JP2004345020A - 円筒体切断装置 - Google Patents

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Haruhiko Seto
晴彦 瀬戸
Takehito Kaneko
威仁 金子
Tomotoki Odate
智勅 大館
Eiichi Kawai
栄一 川井
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Tokyo Electric Power Co Inc
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Abstract

【課題】変電所や洞道内等の狭小なスペースにおいても円筒体の切断作業を安全確実かつ迅速に行うことができる円筒体切断装置を提供する。
【解決手段】中央部に長さ方向に沿うスリットを有し、切断すべき円筒体の円周上に巻き付けられるベルト12と、高圧水を供給するホースが接続されて円筒体に対して高圧水を噴射する噴射ノズル14と、台本体の上部に配設されたチェーン受け車輪27a、27b、ベルト上を回動するように台本体の下部に配設されたガイド車輪29a、29b、噴射ノズルを保持するノズル保持部及びガイド車輪を回転駆動するモータをそれぞれ備えた移動本体15と、移動本体のチェーン受け車輪に掛け渡され円筒体の円周上に巻き付けられるチェーン16とを備えている。
噴射ノズル14はその噴射口がスリットに対向すると共に円筒体の周面に対して傾斜するようにノズル保持部30に取付けられている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、変電所や洞道内等に設置された消火液タンク、油槽等を撤去、搬出するために輪切り状に切断するのに好適な円筒体切断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
変電所や洞道内には電気ケーブルや配管類と共に、消火液タンク、油槽が多数設置されている。
これらの消火液タンク、油槽の中には、経年腐食し不使用になっているものもある。また、これらの消火液タンク、油槽の設置箇所はケーブルや配管類が輻輳している上に、消火液タンク等を移動するスペースやマンホール等の通路が狭小であることが多い。
このため、不要な消火液タンク、油槽等を変電所や洞道内の設置箇所から撤去、搬出して設備更新を行うに当たり、消火液タンク、油槽等を適当な大きさに切断して変電所や洞道の外に運び出すことが検討されている。
なお、従来から円筒体類を輪切り状に切断する装置は知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
実用新案登録第2603705号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の技術には、次のような解決すべき課題があった。
消火液タンク、油槽の切断作業を行う場所が変電所や洞道内であるために、次の作業条件を満足することが望まれている。すなわち、火気厳禁であること、人身安全であること、小スペースで撤去、搬出作業が可能であること、ケーブルや配管類等の周囲構築物への防護対策としての影響がないこと、マンホール開放時間制約があることから作業効率が良いこと、自動化により安定した大量切断が可能であって低コストであること等が挙げられる。
【0005】
本発明は、以上の点に着目して高圧水ノズルを採用することとし、変電所や洞道内等の狭小なスペースにおいても円筒体の切断作業を安全確実かつ迅速に行うことができる円筒体切断装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は以上の点を解決するため次の構成を採用する。
【0007】
〈構成1〉
切断すべき円筒体の円周上に巻き付けられる取付部材と、高圧水を供給するホースが接続されて上記円筒体に対して高圧水を噴射する噴射ノズルと、上記噴射ノズルを保持するノズル保持部を備え上記取付部材上を円周方向に移動する移動本体とからなり、上記噴射ノズルを、その先端の噴射口が上記円筒体の軸方向と直交する面に対して所定の角度で傾斜するように上記ノズル保持部に取付けたことを特徴とする円筒体切断装置。
【0008】
取付部材は、移動本体を移動可能に円筒体に保持するもので、例えば移動本体に設けたチェーン受け車輪に掛け渡されて円筒体の円周上に巻き付けられるチェーン等が用いられる。
移動本体は、切断しようとする円筒体の周面に沿って走行する。このとき、噴射ノズルは円筒体に高圧水を噴射して周方向に切断していく。
