JP2004345648A - マイクロ波殺菌用包装容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】マイクロ波が透過可能な材質で形成されたリテーナーに収納された状態で、充填された食品がマイクロ波の照射により加熱殺菌される包装容器において、充填した食品を均一に加熱できるようにするとともに、長期間品質を良好に維持できるようにする。
【解決手段】食品の温度がマイクロ波の照射により150℃まで上昇しても、酸素バリヤー性が1.0ml/m2・D・atm以下、水蒸気バリヤー性が1.0g/m2・D以下である。マイクロ波を照射した際に温度の上昇が小さい部位に、マイクロ波により発熱する発熱材を設ける。
【選択図】 なし
【解決手段】食品の温度がマイクロ波の照射により150℃まで上昇しても、酸素バリヤー性が1.0ml/m2・D・atm以下、水蒸気バリヤー性が1.0g/m2・D以下である。マイクロ波を照射した際に温度の上昇が小さい部位に、マイクロ波により発熱する発熱材を設ける。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器に充填密封した食品のマイクロ波による加熱殺菌に関し、さらに詳しくは、食品を充填密封した包装容器をリテーナーに収納し、リテーナーごとマイクロ波を照射して食品の内部発熱により加熱殺菌する際に用いる包装容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ごはん、カレー、和風惣菜、漬物等、食品の殺菌方法としてはレトルト殺菌が代表的である。このレトルト殺菌は、水を加熱して熱水または水蒸気とし、その熱水または水蒸気を食品を充填した包装容器の外側から作用させ、熱伝導により熱を包装容器の外側から内部の食品に伝達して加熱、殺菌するものである。
【0003】
しかし、一般的に食品の熱伝導性は悪いので、レトルト殺菌を行うには比較的長時間を要するものであった。その結果、食品の味が劣化し、ビタミン類等の栄養価を損失し、さらに香りの消失、異味・異臭の発現、色の褐変化等が起こり、また、エネルギー効率が低いものであった。
【0004】
そこで、近年、エネルギー効率が高く、短時間で加熱殺菌ができるマイクロ波加熱殺菌が注目を集めている。このマイクロ波加熱殺菌は、食品に2,450MHzのマイクロ波を照射し、食品自体の誘電加熱により内部発熱することを利用したものであり、短時間で所定の温度に昇温できるので、短時間で加熱殺菌することができる。したがって、マイクロ波加熱殺菌は、味の劣化、ビタミン類等の栄養価の損失、香りの消失、異味・異臭の発現、色の褐変化等を防止することができ、またエネルギー効率も高いものである。
【0005】
しかしながら、食品が充填された包装容器をマイクロ波で加熱殺菌すると、食品の温度上昇とともに蒸気圧が高くなり、100℃以上に加熱すると、大気圧下では破損してしまう。この破損を防止するために、包装食品に対応した形状に形成され、かつ、マイクロ波を透過する材質で作られたリテーナーといわれる保持容器に包装容器を収納し、このリテーナーに収納した状態で包装容器をマイクロ波加熱している。
【0006】
ところで、リテーナーはマイクロ波で発熱しないため、包装食品のリテーナーに接触している部分は熱を奪われるものであった。また、マイクロ波加熱に特有な被加熱物の形状によるコールドスポットの発生があり、コールドスポットに置いては十分に加熱することが出来なかった。以上のように、リテーナーを用いた加熱には食品を均一加熱ができないという問題があった。
【0007】
そこで、この問題を解決するために、リテーナーの全体、または一部にマイクロ波で発熱する発熱材を設ける手段が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
また、充填された食品は包装容器を透過した酸素によって徐々に酸化され、この酸化による劣化で味覚の低下や悪臭が発現する。中身の食品を常温で1年間おいしく食べられる賞味期間を得るには、本発明者の研究の結果、包装容器の酸素透過度(酸素バリヤー性)は1.0ml/m2・D・atm以下の数値が求められ、また、包装した食品の重量の増減、乾燥食品の湿気を防止するために、水蒸気透過度(水蒸気バリヤー性)は1.0g/m2・D以下の数値が求められるものであった。
【0009】
このような包装材料としては、Al箔をラミネートした材料が最適であるが、マイクロ波を透過しないので使うことができない。また、マイクロ波を透過し、かつ酸素バリヤー性および水蒸気バリヤー性が良好な酸化ケイ素(SiOx)や酸化アルミニウム(Al2O3)を蒸着した無機蒸着フィルムがある(例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)。
【0010】
【特許文献1】
特許第2625859号公報
【特許文献2】
特開昭60−61236号公報
【特許文献3】
特開昭63−86860号公報
【特許文献4】
