下端の嵌合フランジ32によって容器本体10側に嵌合または係止される蓋体30とを有するものであり、中容器20内には、作り立ての揚げ物や惣菜を収納するものである。勿論、中容器20上に収納された揚げ物等は、容器本体10側に係止される蓋体30によって覆われるのである。これらの容器本体10、中容器20、及び蓋体30は、それぞれ必要な着色を施すか、あるいは透明または半透明の合成樹脂シートを真空または圧空成形することによって成形したものである。
【0045】
そして、この包装用容器100は、例えば図6に示したように嵌合あるいは載置していくことによって、図4及び図5に示したように、中容器20の底面21下に、当該中容器20に収納した収納物からの液体または気体のいずれか少なくとも一方が各通孔24を通して入り込む空間Rを形成できるようにしたものである。
【0046】
本実施形態の容器本体10は、図4及び図7に示したように、上からの中容器20を支持し、蓋体30を嵌合あるいは係止する支持部12を有するものである。この支持部12は、当該容器本体10の開口縁全体に沿ったものであってもよいが、この実施形態では、図7及び図8にも示したように、略四角形状の容器本体10の各コーナー部に立ち上がる複数のものとしたものである。
【0047】
各支持部12が複数あることによって、図7に示したように、その間が切欠部13となるものである。勿論、これら各支持部12の上面には、後述する中容器20の係止部22が載置または嵌合されるものであり、また、各支持部12の外側面には、後述する蓋体30の嵌合フランジ32が嵌合または係止されるのである。以上により、中に中容器20を収納して各支持部12により支持した状態において、蓋体30の各部分を容器本体10の支持部12に嵌合または係止することにより、当該包装用容器100が一体的なものとなる。
【0048】
本実施形態の容器本体10では、図2、図3及び図7に示したように、底面11のコーナー部に脚部14を膨出形成するようにしてある。この脚部14は、当該包装用容器100の複数を、従来例を示す図21に示したような状態で段積みした場合に、上側の包装用容器100を構成している容器本体10の底面11と、下側の包装用容器100の蓋体30との間に隙間を形成することになるものであり、この隙間によって、例えば冷蔵庫内に段積みしたときの冷気の流れを十分なものとするものである。また、本実施形態の容器本体10の底面11は、図9に示したように、その略中央部分が下方に僅かに膨出する形状にしてあり、これにより、図9中の矢印にて示したように、段積みした包装用容器100の底面11下における冷気の流れに、所謂「ビル風」のような現象を生じさせて、冷却効果が良好となるようにしているものである。
【0049】
この「ビル風現象」は、蓋体30の上面を上方に凸となるように湾曲させても発生させることができるものであり、この包装用容器100を多段積みしたときに、収納物から出る水蒸気の、蓋体30に形成した通気孔33からの排出を円滑にするものである。
【0050】
なお、容器本体10に対する中容器20の載置または嵌合方法としては、図19または図20に示すような種々な対応の仕方がある。図19の(a)にて示した方法は、本実施形態における嵌合方法を示したものであるが、中容器20の周縁に、上方に凸となる断面形状のフランジ25Aを形成しておいて、このフランジ25Aを容器本体10側の各支持部12上に嵌合させるものであり、図19の(b)にて示した方法は、容器本体10側の、各支持部12の内側となる部分に突起15を形成しておいて、この突起に中容器20側のフランジ25Aを嵌合させるようにしたものである。図19の(c)にて示した方法は、図19の(b)にて示した方法に近いものであるが、容器本体10側の突起15に嵌合されるフランジ25Aの外周に、容器本体10側の各支持部12の内側に沿うことになる補強フランジ25Aaを形成したものである。
【0051】
また、図20の(a)にて示した方法は、容器本体10の底面11に複数の底面突起16を形成しておいて、この底面突起16に中容器20の底面21を載置するようにしたものであり、図20の(b)にて示した方法は、逆に、中容器20の底面21に下方に突出する脚部26を形成しておいて、この脚部26を容器本体10の底面11上に載置するようにしたものである。そして、図20の(c)にて示した方法は、中容器20の外周にフランジ下向き突起27を形成しておいて、このフランジ下向き突起27を、容器本体10の支持部12の内側に係止するようにしたものである。