噴射ノズルは、高圧水を供給するホースと、必要に応じて研磨剤を供給するホースとがそれぞれ接続され、先端の噴射口から高圧水と研磨剤が混合されたものを噴射する周知構造のものである。噴射ノズルから噴射された研磨剤を含む高圧水は、適時、ホースを介してバキューム吸引されて外部に置かれた排水槽に排出される。
また、噴射ノズルを、円筒体の軸方向と直交する面に対して所定の角度(傾斜角度)をもって傾斜させなかった場合、すなわち、傾斜角度を0度とした場合は、噴射ノズルの噴射口から噴射された高圧水が先ず円筒体を外側から切断した後、円筒体内を通過して内側から円筒体を押圧もしくは切断して、円筒体の外側に巻き付けられている取付部材等を損傷するおそれがある。しかし、噴射ノズルを所定の角度をもって傾斜させることにより、上記のような取付部材等の損傷を防止することができる。
【0009】
〈構成2〉
中央部に長さ方向に沿うスリットを有し、切断すべき円筒体の円周上に巻き付けられるベルトと、高圧水を供給するホースが接続されて上記円筒体に対して高圧水を噴射する噴射ノズルと、回転自在に配設されたチェーン受け車輪、上記ベルト上を回動できるように配設されたガイド車輪、上記噴射ノズルを保持するノズル保持部及び上記ガイド車輪を回転駆動するモータをそれぞれ備えた移動本体と、上記チェーン受け車輪に掛け渡されて、上記円筒体の円周上に巻き付けられるチェーンとからなり、上記噴射ノズルを、その先端の噴射口が上記スリットに対向すると共に上記円筒体の軸方向と直交する面に対して所定の角度で傾斜するように上記ノズル保持部に取付けたことを特徴とする円筒体切断装置。
【0010】
移動本体は、切断しようとする円筒体に巻き付けられたベルトに沿って走行する。このとき、噴射ノズルはベルト中央部のスリットから露出した円筒体に高圧水を噴射して周方向に切断していく。
ベルトとしては、スリットを設ける代りに、長さ方向に沿って2分割されたものを、スリットと同程度の間隔を置いて円筒体の周上に配置するようにしてもよく、したがってこのようにされる2分割ベルトを含んでいる。ベルトは円筒体に締付ボルト等を介して着脱自在に取付けられる。
移動本体は、チェーン受け車輪に掛け渡されて、円筒体の円周上に巻き付けられるチェーンによって円筒体に保持され、この保持された状態で、モータを駆動させガイド車輪を回転することにより、ベルトに沿って円筒体の円周上を走行する。チェーンは、移動本体を含む装置全体を円筒体に保持させる役目と、円筒体の円周上を走行させるときのガイドの役目とを兼用している。こうすることによって全体構造の簡素化を図っている。
移動本体が走行する範囲は約3分の1周ずつである。従って円筒体の全周を切断するには、ベルトの取付け位置を約3分の1周ずつ2回ずらす作業を行う。
【0011】
〈構成3〉
構成1又は2記載の円筒体切断装置において、上記噴射ノズルの、上記円筒体の軸方向と直交する面に対する角度を、3〜10度の範囲とすることを特徴とする円筒体切断装置。
【0012】
噴射ノズルを3〜10度の角度をもって傾斜させることにより、ベルト等の損傷を防止する効果が得られるが、噴射ノズルの傾斜角度が小さすぎるとベルト等の損傷防止効果が得られず、また傾斜角度が大き過ぎると水噴射による切断力が減殺されて作業効率が低下する。
【0013】
〈構成4〉
構成2記載の円筒体切断装置において、上記ベルト中央部のスリットを跨ぐ間隔で少なくとも2対の上記ガイド車輪が設けられ、上記噴射ノズルを、上記2対のガイド車輪の中間に配設したことを特徴とする円筒体切断装置。
【0014】
ノズル保持部は噴射ノズルからの高圧水の噴射による高圧力の逆噴射力を受けることになるが、噴射ノズルを2対のガイド車輪の中間に配設することにより、噴射ノズルをバランスよく安定した状態で保持することができる。
【0015】
〈構成5〉
構成2又は4記載の円筒体切断装置において、上記ベルトの縁部に、上記移動本体のガイド車輪を支持する突条を設けたことを特徴とする円筒体切断装置。
【0016】
切断装置の使用態様としては、切断すべき円筒体の向きが、横向き(円筒体の軸方向が水平)の場合と縦向き(円筒体の軸方向が鉛直)の場合とがある。円筒体が横向きの場合は、特に問題は生じないが、円筒体が縦向きの場合は、移動本体が切断作業中に自重で下降し易くなる。このためベルトの縁部に、ガイド車輪を支持する突条を設けることにより、移動本体の重量を突条によって受け止めるようにしている。従って、安定した切断作業を行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を具体例を用いて説明する。