特開平2−277774号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したリテーナーに発熱材を設ける手段は、熱容量の大きいリテーナーそのものも加熱して昇温させなければならず、リテーナーを昇温させるために大きなエネルギーを消費するものであり、加熱の効率が悪く、また、食品の均一な加熱も十分ではなかった。
【0012】
また、上述した酸化ケイ素や酸化アルミニウムを蒸着した無機蒸着フィルムは、マイクロ波を照射して加熱した際、十分な酸素バリヤー性および水蒸気バリヤー性を維持することができなかった。すなわち、マイクロ波照射によって充填した食品の品温が上昇し、また内部圧力も高くなるので、包装容器は膨らんで行き、最終的にリテーナーに沿った形状に成形されるが、この時の熱と包装容器の延伸によって無機蒸着層にクラックが入る。したがって、このクラックにより酸素バリヤー性および水蒸気バリヤー性とも悪くなり、酸素バリヤー性1.0ml/m2・D・atm以下、水蒸気バリヤー性1.0g/m2・D以下の性能を維持することができないものであった。
【0013】
本発明は以上の問題点を解決し、包装食品をリテーナーに収納してマイクロ波加熱殺菌する際、リテーナーに熱を奪われることや、マイクロ波加熱に特有な包装食品の形状によるコールドスポットの発生を防止しつつ安価に加熱殺菌でき、また、マイクロ波照射によって品温が上昇し、それにつれて内部圧力も高くなり、リテーナーに押さえられてリテーナーの形状通りに延伸成形されても、酸素バリヤー性が1.0ml/m2・D・atm以下、水蒸気バリヤー性が1.0g/m2・D以下の性能を維持し、食品の品質を長期間良好に維持することができるマイクロ波殺菌用包装容器を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく本発明者らは鋭意研究の結果、リテーナーに熱を奪われることや、包装食品の形状によるコールドスポットに対応するため、リテーナーに発熱材を設けることではなく、包装容器のリテーナーに熱を奪われる部分やコールドスポットの発生する部分に発熱材を設けることにより、奪われる熱を補充でき、またコールドスポットの発生を防止できることを見出した。
【0015】
また、食品の温度がマイクロ波の照射により150℃まで上昇しても、酸素バリヤー性が1.0ml/m2・D・atm以下、水蒸気バリヤー性1.0g/m2・D以下にすることにより、味覚の劣化や、乾燥食品の湿気を防止することを見出した。
【0016】
本発明によるマイクロ波殺菌用包装容器は、マイクロ波が透過可能な材質で形成されたリテーナーに収納された状態で、充填された食品がマイクロ波の照射により加熱殺菌される包装容器であって、食品の温度がマイクロ波の照射により150℃まで上昇しても、酸素バリヤー性が1.0ml/m2・D・atm以下、水蒸気バリヤー性が1.0g/m2・D以下であり、マイクロ波を照射した際に温度の上昇が小さい部位に少なくとも設けられたマイクロ波により発熱する発熱材を有することを特徴として構成されている。
【0017】
本発明によるマイクロ波殺菌用包装容器においては、ガスバリヤー性フィルム層が、食品の温度がマイクロ波の照射により150℃まで上昇しても、酸素バリヤー性が1.0ml/m2・D・atm、水蒸気バリヤー性1.0g/m2・D以下以下であるので、マイクロ波により加熱しても良好な酸素バリヤー性および水蒸気バリヤー性を維持し、食品の品質を長期間維持することができる。また、マイクロ波により発熱する発熱材が、マイクロ波を照射した際に温度の上昇が小さい部位を加熱するので、加熱温度の低い部位を無くし、均一に加熱することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明によるマイクロ波殺菌用包装容器には、食品の温度がマイクロ波の照射により150℃まで上昇しても、酸素バリヤー性が1.0ml/m2・D・atm以下、水蒸気バリヤー性1.0g/m2・D以下である。このような酸素バリヤー性および水蒸気バリヤー性を達成するには、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、メタキシレンジアミン(MXD−6NY)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)又はポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーからなるガスバリヤー層を設けることに良好に達成できる。
【0019】
このようなガスバリヤー性層を設けることにより、包装食品がマイクロ波照射によって品温が上昇し、それにつれて内部圧力が上昇して膨らみ、リテーナーに押し付けられて加熱延伸されても、クラックが発生することなく、十分な酸素バリヤー性および水蒸気バリヤー性を確保することができ、食品の品質を損なうことがない。
【0020】
本発明のマイクロ波殺菌用包装容器においては、マイクロ波により発熱する発熱材を、マイクロ波を照射した際に温度の上昇が小さい部位に設けられている。すなわち、食品を充填した包装容器をマイクロ波で加熱すると、周囲より温度の上昇が小さい部分(以下、「低温度部」という)が発生する。この低温度部は、リテーナーに接触することにより温度が上昇しない部分と、被加熱物の形状に起因して発熱量が小さい部分(以下、「コールドスポット」という)とがある。このコールドスポットは、一般に、パウチ形状であれば中央部分やマイクロ波照射の反対面(下面に相当)、立体形状であれば中心や、4角の角と角との中間等に発生し易い。