【0052】
以上の、図20の(a)あるいは(b)に示した底面突起16、あるいは脚部26を収納する部分は、容器本体10の脚部14に近接させた状態で形成した方が、前述した「ビル風現象」を阻害しないことになるので有利である。また、図20の(a)及び(b)に示したような、底面21がフラットな中容器は、これをそのまま皿としても使用することができるものであり、便利なものとなる。
【0053】
ところで、中容器20は、図10に示すように、概略「皿」状のものであり、その底面21には、当該中容器20上に収納された揚げ物や惣菜から出る油や煮汁を下方に滴下させるための通孔24が複数形成してある。各通孔24から滴下した油や煮汁は、当該中容器20の下側にある空間R内に入る。なお、中容器20の底面21に形成した実施形態の通孔24は、底面21に形成したものであるが、中容器20の側壁23に形成したものでもよく、あるいは係止部22と側壁23にまたがる部分に形成したものであってもよい。
【0054】
また、この中容器20の外周部分には、図10及び図11に示すように、容器本体10側の各支持部12上に載置または係止される係止部22が形成してある。この係止部22は、当該中容器20の外周縁全体であってもよく、あるいは支持部12上以外はなくてもよいものである。勿論、この係止部22としては、上記図19及び図20の実施形態で例示したように、フランジ25Aやフランジ下向き突起27が採用されることもある。
【0055】
中容器20の下の空間Rは、単純に容器本体10の底面11と当該中容器20の底面21との間の隙間であってもよいが、当該中容器20の底面21に形成したリブ25により構成されるものであってもよく、また容器本体10の底面11に形成したリブ11aにより構成されるものであってもよいものである。要するに、この空間Rは、油や煮汁が入ることができるか、あるいはこれらを吸収して自ら膨潤する吸水性ポリマーを積層したり塗布したりすることのできる空間であれば十分であり、図15にも示すように、入ってきた油や煮汁を吸い込む紙または不織布40のためのスペースが確保できればなおのこと十分である。
【0056】
本実施形態の蓋体30は、その下方に形成してある嵌合フランジ32によって容器本体10の各支持部12に嵌合または係止されるものであるが、その嵌合や係止は、実施形態のように支持部12の外側で行ってもよいし、支持部12の嵌合溝内や内側(内嵌合)に対して行ってもよいものである。また、この蓋体30は、例えば容器本体10に対する中容器20の嵌合が十分なされている場合、あるいは当該包装用容器100全体がフィルムで包まれる場合には、中容器20に対して係止または嵌合されるものであってもよい。
【0057】
勿論、この蓋体30の天板面31には、図14にも示したように、中容器20上の通気を良好にするための通気孔33が形成されることもある。
【0058】
【発明の効果】
以上、詳述した通り、本発明においては、上記実施形態にて例示した如く、
「上方からのものを支持する支持部12を有した容器本体10と、支持部12上に係止部22によって支持されて、底部に通孔24を形成した中容器20と、容器本体10または中容器20側に係止される蓋体30とを備えるとともに、
中容器20の底面21下に、当該中容器20に収納した収納物からの液体または気体のいずれか少なくとも一方が各通孔24を通して入り込む空間Rを形成したこと」
にその主たる構成上の特徴があり、これにより、作り立ての収納物自体から滴り出した油や液汁が再び収納物に吸収されてしまうことを防止することのできる中容器20を有する包装用容器100を簡単な構成によって提供することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る包装用容器の平面図である。
【図2】同包装用容器の底面図である。
【図3】同包装用容器の正面図である。
【図4】同包装用容器の、図1中の1−1線に沿ってみた縦断面図である。
【図5】同包装用容器の、図1中の2−2線に沿ってみた縦断面図である。
【図6】同包装用容器の組付状態を示した包装用容器の分解正面図である。
【図7】同包装用容器を構成している容器本体の正面図である。