図1は、本発明に係る円筒体切断装置の一実施態様を示す模式図であり、洞道内に設置された外径500〜600mm、肉厚約10mmの鋼板からなる消火液タンク11を、水平方向に切断(輪切り)する作業状況を示している。図1では作図上、多段に布設されているケーブル9の一部を欠截して示している。図2は同装置の詳細を示す正面図である。図3は同平面図であるが、後で説明する移動本体の走行状態を示している。
【0018】
図1〜3において、本発明の切断装置10は、切断すべき円筒体である消火液タンク11の円周上に巻き付けられるベルト12と、消火液タンク11に対して高圧水を噴射する噴射ノズル14と、この噴射ノズル14等を取付ける移動本体15と、消火液タンク11の円周上に巻き付けられる金属製のチェーン16とから構成されている。
【0019】
ベルト12はステンレス鋼製であり、中央部に長さ方向に沿うスリット20が設けられている。ベルト12は、消火液タンク11に巻き付けることができる長さを有しており、図2、図3に示すように、その両端が、補助ベルト13に係止された2本の締付ボルト18を介して着脱自在に連結されるようにされている。
噴射ノズル14は、図1に示すように、高圧水を供給するホース21と、研磨剤を供給するホース22とがそれぞれ接続され、ノズル噴射口から高圧水と研磨剤が混合されたものを高圧噴射する周知構造のものである。
【0020】
研磨剤は研磨剤タンク24から供給され、噴射ノズル14の噴射口近傍で高圧水と混合される。研磨剤としては、ガーネットといわれる、材質が天然石の金剛石、石榴石が好適に使用される。消火液タンク11内には、高圧水及び研磨剤をバキューム吸引して外部に置かれた排水槽に排出するためのホース25が連結されている。ホース25に接続されるポンプは図示を省略している。
【0021】
移動本体15は、対向配置された1対の板状部材26、26の間に、前後に1対が配設されたチェーン受け車輪27a、27b(図3)と、ベルト12上を回動するように板状部材26に、前後左右に2対が配設されたガイド車輪29a、29bと、噴射ノズル14を保持するノズル保持部30と、板状部材26に支承されてガイド車輪29a、29bを回転駆動するモータ32とから構成されている。
【0022】
図2に示されるように2対のガイド車輪29a、29bは、対向配置された1対の板状部材26、26の間に設けられた軸体34に、ベルト12のスリット20を跨ぐ間隔で設けられている。噴射ノズル14は、2対のガイド車輪29a、29bの中間に配設されている。ノズル保持部30は噴射ノズル14からの高圧水の噴射による高圧力の逆噴射力を受けることになるが、噴射ノズル14を2対のガイド車輪29a、29bの中間位置に配設することにより、噴射ノズル14をバランスよく保持している。
【0023】
ベルト12の縁部に突条19が設けられている。突条19を設けたベルト12の横断面はL字状を呈している。この突条19によって移動本体のガイド車輪29a、29bの外縁部を支持するようにしている。ガイド車輪29a、29bの外縁部を支持することにより、移動本体15の重量を受け止めている。
【0024】
板状部材26に支承されたモータ32の駆動軸33と、ガイド車輪29a、29bの回転軸34には、それぞれ駆動輪35、36が対向して配設され、両輪間に駆動ベルト37が張架されている。
チェーン16は、板状部材26の上部に配設されたチェーン受け車輪27a、27bに掛け渡されて消火液タンク11の円周上のベルト12に沿って巻き付けられる長さを有している。
【0025】
図2に、チェーン16及びチェーン受け車輪27a、27bの図示を省略してあるが、これは図がきわめて煩雑になるのを回避したためである。実際にはチェーン16は、一方のガイド車輪29aの外方に位置するチェーン受け車輪27a、27bに掛け渡されて図2におけるベルト12の上部(スリット20より上の部分)に沿って巻き付けられている。チェーン16の両端は、補助ベルト17に係止されたスプリング39付きの締付ボルト40を介して着脱自在に連結される。すなわち、チェーン16はスプリング39によって常時一定の張力で移動本体15を押えられるようにされている。
【0026】
噴射ノズル14は、図2に示されるように、その噴射口がベルト12のスリット20に対向すると共に、消火液タンク11の周面に対して下方に傾斜するようにノズル保持部30に取付けられている。すなわち、噴射ノズル14は、消火液タンク11の軸方向と直交する面に対して所定の角度(傾斜角度)をもって傾斜されており、その傾斜角度としては、3〜10度の範囲内とすることが好ましい。傾斜角度が3度未満では使用時にベルト12等の損傷防止効果が得られず、また傾斜角度が10度を越えると水噴射による切断力が減殺されることになり作業効率が低下するからである。