【0021】
このような低温度部を具体的に調べるには、使用する包装容器に、β澱粉とヨード(Iz)溶液の混合物や、またはポリアクリル酸ソーダの4%水溶液(粘度が約2万Cp)を充填・密封し、リテーナーに収納してマイクロ波を照射して加熱する。そして、β澱粉とヨード溶液では、温度の高い部分はα澱粉とヨードに変化するので青色に呈色し、温度の低い部分は無色であるので、この色の違いにより判断でき、また、4%ポリアクリル酸ソーダ溶液では、温度の高い部分は水の水蒸気化による泡が発生し、温度の低い部分は泡が発生しないので、この発泡の有無により判断することができる。また、包装食品にサーモラベルを貼り付けても調べることもできる。
【0022】
本発明においては、以上のような方法で調べた低温度部に、発熱材を設けることにより均一に加熱できるようにしている。発熱材としては、導電性物質を用いることができ、例えば、酸化アルミニウムと金属アルミニウムとを混在したものを用い、PETフィルム等の耐熱性のあるフィルムに蒸着等により加工したものを用いることができる。この時、酸化アルミニウムと金属アルミニウムとの混在比(酸化アルミニウム/金属アルミニウム)は、1/4〜9/1が好ましい。混在比が1/4未満の場合は、マイクロ波照射時にスパークを起こす恐れがあり、また、9/1を超えた場合は、熱の発生が少なくなる。
【0023】
発熱材を包装容器に設けるには、包装容器を作製した後、調べた低温度部に該当する部位に接着剤で貼り付けても、また、包装容器を構成する包装材料の一部として一体化して設けることができる。
【0024】
本発明によるマイクロ波殺菌用包装容器は、上述したガスバリヤー性フィルムおよび発熱材が設けられており、かつ、耐熱性を有するとともにヒートシール可能な内層と、シートシール温度に耐えられる外層とを有するものである。内層としては、150℃までの温度に耐え、中身食品への溶出物が少なく、異味・異臭を与えない食品安全衛生性に優れたPPフィルムが最適である。外層としては、ヒートシール温度に耐えられるPETフィルムやO−NYフィルムを用いることができる。
【0025】
前記ガスバリヤーフィルムは、内層と外層との間に中間層として設けても、外層として設けてもよい。例えば、ガスバリヤー層としてPVDC、MXD−6NY、EVOH等を用いた場合は、容器を密封する際のヒートシール温度に耐えられないので中間層として用いることが好ましく、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーを用いた場合は、耐熱性があるので中層の他、外層として用いることができ、外層として用い、外層の耐熱層を兼ねるのがコスト的に好ましい。
【0026】
以上のようなマイクロ波殺菌用包装容器は、食品が充填され、リテーナーに収納されてマイクロ波が照射される。リテーナーは、耐熱性があってマイクロ波を透過する、例えばFRP、ポリカーボネート、ナイロン、ポリアセタール等のエンジニアリングプラスチックで作られる。リテーナーの収納部は、マイクロ波殺菌用包装容器が加熱された際、所定の形状で加熱延伸成形されるように、その所定の形状に形成されることが好ましい。
【0027】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的にさらに詳しく説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものでない。
【0028】
[包装材料A]
厚み12μmのPETフィルムの片面にポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーを1μmの厚みでコートしたガスバリヤー性フィルムと、このガスバリヤー性フィルムのPETフィルム面にポリウレタン接着剤で積層した厚み60μmのCPPフィルムとで構成されている。すなわち、包装した際、外側から、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマー(1μm)/PETフィルム(12μm)/ポリウレタン接着剤(3g/m2)/CPPフィルム(60μm)となる積層体である。
なお、酸素バリヤー性は、0.2ml/m2・D・atmであった。
【0029】
[包装材料B]
包装材料Bは、包装材料Aに対し、ガスバリヤー性フィルムとCPPフィルムとの間に発熱材層が積層された点が異なり、その他の層構成は同一である。
【0030】
すなわち、厚み12μmのPETフィルムの片面にポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーを1μmの厚みでコートしたガスバリヤー性フィルムと、このガスバリヤー性フィルムのPETフィルム面に蒸着させた(Al2O3+Al)の混合無機蒸着層からなる発熱材層と、この発熱材層にポリウレタン接着剤で積層した厚み60μmのCPPフィルムとで構成されている。すなわち、包装した際、外側から、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマー(1μm)/PET(12μm)/混合無機蒸着層(700Å)/ポリウレタン接着剤(3g/m2)/CPPフィルム(60μm)となる積層体である。