【図8】同容器本体の、図2中の3−3線に沿ってみた縦断端面図である。
【図9】同容器本体の、図2中の4−4線に沿ってみた縦断端面図である。
【図10】同包装用容器を構成している中容器の平面図である。
【図11】同中容器の、図10中の5−5線に沿ってみた縦断端面図である。
【図12】同中容器の、図10中の6−6線に沿ってみた縦断端面図である。
【図13】同包装用容器を構成している蓋体の正面図である。
【図14】同蓋体の、図1中の7−7線部で切ってみた縦断端面図である。
【図15】請求項2についてのクレーム対応図であって、図4中の8−8線部を拡大して示した包装用容器の部分拡大断面図である。
【図16】請求項3についてのクレーム対応図であって、図4中の8−8線部を拡大して示した包装用容器の部分拡大断面図である。
【図17】請求項4についてのクレーム対応図であって、図4中の8−8線部を拡大して示した包装用容器の部分拡大断面図である。
【図18】請求項5についてのクレーム対応図であって、図4中の8−8線部を拡大して示した包装用容器の部分拡大断面図である。
【図19】本発明の包装用容器を構成している容器本体に対する中容器の載置または嵌合方法を示すもので、(a)は容器本体の支持部に中容器側のフランジを係合させた場合、(b)及び(c)は容器本体側に形成した突起に中容器側のフランジを係合させた場合をそれぞれ示す部分拡大断面図である。
【図20】本発明の包装用容器を構成している容器本体に対する中容器の別の載置または嵌合方法を示すもので、(a)は容器本体の底面に形成した底面突起上に中容器を載置させた場合、(b)は中容器側に形成した脚部を容器本体の底面上に当接させた場合、(c)は中容器に形成したフランジ下向き突起を容器本体に係合させた場合、をそれぞれ示す部分拡大断面図である。
【図21】従来の技術を示す断面図である。
【符号の説明】
100 包装用容器
10 容器本体
11 底面
11a リブ
12 支持部
13 切欠部
14 脚部
15 突起
16 底面突起
20 中容器
21 底面
22 係止部
23 側壁
24 通孔
25 リブ
25a フランジ
26 脚部
27 フランジ下向き突起
30 蓋体
31 天板面
32 嵌合フランジ
33 通気孔
40 紙または不織布
R 空間
H1 透過孔
H2 孔または空間
M 開口

Claims (5)

  1. 上方からのものを支持する支持部を有した容器本体と、前記支持部上に係止部によって支持されて、底部に通孔を形成した中容器と、前記容器本体または中容器側に係止される蓋体とを備えるとともに、
    前記中容器の底面下に、当該中容器に収納した収納物からの液体または気体のいずれか少なくとも一方が前記各通孔を通して入り込む空間を形成したことを特徴とする中容器を有する包装用容器。
  2. 前記容器本体と中容器との間に透過孔を形成するとともに、前記蓋体と中容器の係止部との間に隙間を、または前記中容器に孔を形成して、この孔または隙間によって前記空間内と前記中容器内との間の連通を確保するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の中容器を有する包装用容器。
  3. 前記容器本体と中容器との間に透過孔を形成するとともに、前記蓋体の下端縁と、この蓋体が係合された前記容器本体との間に開口を形成して、前記空間内と外部との間の連通を確保するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の中容器を有する包装用容器。
  4. 前記蓋体の下端縁と、この蓋体が係合された前記容器本体との間に開口を形成するとともに、前記蓋体と中容器の係止部との間に隙間を、または前記中容器に孔を形成して、この孔または隙間によって前記空間内と外部との間の連通を確保するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の中容器を有する包装用容器。
  5. 前記容器本体と中容器との間に透過孔を形成して、前記空間内と前記中容器内との間の連通を確保するとともに、前記空間、中容器内、及び外部との間の各連通を確保するようにしたことを特徴とする請求項4に記載の中容器を有する包装用容器。
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