【0027】
本発明の切断装置10により、洞道内に設置された消火液タンクを水平方向に切断する際には、移動本体15は、チェーン受け車輪27a、27bに掛け渡されて消火液タンク11の円周上に巻き付けられるチェーン16によって消火液タンク11に保持される。このように保持された状態で、モータ32を駆動させることによりベルト12に沿って消火液タンク11の円周上を走行し、噴射ノズル14からの高圧水によって切断を行う。
【0028】
移動本体15が走行して切断する範囲は140度/周であり、約3分の1周である。従って円筒体の全周を切断するには、ベルト12の締付ボルト18とチェーン16の締付ボルト40の取付け位置を、約3分の1周ずつ2回ずらす作業を行ない、それぞれ残りを同様の作業で切断するようにする。
図3は、移動本体15が円筒体を約3分の1周するときに、3箇所での移動本体15とチェーン16の状態を示している。
【0029】
【発明の効果】
本発明の円筒体切断装置によれば、狭小なスペースにおいても円筒体の切断作業を安全確実かつ迅速に行うことができるので、変電所や洞道内等に設置された不要な消火液タンク、油槽等を容易に撤去、搬出することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る円筒体切断装置の一実施態様を示す模式図である。
【図2】同装置の実施態様を示す正面図である。
【図3】同装置の実施態様を示す平面図である。
【符号の説明】
10 切断装置
11 消火液タンク
12 ベルト
14 噴射ノズル
15 移動本体
16 チェーン
18 締付ボルト
19 突条
20 スリット
26 板状部材
27a、27b チェーン受け車輪
29a、29b ガイド車輪
32 モータ

Claims (5)

  1. 切断すべき円筒体の円周上に巻き付けられる取付部材と、
    高圧水を供給するホースが接続されて前記円筒体に対して高圧水を噴射する噴射ノズルと、
    前記噴射ノズルを保持するノズル保持部を備え前記取付部材上を円周方向に移動する移動本体とからなり、
    前記噴射ノズルを、その先端の噴射口が前記円筒体の軸方向と直交する面に対して所定の角度で傾斜するように前記ノズル保持部に取付けたことを特徴とする円筒体切断装置。
  2. 中央部に長さ方向に沿うスリットを有し、切断すべき円筒体の円周上に巻き付けられるベルトと、
    高圧水を供給するホースが接続されて前記円筒体に対して高圧水を噴射する噴射ノズルと、
    回転自在に配設されたチェーン受け車輪、前記ベルト上を回動できるように配設されたガイド車輪、前記噴射ノズルを保持するノズル保持部及び前記ガイド車輪を回転駆動するモータをそれぞれ備えた移動本体と、
    前記チェーン受け車輪に掛け渡されて、前記円筒体の円周上に巻き付けられるチェーンとからなり、
    前記噴射ノズルを、その先端の噴射口が前記スリットに対向すると共に前記円筒体の軸方向と直交する面に対して所定の角度で傾斜するように前記ノズル保持部に取付けたことを特徴とする円筒体切断装置。
  3. 請求項1又は2記載の円筒体切断装置において、
    前記噴射ノズルの、前記円筒体の軸方向と直交する面に対する角度を、3〜10度の範囲とすることを特徴とする円筒体切断装置。
  4. 請求項2記載の円筒体切断装置において、
    前記ベルト中央部のスリットを跨ぐ間隔で少なくとも2対の前記ガイド車輪が設けられ、前記噴射ノズルを、前記2対のガイド車輪の中間に配設したことを特徴とする円筒体切断装置。
  5. 請求項2又は4に記載の円筒体切断装置において、
    前記ベルトの縁部に、前記移動本体のガイド車輪を支持する突条を設けたことを特徴とする円筒体切断装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101283408B1 (ko) * 2011-07-29 2013-07-08 (주)건우기술 선혼합형 연마재 워터젯을 이용한 석유류 및 가스 배관 냉각 절단 장치
JP2017013185A (ja) * 2015-07-01 2017-01-19 栗田エンジニアリング株式会社 筒状体の切断方法

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