【0031】
なお、酸素バリヤー性は、包装材料Aと同一の0.2ml/m2・D・atmであった。
【0032】
[比較例1]
包装材料Aを用いてパウチ(12cm×16cm)を作製した。
【0033】
[実施例1]
上面に包装材料Aを用い、下面に包装材料Bを用いてパウチ(12cm×16cm)を作製した。すなわち、実施例1においては、比較例1に対し、下面に発熱材層が積層されている点が異なる。
【0034】
[試験方法]
比較例1および実施例1で得られたパウチの上面および下面の3箇所にサーモラベルを貼付した。サーモラベルを貼付した個所を図1に示す。図1において、10はパウチで、このパウチ10の上面11のA、B、Cにそれぞれサーモラベル20を貼付するとともに、下面12のA’、B’、C’にもサーモラベル20を貼付した。このサーモラベルを貼付したパウチに、耐熱菌のバチルス、ズブチリスを104個/g植菌した4%ポリアクリル酸ソーダ水溶液150gを充填し、ヒートシールにより封した。この密封したパウチを、収納部が直板状であり、容積がパウチより15%大きく、収納部の一部に点字を彫り込んだポリカーボネートで作ったリテーナーに収納し、600Wの電子レンジで170秒間マイクロ波を照射した。そして、電子レンジから取り出した後、加熱延伸成形された部分の酸素バリヤー性、パウチの表面温度(サーモラベル温度)、内容物の残存菌数、パウチの形状を調べた。
【0035】
[酸素バリヤー性]
酸素バリヤー性の測定は、MOCON(登録商標)社製,酸素透過度測定機,『OX−TRAN(登録商標),MODEL2/21』を用い、温度30℃、湿度80%RHの条件下で測定した。
なお、結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
以上の結果より、マイクロ波照射後も比較例1および実施例1とも照射前と同じ数値であり、150℃の加熱でも、また延伸成形された後でも酸素ガスバリヤー性の低下がないことが判る。
【0038】
[表面温度の測定]
ミクロン(株)製,『サーモラベル,6R−132』および『CR−D』を用いた。
結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】
以上の結果より、比較例1は、下面の中央部の温度が低いが、実施例1は、下面の中央部の温度が、上面の中央部の温度と同じになっているのが判る。すなわち、発熱材の積層により、温度が低下しないことが確認された。
【0041】
[残存菌数]
内容物の4%ポリアクリル酸ソーダ水溶液を採取し、減菌水で希釈して、標準寒天培地で35℃−2日間培養し、1g当りの個数を数えた。
結果を表3に示す。
【0042】
【表3】
【0043】
以上の結果より、比較例1には残存菌が存在したが、実施例1には残存菌は存在しなかった。これは、比較例1においては加熱ムラにより菌が死滅しなかったが、実施例1においては加熱ムラが解消されたので、菌が死滅したものである。
【0044】
[マイクロ波照射後のパウチの形状]
リテーナーの収納部から取り出したパウチを目視にて観察した。
比較例1および実施例1とも平板状のものが厚さのある立体的な板状に成形され、見栄えが良くなった。また、点字は凸状になり、指で判読可能であった。
【0045】
【発明の効果】
本発明は、以上のように包装容器に発熱材を設けたので、リテーナーに接触した部分においても十分に加熱することができ、また、コールドスポットの発生を防止することができるので、充填した食品を殺菌に足る十分な温度で均一に加熱することができ、殺菌を完全に行なうことができる。
さらに、食品の温度がマイクロ波の照射により150℃まで上昇しても、酸素バリヤー性が1.0ml/m2・D・atm以下、水蒸気バリヤー性が1.0g/m2・D以下であるので、食品の品質を長期間良好に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パウチの表面温度試験に際にサーモラベルを貼付する部位を示す図である。
【符号の説明】
10…パウチ
11…上面
12…下面
20…サーモラベル
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器に充填密封した食品のマイクロ波による加熱殺菌に関し、さらに詳しくは、食品を充填密封した包装容器をリテーナーに収納し、リテーナーごとマイクロ波を照射して食品の内部発熱により加熱殺菌する際に用いる包装容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ごはん、カレー、和風惣菜、漬物等、食品の殺菌方法としてはレトルト殺菌が代表的である。このレトルト殺菌は、水を加熱して熱水または水蒸気とし、その熱水または水蒸気を食品を充填した包装容器の外側から作用させ、熱伝導により熱を包装容器の外側から内部の食品に伝達して加熱、殺菌するものである。
【0003】
しかし、一般的に食品の熱伝導性は悪いので、レトルト殺菌を行うには比較的長時間を要するものであった。その結果、食品の味が劣化し、ビタミン類等の栄養価を損失し、さらに香りの消失、異味・異臭の発現、色の褐変化等が起こり、また、エネルギー効率が低いものであった。
【0004】
そこで、近年、エネルギー効率が高く、短時間で加熱殺菌ができるマイクロ波加熱殺菌が注目を集めている。このマイクロ波加熱殺菌は、食品に2,450MHzのマイクロ波を照射し、食品自体の誘電加熱により内部発熱することを利用したものであり、短時間で所定の温度に昇温できるので、短時間で加熱殺菌することができる。したがって、マイクロ波加熱殺菌は、味の劣化、ビタミン類等の栄養価の損失、香りの消失、異味・異臭の発現、色の褐変化等を防止することができ、またエネルギー効率も高いものである。
【0005】
しかしながら、食品が充填された包装容器をマイクロ波で加熱殺菌すると、食品の温度上昇とともに蒸気圧が高くなり、100℃以上に加熱すると、大気圧下では破損してしまう。この破損を防止するために、包装食品に対応した形状に形成され、かつ、マイクロ波を透過する材質で作られたリテーナーといわれる保持容器に包装容器を収納し、このリテーナーに収納した状態で包装容器をマイクロ波加熱している。
【0006】
ところで、リテーナーはマイクロ波で発熱しないため、包装食品のリテーナーに接触している部分は熱を奪われるものであった。また、マイクロ波加熱に特有な被加熱物の形状によるコールドスポットの発生があり、コールドスポットに置いては十分に加熱することが出来なかった。以上のように、リテーナーを用いた加熱には食品を均一加熱ができないという問題があった。
【0007】
そこで、この問題を解決するために、リテーナーの全体、または一部にマイクロ波で発熱する発熱材を設ける手段が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
また、充填された食品は包装容器を透過した酸素によって徐々に酸化され、この酸化による劣化で味覚の低下や悪臭が発現する。中身の食品を常温で1年間おいしく食べられる賞味期間を得るには、本発明者の研究の結果、包装容器の酸素透過度(酸素バリヤー性)は1.0ml/m2・D・atm以下の数値が求められ、また、包装した食品の重量の増減、乾燥食品の湿気を防止するために、水蒸気透過度(水蒸気バリヤー性)は1.0g/m2・D以下の数値が求められるものであった。
【0009】
このような包装材料としては、Al箔をラミネートした材料が最適であるが、マイクロ波を透過しないので使うことができない。また、マイクロ波を透過し、かつ酸素バリヤー性および水蒸気バリヤー性が良好な酸化ケイ素(SiOx)や酸化アルミニウム(Al2O3)を蒸着した無機蒸着フィルムがある(例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)。
【0010】
【特許文献1】
特許第2625859号公報
【特許文献2】
特開昭60−61236号公報
【特許文献3】
特開昭63−86860号公報
【特許文献4】
特開平2−277774号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したリテーナーに発熱材を設ける手段は、熱容量の大きいリテーナーそのものも加熱して昇温させなければならず、リテーナーを昇温させるために大きなエネルギーを消費するものであり、加熱の効率が悪く、また、食品の均一な加熱も十分ではなかった。
【0012】
また、上述した酸化ケイ素や酸化アルミニウムを蒸着した無機蒸着フィルムは、マイクロ波を照射して加熱した際、十分な酸素バリヤー性および水蒸気バリヤー性を維持することができなかった。すなわち、マイクロ波照射によって充填した食品の品温が上昇し、また内部圧力も高くなるので、包装容器は膨らんで行き、最終的にリテーナーに沿った形状に成形されるが、この時の熱と包装容器の延伸によって無機蒸着層にクラックが入る。したがって、このクラックにより酸素バリヤー性および水蒸気バリヤー性とも悪くなり、酸素バリヤー性1.0ml/m2・D・atm以下、水蒸気バリヤー性1.0g/m2・D以下の性能を維持することができないものであった。
【0013】
本発明は以上の問題点を解決し、包装食品をリテーナーに収納してマイクロ波加熱殺菌する際、リテーナーに熱を奪われることや、マイクロ波加熱に特有な包装食品の形状によるコールドスポットの発生を防止しつつ安価に加熱殺菌でき、また、マイクロ波照射によって品温が上昇し、それにつれて内部圧力も高くなり、リテーナーに押さえられてリテーナーの形状通りに延伸成形されても、酸素バリヤー性が1.0ml/m2・D・atm以下、水蒸気バリヤー性が1.0g/m2・D以下の性能を維持し、食品の品質を長期間良好に維持することができるマイクロ波殺菌用包装容器を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく本発明者らは鋭意研究の結果、リテーナーに熱を奪われることや、包装食品の形状によるコールドスポットに対応するため、リテーナーに発熱材を設けることではなく、包装容器のリテーナーに熱を奪われる部分やコールドスポットの発生する部分に発熱材を設けることにより、奪われる熱を補充でき、またコールドスポットの発生を防止できることを見出した。
【0015】
また、食品の温度がマイクロ波の照射により150℃まで上昇しても、酸素バリヤー性が1.0ml/m2・D・atm以下、水蒸気バリヤー性1.0g/m2・D以下にすることにより、味覚の劣化や、乾燥食品の湿気を防止することを見出した。
【0016】
本発明によるマイクロ波殺菌用包装容器は、マイクロ波が透過可能な材質で形成されたリテーナーに収納された状態で、充填された食品がマイクロ波の照射により加熱殺菌される包装容器であって、食品の温度がマイクロ波の照射により150℃まで上昇しても、酸素バリヤー性が1.0ml/m2・D・atm以下、水蒸気バリヤー性が1.0g/m2・D以下であり、マイクロ波を照射した際に温度の上昇が小さい部位に少なくとも設けられたマイクロ波により発熱する発熱材を有することを特徴として構成されている。
【0017】
本発明によるマイクロ波殺菌用包装容器においては、ガスバリヤー性フィルム層が、食品の温度がマイクロ波の照射により150℃まで上昇しても、酸素バリヤー性が1.0ml/m2・D・atm、水蒸気バリヤー性1.0g/m2・D以下以下であるので、マイクロ波により加熱しても良好な酸素バリヤー性および水蒸気バリヤー性を維持し、食品の品質を長期間維持することができる。また、マイクロ波により発熱する発熱材が、マイクロ波を照射した際に温度の上昇が小さい部位を加熱するので、加熱温度の低い部位を無くし、均一に加熱することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明によるマイクロ波殺菌用包装容器には、食品の温度がマイクロ波の照射により150℃まで上昇しても、酸素バリヤー性が1.0ml/m2・D・atm以下、水蒸気バリヤー性1.0g/m2・D以下である。このような酸素バリヤー性および水蒸気バリヤー性を達成するには、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、メタキシレンジアミン(MXD−6NY)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)又はポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーからなるガスバリヤー層を設けることに良好に達成できる。
【0019】
このようなガスバリヤー性層を設けることにより、包装食品がマイクロ波照射によって品温が上昇し、それにつれて内部圧力が上昇して膨らみ、リテーナーに押し付けられて加熱延伸されても、クラックが発生することなく、十分な酸素バリヤー性および水蒸気バリヤー性を確保することができ、食品の品質を損なうことがない。
【0020】
本発明のマイクロ波殺菌用包装容器においては、マイクロ波により発熱する発熱材を、マイクロ波を照射した際に温度の上昇が小さい部位に設けられている。すなわち、食品を充填した包装容器をマイクロ波で加熱すると、周囲より温度の上昇が小さい部分(以下、「低温度部」という)が発生する。この低温度部は、リテーナーに接触することにより温度が上昇しない部分と、被加熱物の形状に起因して発熱量が小さい部分(以下、「コールドスポット」という)とがある。このコールドスポットは、一般に、パウチ形状であれば中央部分やマイクロ波照射の反対面(下面に相当)、立体形状であれば中心や、4角の角と角との中間等に発生し易い。
【0021】
このような低温度部を具体的に調べるには、使用する包装容器に、β澱粉とヨード(Iz)溶液の混合物や、またはポリアクリル酸ソーダの4%水溶液(粘度が約2万Cp)を充填・密封し、リテーナーに収納してマイクロ波を照射して加熱する。そして、β澱粉とヨード溶液では、温度の高い部分はα澱粉とヨードに変化するので青色に呈色し、温度の低い部分は無色であるので、この色の違いにより判断でき、また、4%ポリアクリル酸ソーダ溶液では、温度の高い部分は水の水蒸気化による泡が発生し、温度の低い部分は泡が発生しないので、この発泡の有無により判断することができる。また、包装食品にサーモラベルを貼り付けても調べることもできる。
【0022】
本発明においては、以上のような方法で調べた低温度部に、発熱材を設けることにより均一に加熱できるようにしている。発熱材としては、導電性物質を用いることができ、例えば、酸化アルミニウムと金属アルミニウムとを混在したものを用い、PETフィルム等の耐熱性のあるフィルムに蒸着等により加工したものを用いることができる。この時、酸化アルミニウムと金属アルミニウムとの混在比(酸化アルミニウム/金属アルミニウム)は、1/4〜9/1が好ましい。混在比が1/4未満の場合は、マイクロ波照射時にスパークを起こす恐れがあり、また、9/1を超えた場合は、熱の発生が少なくなる。
【0023】
発熱材を包装容器に設けるには、包装容器を作製した後、調べた低温度部に該当する部位に接着剤で貼り付けても、また、包装容器を構成する包装材料の一部として一体化して設けることができる。
【0024】
本発明によるマイクロ波殺菌用包装容器は、上述したガスバリヤー性フィルムおよび発熱材が設けられており、かつ、耐熱性を有するとともにヒートシール可能な内層と、シートシール温度に耐えられる外層とを有するものである。内層としては、150℃までの温度に耐え、中身食品への溶出物が少なく、異味・異臭を与えない食品安全衛生性に優れたPPフィルムが最適である。外層としては、ヒートシール温度に耐えられるPETフィルムやO−NYフィルムを用いることができる。
【0025】
前記ガスバリヤーフィルムは、内層と外層との間に中間層として設けても、外層として設けてもよい。例えば、ガスバリヤー層としてPVDC、MXD−6NY、EVOH等を用いた場合は、容器を密封する際のヒートシール温度に耐えられないので中間層として用いることが好ましく、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーを用いた場合は、耐熱性があるので中層の他、外層として用いることができ、外層として用い、外層の耐熱層を兼ねるのがコスト的に好ましい。
【0026】
以上のようなマイクロ波殺菌用包装容器は、食品が充填され、リテーナーに収納されてマイクロ波が照射される。リテーナーは、耐熱性があってマイクロ波を透過する、例えばFRP、ポリカーボネート、ナイロン、ポリアセタール等のエンジニアリングプラスチックで作られる。リテーナーの収納部は、マイクロ波殺菌用包装容器が加熱された際、所定の形状で加熱延伸成形されるように、その所定の形状に形成されることが好ましい。
【0027】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的にさらに詳しく説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものでない。
【0028】
[包装材料A]
厚み12μmのPETフィルムの片面にポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーを1μmの厚みでコートしたガスバリヤー性フィルムと、このガスバリヤー性フィルムのPETフィルム面にポリウレタン接着剤で積層した厚み60μmのCPPフィルムとで構成されている。すなわち、包装した際、外側から、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマー(1μm)/PETフィルム(12μm)/ポリウレタン接着剤(3g/m2)/CPPフィルム(60μm)となる積層体である。
なお、酸素バリヤー性は、0.2ml/m2・D・atmであった。
【0029】
[包装材料B]
包装材料Bは、包装材料Aに対し、ガスバリヤー性フィルムとCPPフィルムとの間に発熱材層が積層された点が異なり、その他の層構成は同一である。
【0030】
すなわち、厚み12μmのPETフィルムの片面にポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーを1μmの厚みでコートしたガスバリヤー性フィルムと、このガスバリヤー性フィルムのPETフィルム面に蒸着させた(Al2O3+Al)の混合無機蒸着層からなる発熱材層と、この発熱材層にポリウレタン接着剤で積層した厚み60μmのCPPフィルムとで構成されている。すなわち、包装した際、外側から、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマー(1μm)/PET(12μm)/混合無機蒸着層(700Å)/ポリウレタン接着剤(3g/m2)/CPPフィルム(60μm)となる積層体である。
【0031】
なお、酸素バリヤー性は、包装材料Aと同一の0.2ml/m2・D・atmであった。
【0032】
[比較例1]
包装材料Aを用いてパウチ(12cm×16cm)を作製した。
【0033】
[実施例1]
上面に包装材料Aを用い、下面に包装材料Bを用いてパウチ(12cm×16cm)を作製した。すなわち、実施例1においては、比較例1に対し、下面に発熱材層が積層されている点が異なる。
【0034】
[試験方法]
比較例1および実施例1で得られたパウチの上面および下面の3箇所にサーモラベルを貼付した。サーモラベルを貼付した個所を図1に示す。図1において、10はパウチで、このパウチ10の上面11のA、B、Cにそれぞれサーモラベル20を貼付するとともに、下面12のA’、B’、C’にもサーモラベル20を貼付した。このサーモラベルを貼付したパウチに、耐熱菌のバチルス、ズブチリスを104個/g植菌した4%ポリアクリル酸ソーダ水溶液150gを充填し、ヒートシールにより封した。この密封したパウチを、収納部が直板状であり、容積がパウチより15%大きく、収納部の一部に点字を彫り込んだポリカーボネートで作ったリテーナーに収納し、600Wの電子レンジで170秒間マイクロ波を照射した。そして、電子レンジから取り出した後、加熱延伸成形された部分の酸素バリヤー性、パウチの表面温度(サーモラベル温度)、内容物の残存菌数、パウチの形状を調べた。
【0035】
[酸素バリヤー性]
酸素バリヤー性の測定は、MOCON(登録商標)社製,酸素透過度測定機,『OX−TRAN(登録商標),MODEL2/21』を用い、温度30℃、湿度80%RHの条件下で測定した。
なお、結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
以上の結果より、マイクロ波照射後も比較例1および実施例1とも照射前と同じ数値であり、150℃の加熱でも、また延伸成形された後でも酸素ガスバリヤー性の低下がないことが判る。
【0038】
[表面温度の測定]
ミクロン(株)製,『サーモラベル,6R−132』および『CR−D』を用いた。
結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】
以上の結果より、比較例1は、下面の中央部の温度が低いが、実施例1は、下面の中央部の温度が、上面の中央部の温度と同じになっているのが判る。すなわち、発熱材の積層により、温度が低下しないことが確認された。
【0041】
[残存菌数]
内容物の4%ポリアクリル酸ソーダ水溶液を採取し、減菌水で希釈して、標準寒天培地で35℃−2日間培養し、1g当りの個数を数えた。
結果を表3に示す。
【0042】
【表3】
【0043】
以上の結果より、比較例1には残存菌が存在したが、実施例1には残存菌は存在しなかった。これは、比較例1においては加熱ムラにより菌が死滅しなかったが、実施例1においては加熱ムラが解消されたので、菌が死滅したものである。
【0044】
[マイクロ波照射後のパウチの形状]
リテーナーの収納部から取り出したパウチを目視にて観察した。
比較例1および実施例1とも平板状のものが厚さのある立体的な板状に成形され、見栄えが良くなった。また、点字は凸状になり、指で判読可能であった。
【0045】
【発明の効果】
本発明は、以上のように包装容器に発熱材を設けたので、リテーナーに接触した部分においても十分に加熱することができ、また、コールドスポットの発生を防止することができるので、充填した食品を殺菌に足る十分な温度で均一に加熱することができ、殺菌を完全に行なうことができる。
さらに、食品の温度がマイクロ波の照射により150℃まで上昇しても、酸素バリヤー性が1.0ml/m2・D・atm以下、水蒸気バリヤー性が1.0g/m2・D以下であるので、食品の品質を長期間良好に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パウチの表面温度試験に際にサーモラベルを貼付する部位を示す図である。
【符号の説明】
10…パウチ
11…上面
12…下面
20…サーモラベル
Claims (6)
- マイクロ波が透過可能な材質で形成されたリテーナーに収納された状態で、充填された食品がマイクロ波の照射により加熱殺菌される包装容器であって、食品の温度がマイクロ波の照射により150℃まで上昇しても、酸素バリヤー性が1.0ml/m2・D・atm以下、水蒸気バリヤー性が1.0g/m2・D以下であり、マイクロ波を照射した際に温度の上昇が小さい部位に少なくとも設けられたマイクロ波により発熱する発熱材を有することを特徴とするマイクロ波殺菌用包装容器。
- ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、メタキシレンジアミン(MXD−6NY)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)又はポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーからなるガスバリヤー層が設けられていることを特徴とする請求項1記載のマイクロ波殺菌用包装容器。
- 前記発熱材が、酸化アルミニウムと金属アルミニウムとが混在した蒸着物であることを特徴とする請求項1又は2記載のマイクロ波殺菌用包装容器。
- 前記発熱材が、マイクロ波を照射した際に温度の上昇が小さい部位に貼着されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載のマイクロ波殺菌用包装容器。
- 前記発熱材が積層されている積層体で形成されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載のマイクロ波殺菌用包装容器。
- 前記リテーナーは、マイクロ波殺菌用包装容器が所定の形状で加熱延伸成形されるように所定の形状に形成されていることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のマイクロ殺菌用包装容器。
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US11229095B2 (en) | 2014-12-17 | 2022-01-18 | Campbell Soup Company | Electromagnetic wave food processing system and methods |
-
2003
- 2003-05-20 JP JP2003141555A patent/JP2004345648A/ja not_active Withdrawn
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